(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、添付図面を参照しながら、本発明にかかる警備システム及び警備方法の実施形態を詳細に説明する。
【0014】
(第1実施形態)
まず、第1実施形態の警備システムの構成について説明する。
【0015】
図1は、第1実施形態の警備システム10の構成の一例を示すブロック図である。
図1に示すように、警備システム10は、第1警備装置100と、第2警備装置200と、監視センタ300とを、備える。第1警備装置100、第2警備装置200、及び監視センタ300は、ネットワーク20を介して接続される。ネットワーク20は、例えば、公衆通信回線などにより実現できる。
【0016】
第1警備装置100は、親機として機能し、監視センタ300の監視先(例えば、単身者の住居)に設置される。第1警備装置100は、監視先の警備領域内で異常を検出した場合に、一定要件の下、ネットワーク20を介して監視センタ300に警報を送信する。
【0017】
第2警備装置200は、第1警備装置100の子機として機能し、例えば、単身者の親戚などである近親者の住居に設置される。なお本実施形態では、近親者の住居は、単身者の住居の遠隔地にある場合を想定しているが、これに限定されるものではない。
【0018】
監視センタ300は、第1警備装置100を用いて監視先を監視するシステムである。監視センタ300は、第1警備装置100から警報を受信すると、受信した警報に応じて、警備員に監視先への出動を指示したり、必要に応じて警察や消防などの関係機関に通報したりする。
【0019】
図2は、第1実施形態の第1警備装置100の構成の一例を示すブロック図である。
図2に示すように、第1警備装置100は、操作部110と、検知部120と、通信部130と、音声入力部140と、音声出力部150と、記憶部160と、制御部170とを、備える。
【0020】
操作部110は、各種操作入力を行うものであり、例えば、タッチパネルディスプレイ、カードリーダ、及び操作子などの既存の各種入力装置の少なくともいずれかにより実現できる。
【0021】
検知部120は、警備領域内の人間の有無など警備領域内の状態変化を検知するものである。これにより、日常生活における居住者の異常の有無や第3者の侵入など警備領域内の異常が検知される。検知部120は、例えば、赤外線の受光量を検知する赤外線センサ、赤外線等の受信の有無を検知する遮断センサ、電磁波の乱れを検知する気配センサ、及びマグネットを用いてスイッチを動作させることによりドアなどの開閉を検知する開閉センサ(マグネットセンサ)などの既存の各種センサの少なくともいずれかにより実現できる。
【0022】
通信部130(第1通信部の一例)は、ネットワーク20を介して、第2警備装置200及び監視センタ300と通信するものであり、例えば、通信インターフェースなどの既存の通信装置により実現できる。
【0023】
音声入力部140は、音声を入力(集音)するものであり、例えば、マイクなどの既存の音声入力装置により実現できる。
【0024】
音声出力部150(第1音声出力部の一例)は、音声を出力するものであり、例えば、スピーカなどの既存の音声出力装置により実現できる。
【0025】
記憶部160は、第1警備装置100で実行される各種プログラムや第1警備装置100で行われる各種処理に使用されるデータなどを記憶する。記憶部160は、例えば、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、メモリカード、光ディスク、RAM(Random Access Memory)などの磁気的、光学的、又は電気的に記憶可能な既存の各種記憶装置の少なくともいずれかにより実現できる。
【0026】
記憶部160は、警備解除中メッセージと当該警備解除中メッセージに対する応答キーワードとを対応付けた安否確認テーブル(テーブルの一例)などを記憶する。警備解除中メッセージは、監視先(警備領域)の居住者に関連するメッセージであり、警備領域の警備モードが警備解除状態である場合に音声出力され、監視先の居住者の安否確認に用いられる。警備解除状態については、後ほど説明する。
【0027】
なお本実施形態では、警備解除中メッセージ及び応答キーワードが音声データである場合を例に取り説明するが、これに限定されるものではなく、例えば、テキストデータであってもよい。
【0028】
図3は、安否確認テーブルの一例を示す図である。
図3に示す例では、安否確認テーブルは、監視先が属する地域の犯罪発生状況に関する警備解除中メッセージ161と、当該警備解除中メッセージ161に対する応答キーワードである「注意」とを、対応付けている。同様に、安否確認テーブルは、監視先が属する地域の天候に関する警備解除中メッセージ163と、当該警備解除中メッセージ163に対する応答キーワードである「了解」とを、対応付けている。同様に、安否確認テーブルは、例えば趣味など、監視先の居住者が関心のある分野(ここでは、株価)に関する警備解除中メッセージ165と、当該警備解除中メッセージ165に対する応答キーワードである「了解」とを、対応付けている。
【0029】
図2に戻り、制御部170は、第1警備装置100の各部を制御するものであり、CPU(Central Processing Unit)などの既存の制御装置により実現できる。そして制御部170は、操作受付部172と、切替部174と、計時部176と、通信制御部178と、出力制御部180と、音声受付部182と、判定部184とを、含む。
【0030】
操作受付部172は、操作部110から各種操作の入力を受け付ける。例えば、操作受付部172は、操作部110から、警備領域の警備モードを切り替える切替操作の入力などを受け付ける。
【0031】
切替部174は、警備領域の警備モードを、通常警備が実行される警備状態又は通常警備が解除される警備解除状態に切り替える。ここで、警備モードとは、第1警備装置100の状態を示すものであり、第1警備装置100の動作は、警備モードが示す状態に応じて決定される。なお本実施形態の第1警備装置100は、警備モードとして、警備状態と警備解除状態とを有している。また、通常警備とは、検知部120により警備領域内の状態変化が検知された場合に、一定要件の下、監視先(警備領域)への第3者の侵入が疑われることを示す侵入警報を監視センタ300に送信することである。
【0032】
具体的には、切替部174は、警備モードを警備状態から警備解除状態に切り替える切替操作の入力が操作受付部172により受け付けられた場合に、警備モードを警備状態から警備解除状態に切り替える。同様に、切替部174は、警備モードを警備解除状態から警備状態に切り替える切替操作の入力が操作受付部172により受け付けられた場合に、警備モードを警備解除状態から警備状態に切り替える。
【0033】
計時部176は、切替部174により警備モードが警備解除状態に切り替えられた場合に第1設定時間及び第2設定時間の計時を開始する。ここで、第1設定時間の経過時は、ライフリズム警報の送信タイミングであり、第2設定時間の経過時は、状態確認タイミングであるものとする。なお、第2設定時間は第1設定時間よりも短いものとする。そして計時部176は、第1設定時間が経過した場合、又は検知部120により警備領域内の状態変化が検知された場合、再び第1設定時間の計時を開始し、同様に、第2設定時間が経過した場合、又は検知部120により警備領域内の状態変化が検知された場合、再び第2設定時間の計時を開始する。つまり、計時部176は、警備モードが警備解除状態である間、第1設定時間及び第2設定時間の計時を繰り返す。
【0034】
通信制御部178は、警備モードが前記警備解除状態であり、検知部120により警備領域内の状態変化が検知されずに第2設定時間が経過した場合に、通信部130から第2警備装置200に状態確認信号の送信要求を行わせる。
【0035】
なお、単身者が外出時に警備モードを警備解除状態から警備状態に切り替えることを失念した場合を想定し、状態確認信号を送信する前、あるいは状態確認信号の送信と同時に単身者の携帯端末に警備解除状態であることを通知するような構成にしてもよい。
【0036】
また通信制御部178は、監視センタ300から送信される確認指示信号を通信部130に受信させる。
【0037】
出力制御部180(第1出力制御部の一例)は、通信部130により確認指示信号が受信された場合に、警備解除中メッセージを音声出力部150に音声出力させる。具体的には、出力制御部180は、記憶部160から安否確認テーブルの所定の警備解除中メッセージを読み出し、読み出した警備解除中メッセージの音声データを、DA変換技術などを用いてデジタル信号からアナログ信号に変換して音声出力部150に音声出力させる。
【0038】
なお、記憶部160に記憶されている警備解除中メッセージがテキストデータである場合には、出力制御部180は、記憶部160から読み出したメッセージを音声信号に変換する音声合成処理を行い、音声合成処理により生成した音声信号をDA変換して音声出力部150に音声出力させればよい。
【0039】
音声受付部182は、音声入力部140から警備解除中メッセージに対する応答発話の音声入力を受け付ける。そして音声受付部182は、受け付けた応答発話の音声を、AD変換技術などを用いてアナログ信号からデジタル信号に変換する。
【0040】
判定部184は、音声受付部182により応答発話の音声入力が第3設定時間内に受け付けられたか否かを判定する。具体的には、判定部184は、音声出力部150からの警備解除中メッセージの音声出力が出力制御部180により行われると、予め定められた第3設定時間の計時を開始する。そして判定部184は、第3設定時間の計時が終了するまでに音声受付部182により応答発話の音声入力が受け付けられたか否かを判定する。
【0041】
また判定部184は、音声受付部182により応答発話の音声入力が第3設定時間内に受け付けられた場合に、応答発話に応答キーワードが含まれているか否かを判定する。具体的には、判定部184は、記憶部160に記憶されている安否確認テーブルを参照して、出力制御部180により音声出力部150から音声出力された警備解除中メッセージに対応付けられた応答キーワードが、音声受付部182により受け付けられた応答発話に含まれているか否かを判定する。
【0042】
例えば、出力制御部180により
図3に示す警備解除中メッセージ161が音声出力部150から音声出力され、音声受付部182により「注意します」という応答発話が第3設定時間内に受け付けられたとする。この場合、「注意します」という応答発話に、警備解除中メッセージ161に対応付けられた応答キーワード「注意」が含まれているため、判定部184は、応答発話に応答キーワードが含まれていると判定する。
【0043】
また例えば、出力制御部180により
図3に示す警備解除中メッセージ163が音声出力部150から音声出力され、音声受付部182により「了解です」という応答発話が第3設定時間内に受け付けられたとする。この場合、「了解です」という応答発話に、警備解除中メッセージ163に対応付けられた応答キーワード「了解」が含まれているため、判定部184は、応答発話に応答キーワードが含まれていると判定する。
【0044】
また例えば、出力制御部180により
図3に示す警備解除中メッセージ165が音声出力部150から音声出力され、音声受付部182により「了解です」という応答発話が第3設定時間内に受け付けられたとする。この場合、「了解です」という応答発話に、警備解除中メッセージ165に対応付けられた応答キーワード「了解」が含まれているため、判定部184は、応答発話に応答キーワードが含まれていると判定する。
【0045】
なお、記憶部160に記憶されている警備解除中メッセージがテキストデータである場合には、判定部184は、音声受付部182により受け付けられた応答発話の音声を音声認識してテキストデータに変換し、変換した応答発話のテキストデータに応答キーワードが含まれているか否かを判定すればよい。
【0046】
ここで、通信制御部178について再び説明する。
【0047】
通信制御部178は、通信部130により確認指示信号が受信されると、音声入力部140から入力され、音声受付部182により受け付けられる音声を、通信部130から第2警備装置200に送信させる。
【0048】
また通信制御部178は、応答発話の音声入力が第3設定時間内に受け付けられなかった場合、応答発話に応答キーワードが含まれていない場合、又は検知部120により警備領域内の状態変化が検知されずに第1設定時間が経過した場合に、通信部130から監視センタ300に異常警報を送信させる。
【0049】
具体的には、通信制御部178は、音声受付部182により応答発話の音声入力が第3設定時間内に受け付けられなかったと判定部184により判定された場合に、通信部130から監視センタ300に、監視先(警備領域)の居住者の安否異常が疑われることを示すライフリズム警報を送信させる。
【0050】
なお、出力制御部180により
図3に示す警備解除中メッセージ165が音声出力部150から音声出力されても、音声受付部182により応答発話の音声入力が第3設定時間内に受付けられない場合に想定される状況として、例えば、単身者の容態が急変して倒れてしまう場合が考えられるが、この構成により単身者の容態が急変したことを発見できる。
【0051】
また通信制御部178は、音声受付部182により受け付けられた応答発話に応答キーワードが含まれていないと判定部184により判定された場合にも、通信部130から監視センタ300に、ライフリズム警報を送信させる。
【0052】
なお、出力制御部180により
図3に示す警備解除中メッセージ165が音声出力部150から音声出力されても、音声受付部182により受け付けられた応答発話に応答キーワードが含まれていない場合に想定される状況として、例えば、単身者の容態が悪化したことにより正常な受け答えがなされない場合が考えられるが、この構成により単身者の容態が悪化したことを発見できる。
【0053】
また通信制御部178は、検知部120により警備領域内の状態変化が検知されずに第1設定時間が経過した場合にも、通信部130から監視センタ300に、ライフリズム警報を送信させる。
【0054】
なお、第1警備装置100は、上述した各部の全てを必須の構成とする必要はなく、その一部を省略した構成としてもよい。
【0055】
図4は、第1実施形態の第2警備装置200の構成の一例を示すブロック図である。
図4に示すように、第2警備装置200は、通信部210と、音声出力部220と、操作部230と、記憶部235と、制御部240とを、備える。
【0056】
通信部210(第2通信部の一例)は、ネットワーク20を介して、第1警備装置100及び監視センタ300と通信するものであり、例えば、通信インターフェースなどの既存の通信装置により実現できる。
【0057】
音声出力部220(第2音声出力部の一例)は、音声を出力するものであり、例えば、スピーカなどの既存の音声出力装置により実現できる。
【0058】
操作部230は、各種操作入力を行うものであり、例えば、タッチパネルディスプレイ、カードリーダ、及び操作子などの既存の各種入力装置の少なくともいずれかにより実現できる。
【0059】
記憶部235は、第2警備装置200で実行される各種プログラムや第2警備装置200で行われる各種処理に使用されるデータなどを記憶する。記憶部235は、例えば、HDD、SSD、メモリカード、光ディスク、RAMなどの磁気的、光学的、又は電気的に記憶可能な既存の各種記憶装置の少なくともいずれかにより実現できる。
【0060】
記憶部235は、第2警備装置200の利用者の認証に用いられる利用者認証元情報を記憶する。本実施形態では、利用者認証元情報が暗証番号である場合を例に取り説明するがこれに限定されるものではない。
【0061】
制御部240は、第2警備装置200の各部を制御するものであり、CPUなどの既存の制御装置により実現できる。そして制御部240は、通信制御部242と、操作受付部244と、利用者認証部246と、出力制御部248とを、含む。
【0062】
通信制御部242は、第1警備装置100から送信される状態確認信号の送信要求を通信部210に受信させる。
【0063】
操作受付部244は、操作部230から各種操作の入力を受け付ける。例えば、操作受付部244は、操作部230から、状態確認信号の送信を指示する操作入力などを受け付ける。具体的には、操作受付部244は、状態確認信号の送信を指示する操作入力として、第2警備装置200の利用者認証情報の入力を受け付ける。本実施形態では、利用者認証情報が暗証番号である場合を例に取り説明するがこれに限定されるものではない。例えば、生体情報やICカードなどであってもよい。
【0064】
利用者認証部246は、操作受付部244により受け付けられた利用者認証情報を用いて、第2警備装置200の利用者が正当な利用者であるか否かを認証する。具体的には、利用者認証部246は、操作受付部244により受け付けられた利用者認証情報と記憶部235に記憶されている利用者認証元情報とを照合し、両情報が一致すれば第2警備装置200の利用者が正当な利用者である(認証成功)と判定し、両情報が一致しなければ第2警備装置200の利用者が正当な利用者でない(認証失敗)と判定する。
【0065】
ここで、通信制御部242について再び説明する。
【0066】
通信制御部242は、操作受付部244により状態確認信号の送信を指示する操作入力が受け付けられた場合に、通信部210から監視センタ300に、状態確認信号を送信させる。具体的には、通信制御部242は、利用者認証部246により状態確認信号の送信を指示する操作入力を行った第2警備装置200の利用者が正当な利用者であると認証された場合に、通信部210から監視センタ300に、状態確認信号を送信させる。
【0067】
ここで、通信部210から送信される状態確認信号は、状態確認信号認証情報を含むものとする。本実施形態では、状態確認信号認証情報は、第2警備装置200を識別するID及びパスワードを含むものとするが、これに限定されるものではない。
【0068】
また通信制御部242は、第1警備装置100から送信される音声を通信部210に受信させる。
【0069】
出力制御部248は、通信部210により受信された音声を音声出力部220に音声出力させる。これにより、第1警備装置100から第2警備装置200への音声通信が行われる。
【0070】
なお、第2警備装置200は、上述した各部の全てを必須の構成とする必要はなく、その一部を省略した構成としてもよい。
【0071】
図5は、第1実施形態の監視センタ300の構成の一例を示すブロック図である。
図5に示すように、監視センタ300は、通信部310と、記憶部320と、制御部330とを、備える。
【0072】
通信部310(第3通信部の一例)は、ネットワーク20を介して、第1警備装置100及び第2警備装置200と通信するものであり、例えば、通信インターフェースなどの既存の通信装置により実現できる。
【0073】
記憶部320は、監視センタ300で実行される各種プログラムや監視センタ300で行われる各種処理に使用されるデータなどを記憶する。記憶部320は、例えば、HDD、SSD、メモリカード、光ディスク、RAMなどの磁気的、光学的、又は電気的に記憶可能な既存の各種記憶装置の少なくともいずれかにより実現できる。
【0074】
記憶部320は、状態確認信号の認証に用いられる状態確認信号認証元情報を記憶する。本実施形態では、状態確認信号認証元情報が送信元警備装置のID、パスワード、及び送信先警備装置のIDであるものとするが、これに限定されるものではない。
【0075】
制御部330は、監視センタ300の各部を制御するものであり、CPUなどの既存の制御装置により実現できる。そして制御部330は、通信制御部332と、状態確認信号認証部334とを、含む。
【0076】
通信制御部332は、第2警備装置200から送信される状態確認信号を通信部310に受信させる。
【0077】
状態確認信号認証部334は、通信部310により受信された状態確認信号に含まれる状態確認信号認証情報を用いて、第2警備装置200が状態確認信号の正当な送信元であるか否かを認証する。具体的には、状態確認信号認証部334は、通信部310により受信された状態確認信号に含まれる状態確認信号認証情報(詳細には、ID及びパスワード)と記憶部320に記憶されている状態確認信号認証元情報(詳細には、送信元警備装置のID及びパスワード)とを照合する。そして状態確認信号認証部334は、両情報が一致すれば第2警備装置200が状態確認信号の正当な送信元である(認証成功)と判定し、両情報が一致しなければ第2警備装置200が状態確認信号の正当な送信元でない(認証失敗)と判定する。
【0078】
ここで、通信制御部332について再び説明する。
【0079】
通信制御部332は、通信部310から第1警備装置100に、確認指示信号を送信させる。具体的には、通信制御部332は、状態確認信号認証部334により第2警備装置200が状態確認信号の正当な送信元であると認証された場合に、通信部310から第1警備装置100に、確認指示信号を送信させる。詳細には、通信制御部332は、通信部310から状態確認信号認証元情報の送信先警備装置のIDが示す警備装置(ここでは、第1警備装置100)に、確認信号を送信させる。
【0080】
また通信制御部332は、第1警備装置100から送信されるライフリズム警報を通信部310に受信させる。この場合、監視センタ300は、オペレータからの指示に基づき警備員への出動要請などを行う。
【0081】
なお、監視センタ300は、上述した各部の全てを必須の構成とする必要はなく、その一部を省略した構成としてもよい。
【0082】
次に、第1実施形態の警備システムの動作について説明する。
【0083】
図6は、第1実施形態の警備システム10で行われる処理の一例を示すシーケンス図である。
【0084】
まず、第1警備装置100の通信制御部178は、警備モードが警備解除状態であり、検知部120により警備領域内の状態変化が検知されずに第2設定時間が経過した場合に、通信部130から第2警備装置200に状態確認信号の送信要求を行わせる(ステップS100)。
【0085】
続いて、第2警備装置200の利用者(近親者)は、例えば電話等を用いて、第1警備装置100が設置された警備領域の異常有無を確認する(ステップS102)。ここでは、第2警備装置200の利用者が異常有りと判断したものとする。
【0086】
続いて、第2警備装置200の利用者が操作部230から状態確認信号の送信を指示する操作入力を行うと、第2警備装置200の利用者認証部246は、操作受付部244により受け付けられた利用者認証情報を用いて、第2警備装置200の利用者が正当な利用者であるか否かを認証する(ステップS104)。ここでは、第2警備装置200の利用者が正当な利用者であると認証されたものとする。
【0087】
続いて、第2警備装置200の通信制御部242は、通信部210から監視センタ300に、状態確認信号を送信させる(ステップS106)。
【0088】
続いて、監視センタ300の状態確認信号認証部334は、通信部310により受信された状態確認信号に含まれる状態確認信号認証情報を用いて、第2警備装置200が状態確認信号の正当な送信元であるか否かを認証する(ステップS108)。ここでは、第2警備装置200が状態確認信号の正当な送信元であると認証されたものとする。
【0089】
続いて、監視センタ300の通信制御部332は、通信部310から第1警備装置100に、確認指示信号を送信させる(ステップS110)。
【0090】
続いて、第1警備装置100の通信制御部178は、通信部130により確認指示信号が受信されると、音声入力部140から入力され、音声受付部182により受け付けられる音声を、通信部130から第2警備装置200に送信させる。これにより、第1警備装置100から第2警備装置200への音声通信が確立される(ステップS112)。
【0091】
続いて、第1警備装置100の出力制御部180は、警備解除中メッセージを音声出力部150に音声出力させる(ステップS114)。
【0092】
続いて、第1警備装置100の音声受付部182は、音声入力部140から警備解除中メッセージに対する応答発話の音声入力を受け付ける(ステップS116)。ここでは、第1警備装置100の判定部184により応答発話に応答キーワードが含まれていないと判定されるものとする。
【0093】
続いて、第1警備装置100の通信制御部178は、通信部130から監視センタ300に、監視先(警備領域)の居住者の安否異常が疑われることを示すライフリズム警報を送信させる(ステップS118)。これにより、監視センタ300は、オペレータからの指示に基づき、第1警備装置100が設置された警備領域への警備員の出動要請を行う。
【0094】
図7は、第1実施形態の第1警備装置100で行われる処理の一例を示すフローチャート図である。
【0095】
まず、通信制御部178は、警備モードが警備解除状態であり(ステップS200でNo)、検知部120により警備領域内の状態変化が検知されずに(ステップS202でNo)、状態確認タイミングとなった場合に(ステップS204でNo、ステップS206でYes)、通信部130から第2警備装置200に状態確認信号の送信要求を行わせる(ステップS208)。
【0096】
続いて、通信制御部178は、監視センタ300からの確認指示信号の送信を待機し(ステップS210でNo)、通信部130により確認指示信号が受信されると(ステップS210でYes)、音声入力部140から入力され、音声受付部182により受け付けられる音声を、通信部130から第2警備装置200に送信させる。これにより、第1警備装置100から第2警備装置200への音声通信が行われる(ステップS212)。
【0097】
続いて、出力制御部180は、警備解除中メッセージを音声出力部150に音声出力させる(ステップS214)。
【0098】
続いて、判定部184は、音声受付部182により応答発話の音声入力が第3設定時間内に受け付けられたか否かを判定する(ステップS216)。
【0099】
そして判定部184は、音声受付部182により応答発話の音声入力が第3設定時間内に受け付けられた場合(ステップS216でYes)、応答発話に応答キーワードが含まれているか否かを判定する(ステップS218)。
【0100】
続いて、通信制御部178は、音声受付部182により応答発話の音声入力が第3設定時間内に受け付けられなかった場合(ステップS216でNo)、応答発話に応答キーワードが含まれていない場合に(ステップS218でNo)、通信部130から監視センタ300に、監視先(警備領域)の居住者の安否異常が疑われることを示すライフリズム警報を送信させる(ステップS220)。
【0101】
なお、通信制御部178は、警備モードが警備解除状態であり(ステップS200でNo)、検知部120により警備領域内の状態変化が検知されずに(ステップS202でNo)、ライフリズム警報送信タイミングとなった場合にも(ステップS204でYes)、通信部130から監視センタ300に、ライフリズム警報を送信させる(ステップS220)。
【0102】
また、警備モードが警備状態である場合(ステップS200でYes)、検知部120により警備領域内の状態変化が検知された場合(ステップS202でYes)、状態確認タイミングで無い場合(ステップS206でNo)、応答発話に応答キーワードが含まれている場合には(ステップS218でYes)、ステップS200に戻る。
【0103】
以上のように第1実施形態によれば、通常のライフリズム警報の送信間隔よりも短い間隔で、第2警備装置を利用して近親者等により単身者の状態確認が行われ、異常がある場合(病気や怪我により動けない状態など)には、ライフリズム警報が監視センタに送信される。従って第1実施形態によれば、単身者の安否異常を早期に発見でき、異常発生から異常検知までに時間を要してしまい、単身者の容態が悪化してしまうという事態を防止できる。
【0104】
また第1実施形態によれば、利用者認証に成功した場合に、第2警備装置から監視センタへ状態確認信号を送信するとともに、状態確認信号の認証に成功した場合に、監視センタから第1警備装置へ確認指示信号を送信しているため、通報者の身元確認を行うことができる。このため、監視先の状況が明確でない場合であっても、警備会社や警察、消防、又は救急などの関係機関に対しても迅速な対応を促すことができる。
【0105】
また第1実施形態によれば、カメラによる監視が行われているわけではないため、単身者のプライバシーを守ることもできる。
【0106】
(第2実施形態)
第1実施形態では、状態確認時に第1警備装置が監視センタにライフリズム警報を送信する例について説明したが、第2実施形態では、状態確認時に第2警備装置が監視センタに出動要請信号を送信する例について説明する。なお以下では、第1実施形態との相違点の説明を主に行い、第1実施形態と同様の機能を有する構成要素については、第1実施形態と同様の名称・符号を付し、その説明を省略する。
【0107】
図8は、第2実施形態の警備システム1010の構成の一例を示すブロック図である。
図8に示すように、第2実施形態では、第1警備装置1100、第2警備装置1200、及び監視センタ1300が第1実施形態と相違する。
【0108】
図9は、第2実施形態の第1警備装置1100の構成の一例を示すブロック図である。
図9に示すように、第1警備装置1100では、記憶部1160、並びに制御部1170の通信制御部1178、状態確認信号認証部1179、音声受付部1182、及び出力制御部1180が第1実施形態と相違する。
【0109】
記憶部1160は、状態確認信号の認証に用いられる状態確認信号認証元情報を記憶する。本実施形態では、状態確認信号認証元情報が送信元警備装置のID及びパスワードであるものとするが、これに限定されるものではない。
【0110】
通信制御部1178は、第2警備装置1200から送信される状態確認信号を通信部130に受信させる。
【0111】
状態確認信号認証部1179は、通信部130により受信された状態確認信号に含まれる状態確認信号認証情報を用いて、第2警備装置1200が状態確認信号の正当な送信元であるか否かを認証する。具体的には、状態確認信号認証部1179は、通信部130により受信された状態確認信号に含まれる状態確認信号認証情報(詳細には、ID及びパスワード)と記憶部1160に記憶されている状態確認信号認証元情報(詳細には、送信元警備装置のID及びパスワード)とを照合する。そして状態確認信号認証部1179は、両情報が一致すれば第2警備装置1200が状態確認信号の正当な送信元である(認証成功)と判定し、両情報が一致しなければ第2警備装置1200が状態確認信号の正当な送信元でない(認証失敗)と判定する。
【0112】
音声受付部1182(第1音声受付部の一例)は、音声入力部140(第1音声入力部の一例)から音声入力を受け付ける。
【0113】
ここで、通信制御部1178について再び説明する。
【0114】
通信制御部1178は、通信部130により状態確認信号が受信された場合に、通信部130から第2警備装置1200に、音声受付部1182により受け付けられる音声を送信させるとともに、第2警備装置1200から送信される音声を通信部130に受信させる。具体的には、通信制御部1178は、状態確認信号認証部1179により第2警備装置1200が状態確認信号の正当な送信元であると認証された場合に、通信部130から第2警備装置1200に、音声受付部1182により受け付けられる音声を送信させるとともに、第2警備装置1200から送信される音声を通信部130に受信させる。これにより、第1警備装置1100及び第2警備装置1200間での双方向での音声通信が行われる。
【0115】
出力制御部1180は、通信部130により受信された音声を音声出力部150に音声出力させる。
【0116】
図10は、第2実施形態の第2警備装置1200の構成の一例を示すブロック図である。
図10に示すように、第2警備装置1200では、音声入力部1250、並びに制御部1240の操作受付部1244、音声受付部1249、及び通信制御部1242が第1実施形態と相違する。
【0117】
音声入力部1250(第2音声入力部の一例)は、音声を入力(集音)するものであり、例えば、マイクなどの既存の音声入力装置により実現できる。
【0118】
操作受付部1244は、操作部230から、警備領域への警備員の出動を要請する出動要請信号の送信を指示する操作入力を更に受け付ける。
【0119】
音声受付部1249(第2音声受付部の一例)は、音声入力部1250から音声の入力を受け付ける。
【0120】
通信制御部1242は、操作受付部1244により状態確認信号の送信を指示する操作入力が受け付けられた場合に、通信部210から第1警備装置1100に、状態確認信号を送信させる。具体的には、通信制御部1242は、利用者認証部246により状態確認信号の送信を指示する操作入力を行った第2警備装置1200の利用者が正当な利用者であると認証された場合に、通信部210から第1警備装置1100に、状態確認信号を送信させる。
【0121】
また通信制御部1242は、第1警備装置1100から送信される音声を通信部210に受信させるとともに、音声受付部1249により受け付けられた音声を、通信部210から第1警備装置1100に送信させる。これにより、第1警備装置1100及び第2警備装置1200間での双方向での音声通信が行われる。
【0122】
また通信制御部1242は、操作受付部1244により出動要請信号の送信を指示する操作入力が受け付けられた場合に、通信部210から監視センタ1300に出動要請信号を送信させる。
【0123】
ここで、通信部210から送信される出動要請信号は、出動要請信号認証情報を含むものとする。本実施形態では、出動要請信号認証情報は、第2警備装置1200を識別するID及びパスワードを含むものとするが、これに限定されるものではない。
【0124】
図11は、第2実施形態の監視センタ1300の構成の一例を示すブロック図である。
図11に示すように、監視センタ1300では、記憶部1320、並びに制御部1330の通信制御部1332、及び出動要請信号認証部1334が第1実施形態と相違する。
【0125】
記憶部1320は、出動要請信号の認証に用いられる出動要請信号認証元情報を記憶する。本実施形態では、出動要請信号認証元情報が送信元警備装置のID及びパスワードであるものとするが、これに限定されるものではない。
【0126】
通信制御部1332は、第2警備装置1200から送信される出動要請信号を通信部310に受信させる。
【0127】
出動要請信号認証部1334は、通信部310により受信された出動要請信号に含まれる出動要請信号認証情報を用いて、第2警備装置1200が出動要請信号の正当な送信元であるか否かを認証する。具体的には、出動要請信号認証部1334は、通信部310により受信された出動要請信号に含まれる出動要請信号認証情報(詳細には、ID及びパスワード)と記憶部1320に記憶されている出動要請信号認証元情報(詳細には、送信元警備装置のID及びパスワード)とを照合する。そして出動要請信号認証部1334は、両情報が一致すれば第2警備装置1200が出動要請信号の正当な送信元である(認証成功)と判定する。この場合、監視センタ1300は、オペレータからの指示に基づき警備員への出動要請などを行う。一方、出動要請信号認証部1334は、両情報が一致しなければ第2警備装置1200が出動要請信号の正当な送信元でない(認証失敗)と判定する。この場合、監視センタ1300は、警備員への出動要請などを行わない。
【0128】
図12は、第2実施形態の警備システム1010で行われる処理の一例を示すシーケンス図である。
【0129】
まず、ステップS1100〜ステップS1104までの処理は、
図6のステップS100〜ステップS104までの処理と同様である。
【0130】
続いて、第2警備装置1200の通信制御部1242は、通信部210から第1警備装置1100に、状態確認信号を送信させる(ステップS1106)。
【0131】
続いて、第1警備装置1100の状態確認信号認証部1179は、通信部130により受信された状態確認信号に含まれる状態確認信号認証情報を用いて、第2警備装置1200が状態確認信号の正当な送信元であるか否かを認証する(ステップS1108)。ここでは、第2警備装置1200が状態確認信号の正当な送信元であると認証されたものとする。
【0132】
続いて、第1警備装置1100の通信制御部1178は、音声入力部140から入力され、音声受付部1182により受け付けられる音声を、通信部130から第2警備装置1200に送信させるとともに、第2警備装置1200から送信される音声を通信部130に受信させる。そして出力制御部1180は、通信部130により受信された音声を音声出力部150に音声出力させる。これにより、第1警備装置1100及び第2警備装置1200間での双方向での音声通信が確立される(ステップS1110)。
【0133】
続いて、第2警備装置1200の利用者(近親者)は、確立された音声通信から監視先(第1警備装置1100が設置された警備領域)への警備員の出動の有無を判断する。そして、警備員の出動を要請する場合、第2警備装置1200の利用者が操作部230から出動要請信号の送信を指示する操作入力を行うと、第2警備装置1200の通信制御部1242は、通信部210から監視センタ1300に出動要請信号を送信させる(ステップS1112)。
【0134】
続いて、監視センタ1300の出動要請信号認証部1334は、通信部310により受信された出動要請信号に含まれる出動要請信号認証情報を用いて、第2警備装置1200が出動要請信号の正当な送信元であるか否かを認証する(ステップS1114)。そして監視センタ300は、認証に成功した場合、オペレータからの指示に基づき警備員への出動要請を行う。
【0135】
図13は、第2実施形態の第1警備装置1100で行われる処理の一例を示すフローチャート図である。
【0136】
まず、ステップS1200〜ステップS1208までの処理は、
図7のステップS200〜ステップS208までの処理と同様である。
【0137】
続いて、通信制御部1178は、第2警備装置1200からの状態確認信号の送信を待機する(ステップS1210でNo)。そして、通信部130により状態確認信号が受信されると(ステップS1210でYes)、状態確認信号認証部1179は、通信部130により受信された状態確認信号に含まれる状態確認信号認証情報を用いて、第2警備装置1200が状態確認信号の正当な送信元であるか否かを認証する(ステップS1212)。
【0138】
続いて、通信制御部1178は、状態確認信号認証部1179により第2警備装置1200が状態確認信号の正当な送信元であると認証された場合(ステップS1212でYes)、通信部130から第2警備装置1200に、音声受付部1182により受け付けられる音声を送信させるとともに、第2警備装置1200から送信される音声を通信部130に受信させる。これにより、第1警備装置1100及び第2警備装置1200間での双方向での音声通信が確立される(ステップS1214)。
【0139】
なお、通信制御部1178は、警備モードが警備解除状態であり(ステップS1200でNo)、検知部120により警備領域内の状態変化が検知されずに(ステップS1202でNo)、ライフリズム警報送信タイミングとなった場合に(ステップS1204でYes)、通信部130から監視センタ1300に、ライフリズム警報を送信させる(ステップS1216)。
【0140】
また、警備モードが警備状態である場合(ステップS1200でYes)、検知部120により警備領域内の状態変化が検知された場合(ステップS1202でYes)、状態確認タイミングで無い場合(ステップS1206でNo)、第2警備装置1200が状態確認信号の正当な送信元でないと認証された場合には(ステップS1212でNo)、ステップS1200に戻る。
【0141】
以上のように第2実施形態によれば、通常のライフリズム警報の送信間隔よりも短い間隔で、第2警備装置を利用して近親者等により単身者の状態確認が行われ、異常がある場合(病気や怪我により動けない状態など)には、第2警備装置から出動要請信号が監視センタに送信される。従って第2実施形態においても、単身者の安否異常を早期に発見でき、異常発生から異常検知までに時間を要してしまい、単身者の容態が悪化してしまうという事態を防止できる。
【0142】
また第2実施形態によれば、利用者認証に成功した場合に、第2警備装置から第1警備装置へ状態確認信号を送信するとともに、状態確認信号の認証に成功した場合に、第1警備装置及び第2警備装置間の音声通信を確立し、出動要請信号の認証に成功した場合に、監視センタから出動要請が行われるため、通報者の身元確認を行うことができる。このため、監視先の状況が明確でない場合であっても、警備会社や警察、消防、又は救急などの関係機関に対しても迅速な対応を促すことができる。
【0143】
また第2実施形態においても、カメラによる監視が行われているわけではないため、単身者のプライバシーを守ることもできる。