【実施例1】
【0021】
図1は、画像形成装置の構成を示すブロック図である。同図に示すように、画像形成装置1は、制御部2と表示部3、指示入力部4、通信部5、画像情報記憶部6、画像形成部7を有している。
【0022】
制御部2は、画像形成装置1の全体、つまり、表示部3、指示入力部4、通信部5、画像情報記憶部6、画像形成部7の各部を制御する。
【0023】
表示部3は、画像形成装置1の操作者に対して、操作方法の案内や障害発生の通知等を表示する。
【0024】
指示入力部4は、画像形成装置1の操作者により操作され、各種設定や印刷実行の指示等が入力される。なお、指示入力部4は、キーボード等の入力装置を用いたものでもよく、表示部3と一体化したタッチパネルを用いたものでもよい。もちろん、両者を併用したものであってもよい。
【0025】
通信部5は、図示しない情報処理装置等と通信網等を介して通信を行い、情報処理装置等が出力する印刷情報を受信する。印刷情報は、図示しない情報処理装置等のプリンタドライバで生成されたページ記述言語等で記述された情報である。
【0026】
画像情報記憶部6は、通信部5が受信した印刷情報や、この印刷情報に基づいて画像形成部7が生成した画像情報等を一時的に記憶する。
【0027】
画像形成部7は、通信部5が受信した印刷情報に基づいて画像情報を生成する画像処理や、画像情報に基づいて用紙上に画像を印刷する印刷処理等を行う。なお、印刷処理は、トナーを用紙上に転写して定着させるものや、インクにより用紙上に印刷を行うものなど、どのような方式によるものでもよい。なお、画像形成部7は、自動で両面印刷を行うための用紙を反転させる機能は有していないものとする。
【0028】
続いて、制御部2の詳細について説明する。
図2は、制御部2の構成例を示す図であり、
図3は、制御部2の機能的な構成の構成例を示すブロック図である。
【0029】
図2に示すように、制御部2は、演算部21と、一時記憶部22、記憶部23、接続部24を有している。
【0030】
演算部21は演算処理行うもので、例えば、CPU(Central Processing Unit)等のプロセッサにより実現されるものである。
【0031】
一時記憶部24は、演算部21が演算処理を行う際の作業領域等に用いられ情報等を一時的に記憶するもので、例えばRAM(Random Access Memory)等の半導体記憶素子で実現されるものである。
【0032】
記憶部23は、プログラムや設定情報等を記憶するもので、例えばROM(Read Only Memory)、不揮発性メモリ(Nonvolatile Memory)等の半導体記憶素子で実現されるものである。
【0033】
接続部24は、表示部3、指示入力部4、通信部5、画像情報記憶部6、画像形成部7のそれぞれと接続するもので、電気回路等で実現されるものである。
【0034】
制御部2は、記憶部23に記憶されているプログラムにしたがって演算部21が動作することにより、
図3に示す各機能部を実現する。
【0035】
図3に示すように、制御部2は、割付部201と画像形成制御部202、障害検知部203、表示情報生成部204、再開位置決定部205、再印刷情報記憶制御部206の各機能部を有している。
【0036】
割付部201は、通信部5が受信した印刷情報に、画像情報のページ割り付けが必要な形態での印刷指示が含まれている場合に、割り付け処理を行う機能部であり、小冊子印刷が指示されている場合にも、割り付け処理を行う。なお、小冊子印刷を行う場合の割り付け処理については後述する。
【0037】
画像形成制御部202は、画像形成部7を制御し、割付部201による割り付け処理の結果に応じて、画像形成部7に印刷を実行させる機能部である。
【0038】
障害検知部203は、画像形成部7が印刷を行っている際に、紙詰まり等の障害が発生したことを画像形成部7から出力される信号等に基づいて検知する機能部である。障害検知部203は、障害の発生を検知した場合には、これを画像形成部202と表示情報生成部204に通知し、画像形成部7を停止させるとともに、操作者に障害に対応させるための指示を表示させる。
【0039】
表示情報生成部204は、表示部3に表示する表示情報を生成し、紙詰まり等の障害が発生した際には、操作者に障害に対応させるための指示を含む表示情報を生成して表示部3に表示させる機能部である。なお、生成する表示情報については後述する。
【0040】
再開位置決定部205は、表示情報生成部204が生成して表示部3に表示した表示情報に応じて、操作者により指示入力部4に入力された指示入力に基づいて、障害から復帰した際に印刷を再開する位置を決定する機能部である。なお、位置決定の詳細については後述する。
【0041】
再印刷情報記憶制御部206は、障害が発生したことに起因して、未印刷となった画像情報を特定する情報を画像情報記憶部6に記憶させる機能部である。
【0042】
次に、割付部201による小冊子印刷を行う場合の割り付け処理について説明する。
図4は、割り付け処理を説明するための図である。
【0043】
小冊子印刷を行う場合の割り付け処理では、まず、割付部201は、割り付ける画像情報のページ数を調整する。小冊子印刷では、用紙の表面と裏面のそれぞれに2ページの画像情報を割り付けるため、各用紙に合計4ページの画像情報を割り付けることになる。このため、印刷情報に基づいて生成した画像情報の数が4の倍数でない場合には、空白ページを追加して、画像情報の数が4の倍数となるように調整を行う。例えば、
図4(a)に示すように、画像情報の数が1ページから190ページまでの190であった場合には、
図4(b)に示すように、空白ページである191ページと192ページと追加する。
【0044】
続いて、割付部201は、用紙の裏面に印刷を行うためのページ割り付けを行う。裏面に印刷が行われた用紙は、その後、表面への印刷が行われるため、裏面の印刷時には、出力順が逆となり、最初に出力される用紙に、全ページ数(画像情報の数)を2で除した値のページと、その次ページが印刷されるように割り付けが行われ、次に出力される用紙には、それぞれ前々ページ、次々ページが印刷されるように割り付けが行われる。例えば、
図4(b)に示した画像情報を割り付けた場合、
図4(c)に示すように、48枚目の用紙の裏面に96ページと97ページを割り付け、47枚目の用紙の裏面に94ページと99ページを割り付け、1枚目の用紙の裏面に2ページと191ページを割り付ける。
【0045】
続いて、割付部201は、用紙の表面に印刷を行うためのページ割り付けを行う。表面の印刷時には、最初に出力される用紙に、最後のページと最初のページが印刷されるように割り付けが行われ、次に出力される用紙には、それぞれ前々ページ、次々ページが印刷されるように割り付けが行われる。例えば、
図4(b)に示した画像情報を割り付けた場合、
図4(d)に示すように、1枚目の用紙の表面に192ページと1ページを割り付け、2枚目の用紙の表面に190ページと3ページを割り付け、48枚目の用紙の表面に98ページと95ページを割り付ける。
【0046】
このように割り付け処理を行うことにより、例えば、
図4(b)に示した画像情報を割り付けた18枚目の用紙には、その裏面に36ページと157ページが割り付けられ、その表面には、158ページと35ページが割る付けられる。
【0047】
次に、制御部2の動作について説明する。
図5及び
図6は、制御部2の動作の流れを示すフローチャートである。
【0048】
制御部2は、通信部5が印刷情報を受信すると(ステップ301)、当該印刷情報が、小冊子印刷の指示を含むものであるか否かを判断する。当該印刷情報が小冊子印刷の指示を含むものでない場合には(ステップ302でNO)、通常の処理を行う(ステップ303)。この通常の処理は、従来から行われている処理と同様であるため、ここでの説明は省略する。
【0049】
一方、通信部5が受信した印刷情報が小冊子診察の指示を含むものであった場合には(ステップ302でYES)、割付部201が、小冊子印刷のための割り付け処理を行う(ステップ304)。
【0050】
続いて、画像形成制御部202が画像形成部7を制御して、用紙裏面の印刷を行う(ステップ305)。
【0051】
用紙裏面の印刷を行っている際に紙詰まり等の障害が発生し、これを障害検知部203が検知すると(ステップ306でYES)、表示情報生成部204は、操作者に対応を指示するための対応指示画面を生成し、これを表示部3に表示する(ステップ307)。
【0052】
対応指示画面は、例えば、
図7に示す画面501のように、「紙詰まりが発生しました」、「用紙を取り除いて下さい」等の操作者に対する指示が含まれているものである。
【0053】
操作者が対応指示画面に表示された指示にしたがって、紙詰まりの原因となた用紙を取り除き、画像形成装置1が印刷の再開が可能な状態になると(ステップ308でYES)、表示情報生成部204が、操作者に印刷再開の確認を行う旨を指示するための再開確認指示画面を生成し、これを表示部3に表示する(ステップ309)。
【0054】
再開確認指示画面は、例えば、
図8に示す画面502のように、「印刷に失敗したページをプレビューで確認して下さい」等の操作者に対する指示が含まれているものであり、当該画面に対して応答指示を入力、例えば、画面502を表示している表示部3がタッチパネルであれば、当該画面に触れると、表示情報生成部204は、再開確認指示画面として
図9に示す画面503のように、印刷に失敗したページを指定することのできる画面を表示部3に表示する。
【0055】
画面503は、全ての画像情報(ページ)をシンボルで示す画像情報表示欄531と、画像情報が割り付けられた用紙裏面をシンボルで示す裏面表示欄532、裏面表示欄532に表示しているシンボルのうち、選択されたシンボルに対応する画像情報の縮小画像を表示する縮小画像表示欄533を有している。裏面表示欄532は、表示をスクロールさせることで、全ての用紙の裏面の状態を確認することができ、操作者は、画像情報表示欄531、裏面表示欄532、縮小画像表示欄533を参照して、裏面表示欄532から、印刷に失敗したページを指定することとなる。なお、画像情報や用紙裏面を示すシンボルに代えて、縮小画像を表示することも可能である。
【0056】
操作者が印刷に失敗したページを指定すると、制御部2は、これを再開確認指示の入力として検知し(ステップ310でYES)、再開位置決定部202が、印刷を再開する位置を決定する(ステップ311)。このとき、再開位置決定部202は、操作者により指定された印刷が失敗したページを含む用紙を、印刷を再開する位置に決定する。例えば、操作者が92ページを含む46枚目の用紙のシンボルを指定した場合は、46枚目から印刷を再開するようにする。
【0057】
これらの処理は、全ての用紙の裏面に対する印刷が終了するまで繰り返され(ステップ312でNO)、裏面に対する印刷が終了すると(ステップ312でYES)、表示制御部313は、裏面が印刷済みの用紙を、給紙トレイまたは手差しトレイ等の給紙元にセットする旨を指示する画面を表示する(ステップ313)。
【0058】
そして、操作者が裏面が印刷済みの用紙を給紙元にセットして、指示入力部4から印刷の実行を指示し、これを制御部2が受け付けると(ステップ314でYES)、画像形成制御部202が画像形成部7を制御して、用紙表面の印刷を行う(ステップ315)。
【0059】
用紙表面の印刷を行っている際に紙詰まり等の障害が発生し、これを障害検知部203が検知すると(ステップ316でYES)、表示情報生成部204は、操作者に対応を指示するための対応指示画面を生成し、これを表示部3に表示する(ステップ317)。対応指示画面は、例えば、
図10に示す画面601のように、「紙詰まりが発生しました」、「用紙を取り除いて下さい」等の操作者に対する指示が含まれているものである。
【0060】
操作者が対応指示画面に表示された指示にしたがって、紙詰まりの原因となた用紙を取り除き、画像形成装置1が印刷の再開が可能な状態になると(ステップ318でYES)、表示情報生成部204が、操作者に印刷再開の確認を行う旨を指示するための再開確認指示画面を生成し、これを表示部3に表示する(ステップ319)。
【0061】
再開確認指示画面は、例えば、
図11に示す画面602のように、「印刷に失敗したページをプレビューで確認して下さい」等の操作者に対する指示が含まれているものであり、当該画面に対して応答指示を入力、例えば、画面602を表示している表示部3がタッチパネルであれば、当該画面に触れると、表示情報生成部204は、再開確認指示画面として
図12に示す画面603のように、印刷に失敗したページを指定することのできる画面を表示部3に表示する。
【0062】
画面603は、全ての画像情報(ページ)をシンボルで示す画像情報表示欄631と、画像情報が割り付けられた用紙裏面をシンボルで示す裏面表示欄632、画像情報が割り付けられた用紙表面をシンボルで示す表面表示欄633、障害のために未印刷となった画像情報が割り付けられた用紙表面及び裏面をシンボルで示す保存情報表示欄634、裏面表示欄632と表面表示欄633と保存情報表示欄634に表示しているシンボルのうち、選択されたシンボルに対応する画像情報の縮小画像を表示する縮小画像表示欄635を有している。裏面表示欄632、表面表示欄633、保存情報表示欄634は、いずれかが選択的に表示され、それぞれ表示をスクロールさせることが可能となる。操作者は、画像情報表示欄631、裏面表示欄632、表面表示欄633、縮小画像表示欄635を参照して、裏面表示欄632または表面表示欄633から、印刷に失敗したページを指定することとなる。なお、裏面表示欄632と表面表示欄633には、同じ用紙の情報が表示されるため、印刷に失敗したページの指定は、裏面表示欄632と表面表示欄633のいずれから行ってもよい。また、障害である紙詰まりが、用紙の重送に起因して発生する場合もあり、この場合には、失敗した用紙が複数枚となることから、印刷に失敗したページの指定は、複数指定することを可能としている。
【0063】
操作者が印刷に失敗したページを指定すると、制御部2は、これを再開確認指示の入力として検知し(ステップ320でYES)、再開位置決定部202が、印刷を再開する位置を決定する(ステップ321)。このとき、再開位置決定部202は、操作者により指定された印刷が失敗したページを含む用紙の次に印刷すべき用紙を、印刷を再開する位置に決定する。例えば、操作者が5ページを含む3枚目の用紙のシンボルを指定した場合は、4枚目から印刷を再開するようにする。また、操作者が3枚目の用紙のシンボルと4枚目の用紙のシンボルを指定した場合は、5枚目から印刷を再開するようにする。
【0064】
また、再開位置決定部202が、印刷の再開位置を決定した際に、未印刷となるページが生じた場合(ステップ322でYES)、再印刷情報記憶制御部206が、画像情報記憶部6に、再印刷情報として未印刷となるページの情報を記憶する(ステップ323)。このとき、対象となるページの画像情報を記憶してもよく、未印刷となるページを特定する情報のみを記憶してもよい。未印刷となるページは、例えば、操作者が3枚目の用紙のシンボルを指定し、4枚目を再開位置に決定した場合、3枚目の用紙に印刷すべき5ページと188ページが未印刷に相当し、また、厳密には未印刷ではないが、裏面が印刷済みの3枚目の用紙が破棄されたことにより未印刷と同等となる6ページと187ページも未印刷に相当するものとなる。
【0065】
これらの処理は、全ての用紙の表面に対する印刷が終了するまで繰り返され(ステップ324でNO)、裏面に対する印刷が終了すると(ステップ324でYES)、制御部2は、画像情報記憶部6に再印刷情報が記憶されていなければ(ステップ325でNO)、印刷処理を終了し、画像情報記憶部6に再印刷情報が記憶されていれば(ステップ325でYES)、再印刷処理を行って、印刷処理を終了する。
【0066】
再印刷処理は、表示情報生成部204が、再印刷指示画面として、例えば、
図13に示すような画面604を表示し、この画面604から選択された画像情報を印刷することで行われる。画面604は、
図12に示した画面603において、選択的に表示される裏面表示欄632、表面表示欄633、保存情報表示欄634のうちから、保存情報表示欄634を表示させている状態に相当するものである。
【0067】
なお、裏面の印刷と表面の印刷は、その順序が逆であってもよく、先に印刷する面を印刷している際、上述の例では裏面を印刷している際は、結果として、片面印刷をしている場合と同様の処理であるため、ステップ309、ステップ310、ステップ311の処理を省略することもできる。
【0068】
また、再開確認指示画面は、必ずしも
図9や
図12に示したようなシンボルや縮小画像を用いた画面である必要はなく、例えば、
図14に示すような、文字のみを表示する画面であってもよい。
【0069】
さらに、障害検知部203が検知する障害は、紙詰まりに限らず、用紙の重送等であっても、検知可能な障害であれば、同様に処理を行うこととなる。