(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
無線端末と無線ネットワーク側の間の接続を確立した後、前記無線端末が前記無線ネットワーク側への送信データを有するかどうかを検出するステップであって、前記送信データは信号送信データまたはユーザ・データを含むステップと、
前記無線端末が前記無線ネットワーク側への送信データを有するかどうかを検出するステップの結果、前記無線端末が送信データを有さない場合には、前記無線端末の電力増幅器PAが非動作状態にあると確認するステップと、
前記無線端末が前記無線ネットワーク側への送信データを有するかどうかを検出するステップの結果、前記無線端末が送信データを有する場合には、前記無線端末の前記PAが動作状態にあると確認するステップと、
前記無線端末の前記PAが動作状態にあると確認した後、前記無線端末のベースバンド・チップのレイヤ1により、前記無線端末の前記PAが動作状態にあると確認することに成功した旨のメッセージをレイヤ3に通知するステップと、
を含む、データ送信方法。
前記無線端末の前記PAが前記動作状態にあると確認した後、前記無線端末の前記送信データを前記動作状態にある前記PAにより増幅し、前記送信データを前記無線ネットワーク側に送信するステップをさらに含む、請求項1に記載の方法。
前記無線端末と前記無線ネットワーク側の間の前記接続は専用チャネルDCHリンク接続であり、前記送信データ内の前記信号送信データは、専用制御チャネルDCCHを介して前記無線ネットワーク側に送信され、および前記送信データ内の前記ユーザ・データは、専用トラフィック・チャネルDTCHを介して前記無線ネットワーク側に送信される、請求項1または2に記載の方法。
前記無線端末が前記無線ネットワーク側への送信データを有するかどうかを検出するステップは、前記無線端末のベースバンド・チップにより、前記無線端末内に配置され前記無線端末の前記ベースバンド・チップに接続された第1の記憶部に少なくとも1つの無線フレームが存在するかどうかを検出するステップを含み、
前記無線端末が前記無線ネットワーク側への送信データを有するかどうかを検出するステップの結果、前記無線端末が送信データを有さない場合というのは、無線フレームが前記第1の記憶部に存在しない場合を含み、
前記無線端末が前記無線ネットワーク側への送信データを有するかどうかを検出するステップの結果、前記無線端末が送信データを有する場合というのは、前記第1の記憶部に少なくとも1つの無線フレームが存在する場合を含み、
前記少なくとも1つの無線フレームは、前記無線端末のアプリケーション・プロセッサAPから前記ベースバンド・チップにより受信され、前記第1の記憶部に格納される、
請求項1または2または3に記載の方法。
前記無線端末が前記無線ネットワーク側への送信データを有するかどうかを検出するステップはさらに、前記無線端末の前記ベースバンド・チップにより、前記無線端末内に配置され前記無線端末の前記ベースバンド・チップに接続されるかまたは前記ベースバンド・チップ内に配置された第2の記憶部にデータが存在するかどうかを検出するステップを含み、
前記無線端末が前記無線ネットワーク側への送信データを有するかどうかを検出するステップの結果、前記無線端末が送信データを有さない場合というのは、前記第2の記憶部に前記データが存在しない場合を含み、
前記無線端末が前記無線ネットワーク側への送信データを有するかどうかを検出するステップの結果、前記無線端末が送信データを有する場合というのは、前記第2の記憶部に前記データが存在し、前記データが前記少なくとも1つの無線フレームの一部または全部であることを含む、
請求項5に記載の方法。
前記送信データを前記ベースバンド・チップから受信し、前記送信データを変調し、前記変調の後に第1のデータを前記PAに送信するように構成された送受信器をさらに備え、
前記PAは、前記変調の後に前記第1のデータを増幅するようにさらに構成され、
前記無線端末は、前記PAが増幅した第2のデータを前記無線ネットワーク側に送信するように構成されたアンテナをさらに備える、
請求項11に記載の無線端末。
前記送信データを生成し、前記送信データを前記ベースバンド・チップに送信するように構成されたアプリケーション・プロセッサAPをさらに備える、請求項11または12に記載の無線端末。
前記ベースバンド・チップは、前記送信データを前記APから受信し、前記送信データ内の少なくとも1つの無線フレームを第1の記憶部に格納し、前記第1の記憶部が前記送信データを有さない場合には、前記検出に対応する結果は、前記ベースバンド・チップが送信データを有さないということであり、前記第1の記憶部が前記送信データ内に前記少なくとも1つの無線フレームを有する場合には、前記検出に対応する結果は、前記ベースバンド・チップが送信データを有するということであり、
前記無線端末はさらに、前記ベースバンド・チップに接続され前記送信データ内の前記少なくとも1つの無線フレームを格納するように構成された前記第1の記憶部を備える、
請求項13に記載の無線端末。
前記ベースバンド・チップは、前記第1の記憶部が前記少なくとも1つの無線フレームを有するとき、前記第1の記憶部内の前記少なくとも1つの無線フレームの一部または全部を第2の記憶部に格納し、前記第2の記憶部がデータを有さない場合には、前記検出に対応する結果は、前記ベースバンド・チップが送信データを有さないということであり、前記第2の記憶部がデータを有する場合には、前記検出に対応する結果は、前記ベースバンド・チップが送信データを有するということであり、前記データは前記少なくとも1つの無線フレームの一部または全部であり、
前記無線端末はさらに、前記ベースバンド・チップに接続されるかまたは前記ベースバンド・チップ内に配置され前記データを格納するように構成された前記第2の記憶部を備える、
請求項14に記載の無線端末。
前記無線端末が送信データを有するかどうかを検出するように前記ベースバンド・チップが構成されるということは、特に、前記ベースバンド・チップが、前記ベースバンド・チップのコーダが送信データを有するかどうかを検出することであり、前記送信データは前記APにより前記ベースバンド・チップに送信される、
請求項13に記載の無線端末。
前記ベースバンド・チップが、前記PAが前記非動作状態にあると確認する前記第1のメッセージを前記PAに送信するように構成されるということは、特に、前記ベースバンド・チップが第1のコマンドを前記PAのSPIにシリアル周辺インタフェースSPIバスを介して送信することであり、前記第1のコマンドは前記PAをスリープ状態にあるように制御する、
請求項11乃至16の何れか1項に記載の無線端末。
前記ベースバンド・チップが、前記PAが前記非動作状態にあると確認する前記第1のメッセージを前記PAに送信するように構成されるということは、特に、前記ベースバンド・チップが第2のコマンドを前記PAのdigRFインタフェースにデジタル無線周波数digRFバスを介して送信することであり、前記第2のコマンドは前記PAをスリープ状態にあるように制御する、
請求項11乃至16の何れか1項に記載の無線端末。
前記ベースバンド・チップが、前記PAが前記非動作状態にあると確認する前記第1のメッセージを前記PAに送信するように構成されるということは、特に、前記ベースバンド・チップが第3のコマンドを前記PAの有効インタフェースENに送信することであり、前記第3のコマンドは前記PAをスリープ状態にあるように制御する、
請求項11乃至16の何れか1項に記載の無線端末。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明の目的、技術的解決策、および利点をより分かりやすくするために、以下では添付図面を参照して本発明の諸実施形態を詳細に説明する。
【0015】
本発明の第1の実施形態では、
図1の概略的な流れ図で示すようにデータ送信方法を提供する。当該データ送信方法は、以下のステップを含む。
【0016】
ステップ101では、無線端末が無線ネットワーク側への送信データを有するかどうかを判定する。当該データは、信号送信データまたはユーザ・データを含む。
【0017】
ステップ102では、当該無線端末が当該無線ネットワーク側への送信データを有するかどうかを検出するステップの結果、無線端末が無線ネットワーク側への送信データを有さない場合には、無線端末のアップリンク電力増幅器(power amplifier、PA)が非動作状態にあると確認する。
【0018】
本明細書における「確認する」とは、保証することをも意味する。PAが動作状態にあった場合には、PAを動作状態に保ち、PAが動作状態にない場合には、PAが動作状態にあることができるようにする。
【0019】
ステップ103では、当該無線端末が当該無線ネットワーク側への送信データを有するかどうかを検出するステップの結果、当該無線端末が送信データを有する場合には、当該無線端末のPAが動作状態にあると確認する。
【0020】
ステップ102とステップ103のシーケンスを交換してもよい。これは、本発明の実施形態の具体的な実装に影響を及ぼすものではない。
【0021】
上述のデータ送信方法によれば、PAのONまたはOFFを、無線端末が送信データを有するかどうかに応じて制御してもよい。データを送信した後、または、無線ネットワーク側への送信データが存在しないときには、PAをターンオフして、無線端末のアップリンクの電力消費を削減できるようにし、無線端末が無線ネットワーク側と対話する必要がないときに無線端末のエネルギ節約を実現する。
【0022】
ステップ103の後、上述の方法が以下のステップのうち少なくとも1つをさらに含んでもよい。
【0023】
ステップ104では、無線端末の送信データを動作状態にあるPAにより増幅し、増幅したデータを無線ネットワーク側に送信する。
ステップ105では、当該送信データが完了したかどうかを検出する。
【0024】
ステップ106では、当該送信データの送信が完了した場合には、当該無線端末のPAが非動作状態にあると確認する。非動作状態はここでは、スリープ動作モードおよび電力オフ動作モードを含んでもよい。
【0025】
無線端末が無線ネットワーク側への送信データを有するかどうかを検出するステップを、以下の3つの検出方法のうちの1つにより実装してもよい。
【0026】
第1の方法では、無線端末のベースバンド・チップが、当該無線端末内に存在し当該無線端末の当該ベースバンド・チップに接続された第1の記憶部に少なくとも1つの無線フレームが存在するかどうかを検出する。当該無線端末が無線ネットワーク側への送信データを有するかどうかを検出するステップの結果無線端末が送信データを有さない場合というのは、第1の記憶部に無線フレームが存在しないことを含む。当該無線端末が無線ネットワーク側への送信データを有するかどうかを検出するステップの結果当該無線端末が送信データを有する
ことは、第1の記憶部に少なくとも1つの無線フレームが存在することを含む。無線フレームが第1の記憶部に存在しない場合には、ベースバンド・チップは送信データが存在しないと考える。少なくとも1つの無線フレームが第1の記憶部に存在する場合には、ベースバンド・チップは送信データが存在すると考える。少なくとも1つの無線フレームは、無線端末のアプリケーション・プロセッサAPからベースバンド・チップにより受信され、第1の記憶部に格納される。
【0027】
第2の方法では、無線端末のベースバンド・チップにより、無線端末が無線ネットワーク側への送信データを有するかどうかを検出するステップが、送信データが無線端末のベースバンド・チップのレイヤ1に存在するかどうかを検出するステップを含んでもよい。送信データが無線端末のベースバンド・チップのレイヤ1に存在するかどうかを検出するステップは、特に、ベースバンド・チップのコーダが送信データを有するかどうかを検出するステップを含んでもよい。ベースバンド・チップのコーダが送信データを有する(例えば、少なくとも1つの無線フレームのデータが存在する)場合には、ベースバンド・チップは送信データが存在すると考える。ベースバンド・チップのコーダが送信データを有さない場合には、ベースバンド・チップは送信データが存在しないと考える。
【0028】
第3の方法では、無線端末のベースバンド・チップが、送信データが無線端末のベースバンド・チップのレイヤ3に存在するかどうかを検出する。具体的には、送信データがレイヤ3のパケット・データ収束プロトコル(Packet Data Convergence プロトコル、PDCP)サブレイヤに存在するかどうかを検出してもよい。当該無線端末が送信データを有する場合には、当該無線端末のPAが動作状態にあると確認する前に、本方法はさらに、レイヤ3によって、送信データを無線端末の第2の記憶部に格納するステップを含んでもよい。当該無線端末のPAが動作状態にあると確認した後、当該無線端末の送信データを動作状態にあるPAにより増幅し当該データを無線ネットワーク側に送信する前に、本方法は、無線端末のベースバンド・チップのレイヤ1により、送信データを第2の記憶部から読み出すステップを含んでもよい。第2の記憶部をベースバンド・チップ内に配置してもよく、無線端末内に配置してベースバンド・チップに接続させてもよい。当該レイヤ1が、所定の期間ごとに送信データを第1の記憶部から読み出してもよい。当該所定の期間は10ミリ秒であることが好ましい。
【0029】
無線端末が無線ネットワーク側への送信データを有するかどうかを検出するステップはさらに、
無線端末のベースバンド・チップにより、データが第2の記憶部に存在するかどうかを検出するステップであって、当該第2の記憶部は無線端末内に配置され、無線端末のベースバンド・チップに接続されるかまたはベースバンド・チップ内に配置されるステップを含む。
【0030】
当該無線端末が当該無線ネットワーク側への送信データを有するかどうかを検出するステップの結果無線端末が送信データを有さないというのは、当該データが第2の記憶部に存在しないことを含む。
【0031】
無線端末が無線ネットワーク側への送信データを有さないかどうかを検出した結果無線端末が送信データを有するというのは、当該データが第2の記憶部に存在することを含み、当該データは少なくとも1つの無線フレームの一部または全部である。
【0032】
ここで、3GPPのエア・インタフェースのプロトコル階層が簡単に導入されている。3GPPのエア・インタフェースのプロトコル階層は、ネットワーク・アプリケーション層、即ち、最上位層を含む。レイヤ3は、L3と示され、様々なメッセージやプログラムを含み、サービスに対して制御や管理を行うものである。レイヤ2およびレイヤ1は、エア・インタフェースのプロトコル階層においてレイヤ3の下に順番に配置される。レイヤ2はデータ・リンク層であり、L2と示され、中間層である。L2は、様々なデータ送信構造を含み、データ送信に対して制御を行い、高信頼な専用データ・リンクが移動局と基地局の間に確立されることを保証する。レイヤ1は物理層であり、L1と示され、ビット・ストリームの送信に必要な無線リンクを提供する最下層である。L1、L2、およびL3は無線端末内の独立な3GPPプロトコル層に属する。
【0033】
ステップ102で、無線端末のPAが動作状態にあると確認した後、本方法は、当該無線端末のベースバンド・チップのレイヤ1により、無線端末のPAが動作状態にあると確認することに成功した旨のメッセージをレイヤ3に通知するステップを含んでもよい。
【0034】
無線端末のベースバンド・チップのレイヤ1により、当該無線端末のPAが動作状態にあると確認することに成功した旨のメッセージをレイヤ3に通知するステップが、無線端末のベースバンド・チップのレイヤ1により、PAが動作状態にあることに第1のフラグ・ビットの状態が対応すると確認して、レイヤ3が決定された第1のフラグ・ビットを読むようにするステップであって、当該第1のフラグ・ビットは当該無線端末のPAが動作状態にあるかどうかを示すのに使用されるステップを含んでもよい。当該第1のフラグ・ビットが、識別子(例えば、設定された後に1の値を有してPAが動作状態にあることを示し、設定されていないときは0の値を有してPAがターンオンされていないことを正しく示す、1ビットのブール変数)であってもよく、これをF1で示してもよい。当該第1のフラグ・ビットに対しては、ステップ209における第1のフラグ・ビットの説明を参照することができる。
【0035】
ステップ106では、送信データの送信を完了した後、本方法はさらに、無線端末のベースバンド・チップのレイヤ1により、送信データの送信が完了したことを示すメッセージをレイヤ3に通知するステップを含んでもよい。レイヤ3は、送信データの送信が完了したことを示すメッセージに従って、PAをターンオフするように制御してもよい。
【0036】
無線端末のベースバンド・チップのレイヤ1により、送信データの送信が完了したことを示すメッセージをレイヤ3に通知するステップは、無線端末のベースバンド・チップのレイヤ1により、第2のフラグ・ビットの状態が送信データの送信が完了したことに対応すると確認して、レイヤ3が決定された第2のフラグ・ビットを読むようにするステップであって、当該第2のフラグ・ビットは送信データの送信が完了したかどうかを示すために使用されるステップを含んでもよい。当該第2のフラグ・ビットは、識別子(例えば、設定された後に1の値を有して送信データの送信が完了したことを示し、設定されていないときは0の値を有して送信データが送信されていないことを正しく示す、1ビットのブール変数)であってもよく、これをF2で示してもよい。第2のフラグ・ビットF2に対しては、特に、第2の実施形態のステップ215における第2のフラグ・ビットの説明を参照することができ、ここでは詳細は繰り返さない。
【0037】
レイヤ3により決定された第1のフラグ・ビットを読み出すステップは、レイヤ3により、所定の期間ごとに、決定された第1のフラグ・ビットを読み出すステップを含んでもよい。
【0038】
レイヤ3により、決定された第2のフラグ・ビットを読み出すステップは、レイヤ3により、決定された第2のフラグ・ビットを所定の期間ごとに読み出すステップを含んでもよい。当該所定の期間は10ミリ秒であってもよい。
【0039】
ステップ
102と106において、無線端末のPAが非動作状態にあることを確認するステップは、当該無線端末のベースバンド・チップにより、シリアル周辺インタフェース(Serial Peripheral Interface、SPI)バスを介して第1のコマンドをPAのSPIに送信するステップであって、当該第1のコマンドはPAがスリープ状態にあるように制御するステップを含んでもよい。PAがスリープ状態にあるときは、PAはそれが動作状態にあるときと比べて殆ど電力を消費せず、PAが動作状態にあるときと比べて大量の電気エネルギが節約される。
【0040】
ステップ
102と106において、無線端末のPAが非動作状態にあることを確認するステップが、無線端末のベースバンド・チップにより、デジタル無線周波数(Digital Radio Frequency、digRF)バスを介してPAのdigRFインタフェースに第2のコマンドを送信するステップであって、当該第2のコマンドはPAをスリープ状態にあるように制御するステップを含んでもよい。
【0041】
ステップ
102と106において、無線端末のPAが非動作状態にあることを確認するステップが、無線端末のベースバンド・チップにより、第3のコマンドをPAの有効インタフェースENに送信するステップであって、当該第3のコマンドはPAをスリープ状態にあるように制御するステップを含んでもよい。
【0042】
ステップ103と106において、無線端末のPAが非動作状態にあることを確認するステップが、無線端末の電力供給器により、PAへの電力供給を停止して、PAの電力をオフにするステップを含んでもよい。具体的には、直流直流(DC/DC)変換器を電力供給器とPAの間に直列に接続してもよく、当該DC/DC変換器は、電力供給器が電力をPAに供給するかどうかを制御するために、ベースバンド・チップにより制御される。電力供給器がPAに電力を供給しないときは、PAの電力はオフになる。ベースバンド・チップによるDC/DC変換器の制御は先行技術に属すので、ここでは繰り返さない。
【0043】
ステップ105では、送信データの送信が完了したかどうかを検出するステップが、無線端末が送信データを有することが検出された瞬間から20ミリ秒が経過したかどうかを検出するステップを含む。送信データが送信されていることは、無線端末が送信データを有することが検出された瞬間から20ミリ秒が経過したことを含む。
【0044】
本発明の第2の実施形態では、
図2の詳細な流れ図に示すように、データ送信方法を提供し、以下のステップを含む。
【0045】
ステップ201では、無線端末がRRC(radio resource control、無線リソース制御)―DCH状態に入る。即ち、DCH接続が無線端末とネットワーク側の間で接続される。
【0046】
ステップ202では、無線端末のベースバンド・チップのレイヤ3で制御面のアップリンク信号送信データを検出する。
【0047】
ステップ203では、無線端末のベースバンド・チップのレイヤ3でユーザ面のアップリンク・ユーザ・データを検出する。
【0048】
ステップ202と203の実行シーケンスは厳密には限定されず、ステップ202を最初に実行するか、または、ステップ203を最初に実行し、またはステップ202と203を同時に実行してもよい。ステップ202および203での検出方法に関して、3つの検出方法のうち1つを使用することによって無線端末が無線ネットワーク側への送信データを有するかどうかを検出するステップを実施できる本発明の第1の実施形態を参照できるので、ここでは詳細は繰り返さない。
【0049】
ステップ204では、ステップ202の信号検出とステップ203のユーザ・データ検出の後に、無線端末は一定期間待機し、上述のステップ202および203で取得した信号送信データおよび/またはユーザ・データをソートする。当該待機時間は5ms(ミリ秒)であることが好ましい。
【0050】
ステップ205では、無線端末のL3は、L3がアップリンク送信データを有するかどうかを検出する。当該アップリンク・データは、ステップ202および203で取得した信号送信データおよび/またはユーザ・データを含んでもよい。検出の結果、アップリンク・データが存在しないときには、無線端末はステップ204に戻って待機し続ける。検出の結果、アップリンク・データが存在する場合には、ステップ206に進む。
【0051】
ステップ206では、無線端末のL3がアップリンク・データを検出すると、アップリンク・データを無線端末の第2の記憶部にバッファする。第2の記憶部をベースバンド・チップのL3に配置することが好ましい。勿論、L3乃至L1の任意のレイヤでのデータ・アクセスが都合良い限り、記憶部を無線端末のL2またはL1に配置してもよい。場合によっては、第2の記憶部を無線端末内に配置して、ベースバンド・チップに接続してもよい。第2の記憶部の容量は、アップリンク・データの一部をバッファできる限り、任意のサイズであってもよく、例えば、第2の記憶部の容量を1KB(Byte、バイト)と設定してもよい。アップリンク・データを格納するとき、第1のアドレスと当該アップリンク・データのバッファ領域の長さを第2の記憶部に記録してもよい。異なる無線端末が異なる処理能力を有するので、アップリンク・データをその生成時にリアルタイムに無線ネットワーク側に送信してもよい。したがって、第2の記憶部の設定は任意である。当該ステップもまた任意である。
【0052】
ステップ207では、L3のアップリンク・データの一部または全部を第2の記憶部に格納した後、L3は、無線ネットワーク側に送信する必要があるアップリンク・データをL3が有することをL1にアクティブに通知してもよい。無線ネットワーク側に送信する必要があるアップリンク・データをL3が有することをL1がアクティブに知った後、ベースバンド・チップがPAをターンオンしたと確認することも可能である。
【0053】
無線ネットワーク側に送信する必要があるアップリンク・データをL3が有することをL1が学習することは、第2の記憶部を所定の期間ごとにチェックし、データが第2の記憶部に存在する場合には、データが送信すべきアップリンク・データであるというものであってもよい。
【0054】
ステップ208では、L1は所定の期間だけ待機し、PAのターンオンが完了したと確認する。従来の無線周波数のPAを確実に5ms(ミリ秒)以内にターンオンすることができ、したがって、5msの遅延を有するタイマを設定し、タイミングが終了したとき、PAのターンオンが完了したと判定する。
【0055】
ステップ209では、L1はPAのターンオンが完了したかどうかを判定する。PAのターンオンが完了したかどうかを、PAの入出力ポート(I/Oポート)を検出することにより判定してもよい。例えば、PAのI/Oポートが高レベルにあるとき、対応するPAのターンオンが完了し、PAのI/Oポートが低レベルにあるとき、対応するPAのターンオンが完了していないと事前に設定してもよい。PAのI/Oポートが低レベルにあるとき、対応するPAのターンオンが完了し、PAのI/Oポートが高レベルにあるとき、対応するPAのターンオンが完了していないと事前に設定してもよい。高レベルが1.5Vより高いロジック電圧を指し、低レベルが0.3Vより低いロジック電圧を指してもよい。判定結果を、識別子(例えば、設定された後に1の値を有し、設定されていないときは0の値を有する1ビットのブール変数)を設定することにより無線端末(例えば、無線端末の記憶部、具体的には第1の記憶部または第2の記憶部)において具体化し、このことを第1のフラグ・ビットF1で示し、識別子F1をL3、L2、およびL1の任意のレイヤでアクセスしてもよい。F1を設定することにより、L3からL1に送信されたデータ・ストリームが、PAが準備できていないときに後続のフローを誤って実施することを回避でき、それにより本実施形態における方法の実行の正確性が保証される。本実施形態では、F1が設定されているときL1に位置するPAが動作状態にあることを示し、F1が設定されていないときL1に位置するPAのターンオンに成功しなかったことを示すものであってもよい。具体的には、F1にL1乃至L3の任意のレイヤによってアクセスしてもよい。L1がPAのターンオンを完了した後、L1はF1を設定する。L1の設定の後、L3は読出しを実施して、PAのターンオンが完了したことを知り、それによりアップリンク・データ送信を実施する。決定された第1のフラグ・ビットをL3により読み出すことは、決定された第1のフラグ・ビットを所定の期間ごとにL3により読み出すことを含む。当該所定の期間が10ミリ秒であってもよい。勿論、無線端末が強力なリアルタイム処理能力を有するときには、送信データがあると確認されたときにPAをリアルタイムにターンオンしてもよいので、このステップは必要ではない。PAのターンオンが完了した場合には、ステップ210に進む。PAのターンオンが完了しなかった場合には、ステップ208に戻って待機し続ける。
【0056】
ステップ210では、PAのターンオンが完了した後、L3はアップロードすべきデータを第2の記憶部から取り出して、それを送信用に準備する。ステップ206で説明したように、データをL3からL1にリアルタイムの送信のために配布できるので、第2の記憶部の設定は任意であり、このステップで第2の記憶部からデータを取り出すことは任意である。
【0057】
ステップ211では、アップロードすべきデータを取り出した後、L3は当該データをパッケージのめにL2に送信する。即ち、L2は当該アップロードすべきデータを無線チャネルで送信するのに適したフォーマットにパッケージして、無線ネットワーク側に送信する。
【0058】
ステップ212では、L2がアップロードすべきデータをL1に送信した後、L1は当該アップロードすべきデータを無線ネットワーク側に送信する。
ステップ213では、無線端末が、L1がアップロードすべきデータを送信するのを待機する。
【0059】
ステップ214では、L1は、全てのアップロードすべきデータの送信が完了したかどうかを判定する。送信が完了していない場合には、ステップ213に戻ってデータ送信の完了を待機する。送信が完了した場合には、ステップ215に進む。全てのアップロードすべきデータの送信が完了したかどうかを判定するステップは、無線端末が送信データを有することを検出した瞬間から20ミリ秒が経過したかどうかを検出するステップを含んでもよい。送信データの送信の完了には、無線端末が送信データを有することが検出された瞬間から20ミリ秒が経過したことが含まれる。20ミリ秒の時間は、遅延判定により得られる。1つの無線フレームの長さは10ミリ秒であるので、2倍の冗長性、即ち、20ミリ秒を、無線端末が送信データを有することをベースバンド・チップが検出した瞬間から無線フレームの送信が完了した瞬間までに設定してもよく、1つの無線フレームの送信が20ミリ秒の後に完了することが考えられている。
【0060】
ステップ215では、L1での送信が完了した後に、データの送信が完了したことをL3に知らせる。この通知を、特に、識別子(例えば、設定された後に1の値を有し、設定されていないときは0の値を有する1ビットのブール変数)を設定することにより無線端末(例えば、無線端末の記憶部、具体的には第1の記憶部または第2の記憶部)において具体化し、このことを第2のフラグ・ビットF2で示し、識別子F2をL3、L2、およびL1の任意のレイヤでアクセスしてもよい。本実施形態では、F2の設定が、F2が設定されているときはL1により送信データの送信が完了したことを示し、F2が設定されていないときは送信データがL1により送信されていないことを示すものであってもよい。具体的には、F2にL1乃至L3の任意のレイヤによってアクセスしてもよい。L1がPAのターンオフを完了した後、L1がF2を設定する。L3は、L1の設定の後に読出しを実施し、アップリンク・データの送信が完了したことを知る。ベースバンド・チップのL3がアップリンク・データの送信の完了を知ったとき、PAをターンオフするように制御する。
【0061】
本発明の当該実施形態における方法は、第1の実施形態の方法に基づいており、本発明の当該実施形態は、待機時間の設定方法を使用してデータ送信の完了とPAの完全なターンオンを保証する。データ送信が完了した後または無線ネットワーク側への送信データが存在しないときにPAがターンオフされるので、無線端末のアップリンク電力消費を減らすことができ、無線端末が無線ネットワーク側と対話する必要がないときに無線端末のエネルギ節約が実現される。
【0062】
本発明の当該実施形態に従う方法を使用することにより電力消費を削減する具体的な効果は、以下の具体的な例により導入される。
図3に示すように、ユーザが無線ネットワークを介して無線端末でウェブ・ページを開く例ととると、
図3のリンク状態から、(
図3の第1の行にある第1のドット・マトリクスのグリッドで示すように)無線端末のプロトコル・スタックが無線ネットワーク側の基地局とDCHリンクを確立するための要求信号を送信できることが(
図3の第1の行で示すように)分かる。データ要件から、(
図3の第2の行にあるスラッシュのグリッドにより示すように)ユーザ・データが最初に無線ネットワークに送信され、測定レポート(
図3の第2の行のドット・マトリクスのグリッドで示すように、ある種の信号送信データ)が所定の期間ごとに無線ネットワークに送信され、ユーザが送信データを長期間(この時間はネットワーク側で決定され、一般に10〜60s(Second、秒)である)有しないことが分かった後、無線ネットワークは(
図3の第1の行にある第2のドット・マトリクスのグリッドで示すように)リンクをアクティブに切断することが分かる。先行技術の元のソリューションから、DCHリンクの確立から当該リンクの切断までの手続き全体において、PAが常にON状態にある、即ち、PAはユーザ・データも信号送信データも存在しないON状態を保ち、本発明の当該実施形態のデータ送信方法を使用した後、電力増幅器が実際のデータ送信要件に従ってターンオンされ、アップリンク・データの送信が完了した後すぐにPAがターンオフされ、それにより無意味な電力消費が回避されることが分かる。
図3の第2の行にあるデータ要件では、ユーザ・データおよび信号送信データが第4の行にあるPAのOFF状態に対応した後、PAのターンオフとターンオンには依然として幾分かの遅延が必要であり、当該遅延は、PAの完全なターンオフとターンオンを保証するための安全な遅延である。無線周波数PAが5ms(ミリ秒)以内に確実にターンオンされるように設定できることが好ましい。具体的には、5msの遅延を有するタイマを設定してもよく、タイマが終了したとき、PAのターンオンまたはターンオフが完了したと判定される。
【0063】
本発明の第3の実施形態ではさらに無線端末を提供し、
図4に示すように、当該無線端末は以下の要素を含む。
【0064】
ベースバンド・チップが信号送信データまたはユーザ・データを含む送信データを有するかどうかを検出し、検出の結果、当該ベースバンド・チップが送信データを有さない場合には、当該PAが非動作状態にあると確認する第1のメッセージをPAに送信し、検出の結果、ベースバンド・チップが送信データを有する場合には、当該PAが動作状態にあると確認する第2のメッセージをPAに送信するように構成されたベースバンド・チップ401。
【0065】
当該ベースバンド・チップが送信した当該第1のメッセージを受信し、当該PAが非動作状態にあることを当該第1のメッセージに従って確認するか、または、当該ベースバンド・チップが送信した当該第2のメッセージを受信し、当該PAが動作状態にあることを当該第2のメッセージに従って確認するように構成されたPA402。
【0066】
本実施形態の無線端末では、送信データが存在するかどうかに従って、PAのターンオンまたはターンオフを制御してもよい。PAは、データが送信されているときだけターンオンされるので、無線端末のアップリンク電力消費を削減することができ、無線端末が無線ネットワーク側と対話する必要がないときに無線端末のエネルギ節約を実現することができる。
【0067】
本実施形態の無線端末はさらに、ベースバンド・チップから送信データを受信し、当該送信データを変調し、当該変調の後に第1のデータをPAに送信するように構成された送受信器405を備えてもよい。
【0068】
PA402はさらに、変調の後に第1のデータを増幅するように構成される。
【0069】
本実施形態の無線端末はさらに、
PAが増幅した第2のデータを無線ネットワーク側に送信するように構成されたアンテナ403と、
当該送信データの送信が完了したかどうかを検出し、送信データの送信が完了した場合には、PAが非動作状態にあると確認する第1のメッセージをPAに送信するようにさらに構成されたベースバンド・チップ401と、
を備えてもよい。
【0070】
本実施形態の無線端末はさらに送信データを生成し、当該送信データをベースバンド・チップに送信するように構成されたアプリケーション・プロセッサAP406を備えてもよい。
【0071】
本実施形態のベースバンド・チップは、送信データをAPから受信して、当該送信データ内の少なくとも1つの無線フレームを第1の記憶部404に格納し、第1の記憶部が当該送信データを有さない場合には、当該検出に対応する結果は、ベースバンド・チップが送信データを有さないことであり、第1の記憶部が当該送信データ内に当該少なくとも1つの無線フレームを有する場合には、当該検出に対応する結果は、ベースバンド・チップが送信データを有することである。本実施形態の無線端末はさらに、ベースバンド・チップに接続され、送信データ内の少なくとも1つの無線フレームを格納するように構成された第1の記憶部404を備えてもよい。
【0072】
さらに、無線端末は、(
図4に示すように)ベースバンド・チップ401に接続されまたは当該ベースバンド・チップ内に配置され(図示せず)、データを格納するように構成された第2の記憶部407を備えてもよい。第2の記憶部の具体的な利用については、第1の実施形態における第2の記憶部の説明を参照することができる。
【0073】
第1の記憶部が少なくとも1つの無線フレームを有するとき、ベースバンド・チップ401は第1の記憶部内の少なくとも1つの無線フレームの一部または全部を第2の記憶部に格納し、第2の記憶部がデータを有さない場合には、当該検出に対応する結果は、当該ベースバンド・チップが送信データを有さないということであり、第2の記憶部がデータを有する場合には、当該検出に対応する結果は、ベースバンド・チップが送信データを有するということであり、当該データは少なくとも1つの無線フレームの一部または全部である。
【0074】
ベースバンド・チップ401はさらに送信データを第2の記憶部407に格納し、当該送信データを第2の記憶部407から読み出すように構成される。
【0075】
ベースバンド・チップ401は特に、所定の期間ごとに第2の記憶部407から送信データを読み出すように構成される。当該所定の期間は10ミリ秒であることが好ましい。
【0076】
無線端末が送信データを有するかどうかをベースバンド・チップ401により検出することは、具体的には、当該ベースバンド・チップのコーダが送信データを有するかどうかを検出することであってもよく、当該送信データはAPによりベースバンド・チップに送信される。
【0077】
ベースバンド・チップにより、PAが非動作状態にあると確認する第1のメッセージをPAに送信することは、具体的には、ベースバンド・チップがシリアル周辺インタフェースSPIバスを介して第1のコマンドをPAのSPIに送信し、第1のコマンドがPAをスリープ状態にあるように制御することであってもよい。
【0078】
ベースバンド・チップにより、PAが非動作状態にあると確認する第1のメッセージをPAに送信することは、具体的には、ベースバンド・チップがデジタル無線周波数digRFバスを介して第2のコマンドをPAのdigRFインタフェースに送信し、第2のコマンドがPAをスリープ状態にあるように制御することであってもよい。
【0079】
ベースバンド・チップにより、PAが非動作状態にあると確認する第1のメッセージをPAに送信することは、具体的には、ベースバンド・チップが第3のコマンドをPAの有効インタフェースENに送信し、第3のコマンドがPAをスリープ状態にあるように制御することであってもよい。
【0080】
ベースバンド・チップにより、PAが非動作状態にあると確認する第1のメッセージをPAに送信することは、具体的には、ベースバンド・チップが、PAへの電力供給を停止して、PAの電力をオフするように電力供給器に指示することであってもよい。
【0081】
本発明の上述の実施形態の無線端末に関して、第1の記憶部が少なくとも1つの無線フレームを格納すると判定されたとき、PAがターンオンされ、送信データの送信が完了するまでPAはターンオフされ、ベースバンド・チップで送信される送信データが第2の記憶部にバッファされ、それにより、アップリンク・データ送信の完了が保証され、アップリンク送信の効率が保証される。
【0082】
本発明の第4の実施形態ではさらにデータ送信装置を提供し、
図5に示すように、当該データ送信装置は、
信号送信データまたはユーザ・データを含む、無線ネットワーク側への送信データを無線端末が有するかどうかを検出するように構成された第1のユニット501と、
当該無線端末が当該無線ネットワーク側への送信データを有するかどうかを検出するステップの結果、当該無線端末が送信データを有さない場合には、当該無線端末の電力増幅器PAが非動作状態にあると確認するように構成された第2のユニット502と、
当該無線端末が当該無線ネットワーク側への送信データを有するかどうかを検出するステップの結果、無線端末が送信データを有する場合には、当該無線端末のPAが動作状態にあると確認して、PAが送信データを増幅し増幅された送信データを無線ネットワーク側に送信するように構成された第3のユニット503と、
を備える。
【0083】
本実施形態のデータ送信装置はさらに、
送信データの送信が完了したかどうかを検出するように構成された第4のユニット504と、
送信データの送信が完了したとき、当該無線端末のPAが非動作状態にあると確認する第5のユニット505と、
を備えてもよい。
【0084】
第1のユニットを、特に送信データが無線端末のベースバンド・チップのレイヤ3に存在するかどうかを検出するように構成してもよい。
【0085】
さらに、第1のユニットを、特に送信データがレイヤ3のパケット・データ収束プロトコルDPCPサブレイヤに存在するかどうかを検出するように構成してもよい。
【0086】
あるいは、第1のユニットを特に送信データが無線端末のベースバンド・チップのレイヤ1に存在するかどうかを検出するように構成してもよい。
【0087】
さらに、第1のユニットを特に送信データがベースバンド・チップのコーダに存在するかどうかを検出するように構成してもよい。
【0088】
あるいは、第1のユニットを特に、無線端末内に配置され無線端末のベースバンド・チップに接続された第1の記憶部に少なくとも1つの無線フレームが存在するかどうかを検出するように構成してもよい。この場合、少なくとも1つの無線フレームが存在する場合には、無線端末は送信データを有し、無線フレームが存在しない場合には、無線端末は送信データを有さない。当該少なくとも1つの無線フレームは、ベースバンド・チップにより無線端末のアプリケーション・プロセッサAPから受信され、次いで第1の記憶部に格納される。
【0089】
第1のユニットは特に、無線端末内に配置され無線端末のベースバンド・チップに接続されるかまたはベースバンド・チップ内に配置される第2の記憶部にデータが存在するかどうかを検出するように構成される。この場合、データが存在する場合には、無線端末は送信データを有し、データが存在しない場合には、無線端末は送信データを有さない。当該データは、少なくとも1つの無線フレームの一部または全部である。
【0090】
第3のユニットはさらに、無線端末のPAが動作状態にあるとの確認に成功した旨のメッセージをレイヤ3に通知するように構成された第7のユニット507を備えてもよい。
【0091】
第7のユニットは、PAが動作状態にあることに第1のフラグ・ビットの状態が対応すると判定するように構成され、その結果、レイヤ3は決定された第1のフラグ・ビットを読み出し、第1のフラグ・ビットは無線端末のPAが動作状態にあるかどうかを示すのに使用される。
【0092】
第5のユニットを特に、送信データの送信が完了したことを示すメッセージをレイヤ3に通知して、無線端末のPAが非動作状態にあるとレイヤ3が確認するように構成してもよい。
【0093】
第5のユニットを特に、第2のフラグ・ビットの状態が送信データの送信が完了したことに対応すると判定して、レイヤ3が決定された第2のフラグ・ビットを読み出し、送信データの送信が完了したかどうかを示すために第2のフラグ・ビットが使用されるように構成してもよい。
【0094】
第2のユニットと第および第5のユニットを夫々、シリアル周辺インタフェースSPIバスを介してPAのSPIに第1のコマンドを送信するように構成してもよい。当該第1のコマンドはPAをスリープ状態にあるように制御する。
【0095】
あるいは、第2のユニットおよび第5のユニットを夫々、デジタル無線周波数digRFバスを介してPAのdigRFインタフェースに第2のコマンドを送信するように構成してもよい。当該第2のコマンドはPAをスリープ状態にあるように制御する。
【0096】
あるいは、第2のユニットおよび第5のユニットを夫々、PAの有効エンドENに第3のコマンドを送信するように構成してもよい。当該第3のコマンドはPAをスリープ状態にあるように制御する。
【0097】
あるいは、第2のユニットおよび第5のユニットを夫々、PAへの電源供給を停止して、PAの電源がオフになるように構成してもよい。
【0098】
第4のユニットを、特に、無線端末が送信データを有すると判定された時点から20ミリ秒が経過したかどうかを検出するように構成してもよい。無線端末が送信データを有すると検出された時点から20ミリ秒が経過した場合には、送信データの送信は完了している。
【0099】
本発明の当該実施形態で提供するデータ送信装置に関して、第1の記憶部が少なくとも1つの無線フレームを格納すると判定されたとき、PAはターンオンされ、送信データの送信が完了するまでPAがターンオフされ、ベースバンド・チップで送信される送信データは第2の記憶部にバッファされ、それにより、アップリンク・データ送信の完了とアップリンク送信の効率が保証される。
【0100】
本発明の第5の実施形態ではさらにデータ送信システムを提供し、
図6に示すように、
当該データ送信システムは、上述の実施形態で説明したように無線端末602および無線ネットワーク側機器601を備える。無線端末602は無線ネットワーク側機器601と通信接続する。無線ネットワーク側機器601は特に、無線ネットワーク側に配置された基地局機器であってもよい。したがって、無線端末の具体的な実装に関しては、第3の実施形態における無線端末の実装を参照できるので、その詳細はここでは繰り返さない。
【0101】
本発明の第6の実施形態ではさらにデータ送信システムを提供し、
図7に示すように、
当該データ送信システムは上述の実施形態で説明したようにデータ送信装置702および無線ネットワーク側機器701を備える。データ送信装置702は無線ネットワーク側機器701と通信接続する。無線ネットワーク側機器701は特に、無線ネットワーク側に配置された基地局機器であってもよい。したがって、データ送信装置の具体的な実装に関しては、第4の実施形態における無線端末の実装を参照できるので、その詳細はここでは繰り返さない。
【0102】
本発明の第7の実施形態ではさらにデータ送信方法を提供する。本実施形態と上述の本発明の第1の実施形態との差異は、ステップ101が、無線ネットワーク側との接続を確立する前に、無線端末が無線ネットワーク側への送信データを有するかどうかを検出し、当該送信データが、無線端末と無線ネットワーク側の間の接続を確立するための信号送信データを含むということである。
【0103】
具体的には、無線端末と無線ネットワーク側の間の接続を確立するための信号送信データが、無線端末によって無線ネットワーク側に送信される、専用チャネルDCHリンク接続を確立するための要求データであってもよい。当該要求データは、ランダム・アクセス・チャネルRACHを介して無線ネットワーク側に送信される。
【0104】
明らかに、第7の実施形態のデータ送信方法には、第2の実施形態と比較すると、実施形態2で示したように、無線端末がRRC−DCHに入った後に無線端末ネットワーク側への送信データを送信するのではなく、無線ネットワーク側との接続が確立される前に当該データが送信されるという相違点がある。
【0105】
本発明の当該実施形態におけるデータ送信方法は、無線ネットワーク側との接続を確立する前に、無線ネットワーク側への送信データ、即ち、専用チャネルDCHリンク接続を確立するための要求データがあるかどうかに着目する。当該要求データは、
図3の第1の行にあるリンク確立要求に対応するものである。上述のリンク確立要求が存在する場合には、無線端末のベースバンド・チップはPAをターンオンするように制御し、リンク確立要求の送信が完了した後に、ベースバンド・チップはPAをターンオフするように制御する。その結果、PAと無線端末の電力消費が効果的に削減される。
【0106】
本発明の第8の実施形態ではさらに無線端末を提供する。本発明の第3の実施形態と比べると、その差異は、ベースバンド・チップ401が、無線ネットワーク側との接続が確立される前に、当該無線端末と当該無線ネットワーク側の間の接続を確立するための信号送信データを含む無線ネットワーク側への送信データをベースバンド・チップが有するかどうかを検出し、検出の結果、当該ベースバンド・チップが送信データを有さない場合には、PAが非動作状態にあると確認する第1のメッセージをPAに送信し、検出の結果、ベースバンド・チップが送信データを有する場合には、PAが動作状態にあると確認する第2のメッセージをPAに送信するように構成される点にある。
【0107】
具体的には、無線端末と無線ネットワーク側の間の接続を確立するための信号送信データが、専用チャネルDCHリンク接続を確立するための、無線端末によって無線ネットワーク側に送信される要求データであってもよい。当該要求データは、ランダム・アクセス・チャネルRACHを介して無線ネットワーク側に送信される。
【0108】
本発明の当該実施形態における無線端末は、無線端末と無線ネットワーク側の間の接続が確立される前に、無線ネットワーク側への送信データ、即ち、専用チャネルDCHリンク接続を確立するための要求データが存在するかどうかに着目する。当該要求データは、
図3の第1の行にあるリンク確立要求に対応する。上述のリンク確立要求が存在する場合には、無線端末のベースバンド・チップはPAをターンオンするように制御し、リンク確立要求の送信が完了した後に、ベースバンド・チップはPAをターンオフするように制御する。その結果、PAと無線端末の電力消費が効果的に削減される。
【0109】
本発明の第9の実施形態ではデータ送信装置を提供する。本発明の第4の実施形態と比べると、その差異は、第1のユニットが、無線ネットワーク側との接続が確立される前に、無線端末と無線ネットワーク側の間の接続を確立するための信号送信データを含む、当該無線ネットワーク側への送信データを無線端末が有するかどうかを検出するように構成される点にある。
【0110】
具体的には、無線端末と無線ネットワーク側の間の接続を確立するための信号送信データが、専用チャネルDCHリンク接続を確立するための、無線端末によって無線ネットワーク側に送信される要求データであってもよい。当該要求データは、ランダム・アクセス・チャネルRACHを介して無線ネットワーク側に送信される。
【0111】
本発明の当該実施形態におけるデータ送信装置は、無線端末と無線ネットワーク側の間の接続が確立される前に、無線ネットワーク側への送信データ、即ち、専用チャネルDCHリンク接続を確立するための要求データが存在するかどうかに着目する。当該要求データは、
図3の第1の行にあるリンク確立要求に対応する。上述のリンク確立要求が存在する場合には、無線端末のベースバンド・チップはPAをターンオンするように制御し、リンク確立要求の送信が完了した後に、ベースバンド・チップはPAをターンオフするように制御する。その結果、PAと無線端末の電力消費が効果的に削減される。
【0112】
本発明の第10の実施形態ではさらにデータ送信システムを提供し、
当該データ送信システムは無線端末と無線ネットワーク側機器を備える。当該無線端末は無線ネットワーク側機器と通信接続する。当該無線ネットワーク側機器は特に、無線ネットワーク側に配置された基地局機器であってもよい。したがって、無線端末の具体的な実装に関しては、第8の実施形態における無線端末の実装を参照できるので、その詳細はここでは繰り返さない。
【0113】
本発明の第11の実施形態ではさらにデータ送信システムを提供し、
当該データ送信システムはデータ送信装置と無線ネットワーク側機器を備える。当該データ送信装置は無線ネットワーク側機器と通信接続する。当該無線ネットワーク側機器は特に、無線ネットワーク側に配置された基地局機器であってもよい。したがって、データ送信装置の具体的な実装に関しては、第9の実施形態におけるデータ送信装置の実装を参照できるので、その詳細はここでは繰り返さない。
【0114】
本発明の第12の実施形態ではさらにデータ送信方法を提供する。本実施形態と上述の本発明の第1の実施形態との差異は、ステップ101が、無線端末と無線ネットワーク側の間の接続を確立した後に、無線端末が無線ネットワーク側への送信データを有するかどうかを検出し、当該送信データが、信号送信データまたはユーザ・データを含むということである。
【0115】
具体的には、無線端末と無線ネットワーク側の間の接続は専用チャネルDCHリンク接続である。当該送信データ内の当該信号送信データは、専用制御チャネルDCCHを介して当該無線ネットワーク側に送信され、当該送信データ内の当該ユーザ・データは、専用トラフィック・チャネルDTCHを介して当該無線ネットワーク側に送信される。
【0116】
明らかに、第7の実施形態のデータ送信方法と第2の実施形態のデータ送信方法において、当該無線ネットワーク側への送信データは、無線ネットワーク側との接続が確立された後、即ち、無線端末がRRC−DCH状態に入った後に送信される。
【0117】
本発明の当該実施形態におけるデータ送信方法は、無線ネットワーク側との接続を確立した後に、無線ネットワーク側への送信データが存在するかどうかに着目する。当該データは、
図3の第2の行にあるドット・マトリクスのグリッドの信号送信データに対応する、専用制御チャネルDCCHを介して無線ネットワーク側に送信すべき信号送信データと、
図3の第2の行にあるスラッシュのグリッドのユーザ・データに対応する、専用トラフィック・チャネルDTCHを介して無線ネットワーク側に送信されるユーザ・データとを含む。上述の信号送信データおよび/またはユーザ・データが存在する場合には、無線端末のベースバンド・チップはPAをターンオンするように制御し、リンク確立要求の送信が完了した後、ベースバンド・チップはPAをターンオフするように制御する。その結果、PAと無線端末の電力消費が効果的に削減される。
【0118】
本発明の第13の実施形態ではさらに無線端末を提供する。本発明の第3の実施形態と比べると、その差異は、ベースバンド・チップ401が、無線端末と無線ネットワーク側との接続が確立された後に、信号送信データまたはユーザ・データを含む送信データをベースバンド・チップが有するかどうかを検出し、検出の結果、当該ベースバンド・チップが送信データを有さない場合には、PAが非動作状態にあると確認する第1のメッセージをPAに送信し、検出の結果、ベースバンド・チップが送信データを有する場合には、PAが動作状態にあると確認する第2のメッセージをPAに送信するように構成される点にある。
【0119】
具体的には、無線端末と無線ネットワーク側の間の接続は専用チャネルDCHリンク接続である。当該送信データ内の信号送信データは、専用制御チャネルDCCHを介して当該無線ネットワーク側に送信され、当該送信データ内のユーザ・データは、専用トラフィック・チャネルDTCHを介して当該無線ネットワーク側に送信される。
【0120】
本発明の当該実施形態における無線端末は、無線ネットワーク側との接続を確立した後に、無線ネットワーク側への送信データが存在するかどうかに着目する。当該データは、
図3の第2の行にあるドット・マトリクスのグリッドの信号送信データに対応する、専用制御チャネルDCCHを介して無線ネットワーク側に送信すべき信号送信データと、
図3の第2の行にあるスラッシュのグリッドのユーザ・データに対応する、専用トラフィック・チャネルDTCHを介して無線ネットワーク側に送信されるユーザ・データとを含む。上述の信号送信データおよび/またはユーザ・データが存在する場合には、無線端末のベースバンド・チップはPAをターンオンするように制御し、リンク確立要求の送信が完了した後、ベースバンド・チップはPAをターンオフするように制御する。その結果、PAと無線端末の電力消費が効果的に削減される。
【0121】
本発明の第14の実施形態ではさらにデータ送信装置を提供する。本発明の第4の実施形態と比べると、その差異は、第1のユニットが、無線端末と無線ネットワーク側の間の接続が確立された後に、信号送信データまたはユーザ・データを含む、無線ネットワーク側への送信データを無線端末が有するかどうかを検出するように構成される点にある。
【0122】
具体的には、無線端末と無線ネットワーク側の間の接続は専用チャネルDCHリンク接続である。当該送信データ内の信号送信データは、専用制御チャネルDCCHを介して当該無線ネットワーク側に送信され、当該送信データ内のユーザ・データは、専用トラフィック・チャネルDTCHを介して当該無線ネットワーク側に送信される。
【0123】
本発明の当該実施形態におけるデータ送信装置は、無線ネットワーク側との接続を確立した後に、無線ネットワーク側への送信データが存在するかどうかに着目する。当該データは、
図3の第2の行にあるドット・マトリクスのグリッドの信号送信データに対応する、専用制御チャネルDCCHを介して無線ネットワーク側に送信すべき信号送信データと、
図3の第2の行にあるスラッシュのグリッドのユーザ・データに対応する、専用トラフィック・チャネルDTCHを介して無線ネットワーク側に送信されるユーザ・データとを含む。上述の信号送信データおよび/またはユーザ・データが存在する場合には、無線端末のベースバンド・チップはPAをターンオンするように制御し、リンク確立要求の送信が完了した後、ベースバンド・チップはPAをターンオフするように制御する。その結果、PAと無線端末の電力消費が効果的に削減される。
【0124】
本発明の第15の実施形態ではさらにデータ送信システムを提供し、
当該データ送信システムは無線端末と無線ネットワーク側機器を備える。当該無線端末は無線ネットワーク側機器と通信接続する。当該無線ネットワーク側機器は特に、無線ネットワーク側に配置された基地局機器であってもよい。したがって、無線端末の具体的な実装に関しては、第13の実施形態における無線端末の実装を参照できるので、その詳細はここでは繰り返さない。
【0125】
本発明の第16の実施形態ではさらにデータ送信システムを提供し、
当該データ送信システムはデータ送信装置と無線ネットワーク側機器を備える。当該データ送信装置は無線ネットワーク側機器と通信接続する。当該無線ネットワーク側機器は特に、無線ネットワーク側に配置された基地局機器であってもよい。したがって、データ送信装置の具体的な実装に関しては、第14の実施形態におけるデータ送信装置の実装を参照できるので、その詳細はここでは繰り返さない。
【0126】
本発明の第17の実施形態ではさらにコンピュータ読取可能記憶媒体を提供する。当該
コンピュータ読取可能記憶媒体はコンピュータ・プログラムを格納し、当該コンピュータ・プログラムのコードをコンピュータにより実行したときに、当該コンピュータ・プログラムのコードは、当該コンピュータが、本発明の第1の、第2の、第7の、または第12の実施形態の方法のステップを実行できるようにしてもよい。
【0127】
本発明の第18の実施形態はさらにコンピュータ・プログラム製品を提供する。当該コンピュータ・プログラム製品はコンピュータ・プログラムのコードを含み、当該コンピュータ・プログラムのコードをコンピュータにより実行したとき、当該コンピュータ・プログラムのコードは、当該コンピュータが、本発明の第1の、第2の、第7の、または第12の実施形態の方法のステップを実行できるようにしてもよい。
【0128】
本発明の範囲と思想から逸脱しない様々な修正と変形を本発明に加えうることは当業者には明らかである。上記に鑑み、本発明の当該様々な修正と変形は添付の特許請求の範囲とその均等物に入り、本発明はかかる種々の修正と変形を包含するものとする。