【実施例】
【0008】
以下に図面を用いて本発明に係る断熱屋根下地構造について詳細に説明する。
図1〜4は本発明に係る断熱屋根下地構造の施工状態を示す説明図、
図5(a)〜(c)、
図6(a)、(b)、
図7(a)、(b)は金属成形板Bと断熱材C、裏面材D、金具下地材Eよりなる断熱屋根材Aの代表的一例を示す説明図、
図8、
図9は断熱屋根材Aの左右端部の施工状態を示す説明図、
図10〜
図13は断熱屋根材Aの左右端部を示す説明図、
図14(a)〜(c)において、(a)図は
図8のa−a部端面図、(b)図は
図10のb−b部端面図、(c)図は
図11のc−c部端面図である。また、
図15(a)〜(c)において、(a)図は
図13のd−d部断面図、(b)図は
図13のe−e部断面図、(c)図は
図10のf−f部断面図である。さらに、
図15(a)〜(c)、
図16(a)〜(c)は施工順序を示す説明図である。図中、αは屋根下地、βは釘等の固定具、γは縦目地、γ1は横目地、Kは家屋、Mは窓、Yは屋根を示している。
【0009】
下地屋根は、新築の際は
図1、2に示すように垂木1、野地板2、防水シート3から構成した木造下地を示したものである。すなわち、垂木1上に野地板2を敷設し、野地板2上に防水シート3(アスファルトフェルト)を配設した一般的な構造の屋根下地αである。また、屋根下地αとしてH形鋼、I形鋼、ミゾ形鋼、軽量ミゾ形鋼、リップ溝形鋼、等辺山形鋼、不等辺山形鋼、角形鋼(角パイプ)、円形鋼(円形パイプ)、等を使用した鉄骨下地でも良いものである。勿論、既存の屋根をそのまま改修する屋根の際には、これら屋根下地α上に金属横葺き屋根、金属瓦棒葺き屋根、新生瓦(コロニアル)、瓦屋根、等の既存屋根(図示せず)が形成された既存屋根構造が屋根下地αとなるものである。勿論、防水シート3を形成しない屋根下地αでも良いものである。
【0010】
金属成形板Bは、例えば金属板(カラー鋼板、銅板、アルミニウム板、チタン板、ステンレス板、サンドイッチ鋼板、クラッド鋼板等)等をロール成形、プレス成形、押出成形、等によって形成したものである。
【0011】
さらに説明すると、金属成形板Bは長尺板状であり、
図5(a)〜(c)、
図6(a)、(b)に示すように、略水平面状の化粧面4と、裏面5と、化粧面4の水下側端部を下方に垂下した段差化粧面6と、水上側に開口するように略コ字状に屈曲して差込縁7を形成し、化粧面4と段差化粧面6と差込縁7とから略U字状の引っ掛け溝8を形成して雄型連結部9としたものである。
【0012】
また、
図5(a)〜(c)、
図6(a)、(b)に示すように、化粧面4の水上側端部には化粧面4の先端を水下側に開口して断面略U字状に形成した前記差込縁7と嵌合する嵌合溝10と、嵌合溝10の上縁となる嵌合縁11と、固定面12を形成し雌型連結部13としたものである。
【0013】
さらに、
図10、
図14(b)に示すように、金属成形板Bの一端縁の下端部14aを内側方に突出して折り返し片15と、折り返し片15に形成した凹部16と、凹部16により形成した防水空隙17と、折り返し片15の先端よりも外方の化粧面4上に、化粧面4中央へ傾斜して突出した凸部18とから形成した下連結部14と、
図11、
図14(c)に示すように、金属成形板Bの他端縁の上端部19aを外側方に突出した突出片20と、突出した部分の雌型連結部13部分を切断した切り欠き20と、突出片20の先端を内側に折り返した空隙防止片22と、突出片20の裏面部分の切り欠き23と、差込縁7の上端部19a近傍を切り欠いた水抜き孔24、第2水抜き孔25と、位置決め片26と、空隙防止片22より形成される防水空隙27とから形成した上連結部19を形成したものである。
【0014】
下連結部14は、
図8、
図9、
図14(a)〜(c)に示すように、上連結部19が連結されることにより、防水機能を発揮する部分である。
【0015】
折り返し片15は、下端部14aを折り返して形成することにより、突出片20の裏面5に当接して防水性を強化すると共に、途中に凹部16を形成することにより、防水空隙17を連結部内に形成し、さらに防水性を向上するものである。
【0016】
凸部18は、
図10に示すように化粧面4中央の水下側へ傾斜して一定ピッチで複数個形成することにより、内部に浸入しようとする雨水、風等を
図8に点線矢印で示すように外部に排出すると共に、折り返し片15、凹部16、防水空隙17、空隙防止片22、防水空隙27との相乗効果により、さらに、防水性、気密性を向上するものである。
【0017】
図では、その形成角度rは、r=30°としている。また、凸部18の形成位置は、下端部14aから凸部18形成位置までの幅をw、
図11に示すように上端部19aから突出片20の先端までの幅(切り欠き23の幅)をWとすると、W>wの関係である。なお、
図10に示すように凸部18間の関係において、凸部18間に垂直方向の重なりtを設けると、さらに防水性が向上するものである。なお、凸部18の垂直方向の重なりをTとすると、T≧0である。
【0018】
このように凸部18を傾斜して複数個形成することにより、端部の成形歪みを最小限にして成型が可能である。また、歪みがないので金属成形板Bの寸法精度が向上し、さらに、寸法精度の向上により、施工性、防水性が向上するものである。
【0019】
上連結部19は、
図8、
図9、
図14(a)〜(c)に示すように、下連結部14上に連結されることにより、防水機能を発揮する部分である。
【0020】
突出片20は、
図14(a)に示すように、切り欠き21を介して下連結部14上に形成され、防水性を有する縦目地γを形成する部分であり、凸部18、空隙防止片22により複数の防水空隙27を形成して防水性、気密性を向上するものである。
【0021】
切り欠き21は、金属成形板B同士を連結する際に、雌型連結部13部分が邪魔にならないように、嵌合縁11、固定片12を切り欠いた空間である。勿論、切り欠き21には断熱材Cと裏面材Dは存在しない。
【0022】
空隙防止片22は、突出片20と化粧面4間の縦目地γに空隙が形成されるのを防止し、防水性を向上すると共に、意匠性の向上と、端部がバタ付かないように形成するものである。
【0023】
切り欠き23は、断熱屋根材A同士を横方向で連結する際に、断熱材Cと裏面材Dが邪魔にならないように切り欠いた空間である。
【0024】
水抜き孔24は、
図8〜
図10に示すように連結した際に、縦目地γ部分から浸入した雨水が、差込縁7部分から内部に浸入しないように、下段の断熱屋根材A上の化粧面4に排水する部分である。
【0025】
第2水抜き孔25は、
図2、
図8、
図9に示すように連結した際に、縦目地γ部分から浸入した雨水が、水抜き孔24を越えて浸入しようとした際に、下段の断熱屋根材A上の化粧面4に排水する部分である。また、第2水抜き孔25によりを形成するものであり、位置決め片26は切り欠き23の形成位置を特定するための部分である。勿論、位置決め片26は断熱屋根材A製造時には、断熱材Cと裏面材Dを形成した複数枚の連続した断熱屋根材A同士を、切り離すための断熱材Cと裏面材Dの切断位置としても機能する部分である。
【0026】
断熱材Cは防水材、断熱材、補強材、嵩上げ材、防音材、吸音材、緩衝材、防火材、結露防止材、等として機能するものであり、主に、合成樹脂発泡体を使用するものである。その素材としては、スチレンフォーム、ポリウレタンフォーム、ポリイソシアヌレートフォーム、フェノールフォーム、塩化ビニルフォーム、ポリエチレンフォーム、ポリスチレンフォーム、ユリアフォーム等、の合成樹脂発泡体からなるものであり、例えばレゾール型フェノールの原液と、硬化剤、発泡剤を混合し、表面材、もしくは裏面材の裏面側に吐出させ、加熱して反応・発泡・硬化させて形成したものである。
【0027】
また、断熱材C中には各種難燃材として軽量骨材(パーライト粒、ガラスビーズ、石膏スラグ、タルク石、シラスバルーン、水酸化アルミニウム等)、繊維状物(グラスウール、ロックウール、カーボン繊維、グラファイト等)を混在させ、耐火性、防火性を向上させることも出来る。
【0028】
特に、このような合成樹脂発泡体を断熱材Cとして使用した場合には(1)断熱屋根材の断熱材が合成樹脂発泡体等の場合でも、合成樹脂発泡体よりなる断熱材がつぶれて強固に固定出来ない等の不具合が生じない。(2)合成樹脂発泡体等の断熱材の収縮と、経年変化による肉やせ等により、固定した屋根設備設置ベースSBを留め付けた固定具βが緩まない。(3)固定部分から漏水する危険性がない。等の作用効果を有するものとなる。
【0029】
裏面材Dはクラフト紙、アルミ蒸着紙、アスファルトフェルト、金属箔(Al、Fe、Pb、Cu)、合成樹脂シート、ゴムシート、布シート、石膏紙、水酸化アルミ紙、ガラス繊維不織布等の1種、または2種以上をラミネートしたもの、あるいは防水処理、難燃処理されたシート等からなるものである。
【0030】
断熱屋根材Aには、
図6(a)〜(c)に示すように、断熱材Cを切り欠いて図では3カ所切り欠いて、切り欠き部C1を形成し、切り欠き部C1に
図7(a)、(b)に示すような金具下地材Eを形成したものである。勿論、金具下地材Eは切り欠き部C1と同一形状とするものであり、裏面に万が一の雨水の浸入に対して排水出来るように排水溝E1を形成したものである。また、金具下地材Eの表裏面、またはいずれかの面に防水シート(ブチル系、アスファルト系等)を貼り付けることも出来る。
【0031】
断熱屋根材Aの裏面に形成した金具下地材Eは、
図1〜
図4に示すように、断熱屋根材A上に形成するソーラーパネル等の屋根設備Sを屋根Y上に形成するための固定下地として機能するものであり、ソーラーパネル等の屋根設備Sを取り付けるための、複数個のソーラーベース等よりなる屋根設備設置ベースSBを垂木1、野地板2に強固に固定するための間接固定材として機能するものである。
【0032】
断熱屋根材Aの断熱材Cが合成樹脂発泡体等の場合、そのまま複数個のソーラーベース等よりなる屋根設備設置ベースSBを垂木1、野地板2に固定すると、合成樹脂発泡体よりなる断熱材Cがつぶれて強固に固定出来な
い不具合があった。また、固定したとしても、断熱材Cの収縮と、経年変化による肉やせにて、固定した屋根設備設置ベースSBを留め付けた固定具βが緩みによる強度不足と、その固定部分から漏水する危険性があった。しかしながら、本発明に係る断熱屋根下地構造によれば上記構造形成することにより、このような危険性が排除出来るものである。
【0033】
なお、金具下地材Eの素材は、木材、硬質プラスチックなどを使用するものである。
【0034】
そこで、本発明に係る断熱屋根下地構造の施工方法について説明する。そこで、
図5(a)〜(c)〜
図15(a)〜(c)に示すような断熱屋根材Aを
図1〜
図4、
図15(a)〜(c)、
図16(a)〜(c)に示すように施工するとする。
【0035】
まず、
図2に示すように下段の断熱屋根材A上に上段の断熱屋根材Aを施工した
図16(a)、
図17(a)の左の断熱屋根材A1の下連結部14上に、
図16(b)、
図17(b)に示すように右の断熱屋根材A2の上連結部19を重ね合わせる。
【0036】
その後、
図16(b)、
図17(b)に矢印で示すように右の断熱屋根材Aを押し込むように差し込んで施工し、断熱屋根材A2の固定片12を
図2に示すように釘等の固定具βにより屋根下地αに固定し、
図17(c)に示すように施工するものである。この工程を、右方向、上方向に順次行うことにより、
図3に示すように施工を完了するものである。勿論、右の断熱屋根材A2を斜め方向に押し込むように差し込んで施工することも可能である。
【0037】
このような工程を、一般部分については
図5(a)〜(c)に示すような断熱屋根材Aを使用し、
図1、
図4に示すように屋根設備Sを形成する部分については
図6(a)、(b)に示すような断熱屋根材Aを使用するものである。このように形成した屋根Y上に、
図1に示すように屋根設備設置ベースSBを複数個形成し、この複数個形成した屋根設備設置ベースSBに、ボルト・ナット等の固定具βを介して
図4に示すように屋根設備Sを設置するものである。
【0038】
以上説明したのは本発明に係る断熱屋根下地構造の一実施例にすぎず、
図18(a)〜(c)に示すような断熱屋根材Aを使用することも出来る。また、これら断熱屋根材Aを組み合わせて使用することも出来るものである。