(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0039】
以下、本発明の「遊技機」としてのパチンコ遊技機10に係る一実施形態を、
図1〜
図73に基づいて説明する。
図1に示すように、パチンコ遊技機10は、遊技媒体としての遊技球を誘導可能な誘導レール12に囲まれた遊技領域R1を遊技板11の前面に備え、その遊技領域R1をパチンコ遊技機10の前面に備えた略円形のガラス窓95Wを通して視認可能となっている。遊技領域R1の所定位置には、液晶表示装置32(TFT−LCDモジュール)や各種入賞口14A,14B,15,20,21等の各種役物が備えられている。
【0040】
液晶表示装置32は、遊技領域R1のうち略中央に配置されている。液晶表示装置32の下側には、その左右方向の中央に、第1及び第2の始動入賞口14A,14B、大入賞口15及びアウト口16が、上から順に間隔を開けて並べて設けられ、左右両側部には、誘導レール12に沿って一般入賞口20,21及びサイドランプ22,22がそれぞれ設けられている。また、液晶表示装置32の左側には、始動ゲート18と風車19とが上下に並べて設けられている。これら各種入賞口14A,14B,15,20,21,液晶表示装置32等の役物以外に、遊技領域R1には、遊技球と当接して流下方向を様々に変化させることが可能な図示しない障害釘が分散配置されている。
【0041】
また、
図1に示すように、パチンコ遊技機10の前面のうち遊技領域R1の上方には、左右に1対のスピーカ13A,13Aが設けられている。そして、遊技領域R1の右下方には、普通図柄表示部18H、特別図柄保留数表示部14X、普通図柄保留数表示部18X、特別図柄表示部14Hが上から順に設けられている。さらに、遊技領域R1の下方には、操作ボタン24が設けられている。操作ボタン24は、
図2に示すように、上下左右の移動操作ボタン24U,24D,24L、24RとPUSHボタン24Kとからなり、液晶表示装置32に表示される画像を選択して操作可能になっている。
【0042】
操作ボタン24の下方には、上皿26が設けられ、さらにその下方に皿扉29が取り付けられている。皿扉29の前面中央には、パチンコ遊技機10の前方に膨出して遊技球が貯留可能な下皿28が設けられている。球抜きボタン23を押圧操作すると、上皿26に貯留された遊技球が下皿28に排出される。下皿28の下方には、下皿28に貯留された遊技球をパチンコ遊技機10の外部に排出するための球排出ボタン25Cが設けられている。皿扉29の右側部には、本発明に係る「遊技進行操作部」に相当する発射操作ノブ27が備えられ、この発射操作ノブ27を回動操作することで図示しない発射装置から遊技球が遊技領域R1に向かって発射される。なお、発射操作ノブ27に限らず前述の操作ボタン24も本発明に係る「遊技進行操作部」として構成してもよい。
【0043】
次に所要の各部位についてさらに詳説する。一般入賞口20,21は、所謂、ポケット構造をなし、遊技球が丁度1つ入球可能な大きさで上方に開口している。一般入賞口20,21へ入球すると、その遊技球は遊技板11の裏側に取り込まれ、代わりに所定数の賞球がパチンコ遊技機10の前面に備えた上皿26に払い出される。
【0044】
始動ゲート18は、遊技球が潜って通過可能な門形構造をなし、通過した遊技球は始動ゲート18に内蔵された普通図柄始動スイッチ18W(
図4参照)によって検出される。この検出信号に基づいて、普通図柄当否判定が行われ、普通図柄表示部18Hにて変動表示後に判定結果が停止表示される。詳細には、普通図柄表示部18Hを構成する1つのLEDが、普通図柄変動中は点灯と消灯を繰り返し(点滅し)、普通図柄外れの場合消灯して非点灯状態となり、前記した普通図柄当否判定の結果が当り(以下「普通図柄当り」と呼ぶ)の場合点灯して停止表示する。この停止表示は、次の変動表示が開始されるまで続けられる。
【0045】
普通図柄表示部18Hが変動表示の最中に始動ゲート18を遊技球が通過した場合、その通過球は最大で4個まで保留記憶され、その保留球数は、普通図柄保留表示部18Xにて表示される。詳細には、普通図柄保留表示部18Xの2つのLEDによって、消灯、点灯、点滅を組み合わせて、普通図柄保留球数(0〜4個)を表示する。そして、普通図柄表示部18Hの変動表示が終了すると、その保留記憶に基づいて再び普通図柄表示部18Hが変動表示される。
【0046】
第1及び第2の始動入賞口14A,14Bは、上下方向に並んで配置されている。各始動入賞口14A,14Bは、共に遊技板11から突出した部材の上面に開口を備えた、所謂、ポケット構造をなしている。そして、各始動入賞口14A,14Bに入った遊技球は、遊技板11に設けた図示しない貫通孔を通って、遊技板11の裏側に回収される。
【0047】
上側に配置された第1の始動入賞口14Aは、遊技球が1つだけ入る開口幅を有している。一方、下側に配置された第2の始動入賞口14Bは、第1の始動入賞口14Aの真下に配置され、その開口の左右両側には可動翼片14C,14Cが備えられている。これら両可動翼片14C,14Cは、常には起立状態になっており、両可動翼片14C,14Cに挟まれた第2の始動入賞口14Bの開口幅は、遊技球が1つだけ入る大きさとなっている。また、第2の始動入賞口14Bの上方空間は、常には、第1の始動入賞口14Aを構成する部材と可動翼片14C,14Cとで囲まれて、遊技球が入らないようになっている。そして、普通図柄当りであった場合に、遊技板11の裏に設けたソレノイドが駆動されて、可動翼片14C,14Cが所定期間(例えば、0.4秒間)に亘って横に倒される。すると、第2の始動入賞口14Bの上方空間が側方に開放し、第1の始動入賞口14Aの両脇を通過した遊技球が可動翼片14Cに受け止められて第2の始動入賞口14Bに案内されるようになる。
【0048】
ここで、普通図柄当りとなる確率は、途中で変化し得る。即ち、低確率時の5/241と、高確率時の240/241との2種類が設けられている。以下、低確率時を「通常状態」及び「通常遊技状態」、高確率時を「確変状態」及び「特別遊技状態」とし、確変状態で行われる遊技を「確変遊技」などという。
【0049】
各始動入賞口14A,14Bに遊技球が入賞すると、各始動入賞口14A,14B内に設けた始動入賞口検出スイッチ14W,15W(
図4参照)が遊技球を検出し、その検出信号に基づいて、例えば、4個の遊技球が賞球として上皿26に払い出されると共に、特別図柄当否判定が行われ、液晶表示装置32及び特別図柄表示部14Hにおいて変動表示される。
【0050】
具体的には、液晶表示装置32には、
図1に示すように、通常、3つの左、中、右の装飾図柄32A,32B,32Cが横並びに表示されている。これら各装飾図柄32A,32B,32Cは、例えば、「0」〜「9」の数字を表記した複数種類のもので構成されており、通常は、各装飾図柄32A,32B,32Cごと、所定の種類のものが停止表示されている。そして、始動入賞口14A,14Bに遊技球が入賞したときに、これら3つの装飾図柄32A,32B,32Cが、上下方向にスクロール表示され、所定時間後に、例えば、左、中、右の順で各装飾図柄32A,32B,32Cが停止表示される。
【0051】
本実施形態のパチンコ遊技機10では、「当り」は、一連の可動扉15Tの開放動作が終了してから、次ぎに当りになる確率が高くなる「確変」の特典が付いているものといないものとに分類される。装飾図柄32A,32B,32Cは、後述する主制御基板50により決定された当否及び大当りの種別に基づき、サブ制御基板57において図柄の組み合わせが決定される。大当りの場合、大当りの種別が通常大当りの場合「偶数(2,4,6,8)のぞろ目」が選択され、確変大当りの場合「奇数(1,3,5,7)のぞろ目」が選択される。
【0052】
なお、本実施形態において、液晶表示装置32で変動停止表示される各装飾図柄32A,32B,32Cのうち、最後に停止表示される装飾図柄(例えば中装飾別図柄32B)を除いて他の装飾図柄(例えば左装飾図柄32Aと右装飾図柄32C)が同一となる状態(最終停止図柄を除いて大当りの特別図柄組み合わせと等しくなる状態であり、最終的に大当りとなる場合と外れとなる場合が含まれる状態)をリーチ状態という。以上が遊技領域R1に備えた各種役物に関する説明である。
【0053】
そして、特別図柄表示部14Hにおいても、変動表示後に判定結果が停止表示される。詳細には、特別図柄表示部14Hは、2つの7セグメント表示器にて構成され、特別図柄変動中は「−」が点滅表示され、
図60に示す特別図柄組合せ表に示すように前記した特別図柄当否判定の結果が当り(以下「特別図柄当り」と呼ぶ)の場合、0〜9の数字とA〜Jのアルファベットの100通りの組み合わせによって表示され、外れの場合、「−−」が表示される。この停止表示は、次の変動表示が開始されるまで続けられる。
【0054】
特別図柄表示部14H及び液晶表示装置32において変動表示又は「大当り状態」の最中に始動入賞口14A,14Bに遊技球が入賞した場合、その入賞球は最大で4個まで保留記憶され、普通図柄保留表示部18Xと同様に特別図柄保留表示部14Xにて保留球数が表示される。そして、特別図柄表示部14H及び装飾図柄32A,32B,32Cが停止表示又は「大当り状態」が終了すると、その保留記憶に基づいて再び特別図柄表示部14H及び装飾図柄32A,32B,32Cが変動表示される。
【0055】
ここで、特別図柄当りとなる確率も、途中で変化し得る。即ち、低確率時の1/315と、高確率時の10/315との2種類が設けられている。また、通常当りとなる確率は40/100に設定され、確変当りとなる確率は60/100に設定されている。
【0056】
大入賞口15は、横長矩形に形成されて、常には、可動扉15T(
図1参照)にて閉塞されている。そして、特別図柄当りであった場合、遊技板11の裏に設けた大入賞口ソレノイドが駆動され、可動扉15Tが所定期間に亘って前側に倒れる。これにより、大入賞口15が開放され、可動扉15Tを案内にして、大入賞口15に多くの遊技球が入賞可能となる。
【0057】
大入賞口15の内部には、計数入賞口が設けられている。計数入賞口内には、カウントセンサが設けられており、遊技球の入賞を検出すると入賞球数をカウントし、入賞球が前記したように計10個に達したか否かをチェックする。なお、大入賞口15に遊技球が入賞すると、例えば、15個の遊技球が賞球として上皿26に払い出される。
【0058】
図3に示すように、パチンコ遊技機10の後面には、各種制御基板を覆うケースが設けられている。具体的には、パチンコ遊技機10の後面中央には、主制御基板50が設けられ、この主制御基板50の上方には、サブ制御基板57、演出制御基板70、サブドライブ基板71が設けられている。さらに、各制御基板50,57,70,71の下方には、電源基板60、払出制御基板58、発射制御基板56が備えられている。なお、これら各制御基板が、本発明に係る「遊技制御手段」として機能する。
【0059】
次に、
図4を参照しつつ、本実施形態のパチンコ遊技機10の電気的な構成について説明する。
【0060】
同図において符号50は、主制御基板50であって、CPU51AとRAM51B及びROM51C、複数のカウンタを備えたマイクロコンピュータと、該マイクロコンピュータとサブ制御基板57、図柄表示基板90を結ぶ入出力回路と、大入賞口15等が接続された中継端子板80及び払出制御基板58等を結ぶ入出力回路を備え、遊技に関わる主制御を行う。CPU51Aは、本発明に係る「遊技
」を制御する「遊技制御手段」に相当し、当否判定を行う当否判定手段に相当し、制御部、演算部、各種カウンタ、各種レジスタ、各種フラグ等を備え、演算制御を行う他、特別図柄当りや普通図柄当りに関する乱数等も生成し、また制御信号をサブ制御基板57等へ出力(送信)可能に構成されている。RAM51B
は、始動入賞口検出スイッチ14W,15Wで検出された特別図柄用保留球数及び普通図柄始動スイッチ18Wで検出された普通図柄用保留球数の記憶領域、CPU51Aで生成される各種乱数値用の記憶領域、各種データを一時的に記憶する記憶領域やフラグ、CPU51Aの作業領域を備える。ROM51Cには、後述する主制御基板メインプログラムPG1(
図14参照)や制御データ、特別図柄表示部14Hや普通図柄表示部18Hでの変動表示に関する図柄変動データ等が書き込まれている他、特別図柄当り及び普通図柄当りの判定値等が書き込まれている。主制御基板50は、電源基板60から電源供給を受けて作動する。
【0061】
サブ制御基板57は、主制御基板50と同様に、CPU52AとRAM52B及びSRAM52D、ROM52C、複数のカウンタを備えたマイクロコンピュータと、前記マイクロコンピュータと主制御基板50を結ぶ入出力回路と、前演出制御基板を結ぶ入出力回路を備えている。CPU52Aは、本発明に係る「パスワード生成手段」、「遊技制御手段
」に相当し、後述する遊技モードの制御も行う。ROM52Cは、後述するサブ制御基板メインプログラムPG2(
図32参照)やデータ、定数等が記憶され、RAM52Bは、各種データの記憶領域とCPU52Aによる作業領域を有し、SRAM52Dは、サブ制御基板57に設けられたボタン電池等のバックアップ手段により、電源の供給が停止している状態でも、記憶内容を保持可能となっている
。SRAM52Dは、RAM自体で記憶内容を保持可能に構成されたRAMを採用してもよいし、RAM52Bは、CPUに内蔵されていてもよい。
【0062】
サブ制御基板57は、パチンコ遊技機10のランプ装置等の電飾制御やモータ等の駆動装置の駆動制御を行っている。本実施形態では、サブドライブ基板71を介してランプ装置の一部及び駆動装置を制御している。また、音声制御基板55によって制御された音声が演出制御基板70を介してサブ制御基板57に接続されたスピーカ13A,13Aから出力される。さらに、操作ボタン24と接続されており、操作ボタン24の操作を検出して電飾制御及び駆動制御が可能となっている。
【0063】
また、サブ制御基板57は、主制御基板50から出力された制御信号を受信し、受信した制御信号に基づいて、演出制御基板70へ制御信号を出力している。主制御基板50からの制御信号には、装飾図柄の変動パターン、遊技の当否情報が含まれ、サブ制御基板57により電気的作動部材を制御するための制御信号が含まれている。電気的作動部材としては、ランプ装置、演出制御基板70(液晶表示装置32等を含む)、駆動装置等が挙げられる。そして、後述する演出制御基板70に対して送信する制御信号には、装飾図柄の変動表示や予告を含む液晶表示装置32での表示(演出)内容を指示するための制御信号が含まれている。即ち、サブ制御基板57では、主制御基板50から受信した変動パターンに応じた予告の選択(抽選)やシナリオの選択(抽選)も行っている。なお、サブ制御基板57のCPU52Aの機能を主制御基板50のCPU51Aや演出制御基板70のCPU53Aや他の制御基板のCPUが行うように構成してもよい。
【0064】
サブドライブ基板71はサブ制御基板57と接続され、サブ制御基板57から出力された電飾装置及び駆動装置を駆動させるための制御信号を中継するための基板である。本発明とは直接関わりのない部分であるため詳細な説明は省略する。
【0065】
演出制御基板70は、サブ制御基板57からの制御信号に基づきCPU53AがROM53Cから所定の表示制御データを読み出し、RAM53Bの記憶領域で制御用データを生成してVDP(図示せず)に出力する。VDPは、CPU53Aからの指令に基づいてROM53Cから必要なデータを読み出し、液晶表示装置32で表示する表示画像(装飾図柄32A,32B,32C、演出図柄、背景画像、キャラクター画像、文字画像等)のマップデータを作成し、VRAMに格納する。VRAMに格納記憶された画像データは、入出力回路に備えるD/A変換回路にてRGB信号に変換されて液晶表示装置32に出力される。また、CPU53Aは、サブ制御基板57からの制御信号に基づいて、音声に関わる制御信号を音声制御基板55に出力する。
【0066】
音声制御基板55は、演出制御基板70と配線等による電気的接続手段により接続されて、演出制御基板70を介してサブ制御基板57から出力される制御信号に基づきスピーカ13A,13Aから発生されるBGMや演出時の音声の選択を行い、スピーカ13A,13Aからの音声を制御する。具体的には、ROMから必要な音声データを読み出し、演出制御基板70を介してサブ制御基板57に出力する。なお、本実施形態においては音声制御基板55は演出制御基板70と併せて同一の基板ケースに収納されている。
【0067】
図柄表示基板90は、LEDを配置して構成された特別図柄表示部14H、普通図柄表示部18H、特別図柄保留数表示部14X,普通図柄保留数表示部18Xを備え、主制御基板50から出力したデータに基づいてそれぞれ点灯するように構成されている。
【0068】
本実施形態のパチンコ遊技機10では、賞球を付与する遊
技の実行中に、所謂ロールプレイングゲームの要領で遊技状態が進行し得る遊
技が行われる。なお、これら遊技は、本発明に係る「遊技進行操作部の操作に起因して所定の遊技状態進行条件が成立したことに基づいて遊技状態が進行し得る遊技」に相当し、遊技媒体を用いて行う遊技に限られない。
【0069】
具体的には、遊技球が始動入賞口14A,14Bに入球したことに起因して、賞球が払い出される。このとき、特別図柄当否判定が行われ、特別図柄表示部14Hが変動すると共に、サブ制御基板57では、その変動時間内に主制御基板50から受信した変動パターンコマンドと変動態様決定用カウンタの値に応じて、
図61に示すシナリオテーブルからシナリオが選択され、液晶表示装置32の表示画面上で様々な演出が行われる。
【0070】
本実施形態のシナリオには、「ど外れ」、「敵キャラクターが出現し戦うもの(倒す場合と倒せない場合がある)」、「宝箱(中身は、空、お金、装備、アイテム等)が出現するもの」が設定されている。シナリオの中には、遊技者が操作ボタン24を操作することで、キャラクターが獲得可能な装備やアイテムが変化するように設定されているものもある。そして、敵キャラクターを倒した場合に取得可能な経験値は、敵キャラクターの種類(小・中・大)に応じて段階的に設定されている。即ち、シナリオ(変動パターン)及び操作ボタン24の操作に応じて、キャラクターのレベルや所持金、装備、経験値等の遊技情報が変化する(本発明に係る「遊技状態進行条件」に相当する)ことで遊技状態が進行する。
【0071】
なお、キャラクターとしては、「アッシュ」、「レン」、「ドラドラ」の3キャラクターが存在する。詳述はしないが、操作ボタン24を操作することで、メインキャラクターを変更することができるようになっている。
【0072】
そして、前述のキャラクターのレベルや所持金、装備、経験値等の遊技情報は、遊技状態の進行に伴ってRAM52Bに記憶される。
図62には、RAM52Bに記憶される遊技情報(演出データ)の一覧が示されている。なお、以下説明するデータ番号1〜20の値のうち
、データ番号1〜3、5〜20の各データが本発明に係る「再現用遊技情報」に相当し、データ番号1〜3の値が本発明に係る「メイン再現用遊技情報」に相当し、データ番号5〜20の値が本発明に係る「サブ再現用遊技情報」に相当する。
【0073】
データ番号1は、ストーリー進行の情報であり、「0」〜「3」の値で2ビット構成となっている。ストーリーとしては、魔法の国(初期設定の国「0」)、氷の国(「1」)、火の国(「2」)、伝説の国(「3」)の4つの国が存在し、そのストーリーは、各国にそれぞれ存在する大ボス(敵キャラクター)との大当り遊技中に行われるボスバトルの結果、次述するデータ番号2に示す大ボスの残りパワーが「0」になると、次の国へ移行するという形で進行する。
【0074】
データ番号2は、現在の大ボスの残りパワーのデータであり、「0」〜「50」の値でボスバトルによって変動し、6ビット構成となっている。
【0075】
データ番号3は、8ビットSUM値であり、データ番号1,2,4の値を合計して256で割った余り値で算出され、「0」〜「255」の値で8ビット構成となっている。データ番号1,2,4の値が変更される度に再計算される
。
【0076】
データ番号4は、「0」〜「255」の値で8ビット構成のランダム値であり、「パスワード生成用乱数」として使用される。
【0077】
データ番号5〜7は、各キャラクターのレベルのデータであり、「0」〜「998」の値で10ビット構成となっている。レベルは、変動パターンに応じて行われる敵キャラクターとのバトルの結果、次述するデータ番号8〜10に示す経験値が最大値になると、1から2というようにレベルが上がる。
【0078】
データ番号8〜10は、各キャラクターの経験値のデータであり、「0」〜「49」の値で6ビット構成となっている。変動パターンに応じて行われる敵キャラクターとのバトルの結果、敵キャラクターを倒すと、倒した敵キャラクターに応じて経験値が取得される。
【0079】
データ番号11は、キャラクターの所持金を表すお金のデータであり、「0」〜「99999」の値で17ビット構成となっている。なお、所持金については、キャラクター毎に設定されず、3人のキャラクター一団の所持金となっている。お金(単位はG)も経験値同様に、敵キャラクターを倒すか或いは宝箱を見つけた場合に取得可能となっている。
【0080】
データ番号12〜17は、各キャラクターの装備(武器、防具、アクセサリー)のデータであり、「0」〜「127」の値で7ビット構成又は「0」〜「63」の値で6ビット構成となっている。変動パターンに応じて宝箱を発見した場合や、遊技者により遊技の中で購入することで取得可能となっている。
【0081】
データ番号18は、クリア回数のデータであり、「0」〜「31」の値で5ビット構成となっている。伝説の国の大ボスを倒した時点でストーリーがエンディングを迎えてクリアとなる。即ち、伝説の国の大ボスを倒した回数のデータとなる。
【0082】
データ番号19は、大事な物のデータであり、「0」〜「15」の値で4ビット構成となっている。変動パターンに応じて宝箱から取得可能であり、ボスバトルの結果に影響を及ぼすアイテムである。
【0083】
データ番号20は、8ビットSUM値であり、データ番号1〜19の値を合計して256で割った余り値で算出され、「0」〜「255」の値で8ビット構成となっている。データ番号1〜19の値が変更される度に再計算される
。
【0084】
さて、本実施形態のパチンコ遊技機10では、本発明に係る「待機状態」に相当する所謂客待ち状態において、
図6に示すような図柄待機画面が表示される。そして、図柄待機画面が表示されてから30秒が経過するか、或いは、図柄待機画面が表示されてから操作ボタン24のPUSHボタン24Kが連続して5回押下されると、そのときの遊技状態(本発明に係る「所定進行状態」に相当する)を構成する遊技情報(前述のデータ番号1〜20の値)を暗号化してパスワードを生成し、液晶表示装置32にパスワード確認画面(
図7参照)を表示し、「現在のパスワード」として表示(報知)する構成になっている。
【0085】
これにより、遊技者は落ち着いてパスワードを控えることができると共に、遊技者が遊技を途中で止めても、その時点のパスワードを記憶しておき、そのパスワードを入力することで、パスワード発行(報知)時点の遊技情報(データ番号1〜20の値)が復元されて、再現された遊技状態から遊技を進行することができるようになっている。
【0086】
本実施形態では、パスワードは、ひらがな24文字のフルパスワード
(本発明の「長列パスワード」に相当する)として構成され、本発明に係る「
短列パスワード」に相当する先頭4文字のショートパスワードと
、残り20文字のロングパスワードからなる。そして、パスワードが表示(報知)される際には、ショートパスワードとロングパスワードを合わせて、必ずフルパスワードの24文字が表示される(
図7参照)。このとき、ショートパスワードに該当する4文字と、ロングパスワードに該当する20文字とは、明確に異なる態様(例えば、文字色が異なる、文字の大きさや形状が異なる等)で表示される。
【0087】
本実施形態では、後述する「パスワード確認画面1処理(S801,
図43参照)」によって、上記したRAM52Bに記憶されているデータ番号1〜4の値からショートパスワードが作成(暗号化)され、後述する「パスワード確認画面2処理(S802,
図44参照)」によって、上記したRAM52Bに記憶されているデータ番号5〜20の値とパスワード生成用乱数値(データ番号4の値)からロングパスワードが作成(暗号化)されてフルパスワードが生成される。即ち、ショートパスワードには、「ストーリー進行(どの国まで進んでいるか)、敵キャラクターの残りパワー」の情報が含まれ、ロングパスワードには「各キャラクターのレベル、経験値、お金、武装、防具、アクセサリー、クリア回数、大事な物」の情報が含まれている。
【0088】
以下、ショートパスワードの生成について詳説する。
図63の(1)に示すように、RAM52Bに記憶されているデータ番号1〜4の情報を用意し、各ビットデータを24ビットのビットデータの最下位ビットから順に詰めて並べる。具体的には、データ番号1の2ビットデータを0ビット目と1ビット目にセットし、データ番号2の6ビットデータを2〜7ビット目にセットし、データ番号3の8ビットデータを8〜15ビット目にセットし、データ番号4の8ビットデータを16〜23ビット目にセットして、24ビットデータを作成する。
【0089】
例えば、魔法の国「0」、ボスの残りパワー「50(100%)」、パスワード生成用乱数値(データ番号4のランダム値)が「0]の場合、8ビットSUM値(データ番号3の値)は「50」となり、ここで作成される24ビットデータは、「000000000011001011001000」となる。以下、このデータを元に具体例を説明する。なお、本実施形態では紙面の右側のビットを下位ビット(Bit0)として説明する。
【0090】
図64には、「0〜255」のパスワード生成用乱数値に対応させて、16ビットの変換用ビットデータを予め256種類記憶したビットストリームデータが示されている。そして、
図63の(2)に示すように、パスワード生成用乱数値に応じて、16ビットの変換用ビットデータを一つ選択し、選択された変換用ビットデータと、24ビットデータのうち0〜15ビット目の16ビットデータ(データ番号1〜3の16ビット)との、排他的論理和(XOR)を演算する。
【0091】
具体的には、パスワード生成用乱数値が「0」であるので、変換用ビットデータは、「1011101101100101」が選択され、16ビットデータ「0011001011001000」と変換用ビットデータ「1011101101100101」のXORは、「1000100110101101」となる。
【0092】
図65には、24ビットデータの各ビットについて、入れ替え先ビットを指定した入れ替えテーブルが示されている。そして、
図63の(3)に示すように、排他的論理和(XOR)により作成された16ビットデータと、パスワード生成用乱数値の8ビットデータを合わせて24ビットデータとし、
図65に示す予め決定された法則に基づいて、24ビットデータの各ビットの順番を入れ替える。
【0093】
具体的には、排他的論理和(XOR)により得られた16ビットデータ「1000100110101101」に、パスワード生成用乱数値(データ番号4のランダム値)の8ビットデータ「00000000」を合わせて、24ビットデータは「000000001000100110101101」となり、0ビット目は18ビット目に、18ビット目は23ビット目に、23ビット目は3ビット目に・・・、というようにして入れ替える。すると、入れ替え後の24ビットデータは、「001001101000010000100101」となる。
【0094】
続いて、
図63の(4)に示すように、入れ替えた24ビットデータを6ビット毎に区分し、0〜5ビット目をG0、6〜11ビット目をG1、12〜17ビット目をG2、18〜23ビット目をG3として、4つの6ビットデータグループを作成し、作成した6ビットデータグループG0〜G3の値を合計して64で割った余り値である6ビットSUM値を求める。
【0095】
具体的には、G0が「100101(10進数で37)」、G1が「010000(10進数で16)」、G2が「101000(10進数で40)」、G3が「001001(10進数で9)」となり、G0〜G3の値を合計すると、「1100110(10進数で102)」となり、これを64で割った余り値である6ビットSUM値は、10進数で「38」となる。
【0096】
図66には、6ビットSUM値に対応させて、G0〜G3のデータグループの各グループの入れ替え先グループを予め64種類記憶した入れ替えテーブルが示されている。そして、
図63の(5)に示すように、6ビットSUM値に応じて、入れ替え順序を一つ決定し、G0〜G3の順序を入れ替える。
【0097】
ここでは、6ビットSUM値が「38」であるので、入れ替え順序は「1 2 3 0」となり、G0はG1、G1はG2、G2はG3、G3はG0となる。即ち、G0が「001001(10進数で9)」、G1が「100101(10進数で37)」、G2が「010000(10進数で16)」、G3が「101000(10進数で40)」となる。
【0098】
図67には、ビットデータに対応させて、パスワードを構成しうる文字を予め記憶した文字データが示されている。そして、
図63の(6)に示すように、入れ替えた6ビットデータグループ毎に対応する文字を設定する。
【0099】
即ち、G0は「001001(10進数で9)」で「な」、G1は「100101(10進数で37)」で「う」、G2は「010000(10進数で16)」で「で」、G3は「101000(10進数で40)」で「る」となり、ショートパスワード「な う で る」が生成される。
【0100】
同様にして、
図68の(2)〜(7)に示すように、RAM52Bに記憶されている上記データ番号5〜20の値とパスワード生成用乱数値(データ番号4の値)から120ビットのビットデータが生成され、ひらがな20文字のロングパスワードが作成(暗号化)され、フルパスワードが生成される。ロングパスワード作成時は、ショートパスワード作成時の24ビットから120ビットへとデータ数が増加するが、行う手順や演算はショートパスワード作成時と同様である。これにより、遊技情報(データ番号1〜2又はデータ番号5〜19の値)が同じであっても異なるパスワード生成用乱数値(データ番号4)によって異なるパスワードが生成される。また、パスワードの文字から遊技情報(データ番号1〜2,5〜19の値)を推測することが極めて困難となり、遊技者によりパスワードが容易に解読されてしまい遊技を経ずに取得されたパスワードが遊技に使用されるという事態を防ぐことができる。
【0102】
ところで、本実施形態では、遊技モードとして、
図5に示すように、「バックアップモード」、「初期化モード」、「パスワードモード」の3種類のモードを管理している。
【0103】
バックアップモードは、パチンコ遊技機10の電源オンにより設定される遊技状態であり、SRAM52Dに記憶されたデータ番号1,2の値をRAM52Bに読み込むと共に、SRAM52Dに記憶されたデータ番号4の値を更新してRAM52Bに読み込み、データ番号5〜19の初期値を使用して(データ番号3,20の値は再計算されて)遊技状態を再現する。
【0104】
一方、初期化モードは、パスワード確認画面(
図7参照)にて「最初から遊ぶ」を選択し、現データ消去確認画面(
図8参照)にて「はい」を選択した場合に設定されるモードであり、デモ画面(図示せず)へ以降した後、現在の遊技状態(RAM52B)のうち、パスワード生成用乱数値(データ番号4の値)以外のデータを初期化して(データ番号3,20の値は再計算されて)遊技状態を再現する。なお、このとき、SRAM52Dに記憶されたデータ(データ番号1〜4)は、初期化されないようになっている。
【0105】
そして、パスワードモードは、本発明に係る「再現遊技開始態様」に相当し、パスワード確認画面(
図7参照)にて「つづきから遊ぶ」を選択し、パスワード入力画面(
図9参照)にてパスワードの入力に成功した(パスワードが正しい)場合に設定されるモードである。遊技者が入力したパスワードを、前述した暗号化(
図63及び
図68参照)と逆の手順で復号化し、パスワード発行時点の遊技情報(データ番号1〜20の値であり、遊技状態の所定進行状態に相当する)をRAM52Bに復元することで、遊技状態を再現する。なお、「パスワードが正しい」とは、パスワードが、前述したパスワードの暗号化方法に則った正規の文字であることを意味する。
【0106】
遊技者は、24文字のフルパスワード全てを使用しないで、最初の4文字のショートパスワードのみを使用することも可能になっている。即ち、遊技者は、報知されたパスワードの一部を控えるか全部を控えるかを適宜選択できる。ここで、4文字より多く入力した場合には、ショートパスワードとして認識されないため、ロングパスワードが正しくないと、ショートパスワードを正しく入力していても正しいパスワードとして認識されない
。
【0107】
ショートパスワードであれば、データ番号5〜20は初期値が使用され、パスワードに含まれるストーリー進行と敵キャラクターの残りパワー(データ番号1〜4の値)のみに係る遊技状態だけを再現させることができるし、フルパスワードであれば、パスワードに含まれる遊技情報の全て(データ番号1〜20の値)に係る遊技状態を再現させることもできる。これにより、現在の遊技状態(RAM52B)がパスワードに応じた遊技状態に変更される。
【0108】
そして、上記のように遊技状態(RAM52B)が再現された状態(遊技状態の所定進行状態が再現された状態)で、遊技球を発射して遊技を始めると、遊技情報(データ番号1〜2,5〜19の値)に基づき、演出画面を変更するためのコマンドが演出制御基板70に送信されて、現在の遊技状態が画面上に表示され、再現時点から遊技を進行することができるようになっている。その後は、遊技状態の進行に応じてRAM52Bの遊技情報(データ番号1〜3,5〜20の値)が更新される。これにより、常にRAM52Bに記憶されている遊技情報(データ番号1〜20の値)からパスワードを生成することができる。
【0109】
なお、電源のオフ後、オンしてから1度も発射操作ノブ27が操作されていない待機状
態、或いは、電源のオフ後、オンしてから発射操作ノブ27が操作されていても、バックアップモードでストーリー進行と敵キャラクターの残りパワーの遊技情報(データ番号1〜4の値)が変化していない状
態では、RAM52Bに記憶されている遊技情報(データ番号1〜20の値)のうち、データ番号1〜4の値はSRAM52Dに記憶されたデータ番号1〜4の値と等しいので、SRAM52Dに記憶されている遊技情報(データ番号1〜4)を含むパスワードが生成される。
【0110】
初期化モードとパスワードモードは、パスワード確認画面(
図7参照)にて遊技者が任意に選択することでお互いに移行可能となっている。そして、一度でも初期化モード或いはパスワードモードへ移行した場合、次にパチンコ遊技機10の電源オンがされるまで再びバックアップモードへは移行できないように構成されている。
【0111】
なお、パスワード確認画面(
図7参照)でどちらの選択肢も選択せずに始動入賞口14A,14Bに遊技球の入球があった場合は、直前のモードにて遊技が開始され、現状のRAM52Bの遊技情報が遊技の進行に応じて更新される(本発明に係る「継続遊技開始態様」に相当する)。即ち、遊技者は、パスワードモード、初期化モード、直前のモード(バックアップモード終了前であればバックアップモードを含む)、の何れかのモードを選べるように構成されているので、遊技者の多様な好みに対応することができる。
【0112】
上記した本実施形態のパチンコ遊技機10の動作を実現するため、主制御基板50、サブ制御基板57等は、前記した主制御基板メインプログラムPG1、サブ制御基板メインプログラムPG2等を実行して、情報を処理している。以下、主制御基板50及びサブ制御基板57における情報処理に関して詳説する。
【0113】
図13には、主制御基板50に備えられたRAM51Bの記憶領域R0が概念的に示されている。この記憶領域R0は、例えば、複数のアドレス空間に区分されてアドレス(番地)が付されている。そして、所定のアドレス空間に設けられたカウンタ値記憶領域R10が、表1(A)に示した各種の乱数カウンタ値のデータ格納部になっている。また、アドレス空間に設けられた普通図柄カウンタ値記憶領域R11が、表1(B)に示した普通図柄当りの判定を行うための乱数カウンタ値のデータ格納部になっている。さらに、このアドレス空間は、乱数カウンタのデータ格納部以外にも、例えば、フラグ等のデータ格納部としても用いられている。また、RAM51Bには、カウンタ値の更新値記憶領域、CPU51Aの作業領域も備えられている。
【0115】
上記表1(A)において、「大当り判定用(ラベル−TRND−A)」乱数カウンタは、大当りの判定に用いられ、0〜629の乱数からなる。また、「大当り図柄決定用(ラベル−TRND−AZ)」乱数カウンタは、大当りの場合の大当りの種別を決定するのに用いられ、0〜99の乱数からなる。具体的には、
図60に示すように、「大当り図柄決定用(ラベル−TRND−AZ)」乱数カウンタ値が0〜39であれば通常15R当りであり、40〜99であれば確変15R当りとなる。そして、「リーチ有無決定用(ラベル−TRND−RC)」乱数カウンタは、大当り判定乱数値による当否判定結果が外れとなる場合において、リーチ状態を経るか否かを決めるリーチ有無決定用のものであり、0〜126の乱数からなる。なお、大当りの場合、本実施形態では必ずリーチになるため、「リーチ有無決定用(ラベル−TRND−RC)」乱数カウンタは使用されない。そして、「変動態様決定用(ラベル−TRND−T)」乱数カウンタは、変動パターンテーブルから変動パターンを選択する際に用いられるものであり、0〜250の乱数からなる。上記表1(B)において、「普通図柄当り判定用(ラベル−TRND−H)」乱数カウンタは、普通図柄当りの判定に用いられ、0〜240の乱数からなる。
【0116】
これら表1に示された乱数カウンタは、パチンコ遊技機の電源オン時0から始まって後述する乱数更新処理(S3,S14)ごとに1ずつ加算され、「数値範囲」の最大値に至ると0にされて再び前記加算を繰り返すようになっている。そして、逐次、そのカウント結果、即ち、「カウンタ値」が、
図13の記憶領域R0のうちカウンタ値記憶領域R10,R11とは別の更新値記憶領域に格納されていく。これにより、更新値記憶領域に格納されているデータが更新されていき、上記表1に示した各乱数カウンタのカウンタ値同士の組み合わせが変化していく。
【0117】
そして、始動入賞口14A,14Bに遊技球が入賞したときには「大当り判定用(ラベル−TRND−A)」乱数カウンタ、「大当り図柄決定用(ラベル−TRND−AZ)」乱数カウンタ、「リーチ有無決定用(ラベル−TRND−RC)」乱数カウンタ、「変動態様決定用(ラベル−TRND−T)」乱数カウンタの値がカウンタ値記憶領域R10に格納(記憶)され、始動ゲート18を遊技球が通過したときには「普通図柄当り判定用(ラベル−TRND−H)」乱数カウンタの値が普通図柄カウンタ値記憶領域R11に格納(記憶)される。
【0118】
ここで、カウンタ値記憶領域R10には、上記した始動入賞口14A,14Bに記憶される保留球数の保留上限数の「4つ」に対応して4組の乱数値群(更新値記憶領域の各種カウンタ値群)が格納(記憶)されるようになっている。また、普通図柄カウンタ値記憶領域R11にも、上記した始動ゲート18に記憶される保留球の保留上限数の「4つ」に対応して4組の乱数値群(更新値記憶領域の各種カウンタ値群)が格納(記憶)されるようになっている。
【0119】
主制御基板50に備えたワンチップマイコンは、パチンコ遊技機10の電源をオンすると、ROM51Cから
図14に示した主制御基板メインプログラムPG1を取り出してランする。同図に示すように、主制御基板メインプログラムPG1がランされると、まず初期設定が行われる(S1)。
【0120】
初期設定(S1)では、スタックの設定、定数設定、CPU51Aの設定、SIO、PIO、CTC(割り込み時間用コントローラ)の設定等を行う。具体的には、
図15及び
図16に示すように、まず、割込みを禁止し(S100)、スタック領域を確保するためのスタック領域を設定するスタックポインタ設定処理(S101)を行う。そして、割込みモードを設定する割込設定処理(S102)、RAM51Bのライト許可設定や乱数回路の設定等の各種内蔵デバイスの設定を行う内蔵デバイス設定処理(S103)を行う。
【0121】
続いて、電源投入時待機処理(S104〜S106)を行う。詳細には、繰り返し回数として「60」を設定し(S104)、ウォッチドッグタイマクリア処理(S105)を繰り返し回数分(60回)行う(S106)。そして、バックアップ確認処理(S107〜S117)を行う。詳細には、まず、電源断信号はONか否かが判断される(S107)。電源断信号は、パチンコ遊技機10に供給されている電源の電圧に対する電源基板60の電源状態監視回路による監視電圧が所定電圧以下に低下したことを検出した場合にONされ、所定電圧以下に低下しない場合OFFの状態で電源基板60から主制御基板50へ出力される。なお、本実施例では、電源断信号はパチンコ遊技機10への電源の供給が停止されている間は、OFFの状態となるように設定されている。即ち、この判定により、電源オン後に電源断が生じているか否かを判定する。
【0122】
ここで、電源断信号がONの場合(S107でyes)、即ち、監視電圧が所定電圧以下に低下したと判定されているときには、電源断信号がONか否かの判定を行う電源状態判定処理(S107)が繰り返される。一方、電源断信号がOFFの場合(S107でno)、続いてRAMクリアスイッ
チがONか否かが判定される(S108)。RAMクリアスイッチがOFFである(RAMクリアスイッチが操作されていない)場合(S108でno)には、電源断フラグが正常(5AH)か否かが判定される(S109)。電源断フラグが正常であると判断されると(S109でyes)、RAM51Bにおけるバックアップエリアに関してRAMのチェックデータが算出される(S110)。RAMのチェックデータは、入力ポートの状態、電源断フラグの値及び電源断時に保護したRAM領域の内容を1バイトごとに加算した後、全ビットを反転して算出される。
【0123】
そして、ステップ110で算出された算出チェックデータと電源断時にRAM51Bに保存されたRAMの保存チェックデータとが比較され(S111)、RAM51Bの算出チェックデータと保存チェックデータが一致する場合には、電源断時にRAM51Bのバックアップエリアに保存されたバックアップデータが正常であると判断されて(S111でyes)、電源復旧時に使用されるRAMの領域(バックアップエリア等)以外の領域が初期化(0にクリア)され(S112)、「電源復旧時の電源投入コマンド」をサブ制御基板57に対して送信し(S113)、ステップ118へ進む。なお、「電源復旧時の電源投入コマンド」には、遊技状態(低確率状態、高確率状態、時短中か否か)に応じた設定値が含まれ、この設定値に基づいてサブ制御基板57も電源復旧時に復帰する。
【0124】
それに対し、RAMクリアスイッチがONと判定された場合(S108でyes)や、電源断フラグが異常と判定された場合(S109でno)や、RAM51Bのチェックデータが一致しないと判定された場合(S111でno)には、RAM51Bの全領域(バックアップエリアを含む)が初期化され、前述した「電源復旧時の電源投入コマンド」とは異なって識別されるように、「RAMクリア時の電源投入コマンド」を、サブ制御基板57に対して送信し(S115)、RAM51Bの初期設定(S116)を行った後、乱数設定処理(S117)を行い、ステップ118へ進む。
【0125】
ステップ118では、CPU周辺デバイスの設定処理を順に行い、割込み許可を設定して(S119)、この処理(S1)を終了する。これにより、待機状態とされ、後述する主制御基板割り込み処理(S5)の割り込みを待つ。なお、初期設定(S1)は、主制御基板メインプログラムPG1が、電源オン後の1回目にランされたときだけ実行され、それ以降は実行されない。
【0126】
図14に示すように、初期設定(S1)に次いで、後述する主制御基板割り込み処理(S5)が実行されるまでの残余時間には、以下のステップ2〜S4の各処理がループして行われる。まず、割り込みが禁止され(S2)、タイマ割り込みが入って来ても割り込み許可となるまで割り込み処理を行わないようにさせる。続いて、乱数更新処理(S3)が実行される。この乱数更新処理(S3)では、上記表1に示した乱数カウンタが1加算されて更新される。各カウンタの設定上限値に至ると次に0に戻って再び加算が行なわれる。更新されたカウンタ値は主制御基板50のRAM51Bの記憶領域R0(
図13参照)のうち、前記した更新値記憶領域(図示せず)に逐一記憶される。乱数更新処理(S3)が終了すると、割り込みが許可され(S4)、主制御基板割り込み処理(S5)が実行可能となる。
主制御基板割り込み処理(S5)は、CPU51Aに割り込みパルスが入力すると、例えば、4msec周期で繰り返して実行される。そして、主制御基板割り込み処理(S5)が終了してから、次に主制御基板割り込み処理(S5)が開始されるまでの残余処理期間中に、乱数更新処理(S3)による各種カウンタ値の更新処理が複数回に亘って繰り返し実行される。また、割り込み禁止状態のときにCPU51Aに割り込みパルスが入力した場合は、主制御基板割り込み処理(S5)はすぐには開始されず、割り込み許可(S4)がされてから開始される。
【0127】
主制御基板割り込み処理(S5)について説明する。
図17に示すように、主制御基板割り込み処理(S5)では、まず、入力処理(S11)が行われる。入力処理(S11)では、主にパチンコ遊技機10に取り付けられている各種センサ(普通図柄始動スイッチ18W、始動入賞口検出スイッチ14W,15W、その他センサ、スイッチ類等(
図4参照))が検知した場合の信号入力が行なわれる。
【0128】
入力処理(S11)に次いで行われるコマンド出力処理(S12)では、以下説明する各処理により主制御基板50の出力バッファに記憶された各コマンド(制御信号)等が、対応する制御基板等へ出力される。ここで出力されるコマンド(制御信号)等には、客待ち待機コマンド、変動パターンコマンド、大当りエンディングコマンド等が挙げられる。
【0129】
続いて行われる賞球制御処理(S13)では、賞球に関する処理を行い、賞球用コマンドを設定する。詳細は省略する。
【0130】
次に行われる乱数更新処理(S14)は、主制御基板メインプログラムPG1のループ処理内で行われている上記乱数更新処理(S3)と同じである。即ち、上記表1に示した各種カウンタ値は、主制御基板割り込み処理(S5)の実行期間と、その残余処理期間(主制御基板割り込み処理(S5)の終了後、次の主制御基板割り込み処理(S5)が開始されるまでの期間)の両方で行われている。
【0131】
乱数更新処理(S14)に次いで始動口スイッチ検出処理(S15)が実行される。始動口スイッチ検出処理(S15)は、
図18に示すように、まず、遊技球が始動ゲート18を通過したかどうかを判断する(S150)。このとき、遊技球が始動ゲート18を通過していれば(S150でyes)、ゲート通過処理(S151)が実行される。
【0132】
ゲート通過処理(S151)は、
図19に示されており、普通図柄保留球数をロードし、普通図柄保留球数が4以上であるか判断する(S301)。普通図柄保留球数が4以上でなければ(S301でno)、普通図柄保留球数に1を加算し(S302)、普通図柄乱数取得処理(S303)を実行して更新値記憶領域から普通図柄当り乱数「ラベル−TRND−H」値を乱数として取得して各保留に対応した乱数バッファ(R11)へ転送する。一方、普通図柄保留球数が4以上である場合(S301でyes)、ただちにこの処理(S151)を終了する。
【0133】
図18に示すように、遊技球が始動ゲート18を通過していなければ(S150でno)、又は、ゲート通過処理(S151)に続いて、始動入賞口14A,14Bに遊技球が入賞したかどうか判断する(S152)。そして、始動入賞口14A,14Bに遊技球が入賞していなければ(S152でno)この処理(S15)を終了し、入賞していれば(S152でyes)特別図柄保留球数(始動入賞口の保留球数)をロードし、特別図柄保留球数が4以上であるか判断する(S153)。特別図柄保留球数が4以上である場合(S153でyes)、ただちにこの処理(S15)を終了する一方、特別図柄保留球数が4以上でなければ(S153でno)、特別図柄保留球数に1加算して(S154)、更新値記憶領域から当該入賞に対する各カウンタ(大当り判定用乱数「ラベル−TRND−A」及び大当り図柄決定用乱数「ラベル−TRND−AZ」の値を乱数として取得して各保留に対応した乱数バッファ(R10)へ転送する(S155,S156)。
【0134】
図17に示すように、始動口スイッチ検出処理(S15)に次いで、普通動作処理(S16)が行われる。主制御基板50は、この処理(S16)によって、普通図柄当り乱数「ラベル−TRND−H」値に基づいて、普通図柄当りの判定や普通図柄表示部18Hでの普通図柄の変動及び停止表示、普通図柄当りに基づく始動入賞口14Bにおける可動翼片14C,14Cの開閉を、サブ制御基板57を介さずに直接制御する等、普通図柄当りに関する処理が行われる。本実施形態では、通常遊技時であれば、普通図柄当り乱数「ラベル−TRND−H」値が236〜240の何れかと一致すれば普通図柄当りとなり、確変遊技時であれば、普通図柄当り乱数「ラベル−TRND−H」値が1〜240の何れかと一致すれば普通図柄当りとなる。
【0135】
普通動作処理(S16)に次いで行われる特別動作処理(S17)は、特別図柄表示部14Hの表示状態を直接制御する一方、サブ制御基板57を介して液晶表示装置32を間接的に制御する。
【0136】
この特別動作処理(S17)は、
図20に示されており、特別動作ステータスの値を見て、特別図柄待機処理(S172)、特別図柄変動中処理(S174)、特別図柄確定処理(S176)、特別電動役物処理(S177)の何れかの処理を行う。詳細には、「特別動作ステータス」が「1」である場合に(S171でyes)、特別図柄待機処理(S172)を行い、「特別動作ステータス」が「2」である場合に(S171でno,S173でyes)、特別図柄変動中処理(S174)を行い、「特別動作ステータス」が「3」である場合に(S171,S173で共にno、S175でyes)、特別図柄確定処理(S176)を行い、「特別動作ステータス」が「4」である場合に(S171,S173,S175でno)、特別電動役物処理(S177)を行う。
【0137】
図20に示した特別動作処理(S17)において、特別図柄待機処理(S172)を実行すると、
図21に示すように、特別図柄保留球数が「0」か否かがチェックされる(S202)。特別図柄保留球数が「0」である場合(S202でyes)、即ち、始動入賞口14A,14Bへの入賞に起因して取得された各種カウンタ値の記憶が無い場合には、待機画面であるか否かがチェックされる(S208)。そして、待機画面中である場合(S208でyes)には、直ちにこの処理(S172)を抜ける一方、待機画面中でない場合(S208でno)には、待機画面設定処理(S209)を行ってから、この処理(S172)を抜ける。なお、待機画面設定処理(S209)では、客待ち待機中となったことをサブ制御基板57に認識させるための「客待ち待機コマンド」をセットする。
【0138】
一方、特別図柄保留球数が「0」ではない場合(S202でno)、即ち、始動入賞口14A,14Bへの入賞に起因して取得された各種カウンタ値の記憶が1つ以上ある場合には、以下に説明する特別図柄大当り判定処理(S203)、特別図柄選択処理(S204)、特別図柄変動パターン選択処理(S205)、特別図柄乱数シフト処理(S206)、特別図柄変動開始設定(S207)が行われる。即ち、特別図柄保留球数が0になるまで、これら特別図柄に対する処理(S203〜207)が行われ、特別図柄保留球数が消化されることとなる。
【0139】
特別図柄大当り判定処理(S203)は、「大当り遊技」の実行の可否を判定する。詳細には、
図22に示すように、まず、判定値として、RAM51B(R10)の最下位のカウンタ値記憶領域(即ち特別図柄保留1個目にあたるRAM領域)に記憶された各種乱数値がロードされて、大当り判定用カウンタ「ラベル−TRND−A」値を読み出す(S310)。次に、大当り判定値テーブルのアドレスをセットする(S311)。そして、確変中(確変フラグがセットされている)か否かがチェックされる(S312)。確変中でない場合(S312でno)、すなわち通常遊技状態時では、大当り判定用乱数「ラベル−TRND−A」が「3,397」の何れの当り数値の何れかと一致したか否かがチェックされ(S313)、確変中である場合(S312でyes)、即ち、確率変動遊技状態時では、大当り判定用乱数「ラベル−TRND−A」が、「3,33,53,59,81,87,105,113,157,173,227,249,281,337,397,423,449,503,571,629」の20個の当り数値の何れかと一致したか否かがチェックされる(S315)。
【0140】
そして、各ステップS313,S315において、取得した大当り判定用乱数「ラベル−TRND−A」が何れかの当り数値と一致した場合には(S313でyes又はS315でyes)、大当りフラグをオンして(S314)、この処理(S203)を抜ける。一方、取得した大当り判定用乱数「ラベル−TRND−A」値が何れの当り数値とも一致しなかった場合には(S313でno又はS315でno)、直ちにこの処理(S203)を抜ける。
【0141】
図21に示すように、特別図柄大当り判定処理(S203)に次いで、特別図柄選択処理(S204)が実行される。特別図柄選択処理(S204)は、
図23に示されており、最初に、大当りフラグがONしているか否かが判別される(S320)。大当りフラグがONしている場合(S320でyes)には、ロードした大当り図柄決定用乱数「ラベル−TRND−AZ」の値をセーブする(S321)。
【0142】
一方、大当りフラグがONしていない場合(S320でno)には、外れ図柄の値(本実施形態では「100」)をセーブする(S322)。
【0143】
即ち、特別図柄大当り判定処理(S203)において、大当り判定用乱数「ラベル−TRND−A」を用いた判定を行って遊技の当否が決定され、特別図柄選択処理(S204)にて、その当否に対応した大当り図柄決定用乱数「ラベル−TRND−AZ」が決定される。これにより、遊技の当否種別は、大当り図柄決定用乱数「ラベル−TRND−AZ」に対応するものとなる。
【0144】
図21に示すように、特別図柄選択処理(S204)に次いで、特別図柄変動パターン選択処理(S205)が実行される。
【0145】
特別図柄変動パターン選択処理(S205)は、
図24に示されており、最初に、遊技状態が通常状態(確変フラグがOFF)か否かが判別される(S330)。通常状態であると判断された場合(S330でyes)には、大当りフラグがONしているか否かが判別される(S331)。そして、大当りフラグがONの場合(S331でyes)、
図59に示す変動パターンテーブルのうち、遊技状態が「通常」の「大当り」の欄から、変動態様決定用乱数「ラベル−TRND−T」値に基づいて、変動パターン4〜10の何れかを選択する(S332)。具体的には、例えば、変動態様決定用乱数「ラベル−TRND−T」値が「0〜4」の何れかであるときは変動パターン4が選択され、「5〜21」の何れかであるときは変動パターン5が選択され、「22〜51」の何れかであるときは変動パターン6が選択される。そして、ステップ341へ進む。
【0146】
一方、ステップ331において、大当りフラグがONでない場合(S331でno)には、リーチ有無決定用乱数「ラベル−TRND−RC」値がリーチ成立値であるかが判断される(S333)。本実施形態では、リーチ有無決定用乱数「ラベル−TRND−RC」値が、「5、17、28、40、51、63、74、86、97、109、120」の何れかと一致すると、リーチが成立する。
【0147】
リーチ成立の場合(S333でyes)は、
図59に示す変動パターンテーブルのうち、遊技状態が「通常」の「リーチ有外れ」の欄から、変動態様決定用乱数「ラベル−TRND−T」値に基づいて、変動パターン4,5,6の何れかを選択し(S334)、ステップ341へ進む。一方、リーチ成立でない場合(S333でno)は、
図59に示す変動パターンテーブルのうち、遊技状態が「通常」の「リーチ無外れ」の欄から、変動態様決定用乱数「ラベル−TRND−T」値に基づいて、変動パターン1,2,3の何れかを選択し(S335)、ステップ341へ進む。
【0148】
また、ステップ330において、遊技状態が通常状態でない(確変状態である)と判断された場合(S330でno)には、上記したステップ331〜S335と同様の手順で、ステップ336〜S340が実行される。なお、ステップ336〜S340では、
図59に示す変動パターンテーブルのうち、遊技状態が「確変」の欄から変動態様決定用乱数「ラベル−TRND−T」値に基づいて変動パターンを選択し、ステップ341へ進む。
【0149】
そして、ステップ341にて、その他の処理を行って、この処理(S205)を抜ける。なお、その他の処理(S341)では、選択された変動パターンに応じた「変動パターンコマンド」をRAM51Bの出力バッファにセットする。これにより、上記したコマンド出力処理(S12)で、RAM51Bの出力バッファにセットされた「変動パターンコマンド」がサブ制御基板57に出力される。
【0150】
図21に示すように、特別図柄変動パターン選択処理(S205)に次いで、特別図柄乱数シフト処理(S206)が行われる。この処理(S206)は、
図25に示されているように、特別図柄保留球数(RAM51Bの特別図柄の保留数記憶領域の数値)を1ディクリメントし(S360)、各種カウンタ値の格納場所が、1つ下位側にシフトする(S361)。そして、最上位の各アドレス空間に「0」をセット(即ち、特別図柄保留4個目にあたるRAM領域を0クリア)する(S362)。
【0151】
図21に示すように、特別図柄乱数シフト処理(S206)に次いで行われる特別図柄変動開始設定(S207)では、特別図柄選択処理(S204)、特別図柄変動パターン選択処理(S205)等で決定された特別図柄の変動データ並びにそれらに基づく変動開始信号をセットする。また、特別動作ステータスを「2」に設定すると共に、特別図柄が変動中であることを示すため変動中フラグを1にセットするなど、その他特別図柄の変動開始に必要な処理が行われる。以上が特別図柄待機処理(S172)の説明である。
【0152】
図20に示した特別動作処理(S17)において、特別図柄変動中処理(S174)を実行すると、
図26に示すように、変動時間が経過したか否かがチェックされる(S262)。ここでいう「変動時間」は、特別図柄変動パターン選択処理(S205、
図24参照)で設定された変動態様に応じた変動時間(
図59参照)のことであり、変動時間のタイマを確認することで現在変動中の図柄の動作終了時間か否かを判定する。そして、変動時間が経過していない場合(S262でno)には、直ちにこの処理(S174)を抜けて変動表示を続行する。
【0153】
一方、変動時間が経過している場合(S262でyes)、変動停止テーブルを選択し(S263)、特別図柄が変動中ではないことを示すため変動中フラグを0にセットし、データ格納処理を行う(S264)。そして、特別動作ステータスを「3」にセットし(S265)、その他の処理(S266)を行ってから、この処理(S174)を抜ける。
【0154】
図20に示した特別動作処理(S17)において、特別図柄確定処理(S176)を実行すると、
図27に示すように、最初に大当りフラグがONしているか否か(大当りか否か)がチェックされる(S270)。大当りフラグがONしている場合(S270でyes)には、大当りの種別に応じた特別電動役物の動作カウンタ並びにラウンドカウンタのテーブルがセットされ(S271)、特別動作ステータスを4にセットする(S272)。ここで、ラウンドカウンタとは、「大当り遊技」における「ラウンド」数をカウントするものであり、本実施形態では、ラウンドカウンタの初期値は「15」に設定されている。
【0155】
一方、大当りフラグがONでない場合(S270でno)、特別動作ステータスを「1」にセットして(S273)、この処理(S176)を抜ける。
【0156】
図20に示した特別動作処理(S17)において、特別電動役物処理(S177)を実行すると、
図28に示すように、確変フラグがオンからオフに切り替えられる(S280)。つまり、「大当り遊技」が開始されると、強制的に確率変動遊技状態が終了する。次いで、大当り終了フラグがオンか否かがチェックされる(S281)。大当り終了フラグがオンではない場合(S281でno)、即ち、「大当り遊技」の実行中である場合には、開放フラグに基づいて、大入賞口15が開放中か否かがチェックされる(S282)。
【0157】
大入賞口15が開放中(開放フラグがオン)である場合(S282でyes)には、ラウンド終了条件が成立したか否かがチェックされる。具体的には、大入賞口15に遊技球が規定数(本実施形態では10個)入賞したか否か(S286)、開放カウンタに対応したラウンド終了時間となった(例えば大入賞口15の開放時間が15秒となり大入賞口の開放回数が0になった)か否か(S287)がチェックされる。そして、ラウンド終了条件が不成立であった場合(S286及びS287の何れもno)には、直ちにこの処理(S177)を抜ける一方、ラウンド終了条件が成立した場合(S286及びS287の何れかでyes)には、ラウンド終了時の処理(S288〜S292)が行われる。
【0158】
大入賞口閉鎖処理(S288)では、大入賞口閉鎖のコマンドがサブ制御基板57にも送信される。次いで、ラウンドカウンタを1ディクリメントして(S289)、ラウンドカウンタが「0」となったか否かチェックし(S290)、ラウンドカウンタが「0」ではない場合(S290でno)、即ち、「大当り遊技」が、最大ラウンドまで行われていない場合には、大当り動作カウンタをセットする。大当り動作カウンタは大当り時の大入賞口開放までの時間を計るカウンタである。ここでの大当り動作カウンタは、ラウンド間のいわゆるインターバルとなるもので、次回の大入賞口の開放までの時間(2秒)を計るカウンタである。そして、直ちにこの処理(S177)を抜ける。つまり、大当り遊技中であっても1回のラウンドが終了した時点で可動扉15Tが「閉位置」となって、一時的に大入賞口15が閉鎖される。
【0159】
一方、ラウンドカウンタが「0」となった場合(S290でyes)、即ち、大当り遊技が最大ラウンドまで行われた場合には、大当り終了処理(S291)が行われる。大当り終了処理(S291)において、保留記憶領域内に記憶されている大当り乱数データを大当り終了コマンド(エンディングコマンド)とともに、サブ制御基板57に送信する。そして、大当り終了カウンタ(大当りが終了してから、次回図柄が変動開始するまでの時間を計るカウンタ。本実施形態では2秒。)をセットし、大当り終了フラグをオンして(S292)、この処理(S177)を抜ける。
【0160】
ステップ282において、大入賞口15が閉鎖中(開放フラグがオフ)の場合(S282でno)には、大当り動作カウンタが0かどうか、つまり、大入賞口15を開放する時間となったか否かがチェックされる(S283)。大当り動作カウンタが0で無い場合(S283でno)には、大当り動作カウンタを−1してこの処理(S177)を抜ける一方、大当り動作カウンタが0である場合(S283でyes)には、大入賞口開放処理(S284)を行い、この処理(S177)を抜ける。
【0161】
また、上記ステップ281において、大当り終了フラグがオンであった場合(S281でyes)、即ち、大当り遊技が最大ラウンドまで行われた場合には、大当り終了フラグ及び大当りフラグを全てオンからオフに切り替え(S293,S294)、大当りの種別が確変か否かをチェックする(S295)。確変でない場合、即ち、大当り図柄決定用「ラベル−TRND−AZ」乱数カウンタ値が「0」〜「39」の場合(S295でno)にはステップ297へジャンプし、確変である場合、即ち、大当り図柄決定用「ラベル−TRND−AZ」乱数カウンタ値が「40」〜「99」の場合(S295でyes)には確変フラグをオフからオンに切り替える(S296)。そして、ステップ297にて、特別動作ステータスを「1」にセットして、この処理(S177)を抜ける。以上が特別動作処理(S17)の説明である。
【0162】
図17に示すように、主制御基板割り込み処理(S5)では、特別動作処理(S17)に次いで保留球数処理(S18)が行われる。この処理(S18)は、
図29に示されており、RAM51Bに記憶されたカウンタ値群の組数から保留球数を読み取り(S180)、その保留球数のデータを、RAM51Bの出力バッファにセットする(S181)。
【0163】
図17に示すように、主制御基板割り込み処理(S5)では、保留球数処理(S18)に次いで、表示制御処理(S19)が行われる。この処理(S19)は、
図30に示されており、普通図柄表示処理(S190)、特別図柄表示処理(S191)、保留球数表示処理(S192)が行われる。
【0164】
普通図柄表示処理(S190)では、普通動作処理(S16)における処理結果に基づいて出力ポートからデータを出力し、普通図柄表示部18Hにおける普通図柄の表示を制御する。なお、上述したように、普通図柄表示部18Hを構成する1つのLEDが、普通図柄変動中は点滅し、普通図柄外れの場合は消灯して非点灯状態となり、普通図柄当りの場合は点灯して停止表示する。
【0165】
特別図柄表示処理(S191)では、特別動作処理(S17)における処理結果に基づいて出力ポートからデータを出力し、特別図柄表示部14Hにおける特別図柄の表示を制御する。具体的には、
図60の特別図柄組み合わせテーブルに示すように、大当り図柄決定用「ラベル−TRND−AZ」乱数カウンタの値に応じて、特別図柄の組み合わせが決定され、特別図柄表示部14Hを構成する2つの7セグメント表示器にて表示する。これにより、例えば、大当り図柄決定用「ラベル−TRND−AZ」乱数カウンタ値が「0」であれば、「通常当り」であり、特別図柄表示部14Hには「A0」が表示され、例えば、大当り図柄決定用「ラベル−TRND−AZ」乱数カウンタ値が「100」であれば、「外れ」であり、特別図柄表示部14Hには「−−」が表示される。
【0166】
保留球数表示処理(S192)では、普通動作処理(S16)及び特別動作処理(S17)の処理結果に基づいて出力ポートからデータを出力し、保留表示部14X,18Xにおける保留球数の表示を制御する。なお、上述したように、特別図柄保留表示部14Xを構成する2つのLEDと、普通図柄保留表示部18Xを構成する2つのLEDが、消灯、点灯、点滅を組み合わせて、それぞれ特別図柄保留球数と普通図柄保留球数(0〜4個)を表示する点灯態様となるように作成される。
【0167】
図17に示すように、主制御基板割り込み処理(S5)では、表示制御処理(S19)に次いで、ポートデータ出力処理(S20)が行われる。この処理(S20)は、主制御基板50のポートからデータを出力するための処理を行う。
【0168】
そして、ポートデータ出力処理(S20)に次いで、ウォッチドッグタイマ処理(S21)が行われ、続いて電源断監視処理(S22)が行われる。この処理(S22)は、
図31に示されており、まず、入力ポートを読み込む(S380)。続いて、入力ポートを読み込んだ結果、電源基板60から出力された電源断信号が所定期間(本実施例では12ms)続いたか否かが判定される(S381)。そして、電源断信号のON状態が所定期間継続していなければ(S381でno)、この処理(S22)を終了し、所定期間継続した場合(S381でyes)には、大入賞口15等の駆動役物の動作を停止させるため(役物閉鎖処理)、駆動データ出力用ポートにOFFを出力し(S382)、RAM51Bのチェックデータの算出及び保存を行う(S383)。その後、電源断フラグを「5AH」に設定(電源断フラグをON)し(S384)、RAM51Bへの書き込みを禁止する(S385)。これにより、バックアップデータの保護が図られる。その後、無限ループへ移行し待機状態とされる。
【0169】
図17に示すように、主制御基板割り込み処理(S5)では、電源断監視処理(S22)に次いで、本発明に深く関連しないその他の処理(S23)を実行して、主制御基板割り込み処理(S5)から抜ける。そして、
図14に示すように、次にメインCPU51Aに割り込みパルスが入力するまで、ステップ2〜S4の処理が繰り返し実行され、割り込みパルスの入力を起因(約4msec後)に、再度、主制御基板割り込み処理(S5)が実行される。すると、上述の如く、前回、主制御基板割り込み処理(S5)が実行されたときにRAM51Bの出力バッファにセットされた制御データが、次に実行された主制御基板割り込み処理(S5)のコマンド出力処理(S12)において出力される。以上が主制御基板メインプログラムPG1の説明である。
【0170】
さて、サブ制御基板57(
図4参照)に備えられたRAM52Bの記憶領域も、主制御基板50におけるRAM51Bの記憶領域と同様に、複数のアドレス空間に区分されてアドレス(番地)が付されている。そして、所定のアドレス空間で構成されたカウンタ値記憶領域が、表2に示した各種の乱数カウンタのデータ格納部として設けられている。また、このアドレス空間は、乱数カウンタの更新領域以外にも、例えば、フラグ等のデータ格納部としても用いられている。
【0172】
本実施形態では、上記表2において、通常当り図柄決定用乱数「ラベル−TRND−SUB−NO」は、通常大当り時の装飾図柄32A,32B、32Cを決定するものであり、「0、2、4、6、8」の偶数から構成されている。また、確変当り図柄決定用乱数「ラベル−TRND−SUB−KA」は、確変大当り時の装飾図柄32A,32B、32Cを決定するものであり、「1、3、5、7、9」の奇数から構成されている。また、左図柄決定用乱数「ラベル−TRND−SUB−B1」、中図柄決定用乱数「ラベル−TRND−SUB−B2」、右図柄決定用乱数「ラベル−TRND−SUB−B3」は、外れ時の装飾図柄32A,32B、32Cを決定するものであり、「0〜9」の乱数で構成されている。
【0173】
左図柄決定用乱数「ラベル−TRND−SUB−B1」は、左装飾図柄32Aの外れ図柄作成に使用する乱数であり、電源オン時に0からスタートし、乱数更新処理で1加算される。そして、このカウンタが9までいくと再び0に戻って加算を繰り返す。中図柄決定用乱数「ラベル−TRND−SUB−B2」は、中装飾図柄32Bの外れ図柄作成に使用する乱数であり、電源オン時に0からスタートし、左図柄決定用乱数「ラベル−TRND−SUB−B1」が0に戻る毎に1加算される。そして、このカウンタが9までいくと再び0に戻って加算を繰り返す。右図柄決定用乱数「ラベル−TRND−SUB−B3」は、右装飾図柄32Cの外れ図柄作成に使用する乱数であり、電源オン時に0からスタートし、中図柄決定用乱数「ラベル−TRND−SUB−B2」が0でない時に1加算される。そして、このカウンタが9までいくと再び0に戻って加算を繰り返す。これにより、リーチ無しの外れの場合でも、装飾図柄32A,32B,32Cがぞろ目とならないようになっている。なお、表2に示す乱数カウンタ以外に、例えば、予告表示用のカウンタ等を設けてもよい。
【0174】
サブ制御基板57のCPU52Aは、
図32に示したサブ制御基板メインプログラムPG2をランしている。そのサブ制御基板メインプログラムPG2をランすると、CPU初期化処理(S50)が行われ、スタックの設定、定数設定、CPU52Aの設定、SIO、PIO、CTC(割り込み時間用コントローラ)等の設定や各種フラグ及びカウンタ値のリセット等を行う。また、電源基板60に電源をオンすると、電源基板60から電源断信号がサブ制御基板57に送信される。この電源断信号が送信されたときに、RAM52Bのバックアップデータの内容が正常かどうか判断する(S51)。正常でなければ(S51でno)、RAM52Bを初期化し各種フラグ及びカウンタ値がリセットされる(S52)。なお、パチンコ遊技機10に設けられたRAMクリアスイッチが押されている場合には、RAM52Bの初期化処理が実行される。なお、RAMクリアスイッチが操作されてRAMクリア状態(初期化)状態となった場合でもSRAM52Dの記憶内容は消去されない。これらステップ50,S51及びS52は、サブ制御基板メインプログラムPG2が、電源オン後の1回目にランされたときだけ実行され、それ以降は実行されない。
【0175】
ステップ50,S51及びS52を終えると、また、RAM52Bの内容が正常であれば(S51でyes)、割り込み禁止に設定され(S53)、乱数シード更新処理(S54)及びコマンド送信処理(S55)が実行され、割り込み許可に設定される(S56)。そして、ステップ53〜S56を、所定周期で無限に繰り返して行う。
【0176】
サブ制御基板メインプログラムPG2の無限ループに対して、サブ制御コマンド受信割り込み処理(S57)、1msタイマ割り込み処理(S59)、10msタイマ割り込み処理(S58)が割り込んで実行される。サブ制御コマンド受信割り込み処理(S57)は、サブ制御基板57が主制御基板50からストローブ信号を受けると、他の割り込み処理(S58,S59)より優先して実行される。また、1msタイマ割り込み処理(S59)は、10msタイマ割り込み処理(S58)より優先して行われ、10msタイマ割り込み処理(S58)は、1msタイマ割り込み処理(S59)間の残余時間に割り込んで行われる。
【0177】
サブ制御コマンド受信割り込み処理(S57)が実行されると、
図33に示すように、ストローブ信号の入力を確認し(S570)、ストローブ信号がONであれば(S570でyes)、上記した主制御基板割り込み処理(S5)のコマンド出力処理(S12)でサブ制御基板57に送信される制御データ、例えば、客待ち待機コマンドや変動パターンコマンド等を取り込み、RAM52Bの記憶領域に設けた入力信号一次記憶領域に格納する(S571)。また、始動入賞口14A,14Bに遊技球が入賞した場合にも主制御基板50からサブ制御基板57に制御信号が送信される。すると、始動入賞口14A,14Bに遊技球が入賞する度に、上記表1に示した各種カウンタ値群がRAM52Bのカウンタ値記憶領域に前述した始動入賞口の保留球数4つに対応して、乱数値群が格納(記憶)されるようになっている。
【0178】
1msタイマ割り込み処理(S59)は、
図34に示されており、サブ制御基板57に1msec周期の割り込みパルスが入力される度に実行される。この処理(S59)では、操作ボタン24のエッジデータ及びレベルデータ(スイッチデータ)の作成を行う入力処理を行う(S590)。
【0179】
そして、10msタイマ割り込み処理(S58)は、
図35に示されており、サブ制御基板57に10msec周期の割り込みパルスが入力される度に実行される。この処理(S58)では、まず、スイッチ状態取得処理(S580)を実行し、上述した1msタイマ割込処理(S59)で作成したスイッチデータから、操作ボタン24のON/OFFの判断を行い、10msタイマ割込処理用のスイッチデータとして格納する。
【0180】
次いで、コマンド監視処理(S581)を実行する。この処理(S581)は、
図36に示されており、サブ制御基板57が主制御基板50等の他の基板から受信して、上述したサブ制御コマンド受信割り込み処理(S57)によってバッファに蓄えられた全てのコマンドに対して、解析を行い、コマンドに対応した処理を行って、それぞれの制御基板に対して送信するコマンドを作成する。
【0181】
具体的には、コマンド監視処理(S581)が実行されると、まず受信したコマンドが「客待ち待機コマンド」であるか否かが判断される(S600)。なお、客待ち待機コマンドは、主制御基板50において、前述した特別図柄待機処理(S172,
図21参照)の待機画面設定処理(S209)にてセットされる。客待ち待機コマンドであると判断されると(S600でyes)、電源復旧フラグがONしているかどうか判断する(S601)。なお、電源オン時、RAMクリアしていれば、電源復旧フラグはOFFとなる。電源復旧フラグがOFFであれば(S601でno)、ステップ604へジャンプする一方、電源復旧フラグがONしていれば(S601でyes)、SRAM読み込み処理(S602)を実行する。
【0182】
SRAM読み込み処理(S602)は、
図37に示されており、まず、SRAM内の値が正常かどうか判断する(S700)。詳細には、SRAMには、3つの同じ情報がチェック用に常に保存されており、3つの情報が同じであれば正常と判断される。そして、SRAM内の値が正常であれば(S700でyes)、SRAM内の内容を実機変数に反映させる(S701)。詳細には、SRAM52Dのデータ番号1,2の値を、実機変数(RAM52Bのデータ番号1,2の値)とする。このとき、RAM52Bのデータ番号5〜19の値は初期値であり、データ番号3,20の値は再計算される。一方、SRAM内の値が正常でない場合(S700でno)には、SRAMの初期化を実行し(S702)、実機変数(RAM52Bのデータ番号1〜20の値)を初期値に設定する(S703)。
【0183】
図36のコマンド監視処理(S581)において、SRAM読み込み処理(S602)に次いで、電源復旧フラグをOFFにセットし(S603)、ステップ604へ進む。
【0184】
そして、ステップ604において、客待ち用のシナリオコマンドをセットし(S604)、この処理(S581)を終了する。
【0185】
これにより、主制御基板50から客待ち待機コマンドを受信した場合、電源復旧フラグがON、即ちパチンコ遊技機電源オン時であれば、SRAM52Dに記憶されたデータ番号1,2の値をRAM52Bに読み込んで実機変数とする。
【0186】
一方、受信したコマンドが客待ち待機コマンドでない場合(S600でno)、続いて、「RAMクリア時の電源投入コマンド」か否かが判断される(S605)。なお、RAMクリア時の電源投入コマンドは、主制御基板50において、前述した初期設定処理(S1,
図15及び
図16参照)のステップ115にてセットされる。電源投入コマンド(RAMクリア時)であると判断されると(S605でyes)、SRAM読み込み処理(S606)が行われる。ここで、SRAM読み込み処理(S606)は、上述した
図37に示されているSRAM読み込み処理(S602)と同様の処理である。そして、客待ち用のシナリオコマンドをセットし(S607)、乱数値取得処理A(S608)を実行して、この処理(S581)を終了する。
【0187】
乱数値取得処理A(S608)は、
図38の左側に示されており、まず、SRAMからデータ番号4の値を乱数Aとして取得する(S710)。そして、所定の計算により乱数シードから乱数Bを算出し(S711)、(乱数A×乱数B)÷256の余りの値を乱数Cとしてパスワード生成用乱数、即ち実機(RAM52B)のデータ番号4に設定すると共に、実機(RAM52B)のデータ番号3,20の値を再計算する(S712)。
【0188】
これにより、主制御基板50からRAMクリア時の電源投入コマンドを受信した場合、SRAM52Dに記憶されたデータ番号1,2の値をRAM52Bに読み込んで実機変数とし、さらに、SRAM52Dのデータ番号4の値(乱数A)を、乱数シードによって新たなパスワード生成用乱数(乱数C)に変換して実記変数(RAM52Bのデータ番号4の値)とする
。
【0189】
また、受信したコマンドが電源投入コマンド(RAMクリア時)でない場合(S605でno)、続いて、「電源復旧時の電源投入コマンド」か否かが判断される(S609)。なお、電源復旧時の電源投入コマンドは、主制御基板50において、前述した初期設定処理(S1,
図15及び
図16参照)のステップ113にてセットされる。電源投入コマンド(電源復旧時)であると判断されると(S609でyes)、乱数値取得処理A(S622)を実行する。ここで、乱数値取得処理A(S622)は、上述した
図38の左側に示されているSRAM読み込み処理(S608)と同様の処理である。そして、電源復旧フラグをONにして(S610)、この処理(S581)を終了する。
【0190】
これにより、主制御基板50から電源復旧時の電源投入コマンドを受信した場合、SRAM52Dのデータ番号4の値(乱数A)を、乱数シードによって新たなパスワード生成用乱数(乱数C)に変換して実記変数(RAM52Bのデータ番号4の値)とする
。
【0191】
さらに、受信したコマンドが電源投入コマンド(電源復旧時)でない場合(S609でno)、続いて、「大当りエンディングコマンド」かどうか判断される(S611)。なお、大当りエンディングコマンドは、主制御基板50において、前述した特別電動役物処理(S177,
図28参照)のステップ292にてセットされる。大当りエンディングコマンドであると判断されると(S611でyes)、SRAM書き込み処理(S612)を実行する。
【0192】
SRAM書き込み処理(S612)は、
図39に示されており、まず、パスワードモードフラグが「0」かどうか判断する(S705)。ここで、パスワードモードフラグは、電源ON時に「0」に設定され、パスワード入力成功時(後述するパスワード読み込み2処理(S808)におけるステップ981、パスワード読み込み3処理(S809)におけるステップ947)、又は客待ちデモ再生(初期化)時(後述するデモムービー画面処理(S806)におけるステップ923)に「1」に設定される。即ち、パスワードモードフラグが「0」であれば、バックアップモードであり、電源ON後に一度でもパスワードモード或いは初期化モードになると、バックアップモードには戻れない。
【0193】
そして、パスワードモードフラグが「0」であれば(S705でyes)、現状の実機変数をSRAMに書き込む(S706)。詳細には、実機変数(RAM52B)のデータ番号1〜4の値を、SRAM52Dに3つずつバックアップする。
【0194】
図36のコマンド監視処理(S581)において、SRAM書き込み処理(S612)に次いで、大当りエンディング用シナリオコマンドをセットし(S613)、この処理(S581)を終了する。
【0195】
これにより、主制御基板50から大当りエンディングコマンドを受信した場合、バックアップモードであれば、SRAM52Dのデータ番号1〜4の値が現状の実機変数(RAM52Bのデータ番号1〜4)によって更新される。換言すると、バックアップモードでは、大当り終了の度に、RAM52Bに記憶されているデータ番号1〜4の値を、SRAM52Dにバックアップする
。
【0196】
さらに、受信したコマンドが大当りエンディングコマンドでない場合(S611でno)、続いて、「変動パターンコマンド」かどうか判断される(S614)。なお、変動パターンコマンドは、主制御基板50において、前述した特別図柄変動パターン選択処理(S205,
図24参照)のステップ341にてセットされる。変動パターンコマンドであると判断されると(S614でyes)、電源復旧フラグがONしているか判断し(S615)、電源復旧フラグがOFFであれば(S615でno)ステップ623へジャンプする一方、電源復旧フラグがONしていれば(S615でyes)、SRAM読み込み処理(S616)を実行する。そして、乱数値取得処理A(S625)を実行して、電源復旧フラグをOFFにし(S617)、ステップ623へ進む。ここで、SRAM読み込み処理(S616)は、
図37に示されているSRAM読み込み処理(S602)と同様の処理であり、乱数値取得処理A(S625)は、
図38の左側に示されているSRAM読み込み処理(S608)と同様の処理である。
【0197】
ステップ623では、初期化フラグが0であるか判断する。ここで、初期化フラグフラグは、電源ON時に「0」に設定され、客待ちデモ再生(初期化)時(後述するデモムービー画面処理(S806)におけるステップ984)に「1」に設定される。即ち、初期化フラグフラグが「1」であれば、初期化モードである。そして、初期化フラグが0でない、即ち、初期化モードであれば場合(S623でno)、ステップ618へジャンプし、初期化フラグが0である(初期化モードでない)場合(S623でyes)、パスワードモードフラグが1であるか判断する(S624)。パスワードモードフラグが1である、即ち、パスワードモードであれば(S624でyes)、ステップ620へジャンプし、パスワードフラグが1でない、即ち、バックアップモードである場合(S624でno)、ステップ618へ進む。
【0198】
ステップ618では、受信した変動パターンコマンドが電源オン後の最初の変動のものであるか否か判断される。そして、最初の変動でなければ(S618でno)ステップ620へジャンプし、最初の変動であれば(S618でyes)乱数値取得処理B(S619)を実行してステップ620へ進む。
【0199】
乱数値取得処理B(S619)は、
図38の右側に示されており、所定の計算により乱数シードから乱数Dを算出し(S715)、上述した乱数値取得処理A(S608)にて求められた乱数Cを用いて、(乱数C×乱数D)÷256の余りの値を乱数Eとしてパスワード生成用乱数値、即ち実機(RAM52B)のデータ番号4に設定すると共に、実機(RAM52B)のデータ番号3を再計算する(S716)。そして、実機(RAM52B)のデータ番号3及びデータ番号4の値をSRAMへバックアップする(S717)。
【0200】
図36のコマンド監視処理(S581)において、ステップ620では、変動パターンに合わせたシナリオコマンドをセットする。具体的には、
図61に示すように、主制御基板50から受信した変動パターンコマンドに応じて変動パターンテーブルが選択され、変動態様決定用乱数「ラベル−TRND−T」値に応じてシナリオが選択される。そして、大当り図柄決定用乱数「ラベル−TRND−AZ」の値と、通常当り図柄決定用乱数カウンタ「ラベル−TRND−SUB−NO」、確変当り図柄決定用乱数カウンタ「ラベル−TRND−SUB−KA」、左図柄決定用乱数「ラベル−TRND−SUB−B1」、中図柄決定用乱数「ラベル−TRND−SUB−B2」、右図柄決定用乱数「ラベル−TRND−SUB−B3」の何れかの値を用いて装飾図柄をセットする。
【0201】
これにより、主制御基板50から変動パターンコマンドを受信した場合、電源復旧フラグがONであれば、SRAM52Dに記憶されたデータ番号1〜4の値をRAM52Bに読み込んで実機変数とし、さらに、復元後のRAM52Bのデータ番号4の値(乱数A)は、乱数シードによって新たなパスワード生成用乱数(乱数C)に変換される。また、バックアップモード又は初期化モードにおいて、電源オン後最初の変動時であれば、さらに、RAM52Bに記憶されているパスワード生成用乱数値(乱数C)を乱数シードによって新たなパスワード生成用乱数(乱数E)に変換すると共に、その値(データ番号4及びデータ番号3の値)をSRAM52Dへバックアップする。
【0203】
そして、受信したコマンドがその他のコマンドである場合(S614でno)には、適宜受信したコマンドに合わせた処理が実行される(S621)。
【0204】
以上がコマンド監視処理(S581)に関する説明である。電源をオフしたときに大当りや確変等の状態であると、RAMクリアをせずに電源をオンした場合には、その情報が主制御基板50のRAM51Bにバックアップされているため、大当りや確変等の状態から遊技が再開される。ここで、電源復旧後大当りや確変中である場合には遊技者とのトラブルが生じないように遊技情報を初期状態(デフォルト)にしておく必要がある。そのため、電源投入が電源復旧である場合には客待ち待機コマンドもしくは変動パターンコマンドを受信して初めてSRAM52Dに記憶された遊技情報(演出データ)を読み込むように構成されている(S602又はS616)。一方、RAMクリアスイッチが操作された場合には、RAM51Bがクリアされて初期化された状態となるので、単に電源がオンされたときのような上記問題は生じないためすぐにSRAM52Dの読み込みが行われる(S606)。
【0205】
本実施形態では、電源がオンされたときには必ず乱数値取得処理A(S622)によってパスワード生成用乱数の更新が行われるため、同じ遊技機においても開店時に前日の閉店時のパスワードとは異なるパスワードを生成して報知することが可能となっているが、電源がオンされてから少なくとも一度パスワード生成用乱数の更新が行われるように構成されていればよく、RAMクリアが行われた場合のみ乱数値取得処理A(S608)によってパスワード生成用乱数の更新が行われるようにしてもよい。またパスワード生成用乱数は一度だけ更新されてもよいし、複数回更新されてもよい。但し、更新回数が少ない方が、遊技情報に変化がないのにもかかわらず、生成される(報知される)パスワードが頻繁に変化して遊技者を混乱させてしまうような事態を招き難くはなる。
【0206】
図35に示すように、10msタイマ割り込み処理(S58)において、コマンド監視処理(S581)に次いで、シナリオ制御処理(S582)を実行する。
【0207】
シナリオ制御処理(S582)は、
図40に示されており、客待ち画面(待ち受け画面)等の一定周期で繰り返される制御処理を行う。まず、設定されているシナリオが客待ちシナリオ処理かどうか判断する(S720)。
【0208】
そして、客待ちシナリオがセットされていない場合(S720でno)、その他の処理(S727)を実行してこの処理(S582)を終了する。一方、客待ちシナリオがセットされている場合(S720でyes)には、セットされている処理は実行したか判断し(S721)、実行していない場合(S721でno)には、セットされている処理を実行する(S722)。
【0209】
そして、タイマが0より大きいか判断し(S723)、タイマが0以下であれば(S723でno)直ちにこの処理(S582)を終了する一方、タイマが0より大きければ(S723でyes)タイマを1減算し(S724)、タイマが0になったか判断する(S725)。そして、タイマが0であれば(S725でyes)次の処理をセットして(S726)この処理(S582)を終了する。
【0210】
上記したステップ722で実行される処理、及びステップ726でセットされる処理は、
図41の客待ちシナリオ処理に示されているステップ800〜S811の何れかの処理であり、
図41に示す順番でセットされていく。各処理では、それぞれにタイマが設定されており、処理を実行した後、設定されているタイマが0になってから次の処理が設定される。
【0211】
大まかな流れとしては、ステップ800〜S803のループ処理により、図柄待機画面(
図6参照)とパスワード確認画面(
図7参照)とが一定周期で繰り返し表示される。この間に、パスワード確認画面(
図7参照)で「最初から遊ぶ」が選択されると、「A」にジャンプ後、ステップ805の処理により、現データ消去確認画面(
図8参照)が表示される。そして、現データ消去確認画面(
図8参照)にて「はい」が選択されると、「B」にジャンプ後、ステップ806の処理により、デモムービー(図示せず)が70秒間表示され、図柄待機画面(
図6参照)に戻る(S800へジャンプ)。一方、現データ消去確認画面(
図8参照)にて「いいえ」が選択されるか何も選択されずに30秒が経過すると、「1」へジャンプしてパスワード確認画面(
図7参照)に戻る。
【0212】
また、パスワード確認画面(
図7参照)で「つづきから遊ぶ」が選択されると、「C」にジャンプ後、ステップ804のループ処理により、パスワード入力画面(
図9参照)が表示される。そして、パスワード入力画面(
図9参照)にて「決定」が選択されると、「D」にジャンプ後、S807〜S809の処理により、データ読み込み中画面(
図10参照)が表示される。ここで、入力したパスワードが間違っていた場合、「E」にジャンプ後、ステップ811の処理により、失敗画面(
図11参照)が2秒間表示され、パスワード入力画面(
図9参照)に戻る(S804にジャンプ)。一方、入力したパスワードが正しかった場合、成功画面(
図12参照)が2秒間表示され(S810の処理)、図柄待機画面(
図6参照)に戻る(S800へジャンプ)。なお、パスワード入力画面(
図9参照)にて「やめる」が選択されると、図柄待機画面(
図6参照)に戻る(S800へジャンプ)。
【0213】
以下、ステップ800〜S811の各処理について詳説する。
【0214】
図柄待機画面処理(S800)は、
図42に示されており、後述するSW処理(S583,
図35参照)にて実行する処理として、後述する図柄待機画面SW処理(S60,
図54参照)をセットする(S900)。そして、図柄待機画面の切替カウンタを0クリアし(S901)、客待ち状態を液晶表示装置32側へ送信するコマンドをセットする(S902)。なお、この処理(S800)では、タイマには「30秒」がセットされる。これにより、液晶表示装置32には、
図6に示すような図柄待機画面が30秒間表示される。30秒が経過すると、シナリオ制御処理(S582)のステップ726にて、パスワード確認画面1処理(S801)が設定される。
【0215】
パスワード確認画面1処理(S801)は、
図43に示されており、パスワード用の乱数(パスワード生成用乱数値であり、RAM52Bのデータ番号4の値(乱数C又は乱数E))を退避させると共に、乱数取得フラグを退避する(S903)。そして、これまでのパスワード情報をすべて初期化し(S904)、退避させていたパスワード用の乱数及び乱数取得フラグを格納する(S905)。続いて、パスワードを作成する為のデータ(RAM52Bに記憶されたデータ番号1〜20の値)をすべてチェックし(S906)、正常であれば(S907でyes)、上述したショートパスワード暗号化方法(
図63参照)に従ってショートパスワードを作成し(S908)、正常でない場合(S907でno)には、遊技情報(データ番号1〜2)の初期値と現在使用しているパスワード用の乱数を使用して(データ番号3を再計算し)、上述したショートパスワード暗号化方法(
図63参照)に従ってエラー時のショートパスワードを作成する(S909)。なお、この処理(S801)では、タイマには「30ミリ秒」がセットされる。30ミリ秒が経過するとシナリオ制御処理(S582)のステップ726にて、次のパスワード確認画面2処理(S802)が設定される。
【0216】
パスワード確認画面2処理(S802)は、
図44に示されており、パスワード確認画面1(S801)の処理で実行したパスワードを作成する為のデータが正常かどうか判断し(S910)、正常であれば(S910でyes)、上述したフルパスワード暗号化方法(
図68参照)に従ってフルパスワード作成処理を実行する(S911)。正常でない場合には(S910でno)、遊技情報(データ番号1〜2,5〜19)の初期値と現在使用しているパスワード用の乱数を使用して(データ番号3,20を再計算し)、上述したフルパスワード暗号化方法(
図68参照)に従ってエラー時のフルパスワードを作成する(S912)。なお、この処理(S802)においても、タイマには「30ミリ秒」がセットされる。30ミリ秒が経過するとシナリオ制御処理(S582)のステップ726にて、次のパスワード確認画面3処理(S803)が設定される。
【0217】
パスワード確認画面3処理(S803)は、
図45に示されており、作成したパスワードを液晶表示装置32に表示させる為のコマンドをセットする(S913)。続いて、24文字(フルパスワード)分のパスワードコマンドをセットする(S914)。そして、後述するSW処理(S583,
図35参照)にて実行する処理として、後述するパスワード確認画面SW処理(S61,
図55参照)をセットする(S915)。なお、この処理(S803)では、タイマには「60秒」がセットされる。これにより、液晶表示装置32には、
図7に示すようなフルパスワードが表示されたパスワード確認画面が、60秒間表示される。そして、60秒が経過するとシナリオ制御処理(S582)のステップ726にて、再び図柄待機画面処理(S800)が設定される。
【0218】
これにより、客待ちシナリオでは、図柄待機画面(
図6参照)30.06秒とパスワード確認画面(
図7参照)60秒とが繰り返し表示される。ここで、上記したパスワード確認画面1〜3処理は、処理時間が長時間となる可能性がある為、処理を3つに分けて、それぞれタイマが設定されて処理されるように構成されている。そして、パスワードを作成する為のデータ(RAM52Bに記憶されたデータ番号1〜20の値)が正常でない時でも、パスワード生成用乱数値(RAM52Bのデータ番号4の値(乱数C又は乱数E))を使用してパスワードが生成されるので、パチンコ遊技機同士の間で異なるパスワードが生成されることとなる。
【0219】
なお、上記したパスワード確認画面1処理(S801,
図43参照)と、パスワード確認画面2処理(S802,
図44参照)を実行することで、サブ制御基板57のCPU52Aが本発明に係る「パスワード生成手段」として機能し、パスワード確認画面3処理(S803,
図45参照)を実行することで、サブ制御基板57のCPU52Aと液晶表示装置32とが本発明に係る「パスワード報知手段」として機能する。
【0220】
パスワード入力画面処理(S804)は、
図46に示されており、カーソル情報(縦(Length値)、横(Side値))をセットし(S916)、パスワード入力画面を液晶表示装置32に表示させる為のコマンドをセットし(S917)、後述するSW処理(S583,
図35参照)にて実行する処理として、後述するパスワード入力画面SW処理(S62,
図56参照)をセットする(S918)。なお、この処理(S804)では、タイマはセットされずにループ処理となり、液晶表示装置32には、
図9に示すようなパスワード入力画面が表示される。
【0221】
現データ消去確認画面処理(S805)は、
図47に示されており、カーソル情報を「いいえ」の位置(カーソル位置Side=0x10)にセットする(S919)。そして、現データ消去確認画面を液晶表示装置32に表示させる為のコマンドをセットし(S920)、後述するSW処理(S583,
図35参照)にて実行する処理として、現データ消去確認画面SW処理(S63,
図58参照)をセットする(S921)。なお、この処理(S805)では、タイマには「30秒」がセットされる。これにより、液晶表示装置32には、
図8に示すような現データ消去確認画面に、「いいえ」の位置にカーソルが合わせられた状態で30秒間表示される。そして、30秒が経過するとシナリオ制御処理(S582)のステップ726にて、前述したパスワード確認画面1処理(S801)が設定される。
【0222】
デモムービー画面処理(S806)は、
図48に示されており、RAM52Bに記憶されているデータ番号4以外の遊技情報(データ番号1〜2,5〜19)を初期化すると共にデータ番号3,20を再計算する(S922)。そして、パスワードモードフラグを1に設定し(S923)、初期化フラグを1に設定する(S984)。これにより「初期化モード」となる。そして、デモムービー画面を液晶表示装置32に表示させる為のコマンドをセットし(S924)、後述するSW処理(S583,
図35参照)にて実行する処理として、デモムービー画面のSW処理(図示せず)をセットする(S925)。なお、この処理(S806)では、タイマには「70秒」がセットされる。これにより、液晶表示装置32には、デモムービー(図示せず)が70秒間表示される。そして、70秒が経過するとシナリオ制御処理(S582)のステップ726にて、前述した図柄待機画面処理(S800)が設定される。
【0223】
パスワード読み込み1処理(S807)は、
図49に示されており、パスワード判定フラグにNGを設定し(S926)、SWコマンド(操作ボタン24を使用できない状態に設定するコマンド)をセットし(S927)、パスワード入力画面に「データ読み込み中」を表示させる為のコマンドをセットする(S928)。パスワード作成に必要なデータをすべてチェックし(S929)、iに「0」を格納する(S930)。ショートパスワード(パスワード1〜4文字目)内に空白がないかチェックし(S931)、空白がある場合には(S931でyes)、パスワード判定フラグにNGを設定し(S932)、この処理(S807)を終了する。一方、ショートパスワード内に空白がない場合には(S931でno)、パスワード判定フラグにショートを設定し(S933)、iに「4」を格納する(S934)。
【0224】
続いて、パスワード判定フラグがショートかどうか判断し(S970)、ショートである場合には(S970でyes)、文字(i)に入力された文字(i=4であれば5文字目の文字)が空白以外の文字かどうか判断する(S974)。ここで、空白以外の文字であれば(S974でyes)、パスワード判定フラグにフルを設定し(S975)、5文字目以外(i≠4)かどうか判断し(S976)、iが4以外であれば(S976でyes)、パスワード判定フラグにNGを格納し(S977)、ステップ978へ進む。なお、文字(i)に入力された文字が空白である場合(S974でno)、また、i=4であれば(S976でno)、そのままステップ978へ進む。
【0225】
一方、パスワード判定フラグがショートでない場合には(S970でno)、パスワード判定フラグがフルかどうか判断し(S971)、フルである場合には(S971でyes)、文字(i)に入力された文字が空白以外の文字かどうか判断する(S972)。ここで、文字(i)に入力された文字が空白である場合(S972でyes)、パスワード判定フラグにNGを格納し(S973)、ステップ978へ進む。なお、パスワード判定フラグがフルでない場合(S971でno)、また、文字(i)に入力された文字が空白でない場合(S972でno)、そのままステップ978へ進む。
【0226】
ステップ978では、パスワード判定フラグがNGかどうか判断し、NGであれば(S978でyes)、この処理(S807)を終了する一方、NGでなければ(S978でno)、iに1加算し(S979)、iが23以下(6〜24文字目)かどうか判断する(S980)。そして、iが23以下であれば(S980でyes)、ステップ970へジャンプし、iが23以下でない、即ち、i>24(25文字目以降)であれば(S980でno)、この処理(S807)を終了する。
【0227】
これにより、まず、上記ステップ931,932によって、1〜4文字目に空白があればNG判定され、上記ステップ970〜S980を実行することで、パスワードがショートかフルか判定され、フルの場合で5〜24文字目に空白がある場合にもパスワードはNG判定される。なお、この処理(S807)では、タイマには「10ミリ秒」がセットされる。これにより、液晶表示装置32には、
図10に示すようなパスワード入力画面に、「データ読み込み中」と表示されたデータ読み込み中画面が表示される。そして、10ミリ秒が経過するとシナリオ制御処理(S582)のステップ726にて、パスワード読み込み2処理(S808)が設定される。
【0228】
パスワード読み込み2処理(S808)は、
図50に示されており、パスワード判定フラグがNGかどうか判定し(S937)、NGであれば(S937でyes)この処理(S808)を終了する。NGでなければ(S937でno)、パスワード判定フラグがショートかフルのどちらかかどうか判断し(S938)、ショートかフルのどちらかであれば(S938でyes)、所定の演算によりショートパスワードを復号化する(S939)。この処理(S939)は、ショートパスワード作成(暗号化)時の演算(
図63参照)を逆順序で処理(復号化用データを参照)する事により元のデータ番号1〜4の値を算出する処理となる。そして、復号化したデータ番号1,2,4の合計値(8ビットSUM値)と、復号化したデータ番号3の値を比較し、異なる場合は
図41に示す「E」にジャンプし、一致すれば「ストーリー進行(どの国まで進んでいるか)、敵キャラクターの残りパワー」(データ番号1〜4の値)を復元する。
【0229】
即ち、パスワードを構成する文字列のうち、データ番号1,2,4の文字を特定する数値データの和が、データ番号3の文字を特定する数値データと一致するという規定に沿ってパスワードを生成するので、入力されたパスワードを復元したデータについて、その規定が満たされているか否かを判別するだけで、容易にパスワードが正しいものであるか否かを判別することができる。
【0230】
続いて、パスワード判定フラグがショートかどうか判断し(S940)、ショートであれば(S940でyes)、ショートパスワードでは、装備品を復帰させることはできないので、キャラの装備、能力値、お金等の初期化データ(ショートパスワードによりロードされるデータ)をコマンド送信する為にセットする(S941)。そして、パスワードモードフラグを1に設定し(S981)、初期化フラグを0に設定し(S982)、この処理(S808)を終了する。これにより「パスワードモード」となる。
【0231】
一方、パスワード判定フラグがショートでもフルでないか、フルでない場合(S938でnoまたはS940でno)、この処理(S808)を終了する。なお、この処理(S808)では、タイマには「10ミリ秒」がセットされる。このとき、液晶表示装置32には、データ読み込み中画面(
図10参照)が表示され続けている。そして、10ミリ秒が経過するとシナリオ制御処理(S582)のステップ726にて、パスワード読み込み3処理(S809)が設定される。
【0232】
パスワード読み込み3処理(S809)は、
図51に示されており、パスワード判定フラグがNGかどうか判断し(S942)、NGであれば(S942でyes)、
図41に示す「E」にジャンプする。
【0233】
一方、パスワード判定フラグがNGでない場合(S942でno)には、パスワード判定フラグがフルかどうか判定し(S943)、フルであれば(S943でyes)、入力されたフルパスワードを所定の演算により復号化する(S944)。この処理(S944)は、フルパスワード作成(暗号化)時の演算(
図68参照)を逆順序で処理(復号化用データを参照)する事により、元のデータ番号1〜20の値を算出する処理となる。そして、復号化したデータ番号1〜19の合計値(8ビットSUM値)と、復号化したデータ番号20の値を比較し、異なる場合は
図41に示す「E」にジャンプし、一致すれば「ストーリー進行(どの国まで進んでいるか)、敵キャラクターの残りパワー、各キャラクターのレベル、経験値、お金、武装、防具、アクセサリー、クリア回数、大事な物」を復元する。
【0234】
即ち、パスワードを構成する文字列のうちの複数のデータ番号1〜19の文字を特定する数値データの和が、データ番号20の文字を特定する数値データと一致するという規定に沿ってパスワードを生成するので、入力されたパスワードを復元したデータについて、その規定が満たされているか否かを判別するだけで、容易にパスワードが正しいものであるか否かを判別することができる。なお、本実施形態では、S807,S939,S944を実行しているときのCPU52Aが本発明の「パスワード入力判定手段」に相当する。
【0235】
そして、パスワード判定フラグがフルかどうか判断し(S945)、フルであれば(S945でyes)、フルパスワードでは、装備品を完全に復帰させることができるので、完全復帰装備データ(フルパスワードでロードされるデータ)をコマンド送信する為にセットする(S946)。そして、パスワードモードフラグを1に設定し(S947)、初期化フラグを0に設定し(S983)、この処理(S809)を終了する。これにより「パスワードモード」となる。
【0236】
パスワード判定フラグがフルでなければ(S943でno又はS945でno)、この処理(S809)を終了する。なお、この処理(S809)では、タイマには「1980ミリ秒」がセットされる。即ち、液晶表示装置32には、データ読み込み中画面(
図10参照)が合計で2秒間表示される。そして、1980ミリ秒が経過するとシナリオ制御処理(S582)のステップ726にて、パスワード判定結果成功処理(S810)が設定される。
【0237】
パスワード判定結果成功処理(S810)は、
図52に示されており、「データ読み込みに成功しました」の表示を液晶表示装置32に表示させる為のコマンドをセットする(S949)。なお、この処理(S810)では、タイマには「2秒」がセットされる。これにより、液晶表示装置32には、
図12に示すようなパスワード入力画面に、「データ読み込みに成功しました」と表示された成功画面が2秒間表示される。そして、2秒が経過するとシナリオ制御処理(S582)のステップ726にて、前述の図柄待機画面処理(S800)が設定される。
【0238】
パスワード判定結果失敗処理(S811)は、
図53に示されており、「パスワードが間違っています」の表示を液晶表示装置32に表示させる為のコマンドをセットする(S948)。なお、この処理(S811)では、タイマには「2秒」がセットされる。これにより、液晶表示装置32には、
図11に示すようなパスワード入力画面に、「パスワードが間違っています」と表示された失敗画面が2秒間表示される。そして、2秒が経過するとシナリオ制御処理(S582)のステップ726にて、前述のパスワード入力画面処理(S804)が設定される。
【0239】
図35に示すように、10msタイマ割り込み処理(S58)において、シナリオ制御処理(S582)に次いで、設定されているシナリオに合わせたSW処理を実行する(S583)。詳細には、前述したSW状態取得処理(S580)で格納したデータをもとにスイッチ有効期間の管理及び動作の設定を行うと共に、前述したシナリオ制御処理(S582)にてセットされる図柄待機画面SW処理(S60)、パスワード確認画面SW処理(S61)、パスワード入力画面SW処理(S62)、現データ消去確認画面SW処理(S63),デモムービー画面のSW処理の何れかを行う。このSW処理(S583)に次いで、その他の処理(S584)を実行し、10msタイマ割り込み処理(S58)から抜ける。以下、各SW処理(S60〜S63)について説明する。
【0240】
図柄待機画面SW処理(S60)は、
図54に示されており、シナリオ制御処理(S582)で図柄待機画面処理(S800)が設定されている場合に設定され、図柄待機画面処理(S800)に設定されているタイマが0になると設定が解除される。
【0241】
この処理(S60)では、まず、SW入力が中(PUSHボタン24K押下)かどうか判断され(S640)、押下であれば(S640でyes)、切替カウンタが1加算され(S641)、続いて、切替カウンタが5かどうか判断され(S642)、5でなければ(S642でno)この処理(S60)を終了する一方、5であれば(S642でyes)、図柄待機画面処理(S800)のシナリオタイマ(30秒)を0にセットして(S643)、この処理(S60)を終了する。一方、SW入力が中でなければ(S640でno)、SW入力が上、下、左、右の移動操作ボタン24U,24D,24L、24Rの何れかの押下であるか判断され(S644)、何れかの移動操作ボタン24U,24D,24L、24Rの押下でもない場合(S644でno)この処理(S60)を終了する一方、上、下、左、右の移動操作ボタン24U,24D,24L、24Rの何れかの押下であれば(S644でyes)切替カウンタを0にクリアして(S645)、この処理(S60)を終了する。
【0242】
これにより、図柄待機画面処理(S800)の実行中、即ち、図柄待機画面(
図6参照)表示中にPUSHボタン24Kが5回連続で押下された場合、タイマが0に設定されて、次のパスワード確認画面処理(S801)が実行される。PUSHボタン24Kが5回連続で押下されずに途中で上、下、左、右の移動操作ボタン24U,24D,24L、24Rの何れかが押下されると、カウンタが0にクリアされ、再度5回連続で押さないと、次の処理へとジャンプしない構成となっている。即ち、PUSHボタン24Kが5回連続押下されることが、本発明に係る「パスワード報知要求操作」に相当する。
【0243】
パスワード確認画面SW処理(S61)は、
図55に示されており、上又は下の移動操作ボタン24U,24Dが操作されたか判断し(S646)、上か下であれば(S646でyes)、カーソル位置が0かどうか判断し(S647)、0でなければ(S647でno)カーソル位置に0をセットし(S649)、カーソル位置が0であれば(S647でyes)カーソル位置に1をセットする(S648)。そして、カーソル位置情報をコマンド送信して(S650)この処理(S61)を終了する。
【0244】
一方、上及び下の移動操作ボタン24U,24Dが操作されていない場合(S646でno)、SW入力中(PUSHボタン24K押下)であるか判断し(S651)、押下であれば(S651でyes)カーソル位置が0かどうか判断し(S652)、0でなければ(S652でno)、シナリオ制御処理(S582)のステップ726にて、現データ消去確認画面処理(S805)が設定される(S654)。そして、カーソル位置が0であれば(S652でyes)シナリオ制御処理(S582)のステップ726にて、パスワード入力画面処理(S804)が設定される(S653)。
【0245】
これにより、パスワード確認画面(
図7参照)で「つづきから遊ぶ」又は「最初から遊ぶ」の何れかにカーソル位置が合わせられ、「つづきから遊ぶ」が選択されると、
図41に示す「C」にジャンプしてパスワード入力画面(
図9参照)が表示され、パスワード確認画面(
図7参照)で「最初から遊ぶ」が選択されると、
図41に示す「A」にジャンプして現データ消去確認画面(
図8参照)が表示される。
【0246】
現データ消去確認画面SW処理(S63)は
図58に示されており、このとき、液晶表示装置32には現データ消去確認画面(
図8参照)が表示される。現データ消去確認画面SW処理(S63)では先ず、SW入力が左か右か(左か右の移動操作ボタン24L,24Rが押下された)どうか判断し(S670)、左か右であれば(S670でyes)、カーソル位置が「いいえ」の位置(Side=0×10の位置)かどうか判断し(S671)、0×10であれば(S671でyes)、カーソル位置に「はい」の位置(0×11)を代入する(S672)一方、カーソル位置が0×10ででない場合(S671でno)にはカーソル位置に0×10を代入する(S673)。そして、カーソル位置情報をコマンド送信して(S674)この処理(S63)を終了する。
【0247】
一方、SW入力が左でも右でもない場合(S670でno)、SW入力が中(PUSHボタン24Kが押下された)かどうか判断し(S675)、中でなければ(S675でno)この処理(S63)を終了する一方、中であれば(S675でyes)、カーソル位置が0×10かどうか判断し(S676)、0×10であれば(S676でyes)シナリオ制御処理(S582)にパスワード確認画面1処理(S801)をセットして(S677)この処理(S63)を終了する一方、カーソル位置が0×10でない場合(S676でno)にはシナリオ制御処理(S582)のステップ726にてデモムービー画面処理(S80)をセットして(S678)この処理(S63)を終了する。
【0248】
これにより、
図8に示す現データ消去確認画面で「はい」又は「いいえ」の何れかにカーソル位置が合わせられ、「いいえ」が選択されるとパスワード入力画面(
図9参照)が表示され、「はい」が選択されるとデモムービー画面(図示せず)が表示される。
【0249】
続いて、パスワード入力画面SW処理(S62、
図56参照)の説明を行う前に、パスワード入力画面SW処理(S62)の実行時に液晶表示装置32に表示されるパスワード入力画面について説明しておく。
図9に示すように、パスワード入力画面には、パスワード入力欄F1と選択対象図表示欄F2とが設けられている。
【0250】
パスワード入力欄F1には、最大でひらがな24文字(フルパスワードの文字数)まで入力可能となっており、ひらがな文字が入力される位置には、例えば、下線で表されたサブカーソルC1が表示される。なお、サブカーソルC1の表示形式は下線に限定するものではない。
【0251】
選択対象図表示欄F2には、「複数の選択対象図」として、例えば、64個のひらがな文字と5個のボタンアイコンとが表示されている。ひらがな文字は、マトリクス状に配置されている。また、「や」と「ゆ」及び「ゆ」と「よ」の間には、それぞれ1文字分ずつ選択対象図を有しない空白表示部が設けられ、「わ」より右側には4文字分の連続した空白表示部が設けられている。
【0252】
ひらがな文字群の下方には5つのボタンアイコンが横並びに配置されている。具体的には、表示画面の左から右に向かって「1文字進む」、「1文字戻る」、「1文字消す」、「やめる」、「決定」の順にボタンアイコンが並べて配置されている。そして、これら複数のひらがな文字及びボタンアイコンの何れか1つに重ねて、例えば、角括弧で表されたメインカーソルC2が表示される。
【0253】
メインカーソルC2を任意のひらがな文字に重ねた状態でPUSHボタン24Kを押下すると、メインカーソルC2が重ねられたひらがな文字がパスワード入力欄F1におけるサブカーソルC1の位置に表示される。このとき、パスワード入力画面SW処理(S62)により、入力画面位置情報「1」(詳細には、
図72(C)に示すコマンド「0x01」)が取得される。
【0254】
メインカーソルC2を「1文字進む」のボタンアイコンに重ねてPUSHボタン24Kを押下すると、パスワード入力欄F1におけるサブカーソルC1の位置が1文字分、右側にシフトする。このとき、パスワード入力画面SW処理(S62)により、入力画面位置情報「2」(詳細には、
図72(C)に示すコマンド「0x02」)が取得される。
【0255】
メインカーソルC2を「1文字戻る」のボタンアイコンに重ねてPUSHボタン24Kを押下すると、パスワード入力欄F1におけるサブカーソルC1の位置が1文字分、左にシフトする。このとき、パスワード入力画面SW処理(S62)により、入力画面位置情報「3」(詳細には、
図72(C)に示すコマンド「0x03」)が取得される。
【0256】
メインカーソルC2を「1文字消す」のボタンアイコンに重ねてPUSHボタン24Kを押下すると、パスワード入力欄F1のうちサブカーソルC1と重ねて表示されたひらがな文字が削除される。このとき、パスワード入力画面SW処理(S62)により、入力画面位置情報「4」(詳細には、
図72(C)に示すコマンド「0x04」)が取得される。
【0257】
メインカーソルC2を「やめる」のボタンアイコンに重ねてPUSHボタン24Kを押下すると、液晶表示装置32の表示画面がパスワード入力画面からパスワード確認画面(
図7参照)に切り替わる。このとき、パスワード入力画面SW処理(S62)により、入力画面位置情報「5」(詳細には、
図72(C)に示すコマンド「0x05」)が取得される。
【0258】
メインカーソルC2を「決定」のボタンアイコンに重ねてPUSHボタン24Kを押下すると、パスワード入力欄F1に表示されているひらがな文字群がパスワードとして確定し、液晶表示装置32の表示画面がパスワード入力画面からデータ読み込み中画面(
図10参照)に切り替わる。このとき、パスワード入力画面SW処理(S62)により、入力画面位置情報「6」(詳細には、
図72(C)に示すコマンド「0x06」)が取得される。
【0259】
メインカーソルC2は、上、下、左、右の4つの移動操作ボタン24U,24D,24L,24R(
図2参照)を押下することで、選択対象図表示欄F2内を上下左右の4方向に移動し、上記の如く、複数の選択対象図(ひらがな文字及びボタンアイコン)のうち、遊技者が任意に選択した1つの選択対象図に重ねて表示させることができる。そして、メインカーソルC2を選択対象図表示欄F2内で移動させるために、サブ制御基板57のROM52Cには、「移動先データテーブル」が記憶されている。
【0260】
移動先データテーブルは、複数の選択対象図(ひらがな文字及びボタンアイコン)毎に、メインカーソルC2が重ねて表示された状態で上、下、左、右の移動操作ボタン24U,24D,24L,24Rの何れかが操作(押下)されたときに、その移動操作によってメインカーソルC2が移動し得る別の選択対象図の位置を移動先データとして予め記憶している。
【0261】
具体的には、移動先データテーブルは、上、下、左、右の各移動操作ボタン24U,24D,24L,24R毎に個別に設けられた個別データテーブルDT1〜DT4(
図73参照)と、各移動操作ボタン24U,24D,24L,24Rに共通の共通データテーブルDT5(
図72(A)参照)とから構成され、押下された移動操作ボタン24U,24D,24L,24Rに対応した何れか1つの個別データテーブルと共通データテーブルDT5及びメインカーソルC2の現在位置座標に基づいて、メインカーソルC2の移動先データ(コマンド)が決定されるようになっている。
【0262】
各個別データテーブルDT1〜DT4及び共通データテーブルDT5は、何れも10行8列の行列データであって、メインカーソルC2の移動先データは、共通データテーブルDT5の横方向座標Sと縦方向座標Lとを成分とした参照座標(S,L)により特定される。例えば、
図72(A)に示すように、参照座標(4,4)から特定される移動先データは「0x18」であり、参照座標(8,1)から特定される移動先データは「0x2B」である。また、各移動先データは、選択対象図表示欄F2における何れか1つの選択対象図(ひらがな文字又はボタンアイコン)に対応しており(
図72(B)参照)、例えば、上述した移動先データ「0x18」は「の」の位置に対応し、移動先データ「0x2B」は「れ」の位置に対応している。
【0263】
そして、サブ制御基板57は、押下された移動操作ボタン24U,24D,24L,24Rに対応する個別データテーブルDT1〜DT4の何れか1つとメインカーソルC2の現在位置座標とから参照座標(S,L)を決定し、その参照座標(S,L)と共通データテーブルDT5とを照合することで特定された移動先データを演出制御基板70に出力する。また、演出制御基板70は、移動先データに応じた位置にメインカーソルC2を移動表示させる。
【0264】
これを、
図56に示すパスワード入力画面SW処理(S62)のフローチャートに基づいて説明すると、左移動操作ボタン24L又は右移動操作ボタン24Rが押された場合(S655又はS658でyes)には、押下された左右何れかの移動操作ボタン24L又は24Rに対応する個別データテーブルDT3又はDT4と、メインカーソルC2の現在位置座標とを照合し、その現在位置座標に対して割り当てられている個別データテーブルDT3又はDT4上の数値を新たな横方向座標Sとし、現在の縦方向座標Lと組み合わせて参照座標(S,L)とする(S656,S659)。
【0265】
理解を容易にするため具体例を挙げて説明すると、例えば、メインカーソルC2の現在位置が「あ」に重なる位置のときに、左移動操作ボタン24Lが押下されると(S655でyes)、その現在位置座標(0,0)と左移動用の個別データテーブルDT4との照合結果から新たな横方向座標Sが「9」となり、現在の縦方向座標Lである「0」と組み合わせた参照座標(9,0)が決定される(S656)。そして、この参照座標(9,0)と共通データテーブルDT5(
図72(A)参照)との照合結果から、演出制御基板70に出力する移動先データとして「0x27」がセットされる(S657)。
【0266】
同様に、メインカーソルC2の現在位置が「あ」に重なる位置のときに、右移動操作ボタン24Rが押下されると(S658でyes)、その現在位置座標(0,0)と右移動用の個別データテーブルDT3との照合結果から新たな横方向座標Sが「1」となり、現在の縦方向座標Lである「0」と組み合わせた参照座標(1,0)が決定される(S659)。そして、この参照座標(1,0)と共通データテーブルDT5との照合結果から、演出制御基板70に出力する移動先データとして「0x01」がセットされる(S660)。
【0267】
つまり、メインカーソルC2が「あ」に重なる位置のときに左移動操作ボタン24Lを押下するとメインカーソルC2が「よ」に重なる位置に移動し、メインカーソルC2が「あ」と重なる位置のときに右移動操作ボタン24Rを押下するとメインカーソルC2が「い」と重なる位置に移動する(
図72(B)参照)。
【0268】
上移動操作ボタン24U又は下移動操作ボタン24Dが押された場合(S661又はS664でyes)には、押下された移動操作ボタン24U又は24Dに対応する個別データテーブルDT1又はDT2と、メインカーソルC2の現在位置座標とを照合し、その現在位置座標に割り当てられている個別データテーブルDT1又はDT2上の数値を新たな縦方向座標Lとし、現在の横方向座標Sと組み合わせて参照座標(S,L)とする(S662,S665)。
【0269】
理解を容易にするため具体例を挙げて説明すると、例えば、メインカーソルC2の現在位置が「あ」と重なる位置のときに、上移動操作ボタン24Uが押下されると(S661でyes)、その現在位置座標(0,0)と上移動用の個別データテーブルDT1との照合結果から新たな縦方向座標Lが「7」となり、現在の横方向座標Sである「0」と組み合わせた参照座標(0,7)が決定される(S662)。そして、この参照座標(0,7)と共通データテーブルDT5(
図72(A)参照)との照合結果から、演出制御基板70に出力する移動先データとして「0x46」がセットされる(S663)。
【0270】
同様に、メインカーソルC2の現在位置が「あ」と重なる位置のときに、下移動操作ボタン24Dが押下されると(S664でyes)、その現在位置座標(0,0)と下移動用の個別データテーブルDT2との照合結果から新たな縦方向座標Lが「1」となり、現在の横方向座標Sである「0」と組み合わせた参照座標(0,1)が決定される(S665)。そして、この参照座標(0,1)と共通データテーブルDT5との照合結果から、演出制御基板70に出力する移動先データとして「0x05」がセットされる(S666)。
【0271】
つまり、メインカーソルC2の現在位置が「あ」と重なる位置のときに上移動操作ボタン24Uを押下するとメインカーソルC2が「1文字進む」のボタンアイコンと重なる位置に移動し、メインカーソルC2が「あ」と重なる位置のときに下移動操作ボタン24Dを押下するとメインカーソルC2が「か」と重なる位置に移動する(
図72(B)参照)。
【0272】
これらを纏めると、メインカーソルC2が「あ」と重なる位置で移動操作ボタン24U,24D,24L,24Rが押下された場合の移動先データとして、移動先データテーブルには、上移動操作用の移動先データ「0x46」と、下移動操作用の移動先データ「0x05」と、左移動操作用の移動先データ「0x27」と、右移動操作用の移動先データ「0x01」とが記憶されている。
【0273】
さらに別の具体例を挙げて説明すると、メインカーソルC2の現在位置が、例えば、「れ」と重なる位置のときに、左移動操作ボタン24Lが押下されると(S655でyes)、メインカーソルC2の現在位置座標(8,1)と左移動用の個別データテーブルDT4との照合結果から参照座標(7,1)が決定され(S656)、この参照座標(7,1)と共通データテーブルDT5との照合結果からメインカーソルC2の移動先として移動先データ「0x2A」がセットされる(S657)。すると、メインカーソルC2は「れ」から左隣の「る」と重なる位置に移動する。
【0274】
また、同じくメインカーソルC2の現在位置が「れ」と重なる位置のときに右移動操作ボタン24Rが押下されると(S658でyes)、メインカーソルC2の現在位置座標(8,1)と右移動用の個別データテーブルDT3との照合結果から参照座標(9,1)が決定され(S659)、この参照座標(9,1)と共通データテーブルDT5との照合結果からメインカーソルC2の移動先として移動先データ「0x2C」がセットされる(S660)。すると、メインカーソルC2は「れ」から右隣の「ろ」と重なる位置に移動する。
【0275】
さらに、メインカーソルC2の現在位置が「れ」と重なる位置のときに上移動操作ボタン24Uが押下されると(S661でyes)、メインカーソルC2の現在位置座標(8,1)と上移動用の個別データテーブルDT1との照合結果から参照座標(8,0)が決定され(S662)、この参照座標(8,0)と共通データテーブルDT5との照合結果からメインカーソルC2の移動先として移動先データ「0x27」がセットされる(S663)。すると、メインカーソルC2は、「れ」の右斜め上に配置された「よ」と重なる位置に移動する。
【0276】
同じくメインカーソルC2の現在位置が「れ」と重なる位置のときに下移動操作ボタン24Dが押下されると(S664でyes)、メインカーソルC2の現在位置座標(8,1)と下移動用の個別データテーブルDT2との照合結果から参照座標(8,2)が決定され(S665)、その参照座標(8,2)と共通データテーブルとの照合結果からメインカーソルC2の移動先として移動先データ「0x2D」がセットされる(S666)。すると、メインカーソルC2は、「れ」の左斜め下に配置された「わ」と重なる位置に移動する。
【0277】
以上を纏めると、メインカーソルC2の現在位置が「れ」と重なる位置で移動操作ボタン24U,24D,24L,24Rが押下された場合の移動先データとして、移動先データテーブルには、上移動操作用の移動先データ「0x27」と、下移動用の移動先データ「0x2D」と、右移動操作用の移動先データ「0x2C」と、左移動操作用の移動先データ「0x2A」が記憶されている。
【0278】
ここで本実施形態では、パスワード入力画面において「れ」の上下は共に空白表示部になっているが、「れ」の位置から上又は下移動操作ボタン24U,24Dが押下された場合に、メインカーソルC2がそのまま「れ」の真上又は真下の空白表示部に移動することはなく、移動先データテーブルに設定された所定のひらがな文字(「よ」又は「わ」)に移動するようになっている。
【0279】
また、「れ」と重なる位置から上又は下の移動操作ボタン24U,24Dが押下された場合のみならず、空白表示部の隣り(空白表示部の上下左右の何れか)に位置するひらがな文字から、空白表示部側にメインカーソルC2を移動させるような移動操作ボタン24U,24D,24L,24Rの操作が行われた場合にも、空白表示部ではない予め定められた所定のひらがな文字に移動するようになっている。例えば、「り」と重なる位置から上移動操作ボタン24Uが押下された場合、メインカーソルC2は、左斜め上の「や」と重なる位置に移動し、「り」と重なる位置から下移動操作ボタン24Dが押下された場合、メインカーソルC2は、「わ」と重なる位置に移動する。また、「わ」と重なる位置から右移動操作ボタン24Rが押下された場合、メインカーソルC2は「さ」と重なる位置に移動する。
【0280】
ここで、パスワード入力画面SW処理(S62)では、セットされた移動先データに対応した入力画面位置情報を移動先データと共にセットする。即ち、移動先データがひらがな文字に対応する場合、入力画面位置情報「1」をセットし、移動先データが「1文字進む」に対応する場合、入力画面位置情報「2」をセットし、移動先データが「1文字戻る」に対応する場合、入力画面位置情報「3」をセットする。更に、移動先データが「1文字消す」に対応する場合、入力画面位置情報「4」をセットし、移動先データが「やめる」に対応する場合、入力画面位置情報「5」をセットし、移動先データが「決定」に対応する場合、入力画面位置情報「6」をセットする。
【0281】
4つの移動操作ボタン24U,24D,24L,24Rが何れも押下されていない(S655,S658,S661,S664で全てno)場合には、SW入力操作が中である(PUSHボタン24Kが押下された)か否かが判定される(S667)。そして、SW入力操作が中である場合(S667でyes)には、パスワード入力処理(S668)を実行する。
【0282】
パスワード入力処理(S668)は、
図57に示されている。具体的には、まず、セットされた入力画面位置情報が「1」(メインカーソルC2がひらがな文字と重なる位置)かどうか判断し(S950)、「1」であれば(S950でyes)、パスワード入力文字(メインカーソルC2と重なっているひらがな文字)を格納し(S951)、パスワード入力欄F1におけるパスワードの入力位置(サブカーソルC1の現在位置)、パスワード入力文字の順に演出制御基板70にコマンドを送信する(S952)。続いて、パスワード入力用テーブル(図示せず)から新たなサブカーソルC1の位置(サブカーソルC1の移動先)を決定し(S953)、再度、パスワード入力位置(サブカーソルC1の移動先)を演出制御基板70にコマンド送信して(S954)この処理(S668)を終了する。これにより、メインカーソルC2と重ねて表示されたひらがな1文字が、パスワード入力欄F1におけるサブカーソルC1の表示位置に加えられると共に、その新たに加えられたひらがな文字の右隣にサブカーソルC1が移動する。
【0283】
セットされた入力画面位置情報が「4」(メインカーソルC2が「1文字消す」のボタンアイコンと重なる位置)であれば(S950でnoかつS955でyes)、25文字目(パスワード入力欄F1に表示可能なパスワードは最大24文字であるが「1文字消す」の処理のために制御処理上は25文字分設定されている)に空白を挿入する(S956)。次いで、現在のパスワード入力位置(現在のサブカーソルC1の位置)のひらがな文字を削除すると共に、サブカーソルC1より後側(右側)のひらがな文字及び空白を左側にスライドしてコピーする(S957)。そして、パスワード(ひらがな文字)、サブカーソルC1をパスワード入力欄F1に再表示して(S958)この処理(S668)を終了する。
【0284】
入力画面位置情報が3(メインカーソルC2が「1文字戻る」のボタンアイコンと重なる位置)であれば(S950,S955でnoかつS959でyes)、サブカーソルC1の現在位置とSW入力「もどる」用のテーブル(図示せず)とから新たなパスワード入力位置(サブカーソルC1の移動先)の値を決定し(S960)、そのパスワード入力位置の値に対応したカーソル情報のコマンドをセットして(S960)、この処理(S668)を終了する。これにより、パスワード入力欄F1におけるサブカーソルC1が1文字分左側に移動する。
【0285】
入力画面位置情報が2(メインカーソルC2が「1文字進む」のボタンアイコンと重なる位置)であれば(S950,S955,S959でnoかつS962でyes)、SW入力「すすむ」用のテーブル(図示せず)から新たなパスワード入力位置(サブカーソルC1の移動先)の値を決定し(S963)、そのパスワード入力位置の値に対応したカーソル情報のコマンドをセットして(S964)この処理(S668)を終了する。これにより、パスワード入力欄F1におけるサブカーソルC1が1文字分右側に移動する。
【0286】
入力画面位置情報が5(メインカーソルC2が「やめる」のボタンアイコンと重なる位置)であれば(S950,S955,S959,S962でnoかつS965でyes)、シナリオ制御処理(S582)にパスワード確認画面1処理(S801)をセットして(S966)この処理(S668)を終了する。これにより、液晶表示装置32の表示画面がパスワード入力画面(
図9参照)からパスワード確認画面(
図7参照)に戻る。
【0287】
入力画面位置情報が6(メインカーソルC2が「決定」と重なる位置)であれば(S950,S955,S959,S962,S965でnoかつS967でyes)、シナリオ制御処理(S582)にパスワード読み込み1処理(S807)をセットして(S966)この処理(S668)を終了する。これにより、液晶表示装置32の表示画面がパスワード入力画面(
図9参照)から、「データ読み込み中」と表示されたパスワード読み込み中画面(
図10参照)に切り替わり、パスワード入力欄F1に入力されたパスワードに応じた処理が行われる。以上が、パスワード入力画面SW処理(S62)及びこの処理(S62を含むサブ制御基板メインプログラムPG2の説明である。
【0288】
このように本実施形態のパチンコ遊技機10によれば、パスワード入力画面(
図9参照)に表示された複数の選択対象図(ひらがな文字及びボタンアイコン)毎に、メインカーソルC2が重ねて表示された状態で、4つの移動操作ボタン24U,24D,24L,24Rの何れかが押下されたときにメインカーソルC2が移動し得る別の選択対象図を移動先データとして移動先データテーブルに記憶しているので、設計通りの移動先にメインカーソルC2が移動するか否かを移動先データテーブルから容易に確認することができる。これにより、メインカーソルC2の移動に関するプログラム(パスワード入力画面SW処理)の確認を従来より容易に行うことができる。
【0289】
また、略マトリクス状に配置された複数の選択対象図のうち、空白表示部の隣に位置した選択対象図にメインカーソルC2が重ねて表示された状態で、メインカーソルC2を空白表示部側に移動させる移動操作が行われても、その移動操作に対応した移動先データに応じてメインカーソルC2を空白表示部ではなく、他の選択対象図に重ねて表示させることができる。これにより、マトリクスの一部に空白表示部を設けて複数の選択対象図を見易くしても、メインカーソルC2の機動性を維持することができる。
【0290】
さらに、一定周期でメイン制御処理に割り込んで実行される10msタイマ割り込み処理(S58)毎にメインカーソルC2の位置表示を変更することができ、移動操作ボタン24U,24D,24L,24Rの操作に応じてメインカーソルC2を機敏に移動させることができる。
【0291】
なお、上記したパスワード入力画面処理(S804,
図46参照)と、パスワード入力画面SW処理(S62,
図56参照)を実行することで、サブ制御基板57のCPU52Aと、液晶表示装置32及び操作ボタン24が本発明に係る「パスワード入力手段」として機能する。
【0292】
図35に示すように、10msタイマ割り込み処理(S58)において、SW処理(S583)に次いで、その他の処理(S584)が実行され、10msタイマ割り込み処理(S58)から抜ける。
【0293】
図32に示すように、1msec毎に1msタイマ割り込み処理(S59)、10msec毎に10msタイマ割り込み処理(S58)が実行され、その間にCPU52Aに割り込みパルスが入力するまで、ステップ53〜S56の処理が繰り返し実行され、割り込みパルスの入力を起因にサブ制御コマンド受信割り込み処理(S57)が実行される。以上がサブ制御基板メインプログラムPG2の説明である。
【0294】
以下、本実施形態のパチンコ遊技機10の動作、作用及び効果について説明する。本実施形態のパチンコ遊技機10は、上述したように、パチンコ遊技機の電源をオフしても情報を記憶しておくことが可能なSRAM52Dに、パスワード生成用乱数値を含む遊技情報(データ番号1〜4の値)を記憶している。なお、出荷時のSRAM52Dには、データ番号1〜4の初期データが記憶されている。
【0295】
そして、パチンコ遊技機10の電源がオンされると、上述した「SRAM読み込み処理(S602,S606,S616,
図37参照)」によって、SRAM52Dに記憶されたデータ番号1,2の値がRAM52Bに読み込まれて実機変数となる。また、上述した「乱数値取得処理A(S608,S622,
図38参照)」によって、SRAM52Dに記憶されたデータ番号4の値をもとに新たなパスワード生成用乱数値に変換されて実記変数(RAM52Bのデータ番号4の値)となる。このとき、RAM52Bのデータ番号5〜19の値は初期値であり、データ番号3,20の値が再計算される。
【0296】
ところで、本実施形態のパチンコ遊技機10では、パチンコ遊技機10の電源オン後1回目の変動の際にバックアップモード又は初期化モードであれば、上述した「乱数値取得処理B(S619,
図38参照)」によって、RAM52Bに記憶されているパスワード生成用乱数値(データ番号4の値)がその値をもとに新たなパスワード生成用乱数値に変換され、変換後の値(詳細には、データ番号4及びデータ番号3の値)がSRAM52Dへバックアップされるように構成されている。
【0297】
即ち、パチンコ遊技機10の出荷後、電源オン後1回目の変動の際にバックアップモード又は初期化モードで遊技が行われて変動すると、SRAM52Dに記憶されるパスワード生成用乱数値(データ番号4の値)及びデータ番号3の値が変化していく。ここで、パチンコ遊技機10の電源オン後1回目の変動は、ランダムに成立し得るので、SRAM52Dに記憶されるパスワード生成用乱数値(データ番号4の値)及びデータ番号3の値は、本実施形態のパチンコ遊技機が複数あった場合、パチンコ遊技機同士の間で異なった状態になる。
【0298】
さて、本実施形態のパチンコ遊技機10は、パスワード生成用乱数値(データ番号4の値)の相違により同じ遊技情報(データ番号1〜2,5〜19)が異なる表示になるように変換し、パスワード生成用乱数値(データ番号4の値)と遊技情報(データ番号1〜3,5〜20)とを暗号化して含んだパスワードを生成する。
【0299】
具体的には、データ番号1,5〜19の値が「0」で、データ番号2(ボスの残りパワー)の値が「50(100%)」である場合を例にして考える。
【0300】
パスワード生成用乱数値が「0]の場合(データ番号3は「50」、データ番号20は「100」となる)、上述したフルパスワード暗号化方法(
図68参照)によって生成されるフルパスワードは、「な う で る い も う げ や ぬ ろ よ い へ ざ り て ど け あ う で り さ」となる。
【0301】
これに対し、パスワード生成用乱数値が「1]に変わると(データ番号3は「51」、データ番号20は「102」となる)、生成されるフルパスワードは、「が な ち よ む ぞ て ふ ぞ は ぞ ち て ふ に べ み じ す ご ろ ざ ぬ む」となる。
【0302】
また、パスワード生成用乱数値が「2]に変わると(データ番号3は「52」、データ番号20は「104」となる)、生成されるフルパスワードは、「ぼ べ ね ぬ ず ふ ち ら ら げ ほ ぎ ら ど で か づ ば が ね ひ み ば け」となる。
【0303】
上記の例からわかるように、遊技情報(データ番号1〜2,5〜19)が同じであっても、パスワード生成用乱数値(データ番号4の値)が異なるだけで、データ番号3,20のSUM値が異なり、生成されるパスワードは確実に異なるものになる。換言すると、遊技情報(データ番号1〜2,5〜19)は予め設定された範囲の中から遊技状況に応じて(遊技状態の所定進行状態に応じて)選択されるものである(遊技状況に対して固定されている)が、パスワード生成用乱数値がランダムに取得されるため、同一の遊技情報から再現される遊技状態であっても、それを再現するためのパスワードがパスワード生成用乱数値に応じて異なる。
【0304】
これにより、本実施形態のパチンコ遊技機を複数設置した遊技島において、同じ進行状況(遊技状態)で遊技機電源がオフされても、その後、オンしてから1度も発射操作ノブ27が操作されていない待機状態で表示されるパスワードは、パチンコ遊技機同士の間で従来より確実に相違する。厳密には、上述の構成により、パチンコ遊技機が出荷された後の初回の遊技が開始されてから常に同じ動き(遊技球の入賞タイミングや電源のオンタイミング等の遊技機に関わる動作)で稼動していない限り、パチンコ遊技機間で生成(報知)されるパスワードを異ならせることが可能となる。従って、例えば、パチンコ遊技機があまり稼働していない状態でも、横並びに複数設置されたパチンコ遊技機同士の間には異なるパスワードが表示されるので、遊技場の開店時に来場する遊技者により、パチンコ遊技機が違和感なく選ばれるようになる。
【0305】
また、遊技者にパスワードが解読されると、そのパスワードに含まれる遊技情報(データ番号1〜20)が遊技者によって変えられる(好みの遊技情報でパスワードを生成される)虞があるが、本実施形態では、パスワード生成用乱数値が異なることにより、待機状態で表示されるパスワードが異なるので、遊技者によるパスワードの解読も防ぐことができる。例えば、従来技術で示した遊技機は、乱数値を用いて表示されるパスワードを異ならせるようにしているが、パスワードを構成している文字列が並び替えられただけであり、文字列に含まれる文字が遊技情報に対応しているため、パスワードから再現される遊技状態が識別され易くなってしまうが、本実施形態によれば、報知されるパスワードそのものに対応する遊技情報が存在していないため、パスワードを入力することなくパスワードそのものから遊技者から再現される遊技状態(パスワードに含まれる再現用遊技情報)を識別することは困難となっている。
【0306】
しかも、本実施形態のパチンコ遊技機10では、バックアップモード中でかつ大当り終了の際には、上述した「SRAM書き込み処理(S612,
図39参照)」によって、RAM52Bに記憶されているデータ番号1〜4の値が、SRAM52Dにバックアップされるように構成されている。従って、バックアップモードで遊技が行われると、パスワード生成用乱数値(データ番号4の値)の違いに加えて、SRAM52Dに記憶される遊技情報(データ番号1,2の値)も、パチンコ遊技機同士の間で異なった状態になる。これにより、パチンコ遊技機10の電源のオフ後、オンしてから1度も発射操作ノブ27が操作されていない待機状態で、ますますパチンコ遊技機同士の間で異なるパスワードが表示されるようになる。さらに、遊技者は、バックアップモードを狙って各遊技機に固有のバックアップの内容を遊技者が更新させていく楽しみ方もできるし、当りとなった遊技者がバックアップの内容を更新できるので、遊技者に当たるまで遊技を継続させ易くすることができる。
【0307】
なお、SRAM52Dへの遊技情報のバックアップが、初期化モード中やパスワードモード中にも行われると、初期化モードが選択される度に遊技状態が初期状態となってSRAM52Dに保存される遊技状態が進行しない事態や、SRAM52Dに保存される遊技状態が過度に進行した事態となり得るが、本実施形態では、パチンコ遊技機10の電源オン後初期化モード中やパスワードモードに移行する前のバックアップモード中にのみSRAM52Dへの遊技情報(データ番号1〜4の値)のバックアップが行われるので、SRAM52Dに記憶された遊技情報(データ番号1〜4の値)の更新頻度を抑制することができ、上述のような事態を避けられる。
【0308】
また、パスワード報知の度にパスワードがランダムに変化するように構成すると、遊技の進行状況に変化がなくても常にパスワードが変化してしまうため遊技者の混乱を招き易くなる。かといって再現される遊技状態に応じて生成されるパスワードが1対1の関係であると、同じ遊技状態であれば生成されるパスワードが同じ(一律)となり、パスワードのバリエーションに乏しく、面白みに欠ける。そして、パスワードに応じたデータを予め格納しておく構成とすると、データの種類を多く持つことが困難となると共に、全データを格納しておかなければならないため記憶容量を圧迫する。
【0309】
しかしながら、本実施形態によれば、データ容量を圧迫する虞も低減すると共に報知されるパスワードのバリエーションが豊富になり、電源オン時にSRAM52DからRAM52Bに読み込んだパスワード生成用乱数値を強制的に変更することで、遊技機の電源をオフした時点とオンした時点で遊技状態の進行状況に変化が無い場合でも報知されるパスワードを変えることができる。即ち、1台の遊技機の中で閉店の際の待機状態に報知されるパスワードと、閉店の際の遊技状態から変更がない遊技場の開店時(電源オン後待機状態)に報知されるパスワードとを異ならせ、電源オン後は、遊技の進行状況に変化があった場合にのみパスワードが変化する。これにより、遊技機の稼動状況が低下し遊技されない状況が続いた場合でも、毎日同じパスワードが表示されるのを回避して、遊技されていたように見せることができ、遊技者に人気のある遊技機であるように見せることで当該遊技機の稼働率を高めることを可能としつつ、遊技者が混乱する事態を回避可能となる。
【0310】
なお、発射操作ノブ27の操作終了後、次に操作される迄の待機状
態では、その前の発射操作ノブ27の操作終了時のRAM52Bに記憶されている遊技情報(データ番号1〜20の値)を含むパスワードが生成されるので、パチンコ遊技機同士の間でパスワード生成用乱数値(データ番号4の値)の違いに加えて、遊技情報(データ番号1〜3,5〜20の値)の違いによって、パチンコ遊技機同士で異なるパスワードが表示されるようになる。
【0311】
なお、本実施形態を概念化すると、以下の[1]〜[4]の発明となる。
【0312】
[1]遊技者が操作し得る遊技進行操作部と、
前記遊技進行操作部の操作に起因して所定の遊技状態進行条件が成立したことに基づいて遊技状態が進行し得る遊技を制御する遊技制御手段と、
前記遊技状態の所定進行状態を再現するための再現用遊技情報を含んだパスワードを生成するパスワード生成手段と、
前記パスワードを報知するパスワード報知手段と、
遊技者が前記パスワードを入力するためのパスワード入力手段と、を備え、
前記パスワード入力手段にて前記パスワードが入力されると、そのパスワードから前記再現用遊技情報を前記遊技制御手段が取得して、前記パスワードに対応した遊技状態の前記所定進行状態を再現し、再現した前記遊技状態の前記所定進行状態から前記遊技状態が進行可能となる遊技機において、
遊技機電源をオフしても情報を記憶しておくことが可能であると共に、少なくとも暗号化用乱数値を記憶するバックアップ記憶部と、
前記遊技機電源のオン後にランダムに成立し得る予め設定された暗号化用乱数値更新条件が成立したときに、前記バックアップ記憶部の前記暗号化用乱数値を更新する暗号化用乱数値記憶更新手段を備え、
前記パスワード生成手段は、少なくとも前記バックアップ記憶部に記憶された前記暗号化用乱数値と、遊技状態の前記所定進行状態に応じて前記遊技制御手段により取得された前記再現用遊技情報とから前記パスワードを生成することで、前記暗号化用乱数値の相異により同じ前記再現用遊技情報が取得された場合でも異なるパスワードが生成可能に構成されていることを特徴とする遊技機。
【0313】
[1]の構成とした場合、遊技機電源をオフしても情報を記憶しておくことが可能なバックアップ記憶部に暗号化用乱数値を記憶し、その暗号化乱数値を遊技機電源のオン後にランダムに成立し得る暗号化用乱数値更新条件が成立したときに更新するので、遊技機電源のオン直後であっても遊技機同士の間でバックアップ記憶部に記憶されている暗号化用乱数値が異なった状態になる。そして、パスワード生成手段が、暗号化用乱数値と再現用遊技情報とを暗号化して含んだパスワードを生成するため、暗号化乱数値の相違により同じ再現用遊技情報が異なるパスワードにて報知されるようにすることができる。これにより、複数の遊技機が、遊技の進行状況が同じ状態で遊技機電源がオフされても、その後、オンされて報知されるパスワードが、遊技機同士の間で従来より確実に相違する。これにより、遊技場の開店時に来場する遊技者により、遊技機が違和感なく選ばれるようになる。また、遊技者にパスワードが解読されると、そのパスワードに含まれる再現用遊技情報が遊技者によって知られて、実際に遊技機で遊技を行わなくても再現用遊技情報から遊技が進んだ遊技状態のパスワードを遊技者が生成することが可能となる虞があるが、本発明では、遊技機同士の間でパスワードが異なるので、遊技者によるパスワードの解読も防ぐことができる。
【0314】
[2]前記再現用遊技情報の一部であるメイン再現用遊技情報と前記暗号化用乱数値とを記憶する第1記憶部と、
前記再現用遊技情報のうち前記メイン再現用遊技情報以外のサブ再現用遊技情報と前記メイン再現用遊技情報と前記暗号化用乱数値とを記憶する第2記憶部とを設け、
前記第1記憶部は前記バックアップ記憶部で構成されて、前記遊技機電源のオンオフに拘わらず記憶内容を維持する一方、前記第2記憶部の記憶内容は、前記遊技機電源のオフ後、オフにより予め定められた一定の初期値にリセットされ、
前記遊技制御手段は、前記暗号化用乱数値と前記メイン再現用遊技情報を、所定のバックアップ終了条件が成立するまでは、前記第2記憶部から前記第1記憶部にバックアップすると共に、前記遊技機電源をオンにしたときには、前記第1記憶部から読み出して前記第2記憶部に記憶し、
前記パスワード生成手段は、前記バックアップ終了条件が成立しているか否かに拘わらず少なくとも前記サブ再現用遊技情報については前記第2記憶部に記憶されている前記サブ再現用遊技情報を使用して前記パスワードを生成するようにしたことを特徴とする[1]に記載の遊技機。
【0315】
[2]の構成とした場合、再現用遊技情報の一部であるメイン再現用遊技情報と、そのメイン再現用遊技情報以外のサブ再現用遊技情報と暗号化用乱数値とを第2記憶部に記憶し、所定のバックアップ終了条件が成立するまでは、第2記憶部に記憶されている暗号化用乱数値とメイン再現用遊技情報を第1記憶部にバックアップすると共に、遊技機電源をオンしたときに、第1記憶部に記憶されている暗号化用乱数値及びメイン再現用遊技情報を第2記憶部に復元する構成になっている。これにより、パスワードを生成する際には第2記憶部に記憶されている暗号化用乱数値及び再現用遊技情報を使用するので、第1記憶部に対する記憶負担を軽減することができる。
【0316】
[3]前記パスワードを入力してから前記遊技を開始する再現遊技開始態様と、前記パスワードを入力せずに前記遊技を開始する継続遊技開始態様とを含む複数の遊技開始態様を選べるように構成され、
前記再現遊技開始態様では、入力されたパスワードに含まれる前記暗号化用乱数値、前記メイン再現用遊技情報及び前記サブ再現用遊技情報が前記第2記憶部に上書きされて、その第2記憶部の前記メイン再現用遊技情報及び前記サブ再現用遊技情報が遊技の進行状況に応じて更新される一方、
前記継続遊技開始態様では、現状の前記第2記憶部の前記メイン再現用遊技情報及び前記サブ再現用遊技情報が遊技の進行状況に応じて更新されるように構成されたことを特徴とする[2]に記載の遊技機。
【0317】
[3]の構成とした場合、パスワードを入力してから遊技を開始する再現遊技開始態様と、パスワードを入力せずに遊技を開始する継続遊技開始態様とを含む複数の遊技開始態様を選べるように構成されているので、遊技者の多様な遊技の進行状況に対する好みに対応することができる。
【0318】
[4]前記パスワードは、数字、記号を含む文字の列である文字列で構成されると共に、前記メイン再現用遊技情報と前記暗号化用乱数値の情報とを含んだ第1文字列部と、前記サブ再現用遊技情報の情報とを含んだ第2文字列部に分けて前記パスワード報知手段によって報知され、
前記パスワード全体が入力されかつそのパスワードのうち前記第1文字列部と前記第2文字列部を構成する全ての文字が、前記パスワード生成関数に則った正規の文字である第1入力状態、又は、前記パスワードのうち前記第1文字列部のみが入力されかつ前記第1文字列部を構成する全ての文字が、前記パスワード生成関数に則った正規の文字である第2入力状態では前記再現遊技開始態様になり、
前記第1入力状態及び前記第2入力状態以外の入力状態では、前記パスワードの一部又は全部が入力されても前記再現遊技開始態様にならず前記継続遊技開始態様又はそれ以外の遊技開始態様になるように構成されたことを特徴とする[3]に記載の遊技機。
【0319】
[4]の構成とした場合、パスワードを構成する第1文字列部と第2文字列部のうち第1文字列部のみを入力してパスワードに含まれる再現用遊技情報の一部に係る遊技状態だけを再現させることができるし、第1文字列部と第2文字列部とを入力してパスワードに含まれる再現用遊技情報の全部に係る遊技状態を再現させることもできる。これにより、後の遊技の際に遊技状態を再現するために遊技者が報知されたパスワードの一部を控えるか全部を控えるかを適宜選択可能となる。
【0320】
[他の実施形態]
本発明は、前記実施形態に限定されるものではなく、例えば、以下に説明するような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれ、さらに、下記以外にも要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施することができる。
【0321】
(1)本実施形態では、パスワード生成用乱数値の更新は、電源復旧に起因して行われると共に、電源オン後1回目の変動パターンコマンドを受信した際に行われるように設定されているが、少なくとも1回行われるように構成されていればよく、パチンコ遊技機の電源をオフしたとき(電源断時)に電源が完全にオフする前にパスワード生成用乱数値を更新してもよいし、パチンコ遊技機の電源のオン後、オフまでの間に複数回行われるように構成してもよい。例えば、主制御基板50から変動パターンコマンドを受信する度に更新するようにしてもよいし、電源オン後、始動入賞口14A,14Bへの遊技球の最初の入球を検出した時点で更新するようにしてもよい。また、遊技球の入球に基づく図柄変動の開始時点で更新するようにしてもよいし、最初に発射操作ノブ27が操作された時点で更新するようにしてもよい。その他、遊技者が関与することで成立するものであれば、どのような条件でもよい。これにより、遊技が行われていればパスワード生成用乱数値が更新される可能性を高めることができると共に、更新される契機がランダムとなり易くすることができる。したがってパチンコ遊技機間においてパスワード生成用乱数値を異ならせることが可能となる。
【0322】
(2)前記乱数値取得処理B(S619,
図38参照)では、乱数値取得処理A(S608,S622,
図38参照)で設定されたパスワード生成用乱数値(乱数C)を使用してバックアップするパスワード生成用乱数値を算出する構成となっているが、乱数値取得処理Aで設定されたパスワード生成用乱数値を使用せずに、取得した乱数シードそのものをパスワード生成用乱数値として設定するように構成してもよいし、乱数値取得処理A同様に乱数値を計算で算出するように構成してもよい。また、各乱数値取得処理における演算式(更新方法)は、乱数値取得処理AにおいてはSRAMに記憶されているパスワード生成用乱数値が使用されていれば本実施形態例のものに限られず、乱数値取得処理Bにおいては乱数シードから取得した乱数値を使用していれば、本実施形態のものに限られない。所謂ハード乱数を用いてパスワード生成用乱数を更新するようにしてもよい。
【0323】
(3)本実施形態では、パスワード暗号化方法における演算処理でXOR演算が行われているが、NOTやNAND等のその他の演算で暗号化データを生成するように構成してもよい。
【0324】
(4)本実施形態では、ひらがなをパスワードの文字として採用することで、生成されるパスワードをより複雑化することを可能としているが、英数字を用いてもよいし、記号であってもよいし、QRコード(登録商標)等の図柄であってもよい。
【0325】
(5)パスワードには、上述したデータ番号1〜20の遊技情報(演出データ)以外に、遊技者が任意に選択した背景情報、遊技モード情報等の遊技に関わる情報や、遊技者にとって遊技上有利不利が関係ない項目だけでなく、当否、確変・非確変、時短・非時短等の情報が含まれていてもよい。
【0326】
(6)本実施形態では、操作ボタン24を操作することでパスワードを入力する構成であるが、音声もしくは光等で入力するようにしても良い。