(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【背景技術】
【0002】
従来より洗面台、浴槽等の槽体には、排水口に備えられた止水用の弁部材に直接手を触れることなく、操作部の操作によって排水口を開閉することができる遠隔操作式排水栓装置が利用されている。
以下に槽体を有する洗面台に用いた従来例を図面を参照しつつ説明する。
図9に示した従来の遠隔操作式排水装置は、弁部材、排水栓本体、排水接続管、オーバーフロー配管、操作部、レリースワイヤ、駆動部、等の各部材より構成されてなる。以下に各部材の構造を記す。
弁部材は略円盤状の弁体と、該弁体の中心より直下方向に垂下した弁軸からなる。
排水栓本体は上方に排水口を、また上端周縁にフランジ部を設けると共に、内部に排水の通水路を備えた筒状の部材であって、下端部分に後述する駆動部の固定部を備え、また下流側に後記する排水接続管を接続してなる。
排水接続管は、筒状の管体の途中部分に、後述するオーバーフロー配管を接続するための枝管部を側面方向に向けて設けてなる。
オーバーフロー配管は、槽体の内側に取り付けられる、オーバーフロー排水口を備えたオーバーフロー排水栓と、該オーバーフロー排水栓に接続され、オーバーフロー取付孔に取り付けられる横断面視L字形状をなす、オーバーフロー本体と、該オーバーフロー本体の下流側に接続され、オーバーフロー排水口からの排水が排出されるオーバーフロー管と、からなる。
操作部は、オーバーフロー排水口内に配置され、レリースワイヤに接続される部材であって、インナーワイヤに接続される、棒状にしてその単部に使用者が押し操作を行うための操作ツマミ部を備えたスイッチ部材と、アウターチューブに接続される、筒状にしてその内部に操作軸を進退自在に挿通する操作部本体と、から構成してなる。尚、スイッチ部材はレリースワイヤの戻りスプリングの付勢により、特に操作などによる荷重が加えられていないときは操作ツマミ部側に突出した状態となる。
レリースワイヤは、操作部の動作を駆動部に伝達する部材であって、側面方向に対して可撓性を備え、軸方向には剛性を備えた円筒状のアウターチューブと、該アウターチューブ内に配置され、アウターチューブ内に滑動自在に配置された、側面方向に対して可撓性を備え、軸方向には剛性を備えたインナーワイヤと、からなる。このレリースワイヤのインナーワイヤは、一端は操作軸の下端に接続し、他端は操作部の押し操作毎に支持軸後端に当接して支持軸を押し上げるように構成してなる。また、該レリースワイヤはアウターチューブに対してインナーワイヤを常に操作部側に付勢する戻りスプリング(図示せず)を内蔵している。
駆動部は、ノック式ボールペンなどに採用されているスラストロック機構と呼ばれる機構を備えてなり、その内部に、上下方向に昇降自在で、下端に押し上げ操作を受ける都度、上昇した状態を維持固定/固定を解除して下方に降下、を繰り返す支持軸を備えてなる
また、その他の部材として、排水接続管の排出口に接続するためのトラップ配管を備えてなる。
また、この遠隔操作式排水栓装置が施工される洗面台の洗面ボウルは、上方が開口した槽体であって、槽体下方に排水栓を取り付ける取付孔と、槽体内であって、槽体の上縁近傍に、オーバーフロー排水栓を取り付けるためのオーバーフロー取付孔を備えてなる。
【0003】
上記の各部材から構成された遠隔操作式排水栓装置を洗面ボウルに施工する場合、
まずオーバーフロー取付孔の周縁をオーバーフロー排水栓とオーバーフロー本体とで挟持するようにして固定する。次にオーバーフロー排水口、オーバーフロー本体、オーバーフロー管、枝管部、排水接続管内にレリースワイヤを挿通した上で、操作部をオーバーフロー排水口内に固定する。次に排水栓本体を取付孔に取り付けてから、排水栓本体の駆動部に、レリースワイヤ端部を接続する。次に排水栓本体の下端と排水接続管の上端を接続し、更に排水接続管の下端と下水側の床下配管とを、トラップ配管を介して接続する。
更に弁部材を、支持軸の上方に弁軸が配置されるように排水口から排水栓本体内部に配置して、遠隔操作式排水栓装置の施工が完了する。
【0004】
上記のように取着した遠隔操作式排水栓装置を使用する場合、まず排水口が閉口した状態、即ち支持軸が下方に下がった状態とする。この状態から操作部の操作ツマミ部に押し込み操作を加えて、レリースワイヤのインナーワイヤを駆動部側に前進させると、インナーワイヤ先端が駆動部の支持軸を押し上げ、スラストロック機構の作用により、支持軸が弁軸を押し上げた状態、即ち弁部材全体が上昇し、弁体が排水口から離間して排水口が開口した状態で支持・固定される。この時、インナーワイヤは戻りスプリングの作用により操作部側(槽体内部側)に突出した状態となる。
この状態から再度操作部の操作ツマミ部に押し込み操作を加えて、レリースワイヤのインナーワイヤを前進させると、インナーワイヤ先端が駆動部の支持軸を押し上げ、スラストロック機構の支持軸の固定が解除され、弁軸と支持軸とが降下し、排水口が弁体により閉口される。
以下、同様の操作を繰り返すことで、排水口を遠隔操作にて自由に開閉することができる。
【0005】
尚、遠隔操作式排水栓装置は上記従来例以外にも、操作部をオーバーフロー排水口以外の部分である洗面台の垂直な壁部に設け、レリースワイヤをオーバーフロー配管内を介する事無く施工する場合もある。
【実施例】
【0016】
以下に本発明の第一実施例を、図面を参照しつつ説明する。
図1及び
図2に示した本発明の第一実施例の遠隔操作式排水装置は、弁部材2、排水栓本体12、排水接続管14、オーバーフロー配管10、操作部3、レリースワイヤ4、等の各部材より構成されてなる。以下に各部材の構造を説明する。
弁部材2は略円盤状の弁体2aと、該弁体2aの中心より直下方向に垂下した弁軸2bからなる。
排水栓本体12は上方に排水口1を、また上端周縁にフランジ部12aを設けると共に、内部に排水の通水路を備えた筒状の部材であって、排水路の下方に、後述するレリースワイヤ4の固定部13を備えてなる。
排水接続管14は、排水栓本体12の下端に接続される部材であって、筒状の管体の途中部分に、後述するオーバーフロー配管10を接続するための枝管部14aと、レリースワイヤ4を挿通する挿通部14bを、側面に向けて設けてなる。
オーバーフロー配管10は、以下に記載するオーバーフロー排水栓15、オーバーフロー本体16、及びオーバーフロー継手管17からなる。
オーバーフロー排水栓15は、方形筒状の部材であって、一面にオーバーフロー排水が流入するオーバーフロー排水口9を、また同じ側の端部の外周周縁にオーバーフローフランジ部15aを、それぞれ備えてなる。
オーバーフロー本体16は、槽体背面に設けたオーバーフロー取付孔に取り付けられる部材であって、オーバーフロー排水口9方向が開口した箱体形状の本体部分と、本体部分の下面中央に設けられたオーバーフロー排水管16aからなる。
オーバーフロー継手管17は、側面視L字形状を成す管体であって、管体の一端は排水接続管14の枝管部14aに、他端はオーバーフロー排水管16aに接続される。
操作部3は、給水配管Wの吐水栓に備えられる部材であって、次に記載する操作部本体18、及びスイッチ部材5からなる。
操作部本体18は、洗面ボウルに給水を行う吐水栓と一体に設けられてなり、吐水栓の基部の一部に、スイッチ部材5が上下に動作するための貫通孔18aと、
図3に示したように、この貫通孔18aの下方に設けた断面コの字形状を成すガイド受け面19、及びアウターチューブ4a端部を取り付けるアウターチューブ接続部8aを備えてなる。尚、
図1又は
図2に示したように、側面視貫通孔18aは若干傾斜しており、貫通孔18aの延長方向には給水配管Wが備えられる。
スイッチ部材5は、使用者が直接触れて押し引き操作を行う、逆円錐形状を成す操作ツマミ部6と、その下方に設けられた下方の断面が方形を成すツマミ軸6a、更にその下方に設けられた側面視L字形状にして下端にレリースワイヤ4のインナーワイヤと接続するインナーワイヤ接続部を備えた接続片8cからなる。尚、ツマミ軸6aの下方の方形の面が、ガイド受け面19と合致するガイド面7として構成されてなる。また、操作ツマミ部6とツマミ軸6aは別部材であり、ネジ等を利用して螺合し固定するようになっている。また、接続部8は、ツマミ軸6a方向視操作ツマミ部6よりも外側となる位置に備えられている。
尚、このスイッチ部材5は、接続片8cの中央を対称面とした面対称を成す。当然ながらスイッチ部材5の一部である操作ツマミ部6も面対称を成す。
レリースワイヤ4は、操作部3の動作を弁部材2に伝達する部材であって、側面方向に対して可撓性を備え、軸方向には剛性を備えた円筒状のアウターチューブ4aと、該アウターチューブ4a内に配置され、アウターチューブ4a内に滑動自在に配置された、側面方向に対して可撓性を備え、軸方向には剛性を備えたインナーワイヤ(図示せず)と、インナーワイヤの一端に設けられたロッド部4bと、からなる。
また、その他の部材として、排水接続管14の排出口に接続するためのトラップ配管20を備えてなる。
また、この遠隔操作式排水栓装置が施工される洗面台の洗面ボウルは、上方が開口した槽体であって、槽体下方に排水栓を取り付ける取付孔と、槽体内であって、槽体の上縁近傍に、オーバーフロー排水栓15を取り付けるためのオーバーフロー取付孔を備えてなる。
【0017】
上記の各部材から構成された遠隔操作式排水栓装置を洗面ボウルに施工する場合、事前に工場などで操作部本体18を取り付けておき、これを施工現場に搬入する。次に、施工現場にて、オーバーフロー排水栓15とオーバーフロー本体16を、オーバーフローフランジ部15aとオーバーフロー本体16の開口部周縁とで、オーバーフロー取付孔を挟持するようにして取付固定する。次に、スイッチ部材5のツマミ軸6aを、下方(洗面ボウルの裏側空間側)から操作部本体18の貫通孔18aに挿通し、貫通孔18aの上方でツマミ軸6aと操作ツマミ部6とツマミ軸6aを螺合させ固定する。この時、ツマミ軸6aのガイド面7と、操作部本体18のガイド受け面19は合致し、ツマミ軸6aは回動不能になる。
更に、接続片8cのインナーワイヤ接続部8bにインナーワイヤ端部を接続した上で、アウターチューブ接続部8aにアウターチューブ4aを接続する。
次に排水栓本体12を洗面ボウルの取付孔に、フランジ部12a下面が取付孔周縁上面に当接するように取り付け固定する。
レリースワイヤ4のロッド部4b側端部を排水接続管14の挿通部14bに挿通させ、排水栓本体12の固定部13に接続固定し、更にオーバーフロー排水管16aと枝管部14aをオーバーフロー継手管17を介して接続した上で、排水接続管14を排水栓本体12に接続固定する。
更に排水接続管14の下端と下水側の床下配管とを、トラップ配管20を介して接続する。
最後に排水接続管14の挿通部14bをレリースワイヤ4を挿通した状態で水密的に閉塞し、排水口1に弁部材2を配置してロッド部4b上に弁軸2bを配置し、本実施例の遠隔操作式排水栓装置の施工が完了する。
【0018】
上記のように取着した遠隔操作式排水栓装置を使用する場合、まず排水口1が閉口した状態、即ち
図1のように、操作部3のスイッチ部が引き上げられ、レリースワイヤ4を介してその分ロッド部4bが降下し、排水口1が閉塞した状態とする。
この状態から、使用者がスイッチ部材5の操作ツマミ部6を摘み、押し込み操作を行うと、スイッチ部材5が降下して、接続片8cがインナーワイヤを排水口1側に押し込み、ロッド部4bを押し上げる。これによってロッド部4bごと弁部材2が押し上げられ、排水口1の弁体2aが上昇した状態で固定されて排水口1が開口し、
図2のような開口状態となって洗面ボウル内部の排水を排出することができる(ロッド部4bの上昇は各部材間の摩擦により保持される)。
この状態から、使用者が操作ツマミ部6を摘み、引き上げ操作を行うと、スイッチ部材5が上昇し、接続片8cがインナーワイヤを操作部3側に引き上げ、ロッド部4bを引き下げる。これによってロッド部4bと共に弁部材2が降下し、
図1の状態に戻って排水口1が弁体2aによって閉塞される。以降、同様に押し操作と引き操作を繰り返すことで、排水口1を操作部3から遠隔操作にて自由に開閉することができる。
【0019】
上記第一実施例においては、接続片8cがL字形状をなし、操作ツマミ部6の押し方向視、即ちツマミ軸6aの方向視において操作ツマミ部6よりも外側に接続部8を設けてなる。これによって、ツマミ軸6aの延長線上にそのままレリースワイヤ4を配置した場合ではレリースワイヤ4と給水配管Wが干渉してしまう場合でも、給水配管Wを避けるようにしてレリースワイヤ4を配置することができ、操作部3のレイアウト(特にスイッチ部材5の配置レイアウト)の自由度が高まる。
また、本実施例では、操作ツマミ部6を含むスイッチ部材5を面対称形状としたことと、スイッチ部材5のツマミ軸6aに操作ツマミ部6の押し方向に沿って移動を行う為のガイド面7を備えたこと、操作ツマミ部6の対称面上にスイッチ部材5とレリースワイヤ4との接続部8となるインナーワイヤ接続部8b及びアウターチューブ接続部8aを設けたこと、によって、操作ツマミ部6よりも外側に、スイッチ部材5とレリースワイヤ4の接続部8を設けつつ、操作ツマミの押し操作、及び引き操作を安定して行うことができるようになった。具体的には、断面視方形を成すガイド面7と、これに当接するコの字形状のガイド受け面19によって、スイッチ部材5が鉛直方向に動作する際、前後また左右に傾斜することがないようにスイッチ部材5の動作を規制するため、押し操作及び引き操作に際し接続片8cが傾斜しない。このため、操作ツマミの押し操作をスムーズに行うことができるようになった。更に本実施例では、操作部3の操作ツマミ部6が左右に対称形状であるため、操作ツマミ部6上のどの位置を押し、又は引いても左右方向に対してはバランスが良く、押し操作及び引き操作に際し、一層接続片8cが傾斜しにくくなっている。
また、上記実施例においては、操作ツマミ部6の押し方向を、従来例のような、水平方向への押し込みから、鉛直方向としている。これによって、水平方向にスイッチ部材5を押し操作する場合と比べ、洗面ボウル裏の空間が水平方向に幅狭な場合でも比較的配置レイアウトに余裕を持って設計する事ができる。
【0020】
次に、本発明の第二実施例を、図面を参照しつつ説明する。
図4及び
図5に示した第二実施例の遠隔操作式排水装置は、弁部材2、排水栓本体12、排水接続管14、オーバーフロー配管10、操作部3、レリースワイヤ4、駆動部13a、等の各部材より構成されてなる。以下に各部材の構造を説明する。
弁部材2は略円盤状の弁体2aと、該弁体2aの中心より直下方向に垂下した弁軸2bからなる。
排水栓本体12は上方に排水口1を、また上端周縁にフランジ部12aを設けると共に、内部に排水の通水路を備えた筒状の部材であって、排水路の下方に、後述する駆動部13aの固定部13を備えてなる。
排水接続管14は、排水栓本体12の下端に接続される部材であって、筒状の管体の途中部分に、後述するオーバーフロー配管10を接続するための枝管部14aと、レリースワイヤ4を挿通する挿通部14bを、側面方向に向けて設けてなる。
オーバーフロー配管10は、以下に記載するオーバーフロー排水栓15、オーバーフロー本体16、及びオーバーフロー継手管17からなる。
オーバーフロー排水栓15は、方形筒状の部材であって、一面にオーバーフロー排水が流入すオーバーフロー排水口9を、また同じ側の端部の外周周縁にオーバーフローフランジ部15aを、それぞれ備えてなる。またオーバーフロー排水口9にはスリットを備えてなる。
オーバーフロー本体16は、槽体背面に設けたオーバーフロー排水口9に取り付けられる部材であって、オーバーフロー排水口9方向が開口した箱体形状の本体部分と、本体部分の下面中央に設けられた、円筒状の接続部8、及び本体部分の下面の左右両側から直下方向に複数設けられたオーバーフロー排水管16aからなる。
オーバーフロー継手管17は、平面視Y字形状を成す管体であって、管体の一端は排水接続管14の枝管部14aに、残る2つの端部は上方を向いて設けられオーバーフロー排水管16aに接続される。
また、Y字形状の分岐の中央部分には、後述するレリースワイヤ4を保持する保持部11を備えてなる。
操作部3は、使用者が直接触れて押し操作を行う操作ツマミ部6を有した、鉛直方向に移動するスイッチ部材5と、上記オーバーフロー配管10に記載したオーバーフロー排水栓15から構成される(本実施例では、操作部3は、スイッチ部材5とオーバーフロー排水栓15、オーバーフロー本体16との組み合わせをもって操作部3とする。即ち、オーバーフロー排水栓15及びオーバーフロー本体16は、操作部3とオーバーフロー配管10の両方で兼用される部材である)。
スイッチ部材5は、以下に記載する操作ツマミ部6と接続片8cとから構成される部材である。
操作ツマミ部6は、使用者が直接触れて押し操作を行う部分であって、左右対称即ち面対称形状を成す。更に、施工時後背となる部分をガイド面7として備えてなる。このガイド面7は、平坦であって、平面視上記対称面と垂直を成すように構成されてなり、この後背面が遠隔操作式排水栓装置が取り付けられる洗面ボウルの後壁内面及びオーバーフロー排水栓15のフランジ部12a及びスリット面と接し、スイッチ部材5が鉛直方向に動作する際、前後に傾斜することがないようにスイッチ部材5の動作を規制する。
接続片8cは、スイッチ部材5のガイド面7に備えられた、側面視L字形状を成す部材であって、下端部分にはレリースワイヤ4のインナーワイヤとの接続部8を備えてなり、施工時にはオーバーフロー排水栓15のスリット面を介してオーバーフロー排水栓15のオーバーフロー排水口9内部に配置される。またこの接続片8cには図示しないがOリングが備えられてなり、施工完了時、オーバーフロー配管10から接続片8cを介して排水がオーバーフロー配管10外に流出することを防止する。
レリースワイヤ4は、操作部3の動作を駆動部13aに伝達する部材であって、側面方向に対して可撓性を備え、軸方向には剛性を備えた円筒状のアウターチューブ4aと、該アウターチューブ4a内に配置され、アウターチューブ4a内に滑動自在に配置された、側面方向に対して可撓性を備え、軸方向には剛性を備えたインナーワイヤ(図示せず)と、からなる(尚、
図4、
図5においてはレリースワイヤ4とアウターチューブ4aは同一に見える)。このレリースワイヤ4のインナーワイヤは、一端は操作軸の下端に接続し、他端は操作部3の押し操作毎に支持軸後端に当接して支持軸を押し上げるように構成してなる。また、該レリースワイヤ4はアウターチューブ4aに対してインナーワイヤを常に操作部3側に付勢する戻りスプリング(図示せず)を内蔵している。
駆動部13aは、ノック式ボールペンなどに採用されているスラストロック機構と呼ばれる機構を備えてなり、その内部に、上下方向に昇降自在で、下端に押し上げ操作を受ける都度、上昇した状態を維持固定/固定を解除して下方に降下、を繰り返す支持軸を備えてなる
また、その他の部材として、排水接続管14の排出口に接続するためのトラップ配管20を備えてなる。
また、この遠隔操作式排水栓装置が施工される洗面台の洗面ボウルは、上方が開口した槽体であって、槽体下方に排水栓を取り付ける取付孔と、槽体内であって、槽体の上縁近傍に、オーバーフロー排水栓15を取り付けるためのオーバーフロー取付孔を備えてなる。
【0021】
上記の各部材から構成された遠隔操作式排水栓装置を洗面ボウルに施工する場合、まずオーバーフロー排水栓15とオーバーフロー本体16を、オーバーフローフランジ部15aとオーバーフロー本体16の開口部周縁とで、オーバーフロー取付孔を挟持するようにして取付固定する。次に、スイッチ部材5の接続片8cを、オーバーフロー排水栓15のスリット部を介してオーバーフロー排水口9内部に通し、更にその端部を接続部8に配置する。
次に、接続片8cにインナーワイヤ接続部8bをまた接続部8の端部周辺にレリースワイヤ4のアウターチューブ4aを当接させて取付固定している。接続片8cの外周部分はOリング部材等によって水密的に構成されてなり、このため、レリースワイヤ4の操作部3側端部は、オーバーフロー排水が流れるオーバーフロー配管10部分の外側に配置され、洗面ボウル内を流れる排水に触れることはない。
また、インナーワイヤは戻りスプリングの作用により常にスイッチ部材5側に付勢される。このため、直接固定等されているわけではないが、常時接続片8cに当接してスイッチ部材5を押し上げる。
次に排水栓本体12を洗面ボウルの取付孔に、フランジ部12a下面が取付孔周縁上面に当接するように取り付け固定する。
また、レリースワイヤ4の他端を排水接続管14の挿通部14bに挿通させ、排水栓本体12の駆動部13aに接続した後、オーバーフロー排水管16aと枝管部14aを、オーバーフロー継手管17を介して接続しつつ、端水接続管を排水栓本体12に接続固定する。
更に排水接続管14の下端と下水側の床下配管とを、トラップ配管20を介して接続する。
最後に排水接続管14の挿通部14bをレリースワイヤ4を挿通した状態で水密的に閉塞し、保持部11にレリースワイヤ4を保持させると共に、排水口1に弁部材2を配置して駆動部13aの支持軸上に弁軸2bを配置し、本実施例の遠隔操作式排水栓装置の施工が完了する。
【0022】
上記のように取着した遠隔操作式排水栓装置を使用する場合、まず排水口1が閉口した状態、即ち
図4のように、駆動部13aの支持軸が降下し、排水口1が閉塞した状態とする。
この状態から、使用者がスイッチ部材5の操作ツマミ部6上面に触れて押し込み操作を行うと、スイッチ部材5が降下して、接続片8cがインナーワイヤを押し込み、駆動部13aの支持軸下端を押し上げる。これによって支持軸のスラストロック機構が動作し、支持軸ごと弁部材2が押し上げられ、
図5に示したように排水口1の弁体2aが上昇した状態で固定されて排水口1が開口し、洗面ボウル内部の排水を排出することができる。
この状態から、再度使用者がスイッチ部材5の操作ツマミ部6上面に触れて、押し込み操作を行うと、スイッチ部材5が降下して、接続片8cがインナーワイヤを押し込み、駆動部13aの支持軸下端を押し上げる。これによって支持軸のスラストロック機構が動作し、支持軸の固定が解除され、支持軸と共に弁部材2が降下し、
図4の状態に戻って排水口1が弁体2aによって閉塞される。以降、同様の操作を繰り返すことで、排水口1を操作部3から遠隔操作にて自由に開閉することができる。尚、スイッチ部材5は、使用者が操作ツマミ部6を押し込んでいる時以外はレリースワイヤ4の戻りスプリングの作用で上方に上昇し、オーバーフロー排水口9を開放している。このため、排水口1を閉口し、洗面ボウル内に排水が溜まってオーバーフロー排水口9の下端まで達した場合、そのままオーバーフロー排水口9からオーバーフロー配管10を介して支障無く排水を行うことができる。
【0023】
上記第二実施例においては、
接続片8cがL字形状を成し、操作ツマミ部6の押し方向視において操作ツマミ部6よりも外側に接続部8を設けてなる。これによって、操作ツマミ部6の下方にそのままレリースワイヤ4を配置した場合では、レリースワイヤ4が洗面ボウル内に露出し、意匠性が悪く、又レリースワイヤ4が洗面ボウル内で作業を行うのに邪魔にとなる場合でも、レリースワイヤ4を洗面ボウルの裏側に配置することができ、意匠性が良く、又レリースワイヤ4が洗面ボウル内で作業を行うのに邪魔とならないようにすることができる。
また、本実施例では、操作ツマミ部6を面対称形状としたこと、スイッチ部材5に操作ツマミ部6の押し方向に沿って移動を行う為のガイド面7を備えたこと、操作ツマミ部6の対称面上にスイッチ部材5とレリースワイヤ4との接続部8を設けたこと、によって、操作ツマミ部6よりも外側に、スイッチ部材5とレリースワイヤ4の接続部8を設けつつ、操作ツマミの押し操作を安定して行うことができるようになった。
具体的には、まず、操作部3の操作ツマミ部6が左右に対称形状であるため、操作ツマミ上のどの位置を押しても左右方向に対してはバランスが良く、押し操作に際し、接続片8cが傾斜しない。
また、前後方向に関しては、スイッチ部材5が鉛直方向に動作する際、ガイド面7がオーバーフロー排水口9に設けられたスリットや洗面ボウルの後方の内側面に接してガイドされることで、前後に傾斜することがないようにスイッチ部材5の動作を規制するため、押し操作に際し、接続片8cが前後に傾斜しない。これによって操作ツマミの押し操作を安定して行うことができるようになった。
また、上記実施例においては、操作ツマミ部6の押し方向を、従来例のような、水平方向への押し込みから、鉛直方向への押し込みとなるように構成している。これによって、水平方向にスイッチ部材5を押し操作する場合と比べ、洗面ボウル裏の空間が水平方向に幅狭な場合でも比較的配置レイアウトに余裕を持って設計する事ができる。
また、上記実施例では、オーバーフロー排水口9に操作部3を設けた且つレリースワイヤ4をオーバーフロー配管10外に配置した事により、レリースワイヤ4の大部分が排水に触れることが無くなり、レリースワイヤ4の劣化が生じにくくする事ができる。
更に、オーバーフロー配管10を二股とし、レリースワイヤ4をその間に配置したことで、上記効果を維持したまま、オーバーフロー配管10の排水性能も良いものとできる。
また、保持部11にレリースワイヤ4を保持させたことによって、レリースワイヤ4の施工後の収まり良くなり、他の部材と絡まるといった問題の発生を極力抑えることができる。
【0024】
本発明の実施例は以上のようであるが本発明は上記実施例に限定されるものではなく、主旨を変更しない範囲において自由に変更が可能である。例えば、上記第一実施例、第二実施例では、スイッチ部材5は全て鉛直方向に動作するものとして構成されているが、従来例のように前後方向にスイッチ部材5を動作するように構成しても良い。但しこの場合、スイッチ部材5のストロークやレリースワイヤ4の曲がり幅分、槽体の裏側の配管空間に広さが必要となるため、上記各実施例のように、鉛直方向に動作するように構成したほうが、操作部3の配置レイアウトに余裕を持って設計する事ができる。
【0025】
また、上記各実施例は槽体である洗面台の洗面ボウルに施工されてなるが、本発明は上記実施例に限定されることなく、流し台のシンク、浴室の浴槽など他の生活機器の槽体に使用してももちろん構わない。