特許第5757816号(P5757816)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5757816マウントユニット、センサユニット、及び測定装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5757816
(24)【登録日】2015年6月12日
(45)【発行日】2015年8月5日
(54)【発明の名称】マウントユニット、センサユニット、及び測定装置
(51)【国際特許分類】
   A61B 5/1473 20060101AFI20150716BHJP
【FI】
   A61B5/14 331
【請求項の数】9
【全頁数】25
(21)【出願番号】特願2011-164885(P2011-164885)
(22)【出願日】2011年7月28日
(65)【公開番号】特開2012-50809(P2012-50809A)
(43)【公開日】2012年3月15日
【審査請求日】2014年6月3日
(31)【優先権主張番号】特願2010-176465(P2010-176465)
(32)【優先日】2010年8月5日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000141897
【氏名又は名称】アークレイ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000682
【氏名又は名称】特許業務法人ワンディーIPパートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】所司原 友弘
(72)【発明者】
【氏名】山本 明広
【審査官】 福田 裕司
(56)【参考文献】
【文献】 特開2008−246204(JP,A)
【文献】 特表2006−527059(JP,A)
【文献】 国際公開第2011/037030(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 5/145〜5/1495
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
センサの一部分における生体の皮下への留置を保持する本体部と、
前記本体部に取り付けられた2以上の保持部と、
を備え、
前記2以上の保持部それぞれは、前記生体に粘着可能な粘着材層を備え、且つ、前記センサの一部分が前記生体の皮下に留置されている状態において、前記粘着材層が前記生体に接触する状態と、前記粘着材層が前記生体から離れた状態との選択が可能となるように可動する、
ことを特徴とするマウントユニット。
【請求項2】
前記2以上の保持部それぞれが、ヒンジ機構を介して、前記本体部に取り付けられ、
前記ヒンジ機構による前記保持部の可動により、前記粘着材層が前記生体に接触する状態と、前記粘着材層が前記生体から離れた状態と、の選択が可能になる、
請求項1に記載のマウントユニット。
【請求項3】
前記2以上の保持部それぞれが、前記生体に近づく方向及び前記生体から離れる方向に移動可能となるように、前記本体部に取り付けられ、
前記保持部の移動により、前記粘着材層が前記生体に接触する状態と、前記粘着材層が前記生体から離れた状態と、の選択が可能になる、
請求項1に記載のマウントユニット。
【請求項4】
前記2以上の保持部それぞれが、更に、前記本体部に対して回転可能となるように、前記本体部に取り付けられている、請求項3に記載のマウントユニット。
【請求項5】
前記2以上の保持部それぞれの外面に、回転方向に沿って、前記粘着材層が複数個設けられている、請求項4に記載のマウントユニット。
【請求項6】
前記本体部が、前記センサの位置を保持した状態で、少なくとも1つの前記保持部の前記生体に接触する位置を変更できる機構を備えている、請求項1に記載のマウントユニット。
【請求項7】
生体の皮下に一部分が留置されるセンサと、前記センサを前記生体に固定するためのマウントユニットとを備え、
前記マウントユニットは、前記センサの一部分における前記生体の皮下への留置を保持する本体部と、前記本体部に取り付けられた2以上の保持部と、を備え、
前記2以上の保持部それぞれは、前記生体に粘着可能な粘着材層を備え、且つ、前記センサの一部分が前記生体の皮下に留置されている状態において、前記粘着材層が前記生体に接触する状態と、前記粘着材層が前記生体から離れた状態との選択が可能となるように可動する、
ことを特徴とするセンサユニット。
【請求項8】
生体の皮下にある間質液及び血液のうち少なくとも一方に含まれる物質に関する数値情報を測定するための測定装置であって、
前記皮下に一部分が留置され、且つ、前記数値情報に応じた信号を生成するセンサと、
前記センサを前記生体に固定するためのマウントユニットと、
前記センサが生成した前記信号を受け取り、前記信号に対するデジタル信号処理を含む処理を実行するコントロールユニットと、
を備え、
前記マウントユニットは、前記センサの一部分における前記生体の皮下への留置を保持する本体部と、前記本体部に取り付けられた2以上の保持部とを備え、
前記2以上の保持部それぞれは、前記生体に粘着可能な粘着材層を備え、且つ、前記センサの一部分が前記生体の皮下に留置されている状態において、前記粘着材層が前記生体に接触する状態と、前記粘着材層が前記生体から離れた状態との選択が可能となるように可動する、
ことを特徴とする測定装置。
【請求項9】
前記コントロールユニットが、デジタル信号処理された前記信号を外部の計測装置に送信する送信処理を実行する、請求項8に記載の測定装置

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、生体の皮下に埋設されるセンサの固定に用いられるマウントユニット、それを利用したセンサユニット、これらを備えた測定装置、及びセンサを固定するための方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来からの血糖値測定では、測定の度に、ランセットと呼ばれる器具によって患者の体を穿刺し、そして、血液を採取する必要があり、患者における負担が大きいという問題、更には、連続的な測定が行えないという問題がある。このような問題を解消するため、近年においては、CGM(Continuous Glucose Monitoring)と呼ばれる連続的に皮下組織中のグルコース濃度を測定する方法が提案されている。
【0003】
CGMでは、センサは、その一部が患者の皮下に埋設されるように配置され、このセンサによって、皮下間質液中のグルコースの濃度に応じた電流値等の信号が連続的出力される。そして、計測装置等によって、信号から血糖値が換算される。CGMによれば、血糖値を連続的に測定することができる(例えば、特許文献1参照。)。間質液は血液とは異なるが、間質液中のグルコースの濃度は、血液中のグルコースの濃度(血糖値)を反映すると考えられている。よって、皮下間質液中のグルコースの濃度を測定することにより、血糖値を知ることができる。
【0004】
また、CGMでは、センサの一部を患者の皮下に埋め込む必要があるため、特許文献1は、センサを穿刺針と共に皮膚に向けて打ち出し、そしてセンサを皮下に埋め込むことができるデバイス(埋め込みデバイス)を開示している。埋め込みデバイスは、バネ等によってセンサを穿刺針と共に打ち出し、その後、穿刺針のみを引き戻す機構を備えている。ここで、特許文献1に開示されたセンサの挿入手順について説明する。
【0005】
先ず、センサを搭載するためのマウントユニットが、患者の皮膚の上に配置される。このとき、マウントユニットは、両面テープによって患者の皮膚に固定される。そして、マウントユニットの所定位置に、センサと穿刺針とがセットされた埋め込みデバイスが配置され、埋め込みデバイスによってセンサと穿刺針とが共に皮下に打ち込まれる。この後、穿刺針は元の位置に戻るが、センサは、接続用の端子が設けられた部分が皮膚から突き出し、残りの部分が皮下に留置された状態となる。
【0006】
そして、埋め込みデバイスがマウントユニットから除去されると、マウントユニットの上に、センサを制御するためのコントロールユニットが配置される。このとき、センサの端子が設けられている部分(端子部分)は、マウントユニットとコントロールユニットとの間に挟みこまれ、センサはマウントユニットによって患者に固定される。また、同時に、コントロールユニットの端子と、皮膚から突き出たセンサの端子とが接続され、CGMシステムが完成する。
【0007】
その後、CGMシステムを稼働させ、センサによるセンシングを行えば、センサで得られた信号は、コントロールユニットによってデジタル信号に変換され、更に、無線又は有線によって外部の計測装置へと送られる。計測装置は、送られてきた信号から具体的なグルコースの濃度を算出し、算出値を表示画面に表示する。
【0008】
また、上述したように、センサはマウントユニットによって患者に固定され、皮下に埋設されている部分が不用意に動かない状態とされる。これは、センサの皮下に埋設されている部分が動いて、埋め込みデバイスによって皮膚に形成された傷が大きくなると、患者の体が、傷を治癒すべく、センサをタンパク質で覆ってしまい、正確な測定が出来ない状態が発生してしまうためである。
【0009】
更に、このようにタンパク質で覆われてしまったセンサは使用できないため、これを取り外して、新しいセンサを再度挿入する必要があるが、この場合の患者における肉体的及び経済的負担は小さくない。また、センサから信号が出力されているかどうかは、コントロールユニット及び計測装置を動作させて初めて分かるため、患者が再度医療機関を訪れなければならない場合も発生する。従って、CGMシステムにおいては、一度埋設されたセンサは、極力、動かないようにする必要がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開2008−62072号公報(第14図、第17図、第26−28D図、第33図)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
ところで、近年においては、より長期間の埋込みが可能なセンサが求められている。そのため、センサの寿命が到来する前(センサの交換が必要になる前)に、マウントユニットを患者に固定する両面テープの交換が必要となる場合がある。
【0012】
また、交換が必要となった両面テープをそのまま使用すると、皮膚のかぶれ及び細菌の発生といった衛生的な問題が発生する。また、交換が必要となった両面テープをそのまま使用した場合は、皮膚のターンオーバーによる両面テープの粘着力の低下及び捲れなどにより、マウントユニットによるセンサの固定が不安定になってしまう。その結果、センサの皮下に埋設された部分が動いて、皮膚の傷が大きくなり、上述した正確な測定ができない問題も発生する。これらの問題を解消するため、両面テープの定期的な交換が求められる。
【0013】
しかしながら、特許文献1に開示されたCGMシステムで用いられている従来からのマウントユニットでは、その構造上、センサを皮下に埋設させた状態のままで両面テープを交換することは困難である。従って、両面テープの交換の度に、センサを患者から取りはずして、新しいセンサに交換しなければならず、再度穿刺を行う必要がある。そして、長期間埋込可能なセンサを適用しているにも拘らず、両面テープの交換の度にセンサを交換しなければならないため、センサを無駄に消費してしまう。
【0014】
本発明の目的は、上記問題を解消し、センサに外力が加わらないようにしつつ、固定用の粘着材層の交換を容易に行えるようにし得る、マウントユニット、センサユニット、測定装置、及びセンサ固定方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0015】
上記目的を達成するため、本発明におけるマウントユニットは、センサの一部分における生体の皮下への留置を保持する本体部と、前記本体部に取り付けられた2以上の保持部と、を備え、前記2以上の保持部それぞれは、前記生体に粘着可能な粘着材層を備え、且つ、前記粘着材層が前記生体に接触する状態と、前記粘着材層が前記生体から離れた状態との選択が可能となるように可動する、ことを特徴とする。
【0016】
以上の特徴によれば、粘着材層の交換が必要となった場合は、一つの保持部の粘着材層を生体に粘着させた状態で、他の保持部を動かしてその粘着材層を生体から剥離し、この剥離した粘着材層を新しい粘着材層に交換することができる。つまり、本発明では、センサを固定した状態のまま、古くなった粘着材層の交換を行うことができる。本発明によれば、センサに外力が加わらないようにしつつ、固定用の粘着材層の交換を容易に行うことができる。
【0017】
上記本発明におけるマウントユニットは、前記2以上の保持部それぞれが、ヒンジ機構を介して、前記本体部に取り付けられ、前記ヒンジ機構による前記保持部の可動により、前記粘着材層が前記生体に接触する状態と、前記粘着材層が前記生体から離れた状態と、の選択が可能になる、態様であるのが好ましい。この態様によれば、マウントユニットの構造を簡略化でき、製造コストの低減を図ることができる。
【0018】
また、上記本発明におけるマウントユニットは、前記2以上の保持部それぞれが、前記生体に近づく方向及び前記生体から離れる方向に移動可能となるように、前記本体部に取り付けられ、前記保持部の移動により、前記粘着材層が前記生体に接触する状態と、前記粘着材層が前記生体から離れた状態と、の選択が可能になる、態様であるのも好ましい。この態様による場合も、マウントユニットの構造を簡略化でき、製造コストの低減を図ることができる。
【0019】
更に、上記本発明におけるマウントユニットは、前記2以上の保持部それぞれが、更に、前記本体部に対して回転可能となるように、前記本体部に取り付けられている、態様であるのも好ましい。この態様による場合も、マウントユニットの構造を簡略化でき、製造コストの低減を図ることができる。また、この態様と先に述べた態様とを組み合わせれば、いっそう確実に、粘着材層の交換作業をより簡単にすることができる。
【0020】
加えて、上記の態様では、前記2以上の保持部それぞれの外面に、回転方向に沿って、前記粘着材層が複数個設けられている、のが好ましい。この場合は、保持部を回転させるだけで、粘着材層の交換を行なうことができる。
【0021】
また、上記本発明におけるマウントユニットは、前記本体部が、前記センサの位置を保持した状態で、少なくとも1つの前記保持部の前記生体に接触する位置を変更できる機構を備えている、態様であるのも好ましい。この態様によれば、粘着材層との長時間の接触を原因とする生体の皮膚のかぶれの発生を抑制できる。
【0022】
また、上記目的を達成するため、本発明におけるセンサユニットは、生体の皮下に一部分が留置されるセンサと、前記センサを前記生体に固定するためのマウントユニットとを備え、前記マウントユニットは、前記センサの一部分における前記生体の皮下への留置を保持する本体部と、前記本体部に取り付けられた2以上の保持部と、を備え、前記2以上の保持部それぞれは、前記生体に粘着可能な粘着材層を備え、且つ、前記粘着材層が前記生体に接触する状態と、前記粘着材層が前記生体から離れた状態との選択が可能となるように可動する、ことを特徴とする。
【0023】
更に上記目的を達成するため、本発明における測定装置は、生体の皮下にある間質液及び血液のうち少なくとも一方に含まれる物質に関する数値情報を測定するための測定装置であって、前記皮下に一部分が留置され、且つ、前記数値情報に応じた信号を生成するセンサと、前記センサを前記生体に固定するためのマウントユニットと、前記センサが生成した前記信号を受け取り、前記信号に対するデジタル信号処理を含む処理を実行するコントロールユニットと、を備え、前記マウントユニットは、前記センサの一部分における前記生体の皮下への留置を保持する本体部と、前記本体部に取り付けられた2以上の保持部とを備え、前記2以上の保持部それぞれは、前記生体に粘着可能な粘着材層を備え、且つ、前記粘着材層が前記生体に接触する状態と、前記粘着材層が前記生体から離れた状態との選択が可能となるように可動する、ことを特徴とする。
【0024】
上記本発明における測定装置は、前記コントロールユニットが、デジタル信号処理された前記信号を外部の計測装置に送信する送信処理を実行する態様であっても良い。この態様では、外部の計測装置によって、信号を数値情報に変換できるので、コントロールユニットの小型化を図ることができる。
【0025】
また、上記目的を達成するため、本発明におけるセンサ固定方法は、生体の皮下に一部分が留置されるセンサを、前記生体に固定するための方法であって、
(a)本体部と、前記本体部に取り付けられた2以上の保持部とを備えており、
前記2以上の保持部それぞれは、前記生体に粘着可能な粘着材層を備え、且つ、前記粘着材層が前記生体に接触する状態と、前記粘着材層が前記生体から離れた状態とを選択できるように、前記本体部に取り付けられている、マウントユニットを用い、前記マウントユニットの本体部によって、前記センサを保持する、ステップと、
(b)前記マウントユニットの前記2以上の保持部のうち少なくとも1つの粘着材層を、前記生体に接触させて、前記マウントユニットを前記生体に固定させる、ステップと、
(c)前記2以上の保持部において前記粘着材層の交換が必要な場合に、少なくとも1つの保持部の前記粘着材層を前記生体に接触させた状態で、交換が必要な粘着材層を備える保持部を動かして、前記交換が必要な粘着材層を前記生体から剥離する、ステップと、
を有することを特徴とする。
【0026】
上記本発明におけるセンサ固定方法は、前記2以上の保持部それぞれが、ヒンジ機構を介して、前記本体部に取り付けられ、前記ヒンジ機構による前記保持部の可動により、前記粘着材層が前記生体に接触する状態と、前記粘着材層が前記生体から離れた状態と、の選択が可能になり、前記(c)のステップにおいて、前記ヒンジ機構による前記保持部の可動により、前記交換が必要な粘着材層を前記生体から剥離する、態様であるのが好ましい。
【0027】
また、上記本発明におけるセンサ固定方法は、前記2以上の保持部それぞれが、前記生体に近づく方向及び前記生体から離れる方向に移動可能となるように、前記本体部に取り付けられ、前記保持部の移動により、前記粘着材層が前記生体に接触する状態と、前記粘着材層が前記生体から離れた状態と、の選択が可能になり、前記(c)のステップにおいて、前記保持部の移動により、前記交換が必要な粘着材層を前記生体から剥離する、態様であるのも好ましい。
【0028】
上記の態様では、前記2以上の保持部それぞれが、前記本体部に対して回転可能となるように、前記本体部に取り付けられているのが、更に好ましい。そして、このとき、前記2以上の保持部それぞれの外面に、回転方向に沿って、前記粘着材層が複数個設けられており、前記(c)のステップにおいて、前記保持部の回転により、前記交換が必要な粘着材層に代わる新たな粘着材層を前記生体に向け、その後、前記保持部の移動により、新たな粘着材層を前記生体に粘着させる、のがいっそう好ましい。
【発明の効果】
【0029】
以上のように、本発明における、マウントユニット、センサユニット、測定装置、及びセンサ固定方法によれば、センサに外力が加わらないようにしつつ、固定用の粘着材層の交換を容易に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
図1図1(a)〜(c)は、本発明の実施の形態1におけるマウントユニット及びセンサユニットの構成を示す図であり、図1(a)は斜視図、図1(b)は平面図、図1(c)は底面図である。
図2図2は、本発明の実施の形態1で用いられるセンサの先端部分を示す斜視図である。
図3図3は、本発明の実施の形態1における測定装置を示す斜視図である。
図4図4(a)〜(d)は、本発明の実施の形態1におけるセンサ固定方法を構成する一連の主なステップを示す図である。
図5図5(a)〜(d)は、本発明の実施の形態2におけるマウントユニット及びセンサユニットの構成を示す図であり、図5(a)は斜視図、図5(b)は正面図、図5(c)は側面図、図5(d)は底面図である。
図6図6(a)〜(d)は、本発明の実施の形態2におけるセンサ固定方法を構成する一連の主なステップを示す図である。
図7図7は、本発明の実施の形態2におけるマウントユニットの変形例を示す斜視図である。
図8図8は、本発明の実施の形態3におけるマウントユニットの構成を示す図である。
図9図9(a)及び(b)は、本発明の実施の形態3におけるセンサ固定方法を構成する一連の主なステップを示す図である。
図10図10(c)及び(d)は、本発明の実施の形態3におけるセンサ固定方法を構成する、図9(b)に示したステップの実行後の一連の主なステップを示す図である。
図11図11は、本発明の実施の形態4におけるマウントユニットを示す斜視図である。
図12図12(a)〜(c)は、本発明の実施の形態4におけるセンサ固定方法を構成する一連の主なステップを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
(実施の形態1)
以下、本発明の実施の形態1における、マウントユニット、センサユニット、測定装置、及びセンサ固定方法について、図1図4を参照しながら説明する。
【0032】
[マウントユニット、センサユニット]
最初に、図1を用いて、本実施の形態1における、マウントユニット、及びセンサユニットの構成を説明する。図1(a)〜(c)は、本発明の実施の形態1におけるマウントユニット及びセンサユニットの構成を示す図であり、図1(a)は斜視図、図1(b)は平面図、図1(c)は底面図である。
【0033】
図1(a)〜(c)に示すように、本実施の形態1において、センサユニット30は、マウントユニット10と、一部分20aが皮下に留置されるセンサ20とを備えている。センサ20は、図2を用いて後述するように、一部分20aが皮下に留置されると、間質液及び血液のうち少なくとも一方に含まれる物質に関する数値情報に応じて、信号を生成する。このような物質としては、グルコースが挙げられ、この場合、センサ20からの信号により、グルコースに関する数値情報、例えば、グルコースの濃度の特定が可能となる。
【0034】
マウントユニット10は、センサ20を生体に固定するために用いられ、本体部11と、保持部12a〜12dとを備えている。このうち、本体部11は、センサ20の一部分における生体の皮下への留置を保持する。具体的には、本実施の形態1では、本体部11は、センサ20を、その皮下に埋設されていない部分(図示せず)で保持する。本実施の形態1では、本体部11は、その生体側の部分(図1(c)参照)から、センサの皮下に埋設される部分20aが突き出るように、センサ20を保持している。
【0035】
また、このとき、本体部11においては、センサ20の電極(後述の図2参照)は、本体部11の上面に露出する電極16(図1(a)及び(b)参照)と導通される。そして、センサ20の電極は、電極16を介して、コントロールユニット40(後述の図3参照)と電気的に接続される。
【0036】
保持部12a〜12dは、アーム状に形成され、本体部11に取り付けられている。また、保持部12a〜12dは、それぞれ、生体に粘着可能な粘着材層13を備え、更に、粘着材層13が生体に接触する状態と、粘着材層13が生体から離れた状態との選択が可能となるように可動する。なお、図1(a)〜(c)の例では、保持部の数は4つであるが、本実施の形態1はこれに限定されるものではない。保持部の数は、2つ以上であれば良い。
【0037】
具体的には、本実施の形態1では、保持部12a〜12dそれぞれは、本体部11の側面から、生体側の部分(図1(c)参照)の周辺に向けて、突き出るように取り付けられている。また、保持部12a〜12dそれぞれの本体部11への取り付けは、ヒンジ機構15を介して行われており、ヒンジ機構15による各保持部の可動により、粘着材層13が生体に接触する状態と、粘着材層13が生体から離れた状態と、の選択が可能になる。
【0038】
図1(a)〜(c)の例では、保持部12aと保持部12cとは、粘着材層13が生体に接触する状態となっている。一方、保持部12bと保持部12dとは、粘着材層13が生体から離れた状態となっている。また、保持部12b及び保持部12dの粘着材層13には、各粘着材層13を保護するため、セパレータフィルム14が貼付されている。図1(a)において、セパレータフィルム14は斜線で示されている。なお、保持部12dの粘着材層13に貼付されているセパレータフィルム14の図示は省略されている。
【0039】
ここで、マウントユニット10の使用例の一つを説明する。例えば、マウントユニット10が、保持部12a及び保持部12cの粘着材層13によって生体の皮膚に粘着されているが、両者の粘着材層13が劣化している場合を想定する。この場合は、先ず、保持部12b及び保持部12dの粘着材層13に貼付されているセパレータフィルム14を剥離する。次に、保持部12b及び保持部12dを可動させて、これらを倒し、これらの粘着材層13を生体に粘着させる。その後、保持部12a及び保持部12cを可動させて、これらを起こせば、センサ20の固定を維持した状態で、劣化した粘着材層13を生体から剥離することができる。このように、本実施の形態1によれば、センサ20を固定した状態のまま、古くなった粘着材層13の交換を行うことができる。
【0040】
また、本実施の形態1において、粘着材層13は、対向する2方向において粘着性を有するものであれば良く、例えば、粘着材のみで形成された層であっても良いし、両面粘着テープであっても良い。
【0041】
両面粘着テープの具体例としては、不織布等で形成された基材の両面に、粘着材層を設けたものが挙げられる。また、粘着材のみで形成された層及び両面粘着テープにおいて用いられる粘着材としては、ハイドロゲル系粘着材、又はシリコーン系粘着材等が挙げられる。このうち、シリコーン系粘着材では、表面を清掃することによって粘着力を復活させることができるので、シリコーン系粘着材が用いられた粘着材層又は両面粘着テープを採用した場合は、繰り返し使用することが可能となる。
【0042】
更に、本実施の形態1において、粘着材層13を形成する粘着材としては、加熱又は電圧の印加によって剥離が可能な粘着材(例えば、特開2010−037354号公報参照。)を用いることができる。このような粘着材を用いて、粘着材層13を形成すれば、保持部と皮膚との粘着を選択的に行うことができる。また、この場合、粘着材層13への加熱又は電圧の印加は、マウントユニットが備える電源(図示せず)によって行なうことができる。
【0043】
[センサ]
ここで、図1に加えて図2を用いて、センサ20の構成を説明する。図2は、本発明の実施の形態1で用いられるセンサの先端部分を示す斜視図である。また、以下においては、センサ20によって検出される物質が、グルコースであり、センサ20が、グルコースセンサである場合について説明する。
【0044】
図1及び図2に示すように、センサ20は、細長い帯状に形成されている。センサ20は、埋め込みデバイス(図示せず)により、先端側の部分20aが皮下に留置された状態とされる。また、センサ20のこのような状態は、センサ20が皮膚に植え込まれた状態と言うこともできる。
【0045】
また、図2に示すように、センサ20は、絶縁性及び可撓性を有する基板23を備えている。基板23の形成材料は、特に限定されるものではない。但し、人体への影響が少ない点から、基板23の形成材料としては、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリプロピレン(PP)、及びポリエチレン(PE)といった熱可塑性樹脂、ポリイミド樹脂及びエポキシ樹脂といった熱硬化性樹脂が挙げられる。また、基板23の形状は、特に限定されないが、生体の皮膚に突き刺さり易いようにするため、鋭利な形状となっていても良い。
【0046】
また、センサ20は、基板23に加え、一対の電極21a及び電極21bと、グルコース酸化還元酵素が配置されている部分(酵素試薬層)22とを備えている。電極21a及び電極21bは、酵素試薬層22に電圧を印加するために用いられる。また、電極21a及び電極21bは、基板23の表面にその長手方向に沿って形成され、配線としても機能する。更に、電極21a及び21bの形成は、例えば、非腐食性金属、又はカーボンインク等の導電性の材料を用いて、蒸着、又はスクリーン印刷等によって行うことができる。
【0047】
酵素試薬層22は、図2の例では、グルコース酸化還元酵素を電極21aの上に固定化することによって形成される。この場合、電極21aは作用極として機能する。また、グルコース酸化還元酵素は、間質液中又は血液中のグルコース(基質)との反応により生じる生成物を電極上で検知する機能と、反応により生成される電子を直接又は金属錯体のようなメディエーターを介して電極に渡す機能とを有している。従って、電極21aと21bとの間に電圧を印加すると、酵素の触媒反応におけるグルコースの反応量に応じて、電極21a上で反応により発生する電子を検出することが出来る。
【0048】
また、本実施の形態1において、利用可能なグルコース酸化還元酵素としては、グルコースオキシダーゼ(GOD)、グルコースデヒドロゲナーゼ(GDH)等が挙げられる。更に、グルコース酸化還元酵素を固定化する方法としては、公知の種々の方法が挙げられ、例えば、グルタルアルデヒドを使う架橋化が挙げられる。
【0049】
このような構成により、電極21a及び電極21bを流れる電流の電流値は、グルコース濃度に応じて変化するため、この電流を測定することにより、グルコース濃度の特定が可能となる。本実施の形態1では、電極21a及び電極21bを流れる電流が、「物質に関する数値情報に応じた信号」に相当する。
【0050】
[測定装置]
続いて、図3を用いて、本実施の形態1における測定装置の構成を説明する。図3は、本発明の実施の形態1における測定装置を示す斜視図である。図3に示す測定装置50は、生体の皮下にある間質液及び血液のうち少なくとも一方に含まれる物質に関する数値情報を測定する装置である。先に図1及び図2の説明で述べたように、このような物質としては、グルコースが挙げられる。また、この場合、数値情報としては、グルコースの濃度が挙げられる。
【0051】
図3に示すように、測定装置50は、図1(a)〜(c)に示したセンサユニット30と、コントロールユニット40とを備えている。図3の例では、センサユニット30は、生体60の皮膚の上に配置されており、センサ20の先端の部分20aは生体60の皮下に留置された状態にある。
【0052】
コントロールユニット40は、センサユニット30を収容する凹部42と、電極41とを備えている。コントロールユニット40をセンサユニット30の上に配置し、凹部42内にセンサユニット30を収容すると、電極41は、マウントユニット10の電極16に接続され、結果、センサ20の電極21a及び21b(図2参照)にも接続される。
【0053】
また、コントロールユニット40は、センサ20が生成した信号を受け取り、受け取った信号に対するデジタル信号処理を含む処理を実行する機能を備えている。ここで処理の例としては、信号増幅処理及びA/D変換処理といったデジタル信号処理、送信処理等が挙げられる。具体的には、コントロールユニット40は、マウントユニット10の電極16を介して、センサの電極21a及び電極21b(図2参照)に電圧を印加する。また、同時に、コントロールユニット40は、電極21a及び電極21bを流れる電流の電流値をモニタリングする。そして、コントロールユニット40は、デジタル処理により、電流値のレベルを特定するデジタル信号を生成する。
【0054】
その後、コントロールユニット40は、生成したデジタル信号を、有線又は無線によって外部の計測装置へと送信することができる。計測装置は、従来と同様の装置であり、送られてきたデジタル信号から具体的なグルコースの濃度を算出し、算出値を表示画面等に表示する。なお、本実施の形態では、コントロールユニット40自体が、グルコースの濃度の算出等を行っても良い。
【0055】
[センサ固定方法]
次に、本発明の実施の形態1におけるセンサ固定方法について図4(a)〜(d)を用いて説明する。図4(a)〜(d)は、本発明の実施の形態1におけるセンサ固定方法を構成する一連の主なステップを示す図である。
【0056】
図4(a)〜図4(b)に示す例では、センサユニット30は、生体60の皮膚の上に配置されており、センサ20の先端の部分20aは生体60の皮下に留置された状態にある。そして、センサユニット30を構成するマウントユニット10は、保持部12a及び保持部12cの粘着材層13によって生体60の皮膚に粘着されているが、両者の粘着材層13が劣化しているとする。
【0057】
以下においては、上記の場合に、劣化した粘着材層13を新しい粘着材層13に交換しつつ、センサ20を生体60に対して固定する方法について説明する。なお、以下の説明においては、適宜図1図3を参酌する。
【0058】
図4(a)に示すように、保持部12b及び保持部12dの粘着材層13は使用されていないため、これらには、セパレータフィルム14が貼付されている。図4(a)においても、セパレータフィルム14は斜線で示されている。但し、保持部12dの粘着材層13に貼付されているセパレータフィルム14の図示は省略されている。
【0059】
次に、各セパレータフィルム14を粘着材層13から剥離した後、図4(b)に示すように、保持部12b及び保持部12dを倒して、これらの粘着材層13を生体60に粘着させる。その後、図4(c)に示すように、保持部12a及び保持部12cを起こし、劣化した粘着材層13を生体60から剥離する。
【0060】
次に、図4(d)に示すように、保持部12a及び保持部12cから、劣化した粘着材層13が除去される。そして、保持部12a及び保持部12cには、新しい粘着材層13が付与される。この新しい粘着材層13は、保持部12b及び保持部12dの粘着材層13が劣化した場合に使用される。
【0061】
このように、本実施の形態1によれば、センサ20の固定を維持した状態で、劣化した粘着材層13を生体60から剥離できる。また、センサ20の固定を維持した状態で、劣化した粘着材層13を新しい粘着材層に交換することもできる。
【0062】
また、図4(a)〜(d)に示した例では、4つの保持部のうち、2つのみでマウントユニット10の固定が行われているが、本実施の形態1は、これに限定されるものではない。本実施の形態1では、保持部12a〜12dの全てによって、マウントユニット10が固定されていても良い。この場合は、少なくとも1つの保持部のみを倒した状態で、他の保持部の引き起こし及び粘着材層13の交換を行い、その後、粘着材層13を交換した保持部を倒し、残りの保持部の引き起こし、及び粘着材層13の交換を行えば良い。これにより、センサ20の固定を維持した状態で、全ての劣化した粘着材層13を新しい粘着材層13に交換することができる。
【0063】
(実施の形態2)
次に、本発明の実施の形態2における、マウントユニット、センサユニット、測定装置、及びセンサ固定方法について、図5図7を参照しながら説明する。
【0064】
[マウントユニット、センサユニット、測定装置]
最初に、図5を用いて、本実施の形態2における、マウントユニット、センサユニット、及び測定装置の構成を説明する。図5(a)〜(d)は、本発明の実施の形態2におけるマウントユニット及びセンサユニットの構成を示す図であり、図5(a)は斜視図、図5(b)は正面図、図5(c)は側面図、図5(d)は底面図である。
【0065】
図5(a)〜(d)に示すように、本実施の形態2において、センサユニット80は、マウントユニット70と、センサ20とを備えている。センサ20は、実施の形態1において図2を用いて説明したセンサと同様のものである。マウントユニット70は、本体部71を備えている。本体部71は、図1に示したマウントユニット10の本体部11と同様に、センサ20の皮下に埋設されていない部分(図示せず)を保持する。
【0066】
また、マウントユニット70は、図1に示したマウントユニット10と同様に、保持部を備えているが、本実施の形態2において、マウントユニット70に備えられた保持部は、その構成の点で、実施の形態1と異なっている。以下、実施の形態1との相違点を中心に説明する。
【0067】
図5(a)〜(d)に示すように、マウントユニット70は、図1に示したマウントユニット10と異なり、保持部72aと保持部72bとを備えている。保持部72a及び保持部72bそれぞれは、突き出した状態で生体に近づく方向及び生体から離れる方向に移動可能となるように、本体部71に取り付けられている(図5(b)及び(c)参照)。
【0068】
つまり、保持部72a及び保持部72bそれぞれは、本体部71の厚み方向に沿って上下に移動可能となっている。そして、これらの移動により、粘着材層73が生体に接触する状態と、粘着材層73が生体から離れた状態との選択が可能になる。
【0069】
また、保持部72a及び保持部72bそれぞれは、ローラー形状を有し、そして、本体部71に対して回転可能に取り付けられている。具体的には、保持部72a及び保持部72bそれぞれは、突き出し方向に沿った軸、即ち、本体部71に取り付けられている部分から先端側の部分へと向かう軸を回転軸として回転することもできる(図5(a)及び(c)参照)。
【0070】
更に、保持部72a及び保持部72bそれぞれの外面には、回転方向に沿って、複数個の粘着材層73が設けられている。この構成により、本実施の形態2においては、後述するように、保持部72a又は72bを回転させるだけで、劣化した粘着材層を新しい粘着材層73に交換できる。
【0071】
なお、使用されていない粘着材層73には、それを保護するためのセパレータフィルム74が貼付されている。図5(a)、図5(b)、図5(d)において、セパレータフィルム74は斜線で示されている。
【0072】
また、図5(a)〜(d)に示した例では、2つの保持部のみが示されているが、本実施の形態2においても、保持部の数は2以上であれば良く、例えば、保持部の数は3つ以上であっても良い。更に、本実施の形態2において、保持部の数が3つ以上の場合は、マウントユニット70は、このうちの一部の保持部(例えば2つの保持部)のみで固定されていても良いし、全ての保持部によって固定されていても良い。
【0073】
本実施の形態2においても、測定装置は、実施の形態1と同様に、センサユニット80と、コントロールユニットとを備えている。コントロールユニットは、実施の形態1において図3に示したコントロールユニット40と同様のものであって良い。この場合は、コントロールユニットをセンサユニット80に取り付けることにより、本実施の形態2における測定装置が構成される。
【0074】
[センサ固定方法]
次に、本発明の実施の形態2におけるセンサ固定方法について図6(a)〜(d)を用いて説明する。図6(a)〜(d)は、本発明の実施の形態2におけるセンサ固定方法を構成する一連の主なステップを示す図である。
【0075】
図6(a)〜図6(d)に示す例では、センサユニット80は、生体60の皮膚の上に配置されており、センサ20の先端の部分20aは生体60の皮下に留置された状態にある。そして、センサユニット80を構成するマウントユニット70は、保持部72a及び保持部72bそれぞれの1つの粘着材層73によって生体60の皮膚に粘着されているが、使用されている粘着材層73は劣化しているとする。
【0076】
以下においては、上記の場合に、劣化した粘着材層73a(図6(b)及び(c)参照)を新しい粘着材層73に交換しつつ、センサ20を生体60に対して固定する方法について説明する。なお、以下の説明においては、適宜図5を参酌する。
【0077】
図6(a)に示すように、保持部72a及び保持部72bにおいて、使用されていない粘着材層73には、セパレータフィルム74が貼付されている。図6(a)〜図6(d)においても、セパレータフィルム74は斜線で示されている。
【0078】
次に、図6(b)に示すように、保持部72aのみを生体60から離れる方向に移動させ、保持部72aの劣化した粘着材層73aを生体から剥離する。このとき、保持部72bはそのままの状態とされるので、保持部72bの粘着材層73により、マウントユニット70は生体60に固定されたままの状態である。
【0079】
次に、図6(c)に示すように、保持部72aを回転させ、未だ使用されていない粘着材層73のセパレータフィルム74を剥離する。その後、保持部72aを更に回転させ、劣化した粘着材層73aに代えて、セパレータフィルム74が剥離された粘着材層73を生体60に向ける。
【0080】
次に、図6(d)に示すように、保持部72aを生体60に近づく方向に移動させ、図6(c)のステップでセパレータフィルム74が剥離された粘着材層73を生体60に粘着させる。図6(a)〜(d)のステップにより、保持部72aにおいて、劣化した粘着材層73aに代わる新しい粘着材層73により、生体60への粘着が行われる。
【0081】
また、保持部72bを対象として、図6(a)〜(d)に示したステップが実行されると、保持部72bにおいても、劣化した粘着材層に代わる新しい粘着材層73により、生体60への粘着が行われる。
【0082】
このように、本実施の形態2による場合も、実施の形態1と同様に、センサ20の固定を維持した状態で、劣化した粘着材層73a(図6(b)及び(c)参照)を生体60から剥離できる。また、センサ20の固定を維持した状態で、劣化した粘着材層73aを新しい粘着材層73に交換することもできる。更に、本実施の形態2では、保持部72a又は72bを回転させるだけで、劣化した粘着材層73aを新しい粘着材層73に交換できる。
【0083】
[変形例]
ここで、本実施の形態2におけるマウントユニットの変形例について図7を用いて説明する。図7は、本発明の実施の形態2におけるマウントユニットの変形例を示す斜視図である。
【0084】
図7に示すように、本変形例では、本体部71の側面において、各保持部の水平方向への移動を許容する溝75が設けられている。図7においては、保持部72aに対応する溝75のみが図示されている。
【0085】
このように、本変形例では、センサ20の位置を保持した状態で、少なくとも1つの保持部の生体に接触する位置を変更できる機構を備えている。従って、センサ20の位置を変えることなく、皮膚上の粘着材層73との接触部分を変更することができるようになるので、粘着材層73との長時間の接触を原因とする皮膚のかぶれの発生が抑制される。
【0086】
(実施の形態3)
次に、本発明の実施の形態3における、マウントユニット、センサユニット、測定装置、及びセンサ固定方法について、図8図10を参照しながら説明する。
【0087】
[マウントユニット、センサユニット、測定装置]
最初に、図8を用いて、本実施の形態3における、マウントユニット、センサユニット、及び測定装置の構成を説明する。図8は、本発明の実施の形態3におけるマウントユニットの構成を示す図である。
【0088】
図8に示すように、本実施の形態3において、センサユニット100は、マウントユニット90と、センサ20とを備えている。センサ20は、実施の形態1において図2を用いて説明したセンサと同様のものである。
【0089】
また、マウントユニット90は、保持部92a及び92bが取り付けられた本体部91を備えている。更に、保持部92a及び92bは、実施の形態2において図5(a)〜(d)に示した保持部72a及び72bと同様に、ローラー形状を有し、且つ、本体部91に対して回転可能に取り付けられている。
【0090】
更に、本実施の形態3においても、実施の形態2と同様に、保持部92a及び保持部92bそれぞれの外面には、回転方向に沿って、複数個の粘着材層93が設けられている。よって、保持部92a又は92bを回転させるだけで、劣化した粘着材層を新しい粘着材層93に交換できる。なお、使用されていない粘着材層93には、それを保護するためのセパレータフィルム94が貼付されている。図8において、セパレータフィルム94は斜線で示されている。
【0091】
但し、本実施の形態3においては、保持部92a及び92bは、実施の形態2とは異なり、本体部91の内部に取り付けられている。なお、図8においては、説明のため、本来であれば、本体部91の陰になるために、目視ができない保持部92a及び92bの一部についても図示している。
【0092】
具体的には、図8に示すように、本体部91は、その対向する側面において、互いに対向する一対の溝95a及び95bを2組備えている。そして、保持部92a及び92bそれぞれは、溝95aと溝95bとの間に、これらによって挟み込まれた状態で保持されている。
【0093】
また、溝95aと溝95bとによる挟み込みは、各保持部の中心を通る軸98の両端を各溝に引っ掛けることによって行なわれている。更に、各溝は、本体部91の水平方向に沿って長方形状に形成されており、各溝の幅は、軸98の直径よりも大きく設定されている。
【0094】
このため、保持部92a及び92bは、上下方向(本体部の厚み方向)と水平方向とに移動することができる。更に、本体部91には、操作者が、保持部92a及び92bを手動で移動できるようにするため、保持部毎に、開口部97が設けられている。つまり、マウントユニット90は、センサ20の位置を保持した状態で、少なくとも1つの保持部の生体に接触する位置を変更できる機構を備えている。
【0095】
また、図8に示した例では、2つの保持部のみが示されているが、本実施の形態3においても、保持部の数は2以上であれば良く、例えば、保持部の数は3つ以上であっても良い。更に、本実施の形態3において、保持部の数が3つ以上の場合は、マウントユニット90は、このうちの一部の保持部(例えば2つの保持部)のみで固定されていても良いし、全ての保持部によって固定されていても良い。
【0096】
更に、本実施の形態3においても、測定装置は、実施の形態1と同様に、センサユニット90と、コントロールユニットとを備えている。コントロールユニットは、実施の形態1において図3に示したコントロールユニット40と同様のものであって良い。この場合は、コントロールユニットをセンサユニット90に取り付けることにより、本実施の形態3における測定装置が構成される。
【0097】
[センサ固定方法]
次に、本発明の実施の形態3におけるセンサ固定方法について図9(a)〜図10(d)を用いて説明する。図9(a)及び(b)は、本発明の実施の形態3におけるセンサ固定方法を構成する一連の主なステップを示す図である。図10(c)及び(d)は、本発明の実施の形態3におけるセンサ固定方法を構成する、図9(b)に示したステップの実行後の一連の主なステップを示す図である。
【0098】
図9(a)〜図10(d)に示す例では、センサユニット100は、生体60の皮膚の上に配置されており、センサ20の先端の部分は生体60の皮下に留置された状態にあるとする。
【0099】
図9(a)に示すように、センサユニット100を構成するマウントユニット90は、保持部92a及び保持部92bそれぞれの1つの粘着材層93によって生体60の皮膚に粘着されている。但し、使用されている粘着材層93aは劣化しており、交換の必要がある。一方、保持部92a及び保持部92bにおいて、使用されていない粘着材層93には、セパレータフィルム94が貼付されている。
【0100】
次に、図9(b)に示すように、保持部92aのみを生体60から離れる方向(上方向)に移動させ、保持部92aの劣化した粘着材層93aを生体から剥離する。このとき、保持部92bはそのままの状態とされるので、保持部92bの粘着材層93aにより、マウントユニット90は生体60に固定されたままの状態である。
【0101】
次に、図10(c)に示すように、保持部92aを回転させ、未だ使用されていない粘着材層93のセパレータフィルム94を剥離する。その後、保持部92aを更に回転させ、劣化した粘着材層93aに代えて、セパレータフィルム94が剥離された粘着材層93を生体60に向ける。
【0102】
次に、図10(d)に示すように、保持部92aを水平方向に移動させる。その後、保持部92aを生体60に近づく方向(下方向)に移動させてから、図10(c)のステップでセパレータフィルム94が剥離された粘着材層93を生体60に粘着させる。その後、保持部92bについても、同様に、上方向への移動、セパレータフィルムの剥離、回転、水平方向への移動、新たな粘着材層による粘着を行なう。
【0103】
この結果、本実施の形態3においても、実施の形態1と同様に、センサ20の固定を維持した状態で、劣化した粘着材層93a(図9(a)参照)の生体60からの剥離と、劣化した粘着材層93aの新しい粘着材層93への交換とを行なうことができる。
【0104】
また、本実施の形態3では、保持部92a及び92bの水平方向への移動によって、皮膚上の粘着材層93との接触部分を変更することができるので、実施の形態2の変形例と同様に、粘着材層93との長時間の接触を原因とする皮膚のかぶれの発生を抑制できる。更に、本実施の形態3では、保持部92a及び92bは、本体部91の内部に収納されているため、保持部92a及び92bに外力が加わることにより、粘着材層93が生体60から剥離してしまう事態の発生も抑制されている。
【0105】
(実施の形態4)
次に、本発明の実施の形態4における、マウントユニット、センサユニット、測定装置、及びセンサ固定方法について、図11及び図12を参照しながら説明する。
【0106】
[マウントユニット、センサユニット、測定装置]
最初に、図11を用いて、本実施の形態4における、マウントユニット、センサユニット、及び測定装置の構成を説明する。図11は、本発明の実施の形態4におけるマウントユニットを示す斜視図である。
【0107】
図11に示すように、本実施の形態4において、センサユニット120は、マウントユニット110と、センサ20とを備えている。センサ20は、実施の形態1において図2を用いて説明したセンサと同様のものである。
【0108】
また、マウントユニット110は、保持部112a〜112eが取り付けられた本体部111を備えている。保持部112a〜112eは、実施の形態1において図1に示した保持部12a〜12dと同様に、アーム状に形成され、ヒンジ機構(図11において図示せず)を介して、本体部111の側面に取り付けられている。
【0109】
保持部112a〜112eそれぞれも、ヒンジ機構による各保持部の可動により、粘着材層113が生体に接触する状態と、粘着材層113が生体から離れた状態と、の選択が可能になる。また、各保持部の生体側の面には、生体に粘着可能な粘着材層113が設けられている。
【0110】
このように、本実施の形態4において、マウントユニット110は、実施の形態1において図1に示したマウントユニット10と同様に、可動式の保持部を備えている。但し、以下の点で、マウントユニット10と異なっている。
【0111】
本実施の形態4では、マウントユニット110は、センサ20の位置を保持した状態で、少なくとも1つの保持部の生体に接触する位置を変更できる機構を備えている。具体的には、本実施の形態4では、本体部111は、上段部111aと、中段部111bと、下段部111cとを備えている。これらのうち、上段部111a及び下段部111cは、それぞれ、図11中の矢印の方向に沿って独立して回転可能となるように、中段部111bに取り付けられている。センサ20及び電極115は、中段部111bに取り付けられており、上段部111a及び下段部111cが回転しても、これらは、静止した状態にある。
【0112】
また、保持部のうち、保持部112a、112c、112eは、下段部111cに取り付けられている。そして、保持部112a、112c、112eは、これらを生体から離したとき(これらを持ち上げたとき)に、上段部111aの回転を阻害しないように形成されている。
【0113】
一方、保持部112b及び112dは、上段部111aに取り付けられている。保持部112b及び112dは、これらを生体に接触させたとき(下に降ろしたとき)に、下段部111cの回転を阻害しないように形成されている。即ち、保持部112b及び112dは、下に降ろされたときに、それ自身が下段部111cと接触しないように、保持部112a、112c、及び112eよりも、遠い位置で生体に接触するように形成されている。
【0114】
図11の例では、保持部112a、112c、及び112eは、粘着材層113が生体に接触する状態となっている。一方、保持部112b及び112dは、粘着材層13が生体から離れた状態となっている。また、保持部112b及び112dの粘着材層113には、各粘着材層113を保護するため、セパレータフィルム114が貼付されている。図11において、セパレータフィルム114は斜線で示されている。なお、保持部112dの粘着材層113に貼付されているセパレータフィルム114の図示は省略されている。
【0115】
[センサ固定方法]
次に、本発明の実施の形態4におけるセンサ固定方法について図12を用いて説明する。図12(a)〜(c)は、本発明の実施の形態4におけるセンサ固定方法を構成する一連の主なステップを示す図である。
【0116】
図12(a)〜図12(c)に示す例では、センサユニット120は、生体60の皮膚の上に配置されており、センサ20の先端の部分は生体60の皮下に留置された状態にあるとする。
【0117】
図12(a)に示すように、センサユニット120を構成するマウントユニット110は、保持部112a、112c及び112eそれぞれの粘着材層113によって生体60の皮膚に粘着されている。但し、保持部112a、112c及び112eそれぞれの粘着材層113のうち、少なくとも一つが劣化しており、交換の必要がある。一方、保持部112b及び保持部112dの粘着材層113は使用されていないため、これらには、セパレータフィルム114が貼付されている。
【0118】
次に、各セパレータフィルム114を粘着材層113から剥離した後、図12(b)に示すように、保持部112b及び112dを倒して、これらの粘着材層113を生体60に粘着させる。この時、上段部111aを回転させて、保持部112b及び112eそれぞれの生体60との接触位置を選択することができる。
【0119】
次に、図12(c)に示すように、保持部112a、112c、及び112eを起こした状態(生体60から離した状態)とする。そして、この状態で、劣化している粘着材層113を交換する。
【0120】
その後、保持部112b及び112dの粘着材層113が劣化した場合は、下段部111cを回転させて、保持部112a、112c、及び112eそれぞれの生体60との接触位置を選択した後、再び、これらを生体60と接触させる。そして、保持部112b及び112dを起こした状態とする。
【0121】
このように、本実施の形態4によれば、実施の形態1と同様に、センサ20の固定を維持した状態で、劣化した粘着材層113を生体60から剥離できる。また、センサ20の固定を維持した状態で、劣化した粘着材層113を新しい粘着材層に交換することもできる。
【0122】
また、本実施の形態4では、上段部111aと下段部111cとを独立して回転させることできるので、センサ20の固定を維持した状態で、生体上の粘着材層113と接触している部分を変更することができる。このため、本実施の形態4による場合も、実施の形態2の変形例及び実施の形態3と同様に、粘着材層113との長時間の接触を原因とする皮膚のかぶれの発生を抑制できる。
【0123】
上述した実施の形態の一部又は全部は、以下に記載する(付記1)〜(付記24)によって表現することができるが、以下の記載に限定されるものではない。
【0124】
(1)センサの一部分における生体の皮下への留置を保持する本体部と、
前記本体部に取り付けられた2以上の保持部と、
を備え、
前記2以上の保持部それぞれは、前記生体に粘着可能な粘着材層を備え、且つ、前記粘着材層が前記生体に接触する状態と、前記粘着材層が前記生体から離れた状態との選択が可能となるように可動する、
ことを特徴とするマウントユニット。
【0125】
(2)前記2以上の保持部それぞれが、ヒンジ機構を介して、前記本体部に取り付けられ、
前記ヒンジ機構による前記保持部の可動により、前記粘着材層が前記生体に接触する状態と、前記粘着材層が前記生体から離れた状態と、の選択が可能になる、
付記1に記載のマウントユニット。
【0126】
(3)前記2以上の保持部それぞれが、前記生体に近づく方向及び前記生体から離れる方向に移動可能となるように、前記本体部に取り付けられ、
前記保持部の移動により、前記粘着材層が前記生体に接触する状態と、前記粘着材層が前記生体から離れた状態と、の選択が可能になる、
付記1に記載のマウントユニット。
【0127】
(4)前記2以上の保持部それぞれが、更に、前記本体部に対して回転可能となるように、前記本体部に取り付けられている、付記3に記載のマウントユニット。
【0128】
(5)前記2以上の保持部それぞれの外面に、回転方向に沿って、前記粘着材層が複数個設けられている、付記4に記載のマウントユニット。
【0129】
(6)前記本体部が、前記センサの位置を保持した状態で、少なくとも1つの前記保持部の前記生体に接触する位置を変更できる機構を備えている、付記1に記載のマウントユニット。
【0130】
(7)生体の皮下に一部分が留置されるセンサと、前記センサを前記生体に固定するためのマウントユニットとを備え、
前記マウントユニットは、前記センサの一部分における前記生体の皮下への留置を保持する本体部と、前記本体部に取り付けられた2以上の保持部と、を備え、
前記2以上の保持部それぞれは、前記生体に粘着可能な粘着材層を備え、且つ、前記粘着材層が前記生体に接触する状態と、前記粘着材層が前記生体から離れた状態との選択が可能となるように可動する、
ことを特徴とするセンサユニット。
【0131】
(8)前記2以上の保持部それぞれが、ヒンジ機構を介して、前記本体部に取り付けられ、
前記ヒンジ機構による前記保持部の可動により、前記粘着材層が前記生体に接触する状態と、前記粘着材層が前記生体から離れた状態と、の選択が可能になる、
付記7に記載のセンサユニット。
【0132】
(9)前記2以上の保持部それぞれが、前記生体に近づく方向及び前記生体から離れる方向に移動可能となるように、前記本体部に取り付けられ、
前記保持部の移動により、前記粘着材層が前記生体に接触する状態と、前記粘着材層が前記生体から離れた状態と、の選択が可能になる、
付記7に記載のセンサユニット。
【0133】
(10)前記2以上の保持部それぞれが、更に、前記本体部に対して回転可能となるように、前記本体部に取り付けられている、付記9に記載のセンサユニット。
【0134】
(11)前記2以上の保持部それぞれの外面に、回転方向に沿って、前記粘着材層が複数個設けられている、付記10に記載のセンサユニット。
【0135】
(12)前記本体部が、前記センサの位置を保持した状態で、少なくとも1つの前記保持部の前記生体に接触する位置を変更できる機構を備えている、付記7に記載のセンサユニット。
【0136】
(13)生体の皮下にある間質液及び血液のうち少なくとも一方に含まれる物質に関する数値情報を測定するための測定装置であって、
前記皮下に一部分が留置され、且つ、前記数値情報に応じた信号を生成するセンサと、
前記センサを前記生体に固定するためのマウントユニットと、
前記センサが生成した前記信号を受け取り、前記信号に対するデジタル信号処理を含む処理を実行するコントロールユニットと、
を備え、
前記マウントユニットは、前記センサの一部分における前記生体の皮下への留置を保持する本体部と、前記本体部に取り付けられた2以上の保持部とを備え、
前記2以上の保持部それぞれは、前記生体に粘着可能な粘着材層を備え、且つ、前記粘着材層が前記生体に接触する状態と、前記粘着材層が前記生体から離れた状態との選択が可能となるように可動する、
ことを特徴とする測定装置。
【0137】
(14)前記コントロールユニットが、デジタル信号処理された前記信号を外部の計測装置に送信する送信処理を実行する、付記13に記載の測定装置。
【0138】
(15)前記2以上の保持部それぞれが、ヒンジ機構を介して、前記本体部に取り付けられ、
前記ヒンジ機構による前記保持部の可動により、前記粘着材層が前記生体に接触する状態と、前記粘着材層が前記生体から離れた状態と、の選択が可能になる、
付記13に記載の測定装置。
【0139】
(16)前記2以上の保持部それぞれが、前記生体に近づく方向及び前記生体から離れる方向に移動可能となるように、前記本体部に取り付けられ、
前記保持部の移動により、前記粘着材層が前記生体に接触する状態と、前記粘着材層が前記生体から離れた状態と、の選択が可能になる、
付記13に記載の測定装置。
【0140】
(17)前記2以上の保持部それぞれが、更に、前記本体部に対して回転可能となるように、前記本体部に取り付けられている、付記16に記載の測定装置。
【0141】
(18)前記2以上の保持部それぞれの外面に、回転方向に沿って、前記粘着材層が複数個設けられている、付記17に記載の測定装置。
【0142】
(19)前記本体部が、前記センサの位置を保持した状態で、少なくとも1つの前記保持部の前記生体に接触する位置を変更できる機構を備えている、付記13に記載の測定装置。
【0143】
(20)生体の皮下に一部分が留置されるセンサを、前記生体に固定するための方法であって、
(a)本体部と、前記本体部に取り付けられた2以上の保持部とを備えており、
前記2以上の保持部それぞれは、前記生体に粘着可能な粘着材層を備え、且つ、前記粘着材層が前記生体に接触する状態と、前記粘着材層が前記生体から離れた状態とを選択できるように、前記本体部に取り付けられている、マウントユニットを用い、前記マウントユニットの本体部によって、前記センサを保持する、ステップと、
(b)前記マウントユニットの前記2以上の保持部のうち少なくとも1つの粘着材層を、前記生体に接触させて、前記マウントユニットを前記生体に固定させる、ステップと、
(c)前記2以上の保持部において前記粘着材層の交換が必要な場合に、少なくとも1つの保持部の前記粘着材層を前記生体に接触させた状態で、交換が必要な粘着材層を備える保持部を動かして、前記交換が必要な粘着材層を前記生体から剥離する、ステップと、
を有することを特徴とするセンサ固定方法。
【0144】
(21)前記2以上の保持部それぞれが、ヒンジ機構を介して、前記本体部に取り付けられ、
前記ヒンジ機構による前記保持部の可動により、前記粘着材層が前記生体に接触する状態と、前記粘着材層が前記生体から離れた状態と、の選択が可能になり、
前記(c)のステップにおいて、前記ヒンジ機構による前記保持部の可動により、前記交換が必要な粘着材層を前記生体から剥離する、
付記20に記載のセンサ固定方法。
【0145】
(22)前記2以上の保持部それぞれが、前記生体に近づく方向及び前記生体から離れる方向に移動可能となるように、前記本体部に取り付けられ、
前記保持部の移動により、前記粘着材層が前記生体に接触する状態と、前記粘着材層が前記生体から離れた状態と、の選択が可能になり、
前記(c)のステップにおいて、前記保持部の移動により、前記交換が必要な粘着材層を前記生体から剥離する、
付記20に記載のセンサ固定方法。
【0146】
(23)前記2以上の保持部それぞれが、前記本体部に対して回転可能となるように、前記本体部に取り付けられている、
付記22に記載のセンサ固定方法。
【0147】
(24)前記2以上の保持部それぞれの外面に、回転方向に沿って、前記粘着材層が複数個設けられており、
前記(c)のステップにおいて、前記保持部の回転により、前記交換が必要な粘着材層に代わる新たな粘着材層を前記生体に向け、その後、前記保持部の移動により、新たな粘着材層を前記生体に粘着させる、付記23に記載のセンサ固定方法。
【産業上の利用可能性】
【0148】
以上のように、本発明によれば、埋め込み型のセンサのマウントを生体に固定するために、粘着テープ等が利用されている場合において、センサに外力が加わらないようにしつつ、粘着テープを簡単に交換することができる。本発明は、このような要望のあるCGMの分野に特に有用である。
【符号の説明】
【0149】
10 マウントユニット
11 本体部
12a〜12d 保持部
13 粘着材層
14 セパレータフィルム
15 ヒンジ機構
16 電極
20 センサ
20a 先端部分
21a、21b 電極
22 酵素試薬層
23 基板
30 センサユニット
40 コントロールユニット
41 電極
42 凹部
50 測定装置
60 生体
70 マウントユニット
71 本体部
72a、72b 保持部
73 粘着材層
73a 劣化した粘着材層
74 セパレータフィルム
75 溝
76 電極
80 センサユニット
90 マウントユニット
91 本体部
92a、72b 保持部
93 粘着材層
93a 劣化した粘着材層
94 セパレータフィルム
95a、95b 溝
96 電極
97 開口部
98 軸
100 センサユニット
110 マウントユニット
111 本体部
111a 上段部
111b 中段部
111c 下段部
112a〜112g 保持部
113 粘着材層
114 セパレータフィルム
115 電極
116 カバー
120 センサユニット
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12