(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明を実施するための形態を図面を参照しつつ説明する。
(スロットマシン10)
本形態に係るスロットマシン10は、遊技媒体として円板状の遊技メダルを使用するものである。
このスロットマシン10は、
図2に示すように、正面側(スロットマシン10から見て、スロットマシン10と対向する遊技者の方向)に開口する箱状の筐体20と、この筐体20の正面開口を開閉可能に塞ぐ前扉30とから構成されている。
(筐体20)
筺体20には、特に図示していないが、スロットマシン10の作動を制御するための基板を備えたメイン基板ユニット、複数の回転リール25を備えたリールユニット21、遊技メダルを貯留するとともに役を構成する図柄51の組み合わせの停止表示時等に遊技メダルを払い出すためのホッパーユニット27、スロットマシン10に備えられた各種装置に電力を供給するための電源装置28等が設置されている。
【0014】
メイン基板ユニットには、IC等の各種電子部品を搭載したメイン基板が収納されている。メイン基板は、スロットマシン10の作動を制御する制御装置100のうち、主制御装置101を構成するものであり、具体的には、スロットマシン10の遊技に関する制御を行うものとなっている。
リールユニット21は、スロットマシン10の遊技に用いられるメインの装置であり、枠体に固定された3個のステッピングモーター(図示しておらず)と、各ステッピングモーターの回転軸に固定された3個の回転リール25とから構成されている。具体的には、この回転リール25は、
図2の向かって左側に位置する左リール22と、
図2の向かって右側に位置する右リール24と、この左リール22及び右リール24の間に位置する中リール23とからなるものである。また、各回転リール25の周囲には、それぞれ21個の図柄51が付されている(
図9参照)。また、これらの回転リール25は、前記ステッピングモーターの回転軸を中心として、後述する表示窓34内を回転リール25の図柄51が上側から下側へ向けて通過するように、回転する。
【0015】
(前扉30)
前扉30の前面上部には、
図2に示すように、遊技状態に応じて点灯したり、消灯したりすることで各種演出や各種異常状態の報知を行うための報知手段としてのランプ52や、報知手段としての液晶表示装置53(画像表示手段)等を備えた装飾部31が設けられている。
また、前扉30の下部中央には、筐体20に設けられたホッパーユニット27から遊技メダルを払い出すためのメダル払出口40が設けられ、メダル払出口40の両側には、音声を出力するための報知手段としてのスピーカ54(音声出力手段)がそれぞれ1つずつ設けられている。
【0016】
また、前扉30の裏面には、特に図示していないが、IC等の各種電子部品を搭載したサブ基板が収納されたサブ基板ユニットが設けられている。サブ基板は、スロットマシン10の作動を制御する制御装置100のうち、演出や報知に関する制御を行うための副制御装置102を構成するものである。
また、前扉30の前面の略中央には、正面側に突出する操作部33が備えられている。
操作部33の上面右端部には、遊技を開始するにあたり遊技メダルをベットすべく、遊技メダルを投入するためのメダル投入口44が設けられている。また、操作部33の上面左端部には、スロットマシン10に電子的に貯留されているメダルであるクレジットメダルを遊技メダルのベットに代えるためのベットスイッチが設けられている。ベットスイッチとしては、遊技メダル1枚のベットに代えることができるシングルベットスイッチ36a、及び、遊技を開始するためにベット可能な最大枚数である遊技メダル3枚のベットに代えることができるマックスベットスイッチ36bとを備えている。また、操作部33の前面左端部には、クレジットメダルを精算するための精算スイッチ39が設けられている。また、精算スイッチ39の右方には、3個すべての回転リール25の回転を開始させるためのレバー状のスタートスイッチ37が設けられている。また、操作部33の前面中央には、各回転リール25に対応するとともに、各回転リール25の回転をそれぞれ別個に停止させるための3個のストップスイッチ38が設けられている。
【0017】
また、前扉30における装飾部31と操作部33との間には、筐体20に設けられた3個の回転リール25の図柄51を視認可能な表示窓34が形成されている。
表示窓34は、3個の回転リール25の前方に設けられており、3個すべての回転リール25の回転が停止した際に、各回転リール25の周囲に表示されている21個の図柄51のうちの3個を表示、すなわち、視認することができるものとなっている。すなわち、3個すべての回転リール25が停止すると、
図3に示すように、表示窓34内における、それぞれの回転リール25に対応する表示位置に、それぞれ3個の図柄51が縦並びに表示される。換言すれば、表示窓34内の上段、中段、及び下段にそれぞれ3個の図柄51が表示される。そして、表示窓34内に、縦3列横3行に配列した合計9個の図柄51が表示されることとなる。
【0018】
また、本形態に係るスロットマシン10は、
図3に示すように、左リール22、中リール23、及び、右リール24が停止した状態で、各回転リール25ごとの、表示窓34内におけるいずれか一の図柄51の停止位置を一直線に結んで構成される計5本の停止表示ライン90を有している。
具体的には、
図3に示すように、左リール22の中段と中リール23の中段と右リール24の中段とを一直線に結んだ停止表示ライン90が中段ライン91である。また、左リール22の上段と中リール23の上段と右リール24の上段とを一直線に結んだ停止表示ライン90が上段ライン92である。また、左リール22の下段と中リール23の下段と右リール24の下段とを一直線に結んだ停止表示ライン90が下段ライン93である。また、左リール22の下段と中リール23の中段と右リール24の上段とを一直線に結んだ停止表示ライン90が右上りライン94である。また、左リール22の上段と中リール23の中段と右リール24の下段とを一直線に結んだ停止表示ライン90が右下りライン95である。
【0019】
そして、1回の遊技を開始するために所定枚数の遊技メダルをベットすると、5本の停止表示ライン90のうち所定本数の停止表示ライン90が有効化される。そして、後述する役抽選手段140の抽選の結果、後述する所定の役に当選するとともに、有効化された停止表示ライン90のいずれかに、当該役を構成する図柄51の組み合わせが停止すると、役に応じた利益(たとえば、所定枚数の遊技メダルの払い出しや特別遊技の実行等)が付与される。
また、
図2に示すように、前扉30の裏面における、メダル投入口44の下部に対応する位置には、このメダル投入口44から投入された遊技メダルの正偽を判断するためのメダルセレクタ43、及び、このメダルセレクタ43により適正な遊技メダルであると判断された遊技メダルを検知するためのメダルセンサ35が設けられている。
【0020】
(制御装置100)
(1)制御装置100全体の概要
制御装置100は、上述の如く、スロットマシン10の作動を制御するためのものであり、主制御装置101及び副制御装置102から構成されるものとなっている。
また、主制御装置101及び副制御装置102には、これらの装置に対して各種信号等を入力可能な入力手段(たとえば、スタートスイッチ37等の各種スイッチやセンサ)、入力手段による入力等に基づいた制御の結果を出力可能な出力手段(たとえば、ホッパーユニット27等の各種装置)が備えられている。また、主制御装置101及び副制御装置102は、後述するCPUが後述するROMに記憶されたプログラムを読み込むことで、各種制御手段として機能する。
【0021】
また、主制御装置101と副制御装置102との間では、後述する送信手段200及び受信手段270により、所定のコマンドやデータの送信及び受信ができるようになっているが、主制御装置101から副制御装置102への一方へ向けてのみコマンドやデータが送信され、副制御装置102から主制御装置101へ向けてはコマンドやデータが送信されないようになっている。
そして、主制御装置101は、スタートスイッチ37及びストップスイッチ38の操作により、役の抽選、回転リール25の回転及び停止の制御、並びに遊技メダルの払出し等、遊技の進行に関する制御等を行い、また、副制御装置102は、主制御装置101から送信されるコマンドやデータに基づき、これらの送信内容に対応した遊技に関する演出や報知の制御等を行う。
【0022】
(2)主制御装置101の構成
図4に示すように、主制御装置101を構成するメイン基板には、遊技に関するプログラムやデータが記憶されたROM、ROMに記憶されたプログラム等に基づいて遊技の進行に関する制御を行うメインCPU、読み書き可能であって遊技の進行に関する制御を行うためのデータ等を一時的に記憶するRWM、及び、I/O等、種々の電子部品が備えられている。
(3)副制御装置102の概要
副制御装置102は、
図4に示すように、後述する送信手段200及び受信手段210により、主制御装置101から送信される情報(たとえば、コマンド、データ等)を受信することで、当該情報に基づいて、報知や演出の内容を決定するメイン制御部102Aと、後述するメインサブ間送受信手段240及びサブメイン間送受信手段250により、メイン制御部102Aから送信されるコマンドに基づいて、メイン制御部102で決定された報知や演出の内容を所定の報知手段(具体的には、液晶表示装置53やスピーカ54)に実行させるサブ制御部102Bと、から構成されるものとなっている。
【0023】
(4)メイン制御部102A及びサブ制御部102Bの構成
副制御装置102を構成するサブ基板には、上述のメイン制御部102A及びサブ制御部102Bを構成する種々の電子部品が備えられている。
具体的には、
図4に示すように、メイン制御部102Aを構成する電子部品として、報知や演出の内容を決定するためのプログラムやデータが記憶されたサブ制御ROM、サブ制御ROMに記憶されたプログラム等に基づいて報知や演出の内容を決定するサブメインCPU、RWM、及び、I/O等が備えられている。そして、サブメインCPUには、ランプ52、各種LED、スピーカ54の音量スイッチ等が接続されており、サブメインCPUは直接、報知手段としてのランプ52や各種LED、スピーカ54(音声出力手段)に報知や演出の内容を実行させることができるようになっている。
【0024】
また、
図4に示すように、サブ制御部102Bを構成する電子部品として、報知手段としての液晶表示装置53(画像表示手段)の動作を制御するためのプログラム等が記憶された画像制御ROM、画像制御ROMに記憶されたプログラム等に基づく液晶表示装置53の動作の制御(後述する画像チップ(VDP)の制御)や後述するサウンドチップの制御を行うサブサブCPU、液晶表示装置53に表示する画像や文字のデータが記憶されたキャラクタROM、液晶表示装置53における画像等の表示を実行する画像チップ、スピーカ54から出力する音声のデータが記憶されたサウンドROM、スピーカ54からの音声出力を実行するサウンドチップ、RWM,及び、I/O等が備えられている。そして、サブサブCPUに、画像チップやサウンドチップ等が接続されており、サブサブCPUは、報知手段としての液晶表示装置53やスピーカ54に報知や演出の内容を実行させることができるようになっている。
【0025】
本形態における副制御装置102では、上述のように、スピーカ54から音声を出力するためのサウンドROM及びサウンドチップがサブ制御部102Bのみに備えられており、メイン制御部102Aは、サブ制御部102Bに備えられたサウンドチップを共用することにより、スピーカ54からの音声出力を実行させることができるようになっている。なお、サウンドROM及びサウンドチップは、サブ制御部102Bに備えるのではなく、メイン制御部102Aに備えるようにすることもできる。また、各制御部のみに備えるのではなく、メイン制御部102A及びサブ制御部102Bのいずれにも備えるようにしてもよい。
また、上述のサウンドチップは、音声出力チャンネルを複数(本形態では16個)備えている。そして、この音声出力チャンネルは、メイン制御部102Aが使用するもの、及び、サブ制御部102Bが使用するもののいずれかに予め振り分けられており、各制御部が使用する音声出力チャンネルがかぶらないように設定されている。また、本形態においては、予め設定された音声出力チャンネルの振り分けは、遊技状態等に応じて変更されないように設定されているが、これに限定されるものではなく、遊技状態等に応じて変更されるように設定することもできる。
【0026】
(5)メイン制御部102Aとサブ制御部102Bとの間でのコマンドやデータの送受信
副制御装置102におけるメイン制御部102AのサブメインCPUとサブ制御部102BのサブサブCPUとの間でも、コマンドやデータの送信及び受信ができるようになっているが、当該コマンドやデータの送信及び受信は、両制御部間で双方向に行うことができるようになっている(
図4参照)。
具体的には、メイン制御部102AのサブメインCPU及びサブ制御部102BのサブサブCPUにそれぞれ互いにコマンドやデータを送受信可能な通信手段(たとえば、通信ポート)を設けることで、両制御部間において双方向のコマンドやデータの送受信が可能となるように形成することができる。
【0027】
なお、サブメインCPUからサブサブCPUへ送出されるコマンドやデータは2バイトで構成(チェックサムは1バイトで構成)されており、シリアル通信により送受信が行われるように形成されている。
また、メイン制御部102Aは、報知や演出の内容を液晶表示装置53に表示させるための画像制御コマンド(報知コマンド)をサブ制御部102Bに送信するが、サブ制御部102Bは、メイン制御部102Aにより送信された画像制御コマンドのみに基づいて制御を行うようになっている。また、メイン制御部102Aがサブ制御部102Bへ画像制御コマンドを連続して送信する場合には、各画像制御コマンド間でウェイト時間を設けることなく(すなわち、待ち時間は0で)送信するようになっている。
【0028】
また、停電や電源スイッチのOFF等により、電源が切断された状態である電源断が発生した後、電源投入(通電)した場合には、メイン制御部102Aにおいて所定の電断復帰処理が行われてから、メイン制御部102AのサブメインCPUが、サブ制御部102BのサブサブCPUに必ず画像制御コマンドを送信するように形成されている。これにより、サブ制御部102Bでは、電断復帰後に特別な電断復帰処理を行わなくとも、サブメインCPUにより送信される画像制御コマンドに従って液晶表示装置53の表示を行えばよいため、処理の軽減を図ることが可能となっている。
(5−1)コマンドやデータの送受信の処理
以下、コマンドやデータの送受信の処理について、サブメインCPUが行う送信処理と、サブサブCPUが行う受信処理とに分けて説明する。
【0029】
まず、サブメインCPUが行う送信処理について、
図5(a)に示すフローを用いて説明する。
図5(a)に示すステップ10において、サブメインCPUへの送信処理が正常に行われなかった際に実行する送信のリトライの回数として0がセットされる。なお、このリトライの回数は、RWMの所定の記憶領域に記憶される。そして、次のステップ11に進む。
ステップ11において、当該時点で送信すべきすべてのコマンドやデータ(第1バイトから第nバイトまでの全nバイトで構成)、及び、チェックサムをサブサブCPUへ送信する。そして、次のステップ12に進む。
【0030】
ステップ12において、メイン制御部102Aが備える所定のタイマー(特に図示しておらず)により、サブメインCPUによる送信に対するサブサブCPUからの応答データの受信までの時間である受信待ち時間の計測を開始する。そして、次のステップ13に進む。
ステップ13において、タイマーにより計測された受信待ち時間が所定時間(本形態では50ms)以上であるか否かが判定される。そして、所定時間以上であると判定された場合、ステップ17に進む。一方、所定時間以上でない(所定時間未満である)と判定された場合、ステップ14に進む。
ステップ14において、サブサブCPUからの応答データを受信したか否かが判定される。そして、応答データを受信したと判定された場合、次のステップ15に進む。一方、応答データを受信していないと判定された場合、ステップ13に戻る。
【0031】
ステップ15において、受信した応答データが、サブメインCPUから送信されたコマンドやデータを正常に受信した旨を示す正常受信データであるか否かが判定される。そして、正常受信データであると判定された場合、次のステップ16に進む。一方、正常受信データでないと判定された場合、ステップ17に進む。
ステップ16において、送信完了の設定がなされる。そして、サブメインCPUが行う送信処理が終了する。
ステップ17において、リトライの回数が1インクリメントされる。そして、次のステップ18に進む。
【0032】
ステップ18において、リトライの回数が3よりも大きいか否かが判定される。そして、3よりも大きいと判定された場合、ステップ20に進む。一方、3以下であると判定された場合、ステップ19に進む。
ステップ19において、復旧処理が実行される。そして、ステップ11に戻る。
ステップ20において、サブサブCPUにリセット信号を送信する(すなわち、サブサブCPUをリセットする)ためのリセット要求の設定がなされる。そして、サブメインCPUが行う送信処理が終了する。
次に、サブサブCPUが行う受信処理について、
図5(b)に示すフローを用いて説明する。
【0033】
図5(b)に示すステップ30において、サブメインCPUにより送信されるチェックサムを受信したか否かが判定される。そして、チェックサムを受信したと判定された場合、次のステップ31に進む。一方、チェックサムを受信していないと判定された場合、ステップ30に戻る。
ステップ31において、サブメインCPUにより送信されたコマンドやデータとチェックサムの全バイト数が正常であるか否かが判定される。そして、正常であると判定された場合、次のステップ32に進む。一方、正常でないと判定された場合、ステップ34に進む。
【0034】
ステップ32において、サブ制御部102BのRWMに受信したコマンドやデータが保存される。そして、次のステップ33に進む。
ステップ33において、サブメインCPUに送信する応答データとして、正常受信データを送信する。そして、サブサブCPUが行う受信処理が終了する。
ステップ34において、サブメインCPUに送信する応答データとして、正常に受信を行うことができなかった旨を示す受信エラーを送信する。そして、サブサブCPUが行う受信処理が終了する。
次に、上記ステップ19における復旧処理について、
図5(c)に示すフローを用いて説明する。
【0035】
ステップ40において、サブサブCPUにダミーのチェックサムを送信する。そして、次のステップ41に進む。
ステップ41において、メイン制御部102Aが備える所定のタイマー(特に図示しておらず)により、ダミーのチェックサム送信に対するサブサブCPUからの反応を待つ時間である待ち時間の計測を開始する。そして、次のステップ42に進む。
ステップ42において、タイマーにより計測された待ち時間が所定時間(本形態では50ms)を経過したか否かが判定される。そして、所定時間が経過したと判定された場合、復旧処理は終了する。一方、所定時間が経過していないと判定された場合、ステップ42に戻る。
【0036】
なお、サブメインCPUは、上述のコマンドやデータの送信中以外の時点においてサブサブCPUから応答データ(正常受信データ又は受信エラー)を受信したときは、この応答データを無視するように設定されている。
(6)サブ制御部102BにおけるサブサブCPUの起動(リセット)
本形態におけるメイン制御部102AのサブメインCPUは、後述する予め定められたタイミングで、サブ制御部102BのサブサブCPUにリセット信号を送信する。そして、このリセット信号をサブサブCPUが受信することで、リセット時処理が実行される。具体的には、当該サブサブCPUがリセット(パワーオンリセット)され、これに伴って、サブ制御部102Bの画像チップ(VDP)、サウンドチップ、その他の回路もリセットされる。その後、サブサブCPUは冷始動し、各種ハードウェア設定及びRWMの初期化等の所定の処理が実行されるようになっている。
【0037】
(6−1)リセット時処理の概要
以下、リセット時処理について、
図6(a)に示すフローを用いて説明する。
まず、
図6(a)に示すステップ50において、サブサブCPUがリセット信号を受信することに基づいて、当該サブサブCPUがリセット(パワーオンリセット)される。そして、次のステップ51に進む。
なおここで、サブサブCPUへのリセット信号の送信は、(1)スロットマシン10の電源装置28の電源が投入されたとき、(2)瞬断が発生したとき、(3)通信の異常が発生したとき(たとえば、コマンドやデータの再送信が所定回数(本形態では3回)失敗したとき)、(4)内蔵されているウォッチドッグタイマ(特に図示しておらず)により異常が発生したものと検知されたとき(たとえば、サブサブCPUのリセット後、予め定められた時間T1(本形態では30秒)を経過しても、後述の暴走監視信号のHigh/Lowが所定回数(本形態では4回)切り替わらなかったときや、サブサブCPUが起動したと判断された後、予め定められた時間T3(本形態では10秒)を経過しても、後述の暴走監視信号のHigh/Lowが切り替わらなかったとき)、(5)設定変更操作を開始した際に主制御装置101のメインCPUから送信される設定変更開始コマンドをサブメインCPUが受信したとき、及び、(6)サブメインCPUの使用率が極めて高い状態(いわゆる暴走状態)となったときに、行われる。
【0038】
そして、ステップ51からステップ57において、順次、割込みマスク(割込み禁止)、ハードウェア設定、RWM初期化、画像チップ初期化、通信手段による通信(シリアル通信)の回復、暴走監視信号の出力開始及び暴走監視信号のHigh/Low切り替え開始、液晶表示装置53への「画像準備中」の表示が行われる。そして、次のステップ58に進む。
なおここで、暴走監視信号の出力開始及び暴走監視信号のHigh/Low切り替え開始は、通信の回復処理により通信可能状態となったこと、及び、画像チップ初期化(液晶表示装置53における表示領域の設定が完了)がなされたことを条件として、実行されるように設定されているものの、他の処理の実行順序は上記の順番に限られず、任意の順番で実行されるように設定することができる。
【0039】
また、暴走監視信号のHigh/Low切り替えは、液晶表示装置53での表示切替え毎(すなわち、1フレーム毎)に実行されるように設定されている。
そして、ステップ58において、常駐データ転送処理が実行される。そして、リセット時処理が終了されて、通常の処理であるメイン処理へ復帰する。
次に、上記ステップ58における常駐データ転送処理について、
図6(b)に示すフローを用いて説明する。
まず、
図6(b)に示すステップ60において、通常の遊技中において所定のメモリ上に常駐させておく常駐データの転送が開始される。そして、次のステップ61に進む。
【0040】
そして、ステップ61において、常駐データの転送が終了したか否かが判定される。そして、常駐データの転送が終了したと判定された場合、次のステップ62に進む。一方、常駐データの転送が終了していないと判定された場合、ステップ61に戻る。
なおここで、常駐データの転送中は、上述の液晶表示装置53における「画面準備中」の表示が継続して行われるように設定されている。換言すれば、常駐データの転送が終了した後にメイン制御部102Aにより送信される画像制御コマンドを受信するまで、「画面準備中」の表示が継続して行われる。
また、この「画面準備中」の表示は、常時同じ内容に固定されるのではなく、常駐データの転送経過(たとえば、転送終了パーセンテージ)や転送状態等を示すものであってその内容が変化していくように設定されている。
【0041】
また、メイン制御部102Aは、基本的に、サブ制御部102Bにおいて常駐データの転送が終了するまでは、音声の出力を指示するサウンド制御コマンド(報知コマンド)のみサブ制御部102Bに送信するように設定されている。そして、常駐データの転送中にサブ制御部102Bがサウンド制御コマンドを受信した場合には、当該コマンドに基づいてスピーカ54からの音声の出力を行うように設定されている。これに対して、メイン制御部102Aが誤作動等により、常駐データの転送中に画像制御コマンドを送信してしまう場合があるが、この場合には、サブ制御部102Bは当該画像制御コマンドを受信しても、当該コマンドを無視し、当該コマンドに基づいて報知や演出の表示は行わないように設定されている。
【0042】
そして、ステップ62において、液晶表示装置53において画像等の表示ができるようになったことを示す画像表示可能信号がONとなる。換言すれば、サブサブCPUのパワーオンリセットがなされた時点では、画像表示可能信号はLowとされるが、常駐データの転送が終了すると、この画像表示可能信号がHighに切り替えられる。そして、常駐データ転送処理が終了する。
(6−2)メイン制御部102AによるサブサブCPUのリセット後の監視
上述のように、サブサブCPUのリセット時処理が行われるが、メイン制御部102AのサブメインCPUは、当該リセット時処理が行われた後のサブサブCPUからの各種信号に基づいて、サブサブCPUの状態監視を行うように設定されている。
【0043】
(イ)具体的には、
図7に示すように、サブメインCPUは、サブサブCPUがパワーオンリセットされた時点(
図7における(a)の時点)から所定時間T1(本形態では30秒)が経過するまでに、High/Lowの切り替わりを所定回数(本形態では4回)検出すると、サブサブCPUの起動が正常に完了したと判断する(
図7における(b)の時点)。これに対して、所定時間T1が経過するまでにHigh/Lowの切り替わりを所定回数検出できなかったときは、異常と判断し、サブメインCPUは、サブサブCPUに再度リセット信号を出力する。
(ロ)また、サブメインCPUは、サブサブCPUの起動が正常に完了した時点(
図7における(b)の時点)から、所定時間T1よりも長い所定時間T2(本形態では70秒)が経過するまでに、暴走監視信号と画像表示可能信号との論理積の切り替わりを所定回数(本形態では4回)検出すると、サブサブCPUにおける常駐データの転送が終了したと判断する(
図7における(d)の時点)。これに対して、所定時間T2が経過するまでに論理積の切り替わりを所定回数検出できなかったとき(換言すれば、常駐データの転送が終了していないとき)は、異常と判断し、サブメインCPUは、サブサブCPUに再度リセット信号を出力する。
【0044】
(ハ)さらに、サブメインCPUは、常駐データの転送が終了して、液晶表示装置53における画像等の表示が可能となった(
図7における(c)の時点)後、所定時間T1及び所定時間T2のいずれよりも短い所定時間T3(本形態では10秒)以上、暴走監視信号と画像表示可能信号との論理積の切り替わりを1回も検出しなかったとき(
図7における(e)の時点)は、異常と判断し、サブメインCPUは、サブサブCPUにリセット信号を出力する。
そして、上述の(イ)から(ハ)までの異常との判断に基づいて、サブサブCPUがパワーオンリセットされると、遊技状態に応じたコマンドがサブサブCPUに送信され、このコマンドに基づき液晶表示装置53における表示が復帰することとなる。
【0045】
(7)サブ制御部102Bにおけるサウンド制御コマンドの処理
本形態におけるサブ制御部102Bでは、画像制御に関する処理の不具合や常駐データの転送待ち(ローディング待ち)等により、液晶表示装置53における画像等の表示が遅くなるのに伴って、スピーカ54からの音声の出力も遅くなることを防止すべく、サブメインCPUにより送信されるコマンドを一時的に保存するバッファとして、画像制御コマンドを保存するための画像系コマンドバッファとは別個に、サウンド制御コマンドを保存するためのサウンド系コマンドバッファが設けられている。
具体的には、
図8に示すように、サブメインCPUからシリアル通信により1バイトずつデータが送信される。そして、サブメインCPUによって早く送信された1バイトのデータから順に、サブサブCPUが受信する。このサブサブCPUが受信した1バイトのデータは、早く受信された順に、1バイトずつの保存が可能な受信バッファに一時的に保存される。その後、受信バッファに保存されている1バイトのデータが、早くに保存されたものから順に2バイトずつ取り出される。そして、先に取り出された1バイトのデータを上位、後から取り出された1バイトのデータを下位に配置して構成されるコマンドが、所定のコマンドバッファに一時的に保存される。そして、このコマンドバッファに保存されたコマンドは、画像制御コマンドであるか又はサウンド制御コマンドであるかが判別されて、画像制御コマンドであれば画像系コマンドバッファに保存、サウンド制御コマンドであればサウンド係コマンドバッファに保存されることとなっている。
【0046】
また、上述の如く、サブ制御部102Bに設けられたサウンドチップの複数の音声出力チャンネルのうち、所定個数の音声出力チャンネル(本形態では6チャンネル(ステレオで3チャンネル))については、メイン制御部102Aが使用するもの、すなわち、メイン制御部102AのサブメインCPUが制御するものとして振り分けられている。そして、サブサブCPUが常駐データの転送中等の場合には、サブメインCPUが、振り分けられている音声出力チャンネルを制御することで、サウンド系コマンドバッファに保存されているサウンド制御コマンドに基づいてスピーカ54からの音声の出力を実行できるようになっている。
なお、サブメインCPUは、振り分けられている音声出力チャンネルのみを制御でき、振り分けられていない音声出力チャンネルを制御することはできないように設定されている。
【0047】
(8)液晶表示装置53の表示画面
上述の如く、サブ制御部102Bは、メイン制御部102Aからの画像制御コマンドに基づき、液晶表示装置53に報知や演出の内容を表示するが、報知や演出の内容を表示する液晶表示装置53の表示画面は、それぞれに画像や文字等を表示することが可能な仮想的なシートであるレイヤが複数重ねられることにより構成されている。
具体的には、液晶表示装置53の表示画面は、主に演出に関する内容が表示される第1のレイヤ、及び、主にスロットマシン10の異常状態の報知に関する内容が表示される第2のレイヤが重ね合わせられて構成されている。なお、液晶表示装置53の表示画面が備えるレイヤとしては、これらに限定されるものではなく、他の情報を表示可能なレイヤを設けてもよい。
【0048】
また、第1のレイヤ及び第2のレイヤには、いずれのレイヤの表示内容を優先して表示するかを示す優先順位が定められており、この優先順位に基づいて、各レイヤにおける表示が行われる。
本形態に係るスロットマシン10では、予め、第2のレイヤに第1のレイヤよりも高い優先順位が定められている。すなわち、原則として、第2のレイヤに表示される内容が、第1のレイヤに表示される内容よりも優先的に液晶表示装置53の表示画面に表示されるように設定されている。
また、本形態に係るスロットマシン10では、レイヤの優先順位は、後述する如く、所定の条件を満たすことにより変更されるようになっている。すなわち、所定の条件を満たした場合には、第1のレイヤが第2のレイヤよりも高い優先順位に変更され、第1のレイヤに表示される内容が、第2のレイヤに表示される内容よりも優先的に液晶表示装置53の表示画面に表示されることとなる。
【0049】
具体的には、サブ制御部102Bは、後述するように、第1のレイヤ及び第2のレイヤの優先順位を記憶するレイヤ優先順位記憶手段270と、記憶されている優先順位を変更するレイヤ優先順位変更手段280と、を備えている。そして、このレイヤ優先順位記憶手段280に記憶されている優先順位に基づいて、液晶表示措置53の表示画面への表示を行う。
なお、一方のレイヤの表示内容を他方のレイヤの表示内容よりも優先的に表示する方法としては、たとえば、各レイヤにおける画像等の表示位置を判断する画像表示位置判断手段を設け、この判断手段により、双方のレイヤの同表示位置に表示される画像等があるか否かを判断し、同位置に表示される画像等があると判断された場合に、高い優先順位が定められているレイヤの画像等を表示画面に表示するように設定することができる。そして、この場合には、低い優先順位が定められているレイヤの画像等は所定の記憶手段に記憶しておき、高い優先順位が定められているレイヤの画像が前記表示位置から消去されたと判断されたときに、記憶されている画像等を前記表示位置に表示するように設定することができる。
【0050】
(9)主制御装置101により実行されるメイン処理及び割込み処理
本形態における主制御装置101は、所定の契機(たとえば、電源投入等)により開始され、予め定められた遊技に関する一連の処理が一定の周期で繰り返されるメイン処理と、このメイン処理に所定時間ごとに割り込んで開始される割込み処理と、を実行するように設定されている。
また、本形態の割込み処理においては、「開始時処理(レジスタ退避、戻り番地チェック、入力データ保存等)」→「タイマー計測処理」→「回転リール25駆動制御処理」→「スロットマシン10外部への信号出力処理」→「所定の表示装置(LED等)の点灯処理」→「コマンド送信処理」→「異常入力チェック処理」→「終了時処理(レジスタ復帰等)」という順番で一連の処理が行われるように設定されている。
【0051】
そして、この割込み処理におけるコマンド送信処理において、主制御装置101から副制御装置102へコマンドが送信されるように設定されている。
すなわち、本形態においては、この割込み処理が実行されることにより、所定時間ごとに主制御装置101から副制御装置102へコマンドやデータが送信されるようになっている。
(制御装置100の入力手段)
以下、制御装置100に接続されている入力手段について説明する。
制御装置100の入力手段としては、
図1に示すように、次のセンサやスイッチが接続されている。
【0052】
(1)メダルセンサ35
(2)ベットスイッチ(シングルベットスイッチ36a、マックスベットスイッチ36b)
(3)スタートスイッチ37
(4)ストップスイッチ38
(5)精算スイッチ39
(6)設定変更スイッチ60
(7)リセットスイッチ61
(8)セレクタ設置確認センサ62
(9)ドアセンサ63
(10)ホッパーセンサ64
(11)オーバーフローセンサ65
これら(1)から(11)までのスイッチ等はすべて、主制御装置101に接続されている。なお、入力手段としては、これら(1)から(11)までのスイッチ等に限定されるものではない。また、副制御装置102に接続される入力手段を設けてもよい。
【0053】
(メダルセンサ35)
メダルセンサ35は、メダル投入口44から投入された遊技メダルのうち、前述のメダルセレクター43により適正な遊技メダルとして判断されたものを検知するためのセンサである。
(ベットスイッチ)
ベットスイッチは、クレジットメダル数を減算して遊技メダルのベットに代えるスイッチであり、遊技メダル1枚のベットに代えることができるシングルベットスイッチ36a、及び、遊技を開始するためにベット可能な最大枚数である遊技メダル3枚のベットに代えることができるマックスベットスイッチ36bが設けられている。
【0054】
本形態に係るスロットマシン10は、メダル投入口44から遊技メダルを投入することで、1回の遊技につき、最大3枚の遊技メダルをベットすることができるように形成されている。また、スロットマシン10に投入された遊技メダルは、予め定められた規定枚数(たとえば、50枚)まで、電子的に貯留(クレジット)しておくことができるように形成されている。そして、遊技メダルがクレジットされている場合には、メダル投入口44に遊技メダルを投入する代わりに、ベットスイッチを操作することにより遊技メダルのベットを行うことができ、スタートスイッチ37を操作可能状態にすることができる。
(スタートスイッチ37)
スタートスイッチ37は、遊技メダルがベットされることを条件に、又は、後述する再遊技役を構成する図柄51の組み合わせが停止表示したことを条件に、リールユニット21の駆動を開始させることが可能なレバー形状のスイッチである。
【0055】
ここで、「再遊技役」とは、後述する役抽選手段140により抽選される役の一つである。そして、この役抽選手段140による抽選によって、再遊技役に当選し、再遊技役を構成する図柄51(「リプレイ」)が、有効化されたいずれかの停止表示ライン90に停止すると、遊技メダルを新たにベットすることなく、再度、遊技を行うことができる。
また、本形態に係るスロットマシン10は、前回の遊技のスタートスイッチ37が操作されてから所定の時間(いわゆるウェイト時間、たとえば4.1秒)が経過するまでは、次遊技を開始するためにスタートスイッチ37を操作したとしても、回転リール25が回転を開始しないか、若しくは、回転リール25が回転を開始してもストップスイッチ38の操作が無効となるように形成されている。換言すれば、スタートスイッチ37が操作された際には、前回の遊技のスタートスイッチ37が操作されてから所定の時間が経過したことを条件に、回転リール25が回転開始するか、若しくは、ストップスイッチ38の操作が有効となるように形成されている。
【0056】
また、スタートスイッチ37が操作されると、その旨を示す開始信号(開始コマンド)が出力され、この開始信号に基づいて回転リール25が回転を開始するようになっている。なお、この開始信号(開始コマンド)は、副制御装置102へ送信されるようになっている。
(ストップスイッチ38)
ストップスイッチ38は、回転リール25の回転を停止させるためのスイッチである。具体的には、ストップスイッチ38は、
図2に示すように、左リール22、中リール23、及び、右リール24のそれぞれに対応した3個のスイッチから構成されている。
そして、各回転リール25に対応したストップスイッチ38を操作することにより、対応した回転リール25が回転を停止するように形成されている。
【0057】
また、ストップスイッチ38は、スタートスイッチ37が操作されることにより回転リール25が回転を開始してから、すべての回転リール25の回転速度が予め定められた一定速度に達することにより操作可能となるように形成されている。
また、各回転リール25に対応したストップスイッチ38が操作されると、その旨を示す停止信号(停止コマンド)が出力され、この停止信号に基づいて対応する回転リール25の回転が停止するようになっている。なお、この停止信号(停止コマンド)は、副制御装置102へ送信されるようになっている。
(精算スイッチ39)
精算スイッチ39は、クレジットされている遊技メダルを精算、すなわち、クレジットを解除して、クレジットメダルを払い出すためのスイッチである。
【0058】
(設定変更スイッチ60)
設定変更スイッチ60は、スロットマシン10の出玉の設定を変更するためのスイッチである。ここで、スロットマシン10には、「1」から「6」までの設定が設けられており、各設定には、それぞれ役抽選テーブルが対応づけられている。そして、設定値に応じた役抽選テーブルで役抽選が行われることにより、出玉率の異なる遊技が実行される。設定値は、数値が多いほど、出玉率が高くなるような設定となっている。
設定変更スイッチ60としては、特に図示しないが、スロットマシン10のモードを切り替えるための設定キースイッチ、設定値を更新するための設定更新スイッチ、及び、設定値を確定するための設定確定スイッチ等が設けられている。設定キースイッチ及び設定更新スイッチは、筐体20の内部の所定の場所(たとえば、前扉30の裏面や電源装置28の正面)に設けられている。設定確定スイッチは、スタートスイッチ37を兼用するようになっている。すなわち、スタートスイッチ37は、設定変更モードにおいては、設定確定スイッチとして機能するようになっている。
【0059】
また、本形態においては、スロットマシン10のモードとして、遊技を進行させることが可能な遊技進行可能モード(遊技進行可能状態)と、遊技の進行を不可としつつ設定値を設定可能な設定値設定可能モード(設定値設定可能状態)と、遊技の進行及び設定値の設定をいずれも不可としつつも、現在設定されている設定値が所定の表示装置に表示される設定値表示モードと、を有している。そして、設定キースイッチで所定の操作を行うことにより、上記モードを切り替えることができるようになっている。
なお、設定変更スイッチ60の操作に基づく設定変更の手順については後述する。
(リセットスイッチ61)
リセットスイッチ61は、スロットマシン10の状態異常を解除するためのスイッチであり、特に図示しないが、筐体20の内部に設けられている。たとえば、前扉30をロックするための錠前部分に設け、鍵穴に挿入した鍵を、ロック解除方向と逆方向に回すことによりONとなる光学センサとすることができる。あるいは、電源装置28の正面に設けられたボタンスイッチとすることができる。リセットスイッチ61は複数設けられていてもよく、スイッチによって解除可能な異常状態が異なるように設定されていてもよい。本形態においては、異常状態を解除するために操作されるスイッチの総称をリセットスイッチ61というものとする。リセットスイッチ61の作用については後述する。
【0060】
(セレクタ設置確認センサ62)
セレクタ設置確認センサ62は、メダルセレクタ43が適正位置に設置されていることを検出するための検出手段である。具体的には、セレクタ設置確認センサ62は、特に図示しないが、前扉30の裏側に設けられた出没突起を備え、メダルセレクタ43が適正位置にある場合には、出没突起が没入状態となってメダルセレクタ43の存在を検出し、メダルセレクタ43が適正位置にない場合、たとえば取り付けが不適正な場合や取り外されている場合には、出没突起が没入状態となってメダルセレクタ43の不在を検出するようになっている。
ここで、本形態においては、メダルセレクタ43は、メダル詰まりやメダル逆流などの異常が発生した場合には、前扉30から取り外さないと異常を解除できないようになっている。たとえば、メダルセレクタ43を前扉30から取り外さないと、メダル通路を覆っているカバーを開くことができないように形成したり、メダルセレクタ43を前扉30から取り外さないと、メダルセンサ35の検知状態の初期化(リセット)のためのスイッチが操作できないように形成することができる。このような構造となっているため、異常を解除する際にメダルセレクタ43を取り外した後、適正な設置位置に取り付けないと、異常状態として扱われる。
【0061】
(ドアセンサ63)
ドアセンサ63は、前扉30の開閉を検出するための検出手段であり、前扉30が閉じている場合にはOFF状態となっており前扉30が開くとON状態になるリミットスイッチや光学センサとすることができる。
(ホッパーセンサ64)
ホッパーセンサ64は、ホッパーユニット27から払い出されるメダルを検出するための検出手段である。具体的には、特に図示しないが、ホッパーユニット27のメダル排出口付近に、メダルの通過に伴い揺動するアームを設け、このアームの移動を検知する光学センサとすることができる。
【0062】
(オーバーフローセンサ65)
オーバーフローセンサ65は、ホッパーユニット27のメダルタンクから溢れたメダルを貯留しておくための補助メダルタンクに設けられた検出手段であって、メダルの満杯状態を検出するためのものである。具体的には、特に図示しないが、補助メダルタンクの内部に上下方向に並んで設けられた接点を備え、補助メダルタンク内のメダルが一定量に達すると通電して満杯を検知可能な接触センサとすることができる。あるいは、補助メダルタンクを挟んで配置された発光部と受光部を備え、補助メダルタンク内のメダルが一定量に達すると受光部の受光がとぎれて満杯を検知可能な光学センサとすることができる。
【0063】
(制御装置100の出力手段)
以下、制御装置100に接続されている出力手段について説明する。
制御装置100の出力手段としては、
図1に示すように、次のものが接続されている。
(1)リールユニット21(回転リール25)
(2)ホッパーユニット27
(3)メイン表示装置32
(4)ランプ52
(5)液晶表示装置53
(6)スピーカ54
また、(1)から(3)までの出力手段は主制御装置101に接続されており、(4)から(6)までの出力手段は副制御装置102に接続されている。なお、出力手段としては、これら(1)から(6)までに限定されるものではない。
【0064】
(リールユニット21(回転リール25))
リールユニット21は、所定の枠体に固定された3個のステッピングモーター(図示しておらず)と、各ステッピングモーターの回転軸にそれぞれ固定された計3個の回転リール25とから構成されている。
また、各回転リール25の外周面には、回転方向へ向けてほぼ等間隔に、「赤7」「青7」「BAR」「スイカ」「ベル」「チェリー」「リプレイ」等の複数種類の図柄51が所定の配列で計21個表示されている。具体的には、
図9に示すように、左リール22、中リール23及び右リール24のそれぞれに、図柄51が21個ずつ配列されている。なお、各回転リール25の図柄配列における図柄51に対しては、便宜的に、
図9の上側から下側へ向けて順番に「20番」から「0番」までの図柄番号を付している。
【0065】
また、回転リール25は、ステッピングモーターの回転軸を中心として、表示窓34内を、回転リール25に表示された図柄51が上側から下側へ向けて通過するように、回転するものとなっている。すなわち、回転リール25が回転すると、各図柄51が、
図9の向かって上側から下側へ向けて移動するように見える。
また、各回転リール25の所定箇所には、回転リール25の回転を検知するために用いられるインデックス(図示しておらず)が設けられるとともに、このインデックスの通過を検知する所定のセンサ(たとえば、フォトセンサ、磁気センサ、タッチセンサなど)が設けられる。そして、各回転リール25が回転を開始し、インデックスを所定のセンサが検知した後に出力されるパルス信号に基づいて、ストップスイッチ38が操作された時点における回転リール25の回転位置を検出し、所定位置で回転リール25を停止させることによって、停止制御が行われるものとなっている。
【0066】
具体的には、ステッピングモーターは、特に図示していないが、主制御装置101から供給される駆動パルスにより励磁する4相のコイルを有している。そして、4相のコイルのうち同時に2つが励磁した状態となる2相励磁と、4相のコイルのうち1つが励磁した状態となる1相励磁とが交互に繰り返される1−2相励磁により、ローターが回転駆動するようになっている。
また、上述の如く、本形態に係るスロットマシン10では、スタートスイッチ37が操作されることに基づき、所定期間、遊技の進行に用いられるスイッチの操作を無効とするとともに、当該無効の期間中における回転リールの作動態様を、遊技進行停止処理が実行されない通常状態におけるスタートスイッチ37操作時の作動態様と異ならせる(たとえば、回転リール25の非作動、逆回転、上下動等)変則回転処理等が実行可能となっている。この変則回転処理は、いずれか1の回転リール25に対して実行してもよく、また、2以上の回転リール25に対して実行してもよい。
【0067】
(ホッパーユニット27)
ホッパーユニット27は、所定の役を構成する図柄51の組み合わせが停止表示されるなどの遊技結果に基づいて、遊技者に遊技メダルの払い出しを行うためのものである。
(メイン表示装置32)
メイン表示装置32は、
図2に示すように、表示窓34の下方に設けられた7セグメント表示器等の表示装置であって、主として遊技に関する種々の情報を表示するための報知手段である。具体的には、遊技中においては、クレジット数や、メダル払い出し数や、遊技回数などを表示し、所定の状態異常が発生している場合には、異常状態に対応する文字図形記号等を表示可能となっている。
【0068】
また、このメイン表示装置32は、設定変更時又は設定確認時に設定値を表示するための設定値表示手段としても用いられるものである。なお、設定値の表示は、メイン表示装置32ではなく他の表示装置において行ってもよい。たとえば、スロットマシン10の外面からは視認困難な所定位置(たとえば、前扉30の裏面等)に所定の表示装置を設け、この表示装置に設定値を表示することができる。このように形成することで、前扉30を開放しないと設定値を確認することができない(換言すれば、スロットマシン10の正面側からは設定値を確認することができない)ため、ホールの店員等が設定値の確認を行う場合に、当該スロットマシン10で遊技を行っている遊技者等は確認困難とすることができる、
なお、特に図示しないが、メイン表示装置32とは別に、異常状態を報知する表示部を有していてもよい。
【0069】
(ランプ52、液晶表示装置53、スピーカ54)
ランプ52、液晶表示装置53、スピーカ54は、演出や報知を実行するための報知手段であり、具体的には、副制御装置102からの所定の演出制御信号の入力を契機として、遊技者に対して当選等を報知するなど種々の演出を行い、あるいは異常状態を報知するためのものである。なお、報知手段としては、これらのものに限定されるわけではなく、CRT表示装置、ドットマトリクス表示装置、エレクトロルミネッセンス表示装置等の画像表示装置を備えることもできる。
ここで、ランプ52は、光源の点滅、点灯又は消灯により、遊技を盛り上げたり、所定の役が当選していることを報知したりするためのものである。また、液晶表示装置53は、文字や画像(静止画や動画)の表示により、遊技の演出や各種報知を行うためのものである。また、スピーカ54は、所定の効果音やBGMの出力により、遊技の演出や各種報知を行うためのものである。
【0070】
具体的には、所定の遊技(たとえば、BBゲーム等)が開始されたり、所定の役に当選したりすると、後述する遊技制御手段120が、副制御装置102にBBゲーム開始信号や抽選結果データ等を出力する。すると、副制御装置102のメイン制御部102Aが、前記信号やデータの入力を契機として演出の内容を決定し、決定された内容に応じた画像制御コマンドやサウンド制御コマンドをサブ制御部102Bに送信する。そして、サブ制御部102Bが、受信した画像制御コマンドやサウンド制御コマンドに基づく演出を、所定の報知手段に実行させるようになっている。
(主制御装置101の制御手段)
以下、主制御装置101の制御手段について説明する。
主制御装置101は、上述の如く、CPUがROMに記憶されたプログラムを読み込むことで、
図1に示すように、大別して、次の(1)から(11)までの制御手段として機能する。
【0071】
(1)遊技状態記憶手段110
(2)遊技制御手段120
(3)役抽選手段140
(4)リール制御手段150
(5)停止態様判定手段160
(6)状態監視手段170
(7)電源監視手段175
(8)電断時情報記憶手段176
(9)異常状態制御手段180
(10)設定変更制御手段190
(11)送信手段200
なお、主制御装置101としては、上記した(1)から(11)までの制御手段に限定されるものではなく、他の手段を含んでいてもよい。
【0072】
(遊技状態記憶手段110)
遊技状態記憶手段110は、主制御装置101により制御されている遊技の状態を記憶するものであり、RWMの所定の記憶領域等により構成されるものである。
本形態に係るスロットマシン10では、遊技状態として、一般的な遊技である通常遊技が行われる通常遊技状態、通常遊技と異なる遊技であって通常遊技よりも遊技者に大きな利益を付与する特別遊技(BBゲーム、RBゲーム)が行われる特別遊技状態(BBゲーム状態及びRBゲーム状態)、及び、通常遊技中とは異なる抽選確率で再遊技役が抽選されるRTゲーム(リプレイタイム遊技)が行われるRTゲーム状態等を有している。
【0073】
そして、遊技状態記憶手段110は上述の遊技状態をそれぞれ記憶する。そして、遊技状態が切り替わるタイミングで前記記憶内容が更新されるようになっている。
たとえば、通常遊技中は、遊技状態記憶手段110は、遊技状態として通常遊技状態である旨を記憶しているものの、BBゲームが開始された場合には、遊技状態記憶手段110に記憶されている遊技状態が、BBゲーム状態に変更され、また、RTゲームが開始された場合には、RTゲーム状態に更新される。また、BBゲームやRTゲームが終了し、通常遊技状態となった場合には、遊技状態記憶手段110に記憶されている遊技状態が、通常遊技状態に変更される。
【0074】
なお、この遊技状態記憶手段110は、遊技状態のみならず、スロットマシン10のモードも記憶できるようになっている。具体的には、スロットマシン10が遊技進行可能モード(遊技進行可能状態)であるときは、遊技状態記憶手段110にはその旨が記憶され、また、設定変更スイッチ60における設定キースイッチにより設定値設定可能モード(設定値設定可能状態)への切り替え操作が行われると、遊技進行可能モードから設定値設定可能モード(設定値設定可能状態)に切り替わり、遊技状態記憶手段110に記憶されていた遊技進行可能モードが、設定値設定変可能モードに変更される。なお、設定値表示モードに切り替わった場合も同様である。
【0075】
なお、本形態においては、遊技状態記憶手段110の記憶は、電源断によっては消去されないようになっている。
(遊技制御手段120)
遊技制御手段120は、遊技の進行を制御するためのものである。
ここで、本形態に係るスロットマシン10は、主制御装置101により実行される遊技として、一般的な遊技である通常遊技、通常遊技と異なる遊技であって通常遊技よりも遊技者に大きな利益を付与する特別遊技(BBゲーム、RBゲーム)、及び、通常遊技中とは異なる抽選確率で再遊技役が抽選されるリプレイタイム遊技(RTゲーム)を有している。
【0076】
また、後述するように、副制御装置102により実行される遊技として、所定の役の抽選の結果に関する報知(たとえば、役を構成する図柄51の組み合わせを停止表示ライン90上に停止させるための、ストップスイッチ38の操作順序や停止操作タイミング等(操作態様)の報知)が行われるアシストタイム遊技(ATゲーム)を有している。
また、本形態に係るスロットマシン10では、副制御装置102により制御されるATゲームと、主制御装置101により制御されるRTゲームとが同時に行われる遊技(すなわち、アシストリプレイタイム遊技(ARTゲーム))も実行可能となっている。
そして、遊技制御手段120は、
図1に示すように、大別すると、次の手段を備える。
【0077】
(1)通常遊技制御手段121
(2)特別遊技制御手段122
(3)RTゲーム制御手段123
また、遊技制御手段120としては、上記した(1)から(3)までの手段に限定されるものではない。
(通常遊技制御手段121)
通常遊技制御手段121は、一般的な遊技である通常遊技を制御するためのものである。
具体的には、遊技メダルの投入又はベットスイッチが操作されることにより、遊技メダルがベットされたことを条件に、スタートスイッチ37が操作されると、後述の役抽選手段140により、予め定められた複数の役のうちいずれかの役の当選又は非当選を決定するための抽選が行われる。そして、これに伴って、3個すべての回転リール25が回転を開始する。その後、所定のストップスイッチ38を操作すると、このストップスイッチ38に対応した回転リール25の回転が停止する。そして、ストップスイッチ38を3個すべて操作し終わると、3個の回転リール25の回転がすべて停止する。このとき、いずれかの停止表示ライン90上に、役抽選手段140により当選した役を構成する図柄51の組み合わせが停止すると、役に応じて予め定められた所定の利益が付与されるものとなっている。所定の利益の付与としては、
図10に示すように、たとえば、予め定められた枚数の遊技メダルの払い出しや、上述の特別遊技の実行等とすることができる。そして、通常遊技制御手段121は、1回の遊技における上記一連の処理を制御するものである。
【0078】
本形態に係るスロットマシン10では、
図10に示すように、役として、遊技メダルの払い出しは無いが遊技メダルを新たに投入することなく再度の遊技を行える再遊技役と、所定枚数の遊技メダルが払い出されることとなる小役と、小役及び再遊技役よりもさらに大きな利益を遊技者に付与可能な特別遊技に係る特別遊技役(第1BBゲーム役、第2BBゲーム役、RBゲーム役)とを備えている。
また、小役としては、
図10に示すように、チェリー役、特定役としてのベル役及びスイカ役を備えている。
具体的には、再遊技役は、「リプレイ」の図柄51の組み合わせ(「リプレイ」「リプレイ」「リプレイ」)により構成される。そして、いずれかの停止表示ライン90上に「リプレイ」「リプレイ」「リプレイ」の組み合わせが停止すると、新たに遊技メダルを投入することなく、当該遊技と同じ条件で次遊技を行う(すなわち、再遊技を行う)ことができる。
【0079】
また、小役のうち、チェリー役は、「チェリー」の図柄51と他の図柄51との組み合わせ(「チェリー」「ANY」「ANY」(ANYはいずれの図柄51でも構わないという意味))により構成される。そして、いずれかの停止表示ライン90上に「チェリー」「ANY」「ANY」の組み合わせが停止すると、所定枚数(本形態では1枚)の遊技メダルが払い出される。
また、小役のうち、ベル役は、「ベル」の図柄51の組み合わせ(「ベル」「ベル」「ベル」)により構成される。そして、所定の停止表示ライン90(たとえば、中段ライン91)上に「ベル」「ベル」「ベル」の組み合わせが停止すると、所定枚数(本形態では9枚)の遊技メダルが払い出される。
【0080】
そして、上述の如く、このベル役は特定役に相当するものであって、ストップスイッチ38の操作順序が対応付けられており、対応する操作順序でストップスイッチ38が操作された場合に、前記所定の停止表示ライン90上にベル役を構成する図柄51の組み合わせが停止するようになっている。
本形態においては、特に図示していないが、後述する役抽選手段140による抽選の結果として、ベル役、及び、当該ベル役と異なる図柄51の組み合わせにより構成される他の役に重複して当選したこととなる押し順ベル当選が複数設定されている(具体的には、ベル役、及び、前記他の役に重複して当選したこととなる押し順ベル役を複数定めておき、役抽選手段140により抽選するように設定する)。また、この各押し順ベル当選ごとに、対応するストップスイッチ38の操作順序が定められている。
【0081】
そして、いずれかの押し順ベル当選となったときに、これに定められた操作順序でストップスイッチ38が操作されると、所定の停止表示ライン90(中段ライン91)上に、上述のベル役を構成する図柄51の組み合わせが停止するようになっている。これに対して、定められた操作順序以外でストップスイッチ38が操作されると、所定の停止表示ライン90(中段ライン91)上に、上述のベル役を構成する図柄51の組み合わせは停止しないようになっている。なお、定められた操作順序以外でストップスイッチ38が操作されたときには、所定の停止表示ライン90(中段ライン91)上に前記他の役を構成する図柄51の組み合わせが停止し、所定枚数(たとえば、3枚)の遊技メダルが払い出されるように形成してもよい。
【0082】
そして、本形態においては、役抽選手段140による抽選の結果としての押し順ベル役当選の種類を示すコマンド(報知コマンド)を、副制御装置102に送信することで、このコマンドに基づいて、当選結果に対応するストップスイッチ80の操作順序が報知されるようになっている。
また、たとえば、上述のベル役を、「青7」「ベル」「ベル」や「赤7」「ベル」「ベル」等のような異なる図柄51の組み合わせで複数設けておき、「青7」「ベル」「ベル」により構成されるベル役に当選した場合には、左リール22が「青7」を停止表示ライン90上に停止させることができる範囲にあるときにストップスイッチ38が操作された場合のみ、停止表示ライン90上に当該ベル役を構成する図柄51の組み合わせが停止し、また、「赤7」「ベル」「ベル」により構成されるベル役に当選した場合には、左リール22が「赤7」を停止表示ライン90上に停止させることができる範囲にあるときにストップスイッチ38が操作された場合のみ、停止表示ライン90上に当該ベル役を構成する図柄51の組み合わせが停止するように形成してもよい。すなわち、このように形成した場合には、遊技者に回転リール25に付された所定の図柄51(この場合は「青7」や「赤7」)を狙ってストップスイッチ38を操作させ、これらの図柄51が引き込み範囲内にあるときにストップスイッチ38が操作されていれば、停止表示ライン90上にベル役を構成する図柄51の組み合わせが停止することとなる。
【0083】
また、小役のうち、スイカ役は、「スイカ」の図柄51の組み合わせ(「スイカ」「スイカ」「スイカ」)により構成される。そして、いずれかの停止表示ライン90上に「スイカ」「スイカ」「スイカ」の組み合わせが停止すると、所定枚数(本形態では5枚)の遊技メダルが払い出される。
また、第1BBゲーム役は、「赤7」の図柄51の組み合わせ(「赤7」「赤7」「赤7」)により構成される。そして、いずれかの停止表示ライン90上に「赤7」「赤7」「赤7」の組み合わせが停止すると、BBゲームに移行する。
また、第2BBゲーム役は、「青7」の図柄51の組み合わせ(「青7」「青7」「青7」)により構成される。そして、いずれかの停止表示ライン90上に「青7」「青7」「青7」の組み合わせが停止すると、BBゲームに移行する。
【0084】
なお、本形態に係るスロットマシン10では、遊技メダルの払い出しを行うことなく、BBゲームに移行するようになっているが、所定枚数(たとえば15枚)の遊技メダルを払い出しを行った後に、BBゲームに移行するように設定してもよい。
また、RBゲーム役は、「BAR」の図柄51の組み合わせ(「BAR」「BAR」「BAR」)により構成される。そして、いずれかの停止表示ライン90上に「BAR」「BAR」「BAR」の組み合わせが停止すると、RBゲームに移行する。なお、本形態に係るスロットマシン10では、遊技メダルの払い出しを行うことなく、RBゲームに移行するようになっているが、所定枚数(たとえば15枚)の遊技メダルの払い出しを行った後に、RBゲームに移行するように設定してもよい。
【0085】
また、本形態に係るスロットマシン10では、特殊再遊技役という役を有しており、この特殊再遊技役を構成する図柄51の組み合わせ(たとえば、「リプレイ」「リプレイ」「ベル」等)がいずれかの停止表示ライン90上に停止するとRTゲームが開始される。なお、この特殊再遊技役についても、ストップスイッチ38の操作順序が対応付けられており、対応する操作順序でストップスイッチ38が操作された場合に、停止表示ライン90上に特殊再遊技役を構成する図柄51の組み合わせが停止するようになっている。
また、本形態に係るスロットマシン10では、上述の如く、後述の役抽選手段140による抽選の結果を示す抽選結果コマンドも、副制御装置102に送信されるようになっており、これにより、押し順ベル役当選のときには、当該コマンドに基づいて、ストップスイッチ38の操作順序を報知することができるようになっている。
【0086】
なお、通常遊技中に、スイカ当選となった場合、当該抽選の結果を示す抽選結果データを受信した副制御装置102のATゲーム制御手段230により、ATゲームを実行するか否かの抽選が行われる。そして、当該抽選に当選すると、ATゲームの実行が決定されるようになっている。
(特別遊技制御手段122)
特別遊技制御手段122は、通常遊技よりも遊技者に大きな利益を付与可能な特別遊技(BBゲーム、RBゲーム)を制御するためのものである。
RBゲームは、予め定められた特定の役(本形態ではベル役)が高確率で当選する遊技を一定条件下で行わせる遊技である。また、BBゲームは、通常遊技と同様の遊技(BBゲーム一般遊技)を実行可能であるとともに、この遊技中に一定条件下でRBゲームに移行できるようにした遊技である。
【0087】
具体的には、BBゲームに移行すると、通常遊技と同様に所定枚数の遊技メダルのベットによって遊技が開始される。そして、3つの回転リール25の回転をすべて停止させた際に、停止表示ライン90上に役に対応する図柄51の組み合わせが停止しているか否かによって、遊技メダルの払い出しが行われる。
また、本形態に係るスロットマシン10では、BBゲームが開始されるとすぐにRBゲームへ移行し、所定回数のRBゲームが終了するとすぐに再度RBゲームへ移行するようになっている。すなわち、BBゲームが開始されたら常にRBゲーム状態での遊技が実行されるようになっている。
【0088】
なお、RBゲームへの移行は上述のように行うのではなく、BBゲームが開始されるとBBゲーム一般遊技が実行されるようにするとともに、このBBゲーム一般遊技中にRBゲームに移行するための特定の図柄51の組み合わせが停止表示ライン90上に停止した場合には、その後RBゲームに移行するようにしてもよい。そして、RBゲームが終了した後は、また通常遊技と同様の抽選及び制御が行われるようにしてもよい。
そして、BBゲーム中において払い出された遊技メダルが所定の枚数(たとえば465枚)を超えることにより、BBゲームは終了する。また、BBゲームの終了条件としては、上述のような遊技メダルの払い出し枚数の累計ではなく、他の条件を設定することもできる。
【0089】
また、RBゲームに移行すると、予め定められた特定の役(本形態ではベル役)を構成する図柄51の組み合わせが所定の停止表示ライン90上に停止した場合に遊技メダルの払い出しが行われる遊技が行われる。なお、RBゲームは、通常遊技中に「BAR」「BAR」「BAR」という図柄51の組み合わせが停止表示ライン90に停止することで、当該通常遊技からも移行するものとなっている。
また、BBゲーム中やRBゲーム中は、上述の如く、遊技状態記憶手段110にその旨が記憶される。そして、この記憶に基づき、BBゲーム状態である旨やRBゲーム状態である旨を示す遊技状態データも、副制御装置102に送信されるようになっている。
【0090】
(RTゲーム制御手段123)
RTゲーム制御手段123は、RTゲーム状態を制御するためのものである。
ここで、RTゲーム状態とは、上述の如く、通常遊技中とは異なる抽選確率で再遊技役が抽選されるRTゲーム(リプレイタイム遊技)が行われる状態である。具体的には、本形態に係るスロットマシン10では、RTゲーム中は通常遊技中よりも再遊技役の抽選確率が高められているため、再遊技役を構成する図柄51の組み合わせが停止表示ライン90上に停止しやすくなり、通常遊技中よりも遊技メダルの消費が抑えられることとなる。
そして、RTゲーム制御手段123は、RTゲームの開始や終了、その他のRTゲーム中の各種制御等を行うためのものである。具体的には、本形態に係るスロットマシン10では、役抽選手段140によりRTゲームを開始するための特殊再遊技役(たとえば、「リプレイ」「リプレイ」「ベル」)に当選し、この特殊再遊技役を構成する図柄51の組み合わせがいずれかの停止表示ライン90に停止することを契機として、RTゲームが開始され、RTゲーム状態へ移行することとなる。そして、このRTゲームが開始されてから所定回数(たとえば、30回)の遊技が行われること等の条件を満たすことを契機として、RTゲーム制御手段123がRTゲームを終了させるものとなっている。
【0091】
なお、前記所定回数のカウントについては、主制御装置101に遊技回数をカウントするためのカウンター(図示しておらず)を設け、このカウンターにより行われるように形成することができる。また、RTゲームの開始条件としては、上述の内容に限定されるものではなく、たとえば、BBゲームやRBゲームの終了を契機としてもよい。また、RTゲームの終了条件についても、上述のものに限定されるわけではなく、たとえば、RTゲーム終了図柄として予め定められた所定の図柄51の組み合わせが、停止表示ライン90に停止することを契機として、終了するように形成することもできる。
なお、本形態に係るスロットマシン10では、上述の如く、ATゲーム制御手段230によりATゲームの実行が決定されることを条件として、ATゲームが開始される。そして、このATゲーム中において、上述の特殊再遊技役が当選した場合及び押し順ベル役当選となった場合に、当該役を構成する図柄51の組み合わせを停止表示ライン90に停止させるためのストップスイッチ38の操作順序が報知されるようになっている。そして、この報知内容に基づいてストップスイッチ38を操作することで、特殊再遊技役を構成する図柄51の組み合わせが停止表示ライン90に停止すると、RTゲームが開始される。そして、この後は、ATゲームとRTゲームとが同時に実行(いわゆる、ARTゲームが実行)されることとなる。なお、ARTゲームの実行中に、ストップスイッチ38の操作順序が報知されたにもかかわらず、この報知内容と異なる操作順序でストップスイッチ38が操作された場合には、RTゲームが終了するようになっている。
【0092】
また、RTゲーム中は、上述の如く、遊技状態記憶手段110にその旨が記憶される。そして、この記憶に基づき、RTゲーム状態である旨を示す遊技状態データも、副制御装置102に送信されるようになっている。また、RTゲーム中の遊技回数を示すRTゲーム回数データ等も、副制御装置102に送信されるようになっている。
(役抽選手段140)
役抽選手段140は、予め定められた複数の役のうちいずれかの役の当選又は非当選を抽選により決定するためのものであり、具体的には、予め定められた抽選確率に基づいて、いずれの役に当たったか又はハズレたかの抽選を行うものである。
【0093】
この役抽選手段140は、特に図示していないが、所定の数値範囲内(たとえば、0〜65535)で乱数を発生させるための乱数発生手段、乱数発生手段により発生した乱数をスタートスイッチ37の操作時に抽出するための乱数抽出手段、乱数発生手段により発生する乱数がとる数値領域の範囲内であって、前記役に対応した所定の数値領域を有する役当選領域を複数備えた抽選テーブル(通常遊技用抽選テーブル、BBゲーム用抽選テーブル、RBゲーム用抽選テーブル、RTゲーム用抽選テーブル)、乱数抽出手段により抽出された乱数が抽選テーブルのいずれの役当選領域に属するか否かを判定するための当選判定手段、当選判定手段により所定の役に当選したと判定された場合に当該役に対応する当選フラグを成立させるためのフラグ成立手段等を備える。
【0094】
ここで、当選フラグの成立とは、所定のメモリに記憶されている数値が所定値になっている状態を意味するものである。たとえば、BBゲーム役に対応する所定のメモリに記憶されている数値が「1」となっている場合、BBゲーム役の当選フラグが成立している状態であると設定することができる。これに対して、前記メモリに記憶されている数値が「0」となっている場合、BBゲーム役の当選フラグが成立していない状態であると設定することができる。
なお、この当選フラグとしては、役抽選手段140の抽選結果が小役の当選である場合に成立する小役当選フラグや、抽選結果がBBゲームなどの特別遊技役の当選である場合に成立する特別当選フラグ等がある。
【0095】
また、小役当選フラグは、当選フラグが成立した遊技においてのみ有効となるものとなっている。これに対して、前記特別当選フラグは、次の遊技へ持ち越すことができるものとなっている。
また、役抽選手段140よる抽選が行われると、その抽選結果を示す抽選結果コマンドが副制御装置102へ送信されるようになっている。
(リール制御手段150)
リール制御手段150は、スタートスイッチ37、ストップスイッチ38の操作信号(開始信号(開始コマンド)、停止信号(停止コマンド))、及び役抽選の結果に基づいて、回転リール25の回転及び停止を制御するものである。
【0096】
そして、リール制御手段150は、
図1に示すように、大別すると、次の手段を備える。
(1)回転開始制御手段151
(2)回転位置検出手段152
(3)回転停止制御手段153
また、リール制御手段150としては、上記した(1)から(3)までの手段に限定されるものではない。
(回転開始制御手段151)
回転開始制御手段151は、回転リール25の回転の開始に関する制御を行うためのものであり、具体的には、回転開始制御手段151は、スタートスイッチ37の操作に基づいて出力される開始信号に基づき、各回転リール25に設けられているステッピングモーター(図示しておらず)に駆動開始信号を出力し、ステッピングモーターを駆動させることによりすべての回転リール25の開始を開始させるものである。
【0097】
また、回転開始制御手段151は、スタートスイッチ37が操作されると、予め定められた所定の加速度ですべての回転リール25を回転させ、すべての回転リール25の回転速度が所定速度に達すると、この所定速度で定速回転(定常回転)を行わせるものとなっている。
(回転位置検出手段152)
回転位置検出手段152は、ストップスイッチ38が操作された時点における回転リール25の回転位置を検出するためのものである。
具体的には、回転位置検出手段152は、特に図示していないが、出力されるパルス信号をカウントするためのカウント手段、カウント手段によるパルス信号のカウント値をリセットするためのリセット手段などを備えている。
【0098】
より具体的には、各回転リール25が回転を開始し、すべての回転リール25が所定の速度で定速回転(定常回転)するようになった後、検知センサ(図示しておらず)によりインデックスの通過が検知されたことを契機として、前記カウント手段が、出力されるパルス信号のカウントを開始する。そして、ストップスイッチ38が操作された時点における前記カウント値に基づいて、インデックスの回転角度を算出し、これにより前記時点における回転リール25の回転位置を検出することとなる。また、前記カウント手段によるパルス信号のカウント値は、検知センサ(図示しておらず)によりインデックスの通過が検知される都度、前記リセット手段によりリセットされ、この時点から新たにパルス信号のカウントが行われるものとなっている。
【0099】
(回転停止制御手段153)
回転停止制御手段153は、ストップスイッチ38の操作が行われた際に、役抽選手段140の抽選結果に基づいて、回転リール25の回転停止を制御するためのものである。
本形態における回転停止制御手段153は、ストップスイッチ38が操作された時点で、停止表示ライン90上に直ちに停止できる図柄51を基準として、この図柄51から回転方向に予め定められた個数(最大スベリコマ数、たとえば、4コマ)移動したときの図柄51までの範囲で、対応する回転リール25を停止させるように形成されている。
換言すれば、回転停止制御手段153は、ストップスイッチ38が操作された時点から対応する回転リール25が停止するまでに、この回転リール25が回転する回転量が予め定められたコマ数(4コマ)の範囲内となるように制御する。
【0100】
そして、回転停止制御手段153は、役抽選手段140の抽選結果に基づいて、対応する回転リール25を、予め定められたコマ数の範囲内におけるいずれの位置で停止させるかを決定するものとなっている。
具体的には、回転停止制御手段153は、所定の役に係る当選フラグが成立しているときには、当該役を構成する図柄51の組み合わせが、停止表示ライン90上に停止するように、かつ、前記役を構成する図柄51以外の図柄51は、停止表示ライン90上に停止しないように、対応する回転リール25の停止位置を上述の予め定められたコマ数の範囲内で決定する。
すなわち、回転停止制御手段153は、所定の役に当選している場合であって、ストップスイッチ38が操作された際、停止表示ライン90上から、回転リール25の反回転方向側の予め定められた個数(4個)の範囲内に、前記役を構成する図柄51が位置しているときは、前記図柄51が停止表示ライン90上に停止するように、対応する回転リール25を停止させる。そして、回転停止制御手段153は、当選フラグが成立していない場合、すなわち、ハズレの場合には、いずれの役を構成する図柄51の組み合わせも停止表示ライン90上に停止しないように、回転リール25を停止させる。
【0101】
また、本形態に係るスロットマシン10では、回転停止制御として、図柄51の停止位置を定めた停止テーブルを用いて行うテーブル制御が用いられている。なお、この回転停止制御としては、所定の図柄51を停止させるか否かを判断しながら制御を行うプログラム制御を用いても良い。
(停止態様判定手段160)
停止態様判定手段160は、役抽選手段140による抽選の結果、所定の役に当選し、かつ、回転リール25が停止した状態で表示される図柄51の停止表示態様が、役に応じて予め定められた図柄51の組み合わせになっているか否かを判定し、この判定結果に基づいた制御を行うためのものである。すなわち、所定の役を構成する図柄51の組み合わせが停止した場合に、この停止に係る役に応じた制御信号を出力するように形成されている。
【0102】
停止態様判定手段160は、各種制御手段に前記制御信号を出力する。そして、たとえば、所定の制御信号が入力された遊技制御手段120は、ホッパーユニット27が所定枚数の遊技メダルを払い出すように制御する。また、再遊技役に係る制御信号が入力された遊技制御手段120は、再遊技を行う。また、特別遊技役に係る制御信号が入力された特別遊技制御手段122は、特別遊技を開始する。
(状態監視手段170)
状態監視手段170は、スロットマシンに設けられている各装置の作動に関する異常や装置・部材の状態変化を監視するためのものである。
【0103】
そして、状態監視手段170は、
図1に示すように、大別すると、次の手段を備える。
(1)検知手段171
(2)異常状態記憶手段172
また、状態監視手段170としては、上記した(1)及び(2)の手段に限定されるものではない。
(検知手段171)
検知手段171は、各種検出手段の検知に基づいて、遊技機の状態が予め設定された状態を維持しているか否かを判定するものである。また、この検知手段171は、検出手段の検知に基づく遊技機の状態の判定のみならず、所定の記憶手段に正常値が記憶されたか否か、所定のプログラムによる処理が適切に行われたか否か等、ソフトウェアに基づく処理についての判定も行うことができる。
【0104】
具体的には、検知手段171は、以下のような判定を行う。
(1)メダルセンサ35の検知に基づき、遊技メダル詰まりや遊技メダルの逆流などの、遊技メダルの通過に関する異常や、径の異なる遊技メダルの投入など、不正規メダルに関する異常を検知可能である。たとえば、メダルセンサ35が一定時間以上遊技メダルを検出し続けている場合には遊技メダル詰まりと判定し、メダルセンサ35の複数の検知部の検出順序が逆転している場合には遊技メダルの逆流と判定することができる。また、メダルセンサ35の複数の検知部の検出間隔が、設定されている時間間隔と異なる場合には、メダル径の異なる遊技メダルが投入されたと判定することができる。
(2)ホッパーセンサ64の検知に基づき、ホッパーユニット27のメダル払い出し口付近での遊技メダル詰まりや、ホッパータンクが空になったホッパーエンプティ状態を検知可能である。たとえば、主制御装置101からホッパーユニット27に対して払い出し信号が出力されているのに払い出しセンサが一定時間メダルを検出しない場合には、検知部以外での遊技メダル詰まりや、ホッパーが空であると判定することができる。また、払い出しセンサが一定時間遊技メダルを検出し続けている場合には、検知部における遊技メダル詰まりと判定することができる。あるいは、主制御装置101からホッパーユニット27に対して払い出し信号が出力されていないのに、払い出しセンサが遊技メダルを検出している場合には、ホッパーユニット27の誤作動や不正行為が行われていると判定することができる。また、ホッパーセンサ64として、ホッパータンクの遊技メダルが一定量以下になったことを検知可能なセンサを設けた場合には、そのセンサの検知に基づき、ホッパーエンプティ状態を検知可能である。
(3)オーバーフローセンサ65の検知に基づき、ホッパータンクが満杯になったオーバーフロー状態を検知可能である。たとえば、補助メダルタンクに設けられた接触センサが通電状態となった場合、あるいは補助メダルタンクに設けられた光学センサが遊技メダルを検知し続けている場合には、ホッパータンクが満杯であると判定することができる。
(4)セレクタ設置確認センサ62の検知に基づき、メダルセレクタ43が所定の設置位置に設置されていないことを検知可能である。たとえば、ノーマルオープン回路を備えたセレクタ設置確認センサ62がOFF状態(非通電状態)からON状態(通電状態)となった場合には、メダルセレクタ43が正規の設置場所から取り外されたと判定することができる。あるいは、ノーマルクローズ回路を備えたセレクタ設置確認センサ62がON状態からOFF状態となった場合には、メダルセレクタ43が正規の設置場所から取り外されたと判定することができる。
(5)ドアセンサ63の検知に基づき、前扉30の開閉を検知することができる。たとえば、ノーマルオープン回路を備えたドアセンサ63がOFF状態からON状態となった場合には、前扉30が開放されたと判定することができる。あるいは、ノーマルクローズ回路を備えたドアセンサ63がON状態からOFF状態となった場合には、前扉30が開放されたと判定することができる。
(6)後述の設定変更制御手段190における設定値記憶手段への記憶に基づき、記憶された値が正常値であるか否かを検知することができる。たとえば、なんらかの不正な処理が実行されることにより、設定値記憶手段へ記憶された値が、スロットマシン10の設定値の範囲(1から6まで)を外れていた場合には、設定値が異常である(設定値異常状態)と判定することができる。
【0105】
そして、検知手段171は、上記した判定を、割り込み制御によって常時監視し、正常な状態と異なる検出パターンを検知した場合には、異常と判断するようになっている。
(異常状態記憶手段172)
異常状態記憶手段172は、前記検知手段171の検知結果により異常と判断された項目に関し、異常状態フラグを成立させ、異常状態を記憶するとともに、当該異常項目に関して所定の解除処理が行われた場合には、異常状態フラグをリセットして、異常状態の記憶を消去するものである。なお、本形態においては、異常状態記憶手段172の記憶は、電源断によっては消去されないようになっている。
【0106】
そして、異常状態フラグがセットされた場合には、送信手段200により、副制御装置102のメイン制御部102Aに、所定の異常情報が送信されるようになっている。
なお、状態監視手段170の作動の詳細については後述する。
(電源監視手段175)
電源監視手段175は、電源装置28から各装置や電子部品等に供給される電力の電圧を監視し、当該電圧の値が所定の条件を満たしたことに基づき、電源が切断された状態である電源断が発生した旨を検出するものである。この電源監視手段175は、所定のIC等により構成された回路であって、主制御装置101を構成するメイン基板上に実装される。
【0107】
具体的には、電源装置28から供給される電力の電圧が所定の閾値(たとえば、8V)まで降下すると、電源監視手段175は電源断が発生したものと判断、すなわち、電源断の発生を検出するようになっている。そして、電源断の発生が検出されると、電源監視手段175はその旨を、後述する電断時情報記憶手段176に出力する。
(電断時情報記憶手段176)
電断時情報記憶手段176は、電源監視手段175により電源断の発生が検出されることを契機として、当該時点における役抽選手段140の抽選結果等の情報を記憶するものである。
たとえば、役抽選手段140の抽選により、押し順ベル当選(特定役としてのベル役、及び、他の役に重複して当選したこととなる押し順ベル役の当選)となっていた場合に電源断が発生したときは、電断時情報記憶手段176は、この押し順ベル当選という抽選結果を記憶することができる。また、電断時情報記憶手段176は、この抽選結果と併せて、当該ベル役を構成する図柄51の組み合わせを所定の停止表示ライン90(中段ライン91)に停止表示させるためのストップスイッチ38の操作順序も記憶しておいてもよい。
【0108】
なお、本形態においては、電断時情報記憶手段176の記憶は、電源断によっては消去されないようになっている。
そして、通電(電源投入)されることにより電源断から復帰すると、送信手段200により、副制御装置102のメイン制御部102Aに、電断時情報記憶手段176に記憶されている情報が送信されるようになっている。
(異常状態制御手段180)
異常状態制御手段180は、前記状態監視手段170の監視結果に基づいて、遊技機の作動状態を所定の異常状態とするための制御を行うものである。
【0109】
そして、異常状態制御手段180は、
図1に示すように、大別すると、次の手段を備える。
(1)状態表示手段181
(2)遊技停止手段182
(3)異常解除手段183
また、異常状態制御手段180としては、上記した(1)から(3)までの手段に限定されるものではない。
(状態表示手段181)
状態表示手段181は、異常状態フラグがセットされた場合に、メイン表示装置32や、主制御装置101の制御に基づく所定のエラー表示部に、異常状態に対応する表示(異常状態表示)を行わせるためのものである。
【0110】
(遊技停止手段182)
遊技停止手段182は、あらかじめ定められた異常状態フラグがセットされた場合に、ベットやスタート操作など、遊技を進行させるための操作手段の操作を無効にして、遊技の進行を一時停止させるためのものである。
具体的には、遊技停止手段182は、遊技メダルを受け付け不能な状態にし、また、ベットスイッチ、スタートスイッチ37、ストップスイッチ38の操作信号を受信しないか、受信しても無効とするための制御を行う。
(異常解除手段183)
異常解除手段183は、所定の解除操作に基づいて、前記状態表示手段181の制御に基づく異常状態表示、及び前記遊技停止手段182の制御に基づく遊技停止状態を解除するためのものである。
【0111】
なお、異常状態制御手段180の作動の詳細については後述する。
(設定変更制御手段190)
設定変更制御手段190は、スロットマシン10における設定値の設定に関する制御を行うものである。
具体的には、設定変更制御手段190は、設定変更スイッチ60のうち設定キースイッチにより所定のモード切り替え操作が行われることを契機として、スロットマシン10のモードを切り替える。換言すれば、設定変更制御手段190は、切り替わったモードの内容を遊技状態記憶手段110に記憶させる。
【0112】
また、設定変更制御手段190は、遊技状態記憶手段110に記憶されているスロットマシン10のモードが設定値設定可能モードであることを条件に、設定変更スイッチ60による所定の設定値設定操作が行われることで、設定値を記憶するための所定の設定値記憶手段(特に図示しておらず)に、選択された設定値を記憶させる。
また、設定変更制御手段190は、スロットマシン10のモードが設定値表示モードに切り替わることを契機として、その旨を示す設定値表示コマンドを副制御装置102のメイン制御部102Aに送信する。また、設定変更制御手段190は、上述の設定値設定操作が行われることを契機として、その旨を示す設定変更開始コマンドを副制御装置102に送信する。そして、これらのコマンドを受信したメイン制御部102Aでは、これらのコマンドに応じた報知や処理を行う旨を決定するようになっている。
【0113】
(本形態における設定変更の手順)
本形態に係るスロットマシン10においては、設定変更スイッチ60の設定キースイッチは、所定の設定用鍵を挿入して回転操作を行うことでスイッチング操作を行うことができるようになっている。そして、設定用鍵を設定キースイッチに挿入せずに電源装置28の電源を投入すると、スロットマシン10は遊技進行可能モードに設定される。これに対して、設定用鍵を設定キースイッチに挿入して回転操作をした状態で電源装置28の電源を投入すると、スロットマシン10は設定値設定可能モードに設定される。すなわち、遊技進行可能モードから設定値設定可能モードに切り替える場合には、電源装置28の電源を切断した後に、設定キースイッチのスイッチング操作を行った状態で、電源を再投入する必要がある。
【0114】
スロットマシン10が設定値設定可能モードに設定されると、所定の表示装置に、当該時点で設定されている設定値が表示される。そして、スロットマシン10が設定値設定可能モードに設定された状態で、設定変更スイッチ60の設定更新スイッチを操作すると、1回の操作ごとに、当該時点で設定されている設定値に「1」が加算され、その値が前記表示装置に表示されるようになっている。なお、本形態に係るスロットマシン10の設定値は「1」から「6」までに設定されているため、設定値が「6」となっているときに設定更新スイッチが操作されると、「1」に戻ることとなる。そして、設定したい設定値が前記表示装置に表示されているときに、設定確定スイッチとして機能するスタートスイッチ37を操作し、さらに、設定キースイッチに挿入されている設定用鍵を最初の回転操作とは反対方向に回転させると、表示されている設定値が新しく設定(確定)されることとなる。すなわち、前記表示装置に表示されている設定値が、上述の設定値記憶手段に記憶されることとなる。そして、設定用鍵を設定キースイッチから抜き出して電源を投入しなおすと遊技進行可能モードに切り替わり、新しく設定された設定値での遊技を開始することができる。
【0115】
なお、遊技進行可能モードの場合において、電源装置28の電源が投入されたままの状態で、上述の設定用鍵を設定キースイッチに挿入して回転操作をすると、遊技進行可能モードから設定値表示モードに切り替わるようになっており、当該時点で設定されている設定値が前記表示装置に表示されることとなる。
(送信手段200)
送信手段200は、主制御装置101の各制御手段が発行するコマンドやデータを、副制御装置102へ送信するためのものである。
(副制御装置102の制御手段)
副制御装置102は、上述のように、メイン制御部102A及びサブ制御部102Bから構成されている。
【0116】
(メイン制御部102A)
メイン制御部102Aは、上述の如く、サブメインCPUがサブ制御ROMに記憶されたプログラムを読み込むことで、
図1に示すように、大別して、次の(1)から(5)までの制御手段として機能する。
(1)受信手段210
(2)サブ状態記憶手段220
(3)報知内容決定手段225
(4)ATゲーム制御手段230
(5)メインサブ間送受信手段240
なお、メイン制御部102Aとしては、上記した(1)から(5)までの制御手段に限定されるものではなく、他の手段を含んでいてもよい。
【0117】
(受信手段210)
受信手段210は、主制御装置101の送信手段200により送信されたコマンドやデータを受信するためのものである。そして、受信手段210が受信したコマンドやデータは、特に図示していないが、メイン制御部102Aに設けられた所定の記憶手段に記憶されるようになっている。
(サブ状態記憶手段220)
サブ状態記憶手段220は、副制御装置102により行われる演出の実行状態等の各種状態を記憶可能なものであり、RWMの所定の記憶領域等により構成されるものである。
【0118】
本形態に係るスロットマシン10では、演出の実行状態として、一般的な演出が行われる通常演出遊技状態、役抽選手段140による抽選結果(押し順ベル当選)に関する報知演出が行われるアシストタイム遊技状態(ATゲーム状態)を有している。
具体的には、サブ状態記憶手段220は、ATゲームが実行されていないときは、演出の実行状態として通常演出遊技状態である旨を記憶しているものの、ATゲームが開始された場合には、サブ状態記憶手段220に記憶されている遊技状態が、ATゲーム状態に変更される。また、ATゲームが終了し、通常演出遊技状態となった場合には、サブ状態記憶手段220に記憶されている演出の状態が、通常演出遊技状態に変更される。
【0119】
(報知内容決定手段225)
報知内容決定手段225は、受信手段210が受信したコマンドやデータに応じた演出や報知の内容を決定するものである。
たとえば、報知内容決定手段225は、受信手段210が所定の役に当選した旨を示すコマンドを受信した場合に、当該役の当選を報知する演出を実行するか否かを決定することができる。また、報知内容決定手段225は、スロットマシン10の所定の異常状態を示すコマンドを受信した場合に、当該異常状態の報知を決定することができる。
(ATゲーム制御手段230)
ATゲーム制御手段230は、上述のATゲームを制御するためのものである。このATゲーム制御手段230は、特に図示していないが、ATゲームの実行を決定するATゲーム実行決定手段、ATゲーム実行決定手段によりATゲームの実行が決定された場合に、ATゲームを実行するATゲーム実行手段等を備えている。
【0120】
本形態に係るスロットマシン10では、通常遊技中においてスイカ役に当選すると、主制御装置101が、送信手段200により、このスイカ役に当選した旨を示すコマンドを副制御装置102に送信する。そして、メイン制御部102Aが、前記コマンドを受信すると、ATゲーム制御手段230が、所定の乱数抽選を行って、ATゲームを実行するか否かを決定する。
そして、ATゲームの実行が決定された場合には、ATゲーム実行手段はATゲームを開始する。ATゲームが開始されると、ATゲーム実行手段は、サブ状態記憶手段220に記憶されている演出の実行状態をATゲーム状態に変更する。
そして、所定回数の遊技の間、ATゲームが実行されるが、ATゲームの実行中は、主制御装置101における役抽選手段140により押し順ベル当選(特定役としてのベル役、及び、他の役に重複して当選したこととなる押し順ベル役の当選)となった場合には、主制御装置101から送信される前記当選となった旨を示すコマンド(報知コマンド)をメイン制御部102Aが受信することで、報知内容決定手段225が、ベル役を構成する図柄51の組み合わせを所定の停止表示ライン90(中段ライン91)上に停止させることができるストップスイッチ38の操作順序を、スピーカ54からの音声の出力及び液晶表示装置53における画像表示で報知する旨を決定する。そして、この決定された報知内容を実行させるための画像制御コマンド及びサウンド制御コマンド(報知コマンド)が、サブ制御部102Bへ送信され、サブ制御部102Bがこれらのコマンドを受信することで、前記報知が実行されるようになっている。
【0121】
そして、ATゲームが終了すると、ATゲーム実行手段は、サブ状態記憶手段220に記憶されている演出の実行状態をATゲーム状態から通常演出遊技状態に変更する。
(メインサブ間送受信手段240)
メインサブ間送受信手段240は、報知内容決定手段225により演出や報知の実行が決定されることに基づいて、当該演出や報知を実行するためのコマンド(画像制御コマンドやサウンド制御コマンド等の報知コマンド)やデータを、サブ制御部102Bへ送信し、また、サブ制御部102Bから送信されるコマンドやデータを受信するためのものである。
なお、メインサブ間送受信手段240は、サブ制御部102Bへコマンドやデータを送信するための送信手段と、サブ制御部102Bからのコマンドやデータを受信するための受信手段と、を別個に備えていてもよい。
【0122】
また、サブ制御部102Bの制御下におかれていない報知手段(たとえば、ランプ52)には直接、前記コマンドが送信されることにより、当該報知手段による演出や報知が実行されるようになっている。
(サブ制御部102B)
メイン制御部102Bは、上述の如く、サブサブCPUが画像制御ROMに記憶されたプログラムやデータを読み込むことで、
図1に示すように、大別して、次の(1)から(4)までの制御手段として機能する。
(1)サブメイン間送受信手段250
(2)報知内容実行手段260
(3)レイヤ優先順位記憶手段270
(4)レイヤ優先順位変更手段280
なお、サブ制御部102Bとしては、上記した(1)から(4)までの制御手段に限定されるものではなく、他の手段を含んでいてもよい。
【0123】
(サブメイン間送受信手段250)
サブメイン間送受信手段250は、メイン制御部102Aのメインサブ間送受信手段240により送信されるコマンドやデータを受信し、また、サブ制御部102Bが発行する所定のコマンドやデータを、メイン制御部102Aへ送信するためのものである。
なお、サブメイン間送受信手段250は、メイン制御部102Aへコマンドやデータを送信するための送信手段と、メイン制御部102Aからのコマンドやデータを受信するための受信手段と、を別個に備えていてもよい。
(報知内容実行手段260)
報知内容実行手段260は、報知内容決定手段225により決定された演出や報知を、メイン制御部102Aから送信されるコマンド(画像制御コマンドやサウンド制御コマンド等の報知コマンド)に基づいて、所定の報知手段に実行させるものである。
【0124】
たとえば、報知内容実行手段260は、スロットマシン10の所定の異常状態を報知するための画像制御コマンド及びサウンド制御コマンドを受信した場合には、当該画像制御コマンドに基づいて液晶表示装置53に所定の画像を表示させるとともに、当該サウンド制御コマンドに基づいてスピーカ54に所定の音声を出力させる。
(レイヤ優先順位記憶手段270)
レイヤ優先順位記憶手段270は、上述の如く、液晶表示装置53の表示画面を構成する第1のレイヤ及び第2のレイヤにおける表示の優先順位を記憶するためのものであり、RWMの所定の記憶領域等により構成されるものである。
【0125】
ここで、第1のレイヤは、主に演出に関する内容が表示されるものであり、第2のレイヤは、主にスロットマシン10の異常状態の報知に関する内容が表示されるものである。なお、表示画面を構成するレイヤとしては、これらに限定されるものではなく、他のレイヤを備えていてもよい。たとえば、第1のレイヤとして、演出の内容のうち背景部分を表示するための背景画面レイヤや、ストップスイッチ38の操作順序を表示するための操作順序画面レイヤ等を備えることもできる。このようにすることで、背景の画像については背景画面レイヤに表示したまま、ストップスイッチ38の操作順序については別途、操作順序画面レイヤに表示することができる。なお、通常時におけるレイヤの優先順位は、背景画面レイヤよりも操作順序画面レイヤの方が優先順位が高く、操作順序画面レイヤよりも第2レイヤの方が優先順位が高くなるように設定しておくことが望ましい。
【0126】
本形態に係るスロットマシン10では、上述の如く、第2のレイヤに、第1のレイヤよりも高い優先順位が定められており、この旨がレイヤ優先順位記憶手段270に記憶されている。
したがって、この優先順位に基づくと、液晶表示装置53において所定の演出が実行されているときに所定の異常状態が発生した場合には、実行中の演出の表示に優先されて、異常状態の報知が実行されることとなる。
(レイヤ優先順位変更手段280)
レイヤ優先順位変更手段280は、上述の如く、レイヤ優先順位記憶手段270に記憶されているレイヤの優先順位を変更するためのものである。
【0127】
具体的には、本形態に係るスロットマシン10では、ATゲーム中等において、特定役としてのベル役を構成する図柄51の組み合わせを所定の停止表示ライン90(中段ライン91)上に停止表示させるためのストップスイッチ38の操作順序が表示されることを契機として、レイヤ優先順位変更手段280が、レイヤ優先順位記憶手段270に記憶されているレイヤの優先順位を、第1のレイヤが第2のレイヤよりも高くなるように変更する。すなわち、第1のレイヤに表示される内容が、第2のレイヤに表示される内容よりも優先的に表示されるように変更される。
そして、すべてのストップスイッチ38が操作されて当該遊技が終了することを契機として、レイヤ優先順位変更手段280が、レイヤ優先順位記憶手段270に記憶されているレイヤの優先順位を、第2のレイヤが第1のレイヤよりも高くなるように変更する。すなわち、当初、レイヤ優先順位記憶手段270に記憶されていたレイヤの優先順位に戻される。
【0128】
以上より、ベル役を構成する図柄51の組み合わせを所定の停止表示ライン90(中段ライン91)上に停止表示させるためのストップスイッチ38の操作順序が表示されているときに所定の異常状態が発生した場合には、異常状態の報知に優先されて、ストップスイッチ38の操作順序の表示が行われることとなる。
なお、レイヤの優先順位が変更される条件は、上記の内容に限定されるものではない。たとえば、上述のようにストップスイッチ38の操作順序が表示され、かつ、検知手段170により異常状態が検知されたことを契機として、第1のレイヤが第2のレイヤよりも優先順位が高くなるように変更してもよい。そして、異常状態の解除が検知されたことを契機として、第2のレイヤが第1のレイヤよりも優先順位が高くなるように変更してもよい。
【0129】
また、ATゲーム制御手段230によりATゲームが開始されたことを契機として、第1のレイヤが第2のレイヤよりも優先順位が高くなるように変更してもよい。そして、ATゲームが終了したことを契機として、第2のレイヤが第1のレイヤよりも優先順位が高くなるように変更してもよい。
なお、ストップスイッチ38の操作順序が表示されているときに所定の異常状態が発生した場合であって、すべてのストップスイッチ38が操作されて当該遊技が終了したときには、発生している異常状態の解除が検知されるまで、上述のように、ベットやスタート操作など、遊技を進行させるための操作手段の操作を無効にして、遊技の進行を一時停止させることもできる。具体的には、遊技メダルを受け付け不能な状態にし、また、ベットスイッチ、スタートスイッチ37、ストップスイッチ38の操作信号を受信しないか、受信しても無効とするための制御を行う。
【0130】
(スロットマシン10の動作)
次に、上記構成を備えたスロットマシン10の動作の概略について、
図11から
図22までに示したフローを用いて説明する。まず、メイン遊技の処理について、
図11のフローを用いて説明する。
図11に示すステップ100において、スタートスイッチ37がONとなったか否かが判定される。そして、スタートスイッチ37がONとなったと判定された場合、次のステップ101に進む。一方、スタートスイッチ37がONとなっていないと判定された場合には、ステップ100に戻る。
【0131】
ステップ101において、役抽選手段140により役抽選が行われる。そして、次のステップ102に進む。
ステップ102において、すべての回転リール25が回転を開始する。そして、次のステップ103に進む。
ステップ103において、いずれかのストップスイッチ38がONとなったか否かが判定される。ストップスイッチ38がONとなったと判定された場合には、次のステップ104に進む。一方、ストップスイッチ38がONとなっていないと判定された場合には、ステップ103に戻る。
【0132】
ステップ104において、ストップスイッチ38に対応する回転リール25の停止処理が行われる。そして、次のステップ105に進む。
ステップ105において、すべての回転リール25が停止したか否かが判定される。そして、すべての回転リール25が停止したと判定された場合、次のステップ106に進む。一方、すべての回転リール25が停止していないと判定された場合、ステップ103に戻る。
ステップ106において、停止態様判定手段160により、停止態様判定処理が行われる。具体的には、停止表示された図柄51の組合せが、予め設定された態様となっているか否かが判定される。そして、次のステップ107に進む。
【0133】
ステップ107において、停止態様判定手段160の判定結果に基づいて、判定に応じた処理が行われる。たとえば、所定の停止表示ライン90に、小役を構成する図柄51の組合せが停止表示された場合には、役に応じた枚数の遊技メダルの払い出し処理が行われる。また、再遊技役を構成する図柄51の組合せが停止表示された場合には再遊技の作動が決定され、自動ベット処理が行われる。また、たとえば、第1BBゲーム役を構成する図柄51の組み合わせが停止表示された場合には、BBゲームへの移行が決定され、次遊技からBBゲームが開始される。なお、いずれの役を構成する図柄51も停止表示されなかった場合には、遊技メダルの払い出しの処理等は行われないものの、所定の停止表示ライン90に予め定められた図柄51の組合せ(たとえば、チャンス目等)が停止表示された場合には、それらの図柄51の組合せに対応する処理(たとえば、演出や遊技状態の移行)が決定され、決定に応じた処理(たとえば、副制御装置102による演出の実行、遊技状態の更新等)が行われる。そして、1回の遊技が終了する。
【0134】
(異常状態制御手段180による異常状態制御)
次に、異常状態制御手段180による異常状態制御の詳細について、第一から第四までの制御例に分けて説明する。
(第一の制御例)
第一の制御例は、第一の異常状態を解除するためには必ず第二の異常状態が発生するように設定し、第一の異常状態は、第二の異常状態が発生していないと解除できないように制御するものである。
ここで、第一の異常状態と第二の異常状態は、あらかじめ設定されたワンセットの異常状態として、主制御装置101のROMに記憶されている。具体例を挙げると、前扉30を開放しないと異常原因を取り除くことができないホッパーユニット27に関連する異常状態、たとえばホッパーエンプティやホッパーの遊技メダル詰まりや遊技メダルのオーバーフローなどが第一の異常状態として設定され、扉開放(ドアセンサ63による扉開放検知)が、当該第一の異常状態に対応する第二の異常状態として設定されている。また、メダルセレクタ43を取り外さないと異常原因を取り除くことができないメダルセレクタ43に関連する異常状態、たとえば遊技メダル詰まりや遊技メダルの逆流などが第一の異常状態として設定され、メダルセレクタ43の適位置からの取り外し(セレクタ設置確認センサ62によるセレクタ無し検知)が、当該第一の異常状態に対応する第二の異常状態として設定されている。
【0135】
また、本制御例では、状態監視手段170の検知手段171により異常状態が検知された場合には、メイン表示装置32において所定の異常状態表示が行われ、異常状態の種類によっては、遊技の停止処理が行われるとともに、送信手段200から副制御装置102のメイン制御部120Aに異常情報が送信される。異常情報は、発生した異常の種類を知らせる情報であってもよいし、発生した異常に対応する報知を行わせるためのコマンドであってもよい。異常情報を受信したメイン制御部102Aでは、異常の種類に応じて予め設定されている報知態様を選択し、サブ制御部102Bに所定の報知コマンドを送信する。この報知コマンドに基づき、サブ制御部102Bが、液晶表示装置53やスピーカ54に、所定の異常状態報知を実行させるようになっている。一方、所定の解除操作が行われた場合には、異常状態記憶手段172から当該異常状態の記憶が消去(異常状態フラグがリセット)され、これに伴い当該異常状態に基づく異常状態表示や遊技停止処理が終了する。また、送信手段200からメイン制御部120Aに所定の解除情報を送信する。解除情報は、異常解除を知らせる情報であってもよいし、報知を停止させるためのコマンドであってもよい。
【0136】
次に、本制御例による異常状態制御の流れを、
図12のフローに基づき説明する。
まず、
図12のステップ1000において、第一の異常状態が発生中か否かが判断される。具体的には、第一の異常状態について異常状態フラグが成立しているか否かが判断される。第一の異常状態が発生中でない場合にはそのまま処理を終了し、第一の異常状態が発生中である場合には、次のステップ1010に進む。
ステップ1010において、第一の異常状態について、所定の解除操作がなされたか否かが判断される。所定の解除操作とは、発生している異常状態に応じて予め設定されている解除操作であって、たとえば詰まった遊技メダルなどの異常原因を取り除くだけで異常状態が解消するように設定されている場合にはそのような操作が行われることであり、異常原因を取り除くとともに所定のリセット操作(リセットスイッチ61の操作やその他の初期化のための操作)をしないと異常状態が解消しないように設定されている場合には、異常原因が取り除かれリセット操作が行われることである。第一の異常状態について、所定の解除操作がなされない場合には、ステップ1010に戻り、解除操作がなされた場合には、次のステップ1020に進む。
【0137】
ステップ1020において、第二の異常状態が発生中か否かが判断される。すなわち、第一の異常状態に対応する第二の異常状態として設定されているに異常状態について異常状態フラグが成立しているか否かが判断される。第二の異常状態が発生していない場合には、ステップ1010に戻り、第二の異常状態が発生している場合には、次のステップ1030に進む。
ステップ1030において、第一の異常状態を解除する。すなわち、異常解除手段183は、異常状態記憶手段172により設定された第一の異常状態についての異常状態フラグをリセットさせ、状態表示手段181や遊技停止手段182により実行されている第一の異常状態の発生に基づく異常状態表示や遊技停止状態を終了させ、副制御装置102に解除情報を送信させる。そして、次のステップ1040に進む。
【0138】
ステップ1040において、第二の異常状態について、所定の解除操作がなされたか否かが判断される。所定の解除操作がなされない場合には、ステップ1040に戻り、解除操作がなされた場合には、次のステップ1050に進む。
ステップ1050において、第二の異常状態を解除する。そして処理を終了する。
このように、本制御例によれば、第一の解除操作が行われたときに、第二の異常状態が発生していない場合には、第一の異常状態を解除しないようになっている。このため、たとえば前扉30の開放が検知されていないのにホッパー関連の異常状態について解除操作が行われた場合や、前扉30を開放しないと解除できないメダルセレクタ43の異常状態が解除されたような場合には、解除操作によっても異常状態が解除されない。つまり、不正行為によって異常状態を発生させ、これを解除しようとしても、ずっと異常状態が継続するので、不正行為を早期に発見することができる。
【0139】
(第一の制御例の変形例)
ここで、上記例では、第一の異常状態について解除操作が行われたときに、第二の異常状態が発生していない場合には、第一の異常状態を解除しないこととしてあったが、かかる場合、たとえば遊技停止などの、スロットマシン10の作動に関わる異常状態は解除するものの、表示に関わる制御、たとえばメイン表示装置32での異常状態表示や副制御装置102の制御による報知手段の報知に関しては、解除しないような構成としてもよい。
以下、変形例による異常状態制御の流れを、
図13のフローに基づき説明する。
ここで、
図13のフローにおいては、ステップ1100〜1150までの流れは、ステップ1120を除き、
図12のフローと同様であるので説明を省略し、ステップ1120において、第二の異常状態が発生していない場合の流れについて説明する。
【0140】
ステップ1120において、第二の異常状態が発生していない場合には、ステップ1160に進む。
ステップ1160において、報知以外の第一の異常状態を解除する。ここでは、異常状態フラグはリセットしないまま、遊技停止状態のみを終了させるようにしてもよいし、異常状態フラグをリセットして遊技停止状態は終了させるものの、メイン表示装置32での異常状態表示は継続させるとともに、副制御装置102への解除情報の送信を留保して、副制御装置102の制御による報知手段の報知が継続されるようにしてもよい。あるいは、異常状態フラグをリセットして主制御装置101の制御による異常状態(異常状態表示、遊技停止)は解除するものの、副制御装置102への解除情報の送信を留保して、副制御装置102の制御による報知手段の報知のみは継続されるように形成してもよい。そして、次のステップ1170に進む。
【0141】
ステップ1170において、異常状態報知を終了させるための所定の解除操作が行われたか否かが判断される。異常状態報知を終了させるための所定の解除操作は、第一の異常状態や第二の異常状態を終了させるための解除操作とは異なるものであり、たとえば、主制御装置101や副制御装置102を構成する基板に設けられた所定のリセットスイッチを操作するものとすることができる。異常状態報知の解除操作が行われない場合にはステップ1170に戻り、異常状態報知の解除操作が行われた場合には、次のステップ1180に進む。
ステップ1180において、第一の異常状態に対応する異常状態報知を終了させる。そして制御を終了する。
【0142】
このように形成した場合には、たとえば遊技停止が解除されて遊技を実行可能となっても、異常状態の報知は継続して行われるので、見た目上は異常状態が解除されていないこととなり、上記した場合と同様に、不正行為を早期に発見することができるとともに、不正行為を躊躇させることができる。
(第二の制御例)
第二の制御例は、異常状態に優先度を設定し、異常状態が重複して発生した場合には、1回の解除操作が行われた場合に優先度の高い異常状態は解除されないように制御するものである。
【0143】
ここで、優先度とは、異常の種類に序列を設けたものであり、優先度を特定するための優先度テーブルが設けられている。優先度テーブルは、各異常状態に対応する優先度を規定したものであり、たとえば各異常状態に優先度を示す数値を付して、順番に配置したものとすることができる。
優先度の高低は、異常状態の種類に応じ、その異常が遊技進行に及ぼす深刻さや不正行為による可能性の程度、通常に遊技を実行している場合に発生し易いか否かなどにより、予め設定されている。たとえば、ホッパーユニット27に関する異常状態のうち、払い出し要請をしていないのにメダルが払い出されている状態や、メダルセレクタ43に関する異常状態のうち、メダルセンサ35のメダル通過検知の間隔が異常に短い場合などは、優先度の高い異常状態に設定される。また、ホッパーユニット27のエンプティ状態やオーバーフロー状態や払い出し口でのメダル詰まり、メダルセレクタ43のメダル詰まり等は、優先度が低く設定されている。
【0144】
また、優先度の高低は、たとえば各異常状態に付されている数値が大きいほど優先度が高いことを表すように設定することができる。逆に、付されている数値が小さいほど優先度が高いことを表すように設定してもよい。なお、処理の簡素化のため、全ての異常状態には全て異なる優先度を設定しておくのが好ましい。
また、本制御例においては、全ての異常状態は、所定のリセットスイッチ61が操作されることにより解除されるようになっている。また、異常状態は、設定値が変更されることにより解除されるようにしてもよい。
本制御例による異常状態制御の流れを、
図14のフローに基づき説明する。
【0145】
まず、
図14のステップ2000において、異常状態が発生したか否かが判断される。すなわち、検知手段171が異常状態を検知したか否かが判断される。異常状態が発生していない場合にはそのまま処理を終了し、異常状態が発生している場合には、状態記憶手段171が異常状態フラグをセットし、次のステップ2010に進む。
ステップ2010において、発生した異常状態について報知が行われる。すなわち、状態表示手段181によりメイン表示装置32に所定の異常状態表示が行われ、主制御装置101から異常情報を受信した副制御装置102は、異常状態に応じた報知を行わせるための制御を行う。なお、このフローでは省略しているが、異常状態の種類によっては、異常状態についての報知とともに、遊技停止などの、主制御装置110の制御に基づく異常状態に対応する処理が行われる。そして、次のステップ2020に進む。
【0146】
ステップ2020において、リセットスイッチ61が操作されたか否かが判断される。リセットスイッチ61が操作された場合には、ステップ2100に進み、異常状態を解除する。すなわち、異常状態フラグをリセットし、副制御装置102に解除情報を送信する。そして処理を終了する。なお、異常原因が取り除かれていない(詰まった遊技メダルが排出されていない)場合であっても、リセットスイッチ61が操作されれば異常状態を解除するが、再び異常が検知されるので、ステップ2000から始まる処理が繰り返される。一方、リセットスイッチ61が操作されない場合には、ステップ2030に進む。
ステップ2030において、発生中の異常状態とは異なる他の異常状態が発生したか否かが判断される。他の異常状態が発生しない場合にはステップ2020に戻り、他の異常状態が発生した場合には、次のステップ2040に進む。
【0147】
ステップ2040において、低優先異常状態について報知を行わせる。すなわち、先に発生した異常状態と、後から発生した異常状態の優先度を比較して、優先度の低い異常状態について、異常状態表示や異常状態報知を行わせるための制御を行う。ここにおいて、先に発生した異常状態のほうが、後に発生した異常状態よりも優先度が低い場合には、前記ステップ2010において実行させた報知を継続させる。逆に、先に発生した異常状態のほうが、後に発生した異常状態よりも優先度が高い場合には、前記ステップ2010において実行させた報知を終了させ、それと入れ替えに、後に発生した優先度が低い異常状態に対応する報知を行わせる。そして、次のステップ2050に進む。
【0148】
ステップ2050において、所定のリセットスイッチ61が操作されたか否かが判断される。リセットスイッチ61が操作されない場合にはステップ2050に戻り、リセットスイッチ61が操作された場合には、次のステップ2060に進む。
ステップ2060において、優先度の低い方の異常状態(低優先異常状態)のみを解除する。すなわち、報知が行われている方の異常状態の異常状態フラグをリセットする。これにより、低優先異常状態に基づく報知は終了する。ただし、低優先度異常状態に基づき遊技停止状態となっていた場合でも、未だ解除されていない優先度の高い方の異常状態フラグが成立したままであるので、遊技停止状態は終了しない。そして、次のステップ2070に進む。
【0149】
ステップ2070において、異常状態が解除されていない高低優先異常状態について報知を行わせる。そして、次のステップ2080に進む。
ステップ2080において、所定のリセットスイッチ61が操作されたか否かが判断される。リセットスイッチ61が操作されない場合にはステップ2080に戻り、リセットスイッチ61が操作された場合には、次のステップ2090に進む。
ステップ2090において、高優先異常状態を解除する。すなわち、高優先異常状態の異常状態フラグをリセットする。これにより、低優先異常状態に基づく報知は終了し、異常状態に基づく遊技停止も解消する。そして、処理を終了する。
【0150】
以上のように、本制御例によれば、異常状態が重複して発生した場合、リセット操作を繰り返さないと優先度の高い異常状態を解除することができないので、高優先異常状態の解除を困難にすることができる。たとえば、不正なリセット操作、たとえば前扉30の隙間から針金等を挿入してリセットスイッチ61を操作することを繰り返す必要があり、異常状態の解除が困難になる。このようにして、比較的軽度の異常状態(たとえば遊技メダル詰まり)を故意に発生させるとともに、ホッパーユニット27を誤作動させるなどして、軽度の異常状態によって、より深刻な異常状態をカムフラージュしようという不正行為を行い難くすることができる。
【0151】
なお、上記したフローは、異常状態の重複が2つの場合の制御の流れを示すものであったが、3以上の異常状態が発生した場合にも、同様にして、優先度の低い異常状態から順に解除していくように形成することが可能である。
また、上記例では、高優先異常状態に対応する報知は、低優先異常状態が解除されてから行われる設定となっていたが、重複して発生している異常状態の報知を、時間経過毎に切り替えて行うようにしてもよい。この際、優先度の高い異常状態の報知は、優先度の低い異常状態の報知よりも実行時間が長くなるように形成することができる。このように形成すると、異常状態が重複して発生していることが一見して判るともに、重大な異常状態の発生が顕著となる。
【0152】
また、スピーカ54から異常状態に対応する音声(警報音)を出力させる場合、異常状態の重複数に応じて、その発生音を変化させてもよい。あるいは、優先度に応じて、警報音を変化させるようにしてもよい。このように形成した場合には、たとえば液晶表示装置53で低優先異常状態に対応する異常状態報知のみを行わせている場合であっても、他の異常状態が重複発生していることを知ることができるものとなる。
(第三の制御例)
第三の制御例は、異常状態が重複して発生しているときに電源断した場合には、電源断復帰時に、発生している全ての異常状態に関する報知を、順番に行わせるように制御するものである。
【0153】
本制御例においても、前記した第二の制御例と同様に、全ての異常状態は、所定のリセットスイッチ61が操作されることにより解除されるようになっている。
本制御例による異常状態制御の流れを、
図15及び
図16のフローに基づき説明する。
図15は、異常状態制御手段180による電源断復帰時の処理を示す。ここで、「電源断」には、電源スイッチを操作してスロットマシン10の主電源をOFFにすることによる電源断の他、停電等の不測の事態による電源断が含まれ、「電源断復帰」には、電源スイッチをONにすることによる復帰の他、停電終了による自動復帰も含まれる。
まず、
図15のステップ3000において、異常状態の記憶がされているか否か、すなわち、所定の異常状態について異常状態フラグが成立しているか否かが判断される。前述したように、異常状態フラグは電源断によってはリセットされないので、電源断前に異常状態が発生していた場合には異常状態フラグが成立したままになっている。異常状態の記憶がされていない場合にはそのまま処理を終了し、異常状態の記憶がされている場合には、次のステップ3010に進む。
【0154】
ステップ3010において、異常状態に応じた処理が行われる。
ここで、異常状態に応じた処理について、
図16のフローに基づき説明する。
図16のステップ3100において、記憶されている異常状態のなかに、遊技停止の対象となっている異常状態が含まれているか否かが判断される。遊技停止の対象となっている異常状態が含まれている場合には、次のステップ3110において、遊技停止処理を行う。この場合には、メダル受け付けを不能とする処理や、スタートスイッチ37の操作を無効とする処理が行われる。そして、次のステップ3120に進む。一方、遊技停止の対象となっている異常状態が含まれていない場合には、ステップ3110を飛び越してステップ3120に進む。
【0155】
ステップ3120において、報知対象を特定する。ここで、発生している異常状態が単独(異常状態フラグが1つ)である場合には、報知対象は常に当該異常状態に特定される。一方、異常状態が複数発生している場合には、フラグが成立した順で(すなわち、発生時期の早いものから)、順次特定されるようになっている。具体的には、電源断復帰後、最初のルーティンでは、1番目に成立した異常状態フラグに係る異常状態を報知対象として特定し、次のルーティンでは、2番目に成立した異常状態フラグに係る異常状態を報知対象として特定する。そして、最後に成立した異常状態フラグに係る異常状態を報知対象として特定したら、再び1番目に成立した異常状態フラグに係る異常状態を報知対象として特定し、これを繰り返す。
【0156】
そして、次のステップ3130に進み、メイン表示装置32に特定した異常状態に対応する異常状態表示を行わせる。また、次のステップ3040において、副制御装置102のメイン制御部102Aに異常情報を送信する。異常情報を受信したメイン制御部102Aは、サブ制御部102Bに対して、異常情報に対応する報知コマンドを送信し、サブ制御部102Bが所定の報知手段に報知コマンドに基づく報知を行わせる。そして処理を終了する。
さて、
図15に戻り、次のステップ3020に進む。
ステップ3020において、所定のリセットスイッチ61が操作されたか否かが判断される。リセットスイッチ61が操作されない場合にはステップ3010に戻る。以上のステップ3000〜3020の流れにおいて、電源断復帰後、複数の異常状態が発生している場合には、リセット操作が行われない限り、複数の異常状態に対応した報知が、順次行われるものとなる。なお、異なる異常状態についての表示や報知が、一定時間ごとに切り替わるよう、本ステップでは、リセットスイッチ61が一定時間操作されなかった場合に、ステップ3010に戻るようになっている。一方、リセットスイッチ61が操作された場合には、次のステップ3030に進む。
【0157】
ステップ3030において、一の異常状態について主制御装置101での異常状態を解除する。すなわち、一の異常状態フラグをリセットし、一の異常状態に基づく異常状態表示や遊技停止状態を終了させる。ここで解除する異常状態は、単独の異常状態フラグが成立している場合には、当該成立しているフラグに対応する異常状態であるが、複数の異常状態フラグが成立している場合には、フラグが成立した順で(すなわち、発生時期の早いものから)解除する。そして、次のステップ3040に進む。
ステップ3040において、副制御装置102のメイン制御部102Aに、解除した異常状態についての解除情報を送信する。解除情報を受信したメイン制御部102Aは、サブ制御部102Bに対して、実行中の報知についての終了コマンドを送信し、サブ制御部102Bが所定の報知手段での報知を終了させる。そして、次のステップ3050に進む。
【0158】
ステップ3050において、異常状態の記憶がされているか否かが判断される。すなわち、リセットした異常状態フラグの他にも、異常状態フラグが残っているか否かが判断される。異常状態の記憶がされていない場合には処理を終了し、異常状態の記憶がされている場合には、ステップ3010に戻る。
このように、本制御例によれば、電源断復帰時に複数の異常状態が発生していた場合、それら全ての異常状態に対する表示や報知が、順番に行われるものとなる。たとえば、メイン表示装置32の同一の表示部に、異なる異常状態表示が順次表示されたり、スピーカ54から、異なる異常状態に対応する異なる報知音声が順次出力されたりする。従って、たとえば液晶表示装置53のような、複数の情報を同時に同一表示部に表示可能な報知手段を備えていない場合であっても、複数の異常状態を全て報知することが可能となるものである。
【0159】
なお、上記したフローでは、リセットスイッチ61の操作が行われた場合には単一の異常状態のみが解除されるようにしてあったが、1回のリセット操作で全ての異常状態が解除されるようにしてもよい。
また、上記した例では、異常状態が発生した順番で、表示、報知が行われるようにしてあったが、前述した第二の制御例で述べたように、異常状態にあらかじめ優先度を設定しておき、優先度の高い異常状態(つまり深刻な異常状態)から順番に報知されるようにしてもよい。この場合には、リセット操作によって、優先度の低い異常状態から先に解除されていくようにするのが好ましい。またこの場合、複数の異常状態に対応する表示、報知の切替時間は、優先度に応じて異ならせてもよい。すなわち、優先度が高い異常状態ほど、表示、報知時間が長くなるようにしてもよい。
【0160】
また、スピーカ54から異常状態に対応する警報音を出力させる場合、異常状態の重複数に応じて、その発生音を変化させてもよい。たとえば、2つの異常状態が重複して発生している場合には、単独の異常状態が発生している場合の音声に、音程、音質が異なる音声を重ねて出力するようにすることができる。あるいは、優先度に応じて、警報音を変化させるようにしてもよい。たとえば、優先度の高い異常状態が発生している場合や、複数の異常状態が発生している場合には、優先度の低い異常状態発生時と比べて警報音のボリュームを大きくしたり、音程、音質が異なるものとなるように形成することができる。
さらに、上記した例では、異常状態制御手段180が異常状態の発生順や優先度を判断して、主制御装置101から副制御装置102に対して、逐次異常情報を送信し、それに基づき副制御装置102が報知を行わせるように形成してあったが、副制御装置102(報知制御手段240)が主制御装置101から受信した異常情報に基づき、異常状態の発生順や優先度を判断するように形成してもよい。たとえば、メイン制御部102Aは主制御装置101からの異常情報を受信した順に記憶し、その記憶情報に基づいて、サブ制御部102Bに、異常状態に対応する報知コマンドを順次送信する。そして、所定の解除情報を受信したら、解除された異常状態に対応する報知を終了させるコマンドを送信する。このように形成すれば、主制御装置101での処理が簡素化され、主制御装置101の負担を軽減することができる。
【0161】
(第四の制御例)
第四の制御例は、異常状態に優先度を設定し、優先度の高い異常状態が発生した場合には遊技を停止させるとともに、優先度が低い異常状態が重複して発生した場合にも、遊技を停止させるように制御するものである。
ここで、異常状態の優先度については、第二の制御例で述べたのと同様である。本制御例においては、優先度を表す数値が一定値以上の異常状態が高優先異常状態、一定値未満の異常状態が低優先異常状態として位置づけられている。
また、本制御例では、異常原因を取り除くことによってのみ異常状態が解除される場合と、異常原因を取り除きかつ所定のリセットスイッチ61が操作されることにより解除される場合の双方の場合があるように設定されている。
【0162】
本制御例による異常状態制御の流れを、
図17のフローに基づき説明する。
まず、
図17のステップ4000において、異常状態が発生したか否かが判断される。異常状態が発生していない場合には、そのまま処理を終了する。異常状態が発生している場合には、次のステップ4010に進む。
ステップ4010において、発生した異常状態が低優先度であるか、すなわち優先度を表す数値が一定値未満か否かが判断される。低優先度の場合には、次のステップ4020に進む。
ステップ4020において、発生した異常状態に対応する表示や報知を行わせる。そして、次のステップ4030に進む。
【0163】
ステップ4030において、他の異常状態が発生したか否かが判断される。ここでは、異常状態の優先度の判定は行う必要がない。そして、他の異常状態が発生した場合には、つぎのステップ4040に進む。
前記ステップ4010において、発生した異常状態が低優先度でない場合、すなわち高優先異常状態が発生した場合には、ステップ4040に進む。
ステップ4040において、発生している異常状態に対応する表示や報知を行わせる。ここで、複数の異常状態が発生している場合には、全ての異常状態に対応する表示や報知が同時に又は所定の順序で行われるようにしてもよいし、優先度の高い、又は低い異常状態に対応する表示や報知のみが行われるようにしてもよい。そして、次のステップ4050に進む。
【0164】
ステップ4050において、遊技停止処理を行う。すなわち、高優先異常状態が単独で発生した場合には遊技を停止させ、低優先異常状態の発生中に他の異常状態(低優先異常状態、高優先異常状態を含む)が発生した場合にも、遊技を停止させることとなる。なお、すでに遊技停止処理が行われている場合には、その状態が維持される。そして、次のステップ4060に進む。
ステップ4060において、所定の解除操作が行われたか否かが判断される。ここでの解除操作には、異常原因を取り除いたうえでリセットスイッチ61が操作されることの他に、異常原因を取り除くための操作(たとえばオーバーフロー状態の補助メダルタンクのメダルを取り除くこと)も含まれる。解除操作がなされない場合にはステップ4030に戻り、解除操作がなされた場合には、次のステップ4070に進む。
【0165】
ステップ4070において、異常状態解除処理が行われる。すなわち、異常状態フラグをリセットし、異常状態表示を終了させ、副制御装置102に解除情報を送信する。そして、制御を終了する。
なお、上記したフローでは、1回の解除操作で複数の異常状態が解除されるような流れとなっているが、異常状態の解除は、第二、第三の制御例で説明したように、1回の解除操作で解除される異常状態は1つに設定し、解除操作のたびに、たとえば優先度の低い順に解除されるように形成してもよい。
本制御例によれば、軽微な異常状態でも、重複して発生した場合には遊技を停止させることにより、たとえば不正行為によって複数の異常状態が発生しているように場合に、遊技を進行不能にして、不正行為を早期に発見しこれを阻止することが可能となる。
【0166】
ところで、上記した制御は、スロットマシン10の異なる内部装置で異常状態が重複発生した場合、たとえばホッパーユニット27に関する異常状態とメダルセレクター43に関する異常状態が同時に発生した場合に適用可能なのは言うまでもないが、不正行為が行われる場合には、同一の箇所で複数の異なる異常状態が発生する可能性が高い。たとえばメダルセレクタ43に不正器具を進入させた場合には、メダル詰まり状態とメダル逆流状態が同時に検知されることが考えられる。
そこで、同一箇所において、異なる低優先異常状態が重複して発生した場合に、遊技を停止させるように制御してもよいものである。具体的には、
図17のステップ4030の後に、同一箇所での低優先異常状態か否かを判断し、同一箇所での低優先異常状態である場合に、遊技停止処理を行う流れとなる。ちなみに、高優先異常状態は重複か否かを問わず遊技停止処理が行われるので、同一箇所で高優先異常状態がさらに発生した場合には、いずれにしても遊技停止状態となる。
【0167】
なお、上記の場合に、異なる箇所における低優先異常状態が、たとえば3つ以上重複した場合には、遊技停止処理を行うような仕様にしてもよい。
(特定役当選時に電源断が発生した場合の制御例)
次に、所定の遊技において、役抽選手段140の抽選により押し順ベル当選(特定役としてのベル役、及び、他の役に重複して当選したこととなる押し順ベル役の当選)となったときに電源断が発生した場合の制御例について説明する。
本形態に係るスロットマシン10では、押し順ベル当選となった遊技で電源断が発生すると、当該抽選結果が、電断時情報記憶手段176に記憶される。なお、当該抽選結果と併せて、ストップスイッチ38の操作順序を記憶してもよい。
【0168】
そして、電源断が解消された後(すなわち、電源断復帰の後)、主制御装置101が正常に作動する状態(すなわち、起動完了となった状態)となってから予め定められた所定時間T4が経過すると、主制御装置101は、副制御装置102に、電源時情報記憶手段176に記憶されている抽選結果(押し順ベル当選)を示すコマンドを送信する。
なお、前記所定時間T4は、電源断が解消された後、副制御装置102のメイン制御部102Aが正常に作動する状態(起動完了となった状態)となるのに十分な時間とするのが望ましい。
そして、メイン制御部102Aは、主制御装置101により送信された前記コマンドに基づいて、スピーカ54に、ストップスイッチ38の操作順序の報知を行わせる。すなわち、電源断から復帰すると、まず、スピーカ54からの音声出力により、ストップスイッチ38の操作順序が報知される。
【0169】
また、メイン制御部102Aは、主制御装置101が正常に作動する状態(すなわち、起動完了となった状態)となってから予め定められた所定時間T5が経過すると、ストップスイッチ38の操作順序の報知コマンド(画像制御コマンド及びサウンド制御コマンド)をサブ制御部102Bに送信する。
なお、前記所定時間T5は、電源断が解消された後、副制御装置102のサブ制御部102Bが正常に作動する状態(起動完了となった状態)となるのに十分な時間とするのが望ましく、前記所定時間T4よりも長い時間とするのが望ましい。また、メイン制御部102Aは、所定時間T5の経過に基づいて前記報知コマンドを送信するのではなく、たとえば、サブ制御部102Bが正常に作動する状態となったときに、この正常に作動する状態となった旨を示すコマンドをサブ制御部102Bがメイン制御部102Aに送信するように形成しておき、メイン制御部102Aが、このコマンドを受信することを契機として、サブ制御部102Bに前記報知コマンドを送信するようにしてもよい。
【0170】
そして、サブ制御部102Bが、前記報知コマンドを受信すると、この報知コマンドに基づいて、スピーカ54及び液晶表示装置53に、ストップスイッチ38の操作順序の報知を行わせる。すなわち、サブ制御部102Bが正常に作動する状態となると、スピーカ54からの音声出力及び液晶表示装置53における画像表示の双方により、ストップスイッチ38の操作順序が報知される。
なお、本形態においては、サブ制御部102Bが演出に関する内容を液晶表示装置53の第2のレイヤに表示させることが可能な状態となる前に、異常状態等を第1のレイヤに表示させることが可能な状態となるように設定されている。そして、主制御装置101が正常に作動する状態となってから予め定められた特定時間T6(たとえば、約30秒)が経過したときに、回転リール25が回転中であった場合には、ストップスイッチ38の停止を促す内容が第2のレイヤに表示されるようになっている。そして、このときに、サブ制御部102Bが演出に関する内容を液晶表示装置53の第2のレイヤに表示させることが可能な状態となっていなかった場合には、メイン制御部102Aにより送信された報知コマンドに基づいて、スピーカ54に、ストップスイッチ38の操作順序の報知を行わせる。
【0171】
また、本形態においては、電源断が解消された後(すなわち、電源断復帰の後)、主制御装置101が正常に作動する状態(すなわち、起動完了となった状態)となってから予め定められた所定時間T4が経過するまでは、ベットやスタート操作など、遊技を進行させるための操作手段の操作を無効にして、遊技の進行を一時停止させるようになっている。これにより、電源断復帰後においてストップスイッチ38の操作順序が報知されていない場合であっても、適切なストップスイッチ38の操作が可能となるのである。
なお、遊技の進行の一時停止は、主制御装置101が正常に作動する状態となった時点から開始するのではなく、たとえば、前記所定時間T4が経過するまでの間にスタートスイッチ37の操作が行われることを契機として開始することもできる。
【0172】
また、電源断復帰後におけるストップスイッチ38の操作順序の報知は、特定のRTゲームが実行されているときのみ、行うようにすることもできる。すなわち、主制御装置101の遊技状態記憶手段110に記憶されている遊技状態が特定のRTゲーム状態であるか否かを判断し、特定のRTゲーム状態であると判定された場合に、前記報知を行うようにすることができる。
また、メイン制御部102Aが正常に作動する状態となる前において、いずれか1のストップスイッチ38の操作が行われた場合、所定の停止操作順序判断手段(特に図示しておらず)により、この操作されたストップスイッチ38が、押し順ベル当選に対応付けられているストップスイッチ38の操作順序において最初に操作すべきストップスイッチ38と一致していると判断されたときには、メイン制御部102Aが正常に作動する状態となった後は、2番目に操作すべきストップスイッチ38から報知を行うように設定することもできる。
【0173】
また、最初に操作すべきストップスイッチ38及び2番目に操作すべきストップスイッチ38が一致した場合に、特定役を構成する図柄51の組み合わせが所定の停止表示ライン90上に停止するように、ストップスイッチ38の操作順序が設定されている場合(たとえば、各押し順ベル当選にそれぞれ、ストップスイッチ38の操作順序として、「左リール22に対応するストップスイッチ38(以下、「左」とする)→中リール23に対応するストップスイッチ38(以下、「中」とする)→右リール24に対応するストップスイッチ38(以下、「右」とする)」、「左→右→中」、「中→左→右」、「中→右→左」、「右→左→中」及び「右→中→左」のいずれかが対応付けられている場合、いわゆる6択の操作順序(押し順)が設定されている場合)において、2つのストップスイッチ38の操作が行われた後に電源断が発生したときには、電源断から復帰した後にストップスイッチ38の操作順序を報知しないように設定することができる。
【0174】
また、最初に操作すべきストップスイッチ38のみが一致すれば、特定役を構成する図柄51の組み合わせが所定の停止表示ライン90上に停止するように、ストップスイッチ38の操作順序が設定されている場合(たとえば、各押し順ベル当選に、最初に操作されたストップスイッチ38が「左」であれば停止する操作パターン、最初に操作されたストップスイッチ38が「中」であれば停止する操作パターン、又は、最初に操作されたストップスイッチ38が「右」であれば停止する操作パターンのいずれかが対応付けられている場合、いわゆる3択の操作順序(押し順)が設定されている場合)において、最初のストップスイッチ38の操作が行われた後に電源断が発生したときには、電源断から復帰した後にストップスイッチ38の操作順序を報知しないように設定することもできる。
【0175】
以下、本形態における特定役当選時に電源断が発生した場合の制御例の流れを、
図18のフローに基づき説明する。
図18に示すステップ5000において、押し順ベル当選(特定役としてのベル役、及び、他の役に重複して当選したこととなる押し順ベル役の当選)となっているか否かが判定される。
そして、押し順ベル当選となっていると判定された場合、次のステップ5010に進む。一方、押し順ベル当選となっていないと判定された場合、本制御が終了する。
ステップ5010において、電源監視手段175により電源断が発生したか否かが判定される。そして、電源断が発生したと判定された場合、次のステップ5020に進む。一方、電源断が発生していないと判定された場合、本制御が終了する。
【0176】
ステップ5020において、NMIによる割込みが実行される。そして、次のステップ5030に進む。
ステップ5030において、電断時情報記憶手段176に、抽選結果(押し順ベル当選)が記憶される。そして、次のステップ5040に進む。
ステップ5040において、電源が投入されたか否かが判定される。そして、電源が投入されたと判定された場合、次のステップ5050に進む。一方、電源が投入されていないと判定された場合、ステップ5040に戻る。
ステップ5050において、主制御装置101の復帰処理が実行され、この実行により主制御装置101が復帰したか否か、すなわち、正常に作動する状態となったか否かが判定される。そして、復帰したと判定された場合、次のステップ5060に進む。一方、復帰していないと判定された場合、ステップ5050に戻る。
【0177】
ステップ5060において、遊技の進行を一時的に停止する遊技停止処理が実行される。そして、次のステップ5070に進む。
ステップ5070において、副制御装置102の復帰処理が実行される。そして、次のステップ5080に進む。
ステップ5080において、所定のタイマー(特に図示しておらず)による経過時間の計測が開始される。そして、次のステップ5090に進む。
ステップ5090において、タイマーによる計測時間が所定時間以上となっているか否かが判定される。そして、所定時間以上と判定された場合、次のステップ5100に進む。一方、所定時間未満と判定された場合、ステップ5090に戻る。
【0178】
ステップ5100において、電断時情報記憶手段176に記憶されている、押し順ベル当選を示すコマンドが、副制御装置102のメイン制御部102Aに送信される。そして、次のステップ5110に進む。
ステップ5110において、実行されている遊技停止処理が解除される。そして、次のステップ5120に進む。
ステップ5120において、メイン制御部102Aが、受信したコマンドに基づいて、スピーカ54にストップスイッチ38の操作順序を報知させる。そして、次のステップ5130に進む。
【0179】
ステップ5130において、タイマーによる計測時間が特定時間以上となっているか否かが判定される。そして、特定時間以上と判定された場合、次のステップ5140に進む。一方、特定時間未満と判定された場合、ステップ5130に戻る。
ステップ5140において、いずれかの回転リール25が停止している場合において、サブ制御部102Bが、ストップスイッチ38の操作を促す報知を液晶表示装置53に実行させる。そして、次のステップ5150に進む。
ステップ5150において、サブ制御部102Bが復帰したか否か、すなわち、正常に作動する状態となったか否かが判定される。そして、復帰したと判定された場合、次のステップ5160に進む。一方、復帰していないと判定された場合、ステップ5170に進む。
【0180】
ステップ5160において、サブ制御部102Bが、ストップスイッチ38の操作順序の報知を、液晶表示装置53及びスピーカ54に実行させる。そして、本制御が終了する。
ステップ5170において、サブ制御部102Bが、ストップスイッチ38の操作順序の報知を、スピーカ54に実行させる。そして、本制御が終了する。
(特定役当選時の異常状態発生に基づくレイヤの表示優先順位変更の制御例)
本形態においては、上述の如く、ATゲーム中等において、特定役としてのベル役を構成する図柄51の組み合わせを所定の停止表示ライン90(中段ライン91)上に停止表示させるためのストップスイッチ38の操作順序が表示されることを契機として、レイヤ優先順位変更手段280が、レイヤ優先順位記憶手段270に記憶されているレイヤの優先順位を、第1のレイヤが第2のレイヤよりも高くなるように変更する。そして、すべてのストップスイッチ38が操作されて当該遊技が終了することを契機として、レイヤ優先順位変更手段280が、レイヤ優先順位記憶手段270に記憶されているレイヤの優先順位を、第1のレイヤが第2のレイヤよりも高くなるように変更する。
【0181】
また、ストップスイッチ38の操作順序が液晶表示装置53に表示されているときに、異常状態が発生した場合には、異常状態の報知とストップスイッチ38の操作順序の表示とを共に行い、かつ、当該遊技が終了するまではストップスイッチ38を操作可能とするものの、当該遊技が終了した後は、異常状態の報知のみを行うとともに、ベットやスタート操作など、遊技を進行させるための操作手段の操作を無効にして、遊技の進行を一時停止させるように設定してもよい。
以下、本形態における特定役当選時に異常状態が発生した場合の制御例の流れを、
図19のフローに基づき説明する。
【0182】
図19に示すステップ6000において、押し順ベル当選(特定役としてのベル役、及び、他の役に重複して当選したこととなる押し順ベル役の当選)となっているか否かが判定される。そして、押し順ベル当選となっていると判定された場合、次のステップ6010に進む。一方、押し順ベル当選となっていないと判定された場合、本制御が終了する。
ステップ6010において、液晶表示装置53にストップスイッチ38の操作順序を報知させることとなっているか否かが判定される。そして、操作順序を報知させることとなっていると判定された場合、次のステップ6020に進む。一方、操作順序を報知させることとなっていないと判定された場合、本制御が終了する。
【0183】
ステップ6020において、レイヤ優先順位変更手段280が、レイヤ優先順位記憶手段270に記憶されているレイヤの優先順位を、第1のレイヤが第2のレイヤよりも高くなるように変更する。そして、次のステップ6030に進む。
ステップ6030において、サブ制御部102Bが、液晶表示装置53の第1のレイヤにストップスイッチ38の操作順序を報知させる。そして、次のステップ6040に進む。
ステップ6040において、検知手段171により、異常状態が発生したか否かが判定される。そして、異常状態が発生したと判定された場合、次のステップ6050に進む。一方、異常状態が発生していないと判定された場合、ステップ6060に進む。
【0184】
ステップ6050において、サブ制御部102Bが、液晶表示装置53の第2のレイヤに異常状態の内容を報知させる。そして、次のステップ6060に進む。
ステップ6060において、実行中の当該遊技が終了したか否かが判定される。そして、終了したと判定された場合、次のステップ6070に進む。一方、終了していないと判定された場合、ステップ6040に戻る。
ステップ6070において、レイヤ優先順位変更手段280が、レイヤ優先順位記憶手段270に記憶されているレイヤの優先順位を、第2のレイヤが第1のレイヤよりも高くなるように変更する。すなわち、元の優先順位に変更される。そして、本制御が終了する。
【0185】
(特定役当選時に電源断が発生しかつ異常状態が発生した場合の制御例(上記2制御例の変形例))
特定役当選時に電源断が発生しかつ異常状態が発生した場合には、下記のような制御を行うこともできる。なお、ここでは、第1のレイヤとして、演出の内容のうち背景部分を表示するための背景画面レイヤや、ストップスイッチ38の操作順序を表示するための操作順序画面レイヤとを備えているものとする。また、通常時におけるレイヤの優先順位は、背景画面レイヤよりも操作順序画面レイヤの方が優先順位が高く、操作順序画面レイヤよりも第2レイヤの方が優先順位が高くなるように設定されている。
【0186】
具体的には、ストップスイッチ38の操作順序が液晶表示装置53に表示されているときに、電源断が発生した場合には、液晶表示装置53に表示されていたストップスイッチ38の操作順序を示す復帰用データを電断時情報記憶手段176に記憶しておく。そして、電源断から復帰して、メイン制御部102A及びサブ制御部102Bが正常に作動可能な状態になった場合、ストップスイッチ38の操作順序の画像については、電源断の発生時に記憶していた復帰用データに基づいて操作順序画面レイヤに表示可能となるように設定することができる。
また、異常状態が発生したときは、レイヤの優先順位を、第1のレイヤが第2のレイヤよりも高くなるように変更しつつも、第1のレイヤのうち背景画面レイヤに表示される内容よりも、第2のレイヤで報知される内容を優先して表示するように設定することもできる。
【0187】
このように設定することで、電源断から復帰した際には、背景画像等についてはクリアされて電源断の発生前に表示されていた内容とは異なる画像が表示されるようになってしまった場合でも、ストップスイッチ38の操作順序については、電源断の発生前に表示されていた内容を確実に表示することができる。また、異常状態が発生したときには、ストップスイッチ38の操作順序については最優先で表示するものの、背景画像に隠されることなく、異常状態の発生を報知することができる。
以下、本形態における設定変更操作時の異常状態発生に基づく制御例の流れを、
図20のフローに基づき説明する。
【0188】
図20に示すステップ6500において、ストップスイッチ38の操作順序が報知されているか否かが判定される。そして、報知されていると判定された場合、次のステップ6500に進む。一方、報知されていないと判定された場合、本制御例が終了する。
ステップ6510において、電源監視手段175により電源断が発生したか否かが判定される。そして、電源断が発生したと判定された場合、次のステップ6520に進む。一方、電源断が発生していないと判定された場合、本制御が終了する。
ステップ6520において、NMIによる割込みが実行される。そして、次のステップ6530に進む。
【0189】
ステップ6530において、液晶表示装置53に表示されていたストップスイッチ38の操作順序の報知内容に関する復帰用データが電断時情報記憶手段176に記憶される。そして、ステップ6540に進む。
ステップ6540において、電源が投入されたか否かが判定される。そして、電源が投入されたと判定された場合、次のステップ6550に進む。一方、電源が投入されていないと判定された場合、ステップ6540に戻る。
ステップ6550において、主制御装置101の復帰処理が実行され、この実行により主制御装置101が復帰したか否か、すなわち、正常に作動する状態となったか否かが判定される。そして、復帰したと判定された場合、次のステップ6550に進む。一方、復帰していないと判定された場合、ステップ6550に戻る。
【0190】
ステップ6560において、所定のタイマーによる計測により、主制御装置101が正常に作動する状態となってから所定時間が経過した後、記憶されている復帰用データが副制御装置102に送信され、この復帰用データに基づき、サブ制御部102Bが、操作順序画面レイヤに、ストップスイッチ38の操作順序を表示させる。そして、次のステップ6570に進む。
ステップ6570において、検知手段171により、異常状態が発生したか否かが判定される。そして、異常状態が発生したと判定された場合、ステップ6590に進む。一方、異常状態が発生していないと判定された場合、次のステップ6580に進む。
【0191】
ステップ6580において、遊技が終了したか否かが判定される。そして、遊技が終了したと判定された場合、本制御例が終了する。一方、遊技が終了していないと判定された場合、ステップ6570に戻る。
ステップ6590において、レイヤ優先順位変更手段280が、レイヤ優先順位記憶手段270に記憶されているレイヤの優先順位を、第1のレイヤが第2のレイヤよりも高くなるように変更する。そして、次のステップ6600に進む。
ステップ6600において、レイヤ優先順位変更手段280が、第2のレイヤの優先順位が、第1のレイヤのうちの背景画面レイヤよりも高くなるように設定するとともに、サブ制御部102Bが、第2のレイヤに異常状態の発生を報知させる。そして、次のステップ6610に進む。
【0192】
ステップ6610において、遊技が終了したか否かが判定される。そして、遊技が終了したと判定された場合、次のステップ6620に進む。一方、遊技が終了していないと判定された場合、ステップ6610に戻る。
ステップ6620において、レイヤ優先順位変更手段280が、レイヤ優先順位記憶手段270に記憶されているレイヤの優先順位を、第2のレイヤが第1のレイヤよりも高くなるように変更する。これにより、異常状態の発生が最優先で液晶表示装置53において報知されることとなる。そして、次のステップ6630に進む。
ステップ6630において、所定時間遊技の進行を一時的に停止する遊技停止処理が実行される。そして、本制御例が終了する。ここで、前記遊技停止処理は、異常状態の発生が解除されることで終了するように設定することができる。
【0193】
なお、電源断の発生時に記憶する復帰用データは、主制御装置101の電断時情報記憶手段176に記憶するのではなく、副制御装置102のメイン制御部102A又はサブ制御部102Bに設けられたRWMの所定の記憶領域に記憶してもよい。そして、電源断から復帰して、サブ制御部102Bが正常に作動する状態となったときに、前記記憶領域に記憶されている復帰用データに基づいて、ストップスイッチ38の操作順序を操作順序画面レイヤに報知させるようにしてもよい。
(設定変更操作時の異常状態発生に基づく制御例)
次に、設定変更中に異常状態が発生した場合の制御例について説明する。
【0194】
本形態においては、上述の如く、スロットマシン10のモードが設定値設定可能モード(設定値設定可能状態)に設定されているときに、設定値を変更する操作が可能となっている。そして、設定値設定可能モード中に異常状態が発生すると、発生した異常状態が異常状態記憶手段172に記憶される。
また、設定変更制御手段190は、異常状態が発生したことに基づいて、設定値を変更するための各種スイッチの操作ができない状態とするとともに、設定値記憶手段に、スロットマシン10の設定値として予め定められている「1」から「6」までの範囲外となる値を記憶させる。すると、設定値記憶手段へ記憶された値が、スロットマシン10の設定値の範囲を外れているため、検知手段171により設定値異常状態と判定され、この設定値異常状態が異常状態記憶手段172に記憶される。
【0195】
その後、リセットスイッチ61の操作や電源の再投入がなされると、異常状態記憶手段172に記憶されている異常状態を示す異常情報が副制御装置102に送信される。そして、メイン制御部102A及びサブ制御部102Bが、当該情報に基づき、液晶表示装置53やスピーカ54に、異常状態の報知を行わせる。
また、異常状態は、所定の操作を行うことで解除することができるが、この所定の操作としては、たとえば設定変更を行うための操作以外の操作とすることができる。
また、リセットスイッチ61の操作や電源の再投入がなされた場合において、異常状態記憶手段172に異常状態が記憶されていたときは、ベットやスタート操作など、遊技を進行させるための操作手段の操作を無効にして、遊技の進行を一時停止させるようにすることもできるし、また、設定値記憶手段に、最も出玉率の低い設定値の値を記憶させることもできる。
【0196】
また、設定値設定可能モード中に発生した異常状態、及び、設定値異常状態は、それぞれ異なる態様で報知することができる。
以下、本形態における設定変更操作時の異常状態発生に基づく制御例の流れを、
図21のフローに基づき説明する。
図21に示すステップ7000において、電源装置28の電源が投入されることにより、遊技状態記憶手段110に記憶されているスロットマシン10のモードが設定値設定可能モードであるか否かが判定される。そして、設定値設定可能モードであると判定された場合、次のステップ7010に進む。一方、設定値設定可能モードでないと判定された場合、本制御例が終了する。
【0197】
ステップ7010において、検知手段170により異常状態が発生したか否かが判定される。そして、異常状態が発生したと判定された場合、次のステップ7020に進む。一方、異常状態が発生していないと判定された場合、本制御例が終了する。
ステップ7020において、発生した異常状態が異常状態記憶手段172に記憶される。そして、次のステップ7030に進む。
ステップ7030において、設定値記憶手段に記憶されている設定値が、1から6までの範囲外の値に変更される。そして、次のステップ7040に進む。
ステップ7040において、設定値異常状態が異常状態記憶手段172に記憶される。そして、次のステップ7050に進む。
【0198】
ステップ7050において、設定変更制御手段190により、設定値を変更するための各種スイッチが操作できない状態とされる。そして、次のステップ7060に進む。
ステップ7060において、電源装置28の電源の再投入がなされたか否かが判定される。そして、電源の再投入がなされたと判定された場合、次のステップ7070に進む。一方、電源の再投入がなされていないと判定された場合、ステップ7060に進む。
ステップ7070において、異常状態記憶手段172に異常状態が記憶されている場合には、この異常状態を示す異常情報が副制御装置102に送信され、メイン制御部102Aが前記異常情報に対応する報知コマンドをサブ制御部102Bへ送信し、サブ制御部102Bが当該報知コマンドに基づき、液晶表示装置53やスピーカ54に、異常状態の報知を行わせる。そして、次のステップ7080に進む。
【0199】
ステップ7080において、異常状態を解除するための所定の解除操作が行われたか否かが判定される。そして、解除操作が行われたと判定された場合、次のステップ7090に進む。一方、解除操作が行われていないと判定された場合、ステップ7080に戻る。
ステップ7090において、異常解除手段183により、異常状態及び異常状態の報知が解除される。そして、本制御例が終了する。
(設定値表示中の異常状態発生に基づく制御例)
次に、設定値表示中に異常状態が発生した場合の制御例について説明する。
本形態においては、上述の如く、スロットマシン10のモードが設定値表示モードに設定されているときに、設定値が所定の表示装置に表示されるようになっている。そして、設定値表示モード中に異常状態が発生すると、発生した異常状態が異常状態記憶手段172に記憶されるとともに、異常状態記憶手段172に記憶されている異常状態を示す異常情報が副制御装置102に送信される。そして、メイン制御部102A及びサブ制御部102Bが、当該情報に基づき、液晶表示装置53やスピーカ54に、異常状態の報知を行わせる。また、主制御装置101により、所定の表示装置に表示されている設定値がクリアされ、当該時点で記憶されている設定値とは異なる設定値が表示されるようになっている。そして、所定の解除操作が行われると、異常状態及び異常状態の報知が解除されるとともに、異常状態記憶手段172に記憶されている異常状態がクリアされる。そして、所定の表示装置に、当該時点で記憶されている設定値が再表示されることとなる。
【0200】
なお、所定の解除操作が行われることで異常状態及び異常状態の報知が解除された後、所定の再表示操作(たとえば、スロットマシン10のモードを遊技進行可能モードから設定値表示モードへ切り替える操作等)がなされることにより、設定値の再表示が行われるようにすることもできる。
また、当該時点で記憶されている設定値とは異なる設定値を表示する場合において、この異なる設定値は、特に限定されるものではなく、たとえば最も出玉率の高い設定値とすることができる。また、所定時間が経過するごとに、又は、所定の操作がなされるごとに、表示される設定値が変化していくようにすることもできる。この場合には、所定時間が経過するごとに、又は、所定の操作がなされるごとに、所定の抽選手段による抽選を行って、表示する設定値をランダムに決定することができる。
【0201】
以下、本形態における設定表示中の異常状態発生に基づく制御例の流れを、
図22のフローに基づき説明する。
図22に示すステップ8000において、電源装置28の電源が投入されることにより、遊技状態記憶手段110に記憶されているスロットマシン10のモードが設定値表示モードであるか否かが判定される。そして、設定値表示モードであると判定された場合、次のステップ8010に進む。一方、設定値表示モードでないと判定された場合、本制御例が終了する。
ステップ8010において、設定値記憶手段に記憶されている設定値が、所定の表示装置に表示される。そして、次のステップ8020に進む。
【0202】
ステップ8020において、検知手段170により異常状態が発生したか否かが判定される。そして、異常状態が発生したと判定された場合、次のステップ8030に進む。一方、異常状態が発生していないと判定された場合、本制御例が終了する。
ステップ8030において、発生した異常状態が異常状態記憶手段172に記憶されるとともに、この異常状態を示す異常情報が副制御装置102に送信され、メイン制御部102Aが、前記異常情報対応する報知コマンドをサブ制御部102Bに送信し、サブ制御部102Bが、当該報知コマンドに基づき、液晶表示装置53やスピーカ54に、異常状態の報知を行わせる。そして、次のステップ8040に進む。
【0203】
ステップ8040において、所定の表示装置に表示されている設定値がクリアされる。そして、次のステップ8050に進む。
ステップ8050において、設定値記憶手段に記憶されている設定値と異なる設定値が、所定の表示装置に表示される。そして、次のステップ8060に進む。
ステップ8060において、異常状態を解除するための所定の解除操作が行われたか否かが判定される。そして、解除操作が行われたと判定された場合、次のステップ8070に進む。一方、解除操作が行われていないと判定された場合、ステップ8060に戻る。
ステップ8070において、異常解除手段183により、異常状態及び異常状態の報知が解除されるとともに、設定値記憶手段に記憶されている設定値が、所定の表示装置に再表示される。そして、本制御例が終了する。
【0204】
(まとめ)
以上のように、本形態に係るスロットマシン10では、異常状態監視手段170の監視に基づき異常状態制御手段180が種々の制御を実行することにより、以下のような効果を奏することができる。
すなわち、第一の制御例によれば、実際には異常状態を解除できない状況で解除操作が行われた場合でも、その異常状態が解除されず、不正行為を早期に発見することができ、第二の制御例によれば、異常状態が重複して発生した場合、重大な異常状態が容易に解除されず、不正行為を早期に発見し防止することができる。また、第三の制御例によれば、異常状態の発生中に遊技機の電源が切断された場合において、電源断復帰後に、どのような異常状態が発生しているのかをすべてを判別することができ、第四の制御例によれば、軽微な異常状態であっても重複して発生した場合には重大な異常状態の発生と同等に取り扱われ、不正行為を防止することができる。
【0205】
また、本形態に係るスロットマシン10では、押し順ベル当選(特定役としてのベル役、及び、他の役に重複して当選したこととなる押し順ベル役の当選)となっている場合に、電源監視手段175により電源断の発生が検出されたとき、ベル役の当選を示す情報が電断時情報記憶手段176に記憶され、電源断が解消され主制御装置101が正常に作動する状態となってから予め定められた所定時間経過後に、主制御装置101が、電断時情報記憶手段176に記憶されているベル役の当選を示す情報をメイン制御部102Aに送信する。そして、当該情報に基づいて、スピーカ54(音声出力手段)により前記ベル役を構成する図柄51の組み合わせを所定の停止表示ライン90上に停止表示させるためのストップスイッチ38の操作順序が報知され、電源断によりサブ制御部102Bが作動しない状態となっていた場合には、電源断が解消されサブ制御部102Bが正常に作動する状態となった後に、主制御装置101から送られたベル役の当選を示す情報に基づいて、メイン制御部102Aが、前記ストップスイッチ38の操作順序の報知に関する情報をサブ制御部102Bに送信するとともに、当該情報に基づいて、スピーカ54(音声出力手段)及び液晶表示装置53(画像表示手段)により前記操作順序が報知されるようになっている。
【0206】
また、回転リール25の回転中に電源断が発生した場合であって、当該電源断が解消され主制御装置101が正常に作動する状態となってから予め定められた特定時間経過後、サブ制御部102Bが演出に関する報知内容を液晶表示装置53に報知させることが可能な状態となる前に、ストップスイッチ38の操作を促す旨が液晶表示装置53に表示されたときには、スピーカ54によりストップスイッチ38の操作順序が報知される。
また、電源断により主制御装置101が作動しない状態となっていた場合には、電源断が解消され主制御装置101が正常に作動する状態となってから予め定められた所定時間が経過するまで、遊技の進行が一時的に停止する。
【0207】
したがって、本形態に係るスロットマシン10によれば、電源断から復帰した場合には、副制御装置102におけるメイン制御部102A及びサブ制御部102Bの作動の状態に応じて、スピーカ54及び液晶表示装置53の少なくともいずれか一方で、特定役(ベル役)のストップスイッチ38の操作順序の報知が行われることとなる。これにより、電源断が生じた場合においても、遊技者は特定役(ベル役)のストップスイッチ38の操作順序を把握することができるため、遊技者に遊技上の不利益が生じるのを確実に防止することができるのである。
また、本形態に係るスロットマシン10では、液晶表示装置53の表示画面は、主に演出に関する報知内容が表示される第1のレイヤ、及び、主にスロットマシン10の装置に異常が発生している異常状態を含むスロットマシン10の状態に関する報知内容が表示される第2のレイヤの重ね合わせにより構成されているとともに、第2のレイヤに表示される内容が、第1のレイヤに表示される内容よりも優先的に表示されるように設定されており、少なくとも、役抽選手段140の役抽選により押し順ベル当選(特定役としてのベル役、及び、他の役に重複して当選したこととなる押し順ベル役の当選)となり、かつ、当該ベル役を構成する図柄51の組み合わせを所定の停止表示ライン90上に停止表示させるためのストップスイッチ38の操作順序を液晶表示装置53に表示することを条件として、第1のレイヤに表示される内容が、第2のレイヤに表示される内容よりも優先的に表示されるように変更される。
【0208】
また、特定役(ベル役)についてのストップスイッチ38の操作順序が液晶表示装置53に表示されている場合に、異常状態が発生したときに、第1のレイヤに表示される内容が、第2のレイヤに表示される内容よりも優先的に表示されるように変更される。
また、1回の遊技が終了したときに、第2のレイヤに表示される内容が、第1のレイヤに表示される内容よりも優先的に表示されるように変更される。
したがって、本形態に係るスロットマシン10では、異常状態が発生して異常状態の報知が行われている場合であっても、ストップスイッチ38の操作順序を報知するときは、当該操作順序が優先して報知されるようになっている。これにより、異常状態が発生した場合においても、遊技者は特定役(ベル役)のストップスイッチ38の操作順序を把握することができるため、遊技者に遊技上の不利益が生じるのを確実に防止することができるのである。
【0209】
また、本形態に係るスロットマシン10では、設定値設定可能状態において異常状態が発生した場合には、異常状態記憶手段172に異常状態が発生した旨を記憶し、設定値設定可能状態から遊技進行可能状態に切り替わったときに、異常状態記憶手段172に異常状態が発生した旨が記憶されている場合には、記憶されている異常状態に対応する報知をスピーカ54や液晶表示装置53に実行させる。
また、設定値設定可能状態から遊技進行可能状態に切り替わったときに、異常状態記憶手段172に異常状態が発生した旨が記憶されていた場合には、当該時点で設定されている設定値を、予め定められた設定値のうち最も低い出玉率が定められた設定値に変更する。
【0210】
また、設定値設定可能状態において異常状態が発生した場合には、設定値として、予め定められた設定値のいずれにも該当しない値を設定し、遊技進行可能状態に切り替わった後に、予め定められた設定値のいずれにも該当しない値が設定値として設定されたことを示す設定値異常状態に対応する報知をスピーカ54や液晶表示装置53に実行させる。
したがって、本形態に係るスロットマシン10によれば、設定変更操作中に異常状態が発生した場合には、設定変更操作が終了しても異常状態が報知されたままとなる。これにより、異常状態が発生しているのをスロットマシン10の外部から極めて容易に確認することができるため、設定変更操作中に異常状態の発生を伴う不正行為が行われるのを極めて効果的に防止することができる。また、異常状態が発生すると、最も出玉率の低い設定値に変更されるため、ホールに大きな損害が発生するのを防止することができるのである。
【0211】
また、本形態に係るスロットマシン10では、設定値が所定の表示装置に表示されているときに、異常状態が発生した場合には、前記所定の表示装置に表示されている設定値を消去するとともに、当該異常状態に対応する報知をスピーカ54や液晶表示装置53に実行させ、少なくとも前記異常状態が終了したことを条件に、当該時点において設定されている設定値が前記所定の表示装置に表示される。
また、設定値が前記所定の表示装置に表示されているときに、異常状態が発生した場合には、前記所定の表示装置に表示されている設定値を消去した上で、当該時点において設定されている設定値とは異なる設定値が表示される。
【0212】
したがって、本形態に係るスロットマシン10によれば、設定値の表示中に異常状態が発生したときは、設定値の表示がクリアされ、代わりに異なる設定値が表示されるため、異常状態の発生を伴う不正行為を行うことで設定値を確認しようとしても、設定値を把握することができないため、このような不正行為が行われるのを極めて効果的に防止することができるのである。
(その他の形態)
上述のスロットマシン10は、スタートスイッチ37が操作されてから予め定められた所定時間(たとえば、30秒)の間にすべてのストップスイッチ38が操作されなかったことを条件に、回転リール25の停止信号を出力することで、遊技者が操作しなくても自動的に回転リール25を停止させるように形成することができる。
【0213】
そして、このように形成されたスロットマシン10において、回転リール25の回転中に異常状態が発生した場合には、前記所定時間よりも早い時間(たとえば、15秒)で回転リール25の停止信号を出力して、自動的に回転リール25を停止させることもできる。
これにより、回転リール25の回転中にはスピーカ54や液晶表示装置53に報知されない異常状態も、できる限り早くに報知させることができるため、不正行為を極めて効果的に防止することができる。
また、上述の異常状態制御の第一から第四までの制御例、特定役当選時に電源断が発生した場合の制御例、レイヤの表示優先順位変更の制御例、設定変更操作時の異常状態発生に基づく制御例、及び、設定値表示中の異常状態発生に基づく制御例は、変更可能な範囲内で、互いに組み合わせて構成することも可能である。