特許第5757071号(P5757071)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5757071
(24)【登録日】2015年6月12日
(45)【発行日】2015年7月29日
(54)【発明の名称】易開封性を備えた容器蓋
(51)【国際特許分類】
   B65D 17/28 20060101AFI20150709BHJP
【FI】
   B65D17/28
【請求項の数】4
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2010-180121(P2010-180121)
(22)【出願日】2010年8月11日
(65)【公開番号】特開2011-73791(P2011-73791A)
(43)【公開日】2011年4月14日
【審査請求日】2013年7月22日
(31)【優先権主張番号】特願2009-205751(P2009-205751)
(32)【優先日】2009年9月7日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】313005282
【氏名又は名称】東洋製罐株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100092200
【弁理士】
【氏名又は名称】大城 重信
(74)【代理人】
【識別番号】100110515
【弁理士】
【氏名又は名称】山田 益男
(74)【代理人】
【識別番号】100153497
【弁理士】
【氏名又は名称】藤本 信男
(72)【発明者】
【氏名】長尾 丈太郎
(72)【発明者】
【氏名】高尾 健一
(72)【発明者】
【氏名】廣田 宗久
(72)【発明者】
【氏名】植田 惠法
【審査官】 結城 健太郎
(56)【参考文献】
【文献】 実開昭53−006753(JP,U)
【文献】 特開昭61−217347(JP,A)
【文献】 特公昭45−021466(JP,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 17/28
B65D 17/40
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
タブを有する蓋体において、開口動作のためのタブは基部先端位置が蓋体の中心から見て、当該蓋体の周縁部に近い部分に配置された第1の弱め部より外周側にくるように前記蓋体上に配置され、該タブの長手方向に対し蓋体との接合部を挟んで基部側に配置される容器開口部となる第1の弱め部と、タブの把持部側に配置される第2の弱め部とを有するものであって、前記タブを引き起こす開封動作時には前記基部先端位置が回転中心軸となり、梃子の原理により、まず第2の弱め部が破断して初期開口部となり、続けてタブを引き起こすことによって破断部が第1の弱め部まで伝播していくことを特徴とする易開封性蓋。
【請求項2】
上記第2の弱め部の形状がタブ把持部先端側に突起状に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の易開封性蓋。
【請求項3】
第1の弱め部と第2の弱め部は連続した構造となっている請求項1乃至2のいずれかに記載された易開封性蓋。
【請求項4】
蓋体の基材が熱可塑性樹脂製であることを特徴とする、請求項1乃至3のいずれかに記載の易開封性蓋。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、開封が容易な容器の蓋、特にプラスチックのような剛性が低い材料からなる容器蓋に関する。
【背景技術】
【0002】
缶を開ける方式に、プルトップ (pull-top) と呼ばれるものがある。これは、缶切り等を用いず、缶容器の上面に付けられた引き金(タブ)を手で引っ張って蓋を開ける方式のものである。中身が飲み物のような液体の場合は蓋の一部だけ開口させる場合が一般的であるが、中身が固形物の場合、蓋全体を切り取り容器上面を全開する形態が採られている。特許文献1に示された「容器を開放する装置」は缶側周面の一部となっている細長片をキーで巻き取りつつ引き裂く従来の形態に対して、キーを必要としない改良型として提案されたプルトップ方式のものである。図9に示されるように、表面に取去り部分7を決める切取り線8を具える蓋1と、取去り部分に固着してこれを破って開放するタブ2から成る装置とを有する金属容器を開放する引裂き方式の装置において、タブ2はこのタブの縦軸線に略垂直に延びるほぼ真直な支点端2aを有する硬材質ものであってこの支点端は取去り部分7の始動端12より幅広とされ、またこの支点端は蓋1の表面上に固定されると共に、それより先端側は非固定形態となっている。タブ2の自由な持上げ端2bを手で持ち上げると支点端2aを支点としてタブ2が立ち上がり回転し、梃子の原理で取り去り部分7の始動端12がこじあけられて取り去り部分7の引き裂きが始められる。そのままタブ2を引き上げれば、切取線8と18に沿って取り去り部分7が順次引き裂かれて行き蓋の周囲が帯状に開放され、最後に蓋全体が取り去られるというものである。
【0003】
特許文献2に示された「容易開封缶の蓋体」は、図8に示すように鋲13で開口用引張片20を取付けた液体用缶詰缶の蓋体1に於いて、固着部22と、固着部の両側に切込みを隔てて設けた支点脚23と、引き手21とよりなる開口用引張片20の固着部22を蓋体1の中心よりも一側方に片寄せて鋲13で固定し、その鋲13の位置を支点脚23の先端24よりも蓋体中心方向によせて設定する。そして蓋体1の表面に、鋲13の一側方で鋲13から稍離れた始点位置Aより始まり、鋲から蓋体中心方向へ稍離れた初期破断位置Bを経て、鋲13の始点位置Aの反対側を鋲13と始点位置Aとの距離よりも稍大きく鋲13から離れた位置Cを通り、次で鋲13から蓋体中心とは反対の方向にして鋲とC点との間よりも稍大きく鋲から隔れ且つ蓋体の天板11の外側12に近い外側位置Dを通り、然る後、鋲から始点位置A方向へ鋲と外側位置Dとの距離よりも稍大きく隔れた螺線スコア終点たるE点へと、即ち鋲13を中心としてA,B,C,D,E点と漸次鋲から遠く離れる如く螺線状に螺線スコアを設ける。そして、鋲13から蓋中心を越えた方向にして、蓋体1の天板外側12に近く且つ適宜間隔をとった2つのスコア終端25,25'へ前記初期破断位置B及び螺旋スコア終点たるE点からやや間隔を広げるようにして2本の拡大スコア線26,27を設けた構成である。開封の際は引張片の引き手21を上方に引き上げるとき、支点脚先端24が支点となり、切込み28が設けてあるから固着部22にむける蓋体中心方向が持ち上げられ、鋲13の蓋体中心方向の鋲側端14に引き上げ力が集中するようになる。このとき鋲13の近くにして、鋲13から引き上げ力方向即ち蓋体中心方向にあるスコア線上に応力が集中し初期破断位置Bにおいて初期破断が生じる。引続き引き手21を上方に引き上げるとき、鋲13から蓋中心方向にあるスコア線部分B−A及びB−Cに破断が拡大し、次で鋲から蓋体中心と反対方向のスコア線部分C−D−Eに破断が拡大すると共に、螺線スコア線A,B,C,D,Eによって区画される部分が蓋体天板11から引上げられ開口が始まる。その後引き手21を引き上けるに従って2本の拡大スコア線26,27にそって開口が拡大し、スコア終端25,25'に至って、スコア線によって区画された開口片15が両終端25,25'間をヒンジとして折り曲げられ蓋体天板11から引き離されて注出口を形成する。
【0004】
現在、広く普及している容易開封缶の蓋体の形態は図7に示すような形態となっている。図中Aは缶が密封状態にある当初の状態で、タブ2の基部は蓋体1の縁近傍の表面に結合部3(鋲)で固定され、把持部となる先端側は中央部に向いて取付けられている。下段に示されるように蓋体1の周縁部にはスコア溝が形成されるが、タブ2の基部の先端部に沿った部分だけ直線状にスコア溝4が形成されている。また、前記鋲3を囲うようにΩ状にキルロイスコア5が形成されている。この缶の開封に当たっては図のBに示すようにタブ2の把持部となる先端側を上に引き起すと、下段に示すように鋲3の内側にあるキルロイスコア5が破断されて缶の密封が解かれる。引き続きタブ2の把持部を上に引き起すと図のCに示されるようにタブ2の基部が缶の内側に押し込まれ、直線状に形成されたスコア溝4部分が破断される。次に、タブ2の把持部に指をかけ上に引き上げると図のDに示されるように蓋体1の周縁部に形成されたスコア溝が順次破断されてゆき、最後は図のEに示されるように蓋体1全体が離反され缶が完全に開封される。
【0005】
ところで容器素材がプラスチックである場合、蓋体はプラスチックフィルムが用いられ容器本体に熱溶着された形態がとられている。この形態は蓋体がフィルムであることにより、外力や内圧変化への対応に弱いことと封止の際の熱溶着という工程に時間を要するという問題点をもっている。そこで、蓋体にフィルムではなく、タブを有する蓋体を用いることに想到した。それは、蓋体の厚み、形状の自由度から機械的強度が増すだけでなく、蓋体のハンドリング性が向上し、例えば巻締めのような、熱溶着以外の、機械的加工による封止手法での工程のスピードアップが可能となると考えたからである。そこで、本発明者らは前述したプルトップ方式の蓋を採用することを考えたのであるが、前述した缶開封の機構は蓋体の素材が剛性を備えた金属であることにより、所期の機能を果たすことができるのであって、この機構を柔軟性を帯びたプラスチックの蓋にそのまま応用することができないことが分かった。すなわち、特許文献1、2に示される機構や前段落で説明した機構ではタブの把持部を引き起こしても弾性変形に吸収されてしまい蓋体を開封する初期破断が起こらない。タブに指をかけ力任せに引き上げれば開封されないことはないが、それでは商品とはならない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特公昭41−20670号公報 「容器を開放する装置」 昭和41 年12月2日公告
【特許文献2】特開昭53−65186号公報 「容易開封缶の蓋体」 昭和53年 6月10日公開
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の課題は、プラスチックのような軟らかい素材からなる容器蓋体であっても、外力や内圧変化への対応性に優れ、スムーズに初期破断開口がなされ、それに続いてスコアのような弱め部全体に安定して破断が波及してゆくプルトップ式の容器蓋を提供すること、更には封止の際の工程に時間を要しないプラスチック素材からなる容器蓋体を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の易開封性容器蓋は、タブを有する蓋体であり、開口動作のためのタブは基部先端位置が蓋体の中心から見て、当該蓋体の周縁部に近い部分に配置された第1の弱め部より外周側にくるように前記蓋体上に配置され、該タブの長手方向に対し蓋本体との接合部を挟んで基部側に配置される容器開口部となる第1の弱め部と、タブの把持部側に配置される第2の弱め部とを有するものであって、前記タブを引き起こす開封動作時には前記基部先端位置が回転中心軸となり、梃子の原理により、まず第2の弱め部が破断して初期開口部となり、続けてタブを引き起こすことによって破断部が第1の弱め部まで伝播していくことを特徴とする。
本発明の易開封性容器蓋は、上記第2の弱め部のタブ把持部側の先端形状が突起状に形成されているものとした。
本発明の易開封性容器蓋は、第1の弱め部と第2の弱め部は連続した構造とするようにした。
本発明の易開封性容器蓋の基材は熱可塑性樹脂製であるものとした。
【発明の効果】
【0009】
本発明の易開封性容器蓋は、開口動作のためのタブは基部先端位置が蓋体の周縁部近傍にくるように前記蓋体上に配置されているが、この蓋体の周縁部近傍は容器本体との結合位置に近いので柔軟素材であったとしても変形がしにくく、このタブを引き起こしたとき基部先端位置が支点となって、該タブは梃子の機能を果たすものとなる。その作用によってまず容器の中心側に配置される第2の弱め部が破断して初期開口部となり、続けてタブを引き起こすことによって破断部が第1の弱め部まで伝播していくことになる。この構成によってタブの把持部を引き起こしたときにタブの動きが蓋体素材の弾性変形に吸収されてしまうことがないため、プラスチックのような軟らかい素材からなる容器蓋体であっても、スムーズに初期破断開口がなされ、それに続いてスコアのような弱め部全体に安定して破断が波及してゆくプルトップ式の容器蓋を提供することができる。
【0010】
また、蓋体がタブを有する成形蓋で形成されるため、従来のプラスチックフィルム状の蓋のように外力や内圧変化に弱いという欠点はなく対応できるし、容器本体と当該蓋体との接合には巻締めなど機械的な結合法が適用可能となり、封止工程のスピードアップが図れる。
更に、上記第2の弱め部のタブ把持部側の先端形状が突起状に形成されているものとしたので、開口動作時に応力集中が起こり、より易開封性が高くなる。
本発明の易開封性容器蓋は、第1の弱め部と第2の弱め部は連続した構造とするようにしたことにより、初期開口部となる第2の弱め部から第1の弱め部への破断部の伝播がスムーズに行われる。
本発明の易開封性容器蓋の基材として熱可塑性樹脂、例えばPP、PE、PET、PSなどや、天然由来樹脂、生分解性樹脂等の合成樹脂を適宜用いることにより、容器の内容物や使われ方に応じて多様な対応が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明を説明する蓋の要部を示す図である。
図2】本発明の実施形態例を示す図である。
図3】本発明の異なる実施形態例を示す図である。
図4】本発明で用いるタブの変形例を示す図である。
図5】タブの取付け形態を異にした本発明の実施形態例を示す図である。
図6】第2の弱め部のタブ把持部側先端形状を突起形状とした本発明の実施形態を示す図である。
図7】従来の易開封性を備えたプルトップ式缶蓋の開封形態を説明する図である。
図8】従来のプルトップ式缶蓋の構成を示す図である。
図9】従来のプルトップ式缶蓋の異なる構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施の形態について、詳細に説明する。図1は本発明に係る蓋の要部であるタブ近傍の構成を示す図で、(1)は平面図で、(2)はA−A部の断面図である。蓋体1はフィルムのようなシート状のものではなくタブを有する成形蓋で構成されている。開口動作のためのタブ2は基部先端位置2aが蓋体1の周縁部近傍にくるように前記蓋体1上に配置されている。この構成を採用する理由は、この領域が蓋体1と容器本体10との固着部に近く応力に対してその変位量が小さいことを利用するためである。また、スコアに相当する破断部は周囲より相対的に低強度化された部位であり、薄肉形状だけでなくミシン目形状や、強度に関わる物性を低下させた状態、例えば結晶化度を調整した状態、とすることも可能で、本明細書ではこれを弱め部と定義する。上記弱め部の製造方法としては、蓋体成形時に同時に付与する方法や、蓋体成形とは別工程にて、例えばプレス加工、切削加工、レーザ加工等の公知の方法によって付与することも可能である。本発明では図中(1)から分かるようにタブ2の長手方向に対し、タブ2と蓋体1との結合部3を挟んで外側となる蓋体1の周縁部に近い部分に配置される容器開口部となる第1の弱め部4と、内側となる容器の中心側に配置される第2の弱め部5とが形成されている。ここに示した例では第1の弱め部4と第2の弱め部5は前記結合部3を廻ってUターンするように円弧状に連続した構造となっているが、要は一方の破断が他方の破断へと連携されていく構成であればよく、この構成は必須ではない。このようにタブ2、結合部3、第1の弱め部4と第2の弱め部5が位置決めされているため、開封動作時にタブ把持部2bに指をかけタブ2を引き起こしたとき、基部先端位置2aは変位しにくい蓋体1に当接されているため、タブ2はその部分が支点となって回動する。すると図の(2)から分かるようにタブ2には梃子の原理が働き、結合部3は上に引き上げられつつ回動しようとする。この結合部3は蓋体1と一体化されているので蓋体1もタブ2の回動に追随することとなり、結合部3の内側の蓋体領域に強く応力が掛かることとなる。この部分に第2の弱め部5が形成されているので、まず、この第2の弱め部5が破断して初期開口部となる。更に続けてタブを引き起こすことによって破断が第1の弱め部4まで伝播していくこととなる。タブ2の把持部に指を入れるなりして更に上に引き上げれば第1の弱め部4が順次引き裂かれて容器を開放する。
図1に示したようにタブの基部先端位置が、上記第1の弱め部の外側に配置されているものにあっては、上記開口動作をより確実なものとすることができる。
【0013】
本発明の蓋体のタブの製造方法としては、蓋体成形時に一体成形にて形成する方法や、別工程で製造したタブを、超音波溶着、レーザ溶着、振動溶着、インパルス溶着、リベッティング、射出成形金型内へのインサート成形等、公知の方法で蓋体に接合する方法も可能である。
本発明の蓋体の成形方法としては、射出成形、圧縮成形、圧空成形等、公知の成形方法が可能である。
本発明の蓋体材料の構成としては、基材に熱可塑性樹脂を使用する場合、その熱可塑性樹脂の単層構造のものでもよいし、あるいは他の熱可塑性樹脂との多層構造をとることができる。この時、多層構造を構成し得る熱可塑性樹脂としては、溶融成形が可能である限り種々のものを使用することができるが、本発明の蓋体を使用する容器が食品用である場合は、そのうちの少なくとも一層に、エチレンビニルアルコール共重合体、ポリアミド樹脂、環状オレフィン系樹脂等のバリア性樹脂や、酸素吸収剤或いは酸化性有機成分及び遷移金属触媒を含有する酸素吸収性樹脂組成物等を好適に使用することが好ましい。あるいは、バリア性被膜の蒸着等、多層化以外の公知の方法によってバリア性を付与することも可能である。
また、本発明の蓋体では、基材もしくは他の層を構成する樹脂又は樹脂組成物には、充填剤、着色剤、耐熱安定剤、耐候安定剤、酸化防止剤、光安定剤やその他の劣化防止剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、金属セッケンやワックス等の滑剤、改質用樹脂乃至ゴム、等の公知の樹脂配合剤を、それ自体公知の処方に従って配合できる。
【0014】
図2に本発明の多様な実施形態例を示す。Aは最も基本的な形状であって、開封動作時にタブ把持部2bに指をかけタブ2を引き起こしたとき、基部先端位置2aは変位しにくい蓋体1に当接されているため、タブ2はその基部先端位置2aが支点となって回動する。するとタブ2には梃子の原理が働き、結合部3は上に引き上げられ、図に一点鎖線で示されているタブ2の長手方向中心線と交差するあたりの第2の弱め部5に応力集中が起こり、初期破断開封がなされる。さらにタブ2が起され回動すると破断部は第2の弱め部5の両側に伝搬してゆき一方は連続する第1の弱め部4に及ぶ。タブ2の把持部に指を入れるなりして更に上に引き上げれば第1の弱め部4と第2の弱め部5は順次引き裂かれ、破断は時計方向に進む。内側の第2の弱め部5は途中で終わっているため破断は止まり、蓋の周縁部近傍でほぼ全周にわたり形成されている第1の弱め部4が引き裂かれて蓋体1を容器から切り離して開放する。この例ではタブ2が付いた状態で蓋体1は容器と分離される。
【0015】
Bに示す実施形態は上記の例のように蓋体全体を開放するものではなく、飲料液用の容器等に適用される一部に穴を空ける形態である。開封動作時にタブ把持部2bに指をかけタブ2を引き起こしたとき、基部先端位置2aは変位しにくい蓋体1に当接されているため、タブ2はその基部先端位置2aが支点となって回動する。おなじくタブ2には梃子の原理が働き、結合部3は上に引き上げられ、図に一点鎖線で示されているタブ2の長手方向中心線と交差するあたりの第2の弱め部5に応力集中が起こり、初期破断開封がなされる。しかし、この例では第1の弱め部4と第2の弱め部5は結合部3をループ状に囲うように形成されているため、さらにタブ2が起され回動すると破断は第2の弱め部5の両側に伝搬してゆき両側で連続する第1の弱め部4に及ぶ。タブ2の把持部に指を入れるなりして更に上に引き上げればループとなった弱め部4,5は全周にわたり引き裂かれて蓋体1を容器から切り離されて、蓋体1に飲み口が開口する。この例ではタブ2が付いた状態で蓋体1の一部が容器10と分離され、大分部分は容器と一体のまま残る。この形態は飲料液用に限らず、流動性物質の容器として広く用いることができる。
【0016】
Cに示す実施形態は、第1の弱め部4と第2の弱め部5が非連続形態のものである。開封動作時にタブ把持部2bに指をかけタブ2を引き起こしたとき、基部先端位置2aは変位しにくい蓋体1に当接されているため、タブ2は基部先端位置2aが支点となって回動する。するとタブ2には梃子の原理が働き、結合部3は上に引き上げられ、図に一点鎖線で示されているタブ2の長手方向中心線と交差するあたりの第2の弱め部5に応力集中が起こり、初期破断開封がなされる。さらにタブ2が起され回動すると破断部は第2の弱め部5の両側に伝搬してゆき、途中で終わっているが第1の弱め部4に近接した位置であるため破断は不連続部を介して第1の弱め部4に及ぶ。タブ2の把持部に指を入れるなりして更に上に引き上げれば第1の弱め部4は順次引き裂かれ、破断は両側に進む。蓋の周縁部近傍で全周にわたり形成されている第1の弱め部4が引き裂かれて蓋体1を容器から切り離して開放する。この例ではタブ2が付いた状態で蓋体1は容器と分離される。
【0017】
Dに示す実施形態は、Aに示した基本形態の変形例である。開封動作時にタブ把持部2bに指をかけタブ2を引き起こしたとき、タブ2はその基部先端位置2aが支点となって回動し、タブ2には梃子の原理が働き、結合部3は上に引き上げられ、図に一点鎖線で示されているタブ2の長手方向中心線と交差するあたりの第2の弱め部5に応力集中が起こり、初期破断開封がなされる。さらにタブ2が起され回動すると破断部は第2の弱め部5の両側に伝搬してゆき一方は連続する第1の弱め部4に及ぶ。タブ2の把持部に指を入れるなりして更に上に引き上げれば第1の弱め部4と第2の弱め部5は順次引き裂かれ、破断は時計方向に進む。ここまではAの例と同様の作動であるが、この例では第1の弱め部4が蓋の周縁部近傍でほぼ全周にわたり形成されてはおらず、ほぼ半周で終わっているため破断はここで止まる。利用者は図に示す解放端を結ぶ線を折り目として蓋体1を半分折り返して開放する。この例ではタブ2が付いた状態の蓋体1は容器に取付けられたままとなる。一部内容物を消費して後、残りがある時には蓋を戻して仮蓋として保存できる形態である。
【0018】
Eに示す実施形態もAに示した基本形態の変形例である。この形態は第2の弱め部5が短く、その端部が図に一点鎖線で示されているタブ2の長手方向中心線と交差しない構成である。開封動作時にタブ把持部2bに指をかけタブ2を引き起こしたとき、タブ2はその基部先端2aが支点となって回動し、タブ2には梃子の原理が働き、結合部3は上に引き上げられ、図に一点鎖線で示されているタブ2の長手方向中心線に近接するあたりの第2の弱め部5に応力集中が起こり、初期破断開封がなされる。さらにタブ2が起され回動すると破断部は第2の弱め部5の一方側に伝搬してゆき連続する第1の弱め部4に及ぶ。タブ2の把持部に指を入れるなりして更に上に引き上げれば第1の弱め部4と第2の弱め部5は順次引き裂かれ、破断は時計方向に進み第1の弱め部4が蓋の周縁部近傍でほぼ全周にわたり形成されているため全円周に及ぶ。蓋体1を容器から切り離して開放する。この例ではA,Cと同様にタブ2が付いた状態で蓋体1は容器と分離される。
【0019】
図3に示すものは上記のものと異なる本発明の実施形態例である。上記の例が図1に示すように容器10の上面を端部で閉止するタイプの蓋体であるのに対し、これは容器10の段部に所謂落し蓋形態で封止する形態のものである。この形態の場合タブ2の基部先端2aは容器のスタック用段部10a若しくはその近傍領域にある蓋体1の上に配置される。この構
成は、本発明では開封動作時にタブ把持部2bに指をかけタブ2を引き起こしたとき、タブ2はその基部先端2aが支点となって回動し、タブ2に梃子の原理が働くためには、支点となる場所における蓋体1の弾性変形による変位が小さいことが必須であるためである。タブ2の基部先端2aの位置が上記のとおりであれば、支点位置はしっかりと保持されて梃子の原理が働き、開封動作時にタブ把持部2bに指をかけタブ2を引き起こしたとき、第2の弱め部5に応力集中が起こり、初期破断開封がなされる。さらにタブ2が起され回動すると破断部は第2の弱め部5の一方側に伝搬してゆき連続する第1の弱め部4に及ぶ。タブ2の把持部に指を入れるなりして更に上に引き上げれば第1の弱め部4は順次引き裂かれ容器を開放する。
なお、この落し蓋形態では図に示したようにスタック用段部上に、また通常の平蓋形態では容器のフランジ上に第1の弱め部4の位置が来るように構成すれば、容器は全開放となり残留する蓋体によって邪魔されることはなく、内容物が取り出しやすい状態が確保できる。これに対し、図7に示す従来の蓋体の構成は、タブ2の基部先端を容器の内側に押し込むことによる開封動作であったため、弱め部をスタック用段部やフランジ上に配置することができず、従って残留する蓋体に邪魔されない全開放の開口部とすることができなかった。
【0020】
図4は本発明で用いるタブの変形例を示す図である。タブ2の基部先端の形状は必ずしも直線形状ではなく、この図に示すような両端部が突出し先端を形成した形状のものもある。このような形態のものにおいても容器を開封しようとタブ2を引き起こしたとき、支点となるのは基部先端となる両端の突出部である。したがって、その位置、すなわち図において破線で示した位置が回転中心軸となる。開封動作時にタブ把持部2bに指をかけタブ2を引き起こしたとき、タブ2はその基部先端2aが支点となって回動し、第2の弱め部5に応力集中が起こり、初期破断開封がなされる。さらにタブ2が起され回動すると破断部は第2の弱め部5の一方側に伝搬してゆき連続する第1の弱め部4に及ぶ。タブ2の把持部に指を入れるなりして更に上に引き上げれば第1の弱め部4は順次引き裂かれ容器を開放する動作は先の例と同様である。
【0021】
図5に示したものはタブの取付け形態を異にする本発明の変形例である。この実施例はこの図に示すように円弧形状のタブ2を容器の周縁部に沿って配置した点に特徴がある。タブ2の基部先端2aのラインは容器の周縁部から中心方向に向いて配置されているが、回転中心となるこの部分は容器の周縁部であるため、変位しにくくタブの回動は安定しておこなえる。第1の弱め部4は前記タブ2の基部先端2aからタブ2の長手方向に延長して続き、容器の周縁に沿って形成される。第2の弱め部5は容器との結合部3を囲むようにその近傍に形成される。このような形態のものにおいても容器を開封しようとタブ2を引き起こしたとき、支点となるのは基部先端2aである。開封動作時にタブ把持部2bに指をかけタブ2を引き起こしたとき、タブ2はその基部先端2aが支点となって回動し、第2の弱め部5に応力集中が起こり、初期破断開封がなされる。さらにタブ2が起され回動すると破断部は第2の弱め部5の両側に伝搬してゆき連続する第1の弱め部4に及ぶ。タブ2の把持部に指を入れるなりして更に上に引き上げれば第1の弱め部4は順次引き裂かれ容器を開放する動作は先の例と同様である。
【0022】
図6は第2の弱め部5の形状変形例を示す図である。この図に示されるように開口動作時にタブ2が回動されて最初に封が切られる第2の弱め部5の形状が、タブの把持部側に突起状に形成されていることを特徴とするものである。すなわち、タブの把持部に最も近い部分の形状を、把持部に向かって尖った形状とするものである。このような形態のものにおいても容器を開封しようとタブ2を引き起こせば、基部先端2aが支点となって回動され、第2の弱め部5に応力集中が起こり、初期破断開封がなされる点は前述した例と同様であるが、この形態では先端が突起形状となっているため、その部分に応力集中が起こり、易開封性がより高いものとなる。
【符号の説明】
【0023】
1 蓋体 2 タブ
2a タブの基部先端 2b タブの把持部先端
3 結合部 4 第1の弱め部
5 第2の弱め部 10 容器本体
10a スタック段部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図8
図9
図7