(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
ピックアップコイルに誘導される電圧と同調コンデンサの電圧との間の前記位相角は、前記同調コンデンサの電圧をある選定した時間、実質的に一定になるように保持することにより、変動する請求項1に記載の方法。
同調コンデンサの電圧をクランプする前記ステップは、前記同調コンデンサにかかる電圧が負になることを妨げるように第二のスイッチを動作させることを含む請求項4または5に記載の方法。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、交流電源を供給するIPTのピックアップ、ピックアップコントローラまたはシステムを提供することであり、少なくとも公衆に有用な選択肢を提供することである。
【0005】
これに代えてあるいはこれに加えて、本発明の目的は、交流IPTトラックから同一周波数の交流出力への直接的な交流から交流への電力変換を可能にすることである。この電力変換は、5〜250Vを代表値とする広範囲の制御が可能であり、高効率かつ低歪であって0.5Vよりも良好であることを代表とする高分解能の電力変換である。
【課題を解決するための手段】
【0006】
開示された本発明は、一態様において、共振回路を形成するピックアップコイルと同調コンデンサとを有するIPTピックアップから供給される交流電源を提供する方法であって、制御された交流電源をピックアップの出力に供給するようにピックアップコイルに誘導される電圧と同調コンデンサの電圧との間の位相角を変動させるステップを含む方法を提供する。
【0007】
いくつかの実施形態において、ピックアップコイルに誘導される電圧と同調コンデンサの電圧との間の位相角は、同調コンデンサの電圧をある選定した時間、実質的に一定になるように保持することにより、変動する。
【0008】
いくつかの実施形態において、この選定した時間は、位相角を変動させるように、変動する。
【0009】
いくつかの実施形態において、同調コンデンサの電圧を実質的に一定になるように保持するステップは、同調コンデンサの電圧を実質的にゼロボルトとなるようにクランプすることを含む。
【0010】
いくつかの実施形態において、同調コンデンサの電圧をクランプするステップは、同調コンデンサにかかる正電圧での上昇を妨げるように第一のスイッチを動作させることを含む。
【0011】
いくつかの実施形態において、同調コンデンサの電圧をクランプするステップは、同調コンデンサにかかる電圧が負になることを妨げるように第二のスイッチを動作させることを含む。
【0012】
いくつかの実施形態において、この方法は、この選定した時間を制御するための基準として、同調コンデンサにかかる電圧の極性の変化を検知するステップを含む。
【0013】
いくつかの実施形態において、この方法は、設定値とピックアップの出力とを比較し、この設定値へピックアップの出力が変化するように選定した時間を増減するステップを含む。
【0014】
開示された本発明は、他の態様において、共振回路を形成するピックアップコイルと同調コンデンサとを有するIPTピックアップのコントローラであって、ピックアップコイルに誘導される電圧と同調コンデンサの電圧との間の位相角を変化させて同調コンデンサの制御を行う1またはそれ以上のスイッチをさらに含み、これにより、このピックアップは制御された交流電源をこのピックアップの出力に供給するコントローラを提供する。
【0015】
開示された本発明は、他の態様において、共振回路を形成するピックアップコイルと同調コンデンサと、ピックアップコイルに誘導される電圧と同調コンデンサの電圧との間の位相角を変化させることにより制御された交流電源をピックアップの出力に供給するコントローラとを有するIPTピックアップを提供する。
【0016】
いくつかの実施形態において、制御された交流電源を直流出力として供給するように整流する整流器が交流出力に接続される。
【0017】
開示された本発明は、他の態様において、前記のいずれかのIPTピックアップまたはピックアップコントローラを含むIPTシステムを提供する。
【0018】
この電力伝達方法は、損失を小さくするように、通過する電力がパワーエレクロニクス素子によってまったくスイッチングされないような技術を用いて実現されることが好ましい。
【0019】
本発明は、本願明細書において、個別にあるいはまとめて参照されあるいは示された部分、要素または特徴について、広く主張されるものということができ、2つ以上の前述した部分、要素または特徴のすべてのまたはいかなる組み合わせにおいても同様である。本願明細書で言及された特定の整数が本発明の関連する技術分野における公知の均等物である場合は、そのような均等物は個別に説明されたかのように本願明細書に組み込まれたものとみなされる。
【0020】
本発明の実施態様が、
図1〜11を参照し実施例を通して記述される。
【発明を実施するための形態】
【0022】
図1は電力システムにおいてよく知られた図(ダイアグラム)であり、ひとつのジェネレータから他のジェネレータまたは負荷に電力がどのように伝達されるかを示している。第1のジェネレータの出力電圧はV
1であり、コイルL
1を通して第2の電圧V
2に接続されている。V
1とV
2の間の位相角がαであるとすると、伝達される電力Pは次式で与えられる。ここに、Xは動作周波数におけるコイルL
1のリアクタンスである。この式は、電力システムの解析において通常用いられる記号によりあらわされた一般式である。
【0024】
IPTシステムでは、この
図1の図は、
図2の回路に示すように、やや異なる解釈をされる。この場合、V
1はIPTトラックに流れる電流によりピックアップコイルL
1に誘導された電圧である。したがって、V
1 = jωMIであり、Iはトラック電流である。V
2は同調コンデンサCの電圧であり、IPTシステムにおける共振電圧である。L
1とCは並列共振回路を構成する。通常、V
1とV
2でなす位相角α´は、
図2の回路中にときおり生ずる負荷抵抗Rであらわされる負荷条件の下での
図2の回路の動作によって決定される。この位相角α´は、すべての回路要素が線形回路要素であり完全回路解析が可能な場合であっても、同回路中では観測することができない。
【0025】
しかしながら、本発明の一態様において、2つの新しい回路要素であるスイッチS
1およびS
2が加えられている。
図3に示すように、これらのスイッチS
1およびS
2は、それぞれダイオードD
1およびD
2と直列に接続されている。位相角α´が異なる値になるように回路の挙動が強制される場合がしばしば生じるものであるが、これらのスイッチはそれを妨げるように動作するものである。技術的には、ある選択した時間、電圧V
2を実質的に一定レベルに保持すること、たとえば、電圧V
2をクランプしてこれらのスイッチがゼロクロスすることを許さないようにすること、などで実現される。したがって、スイッチS
1は同調コンデンサにかかる正電圧での上昇を妨げ、スイッチS
2は同調コンデンサにかかる電圧が負になることを妨げる。動作の際は、これらのスイッチは180度の間隔でスイッチオンおよびスイッチオフを行う。しかし、
図4に示すように、この回路の通常の電圧に比較すると位相遅れが生ずる。通常の共振電圧とスイッチングした場合の波形とのオーバーラップ(重なり)をθで示す。このθは、
図1のV
1とV
2の間の基礎となる位相角α´ではなく、θを変化させるとα´がこれに従って変化することに注意する必要がある。ピックアップコイルの誘導電圧jωMIは回路が実際の負荷で動作しているときは観測することができない。しかし、トラック電流は同一の位相を有しており、その観測は容易である。スイッチS
1は、波形の負側の半周期の間はおおむねオンであり、特に何も働きはない。そして、通常の正側の半周期の一部の間は、スイッチS
1がオフとなるまでまったく電圧の上昇を許さない。スイッチS
2は、他方の半周期の間まったく反対の動作を行う。両方のスイッチは180度の間オンとなるがまったくオーバーラップ(重なり)は生じない。実際の出力電圧は、角度θの間にフラットとなるわずかな時間があるが、これらは、高いQの条件では、消失している。もっとも、波形はまだ変位しておりこのため伝達される電力は制御された状態を保ちながら減少する。したがって、選定した時間、同調コンデンサ電圧を所望のレベルで必要に応じ保持するようにスイッチS
1およびS
2を制御すれば、θを実装することができる。一つの実施態様では、共振回路の各周期におけるある選択した時間、同調コンデンサ電圧はクランプされる。他の実施態様では、同調
コンデンサ電圧は選択した周期における選択した時間、クランプされるようにすることができる。一つの実施態様では、同調コンデンサがクランプされる電圧は実質的にゼロボルトである。
【0026】
この回路の実用的な態様のひとつでは、トラック電流の位相はトラックの別のセンサによって得られる。そして、位相ロックループを用いて、正確に180度導通する方形波の基準電圧を生成することができる。この基準電圧は、必要に応じてマイクロコンピュータにより遅延させることができ、出力電圧を制御するスイッチを駆動するのに適した波形を供給するようにすることができる。スイッチそれ自体は単方向性であるため、電力用MOSFETが低価格な選択肢である。これらは、特に容易に駆動できる。180度のゲートドライブ信号による簡素なトランス絶縁に適するためである。
図4に、観測された波形とシミュレーションの波形について、高いQから低いQに対応した範囲が示されている。180度の間スイッチがオンとなっている際の実際のオーバーラップ(重なり)角θはこれよりずっと小さく、実用的な高いQの回路では見分けがつかないほど小さいことに注意されたい。それにも関わらず、共振波形は必ずしも正確に電力ファクタを統合するものとして位相角をあらわしていない。位相角は変化して電力伝達を調整し回路は小さいトラックから反射される負荷が小さいが主要な電力ファクタとなるからである。
【0027】
もっとも、回路解析をすることは困難であるため、コンピュータシミレーションと実際の測定とよい相関を与える共振電圧V
2は、次の式で示される。
【0029】
図6に、コンピュータシミレーションのプロットをして、上記の数式と比較することができるようにした。 0.1<Q<10の動作の全範囲において合理的にみて正確である。ここで、次の関係があることに注意されたい。
【0031】
この回路は、たくさんの適用例がある。そのひとつとして、この回路は特に調光制御に適する。蛍光灯でも白熱灯でも広い範囲で明るさを調整でき、優れた分解能を有し、低コストである。
【0032】
図7を参照すると、オーバーラップ(重なり)角度θについては、回路のQとθとに一対一の関係にある角度θ´が理想的な制御角度であることがわかる。ただ、ピックアップコイルの誘導電圧に関してθ´は測定可能ではない。ピックアップコイルに負荷がなければピックアップコイルの誘導電圧は唯一観測できるものである。ほかの方法としては、位相角の情報は、IPTトラック(すなわち、ひとつまたはそれより多いピックアップコイルが捉えるための磁界を供給するIPTシステムの1次側導線路)から決定できる。
【0033】
図8は、角度θと角度θ´の違いを示している。
【0034】
いくつかの適用例では、
図7に示すVocを決定するために基準位相角を必要としない回路を作動できることが望ましい。我々は正しいオーバーラップ(重なり)角度は回路の共振電圧がその符号を変化させる角度を観測することによって決定できることに気がついた。そして、取りうる制御方針を以下に記載する。本発明の当業者は、回路の共振電圧におけるその符号を変化させる角度を決定するにあたりいくつも異なる方法を用いることができるであろう。たとえば、一方法として、コンパレータを用いて、アースを基準としてスイッチ(
図3のS
1およびS
2)と直列に接続されたダイオードの伝導を生ずる0.6V〜1.0Vの電圧を検出すればよい。また、他の方法として、FET(スイッチS
1およびS
2として実装されて用いられるもの)のドレインに接続した変流器を用いて各スイッチの電流の始まり(onset)を検出することも考えられる。
【0035】
(この回路の実施態様の作動モードと制御)
トラックセンサの有無により、この回路の制御は、必要に応じて、適応させることができる。
【0036】
(a) 基準位相角を用いる場合
(開ループ制御)
作動の際、この回路は交流電流源のように振舞うので、もしθ´が設定されて一定値とされるならば、出力は本質的に一定の電流値を取る。この制御方法はトラック電流センサがθ´の測定を開始する基準値を得るということに依存している。この方法は理想的とは言えない。なぜなら、出力負荷抵抗がかなり大きくなるような場合、たとえば開放された場合、出力電圧は検知範囲外まで増大するので過電圧を保護するものを組み込む必要がある。
図8に示すように、θ´が設定されると、1対1の関係にあるθもおおよそ決定される。このため、この方法は簡単で使いやすいといえる。
【0037】
(閉ループ制御)
閉ループ制御では、θ´の値は知られているため直接調整することができる。電流、電圧、電力などの必要な出力パラメータを測定するセンサが用いられ、測定値は設定値と比較される。測定値が高すぎる場合はθ´は徐々に増加される。測定値が低すぎる場合はθ´は減少される。一点以上の比較を任意の時点で行えば、より複雑な制御が簡単にできることは明らかである。たとえば、設定電圧に対する電流制御を行い、その後に電圧制御を行うなどである。
【0038】
(b)トラックセンサを用いない場合
トラックセンサを用いない場合は、上記したものと同様な制御方法を用いることができるが、θ´は直接測ることはできない。実際のところ、重なり角θは、全体の動作を制御するのに十分である。このシステムでのθの直接の制御は、一のスイッチまたは他のスイッチ(S
1またはS
2)が導通しているといつでも重なり角θの動作に対応することに注目すると、簡単である。このため、所望の重なり角に達するとスイッチをオフにすることによってθは直接に制御することができる。完全に同調されたシステムでは、所望の重なり角より大きいθは低い共振電圧に対応するため、θを制御すれば電力出力または電流出力または電圧出力を必要に応じ制御することになる。唯一の困難は、このシステムを開始させることである。
【0039】
このことを実現するためには、以下のような方法がある。もし、両方のスイッチ(S
1とS
2)がプルアップ抵抗を用いて単純に一部分ホールドされるとすると、共振コンデンサ電圧は自動的にクランプされ、ゼロ点とクロスした際に、共振電圧を制限する。このことはθがほとんど180度であるのと等しい状況に対応するものである。変流器を用いてその一次コイルとスイッチを直列に接続すると、スイッチを電流が流れるたびに、電流が変流器の2次側に誘導され、この誘導電流の極性は共振電流の正の半周期と負の半周期を示す。誘導電流の極性が変化すると、オーバーラップ(重なり)の期間が開始したことがわかる。コントローラが関連するスイッチをオフにするとオーバーラップ(重なり)の期間が終了する。したがって、マイクロプロセッサをコンデンサ電圧とシンクロナイズさせて、コンデンサ電圧を徐々に増加させ、必要に応じた出力電圧、出力電流又は出力電力を供給することができる。
【0040】
いったん開始すれば、θを徐々に減少させることにより出力電圧は徐々に増加させることができる。もし、θを急速に減少させると、スイッチは共振コンデンサがチャージされている間、共振コンデンサを短絡させることができる。もし、出力電圧を急速に増加させたい場合は、スイッチはオフにすることができ、共振電圧は回路のQによって制限されるレベルにまで増加させることができる。回路が定常状態になると、出力電圧の設定をするためにθはゼロから所望の値まで急速に増加させることができる。
【0041】
ある実施態様においては、ひとつの変化だけからθをもっともよく測定することができる。たとえば、一のスイッチに対しゼロ点を正方向に向かってクロスし、他のスイッチに対して負方向に向かってクロスすることからθを測定できる。経験的には、この方法は対称的な波形を作ることができない。したがって、実際は、正方向に向かうゼロクロスにより正方向の導通をするスイッチを駆動し、180度を加えたのちにもうひとつのスイッチを駆動することが最も好ましい。したがって、おおよそ75度の角度のオーバーラップ(重なり)に対して、正方向の電流の導通をするスイッチは正方向のゼロクロスの後75度でオフとされ、同時に負方向の導通をするスイッチはオンとされる。180度の後には、正方向の導通をするスイッチはオンとされ負方向の導通をするスイッチはオフとされる。そして次のスイッチング動作は同じ75度の遅延でゼロクロスすることによってトリガーを与えられ、以下繰り返される。
【0042】
いったんθが制御されると、別のトラック電流センサがある場合においては電圧や電流の制御が上記したものと同様な方法で達成される。
【0043】
(回路要素の許容差に対する回路の同調)
記述した回路の動作においては、開始角(firing angle)が変化するように短絡電流と誘導電圧の両方が作用して、ピックアップコイルのインダクタンスL、同調コンデンサC、IPTトラック及びピックアップコイルの相互インダクタンスMのすべてが変化するかのように回路が動作する。Mの変動はすでに出力電圧を変化させて制御するのに用いている。しかし、LとCの明らかな変動は
図9で示すように回路の同調に用いることができる。ここではオーバーラップ(重なり)角θが本質的にゼロから150度まで変化した際の、回路の出力電力が測定されている。予想されるように、同調コンデンサがぴったり正確であれば最大電力は開始角ゼロで生じている。しかし、同調コンデンサが小さい場合は最大電力は増加した開始角で生じるので、回路はこの開始角を変化させることにより同調させることができる。コンデンサの値が設計値より20%小さくても、同調を完全にした時と比較してシステムのパワーロスは約1%となるように同調させることができる。ただ、コンデンサは、あまり大きすぎると調整できない。開始角を進めるとスイッチは共振コンデンサの回路を短絡させるためである。
【0044】
他の適用例
この明細書で開示された交流電力伝達および制御方法は、直流出力を供給することに用いることができる。
図10に示すようにもっとも単純には、ブリッジ整流器と直流誘導器を制御された交流出力に加えて、交流出力回路と同じ特性を保持したまま、直流出力電圧を供給することができる。ここでは、4つの追加のダイオードがブリッジ整流器を形成するために必要となる。この回路が極めて有用な少なくともひとつの実用的な適用例がある。電気自動車の充電において大きなエアギャップがある場合、設計目的は大きなエアギャップを越えて2 kW以上の電力出力を達成できるかどうかである。ここで問題になるのは、エアギャップが減少する場合は、通常の条件で作動させる時よりも結合電圧が大きくなることである。すなわち、次のようなバリエーションとなる場合が考えられる。電気自動車はフラットタイヤを有するかもしれないし、バッテリーを充電するフロアパッド(電源に接続された1次側コイルの配置)の上に位置する受電パッド(すなわち、ピックアップコイルの配置)が修理中であるかもしれない。このような場合では誘導された開回路電圧は通常の値に比べて3倍から4倍高くなる。開示された回路によって結合された電力は、角度θを増加させると低下させることができる。このシステムの電源が持続可能な電力供給の制御ができるよう角度θを120度に接近するよう増加させればよい。ピックアップコイルの電流、同調コンデンサの電圧および整流器や直流誘導器の電圧はすべて本質的にその定格値をそのまま保ち、何の損傷も生じない。しかしながら、従来のコントローラ(米国特許第5293308号に開示されるようなもの)では、短絡電流は3倍から4倍大きく、この電流は整流器、直流誘導器、およびスイッチを流れてこれらの回路要素に少なからぬストレスを与えることになる。これらのデバイスの電流定格値を4倍に増加させることは、回路中の直流誘導器の物理的なサイズが大きく増加するため、実用的な提案とはいえない。
【0045】
図10の回路は、
図11のように書き直すことができる。
図11では、整流器はスイッチとともに動作し、ダイオードによるブリッジの代わりに2つの追加のダイオードのみが必要となる。
図10では逆並行にスイッチを用いているが、新しくした
図11ではその同じスイッチを逆直列に用いている。この新しい回路では、MOSFET中に逆並行に接続したダイオードを用いているため、もとの交流回路と比較してみるとダイオードの数を同数に減少させることができる。MOSFET中のダイオードはかなり大きい共振電流をスイッチングすることができる一方、それ以外のダイオードはずっと小さい直流出力電流をスイッチングするので、2つの追加したダイオードは、
図3の概念回路図のダイオードよりもはるかに小型にできることに注意されたい。50KHzを超えるVLF周波数において大電力回路のスイッチングを行う大型のMOSFETは、通常の場合、実用的ではない。なぜなら、これらのデバイス中の逆並行ダイオードは回路損失が大きい点で不十分な逆回復特性しかもたないからである。ここではすべてのデバイスが本質的に電圧ゼロでオンの場合もオフの場合ソフトスイッチングされ、電流ゼロでオンにされる。また、すでに示したように、この回路は直流出力と交流出力を同時に行うことができる。ただし、独立に制御することはできない。しかしながら、これらは、(すでに示したように)アースをひとつの基準値として供給することができるので両方のスイッチは共通の低電圧電源で駆動することができる。(
図10または
図11の)どの回路もピックアップの短絡電流を増大させるオプションのコンデンサC
1を含み、(
図11には示すように)ピックアップコイルL
2と直列に接続されている。実際には、C
1とC
2の直列接続はピックアップコイルL
2で調整されて回路は従前のものと同様に機能を果たす。
【0046】
いくつかの実施例や実施態様が本明細書に開示されているが、本発明の範囲と趣旨の中で、いろいろな改変や追加を本発明の属する技術の当業者に生じさせるであろう。これらのすべての改変や追加は、この明細書に具体的に記載されたと同様に本発明の範囲に含まれるものと考えられる。
【0047】
「有する、構成する」(Comprise)という語と「形成する」(comprising)のようなこの語の変形は、前後関係から明確に反対の意味でない限り、含まれるという意味で解釈される。すなわち、「含んで」という意味であって、「限って」という意味ではない。