(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
長手方向に延び、ブラインド(10)の遮蔽材(20、22)を開閉可能に支持する複数のブラインド支持部材(16、18)が互いに隣接して設置された状態で、各ブラインド支持部材内に設けられた各駆動軸(34、44、70、72)同士を連動可能に連結するブラインドの連動機構(50)において、
互いに隣接する各ブラインド支持部材の隣接側端部に設けられて、駆動軸に作用的に連結された継手部(56、58、57、59)を備え、これらの継手部は、互いに分離可能である一方で、固定状態にある一方のブラインド支持部材(16)に対して他方のブラインド支持部材(18)の継手部が相対移動することで、互いに係合し、これによって各ブラインド支持部材内の駆動軸(34、44、70、72)同士が連動し回転が伝達可能となり、
前記他方のブラインド支持部材(18)が、前記一方のブラインド支持部材(16)に対して、長手方向にスライドすることなく前後または上下方向に移動することで、各ブラインド支持部材の継手部(56、58、57、59)同士が係合し、前記一方のブラインド支持部材(16)に対して、長手方向に平行な軸を中心として回動することで、各ブラインド支持部材の継手部(56、58、57、59)同士が係合し、
各ブラインド支持部材(16、18)は、それぞれ対応するブラケット(14)によって固定可能となっており、ブラインド支持部材の上部にはブラケットの一対の被係止部(14a、14b)に係止する一対の係止部が設けられており、一方のブラインド支持部材(16)が対応するブラケットに固定された状態で、他方のブラインド支持部材(18)の一方の係止部(18c)がブラケットの一方の被係止部(14b)に係止され、係止された部分を支点として他方のブラインド支持部材(18)が前後方向に回動され、他方の係止部(18d)が他方の被係止部(14a)に係止されたとき、各ブラインド支持部材の継手部(56、58、57、59)同士が係合する、ことを特徴とするブラインドの連動機構。
他方のブラインド支持部材(18)の継手部(58)が長手方向にスライドすることで、各ブラインド支持部材の継手部(56、58)同士が係合する、ことを特徴とする請求項1記載のブラインドの連動機構。
一方の継手部(56)の係合面には凸状又は凹状の係合部(56a)が形成され、他方の継手部(58)には、前記係合部(56a)にほぼ合致する形状を有する係合部(58a)が形成される、ことを特徴とする請求項1または2記載のブラインドの連動機構。
互いに係合する2つの継手部の内の一方の継手部(56)は、中心角が180°を超える扇状部分を有し、他方の継手部(58)は中心角が180度未満の扇状部分を有する、ことを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項記載のブラインドの連動機構。
2つの継手部(56、58)のうちの少なくとも一方には、係合されるべき継手部に係合する向きを示す位置決め部(56d、58d)が形成されている、ことを特徴とする請求項3または4記載のブラインドの連動機構。
駆動軸は、各ブラインド支持部材内に少なくとも2本設けられており、一方の駆動軸(34、44)は遮蔽材を回転駆動する回転軸であり、他方の駆動軸(70、72)は遮蔽材を開閉駆動する開閉軸である、ことを特徴とする請求項1ないし8のいずれか1項に記載のブラインドの連動機構。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、前記従来のものでは、2個のブラインドレールが支持リング装置、支持ハブ装置及びレール係合部によって相対回転可能であるが分離不能な関係となっているため、梱包、輸送及び搬入が困難になる場合がある。特に製品幅が大きいものとなると、ブラインドレールの梱包箱の長さも長くなって輸送が困難になり、室内への搬入や設置場所が高層階であるときにエレベータを利用することも困難になる。
【0006】
また、2個のブラインドレールが分離不能であるため、ブラインドレールを取付面に設置するには、2個のブラインドレールを同時にブラケットに取り付ける必要があり、作業者一人での施工が難しく施工性が悪いという課題もある。
【0007】
本発明はかかる課題に鑑みなされたもので、複数のブラインド支持部材内に設けられた駆動軸を連動可能に連結するブラインドの連動機構によって、ブラインドの梱包、輸送及び搬入を容易に行うことができ、施工性にも優れたものとすることをその目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前述した目的を達成するために、本発
明は、長手方向に延び、ブラインドの遮蔽材を開閉可能に支持する複数のブラインド支持部材が互いに隣接して設置された状態で、各ブラインド支持部材内に設けられた各駆動軸同士を連動可能に連結するブラインドの連動機構において、
互いに隣接する各ブラインド支持部材の隣接側端部に設けられて、駆動軸に作用的に連結する継手部を備え、これらの継手部は、互いに分離可能である一方で、固定状態にある
一方のブラインド支持部材に対して他方のブラインド支持部材の継手部が相対移動することで、互いに係合し、これによって各ブラインド支持部材内の駆動軸同士が連動し回転が伝達可能となる、ことを特徴とする。
【0009】
また、前記他方のブラインド支持部材が、前記一方のブラインド支持部材に対して、長手方向にスライドすることなく前後または上下方向に移動することで、各ブラインド支持部材の継手部同士が係合する、ことを特徴とする。
【0010】
また、前記他方のブラインド支持部材が、前記一方のブラインド支持部材に対して、長手方向に平行な軸を中心として回動することで、各ブラインド支持部材の継手部同士が係合する、ことを特徴とする。
【0011】
また、各ブラインド支持部材は、それぞれ対応するブラケットによって固定可能となっており、ブラインド支持部材の上部にはブラケットの一対の被係止部に係止する一対の係止部が設けられており、一方のブラインド支持部材が対応するブラケットに固定された状態で、他方のブラインド支持部材の一方の係止部がブラケットの一方の被係止部に係止され、係止された部分を支点として他方のブラインド支持部材が前後方向に回動され、他方の係止部が他方の被係止部に係止されたとき、各ブラインド支持部材の継手部同士が係合する、ことを特徴とする。
【0012】
また、他方のブラインド支持部材の継手部が長手方向にスライドすることで、各ブラインド支持部材の継手部同士が係合する、ことを特徴とする。
【0013】
また、一方の継手部の係合面には凸状又は凹状の係合部が形成され、他方の継手部には、前記係合部にほぼ合致する形状を有する係合部が形成される、ことを特徴とする。
【0014】
また、互いに係合する2つの継手部の内の一方の継手部は、中心角が180°を超える扇状部分を有し、他方の継手部が中心角が180度未満の扇状部分を有する、ことを特徴とする。
【0015】
また、2つの継手部のうちの少なくとも一方には、係合されるべき継手部に係合する向きを示す位置決め部が形成されている、ことを特徴とする。
【0016】
また、互いに隣接する各ブラインド支持部材の隣接側端部に取り付けられて、前記継手部を回転可能に支持する端部材を備えており、一方のブラインド支持部材の端部に取り付けられた端部材には、凸状又は凹状の係合部が形成され、他方のブラインド支持部材の端部に取り付けられた端部材には、前記係合部にほぼ合致する形状を有する係合部が形成されており、端部材同士が組み合わされて隣接するブラインド支持部材を連続的に連結する、ことを特徴とする。
【0017】
また、駆動軸は、遮蔽材を昇降又は開閉駆動する昇降又は開閉軸である、ことを特徴とする。
【0018】
また、駆動軸は、遮蔽材を回転駆動する回転軸である、ことを特徴とする。
【0019】
また、駆動軸は、各ブラインド支持部材内に少なくとも2本設けられており、一方の駆動軸は遮蔽材を回転駆動する回転軸であり、他方の駆動軸は遮蔽材を開閉駆動する開閉軸である、ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、継手部を分離して、複数のブラインド支持部材を分離した状態とすることができるため、ブラインドの梱包、輸送及び搬入を容易に行うことができる。
【0021】
また、少なくとも2つのブラインド支持部材を設置するときに、一方のブラインド支持部材を固定状態にした状態で、他方のブラインド支持部材の継手部を一方のブラインド支持部材に対して相対移動させることで、互いの継手部を係合させることができるため、施工性に優れ、少人数で作業を行うことができる。
【0022】
ブラインドを設置するべき開口部の幅が大きい場合であっても、ブラインド支持部材として複数のブラインド支持部材に分割されたものを使用することで、ブラインドの梱包、輸送、搬入及び施工を容易にすることができる。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、図面を用いて本発明の実施形態を説明する。
【0025】
(第1の実施形態)
図1ないし
図3は、本発明によるブラインドの連動機構をブラインドとしての縦型ブラインド10に適用した場合を示している。縦型ブラインド10は、その上部に長手方向に延びるブラインド支持部材としての第1ヘッドレール16と第2ヘッドレール18とを有しており、各ヘッドレール16、18は、それぞれ対応する複数のブラケット14によって、窓枠等の固定面に固定されると共に、本発明による連動機構50によって連結される。
【0026】
ヘッドレール16、18内には、複数のキャリア24、26(
図6、
図7)がその長手方向に移動可能に配列されている。各キャリア24、26は隣合うキャリアと所定間隔を最大として接離可能に連結されており、各キャリア24、26からは遮蔽材としての複数のルーバ20またはルーバ22が吊下げられている。この例では、ルーバは、不透明生地からなる不透明ルーバ20と、半透明生地かなる半透明ルーバ22といった種類の異なるルーバから構成されて、これらが交互に吊下げられている。
【0027】
図6及び
図8に示すように、第1ヘッドレール16内には、ルーバを駆動するための機構が配置されており、ルーバを回転させるための回転駆動機構と、ルーバをヘッドレール16の長手方向に沿って移動させる開閉駆動機構とが、設けられる。
【0028】
回転駆動機構は、第1ヘッドレール16の長手方向に延びて回転自在に支持された回転軸34を備える。回転軸34は、全キャリア24を挿通して、第1ヘッドレール16の反第2ヘッドレール18側の端部に設けられたカバー16a内へと突出しており、そこで伝達機構33に連結され、伝達機構33に回転操作棒32が連結される。回転軸34は、複数のキャリア24の中で第2ヘッドレール18側にあるマスタキャリア24aと、その順次一つ置きのキャリア24cに内蔵された回転伝達機構を介して、その回転を、マスタキャリア24a及びキャリア24cに吊下げられた不透明ルーバ20に伝達可能となっている。また、回転軸34は、それ以外のキャリア24bを緩く貫通しており、回転軸34の回転は、キャリア24bに吊下げられた半透明ルーバ22には直接伝達しないようになっている。キャリア24bには回転伝達機構の代わりに半透明ルーバ22を常に第1ヘッドレール16の長手方向に平行になる向きに付勢する付勢バネが内蔵されている。
【0029】
こうして、回転操作棒32を回転させることで、回転軸34、回転伝達機構を介してルーバ20を回転駆動することができるようになっている。また、ルーバ22は、常に回転したルーバ20の間を塞ぐようになっている。
【0030】
また、開閉駆動機構は、第1ヘッドレール16内を配回された操作コード38を備える。操作コード38の一端はマスタキャリア24aに連結され、操作コード38は第1ヘッドレール16の第2ヘッドレール18側端部を折り返して、長手方向に配索され、カバー16aから第1ヘッドレール16外に導出されて、再び第1ヘッドレール16内に導入されて、操作コード38の他端はマスタキャリア24aに連結される。これにより、操作コード38はヘッドレール16内外に亘ってループ状に配回される。
【0031】
こうして、第1ヘッドレール16から導出した操作コード38を操作することで、マスタキャリア24aを移動させて、このマスタキャリア24aによって他のキャリア24を牽引するかまたは押し出すことで、ルーバを開閉駆動することができるようになっている。
【0032】
第2ヘッドレール18についても、同様の構成となっており、
図7及び
図8に示すように、その内部に回転駆動機構と開閉駆動機構を備えており、回転駆動機構は回転軸44を備え、開閉駆動機構は操作コード48を備える。但し、第2ヘッドレール18側には回転操作棒は設けられていない点で異なっており、回転軸44には、回転軸34からの回転が後述の連動機構50を介して伝達されて、回転軸34と共に連動して回転して、ルーバ20の回転駆動を行うようになっている。また、第2ヘッドレール18内のマスタキャリア26a及びその順次一つ置きのキャリア26cには回転伝達機構の代わりに付勢バネが内蔵されており、半透明ルーバ22が吊下げられており、その以外のキャリア26bには回転伝達機構が内蔵されており、不透明ルーバ20が吊下げられている点で、第1ヘッドレール16内のキャリア24とそれに吊下げられるルーバとの関係が逆の関係になっている。
【0033】
図9〜
図10に示すように、連動機構50は、第1ヘッドレール16の端部にネジ止めされた端部材としての駆動側カバー52と、駆動側カバー52に軸受されて回転軸34と作用的に連結される駆動側継手部56と、第2ヘッドレール18の端部にネジ止めされた端部材としての従動側カバー54と、従動側カバー54に軸受されて回転軸44と作用的に連結される従動側継手部58と、から構成される。
【0034】
駆動側継手部56は、その概略外形が、中心角が180度を超える扇形形状をなした係合部56aと、回転軸34に対して相対回転不能に嵌合する軸部56bと、を有する。係合部56aの扇形形状の中心部には、中心部をえぐるように凹部56cが形成されており、また、係合部56aの端面(第2ヘッドレール18側に対向する面)には、凹部56cの中心に整列して、凹状に刻設された位置決め部56dが形成されている。
【0035】
従動側継手部58は、その概略外形が、中心角が180度未満の扇形形状をなした係合部58aと、回転軸44に対して相対回転不能に嵌合する軸部58bと、を有する。係合部58aの扇形形状の中心部には、中心部から突出するように凸部58cが形成されており、また、係合部58aの端面(第1ヘッドレール16側に対向する面)には、凸部58cの中心に整列して、凹状に刻設された位置決め部58dが形成されている。
【0036】
駆動側継手部56の係合部56aと、従動側継手部58の係合部58aとは、互いの係合面がほぼ合致するように、即ち、凹部56c及び凸部58cとを含めてほぼ相補的な形状になっている。
【0037】
また、駆動側カバー52と従動側カバー54とは、その端部が互いに組み合わされて、ヘッドレール16と18との間の境界部材を構成するようになっており、駆動側カバー52には従動側カバー54に対向する凹凸状の係合部52cが形成され、従動側カバー54には、これに合致するようにして相補的な形状になった凹凸状の係合部54cが形成される。この係合部54cは、後述のように、ヘッドレール18を取り付けるためにヘッドレール18が回動したときに一緒に回動する従動側カバー54の回動先導部に相当する部分に設けられ、係合部52cはそれに対向する駆動側カバー52の部分に設けられる。
【0038】
また、駆動側カバー52にはヘッドレール16の長手方向に平行に貫通孔52aが形成され、従動側カバー54には貫通孔52aに整列するネジ穴54aが形成されており、ネジ60が貫通孔52aを貫通してネジ穴54aに螺合するようになっている。さらに、駆動側カバー52と従動側カバー54には、それぞれ操作コード38、48を折り返させる折り返し部52b、54bが一体に形成されている。
【0039】
以上の連動機構50を用いて、2つのヘッドレール16、18を設置する手順を
図11〜
図12を参照して説明する。
【0040】
まず、駆動側カバー52及び駆動側継手部56が取り付けられた第1ヘッドレール16と、従動側カバー54及び従動側継手部58が取り付けられた第2ヘッドレール18とが、互いに分離した状態で、一方の第1ヘッドレール16を、ブラケット14を用いて、窓枠等の固定面に取り付ける。
【0041】
ここでブラケット14は、固定面にネジ等で固定されており、その前後に被係止部としての2つの爪14a、14bを有している。これらの爪14a、14bは前後に対向しており、相対的に所定範囲で前後方向に接離するように変位可能となっており、弾性力によって、互いに接近する方向に常時付勢されている。また、ヘッドレール16、18は、これらの上部に形成されて前後方向に突出する係止部としてのリブ16c、16d、18c、18dが、それぞれ対応するブラケット14の爪14a、14bに係止可能となっている。
【0042】
よってまず、固定面に固定されたブラケット14の爪14a、14bに、第1ヘッドレール16のリブ16c、16dを係止させて、第1ヘッドレール16を固定状態とする。
【0043】
次に、第2ヘッドレール18を、第1ヘッドレール16に隣接して取り付ける。このときに、まず、ブラケット14の一方(室内側または手前側)の爪14bに第2ヘッドレール18の一方(室内側または手前側)のリブ18cを係止させて、仮止めする(
図11(a))。そして、係止させた部分を支点として第2ヘッドレール18を長手方向に平行な軸の周りで前後方向に回動させ、他方(窓側または奥側)のリブ18dを、ブラケット14の他方の爪14aに係止させる(
図11(b))。このときに、ブラケット14の爪14a、14bとの間に作用する弾性力に抗して、これらの爪14a、14bの間を押し広げながら行う。
【0044】
この第2ヘッドレール18の取り付けに際して、連動機構50においては、
図12(a)〜(c)に示すように、予め、駆動側継手部56の係合部56aの凹部56cが下向きになり、従動側継手部58の係合部58aの凸部58cが上向きになるように、位置決めをしておく(
図12(a))。このとき、位置決め部56dと位置決め部58dを目安に位置決めを行うとよく、位置決め部56dと位置決め部58dとがそれぞれ鉛直方向に延びるように位置決めする。
【0045】
第2ヘッドレール18の回動と共に、従動側継手部58の係合部58aが下側から係合部56aに対して接近して(
図12(b))、凹部56c内に凸部58cが嵌り込み、また、互いに扇形形状をした係合部56a、58a同士が噛み合って、両者は係合する(
図12(c))。同時に駆動側カバー52の係合部52cと従動側カバー54の係合部54cも係合され、固定状態にある第1ヘッドレール16に対する第2ヘッドレール18の上方及び前後方向への移動が規制される。
【0046】
最後に、ネジ60を貫通孔52aを通してネジ穴54aにねじ込むことで、駆動側カバー52と従動側カバー54とが一体的に結合され、結果として第1ヘッドレール16と第2ヘッドレール18が確実に結合される。
【0047】
このようにして、駆動側継手部56の係合部56aと、従動側継手部58の係合部58aとが係合すると、これらが一体に回転可能となるので(
図12(d))、回転軸34の回転が、これらの継手部56、58を介して、回転軸44に伝達可能となる。従動側継手部58の係合部58aの係合面の凸部58cが駆動側継手部56の係合部56aの係合面の凹部56cにほぼ合致する形状であるため、駆動側継手部56と従動側継手部58の係合を確実なものとすることができ、スリップさせることなく、回転軸34の回転を回転軸44に伝達することができる。
【0048】
尚、
図12(c)に示したように、係合部56aと係合部58aの係合面は完全な相補形状ではなく、両者に僅かな隙間ができるようにしてもよく、これによって、第2ヘッドレール18の回動と共に回動する係合部58aの軌跡が係合部56aによって阻害されることがないようにできる。
【0049】
以上のように設置された縦型ブラインド10においては、駆動側カバー52と従動側カバー54とが組み合わされて一体的な境界部材を構成するために、ヘッドレール16、18がその境界部材を介在して隙間なく隣接して連続的に連結され、且つルーバ20、22が交互に連続して配列されるので、
図1〜
図3に示すように、あたかも1つのヘッドレールであるかのように見栄えよく取り付けることができる。
【0050】
図1は、ルーバ20がヘッドレール16、18の長手方向に対して直交するまで回転している状態となっており、室内側から見て、半透明ルーバ22によって光を採り入れて向こう側の景色を眺望できる状態となっている。
図1の状態から回転操作棒32を操作すると、回転軸34と回転軸44とが連動して回転するので、
図2に示すように、不透明ルーバ20が一斉に回転し、不透明ルーバ20と半透明ルーバ22とが重なり合った部分と半透明ルーバ22のみの部分とが、交互に現れた状態とすることができる。
図2の状態から回転操作棒32をさらに操作して、回転軸34、44を回転し、不透明ルーバ20を回転させて、
図3に示すように、不透明ルーバ20がヘッドレール16、18の長手方向に平行になると、不透明ルーバ20同士の端部が重なり合って、向こう側を遮蔽することができる。
【0051】
また、操作コード38を操作して、マスタキャリア24aを反第2ヘッドレール18側に移動させると、
図4に示すように、キャリア24が反第2ヘッドレール18側に順次押し出されて、ルーバ20、22を畳み込んだ状態とすることができる。操作コード38を反対に操作して、マスタキャリア24aを第2ヘッドレール18側に移動させると、マスタキャリア24aを先頭にして他のキャリア24が牽引されて、
図1の状態に戻すことができる。また、操作コード48を操作して、マスタキャリア26aを反第1ヘッドレール16側に移動させると、
図5に示すように、キャリア26が反第1ヘッドレール16側に順次押し出されて、ルーバ20、22を畳み込んだ状態とすることができる。操作コード48を反対に操作して、マスタキャリア26aを第1ヘッドレール16側に移動させると、マスタキャリア26aを先頭にして他のキャリア26が牽引されて、
図4または
図1の状態に戻すことができる。
【0052】
このようにして、ヘッドレール16、18は別体であるにも拘らず、1つのブラインドとして操作することができる。
【0053】
縦型ブラインド10を設置するまでは、ヘッドレール16、18を分離した状態とすることができるため、梱包、輸送及び搬入を容易に行うことができる。ブラインドを設置するべき開口部の幅が大きい場合であっても、1つのヘッドレールにするのではなく、分割されたヘッドレールとすることで、室内への搬入やエレベータへの搬入も簡単になる。
【0054】
また、2つのヘッドレール16、18を設置するときに、第1ヘッドレール16を最初に取り付けて固定状態にした状態で、第2ヘッドレール18を取り付けるときに、同時に互いの継手部56、58を係合させることができるため、施工性に優れ、少人数で作業を行うことができる。また、ブラケットが、そのブラケットに一旦ヘッドレールが取り付けられると、その後はヘッドレールの長手方向の微調整ができなくなるようなタイプの場合であっても、第2ヘッドレール18の長手方向の微調整を行うことなく、第2ヘッドレール18の取り付けと同時に継手部56、58が係合されるために、施工性に優れるとともに、ヘッドレール16、18の端面同士を隙間なく合わせることができる。
【0055】
(第2の実施形態)
図13は、本発明によるブラインドの連動機構の第2の実施形態を表す図である。
【0056】
この例では、開閉駆動機構を構成する単一の操作コード68が第1ヘッドレール16及び第2ヘッドレール18内外を配回されている。操作コード68の一端は、マスタキャリア24aに連結され、操作コード68は第1ヘッドレール16から第2ヘッドレール18へと移行し、マスタキャリア26aに連結され、第2ヘッドレール18の反第1ヘッドレール16側の端部を折り返して再びマスタキャリア26aに連結され、第2ヘッドレール18から第1ヘッドレール16へと移行し、長手方向に配索され、カバー16aから第1ヘッドレール16外に導出され、再び第1ヘッドレール内に導入されて、操作コード68の他端はマスタキャリア24aに連結される。これにより、操作コード68は、第1ヘッドレール16及び第2ヘッドレール内外に亘ってループ状に配回される。
【0057】
第1ヘッドレール16と第2ヘッドレール18との間には常に操作コード68が介在しているものの操作コード68は柔軟性があるため、第1ヘッドレール16と第2ヘッドレール18は分離した状態とすることができる。従って、第1ヘッドレール16を取り付けるときには、第1ヘッドレール16と第2ヘッドレール18との間の操作コード68の部分を長く延ばした状態で、第1ヘッドレール16だけをブラケット14を用いて固定面に取り付け、その後に第2ヘッドレール18を取り付け、同時に継手部56と継手部58とを係合させることができる。第1ヘッドレール16と第2ヘッドレール18との間の操作コード68の長く延ばされた部分は、第1ヘッドレール16から導出される操作コード68の部分を引っ張ることで、解消することができる。
【0058】
設置後の縦型ブラインド10において、ルーバの回転は、第1の実施形態と同じであるが、ルーバの開閉は、操作コード68を操作することにより、一斉に行うことができる。即ち、
図1に示す状態から操作コード68を操作すると、マスタキャリア24a及びマスタキャリア26aは反対方向に移動し、ルーバ20、22を反第2ヘッドレール18側及び反第1ヘッドレール16側に畳み込んだ状態とすることができる(
図5)。操作コード38を反対に操作すると、マスタキャリア24a及びマスタキャリア26aは反対方向に移動し、
図1の状態に戻すことができる。
【0059】
(第3の実施形態)
図14〜
図15は、本発明によるブラインドの連動機構の第3の実施形態を表す図である。
【0060】
この例では、第1ヘッドレール16内の開閉駆動機構が、操作コードの代わりに開閉軸70を備え、第2ヘッドレール18内の開閉駆動機構が、操作コードの代わりに開閉軸72を備える。開閉軸70、72はその外周面がネジ軸となっており、それぞれマスタキャリア24a、26aに螺合している。但し、開閉軸70と72のネジの向きは逆向きとなっている。
【0061】
回転軸34と開閉軸70は、第1ヘッドレール16のカバー16a内へと突出しており、そこで、それぞれプーリ74、76に連結される。プーリ74、76には操作コード78、80が巻き掛けられて、第1ヘッドレール16外へと導出される。一方、第2ヘッドレール18側にもプーリや操作コード78、80を設けることも可能であるが、これらは省略可能である。
【0062】
連動機構50は、第1の実施形態のものに加えて、駆動側カバー52に軸受されて開閉軸70と作用的に連結される駆動側継手部57と、従動側カバー54に軸受されて開閉軸72と作用的に連結される従動側継手部59と、を備える。駆動側継手部57と従動側継手部59は、それぞれ駆動側継手部56と従動側継手部58と同様に構成することができる。
【0063】
この実施形態においても、第1ヘッドレール16を固定した状態で、第2ヘッドレール18を取り付けたときに、同時に継手部56と継手部58とを係合させ、継手部57と継手部59とを係合させることができる。
【0064】
設置後の縦型ブラインド10において、ルーバの回転は、操作コード78を操作することで、回転軸34と回転軸44とが連動して回転して、第1の実施形態と同じに行うことができる。また、ルーバの開閉は、
図1に示す状態から操作コード80を操作することで、開閉軸70と開閉軸72とが連動して回転して、マスタキャリア24a及びマスタキャリア26aは反対方向に移動し、ルーバ20、22を反第2ヘッドレール18側及び反第1ヘッドレール16側に畳み込んだ状態とすることができる(
図5)。また、操作コード80を反対側に操作すると、マスタキャリア24a及びマスタキャリア26aは反対方向に移動し、
図1の状態に戻すことができる。
【0065】
(第4の実施形態)
図16〜
図17は、本発明によるブラインドの連動機構の第4の実施形態を表す図である。
【0066】
この実施形態では、駆動側継手部または従動側継手部の少なくともいずれか一方、この例では、従動側継手部58が、回転軸44に対して相対回転不能に嵌合する軸部材58fと、軸部材58fに対してヘッドレール18の長手方向にスライド可能となったスライド部材58gとから構成されている。また、駆動側継手部56は、スライド部材58gに対して相対回転不能に係合可能となっている。
【0067】
この実施形態では、第1ヘッドレール16及び第2ヘッドレール18を個別に取り付けた後、固定状態となった第1ヘッドレール16に対してスライド部材58gをスライドさせて、駆動側継手部56とスライド部材58gとを相対回転不能に係合させる。また、駆動側継手部56とスライド部材58gは、これらが係合した後に、スライド部材58gが簡単に長手方向に戻らないように、互いに係止してスライド部材58gのスライドを阻止する係止部56h、係止部58hが形成されていると好ましい。
【0068】
このような継手部56、58の係合によって、前実施形態と同様の作用・効果を奏することができる。この実施形態では、駆動側継手部56と、スライド部材58gを除く従動側継手部58のヘッドレールの長手方向の突出量を小さくすることも可能となり、従って、ヘッドレール16、18の間の間隔も小さくすることが可能である。
【0069】
尚、以上説明した実施形態は例示であり、本発明は、以上の構成に限定されるものではない。
【0070】
第4の実施形態では、駆動側継手部と駆動側継手部をスライド部材によって係合させるようにしたが、駆動側継手部と従動側継手部との間に掛け渡される掛渡部材によって両継手部を係合させることもできる。掛渡部材は、その基部が駆動側継手部と従動側継手部の一方の一部に枢着され、その自由端が駆動側継手部と従動側継手部の他方に引っ掛け可能に構成することができる。第1ヘッドレール16及び第2ヘッドレール18を個別に取り付けた後、固定状態となったヘッドレールに対して掛渡部材をその基部を中心として回動させて、その自由端を駆動側継手部と従動側継手部の他方に引っ掛けて、継手部同士を係合させるとよい。また、掛渡部材は、その基部を駆動側継手部と従動側継手部の一方の一部に枢着する代わりに、その基部を駆動側継手部と従動側継手部の一方の一部に対して着脱可能なものとすることも可能である。
【0071】
また、以上の例では、縦型ブラインドを例にとって説明したが、ブラインドは任意のブラインドとすることができる。連動機構によって連動される駆動軸は、遮蔽材を昇降操作するための昇降軸とすることもできる。
【0072】
また、以上の例では、ヘッドレールの回転軸または回転軸及び開閉軸を連動させる場合について説明したが、これに限るものではなく、開閉軸のみまたは昇降軸のみを連動させることでもよい。
【0073】
また、以上の例では、継手部を係合時に固定状態にあるヘッドレールが駆動側となっていたが、これに限るものではなく、従動側であってもよい。または、2つ以上の駆動軸を同時に連動させる場合に、固定状態にあるヘッドレールは、各々の駆動軸に対して駆動側と被駆動側のいずれになっていてもよい。
【0074】
また、以上の例では、2つのヘッドレールの軸を連動させる場合について説明したが、これに限るものではなく、3つ以上のヘッドレールの軸を順次連動機構によって連動させることもできる。
【0075】
また、以上の例では、各ヘッドレールは、それぞれ対応する複数のブラケットによって、窓枠等の固定面に固定されるようにしたが、ヘッドレールの天井面に穿孔を形成して直接固定面に対してネジ止めによって固定することもできる。
【0076】
また、以上の例では、異なる2種類のルーバ20、22を備えた縦型ブラインドを例にとったが、これに限るものではなく、全て同一種類のルーバだけを備えた通常の縦型ブラインドに適用することも勿論可能である。