特許第5757923号(P5757923)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5757923
(24)【登録日】2015年6月12日
(45)【発行日】2015年8月5日
(54)【発明の名称】昇降装置
(51)【国際特許分類】
   B66F 7/02 20060101AFI20150716BHJP
【FI】
   B66F7/02 B
【請求項の数】3
【全頁数】7
(21)【出願番号】特願2012-173701(P2012-173701)
(22)【出願日】2012年8月6日
(65)【公開番号】特開2014-31265(P2014-31265A)
(43)【公開日】2014年2月20日
【審査請求日】2012年8月6日
【審判番号】不服2014-12338(P2014-12338/J1)
【審判請求日】2014年6月27日
(73)【特許権者】
【識別番号】000150800
【氏名又は名称】株式会社ツバキE&M
(74)【代理人】
【識別番号】230101177
【弁護士】
【氏名又は名称】木下 洋平
(72)【発明者】
【氏名】藤岡 宏之
(72)【発明者】
【氏名】坂田 英維
(72)【発明者】
【氏名】吉村 浩則
(72)【発明者】
【氏名】茂木 一宏
【合議体】
【審判長】 伊藤 元人
【審判官】 中村 達之
【審判官】 槙原 進
(56)【参考文献】
【文献】 仏国特許出願公開第2895737(FR,A1)
【文献】 特開2009−91093(JP,A)
【文献】 特開2011−73840(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B66F7/02,7/14
B66B7/02-7/04,7/12
B65G1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
横断面がH形状で直線状の支柱と、該支柱に沿ってねじ機構により進退動する、前記支柱の側面方向のいずれかに負荷受部材の装着面を有する昇降部材と、該昇降部材の進退動を案内する第1、2のガイド機構を具える片持ち支持の昇降装置であって、
前記第1のガイド機構が前記支柱の一方の凹部のスペース内に設けられ、前記支柱の底面又は該支柱の両側のフランジ部の内面に対して前記昇降部材を案内するものであり、
前記ねじ機構及び第2のガイド機構が前記支柱の他方の凹部のスペース内に設けられ、前記第2のガイド機構が前記支柱の両側のフランジ部の内面又は該支柱の底面の内、前記第1のガイド機構と異なるいずれか一方に対して前記昇降部材を案内するものであることを特徴とする、
昇降装置。
【請求項2】
前記第1のガイド機構のガイド部が複数設けられている、請求項1の昇降装置。
【請求項3】
前記第2のガイド機構のガイド部が複数設けられている、請求項1又は2の昇降装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ねじ機構を利用した昇降装置に関し、一般産業用の製造工程、特に、半導体や液晶FPD製造工程等に使用される片持ち支持の昇降装置(以下、単に「昇降装置」という。)に関する。
【背景技術】
【0002】
昇降装置においては、基台となる支柱と昇降部材を有し、基台の内部に配設されるねじ機構によって進退動する昇降部材を、ガイド機構で案内するものが知られている。その例として、特許文献1、2に示すものがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平8−165092号公報
【特許文献2】特開平2−48187号公報
【0004】
特許文献1には、柱フレーム構成体を水平断面形状前開きコの字状に構成し、柱フレーム構成体の後壁部の前面に、構成体内に収納されて上下方向に延びるガイドレールを一体的に固着し、昇降体には、上記ガイドレールに上下方向摺動自在に噛合うと共に柱フレーム構成体内に収納されるスライダを設け、柱フレーム構成体の外周面には、支柱の外周を構成する外装板を固着している昇降装置が開示されている。この昇降装置によれば、昇降装置を小型化できると共に支柱内の無駄なスペースを無くすことができ、支柱全体の断面をコンパクトにすることができるとされている。
特許文献2には、形鋼材の側面部の外面に切削加工による長手方向の肩が形成され、肩により位置決めされるガイド機構が取付けられ、形鋼材の主面部を対向させ、主面部と側面部が形成する凹部を外側としてロボットの直線軸と平行に並置し、固定してある産業用ロボットの直動軸コラムが開示されている。この発明によれば、肩を形鋼材の側面部を直接切削加工し形成するから、その形成作業が簡単で作業性がよく、また、基台が比較的小さい直動軸コラムを提供できるとされている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
昇降装置には、組立工数の簡素化、小型・軽量化の要請から部品点数の削減、また、荷重、偏荷重の変動に耐え得る高い剛性、そして、設置スペースという観点からのコンパクト化が求められている。
特許文献1、2に挙げられるように、コンパクト化を図った昇降装置が提案されているが、依然として、基台内部の無駄なスペースが多く、また、部品点数も多い。
【0006】
そこで、本発明は、前述した従来技術の問題点に鑑み、昇降装置の荷重、偏荷重の変動に対する剛性を保ちつつ、部品点数を削減し、組立工数を簡素化させ、小型・軽量化を図り、さらに、基台内部の無駄なスペースを極力排除したコンパクトな昇降装置を提供することをその目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、横断面がH形状で直線状の支柱と、該支柱に沿ってねじ機構により進退動する、前記支柱の側面方向のいずれかに負荷受部材の装着面を有する昇降部材と、該昇降部材の進退動を案内する第1、2のガイド機構を具える片持ち支持の昇降装置であって、
前記第1のガイド機構が前記支柱の一方の凹部のスペース内に設けられ、前記支柱の底面又は該支柱の両側のフランジ部の内面に対して前記昇降部材を案内するものであり、
前記ねじ機構及び第2のガイド機構が前記支柱の他方の凹部のスペース内に設けられ、前記第2のガイド機構が前記支柱の両側のフランジ部の内面又は該支柱の底面の内、前記第1のガイド機構と異なるいずれか一方に対して前記昇降部材を案内するものであることを特徴とする昇降装置によって前記課題を解決した。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、ねじ機構及び第1、2のガイド機構が、横断面がH形状の支柱の凹部のスペース内に設けられているため、支柱の2つある凹部のスペースを有効に利用したコンパクトな昇降装置を提供することができる。また、従来の昇降装置に比べ、部品点数を削減できるため、小型・軽量化を図ることができ、組立工数を削減することができる。論じるまでもなく、製造コストの削減にも繋がる。さらに、支柱の横断面がH形状であるため、曲げ剛性や曲げ強度に優れており、また、支柱の2つある凹部の双方にガイド機構が具えられているため、昇降装置の荷重、偏荷重に対する剛性、特に、水平方向(捻り方向)に対する剛性が良好である。
【0009】
また、第1、2のガイド機構が複数設けられている構成とすれば、昇降装置の荷重、偏荷重に対する剛性をさらに高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の第一実施形態の上部正面図。
図2図1の2−2線断面図。
図3】本発明の第一実施形態の横断面図。
図4】本発明の第ニ実施形態の横断面図。
図5】本発明の第三実施形態の横断面図。
図6】本発明のH形状の支柱のバリエーションを表した図。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明の実施例を図1〜5を参照して説明する。但し、本発明はこの実施形態に限定されるものではない。
【0012】
図1、2に示すように、横断面がH形状で直線状の支柱12を有する昇降装置10は、第1のガイド機構14、第2のガイド機構15、ねじ機構16及び昇降部材18を具えている。ここで、支柱12には、市販のH形鋼やI形鋼又は、みぞ形鋼や平鋼等の鋼材の溶接若しくは貼り合わせ構造にて適用することができ、図3〜5に示されているような、底面12bの位置がフランジ部12a、12aの中心にあり、フランジ部12a、12aの寸法が等しいもの以外にも、底面12bの位置がフランジ部12a、12aの中心でないもの(図6(a)参照。)、フランジ部12a、12aの寸法が異なるもの(図6(b)参照。)、底面12bの位置がフランジ部12a、12aの中心でなく、フランジ部12a、12aの寸法が異なるもの(図6(c)参照。)であってもよい。また、図1、2に示すねじ機構16としては、ボールねじ機構や台形ねじ機構等のねじ機構を適用でき、特開2008−56372に開示されている技術を付加し、ねじ軸とナットに無理な力が入らないようにすることもできる。
【0013】
次に、昇降装置10の駆動について説明する。駆動部20(図3参照。)からの動力は、回転可能に軸支されたねじシャフト16aに伝えられ、ねじ機構16のトラベリングナット16bが昇降する。図2に示すように、トラベリングナット16bと負荷受部材18c(便宜上、物を載せる荷受部については図示を省略している。)は、昇降部材18の昇降枠18aによって連結されている。昇降枠18aとトラベリングナット16b及び負荷受部材18cは、それぞれボルト等で取付けられている。ここで、昇降枠18aは横断面がH形状の支柱12の側方の4面を囲った枠状であるが、場合によっては、3面のコの字形状や、2面のL字形状としてもよい。
【0014】
次に、昇降装置10のガイド機構について説明する。
図3に示すように、昇降枠18aには、第1のガイド機構14のガイド部(スライドユニット14b)、第2のガイド機構15の取付部材15bが取付けられており、スライドユニット14bに具えられている転動体(図示省略。)がガイドレール14a上を転がり、また、取付部材15bに具えられるガイド部(ローラ15a)が支柱12のフランジ部12aの内面上を転がることによって、昇降部材18の昇降が低摩擦で案内される。
【0015】
第1のガイド機構14のガイドレール14aは、図3にあるように、取付座14cを介して支柱12の凹部12cの底面12b上に取付けられている。なお、ガイドレール14aの取付方法として、図示されているように取付座14cを用いる他に、直接、支柱12に取付けるというような方法がある。また、ガイドレール14aは、支柱12のフランジ部12a上に取付けてもよい。要は、第1のガイド機構14が、支柱12の凹部12cのスペース内に設けられていればよい。また、第1のガイド機構14として、図示されているようなガイドレール式の直線運動軸受の他に、ローラ式や摺動式の各種ガイド機構を用いることもできる。また、第1のガイド機構14のスライドユニット14bは、図1、2に示されているように、昇降枠18aの上下2箇所に間隔を空けて設けられている。このように、ガイド部(スライドユニット14b)を複数具える構成とすれば、1つのスライドユニット14bで昇降部材18の昇降を案内する場合に比べ、より大きな負荷荷重を許容し、昇降装置10の荷重、偏荷重に対する剛性を一層高めることができる。また、支柱12の凹部12cのスペース内であれば、ガイドレール14aを2つ以上設け、昇降装置10の剛性を高めてもよい。
【0016】
第2のガイド機構15のローラ15aは、図3にあるように、支柱12のフランジ部12aの内面上を転がるように取付部材15bに取付けられている。図示されているように、複数(2つ)のガイド部(ローラ15a)が両側のフランジ部12aの内面上を転がるように構成されているため、ローラ15aが一つの場合に比べて、より大きな負荷荷重を許容し、昇降装置10の荷重、偏荷重に対する剛性を一層高めることができる。さらに、取付部材15bを増設して、ローラ15aを上下に複数具える構成としてもよい。また、場合によっては、ローラ15aが支柱12の凹部12cの底面12b上を転がる構成とすることもできる。要は、第2のガイド機構15が、ねじ機構16が設けられている支柱12の凹部12cのスペース内に設けられていればよい。なお、第2のガイド機構15として、図示されているようなローラ式以外に、ガイドレール式や摺動式の各種ガイド機構を用いてもよい。
【0017】
以下、図3〜5の横断面図を用いて、各実施形態について説明する。
図3は、本発明の第一実施形態の横断面図であり、負荷受部材の装着面(昇降プレート18b)は、支柱12の第1のガイド機構14が設けられている凹部12cの開口部の前に設けられている。この構成によれば、荷受部(図示省略。)に掛かる負荷荷重の重心の位置とガイド機構14との位置が近くなるため、ガイド機構14にかかるモーメントが小さくなり、より大きな負荷荷重に耐えることができる。すなわち、昇降装置及びガイドレールを大きくせずに、大きな負荷荷重に対応することができるため、昇降装置の剛性を維持して軽量化を図ることができる。また、図4のように、昇降プレート18bをねじ機構16が設けられている凹部12cの開口部の前に設ける構成とすることもでき、図5のように、昇降プレート18bを支柱12のいずれか一方のフランジ12aの外面の前に設ける構成とすることもできる。
【0018】
以上説明したように、昇降装置の支柱の横断面をH形状とし、第1のガイド機構を支柱の一方の凹部のスペース内に設け、ねじ機構及び第2のガイド機構を支柱の他方の凹部のスペース内に設けることにより、支柱の有する空スペースである2箇所の凹部を有効的に利用した、極めてコンパクトで、大きな負荷荷重、偏荷重に対する剛性、特に、水平方向(捻り方向)に対する剛性が良好な昇降装置を提供することができる。
【符号の説明】
【0019】
10、10a、10b 昇降装置
12 支柱
12c 凹部
14 第1のガイド機構
14b ガイド部(スライドユニット)
15 第2のガイド機構
15a ガイド部(ローラ)
16 ねじ機構
18 昇降部材
18b 負荷受部材の装着面(昇降プレート)
18c 負荷受部材
図1
図2
図3
図4
図5
図6