特許第5758051号(P5758051)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5758051車両の電力蓄積デバイスを物理的に保障する装置、方法、および物品
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5758051
(24)【登録日】2015年6月12日
(45)【発行日】2015年8月5日
(54)【発明の名称】車両の電力蓄積デバイスを物理的に保障する装置、方法、および物品
(51)【国際特許分類】
   H02J 7/00 20060101AFI20150716BHJP
   B60L 11/18 20060101ALI20150716BHJP
   H01M 2/10 20060101ALI20150716BHJP
【FI】
   H02J7/00 301A
   H02J7/00 P
   B60L11/18 Z
   H01M2/10 E
【請求項の数】22
【全頁数】35
(21)【出願番号】特願2014-523013(P2014-523013)
(86)(22)【出願日】2012年7月26日
(65)【公表番号】特表2014-533480(P2014-533480A)
(43)【公表日】2014年12月11日
(86)【国際出願番号】US2012048366
(87)【国際公開番号】WO2013016554
(87)【国際公開日】20130131
【審査請求日】2014年11月17日
(31)【優先権主張番号】61/511,900
(32)【優先日】2011年7月26日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】61/511,887
(32)【優先日】2011年7月26日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】61/511,880
(32)【優先日】2011年7月26日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】61/534,772
(32)【優先日】2011年9月14日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】61/534,753
(32)【優先日】2011年9月14日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】61/534,761
(32)【優先日】2011年9月14日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】61/557,170
(32)【優先日】2011年11月8日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】61/581,566
(32)【優先日】2011年12月29日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】61/601,404
(32)【優先日】2012年2月21日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】61/601,949
(32)【優先日】2012年2月22日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】61/601,953
(32)【優先日】2012年2月22日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】61/647,936
(32)【優先日】2012年5月16日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】61/647,941
(32)【優先日】2012年5月16日
(33)【優先権主張国】US
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】514022545
【氏名又は名称】ゴゴロ インク
(74)【代理人】
【識別番号】110001416
【氏名又は名称】特許業務法人 信栄特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】テイラー マシュー ホワイティング
(72)【発明者】
【氏名】ウー イーツォン
(72)【発明者】
【氏名】ルーク ホクサム ホレース
(72)【発明者】
【氏名】ハン フアンシェン
【審査官】 上野 力
(56)【参考文献】
【文献】 特表2010−540907(JP,A)
【文献】 特開2011−131805(JP,A)
【文献】 国際公開第2010/033881(WO,A1)
【文献】 特表2009−512035(JP,A)
【文献】 特開2008−127894(JP,A)
【文献】 特開2011−233470(JP,A)
【文献】 特開2009−219272(JP,A)
【文献】 特開2011−114961(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02J 7/00
B60L 11/18
H01M 2/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両に接続されるポータブル電気エネルギー蓄積デバイスを保安するシステムであって、
少なくとも1つのコントローラと、
前記少なくとも1つのコントローラと結合された少なくとも1つの通信モジュールと、
前記少なくとも1つのコントローラと結合されたロック機構と、
を備えており、
前記少なくとも1つのコントローラは、
前記通信モジュールを介して前記車両の外部にある外部デバイスを認証する情報を受信し、
受信した前記情報に基づいて、前記ロック機構をロック解除するかの判断をする、
ように構成されており、
前記少なくとも1つのコントローラは、前記判断を行なうために、
ャレンジ鍵を生成し、
前記チャレンジ鍵を前記外部デバイスに送信し、
記情報の一部として前記チャレンジ鍵の送信に対する応答を前記外部デバイスから受信し、
秘密鍵またはコードを入力として用いて、前記システムおよび前記外部デバイスにのみ知られている秘密アルゴリズムから出力を生成し、
前記秘密アルゴリズムから生成された前記出力を前記応答と比較する、
ように構成されており、
前記少なくとも1つのコントローラは、前記比較に基づいて、前記ロック機構をロック解除するかの判断をし、前記情報の受信に応じて、前記判断に基づき、前記両からのポータブル電気エネルギー蓄積デバイスの取外しを可能にするために、前記ロック機構をロック解除するように構成されている
ステム。
【請求項2】
記車両に結合されているか、前記ポータブル電気エネルギー蓄積デバイスの一部として統合されている、
請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記外部デバイスは、車両サービスセンタに設置されたデバイスである、
請求項に記載のシステム。
【請求項4】
前記少なくとも1つの通信モジュールは、
無線信号を介して前記認証に係る情報を受信し、
前記情報を前記少なくとも1つのコントローラに通信して前記ロック機構をロック解除することにより、動作可能に車両と接続された状態からの前記ポータブル電気エネルギー蓄積デバイスの取外しを可能にする、
ように構成されている、
請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
車両に接続されるポータブル電気エネルギー蓄積デバイスを保安するシステムであって、
少なくとも1つのコントローラと、
前記少なくとも1つのコントローラと結合された少なくとも1つの通信モジュールと、 前記少なくとも1つのコントローラと結合されたロック機構と
備えており
前記少なくとも1つのコントローラは、
前記通信モジュールを介して前記車両の外部にある外部デバイスを認証する情報を受信し、
受信した前記情報に基づいて、前記ロック機構をロック解除するかの判断をし、
前記情報に基づいて前記外部デバイスが認証された場合、前記両からの前記ポータブル電気エネルギー蓄積デバイスの取外しを可能にするために、前記ロック機構をロック解除する制御信号を前記ロック機構へ信し
前記コントローラが記情受信を継続できないと判断された場合、前記両からの前記ポータブル電気エネルギー蓄積デバイスの取外しを不能にするために、前記ロック機構をロックするように前記制御信号を前記ロック機構へ送信する、
ように構成されている
ステム。
【請求項6】
前記少なくとも1つのコントローラは、無線信号を介して前記情報を受信するように構成されている、
求項5に記載のシステム。
【請求項7】
前記無線信号は、前記外部デバイス認証するローリングコードを含んでいる
請求項6に記載のシステム。
【請求項8】
前記少なくとも1つのコントローラに結合されており、前記ロック機構に電力を供給するように前記ポータブル電気エネルギー蓄積デバイスおよび前記ロック機構に結合されるように構成された電力インタフェースをさらに備えている、
請求項5に記載のシステム。
【請求項9】
前記ポータブル電気エネルギー蓄積デバイスが前記ロック機構の動作に十分な電力を供給できない場合、前記電力インタフェースは、前記ロック機構に電力を供給するように前記ポータブル電気エネルギー蓄積デバイスとは別の補助電源と結合されるように構成されている、
請求項8に記載のシステム。
【請求項10】
車両に接続されるポータブル電気エネルギー蓄積デバイスを保安するシステムを動作させる方法であって、
記システムの一部であるコントローラにより、前記車両の外部にある外部デバイスを認証する情報を受信し、
前記コントローラにより、前記情報に基づいて、前記両からの前記ポータブル電気エネルギー蓄積デバイスの取外しを可能にするために前記システムの一部であるロック機構をロック解除するかについて判断し、
記情報に基づいて前記外部デバイスが認証された場合、前記コントローラにより、前記車両からの前記ポータブル電気エネルギー蓄積デバイスの取外しを可能にするために、前記ロック機構をロック解除するように前記ロック機構へ制御信号を送信し、
前記コントローラが記情受信を継続できないと判断された場合、前記コントローラにより、前記車両からの前記ポータブル電気エネルギー蓄積デバイスの取外しを不能にするために、前記ロック機構をロックするように前記ロック機構へ制御信号を送信する、
方法。
【請求項11】
記システムは、前記ポータブル電気エネルギー蓄積デバイスの一部として統合されている、
請求項10に記載の方法。
【請求項12】
記システムは、前記車両と結合されている、
請求項10に記載の方法。
【請求項13】
車両に接続されるポータブル電気エネルギー蓄積デバイスを保安するシステムを動作させる方法であって、
記システムの一部であるコントローラにより、車両の外部にある外部デバイスを認証する情報を受信し、
前記コントローラにより、前記情報に基づいて、前記両からの前記ポータブル電気エネルギー蓄積デバイスの取外しを可能にするために前記システムの一部であるロック機構をロック解除するかについて判断し、
前記判断を行なうにあたって、前記コントローラにより、受信した前記情報から得たコードを、前記システムに関連付けられた少なくとも1つのコードと比較し、
記コードが、前記少なくとも1つのコードとマッチする場合、前記コントローラにより、前記車両からの前記ポータブル電気エネルギー蓄積デバイスの取外しを可能にするために、前記ロック機構をロック解除するように前記ロック機構へ制御信号を送信し、
記コードが、前記少なくとも1つのコードとマッチしない場合、前記コントローラにより、前記車両からの前記ポータブル電気エネルギー蓄積デバイスの取外しを不能にするために、前記ロック機構をロックするように前記ロック機構へ制御信号を送信する
方法。
【請求項14】
前記判断を行なうにあたって、
ャレンジ鍵を生成し、
前記チャレンジ鍵を前記外部デバイスに送信し、
記情報の一部として前記チャレンジ鍵の送信に対する応答を前記外部デバイスから受信し、
秘密鍵またはコードを入力として用いて、前記システムおよび前記外部デバイスにのみ知られている秘密アルゴリズムから出力を生成し、
前記秘密アルゴリズムから生成された前記出力を前記応答と比較し、
記ロック機構をロック解除するかの判断は、前記比較に基づいて行なわれる、
請求項10に記載の方法。
【請求項15】
車両に接続されるポータブル電気エネルギー蓄積デバイスであって、
バッテリセルと、
前記バッテリセルと結合された保安システムと、
を備えており、
前記保安システムは、
少なくとも1つのコントローラと、
前記少なくとも1つのコントローラと結合された少なくとも1つの通信モジュールと、
前記少なくとも1つのコントローラと結合されたロック機構と
備えており
前記コントローラは、
前記車両の外部にある外部デバイスを認証する情報を前記通信モジュールを介して受信し、
受信した前記情報に基づいて、前記ロック機構をロック解除するかの判断をし、
前記外部デバイスが前記情報に基づいて認証された場合、前記両からの前記ポータブル電気エネルギー蓄積デバイスの取外しを可能にするために、前記ロック機構をロック解除するように制御信号を前記ロック機構へ信し
前記コントローラが記情受信を継続できないと判断された場合、前記両からの前記ポータブル電気エネルギー蓄積デバイスの取外しを不能にするために、前記ロック機構をロックするように前記ロック機構へ制御信号を送信する、
ように構成されている、
ポータブル電気エネルギー蓄積デバイス。
【請求項16】
前記少なくとも1つのコントローラは、無線信号を介して記情信するように構成されている、
請求項15に記載のポータブル電気エネルギー蓄積デバイス。
【請求項17】
前記ポータブル電気エネルギー蓄積デバイスが前記ロック機構の動作に十分な電力を供給できない場合、前記ロック機構に電力を供給するように、前記少なくとも1つのコントローラおよび前記ポータブル電気エネルギー蓄積デバイスとは別の補助電源と結合されるように構成されている電力インタフェースをさらに備えている、
請求項15に記載のポータブル電気エネルギー蓄積デバイス。
【請求項18】
前記無線信号は、前記外部デバイスを認証するローリングコードを含んでいる、
請求項16に記載のポータブル電気エネルギー蓄積デバイス。
【請求項19】
コンピュータにより実行可能な命令群を記憶したコンピュータにより読み取り可能かつ非一時的な媒体であって、
少なくとも1つのコンピュータプロセッサに前記命令群が実行されることにより、車両に接続されるポータブル電気エネルギー蓄積デバイスを保安するシステムのコントローラに、
前記システムの一部である通信モジュールを介して前記車両の外部にある外部デバイスを認証する情報を受信させ、
前記両からの前記ポータブル電気エネルギー蓄積デバイスの取外しを可能にさせるために、前記情報に基づいて、前記システムの一部であるロック機構のロックを解除するかの判断をさせ、
記情報に基づいて前記外部デバイスが認証された場合、前記車両からの前記ポータブル電気エネルギー蓄積デバイスの取外しを可能にするために、前記ロック機構をロック解除するように前記ロック機構へ制御信号を送信させ、
前記コントローラが前記認証情受信を継続できないと判断された場合、前記車両からの前記ポータブル電気エネルギー蓄積デバイスの取外しを不能にするために、前記ロック機構をロックするように前記ロック機構へ制御信号を送信させる、
媒体。
【請求項20】
車両に接続されるポータブル電気エネルギー蓄積デバイスを保安するシステムであって、
少なくとも1つのコントローラと、
前記少なくとも1つのコントローラと結合された少なくとも1つの通信モジュールと
前記少なくとも1つのコントローラと結合されたロック機構と、
を備えており、
前記少なくとも1つのコントローラは、
前記通信モジュールを介して前記車両の外部にある外部デバイスを認証する情報を受信し、
前記両からの前記ポータブル電気エネルギー蓄積デバイスの取外しを可能にするために、前記情報に基づいて、前記ロック機構をロック解除するかの判断をし、
前記判断にあたっては、受信した前記情報から得たコードを、前記システムに関連付けられた少なくとも1つのコードと比較し、
記コードが、前記少なくとも1つのコードとマッチする場合、前記車両からの前記ポータブル電気エネルギー蓄積デバイスの取外しを可能にするために、前記ロック機構をロック解除するように前記ロック機構へ制御信号を送信し、
記コードが、前記少なくとも1つのコードとマッチしない場合、前記車両からの前記ポータブル電気エネルギー蓄積デバイスの取外しを不能にするために、前記ロック機構をロックするように前記ロック機構へ制御信号を送信する、
ように構成されている
ステム。
【請求項21】
コンピュータにより実行可能な命令群を記憶したコンピュータにより読み取り可能かつ非一時的な媒体であって、
少なくとも1つのコンピュータプロセッサにより前記命令群が実行されることにより、車両に接続されるポータブル電気エネルギー蓄積デバイスを保安するシステムのコントローラに、
前記システムの一部である通信モジュールを介して前記車両の外部にある外部デバイスを認証する情報を受信させ、
記情報に基づいて、前記システムの一部であるロック機構をロック解除するかの判断をさせ、
前記判断をさせるために、前記コントローラに、
ャレンジ鍵を生成させ、
前記チャレンジ鍵を前記外部デバイスに送信させ、
記情報の一部として前記チャレンジ鍵の送信に対する応答を前記外部デバイスから受信させ、
秘密鍵またはコードを入力として用いて、前記システムおよび前記外部デバイスにのみ知られている秘密アルゴリズムから出力を生成させ、
前記秘密アルゴリズムから生成された前記出力を前記応答と比較させ、
前記命令群が実行されることにより、前記コントローラに、前記比較に基づいて、前記ロック機構をロック解除するかの判断を行なわせ、
記情報が受信されると、前記判断に基づいて、前記両からの前記ポータブル電気エネルギー蓄積デバイスの取外しを可能にするために、前記ロック機構をロック解除させる、
媒体。
【請求項22】
コンピュータにより実行可能な命令群を記憶したコンピュータにより読み取り可能かつ非一時的な媒体であって、
少なくとも1つのコンピュータプロセッサにより前記命令群が実行されることにより、車両に接続されるポータブル電気エネルギー蓄積デバイスを保安するシステムのコントローラに、
前記車両の外部にある外部デバイスを認証する情報を受信させ、
前記両からの前記ポータブル電気エネルギー蓄積デバイスの取外しを可能にするために、前記情報に基づいて、前記システムの一部であるロック機構をロック解除するかの判断をさせ、
前記判断にあたっては、受信した前記情報から得たコードを、前記システムに関連付けられた少なくとも1つのコードと比較させ、
記コードが、前記少なくとも1つのコードとマッチする場合、前記車両からの前記ポータブル電気エネルギー蓄積デバイスの取外しを可能にするために、前記ロック機構をロック解除するように前記ロック機構へ制御信号を送信させ、
記コードが、前記少なくとも1つのコードとマッチしない場合、前記車両からの前記ポータブル電気エネルギー蓄積デバイスの取外しを不能にするために、前記ロック機構をロックするように前記ロック機構へ制御信号を送信させる、
媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、発明の名称が「電池などの電力蓄積デバイスを回収し、充電し、分配する装置、方法、および物品」とされ、2011年7月26日に出願された米国仮特許出願61/511,900号(代理人整理番号170178.401P1)の、合衆国法典第35巻第119条e項に基づく出願日の利益を主張する。
本出願は、発明の名称が「電池などの電力蓄積デバイスを回収し、充電し、分配する装置、方法、および物品」とされ、2012年5月16日に出願された米国仮特許出願61/647,936号(代理人整理番号170178.401P2)の、合衆国法典第35巻第119条e項に基づく出願日の利益を主張する。
本出願は、発明の名称が「回収・充電・分配機の間で電池などの電力蓄積デバイスを再分配する装置、方法、および物品」とされ、2011年9月14日に出願された米国仮特許出願61/534,753号(代理人整理番号170178.402P1)の、合衆国法典第35巻第119条e項に基づく出願日の利益を主張する。
本出願は、発明の名称が「電池などの電力蓄積デバイスを認証し、保障し、制御する装置、方法、および物品」とされ、2011年9月14日に出願された米国仮特許出願61/534,761号(代理人整理番号170178.403P1)の、合衆国法典第35巻第119条e項に基づく出願日の利益を主張する。
本出願は、発明の名称が「ユーザプロフィールに基づいて電池などの電力蓄積デバイスを認証し、保障し、制御する装置、方法、および物品」とされ、2011年9月14日に出願された米国仮特許出願61/534,772号(代理人整理番号170178.404P1)の、合衆国法典第35巻第119条e項に基づく出願日の利益を主張する。
本出願は、発明の名称が「電動車両におけるコンポーネントの熱管理」とされ、2011年7月26日に出願された米国仮特許出願61/511,887号(代理人整理番号170178.406P1)の、合衆国法典第35巻第119条e項に基づく出願日の利益を主張する。
本出願は、発明の名称が「電動車両におけるコンポーネントの熱管理」とされ、2012年5月16日に出願された米国仮特許出願61/647,941号(代理人整理番号170178.406P2)の、合衆国法典第35巻第119条e項に基づく出願日の利益を主張する。
本出願は、発明の名称が「ベストエフォートエコノミーのための車両動作の動的制限」とされ、2011年7月26日に出願された米国仮特許出願61/511,880号(代理人整理番号170178.407P1)の、合衆国法典第35巻第119条e項に基づく出願日の利益を主張する。
本出願は、発明の名称が「車両の電力蓄積デバイスを物理的に保障する装置、方法、および物品」とされ、2011年11月8日に出願された米国仮特許出願61/557,170号(代理人整理番号170178.408P1)の、合衆国法典第35巻第119条e項に基づく出願日の利益を主張する。
本出願は、発明の名称が「電力蓄積デバイスコンパートメントのための装置、方法、および物品」とされ、2011年12月29日に出願された米国仮特許出願61/581,666号(代理人整理番号170178.412P1)の、合衆国法典第35巻第119条e項に基づく出願日の利益を主張する。
本出願は、発明の名称が「車両診断データを提供する装置、方法、および物品」とされ、2012年2月21日に出願された米国仮特許出願61/601,404号(代理人整理番号170178.417P1)の、合衆国法典第35巻第119条e項に基づく出願日の利益を主張する。
本出願は、発明の名称が「電力蓄積デバイスの回収・充電・分配機の位置を提供する装置、方法、および物品」とされ、2012年2月22日に出願された米国仮特許出願61/601,949号(代理人整理番号170178.418P1)の、合衆国法典第35巻第119条e項に基づく出願日の利益を主張する。
本出願は、発明の名称が「電力蓄積デバイスの回収・充電・分配機における電力蓄積デバイスの利用可能性に係る情報を提供する装置、方法、および物品」とされ、2012年2月22日に出願された米国仮特許出願61/601,953号(代理人整理番号170178.419P1)の、合衆国法典第35巻第119条e項に基づく出願日の利益を主張する。
【0002】
本開示は、概して電力蓄積デバイスの物理的保障に関する。特に本開示は、車両の電力蓄積デバイスの物理的保障に関する。
【背景技術】
【0003】
ハイブリッドおよび全電気式の車両は、従来の内燃エンジン車両を超える幾つかの利点を達成できる。例えば、ハイブリッドまたは電気自動車は、高い燃費を達成でき、排気管汚染を抑制(全廃すら)できる。特に、全電気式車両は排気管汚染が皆無であるだけでなく、全体的な汚染の低減にも関連しうる。例えば、電力は再生可能な供給源(太陽光、水力など)から発生されうる。また例えば、空気汚染を全く発生させない発電所(原子力発電所など)で電力が発生されうる。また例えば、比較的「燃焼がクリーンな」の燃料(天然ガスなど)を燃焼する発電所で電力が発生されうる。当該燃料は、内燃エンジンよりも高い効率を有するが、汚染管理除去システム(工業用空気集塵器など)を利用する場合がある。当該システムは、大型でコスト高であり、個別車両での使用には高価すぎる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
燃焼エンジンにより動力供給されるスクータやモータバイクなどの個人輸送車両は、多くの場所、例えばアジアの多くの大都市では随所に見られる。このようなスクータやモータバイクは、特に自動車、車、またはトラックと比較して低価格の傾向がみられる。また、非常に多数の燃焼エンジンスクータやモータバイクが見られる都市は、汚染が非常に深刻で高レベルの大気汚染に見舞われる傾向がある。多くの燃焼エンジンスクータやモータバイクは、新車のときには、個人輸送汚染源としては比較的低いレベルになる装備とされている。例を挙げると、このようなスクータやモータバイクは、大型車両よりも高い走行距離評価を得ている。このようなスクータやモータバイクは、基本的な汚染管理装置(触媒コンバータなど)を備えることがある。残念なことに、スクータやモータバイクが使用されても保守が行われないと、あるいは、スクータやモータバイクが例えば意図的または非意図的な触媒コンバータの取り外しにより改造されると、工場指定の排出レベルをすぐに超えてしまう。スクータやモータバイクの所有者または運転者は、自分の車両の保守を行なう資金も動機も持ち合わせていないことが多い。
【0005】
空気汚染は人の健康にマイナスの影響を及ぼし、様々な病気の発生または悪化に関わることが知られている。例えば、多くの報告書では、空気汚染を、肺気腫、喘息、肺炎、および嚢胞性繊維症だけでなく、様々な心循環器系の病気に関連付けている。このような病気は多数の生命を奪い、その他の無数の人々の生活の質を著しく低下させる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
ポータブル電気エネルギー蓄積デバイス用保障システムは、少なくとも1つのコントローラと、前記少なくとも1つのコントローラと結合された少なくとも1つの通信モジュールとを備えており、前記少なくとも1つのコントローラは、前記通信モジュールを介して外部デバイスの認証に係る情報を受信し、前記認証に係る情報の受信に応じて、動作可能に車両と接続された状態からのポータブル電気エネルギー蓄積デバイスの取外しを可能にするために、ポータブル電気エネルギー蓄積デバイス用ロック機構をロック解除するように構成されているものとされうる。
【0007】
前記少なくとも1つのコントローラは、受信した前記認証に係る情報に基づいて、前記ポータブル電気エネルギー蓄積デバイス用ロック機構をロック解除するかの判断をするように構成されうる。
前記少なくとも1つのコントローラは、前記外部デバイスに送信するチャレンジ鍵を生成し、前記チャレンジ鍵を前記外部デバイスに送信し、前記認証に係る情報の一部として応答コードを含んでいる前記チャレンジ鍵の送信に対する応答を前記外部デバイスから受信し、秘密鍵と前記応答コードを入力として用いて、前記ポータブル電気エネルギー蓄積デバイス用保障システムおよび少なくとも1つの承認された外部デバイスにのみ知られている秘密アルゴリズムから出力を生成し、前記秘密アルゴリズムから生成された前記出力を前記応答コードと比較するように構成されうる。この場合、前記少なくとも1つのコントローラは、前記比較に基づいて、前記ポータブル電気エネルギー蓄積デバイス用ロック機構をロック解除するかの判断をするように構成されうる。
前記ポータブル電気エネルギー蓄積デバイス用保障システムは、前記車両に結合されるか、前記ポータブル電気エネルギー蓄積デバイスの一部として統合されうる。
前記外部デバイスは、ポータブル電気エネルギー蓄積デバイス用回収充電機でありうる。
前記外部デバイスは、車両サービスセンタに設置されたデバイスでありうる。
前記少なくとも1つの通信モジュールは、無線信号を介して前記認証に係る情報を受信し、前記情報を前記少なくとも1つのコントローラに通信して前記ポータブル電気エネルギー蓄積デバイス用ロック機構をロック解除することにより、動作可能に車両と接続された状態からの前記ポータブル電気エネルギー蓄積デバイスの取外しを可能にするように構成されうる。
ポータブル電気エネルギー蓄積デバイス用保障システムは、前記少なくとも1つのコントローラと結合されたポータブル電気エネルギー蓄積デバイス用ロック機構と、前記ポータブル電気エネルギー蓄積デバイス用ロック機構および前記少なくとも1つのコントローラと結合されたスイッチと、をさらに備えうる。この場合、前記スイッチは、前記少なくとも1つのコントローラにより生成された制御信号により作動されるように構成されうる。また、前記少なくとも1つのコントローラは、前記外部デバイスが前記認証に係る情報に基づいて認証された場合、動作可能に車両と接続された状態からの前記ポータブル電気エネルギー蓄積デバイスの取外しを可能にするために、前記ポータブル電気エネルギー蓄積デバイス用ロック機構をロック解除すべく信号を送信し、所定期間の経過後に前記通信モジュールを介して前記認証に係る情報が受信されない場合、動作可能に車両と接続された状態からの前記ポータブル電気エネルギー蓄積デバイスの取外しを不能にするために、前記ポータブル電気エネルギー蓄積デバイス用ロック機構をロックすべく信号を送信するように構成されうる。
前記少なくとも1つのコントローラは、前記外部デバイスから送信された無線信号を介して前記認証に係る情報を受信するように構成されうる。この場合、前記通信モジュールから特定の最大距離外においては、前記無線信号は検出不能でありうる。
前記無線信号は、前記少なくとも1つのコントローラによる前記外部デバイスの認証のためのローリングコードでありうる。
前記ポータブル電気エネルギー蓄積デバイス用保障システムは、電力インタフェースをさらに備えうる。この場合、前記電力インタフェースは、前記少なくとも1つのコントローラに結合されており、前記ポータブル電気エネルギー蓄積デバイス用ロック機構に電力を供給すべく前記ポータブル電気エネルギー蓄積デバイスおよび前記ポータブル電気エネルギー蓄積デバイス用ロック機構に結合されるように構成されうる。
前記電力インタフェースは、前記ポータブル電気エネルギー蓄積デバイスが前記ポータブル電気エネルギー蓄積デバイス用ロック機構の動作に十分な電力を供給できない場合に、前記ポータブル電気エネルギー蓄積デバイス用ロック機構に電力を供給すべく前記ポータブル電気エネルギー蓄積デバイスとは別の補助電源と結合されるように構成されうる。
【0008】
ポータブル電気エネルギー蓄積デバイス用保障システムを動作させる方法は、前記ポータブル電気エネルギー蓄積デバイス用保障システムにより、外部デバイスの認証に係る情報を受信し、前記ポータブル電気エネルギー蓄積デバイス用保障システムにより、前記認証に係る情報に基づいて、動作可能に車両と接続された状態からのポータブル電気エネルギー蓄積デバイスの取外しを可能にするためにポータブル電気エネルギー蓄積デバイス用ロック機構をロック解除するかについて判断するものとされうる。
【0009】
前記方法は、前記情報を受信するにあたって、ポータブル電気エネルギー蓄積デバイス用回収充電分配機から送信された無線信号を介して前記認証に係る情報を受信しうる。この場合、前記ポータブル電気エネルギー蓄積デバイス用回収充電分配機から受信した前記無線信号は、前記ポータブル電気エネルギー蓄積デバイス用保障システムの通信モジュールから特定の最大距離外においては検出不能でありうる。
前記方法は、前記認証に係る情報に基づいて前記外部デバイスが認証された場合、動作可能に前記車両と接続された状態からのポータブル電気エネルギー蓄積デバイスの取外しを可能にするために、前記ポータブル電気エネルギー蓄積デバイス用ロック機構をロック解除すべく前記ポータブル電気エネルギー蓄積デバイス用保障システムのコントローラから信号を送信し、所定期間の経過後に、前記ポータブル電気エネルギー蓄積デバイス用保障システムの前記通信モジュールを介して前記認証に係る情報が受信されない場合、動作可能に前記車両と接続された状態からの前記ポータブル電気エネルギー蓄積デバイスの取外しを不能にするために、前記ポータブル電気エネルギー蓄積デバイス用ロック機構をロックすべく信号を送信しうる。
前記ポータブル電気エネルギー蓄積デバイス用保障システムは、前記ポータブル電気エネルギー蓄積デバイスの一部として統合されうる。
前記ポータブル電気エネルギー蓄積デバイス用保障システムは、前記車両と結合されうる。
前記方法は、前記判断を行なうにあたって、受信した前記認証に係る情報から得たコードを、前記ポータブル電気エネルギー蓄積デバイス用保障システムに関連付けられた少なくとも1つのコードと比較しうる。この場合、前記認証に係る情報から得た前記コードが、前記ポータブル電気エネルギー蓄積デバイス用保障システムに関連付けられた少なくとも1つのコードとマッチする場合、動作可能に前記車両と接続された状態からの前記ポータブル電気エネルギー蓄積デバイスの取外しを可能にするために、前記ポータブル電気エネルギー蓄積デバイス用ロック機構をロック解除しうる。所定期間の経過後に、前記ポータブル電気エネルギー蓄積デバイス用保障システムの前記通信モジュールを介して前記認証に係る情報が受信されない場合、あるいは、所定期間の経過後に、前記認証に係る情報から得た前記コードが、前記ポータブル電気エネルギー蓄積デバイス用保障システムに関連付けられた少なくとも1つのコードとマッチしない場合、動作可能に前記車両と接続された状態からの前記ポータブル電気エネルギー蓄積デバイスの取外しを不能にするために、前記ポータブル電気エネルギー蓄積デバイス用ロック機構をロックしうる。
前記方法は、前記外部デバイスに送信するチャレンジ鍵を生成し、前記チャレンジ鍵を前記外部デバイスに送信し、前記認証に係る情報の一部として応答コードを含んでいる前記チャレンジ鍵の送信に対する応答を前記外部デバイスから受信し、秘密鍵と前記応答コードを入力として用いて、前記ポータブル電気エネルギー蓄積デバイス用保障システムおよび少なくとも1つの承認された外部デバイスにのみ知られている秘密アルゴリズムから出力を生成し、前記秘密アルゴリズムから生成された前記出力を前記応答コードと比較しうる。この場合、前記ポータブル電気エネルギー蓄積デバイス用ロック機構をロック解除するかの判断は、前記比較に基づいて行なわれうる。
【0010】
ポータブル電気エネルギー蓄積デバイスは、バッテリセルと、前記バッテリセルと結合された保障システムとを備えており、前記保障システムは、無線で受信した外部デバイスの認証に係る情報に基づいて、動作可能に車両と接続された状態からの前記ポータブル電気エネルギー蓄積デバイス取外しを可能にするものとされうる。
【0011】
前記保障システムは、少なくとも1つのコントローラと、前記少なくとも1つのコントローラと結合された少なくとも1つの通信モジュールとをさらに備えうる。この場合、前記少なくとも1つのコントローラは、前記通信モジュールを介して外部デバイスの認証に係る情報を受信し、前記認証に係る情報の受信に応じて、動作可能に前記車両と接続された状態からの前記ポータブル電気エネルギー蓄積デバイスの取外しを可能にするために、ポータブル電気エネルギー蓄積デバイス用ロック機構をロック解除するかの判断をするように構成されうる。
前記保障システムは、前記少なくとも1つのコントローラと結合されたポータブル電気エネルギー蓄積デバイス用ロック機構と、前記ポータブル電気エネルギー蓄積デバイスが前記ポータブル電気エネルギー蓄積デバイス用ロック機構の動作に十分な電力を供給できない場合に、前記ポータブル電気エネルギー蓄積デバイス用ロック機構に電力を供給すべく、前記少なくとも1つのコントローラおよび前記ポータブル電気エネルギー蓄積デバイスとは別の補助電源と結合されるように構成されている電力インタフェースとをさらに備えうる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図面においては、同一の参照番号は同一または同等の要素または動作を指す。図面における各要素の大きさと位置関係は、必ずしも実際の縮尺比で描かれたものではない。例えば、様々な要素の形状と角度は、実際の縮尺比で描かれていない。これら要素の幾つかは任意に拡大され、視認性が向上するように配置されている。また、図示された要素の特定の形状は、当該要素の実際の形状についての情報を与えるものではなく、図面における認識を容易にするために選択されているに過ぎない。
【0013】
図1】回収充電分配機を、非限定的な一実施形態例に係る複数の電気エネルギー蓄積デバイス、電動スクータまたはモータバイク、および電気グリッドを介する電気サービスとともに示す模式図である。
図2】非限定的な一実施形態例に係る、図1の回収充電分配機を示すブロック図である。
図3】非限定的な一実施形態例に係る、ポータブル電気エネルギー蓄積デバイス用の物理保障システムを示す模式図である。当該システムは、図1の電動スクータまたはモータバイクのポータブル電気エネルギー蓄積デバイス用である。当該システムは、一例として図1の回収充電分配機と、別例としてスクータまたはモータバイク用サービスセンタと無線通信を行なう。
図4】非限定的な一実施形態例に係る、図3のロック機構コントローラを示す模式図である。
図5】非限定的な一実施形態例に係る、図1図3のポータブル電気エネルギー蓄積デバイスの断面立面図である。
図6】非限定的な別実施形態例に係る、図1図3のポータブル電気エネルギー蓄積デバイスの断面立面図である。図3のポータブル電気エネルギー蓄積デバイス用の物理保障システムは、図1のポータブル電気エネルギー蓄積デバイスと統合されてその一部をなしている。
図7】非限定的な一実施形態例に係る、図3から図6のロック機構コントローラを動作させる上位方法を示すフロー図である。
図8】非限定的な一実施形態例に係る、図3から図6のロック機構コントローラを動作させる下位の方法を示している。当該方法は、ポータブル電気エネルギー蓄積デバイスを受け入れる。当該方法は、図7の方法を実行するのに役立つ。
図9】非限定的な一実施形態例に係る、図3から図6のロック機構コントローラを動作させる下位の方法を示している。当該方法は、ポータブル電気エネルギー蓄積デバイス用ロック機構をロックおよびロック解除する信号を送信する。当該方法は、図7図8の方法を実行するのに役立つ。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下の説明では、開示される様々な実施形態の完全な理解を提供するために、幾つかの特定構成の詳細が示される。しかしながら、これら特定構成の詳細の少なくとも1つを伴わずに、または他の方法、コンポーネント、材料などでも実施形態が成立しうることは、当業者にとって明らかである。実施形態の説明を不必要に判り難くするのを避けるために、周知の構造を詳細に図示あるいは説明しない場合がある。周知の構造とは、自動販売機、電池、ロック機構、無線技術、スーパーキャパシタまたはウルトラキャパシタ、電力コンバータ、およびネットワークに関するものである。電力コンバータは、変圧器、整流器、DC/DC電力コンバータ、スイッチモード電力コンバータ、コントローラ、および通信システムを少なくとも含むものである。
【0015】
明細書、および後続する特許請求の範囲を通じて、文脈上断りのない限り、「備える」という語およびその変化形(備え、備えているなど)は、「少なくとも含む」という非限定的な意味を持つと解釈される。
【0016】
明細書を通じて用いられている「一実施形態」という表記は、当該実施形態について記載された特定の特徴、構造、あるいは特性が、少なくとも1つの実施形態に含まれていることを意味する。よって、本明細書を通じて様々な箇所で「一実施形態において」という表現が現れても、必ずしも同じ実施形態を指すものではない。
【0017】
第1、第2、および第3などの序数の使用は、順序付けを示唆するものというよりは、多数の動作や構造の対象を区別しうるものに過ぎない。
【0018】
ポータブル電力蓄積デバイスという表記は、電池、スーパーまたはウルトラキャパシタを少なくとも含む、電力を蓄積および放出可能なデバイスを意味する。電池という表記は、少なくとも1つの化学的蓄電池(例えばニッケルカドミウム合金またはリチウムイオン電池)を少なくとも含む充電式電池または二次電池を意味する。
【0019】
本明細書に挙げられる見出し、および要約書は便宜上のものに過ぎず、実施形態の範囲や意味の解釈を与えるものではない。
【0020】
図1は、一実施形態例に係る環境100を示している。環境100は、回収充電分配機102を含んでいる。
【0021】
回収充電分配機102は、自動販売機または売店の形態を取りうる。回収充電分配機102は、複数のレシーバ(コンパートメント、レセプタクルとも称する)104a、104b〜104n(図1では3つだけに番号が付されている、まとめて104)を有する。レシーバ104は、回収、充電、および分配のために、ポータブル電気エネルギー蓄積デバイス(例えば、バッテリ、スーパーキャパシタまたはウルトラキャパシタ)106a〜106n(まとめて106)を取り外し可能に受け入れる。図1に示されるように、レシーバ104の幾つかは空である。一方、他のレシーバ104は、ポータブル電気エネルギー蓄積デバイス106を保持している。図1は、レシーバ104当たり1つのポータブル電気エネルギー蓄積デバイス106を示している。しかしながら、実施形態によっては、各レシーバ104は、2つ以上のポータブル電気エネルギー蓄積デバイス106を保持できる。例えば、レシーバ104の各々は、3つのポータブル電気エネルギー蓄積デバイス106を受け入れるのに十分な深さを有しうる。したがって、図1に示される回収充電分配機102は、例えば、同時に40個、80個、または120個のポータブル電気エネルギー蓄積デバイス106を保持することが可能な容量を有しうる。
【0022】
ポータブル電気エネルギー蓄積デバイス106は、様々な形態を取りうる。例えば、ポータブル電気エネルギー蓄積デバイス106は、複数のバッテリ(バッテリセルアレイなど)、またはスーパーキャパシタもしくはウルトラキャパシタ(ウルトラキャパシタセルアレイなど)の形態を取りうる。例えば、ポータブル電気エネルギー蓄積デバイス106zは、充電池(すなわち二次電池)の形態を取りうる。例えば、ポータブル電気エネルギー蓄積デバイス106zは、全電動スクータまたはモータバイク108など、個人用輸送車両に物理的に適合した大きさでき、そのような車両に電気的に動力を供給できる。先に述べたように、燃焼エンジンスクータおよびモータバイクは、例えば、アジア、ヨーロッパ、および中東の多くの大都市において一般的である。都市または地域のいたるところで充電されたバッテリを都合よく入手できれば、燃焼エンジンスクータおよびモータバイクに取って代わる、全電動スクータおよびモータバイク108の使用を促進することができ、それによって、大気汚染が緩和されるとともに、騒音も低減される。
【0023】
ポータブル電気エネルギー蓄積デバイス106(106zのみ図示)は、複数の電気端子110a、110b(2つが示されている、まとめて110)を含みうる。電気端子110は、ポータブル電気エネルギー蓄積デバイス106zの外部からアクセス可能とされている。電気端子110は、ポータブル電気エネルギー蓄積デバイス106zから電荷が供給可能にするとともに、ポータブル電気エネルギー蓄積デバイス106zを充電または再充電するために、ポータブル電気エネルギー蓄積デバイス106zへ電荷を供給可能にする。図1では柱体として示されているが、電気端子110は、ポータブル電気エネルギー蓄積デバイス106zの外部からアクセス可能な他の任意の形態を取りうる。例えば、電気端子110は、バッテリハウジングのスロット内に配置されうる。ポータブル電気エネルギー蓄積デバイス106は、公衆に貸し出され、リースされ、賃貸されうる。したがって、ポータブル電気エネルギー蓄積デバイス106が動力供給先の車両に動作可能に接続された状態から、どのような状況でどのようにして取り外されうるのかを管理することが望ましい。このようにポータブル電気エネルギー蓄積デバイス106の物理的保障を管理することで、ポータブル電気エネルギー蓄積デバイス106の窃盗や誤用を防止するのに役立つ。ポータブル電気エネルギー蓄積デバイス106を物理的に保障するシステムおよび方法は、車両からのポータブル電気エネルギー蓄積デバイス106の取り外しを管理するための保障システムを含んでおり、本明細書に記載のポータブル電気エネルギー蓄積デバイス106を回収、充電、および分配するシステム全体にとって有用である。ポータブル電気エネルギー蓄積デバイス106を物理的に保障するシステムおよび方法については、図3から図9を参照しつつより詳細に後述する。
【0024】
回収充電分配機102は、回収充電分配機102が様々なエンドユーザによって便利かつ容易に利用可能な場所112に配置される。その場所は、多くの様々な形態をとりうる。例えば、小売環境(コンビニエンスストア、スーパーマーケット、ガソリンスタンドもしくは給油所、サービスセンタなど)が挙げられる。あるいは、回収充電分配機102は、既存の小売りなどのビジネスとは関連しない場所112(例えば、公園などの公共の場所)に単独で設置されうる。したがって、回収充電分配機102は、例えば、都市または地域のいたるところにあるコンビニエンスストアチェーンの各店舗に配置されうる。そのような配置は、コンビニエンスストアは、ターゲット人口またはターゲット層にとっての利便性に基づいて立地選定または店舗展開が行われるという事実を利用できる。また、そのような配置は、店先などの小売場所といった既存の借地を利用できることにより、回収充電分配機102の広範なネットワークが都市または地域内において迅速に展開されることを可能にする。ポータブル電気エネルギー蓄積デバイス106が全電動スクータまたはモータバイク108内にある間の物理的保障を提供する大規模ネットワークを迅速に形成することにより、上記のシステムに依存する商業的成功の可能性が高まる。
【0025】
場所112は、電気サービス114を含みうる。電気サービス114は、例えば送電網116を介して、発電所(不図示)から電力を受信する。電気サービス114は、例えば、電気サービスメータ114a、回路パネル(回路ブレーカパネルやヒューズボックスなど)114b、配線114c、および電気コンセント114dの少なくとも1つを含みうる。場所112が既存の小売店またはコンビニエンスストアである場合、電気サービス114は、既存の電気サービスでありうる。この場合、定格値が幾らか制限されうる(120ボルト、240ボルト、220ボルト、230ボルト、15アンペアなど)。
【0026】
回収充電分配機102は、再生可能電力源を含んでもよいし、再生可能電力源に結合されてもよい。例えば、戸外の場所に設置される場合、回収充電分配機102は、日射から電力を発生させる光起電(PV)セルのアレイ118を含みうる。あるいは、回収充電分配機102は、場所112とは別の場所(屋上やポールの先端など)に配置されたマイクロタービン(風力タービンなど)またはPVアレイ(不図示)に電気的に結合されうる。
【0027】
回収充電分配機102は、バックエンドまたはバックオフィスシステム120(1つだけ図示)など、少なくとも1つの遠隔配置されたコンピュータシステムに通信可能に結合されうる。バックエンドまたはバックオフィスシステム120は、都市などのエリア一円に分散された複数の回収充電分配機102からのデータ回収と、当該複数の回収充電分配機102の制御の少なくとも一方を行ないうる。実施形態によっては、バックエンドまたはバックオフィスシステム120は、当該データ回収と当該制御の少なくとも一方を、少なくとも1つのコードの生成、追跡、送信、および受信の少なくとも1つを実行することにより行ないうる。当該コードは、回収充電分配機102によって全電動スクータもしくはモータバイク108などの車両に送信される無線信号126内に含まれる。当該コードの送信と受信の少なくとも一方は、全電動スクータまたはモータバイク108が回収充電分配機102の近くにある間に、当該全電動スクータまたはモータバイク108からポータブル電気エネルギー蓄積デバイス106を取り外すためのアクセスを許可する。バックエンドまたはバックオフィスシステム120と回収充電分配機102の間の通信は、少なくとも1つのネットワーク122を含む少なくとも1つの通信チャネル上、あるいは少なくとも1つの非ネットワーク通信チャネル上で行われうる。通信は、少なくとも1つの有線通信チャネル(ツイストペア配線、光ファイバなど)、無線通信チャネル(電波、マイクロ波、衛星、801.11準拠など)上で行なわれうる。ネットワーク通信チャネルは、少なくとも1つのローカルエリアネットワーク(LAN)、ワイドエリアネットワーク(WAN)、エクストラネット、イントラネット、またはワールドワイドウェブ部分を含むインターネットを含みうる。
【0028】
回収充電分配機102は、ユーザインタフェース124を含みうる。ユーザインタフェースは、様々な入出力(I/O)デバイスを含みうる。入出力(I/O)デバイスは、エンドユーザと回収充電分配機102のやり取りを可能にする。様々なI/Oデバイスは、以下に列挙され、図2を参照して説明される。
【0029】
図2は、一実施形態例に係る、図1に示した回収充電分配機102を示している。
【0030】
回収充電分配機102は、制御サブシステム202と、充電サブシステム204と、通信サブシステム206と、ユーザインタフェースサブシステム208とを含む。
【0031】
制御サブシステム202は、コントローラ210を含む。コントローラ210は、様々なセンサから信号を受信し、論理演算を実行し、様々なコンポーネントに信号を送信できる。コントローラ210は、例えば、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、プログラマブルロジックコントローラ(PLC)、プログラマブルゲートアレイ(PGA)、特定用途向け集積回路(ASIC)などのコントローラを含む。一般に、コントローラ210は、マイクロプロセッサ(例えば、INTEL、AMD、ATOM)の形態を取りうる。制御サブシステム202は、少なくとも1つの在続的なプロセッサまたはコンピュータ読取り可能な記憶媒体も含みうる。当該プロセッサまたはコンピュータ読取り可能な記憶媒体の例としては、リードオンリメモリ(ROM)212、ランダムアクセスメモリ(RAM)214、およびデータストレージ216(例えば、フラッシュメモリもしくはEEPROMなどの半導体型記憶媒体、またはハードディスクなどの回転型記憶媒体)が挙げられる。また、在続的なプロセッサまたはコンピュータ読取り可能な記憶媒体212、214、216は、コントローラ210の一部である任意の在続的な記憶媒体(例えばレジスタ)でありうる。制御サブシステム202は、様々なコンポーネントを互いに結合する少なくとも1つのバス218(1つだけ示されている)を含みうる。バス218の例としては、少なくとも1つの電力バス、命令バス、データバスが挙げられる。
【0032】
図示のように、ROM212などの在続的なプロセッサもしくはコンピュータ読取り可能な記憶媒体212、214、216は、命令とデータの少なくとも一方、または変数もしくはパラメータの値を記憶する。データの組は、様々な形態(ルックアップテーブル、データベース内の1組のレコードなど)を取りうる。命令、データ、または値の組は、コントローラ110によって実行可能である。命令、データ、または値の組の実行は、コントローラ110に特定の動作を実行させる。当該動作は、回収充電分配機102にポータブルエネルギー蓄積デバイスを回収、充電、分配させる。また、当該動作は、回収充電分配機102に少なくとも1つの信号を送らせる。当該信号は、全電動スクータまたはモータバイク108が回収充電分配機102の近辺にあるときに、当該全電動スクータまたはモータバイク108から取り外すためにポータブル電気エネルギー蓄積デバイス106へのアクセスを可能にする。ここに記載した回収充電分配機102の特定の動作は、図3と様々なフロー図(図7から図9)も参照しつつ説明される。これらの図においては、回収充電分配機102は、ポータブル電気エネルギー蓄積デバイス106が全電動スクータまたはモータバイク108に動作可能に接続された状態から取り外されるのを可能にするために認証された外部デバイスとして説明される。
【0033】
コントローラ210は、命令、データなどを揮発的に記憶するために、従来の方法でRAM214を使用できる。コントローラ210は、情報を記録または保持するためにデータストレージ216を使用できる。当該情報は、例えば、全電動スクータまたはモータバイク108が回収充電分配機102の近辺にあるときに、当該全電動スクータまたはモータバイク108から取り外すためにポータブル電気エネルギー蓄積デバイス106へのアクセスを可能にする少なくとも1つのコードと、回収充電分配機102自体の動作に関する情報の少なくとも一方である。命令は、回収充電分配機102の動作を制御するために、コントローラ210によって実行可能である。命令は、エンドユーザまたはオペレータによる入力に応じて、かつデータや変数もしくはパラメータの値を用いて実行可能である。
【0034】
制御サブシステム202は、回収充電分配機102の様々なセンサと他のコンポーネントの少なくとも一方から信号を受信する。当該信号は、これらコンポーネントの動作、ステータス、または状態を特徴付けて示す情報を含む。図2では、センサは、円内に記された適切な下付き文字を伴った文字Sによって表される。
【0035】
例えば、少なくとも1つの位置センサSP1〜SPNは、レシーバ104の各々におけるポータブル電力蓄積デバイス106の存在または非存在を検出できる。位置センサSP1〜SPNは、様々な形態を取りうる。例えば、位置センサSP1〜SPNは、機械式スイッチの形態を取りうる。機械式スイッチは、ポータブル電力蓄積デバイス106がレシーバ104内に挿入されているときの、当該ポータブル電力蓄積デバイス106の一部に対する接触に応じて開閉される。また例えば、位置センサSP1〜SPNは、光学スイッチ(すなわち、光源および受光器)の形態を取りうる。光学スイッチは、ポータブル電力蓄積デバイス106がレシーバ104内に挿入されているときの、当該ポータブル電力蓄積デバイス106の一部に対する接触に応じて開閉される。また例えば、位置センサSP1〜SPNは、電気的センサまたはスイッチの形態を取りうる。電気的センサまたはスイッチは、ポータブル電力蓄積デバイス106がレシーバ104内に挿入されているときの、当該ポータブル電力蓄積デバイス106の端子110に対する接触によって形成される閉回路状態、またはレシーバ104内に当該ポータブル電力蓄積デバイス106が存在しないことにより形成される開回路状態の検出に応じて開閉される。これらの例は、非限定的であることを意図している。ポータブル電力蓄積デバイス106の存否を検出するために、またはポータブル電力蓄積デバイス106のレシーバへの挿入を検出するために、他の任意の構造およびデバイスが利用されうる。
【0036】
例えば、少なくとも1つの電荷センサSC1〜SCNは、レシーバ104の各々におけるポータブル電力蓄積デバイス106の電荷を検出できる。電荷センサSC1〜SCNは、ポータブル電力蓄積デバイス106によって蓄積されている電荷量を検出できる。また、電荷センサSC1〜SCNは、各レシーバ104におけるポータブル電力蓄積デバイス106に供給されている電荷量と充電率の少なくとも一方を検出できる。これにより、各ポータブル電力蓄積デバイス106の現在の(すなわち一時的な)充電状態またはステータスの評価を可能にするとともに、ポータブル電力蓄積デバイス106の充電に対するフィードバック制御(充電率に対する制御を含む)を可能にしうる。電荷センサSC1〜SCNは、様々な電流センサと電圧センサの少なくとも一方を含みうる。
【0037】
例えば、少なくとも1つの温度センサST1(1つだけ示されている)は、レシーバ104または周囲環境の温度を検出または検知できる。
【0038】
制御サブシステム202は、制御信号に応答して、様々なアクチュエータと他のコンポーネントの少なくとも一方に信号を提供する。当該信号は、コンポーネントが実行すべき動作、またはコンポーネントが至るべき状態もしくは条件を特徴付けて示す情報を含む。図2では、制御信号、および当該制御信号に応答するアクチュエータまたは他のコンポーネントは、円内に記された適切な下付き文字を伴った文字Cによって表される。
【0039】
例えば、少なくとも1つのエンジン制御信号CA1〜CANは、少なくとも1つのアクチュエータ220(1つだけ示されている)の動作に影響しうる。例えば、制御信号CA1は、第1位置と第2の位置の間でアクチュエータ220を動かすか、アクチュエータ220よって発生される磁界を変化させうる。アクチュエータ220は、様々な形態(少なくともソレノイド、ステッパモータなどの電気モータ、または電磁石を含む)を取りうる。アクチュエータ220は、ラッチ、ロックなどの保持機構222を動作させるように結合されうる。ラッチ、ロックなどの保持機構222は、レシーバ104(図1)内で少なくとも1つのポータブル電力蓄積デバイス106(図1)を選択的に固定または保持できる。例えば、ラッチ、ロックなどの保持機構222は、ポータブル電力蓄積デバイス106(図1)のハウジングの一部である対応構造と物理的に結合できる。あるいは、ラッチ、ロックなどの保持機構222は、ポータブル電力蓄積デバイス106(図1)のハウジングの一部である対応構造と磁気的に結合できる。また例えば、ラッチ、ロックなどの保持機構222は、レシーバ104(図1)を開放でき、これにより、少なくとも一部を放電したポータブル電力蓄積デバイス106を充電のために受け入れ可能にできる。例えば、アクチュエータは、レシーバ104(図1)のドアを開閉することにより、内部に収容されたポータブル電力蓄積デバイス106(図1)へのアクセスを選択的に提供できる。また例えば、アクチュエータは、ラッチまたはロックを開閉することにより、エンドユーザがレシーバ104(図1)のドアを開閉可能にできる。これにより、内部に収容されたポータブル電力蓄積デバイス106(図1)へのアクセスを選択的に提供できる。
【0040】
制御サブシステム202は、少なくとも1つのポート224aを含みうる。ポート224aは、充電サブシステム204の少なくとも1つのポート224bに制御信号を提供する。ポート224a、224bは、双方向通信を提供できる。制御サブシステム202は、少なくとも1つのポート226aを含みうる。ポート226aは、ユーザインタフェースサブシステム208の少なくとも1つのポート226bに制御信号を提供する。ポート226a、226bは、双方向通信を提供できる。
【0041】
充電サブシステム204は、様々な電気電子コンポーネントを含む。電気電子コンポーネントは、レシーバ104内に配置あるいは収容されたポータブル電力蓄積デバイス106を充電する。例えば、充電サブシステム204は、少なくとも1つの電力バスまたは電力バスバー、リレー、コンタクタ、他のスイッチ(絶縁ゲートバイポーラトランジスタすなわちIGBT、金属酸化物半導体トランジスタすなわちMOSFETなど)、整流器ブリッジ、電流センサ、漏電遮断回路などを含みうる。電力は、接点を介して供給される。接点は、様々な形態(端子、リード、ポストなど)を取りうる。接点は、様々なコンポーネントの電気的結合を可能にする。幾つかの実例が図2に示されているが、網羅的であることを意図してはいない。別のコンポーネントが利用されうる一方で、他のコンポーネントは除外されうる。
【0042】
図示された充電サブシステム204は、第1電力コンバータ230を含む。第1電力コンバータ230は、電気サービス114(図1)からラインまたはコード232を介して電力を受信する。電力は、一般に、単相または多層(2相か3相)のAC電力の形態である。そのため、第1電力コンバータ230は、交流波形を直流に整流するために、電圧、電流、および位相を変換するために、ならびに過渡電流および雑音を低減させるために、電気サービス114(図1)を介して受信した電力の変換あるいは調整を必要としうる。したがって、第1電力コンバータ230は、変圧器234、整流器236、DC/DC電力コンバータ238、およびフィルタ240を含みうる。
【0043】
変圧器234は、電気サービス114(図1)を介して受信した電力を処理するのに適した定格を有するように、任意の様々な市販の変圧器の形態を取りうる。実施形態によっては、複数の変圧器を利用しうる。好ましくは、変圧器234は、回収充電分配機102のコンポーネントと送電網116(図1)の間にガルバニック絶縁を提供できる。整流器236は、例えば、フルブリッジダイオード整流器またはスイッチモード整流器など、様々な形態を取りうる。整流器236は、交流電力を直流電力に変換するように動作できる。DC/DC電力コンバータ238は、多様な形態を取りうる。例えば、DC/DC電力コンバータ238は、スイッチモードDC/DC電力コンバータの形態を取りうる。スイッチモードDC/DC電力コンバータは、例えば、ハーフまたはフルブリッジ構成でIGBTまたはMOSFETを利用する。DC/DC電力コンバータ238は、少なくとも1つのインダクタを含みうる。DC/DC電力コンバータ238は、昇圧コンバータ、降圧コンバータ、同期降圧コンバータ、降圧昇圧コンバータ、またはフライバックコンバータを含む形態を有しうる。フィルタ240は、少なくとも1つのコンデンサ、抵抗器、ツェナダイオードなどの要素を含みうる。これらは、電圧スパイクを抑制し、過渡電流や雑音を除去もしくは低減する。
【0044】
また、図示された充電サブシステム204は、再生可能電源、例えば、PVアレイ118(図1)から電力を受信できる。そのような電力は、第1電力コンバータ230によって変換または調整されうる。そのような電力は、例えば、変圧器236と整流器236の少なくとも一方をバイパスしてDC/DC電力コンバータ238に直接的に供給されうる。あるいは、図示された充電サブシステム204は、そのような電力を変換または調整する専用の電力コンバータを含みうる。
【0045】
図示された充電サブシステム204は、第2の電力コンバータ242を含みうる。第2の電力コンバータ242は、他のポータブル電力蓄積デバイス106を充電するために、少なくとも1つのポータブル電力蓄積デバイス106(図1)から少なくとも1つのライン244を介して電力を受信する。そのため、第2の電力コンバータ242は、例えば、電圧または電流を変換するとともに過渡電流および雑音を低減させるために、ポータブル電力蓄積デバイス106から受信した電力の変換や調整を必要としうる。したがって、第2の電力コンバータ242は、DC/DC電力コンバータ246とフィルタ248の少なくとも一方を含みうる。様々なDC/DC電力コンバータおよびフィルタについては、上述の通りである。
【0046】
図示された充電サブシステム204は、複数のスイッチ250を含む。複数のスイッチ250は、制御サブシステム202からポート224a、224bを介して供給される制御信号に応答する。スイッチは、少なくとも1つの第1のポータブル電力蓄積デバイス106を選択的に結合するように動作可能である。当該結合により、少なくとも1つの第1のポータブル電力蓄積デバイス106は、第1電力コンバータを介する電気サービスから供給された電力と、少なくとも1つの第2のポータブル電力蓄積デバイス106から供給された電力の双方により充電される。少なくとも1つの第1のポータブル電力蓄積デバイス106の数は任意である。少なくとも1つの第2のポータブル電力蓄積デバイス106の数は任意である。図2において、ポータブル電力蓄積デバイス106は、負荷L、L〜Lとして表されている。
【0047】
また、通信サブシステム206は、少なくとも1つの通信モジュールまたはコンポーネントを含みうる。当該通信モジュールまたはコンポーネントは、バックエンドもしくはバックオフィスシステム120(図1)の様々なコンポーネント、全電動スクータもしくはモータバイク108の様々なコンポーネント、およびポータブル電力蓄積デバイス106の様々なコンポーネントの少なくともいずれかとの通信を容易にする。通信サブシステム206は、例えば、少なくとも1つのモデム252、少なくとも1つの通信カードあるいはコンポーネント254(イーサネットカードなど)の少なくともいずれかを含みうる。制御サブシステム202のポート256aは、制御サブシステム202を通信サブシステム206のポート256bと通信可能に結合できる。通信サブシステム206は、回収充電分配機102の外部にある他の様々なデバイスとの有線通信と無線通信の少なくとも一方を提供できる。例えば、通信サブシステム206は、様々なコンポーネントとの近距離無線通信または長距離無線通信を提供できる。当該他の様々なデバイスは、全電動スクータもしくはモータバイク108の様々なコンポーネントと、ポータブル電力蓄積デバイス106の様々なコンポーネントの少なくとも一方を含む。近距離無線通信は、例えば、Bluetooth、近距離無線通信(NFC)、無線周波数識別(RFID)コンポーネントおよびプロトコルを介する。長距離無線通信は、例えば、無線LAN、衛星、もしくは携帯電話ネットワークを介する。通信サブシステム206は、少なくとも1つのポート、無線受信機、無線送信機、または無線送受信器を含みうる。これらは、様々な遠隔コンポーネントまたはシステムへの無線信号経路を提供する。通信サブシステム206は、少なくとも1つのブリッジまたはルータを含みうる。これらは、ネットワークトラフィックを処理するのに適している。ネットワークトラフィックは、パケット交換タイプの通信プロトコル(TCP/IP)、イーサネットなどのネットワークプロトコルを含む。
【0048】
ユーザインタフェースサブシステム208は、少なくとも1つのユーザ入出力(I/O)コンポーネントを含む。例えば、ユーザインタフェースサブシステム208は、情報をエンドユーザに提示するように動作可能なタッチスクリーンディスプレイ208a、およびユーザ選択の指示を受信するためのグラフィカルユーザインタフェース(GUI)を含みうる。ユーザインタフェースサブシステム208は、キーボードもしくはキーパッド208bと、カーソルコントローラ(例えば、マウス、トラックボール、トラックパッド:不図示)の少なくとも一方を含みうる。これらは、エンドユーザによる情報の入力と、GUI内におけるユーザ選択可能なアイコンの選択の少なくとも一方を可能にする。ユーザインタフェースサブシステム208は、エンドユーザに聴覚メッセージを提供するスピーカ208cと、音声ユーザ入力(音声コマンドなど)を受信するマイクロフォン208dを含みうる。
【0049】
ユーザインタフェースサブシステム208は、カード型媒体209から情報を読み取るカードリーダ208eを含みうる。カードリーダ208eは、様々な形態を取りうる。例えば、カードリーダ208eは、カード209に記された磁気ストライプ内に符号化された情報を読み取るための、磁気ストライプリーダの形態を取ってもよく、または磁気ストライプリーダを含んでもよい。例えば、カードリーダ208eは、機械読取り可能なシンボル(例えば、バーコード、マトリックスコード)カードリーダの形態を取ってもよく、または機械読取り可能なシンボルカードリーダを含んでもよい。これらは、カード209に記された機械読取り可能なシンボル内に符号化された情報を読み取る。例えば、カードリーダ208eは、スマートカードリーダの形態を取ってもよく、またはスマートカードリーダを含んでもよい。これらは、カード209に内蔵された在続的な媒体内に符号化された情報を読み取る。そのような媒体の例としては、無線周波数識別(RFID)トランスポンダ、または電子決済チップ(近距離無線通信(NFC)チップなど)を用いる媒体が挙げられる。したがって、カードリーダ208eは、様々なカード媒体209(クレジットカード、デビットカード、ギフトカード、プリペイドカード、および運転免許証などの身分証明媒体など)から情報を読み取り可能でありうる。カードリーダ208eは、ポータブル電気エネルギー蓄積デバイス106に内蔵された在続的な媒体内に符号化された情報を読み取り可能でありうる。また、カードリーダ208eは、RFIDトランスポンダ、送受信器、NFCチップなどの通信デバイスを含みうる。これらは、例えば、ポータブル電気エネルギー蓄積デバイス106と全電動スクータもしくはモータバイク108の少なくとも一方に対する回収充電分配機102の認証のために、あるいは回収充電分配機102に対するポータブル電気エネルギー蓄積デバイス106の認証のために、全電動スクータもしくはモータバイク108の様々なコンポーネントと、ポータブル電力蓄積デバイス106の様々なコンポーネントの少なくともいずれかに情報を伝達する。
【0050】
ユーザインタフェースサブシステム208は、紙幣受入識別器208fと硬貨受入器208gの少なくとも一方を含みうる。これらは、現金支払いを受け入れ、貨幣の識別を行なう。これらは、クレジットカードを入手できない人々へのサービス提供に非常に役立ちうる。紙幣受入識別器208fと硬貨受入器208gの少なくとも一方は、任意の様々な形態(現在市販されており、様々な自動販売機および売店で使用されているものなど)を取りうる。
【0051】
図3は、非限定的な一実施形態例に係るポータブル電気エネルギー蓄積デバイスを物理的に保障するシステムを示している。当該システムは、スクータまたはモータバイク108のポータブル電気エネルギー蓄積デバイス106zが無線通信を行なうためのものである。無線通信は、例えば、回収充電分配機102や、スクータまたはモータバイクサービスセンタ318のデバイスと行なわれる。
【0052】
図示されているのは、ロック機構コントローラ306と動作可能に結合されたポータブル電気エネルギー蓄積デバイス用ロック機構320である。ある実施形態においては、ポータブル電気エネルギー蓄積デバイス用ロック機構320とロック機構コントローラ306は、スクータまたはモータバイク108の一部である。他の実施形態においては、ポータブル電気エネルギー蓄積デバイス用ロック機構320とロック機構コントローラ306は、ポータブル電気エネルギー蓄積デバイス106zと統合されているか、ポータブル電気エネルギー蓄積デバイス106zの一部である。
【0053】
ロック機構コントローラ306と無線通信を行なう回収充電分配機102も図示されている。例えば、図2に示した回収充電分配機102の通信サブシステム206は、回収充電分配機102の外部にある他の様々なデバイスとの有線通信と無線通信の少なくとも一方を提供できる。当該他の様々なデバイスは、ロック機構コントローラ306を含む。近距離無線通信は、例えば、Bluetooth、近距離無線通信(NFC)、無線周波数識別(RFID)コンポーネントおよびプロトコルを介する。長距離無線通信は、例えば、無線LAN、衛星、もしくは携帯電話ネットワークを介する。通信サブシステム206は、少なくとも1つのポート、無線受信機、無線送信機、または無線送受信器を含みうる。これらは、ロック機構コントローラ306への無線信号経路を提供する。通信サブシステム206は、少なくとも1つのブリッジまたはルータを含みうる。これらは、ネットワークトラフィックを処理するのに適している。ネットワークトラフィックは、パケット交換タイプの通信プロトコル(TCP/IP)、イーサネットなどのネットワークプロトコルを含む。
【0054】
ポータブル電気エネルギー蓄積デバイス106zは、公衆への貸出、リース、賃貸の少なくとも1つが行なわれうる。ポータブル電気エネルギー蓄積デバイス106zは、比較的高価なコンポーネントであることが一般的であるため、ポータブル電気エネルギー蓄積デバイス106zが、どのような状況でどのようにして動力供給先のスクータまたはモータバイク108と動作可能に接続されうるのか、および取り付けられた状態から取り外されうるのかの少なくとも一方を管理することが望ましい。このようにポータブル電気エネルギー蓄積デバイス106zの物理的保障を管理することにより、ポータブル電気エネルギー蓄積デバイス106zの窃盗や誤用を防止するのに役立つ。例えば、ポータブル電気エネルギー蓄積デバイス106zは、スクータまたはモータバイク108に動作可能に接続され、外部デバイス(上述の回収充電分配機102や、少なくとも1つの無線通信サブシステムを有するサービスセンタ318のデバイスなど)からの認証情報を含んでいる無線信号をロック機構コントローラ306が検出するまでの間、当該スクータまたはモータバイク108に対して物理的にロックされるか補償されうる。上記無線通信サブシステムは、例えば、上述の回収充電分配機102でありうる。上述の回収充電分配機102のような無線通信サブシステムを少なくとも備える外部デバイス(不図示)の他の例としては、カードキー、アクセスカード、クレジットカード、アクセス制御キーフォブ、モバイル演算装置、携帯電話、携帯情報端末(PDA)、スマートフォン、バッテリ充電器などのアクセス制御デバイスが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0055】
回収充電分配機102は、ロック機構コントローラ306に対して、無線信号126を定期的、定常的、または非定期的に発信する。ロック機構コントローラ306は、回収充電分配機102を認証すべく当該信号を受信できる状態にある。当該信号の受信によりポータブル電気エネルギー蓄積デバイス用ロック機構320を起動してロック解除を行ない、ポータブル電気エネルギー蓄積デバイス106zをスクータまたはモータバイク108から取り外し可能にする。これに加えてあるいは代えて、ロック機構コントローラ306は、無線信号126を定期的または定常的に発信できる。この場合、当該信号の受信を待機している回収充電分配機102は、ロック機構コントローラ306に対する無線信号で当該信号に応答する。ロック機構コントローラ306は、回収充電分配機102を認証すべく応答信号を受信すると、ポータブル電気エネルギー蓄積デバイス用ロック機構320を起動してロック解除を行ない、ポータブル電気エネルギー蓄積デバイス106zをスクータまたはモータバイク108から取り外し可能にする。
【0056】
実施形態によっては、回収充電分配機102から受信する無線信号は、信号が権限を与えられたデバイスから受信したものであることを保証するために、ロック機構コントローラ306によって認証されうるコードを含みうる。当該コードは、例えば、そのような保障を提供する時間依存のコード(「ホッピング」コードや「ローリング」コードなど)でありうる。40ビットローリングコードの場合、40ビットが、240(約1兆)個のコードを提供可能である。しかしながら、他のビット長のコードも使用されうる。回収充電分配機102のメモリ(例えばROM212)は、現在の40ビットコードを保持できる。そして、回収充電分配機102は、ロック機構コントローラ306がポータブル電気エネルギー蓄積デバイス用ロック機構320をロック解除するように、その40ビットコードをロック機構コントローラ306に送信する。ロック機構コントローラ306も、現在の40ビットコードを保持する。期待通りの40ビットコードを受信した場合、ロック機構コントローラ306は、ポータブル電気エネルギー蓄積デバイス用ロック機構320をロック解除する。期待通りの40ビットコードを受信しなかった場合、ロック機構コントローラ306は、何もしない。実施形態によっては、ポータブル電気エネルギー蓄積デバイス用ロック機構320がロック解除状態にある間にロック機構コントローラ306が期待通りの40ビットコードを受信しなかった場合、または所定期間内に何の信号も受信できなかった場合、ロック機構コントローラ306は、ポータブル電気エネルギー蓄積デバイス用ロック機構320をロックする。
【0057】
回収充電分配機102とロック機構コントローラ306の双方は、同じ疑似乱数発生器を使用する。当該疑似乱数発生器は、例えば、回収充電分配機102とロック機構コントローラ306の各プロセッサによって実現される。同じ疑似乱数発生器を使用して、40ビットコードを生成する。回収充電分配機102は、各スクータもしくはモータバイク108、または各ポータブル電気エネルギー蓄積デバイス106における各ロック機構コントローラ306の疑似乱数発生器とマッチするように、異なる複数の疑似乱数発生器を有しうる。ロック機構コントローラ306は、回収充電分配機102から有効なコードを受信すると、受信した有効なコードに関連する次のコードを生成すべく同じ疑似乱数発生器を使用する。そして、ロック機構コントローラ306は、回収充電分配機102と無線で通信して、同じ疑似乱数発生器を使用して同様に次のコードを生成するように命令する。回収充電分配機102は、そのコードを次の使用に備えて記憶する。このようにして、回収充電分配機102とロック機構コントローラ306は、同期させられる。ロック機構コントローラ306は、期待通りのコードを受信した場合にのみ、ポータブル電気エネルギー蓄積デバイス用ロック機構320をロック解除する。
【0058】
また、生成された現在の40ビットコードあるいは他の時間依存ローリングコードは、回収充電分配機のネットワーク内の少なくとも1つの他の回収充電分配機に、例えば、図1に示されたネットワーク122を介して通信されうる。これにより、ロック機構コントローラ306を有するスクータもしくはモータバイク、またはロック機構コントローラ306を有するポータブル電気エネルギー蓄積デバイス106zが、他の回収充電分配機の無線信号範囲内に入った場合、いずれの回収充電分配機102も、正しい現在のコードをロック機構コントローラ306に伝達できる。
実施形態によっては、ロック機構コントローラ306は、疑似乱数系列内の次の256個の有効なコードのいずれも承認できる。このようにすることで、ロック機構コントローラ306と回収充電分配機102が、何らかの理由で、256個以下のローリングコードだけ同期がずれた場合でも、ロック機構コントローラ306は、依然として回収充電分配機102からの送信を承認し、ポータブル電気エネルギー蓄積デバイス用ロック機構320をロック解除し、受信した有効なコードに関連する次のコードを生成する。
【0059】
他の実施形態では、ホッピング、ローリング、または時間依存コードは、ユニバーサルコードでありうる。ユニバーサルコードは、バックエンドまたはバックオフィスシステム120によって回収充電分配機102に伝達され、またロック機構コントローラ306に無線で伝達される。このような処理は、WANやLAN上で行われうる。これに加えてあるいは代えて、このような処理は、ロック機構コントローラ306が回収充電分配機102の無線通信範囲内に入った場合(回収充電分配機102を訪れた場合など)に行われうる。
【0060】
実施形態によっては、ロック機構コントローラ306と回収充電分配機は、共通の秘密鍵またはコードを記憶し、回収充電分配機の認証のための共通の秘密アルゴリズムを使用する。共通の秘密アルゴリズムは、例えば、ハッシュ関数などのアルゴリズムでありうる。当該アルゴリズムは、秘密鍵と少なくとも1つの他の鍵あるいはコードを入力として、異なる出力を生成する。共通の秘密アルゴリズムは、ロック機構コントローラ306と回収充電分配機の各プロセッサによって、ロック機構コントローラ306と回収充電分配機の各コンピュータ読取り可能な媒体上に記憶された命令、またはロック機構コントローラ306と回収充電分配機のそれぞれにおいて構成されたハードウェアもしくはファームウェアコンポーネント上に記憶された命令を使用して、実行されうる。共通の秘密アルゴリズムおよび共通の秘密鍵またはコードは、まず符号化され、プログラムされ、ロック機構コントローラ306と回収充電分配機にインストールされる。これらは、共通の秘密アルゴリズムおよび共通の秘密鍵またはコードが取得不能あるいは発見不能となることを保障する方法で行なわれる。共通の秘密アルゴリズムおよび共通の秘密鍵またはコードは、認証プロセス中は、ロック機構コントローラ306と回収充電分配機の間で通信されない。
【0061】
回収充電分配機から無線信号126を介して認証ビーコンまたは要求を受信すると(当該無線信号126は、ロック機構コントローラ306から受信した無線信号またはビーコンに応答して送信されたものでありうる)、ロック機構コントローラ306は、チャレンジ鍵を生成し、このチャレンジ鍵を回収充電分配機に送信する。回収充電分配機は、チャレンジ鍵を受信すると、秘密アルゴリズムおよび共通の秘密鍵を使用して応答値を生成し、この応答値をロック機構コントローラ306に送信する。そして、ロック機構コントローラ306は、生成されたチャレンジ鍵および秘密鍵を秘密アルゴリズムへの入力として使用し、秘密アルゴリズムから出力値を生成することによって、応答値を検証する。そして、ロック機構コントローラ306は、秘密アルゴリズムからのこの出力値を、回収充電分配機から受信した応答値と比較する。ロック機構コントローラ306によって生成された秘密アルゴリズムからの出力と、回収充電分配機から受信した応答値が一致した場合、回収充電分配機は認証される。その場合、ロック機構コントローラ306は、然るべき動作(ロック解除するための制御信号をロック機構320に送信するなど)を行ないうる。ロック機構コントローラ306によって生成された秘密アルゴリズムからの出力と、回収充電分配機から受信した応答値が一致しなかった場合、回収充電分配機は認証されない。その場合、ロック機構コントローラ306は、何の動作も行なえない。あるいは、ロック機構コントローラ306は、然るべき他の動作を行ないうる。例えば、まだロックがされていなければ、ロック機構コントローラ306は、ロックするための制御信号をロック機構320に送信する。実施形態によっては、公開鍵と公開アルゴリズムの少なくとも一方を任意に組み合わせた任意の認証プロセスが使用されうる。
【0062】
ロック機構コントローラ306が、回収充電分配機102から無線信号126をもはや受信できなくなると(例えば、スクータまたはモータバイクが、回収充電分配機102においてポータブル電気エネルギー蓄積デバイス106zの交換をすでにすませ、既に回収充電分配機102の無線信号126の範囲内から立ち去った後)、ロック機構コントローラ306は、スクータまたはモータバイク108に動作可能に接続された状態からポータブル電気エネルギー蓄積デバイス106zを取り外し可能となるのを防止するために、ポータブル電気エネルギー蓄積デバイス用ロック機構320にロックを行なわせる信号を送信する。また、上述のように、回収充電分配機102、または他のデバイスから受信した信号が無効なコードを含む場合にまだロックがなされていなければ、ロック機構コントローラ306は、スクータまたはモータバイクに動作可能に接続された状態からポータブル電気エネルギー蓄積デバイス106zを取り外し可能となるのを防止するために、ポータブル電気エネルギー蓄積デバイス用ロック機構320にロックを行わせる信号を送信する。ロック機構コントローラ306が、ポータブル電気エネルギー蓄積デバイス106zの一部ではない構成においては、ロック機構コントローラ306は、ポータブル電気エネルギー蓄積デバイス用ロック機構320にロックを行わせる信号を送信する前に、スクータまたはモータバイク108内にポータブル電気エネルギー蓄積デバイス106zが存在することを検出しなければならない。
【0063】
実施形態によっては、認証の無線に係る部分は大きく変更される。近距離の場合、システムは、ポータブル電気エネルギー蓄積デバイスを交換のために解放するように、ポータブル電気エネルギー蓄積デバイス用の回収充電分配機に車両との無線通信を行なわせる。また、また、ポータブル電気エネルギー蓄積デバイス用の回収充電分配機またはサービスセンタは、移動体でありうる。例えば、サービス車両は、路肩の停車している故障中または充電切れの車両のところまで行くことができ、認証されたサービス車両が近距離にいる場合にのみ、ポータブル電気エネルギー蓄積デバイスは取り外し可能となる。「近距離」は、システムにより短距離無線信号の範囲内で選択される距離でありうる。極短距離も使用されうる。例えば、実施形態によっては、システムは、近距離無線通信(NFC)などの近距離または極短距離技術を使用できる。
【0064】
図4は、非限定的な一実施形態例に係る、図3のロック機構コントローラの概略図である。
【0065】
ロック機構コントローラ306は、コントローラ410と、通信サブシステム406と、電力インタフェース420とを含む。
【0066】
コントローラ410は、例えば、様々なセンサから信号を受信し、論理演算を実行し、様々なコンポーネントに信号を送信できる。コントローラ410は、例えば、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、プログラマブルロジックコントローラ(PLC)、プログラマブルゲートアレイ(PGA)、特定用途向け集積回路(ASIC)などのコントローラを含む。一般に、コントローラ410は、マイクロプロセッサ(例えば、INTEL、AMD、ATOM)の形態を取りうる。ロック機構コントローラ306は、少なくとも1つの在続的なプロセッサまたはコンピュータ読取り可能な記憶媒体も含みうる。当該プロセッサまたはコンピュータ読取り可能な記憶媒体の例としては、リードオンリメモリ(ROM)412、ランダムアクセスメモリ(RAM)414、および他のストレージ416(例えば、フラッシュメモリもしくはEEPROMなどの半導体型記憶媒体、またはハードディスクなどの回転型記憶媒体)が挙げられる。また、在続的なプロセッサまたはコンピュータ読取り可能な記憶媒体412、414、416は、コントローラ410の一部である任意の在続的な記憶媒体(例えばレジスタ)でありうる。ロック機構コントローラ306は、様々なコンポーネントを互いに結合する少なくとも1つのバス418(1つだけ示されている)を含みうる。バス418の例としては、少なくとも1つの電力バス、命令バス、データバスが挙げられる。
【0067】
図示のように、ROM412などの在続的なプロセッサもしくはコンピュータ読取り可能な記憶媒体412、414、416は、命令とデータの少なくとも一方、または変数もしくはパラメータの値を記憶する。データの組は、様々な形態(ルックアップテーブル、データベース内の1組のレコードなど)を取りうる。命令、データ、または値の組は、コントローラ410によって実行可能である。命令、データ、または値の組の実行は、コントローラ410に特定の動作を実行させる。当該動作は、外部デバイスから受信したコードを比較する。また、当該動作は、当該比較に基づいて、ロック機構コントローラ306に制御信号を生成させる。当該制御信号は、ポータブル電気エネルギー蓄積デバイス用ロック機構320をロックまたはロック解除する。また、当該動作は、例えば、上述のローリングコードを生成するために疑似乱数を用いる演算を含みうる。ここに記載したロック機構コントローラ306の特定の動作は、様々なフロー図(図7から図9)も参照しつつ説明される。
【0068】
コントローラ410は、命令、データなどを揮発的に記憶するために、従来の方法でRAM414を使用できる。コントローラ410は、情報を記録または保持するためにデータストレージ416を使用できる。当該情報の例としては、ユーザプロファイル情報、車両プロファイル情報、保障コード、信用証明書、保障証明書、パスワード、車両情報などに関する情報が挙げられる。命令は、外部デバイスの遠隔システムからの入力、およびエンドユーザまたはオペレータ入力に応じてロック機構コントローラ306の動作を制御するために、コントローラ410によって実行可能である。外部デバイスの例としては、充電デバイス、車両、ユーザ識別デバイス(カード、電子キーなど)、回収充電分配機、回収充電分配機サービスシステム、サービスセンタ、ユーザのモバイルデバイス、ユーザの車両が挙げられるが、これらに限られるものではない。
【0069】
また、コントローラ410は、ロック機構コントローラ306の通信サブシステム406を介して、外部デバイスの様々なセンサとコンポーネントの少なくとも一方から信号を受信できる。この信号は、そのようなコンポーネントや外部デバイスの真正さ、権限レベル、動作、ステータス、または状態を特徴付けて示す情報を含みうる。
【0070】
通信サブシステム406は、少なくとも1つの通信モジュールまたはコンポーネントを含みうる。当該通信モジュールまたはコンポーネントは、図1の回収充電分配機102と他の外部デバイスの少なくとも一方における様々なコンポーネント(例えば、保障コードを受信するためのもの)との通信を容易にする。また、当該通信モジュールまたはコンポーネントは、認証のためにロック機構コントローラ306と外部デバイスの間でデータが交換されうるようにする。通信サブシステム406は、有線通信と無線通信の少なくとも一方を提供できる。通信サブシステム406は、少なくとも1つのポート、無線受信機、無線送信機、または無線送受信器を含みうる。これらは、様々な遠隔コンポーネントまたはシステムへの無線信号経路を提供する。例えば、通信サブシステム406は、近距離無線通信または長距離無線通信を可能にするコンポーネントを含みうる。近距離無線通信は、例えば、Bluetooth、近距離無線通信(NFC)、無線周波数識別(RFID)コンポーネントおよびプロトコルを介する。長距離無線通信は、例えば、無線LAN、衛星、もしくは携帯電話ネットワークを介する。当該コンポーネントは、少なくとも1つのモデム、少なくとも1つのイーサネット、あるいは他種の通信カードまたはコンポーネントを含みうる。遠隔通信サブシステム406は、少なくとも1つのブリッジまたはルータを含みうる。これらは、パケット交換タイプの通信プロトコル(TCP/IP)、イーサネットなどのネットワークプロトコルを含む。
【0071】
実施形態によっては、ロック機構コントローラ306のコンポーネントの少なくとも一部は、ポータブル電気エネルギー蓄積デバイス106zの少なくとも1つのアクチュエータ502(図6および図7)を作動させる別個のデバイスとして、ポータブル電気エネルギー蓄積デバイス106zの外部に配置されうる。アクチュエータ502の作動は、例えば、通信サブシステム406を介して送信される無線制御信号によってなされる。
【0072】
電力インタフェース420は、コントローラ410によって制御可能である。電力インタフェース420は、ポータブル電気エネルギー蓄積デバイス106zから接続314aを介して電力をうけとり、ロック機構コントローラ306に加えて、ポータブル電気エネルギー蓄積デバイス用ロック機構320にも接続314bを介して電力を供給するように構成される。また、電力インタフェース420は、ポータブル電気エネルギー蓄積デバイス106zがポータブル電気エネルギー蓄積デバイス用ロック機構320とロック機構コントローラ306の少なくとも一方を動作させるのに十分な電力を供給することができない場合、ポータブル電気エネルギー蓄積デバイス106z以外の補助電源から接続314cを介して電力をうけとり、ポータブル電気エネルギー蓄積デバイス用ロック機構320とロック機構コントローラ306の少なくとも一方に電力を供給するように構成される。電力インタフェース420は、変圧器、コンバータ、整流器など、上述の機能を実行するために動作可能な様々なコンポーネントを含む。
【0073】
図5は、非限定的な一実施形態例に係る、図1および図3のポータブル電気エネルギー蓄積デバイス106zの断面立面図である。ポータブル電気エネルギー蓄積デバイス106zは、図3のポータブル電気エネルギー蓄積デバイスを物理的に保障するシステムに結合され、図1および図3のスクータ108内の動作可能位置にロックされている。
【0074】
ポータブル電気エネルギー蓄積デバイスホルダ510と、車両の一部508と、ポータブル電気エネルギー蓄積デバイスハウジング302と、電気端子110a、110bと、バッテリセル304と、ロック機構コントローラ306と、ポータブル電気エネルギー蓄積デバイス用ロック機構320と、補助電源516とが図示されている。バッテリセル304は、蓄積された化学エネルギーを電気エネルギーに変換する、任意の再充電可能な電気化学電池でありうる。また、バッテリセル304は、任意のタイプの再充電可能なウルトラキャパシタアレイまたは燃料電池アレイを含みうる。上述のように、電気端子110a、110bは、ポータブル電気エネルギー蓄積デバイス106zの外部からアクセス可能である。電気端子110は、電荷がポータブル電気エネルギー蓄積デバイス106zから供給されることを可能にするとともに、バッテリセル304への導電端子接続312a、312bを介して、ポータブル電気エネルギー蓄積デバイス106zを充電または再充電するために、電荷がポータブル電気エネルギー蓄積デバイス106zに供給されることも可能にする。図3では柱体として示されているが、電気端子110a、110bは、ポータブル電気エネルギー蓄積デバイス106zの外部からアクセス可能な他の任意の形態を取りうる。例えば、電気端子110は、バッテリハウジングのスロット内に配置されうる。
【0075】
ポータブル電気エネルギー蓄積デバイス用ロック機構320は、ポータブル電気エネルギー蓄積デバイスハウジング302の外側に配置され、車両部分508(例えば、車両フレームまたはシャーシ)に固定的に装着される。車両部分508は、ポータブル電気エネルギー蓄積デバイス106zが配置されるホルダ510に取り付けられる。ホルダ510は、上部開口512を有している。ポータブル電気エネルギー蓄積デバイス106zは、上部開口512を通じてホルダ510内に装填または取出しされうる。ポータブル電気エネルギー蓄積デバイス106zがホルダ510内に装填されると、ホルダ510は、上部開口512を除いて、ポータブル電気エネルギー蓄積デバイス106zを取り囲む。ポータブル電気エネルギー蓄積デバイス用ロック機構320は、スライド可能なボルト506を有している。図5に示すように、ロック状態におけるスライド可能なボルト506は、開口512を部分的に覆い、ポータブル電気エネルギー蓄積デバイス106zが開口512を通過するのをブロックする。これにより、ポータブル電気エネルギー蓄積デバイス106zがホルダ510から取り出されないようにする。スライド可能なボルト506は、車両部分508に固定的に装着されたボルトトラックに沿って、またはボルトハウジング504内でスライド可能である。ポータブル電気エネルギー蓄積デバイス用ロック機構320がロック解除状態にある場合、スライド可能なボルト506は、開口512を覆わないように、ボルトハウジング504内に引き込まれる(不図示)。これにより、ポータブル電気エネルギー蓄積デバイス106zがホルダ510の開口512を通過して取り出されるようにする。
【0076】
ポータブル電気エネルギー蓄積デバイス用ロック機構320は、制御ライン308および電力ライン314bを介して、ロック機構コントローラ306に結合される。例えば、ロック機構コントローラ306から制御ライン308を介して受信した少なくとも1つのエンジン制御信号は、スライド可能なボルト506を動かすべく、少なくとも1つのアクチュエータ502(1つだけ図示)の動作に影響を与えうる。例えば、制御信号は、第1位置と第2位置の間でアクチュエータ502を動かしうる。あるいは、制御信号は、アクチュエータ502によって生成される磁界を変化させうる。アクチュエータ502は、ソレノイド、ステップモータなどの電気モータ、または電磁石を含む様々な形態を取りうるが、これらに限定されるものではない。あるいは、アクチュエータ502は、ポータブル電気エネルギー蓄積デバイス106zのために異なるラッチ、ロックなどの保持機構を動作させるように結合されうる。
【0077】
ロック機構コントローラ306は、ポータブル電気エネルギー蓄積デバイス106zから接続314aを介して電力を受け取り、ロック機構コントローラ306に加えてポータブル電気エネルギー蓄積デバイス用ロック機構320にも接続314bを介して電力を供給するように構成される。また、ロック機構コントローラ306は、ポータブル電気エネルギー蓄積デバイス106zがポータブル電気エネルギー蓄積デバイス用ロック機構320とロック機構コントローラ306の少なくとも一方を動作させるのに十分な電力を供給することができない場合、ポータブル電気エネルギー蓄積デバイス106z以外の補助電源516から接続314cを介して電力を受け取り、ポータブル電気エネルギー蓄積デバイス用ロック機構320とロック機構コントローラ306の少なくとも一方に電力を供給するように構成されてもよい。
【0078】
ハウジング302は、改ざんを防止または阻止するための保護を提供でき、適切な強度および弾力性のある材料(ABSプラスチックなど)から形成されうる。そのようなハウジングは、改ざんを防止または阻止しうるばかりでなく、いかなる改ざんの試みについても視覚的な痕跡を残しうる。例えば、ハウジング302は、第1の色(黒など)の強固な外側レイヤと、その下の第2の色(蛍光オレンジなど)の内側レイヤとを含みうる。このような構成は、ハウジング302を切り開こうとした試みを視覚的に明らかにする。
【0079】
ハウジング302は、脆弱な基板とされうる。あるいは、脆弱な基板が、適当な接着剤などによってハウジング302の内側部分に固定されてもよい。したがって、ハウジングに対する改ざんは、回路接続を破壊し、または損傷させ、ポータブル電気エネルギー蓄積デバイス106zを動作不能にさせうる。
【0080】
図6は、非限定的な別実施形態例に係る、図1および図3のポータブル電気エネルギー蓄積デバイス106zの断面立面図である。図3のポータブル電気エネルギー蓄積デバイス用の物理保障システムは、図1のポータブル電気エネルギー蓄積デバイス106zと統合されてその一部をなしている。
【0081】
ポータブル電気エネルギー蓄積デバイスホルダ510と、ポータブル電気エネルギー蓄積デバイスハウジング302と、電気端子110a、110bと、バッテリセル304と、ロック機構コントローラ306と、ポータブル電気エネルギー蓄積デバイス用ロック機構320と、補助電源に差し込まれるアクセスパネル518とが図示されている。バッテリセル304は、蓄積された化学エネルギーを電気エネルギーに変換する任意の再充電可能な電気化学電池である。上述のように、電気端子110a、110bは、ポータブル電気エネルギー蓄積デバイス106zの外部からアクセス可能である。
【0082】
ポータブル電気エネルギー蓄積デバイス用ロック機構320は、ポータブル電気エネルギー蓄積デバイスハウジング302の内側に位置付けられ、ポータブル電気エネルギー蓄積デバイスハウジング302の内部に固定的に装着される。ホルダ510は、上部開口512を有している。ポータブル電気エネルギー蓄積デバイス106zは、上部開口512を通じてホルダ510に対して装填または取出しされうる。ポータブル電気エネルギー蓄積デバイス106zがホルダ510内に装填されると、ホルダ510は、上部開口512を除いて、ポータブル電気エネルギー蓄積デバイス106zを取り囲む。
ポータブル電気エネルギー蓄積デバイス用ロック機構320は、スライド可能なボルト506を有している。スライド可能なボルト506は、ポータブル電気エネルギー蓄積デバイスハウジング502の内壁に固定的に取り付けられたボルトトラックに沿って、またはボルトハウジング504内でスライドするように構成される。図6に示すように、スライド可能なボルト506は、ハウジング302の側面に形成された開口を通り抜けてスライドし、当該開口と位置合わせされたホルダ510の側壁の開口520に進入するように構成される。これにより、ポータブル電気エネルギー蓄積デバイス106zがホルダ510の上部開口512を通過するのを阻止し、ポータブル電気エネルギー蓄積デバイス106zがホルダ510から取り出されないようにする。ポータブル電気エネルギー蓄積デバイス用ロック機構320がロック解除状態にある場合、スライド可能なボルト506は、ポータブル電気エネルギー蓄積デバイス106z内のボルトハウジング504内に引き込まれる(不図示)。これにより、ポータブル電気エネルギー蓄積デバイス106zがホルダ510の上部開口512を通過して取り出されるようにする。
【0083】
ポータブル電気エネルギー蓄積デバイス用ロック機構320は、制御ライン308および電力ライン314bを介して、ロック機構コントローラ306に結合される。例えば、ロック機構コントローラ306から制御ライン308を介して受信した少なくとも1つのエンジン制御信号は、スライド可能なボルト506を動かすべく、少なくとも1つのアクチュエータ502(1つだけ図示)の動作に影響を与えうる。例えば、制御信号は、第1位置と第2位置の間でアクチュエータ502を動かしうる。あるいは、制御信号は、アクチュエータ502によって生成される磁界を変化させうる。アクチュエータ502は、ソレノイド、ステップモータなどの電気モータ、または電磁石を含む様々な形態を取りうるが、これらに限定されるものではない。あるいは、アクチュエータ502は、ポータブル電気エネルギー蓄積デバイス106zのために別のラッチ、ロックなどの保持機構を動作させるように結合されうる。
【0084】
ロック機構コントローラ306は、ポータブル電気エネルギー蓄積デバイス106zから接続314aを介して電力を受け取り、ロック機構コントローラ306に加えてポータブル電気エネルギー蓄積デバイス用ロック機構320にも電力ライン314bを介して電力を供給するように構成される。また、ロック機構コントローラ306は、ポータブル電気エネルギー蓄積デバイス106z以外の補助電源からライン314cを介して電力を受信するように構成される。補助電源は、ポータブル電気エネルギー蓄積デバイス106zがポータブル電気エネルギー蓄積デバイス用ロック機構320とロック機構コントローラ306の少なくとも一方を動作させるのに十分な電力を供給することができない場合、ハウジング302内のアクセスパネル518を介してライン314bに接続されうる。これにより、ポータブル電気エネルギー蓄積デバイス用ロック機構320とロック機構コントローラ306の少なくとも一方に電力を供給する。
【0085】
ハウジング302は、改ざんを防止または阻止するための保護を提供でき、適切な強度および弾力性のある材料(ABSプラスチックなど)から形成されうる。そのようなハウジングは、改ざんを防止または阻止しうるばかりでなく、いかなる改ざんの試みについても視覚的な痕跡を残しうる。例えば、ハウジング302は、第1の色(黒など)の強固な外側レイヤと、その下の第2の色(蛍光オレンジなど)の内側レイヤとを含みうる。このような構成は、ハウジング302を切り開こうとした試みを視覚的に明らかにする。
【0086】
ハウジング302は、脆弱な基板とされうる。あるいは、脆弱な基板が、適当な接着剤などによってハウジング302の内側部分に固定されてもよい。したがって、ハウジングに対する改ざんは、回路接続を破壊し、または損傷させ、ポータブル電気エネルギー蓄積デバイス106zを動作不能にさせうる。
【0087】
図7は、非限定的な一実施形態例に係る、図3から図6のロック機構コントローラを動作させる上位の方法700を示している。
【0088】
702において、ポータブル電気蓄積デバイス用保障システムは、回収充電分配機102などの外部デバイスの認証に関する情報を受信する。
【0089】
704において、ポータブル電気エネルギー蓄積デバイス用保障システムは、認証に関する情報に基づいて、ポータブル電気エネルギー蓄積デバイス用ロック機構320をロック解除して、車両に動作可能に接続された状態からポータブル電気エネルギー蓄積デバイス106zを取り外し可能にするかの判断をする。
【0090】
図8は、非限定的な一実施形態例に係る、図3から図6のロック機構コントローラを動作させる下位の方法800を示している。当該方法は、ポータブル電気エネルギー蓄積デバイスを受け入れる。当該方法は、図7の方法を実行するのに役立つ。
【0091】
802において、ポータブル電気蓄積デバイス用保障システムは、回収充電分配機102から送信された無線信号を介して認証に関する情報を受信する。回収充電分配機102から受信した無線信号は、ポータブル電気エネルギー蓄積デバイス用保障システムの通信モジュールから指定された最大距離よりも外側では、検出可能ではない。
【0092】
図9は、非限定的な一実施形態例に係る、図3図4のポータブル電気エネルギー蓄積デバイス用保障システムコントローラ306を動作させる下位の方法900を示している。当該方法は、車両の車両性能プロファイルに基づいてどれだけのエネルギーを放出すべきかを決定する。当該方法は、図8の方法を実行するのに役立つ。
【0093】
902において、ポータブル電気蓄積デバイス用保障システムは、回収充電分配機102などの外部デバイスの認証に関する情報を受信する。
【0094】
904において、ポータブル電気蓄積デバイス用保障システムは、受信した情報が真正かを判断する。
【0095】
906において、例えば、受信したコードを照合することにより、受信した情報が真正であると判断された場合、ポータブル電気エネルギー蓄積デバイス用保障システムは、ポータブル電気エネルギー蓄積デバイス用ロック機構320をロック解除して、車両に動作可能に接続された状態からポータブル電気エネルギー蓄積デバイスが取り外し可能となるように、ロック機構コントローラ306から信号を送信する。
【0096】
908において、ポータブル電気蓄積デバイス用保障システムは、情報を継続して受信可能かを判断する。例えば、ロック機構コントローラ306が、回収充電分配機102から無線信号を受信できなくなると(例えば、スクータまたはモータバイクが、回収充電分配機102においてポータブル電気エネルギー蓄積デバイス106zの交換を既に済ませ、回収充電分配機102の無線信号126の範囲内にいなくなった後)、情報が継続して受信されることはない。
【0097】
909において、受信した情報が真正ではないか、情報がポータブル電気蓄積デバイス用保障システムによって継続して受信されることがないと判断された場合、およびポータブル電気エネルギー蓄積デバイス用ロック機構320がまだロックされていない場合、ポータブル電気エネルギー蓄積デバイス用保障システムは、ロック機構コントローラ306から信号を送信する。当該信号により、ポータブル電気エネルギー蓄積デバイス用ロック機構320をロックして、車両に動作可能に接続された状態からポータブル電気エネルギー蓄積デバイスが取り外されるのを防止する。ポータブル電気蓄積デバイス用保障システムによって情報が継続して受信可能である場合、再び902に進んで情報の認証を実行することにより、方法900が繰り返される。方法900は、周期的または連続的に繰り返されうる。
【0098】
本明細書に記載される様々な方法は、幾つかの動作を追加あるいは省略してもよく、フロー図に示されたものと異なる順序で動作が実行されてもよい。
【0099】
以上の詳細な説明においては、ブロック図、概略図、および例を用いて装置やプロセスの様々な実施形態を提示した。このようなブロック図、概略図、および例が少なくとも1つの機能や動作を含む場合、広範なハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、あるいは実現可能なそれらの組合せにより、当該機能や動作が個別あるいはまとめて実現されうることは、当業者にとって明らかである。
一実施形態においては、開示の主題は、少なくとも1つのマイクロコントローラを通じて実現されうる。しかしながら、本明細書に開示された各実施形態の少なくとも一部は、標準的な集積回路(特定用途向け集積回路すなわちASICなど)により、少なくとも1つのコンピュータにより実行される少なくとも1つのコンピュータプログラムとして(例えば、少なくとも1つのコンピュータシステム上で動作する少なくとも1つのプログラムとして)、少なくとも1つのコントローラ(マイクロコントローラなど)により実行される少なくとも1つのプログラムとして、少なくとも1つのプロセッサ(マイクロプロセッサなど)により実行される少なくとも1つのプログラムとして、ファームウェアとして、あるいはこれらの組合せによって同等に実現されうることは、当業者にとって明らかである。
また、本明細書の教示を踏まえた回路設計、ソフトウェアやファームウェアのコードライティングは、当業者の技量の範囲内であることは明らかである。
【0100】
ロジックがソフトウェアとして実現されてメモリに格納されるとき、ロジックまたは情報は、在続的なコンピュータ読取り可能媒体に記憶されうる。当該媒体は、プロセッサに関連するシステムまたは方法により、あるいはこれらとの関連において使用されるものである。本明細書においては、メモリは、在続的かつコンピュータあるいはプロセッサ読取り可能な記憶媒体を指す。当該媒体は、コンピュータプログラムあるいはプロセッサプログラムを在続的に格納する物理的(電子的、磁気的、光学的など)デバイスあるいは手段である。ロジックや情報は、コンピュータ読取り可能な媒体により具現化されうる。当該媒体は、命令を実行するシステム、装置、あるいはデバイスにより、あるいはこれらとの関連において使用されるものである。当該システム、装置、あるいはデバイスの例としては、コンピュータベースのシステム、プロセッサを含むシステム、当該システム、装置、あるいはデバイスから当該ロジックや情報に係る命令を取得して実行するその他のシステムが挙げられる。
【0101】
本明細書において、「コンピュータ読取り可能な媒体」という語は、ロジックや情報を格納できる物理的エレメントを指しうる。当該ロジックや情報は、命令を実行するシステム、装置、あるいはデバイスにより、あるいはこれらとの関連において使用されるものである。コンピュータ読取り可能な媒体は、例えば、電子的、磁気的、光学的、電磁的、赤外線の、または半導体のシステム、装置、あるいはデバイスでありうるが、これらに限定されるものではない。
コンピュータ読取り可能な媒体のより具体的な例としては、可搬型コンピュータディスク(磁気ディスク、コンパクトフラッシュカード、SDカードなど)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、リードオンリメモリ(ROM)、消去可能なプログラマブルリードオンリメモリ(EPROM、FEPROM、またはフラッシュメモリ)、可搬型コンパクトディスクリードオンリメモリ(CDROM)、デジタルテープが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0102】
上記の様々な実施形態は、別の実施形態を提供するために組み合されうる。本明細書における特定の教示や定義と矛盾しない限りにおいて、本明細書において参照されているか出願データシートに列挙されている米国特許、米国特許出願公開公報、外国特許出願公開公報、および非特許刊行物の全ての内容を、本明細書の一部を構成するものとして援用する。それらには、以下に列挙するものが含まれるが、これらに限定されるものではない。
発明の名称が「電池などの電力蓄積デバイスを回収し、充電し、分配する装置、方法、および物品」とされ、2011年7月26日に出願された米国仮特許出願61/511,900号(代理人整理番号170178.401P1)。
発明の名称が「電池などの電力蓄積デバイスを回収し、充電し、分配する装置、方法、および物品」とされ、2012年5月16日に出願された米国仮特許出願61/647,936号(代理人整理番号170178.401P2)。
発明の名称が「回収・充電・分配機の間で電池などの電力蓄積デバイスを再分配する装置、方法、および物品」とされ、2011年9月14日に出願された米国仮特許出願61/534,753号(代理人整理番号170178.402P1)。
発明の名称が「電池などの電力蓄積デバイスを認証し、保障し、制御する装置、方法、および物品」とされ、2011年9月14日に出願された米国仮特許出願61/534,761号(代理人整理番号170178.403P1)。
発明の名称が「ユーザプロフィールに基づいて電池などの電力蓄積デバイスを認証し、保障し、制御する装置、方法、および物品」とされ、2011年9月14日に出願された米国仮特許出願61/534,772号(代理人整理番号170178.404P1)。
発明の名称が「電動車両におけるコンポーネントの熱管理」とされ、2011年7月26日に出願された米国仮特許出願61/511,887号(代理人整理番号170178.406P1)。
発明の名称が「電動車両におけるコンポーネントの熱管理」とされ、2012年5月16日に出願された米国仮特許出願61/647,941号(代理人整理番号170178.406P2)。
発明の名称が「ベストエフォートエコノミーのための車両動作の動的制限」とされ、2011年7月26日に出願された米国仮特許出願61/511,880号(代理人整理番号170178.407P1)。
発明の名称が「車両における電力蓄積デバイスを物理的に保障する装置、方法、および物品」とされ、2011年11月8日に出願された米国仮特許出願61/557,170号(代理人整理番号170178.408P1)。
発明の名称が「電力蓄積デバイスコンパートメントのための装置、方法、および物品」とされ、2011年12月29日に出願された米国仮特許出願61/581,666号(代理人整理番号170178.412P1)。
発明の名称が「車両診断データを提供する装置、方法、および物品」とされ、2012年2月21日に出願された米国仮特許出願61/601,404号(代理人整理番号170178.417P1)。
発明の名称が「電力蓄積デバイスの回収・充電・分配機の位置を提供する装置、方法、および物品」とされ、2012年2月22日に出願された米国仮特許出願61/601,949号(代理人整理番号170178.418P1)。
発明の名称が「電力蓄積デバイスの回収・充電・分配機における電力蓄積デバイスの利用可能性に係る情報を提供する装置、方法、および物品」とされ、2012年2月22日に出願された米国仮特許出願61/601,953号(代理人整理番号170178.419P1)。
発明の名称が「電池などの電力蓄積デバイスを回収し、充電し、分配する装置、方法、および物品」とされ、Hok-Sum Horace Luke,Matthew Whiting Taylor,Huang-Cheng Hungを発明者として2012年7月26日に出願された米国特許出願(出願番号未定:代理人整理番号170178.401)。
発明の名称が「電池などの電力蓄積デバイスを認証し、保障し、制御する装置、方法、および物品」とされ、Hok-Sum Horace Luke,Matthew Whiting Taylor,Huang-Cheng Hungを発明者として2012年7月26日に出願された米国特許出願(出願番号未定:代理人整理番号170178.403)。
発明の名称が「ベストエフォートエコノミーのための車両動作の動的制限」とされ、Hok-Sum Horace Luke,Matthew Whiting Taylorを発明者として2012年7月26日に出願された米国特許出願(出願番号未定:代理人整理番号170178.407)。
発明の名称が「車両診断データを提供する装置、方法、および物品」とされ、Ching Chen,Hok-Sum Horace Luke,Matthew Whiting Taylor,Yi-Tsung Wuを発明者として2012年7月26日に出願された米国特許出願(出願番号未定:代理人整理番号170178.417)。
発明の名称が「電力蓄積デバイスの回収・充電・分配機における電力蓄積デバイスの利用可能性に係る情報を提供する装置、方法、および物品」とされ、Yi-Tsung Wu,Matthew Whiting Taylor,Hok-Sum Horace Luke,Jung-Hsiu Chenを発明者として2012年7月26日に出願された米国特許出願(出願番号未定:代理人整理番号170178.419)。
発明の名称が「保管電力蓄積デバイスの回収・充電・分配機における電力蓄積デバイスを保管する装置、方法、および物品」とされ、Hok-Sum Horace Luke,Yi-Tsung Wu,Jung-Hsiu Chen,Yulin Wu,Chien Ming Huang,Tsung Ting Chan,Shen-Chi Chen,Feng Kai Yangを発明者として2012年7月26日に出願された米国特許出願(出願番号未定:代理人整理番号170178.423)。
【0103】
実施形態の態様は、別の実施形態を提供すべく、必要に応じて様々な特許、出願、および刊行物に記載のシステム、回路、および思想を採用することにより改変されうる。
【0104】
一般に個人輸送車両(全電気式のスクータやモータバイクなど)に用いるものとしてポータブル電気エネルギー蓄積デバイスの回収充電分配を説明してきたが、本明細書の記載は、他種車両や非車両を含む様々な分野に適用可能である。
【0105】
実施形態例に係る記載(要約書の記載も含む)は、開示された形態そのものに実施形態を限定し、当該形態以外を排除することを意図するものではない。本明細書に記載された特定の実施形態や実施例は、例示を目的としたものであり、開示の思想と範囲を逸脱しない限りにおいて様々な同等の改変がなされうることは、当業者にとって明らかである。
【0106】
上記の記載を踏まえた様々な変更が実施形態に対してなされうる。一般に、以降の請求項において使用されている語は、特許請求の範囲を明細書中に記載された特定の実施形態に限定するように解釈されるべきではなく、特許請求の範囲より得られる均等物の最大範囲において可能な全ての実施形態を含むものと解釈すべきである。したがって、特許請求の範囲は、本明細書の記載により限定されない。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9