特許第5756617号(P5756617)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 三星電子株式会社の特許一覧

<>
  • 特許5756617-データ受信装置及びデータ送信装置 図000006
  • 特許5756617-データ受信装置及びデータ送信装置 図000007
  • 特許5756617-データ受信装置及びデータ送信装置 図000008
  • 特許5756617-データ受信装置及びデータ送信装置 図000009
  • 特許5756617-データ受信装置及びデータ送信装置 図000010
  • 特許5756617-データ受信装置及びデータ送信装置 図000011
  • 特許5756617-データ受信装置及びデータ送信装置 図000012
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5756617
(24)【登録日】2015年6月5日
(45)【発行日】2015年7月29日
(54)【発明の名称】データ受信装置及びデータ送信装置
(51)【国際特許分類】
   H04L 29/06 20060101AFI20150709BHJP
   H04W 28/06 20090101ALI20150709BHJP
   H04L 27/22 20060101ALI20150709BHJP
   H04L 29/10 20060101ALI20150709BHJP
   H04L 27/20 20060101ALI20150709BHJP
【FI】
   H04L13/00 305C
   H04W28/06
   H04L27/22 Z
   H04L13/00 309A
   H04L27/20 Z
【請求項の数】13
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2010-250201(P2010-250201)
(22)【出願日】2010年11月8日
(65)【公開番号】特開2011-103654(P2011-103654A)
(43)【公開日】2011年5月26日
【審査請求日】2013年8月20日
(31)【優先権主張番号】61/258,718
(32)【優先日】2009年11月6日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】10-2010-0028404
(32)【優先日】2010年3月30日
(33)【優先権主張国】KR
(31)【優先権主張番号】12/892,972
(32)【優先日】2010年9月29日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】390019839
【氏名又は名称】三星電子株式会社
【氏名又は名称原語表記】Samsung Electronics Co.,Ltd.
(74)【代理人】
【識別番号】110000051
【氏名又は名称】特許業務法人共生国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】權 義 根
(72)【発明者】
【氏名】朴 泰 林
(72)【発明者】
【氏名】金 泳 秀
(72)【発明者】
【氏名】金 應 善
【審査官】 森谷 哲朗
(56)【参考文献】
【文献】 特開2007−221500(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2007/0253499(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2010/0315952(US,A1)
【文献】 特表2008−502197(JP,A)
【文献】 特表2008−516530(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04L 29/06
H04L 27/20
H04L 27/22
H04L 29/10
H04W 28/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1データフレームに第1コンステレーションマッピング方式を適用するコンステレーションマッピング部と、
前記第1データフレームをデータ受信装置に送信する送信部とを有し、
前記データ受信装置は、前記第1データフレームを受信し、また第2コンステレーションマッピング方式が適用された第2データフレームを第2送信装置から受信し、前記第1及び第2コンステレーションマッピング方式にしたがって前記第1データフレームと前記第2データフレームとを区分し、
前記第1データフレームはOFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing)方式を用いて変調し、
前記コンステレーションマッピング部は、前記第1データフレームに含まれたODFMシンボルの複数のサブチャネルを第1サブチャネルグループと第2サブチャネルグループとにグループ化し、
前記第1コンステレーションマッピング方式は、前記第1サブチャネルグループと前記第2サブチャネルグループに対して相違したコンステレーションマッピング方式を適用させることを特徴とするデータ送信装置。
【請求項2】
前記第1及び第2コンステレーションマッピング方式の各々は、前記第1及び第2データフレームの各々に対応する時間区間の間に対し相違する方式のコンステレーションを適用することを特徴とする請求項1に記載のデータ送信装置。
【請求項3】
前記第1及び第2コンステレーションマッピング方式は、BPSK(Binary Phase−Shift Keying)コンステレーションマッピング方式、QBPSK(Quadrature BPSK)コンステレーションマッピング方式、+45度BPSKコンステレーションマッピング方式および−45度BPSKコンステレーションマッピング方式からなる群より選択される少なくとも1つを含むことを特徴とする請求項1に記載のデータ送信装置。
【請求項4】
前記第1コンステレーションマッピング方式は、前記第1データフレームに含まれた第1時間区間と第2時間区間に対して相違したコンステレーションマッピング方式を適用することを特徴とする請求項1に記載のデータ送信装置。
【請求項5】
前記コンステレーションマッピング部は、前記複数のサブチャネルの中で奇数番目のサブチャネルを第1サブチャネルグループにグループ化し、偶数番目のサブチャネルを第2サブチャネルグループにグループ化することを特徴とする請求項に記載のデータ送信装置。
【請求項6】
前記コンステレーションマッピング部は前記第1サブチャネルグループに対してはBPSKコンステレーションマッピング方式を適用し、前記第2サブチャネルグループに対してはQBPSKコンステレーションマッピング方式を適用することを特徴とする請求項に記載のデータ送信装置。
【請求項7】
前記コンステレーションマッピング部は前記第1サブチャネルグループに対しては+45度BPSKコンステレーションマッピング方式を適用し、前記第2サブチャネルグループに対しては−45度BPSKコンステレーションマッピング方式を適用することを特徴とする請求項に記載のデータ送信装置。
【請求項8】
前記コンステレーションマッピング部は、前記第1データフレームの中の予め決められた時間区間に前記第1コンステレーションマッピング方式を適用することを特徴とする請求項1に記載のデータ送信装置。
【請求項9】
前記コンステレーションマッピング部は、前記第1コンステレーションマッピング方式が適用される時間区間を変更することを特徴とする請求項1に記載のデータ送信装置。
【請求項10】
第1コンステレーションマッピング方式が適用された第1データフレームを受信し、また第2コンステレーションマッピング方式が適用された第2データフレームを受信する受信部と、
前記第1及び第2データフレームの各々に対応する領域を前記第1データフレームのメトリック領域及び第2データフレームのメトリック領域に設定し、該各々のメトリック領域に対するデシジョンメトリック(decision metric)をそれぞれ生成し、前記それぞれのデシジョンメトリックを所定の閾値と比較して前記第1及び第2データフレームに適用されたコンステレーションマッピング方式を判断する判断部と、
前記判断部の判断にしたがって前記第1データフレームと前記第2データフレームとを区分するフレーム区分部とを有することを特徴とするデータ受信装置。
【請求項11】
前記第1及び第2コンステレーションマッピング方式は、前記第1及び第2データフレームの各々に対応する時間区間の間に対し相違する方式のコンステレーションを適用することを特徴とする請求項10に記載のデータ受信装置。
【請求項12】
前記判断部は、前記第1及び第2データフレームの実数部の値と前記第1及び第2データフレームの虚数部の値とを加算して前記デシジョンメトリックを生成することを特徴とする請求項10に記載のデータ受信装置。
【請求項13】
前記判断部は、前記第1及び第2データフレームの実数部の値と前記第1及び第2データフレームの虚数部の値とを減算して前記デシジョンメトリックを生成することを特徴とする請求項10に記載のデータ受信装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はデータ受信装置及びデータ送信装置に関し、特に、コンステレーションマッピング方式を用いて受信したデータフレームの種類、形式を区分することのできるデータ受信装置及びデータフレームを送信するデータ送信装置に関する。
【背景技術】
【0002】
データスループット(throughput)は無線通信の重要な関心事の中の1つである。特に、近距離通信網の場合、ユーザ数の増加および音声/ビデオストリーミングなど、様々なアプリケーションの拡大などに応じてスループットの向上がさらに重要な問題点となっている。
【0003】
また、スループットの向上のためにさらに進歩したデータの送信標準が提示されている。新しく提示されたデータの送信標準は、従来におけるデータの送信標準によるデータ送信装置およびデータ受信装置との共存(coexistence)、相互運用性(interoperability)を保証しなければならない。
【0004】
したがって、新しく提示されたデータの送信標準によるデータ受信装置は、既存のデータの送信標準によるデータ送信装置および新しく提示されたデータの送信標準によるデータ送信装置から全てのデータフレームを受信し、受信したデータフレームがいずれのデータの送信標準によるデータ送信装置から受信したデータフレームであるかを判断しなければならないという問題がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
そこで、本発明は上記従来のデータ送信装置及びデータ受信装置における問題点に鑑みてなされたものであって、本発明の目的は、コンステレーションマッピング方式を用いて受信したデータフレームの種類、形式を区分することのできるデータ受信装置及びデータフレームを送信するデータ送信装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するためになされた本発明によるデータ送信装置は、第1データフレームに第1コンステレーションマッピング方式を適用するコンステレーションマッピング部と、前記第1データフレームをデータ受信装置に送信する送信部とを有し、前記データ受信装置は、前記第1データフレームを受信し、また第2コンステレーションマッピング方式が適用された第2データフレームを第2送信装置から受信し、前記第1及び第2コンステレーションマッピング方式にしたがって前記第1データフレームと前記第2データフレームとを区分することを特徴とする。
【0007】
上記目的を達成するためになされた本発明によるデータ受信装置は、第1コンステレーションマッピング方式が適用された第1データフレームを受信し、また第2コンステレーションマッピング方式が適用された第2データフレームを受信する受信部と、前記第1及び第2データフレームの各々に対応する領域を前記第1データフレームのメトリック領域及び第2データフレームのメトリック領域に設定し、該各々のメトリック領域に対するデシジョンメトリック(decision metric)をそれぞれ生成し、前記それぞれのデシジョンメトリックを所定の閾値と比較して前記第1及び第2データフレームに適用されたコンステレーションマッピング方式を判断する判断部と、前記判断部の判断にしたがって前記第1データフレームと前記第2データフレームとを区分するフレーム区分部とを有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明に係るデータ受信装置及びデータ送信装置よれば、データ受信装置が受信したデータフレームの種類及び形式を区分することができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】(a)は本発明の一実施形態に係るBPSKコンステレーションマッピング方式を示す図であり、(b)はQBPSKコンステレーションマッピング方式を示す図である。
図2】本発明の一実施形態に係るオルタナティブ(alternative)コンステレーションマッピング方式の一例を示す図であり、(a)は同一のデータシンボルを構成する複数のサブチャネルを示す図であり、(b)はQBPSKコンステレーションマッピング方式を示す図であり、(c)はBPSKコンステレーションマッピング方式を示す図である。
図3】(a)は本発明の一実施形態に係るデータシンボルの値に応じて、実数軸と+45度の角度を有する軸上の二点のうちの1つにデータシンボルがマッピングされる対角コンステレーションマッピング方式の一例を示す図であり、(b)は本発明の一実施形態に係るデータシンボルの値に応じて実数軸と−45度の角度を有する軸上の二点のうちの1つにデータシンボルがマッピングされる対角コンステレーションマッピング方式を示す図である。
図4】本発明の一実施形態に係るデータフレームの構造を示す図である。
図5】本発明の一実施形態に係るデータ送信装置の構造を示すブロック図である。
図6】本発明の一実施形態に係るデータ受信装置の構造を示すブロック図である。
図7】本発明の一実施形態に係るデータフレーム区分方法をステップ別に示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
次に、本発明に係るデータ受信装置及びデータ送信装置を実施するための形態の具体例を図面を参照しながら説明する。ただし、本発明が実施形態によって制限されたり限定されることはない。各図面に提示した同一の参照符号は同一の部材を示す。
【0011】
図1は、本発明の一実施形態に係るコンステレーションマッピング方式の例を示す図である。
【0012】
図1の(a)は、BPSKコンステレーションマッピング方式を示す図である。
図1(a)を参照すると、BPSKコンステレーションマッピング方式では、データシンボルの値に応じて複素平面の実数軸上の二点のうちの1つにデータシンボルがマッピングされる。同図において、データシンボルの値に応じて複素平面上の「+1」または「−1」にデータシンボルがマッピングされる。
【0013】
図1の(b)は、QBPSKコンステレーションマッピング方式を示す図である。
図1(b)を参照すると、QBPSKコンステレーションマッピング方式では、データシンボルの値に応じて複素平面上の虚数軸上の二点のうちの1つにデータシンボルがマッピングされる。同図において、データシンボルの値に応じて複素平面上の「+j」または「−j」にデータシンボルがマッピングされる。
【0014】
図2は、本発明の一実施形態に係るオルタナティブ(alternative)コンステレーションマッピング方式の一例を示す図である。
【0015】
本実施形態によれば、データシンボルは、OFDM方式(Orthogonal Frequency Division Multiplexing scheme)を用いて変調するのが好ましい。OFDM方式によれば、データシンボルは複数のサブチャネル(sub−carriers)を用いて変調される。
【0016】
ABPSK(Alternative BPSK)コンステレーションマッピング方式を適用する場合、同一のデータシンボルを構成する各サブチャネルに対して相違するコンステレーション方式が適用される。すなわち、同一のデータシンボルを構成する一部のサブチャネルに対しては第1コンステレーションマッピング方式が適用され、他の一部のサブチャネルに対しては第2コンステレーションマッピング方式が適用される。
【0017】
図2の(a)は、同一のデータシンボルを構成する複数のサブチャネルを示す図であり、横軸は周波数帯域を示す。一実施形態によれば、複数のサブチャネルの中で、一部のサブチャネル210は図2の(b)に示したQBPSKコンステレーションマッピング方式が適用されてもよく、他の一部のサブチャネル220は図2の(c)に示したBPSKコンステレーションマッピング方式が適用されてもよい。例えば、奇数番目のサブチャネル210はQBPSKコンステレーションマッピング方式が適用されてもよく、偶数番目のサブチャネル220はBPSKコンステレーションマッピング方式が適用されてもよい。
【0018】
図2(a)〜(c)には同一のシンボルを構成する複数のサブチャネルの中で奇数番目のサブチャネルと偶数番目のサブチャネルに相違するコンステレーションマッピング方式が適用された実施形態を示すが、実施に対応して、データ送信装置は各コンステレーションマッピング方式が適用されるサブチャネルのインデックスを変更してもよい。
【0019】
また、図2(a)〜(c)において、同一のシンボルを構成する複数のサブチャネルに対して相違するコンステレーション方式が適用される実施形態を示したが、本発明の他の実施形態として、データ送信装置はデータフレームの予め決められた時間区間内で相違するコンステレーション方式を適用し、データ受信装置は前記予め決められた時間区間に適用されたコンステレーション方式を判断してデータフレームを区分することができる。
【0020】
図3は、本発明の一実施形態に係る対角コンステレーションマッピング方式の一例を示す図である。
【0021】
図3の(a)は、データシンボルの値に応じて、実数軸と「+45度」の角度を有する軸上の二点のうちの1つにデータシンボルがマッピングされる対角コンステレーションマッピング方式の一例を示す図である。
データシンボルがマッピングされる軸が実数軸と「+45度」の角を有するため、同図に示すコンステレーションマッピング方式は「+45度BPSKコンステレーションマッピング方式」といってもよい。同図では、データシンボルの値に応じて複素平面上の「1+j」又は「−1−j」にデータシンボルがマッピングされる実施形態を示したが、他の実施形態として、データシンボルは対角線上の他の位置にマッピングされてもよい。
【0022】
図3の(b)は、データシンボルの値に応じて実数軸と「−45度」の角度を有する軸上の二点のうちの1つにデータシンボルがマッピングされる対角コンステレーションマッピング方式の更なる一例を示す図である。
データシンボルがマッピングされる軸が実数軸と「−45度」の角を有するため、同図に示すコンステレーションマッピング方式は簡単に「−45度BPSKコンステレーションマッピング方式」といってもよい。同図では、データシンボルの値に応じて複素平面上の「−1+j」又は「1−j」にデータシンボルがマッピングされる実施形態を示したが、他の実施形態として、データシンボルは対角線上の他の位置にマッピングされてもよい。
【0023】
図には示していないが、図3(a)に示す「+45度BPSKコンステレーションマッピング方式」と図3(b)に示す「−45度BPSKコンステレーションマッピング方式」を用いたABPSKコンステレーション方式を用いてもよい。
すなわち、同一のデータシンボルを構成する複数のサブチャネルの中で一部は「+45度BPSKコンステレーションマッピング方式」が適用され、他の一部は「−45度BPSKコンステレーションマッピング方式」が適用されてもよい。この実施形態に従えば、奇数番目のサブチャネルには「+45度BPSKコンステレーションマッピング方式」が適用され、偶数番目のサブチャネルには「−45度BPSKコンステレーションマッピング方式」が適用され、また、その逆も可能である。
【0024】
図4は、本発明の一実施形態に係るデータフレームの構造を示す図である。
【0025】
図4には、3つのデータフレーム410、420、430を示す。
第1データフレーム410は、802.11a標準によるレガシー(legacy)データフレームであり、第2データフレーム420は、802.11n標準によるHT(high throughput)−mixedデータフレームである。また、第3データフレーム430は、802.11ac標準で利用可能なVHT(very high throughput)−mixedデータフレームである。
【0026】
レガシーデータフレームであるデータフレーム410は、L−STF(411)、L−LTF(412)、L−SIG(413)、及びデータフィールド(415)を含む。
L−STF(411)はレガシーショットトレーニングフィールド(Legacy Short Training Field;L−STF)を、L−LTF(412)はレガシーロングトレーニングフィールド(Legacy Long Training Field;L−LTF)を、L−SIG(413)はレガシー信号フィールド(Legacy SIGnal field)を示す。
【0027】
HT−mixedデータフレームであるデータフレーム420は、L−STF(421)、L−LTF(422)、L−SIG(423)、HT−SIG1(424)、HT−SIG2(425)、HT−STF(426)、及びHT−LTF(427)を含む。
HT−SIG1(424)、HT−SIG2(425)は、ハイスループット信号フィールド(High Throughput SIGnal field)を示し、HT−STF(426)は、ハイスループットショットトレーニングフィールド(High Throughput Short Training Field)を、HT−LTF(427)はハイスループットロングトレーニングフィールド(High Throughput Long Training Field)を示す。
【0028】
HT−mixedデータフレームであるデータフレーム420は、一例として802.11n標準によるデータ受信装置に高速のデータ送信サービスを提供するためには、HT−SIG1(424)、HT−SIG2(425)、HT−STF(426)、及びHT−LTF(427)を含み、802.11a標準によるデータ受信装置にデータ送信サービスを提供するためには、L−STF(421)、L−LTF(422)、L−SIG(423)を含む。
【0029】
802.11n標準によるデータ受信装置は、802.11a標準によるデータ送信装置及び802.11n標準によるデータ送信装置と相互運用可能(interoperable)である。802.11n標準によるデータ受信装置がレガシーデータフレームであるデータフレーム410を受信した場合、データ受信装置は、802.11a標準にしたがってレガシーデータフレームであるデータフレーム410を復号化してもよい。
【0030】
また、802.11n標準によるデータ受信装置がHT−mixedデータフレームであるデータフレーム420を受信した場合、データ受信装置は802.11n標準にしたがって、HT−mixedデータフレームであるデータフレーム420を復号化してもよい。
【0031】
一実施形態として、802.11n標準によるデータ送信装置は、HT−mixedデータフレームのL−SIG(423)にはBPSKコンステレーションマッピング方式を適用して、HT−SIG1(424)にはQBPSKコンステレーションマッピング方式を適用してもよい。
【0032】
802.11n標準によるデータ受信装置は、L−SIG(423)に適用されたコンステレーションマッピング方式、及びHT−SIG1(424)に適用されたコンステレーションマッピング方式に基づいて、HT−mixedデータフレームであるデータフレーム420が802.11n標準によるデータフレームであるかどうかを判断する。
データ受信装置は、第2データフレームがどのような標準にしたがうかを判断するために、HT−mixedデータフレームの全てを復号化する必要がない。したがって、データ受信装置は、HT−mixedデータフレームの一部だけを復号化し、HT−mixedデータフレームに適用された標準を迅速に判断することができる。
【0033】
VHT−mixedデータフレームであるデータフレーム430は、L−STF(431)、L−LTF(432)、L−SIG(433)、VHT−SIG1(434)、VHT−SIG2(437)、VHT−LTF(435、436)、及びデータフィールド438を含む。
VHT−SIG1(434)、VHT−SIG2(437)は、ベリーハイスループット信号フィールド(Very High Throughput SIGnal field)を示し、VHT−LTF(435、436)は、ベリーハイスループットロングトレーニングフィールド(High Throughput Long Training Field)を意味する。
【0034】
一実施形態として、802.11ac標準によるデータ送信装置は、VHT−SIG1(434)にABPSKコンステレーションマッピング方式を適用してもよい。
ABPSKコンステレーションマッピング方式に対しては既に図2図3を参照して詳細に説明したため、その説明は省略することにする。
【0035】
802.11ac標準によるデータ受信装置は、VHT−SIG1(434)に適用されたコンステレーションマッピング方式にしたがってVHT−mixedデータフレームが802.11ac標準によるデータフレームであるかどうかを判断する。
【0036】
本実施形態に従う、データ受信装置は、レガシーデータフレームであるデータフレーム410、HT−mixedデータフレームであるデータフレーム420、VHT−mixedデータフレームであるデータフレーム430の各々に対応するフィールドをメトリック(metric)領域440に設定し、メトリック領域440に適用されたコンステレーションマッピング方式にしたがって各データフレームに適用された標準を区分する。
【0037】
各データフレーム410、420、430がOFDM方式を用いて変調した場合に、データ受信装置は各データフレーム410、420、430に対するデシジョンメトリック(decision metric)を生成し、生成したデシジョンメトリックを用いて各データフレーム410、420、430を区分する。
本実施形態に従う、データ受信装置は、以下の式(1)を用いてデータフレーム410、420、430に対するメトリックをそれぞれ生成し、生成されたメトリックに基づいて各データフレーム410、420、430に対するデシジョンメトリックを生成する。
【0038】
【数1】
・・・式(1)
ここで、Sは各データフレームの実数軸を用いるサブチャネルの集合であり、Sは各データフレームの虚数軸を用いるサブチャネルの集合である。
【0039】
また、他の実施形態に従う、データ受信装置は、データフレームの中で一部を互いに加算的(constructive)に結合するか、相殺的(destructive)に結合してメトリックを生成する。
【0040】
データ受信装置は、式(1)において算出された各メトリックに基づいて以下の式(2)に基づいてデシジョンメトリックを生成する。
【0041】
【数2】
・・・式(2)
【0042】
上述したように、レガシーデータフレームであるデータフレーム410のメトリック領域440にBPSKコンステレーションマッピング方式が適用され、HT−mixedデータフレームであるデータフレーム320のメトリック領域(HT−SIG1(424))にQBPSKコンステレーションマッピング方式が適用され、VHT−mixedデータフレームであるデータフレーム430のメトリック領域(VHT−SIG1(434))にABPSKコンステレーションマッピング方式が適用される場合、式(2)によって算出されたデシジョンメトリックの値は下記の表1の通りである。
【0043】
【表1】
【0044】
表1を参照すると、レガシーデータフレームであるデータフレーム410の第1デシジョンメトリック(Sum_Met1)は「0」であり、第2デシジョンメトリック(Sum_Met2)は「0」から所定の(+)値の間の値である。
【0045】
HT−mixedデータフレームであるデータフレーム420の第1デシジョンメトリック(Sum_Met1)は「0」であり、第2デシジョンメトリック(Sum_Met2)は「0」から所定の(−)値の間の値である。
【0046】
VHT−mixedデータフレームであるデータフレーム430の第1デシジョンメトリック(Sum_Met1)は「0」以上の(+)値であり、第2デシジョンメトリック(Sum_Met2)は「0」である。
【0047】
データ受信装置は、下記の表2に示したアルゴリズムにしたがって受信したデータフレームを区分してもよい。
【0048】
【表2】
【0049】
表2によると、データ受信装置は、第1デシジョンメトリック(Sum_Met1)と第1閾値とを比較する。第1デシジョンメトリック(Sum_Met1)の値が第1閾値よりも大きい場合、データ受信装置は受信されたデータフレームが802.11ac標準によるVHT−mixedデータフレームであると判断する。
【0050】
第1デシジョンメトリック(Sum_Met1)の値が第1閾値よりも小さくて、第2デシジョンメトリック(Sum_Met2)の値が第2閾値よりも大きい場合、データ受信装置は受信されたデータフレームが802.11a標準によるレガシーデータフレームであると判断する。
【0051】
第1デシジョンメトリック(Sum_Met1)の値が第1閾値よりも小さくて、第2デシジョンメトリック(Sum_Met2)の値が第2閾値よりも小さい場合、データ受信装置は受信されたデータフレームが802.11n標準によるHT−mixedデータフレームであると判断する。
【0052】
一実施形態として、データ受信装置は以下の式(3)よって第1閾値(threshold 1)と第2閾値(threshold 2)を決定する。
【0053】
(数3)

Threshold1=Big(+)/2

Threshold2=Big(−)/2 ・・・式(3)
【0054】
上記、式(1)〜式(3)を参照して、本発明の一実施形態に係るデータフレーム区分方法を説明した。また、データフレーム区分アルゴリズムの各ステップにおいて、各閾値はデータフレームのメトリックの中でその値の差が最小になる2つの値の中間値と設定してもよい。
【0055】
図5は、本発明の一実施形態に係るデータ送信装置の構造を示すブロック図である。
データ送信装置500は、コンステレーションマッピング部510および送信部520を含む。
【0056】
コンステレーションマッピング部510は、第1データフレームに第1コンステレーションマッピング方式を適用する。一実施形態として、第1コンステレーションマッピング方式はBPSKコンステレーションマッピング方式、QBPSKコンステレーションマッピング方式、及び+45度BPSKコンステレーションマッピング方式、−45度BPSKコンステレーションマッピング方式、そしてABPSKコンステレーションマッピング方式の中からの少なくとも1つを含む。各コンステレーションマッピング方式に対しては既に図1図3において詳細に説明したため、以下で詳しい説明は省略することにする。
【0057】
一実施形態として、第1データフレームはOFDM方式を用いて変調する。この場合、第1データフレームに含まれた各データシンボルもOFDMに変調される。ABPSKコンステレーションマッピング方式では、同一のデータシンボルを構成する各サブチャネルに対して異なるコンステレーション方式が適用される。一実施形態として、第1データフレームにはABPSKコンステレーションマッピング方式が適用される。
【0058】
コンステレーションマッピング部510は、第1データフレームに含まれたOFDMシンボルを構成する複数のサブチャネルを第1サブチャネルグループと第2サブチャネルグループにグループ化し、第1サブチャネルグループと第2サブチャネルグループに対して相違するコンステレーションマッピング方式を適用する。
【0059】
一実施形態として、コンステレーションマッピング部510は、第1サブチャネルグループに対してはBPSKコンステレーションマッピング方式、第2サブチャネルグループに対してはQBPSKコンステレーションマッピング方式を適用するABPSKコンステレーションマッピング方式を適用する。
【0060】
また、他の実施形態として、コンステレーションマッピング部510は、第1サブチャネルグループに対しては「+45度BPSKコンステレーションマッピング方式」、第2サブチャネルグループに対しては「−45度BPSKコンステレーションマッピング方式」を適用するABPSKコンステレーションマッピング方式を適用してもよい。
【0061】
一実施形態として、コンステレーションマッピング部510は、第1データフレームの中で一部の時間区間にだけ第1コンステレーションマッピング方式を適用する。第1データフレームと第2データフレームで各コンステレーションマッピング方式が適用された時間区間は互いに同一である。
【0062】
送信部520は、第1コンステレーションマッピング方式が適用された第1データフレームをデータ受信装置540に送信する。
【0063】
データ受信装置540は、第1コンステレーションマッピング方式が適用された第1データフレームを受信し、第2コンステレーションマッピング方式が適用された第2データフレームを受信する。
【0064】
データ受信装置540は、特定の時間区間に対して各データフレームに適用されたコンステレーションマッピング方式を判断する。各データフレームに適用されたコンステレーションマッピング方式が相違する場合、データ受信装置540は、コンステレーションマッピング方式にしたがって各データフレームを区分する。
【0065】
データ受信装置540は、各データフレームに適用されたコンステレーションマッピング方式を判断し、コンステレーションマッピング方式にしたがって各データフレームを区分する。
【0066】
例えば、第1データフレームにBPSKコンステレーションマッピング方式が適用された場合、データ受信装置540は、第1データフレームを802.11a標準によるレガシーデータフレームに区分する。
【0067】
また、第2データフレームにQBPSKコンステレーションマッピング方式が適用された場合、データ受信装置540は第2データフレームを802.11n標準によるHT−mixedデータフレームに区分する。第3データフレームにABPSKコンステレーションマッピング方式が適用された場合、データ受信装置540は第3データフレームを802.11ac標準によるVHT−mixedデータフレームに区分する。
【0068】
一実施形態として、各データフレームの中でコンステレーションマッピング方式が適用された時間区間は、チャネル環境、データ受信装置540の要求などに応じて変更され得る。
【0069】
図6は、本発明の一実施形態に係るデータ受信装置の構造を示すブロック図である。
データ受信装置600は、受信部610、判断部620およびフレーム識別部630を含む。
【0070】
受信部610は、第1コンステレーションマッピング方式が適用された第1データフレームを受信し、第2コンステレーションマッピング方式が適用された第2データフレームを受信する。一実施形態として、第1コンステレーションマッピング方式または第2コンステレーションマッピング方式は、BPSKコンステレーションマッピング方式、QBPSKコンステレーションマッピング方式、+45度BPSKコンステレーションマッピング方式、及び−45度BPSKコンステレーションマッピング方式の中からの少なくとも1つを含む。
【0071】
各コンステレーションマッピング方式に対しては図1図3で詳細に説明したため、詳しい説明は省略することにする。
【0072】
一実施形態として、第1データフレームと第2データフレームの中の同一の時間区間、または対応する時間区間の間に第1コンステレーションマッピング方式および第2コンステレーションマッピング方式が適用される。第1コンステレーションマッピング方式と第2コンステレーションマッピング方式は互いに相違する。
【0073】
判断部620は、各データフレームに適用されたコンステレーションマッピング方式を判断する。
一実施形態として、判断部620は各データフレームに対してデシジョンメトリックを個別に生成し、生成されたデシジョンメトリックを所定の閾値と比較して各データフレームに適用されたコンステレーションマッピング方式を判断する。
【0074】
一実施形態として、各データフレームはOFDM方式を用いて変調する。この場合、判断部620は、式(1)〜式(3)を参照して上述したように、データフレームの一部を互いに加算的に結合したり相殺的に結合してメトリックを生成する。判断部620は、生成されたメトリックを組み合わせてデシジョンメトリックを生成し、各デシジョンメトリックと閾値を比較して各データフレームを区分する。一実施形態として、判断部620は、データフレームのメトリックの中でその値の差が最小になる2つの値の中間値に各閾値を設定してもよい。
【0075】
フレーム識別部630は、判断部620で判断された各データフレームに適用されたコンステレーションマッピング方式にしたがってデータフレームを区分する。
【0076】
図7は、本発明の一実施形態に係るデータフレーム区分方法をステップ別に示すフローチャートである。
【0077】
ステップS730において、データ送信装置710は第1データフレームに第1コンステレーションマッピング方式を適用する。
一実施形態として、第1コンステレーションマッピング方式は、図1図3に示したBPSKコンステレーションマッピング方式、QBPSKコンステレーションマッピング方式、+45度BPSKコンステレーションマッピング方式、−45度BPSKコンステレーションマッピング方式、及びABPSKコンステレーションマッピング方式の中からの1つを含む。
【0078】
ステップS740において、データ送信装置710は第1コンステレーションマッピング方式が適用された第1データフレームをデータ受信装置720に送信する。
【0079】
ステップS750において、データ受信装置720はデータ送信装置710から第1コンステレーションマッピング方式が適用された第1データフレームを受信するだけではなく、第2コンステレーションマッピング方式が適用された第2データフレームを第2データ送信装置から受信してもよい。
【0080】
一実施形態として、データ送信装置710は、第1データフレームの中で一部の時間区間にだけ第1コンステレーションマッピング方式を適用してもよい。この場合、第1データフレームと第2データフレームで各コンステレーションマッピング方式が適用された時間区間は互いに対応したり、同一であってもよい。
【0081】
ステップS760において、データ受信装置720は各データフレームに適用されたコンステレーションマッピング方式を判断する。一実施形態として、データ受信装置720は、各データフレームに対しデシジョンメトリックを個別に生成し、生成されたデシジョンメトリックを所定の閾値と比較して各データフレームに適用されたコンステレーションマッピング方式を判断する。
【0082】
一実施形態として、データ受信装置720は、式(1)〜式(3)を参照して上述したように、データフレームの一部を互いに加算的に結合したり相殺的に結合してメトリックを生成してもよい。データ受信装置720は、生成されたメトリックを組み合わせてデシジョンメトリックを生成し、各デシジョンメトリックと閾値を比較して各データフレームを区分する。
【0083】
ステップS770において、データ受信装置は、各データフレームに適用されたコンステレーションマッピング方式にしたがってデータフレームを区分する。
【0084】
例えば、受信したデータフレームにBPSKコンステレーションマッピング方式が適用されている場合に、データ受信装置720は受信したデータフレームが802.11a送信標準によるレガシーデータフレームであると判断する。また、受信したデータフレームにQBPSKコンステレーションマッピング方式が適用されている場合、データ受信装置720は受信データフレームが802.11n送信標準によるHT−mixedデータフレームであると判断する。また、受信したデータフレームにABPSKコンステレーションマッピング方式が適用されている場合、データ受信装置720は受信データフレームが802.11ac送信標準によるVHT−mixedデータフレームであると判断する。
【0085】
本発明の実施形態に係るデータフレーム区分方法は、多様な動作を実行するためのプログラム命令を含むコンピュータ読取可能な記録媒体に書き込まれ記憶されても良い。当該記録媒体は、プログラム命令、データファイル、データ構造などを単独または組み合わせて含むこともでき、記録媒体およびプログラム命令は、本発明の目的のために特別に設計されて構成されたものでもよく、コンピュータソフトウェア分野の技術を有する当業者にとって公知であり使用可能なものであってもよい。
【0086】
尚、本発明は、上述の実施形態に限られるものではない。本発明の技術的範囲から逸脱しない範囲内で多様に変更実施することが可能である。
【符号の説明】
【0087】
500、710 データ送信装置
510 コンステレーションマッピング部
520 送信部
540、600、720 データ受信装置
610 受信部
620 判断部
630 フレーム識別部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7