(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記加熱制御部は、前記電力異常が回復したことを認識すると前記励磁コイルへの電力供給を再開するとともに、前記励磁コイルへの電力供給を再開した旨の再開通知を前記主制御部に通知することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
前記主制御部は、前記再開通知から前記停止通知を受けること無く予め定められた猶予時間が経過してから前記温度異常を認識したとき、前記報知部に前記定着部の異常を報知させることを特徴とする請求項2又は3に記載の画像形成装置。
前記主制御部は、前記加熱制御部から前記停止通知を受けても、前記温度異常を認識するまで前記画像形成部と前記定着部には、印刷動作を継続させることを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項に記載の画像形成装置。
前記加熱制御部は、前記電源部が前記励磁コイルに印加する電圧の大きさを検知し、電圧の大きさが予め定められた電圧値範囲内に無いとき、前記電力異常と検知することを特徴とすることを特徴とする請求項1乃至6の何れか1項に記載の画像形成装置。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、
図1〜
図6を用いて、定着部1を含む画像形成装置を説明する。画像形成装置としてはプリンター100を例に挙げて、本発明の実施形態を説明する。但し、各実施の形態に記載される構成、配置等の各要素は、発明の範囲を限定せず単なる説明例にすぎない。
【0015】
(画像形成装置の概略構成)
まず、
図1を用い、プリンター100の概略を説明する。
図1は、プリンター100の構成を示す図である。
【0016】
図1に示すように、本実施形態のプリンター100は、その側方に取り付けられた操作パネル2を有する。そして、プリンター100は、給紙部3a、第1搬送部3b、画像形成部4、定着部1、第2搬送部3cを含む。
【0017】
まず、
図1に示すように、プリンター100には、報知部に相当する操作パネル2が設けられる。操作パネル2は、プリンター100の上部右側に設けられたアーム21の先に設けられる。そして、操作パネル2は、プリンター100の状態や各種メッセージや設定用画面を表示する表示部22を備える。表示部22は、液晶表示パネルや有機EL表示パネルであり、タッチパネル式である。又、操作パネル2には、設定や入力用のキー23が複数設けられる。操作パネル2は、使用者による印刷に使用する用紙Pの種類やサイズ等の印刷条件などの設定を受け付ける。又、操作パネル2は、プリンター100の状態や発生したエラーを表示し、使用者に対する報知を行う。
【0018】
図1に示すように、プリンター100の内部下方には、給紙部3aが配される。給紙部3aは、複数のカセット31を含む。
図1では、上方のものに31a、下方のものに31bと符号を付す。各カセット31は、コピー用紙P、OHPシート、ラベル用紙P等の各種用紙Pを複数枚収容する。各カセット31に対して、モーター、ギアのような駆動機構(不図示)により回転する給紙ローラー32が設けられる。
図1では、上方のものに32a、下方のものに32bと符号を付す。給紙ローラー32は、回転して第1搬送部3bに用紙Pを送り出す。
【0019】
そして、第1搬送部3bは、プリンター100内で用紙Pを搬送する。第1搬送部3bは、プリンター100の本体右側面に沿って略垂直に用紙Pを搬送する。第1搬送部3bは、給紙部3aから供給された用紙Pを画像形成部4まで導く。第1搬送部3bには、レジストローラー対35が設けられる。レジストローラー対35は、搬送ローラー対33、34により搬送されてくる用紙Pを画像形成部4の手前で待機させ、トナー像の形成にタイミングをあわせて用紙Pを画像形成部4に向けて送り出す。
【0020】
画像形成部4は、形成すべき画像の画像データに基づき、トナー像を形成し、用紙Pに転写するためのものである。具体的に、画像形成部4は、感光体ドラム41と、感光体ドラム41の周囲に配された帯電部42、露光部43、現像部44、転写ローラー45、クリーニング部46を含む。
【0021】
感光体ドラム41は、周面にトナー像を担持可能であり、所定のプロセススピードで回転駆動する。帯電部42は、感光体ドラム41を一定の電位で帯電させる。露光部43は、入力される画像信号(画像データ)に基づき、一点鎖線で図示するレーザビームを出力し、帯電された感光体ドラム41の走査露光を行う。これにより、感光体ドラム41の表面に静電潜像が形成される。露光部43は、主制御部5の画像処理部53(
図2参照)を経由して画像処理が施された後の画像データを受け、画像データに基づいて感光体ドラム41にレーザ光を照射して走査、露光を行う。
【0022】
現像部44は、感光体ドラム41にトナーを供給し、感光体ドラム41の周面上に形成された静電潜像を現像する。クリーニング部46は、感光体ドラム41の清掃を行う。転写ローラー45は、感光体ドラム41に圧接する。そして、レジストローラー対35は、形成されたトナー像が用紙Pの所定の位置に転写されるように、感光体ドラム41と転写ローラー45のニップに用紙Pを送り込む。そして、所定の転写用の電圧が転写ローラー45に印加される。これにより、トナー像は、用紙Pに転写される。
【0023】
定着部1は、画像形成部4よりも用紙Pの搬送方向の下流側に配される。定着部1は、用紙Pに転写されたトナー像を加熱・加圧して用紙Pに定着させる。そして、定着部1は、加熱回転体に相当する加熱ローラー11と、加圧回転体に相当する加圧ローラー12を含む。加熱ローラー11は誘導加熱される。加圧ローラー12は加熱ローラー11に圧接される。又、定着部1は温度検知体に相当する温度センサー15を含む。そして、トナー像の転写された用紙Pは、加熱ローラー11と加圧ローラー12との間の定着ニップFを通過する際に加熱・加圧される。その結果、トナー像が用紙Pに定着する。尚、定着後の用紙Pは、定着部1の上方に設けられた第2搬送部3cに向かう。
【0024】
定着部1から排出された用紙Pは、分岐部36からプリンター100の左側面に向かって略水平に延びる第2搬送部3cを通して搬送される。そして、トナー像が定着済みの用紙Pは、排出ローラー対37によって、プリンター100の左側面上部外側に設けられた排出トレイ38に排出される。尚、両面印刷を行う場合、定着部1から排出された用紙Pは、分岐部36から排出トレイ38方向に一旦送り出された後、プリンター100の右側面方向に向かってその搬送方向がスイッチバックされる。そして、用紙Pは、分岐部36を通過し、両面搬送部3dを通して下方に送られ、第1搬送部3bを経てレジストローラー対35の上流側に再度送られる。
【0025】
(プリンター100のハードウェア構成)
次に、
図2に基づき、実施形態に係るプリンター100のハードウェア構成を説明する。
図2は、プリンター100のハードウェア構成を示す図である。
【0026】
図2に示すように、本実施形態に係るプリンター100は、内部に主制御部5を含む。主制御部5は、装置の各部を制御する。例えば、主制御部5は、CPU51や、画像処理部53や、その他の電子回路や素子を含む。
【0027】
又、主制御部5は、記憶部52と接続される。CPU51は、中央演算処理装置であり、記憶部52に格納され、展開される制御プログラムに基づきプリンター100の各部の制御や演算を行う。記憶部52は、ROM、フラッシュROM、HDDのような不揮発性と、RAMのような揮発性の記憶装置の組み合わせで構成される。記憶部52は、プリンター100の制御プログラムのほか、制御データ等、各種データを記憶する。
【0028】
そして、主制御部5は、画像形成、印刷を行う給紙部3a、第1搬送部3b、画像形成部4、定着部1、第2搬送部3c、両面搬送部3dと通信可能に接続される。主制御部5は、記憶部52に記憶されている制御プログラムやデータに基づき適切に画像形成が行われるように給紙部3a、第1搬送部3b、画像形成部4、定着部1等に指示を与える。
【0029】
又、主制御部5には、通信部54が接続される。通信部54は、パーソナルコンピューターやサーバーのようなコンピューター200と通信を行うためのインターフェイスである。通信部54は、コンピューター200とネットワークやケーブルを介して通信を行う。通信部54は、コンピューター200から画像データや印刷設定に関する印刷用データを受信する。主制御部5は印刷用データに基づき、画像処理部53に画像データを処理させ、画像処理後の画像データに基づき、画像形成部4等を用いて印刷を行わせる。
【0030】
又、主制御部5は、操作パネル2と通信可能に接続される。そして、主制御部5は、操作パネル2の表示を制御する。又、主制御部5は、操作パネル2でなされた設定内容を認識する。
【0031】
(定着部1の構成)
次に、
図3を用いて、実施形態に係る定着部1を説明する。
図3は、定着部1を正面からみた図である。
【0032】
図3に示すように、本実施形態の定着部1は、加熱ローラー11、加圧ローラー12、付勢部材13、励磁コイル14、温度センサー15を含む。尚、加熱ローラー11と加圧ローラー12は、それぞれの軸線方向が平行となるように、回転可能に支持される。
【0033】
加熱ローラー11は、
図3の紙面奥行き方向(用紙搬送方向と垂直な方向、用紙幅方向)を軸線方向とする。そして、加熱ローラー11は、励磁コイル14によって誘導加熱される。加熱ローラー11は、金属製の筒状の管の表面に、励磁コイル14からの磁束による誘導加熱作用によって発熱するニッケルのような金属の加熱ベルト11aを巻き付けたものである。尚、加熱ローラー11の管内部は、蓄熱性の材料で埋められていてもよい。尚、加熱ローラー11は上記の構成に限られず、誘導加熱されるものであればよい。
【0034】
そして、加熱ローラー11に対向して、加圧ローラー12が設けられる。加圧ローラー12の周面は弾性を有する。加圧ローラー12の周面の材料は、例えば、シリコンゴムである。そして、加圧ローラー12は、加熱ローラー11と圧接される。付勢部材13は、バネのような加圧ローラー12を加熱ローラー11に押しつける方向に付勢する部材である。この加熱ローラー11と加圧ローラー12の圧接により、定着のための定着ニップFが形成される。
【0035】
定着部1に設けられる定着モーター16(
図4参照)の駆動力が、加圧ローラー12に伝達される。これにより、加圧ローラー12が回転する。加圧ローラー12が回転すると、加圧ローラー12が当接している加熱ローラー11も従動して回転する。そして、加熱ローラー11と加圧ローラー12を回転させて定着ニップFに用紙Pを通過させる。これにより、トナー像が、加熱、加圧され、トナー像は用紙Pに定着する。尚、
図3では用紙搬送方向を破線で図示している。
【0036】
次に、励磁コイル14を説明する。
図3に示すように、加圧ローラー12が設けられる側と反対側に、加熱ローラー11に対向して、励磁コイル14が設けられる。そして、
図3に示すように、励磁コイル14は、加熱ローラー11を周方向から見てハ字状になるように、加熱ローラー11の軸線方向に沿って電線14Wをかけ回したものである。
【0037】
励磁コイル14は、1本の電線14Wを複数回巻いたものである。電線14Wは、表面が絶縁体で被覆される。そして、電線14Wの両端を端子として、端子に電圧が印加される。これにより、電流が励磁コイル14に流れ、磁束が発生する。そして、励磁コイル14から発生した磁束は、加熱ローラー11の加熱ベルト11aに鎖交する。これにより、加熱ベルト11aは、渦電流によるジュール熱により温められる。この誘導加熱により、定着部1の急速加熱が可能である。
【0038】
そして、励磁コイル14の磁束により発熱する位置をずらし、満遍なく加熱ローラー11を温めるため、加熱ローラー11は回転する。又、加熱ローラー11の回転により、熱が加圧ローラー12にも伝導する。これにより、加圧ローラー12も温められる。尚、印刷開始時や印刷中に加熱ローラー11は誘導加熱される。一方、印刷ジョブと印刷ジョブの間や、省電力モードなどの画像形成を行っていない状態では、加熱ローラー11は誘導加熱されない。尚、電源投入時や省電力モードからの復帰時のウォームアップ処理のとき、加熱ローラー11は誘導加熱されてもよい。
【0039】
又、励磁コイル14の内部には、3つのフェライトコア14Cが設けられる。
図3に示すように、フェライトコア14Cは、加熱ローラー11の周面に沿うように、軸線方向からみて励磁コイル14の巻き線の中央と両端位置に設けられる。フェライトコア14Cは、励磁コイル14から生ずる磁束の拡散を防ぎ、効率よく磁束を加熱ベルト11aに鎖交させるためのものである。
【0040】
又、本実施形態の定着部1に、温度センサー15が設けられる。温度センサー15は、用紙Pの定着ニップFへの進入部分近傍に加熱ローラー11に接するように設けられる。言い換えると、温度センサー15は接触式である。そして、温度センサー15は、サーミスタを含み、加熱ローラー11(加熱ベルト11a)の温度によって、出力電圧が異なる。尚、加熱ローラー11の軸線方向の複数の位置の温度を検知するため、温度センサー15は、複数設けられてもよい。
【0041】
(定着部1のハードウェア構成)
次に、
図4を用いて、実施形態に係る定着部1と誘導加熱に関する部分のハードウェア構成を説明する。
図4は、定着部1と誘導加熱に関する部分のハードウェア構成を説明する図である。
【0042】
図4示すように、本実施形態の定着部1には、定着部1の加熱に関する制御を行う加熱制御部6が設けられる。加熱制御部6は、主制御部5から受ける目標電力指示S1を受けて加熱制御を行う。加熱制御部6は、CPU61や加熱の制御に関するデータやプログラムを記憶したメモリー62を含む。加熱制御部6内のCPU61が駆動回路部71を制御して誘導加熱による加熱ローラー11の温度制御を行う(詳細は後述)。
【0043】
尚、定着部1には、加熱ローラー11や加圧ローラー12を回転駆動させる定着モーター16が設けられる。加熱ローラー11を誘導加熱するときなど、主制御部5は、定着モーター16を回転させる。
【0044】
図4に示すように、定着部1内では、励磁コイル14が設けられる。尚、励磁コイル14にはコンデンサ(不図示)が接続され、共振回路が構成される。そして、この励磁コイル14に電力供給を行う電源部7が設けられる。加熱制御部6は電源部7から励磁コイル14に供給される電力を制御する。
【0045】
ここで、
図4を用いて、励磁コイル14への電力供給を説明する。まず、プリンター100(定着部1)の電源部7には、商用電源が接続される。言い換えると、商用電源から交流電力が電源部7に入力される。そして、電源部7には、励磁コイル14への電力供給のON/OFFを行う駆動回路部71が設けられる。駆動回路部71は、励磁コイル14への電力の供給のON/OFFを行うためのスイッチング素子72を含む。
【0046】
商用電源から供給された交流電力を変換せずに励磁コイル14に入力する場合、加熱制御部6は交流電圧波形の1周期中にスイッチング素子72をONするタイミング(位相)を調整することにより、励磁コイル14に供給する電力の大きさを制御する。
【0047】
又、駆動回路部71は商用電源から供給された交流電力の周波数を変換し、一定電圧を出力するインバーターでもよい。周波数が高いほど励磁コイル14に電流は流れにくくなり、励磁コイル14とコンデンサーからなる共振回路の共振周波数に近づくほど励磁コイル14に大きな電流が流れる。そこで、駆動回路部71にインバーターを用いる場合、加熱制御部6は生成すべき励磁コイル14への印加電圧の周波数を駆動回路部71に指示して励磁コイル14に供給する電力の大きさを制御する。
【0048】
又、駆動回路部71は、商用電源を整流、平滑して一定電圧を生成するコンバーターと、励磁コイル14へのコンバーターの出力の印加のON/OFFのスイッチングを行うスイッチング素子72で構成してもよい。この場合、加熱制御部6はスイッチング素子72のスイッチング周波数を制御して励磁コイル14に供給する電力の大きさを制御する。
【0049】
このように、加熱制御部6は、駆動回路部71を制御して、励磁コイル14への電力供給のON/OFFや、励磁コイル14に投入する電力を制御できる。
【0050】
そして、
図4に示すように、本実施形態の定着部1には、温度センサー15が設けられる。温度センサー15の出力(電圧)は、主制御部5に入力される。そして、主制御部5は、記憶部52に記憶された温度センサー15の出力電圧に対応する温度のデータである温度検知用データD1を参照する。これにより、主制御部5は、加熱ローラー11の温度を認識する。主制御部5は加熱ローラー11の温度認識を予め定められた周期で行う。予め定められた周期は、百数十m秒〜数百m秒程度である。
【0051】
又、主制御部5は、認識した温度に応じて、加熱制御部6に励磁コイル14の目標出力、言い換えると、励磁コイル14に投入すべき目標電力を示すデータ(目標電力指示S1)を送信する。主制御部5は、百数十ミリ秒〜数百m秒程度の周期で、加熱制御部6に向けて、目標電力を示すデータの送信を行う。
【0052】
主制御部5は、加熱ローラー11の温度が低ければ低いほど、大きな目標電力を示す目標電力指示S1を加熱制御部6に与える。又、加熱ローラー11の温度が高く、定着制御温度に近ければ近いほど、主制御部5は、小さな目標電力を示す目標電力指示S1を加熱制御部6に与える。一方、加熱ローラー11の温度が定着制御温度を越えていれば、主制御部5は、目標電力を0とする目標電力指示S1を加熱制御部6に与える。従って、主制御部5は、励磁コイルに投入できる最大電力から0Wの範囲の何れかの値を示す目標電力指示S1を加熱制御部6に与える。尚、本実施形態の定着部1では、定着制御温度は170°C程度である。加熱ローラー11の温度に対する目標電力を示すデータは予め記憶部52に電力指示用データD2として記憶される。主制御部5は、電力指示用データD2を参照して、認識した温度に基づき、目標電力を定める。
【0053】
(加熱制御部6による加熱の基本的な流れ)
次に、
図4、
図5を用いて、加熱ローラー11の誘導加熱の基本的な流れを説明する。
図5は加熱制御部6による加熱の基本的な流れを示すフローチャートである。
【0054】
図5のスタートは、加熱ローラー11の温度を定着制御温度とし、定着制御温度で維持するため、加熱制御部6が主制御部5から励磁コイル14への電力供給を行う旨の指示を受け、目標電力指示S1を受けた時点である。印刷のために加熱ローラー11を定着制御温度にまで熱して維持するとき、主制御部5は加熱ローラー11の誘導加熱を開始する指示や目標電力指示S1を加熱制御部6に与える。
【0055】
加熱制御部6は、主制御部5から指示された目標電力(消費電力)となるように、電源部7(駆動回路部71)を制御して、励磁コイル14に電力の供給を行う(ステップ♯11)。尚、加熱ローラー11の温度が定着制御温度を超えているなどの理由により、加熱制御部6は目標電力ゼロの指示を受けると、一時的に励磁コイル14への電力供給を停止させる。
【0056】
そして、
図4に示すように、定着部1には、励磁コイル14に供給される電力に関し、電圧検知センサー63と電流検知センサー64が設けられる。電圧検知センサー63と電流検知センサー64の出力は、加熱制御部6に入力される。加熱制御部6は、電圧検知センサー63と電流検知センサー64の出力に基づき、励磁コイル14に供給される電力の大きさを認識する(ステップ♯12)。
【0057】
加熱制御部6のメモリー62は、電圧検知センサー63と電流検知センサー64の出力に対応して、励磁コイル14への入力電圧値や入力電流値や入力電力を示すデータを記憶する。加熱制御部6は、電圧検知センサー63と電流検知センサー64の出力とこのデータを参照して、入力電力の大きさを認識する。
【0058】
続いて、加熱制御部6は、フィードバック制御を行って、励磁コイル14の消費電力が目標電力と一致するように、駆動回路部71に励磁コイル14に供給する電力を調整させる(ステップ♯13)。言い換えると、加熱制御部6は、目標電力と、認識した励磁コイル14の消費電力に差分を埋めるように駆動回路部71を制御して、励磁コイル14に供給される電力を調整する。これにより、誤差等により励磁コイル14の消費電力が目標電力からずれても、励磁コイル14に供給される電力が調整される。
【0059】
加熱制御部6は、励磁コイル14の消費電力が目標電力よりも小さければ、駆動回路部71を制御して励磁コイル14に供給する電力を増やす。一方、加熱制御部6は、励磁コイル14の消費電力が目標電力よりも大きければ、駆動回路部71を制御して励磁コイル14に供給する電力を減らす。メモリー62は、目標電力と認識した励磁コイル14の消費電力との差分の大きさに応じ、どのように駆動回路部71を制御するかを示すデータを記憶する。そして、加熱制御部6は、メモリー62に記憶されるデータに基づき、目標電力と認識した励磁コイル14の消費電力との差分の大きさに応じて、駆動回路部71を制御する。このように、加熱制御部6は、目標電力と認識した励磁コイル14に供給される電力が一致するように、駆動回路部71を制御する。
【0060】
又、加熱制御部6は、電圧検知センサー63と電流検知センサー64の出力に基づき、励磁コイル14に供給される電力に異常があるか否かを検知する(ステップ♯14)。言い換えると、加熱制御部6は励磁コイル14に供給される電圧や電流が予め定められた供給条件から外れているか否かを検知する。尚、励磁コイル14に供給される電力の異常は、プリンター100と同じコンセントに接続された機器の消費電力増大や、一時的なノイズや、タコ足配線などのような様々な要因により生じ得る。
【0061】
励磁コイル14に印加される電圧が予め定められた供給条件外のとき、加熱制御部6は電力異常と判断する。駆動回路部71が励磁コイル14に印加する電圧の大きさの定格が仕様上決まっているとする。そして、加熱制御部6は、仕様上の定格の電圧値に対し、電圧値が動作を保証できる電圧値の範囲として予め定められた電圧値範囲から外れた大きさとなると電力異常と判断する。言い換えると、加熱制御部6は、電源部7が励磁コイル14に印加する電圧の大きさを検知し、電圧値が予め定められた電圧値範囲に無いとき、電力異常と検知する。本実施形態のプリンター100では、加熱制御部6は電圧値が仕様上の定格の電圧の大きさに対し±10〜15%の範囲から外れると、電力異常と判断する。
【0062】
又、予め定められた供給条件は電流に対して定められてもよい。目標電力を励磁コイル14に供給するときの理想的な電流の大きさに対し、一定範囲外の電流が流れたとき、加熱制御部6は電流値の異常による電力異常と判断する。
【0063】
もし、電力異常があれば(ステップ♯14のYes)、励磁コイル14への電力供給を続けることは好ましくないので、加熱制御部6は、自発的に励磁コイル14への電力供給を停止させる(ステップ♯15)。言い換えると、加熱制御部6は励磁コイル14による誘導加熱を停止させる。
【0064】
更に、加熱制御部6は、電力異常に基づき、励磁コイル14への電力供給を停止した旨の停止通知S2を主制御部5に通知する(ステップ♯16)。これにより、主制御部5は電圧や電流の異常により、加熱制御部6が励磁コイル14への電力供給を停止させていることを認識できる。又、主制御部5は停止通知S2のあったこと、及び、停止通知S2を受けた時間を記憶部52に記憶させ、停止通知履歴D3として残す。
【0065】
続いて、加熱制御部6は、励磁コイル14に印加する電圧の異常が回復して、電力異常が回復したか否かを確認する(ステップ♯17)。加熱制御部6は、電圧が予め定められた供給条件の範囲内になり、電力異常が回復するまで確認を続ける(ステップ♯17のNo→ステップ♯17)。
【0066】
一方、電力異常が回復したとき(ステップ♯17のYes)、加熱制御部6は、励磁コイル14への目標電力指示S1に基づく電力供給を再開する(ステップ♯18)。又、加熱制御部6は電力異常が回復し、励磁コイル14への電力供給を再開した旨の再開通知S3を主制御部5に通知する(ステップ♯19)。言い換えると、加熱制御部6は、電力異常が回復したことを認識すると励磁コイル14への電力供給を再開するとともに、再開通知S3を主制御部5に通知する。これにより、主制御部5は電圧や電流の異常が正常の範囲に回復し、加熱制御部6が励磁コイル14への電力供給を再開したことを認識できる。又、主制御部5は再開通知S3のあったこと、及び、再開通知S3を受けた時間を記憶部52に記憶させ、再開通知履歴D4として残す。
【0067】
そして、電力異常が無いとき(ステップ♯14のNo)や、ステップ♯19の後、加熱制御部6は、主制御部5から誘導加熱停止の指示を受けたか否かを確認する(ステップ♯110)。印刷完了などのような場合、主制御部5は加熱制御部6に対して誘導加熱停止の指示を与える。言い換えると、加熱ローラー11を定着制御温度で温める必要がなくなると、主制御部5は励磁コイル14への電力供給停止の指示を加熱制御部6に与える。
【0068】
加熱制御部6が主制御部5から誘導加熱停止の指示を受けたとき(ステップ♯110のYes)、加熱制御部6は励磁コイル14への電力供給を停止する(ステップ♯111→エンド)。そして、印刷ジョブを開始するときのような場合、再び本フローが開始される。尚、本説明では、印刷完了にともない、誘導加熱を停止する例を説明するが、通常モードにあるとき(省電力モード移行前)、主制御部5は加熱制御部6に励磁コイル14への電力供給を断続的に行わせ、加熱ローラー11の温度を定着制御温度で維持するようにしてもよい。
【0069】
一方、加熱制御部6が主制御部5から誘導加熱停止の指示を受けていないとき(ステップ♯110のNo)、加熱制御部6は、主制御部5から新たな目標電力指示S1を受ける(ステップ♯112)。そして、フローはステップ♯11に戻る。
【0070】
(温度異常の検知と報知)
次に、
図6を用いて、本実施形態のプリンター100での主制御部5による温度異常の検知と、異常の報知を説明する。
図6は、温度異常の検知と、異常の報知の流れを示すフローチャートである。
【0071】
本実施形態の主制御部5は温度センサー15の出力に基づき、加熱ローラー11の温度を認識する。そして、主制御部5は目標電力指示S1を加熱制御部6に与えているのに、加熱ローラー11の温度が予め定められた温度帯から外れていたり、加熱ローラー11の温度が高すぎたり、低すぎたりすると、加熱ローラー11の温度異常と検知する。そこで、
図6を用いて、温度異常の検知と、異常の報知の流れを説明する。
【0072】
まず、
図6のスタートは、印刷の開始時などに、主制御部5が加熱ローラー11の温度を定着制御温度に到達させるため、励磁コイル14への電力供給を開始する時点である。
【0073】
尚、本フロー中、主制御部5は
図5を用いて説明したように、加熱制御部6から主制御部5に対し、励磁コイル14への電力供給の状況に応じて停止通知S2や再開通知S3がなされ、主制御部5はこれらの通知を受信する。
【0074】
加熱ローラー11の温度を定着制御温度にまで誘導加熱するとき、まず、主制御部5は、温度センサー15の出力に基づき、加熱ローラー11の温度を認識する(ステップ♯21)。そして、主制御部5は認識した温度に基づき、加熱ローラー11を定着制御温度にまで誘導加熱するのに必要な電力を求める(ステップ♯22)。そして、主制御部5は求めた電力に基づき目標電力を加熱制御部6に指示し、加熱ローラー11を定着制御温度にまで誘導加熱させる(ステップ♯23)。主制御部5は、認識した温度が定着制御温度よりも一定温度以上低ければ、励磁コイル14に投入できる最大電力を示す目標電力指示S1を加熱制御部6に与える。又、主制御部5は、認識した温度が定着制御温度よりも一定温度以上であり、定着制御温度未満であれば、励磁コイル14に投入できる最大電力以下であるが、温度が低いほど大きい電力を示す目標電力指示S1を加熱制御部6に与える。
【0075】
加熱ローラー11の温度が室温程度まで冷えている状態から定着制御温度にまで加熱ローラー11を誘導加熱する場合、加熱ローラー11を定着制御温度にまで温めるのに要する電力は、大きくなる。一方、プリンター100がリセットされた場合など、ある程度、加熱ローラー11が暖まっている場合には、加熱ローラー11を定着制御温度にまで温めるのに要する電力は、小さくなる
【0076】
そして、主制御部5は温度センサー15の出力に基づき、定着制御温度を維持するように誘導加熱された加熱ローラー11に、温度異常が生じているか否かを確認する(ステップ♯24)。本実施形態のプリンター100では、定着制御温度を170°Cとして、フィードバック制御を行いつつ温度維持制御を行うと、加熱ローラー11の温度は実質的に、160〜180°C程度の範囲で維持される。
【0077】
そこで、加熱ローラー11の温度を定着制御温度で維持しようとしているとき、主制御部5は加熱ローラー11の温度が室温〜100°C程度の範囲(異常温度範囲)になると、温度異常と認識する。言い換えると、定着制御温度での温度維持中、主制御部5は加熱ローラー11の温度が異常温度範囲になると温度異常と認識する。尚、定着制御温度よりも高温側についても、異常温度範囲が設定されてもよい。例えば、250°C以上を異常温度範囲と設定することができるが、プリンター100に用いる部材との兼ね合いにより適宜決定すればよい。
【0078】
もし、温度異常が発生していなければ(ステップ♯24のNo)、主制御部5は加熱ローラー11の温度認識と目標電力指示S1を行って、加熱ローラー11の温度を定着制御温度で維持する(ステップ♯25)。
【0079】
そして、主制御部5は加熱ローラー11の温度を定着制御温度で維持する温度維持制御を終了すべきか否かを確認する(ステップ♯26)。本実施形態のプリンター100では、主制御部5は、印刷が完了したとき温度維持制御を終了すると判断する。温度維持制御を終了すべきであれば、本フローは終了する。一方、まだ印刷が継続されるなどのように、温度維持制御を継続すべきであれば、フローはステップ♯24に戻る。
【0080】
一方、温度維持制御を行っているのに加熱ローラー11の温度が100°C以下になった場合などのように、温度異常が生ずれば(ステップ♯24のYes)、主制御部5は画像形成部4や定着部1や第2搬送部3cや第1搬送部3bや給紙部3aによる印刷を停止させる(ステップ♯27)。
【0081】
更に、主制御部5は加熱制御部6との通信履歴に基づき、温度異常が誘導加熱の停止に基づくか否かを判断する(ステップ♯28)。言い換えると、主制御部5は加熱制御部6から受けた停止通知S2の通信履歴である停止通知履歴D3と再開通知S3の通信履歴である再開通知履歴D4を参照し、温度異常が励磁コイル14に供給する電力の異常に基づくものか否かを判断する。このように、本実施形態のプリンター100では、主制御部5は、励磁コイル14への電力供給が一時的に停止し、加熱制御部6から停止通知S2を受けても、温度異常を認識するまで画像形成部4や定着部1には、印刷動作を継続させる。
【0082】
プリンター100に入力される電力の異常や、電源部7の回路における異常により、加熱制御部6の判断により励磁コイル14への電力供給が停止されていれば、加熱ローラー11の温度は次第に低下してゆく。そこで、主制御部5は電源系統の異常により加熱ローラー11の温度低下が生じたか否かを判断する。
【0083】
具体的には、主制御部5は、誘導加熱の開始から単位時間あたりの停止通知S2の回数が予め定められた回数を超えていることや、誘導加熱を開始してからの間、加熱制御部6から停止通知S2を受けてから
再開通知S3を受けるまでの時間が予め定められた時間を超えていることに基づき、温度異常が誘導加熱停止に基づくと判断する。単位時間あたりの停止通知S2の回数や、予め定められた時間は誘導加熱停止時の加熱ローラー11の温度低下の程度を勘案して適宜定めることができる。
【0084】
一方、主制御部5は、再開通知S3から停止通知S2を受けること無く予め定められた猶予時間が経過してから温度異常を認識したとき、温度異常が誘導加熱停止に基づかないと判断する。これは、励磁コイル14への電力供給再開されてからの時間が経過しているので、温度異常は励磁コイル14に電力を供給する回路や系統の異常を要因としないと認められるからである。尚、予め定められた猶予時間も、誘導加熱停止時の加熱ローラー11の温度低下の程度を勘案して適宜定めることができる。
【0085】
もし、主制御部5は温度異常が誘導加熱の停止に基づくと判断したとき(ステップ♯29のYes)、操作パネル2に電源異常が発生している旨を報知させる(ステップ♯210)。
【0086】
一方、主制御部5は温度異常が誘導加熱の停止に基づくものではないと判断したとき(ステップ♯29のNo)、励磁コイル14への電力供給に異常はなく、定着部1の温度センサー15などの異常と考えられる。そこで、温度異常が誘導加熱の停止に基づくものではないと判断したとき、主制御部5は、操作パネル2に定着部1の異常を報知させる(ステップ♯211)。
【0087】
このようにして、本実施形態の画像形成装置(プリンター100)は、トナー像を形成し、用紙Pに転写する画像形成部4と、加熱回転体(加熱ローラー11)と、加熱回転体に圧接して定着ニップFを形成する加圧回転体(加圧ローラー12)と、加熱回転体を誘導加熱するための励磁コイル14と、加熱回転体の温度を検知するための温度検知体(温度センサー15)を含み、定着ニップFにトナー像が転写された用紙Pを通過させてトナー像を用紙Pに定着させる定着部1と、温度検知体の出力に基づき加熱回転体の温度を認識し、加熱回転体の温度を定着に適した温度である定着制御温度で維持するとき、予め定められた温度異常範囲となる温度異常を認識すると画像形成部4と定着部1による印刷動作を停止させる主制御部5と、主制御部5が温度異常を認識したときに異常報知を行う報知部(操作パネル2)と、励磁コイル14に電力を供給する電源部7と、電源部7から励磁コイル14への電力供給を制御するとともに、励磁コイル14への供給電力を検知し、予め定められた供給条件から外れると励磁コイル14への供給電力の異常である電力異常を検知する加熱制御部6と、を含み、加熱制御部6は、励磁コイル14への電力供給制御を行っている状態で電力異常を検知したとき、電力供給を停止して誘導加熱を停止し、電力異常により誘導加熱停止を行った旨の停止通知S2を主制御部5に通知し、主制御部5は、加熱制御部6からの停止通知S2の履歴に基づき、温度異常が誘導加熱停止に基づくか否かを判断し、誘導加熱停止に基づくと判断したとき、報知部(操作パネル2)に電源異常を報知させ、誘導加熱停止に基づかないと判断したとき、報知部に定着部1の異常を報知させる。
【0088】
これにより、温度異常が生じた原因が区別されたうえで報知がなされる。従って、使用者やサービスマンは、異常の原因の判別を容易に行うことができる。そのため、電源系統に異常があるのに定着部1の交換を行うことや、温度検知体(温度センサー15)や励磁コイル14といった定着部1の部材に異常があるのに電源系統の点検を行うような無駄な作業を無くすことができる。
【0089】
又、加熱制御部6は、電力異常が回復したことを認識すると励磁コイル14への電力供給を再開するとともに、励磁コイル14への電力供給を再開した旨の再開通知S3を主制御部5に通知する。これにより、励磁コイル14に供給する電圧、電流の異常が解消されたことを主制御部5は、認識することができる。従って、電圧、電流の異常が解消されてから温度異常を認識しても、温度異常は、励磁コイル14に供給する電圧、電流の異常に基づかないと判別することができる。
【0090】
又、主制御部5は、単位時間あたりの停止通知S2の回数が予め定められた回数を超えていることと、加熱制御部6から停止通知S2を受けてから
再開通知S3を受けるまでの時間が予め定められた時間を超えていることの何れか一方、又は、両方に該当しているとき、温度異常が誘導加熱停止に基づくと判断する。これにより、励磁コイル14に電力を供給する電源系統に異常がある可能性が高い場合、電源の異常が報知される。従って、正確に温度異常が生じた原因を報知することができる。
【0091】
又、主制御部5は、再開通知S3から停止通知S2を受けること無く予め定められた猶予時間が経過してから温度異常を認識したとき、報知部(操作パネル2)に定着部1の異常を報知させる。これにより、一時的な電圧、電流に異常から回復し、励磁コイル14に正常な電力が供給されている場合、電源系統に異常があるという判断はなされない。従って、正確に温度異常の原因を判別することができる。
【0092】
又、主制御部5は、加熱制御部6から停止通知S2を受けても、温度異常を認識するまで画像形成部4と定着部1には、印刷動作を継続させる。これにより、励磁コイル14に印加する電圧や電流に異常があっても、印刷は、直ちに停止されない。従って、一時的な電圧ドロップやノイズにより、電圧や電流に異常が生じても、印刷は継続される。そのため、一時的な電圧や電流の異常が生ずるごとに、使用者は、印刷のやり直しをしなくて済む。
【0093】
又、主制御部5は、認識した温度に基づき、定着制御温度の維持に必要な電力を求め、求めた電力に基づき励磁コイル14に供給すべき電力を加熱制御部6に指示し、加熱制御部6は、主制御部5からの指示に基づき、電源部7から励磁コイル14に供給される電力を制御する。これにより、加熱制御部6が行うべき処理が少なくなり、緻密に、迅速に電源部7から励磁コイル14に供給される電力を制御することができる。
【0094】
又、加熱制御部6は、電源部7が励磁コイル14に印加する電圧の大きさを検知し、電圧の大きさが予め定められた電圧値範囲内に無いとき、電力異常と検知する。これにより、定着を行う上で性能的に保証できないような電圧値のとき、電力異常として励磁コイル14による加熱を停止させることができる。
【0095】
以上、本発明の実施形態につき説明したが、本発明の範囲は、これに限定されるものでは、なく、発明の主旨を逸脱しない範囲で種々の変更を加えて実施することができる。