特許第5756576号(P5756576)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5756576
(24)【登録日】2015年6月5日
(45)【発行日】2015年7月29日
(54)【発明の名称】油圧ショベル
(51)【国際特許分類】
   E02F 9/22 20060101AFI20150709BHJP
   E02F 9/20 20060101ALI20150709BHJP
【FI】
   E02F9/22 E
   E02F9/20 N
【請求項の数】5
【全頁数】20
(21)【出願番号】特願2014-548223(P2014-548223)
(86)(22)【出願日】2014年4月24日
(86)【国際出願番号】JP2014061537
(87)【国際公開番号】WO2014192473
(87)【国際公開日】20141204
【審査請求日】2014年10月21日
(31)【優先権主張番号】PCT/JP2013/082825
(32)【優先日】2013年12月6日
(33)【優先権主張国】JP
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000001236
【氏名又は名称】株式会社小松製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】特許業務法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】▲高▼浦 健
【審査官】 石川 信也
(56)【参考文献】
【文献】 特開平05−272154(JP,A)
【文献】 特開平05−272155(JP,A)
【文献】 特開平07−207697(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E02F 9/20− 9/24
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ブームと、
刃先を有するバケットと、
ブーム下げ用パイロットポートを有し、前記ブームを作動制御するブーム用パイロット切換弁と、
前記ブーム下げ用パイロットポートに接続されたブーム下げ用パイロット管路と、
前記ブーム下げ用パイロット管路に設けられたブーム下げ用比例電磁弁と、
オペレータが操作するための操作レバーと、
前記操作レバーと前記ブーム下げ用比例電磁弁との間の前記ブーム下げ用パイロット管路に生じる圧力を検出する第1圧力センサと、
前記第1圧力センサにより検出された圧力に基づいて前記ブーム下げ用比例電磁弁の開度を制御するコントローラとを備え、
前記刃先が設計面に近づくように前記操作レバーが操作されるとき、前記コントローラは、前記ブーム下げ用比例電磁弁に対して出力する電流値を零から緩やかに増加する、油圧ショベル。
【請求項2】
前記コントローラが前記ブーム下げ用比例電磁弁に対して開度増加を指示する指令信号を出力するときの単位時間当たりの電流の増加量は、前記コントローラが前記ブーム下げ用比例電磁弁に対して開度減少を指示する指令信号を出力するときの単位時間当たりの電流の減少量よりも小さい、請求項1に記載の油圧ショベル。
【請求項3】
前記ブーム用パイロット切換弁は、ブーム上げ用パイロットポートをさらに有し、
前記油圧ショベルは、
前記ブーム上げ用パイロットポートに接続されたブーム上げ用パイロット管路と、
前記ブーム上げ用パイロット管路に設けられたブーム上げ用比例電磁弁と、
前記操作レバーと前記ブーム上げ用比例電磁弁との間の前記ブーム上げ用パイロット管路に生じる圧力を検出する第2圧力センサとをさらに備え、
前記コントローラは、前記第2圧力センサにより検出された圧力に基づいて前記ブーム上げ用比例電磁弁の開度を制御し、
前記コントローラが前記ブーム下げ用比例電磁弁に対して開度増加を指示する指令信号を出力するときの単位時間当たりの電流の増加量は、前記コントローラが前記ブーム上げ用比例電磁弁に対して開度増加を指示する指令信号を出力するときの単位時間当たりの電流の増加量よりも小さい、請求項1または請求項2に記載の油圧ショベル。
【請求項4】
記コントローラは、前記設計面よりも前記刃先の位置が下がらないように、前記ブームを制御する、請求項1または請求項2に記載の油圧ショベル。
【請求項5】
前記コントローラは、衛星通信を介して外部との間で情報を送受信する、請求項1または請求項2に記載の油圧ショベル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、油圧ショベルに関する。
【背景技術】
【0002】
従来の油圧ショベルに関し、特開平7−207697号公報(特許文献1)には、ブーム用パイロット切換弁のブーム下げ用パイロットポートに接続される管路に絞り部付油路位置を備えた電磁切換弁を設ける構成が開示されている。また、特許文献1には、ブーム下げ用パイロットポート側に圧力センサを設け、その圧力センサが検出する圧力信号をコントローラに入力する構成が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平7−207697号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
近年、作業車両では、外部から設計面情報を取得した上で、作業機の位置検出を行い、検出された作業機の位置に基づいて作業機を自動制御する施工手法が知られている。
【0005】
油圧ショベルを用いた整地作業において、バケットの刃先を設計面に位置合わせする場合、設計面にバケットの刃先が食い込むことを回避するために、刃先が設計面に接する位置で作業機の動作を自動停止させる制御が行われる。バケットの刃先の精密な位置合わせのためには、油圧ショベルを操作するオペレータは、作業機が自動停止するまで操作レバーをブーム下げ側に操作し続けることが好ましい。
【0006】
このように操作レバーをブーム下げ側に操作し続けると、作業機の自動停止後に車体に揺れが発生して刃先が設計面から上に離れた瞬間にブーム下げが実行されることになる。この結果、刃先が設計面を侵食している可能性がある。
【0007】
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、作業機による設計面の侵食を抑制できる技術を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る油圧ショベルは、ブームと、ブーム用パイロット切換弁と、ブーム下げ用パイロット管路と、ブーム下げ用比例電磁弁と、操作レバーと、第1圧力センサと、コントローラとを備えている。ブーム用パイロット切換弁は、ブーム下げ用パイロットポートを有しており、ブームを作動制御する。ブーム下げ用パイロット管路は、ブーム下げ用パイロットポートに接続されている。ブーム下げ用比例電磁弁は、ブーム下げ用パイロット管路に設けられている。操作レバーは、オペレータが操作するためのものである。第1圧力センサは、操作レバーとブーム下げ用比例電磁弁との間のブーム下げ用パイロット管路に生じる圧力を検出する。コントローラは、第1圧力センサにより検出された圧力に基づいて、ブーム下げ用比例電磁弁の開度を制御する。コントローラは、ブーム下げ用比例電磁弁に対して出力する電流値を、零から緩やかに増加する。
【0009】
本発明の油圧ショベルによれば、オペレータの操作に対するブームの下げ動作の応答速度を低下させることにより、車体の揺れにより刃先が一時的に設計面より上に離れたときの、再度のブーム下げの実行を抑制できる。したがって、車体の揺れが収束した後に刃先が設計面よりも下方に位置して設計面が侵食される不具合を、防止することができる。
【0010】
上記の油圧ショベルにおいて、コントローラがブーム下げ用比例電磁弁に対して開度増加を指示する指令信号を出力するときの単位時間当たりの電流の増加量は、コントローラがブーム下げ用比例電磁弁に対して開度減少を指示する指令信号を出力するときの単位時間当たりの電流の減少量よりも小さい。このようにすれば、ブームの下げ動作が必要なくなったときのブームの下げ動作を速やかに停止することができる。
【0011】
上記の油圧ショベルにおいて、ブーム用パイロット切換弁は、ブーム上げ用パイロットポートをさらに有している。油圧ショベルは、ブーム上げ用パイロット管路と、ブーム上げ用比例電磁弁と、第2圧力センサとをさらに備えている。ブーム上げ用パイロット管路は、ブーム上げ用パイロットポートに接続されている。ブーム上げ用比例電磁弁は、ブーム上げ用パイロット管路に設けられている。第2圧力センサは、操作レバーとブーム上げ用比例電磁弁との間のブーム上げ用パイロット管路に生じる圧力を検出する。コントローラは、第2圧力センサにより検出された圧力に基づいてブーム上げ用比例電磁弁の開度を制御する。コントローラがブーム下げ用比例電磁弁に対して開度増加を指示する指令信号を出力するときの単位時間当たりの電流の増加量は、コントローラがブーム上げ用比例電磁弁に対して開度増加を指示する指令信号を出力するときの単位時間当たりの電流の増加量よりも小さい。このようにすれば、ブームの上げ操作の応答速度を維持しながら、ブームの下げ操作の応答速度を低下することができる。
【0012】
上記の油圧ショベルは、刃先を有するバケットをさらに備えている。コントローラは、施工設計データよりも刃先の位置が下がらないように、ブームを制御する。このようにすれば、施工設計データに合わせて整地作業を行うことができるので、油圧ショベルを用いた整地作業の品質および効率を向上することができる。
【0013】
上記の油圧ショベルにおいて、コントローラは、衛星通信を介して外部との間で情報を送受信する。このようにすれば、外部との間で送受信された情報に基づく情報化施工が可能になり、油圧ショベルを用いた高効率かつ高精度な整地作業を実現することができる。
【発明の効果】
【0014】
以上説明したように本発明によれば、バケットの刃先を設計面に位置合わせする場合に、作業機の自動停止後に車体に揺れが発生しても、刃先が一時的に設計面より上に離れたときの再度のブーム下げの実行を抑制できる。したがって、車体の揺れが収束した後に刃先が設計面よりも下方に位置して設計面が侵食される不具合を、防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明の一実施形態における油圧ショベルの構成を示す概略斜視図である。
図2】油圧ショベルのキャブ内部の斜視図である。
図3】油圧ショベルに情報の送受信を行う構成の概略を示す模式図である。
図4】油圧ショベルに適用される油圧回路図である。
図5】油圧ショベルを用いた整地作業における、作業機の位置合わせ前の概略図である。
図6】油圧ショベルを用いた整地作業における、作業機の位置合わせ後の概略図である。
図7】本発明適用前の油圧ショベルにおけるブーム下げ指令時の電流の変化を示すグラフである。
図8】実施形態の油圧ショベルにおけるブーム下げ指令時の電流の変化を示すグラフである。
図9】実施形態の油圧ショベルにおけるブーム上げ指令時の電流の変化を示すグラフである。
図10】比例電磁弁の開度を増加するときの電流値の増加を示すグラフである。
図11】比例電磁弁の開度を減少するときの電流値の減少を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施形態について図に基づいて説明する。
まず、本発明の思想を適用可能な油圧ショベルの構成について説明する。
【0017】
図1は、本発明の一実施形態における油圧ショベル1の構成を示す概略斜視図である。図1に示すように、油圧ショベル1は、下部走行体2と、上部旋回体3と、作業機5とを主に備えている。下部走行体2と上部旋回体3とにより、作業車両本体が構成されている。
【0018】
下部走行体2は、左右一対の履帯を有している。一対の履帯が回転することにより、油圧ショベル1が自走可能なように構成されている。上部旋回体3は、下部走行体2に対して旋回自在に設置されている。
【0019】
上部旋回体3は、オペレータが油圧ショベル1を操作するための空間であるキャブ4を含んでいる。キャブ4は、作業車両本体に含まれている。上部旋回体3は、後方側Bに、エンジンを収納するエンジンルーム、およびカウンタウェイトを含んでいる。なお、本実施形態では、オペレータがキャブ4内に着座したときに、オペレータの前方側(正面側)を上部旋回体3の前方側Fと称し、これと反対側、つまりオペレータの後方側を上部旋回体3の後方側Bと称し、着座状態でのオペレータの左側を上部旋回体3の左側Lと称し、着座状態でのオペレータの右側を上部旋回体3の右側Rと称する。以下では、上部旋回体3の前後左右と油圧ショベル1の前後左右とは一致しているものとする。
【0020】
土砂の掘削などの作業を行う作業機5は、上下方向に作動可能に、上部旋回体3により軸支されている。作業機5は、上部旋回体3の前方側Fの略中央部に上下方向に作動可能に取り付けられたブーム6と、ブーム6の先端部に前後方向に作動可能に取り付けられたアーム7と、アーム7の先端部に前後方向に作動可能に取り付けられたバケット8とを有している。バケット8は、その先端に刃先8aを有している。ブーム6、アーム7およびバケット8はそれぞれ、油圧シリンダであるブームシリンダ9、アームシリンダ10およびバケットシリンダ11によって、駆動されるように構成されている。
【0021】
キャブ4は、上部旋回体3の前方側Fの左側Lに配置されている。作業機5は、キャブ4に対し、キャブ4の一方の側部側である右側Rに設けられている。なお、キャブ4と作業機5との配置は図1に示す例に限られるものではなく、たとえば上部旋回体3の前方右側に配置されたキャブ4の左側に作業機5が設けられていてもよい。
【0022】
図2は、油圧ショベル1のキャブ4内部の斜視図である。図2に示すように、キャブ4の内部には、オペレータが前方側Fを向いて着座する運転席24が配置されている。キャブ4は、運転席24を覆って配置されている屋根部分と、屋根部分を支持する複数のピラーとを含んでいる。複数のピラーは、運転席24に対し前方側Fに配置されたフロントピラーと、運転席24に対し後方側Bに配置されたリアピラーと、フロントピラーとリアピラーとの間に配置された中間ピラーとを有している。各々のピラーは、水平面に対し直交する垂直方向に沿って延在し、キャブ4の床部と屋根部分とに連結されている。
【0023】
各々のピラーと、キャブ4の床部および屋根部分とによって囲まれた空間は、キャブ4の室内空間を形成している。運転席24は、キャブ4の室内空間に収容されており、キャブ4の床部のほぼ中央部に配置されている。キャブ4の左側Lの側面には、オペレータがキャブ4に乗降するためのドアが設けられている。
【0024】
運転席24に対し前方側Fに、前窓が配置されている。前窓は、透明材料により形成されており、運転席24に着座しているオペレータは前窓を通してキャブ4の外部を視認可能である。たとえば図2に示すように、運転席24に着座しているオペレータは、前窓を通して、土砂を掘削するバケット8を直接見ることができる。
【0025】
キャブ4内部の前方側Fには、モニタ装置26が設置されている。モニタ装置26は、キャブ4内の右前側の角部に配置されており、キャブ4の床部から延びる支持台により支持されている。モニタ装置26は、フロントピラーに対し運転席24側に配置されている。モニタ装置26は、運転席24に着座しているオペレータから見て、フロントピラーの手前側に配置されている。
【0026】
モニタ装置26は、多目的に使用されるため、各種のモニタ機能を有する平面状の表示面26dと、多機能が割り当てられた複数のスイッチを有するスイッチ部27と、表示面26dに表示される内容を音声で表現する音声発生器28とを備えている。この表示面26dは液晶表示器、有機EL表示器などの、グラフィック表示器により構成されている。スイッチ部27は複数のキースイッチから成っているが、これに限定されずタッチパネル式のタッチスイッチであっても構わない。
【0027】
運転席24の前方側Fには、左右各履帯の走行操作レバー(左右走行操作レバー)22a,22bが設けられている。左右走行操作レバー22a,22bは、下部走行体2を操作するための走行操作部22を構成している。
【0028】
運転席24の右側Rには、キャブ4に搭乗しているオペレータが作業機5のうちブーム6およびバケット8の駆動を操作するための、第1操作レバー44が設けられている。運転席24の右側Rにはまた、各種のスイッチ類が装着されているスイッチパネル29が設けられている。運転席24の左側Lには、オペレータが作業機5のうちアーム7の駆動、および上部旋回体3の旋回を操作するための、第2操作レバー45が設けられている。
【0029】
モニタ装置26の上方には、モニタ21が配置されている。モニタ21は、平面状の表示面21dを有している。図2に示すモニタ装置26の表示面26dとモニタ21の表示面21dとを比較して、表示面21dは、表示面26dよりも大きく設けられている。たとえばモニタ装置26が7インチの表示面26dを有しており、モニタ21が12インチの表示面21dを有していてもよい。
【0030】
モニタ21は、一対のフロントピラーのうち、作業機5に近接する側の右側Rのフロントピラーに取り付けられている。モニタ21は、運転席24に着座しているオペレータの右前方への視線の中で、フロントピラーの手前側に配置されている。キャブ4の右側Rに作業機5を備えている油圧ショベル1において、モニタ21を右側Rのフロントピラーに取付けることにより、オペレータは、作業機5とモニタ21との両方を、小さい視線移動量で見ることができる。
【0031】
図3は、油圧ショベル1に情報の送受信を行う構成の概略を示す模式図である。油圧ショベル1は、コントローラ20を備えている。コントローラ20は、作業機5の動作、上部旋回体3の旋回、および下部走行体2の走行駆動などを制御する機能を有している。コントローラ20とモニタ21とは、双方向のネットワーク通信ケーブル23を介して接続されており、油圧ショベル1内の通信ネットワークを形成している。モニタ21およびコントローラ20は、ネットワーク通信ケーブル23を経由して互いに情報を送受信可能となっている。なお、モニタ21およびコントローラ20はそれぞれ、マイクロコンピュータなどのコンピュータ装置を主体として構成されている。
【0032】
コントローラ20と外部の監視局96との間で、情報の送受信が可能となっている。本実施形態では、コントローラ20と監視局96とは、衛星通信を介して通信している。コントローラ20には、衛星通信アンテナ92を有する通信端末91が接続されている。衛星通信アンテナ92は、図1に示すように、上部旋回体3に搭載されている。地上の監視局96には、通信衛星93と専用通信回線で通信する通信地球局94に専用回線で結ばれたネットワーク管制局95が、インターネットなどを経由して接続されている。これにより、通信端末91、通信衛星93、通信地球局94およびネットワーク管制局95を経由して、コントローラ20と所定の監視局96との間でデータが送受信される。
【0033】
本実施形態の油圧ショベル1に情報化施工システムを採用する例について説明する。3次元CAD(Computer Aided Design)で作成された施工設計データは、予めコントローラ20に保存されている。モニタ21は、外部から受信した油圧ショベル1の現状位置を画面上にリアルタイムで更新表示し、オペレータが油圧ショベル1の作業状態を常時確認できるようになっている。
【0034】
コントローラ20は、施工設計データと作業機5の位置および姿勢をリアルタイムで比較し、その比較結果に基づいて油圧回路を駆動することにより、作業機5を制御する。より具体的には、施工設計データに従った施工されるべき位置(設計面)とバケット8の位置とを比較して、設計面以上は掘り込まないように、バケット8の刃先8aが設計面よりも低く位置しないように制御される。これにより、施工効率および施工精度を向上することができ、高品質の建設施工を容易に行うことが可能になる。
【0035】
図4は、油圧ショベル1に適用される油圧回路図である。図4に示す本実施形態の油圧システムでは、第1油圧ポンプ31および第2油圧ポンプ32が、エンジン33によって駆動される。第1油圧ポンプ31および第2油圧ポンプ32は、ブームシリンダ9、アームシリンダ10、バケットシリンダ11、および走行モータ16,17などの油圧アクチュエータを駆動するための駆動源となる。第1油圧ポンプ31および第2油圧ポンプ32から吐出された作動油は、メイン操作弁34を経由して、油圧アクチュエータに供給される。油圧アクチュエータに供給された作動油は、メイン操作弁34を介してタンク35に排出される。
【0036】
メイン操作弁34は、アーム用パイロット切換弁36、ブーム用パイロット切換弁37、左走行用パイロット切換弁38、右走行用パイロット切換弁39、およびバケット用パイロット切換弁40を有している。アーム用パイロット切換弁36は、アームシリンダ10への作動油の供給および排出を制御する。ブーム用パイロット切換弁37は、ブームシリンダ9への作動油の供給および排出を制御する。左走行用パイロット切換弁38は、左走行モータ17への作動油の供給および排出を制御する。右走行用パイロット切換弁39は、右走行モータ16への作動油の供給および排出を制御する。バケット用パイロット切換弁40は、バケットシリンダ11への作動油の供給および排出を制御する。
【0037】
アーム用パイロット切換弁36、ブーム用パイロット切換弁37、左走行用パイロット切換弁38、右走行用パイロット切換弁39、およびバケット用パイロット切換弁40は、それぞれ一対のパイロットポートp1,p2を有している。各パイロットポートp1,p2に供給される油の圧力(パイロット圧)に応じて、各パイロット切換弁36〜40が制御される。
【0038】
アーム用パイロット切換弁36、ブーム用パイロット切換弁37、およびバケット用パイロット切換弁40の各パイロットポートp1,p2に印加されるパイロット圧は、第1操作レバー装置41および第2操作レバー装置42が操作されることによって制御される。左走行用パイロット切換弁38および右走行用パイロット切換弁39に印加されるパイロット圧は、図2に示す左右走行操作レバー22a,22bが操作されることによって制御される。オペレータは、第1操作レバー装置41および第2操作レバー装置42を操作することにより、作業機5の動作および上部旋回体3の旋回動作を制御する。オペレータは、左右走行操作レバー22a,22bを操作することにより、下部走行体2の走行動作を制御する。
【0039】
第1操作レバー装置41は、オペレータによって操作される第1操作レバー44と、第1パイロット圧制御弁41A、第2パイロット圧制御弁41B、第3パイロット圧制御弁41C、および第4パイロット圧制御弁41Dとを有している。第1操作レバー44の前後左右の4方向に対応して、第1パイロット圧制御弁41A、第2パイロット圧制御弁41B、第3パイロット圧制御弁41C、第4パイロット圧制御弁41Dが設けられている。
【0040】
第2操作レバー装置42は、オペレータによって操作される第2操作レバー45と、第5パイロット圧制御弁42A、第6パイロット圧制御弁42B、第7パイロット圧制御弁42C、および第8パイロット圧制御弁42Dとを有している。第2操作レバー45の前後左右の4方向に対応して、第5パイロット圧制御弁42A、第6パイロット圧制御弁42B、第7パイロット圧制御弁42C、第8パイロット圧制御弁42Dが設けられている。
【0041】
第1操作レバー44および第2操作レバー45には、作業機5用の油圧シリンダ9,10,11、および旋回モータの駆動を操作するための、それぞれのパイロット圧制御弁41A〜41D,42A〜42Dが接続されている。左右走行操作レバー22a,22bには、左右走行モータ16,17の駆動を操作するための、それぞれのパイロット圧制御弁が接続されている。
【0042】
第1パイロット圧制御弁41Aは、第1ポンプポートX1と、第1タンクポートY1と、第1給排ポートZ1とを有している。第1ポンプポートX1は、ポンプ流路51に接続されている。第1タンクポートY1は、タンク流路52に接続されている。ポンプ流路51およびタンク流路52は、作動油を貯留するタンク35に接続されている。ポンプ流路51には、第3油圧ポンプ50が設けられている。第3油圧ポンプ50は、上述した第1油圧ポンプ31および第2油圧ポンプ32とは別個のポンプである。ただし、第3油圧ポンプ50に代えて第1油圧ポンプ31または第2油圧ポンプ32が用いられてもよい。第1給排ポートZ1は、第1パイロット管路53に接続されている。
【0043】
第1パイロット圧制御弁41Aは、第1操作レバー44の操作に応じて、出力状態と、排出状態とに切り換えられる。第1パイロット圧制御弁41Aは、出力状態では、第1ポンプポートX1と第1給排ポートZ1とを連通させ、第1操作レバー44の操作量に応じた圧力の作動油を第1給排ポートZ1から第1パイロット管路53に出力する。また、第1パイロット圧制御弁41Aは、排出状態では、第1タンクポートY1と第1給排ポートZ1とを連通させる。
【0044】
第2パイロット圧制御弁41Bは、第2ポンプポートX2と、第2タンクポートY2と、第2給排ポートZ2とを有している。第2ポンプポートX2は、ポンプ流路51に接続されている。第2タンクポートY2は、タンク流路52に接続されている。第2給排ポートZ2は、第2パイロット管路54に接続されている。
【0045】
第2パイロット圧制御弁41Bは、第1操作レバー44の操作に応じて、出力状態と、排出状態とに切り換えられる。第2パイロット圧制御弁41Bは、出力状態では、第2ポンプポートX2と第2給排ポートZ2とを連通させ、第1操作レバー44の操作量に応じた圧力の作動油を第2給排ポートZ2から第2パイロット管路54に出力する。また、第2パイロット圧制御弁41Bは、排出状態では、第2タンクポートY2と第2給排ポートZ2とを連通させる。
【0046】
第1パイロット圧制御弁41Aと第2パイロット圧制御弁41Bとは、対になっており、互いに反対向きの第1操作レバー44の操作方向に対応している。たとえば、第1パイロット圧制御弁41Aが第1操作レバー44の前方向への操作に対応し、第2パイロット圧制御弁41Bが第1操作レバー44の後方向への操作に対応している。第1パイロット圧制御弁41Aと第2パイロット圧制御弁41Bとは、第1操作レバー44の操作によって、択一的に選択される。第1パイロット圧制御弁41Aが出力状態であるとき、第2パイロット圧制御弁41Bは排出状態となる。第1パイロット圧制御弁41Aが排出状態であるとき、第2パイロット圧制御弁41Bは出力状態となる。
【0047】
第1パイロット圧制御弁41Aは、ブーム用パイロット切換弁37の第2パイロットポートp2への作動油の供給および排出を制御する。第2パイロット圧制御弁41Bは、ブーム用パイロット切換弁37の第1パイロットポートp1への作動油の供給および排出を制御する。第1操作レバー44の操作に応じて、ブームシリンダ9に対する作動油の供給および排出が制御され、ブームシリンダ9の伸張と収縮とが制御される。これにより、第1操作レバー44の操作に従って、ブーム6の上げ方向または下げ方向への動作が制御される。
【0048】
ブーム用パイロット切換弁37の第1パイロットポートp1は、ブーム6を上昇させる動作時に作動油が供給される、ブーム上げ用パイロットポートとしての機能を有している。ブーム用パイロット切換弁37の第2パイロットポートp2は、ブーム6を下降させる動作時に作動油が供給される、ブーム下げ用パイロットポートとしての機能を有している。
【0049】
第1パイロット圧制御弁41Aを介して第1パイロット管路53に供給されるパイロット圧は、油圧センサ63によって検知される。油圧センサ63は、検知したパイロット圧に応じた電気的な検知信号である圧力信号P3を、コントローラ20に出力する。また、第2パイロット圧制御弁41Bを介して第2パイロット管路54に供給されるるパイロット圧は、油圧センサ64によって検知される。油圧センサ64は、検知したパイロット圧に応じた電気的な検知信号である圧力信号P4を、コントローラ20に出力する。
【0050】
第1操作レバー装置41および第2操作レバー装置42とメイン操作弁34とを接続する油圧経路には、中継ブロック70が設けられている。中継ブロック70は、複数の比例電磁弁73〜79を含んで構成されている。比例電磁弁73は、第1パイロット管路53に設けられている。油圧センサ63は、第1パイロット管路53内の、第1パイロット圧制御弁41Aと比例電磁弁73との間に設けられている。比例電磁弁74は、第2パイロット管路54に設けられている。油圧センサ64は、第2パイロット管路54内の、第2パイロット圧制御弁41Bと比例電磁弁74との間に設けられている。比例電磁弁73,74は、第1操作レバー44の操作に応じてブーム6の上下動作を制御するために設けられている。
【0051】
コントローラ20は、油圧センサ63が検知した第1パイロット管路53のパイロット圧に基づいて、比例電磁弁73を制御する。油圧センサ63は、第1操作レバー44の操作に従って第1パイロット圧制御弁41Aと比例電磁弁73との間の第1パイロット管路53内に生じる油圧を検出する、第1圧力センサとしての機能を有している。コントローラ20は、油圧センサ63で検出した油圧に応じて、比例電磁弁73に指令信号G3を出力してその開度を調節し、これにより第1パイロット管路53を流れる作動油の流量を変化させ、ブーム用パイロット切換弁37の第2パイロットポートp2に伝わる油圧を制御する。
【0052】
コントローラ20は、油圧センサ63により検出された油圧に基づいて、比例電磁弁73の開度を制御し、比例電磁弁73に対してブーム下げを指示する指令信号を出力する。第2パイロットポートp2に伝わる油圧の大きさに応じて、ブーム6を下降させるときのブーム6の速度が調整される。
【0053】
またコントローラ20は、油圧センサ64が検知した第2パイロット管路54のパイロット圧に基づいて、比例電磁弁74を制御する。油圧センサ64は、第1操作レバー44の操作に従って第2パイロット圧制御弁41Bと比例電磁弁74との間の第2パイロット管路54内に生じる油圧を検出する、第2圧力センサとしての機能を有している。コントローラ20は、油圧センサ64で検出した油圧に応じて、比例電磁弁74に指令信号G4を出力してその開度を調節し、これにより第2パイロット管路54を流れる作動油の流量を変化させ、ブーム用パイロット切換弁37の第1パイロットポートp1に伝わる油圧を制御する。
【0054】
コントローラ20は、油圧センサ64により検出された油圧に基づいて、比例電磁弁74の開度を制御し、比例電磁弁74に対してブーム上げを指示する指令信号を出力する。第1パイロットポートp1に伝わる油圧の大きさに応じて、ブーム6を上昇させるときのブーム6の速度が調整される。
【0055】
第2パイロット管路54には、シャトル弁80が設けられている。シャトル弁80は、2つの入口ポートと1つの出口ポートとを有している。シャトル弁80の出口ポートは、第2パイロット管路54を介して、ブーム用パイロット切換弁37の第1パイロットポートp1に接続されている。シャトル弁80の入口ポートの一方は、第2パイロット管路54を介して、第2パイロット圧制御弁41Bに接続されている。シャトル弁80の入口ポートの他方は、ポンプ流路55に接続されている。
【0056】
ポンプ流路55は、ポンプ流路51から分岐している。ポンプ流路55の一方端はポンプ流路51に接続されており、ポンプ流路55の他方端はシャトル弁80に接続されている。第3油圧ポンプ50によって移送される作動油は、ポンプ流路51を経由して第1操作レバー装置41および第2操作レバー装置42へ流れ、また、ポンプ流路51,55を経由してシャトル弁80へ流れる。
【0057】
シャトル弁80は、高圧優先形のシャトル弁である。シャトル弁80は、入口ポートの一方に接続された第2パイロット管路54内の油圧と、入口ポートの他方に接続されたポンプ流路55内の油圧とを比較し、高圧側の圧力を選択する。シャトル弁80は、第2パイロット管路54とポンプ流路55とのうち、高圧側の流路を出口ポートに連通し、当該高圧側の流路を流れる作動油をブーム用パイロット切換弁37の第1パイロットポートp1に供給する。
【0058】
ポンプ流路55には、中継ブロック70に含まれている比例電磁弁75が設けられている。比例電磁弁75は、ブーム上げ強制介入用の弁である。比例電磁弁75は、コントローラ20から出力された指令信号G5を受けてその開度を調節する。コントローラ20は、オペレータによる第1操作レバー装置41の操作に関わらず、比例電磁弁75の指令信号G5を出力してその開度を調節し、これによりポンプ流路55を流れる作動油の流量を変化させ、ブーム用パイロット切換弁37の第1パイロットポートp1に伝わる油圧を制御する。コントローラ20は、比例電磁弁75の開度調節によって、ブーム6の強制的な上げ動作を制御する。
【0059】
第3パイロット圧制御弁41Cおよび第4パイロット圧制御弁41Dは、上述した第1パイロット圧制御弁41Aおよび第2パイロット圧制御弁41Bと同様の構成を有している。第3パイロット圧制御弁41Cおよび第4パイロット圧制御弁41Dは、第1パイロット圧制御弁41Aおよび第2パイロット圧制御弁41Bと同様に、対になっており、第1操作レバー44の操作によって択一的に選択される。たとえば、第3パイロット圧制御弁41Cが第1操作レバー44の左方向への操作に対応し、第4パイロット圧制御弁41Dが第1操作レバー44の右方向への操作に対応している。
【0060】
第3パイロット圧制御弁41Cは、ポンプ流路51、タンク流路52、および第3パイロット管路56に接続されている。第3パイロット圧制御弁41Cは、バケット用パイロット切換弁40の第2パイロットポートp2への作動油の供給および排出を制御する。第4パイロット圧制御弁41Dは、ポンプ流路51、タンク流路52、および第4パイロット管路57に接続されている。第4パイロット圧制御弁41Dは、バケット用パイロット切換弁40の第1パイロットポートp1への作動油の供給および排出を制御する。第1操作レバー44の操作に応じて、バケットシリンダ11に対する作動油の供給および排出が制御され、バケットシリンダ11の伸張と収縮とが制御される。これにより、第1操作レバー44の操作に従って、バケット8の掘削方向または開放方向への動作が制御される。
【0061】
第3パイロット圧制御弁41Cを介して第3パイロット管路56に供給される作動油の圧力(パイロット圧)は、油圧センサ66によって検知される。油圧センサ66は、検知した作動油のパイロット圧に応じた圧力信号P6を、コントローラ20に出力する。比例電磁弁76は、第3パイロット圧制御弁41Cとバケット用パイロット切換弁40の第2パイロットポートp2とを接続する第3パイロット管路56に設けられている。コントローラ20は、油圧センサ66で検出した油圧に応じて、比例電磁弁76に指令信号G6を出力して、バケット用パイロット切換弁40の第2パイロットポートp2に伝わる油圧を制御する。第2パイロットポートp2に伝わる油圧の大きさに応じて、バケット8を掘削方向に移動させるときのバケット8の速度が調整される。
【0062】
第4パイロット圧制御弁41Dを介して第4パイロット管路57に供給される作動油の圧力(パイロット圧)は、油圧センサ67によって検知される。油圧センサ67は、検知した作動油のパイロット圧に応じた圧力信号P7を、コントローラ20に出力する。比例電磁弁77は、第4パイロット圧制御弁41Dとバケット用パイロット切換弁40の第1パイロットポートp1とを接続する第4パイロット管路57に設けられている。コントローラ20は、油圧センサ67で検出した油圧に応じて、比例電磁弁77に指令信号G7を出力して、バケット用パイロット切換弁40の第1パイロットポートp1に伝わる油圧を制御する。第1パイロットポートp1に伝わる油圧の大きさに応じて、バケット8を開放方向に移動させるときのバケット8の速度が調整される。
【0063】
第5パイロット圧制御弁42A、第6パイロット圧制御弁42B、第7パイロット圧制御弁42C、および第8パイロット圧制御弁42Dは、上述した第1パイロット圧制御弁41A、第2パイロット圧制御弁41B、第3パイロット圧制御弁41C、第4パイロット圧制御弁41Dと同様の構成を有している。第5パイロット圧制御弁42Aと第6パイロット圧制御弁42Bとは対になっており、第2操作レバー45の操作によって択一的に選択される。第7パイロット圧制御弁42Cと第8パイロット圧制御弁42Dとは対になっており、第2操作レバー45の操作によって択一的に選択される。
【0064】
たとえば、第5パイロット圧制御弁42Aが第2操作レバー45の前方向への操作に対応し、第6パイロット圧制御弁42Bが第2操作レバー45の後方向への操作に対応し、第7パイロット圧制御弁42Cが第2操作レバー45の左方向への操作に対応し、第8パイロット圧制御弁42Dが第2操作レバー45の右方向への操作に対応している。
【0065】
第5パイロット圧制御弁42Aは、ポンプ流路51、タンク流路52、および第5パイロット管路60に接続されている。第6パイロット圧制御弁42Bは、ポンプ流路51、タンク流路52、および第6パイロット管路61に接続されている。上部旋回体3を旋回させる図示しない電動モータは、第5パイロット圧制御弁42Aを介して第5パイロット管路60に供給される作動油の圧力、および、第6パイロット圧制御弁42Bを介して第6パイロット管路61に供給される作動油の圧力に基づいて、制御される。当該電動モータは、第5パイロット管路60に作動油が供給される場合と、第6パイロット管路61に作動油が供給される場合とでは、逆方向に回転駆動する。第2操作レバー45の操作方向および操作量に応じて、上部旋回体3の旋回方向と旋回速度とが制御される。
【0066】
第7パイロット圧制御弁42Cは、ポンプ流路51、タンク流路52、および第7パイロット管路58に接続されている。第7パイロット圧制御弁42Cは、アーム用パイロット切換弁36の第1パイロットポートp1へ作動油の供給および排出を制御する。第8パイロット圧制御弁42Dは、ポンプ流路51、タンク流路52、および第8パイロット管路59に接続されている。第8パイロット圧制御弁42Dは、アーム用パイロット切換弁36の第2パイロットポートp2へ作動油の供給および排出を制御する。第2操作レバー45の操作に応じて、アームシリンダ10に対する作動油の供給および排出が制御され、アームシリンダ10の伸張と収縮とが制御される。これにより、第2操作レバー45の操作に従って、アーム7がブーム6に対して相対回転する動作が制御される。
【0067】
第7パイロット圧制御弁42Cを介して第7パイロット管路58に供給される作動油の圧力(パイロット圧)は、油圧センサ68によって検知される。油圧センサ68は、検知した作動油のパイロット圧に応じた圧力信号P8を、コントローラ20に出力する。比例電磁弁78は、第7パイロット圧制御弁42Cとアーム用パイロット切換弁36の第1パイロットポートp1とを接続する第7パイロット管路58に設けられている。コントローラ20は、油圧センサ68で検出した油圧に応じて、比例電磁弁78に指令信号G8を出力して、アーム用パイロット切換弁36の第1パイロットポートp1に伝わる油圧を制御する。第1パイロットポートp1に伝わる油圧の大きさに応じて、アーム7を伸ばす方向、すなわちアーム7が上部旋回体3から離れる方向に移動させるときの、アーム7の速度が調整される。
【0068】
第8パイロット圧制御弁42Dを介して第8パイロット管路59に供給される作動油の圧力(パイロット圧)は、油圧センサ69によって検知される。油圧センサ69は、検知した作動油のパイロット圧に応じた圧力信号P9を、コントローラ20に出力する。比例電磁弁79は、第8パイロット圧制御弁42Dとアーム用パイロット切換弁36の第2パイロットポートp2とを接続する第8パイロット管路59に設けられている。コントローラ20は、油圧センサ69で検出した油圧に応じて、比例電磁弁79に指令信号G9を出力して、アーム用パイロット切換弁36の第2パイロットポートp2に伝わる油圧を制御する。第2パイロットポートp2に伝わる油圧の大きさに応じて、アーム7を曲げる方向、すなわちアーム7が上部旋回体3へ近づく方向に移動させるときの、アーム7の速度が調整される。
【0069】
第1操作レバー44および第2操作レバー45の操作方向と、作業機5の動作および上部旋回体3の旋回動作との対応関係は、所望のパターンに設定を切り替え可能とされていてもよい。たとえば、第1パイロット圧制御弁41Aと第2パイロット圧制御弁41Bとは、第1操作レバー44の前後方向への操作にそれぞれ対応していてもよく、左右方向への操作にそれぞれ対応していてもよい。
【0070】
以上の構成を備えている油圧ショベル1を用いた整地作業について、以下説明する。図5は、油圧ショベル1を用いた整地作業における、作業機5の位置合わせ前の概略図である。図6は、油圧ショベル1を用いた整地作業における、作業機5の位置合わせ後の概略図である。図5,6に示す設計面Sは、コントローラ20(図4)に予め保存されている施工設計データに従った、目標とする地形を示している。コントローラ20は、施工設計データと作業機5の現在位置情報とに基づいて、作業機5を制御する。
【0071】
図5に示す作業機5が設計面Sの上方に存在する状態から、バケット8の刃先8aを設計面Sに位置合わせする場合、作業機5を操作するオペレータは、第1操作レバー44を第1パイロット圧制御弁41A側へ操作し続けてブーム6を下降させる操作を行う。このオペレータの操作に従って、図5中の矢印に示すように、ブーム6が下降し、バケット8の刃先8aが設計面Sに近づく。
【0072】
バケット8の刃先8aが設計面Sよりも下方に移動して設計面Sにバケット8の刃先8aが食い込むことを回避するために、刃先8aが設計面Sに接する位置で作業機5の動作を自動停止させる制御が行われる。コントローラ20は、バケット8の刃先8aが設計面Sよりも下に移動しそうなときに、設計面Sよりもバケット8の刃先8aが下がらないように、ブーム6を自動で停止させる停止制御を実行する。このときコントローラ20は、比例電磁弁73の開度を減少する指令信号G3を出力する。これにより、開状態であった比例電磁弁73が全閉状態になる。このようにして、図6に示すように、バケット8の刃先8aの設計面Sへの位置合わせが行われる。
【0073】
第1パイロット管路53は、ブーム用パイロット切換弁37の第2パイロットポートp2に接続された、ブーム下げ用パイロット管路としての機能を有している。第2パイロット管路54、およびポンプ流路55は、シャトル弁80を介してブーム用パイロット切換弁37の第1パイロットポートp1に接続された、ブーム上げ用パイロット管路としての機能を有している。第1パイロット管路53に設けられた比例電磁弁73は、ブーム下げ用比例電磁弁としての機能を有している。第2パイロット管路54に設けられた比例電磁弁74は、ブーム上げ用比例電磁弁としての機能を有している。ポンプ流路55に設けられた比例電磁弁75は、ブーム上げ用比例電磁弁としての機能を有している。
【0074】
なお、第2パイロット管路54およびポンプ流路55は、いずれもブーム上げ用パイロット管路としての機能を有している。さらに詳述すれば、第2パイロット管路54は、ブーム通常上げ用パイロット管路として機能し、ポンプ流路55は、ブーム強制上げ用パイロット管路として機能する。また、比例電磁弁74は、ブーム通常上げ用比例電磁弁と表現でき、比例電磁弁75は、ブーム強制上げ用比例電磁弁と表現できる。
【0075】
油圧センサ63は、第1操作レバー44の操作に従って第1パイロット圧制御弁41Aと比例電磁弁73との間の第1パイロット管路53内に生じる油圧を検出する。コントローラ20は、油圧センサ63により検出された油圧に基づいて、比例電磁弁73へ指令信号G3を出力し、比例電磁弁73の開度を制御する。油圧センサ64は、第1操作レバー44の操作に従って第2パイロット圧制御弁41Bと比例電磁弁74との間の第2パイロット管路54内に生じる油圧を検出する。コントローラ20は、油圧センサ64により検出された油圧に基づいて、比例電磁弁74へ指令信号G4を出力し、比例電磁弁74の開度を制御する。コントローラ20は、比例電磁弁75へ指令信号G5を出力し、比例電磁弁75の開度を制御する。
【0076】
図7は、本発明適用前の油圧ショベル1におけるブーム下げ指令時の電流の変化を示すグラフである。図7中の2つのグラフの横軸は、いずれも時間を示す。図7中の下側のグラフの縦軸は、コントローラ20が指令信号G3を伝送するときに比例電磁弁73に対して出力する電流を示し、これをブーム下げEPC電流と称する。比例電磁弁73は、電流値ゼロのとき開度ゼロ(全閉)であり、電流値の増加に対応して開度を連続的に増大する仕様の弁である。図7中の上側のグラフの縦軸は、バケット8の刃先8aと設計面Sとの間の距離を示す。
【0077】
図7中の上側のグラフに示すように、オペレータのブーム下げ操作によって、時刻零から時間が経過するにつれて、バケット8の刃先8aと設計面Sとの距離は減少していく。コントローラ20は、バケット8の刃先8aと設計面Sとの距離を演算する。バケット8の刃先8aが設計面Sに到達して刃先8aと設計面Sとの距離がゼロになると、図7中の下側のグラフに示すように、ブーム下げEPC電流の値がゼロになり、ブーム6の下げ動作が自動停止する。
【0078】
このとき、油圧ショベル1を操作するオペレータは、作業機5が自動停止するまで第1操作レバー44をブーム下げ側に操作し続けている。またオペレータは、バケット8の刃先8aが設計面Sに近づくに従って作業機5の移動速度が小さくなるように、第1操作レバー44の傾斜角度を徐々に低減させて、ブーム下げEPC電流を減少させている。これにより、バケット8の刃先8aの設計面Sへの精密な位置合わせが可能になるとともに、ブーム6が自動停止したときの衝撃が緩和されている。
【0079】
設計面Sにおいてブーム6を自動停止する制御が働いたとき、油圧ショベル1の作業車両本体に対して作業機5が移動する相対速度が急に変化するために、油圧ショベル1の作業車両本体に揺れが発生する。この揺れによって、図7中の上側のグラフに示すように、バケット8の刃先8aと設計面Sとの距離が再び増加する。自動制御によって作業機5が停止した後もオペレータが第1操作レバー44をブーム下げ側に操作し続けると、作業車両本体の揺れにより刃先8aが設計面Sから一時的に上に離れた瞬間にブーム下げが実行される。その結果、図7中の上側のグラフに示すように、作業車両本体の揺れが収束した後、刃先8aが設計面Sを侵食する。
【0080】
本実施形態の油圧ショベル1は、この事象を解決するためのものである。図8は、実施形態の油圧ショベル1におけるブーム下げ指令時の電流の変化を示すグラフである。図8中の2つのグラフの横軸は、いずれも時間を示す。図8中の下側のグラフの縦軸は、図7と同様のブーム下げEPC電流を示す。図8中の上側のグラフの縦軸は、図7と同様のバケット8の刃先8aと設計面Sとの間の距離を示す。
【0081】
図8中の下側のグラフと、図7中の下側のグラフとを比較して、図8に示す本実施形態の油圧ショベル1では、ブーム6を下げるときコントローラ20が比例電磁弁73に対して出力する電流値の立ち上がりが緩やかになっており、電流値は零から緩やかに増加している。図8中の下側のグラフに示すように、本実施形態の油圧ショベル1では、コントローラ20が比例電磁弁73に対して開度増加を指示する指令信号を出力するときの単位時間当たりの電流の増加量は、コントローラ20が比例電磁弁73に対して開度減少を指示する指令信号を出力するときの単位時間当たりの電流の減少量よりも、小さくなっている。
【0082】
図9は、本実施形態の油圧ショベル1におけるブーム上げ指令時の電流の変化を示すグラフである。図9中のグラフの横軸は、時間を示す。図9中のグラフの縦軸は、コントローラ20が指令信号G4またはG5を伝送するときに比例電磁弁74または比例電磁弁75に対して出力する電流を示し、これをブーム上げEPC電流と称する。図8中の下側のグラフと、図9中のグラフとは、縦軸および横軸の両方において、スケールが同一であるものとする。
【0083】
図9中のグラフと、図8中の下側のグラフとを比較して、本実施形態の油圧ショベル1では、コントローラ20が比例電磁弁73に対して開度増加を指示する指令信号を出力するときの単位時間当たりの電流の増加量は、コントローラ20が比例電磁弁74,75に対して開度増加を指示する指令信号を出力するときの単位時間当たりの電流の増加量よりも、小さくなっている。
【0084】
単位時間当たりの電流の増加量について説明する。図10は、比例電磁弁の開度を増加するときの電流値の増加を示すグラフである。図10に示すように、ある時刻t1において比例電磁弁に出力されるEPC電流の値をi1とし、時刻t1よりも後のある時刻t2において比例電磁弁に出力されるEPC電流の値をi2とする。i2>i1の関係が成立し、時刻t2におけるEPC電流の値が時刻t1におけるEPC電流の値よりも増加している場合、単位時間当たりの電流の増加量は、EPC電流の増加量を時刻t1から時刻t2までの時間で除した値となる。
【0085】
以上より、単位時間当たりの電流の増加量は、以下の式によって算出される。
(単位時間当たりの電流の増加量)=(i2−i1)/(t2−t1)
単位時間当たりの電流の減少量について説明する。図11は、比例電磁弁の開度を減少するときの電流値の減少を示すグラフである。図11に示すように、ある時刻t3において比例電磁弁に出力されるEPC電流の値をi3とし、時刻t3よりも後のある時刻t4において比例電磁弁に出力されるEPC電流の値をi4とする。i3>i4の関係が成立し、時刻t4におけるEPC電流の値が時刻t3におけるEPC電流の値よりも減少している場合、単位時間当たりの電流の減少量は、EPC電流の減少量を時刻t3から時刻t4までの時間で除した値となる。
【0086】
以上より、単位時間当たりの電流の減少量は、以下の式によって算出される。
(単位時間当たりの電流の減少量)=(i3−i4)/(t4−t3)
次に、本実施形態の作用効果について説明する。
【0087】
本実施形態によれば、図8に示すように、ブーム6を下げるとき、コントローラ20が比例電磁弁73に対して出力する電流値が、零から緩やかに増加している。図8に示すブーム下げEPC電流は、ステップ関数状に急激に増加するのではなく、時間の経過とともに徐々に増加している。ブーム下げEPC電流は、時間に対して勾配をもって増加している。コントローラ20は、比例電磁弁73の開度増加時に、時間の経過に対して比例電磁弁73の開度が滑らかに増大するように、ブーム下げEPC電流の増加を時間的に遅らせて出力する制御を実行している。
【0088】
図7に示す本発明適用前のグラフと、図8に示す本実施形態のグラフとを比較すると、値ゼロから電流値が増加して同じ値に到達するまでの時間は、本実施形態において、より長くなっている。ブーム下げEPC電流を増大するときの増幅率を小さくして、比例電磁弁73を開にするときの電流の増加率を相対的に小さくすることにより、比例電磁弁73の感度が低下し、比例電磁弁73の開弁速度が小さくなっている。
【0089】
比例電磁弁73は、全閉状態から開度を増加する場合、電流値がゼロから所定の閾値にまで増加したときに開動作を開始する仕様を有している。比例電磁弁73は、定格電流の40%までブーム下げEPC電流が増加したときに開動作を開始する仕様であってもよい。このような仕様の比例電磁弁73に対して、コントローラ20は、緩やかに増加する電流値を出力する。これにより、オペレータの操作に対するブーム6の下げ動作の応答速度を、低下させることができる。
【0090】
例えば、図8に示すブーム下げEPC電流が増加している時間内には、ブーム6が移動を開始する所定の閾値にまで電流値が増加しないように、ブーム下げEPC電流の単位時間当りの増加量を設定すればよい。なお、ブーム下げEPC電流が増加している時間は、作業車両の揺れの周期を特定した上で、当該周期に基づき求めることができる。
【0091】
したがって、作業車両本体の揺れによって一時的にバケット8の刃先8aが設計面Sから離れても、ブーム6は移動せず、作業車両本体に対する作業機5の相対位置を維持することができる。作業車両本体の揺れの発生時における再度のブーム下げの実行を抑制できるので、バケット8の刃先8aが設計面Sよりも下方に位置することによる設計面Sへの侵食を防止することができる。
【0092】
また図8に示すように、コントローラ20が比例電磁弁73に対して開度増加を指示する指令信号を出力するときの単位時間当たりの電流の増加量は、コントローラ20が比例電磁弁73に対して開度減少を指示する指令信号を出力するときの単位時間当たりの電流の減少量よりも、小さい。比例電磁弁73に出力される電流値が増加するときと、比例電磁弁73に出力される電流値が減少するときとを比較すると、電流値が同じ差分だけ変化するために必要な時間は、電流値が増加するときにおいて、より長くなる。比例電磁弁73の開度が単位時間当たり増加する割合は、比例電磁弁73の開度が単位時間当たり減少する割合よりも、小さくなっている。
【0093】
比例電磁弁73を開にするときの電流の増加率を小さくすることで、上述した通り、作業機5による設計面Sへの侵食を防止することができる。一方、比例電磁弁73を開にするときの電流の増加率と比較して、比例電磁弁73を閉にするときの電流の減少率を相対的に大きくすることにより、比例電磁弁73の閉弁速度が相対的に大きくなる。
【0094】
自動制御中に、比例電磁弁73を閉じる場合とは、バケット8の刃先8aが設計面Sに十分近づきブーム6の下げ指令がもはや必要なくなった場合に相当する。この場合、ブーム6の下げ動作を続行する時間を短くしてブーム6の下げ動作を速やかに停止するのが望ましい。比例電磁弁73の閉弁速度を相対的に大きくすることで、ブーム6の下げ動作を速やかに停止させることができるので、設計面Sに対する過剰な掘り下げをより確実に回避することができる。したがって、油圧ショベル1を使用して地面を整地する作業を施工する際の効率および品質を向上することができる。
【0095】
また図8,9に示すように、コントローラ20が比例電磁弁73に対して開度増加を指示する指令信号を出力するときの単位時間当たりの電流の増加量は、コントローラ20が比例電磁弁74,75に対して開度増加を指示する指令信号を出力するときの単位時間当たりの電流の増加量よりも、小さい。比例電磁弁73と比例電磁弁74,75との各々に出力される電流値が増加するとき、値ゼロから電流値が増加して同じ値に到達するまでの時間を比較すると、比例電磁弁73において、より長い時間がかかることになる。比例電磁弁73の開度が単位時間当たり増加する割合は、比例電磁弁74,75の開度が単位時間当たり増加する割合よりも、小さくなっている。
【0096】
比例電磁弁73を開にするときの電流の増加率を小さくすることで、上述した通り、作業機5による設計面Sへの侵食を防止することができる。一方、比例電磁弁73を開にするときの電流の増加率と比較して、比例電磁弁74,75を開にするときの電流の増加率を相対的に大きくすることにより、比例電磁弁74,75の開弁速度が相対的に大きくなる。比例電磁弁74,75の感度を大きくすることにより、オペレータがブーム上げ操作を行なったとき、ブーム6を速やかに上げることができる。
【0097】
比例電磁弁73の開度を増加するときの電流の増加率を小さくしすぎると、オペレータの操作に対する応答性が低下する。そのため、オペレータが第1操作レバー44を操作してからブーム6が動作するまでに時間がかかり、ブーム6の動作が遅いと感じたオペレータにストレスがかかる可能性がある。したがって、マニュアル操作時の作業機5の動作の応答性に影響を与えない範囲で、比例電磁弁73の開度を増加するときの電流の増加率を小さくするのが望ましい。比例電磁弁73の開度を増加するときの電流の増加率は、たとえば、比例電磁弁73の開度を減少するとき、または比例電磁弁74,75の開度を増加するときの、電流の変化率の1/100倍以上1/2倍以下の範囲になるように、設定すればよい。
【0098】
今回開示された実施形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなく、請求の範囲によって示され、請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0099】
1 油圧ショベル、2 下部走行体、3 上部旋回体、4 キャブ、5 作業機、6 ブーム、7 アーム、8 バケット、8a 刃先、9 ブームシリンダ、20 コントローラ、34 メイン操作弁、35 タンク、37 ブーム用パイロット切換弁、41 第1操作レバー装置、41A〜41D,42A〜42D パイロット圧制御弁、42 第2操作レバー装置、44 第1操作レバー、45 第2操作レバー、50 第3油圧ポンプ、51,55 ポンプ流路、52 タンク流路、53,54,56〜61 パイロット管路、63,64,66〜69 油圧センサ、70 中継ブロック、73〜79 比例電磁弁、80 シャトル弁、G3〜G9 指令信号、P3,P4,P6〜P9 圧力信号、S 設計面、p1 第1パイロットポート、p2 第2パイロットポート。
図1
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