特許第5757583号(P5757583)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5757583預り品返却忘れ判定装置、システム、方法、及び、プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5757583
(24)【登録日】2015年6月12日
(45)【発行日】2015年7月29日
(54)【発明の名称】預り品返却忘れ判定装置、システム、方法、及び、プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/10 20120101AFI20150709BHJP
   G06Q 30/06 20120101ALI20150709BHJP
【FI】
   G06Q50/10
   G06Q30/06 110A
【請求項の数】9
【全頁数】20
(21)【出願番号】特願2013-345(P2013-345)
(22)【出願日】2013年1月7日
(65)【公開番号】特開2014-132399(P2014-132399A)
(43)【公開日】2014年7月17日
【審査請求日】2014年5月13日
(73)【特許権者】
【識別番号】000232140
【氏名又は名称】NECフィールディング株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100080816
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 朝道
(72)【発明者】
【氏名】小林 昭一
(72)【発明者】
【氏名】大曽根 はやと
【審査官】 貝塚 涼
(56)【参考文献】
【文献】 特開2011−210206(JP,A)
【文献】 特開2007−041792(JP,A)
【文献】 特開2006−092431(JP,A)
【文献】 特開2005−284944(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 − 50/34
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
客先から預った預り品の返却忘れの有無を判定する預り品返却忘れ判定装置であって、
RFIDタグからRFIDデータを読み取るRFIDリーダ部と、
前記RFIDリーダ部を制御するとともに情報処理を行う制御部と、
を備え、
前記制御部は、
所定の物品に付されたRFIDタグから登録用RFIDデータを前記RFIDリーダ部で読み取ったときに、前記登録用RFIDデータを所定の記憶部に登録するように制御するとともに、
前記預り品返却忘れ判定装置のユーザの身の回りの物品に付されたRFIDタグから判定用RFIDデータを前記RFIDリーダ部で読み取れたときに、読み取られた前記判定用RFIDデータと、登録された前記登録用RFIDデータと、を照合することにより前記預り品の返却忘れの有無を判定し、
前記預り品の返却忘れの有無を判定する際、読み取られた前記判定用RFIDデータについて同じものが複数存在するために読み取り不能となったときに、預り品の返却忘れ有りと判定し、
前記預り品の返却忘れの有無を判定する際、読み取られた前記判定用RFIDデータについて同じものが複数存在するために読み取り不能でないときに、読み取られた1又は複数の前記判定用RFIDデータと、登録された1又は複数の前記登録用RFIDデータと、を照合することにより前記預り品の返却忘れの有無を判定することを特徴とする預り品返却忘れ判定装置。
【請求項2】
前記登録用RFIDデータは、前記ユーザの所持品に付されたRFIDタグに記憶されたユーザRFIDデータであり、
前記制御部は、前記預り品の返却忘れの有無を判定する際、読み取られた前記判定用RFIDデータと、登録された前記ユーザRFIDデータとが異なるときに、預り品の返却忘れ有りと判定することを特徴とする請求項1記載の預り品返却忘れ判定装置。
【請求項3】
前記登録用RFIDデータは、前記預り品、又は、前記預り品の収納ケースに付されたRFIDタグに記憶された預り品RFIDデータであり、
前記制御部は、前記預り品の返却忘れの有無を判定する際、読み取られた前記判定用RFIDデータと、登録された前記預り品RFIDデータとが一致するときに、預り品の返却忘れ有りと判定することを特徴とする請求項1又は2記載の預り品返却忘れ判定装置。
【請求項4】
金属を検出する金属センサを備え、
前記制御部は、前記金属センサで前記ユーザの身の回りの物品から金属を検出したときに、預り品の返却忘れ有りと判定することを特徴とする請求項1乃至のいずれか一に記載の預り品返却忘れ判定装置。
【請求項5】
前記制御部は、前記預り品の返却忘れの有無を判定する際、登録用RFIDデータが前記所定の記憶部に登録されていない状態で、前記預り品返却忘れ判定装置のユーザの身の回りの物品に付されたRFIDタグから判定用RFIDデータが前記RFIDリーダ部で読み取れたときに、預り品の返却忘れ有りと判定することを特徴とする請求項1乃至のいずれか一に記載の預り品返却忘れ判定装置。
【請求項6】
前記所定の記憶部は、前記預り品返却忘れ判定装置に備えられた記憶部であることを特徴とする請求項1乃至のいずれか一に記載の預り品返却忘れ判定装置。
【請求項7】
請求項1乃至のいずれか一に記載の預り品返却忘れ判定装置と、
前記預り品返却忘れ判定装置とネットワークを介して通信可能に接続されるサーバ装置と、
を備え、
前記所定の記憶部は、前記サーバ装置に備えられた記憶部であることを特徴とする預り品返却忘れ判定システム。
【請求項8】
預り品返却忘れ判定装置を用いて客先から預った預り品の返却忘れの有無を判定する預り品返却忘れ判定方法であって、
前記預り品返却忘れ判定装置において、登録用RFIDデータがある場合、所定の物品に付されたRFIDタグから登録用RFIDデータを読み取る工程と、
前記預り品返却忘れ判定装置において、読み取られた前記登録用RFIDデータを所定の記憶部に登録する工程と、
前記預り品返却忘れ判定装置において、前記登録する工程の後、前記預り品返却忘れ判定装置のユーザの身の回りの物品に付されたRFIDタグから判定用RFIDデータを読み取る工程と、
前記預り品返却忘れ判定装置において、読み取られた前記判定用RFIDデータと、登録された前記登録用RFIDデータと、を照合することにより前記預り品の返却忘れの有無を判定する工程と、
を含み、
前記預り品の返却忘れの有無を判定する工程では、読み取られた前記判定用RFIDデータについて同じものが複数存在するために読み取り不能となったときに、預り品の返却忘れ有りと判定し、
前記預り品の返却忘れの有無を判定する工程では、読み取られた前記判定用RFIDデータについて同じものが複数存在するために読み取り不能でないときに、読み取られた1又は複数の前記判定用RFIDデータと、登録された1又は複数の前記登録用RFIDデータと、を照合することにより前記預り品の返却忘れの有無を判定することを特徴とする預り品返却忘れ判定方法。
【請求項9】
預り品返却忘れ判定装置を用いて客先から預った預り品の返却忘れの有無を判定するプログラムであって、
前記預り品返却忘れ判定装置において、登録用RFIDデータがある場合、所定の物品に付されたRFIDタグから登録用RFIDデータを読み取るステップと、
前記預り品返却忘れ判定装置において、読み取られた前記登録用RFIDデータを所定の記憶部に登録するステップと、
前記預り品返却忘れ判定装置において、前記登録するステップの後、前記預り品返却忘れ判定装置のユーザの身の回りの物品に付されたRFIDタグから判定用RFIDデータを読み取るステップと、
前記預り品返却忘れ判定装置において、読み取られた前記判定用RFIDデータと、登録された前記登録用RFIDデータと、を照合することにより前記預り品の返却忘れの有無を判定するステップと、
を実行させ
前記預り品の返却忘れの有無を判定するステップでは、読み取られた前記判定用RFIDデータについて同じものが複数存在するために読み取り不能となったときに、預り品の返却忘れ有りと判定し、
前記預り品の返却忘れの有無を判定するステップでは、読み取られた前記判定用RFIDデータについて同じものが複数存在するために読み取り不能でないときに、読み取られた1又は複数の前記判定用RFIDデータと、登録された1又は複数の前記登録用RFIDデータと、を照合することにより前記預り品の返却忘れの有無を判定することを特徴とするプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、預り品返却忘れ判定装置、システム、方法、及び、プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
お客様の電気設備、通信設備等の設備を保守作業する際に、保守技術者は、不具合のある部品等を設備から取り外して預り、帰社後に預った部品等(預り品)を修理し、修理した部品等(預り品)をお客様の設備に取り付けることが行われる。保守技術者は、預り品を預かった時に、作業報告書又はお預かり書を発行し、作業報告書又はお預かり書における預り品欄(借用品欄)に預り品名(借用品名)・預り者(借用者)のサインを記入する。そして、保守技術者は、預り品を返却する時に、作業報告書又はお預かり書における預り品欄(借用品欄)にお客様のサインを記入してもらって、預り品の返却の有無をチェックしていた。なお、作業報告書又はお預かり書の記入内容は、管理システム上で管理し、預り品名(借用品名)の記入を補助する手段として、お客様の部品等(預り品)に付されたRFID(Radio Frequency Identification;ICタグ等)を読み取る手段を用いるものがある(例えば、特許文献1、2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2011−8331号公報
【特許文献2】特開2010−9503号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
以下の分析は、本願発明者により与えられる。
【0005】
従来のように預り品の返却の有無をチェックする方法では、人による記入(管理システムでは入力・読取操作等)が発生するため、記入漏れ(忘れ)による預り品の返却漏れ(忘れ)という問題があった。また、保守技術者は、お客様のところに入る際に預った、預り品(例えば、入場証、セキュリティカード等)を、帰社時に持ち帰る必要が有る事はあまり無く、お客様のところから出る際、帰社する前に返さなければならず、返却しなければならない預り品は、確実に返却する必要が有った。
【0006】
本発明の主な課題は、預り品の返却忘れを防止するのに貢献できる預り品返却忘れ判定方法、携帯端末、システム、及び、プログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の第1の視点においては、客先から預った預り品の返却忘れの有無を判定する預り品返却忘れ判定装置であって、RFIDタグからRFIDデータを読み取るRFIDリーダ部と、前記RFIDリーダ部を制御するとともに情報処理を行う制御部と、を備え、前記制御部は、所定の物品に付されたRFIDタグから登録用RFIDデータを前記RFIDリーダ部で読み取ったときに、前記登録用RFIDデータを所定の記憶部に登録するように制御するとともに、前記預り品返却忘れ判定装置のユーザの身の回りの物品に付されたRFIDタグから判定用RFIDデータを前記RFIDリーダ部で読み取れたときに、読み取られた前記判定用RFIDデータと、登録された前記登録用RFIDデータと、を照合することにより前記預り品の返却忘れの有無を判定することを特徴とする。
【0008】
本発明の第2の視点において、預り品返却忘れ判定システムにおいて、前記預り品返却忘れ判定装置と、前記預り品返却忘れ判定装置とネットワークを介して通信可能に接続されるサーバ装置と、を備え、前記所定の記憶部は、前記サーバ装置に備えられた記憶部であることを特徴とする。
【0009】
本発明の第3の視点において、預り品返却忘れ判定装置を用いて客先から預った預り品の返却忘れの有無を判定する預り品返却忘れ判定方法であって、前記預り品返却忘れ判定装置において、登録用RFIDデータがある場合、所定の物品に付されたRFIDタグから登録用RFIDデータを読み取る工程と、前記預り品返却忘れ判定装置において、読み取られた前記登録用RFIDデータを所定の記憶部に登録する工程と、前記預り品返却忘れ判定装置において、前記登録する工程の後、前記預り品返却忘れ判定装置のユーザの身の回りの物品に付されたRFIDタグから判定用RFIDデータを読み取る工程と、前記預り品返却忘れ判定装置において、読み取られた前記判定用RFIDデータと、登録された前記登録用RFIDデータと、を照合することにより前記預り品の返却忘れの有無を判定する工程と、を含むことを特徴とする。
【0010】
本発明の第4の視点において、預り品返却忘れ判定装置を用いて客先から預った預り品の返却忘れの有無を判定するプログラムであって、前記預り品返却忘れ判定装置において、登録用RFIDデータがある場合、所定の物品に付されたRFIDタグから登録用RFIDデータを読み取るステップと、前記預り品返却忘れ判定装置において、読み取られた前記登録用RFIDデータを所定の記憶部に登録するステップと、前記預り品返却忘れ判定装置において、前記登録するステップの後、前記預り品返却忘れ判定装置のユーザの身の回りの物品に付されたRFIDタグから判定用RFIDデータを読み取るステップと、前記預り品返却忘れ判定装置において、読み取られた前記判定用RFIDデータと、登録された前記登録用RFIDデータと、を照合することにより前記預り品の返却忘れの有無を判定するステップと、を実行させることを特徴とする。
本発明の第5の視点においては、客先から預った預り品の返却忘れの有無を判定する預り品返却忘れ判定装置であって、RFIDタグからRFIDデータを読み取るRFIDリーダ部と、前記RFIDリーダ部を制御するとともに情報処理を行う制御部と、を備え、前記制御部は、所定の物品に付されたRFIDタグから登録用RFIDデータを前記RFIDリーダ部で読み取ったときに、前記登録用RFIDデータを所定の記憶部に登録するように制御するとともに、前記預り品返却忘れ判定装置のユーザの身の回りの物品に付されたRFIDタグから判定用RFIDデータを前記RFIDリーダ部で読み取れたときに、読み取られた前記判定用RFIDデータと、登録された前記登録用RFIDデータと、を照合することにより前記預り品の返却忘れの有無を判定し、前記預り品の返却忘れの有無を判定する際、読み取られた前記判定用RFIDデータについて同じものが複数存在するために読み取り不能となったときに、預り品の返却忘れ有りと判定し、前記預り品の返却忘れの有無を判定する際、読み取られた前記判定用RFIDデータについて同じものが複数存在するために読み取り不能でないときに、読み取られた1又は複数の前記判定用RFIDデータと、登録された1又は複数の前記登録用RFIDデータと、を照合することにより前記預り品の返却忘れの有無を判定することを特徴とする。
本発明の第6の視点においては、預り品返却忘れ判定システムにおいて、第5の視点に係る預り品返却忘れ判定装置と、前記預り品返却忘れ判定装置とネットワークを介して通信可能に接続されるサーバ装置と、を備え、前記所定の記憶部は、前記サーバ装置に備えられた記憶部であることを特徴とする。
本発明の第7の視点においては、預り品返却忘れ判定装置を用いて客先から預った預り品の返却忘れの有無を判定する預り品返却忘れ判定方法であって、前記預り品返却忘れ判定装置において、登録用RFIDデータがある場合、所定の物品に付されたRFIDタグから登録用RFIDデータを読み取る工程と、前記預り品返却忘れ判定装置において、読み取られた前記登録用RFIDデータを所定の記憶部に登録する工程と、前記預り品返却忘れ判定装置において、前記登録する工程の後、前記預り品返却忘れ判定装置のユーザの身の回りの物品に付されたRFIDタグから判定用RFIDデータを読み取る工程と、前記預り品返却忘れ判定装置において、読み取られた前記判定用RFIDデータと、登録された前記登録用RFIDデータと、を照合することにより前記預り品の返却忘れの有無を判定する工程と、を含み、前記預り品の返却忘れの有無を判定する工程では、読み取られた前記判定用RFIDデータについて同じものが複数存在するために読み取り不能となったときに、預り品の返却忘れ有りと判定し、前記預り品の返却忘れの有無を判定する工程では、読み取られた前記判定用RFIDデータについて同じものが複数存在するために読み取り不能でないときに、読み取られた1又は複数の前記判定用RFIDデータと、登録された1又は複数の前記登録用RFIDデータと、を照合することにより前記預り品の返却忘れの有無を判定することを特徴とする。
本発明の第8の視点においては、預り品返却忘れ判定装置を用いて客先から預った預り品の返却忘れの有無を判定するプログラムであって、前記預り品返却忘れ判定装置において、登録用RFIDデータがある場合、所定の物品に付されたRFIDタグから登録用RFIDデータを読み取るステップと、前記預り品返却忘れ判定装置において、読み取られた前記登録用RFIDデータを所定の記憶部に登録するステップと、前記預り品返却忘れ判定装置において、前記登録するステップの後、前記預り品返却忘れ判定装置のユーザの身の回りの物品に付されたRFIDタグから判定用RFIDデータを読み取るステップと、前記預り品返却忘れ判定装置において、読み取られた前記判定用RFIDデータと、登録された前記登録用RFIDデータと、を照合することにより前記預り品の返却忘れの有無を判定するステップと、を実行させ、前記預り品の返却忘れの有無を判定するステップでは、読み取られた前記判定用RFIDデータについて同じものが複数存在するために読み取り不能となったときに、預り品の返却忘れ有りと判定し、前記預り品の返却忘れの有無を判定するステップでは、読み取られた前記判定用RFIDデータについて同じものが複数存在するために読み取り不能でないときに、読み取られた1又は複数の前記判定用RFIDデータと、登録された1又は複数の前記登録用RFIDデータと、を照合することにより前記預り品の返却忘れの有無を判定することを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、RFID技術を用いて客先からの預り品の返却忘れを判定することで、人による記入チェックを省き、記入漏れ(忘れ)を無くし、返却漏れ(忘れ)防止を図ることができる。また、本発明によれば、仮に、返却忘れの誤検出があったとしても、返却忘れの検出を契機に、返却すべき預り品等の有無を再確認する事で、返却忘れを確実に防止する事が出来る。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明の実施形態1に係る預り品返却忘れ判定装置の構成を模式的に示したブロック図である。
図2】本発明の実施形態1に係る預り品返却忘れ判定装置の動作を模式的に示したフローチャート図である。
図3】本発明の実施形態2に係る預り品返却忘れ判定装置の動作を模式的に示したフローチャート図である。
図4】本発明の実施形態3に係る預り品返却忘れ判定装置の動作を模式的に示したフローチャート図である。
図5】本発明の実施形態4に係る預り品返却忘れ判定装置の構成を模式的に示したブロック図である。
図6】本発明の実施形態4に係る預り品返却忘れ判定装置の動作を模式的に示したフローチャート図である。
図7】本発明の実施形態5に係る預り品返却忘れ判定システムの構成を模式的に示したブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
[実施形態1]
本発明の実施形態1に係る預り品返却忘れ判定装置について図面を用いて説明する。図1は、本発明の実施形態1に係る預り品返却忘れ判定装置の構成を模式的に示したブロック図である。
【0014】
預り品返却忘れ判定装置10は、客先から預った預り品21の返却忘れの有無を判定する装置である。預り品返却忘れ判定装置10には、例えば、コンピュータ機能を有する携帯端末を用いることができる。預り品返却忘れ判定装置10は、預り品21に付されたRFIDタグ21aのRFIDデータを用いて返却忘れの有無を判定する。預り品返却忘れ判定装置10は、主な構成として、制御部11と、RFIDリーダ部12と、記憶部13と、を有する。
【0015】
制御部11は、RFIDリーダ部12及び記憶部13を制御するコンピュータ機能を有する機能部である。制御部11は、所定のプログラムを実行することにより所定の情報処理を行う。
【0016】
制御部11は、登録用RFIDデータ(ここでは、ユーザ所持品20に付されたRFIDタグ20aに記憶されたユーザRFIDデータ)がある場合、RFIDリーダ部12で読み取った登録用RFIDデータ(ユーザRFIDデータ)を記憶部13に登録するように制御する。なお、制御部11は、登録用RFIDデータ(ユーザRFIDデータ)がない場合、登録用RFIDデータ(ユーザRFIDデータ)を記憶部13に登録しない。
【0017】
制御部11は、登録用RFIDデータ(ユーザRFIDデータ)が記憶部13に登録され、かつ、ユーザの身の回りの物品(ユーザ所持品20、預り品21が含まれているか否かは不問)に付されたRFIDタグから判定用RFIDデータを読み取れた場合、RFIDリーダ部12で読み取った判定用RFIDデータと、記憶部13に登録された登録用RFIDデータ(ユーザRFIDデータ)と、を照合することにより預り品21の返却忘れの有無を判定する。
【0018】
制御部11は、RFIDリーダ部12で読み取った1又は複数の判定用RFIDデータのうち、記憶部13に登録された登録用RFIDデータ(ユーザRFIDデータ)と異なるものが存在するときに、預り品21の返却忘れ有りと判定する。制御部11は、RFIDリーダ部12で読み取った1又は複数の判定用RFIDデータが、記憶部13に登録された登録用RFIDデータ(ユーザRFIDデータ)と一致するもののみであるときに、預り品21の返却忘れ無しと判定する。
【0019】
なお、制御部11は、登録用RFIDデータ(ユーザRFIDデータ)が記憶部13に登録されず、かつ、ユーザの身の回りの物品(ユーザ所持品20、預り品21が含まれているか否かは不問)に付されたRFIDタグから1又は複数の判定用RFIDデータを読み取れた場合、お客様からの預り品21の返却忘れが無いかを確認させるため、預り品21の返却忘れ有りと判定する。これにより、お客様からの預り品21の返却忘れを完全に無くす事ができる。
【0020】
また、制御部11は、登録用RFIDデータが記憶部13に登録されているか否かに関わらず、ユーザの身の回りの物品(ユーザ所持品20、預り品21が含まれているか否かは不問)に付されたRFIDタグから判定用RFIDデータを読み取れない場合、預り品21の返却忘れ無しと判定する。
【0021】
RFIDリーダ部12は、RFIDタグに記憶されたRFIDデータを無線通信で読み取る機能部である。RFIDリーダ部12は、制御部11によって制御される。RFIDリーダ部12は、登録用RFIDデータ(ここでは、ユーザ所持品20に付されたRFIDタグ20aに記憶されたユーザRFIDデータ)を読み取り、読み取った登録用RFIDデータ(ユーザRFIDデータ)を制御部11に向けて出力する。RFIDリーダ部12は、ユーザの身の回りの物品(ユーザ所持品20、預り品21が含まれているか否かは不問)からRFIDデータを読み取り、読み取ったRFIDデータを制御部11に向けて出力する。なお、RFIDリーダ部12は、RFIDデータを読み取れない場合、RFIDデータを制御部11に向けて出力しない。
【0022】
記憶部13は、所定のデータ・プログラムを記憶する機能部である。記憶部13には、例えば、フラッシュメモリ等の不揮発性の記憶装置を用いることができる。記憶部13は、制御部11によって制御される。記憶部13は、RFIDリーダ部12で読み取られた登録用RFIDデータ(ここでは、ユーザ所持品20に付されたRFIDタグ20aに記憶されたユーザRFIDデータ)を、制御部11の登録制御により記憶する。なお、ここでは、登録用RFIDデータを、預り品返却忘れ判定装置10の記憶部13に登録しているが、預り品返却忘れ判定装置10とネットワークを介して接続されるサーバ装置の記憶部に登録するようにしてもよい(実施形態5;図7参照)。
【0023】
ユーザ所持品20は、預り品返却忘れ判定装置10のユーザ(保守作業員等)が所持する物品である。ユーザ所持品20には、RFIDタグ20a(例えば、ICタグ等)が付されている。RFIDタグ20aには、ユーザRFIDデータ(ユーザ所持品20の識別情報)が記憶されている。RFIDタグ20aは、RFIDリーダ部12と無線通信可能であり、RFIDリーダ部12の読み取りにより、記憶されたユーザRFIDデータをRFIDリーダ部12に向けて送信する。ユーザ所持品20として、例えば、ユーザが予め保有しているRFID付きの乗車カード、定期券、電子マネーカード、社員証、セキュリティカード等のRFID付きカード類が挙げられる。なお、ユーザがRFIDタグ20a付きのユーザ所持品20を所持していないときは、ユーザRFIDデータの登録は行われない。
【0024】
預り品21は、客先から預った物品である。預り品21には、RFIDタグ21a(例えば、ICタグ等)が付されている。RFIDタグ21aには、預り品RFIDデータ(預り品の識別情報;ユーザRFIDデータとは異なるRFIDデータ)が記憶されている。RFIDタグ21aは、RFIDリーダ部12と無線通信可能であり、RFIDリーダ部12の読み取りにより、記憶された預り品RFIDデータをRFIDリーダ部12に向けて送信する。預り品21として、例えば、RFIDタグ付きの入場証やセキュリティカード等が挙げられる。なお、ユーザが預り品21を客先に返却しているときは、預り品RFIDデータは読み取られない。
【0025】
次に、本発明の実施形態1に係る預り品返却忘れ判定装置の動作について図面を用いて説明する。図2は、本発明の実施形態1に係る預り品返却忘れ判定装置の動作を模式的に示したフローチャート図である。
【0026】
まず、預り品返却忘れ判定装置10の制御部11は、ユーザの操作(例えば、キーパッド、キーボード、タッチパネル、マイク等の入力部で操作)により、ユーザ所持品20に付されたRFIDタグ20aに記憶されたユーザRFIDデータを、RFIDリーダ部12で読み取る(ステップA1)。
【0027】
次に、預り品返却忘れ判定装置10の制御部11は、RFIDリーダ部12で読み取られたユーザRFIDデータを記憶部13に登録する(ステップA2)。
【0028】
なお、ユーザ所持品20が複数存在する場合は、全てのユーザ所持品20について、ステップA1及びステップA2を実施する。また、登録するユーザRFIDデータがないときは、ステップA1及びステップA2を省略することができる。以降、ユーザRFIDデータが登録されたことを前提に説明する。
【0029】
次に、預り品返却忘れ判定装置10の制御部11は、任意の時点(客先を出る時、帰社時等)で、ユーザの操作(例えば、キーパッド、キーボード、タッチパネル、マイク等の入力部で操作)により、ユーザの身の回りの物品(ポケット内の物品、カバン等;ユーザ所持品20、預り品21が含まれているか否かは不問)からRFIDデータを、RFIDリーダ部12で読み取る(ステップA3)。以降、RFIDデータが読み取られたことを前提に説明する。
【0030】
次に、預り品返却忘れ判定装置10の制御部11は、RFIDリーダ部12で読み取られた1又は複数のRFIDデータが、記憶部13に記憶された1又は複数のユーザRFIDデータと異なるか否かを判定する(ステップA4)。
【0031】
RFIDリーダ部12で読み取った1又は複数のRFIDデータのうち、記憶部13に登録された登録用RFIDデータ(ユーザRFIDデータ)と異なるものが存在する場合(ステップA4のYES)、預り品返却忘れ判定装置10の制御部11は、預り品21の返却忘れ有りと判定し(ステップA5)、返却忘れ有りの旨の表示、音、バイブ信号等を出力(表示部、スピーカ部、バイブレータ部等を用いて出力)して、終了する。
【0032】
RFIDリーダ部12で読み取った1又は複数のRFIDデータが、記憶部13に登録された登録用RFIDデータ(ユーザRFIDデータ)と一致するもののみである場合(ステップA4のNO)、預り品返却忘れ判定装置10の制御部11は、預り品21の返却忘れ無しと判定し(ステップA6)、返却忘れ無しの旨の表示、音、バイブ信号等を出力(返却忘れ有りの場合とは異なる表示、音、パターンで出力)して、終了する。
【0033】
実施形態1によれば、RFID技術を用いて客先からの預り品21の返却忘れを判定することで、人による記入チェックを省き、記入漏れ(忘れ)を無くし、返却漏れ(忘れ)防止を図ることができる。これにより、情報セキュリティ事故を防ぐことができ、客先(お客様)の信頼を維持し、顧客満足度の向上を図ることができる。また、実施形態1によれば、仮に、返却忘れの誤検出があったとしても、返却忘れの検出を契機に、返却すべき預り品等の有無を再確認する事で、返却忘れを確実に防止する事が出来る。
【0034】
[実施形態2]
本発明の実施形態2に係る預り品返却忘れ判定装置について図面を用いて説明する。図3は、本発明の実施形態2に係る預り品返却忘れ判定装置の動作を模式的に示したフローチャート図である。
【0035】
実施形態2は、実施形態1の変形例であり、預り品の返却忘れを判定する際に、読み取ったRFIDデータ(登録時のRFIDデータを除く)が同じものが複数存在して読み取り不能となったときにも対応できるようにしたものである。なお、実施形態2は、実施形態1の構成(図1参照)と同様である。実施形態2の構成については、図1を参照されたい。
【0036】
まず、預り品返却忘れ判定装置10の制御部11は、ユーザの操作(例えば、キーパッド、キーボード、タッチパネル、マイク等の入力部で操作)により、ユーザ所持品20に付されたRFIDタグ20aに記憶されたユーザRFIDデータを、RFIDリーダ部12で読み取る(ステップB1)。
【0037】
次に、預り品返却忘れ判定装置10の制御部11は、RFIDリーダ部12で読み取られたユーザRFIDデータを記憶部13に登録する(ステップB2)。
【0038】
なお、ユーザ所持品20が複数存在する場合は、全てのユーザ所持品20について、ステップB1及びステップB2を実施する。また、登録するユーザRFIDデータがないときは、ステップB1及びステップB2を省略することができる。以降、ユーザRFIDデータが登録されたことを前提に説明する。
【0039】
次に、預り品返却忘れ判定装置10の制御部11は、任意の時点(ポケット内の物品、カバン等;客先を出る時、帰社の時等)で、ユーザの操作(例えば、キーパッド、キーボード、タッチパネル、マイク等の入力部で操作)により、ユーザの身の回りの物品(ユーザ所持品20、預り品21が含まれているか否かは不問)からRFIDデータを、RFIDリーダ部12で読み取る(ステップB3)。以降、RFIDデータが読み取られたことを前提に説明する。
【0040】
次に、預り品返却忘れ判定装置10の制御部11は、RFIDリーダ部12で読み取られたRFIDデータが同じもの(同一場所、同じポケットに所持しないものとする)が複数存在して読み取り不能(RFIDタグが無くて読み取り不能を除く)であるか否かを判定する(ステップB4)。RFIDリーダ部12で読み取られたRFIDデータが同じものが複数存在して読み取り不能である場合(ステップB4のYES)、ステップB6に進む。
【0041】
RFIDリーダ部12で読み取られたRFIDデータが同じものが複数存在して読み取り不能でない場合(ステップB4のNO)、預り品返却忘れ判定装置10の制御部11は、RFIDリーダ部12で読み取られた1又は複数のRFIDデータが、記憶部13に記憶された1又は複数のユーザRFIDデータと異なるか否かを判定する(ステップB5)。RFIDリーダ部12で読み取られた1又は複数のRFIDデータが、記憶部13に記憶された1又は複数のユーザRFIDデータと同じ場合(ステップB5のNO)、ステップB7に進む。
【0042】
RFIDリーダ部12で読み取られたRFIDデータが同じものが複数存在して読み取り不能である場合(ステップB4のYES)、及び、RFIDリーダ部12で読み取った1又は複数のRFIDデータのうち、記憶部13に登録された登録用RFIDデータ(ユーザRFIDデータ)と異なるものが存在する場合(ステップB5のYES)、預り品返却忘れ判定装置10の制御部11は、預り品21の返却忘れ有りと判定し(ステップA5)、返却忘れ有りの旨の表示、音、バイブ信号等を出力(表示部、スピーカ部、バイブレータ部等を用いて出力)して、終了する。
【0043】
RFIDリーダ部12で読み取った1又は複数のRFIDデータが、記憶部13に登録された登録用RFIDデータ(ユーザRFIDデータ)と一致するもののみである場合(ステップB5のNO)、預り品返却忘れ判定装置10の制御部11は、預り品21の返却忘れ無しと判定し(ステップB7)、返却忘れ無しの旨の表示、音、バイブ信号等を出力(返却忘れ有りの場合とは異なる表示、音、パターンで出力)して、終了する。
【0044】
実施形態2によれば、実施形態1と同様な効果を奏するとともに、預り品の返却忘れを判定する際に、読み取ったRFIDデータ(登録時のRFIDデータを除く)が同じものが複数存在して読み取り不能となったときにも預り品の返却忘れを判定することができる。
【0045】
[実施形態3]
本発明の実施形態3に係る預り品返却忘れ判定装置について図面を用いて説明する。図4は、本発明の実施形態3に係る預り品返却忘れ判定装置の動作を模式的に示したフローチャート図である。
【0046】
実施形態3は、実施形態1の変形例であり、記憶部13に予め登録しておく登録用RFIDデータを、ユーザRFIDデータとするのをやめ、預り品21(例えば、CD、DVDメディアの収納ケース等)に付されたRFIDタグ21aに記憶された預り品RFIDデータとし、判定の仕方を変更したものである。なお、実施形態3は、実施形態1の構成と同様(図1参照)である。実施形態3の構成については、図1を参照されたい。
【0047】
まず、預り品返却忘れ判定装置10の制御部11は、ユーザの操作(例えば、キーパッド、キーボード、タッチパネル、マイク等の入力部で操作)により、預り品21に付されたRFIDタグ21aに記憶されたユーザRFIDデータを、RFIDリーダ部12で読み取る(ステップC1)。
【0048】
次に、預り品返却忘れ判定装置10の制御部11は、RFIDリーダ部12で読み取られた預り品RFIDデータを記憶部13に登録する(ステップC2)。
【0049】
ここで、預り品21として、予め決められた預り品RFIDデータを記録したRFIDタグが付されたCD、DVDケースを用意し、電磁波を通さない金属製ケースに入れて、保守場所に持ち込み、客先からCD、DVDを借用したときは、金属製ケースからCD、DVDケースを取り出して、取り出されたCD、DVDケースに客先からCD、DVDを入れる。保守作業中は、そのCD、DVDケースから、客先のCD、DVDを出し入れする。客先のCD、DVDを返却したときは、CD、DVDケースを金属製ケースに入れるものとする。また、CD、DVDケースが複数存在する場合は、全てのCD、DVDケースについて、ステップC1及びステップC2を実施する。
【0050】
次に、預り品返却忘れ判定装置10の制御部11は、任意の時点(客先を出る時、帰社時等)で、ユーザの操作(例えば、キーパッド、キーボード、タッチパネル、マイク等の入力部で操作)により、ユーザの身の回りの物品(ポケット内の物品、カバン等;ユーザ所持品20、預り品21が含まれているか否かは不問)からRFIDデータを、RFIDリーダ部12で読み取る(ステップC3)。以降、RFIDデータが読み取られたことを前提に説明する。
【0051】
次に、預り品返却忘れ判定装置10の制御部11は、RFIDリーダ部12で読み取られた1又は複数のRFIDデータが、記憶部13に記憶された1又は複数の預り品RFIDデータと同じであるか否かを判定する(ステップC4)。
【0052】
RFIDリーダ部12で読み取った1又は複数のRFIDデータのうち、記憶部13に登録された登録用RFIDデータ(預り品RFIDデータ)と同じものが存在する場合(ステップC4のYES)、預り品返却忘れ判定装置10の制御部11は、預り品21の返却忘れ有りと判定し(ステップC5)、返却忘れ有りの旨の表示、音、バイブ信号等を出力(表示部、スピーカ部、バイブレータ部等を用いて出力)して、終了する。
【0053】
RFIDリーダ部12で読み取った1又は複数のRFIDデータが、記憶部13に登録された登録用RFIDデータ(ユーザRFIDデータ)と一致するもがない場合(ステップC4のNO)、預り品返却忘れ判定装置10の制御部11は、預り品21の返却忘れ無しと判定し(ステップC6)、返却忘れ無しの旨の表示、音、バイブ信号等を出力(返却忘れ有りの場合とは異なる表示、音、パターンで出力)して、終了する。
【0054】
実施形態3によれば、実施形態1と同様な効果を奏するとともに、預り品が限定されたものに有効である。
【0055】
[実施形態4]
本発明の実施形態4に係る預り品返却忘れ判定装置について図面を用いて説明する。図5は、本発明の実施形態4に係る預り品返却忘れ判定装置の構成を模式的に示したブロック図である。
【0056】
実施形態4は、実施形態1〜3の変形例であり、RFIDタグが付されていない金属22aを含む預り品22の返却忘れにも対応できるようにしたものである。実施形態4では、実施形態1の構成(図1参照)に、金属センサアンプ14及び金属センサ15を追加している。なお、金属センサアンプ14及び金属センサ15は、図5では預り品返却忘れ判定装置10内に実装されているが、預り品返却忘れ判定装置10内に実装するのをやめて、金属センサアンプ14及び金属センサ15の金属センサユニットを外部からコネクタを介して預り品返却忘れ判定装置10の制御部11に着脱可能に接続できる構成にしてもよい。その他の構成は、実施形態1の構成(図1参照)と同様である。
【0057】
金属センサアンプ14は、金属センサ15からの検出信号を増幅し、増幅した検出信号を制御部11に向けて出力する機能部である。金属センサアンプ14は、制御部11によって制御される。
【0058】
金属センサ15は、金属を検出するセンサである。金属センサ15は、検出信号を金属センサアンプ14に向けて出力する。金属センサ15は、渦電流を検出するなど、金属のみを検出するものならどのようなものでもよい。金属センサ15は、金属センサアンプ14を介して制御部11によって制御される。
【0059】
預り品22は、金属22aを全体又は一部として有する物品である。預り品22には、RFIDタグが付されていない。預り品22として、例えば、USBメモリや金属製の鍵等の金属を含むものが挙げられる。
【0060】
次に、本発明の実施形態4に係る預り品返却忘れ判定装置の動作について図面を用いて説明する。図6は、本発明の実施形態4に係る預り品返却忘れ判定装置の動作を模式的に示したフローチャート図である。
【0061】
実施形態4に係る預り品返却忘れ判定装置は、実施形態1〜3の動作(図2図4参照)の他に、以下のような金属検出動作を行う。なお、預り品22ではない預り品返却忘れ判定装置10のユーザが作業現場に持ち込む予定の金属類(USBメモリ、金属製の鍵等)は特定のケースに入れて作業現場へ持ち込み、作業中は、当該ケースから当該金属類を出し入れし、作業終了時には当該金属類を当該ケースへ入れ、預り品22とは区別するものとする。
【0062】
まず、預り品返却忘れ判定装置10の制御部11は、任意の時点(客先を出る時、帰社時等)で、ユーザの操作(例えば、キーパッド、キーボード、タッチパネル、マイク等の入力部で操作)により、ユーザの身の回りの物品(ポケット内の物品、カバン等;ユーザ所持品20、預り品21、22が含まれているか否かは不問)から、金属センサ15によって金属が検出されるか否かを判定する(ステップD1)。
【0063】
ユーザの身の回りの物品から金属が検出された場合(ステップD1のYES)、預り品返却忘れ判定装置10の制御部11は、金属22aを含む預り品22の返却忘れ有りと判定し(ステップD2)、返却忘れ有りの旨の表示、音、バイブ信号等を出力(表示部、スピーカ部、バイブレータ部等を用いて出力)して、終了する。
【0064】
ユーザの身の回りの物品から金属が検出されなかった場合(ステップD1のNO)、預り品返却忘れ判定装置10の制御部11は、金属22aを含む預り品22の返却忘れ有りと判定し(ステップD3)、返却忘れ有りの旨の表示、音、バイブ信号等を出力(返却忘れ有りの場合とは異なる表示、音、パターンで出力)して、終了する。
【0065】
実施形態4によれば、実施形態1と同様な効果を奏するとともに、RFIDタグが付されていない金属22aを含む預り品22の返却忘れにも対応することができる。
【0066】
[実施形態5]
本発明の実施形態5に係る預り品返却忘れ判定システムについて図面を用いて説明する。図7は、本発明の実施形態5に係る預り品返却忘れ判定システムの構成を模式的に示したブロック図である。
【0067】
実施形態5は、実施形態1〜4の変形例であり、預り品返却忘れ判定装置10の記憶部13に登録用RFIDデータ(ユーザRFIDデータ、預り品RFIDデータ等)を登録するのをやめ、預り品返却忘れ判定装置10とネットワーク40を介して通信可能に接続されるサーバ装置30の記憶部31に登録用RFIDデータ(ユーザRFIDデータ、預り品RFIDデータ等)を登録するようにしたものである。
【0068】
預り品返却忘れ判定装置10は、ネットワーク40との通信(無線通信)を可能にする通信部18を有する。預り品返却忘れ判定装置10には、例えば、携帯電話機、PHS(Personal Handy-phone System)、スマートホン、通信機能付き情報端末、携帯型通信端末等の通信機能を有する端末を用いることができる。通信部18は、制御部11によって制御される。
【0069】
預り品返却忘れ判定装置10は、預り品返却忘れ判定装置10のユーザの操作(音声でも可)が入力される入力部16(例えば、キーパッド、キーボード、タッチパネル、マイク等)を有する。入力部16は、制御部11によって制御される。
【0070】
預り品返却忘れ判定装置10は、所定の情報を表示する表示部17(液晶ディスプレイ、有機EL(Electro-Luminescence)ディスプレイ、LED(Light Emitting Diode)等)を有する。表示部17は、制御部11によって制御される。表示部17は、例えば、文字で返却忘れの有無を知らせたり、点灯、非点灯で返却忘れの有無を知らせたり、点滅パターンの違いで返却忘れの有無を知らせたりすることができる。
【0071】
なお、返却忘れの有無を知らせる手段として、表示部17だけでなく、音声パターンで返却忘れの有無を知らせるスピーカ部や、震動パターンで返却忘れの有無を知らせるバイブレータ部等を用いてもよい。また、預り品返却忘れ判定装置10において、制御部11及びRFIDリーダ部12並びに記憶部13については実施形態1の構成(図1参照)と同様であり、金属センサアンプ14及び金属センサ15については実施形態4の構成(図5参照)と同様である。
【0072】
サーバ装置30は、ネットワーク40と通信可能に接続された通信機能及びコンピュータ機能を有する装置である。サーバ装置30は、登録用RFIDデータ(ユーザRFIDデータ、預り品RFIDデータ等)を記憶するための記憶部31を有する。
【0073】
ネットワーク40は、預り品返却忘れ判定装置10とサーバ装置30とを通信可能に接続する通信網(イントラネット、インターネット等)である。
【0074】
なお、預り品返却忘れ判定装置10及びサーバ装置30を含む預り品返却忘れ判定システムの動作については、登録用RFIDデータ(ユーザRFIDデータ、預り品RFIDデータ等)を登録する際に、預り品返却忘れ判定装置10が読み取った登録用RFIDデータ(ユーザRFIDデータ、預り品RFIDデータ等)をサーバ装置30に向けて送信し、サーバ装置30が預り品返却忘れ判定装置10からの登録用RFIDデータ(ユーザRFIDデータ、預り品RFIDデータ等)を記憶部31に登録する。また、預り品の返却忘れを判定する際に、サーバ装置30が預り品返却忘れ判定装置10からの要求により記憶部31に登録された登録用RFIDデータ(ユーザRFIDデータ、預り品RFIDデータ等)を預り品返却忘れ判定装置10に向けて送信し、預り品返却忘れ判定装置10がサーバ装置30からの登録用RFIDデータ(ユーザRFIDデータ、預り品RFIDデータ等)を用いて預り品の返却忘れを判定する。その他の動作については、実施形態1〜4の動作(図2図4図6参照)と同様である。
【0075】
実施形態5によれば、実施形態1−4と同様な効果を奏する。
【0076】
なお、本出願において図面参照符号を付している場合は、それらは、専ら理解を助けるためのものであり、図示の態様に限定することを意図するものではない。以下、実施例について図面を参照しつつ説明する。
【0077】
また、本発明の全開示(請求の範囲及び図面を含む)の枠内において、さらにその基本的技術思想に基づいて、実施形態ないし実施例の変更・調整が可能である。また、本発明の請求の範囲の枠内において種々の開示要素(各請求項の各要素、各実施形態ないし実施例の各要素、各図面の各要素等を含む)の多様な組み合わせないし選択が可能である。すなわち、本発明は、請求の範囲及び図面を含む全開示、技術的思想にしたがって当業者であればなし得るであろう各種変形、修正を含むことは勿論である。
【0078】
(付記)
本発明の第1の視点においては、客先から預った預り品の返却忘れの有無を判定する預り品返却忘れ判定装置であって、RFIDタグからRFIDデータを読み取るRFIDリーダ部と、前記RFIDリーダ部を制御するとともに情報処理を行う制御部と、を備え、前記制御部は、所定の物品に付されたRFIDタグから登録用RFIDデータを前記RFIDリーダ部で読み取ったときに、前記登録用RFIDデータを所定の記憶部に登録するように制御するとともに、前記預り品返却忘れ判定装置のユーザの身の回りの物品に付されたRFIDタグから判定用RFIDデータを前記RFIDリーダ部で読み取れたときに、読み取られた前記判定用RFIDデータと、登録された前記登録用RFIDデータと、を照合することにより前記預り品の返却忘れの有無を判定することを特徴とする。
【0079】
本発明の前記預り品返却忘れ判定装置において、前記登録用RFIDデータは、前記ユーザの所持品に付されたRFIDタグに記憶されたユーザRFIDデータであり、
前記制御部は、前記預り品の返却忘れの有無を判定する際、読み取られた前記判定用RFIDデータと、登録された前記ユーザRFIDデータとが異なるときに、預り品の返却忘れ有りと判定することが好ましい。
【0080】
本発明の前記預り品返却忘れ判定装置において、前記制御部は、前記預り品の返却忘れの有無を判定する際、読み取られた前記判定用RFIDデータについて同じものが複数存在するために読み取り不能となったときに、預り品の返却忘れ有りと判定することが好ましい。
【0081】
本発明の前記預り品返却忘れ判定装置において、前記登録用RFIDデータは、前記預り品、又は、前記預り品の収納ケースに付されたRFIDタグに記憶された預り品RFIDデータであり、前記制御部は、前記預り品の返却忘れの有無を判定する際、読み取られた前記判定用RFIDデータと、登録された前記預り品RFIDデータとが一致するときに、預り品の返却忘れ有りと判定することが好ましい。
【0082】
本発明の前記預り品返却忘れ判定装置において、金属を検出する金属センサを備え、前記制御部は、前記金属センサで前記ユーザの身の回りの物品から金属を検出したときに、預り品の返却忘れ有りと判定することが好ましい。
【0083】
本発明の前記預り品返却忘れ判定装置において、前記制御部は、前記預り品の返却忘れの有無を判定する際、登録用RFIDデータが前記所定の記憶部に登録されていない状態で、前記預り品返却忘れ判定装置のユーザの身の回りの物品に付されたRFIDタグから判定用RFIDデータが前記RFIDリーダ部で読み取れたときに、預り品の返却忘れ有りと判定することが好ましい。
【0084】
本発明の前記預り品返却忘れ判定装置において、前記所定の記憶部は、前記預り品返却忘れ判定装置に備えられた記憶部であることが好ましい。
【0085】
本発明の第2の視点において、預り品返却忘れ判定システムにおいて、前記預り品返却忘れ判定装置と、前記預り品返却忘れ判定装置とネットワークを介して通信可能に接続されるサーバ装置と、を備え、前記所定の記憶部は、前記サーバ装置に備えられた記憶部であることを特徴とする。
【0086】
本発明の第3の視点において、預り品返却忘れ判定装置を用いて客先から預った預り品の返却忘れの有無を判定する預り品返却忘れ判定方法であって、前記預り品返却忘れ判定装置において、登録用RFIDデータがある場合、所定の物品に付されたRFIDタグから登録用RFIDデータを読み取る工程と、前記預り品返却忘れ判定装置において、読み取られた前記登録用RFIDデータを所定の記憶部に登録する工程と、前記預り品返却忘れ判定装置において、前記登録する工程の後、前記預り品返却忘れ判定装置のユーザの身の回りの物品に付されたRFIDタグから判定用RFIDデータを読み取る工程と、前記預り品返却忘れ判定装置において、読み取られた前記判定用RFIDデータと、登録された前記登録用RFIDデータと、を照合することにより前記預り品の返却忘れの有無を判定する工程と、を含むことを特徴とする。
【0087】
本発明の前記預り品返却忘れ判定方法において、前記登録用RFIDデータは、前記ユーザの所持品に付されたRFIDタグに記憶されたユーザRFIDデータであり、前記預り品の返却忘れの有無を判定する工程では、前記預り品返却忘れ判定装置において、読み取られた前記判定用RFIDデータと、登録された前記ユーザRFIDデータとが異なるときに、預り品の返却忘れ有りと判定することが好ましい。
【0088】
本発明の前記預り品返却忘れ判定方法において、前記預り品の返却忘れの有無を判定する工程では、前記預り品返却忘れ判定装置において、読み取られた前記判定用RFIDデータについて同じものが複数存在するために読み取り不能となったときに、預り品の返却忘れ有りと判定することが好ましい。
【0089】
本発明の前記預り品返却忘れ判定方法において、前記登録用RFIDデータは、前記預り品、又は、前記預り品の収納ケースに付されたRFIDタグに記憶された預り品RFIDデータであり、前記預り品の返却忘れの有無を判定する工程では、前記預り品返却忘れ判定装置において、読み取られた前記判定用RFIDデータと、登録された前記預り品RFIDデータとが一致するときに、預り品の返却忘れ有りと判定することが好ましい。
【0090】
本発明の前記預り品返却忘れ判定方法において、前記預り品の返却忘れの有無を判定する工程では、前記預り品返却忘れ判定装置において、前記ユーザの身の回りの物品から金属を検出したときに、預り品の返却忘れ有りと判定することが好ましい。
【0091】
本発明の前記預り品返却忘れ判定方法において、前記預り品の返却忘れの有無を判定する工程では、前記預り品返却忘れ判定装置において、登録用RFIDデータが前記所定の記憶部に登録されていない状態で、前記預り品返却忘れ判定装置のユーザの身の回りの物品に付されたRFIDタグから判定用RFIDデータが読み取れたときに、預り品の返却忘れ有りと判定することが好ましい。
【0092】
本発明の前記預り品返却忘れ判定方法において、前記所定の記憶部は、前記預り品返却忘れ判定装置に備えられた記憶部であることが好ましい。
【0093】
本発明の前記預り品返却忘れ判定方法において、前記所定の記憶部は、前記預り品返却忘れ判定装置とネットワークを介して通信可能に接続されるサーバ装置に備えられた記憶部であり、前記預り品の返却忘れの有無を判定する工程では、前記預り品返却忘れ判定装置において、前記サーバ装置の前記記憶部に登録された前記登録用RFIDデータを取得して、前記預り品の返却忘れの有無を判定することが好ましい。
【0094】
本発明の第4の視点において、預り品返却忘れ判定装置を用いて客先から預った預り品の返却忘れの有無を判定するプログラムであって、前記預り品返却忘れ判定装置において、登録用RFIDデータがある場合、所定の物品に付されたRFIDタグから登録用RFIDデータを読み取るステップと、前記預り品返却忘れ判定装置において、読み取られた前記登録用RFIDデータを所定の記憶部に登録するステップと、前記預り品返却忘れ判定装置において、前記登録するステップの後、前記預り品返却忘れ判定装置のユーザの身の回りの物品に付されたRFIDタグから判定用RFIDデータを読み取るステップと、前記預り品返却忘れ判定装置において、読み取られた前記判定用RFIDデータと、登録された前記登録用RFIDデータと、を照合することにより前記預り品の返却忘れの有無を判定するステップと、を実行させることを特徴とする。
【0095】
本発明の前記プログラムにおいて、前記登録用RFIDデータは、前記ユーザの所持品に付されたRFIDタグに記憶されたユーザRFIDデータであり、前記預り品の返却忘れの有無を判定するステップでは、前記預り品返却忘れ判定装置において、読み取られた前記判定用RFIDデータと、登録された前記ユーザRFIDデータとが異なるときに、預り品の返却忘れ有りと判定することが好ましい。
【0096】
本発明の前記プログラムにおいて、前記預り品の返却忘れの有無を判定するステップでは、前記預り品返却忘れ判定装置において、読み取られた前記判定用RFIDデータについて同じものが複数存在するために読み取り不能となったときに、預り品の返却忘れ有りと判定することが好ましい。
【0097】
本発明の前記プログラムにおいて、前記登録用RFIDデータは、前記預り品、又は、前記預り品の収納ケースに付されたRFIDタグに記憶された預り品RFIDデータであり、前記預り品の返却忘れの有無を判定するステップでは、前記預り品返却忘れ判定装置において、読み取られた前記判定用RFIDデータと、登録された前記預り品RFIDデータとが一致するときに、預り品の返却忘れ有りと判定することが好ましい。
【0098】
本発明の前記プログラムにおいて、前記預り品の返却忘れの有無を判定するステップでは、前記預り品返却忘れ判定装置において、前記ユーザの身の回りの物品から金属を検出したときに、預り品の返却忘れ有りと判定することが好ましい。
【0099】
本発明の前記プログラムにおいて、前記預り品の返却忘れの有無を判定するステップでは、前記預り品返却忘れ判定装置において、登録用RFIDデータが前記所定の記憶部に登録されていない状態で、前記預り品返却忘れ判定装置のユーザの身の回りの物品に付されたRFIDタグから判定用RFIDデータが読み取れたときに、預り品の返却忘れ有りと判定することが好ましい。
【0100】
本発明の前記プログラムにおいて、前記所定の記憶部は、前記預り品返却忘れ判定装置に備えられた記憶部であることが好ましい。
【0101】
本発明の前記プログラムにおいて、前記所定の記憶部は、前記預り品返却忘れ判定装置とネットワークを介して通信可能に接続されるサーバ装置に備えられた記憶部であり、前記預り品の返却忘れの有無を判定するステップでは、前記預り品返却忘れ判定装置において、前記サーバ装置の前記記憶部に登録された前記登録用RFIDデータを取得して、前記預り品の返却忘れの有無を判定することが好ましい。
【符号の説明】
【0102】
10 預り品返却忘れ判定装置
11 制御部
12 RFIDリーダ部
13 記憶部
14 金属センサアンプ
15 金属センサ
16 入力部
17 表示部
18 通信部
20 ユーザ所持品
20a RFIDタグ
21 預り品
21a RFIDタグ
22 預り品
22a 金属
30 サーバ装置
31 記憶部
40 ネットワーク
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7