【実施例】
【0046】
本発明の化合物の調製
一般
特にことわらない限り、全ての反応を商業上得られる装置中で化学研究室で通常使用される方法を使用して行なう。空気及び/又は水分に敏感である出発物質を保護ガスの下で貯蔵し、それらを使用する相当する反応及びその操作を保護ガス(窒素又はアルゴン)の下で行なう。
マイクロウェーブ反応を、好ましくは撹拌しながら、シールされた容器(好ましくは2、5又は20mL)中でバイオテージ製イニシエーター中又はCEM製エクスプローラー中で行なう。
クロマトグラフィー
分取中間圧力クロマトグラフィー(MPLC、順相)につき、ミリポア製であるシリカゲル(名称:グラニュラ・シリカSi-60A 35-70μm)又はマチェリイ・ナゲル製C-18 RP-シリカゲル(RP-相)(名称:ポリゴプレプ100-50 C18)を使用する。
薄層クロマトグラフィーをメルク製のガラス上の既製TLCシリカゲル60プレート(蛍光指示薬F-254を含む)上で行なう。
分取高圧クロマトグラフィー(HPLC)をウォーターズ製カラム(名称: XTerra Prep. MS C18, 5 μM, 30 x 100 mm もしくはXTerra Prep. MS C18, 5 μm, 50 x 100 mm OBD 又はシンメトリイC18, 5 μm, 19 x 100 mm 或いはサンファイアーC18 OBD, 19 x 100 mm, 5 μm もしくはサンファイアーPrep C 10 μm OBD 50 x 150 mm 又はX-ブリッジ Prep C18 5 μm OBD 19 x 50 mm)、アギレント製カラム(名称:ゾルバックスSB-C8 5 μm PrepHT 21.2 x 50 mm) 及びフェノメネックス製カラム(名称:ジェミニC18 5 μm AXIA 21.2 x 50 mm 又はジェミニC18 10 μm 50 x 150 mm) を使用して行ない、分析HAPC(反応制御)をアギレント製カラム(名称:ゾルバックスSB-C8, 5 μm, 21.2 x 50 mm 又はゾルバックスSB-C8 3.5 μm 2.1 x 50 mm) 及びフェノメネックス製カラム(名称:ジェミニC18 3 μm 2 x 30 mm)を用いて行なう。
【0047】
HPLC 質量分析法/UV分析法
実施例を特性決定するための保持時間/MS-ESI
+ を、アギレント製HPLC-MS 装置(質量検出器を備えた高性能液体クロマトグラフィー)を使用して得る。注入ピークで溶離する化合物に保持時間t
Ret. = 0.00を与える。
方法 A:
カラム: ウォーターズ, Xterra MS C18, 2.5 μm, 2.1 x 30 mm, 部品番号186000592
溶離剤: A: H
2O と0.1% HCOOH; B: アセトニトリル (HPLC 等級)
検出: MS: ポジチブ及びネガチブ方式
質量範囲: 120 - 900 m/z
フラグメンター: 120
ゲイン EMV: 1; 閾値: 150; ステップサイズ: 0.25; UV: 254 nm ; バンド幅: 1
注入: 注入容積5 μL
分離: 流量 1.10 mL/分
カラム温度: 40℃
勾配: 0.00 分: 5 % 溶媒 B
0.00 - 2.50 分: 5 % → 95 % 溶媒 B
2.50 - 2.80 分: 95 % 溶媒 B
2.81 - 3.10 分: 95 % → 5 % 溶媒 B
【0048】
方法 B:
カラム: ウォーターズ, Xterra MS C18, 2.5 μm, 2.1 x 50 mm, 部品番号186000594
溶離剤: A: H
2O と0.1 % HCOOH; B: アセトニトリルと0.1 % HCOOH
検出: MS: ポジチブ及びネガチブ方式
質量範囲: 100 - 1200 m/z
フラグメンター: 70
ゲイン EMV: 閾値: 1 mAU; ステップサイズ: 2 nm; UV: 254 nmだけでなく230 nm
注入: 標準 1 μL
流量: 0.6 mL/分
カラム温度: 35℃
勾配: 0.00 分: 5 % 溶媒 B
0.00 - 2.50 分: 5 % → 95 % 溶媒 B
2.50 - 4.00 分: 95 % 溶媒 B
4.00 - 4.50 分: 95 % → 5 % 溶媒 B
4.50 - 6.00 分: 95 % 溶媒 A
【0049】
方法 C:
カラム: ウォーターズ, X-ブリッジ C18, 3.5 μm, 2.1 x 50 mm,
溶離剤: A: H
2O と10mM NH
3; B: アセトニトリルと10nM NH
3
検出: MS: ポジチブ及びネガチブ方式
質量範囲: 100 - 800 m/z
フラグメンター: 70
ゲイン EMV: 閾値: 1 mAU; ステップサイズ: 2 nm; UV: 220-320 nm
注入: 標準 1 μL
流量: 0.8 mL/分
カラム温度: 25℃
勾配: 0.00 分: 2 % 溶媒 B
0.00 - 4.00 分: 2 % → 98 % 溶媒 B
4.00 - 6.00 分: 98 % 溶媒 B
【0050】
方法 D:
カラム: ウォーターズ, X-ブリッジ C18, 3.5 μm, 2.1 x 50 mm,
溶離剤: A: H
2O と0.1 % HCOOH; B: アセトニトリルと0.1 % HCOOH
検出: MS: ポジチブ及びネガチブ方式
質量範囲: 100 - 800 m/z
フラグメンター: 70
ゲイン EMV: 閾値: 1 mAU; ステップサイズ: 2 nm; UV: 220-320 nm
注入: 標準 1 μL
流量: 0.8 mL/分
カラム温度: 35℃
勾配: 0.00 分: 2 % 溶媒 B
0.00 - 4.00 分: 2 % → 98 % 溶媒 B
4.00 - 6.00 分: 98 % 溶媒 B
【0051】
方法 E:
カラム: フェノメネックス・ジェミニC18, 3.0 μm, 2.0 x 50 mm,
溶離剤: A: H
2O と10mM NH
3; B: アセトニトリルと10nM NH
3
検出: MS: ポジチブ及びネガチブ方式
質量範囲: 100 - 800 m/z
フラグメンター: 70
ゲイン EMV: 閾値: 1 mAU; ステップサイズ: 2 nm; UV: 220-320 nm
注入: 標準 1 μL
流量: 1.0 mL/分
カラム温度: 35℃
勾配: 0.00 分: 2 % 溶媒 B
0.00 - 3.50 分: 2 % → 98 % 溶媒 B
3.50 - 6.00 分: 98 % 溶媒 B
【0052】
方法 F:
カラム: フェノメネックス・ジェミニC18, 3.0 μm, 2.0 x 50 mm,
溶離剤: A: H
2O と0.1 % HCOOH; B: アセトニトリルと0.1% HCOOH
検出: MS: ポジチブ及びネガチブ方式
質量範囲: 100 - 800 m/z
フラグメンター: 70
ゲイン EMV: 閾値: 1 mAU; ステップサイズ: 2 nm; UV: 220-320 nm
注入: 標準 1 μL
流量: 1.0 mL/分
カラム温度: 35℃
勾配: 0.00 分: 2 % 溶媒 B
0.00 - 3.50 分: 2 % → 98 % 溶媒 B
3.50 - 6.00 分: 95 % 溶媒 B
本発明の化合物を以下に記載される合成の方法(この場合、一般式の置換基は先に明記された意味を有する)により調製する。これらの方法は本発明を説明することを目的とし、それをそれらの内容に限定し、又は特許請求された化合物の範囲をこれらの実施例に限定するものではない。出発化合物の調製が記載されていない場合、それらは商業上得られ、又は既知の化合物もしくは本明細書に記載された方法と同様にして調製されてもよい。文献に記載された物質は公表された合成の方法に従って調製される。
反応スキーム A
【0053】
【化17】
【0054】
型Iの実施例化合物を5位でR
5により置換された2,4-ジクロロピリミジンA-1 から一種以上のアミンR
yNH
2 及びR
zNH
2を使用する求核的芳香族置換により調製する。置換の順序は使用されるアミン、反応条件(酸性又は塩基性反応条件及びルイス酸の添加)に大きな程度で依存し、置換基R
5、R
y及びR
z は夫々の場合に本発明の実施例化合物を得るのに適した基である。
A-1 、A-2 及びA-3 における求核的芳香族置換を文献から知られている方法に従って普通の溶媒、例えば、THF 、DCM 、NMP 、EtOH、MeOH、DMSO又はDMF 中で塩基、例えば、DIPEA もしくはK
2CO
3、又は酸、例えば、HCl を使用して行なう。使用されるアミン、R
yNH
2 及びR
zNH
2は商業上得られ、又は文献から知られている方法に従って合成される。これらの方法により直接に得られてもよい型Iのジアミノピリミジンはその後に型Iの更なるジアミノピリミジンを生成するために文献から知られている様式又はそれと同様の様式でR
y 及びR
z を更に変性されてもよい。こうして、例えば、型Iの直接得られるジアミノピリミジンの基R
y 及びR
z(これらはカルボン酸、スルホン酸、ハロゲン又はアミノ置換アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル又はヘテロシクロアルキルからなる)が、置換(ヘテロアリールそれ自体における)、アルキル化、アシル化、アミン化又は付加の反応により変性されてもよい。
出発化合物の調製
特にことわらない限り、全ての出発物質を商業上の供給業者から購入し、合成に直接使用する。文献に記載された物質を公表された合成の方法により調製する。
a) 2,4-ジクロロ-5-トリフルオロメチル-ピリミジン(A-1a)
【化18】
【0055】
5-トリフルオロメチルウラシル (48.0 g, 267 ミリモル) をオキシ塩化リン(POCl
3) 210mL中で懸濁させ、その間に水分を排除する。温度が25℃〜30℃に留まるようにジエチルアニリン (47.7 g, 320 ミリモル) をこの懸濁液に徐々に滴下して添加する。その添加が終了した後、その混合物を水浴中で更に5-10分間撹拌し、その混合物を80-90℃で水分を排除しつつ5-6時間加熱する。過剰のPOCl
3 を氷水と混合された硫酸約1200 g中で撹拌することにより分解し、水相を夫々の場合にジエチルエーテル又はtert.-ブチルメチルエーテル500 mLで3回直ちに抽出する。合わせたエーテル抽出液を氷水と混合された硫酸 (約0.1 M) 300 mL で2回そして冷食塩溶液で洗浄し、直ちに硫酸ナトリウムで乾燥させる。乾燥剤を濾別し、溶媒を真空で除く。残渣を短いカラム(20cm)(頭部温度:65-70℃)により真空 (10ミリバール) で蒸留して無色の液体を得、これをびんに入れ、アルゴン雰囲気下で貯蔵する。
TLC: R
f = 0.83 (cHex:EE = 3:1中)
この操作と同様にして、更に別のピリミジンA-1 を相当する中間体/遊離体又は相当する商業上得られる遊離体から得る。
【0056】
b)ベンジル 4-(4-クロロ-5-トリフルオロメチル-ピリミジン-2-イルアミノ)-3-メトキシ-ベンゾエート (A-3a)
【化19】
【0057】
ベンジル 4-アミノ-3-メトキシベンゾエート (1.92g, 6.8 ミリモル) 及びK
2CO
3 (2.38 g, 17ミリモル) をジオキサン4mL中で懸濁させ、次いで2,4-ジクロロ-5-トリフルオロメチルピリミジン (1.48mL, 6.8 ミリモル) と混合する。次いでその懸濁液を100分間にわたって油浴 (約130℃) 中で撹拌しながら還流する。反応が一旦終了すると、その反応混合物を濾過し、濾液を回転蒸発により濃縮し、順相カラムクロマトグラフィーにより精製する。A-3a (HPLC-MS: t
Ret. = 1.94分; MS (M-H)
+ = 436) の生成物を含む画分を合わせ、回転蒸発により濃縮する。
c) 4-(4-クロロ-5-トリフルオロメチル-ピリミジン-2-イルアミノ)-3-メトキシ-安息香酸 (A-4a)
【化20】
【0058】
化合物A3-a (1.3 g, 3 ミリモル) を水素化オートクレーブ中でTHF 50 mL中で懸濁させ、Pd(OH)
2/木炭(180 mg, 仕込み20 %, 約50 % の水) と混合する。次いで4.5 バールのH
2を加圧して入れ、その反応混合物を24時間撹拌する。反応が終了した後、その反応混合物を濾過し、濾液を蒸発させ、粗生成物A-4a (HPLC-MS: t
Ret. = 1.24 分; MS (M-H)
+ = 346) を更に精製しないでその後の反応に使用する。
d) 4-(4-クロロ-5-トリフルオロメチル-ピリミジン-2-イルアミノ)-3-メトキシ-N-(1-メチル-ピペリジン-4-イル)-ベンズアミド (A-5a)
【化21】
【0059】
化合物A-4a (2.0 g, 5.6 ミリモル) をトルエン70 mL 中で懸濁させ、塩化チオニル (840 μL, 11.5 ミリモル) と合わせ、2時間にわたって撹拌しながら120℃に加熱する。その反応混合物を室温に冷却し、ロータリーエバポレーターを使用して溶媒を除く。残渣をTHF 50 mL 中で懸濁させ、0℃に冷却し、THF 20 mLに溶解された、4-アミノ-1-メチルピペリジン (657 mg, 5.75 ミリモル) 及びDIPEA (1.97 mL, 11.5 ミリモル) の溶液を滴下して添加する。その反応混合物を室温に徐々に上昇させ、室温で更に12時間撹拌する。その反応混合物を0℃に冷却し、生成物A-5aを濾過し (HPLC-MS: t
Ret. = 2.06 分; MS (M+H)
+ = 444) 、更に精製しないで使用する。
e) (1R,2S)-1-メタンスルホニルアミノ-インダン-2-イル メタンスルホネート (B-1a)
【化22】
【0060】
(1R,2S)-1-アミノ-2-インダノール (300 mg, 2.01 ミリモル) をDCM 10 mL 中で懸濁させ、トリエチルアミン (1.68 mL, 12.1 ミリモル) と合わせ、0℃に冷却する。次いでメタンスルホン酸クロリド (467 μL, 6.03 ミリモル) を滴下して添加し、その反応混合物を室温に温める。その反応混合物を室温で1時間撹拌し、その反応が一旦完結すると、それを水と混合し、DCM で抽出する。有機相をMgSO
4 で乾燥させ、濾過し、濾液を蒸発させ、粗生成物B-1a (HPLC-MS: t
Ret. = 1.03 分; MS (M-H)
- = 304)を更に精製しないでその後の反応に使用する。
f) N-((1R,2R)-2-アジド-インダン-1-イル)-メタンスルホンアミド (B-2a)
【化23】
【0061】
化合物B-1a (200 mg, 0.66 ミリモル) をDMF 4 mL中で懸濁させ、NaN
3 (127 mg, 1.97ミリモル) と合わせ、60℃に加熱する。その反応混合物を7時間撹拌し、その反応が一旦完結すると、それを室温に冷却し、水と混合し、DCM で抽出する。有機相をMgSO
4 で乾燥させ、濾過し、濾液を蒸発させ、粗生成B-2a (HPLC-MS: t
Ret. = 1.25 分; MS (M-H)
- = 251)を更に精製しないでその後の反応に使用する。
g) N-((1R,2R)-2-アジド-インダン-1-イル)-N-メチル-メタンスルホンアミド (B-3a)
【化24】
【0062】
化合物B-2a (100 mg, 0.39 ミリモル) をDME 5 mL中で懸濁させ、K
2CO
3 (110 mg, 0.79 ミリモル) 及びMeI (75 μL, 1.19 ミリモル) と混合し、85℃に加熱する。その反応混合物を一夜撹拌し、反応が一旦完結すると、それを室温に冷却し、水と混合し、EtOAc で抽出する。有機相をMgSO
4 で乾燥させ、濾過し、濾液を蒸発させ、粗生成物B-3a (HPLC-MS: t
Ret. = 1.35 分) を更に精製しないでその後の反応に使用する。
h) N-((1R,2R)-2-アミノ-インダン-1-イル)-N-メチル-メタンスルホンアミド (B-4a)
【化25】
【0063】
化合物B-3a (100 mg, 0.38 ミリモル) を水素化オートクレーブ中でMeOH 20 mL中で懸濁させ、Pd/木炭 (50 mg, 10 %添加) と混合する。次いで4バールのH
2 を加圧して入れ、その反応混合物を24時間撹拌する。その反応が終了した後、その反応混合物を濾過し、濾液を蒸発させ、粗生成物B-4a (HPLC-MS: t
Ret. = 1.03 分; MS (M+H)
+ = 241)を更に精製しないでその後の反応に使用する。
i) N-((1R,2R)-2-アミノ-インダン-1-イル)-メタンスルホンアミド (B-5a)
【化26】
【0064】
化合物B-2a (1.5 g, 5.95 ミリモル) を水素化オートクレーブ中でMeOH 100 mL 中で懸濁させ、Pd/木炭 (250 mg, 10 %仕込み) と合わせる。次いで4バールのH
2 を加圧して入れ、その反応混合物を24時間撹拌する。その反応が終了した後、その反応混合物を濾過し、濾液を蒸発させ、粗生成物B-5a (HPLC-MS: t
Ret. = 0.2 分; MS (M+H)
+ = 227) を更に精製しないでその後の反応に使用する。
j) N-((1R,2S)-2-ヒドロキシ-インダン-1-イル)-アセトアミド (B-1b)
【化27】
【0065】
(1R,2S)-1-アミノ-2-インダノール (2.0 g, 13.4 ミリモル) をDCM 100 mL中で懸濁させ、室温でそれを無水酢酸 (1.27 mL, 13.4 ミリモル) と合わせる。その反応混合物を室温で1時間撹拌し、反応が一旦完結すると、ロータリーエバポレーターを使用して溶媒を除き、粗生成物B-1b (HPLC-MS: t
Ret. = 0.81 分; MS (M+H)
+ = 192) を更に精製しないでその後の反応に使用する。
k) (1R,2S)-1-アセチルアミノ-インダン-2-イル メタンスルホネート (B-2b)
【化28】
【0066】
化合物B-1b (2.56 g, 13.39 ミリモル) をDCM 100 mL中で懸濁させ、0℃に冷却し、次いでトリエチルアミン (5.60 mL, 40.2 ミリモル) 及びメタンスルホン酸クロリド (1.56 mL, 20.1 ミリモル) と混合する。その反応混合物を0℃で1時間撹拌し、反応が一旦完結すると、それを水と混合し、EtOAc で抽出する。有機相をMgSO
4 で乾燥させ、濾過し、濾液を蒸発させ、粗生成物B-2b (HPLC-MS: t
Ret. = 0.99 分; MS (M+H)
+ = 270) を更に精製しないでその後の反応に使用する。
l) N-((1R,2R)-2-アジド-インダン-1-イル)-アセトアミド (B-3b)
【化29】
【0067】
化合物B-2b (3.50 g, 12.99 ミリモル) をDMF 73 mL 中で懸濁させ、NaN
3 (2.54 g, 38.99 ミリモル) と合わせ、60℃に加熱する。その反応混合物を16時間撹拌し、反応が一旦完結すると、それを室温に冷却し、水500 mL及び飽和NaHCO
3 溶液50 mL と混合する。その混合物を30分間撹拌し、沈澱した固体を濾過し、乾燥させる。粗生成物B-3b (HPLC-MS: t
Ret. = 1.11 分; MS (M+H)
+ = 217)を更に精製しないでその後の反応に使用する。
m) N-((1R,2R)-2-アミノ-インダン-1-イル)-アセトアミド (B-4b)
【化30】
【0068】
化合物B-3b (1.89 g, 8.74 ミリモル) を水素化オートクレーブ中でEtOH 200 mL 中で懸濁させ、Pd/木炭 (200 mg, 10 %仕込み) と合わせる。次いで5バールのH
2 を加圧して入れ、その反応混合物を4時間撹拌する。反応が終了した後、その反応混合物を濾過し、濾液を蒸発させ、粗生成物B-4b (HPLC-MS: t
Ret. = 0.19 分; MS (M+H)
+ = 191) を更に精製しないでその後の反応に使用する。
n) 4-[4-((1R,2R)-1-アセチルアミノ-インダン-2-イルアミノ)-5-トリフルオロメチル-ピリミジン-2-イルアミノ]-3-メトキシ-N-(1-メチル-ピペリジン-4-イル)-ベンズアミド (I-1)
【化31】
【0069】
化合物A-5a (70 mg, 0.16 ミリモル) 及びN-((1R,2R)-2-アミノ-インダン-1-イル)-アセトアミド (B-4b) (33 mg, 0.17 ミリモル) をEtOH 700 μL 中で懸濁させ、DIPEA (104 μL, 0.63 ミリモル) と混合し、75℃で一夜撹拌する。その反応混合物を室温に冷却し、ロータリーエバポレーターを使用して溶媒を除く。残渣をDMF に吸収させ、分取HPLCにより精製する。I-1 (HPLC-MS: t
Ret. = 1.82 分; MS (M+H)
+ = 598)の生成物を含む画分を凍結乾燥する。
o) 4-[4-((1R,2R)-1-メタンスルホニルアミノ-インダン-2-イルアミノ)-5-トリフルオロメチル-ピリミジン-2-イルアミノ]-3-メトキシ-安息香酸 (I-2)
【化32】
【0070】
化合物A-4a (307 mg, 0.88 ミリモル) 及びN-((1R,2R)-2-アミノ-インダン-1-イル)-メタンスルホンアミド B-5a (200 mg, 0.88 ミリモル) をEtOH 5 mL 中で懸濁させ、DIPEA (1.13 mL, 2.65 ミリモル) と合わせ、70℃で一夜撹拌する。その反応混合物を室温に冷却し、ロータリーエバポレーターを使用して溶媒を除く。残渣をDMF に吸収させ、分取HPLC により精製する。I-2 (HPLC-MS: t
Ret. = 1.42 分; MS (M+H)
+ = 538) の生成物を含む画分を凍結乾燥する。
p) N-(2-ジメチルアミノ-エチル)-4-[4-((1R,2R)-1-メタンスルホニルアミノ-インダン-2-イルアミノ)-5-トリフルオロメチル-ピリミジン-2-イルアミノ]-3-メトキシ-ベンズアミド (I-3)
【化33】
【0071】
ピリミジン I-2 (70 mg, 0.13 ミリモル) 及びTBTU (42 mg, 0.13 ミリモル) をDMF (500 μL) 中で懸濁させ、DIPEA (74 μL, 0.43 ミリモル) と混合し、その反応混合物を室温で15分間撹拌する。次いでN
1,N
1-ジメチルエタン-1,2-ジアミン (15 mg, 0.15 ミリモル) を添加し、その反応混合物を一夜撹拌する。その反応混合物を濾過し、分取HPLCにより精製する。I-3 (HPLC-MS: t
Ret. = 1.83 分; MS (M+H)
+ = 608) の生成物を含む画分を凍結乾燥する。
q) N-[(1R,2R)-2-(2,5-ジクロロ-ピリミジン-4-イルアミノ)-インダン-1-イル]-アセトアミド (A2-b)
【化34】
【0072】
2,4,5-トリクロロピリミジン (500 mg, 2.73 ミリモル) をイソ-PrOH 35 mL 中で懸濁させ、K
2CO
3 (5.28 g, 38.16 ミリモル) と合わせる。次いでN-((1R,2R)-2-アミノ-インダン-1-イル)-アセトアミド B-4b (570 mg, 2.99 ミリモル) を添加し、その反応混合物を55℃で3時間撹拌する。その反応混合物を蒸発させ、水と混合し、EtOAc で抽出する。有機相を硫酸マグネシウムで乾燥させ、真空で蒸発させる。A-2bの粗生成物 (HPLC-MS: t
Ret. = 1.24 分; MS (M+H)
+ = 337/339) を更に精製しないでその後の反応に使用する。
r) 4-[4-((1R,2R)-1-アセチルアミノインダン-2-イルアミノ)-5-クロロ-ピリミジン-2-イルアミノ]-3-メトキシ-安息香酸 (I-4)
【化35】
【0073】
ピリミジン A-2b (928 mg, 2.75 ミリモル) 及び3-メトキシ-4-アミノ安息香酸 (690 mg, 4.13 ミリモル) をn-BuOH (10 mL)中で懸濁させ、ジオキサン中のHCl (137 μL, 0.55 ミリモル, 4 M) と合わせ、その反応混合物をマイクロウェーブ反応器中で20分間にわたって150℃に加熱する。その反応が終了した後、揮発性成分を真空で除き、その反応混合物をDMF と合わせ、分取HPLCにより精製する。I-4 (HPLC-MS: t
Ret. = 1.20 分; MS (M+H)
+ = 468/470) の生成物を含む画分を凍結乾燥する。
実施例I-1 〜I-4 の合成について上記された反応方法a)〜r)と同様にして、下記の実施例I-4 〜I-98 (表1) 及び匹敵するその他の実施例をまた相当する前駆体(これらは商業上得られ、又は文献で知られている方法により調製される)から得てもよい。
表1
【0074】
【表3】
【0075】
【0076】
【0077】
【0078】
【0079】
【0080】
【0081】
【0082】
【0083】
【0084】
【0085】
【0086】
【0087】
【0088】
【0089】
【0090】
【0091】
【0092】
【0093】
【0094】
下記の実施例は本発明の化合物の生物学的活性を記載し、本発明をこれらの実施例に限定しない。
【0095】
PTK2酵素試験
アッセイ1
この試験は活性PTK2酵素 (インビトロゲンコードPV3832) 及びそのキナーゼ基質としてのポリ-Glu-Tyr (4:1, シグマP-0275) を使用する。そのキナーゼ活性をDELFIA
TM アッセイで基質のリン酸化により検出する。リン酸化基質をユーロピウム標識ホスホチロシン抗体PT60 (パーキン・エルマー, No.: AD00400) で検出する。
PTK2-インヒビターで濃度-活性曲線を測定するために、化合物を10 % DMSO/H
2O 中で連続希釈し、夫々の希釈液10μLを96ウェルミクロタイタプレート (U字形ベースを有する透明なプレート, グレイナーNo. 650101) (インヒビターを2回反復で試験する)の夫々のウェルに入れ、10 μL/ウェルのPTK2キナーゼ (0.01 μg/ウェル) と混合する。従って、PTK2キナーゼを前もってキナーゼ希釈緩衝液 (20 mM TRIS/HCl pH 7.5, 0.1 mM EDTA, 0.1 mM EGTA, 0.286 mM オルトバナジン酸ナトリウム, 新たに調製されたBSA (フラクションV 1 mg/mL) を添加した10 % グリセロール及びDTT (1 mM))で希釈した。試験化合物及びPTK2キナーゼを室温で1時間にわたってプレインキュベートし、500 rpmで振とうする。その反応を10 μL/ウェルのポリ(Glu,Tyr) 基質(250 mM TRIS/HCl pH 7.5, 9 mM DTTに溶解された25 μg/ウェルのポリ(Glu, Tyr), 0.05 μg/ウェルのビオチニル化ポリ (Glu,Tyr) )の添加により開始する−DMSOの最終濃度は2%である。次いで20 μL のATP ミックス(30 mM TRIS/HCl pH 7.5, 0.02 % Brij, 0.2 mM オルトバナジン酸ナトリウム, 10 mM 酢酸マンガン, 0.1 mM EGTA, 1 x ホスファターゼインヒビターカクテル1 (シグマ, No.: P2850), 50 μM ATP (シグマ, No.: A3377; 15 mM 原液)) を添加する。1時間のキナーゼ反応(プレートを500 rpmで振とうする) 後に、その反応を12 μL/ウェルの100 mM EDTA, pH 8の添加により停止し、室温で更に5分間振とうする (500 rpm) 。反応混合物55 μL をストレプトアビジンプレート (ロシュ製Strepta Well High Bind (透明, 96-ウェル), No.: 11989685001) に移し、室温で1時間インキュベートする(500 rpmで振とうする) 。次いでそのミクロタイタプレートを200 μL/ウェルのD-PBS (インビトロゲン, No.:14190) で3回洗浄する。次いで100 μL のDELFIA Eu-N1 坑ホスホチロシンPT60抗体を含む溶液 (DELFIA試験緩衝液 (パーキン・エルマー, No.: 1244-111) 中で1:2000に希釈された、パーキン・エルマー, No.: AD0040)を添加し、その混合物を室温で1時間インキュベートする (500 rpmで振とうする) 。次いでプレートを200 μL/ウェルのDELFIA 洗浄緩衝液 (パーキン・エルマー, No.: 1244-114) で3回洗浄し、200 μL/ウェルの強化溶液 (パーキン・エルマー, No.: 1244-105) を添加し、その混合物を室温で10分間インキュベートする (300 rpmで振とうする)。
次いで時間遅延ユーロピウム蛍光をミクロタイタ・プレート・リーダー(ビクター
3, パーキン・エルマー) 中で測定する。使用した陽性対照は溶媒対照(試験緩衝液中2%のDMSO)を含み、抑制されないキナーゼ活性を示すウェルである。酵素に代えて試験緩衝液を含むウェルをバックグラウンドキナーゼ活性の対照として使用する。
IC
50 値を可変Hill係数でシグモイド曲線分析アルゴリズム (FIFTY, GraphPAD プリズムバージョン3.03に基づく) の助けによる反復計算により濃度-活性の分析から測定する。
【0096】
アッセイ2
この試験は活性PTK2酵素 (インビトロゲンコードPV3832) 及びそのキナーゼ基質としてのポリ-Glu-Tyr (4:1, シグマP-0275) を使用する。そのキナーゼ活性をDELFIA
TM アッセイで基質のリン酸化により検出する。リン酸化基質をユーロピウム標識ホスホチロシン抗体PT66 (パーキン・エルマー, No.: AD0040) で検出する。
PTK2-インヒビターで濃度-活性曲線を測定するために、化合物を最初に100 % DMSO次いでキナーゼ希釈緩衝液 (20 mM TRIS/HCl pH 7.5, 0.1 mM EDTA, 0.1 mM EGTA, 0.286 mM オルトバナジン酸ナトリウム, 10 % グリセロール(新たに調製されたBSA (フラクションV, 1 mg/mL) を添加した)及びDTT (1 mM)) で連続希釈し、夫々の希釈液10μLを96ウェルミクロタイタプレート (透明なU字形ベースプレート, グレイナーNo. 650101) (インヒビターを2回反復で試験する) 中のウェル当りに分配し、10 μL/ウェルのPTK2キナーゼ (0.01 μg/ウェル) と混合する。従って、PTK2キナーゼを前もってキナーゼ希釈緩衝液で希釈する。希釈されたPTK2インヒビター及びPTK2キナーゼを室温で1時間にわたってプレインキュベートし、500 rpmで振とうする。次いで10 μL/ウェルのポリ-Glu-Tyr 基質(250 mM TRIS/HCl pH 7.5, 9 mM DTTに溶解された25 μg/ウェルのポリ-Glu-Tyr, 0.05 μg/ウェルのビオチニル化ポリ-Glu-Tyr) を添加する。その反応をATP ミックス(30 mM TRIS/HCl pH 7.5, 0.02 % Brij, 0.2 mM オルトバナジン酸ナトリウム, 10 mM 酢酸マグネシウム, 0.1 mM EGTA, 1 x ホスファターゼインヒビターカクテル1 (シグマ, No.: P2850), 50 μM ATP (シグマ, No.: A3377; 15 mM 原液) 20μLの添加により開始する−DMSOの最終濃度は0.5%である。1時間のキナーゼ反応(プレートを500 rpmで振とうする) 後に、その反応を12 μL/ウェルの100 mM EDTA, pH 8の添加により停止し、室温で更に5分間振とうする (500 U/分) 。反応混合物55 μL をストレプトアビジンプレート (ロシュ製Strepta Well High Bind (透明, 96-ウェル), No.: 11989685001) に移し、室温で1時間インキュベートする(500 rpmで振とうする)。次いでそのミクロタイタプレートを200 μL/ウェルのD-PBS (インビトロゲン, No.:14190) で5回洗浄する。次いで100 μL のDELFIA Eu-N1 坑ホスホチロシンPT66抗体を含む溶液 (DELFIA試験緩衝液 (パーキン・エルマー, No.: 1244-111) 中で1:9000に希釈された、パーキン・エルマー, No.: AD0040)を添加し、それを室温で1時間インキュベートする (500 rpmで振とうする) 。次いでプレートを200 μL/ウェルのDELFIA 洗浄緩衝液 (パーキン・エルマー, No.: 1244-114) で5回洗浄し、200 μL/ウェルの強化溶液 (パーキン・エルマー, No.: 1244-105) を添加し、全体を室温で10分間インキュベートする (300 rpmで振とうする)。
【0097】
次いで時間遅延ユーロピウム蛍光をミクロタイタ・プレート・リーダー(ビクター
3, パーキン・エルマー) 中で測定する。陽性対照は溶媒(試験緩衝液中0.5%のDMSO)を含み、抑制されないキナーゼ活性を示すウェルからなる。酵素に代えて試験緩衝液を含むウェルがバックグラウンドキナーゼ活性の対照として作用する。
IC
50 値をシグモイド曲線分析アルゴリズム (FIFTY, GraphPAD プリズムバージョン3.03に基づく)を可変Hill係数で使用して反復計算により濃度-活性分析から測定する。
以下の表2はアッセイ1又はアッセイ2(
*)から測定することにより得られた型Iの代表的な実施例化合物のIC
50値を示す。こうして、本発明の化合物の抑制活性が充分に実証される。
表2
【0098】
【表4】
【0099】
軟質寒天アッセイ
この細胞試験を使用して軟質寒天中のPC-3前立腺癌細胞の増殖 (“足場非依存性増殖”) に対するPTK2-インヒビターの影響を測定する。2週のインキュベーション時間後に、細胞活力をアラマーブルー (リザズリン) 染色により実証する。
PC-3細胞 (ATCC CRL-1435) をF12 カイン培地(ギブコ, No.: 21127) (これは10 % ウシ胎児血清 (インビトロゲン, No.: 16000-044) を補給されていた)を含む細胞培養フラスコ (175 cm
2)中で増殖させる。培養物をインキュベーター中で37℃で5 % CO
2 でインキュベートし、週2回実験する。試験Iを96ウェルミクロタイタ・プレート (グレイナー, No.: 655 185)中で行ない、1.2%のアガロースを含む培地 (インビトロゲン, 4 % アガロースゲル1x 液体40 mL, No.: 18300-012)90μLから構成される下層、続いて培地60μL及び0.3%アガロース中の細胞層そして最後に試験化合物を含む培地(アガロースを添加しない)30μLを含む上層からなる。下層を調製するために、4 % アガロースを10x D-PBS (ギブコ, No.: 14200) 及びH
2O で煮出し、こうして1 x D-PBS 中3%のアガロースに前希釈する。後者を培地 (F12 カイン/10 % FCS) 及びFCS で10 % FCS を含むF12 カイン培地中1.2%のアガロースの最終希釈に調節する。ミクロタイタ・プレートの夫々のウェルに下層のための懸濁液90 μL を補給し、1時間にわたって室温に冷却する。細胞層につき、トリプシン(ギブコ, 0.05 %; No.: 25300)を使用してPC-3細胞を脱着し、カウントし、夫々の場合に400 の細胞をウェル当り0.3%のアガロースを添加したF12 カイン(10 % FCS) 60 μLに接種する(37℃)。2時間にわたって室温に冷却した後、試験化合物 (連続希釈からの30 μL) を3回測定のために添加する。試験化合物の濃度は通常1μM〜0.06 nMの試験範囲をカバーする。化合物 (原液: 100 % DMSO 中10 mM) をF12 カイン培地中で前希釈して、0.8 % DMSOの最終濃度を得る。細胞をスチーム飽和雰囲気中で14日間にわたって37℃で5 % CO
2 でインキュベートする。次いで生細胞の代謝活性を色素アラマー・ブルー (AbD Serotec, No.: BUF012B)で示す。これを行なうために、25 μL/ウェルのアラマー・ブルー懸濁液を添加し、全体をインキュベーター中で37℃で約8時間インキュベートする。陽性対照はオートクレーブ処理により還元されたアラマー・ブルー25μLとF12 カイン培地 (10 % FCS)175 μLの混合物で充填される空のウェルからなる。使用した陰性対照は細胞を含まない二つのアガロース層及び培地の上層を含むウェルである。蛍光強さを蛍光スペクトロメーター (スペクトラMAX ジェミニXS, モレキュラー・デバイシス) により測定する。励起波長は530 nmであり、発光波長は590 nmである。
シグモイド曲線分析アルゴリズム (FIFTY, GraphPAD プリズムバージョン3.03に基づく)を可変Hill係数で使用してEC
50 値を濃度-活性分析から反復計算により測定する。
【0100】
ホスホ-PTK2 (pY397) アッセイ
この細胞試験を使用してチロシン397 (pY397)におけるPTK2-リン酸化の状態に対するPTK2-インヒビターの影響を測定する。
PC-3細胞 (前立腺癌, ATCC CRL-1435) を10 % ウシ胎児血清 (インビトロゲン, No.: 16000-044) を添加したF12 カイン培地 (ギブコ, No.: 21127) を含む細胞培養フラスコ (175 cm
2) 中で増殖させる。培養物をインキュベーター中で37℃で5 % CO
2 でインキュベートし、週2回実験する。
試験のために、ウェル/180μL 培地当り2 x 10
4 細胞を96-ウェル・ミクロタイタ・プレート (コスター, No.: 3598) に塗布し、インキュベーター中で37℃で5 % CO
2で一夜インキュベートする。試験化合物 (連続希釈からの20 μL) を翌日添加する。試験化合物の濃度は通常10 μM〜5 nMの範囲をカバーする。試験化合物 (原液: 100 % DMSO 中10 mM)を最初に100 % DMSO 中で連続希釈し、次いで最終濃度が0.5 % DMSOであるように、培地中で希釈する。次いで細胞をインキュベーター中で37℃で5 % CO
2 で2時間インキュベートする。次いで細胞上澄みを除去し、細胞を20分間にわたって室温でD-PBS中4%のホルムアルデヒド100 μL で固定する。ホルムアルデヒド溶液の除去後に、細胞を5分間にわたって洗浄緩衝液(D-PBS 中0.1%のトリトンX-100)300μlで1回洗浄する。次いでそれらを室温でウェル当り100μlの反応停止溶液(洗浄緩衝液中の過酸化水素30%、アジ化ナトリウム10%)中で20分間インキュベートする。細胞ローンを5分間にわたって洗浄緩衝液300μlで1回次いで1時間にわたってウェル当り100μlのブロッキング緩衝液(TBST (25 mM Tris/HCl, pH 8.0, 150 mM NaCl, 0.05 % トゥイーン20)中の5 % 脱脂粉乳 (Maresi Fixmilch))で再度洗浄する。ブロッキング緩衝液を一次抗体坑ホスホPTK2 [pY397] ウサギモノクローナル (インビトロゲン/バイオソース, No.: 44-625G)(これはブロッキング緩衝液中で1:1000に希釈されている)50μLにより交換する。対照目的のために、ブロッキング緩衝液中で1:400に希釈された、PTK2 [完全] 抗体(クローン4.47 マウスモノクローナル, Upstate, No.: 05-537)をまた使用する。このインキュベーションを4℃で一夜行なう。次いで細胞ローンを5分間にわたって洗浄緩衝液300 μL で1回洗浄し、50 μL/ウェルの二次抗体を添加する。結合ホスホ-PTK2 [pY397] 抗体を検出するために、ヤギ坑ウサギ抗体を使用する(これはホースラディッシュ・ペルオキシダーゼ (Dako, No.: P0448; ブロッキング緩衝液中1:500 希釈) と結合されている)。結合PTK2 [完全]-抗体を検出するために、ウサギ坑マウス抗体を使用する(これはまたホースラディッシュ・ペルオキシダーゼ (Dako, No.: P0161; ブロッキング緩衝液中1:1000 希釈) と結合されている)。このインキュベーションを室温で1時間にわたって穏やかに振とうしながら行なう。次いで細胞ローンを5分間にわたって洗浄緩衝液300 μL で1回再度洗浄し、次いでPBS 300μLで洗浄する。PBS を吸引濾過により除去し、ペルオキシダーゼ染色を染色溶液(TMB ペルオキシダーゼ基質 (KPL, No.: 50-76-02) とペルオキシダーゼ溶液B (H
2O
2) (KPL, No.: 50-65-02)の1:1混合物)100μLを添加することにより行なう。染色の発生が暗所で10-30分間にわたって起こる。その反応を100 μL/ウェルの1 M リン酸溶液の添加により停止する。吸収を吸収測定装置 (VICTOR
3 パーキンエルマー)で450 nmで光度測定する。坑ホスホPTK2 [pY397] 免疫染色の抑制を使用してEC
50 値を測定する。坑PTK2 [完全]-抗体による染色は対照目的のためであり、インヒビターの影響下で一定に留まるべきである。EC
50 値を可変Hill係数でシグモイド曲線分析アルゴリズム (FIFTY, GraphPAD プリズムバージョン3.03に基づく)の助けによる反復計算により濃度-活性分析から測定する。
試験した全ての実施例は10 μM未満、一般に1 μM未満のEC
50値 (PC-3)を有する。
【0101】
本発明の物質はPTK2-キナーゼインヒビターである。一般式(1)の新規化合物、それらの異性体及びこれらの生理学上許される塩は、それらの生物学的性質に鑑みて、過度又は異常な細胞増殖を特徴とする疾患の治療に適している。
このような疾患として、例えば、ウイルス感染症(例えば、HIV及びカポージ肉腫);炎症性疾患及び自己免疫疾患(例えば、大腸炎、関節炎、アルツハイマー病、腎炎及び創傷治癒);細菌、菌類及び/又は寄生虫感染症;白血病、リンパ腫及び充実性腫瘍(例えば、癌腫及び肉腫);皮膚疾患(例えば、乾癬);細胞(例えば、繊維芽細胞、肝細胞、骨及び骨髄細胞、軟骨細胞もしくは平滑筋細胞又は上皮細胞(例えば、子宮内膜過形成))の数の増大を特徴とする過形成に基づく疾患;骨疾患及び心血管疾患(例えば、再狭窄及び肥大)が挙げられる。
【0102】
例えば、下記の癌が本発明の化合物で治療し得るが、これらに限定されない:脳腫瘍、例えば、聴神経鞘腫、星状細胞腫、例えば、原線維性星状細胞腫、原形質性星状細胞腫、大円形細胞性星状膠腫、未分化星状細胞腫、毛様細胞性星状細胞腫、グリア芽細胞腫、神経膠肉腫、祖先形質黄色星状細胞腫、上衣下大細胞巨細胞星状細胞腫及び結合繊形成乳児星状細胞腫;脳リンパ腫、脳転移、下垂体腫瘍、例えば、プロラクチノーマ(prolactinoma)、下垂体偶発腫瘍、HGH(ヒト成長ホルモン)産生アデローマ及び副腎皮質刺激ホルモン産生アデノーマ、、頭蓋咽頭腫、髄芽細胞腫、髄膜腫及び乏突起膠腫;神経腫瘍、例えば、栄養神経系の腫瘍、例えば、神経芽細胞腫、神経節神経腫、パラガングリオーマ(クロム親和性細胞腫、クロム親和性腫瘍)及び頚動脈小体腫瘍、末梢神経系の腫瘍、例えば、切断神経腫、神経繊維腫、ノイリノーマ(神経鞘腫、シュワン鞘腫)及び悪性シュワン鞘腫だけでなく、中枢神経系の腫瘍、例えば、脳の腫瘍及び骨髄腫瘍;腸癌、例えば、直腸、結腸、肛門及び十二指腸の癌腫;眼瞼腫瘍(眼瞼器官の基底細胞腫又は腺癌);網膜芽細胞腫;膵臓の癌腫;膀胱の癌腫;肺腫瘍(気管支癌、小細胞肺癌(SCLC)、非小細胞肺癌(NSCLC)、例えば、紡錘体細胞扁平表皮癌、腺癌(腺房、乳頭状、気管支肺胞)及び大細胞気管支癌(巨細胞癌、透明細胞癌));乳癌、例えば、管状、小葉状、ムチン様又は管状の癌、パジェット癌;非ホジキンリンパ腫(Bリンパ又はTリンパNHL)、例えば、有毛細胞白血病、バーキットリンパ腫又は菌状息肉症;ホジキン病;子宮癌(子宮体癌又は子宮内膜癌);CUP症候群(未知の原発性の癌);卵巣癌(卵巣癌腫−粘液性又は漿液性のう腫、子宮内膜腫瘍、透明細胞腫瘍、ブレンナー腫瘍);胆嚢癌;胆管癌、例えば、クラトスキン(Klatskin)腫瘍;精巣癌(精上皮腫又は非精上皮腫);喉頭癌、例えば、声帯の声門上、声門及び声門下の腫瘍;骨の癌、例えば、骨軟骨腫、軟骨腫、軟骨芽細胞腫、軟骨粘液繊維腫、軟骨肉腫、骨腫、類骨骨腫、骨芽細胞腫、骨肉腫、非骨化骨繊維腫、骨繊維腫、結合繊形成骨繊維腫、線維肉腫、悪性線維性組織球腫、骨巨細胞腫又は巨細胞腫、ユーイング肉腫、及びプラスマ細胞腫、頭部及び首の腫瘍(HNO腫瘍)、例えば、唇、及び口腔の腫瘍(唇、舌、口腔の癌腫)、鼻咽頭癌(鼻の腫瘍、リンパ上皮腫)、咽頭癌、口腔咽頭癌、扁桃の癌(扁桃悪性腫瘍)及び舌(の基底)の癌、下咽頭癌、喉頭癌(喉頭の癌)、副鼻腔及び鼻腔の腫瘍、唾液腺及び耳の腫瘍;肝臓細胞癌(肝細胞癌(HCC);白血病、例えば、急性白血病、例えば、急性リンパ性/リンパ芽球性白血病(ALL)、急性骨髄性白血病(AML);慢性リンパ性白血病(CLL)、慢性骨髄性白血病(CML);胃癌(乳頭状腺癌、管状腺癌又は粘液性腺癌、扁平腺癌、扁平癌又は未分化癌腫;悪性メラノーマ、例えば、表在性メラノーマ(SSM)、結節性メラノーマ(NMM)、悪性のほくろ性メラノーマ(LMM)、先端ほくろ性メラノーマ(ALM)又は無メラニン性メラノーマ(AMM);腎臓癌、例えば、腎臓細胞癌(副腎腫又はグラビッツ腫瘍);食道癌;陰茎癌;前立腺癌;膣腫瘍(膣癌又は子宮頸癌);甲状腺癌、例えば、乳頭状、のう胞状、延髄又は未分化の甲状腺癌;胸腺癌(胸腺腫)、尿道の癌(尿道の癌、尿路上皮癌)及び外陰部の癌。
【0103】
新規化合物は、必要によりまた放射線治療又はその他の“技術水準”の化合物、例えば、細胞増殖抑制性物質もしくは細胞傷害性物質、細胞増殖インヒビター、坑脈管形成物質、ステロイド又は抗体と組み合わせて、上記疾患の予防、短期治療又は長期治療に使用し得る。
一般式(1)の化合物は、それら自体で、又は本発明のその他の活性物質と組み合わせて、必要によりまたその他の薬理学的活性物質と組み合わせて使用し得る。
本発明の化合物と組み合わせて投与し得る化学治療薬として、ホルモン、ホルモン類似体及び坑ホルモン(例えば、タモキシフェン、トレミフェン、ラロキシフェン、フルベストラント、メゲストロールアセテート、フルタミド、ニルタミド、ビカルタミド、アミノグルテチミド、シプロテロンアセテート、フィナステリド、ブセレリンアセテート、フルドロコルチンゾン、フルオキシメステロン、メドロキシプロゲステロン、オクトレオチド)、アロマターゼインヒビター(例えば、アナストロゾール、レトロゾール、リアロゾール、ボロゾール、エキセメスタン、アタメスタン)、LHRHアゴニスト及びアンタゴニスト(例えば、ゴセレリンアセテート、ルプロリド)、成長因子(成長因子、例えば、“血小板由来成長因子”及び“肝細胞成長因子”)のインヒビター(インヒビターは、例えば、“成長因子”抗体、“成長因子受容体”抗体及びチロシンキナーゼインヒビター、例えば、ゲフィチニブ、ラパチニブ及びトラスツズマブである);シグナル伝達インヒビター(例えば、イマチニブ及びソラフェニブ);坑代謝産物(例えば、坑葉酸塩、例えば、メトトレキセート、プレメトレキセド及びラルチトレキセド、ピリミジン類似体、例えば、5-フルオロウラシル、カペシタビン及びゲムシタビン、プリン及びアデノシン類似体、例えば、メルカプトプリン、チオグアニン、クラドリビン及びペントスタチン、シタラビン、フルダラビン);坑腫瘍抗生物質(例えば、アントラサイクリン、例えば、ドキソルビシン、ダウノルビシン、エピルビシン及びイダルビシン、マイトマイシンC、ブレオマイシン、ダクチノマイシン、プリカマイシン、ストレプトゾシン);白金誘導体(例えば、シスプラチン、オキサリプラチン、カルボプラチン);アルキル化剤(例えば、エストラムスチン、メクロレタミン、メルファラン、クロラムブシル、ブスルファン、ダカルバジン、シクロホスファミド、イフォスファミド、テモゾロミド、ニトロソ尿素、例えば、カルムスチン及びロムスチン、チオテパ)、坑有糸分裂剤(例えば、ビンカアルカロイド、例えば、ビンブラスチン、ビンデシン、ビノレルビン及びビンクリスチン;並びにタキサン、例えば、パクリタキセル、ドセタキセル);トポイソメラーゼインヒビター(例えば、エピポドフィロトキシン、例えば、エトポシド及びエトポフォス、テニポシド、アムサクリン、トポテカン、イリノテカン、ミトキサントロン)及び種々の化学治療薬、例えば、アミフォスチン、アナグレリド、クロドロナト、フィルグラスチン、インターフェロンアルファ、ロイコボリン、リツキシマブ、プロカルバジン、レバミソール、メスナ、ミトタン、パミドロネート及びポルフィマーが挙げられるが、これらに限定されない。
【0104】
好適な製剤として、例えば、錠剤、カプセル、座薬、溶液、特に注射用の溶液(s.c.、i.v.、i.m.)及び注入用の溶液、シロップ、エリキシル剤、エマルション又は分散可能な粉末が挙げられる。一種以上の医薬上活性な化合物の含量は全体としての組成物の0.1〜90質量%、好ましくは0.5〜50質量%の範囲、即ち、以下に明記される用量範囲を得るのに充分である量であるべきである。明記された用量は、必要により、1日に数回与えられてもよい。
好適な錠剤は、例えば、一種以上の活性物質を既知の賦形剤、例えば、不活性希釈剤、例えば、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム又はラクトース、崩壊剤、例えば、トウモロコシ澱粉又はアルギン酸、バインダー、例えば、澱粉又はゼラチン、滑剤、例えば、ステアリン酸マグネシウム又はタルク及び/又は放出を遅延するための薬剤、例えば、カルボキシメチルセルロース、セルロースアセテートフタレート、又はポリ酢酸ビニルと混合することにより得られてもよい。錠剤はまた幾つかの層を含んでもよい。
従って、被覆錠剤は錠剤と同様にして製造されたコアーを錠剤被覆に通常使用される物質、例えば、コリドン又はセラック、アラビアゴム、タルク、二酸化チタン又は糖で被覆することにより調製されてもよい。遅延放出を得、又は不適合性を防止するために、コアーはまた幾つかの層からなってもよい。同様に、錠剤被覆物はおそらく錠剤について上記された賦形剤を使用して、遅延放出を得るために幾つかの層からなってもよい。
本発明の活性物質又はこれらの組み合わせを含むシロップ又はエリキシル剤は更に甘味料、例えば、サッカリン、シクラメート、グリセロール又は糖及び風味増強剤、例えば、風味料、例えば、バニリン又はオレンジエキスを含んでもよい。それらはまた懸濁アジュバント又は増粘剤、例えば、ナトリウムカルボキシメチルセルロース、湿潤剤、例えば、脂肪アルコールとエチレンオキサイドの縮合生成物、又は防腐剤、例えば、p-ヒドロキシベンゾエートを含んでもよい。
【0105】
注射溶液及び注入溶液は必要により乳化剤及び/又は分散剤を使用して、通例の方法で、例えば、等張剤、防腐剤、例えば、p-ヒドロキシベンゾエート、又は安定剤、例えば、エチレンジアミンテトラ酢酸のアルカリ金属塩を添加して調製され、例えば、水を希釈剤として使用する場合、有機溶媒が必要により可溶化剤又は溶解助剤として使用され、注射バイアルもしくはアンプル又は注入びんに移されてもよい。
一種以上の活性物質又は活性物質の組み合わせを含むカプセルは、例えば、活性物質を不活性担体、例えば、ラクトース又はソルビトールと混合し、それらをゼラチンカプセルに詰めることにより調製し得る。
好適な座薬は、例えば、この目的に用意された担体、例えば、中性脂肪もしくはポリエチレングリコール又はそれらの誘導体と混合することにより製造し得る。
【0106】
使用し得る賦形剤として、例えば、水、医薬上許される有機溶媒、例えば、パラフィン(例えば、石油留分)、植物油(例えば、落花生油又はゴマ油)、一官能性又は多官能性アルコール(例えば、エタノール又はグリセロール)、担体、例えば、天然鉱物粉末(例えば、カオリン、クレー、タルク、チョーク)、合成鉱物粉末(例えば、高度に分散されたケイ酸及びケイ酸塩)、糖(例えば、蔗糖、ラクトース及びグルコース)、乳化剤(例えば、リグニン、使用済み亜硫酸塩液、メチルセルロース、澱粉及びポリビニルピロリドン)及び滑剤(例えば、ステアリン酸マグネシウム、タルク、ステアリン酸及びラウリル硫酸ナトリウム)が挙げられる。
製剤は通常の方法により、好ましくは経口経路もしくは経皮経路、特に好ましくは経口経路により投与される。経口投与について、錠剤は、勿論、上記担体とは別に、種々の添加剤、例えば、澱粉、好ましくはジャガイモ澱粉、ゼラチン等と一緒に添加剤、例えば、クエン酸ナトリウム、炭酸カルシウム及びリン酸二カルシウムを含んでもよい。更に、滑剤、例えば、ステアリン酸マグネシウム、ラウリル硫酸ナトリウム及びタルクが錠剤形成プロセスに同時に使用されてもよい。水性懸濁液の場合、活性物質が上記賦形剤に加えて種々の風味増強剤又は着色剤と合わされてもよい。
非経口使用のために、好適な液体担体とともに活性物質の溶液が使用されてもよい。
静脈内使用のための用量は時間当り1-1000mg、好ましくは時間当り5-500mgである。
しかしながら、体重、投与の経路、薬物に対する個体の応答、その製剤の性質及び薬物が投与される時間又は間隔に応じて、明記された量から逸脱することが時々必要であるかもしれない。こうして、或る場合には、先に示された最小用量より少ない量を使用することが充分であるかもしれず、一方、その他の場合には上限が超えられる必要があるかもしれない。多量を投与する場合、それらをその日にわたって引き延ばされる幾つかの一層少ない用量に分けることが推奨されるかもしれない。
下記の製剤実施例は本発明を説明するが、その範囲を限定しない。
【0107】
医薬製剤の実施例
A) 錠剤 錠剤当り
式(1)の活性物質 100mg
ラクトース 140mg
トウモロコシ澱粉 240mg
ポリビニルピロリドン 15mg
ステアリン酸マグネシウム
5mg
500mg
微粉砕された活性物質、ラクトース及びトウモロコシ澱粉の一部を一緒に混合する。その混合物を篩分け、次いで水中ポリビニルピロリドンの溶液で湿らせ、混錬し、湿式造粒し、乾燥させる。顆粒、残りのトウモロコシ澱粉及びステアリン酸マグネシウムを篩分け、一緒に混合する。その混合物を圧縮して好適な形状及びサイズの錠剤を製造する。
B) 錠剤 錠剤当り
式(1)の活性物質 80mg
ラクトース 55mg
トウモロコシ澱粉 190mg
微結晶性セルロース 35mg
ポリビニルピロリドン 15mg
ナトリウムカルボキシメチル澱粉 23mg
ステアリン酸マグネシウム
2mg
400mg
微粉砕された活性化合物、トウモロコシ澱粉の一部、ラクトース、微結晶性セルロース及びポリビニルピロリドンを一緒に混合し、その混合物を篩分け、残りのトウモロコシ澱粉及び水で処理して顆粒を生成し、これを乾燥させ、篩分ける。ナトリウムカルボキシメチル澱粉及びステアリン酸マグネシウムを添加し、混合し、その混合物を圧縮して好適なサイズの錠剤を形成する。
【0108】
C) アンプル溶液
式(1)の活性物質 50mg
塩化ナトリウム 50mg
注射用の水 5ml
活性物質を水にそれ自体のpH又は必要によりpH5.5〜6.5で溶解し、塩化ナトリウムを添加してそれを等張性にする。得られた溶液を濾過して発熱物質を除き、濾液を無菌条件下でアンプルに移し、次いでこれらを滅菌し、溶融によりシールする。アンプルは活性物質5mg、25mg及び50mgを含む。