(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5758265
(24)【登録日】2015年6月12日
(45)【発行日】2015年8月5日
(54)【発明の名称】車両用計器
(51)【国際特許分類】
G01D 11/24 20060101AFI20150716BHJP
【FI】
G01D11/24 A
【請求項の数】4
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2011-228185(P2011-228185)
(22)【出願日】2011年10月17日
(65)【公開番号】特開2013-88255(P2013-88255A)
(43)【公開日】2013年5月13日
【審査請求日】2014年8月7日
(73)【特許権者】
【識別番号】591182112
【氏名又は名称】NSウエスト株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001427
【氏名又は名称】特許業務法人前田特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100077931
【弁理士】
【氏名又は名称】前田 弘
(74)【代理人】
【識別番号】100110939
【弁理士】
【氏名又は名称】竹内 宏
(74)【代理人】
【識別番号】100110940
【弁理士】
【氏名又は名称】嶋田 高久
(74)【代理人】
【識別番号】100113262
【弁理士】
【氏名又は名称】竹内 祐二
(74)【代理人】
【識別番号】100115059
【弁理士】
【氏名又は名称】今江 克実
(74)【代理人】
【識別番号】100117581
【弁理士】
【氏名又は名称】二宮 克也
(74)【代理人】
【識別番号】100117710
【弁理士】
【氏名又は名称】原田 智雄
(74)【代理人】
【識別番号】100124671
【弁理士】
【氏名又は名称】関 啓
(74)【代理人】
【識別番号】100131060
【弁理士】
【氏名又は名称】杉浦 靖也
(74)【代理人】
【識別番号】100131200
【弁理士】
【氏名又は名称】河部 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】100131901
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 雅典
(74)【代理人】
【識別番号】100132012
【弁理士】
【氏名又は名称】岩下 嗣也
(74)【代理人】
【識別番号】100141276
【弁理士】
【氏名又は名称】福本 康二
(74)【代理人】
【識別番号】100143409
【弁理士】
【氏名又は名称】前田 亮
(74)【代理人】
【識別番号】100157093
【弁理士】
【氏名又は名称】間脇 八蔵
(74)【代理人】
【識別番号】100163186
【弁理士】
【氏名又は名称】松永 裕吉
(74)【代理人】
【識別番号】100163197
【弁理士】
【氏名又は名称】川北 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】100163588
【弁理士】
【氏名又は名称】岡澤 祥平
(72)【発明者】
【氏名】宮木 至聖
(72)【発明者】
【氏名】森田 敏治
【審査官】
櫻井 仁
(56)【参考文献】
【文献】
特開2011−133373(JP,A)
【文献】
国際公開第2011/077997(WO,A1)
【文献】
特開平11−101205(JP,A)
【文献】
特開昭63−210779(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2008/0024288(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01D 11/24
B60K 35/00
H05K 5/03
5/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに係合する係合部及び被係合部のいずれか一方を外周縁部に間隔をあけて複数有し、正面側に複数の凹部が形成されるとともに該各凹部に対応する複数の凸部が背面側に形成されたパネル状のリアカバーと、
複数の計器部品が上記リアカバーの各凹部に対応して取り付けられ、上記リアカバーの正面側に組み付けられたプリント基板と、
上記係合部及び被係合部のいずれか他方を外周縁部に間隔をあけて複数有し、上記リアカバーの背面側を下方に向けた状態で、上方から上記リアカバーに対して押圧することで上記各係合部をそれぞれ上記各被係合部に係合させて上記リアカバーの正面側に組み付けられ、上記プリント基板の正面側を覆うフロントカバーとを備えた車両用計器であって、
上記リアカバーの背面側には、複数の突起が上記係合部及び被係合部のいずれか一方の各々に接近するように、且つ、上記リアカバーの各凸部よりも背面側に突出するように一体に突設され、上記各突起先端は、略同一平面上に位置していることを特徴とする車両用計器。
【請求項2】
請求項1に記載の車両用計器において、
上記突起は、上記リアカバーの央部を中心として一方側の2箇所と他方側の1箇所との計3箇所に少なくとも設けられ、当該3箇所の突起で形成される三角形の内方に上記リアカバーの央部を含むように位置していることを特徴とする車両用計器。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の車両用計器において、
上記リアカバーには、互いに係合する上記係合部及び被係合部のいずれか一方と上記突起とが車幅方向略中央にも設けられ、
上記フロントカバーには、上記係合部及び被係合部のいずれか他方が上記リアカバーの車幅方向略中央に設けられた上記係合部及び被係合部のいずれか一方に対応する位置に設けられていることを特徴とする車両用計器。
【請求項4】
請求項1から3のいずれか1つに記載の車両用計器において、
複数箇所で互いに接近する上記係合部及び被係合部のいずれか一方と上記突起との間隔は、それぞれ略同一であることを特徴とする車両用計器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両の各種状態を表示する車両用計器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、車両の運転席前方に設けられる車両用計器は、例えば、特許文献1に開示されているように、照明用LED等の計器部品が取り付けられたプリント基板と、該プリント基板の正面側全域を覆うパネル状のフロントカバーと、上記プリント基板の背面側全域を覆うリアカバーとを備え、背面側を下方に向けた略水平状態のリアカバーに、その上方からプリント基板及びフロントカバーを順次組み付けて作られるようになっている。
【0003】
そして、上記フロントカバーを上記リアカバーへ組み付ける一般的な構造として、上記リアカバーに形成された複数の貫通孔と、上記フロントカバーに形成された複数の係合爪とを互いに係合させるものが知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2005−19741号公報(段落0069〜0077欄、
図2)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、上記リアカバーは、上記プリント基板に取り付けられた複数の計器部品との干渉を避けるために、正面側に各計器部品に対応する複数の凹部が形成されるとともに該各凹部に対応する複数の凸部が背面側に形成され、当該凸部の形状及び位置は車種毎に異なっている。したがって、リアカバーにフロントカバーを組み付ける際、リアカバーを作業テーブル等に置くだけでは上記複数の凸部によってリアカバーがガタついて組み付けが不安定となるので、上記リアカバーを下方から支持して安定させる治具が車種毎に必要であり、治具の製作コストが嵩むとともに、製作する車種の切替時に治具を交換する必要があり、治具の段取り替えに手間がかかってしまう。
【0006】
また、上記リアカバーは、パネル状をなしているので、パネル面と交差する方向に力が加わると撓みやすい。したがって、上方から上記フロントカバーを上記リアカバーに対して押圧して係合爪を貫通孔に係合させる際に、上記貫通孔が係合爪周縁から受ける押圧力によって上記リアカバーの貫通孔周辺が撓んでしまい、上記係合爪が貫通孔に半掛かりとなって組付不良の生じるおそれがある。
【0007】
本発明は、斯かる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、治具の製作コストを削減するとともに治具の段取り替えの手間を省き、組付不良の発生を防止できる車両用計器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の目的を達成するために、本発明は、リアカバーに形成された組み付け用の複数の係合部又は被係合部にそれぞれ接近する複数の突起を上記リアカバーの背面側に設けたことを特徴とする。
【0009】
具体的には、互いに係合する係合部及び被係合部のいずれか一方を外周縁部に間隔をあけて複数有し、正面側に複数の凹部が形成されるとともに該各凹部に対応する複数の凸部が背面側に形成されたパネル状のリアカバーと、複数の計器部品が上記リアカバーの各凹部に対応して取り付けられ、上記リアカバーの正面側に組み付けられたプリント基板と、上記係合部及び被係合部のいずれか他方を外周縁部に間隔をあけて複数有し、上記リアカバーの背面側を下方に向けた状態で、上方から上記リアカバーに対して押圧することで上記各係合部をそれぞれ上記各被係合部に係合させて上記リアカバーの正面側に組み付けられ、上記プリント基板の正面側を覆うフロントカバーとを備えた車両用計器において、次のような解決手段を講じた。
【0010】
すなわち、第1の発明では、上記リアカバーの背面側には、複数の突起が上記係合部及び被係合部のいずれか一方の各々に接近するように、且つ、上記リアカバーの各凸部よりも背面側に突出するように一体に突設され、上記各突起先端は、略同一平面上に位置していることを特徴とする。
【0011】
第2の発明では、第1の発明において、上記突起は、上記リアカバーの央部を中心として一方側の2箇所と他方側の1箇所との計3箇所に少なくとも設けられ、当該3箇所の突起で形成される三角形の内方に上記リアカバーの央部を含むように位置していることを特徴とする。
【0012】
第3の発明では、第1又は第2の発明において、上記リアカバーには、互いに係合する上記係合部及び被係合部のいずれか一方と上記突起とが車幅方向略中央にも設けられ、上記フロントカバーには、上記係合部及び被係合部のいずれか他方が上記リアカバーの車幅方向略中央に設けられた上記係合部及び被係合部のいずれか一方に対応する位置に設けられていることを特徴とする。
【0013】
第4の発明では、第1から第3のいずれか1つに記載の車両用計器において、複数箇所で互いに接近する上記係合部及び被係合部のいずれか一方と上記突起との間隔は、それぞれ略同一であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
第1の発明では、リアカバーの背面側を下方に向けて当該リアカバーを作業テーブルに置くと、リアカバーの複数の凸部が作業テーブルに接触せずに複数の突起がリアカバーの脚代わりとなって作業テーブルに接触するようになるので、リアカバーは作業テーブルに置かれた状態で安定する。したがって、リアカバーを作業テーブルに置くだけでリアカバーへのフロントカバーの安定した組み付けが可能となり、組み付け用の治具を製作する必要が無くなって治具の製作コストがかからなくなり、しかも、治具の段取り替えをも無くすことができる。また、上記複数の突起によってリアカバーの各係合部又は各被係合部周辺の剛性が高まるので、組み付け時に係合部及び被係合部のいずれか一方が他方から押圧力を受けても係合部又は被係合部周辺が撓み難く、上記係合部と被係合部との係合が半掛かりになるのを防いで組付不良を無くすことができる。
【0015】
第2の発明では、リアカバー内の離れた位置に形成された3つの突起でリアカバーが作業テーブルに置かれるので、リアカバーは作業テーブルに置かれた状態でさらに安定し、リアカバーへのフロントカバーの組み付けがさらに容易となる。
【0016】
第3の発明では、パネル状のリアカバーで最も撓み易い略中央部分に設けられた係合部又は被係合部周辺の剛性を高めることにより、リアカバーにフロントカバーを組み付ける際に、リアカバーの中央部分の沈み込みを抑え、フロントカバー及びリアカバーの略中央部分に設けられた係合部及び被係合部が互いに半掛かりになるのを防ぐことができる。
【0017】
第4の発明では、リアカバーの各係合部又は各被係合部周辺の剛性が略同一となるので、リアカバーにフロントカバーを組み付ける際にフロントカバーに加わる力のバランスが良くなって組み付けの際に作業者が無駄な押圧力を加える必要がなくなり、組付作業が簡易となる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】本発明の実施形態に係る車両用計器の正面図である。
【
図2】実施形態に係る車両用計器の分解斜視図である。
【
図3】実施形態に係る計器本体を背面側から見た斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。尚、以下の好ましい実施形態の説明は、本質的に例示に過ぎない。
【0020】
図1は、本発明の実施形態に係る車両用計器1を示す。該車両用計器1は、運転者が車両の各種状態を把握できるように運転席前方に位置するインストルメントパネル(図示せず)内に収められ、中央には、車両の速度を表示する速度メーター1aが位置し、該速度メーター1aを挟んで車幅方向左側には、エンジンの回転数を表示するタコメーター1bが位置し、そして、車幅方向右側には、車両の速度及びエンジンの回転数以外の車両の各種状態を表示する略矩形状の液晶パネル10が位置している。
【0021】
上記車両用計器1は、
図2に示すように、車幅方向に延びる略矩形板状のプリント基板2を備え、該プリント基板2の正面側には、当該プリント基板2の正面側全域を覆うフロントカバー3が配設される一方、上記プリント基板2の背面側には、当該プリント基板2の背面側全域を覆うリアカバー4が配設されている。
【0022】
上記プリント基板2は、上記リアカバー4の正面側に組み付けられた状態で、上記フロントカバー3と上記リアカバー4との間で挟まれて固定されるようになっていて、その正面側には、照明用の複数のLED等が、背面側には、コネクタや指針を動かすムーブメントといった計器部品2aが実装されている(
図5及び
図6参照)。
【0023】
また、上記プリント基板2の車幅方向右寄り表面側には、当該プリント基板2と間隔をあけて上記液晶パネル10を上記プリント基板2に取り付けるパネル状の取付部材20が設けられている。
【0024】
上記リアカバー4は、車幅方向に延びる略矩形状の樹脂成形品であって、
図4に示すように、パネル状の底面部41と、該底面部41の外周縁からプリント基板2側へ突設された周壁42とを備えている。
【0025】
上記周壁42の突出端には、外側方に延びる板状の外周縁部43が形成され、該外周縁部43には、8つの貫通孔(被係合部)43aが形成されている。
【0026】
上記外周縁部43における上辺部及び下辺部のそれぞれには、上記各貫通孔43aのうちの2つが車幅方向に間隔をあけて形成され、上記外周縁部43における両側辺部のそれぞれには、上記各貫通孔43aのうちの2つが上下方向に間隔をあけて形成されている。
【0027】
上記底面部41正面側の車幅方向右側下部及び車幅方向左側上部には、
図5に示すように、それぞれ凹部41aが形成されるとともに該各凹部41aに対応する凸部41bが背面側に形成され、上記リアカバー4にプリント基板2を組み付けた状態で、各計器部品2aが上記各凹部41aに対応するようになっている。
【0028】
上記底面部41の背面側周縁には、複数の突起41cが上記各貫通孔43aに接近するように一体に突設されている。すなわち、上記突起41cは、上記リアカバー4の央部を中心として車幅方向一方側の2箇所と他方側の1箇所との計3箇所に少なくとも設けられ、当該3箇所の突起41cで形成される三角形の内方に上記リアカバー4の央部を含むように位置している。
【0029】
具体的な一例を挙げると、底面部41の車幅方向右端に上下に離間して突起41cが2箇所設けられる一方、底面部41の車幅方向左端上方に突起41cが1箇所設けられていて、当該3箇所の突起41cで形成される三角形の内方にリアカバー4の央部が含まれるようになっている。
【0030】
また、異なる具体例を挙げると、底面部41下端に車幅方向に離間して突起41cが2箇所設けられる一方、底面部41上端の車幅方向右側に突起41cが1箇所設けられていて、当該3箇所の突起41cで形成される三角形の内方にリアカバー4の央部が含まれるようになっている。
【0031】
さらに、上記底面部41の車幅方向略中央正面側には、
図6に示すように、内部に貫通孔(被係合部)41eが形成された略四角錐状の角筒部41dが突設され、上記底面部41背面側の貫通孔41e周縁には、突起41fが一体に突設されている。
【0032】
そして、上記突起41c,41fは、上記リアカバー4の各凸部41bよりも背面側に突出していて、各突起41c,41f先端は、略同一平面上に位置しており、複数箇所で互いに接近する上記貫通孔43aと上記突起41cとの間隔と、上記貫通孔41eと上記突起41fとの間隔とは、それぞれ略同一となっている。
【0033】
上記フロントカバー3は、
図2に示すように、車幅方向に延びる略矩形パネル状の樹脂製計器本体5と、目盛や文字を表示するための樹脂製文字盤6と、上記速度メーター1a、タコメーター1b及び液晶パネル10にそれぞれ対応する窓部7aを有する樹脂製バイザー7と、該バイザー7の前面側全域を覆う透明樹脂製の保護ガラス8とを備えている。
【0034】
上記計器本体5の車幅方向右側部分には、車両用計器1を組み立てた状態で上記取付部材20が嵌合する略矩形状の貫通窓5aが形成されている。
【0035】
また、上記計器本体5背面側の外周縁寄りには、
図3に示すように、上記リアカバー4の各貫通孔43aに係合する係合爪(係合部)5bがそれぞれ突設され、上記計器本体5の車幅方向略中央右寄りには、上記貫通孔41eに対応する位置に係合爪(係合部)5cが突設されている。
【0036】
上記文字盤6の車幅方向右側部分には、
図2に示すように、略矩形状の貫通窓6aが形成され、車両用計器1を組み立てた状態で上記貫通窓6aから上記取付部材20に取り付けられた液晶パネル10が車両内部に臨むようになっている(
図1参照)。
【0037】
上記バイザー7は、上記計器本体5の正面側に組み付けられる一方、上記保護ガラス8は、上記バイザー7に組み付けられるようになっていて、上記文字盤6は、上記バイザー7と上記計器本体5との間で挟まれて固定されるようになっている。
【0038】
そして、上記フロントカバー3は、
図5及び
図6に示すように、上記リアカバー4の背面側を下方に向けて上記突起41c,41fの先端を図示しない作業テーブルに接触させた状態で、上方から上記リアカバー4に対して押圧することで、上記各係合爪5b,5cがそれぞれ上記各貫通孔43a,41eに係合して上記リアカバー4の正面側に組み付けられ、上記車両用計器1が完成するようになっている。
【0039】
以上より、本発明の実施形態によれば、上記リアカバー4の背面側を下方に向けて当該リアカバー4を作業テーブルに置くと、リアカバー4の複数の凸部41bが作業テーブルに接触せずに複数の突起41c,41fがリアカバー4の脚代わりとなって作業テーブルに接触するようになるので、リアカバー4は作業テーブルに置かれた状態で安定する。したがって、リアカバー4を作業テーブルに置くだけでリアカバー4へのフロントカバー3の安定した組み付けが可能となり、組み付け用の治具を製作する必要が無くなって治具の製作コストがかからなくなり、しかも、治具の段取り替えを無くすことができる。また、上記複数の突起41c,41fによってリアカバー4の各貫通孔43a周辺の剛性が高まるので、組み付け時に貫通孔43a,41eが係合爪5b,5cから押圧力を受けても貫通孔43a,41e周辺が撓みにくく、上記貫通孔43a,41eと係合爪5b,5cとの係合が半掛かりになるのを防いで組付不良を無くすことができる。
【0040】
また、リアカバー4内の離れた位置に形成された3つ以上の突起41cでリアカバー4が作業テーブルに置かれるので、リアカバー4は作業テーブルに置かれた状態でさらに安定し、リアカバー4へのフロントカバー3の組み付けがさらに容易となる。
【0041】
また、パネル状のリアカバー4で最も撓み易い略中央部分に設けられた貫通孔41e周辺の剛性を高めることにより、リアカバー4にフロントカバー3を組み付ける際に、リアカバー4の中央部分の沈み込みを抑え、フロントカバー3及びリアカバー4の略中央部分に設けられた係合爪5c及び貫通孔41eが互いに半掛かりになるのを防ぐことができる。
【0042】
さらに、複数箇所で互いに接近する上記貫通孔43aと上記突起41cとの間隔と、上記貫通孔41eと上記突起41fとの間隔とが、それぞれ略同一であるので、リアカバー4の各貫通孔43a,41e周辺の剛性が略同一となり、リアカバー4にフロントカバー3を組み付ける際にフロントカバー3に加わる力のバランスが良くなって組み付けの際に作業者が無駄な押圧力を加える必要がなくなり、組付作業が簡易となる。
【0043】
尚、本発明の実施形態では、リアカバー4に被係合部としての貫通孔43a,41eを形成し、フロントカバー3に係合部としての係合爪5b,5cを形成したが、リアカバー4に係合部としての係合爪を形成し、フロントカバー3に被係合部としての貫通孔を形成して互いに係合させるようにしてもよい。
【0044】
また、本発明の実施形態では、フロントカバー3を組み立てた後、リアカバー4にフロントカバー3を組み付けているが、これに限らず、リアカバー4に計器本体5を組み付けた後、計器本体5に文字盤6、バイザー7及び保護ガラス8を組み付けて車両用計器1としてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0045】
本発明は、車両の各種状態を表示する車両用計器に適している。
【符号の説明】
【0046】
1 車両用計器
2 プリント基板
3 フロントカバー
4 リアカバー
5b,5c 係合爪(係合部)
41a 凹部
41b 凸部
41c,41f 突起
43 外周縁部
43a,41e 貫通孔(被係合部)