特許第5758170号(P5758170)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5758170
(24)【登録日】2015年6月12日
(45)【発行日】2015年8月5日
(54)【発明の名称】電気接続箱
(51)【国際特許分類】
   H02G 3/14 20060101AFI20150716BHJP
   H02G 3/16 20060101ALI20150716BHJP
【FI】
   H02G3/14
   H02G3/16
【請求項の数】2
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2011-77881(P2011-77881)
(22)【出願日】2011年3月31日
(65)【公開番号】特開2012-213287(P2012-213287A)
(43)【公開日】2012年11月1日
【審査請求日】2014年2月17日
(73)【特許権者】
【識別番号】000006895
【氏名又は名称】矢崎総業株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000005326
【氏名又は名称】本田技研工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100060690
【弁理士】
【氏名又は名称】瀧野 秀雄
(74)【代理人】
【識別番号】100108017
【弁理士】
【氏名又は名称】松村 貞男
(74)【代理人】
【識別番号】100134832
【弁理士】
【氏名又は名称】瀧野 文雄
(74)【代理人】
【識別番号】100165308
【弁理士】
【氏名又は名称】津田 俊明
(74)【代理人】
【識別番号】100166110
【弁理士】
【氏名又は名称】吉田 裕二
(72)【発明者】
【氏名】渡邊 紀夫
(72)【発明者】
【氏名】古屋 宏恭
(72)【発明者】
【氏名】八木 寿久
(72)【発明者】
【氏名】藤平 大輔
【審査官】 月野 洋一郎
(56)【参考文献】
【文献】 特開2005−086865(JP,A)
【文献】 特開2004−201448(JP,A)
【文献】 実開平06−048148(JP,U)
【文献】 特開平02−241315(JP,A)
【文献】 特開平10−223299(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02G 3/14
H02G 3/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
上面に電気部品が取り付けられる箱本体と、
前記箱本体の上面を覆った状態で当該箱本体に取り付けられるアッパカバーとを備えた電気接続箱において、
前記箱本体が、
互いに組みつけられる複数のブロックを備え、
前記ブロックそれぞれの一方の端部には、第1係合部が設けられ
前記ブロックそれぞれの他方の端部には、第2係合部が設けられ、
前記第1係合部は、前記アッパカバーを係止するための係合枠部であり、
前記第2係合部は、前記アッパカバーを引っ掛けるための突起状の引っ掛け部であり、
前記ブロックそれぞれの他方の端部には、前記係合枠部を収容して当該係合枠部を前記電気部品に重なる位置に位置付ける収容凹部が設けられていることを特徴とする電気接続箱。
【請求項2】
前記複数のブロックが、互いに同形状に形成されていることを特徴とする請求項1記載の電気接続箱。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、移動体としての自動二輪車などに搭載される電気接続箱に関する。
【背景技術】
【0002】
移動体としての自動二輪車には、一般に、ヘッドランプ及びテールランプなどのランプ類、スタータモータ、などの多種多様な電子機器が搭載されている。
【0003】
前述した多種多様な電子機器に電力を供給するために、前記自動二輪車は、ジャンクションブロックを適宜箇所に配置してきた。前記ジャンクションブロックは、多数のヒューズやリレー等の各種の電気回路ユニットを集約して構成されている。
【0004】
なお、ジャンクションブロックは、ヒューズ、リレー、ブスバーなどを有することもあることから、ヒューズブロック、リレーボックス、又は総称して電気接続箱とも呼ばれる。本明細書では、前述したヒューズブロック、リレーボックス、ジャンクションブロックを、総称して以下電気接続箱(例えば、特許文献1参照)と呼ぶ。
【0005】
特許文献1などに示された電気接続箱は、箱本体と、この箱本体内に収容される複数のバスバと、前記箱本体を収容するアッパカバー及びロアカバーとを備えている。箱本体は、それぞれ絶縁性の合成樹脂で構成され、かつ互いに取り付けられる複数のブロックを備えている。
【0006】
ブロックは、その上面にヒューズ、リレーなどの電気部品が取り付けられかつその下面にワイヤハーネスの複数の電線の端末が取り付けられる。バスバは、ブロック内に設けられて、前述したワイヤハーネスの各電線と前述した電気部品とを予め定められたパターンにしたがって電気的に接続する。
【0007】
アッパカバーとロアカバーは、互いに取り付けられて、内側に前述した箱本体を収容する。
【0008】
前述した電気接続箱は、電源からの電力が電源ケーブルにより供給され、この電力をバスバなどにより分岐し、前述したヒューズやリレーを通した後に、ワイヤハーネスの電線を介して、各種の電子機器に供給する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開平8−279686号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
前述した自動二輪車に搭載される電気接続箱はより小型であることが求められている。しかしながら、特許文献1に示された電気接続箱では、アッパカバーとロアカバー内に箱本体を収容するために、大型化してしまう。そこで、互いに組み付けられた複数のブロックに直接アッパカバーを取り付けて、電気接続箱を小型化することも提案されている。しかしながら、この場合、ブロックにアッパカバーを取り付けるための係合部を設ける必要があって、当該係合部により箱本体が大型化してしまう。
【0011】
したがって、本発明の目的は、複数のブロック同士を組み付けて箱本体を構成しても、当該箱本体の大型化を抑制することができる電気接続箱を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
前記課題を解決し目的を達成するために、請求項1に記載の本発明の電気接続箱は、上面に電気部品が取り付けられる箱本体と、前記箱本体の上面を覆った状態で当該箱本体に取り付けられるアッパカバーとを備えた電気接続箱において、前記箱本体が、互いに組みつけられる複数のブロックを備え、前記ブロックそれぞれの一方の端部には、第1係合部が設けられ前記ブロックそれぞれの他方の端部には、第2係合部が設けられ、前記第1係合部は、前記アッパカバーを係止するための係合枠部であり、前記第2係合部は、前記アッパカバーを引っ掛けるための突起状の引っ掛け部であり、前記ブロックそれぞれの他方の端部には、前記係合枠部を収容して当該係合枠部を前記電気部品に重なる位置に位置付ける収容凹部が設けられていることを特徴としている。
【0013】
請求項2に記載の本発明の電気接続箱は、請求項1記載の電気接続箱において、前記複数のブロックが、互いに同形状に形成されていることを特徴としている。
【0014】
請求項1に記載した本発明の電気接続箱によれば、箱本体を構成する複数のブロックに第1係合部を収容して当該第1係合部を電気部品に重なる位置に位置付ける収容凹部を設けている。このために、複数のブロックが互いに組みつけられて構成される箱本体が第1係合部の分だけ長さが長くなることがない。
【0015】
請求項2に記載した本発明の電気接続箱によれば、複数のブロックを互いに同形状に形成したので、電気接続箱を構成する部品の種類が増加することを防止できる。
【発明の効果】
【0016】
以上説明したように請求項1に記載の本発明は、複数のブロックが互いに組みつけられて構成される箱本体が第1係合部の分だけ長さが長くなることがないので、箱本体の大型化を抑制することができる。よって、複数のブロック同士を組み付けて箱本体を構成しても、当該箱本体の大型化を抑制することができる。
【0017】
請求項2に記載の本発明は、電気接続箱を構成する部品の種類が増加することを防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本発明の一実施形態に係る電気接続箱の斜視図である。
図2図1に示された電気接続箱の箱本体を分解して示す斜視図である。
図3図1に示された電気接続箱の他方向からみた斜視図である。
図4図3に示された電気接続箱の箱本体の斜視図である。
図5図2に示された電気接続箱の箱本体のブロックの平面図である。
図6図5中の矢印IV方向から見た側面図である。
図7図5中の矢印V方向から見た側面図である。
図8図5中のVI−VI線に沿う断面図である。
図9図1中のVII−VII線に沿う断面図である。
図10図1に示された電気接続箱を備えた自動二輪車の側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の一実施形態にかかる電気接続箱を図1ないし図10に基づいて説明する。本実施形態にかかる図1に示す電気接続箱1は、移動体としての自動二輪車2(図10に示す)に搭載される。電気接続箱1は、図10に示すように、自動二輪車2のダミータンク型収納ボックス3よりも前方側に配置されたバッテリボックス4内にバッテリ5に隣接して収容されている。
【0020】
電気接続箱1は、図1図2及び図3に示すように、箱本体6と、アッパカバー7とを備えている。なお、本実施形態では、箱本体6とアッパカバー7とが互いに重なる方向を厚み方向Zとよび、この厚み方向Zに対して交差(図示例では直交)し後述するブロック8同士が並ぶ方向を長手方向Yとよび、前記厚み方向Zと長手方向Yとの双方に対して交差(図示例では直交)する方向を幅方向Xとよぶ。
【0021】
箱本体6は、互いに汲みつけられる複数のブロック8と、図示しないバスバと、を備えている。なお、図示例では、箱本体6は、二つのブロック8を備えており、これら二つのブロック8は互いに同形状に形成されている。
【0022】
ブロック8は、絶縁性の合成樹脂で構成され、箱状に形成されている。ブロック8は、図4乃至図8に示すように、箱状のブロック本体9と、連結部10と、カバー固定部11と、収容凹部12とを備えている。
【0023】
ブロック本体9は、箱状に形成され、かつ図4図6及び図7中の上方側に位置する表面9a(以下、上面と呼ぶ)に電気部品としてのヒューズ13やリレー14などを装着する装着部15を設け、図4図6及び図7中の下方側に位置する表面9b(以下、下面と呼ぶ)にワイヤハーネスのコネクタが装着されるコネクタ装着部を設けている。
【0024】
連結部10は、ブロック本体9の一方の端部17(ブロック8の一方の端部に相当)に設けられた連結係合部19及びガイド溝部20と、ブロック本体9の他方の端部18(ブロック8の他方の端部に相当)に設けられた連結係合受け部21及びガイド突起22と、を備えている。連結係合部19は、ブロック8のブロック本体9の一方の端部17の端面17aの中央から凸の突起状に形成されている。ガイド溝部20は、前記端面17aの幅方向Xの両端に設けられている。ガイド溝部20は、前記端面17aの表面から凸でかつ互いに幅方向Xに間隔をあけて設けられているとともに厚み方向Zに沿って直線状に延在した一対の凸条壁23を備えている。
【0025】
連結係合受け部21は、ブロック8のブロック本体9の他方の端部18の端面18aの中央に一端が連なった可撓性を有するアーム状に形成されている。ガイド突起22は、前記端面18aの幅方向Xの両端に設けられている。ガイド突起22は、前記端面18aの表面から凸でかつ厚み方向Zに沿って直線状に延在している。
【0026】
前述した構成の連結部10は、ガイド突起22をガイド溝部20の一対の凸条壁23間に通して、ブロック8同士を厚み方向Zに沿って互いに近づくように案内するとともに、連結係合部19が連結係合受け部21に係合することで、ブロック8同士を直列に連結する。
【0027】
カバー固定部11は、図5及び図8に示すように、第2係合部としての引っ掛け部24と、第1係合部としての係合枠部25とを備えている。引っ掛け部24は、ブロック本体9の他方の端部18の端面18aから凸の一対の引っ掛け突起26を備えている。一対の引っ掛け突起26は、ブロック本体9の他方の端部18の端面18aの上面9a寄りの箇所に設けられ、かつ、互いに幅方向Xに間隔をあけて設けられている。
【0028】
係合枠部25は、ブロック本体9の一方の端部17の端面17aに両端が連なった枠状に形成されている。係合枠部25は、ブロック本体9の一方の端部17の端面17aの上面9a寄りの箇所でかつ幅方向Xの中央に設けられている。
【0029】
収容凹部12は、ブロック本体9の他方の端部18の端面18aと上面9aとの双方から凹に形成されており、前記端面18aの幅方向Xの中央に設けられている。収容凹部12は、図9に示すように、連結部10によりブロック8が互いに直列に連結された際に、係合枠部25を内側に収容する。また、収容凹部12は、図9に示すように、内側に収容した係合枠部25上に最も他方の端部18の端面18a寄りの装着部15に装着される電気部品としてのリレー14が重なる位置に設けられている。即ち、収容凹部12は、ブロック8のブロック本体9の係合枠部25をリレー14に重なる位置に位置付けている。
【0030】
バスバは、導電性の板金で構成され、かつブロック本体9内に収容されている。バスバは、装着部15に装着されるヒューズ13やリレー14と、コネクタ装着部に装着されるワイヤハーネスのコネクタとを予め定められたパターンにしたがって電気的に接続する。
【0031】
前述した構成の箱本体6は、連結部10によりブロック8が互いに直列に連結されて組み立てられる。そして、箱本体6は、装着部15にヒューズ13やリレー14が取り付けられるとともに、コネクタ装着部にワイヤハーネスのコネクタが装着される。そして、箱本体6は、装着部15に装着されるヒューズ13やリレー14と、コネクタ装着部に装着されるワイヤハーネスのコネクタとを予め定められたパターンにしたがって電気的に接続する。
【0032】
アッパカバー7は、絶縁性の合成樹脂からなり、周知の射出成形により成形される。アッパカバー4は、平坦な天井壁27と、この天井壁27の外縁それぞれから立設した四つの周壁28とを備えている。また、アッパカバー7の長手方向Yの一方の端部には、係合爪29が設けられ、アッパカバー7の長手方向Yの他方の端部には、引っ係り部30が設けられている。係合爪29は、アッパカバー7の周壁28の縁から箱本体6に向かって突出した爪状に形成されている。係合爪29は、係合枠部25内に侵入して、当該係合枠部25に係止する。引っ係り部30は、アッパカバー7の周壁28の縁から箱本体6に向かって突出した平板状に形成されかつ引っ掛け突起26が侵入する侵入受け孔31が設けられている。
【0033】
前述した構成のアッパカバー7は、引っ係り部30の侵入受け孔31内に引っ掛け突起26を侵入させて当該引っ掛け突起26を引っ掛ける。そして、アッパカバー7は、係合爪29が係合枠部25に近づくように、侵入受け孔31を中心として回転されて、箱本体6に近づけられる。アッパカバー7は、係合爪29が係合枠部25内に侵入して、当該係合枠部25に係止することで、箱本体6の上面9aを覆う状態で、当該箱本体6に取り付けられる。
【0034】
前述したように構成された電気接続箱1は、バッテリボックス4内にバッテリ5に隣接して収容されて、自動二輪車2に取り付けられる。
【0035】
本実施形態によれば、箱本体6を構成する複数のブロック8に係合枠部25を収容して当該係合枠部25をリレー14に重なる位置に位置付ける収容凹部12を設けている。このために、複数のブロック8が互いに組みつけられて構成される箱本体6が係合枠部25の分だけ長さが長くなることがない。したがって、箱本体6の大型化を抑制することができる。よって、複数のブロック8同士を組み付けて箱本体6を構成しても、当該箱本体6の大型化を抑制することができる。
【0036】
また、複数のブロック8を互いに同形状に形成したので、電気接続箱1を構成する部品の種類が増加することを防止できる。
【0037】
なお、前述した実施形態は本発明の代表的な形態を示したに過ぎず、本発明は、実施形態に限定されるものではない。即ち、本発明の骨子を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。
【符号の説明】
【0038】
1 電気接続箱
6 箱本体
7 アッパカバー
8 ブロック
9a 上面
12 収容凹部
13 ヒューズ(電気部品)
14 リレー(電気部品)
17 一方の端部
18 他方の端部
24 引っ掛け部(第2係合部)
25 係合枠部(第1係合部)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10