特許第5757112号(P5757112)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5757112
(24)【登録日】2015年6月12日
(45)【発行日】2015年7月29日
(54)【発明の名称】プラズマ光源の製造方法
(51)【国際特許分類】
   G03F 7/20 20060101AFI20150709BHJP
【FI】
   G03F7/20 503
【請求項の数】3
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2011-55255(P2011-55255)
(22)【出願日】2011年3月14日
(65)【公開番号】特開2012-191113(P2012-191113A)
(43)【公開日】2012年10月4日
【審査請求日】2014年1月22日
(73)【特許権者】
【識別番号】000000099
【氏名又は名称】株式会社IHI
(74)【代理人】
【識別番号】100097515
【弁理士】
【氏名又は名称】堀田 実
(74)【代理人】
【識別番号】100136700
【弁理士】
【氏名又は名称】野村 俊博
(72)【発明者】
【氏名】桑原 一
【審査官】 松岡 智也
(56)【参考文献】
【文献】 特開昭60−200872(JP,A)
【文献】 特開昭61−031366(JP,A)
【文献】 特開平04−104971(JP,A)
【文献】 特開平07−273164(JP,A)
【文献】 特開2001−215721(JP,A)
【文献】 特開2004−111289(JP,A)
【文献】 特開2010−147231(JP,A)
【文献】 国際公開第2011/027699(WO,A1)
【文献】 米国特許第07115887(US,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/027
H05G 2/00
C04B 37/00−37/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
対向配置された1対の同軸状電極と、
該同軸状電極内にプラズマ媒体を供給し、かつプラズマの発生に適した温度及び圧力に保持する放電環境保持装置と、
各同軸状電極に極性を反転させた放電電圧を印加する電圧印加装置と、備え、
各同軸状電極は、中心電極と、該中心電極を間隔を隔てて囲むガイド電極と、中心電極とガイド電極の間に位置しその間を絶縁する絶縁体とを有しているプラズマ光源の製造方法であって、
ホットプレス用ケースに前記ガイド電極と前記中心電極を収納し、かつ、前記ガイド電極と、該ガイド電極の内部に位置する前記中心電極との間に粉体の絶縁体を配置し、かつ、ホットプレス用ケースとホットプレス用圧力付与体とで、前記中心電極の軸線方向に粉体の絶縁体を挟んだ状態で、ホットプレス用圧力付与体により、前記粉体の絶縁体を加圧し、該絶縁体と前記中心電極及び前記ガイド電極を一体としてホットプレスして前記粉体の絶縁体を焼結する、ことを特徴とするプラズマ光源の製造方法
【請求項2】
前記中心電極及び前記ガイド電極は、タングステン又はグラファイトからなる、ことを特徴とする請求項1に記載のプラズマ光源の製造方法
【請求項3】
前記各同軸状電極の前記中心電極は、単一の軸線上に延びる棒状であり、
前記各同軸状電極の前記ガイド電極は、中心電極を一定の間隔で隔てて囲む管状であり、
前記絶縁体は、リング状である、ことを特徴とする請求項1または2に記載のプラズマ光源の製造方法
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、EUV放射のためのプラズマ光源の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
次世代半導体の微細加工のために極端紫外光源を用いるリソグラフィが期待されている。リソグラフィとは回路パターンの描かれたマスクを通して光やビームをシリコン基盤上に縮小投影し、レジスト材料を感光させることで電子回路を形成する技術である。光リソグラフィで形成される回路の最小加工寸法は基本的には光源の波長に依存している。従って、次世代の半導体開発には光源の短波長化が必須であり、この光源開発に向けた研究が進められている。
【0003】
次世代リソグラフィ光源として最も有力視されているのが、極端紫外(EUV:Extreme Ultra Violet)光源であり、およそ1〜100nmの波長領域の光を意味する。この領域の光はあらゆる物質に対し吸収率が高く、レンズ等の透過型光学系を利用することができないので、反射型光学系を用いることになる。また極端紫外光領域の光学系は非常に開発が困難で、限られた波長にしか反射特性を示さない。
【0004】
現在、13.5nmに感度を有するMo/Si多層膜反射鏡が開発されており、この波長の光と反射鏡を組み合わせたリソグラフィ技術が開発されれば30nm以下の加工寸法を実現できると予測されている。さらなる微細加工技術の実現のために、波長13.5nmのリソグラフィ光源の開発が急務であり、高エネルギー密度プラズマからの輻射光が注目されている。
【0005】
光源プラズマ生成はレーザー照射方式(LPP:Laser Produced Plasma)とパルスパワー技術によって駆動されるガス放電方式(DPP:Discharge Produced Plasma)に大別できる。DPPは、投入した電力が直接プラズマエネルギーに変換されるので、LPPに比べて変換効率で優位であるうえに、装置が小型で低コストという利点がある。
【0006】
プラズマから有効波長領域(in−band)の放射光への変換効率(Plasma Conversion E.ciency:P.C.E)は次式(1)のように表される。
P.C.E=(Pinband×τ)/E・・・(1)
ここで、Pinbandは有効波長領域のEUV放射光出力、τは放射持続時間、Eはプラズマに投入されたエネルギーである。
【0007】
有効波長領域に放射スペクトルを持つ元素としては、Xe,Sn,Li等が代表的であり、実験の容易さ、取り扱いやすさから開発初期はXeを中心に研究が進められてきた。しかし、近年では高出力、高効率を理由にSnが注目を浴び研究が進められている。また、有効波長領域にちょうどLyman−α共鳴線を有する水素様Liイオン(Li2+)に対する期待も高まってきている。
【0008】
高温高密度プラズマからの放射スペクトルは、基本的にはターゲット物質の温度と密度によって決まり、プラズマの原子過程を計算した結果によると、EUV放射領域のプラズマにするにはXe,Snの場合で電子温度、電子密度がそれぞれ数10eV、1018cm−3程度,Liの場合で20eV、1018cm−3程度が最適とされている。
【0009】
なお、上述したプラズマ光源は、非特許文献1,2および特許文献1に開示されている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0010】
【非特許文献1】佐藤弘人、他、「リソグラフィ用放電プラズマEUV光源」、OQD−08−28
【非特許文献2】Jeroen Jonkers,“High power extreme ultra−violet(EUV) light sources for future lithography”,Plasma Sources Science and Technology, 15(2006) S8−S16
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】特表2000−509190号公報、「X線放射線または極紫外線放射線を発生するための方法および装置」
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
EUVリソグラフィ光源には、高い平均出力、微小な光源サイズ、飛散粒子(デブリ)が少ないこと等が要求される。現状では、EUV発光量が要求出力に対して極めて低く、高出力化が大きな課題の一つであるが、一方で高出力化のために入力エネルギーを大きくすると熱負荷によるダメージがプラズマ生成装置や光学系の寿命の低下を招いてしまう。従って、高EUV出力と低い熱負荷の双方を満たすためには、高いエネルギー変換効率が必要不可欠である。
【0013】
プラズマ形成初期には加熱や電離に多くのエネルギーを消費するうえに、EUVを放射するような高温高密度状態のプラズマは一般的に急速に膨張してしまうため、放射持続時間τが極端に短い。従って、変換効率を改善するためには、プラズマをEUV放射のために適した高温高密度状態で長時間(μsecオーダーで)維持することが重要になる。
【0014】
SnやLi等の常温固体の媒体はスペクトル変換効率が高い反面、プラズマ生成に溶融、蒸発等の相変化を伴うため、中性粒子等のデブリ(放電に伴う派生物)による装置内汚染の影響が大きくなる。そのため、ターゲット供給、回収システム強化も同様に要求される。
【0015】
現在の一般的なEUVプラズマ光源の放射時間は100nsec程度であり出力が極端に足りない。産業応用のため高変換効率と高平均出力を両立させる為には1ショットで数μsec(少なくとも1μsec以上)のEUV放射時間を達成する必要がある。つまり、高い変換効率を持つプラズマ光源を開発するためには、それぞれのターゲットに適した温度密度状態のプラズマを1μsec以上拘束し、安定したEUV放射を達成する必要がある。
【0016】
ここで、プラズマ物質供給源としてリチウム化合物(例えば、LiH等)が電極間絶縁体として用いられており、絶縁体表面での沿面放電によりプラズマ物質の供給を行っている。
【0017】
しかし、この場合、リチウム化合物は粉体から焼結により固体に成形されるが、リチウム化合物焼結体は加工性が悪く、高精度な加工が困難で、電極部との接触部分において隙間が生じる場合があった。
さらに、かかる場合において、この隙間は周方向に均一に発生するとは限らず、焼結部品個々のばらつきが発生することがあるという問題点があった。
【0018】
そのため、電極間放電の安定性や再現性等が、一定の水準に維持できない場合があるという問題が生じていた。
【0019】
本発明は、かかる問題点を解決するために創案されたものである。すなわち、本発明の目的は、電極部との接触部分において隙間を生じさせない電極間絶縁体を有するプラズマ光源の製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0020】
参考例によれば、対向配置された1対の同軸状電極と、
該同軸状電極内にプラズマ媒体を供給し、かつプラズマの発生に適した温度及び圧力に保持する放電環境保持装置と、
各同軸状電極に極性を反転させた放電電圧を印加する電圧印加装置と、を備えるプラズマ光源であって、
各同軸状電極は、単一の軸線上に延びる棒状の中心電極と、該中心電極を一定の間隔で隔てて囲む管状のガイド電極と、中心電極とガイド電極の間に位置しその間を絶縁するリング状の絶縁体とからなり、
前記絶縁体は、ホットプレスによって加圧されており、前記中心電極及び前記ガイド電極を密着して成形されるようになっている、ことを特徴とするプラズマ光源が提供される。
【0021】
また、前記中心電極及び前記ガイド電極は、タングステン又はグラファイトからなる。
【0022】
また、本発明によれば、対向配置された1対の同軸状電極を準備し、
前記各同軸電極対にプラズマ媒体を供給し、かつプラズマ発生に適した温度及び圧力に各同軸電極対内を保持し、
各同軸状電極に極性を反転させた放電電圧を印加し、
1対の同軸状電極間に管状放電を形成してプラズマを軸方向に封じ込める、ことを特徴とするプラズマ光源の製造方法であって、
各同軸状電極は、単一の軸線上に延びる棒状の中心電極と、該中心電極を一定の間隔で隔てて囲む管状のガイド電極と、中心電極とガイド電極の間に位置しその間を絶縁するリング状の絶縁体とからなり、
前記絶縁体を、ホットプレスによって加圧され、前記中心電極及び前記ガイド電極を密着するように成形する、ことを特徴とするプラズマ光源の製造方法が提供される。
【発明の効果】
【0023】
上記発明によれば、電極間絶縁体にタングステン又はグラファイトを使用することによって、電極部との接触部分において隙間を生じさせないため、放電特性の安定性、再現性を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1ラズマ光源の原理図である。
図2】本発明による絶縁体に対するホットプレスの概念図である。
図3ラズマ光源の作動説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明の好ましい実施形態を添付図面に基づいて詳細に説明する。なお、各図において共通する部分には同一の符号を付し、重複した説明を省略する。
【0026】
図1、プラズマ光源の原理図である。
この図において、プラズマ光源10は、1対の同軸状電極11、放電環境保持装置20、及び電圧印加装置30を備える。
【0027】
1対の同軸状電極11は、対称面1を中心として対向配置されている。
各同軸状電極11は、棒状の中心電極12、管状のガイド電極14及びリング状の絶縁体16からなる。
【0028】
棒状の中心電極12は、単一の軸線Z−Z上に延びる導電性の電極である。
この例において、中心電極12の対称面1に対向する端面に凹穴12aが設けられ、後述する面状放電電流2と管状放電4を安定化させるようになっている。なお、この構成は必須ではなく、中心電極12の対称面1に対向する端面は、円弧状でも平面でもよい。
【0029】
管状のガイド電極14は、中心電極12を一定の間隔を隔てて囲み、その間にプラズマ媒体を保有するようになっている。なお、ガイド電極14の対称面1に対向する端面は、円弧状でも平面でもよい。
【0030】
リング状の絶縁体16は、中心電極12とガイド電極14の間に位置する中空円筒形状の電気的絶縁体であり、中心電極12とガイド電極14の間を電気的に絶縁する。
なお、絶縁体16の形状はこの例に限定されず、中心電極12とガイド電極14の間を電気的に絶縁する限りで、その他の形状であってもよい。
【0031】
上述した1対の同軸状電極11は、各中心電極12が同一の軸線Z−Z上に位置し、かつ互いに一定の間隔を隔てて対称に位置する。
【0032】
放電環境保持装置20は、同軸状電極11内をプラズマ発生に適した温度及び圧力に同軸状電極11を保持する。
放電環境保持装置20は、例えば、真空チャンバー、温度調節器、真空装置、及びプラズマ媒体供給装置により構成することができる。なおこの構成は必須ではなく、その他の構成であってもよい。
【0033】
電圧印加装置30は、各同軸状電極11に極性を反転させた放電電圧を印加する。
電圧印加装置30は、この例では、正電圧源32、負電圧源34及びトリガスイッチ36からなる。
正電圧源32は、一方(この例では左側)の同軸状電極11の中心電極12にそのガイド電極14より高い正の放電電圧を印加する。
負電圧源34は、他方(この例では右側)の同軸状電極11の中心電極12にそのガイド電極14より低い負の放電電圧を印加する。
トリガスイッチ36は、正電圧源32と負電圧源34を同時に作動させて、それぞれの同軸状電極11に同時に正負の放電電圧を印加する。
この構成により、プラズマ光源は、1対の同軸状電極11間に管状放電(後述する)を形成してプラズマを軸方向に封じ込めるようになっている。
【0034】
図2は、本発明による絶縁体に対するホットプレスの概念図である。
この図において、17はホットプレス用ケース、18はホットプレス用圧力付与体である。
【0035】
粉体の絶縁体16を固体に成形させる場合において、絶縁体16と共に中心電極12とガイド電極14をホットプレス用ケース17に収納させ、同軸状電極11の反対側から、絶縁体16と中心電極12及びガイド電極14を一体としてホットプレス用圧力付与体18によって高温高圧下(約600℃、約100気圧、約1時間)でホットプレスして焼結することによって行われる。
かかる方法によって、絶縁体16の粉体を焼結させることで、絶縁体16と中心電極12又はガイド電極14との間に隙間を発生させない形で粉体の絶縁体16を固体に成形させることができる。
【0036】
また、かかる場合において、中心電極12及びガイド電極14をグラファイトやタングステン等の高融点物質に変更することによって、高温高圧下でホットプレスしても熱変形を起こさないようにすることが可能になる。
なお、タングステン又はグラファイト以外にもタンタル等を使用することも可能である。
【0037】
ホットプレス用ケース17及びホットプレス用圧力付与体18は、高温高圧下のホットプレスに耐えられるようにグラファイト等の高融点物質を用いることが望ましい。
また、中心電極12及び絶縁体16については、例えば、図2におけるD1を約10mm程度、D2を約5mm程度、W1を約10mm程度として設計するとよい。
【0038】
なお、中心電極12をホットプレス用ケース17に接続するために、中心電極12の先端部にネジ部(図示しない)を設け、ホットプレス用ケース17と接続させる形でもよい。
【0039】
図3、プラズマ光源の作動説明図である。この図において、(A)は面状放電の発生時、(B)は面状放電の移動中、(C)はプラズマの形成時、(D)はプラズマ封込み磁場の形成時を示している。
以下、この図を参照して、本発明のプラズマ光源の作動を説明する。
【0040】
プラズマ光源では、上述した1対の同軸状電極11を対向配置し、放電環境保持装置20により同軸状電極11内をプラズマ発生に適した温度及び圧力に保持し、電圧印加装置30により各同軸状電極11に極性を反転させた放電電圧を印加する。

【0041】
図3(A)に示すように、この電圧印加により、1対の同軸状電極11に絶縁体16の表面でそれぞれ面状の放電電流(以下、面状放電2と呼ぶ)が発生する。面状放電2は、2次元的に広がる面状の放電電流である。
【0042】
なおこの際、左側の同軸状電極11の中心電極12は正電圧(+)、ガイド電極14は負電圧(−)に印加され、右側の同軸状電極11の中心電極12は負電圧(−)、そのガイド電極14は正電圧(+)に印加されている。
なお、両方のガイド電極14を接地させて0Vに保持し、一方の中心電極12を正電圧(+)に印加し、他方の中心電極12を負電圧(−)に印加してもよい。
【0043】
また本発明において、絶縁体16は、プラズマ媒体を主成分とする常温で固体の絶縁化合物で構成されているので、面状放電2により、絶縁化合物の表面が気化してプラズマ媒体6として同軸状電極間に供給される。
【0044】
図3(B)に示すように、面状放電2は、自己磁場によって電極から排出される方向(図で中心に向かう方向)に移動する。
【0045】
図3(C)に示すように、面状放電2が1対の同軸状電極11の先端に達すると、1対の面状放電2の間に挟まれたプラズマ媒体6が高密度、高温となり、各同軸状電極11の対向する中間位置(中心電極12の対称面1)に単一のプラズマ3が形成される。
【0046】
さらに、この状態において、対向する1対の中心電極12は、正電圧(+)と負電圧(−)であり、同様に対向する1対のガイド電極14も、正電圧(+)と負電圧(−)であるので、図3(D)に示すように、面状放電2は対向する1対の中心電極12同士、及び対向する1対のガイド電極14の間で放電する管状放電4に繋ぎ換えられる。ここで、管状放電4とは、軸線Z−Zを囲む中空円筒状の放電電流を意味する。
この管状放電4が形成されると、図に符号5で示すプラズマ封込み磁場(磁気ビン)が形成され、プラズマ3を半径方向及び軸方向に封じ込むことができる。
【0047】
すなわち、磁気ビン5はプラズマ3の圧力により中央部は大きくその両側が小さくなり、プラズマ3に向かう軸方向の磁気圧勾配が形成され、この磁気圧勾配によりプラズマ3は中間位置に拘束される。さらにプラズマ電流の自己磁場によって中心方向にプラズマ3は圧縮(Zピンチ)され、半径方向にも自己磁場による拘束が働く。
この状態において、プラズマ3の発光エネルギーに相当するエネルギーを電圧印加装置30から供給し続ければ、高いエネルギー変換効率で、プラズマ光8(EUV)を長時間安定して発生させることができる。
【0048】
なお、本発明は上述した実施形態に限定されず、特許請求の範囲の記載によって示され、さらに特許請求の範囲の記載と均等の意味および範囲内でのすべての変更を含むものである。
【符号の説明】
【0049】
1 対称面、2 面状放電、3 プラズマ、
4 管状放電、5 プラズマ封込み磁場、
6 プラズマ媒体、8 プラズマ光(EUV光)、
10 プラズマ光源、11 同軸状電極、
12 中心電極、12a 凹穴、
14 ガイド電極、16 絶縁体(絶縁化合物)、
17 ホットプレス用ケース、18 ホットプレス用圧力付与体、
20 放電環境保持装置、30 電圧印加装置、
32 正電圧源、34 負電圧源、36 トリガスイッチ
図1
図2
図3