【実施例】
【0121】
次に、本発明の効果を明確にするために行った実施例に基づいて説明する。なお、本発明は、以下の実施例によって何ら限定されるものではない。
【0122】
<試薬>
以下の実施例及び比較例において、用いた試薬であるTMEG(商標名:TMEG−100(新日本理化社製))、BTDA(ダイセル化学社製)、BPDA(三井化学社製)、5BTA(黒金化成社製)、TMAB(商標名:CUA−4、イハラケミカル工業社製)、BAPP(和歌山精化工業社製)、APB(商標名:APB−N(三井化学社製))、DAS(ハンツマン社製)、ジェファーミン(商標名:ジェファーミンXTJ−542、ハンツマン社製)、ジェファーミン(商標名:ジェファーミンED−900、ハンツマン社製)、ジェファーミン(商標名:ジェファーミンD−2000、ハンツマン社製)、無水マレイン酸(和光純薬工業社製)、無水ナジック酸(日立化成工業社製)、ホスファゼン化合物(商標名:FP−390、伏見製薬所社製)、ホスファゼン化合物(商標名:FP−300、伏見製薬所社製)ブロックイソシアネート(商標名:TPA−B80E、旭化成ケミカルズ社製)、ブロックイソシアネート(商標名:SBN−70D、旭化成ケミカルズ社製)、片末端ブロックイソシアネート(商標名:カレンズMOI−BP、昭和電工社製)、EO変性ビスフェノールAジメタクリレート(商標名:BPE−500、新中村化学工業社製)、ペンタエリスリトールトリ/テトラ(メタ)アクリレート(商標名:アロニックスM−306、東亞合成社製)、エタノン1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]−1−(O−アセチルオキシム)(商標名:IRGACURE OXE 02、チバ・ジャパン社製)、トルエン(和光純薬工業社製、有機合成用)、γ―ブチロラクトン(和光純薬工業社製)、トリエチレングリコールジメチルエーテル(和光純薬工業社製)、炭酸ナトリウム(和光純薬工業社製)、1,2−ナフトキノンジアジド−5-スルホン酸エステル(商標名:PA−6、ダイトーケミックス社製)上述の化合物b(上記一般式(9)及び上記一般式(10)参照)、は、特別な精製を実施せずに、反応に用いた。
【0123】
<重量平均分子量測定>
重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)を用いて下記の条件により測定した。溶媒としてN、N−ジメチルホルムアミド(和光純薬工業社製、高速液体クロマトグラフ用)を用い、測定前に24.8mmol/Lの臭化リチウム一水和物(和光純薬工業社製、純度99.5%)及び63.2mmol/Lのリン酸(和光純薬工業社製、高速液体クロマトグラフ用)を加えたものを使用した。
カラム:Shodex KD−806M(昭和電工社製)
流速:1.0mL/分
カラム温度:40℃
ポンプ:PU−2080Plus(JASCO社製)
検出器:RI−2031Plus(RI:示差屈折計、JASCO社製)
UV−2075Plus(UV−VIS:紫外可視吸光計、JASCO社製)
また、重量平均分子量を算出するための検量線は、スタンダードポリスチレン(東ソー社製)を用いて作成した。
【0124】
<膜厚測定>
硬化体の膜厚は、膜厚計(Mitutoyo社製、ID−C112B)を用いて測定した。
【0125】
<ドライフィルム製造方法>
ドライフィルムは、感光性樹脂組成物を基材としてのPETフィルム(帝人デュポンフィルム社製、N152Q)にコートすることにより製造した。感光性樹脂組成物のコート方法は、FILMCOATER(TESTER SANGYO社製、PI1210)を用いるドクターブレード法により行った。PETフィルムに上記感光性樹脂組成物を滴下し、クリアランス150μmでコートを行った。コートした上記フィルムを、乾燥器(ESPEC社製、SPHH−10l)を用いて95℃で30分間乾燥することにより、感光性ドライフィルムを得た。
【0126】
<タック性評価>
95℃で30分間乾燥後の感光層のタック有無を触診にて評価した。指紋がついたものを×とし、指紋がつかなかったものを○として表記した。
【0127】
<ラミネート条件>
ラミネートは、真空プレス機(名機製作所社製)を用いて行った。プレス温度70℃、プレス圧0.5MPa、プレス時間30秒間にて行った。
【0128】
<現像性評価>
現像性評価は、下記の条件により光学顕微鏡にて評価した。銅張積層板上に、感光性ドライフィルムを用いて、上記のラミネート条件でラミネートした後に、ポジ型感光性樹脂組成物の場合は、ポジ型マスクを用いて照射量1.0J/cm
2にて露光を行い、ネガ型感光性樹脂組成物の場合は、30−270mJ/cm
2にて露光を行った。次に、炭酸ナトリウム水溶液によるアルカリ現像処理及び水によるリンスを行い、乾燥後にパターンを光学顕微鏡にて評価した。マスクには100μm径の円形パターン(間隔100μmピッチ)を用いた。現像により、露光部で銅面が現れており、かつ残膜率が75%以上の場合を○、それ以外の解像度が劣る場合や膜厚が75%未満の場合を×とした。
【0129】
<焼成後の反り測定>
得られた感光性ドライフィルムを、カプトン(登録商標)に上記ラミネート条件にてラミネートした後に、120℃で1時間、続いて180℃で1時間焼成を行った。焼成後のフィルムを5cm角に切り出し、端部の浮き高さが10mm以内のものを○とし、それ以上に浮き高さがあるものを×とした。
【0130】
<焼成後の折り曲げ試験>
焼成(キュア)後に得られたフィルムを180度に折り曲げ(ハゼ折り)、カバーフィルムの割れ、剥れを目視にて観察した。割れ、剥れがない場合を○とし、割れ、剥れがあった場合×とした。
【0131】
<耐溶剤性評価>
耐溶剤性は、下記測定条件による残膜率により評価した。キュア後に得られたフィルムを5cm角に切り出し、50℃の2.38質量%TMAH溶液に2分間浸漬し、浸漬前後の膜厚から残膜率を測定した。
【0132】
<難燃性評価>
難燃性は、下記条件における難燃性試験にて評価した。ポリイミドフィルム(Kapton EN−100 商品名 東レ・デュポン社製)上に、感光性ドライフィルムを用いて、上記ラミネート条件でラミネートした後に、120℃で1時間、続いて180℃で1時間焼成を行った。
【0133】
得られたフィルムを幅1cm、長さ5cmに切り取った。次に試験片の一端に火を着け延焼する過程を目視にて観察した。途中で消炎した試料を○、全て燃えてしまった試料を×とした。
【0134】
<熱安定性評価>
熱安定性は
、塗工前後のポリイミド前駆体の重量平均分子量の変化率により評価した。ポリイミド前駆体を上記ドライフィルム製造方法にて製造し、得られたドライフィルムを上記GPC測定溶媒に溶解させた後にGPCにて重量平均分子量を測定した。得られた重量平均分子量について、塗工乾燥前のポリイミド前駆体溶液を上記GPC測定溶媒に溶解させて測定したGPCによる重量平均分子量からの変化率を求めることにより行った。
【0135】
<IRスペクトル測定>
IRスペクトルは、下記条件により測定した。乾燥後の膜厚が17μmになるようにハンドコーターを用いて銅箔上にポリイミド樹脂前駆体及び/又は感光性樹脂組成物を塗布し、塗工後の試料を乾燥器に入れ95℃で30分、加熱を行い乾燥した。得られたフィルムについて、赤外分光光度計(日本分光社製、FT/IR−460Puls)を用いてATR法及び/又は透過法でIRスペクトルを測定した。
【0136】
<ガラス転移温度:Tg>
ガラス転移温度は、熱機械分析装置(島津製作所社製、TMA−50)を用いて測定した。熱機械分析により、荷重5g、昇温速度10℃/分、窒素雰囲気下(流量20ml/分)、温度50〜450℃の範囲における試験片伸びの測定を行い、得られた曲線の変曲点から焼成後のポリイミドフィルムのガラス転移温度を求めた。
【0137】
(合成例1)熱塩基発生剤1の合成
窒素雰囲気下、18Lホーロータンクに、2L等圧滴下ロートを設置し、脱気した。その後、テトラヒドロフラン(1683g)、3,4‘−オキシジアニリン(3mol)を18Lホーロータンク中に加え、2L等圧滴下ロート中に二炭酸ジ−t−ブチル(6.2mol)をテトラヒドロフラン(1000g)で希釈した溶液を入れた。この溶液を18Lホーロータンク中の内温が22℃以下になるように、165分かけて滴下した。その後、攪拌しながら50℃にて21時間反応させた。その後、30L抽出器にイオン交換水(4.8L)、酢酸エチル(3.6L)を入れ抽出・分液を実施し、赤褐色透明の有機層を得た。有機層を50Lエバポレーターで溶媒を留去した。その残留物をヘキサン(3.6L)、エタノール(360ml)で晶析させ、ろ過をした後、真空乾燥により薄茶色固体の下記一般式(13)で表される熱塩基発生剤1を得た。
【0138】
【化17】
【0139】
上記IRスペクトル測定方法で測定した熱塩基発生剤1のIRスペクトルの結果を
図1に示し、ピークの出現位置を以下に示す。
【0140】
ピーク出現位置(cm
−1):3300、2978、1691、1602、1541、1508、1440、1367、1281、1243、1214、1157、1055、984、879、838、776
【0141】
(合成例2)熱塩基発生剤2の合成
合成例1において、ジアミンとしてAPBを用いた以外は、合成例1に記載した方法に従って、熱塩基発生剤2を得た。
【0142】
(合成例3)熱塩基発生剤3の合成
合成例1において、ジアミンとしてDASを用いた以外は、合成例1に記載した方法に従って、熱塩基発生剤3を得た。
【0143】
[実施例1]
窒素雰囲気下、ディーンシュタルク装置及び還流器をつけたセパラブルフラスコに、ジェファーミンXTJ−542(18.6mmol)、γ−ブチロラクトン(60g)、5BTA(60mmol)、トルエン(75g)を入れ、50℃で1時間加熱撹拌した。続いて180℃で2時間加熱撹拌した。さらに2.5時間かけて共沸溶媒であるトルエンを除去した後に、25℃まで冷却した。続いてAPB−N(37.2mmol)、γ−ブチロラクトン(45.6g)を加え、70℃で5時間撹拌して、ポリイミド前駆体(1)のγ−ブチロラクトン溶液を得た。ポリイミド前駆体(1)の重量平均分子量、及び熱安定性評価の結果を下記表1に示す。
【0144】
上記IRスペクトル測定方法で測定したポリイミド前駆体(1)のIRスペクトルの結果を
図2に示し、ピークの出現位置を以下に示す。
ピーク出現位置(cm
−1):2941、2866、1780、1719、1594、1542、1480、1438、1376、1288、1249、1179、1111、987、864、731
【0145】
重量平均分子量、C/(A+B+C)及び熱安定性評価の結果を下記表1に示す。
【0146】
次に、ポリイミド前駆体(1)100質量部に対して、BPE−500(30質量部)、M−306(10質量部)、IRGACURE OXE 02(1質量部)、FP−390(40質量部)を混合し、感光性樹脂組成物(1)を調
製した。
【0147】
感光性樹脂組成物(1)について、1質量%炭酸ナトリウム水溶液でのアルカリ現像性の評価、タック性、焼成後の折り曲げ試験、難燃性試験、焼成後のフィルムの反り測定、ガラス転移温度測定を行った。結果を下記表2に示す。また、焼成後に得られたフィルムのTMAH溶液への耐溶剤性を評価したところ、残膜率が3%であった。
【0148】
[実施例2]
実施例1において、ホスファゼン化合物としてFP−390に代えてFP−300を用いた以外は、実施例1に記載した方法に従って、感光性樹脂組成物(2)を調整した。
【0149】
感光性樹脂組成物(2)について、1質量%炭酸ナトリウム水溶液でのアルカリ現像性の評価、タック性、焼成後の折り曲げ試験、難燃性試験、焼成後のフィルムの反り測定、ガラス転移温度測定を行った。結果を下記表2に示す。また、焼成後に得られたフィルムのTMAH溶液への耐溶剤性を評価したところ、残膜率が4%であった。
【0150】
[実施例3]
窒素雰囲気下、ディーンシュタルク装置及び還流器をつけた500mLセパラブルフラスコに、ジェファーミンXTJ−542(6.2mmol)、γ−ブチロラクトン(30g)、5BTA(20mmol)、トルエン(25g)を入れ、イミド化触媒としてピリジン(4.8mmol)、γ−バレロラクトン(2.4mmol)を加え、窒素気流下(400mL/min)140℃で6時間加熱撹拌して共沸溶媒であるトルエンと触媒を除去した。反応溶液を25℃まで冷却し、続いてAPB−N(12.4mmol)、γ−ブチロラクトン(5.2g)を加え、70℃で5時間撹拌して、ポリイミド前駆体(2)のγ−ブチロラクトン溶液を得た。ポリイミド前駆体(2)の重量平均分子量、及び熱安定性評価の結果を下記表1に示す。
【0151】
ポリイミド前駆体(2)100質量部に対して、BPE−500(30質量部)、M−306(10質量部)、IRGACURE OXE 02(1質量部)、FP−390(40質量部)を混合し、感光性樹脂組成物(3)を調整した。
【0152】
感光性樹脂組成物(3)について、1質量%炭酸ナトリウム水溶液でのアルカリ現像性の評価、タック性、焼成後の折り曲げ試験、難燃性試験、焼成後のフィルムの反り測定、ガラス転移温度測定を行った。結果を下記表2に示す。また、焼成後に得られたフィルムのTMAH溶液への耐溶剤性を評価したところ、残膜率が3%であった。
【0153】
[実施例4]
窒素雰囲気下、ディーンシュタルク装置及び還流器を備えたセパラブルフラスコに、γ―ブチロラクトン(42.0g)、トリエチレングリコールジメチルエーテル(18.0g)、トルエン(20.0g)、ジェファーミンXTJ−542(18.85mmol)、5BTA(60.0mmol)を入れ、180℃まで昇温し、180℃で1時間加熱撹拌した。共沸溶媒であるトルエンを除去した後に、25℃まで冷却し、続いてAPB−N(37.2mmol)を加え、25℃で8時間撹拌し、ポリイミド前駆体(3)の溶液を得た。ポリイミド前駆体(3)の重量平均分子量、C/(A+B+C)及び熱安定性評価の結果を下記表1に示す。
【0154】
上記IRスペクトル測定方法で測定したポリイミド前駆体(3)のIRスペクトルの結果を
図3に示し、ピークの出現位置を以下に示す。
【0155】
ピーク出現位置(cm
−1):2936、2868、1773、1717、1595、1543、1480、1438、1373、1247、1180、1154、1105、989、861、731
【0156】
ポリイミド前駆体(3)100質量部に対して、BPE−500(30質量部)、M−306(10質量部)、IRGACURE OXE 02(1質量部)、FP−390(40質量部)を混合し、感光性樹脂組成物(4)を調整した。
【0157】
感光性樹脂組成物(4)について、1質量%炭酸ナトリウム水溶液でのアルカリ現像性の評価、タック性、焼成後の折り曲げ試験、難燃性試験、焼成後のフィルムの反り測定、ガラス転移温度測定を行った。結果を下記表2に示す。また、焼成後に得られたフィルムのTMAH溶液への耐溶剤性を評価したところ、残膜率が4%であった。
【0158】
[実施例5]
窒素雰囲気下、ディーンシュタルク装置及び還流器を備えたセパラブルフラスコに、γ―ブチロラクトン(49.0g)、トリエチレングリコールジメチルエーテル(21.0g)、トルエン(20.0g)、ジェファーミンXTJ−542(14.85mmol)、TMEG(39.0mmol)を入れ、180℃まで昇温し、180℃で1時間加熱撹拌した。共沸溶媒であるトルエンを除去した後に、25℃まで冷却し、続いてAPB−N(21.41mmol)を加え、25℃で8時間撹拌し、ポリイミド前駆体(4)の溶液を得た。ポリイミド前駆体(4)の重量平均分子量、C/(A+B+C)及び熱安定性評価の結果を下記表1に示す。
【0159】
ポリイミド前駆体(4)100質量部に対して、BPE−500(30質量部)、M−306(10質量部)、IRGACURE OXE 02(1質量部)、FP−390(40質量部)を混合し、感光性樹脂組成物(5)を調整した。
【0160】
感光性樹脂組成物(5)について、1質量%炭酸ナトリウム水溶液でのアルカリ現像性の評価、タック性、焼成後の折り曲げ試験、難燃性試験、焼成後のフィルムの反り測定、ガラス転移温度測定を行った。結果を下記表2に示す。また、焼成後に得られたフィルムのTMAH溶液への耐溶剤性を評価したところ、残膜率が2%であった。
【0161】
[実施例6]
実施例5において、ホスファゼン化合物としてFP−390に代えてFP−300を用いた以外は、実施例5に記載した方法に従って、感光性樹脂組成物(6)を調整した。
【0162】
感光性樹脂組成物(6)について、1質量%炭酸ナトリウム水溶液でのアルカリ現像性の評価、タック性、焼成後の折り曲げ試験、難燃性試験、焼成後のフィルムの反り測定、ガラス転移温度測定を行った。結果を下記表2に示す。また、焼成後に得られたフィルムのTMAH溶液への耐溶剤性を評価したところ、残膜率が2%であった。
【0163】
[実施例7]
実施例5において、ジアミンとしてジェファーミンXTJ−542に代えて(商標名:ジェファーミンED−900(ハンツマン社製))を用いた以外は、実施例5に記載した方法に従って、ポリイミド前駆体(5)を重合した。ポリイミド前駆体(5)の重量平均分子量、C/(A+B+C)及び熱安定性評価の結果を下記表1に示す。
【0164】
実施例5と同様にして感光性樹脂組成物(7)を調整した。感光性樹脂組成物(7)を1質量%炭酸ナトリウムについて、1質量%炭酸ナトリウム水溶液でのアルカリ現像性の評価、タック性、焼成後の折り曲げ試験、難燃性試験、焼成後のフィルムの反り測定、ガラス転移温度測定を行った。結果を下記表2に示す。また、焼成後に得られたフィルムのTMAH溶液への耐溶剤性を評価したところ、残膜率が2%であった。
【0165】
[実施例8]
実施例5において、ジアミンとしてジェファーミンXTJ−542に代えて(商標名:ジェファーミンD−2000(ハンツマン社製))を用いた以外は、実施例5に記載した方法に従って、ポリイミド前駆体(6)を重合した。ポリイミド前駆体(6)の重量平均分子量、C/(A+B+C)及び熱安定性評価の結果を下記表1に示す。
【0166】
実施例5と同様にして感光性樹脂組成物(8)を調整した。感光性樹脂組成物(8)について、1質量%炭酸ナトリウム水溶液でのアルカリ現像性の評価、タック性、焼成後の折り曲げ試験、難燃性試験、焼成後のフィルムの反り測定、ガラス転移温度測定を行った。結果を下記表2に示す。また、焼成後に得られたフィルムのTMAH溶液への耐溶剤性を評価したところ、残膜率が2%であった。
【0167】
[実施例9]
窒素雰囲気下、ディーンシュタルク装置及び還流器を備えたセパラブルフラスコに、γ―ブチロラクトン(49.0g)、トリエチレングリコールジメチルエーテル(21.0g)、トルエン(20.0g)、ジェファーミンXTJ−542(10mmol)、TMEG(39.0mmol)を入れ、180℃まで昇温し、180℃で1時間加熱撹拌した。共沸溶媒であるトルエンを除去した後に、25℃まで冷却し、続いてAPB−N(21.41mmol)を加え、25℃で8時間撹拌し、ポリイミド前駆体(7)の溶液を得た。ポリイミド前駆体(7)の重量平均分子量、C/(A+B+C)及び熱安定性評価の結果を下記表1に示す。
【0168】
ポリイミド前駆体(7)100質量部に対して、BPE−500(30質量部)、M−306(10質量部)、IRGACURE OXE 02(1質量部)、FP−390(40質量部)を混合し、感光性樹脂組成物(9)を調整した。
【0169】
感光性樹脂組成物(9)について、1質量%炭酸ナトリウム水溶液でのアルカリ現像性の評価、タック性、焼成後の折り曲げ試験、難燃性試験、焼成後のフィルムの反り測定、ガラス転移温度測定を行った。結果を下記表2に示す。また、焼成後に得られたフィルムのTMAH溶液への耐溶剤性を評価したところ、残膜率が2%であった。
【0170】
[実施例10]
窒素雰囲気下、ディーンシュタルク装置及び還流器を備えたセパラブルフラスコに、γ―ブチロラクトン(42.0g)、トリエチレングリコールジメチルエーテル(18.0g)、トルエン(20.0g)、ジェファーミンXTJ−542(14.3mmol)、BTDA(52.14mmol)を入れ、180℃まで昇温し、180℃で1時間加熱撹拌した。共沸溶媒であるトルエンを除去した後に、25℃まで冷却し、続いてAPB−N(33.18mmol)を加え、25℃で8時間撹拌し、ポリイミド前駆体(8)の溶液を得た。ポリイミド前駆体(8)の重量平均分子量、C/(A+B+C)及び熱安定性評価の結果を下記表1に示す。
【0171】
ポリイミド前駆体(8)100質量部に対して、BPE−500(30質量部)、M−306(10質量部)、IRGACURE OXE 02(1質量部)、FP−390(40質量部)、TPA−B80E(5質量部)を混合し、感光性樹脂組成物(10)を調整した。
【0172】
感光性樹脂組成物(10)について、1質量%炭酸ナトリウム水溶液でのアルカリ現像性の評価、タック性、焼成後の折り曲げ試験、難燃性試験、焼成後のフィルムの反り測定、ガラス転移温度測定を行った。結果を下記表2に示す。また、焼成後に得られたフィルムのTMAH溶液への耐溶剤性を評価したところ、残膜率が15%であった。
【0173】
[実施例11]
窒素雰囲気下、ディーンシュタルク装置及び還流器を備えたセパラブルフラスコに、γ―ブチロラクトン(35.0g)、トリエチレングリコールジメチルエーテル(15.0g)、トルエン(20.0g)、ジェファーミンXTJ−542(12.4mmol)、BPDA(47.58mmol)を入れ、180℃まで昇温し、180℃で1時間加熱撹拌した。共沸溶媒であるトルエンを除去した後に、25℃まで冷却し、続いてAPB−N(31.13mmol)を加え、25℃で8時間撹拌し、ポリイミド前駆体(9)の溶液を得た。ポリイミド前駆体(9)の重量平均分子量、C/(A+B+C)及び熱安定性評価の結果を下記表1に示す。
【0174】
ポリイミド前駆体(9)100質量部に対して、BPE−500(30質量部)、M−306(10質量部)、IRGACURE OXE 02(1質量部)、FP−390(40質量部)を混合し、感光性樹脂組成物(11)を調整した。
【0175】
感光性樹脂組成物(11)について、1質量%炭酸ナトリウム水溶液でのアルカリ現像性の評価、タック性、焼成後の折り曲げ試験、難燃性試験、焼成後のフィルムの反り測定、ガラス転移温度測定を行った。結果を下記表2に示す。また、焼成後に得られたフィルムのTMAH溶液への耐溶剤性を評価したところ、残膜率が30%であった。
【0176】
上記IRスペクトル測定方法で測定した焼成後の感光性樹脂組成物のIRスペクトルの結果を
図4に示し、ピークの出現位置を以下に示す。
【0177】
ピーク出現位置(cm
−1):2866、1773、1717、1589、1488、1372、1239、1179、1105、948、884、845、741
【0178】
[実施例12]
実施例11において、ホスファゼン化合物としてFP−390に代えてFP−300を用いた以外は、実施例11に記載した方法に従って、感光性樹脂組成物(12)を調整した。
【0179】
感光性樹脂組成物(12)について、1質量%炭酸ナトリウム水溶液でのアルカリ現像性の評価、タック性、焼成後の折り曲げ試験、難燃性試験、焼成後のフィルムの反り測定、ガラス転移温度測定を行った。結果を下記表2に示す。また、焼成後に得られたフィルムのTMAH溶液への耐溶剤性を評価したところ、残膜率が25%であった。
【0180】
[実施例13]
実施例11において、TPA−B80E(5質量部)を更に混合した以外は、実施例11に記載した方法に従って、感光性樹脂組成物(13)を調整した。
【0181】
感光性樹脂組成物(13)について、1質量%炭酸ナトリウム水溶液でのアルカリ現像性の評価、タック性、焼成後の折り曲げ試験、難燃性試験、焼成後のフィルムの反り測定、ガラス転移温度測定を行った。結果を下記表2に示す。また、焼成後に得られたフィルムのTMAH溶液への耐溶剤性を評価したところ、残膜率が50%であった。
【0182】
[実施例14]
実施例12において、TPA−B80E(5質量部)を更に混合した以外は、実施例11に記載した方法に従って、感光性樹脂組成物(14)を調整した。
【0183】
感光性樹脂組成物(14)について、1質量%炭酸ナトリウム水溶液でのアルカリ現像性の評価、タック性、焼成後の折り曲げ試験、難燃性試験、焼成後のフィルムの反り測定、ガラス転移温度測定を行った。結果を下記表2に示す。また、焼成後に得られたフィルムのTMAH溶液への耐溶剤性を評価したところ、残膜率が55%であった。
【0184】
[実施例15]
実施例12において、SBN−70DT(5質量部)を更に混合した以外は、実施例11に記載した方法に従って、感光性樹脂組成物(15)を調整した。
【0185】
感光性樹脂組成物(15)について、1質量%炭酸ナトリウム水溶液でのアルカリ現像性の評価、タック性、焼成後の折り曲げ試験、難燃性試験、焼成後のフィルムの反り測定、ガラス転移温度測定を行った。結果を下記表2に示す。また、焼成後に得られたフィルムのTMAH溶液への耐溶剤性を評価したところ、残膜率が60%であった。
【0186】
[実施例16]
実施例12において、カレンズMOI−BP(5質量部)を更に用いた以外は、実施例11に記載した方法に従って、感光性樹脂組成物(16)を調整した。
【0187】
感光性樹脂組成物(16)について、1質量%炭酸ナトリウム水溶液でのアルカリ現像性の評価、タック性、焼成後の折り曲げ試験、難燃性試験、焼成後のフィルムの反り測定、ガラス転移温度測定を行った。結果を下記表2に示す。また、焼成後に得られたフィルムのTMAH溶液への耐溶剤性を評価したところ、残膜率が58%であった。
【0188】
[実施例17]
窒素雰囲気下、ディーンシュタルク装置及び還流器を備えたセパラブルフラスコに、γ―ブチロラクトン(35.0g)、トリエチレングリコールジメチルエーテル(15.0g)、トルエン(20.0g)、ジェファーミンXTJ−542(16.9mmol)、BPDA(47.58mmol)を入れ、180℃まで昇温し、180℃で1時間加熱撹拌した。共沸溶媒であるトルエンを除去した後に、25℃まで冷却し、続いてDAS(25.08mmol)を加え、25℃で8時間撹拌し、ポリイミド前駆体(10)の溶液を得た。ポリイミド前駆体(10)の重量平均分子量、C/(A+B+C)及び熱安定性評価の結果を下記表1に示す。
【0189】
ポリイミド前駆体(10)100質量部に対して、BPE−500(30質量部)、M−306(10質量部)、IRGACURE OXE 02(1質量部)、FP−300(40質量部)を混合し、感光性樹脂組成物(17)を調整した。
【0190】
感光性樹脂組成物(17)について、1質量%炭酸ナトリウム水溶液でのアルカリ現像性の評価、タック性、焼成後の折り曲げ試験、難燃性試験、焼成後のフィルムの反り測定、ガラス転移温度測定を行った。結果を下記表2に示す。また、焼成後に得られたフィルムのTMAH溶液への耐溶剤性を評価したところ、残膜率が65%であった。
【0191】
[実施例18]
窒素雰囲気下、ディーンシュタルク装置及び還流器を備えたセパラブルフラスコに、γ―ブチロラクトン(35.0g)、トリエチレングリコールジメチルエーテル(15.0g)、トルエン(20.0g)、ジェファーミンXTJ−542(12.4mmol)、BPDA(31.72mmol)、ODPA(15.86mmol)を入れ、180℃まで昇温し、180℃で1時間加熱撹拌した。共沸溶媒であるトルエンを除去した後に、25℃まで冷却し、続いてAPB−N(31.13mmol)を加え、25℃で8時間撹拌し、ポリイミド前駆体(11)の溶液を得た。ポリイミド前駆体(11)の重量平均分子量、C/(A+B+C)及び熱安定性評価の結果を下記表1に示す。
【0192】
ポリイミド前駆体(11)100質量部に対して、BPE−500(30質量部)、M−306(10質量部)、IRGACURE OXE 02(1質量部)、FP−300(40質量部)を混合し、感光性樹脂組成物(18)を調整した。
【0193】
感光性樹脂組成物(18)について、1質量%炭酸ナトリウム水溶液でのアルカリ現像性の評価、タック性、焼成後の折り曲げ試験、難燃性試験、焼成後のフィルムの反り測定、ガラス転移温度測定を行った。結果を下記表2に示す。また、焼成後に得られたフィルムのTMAH溶液への耐溶剤性を評価したところ、残膜率が63%であった。
【0194】
[実施例19]
窒素雰囲気下、ディーンシュタルク装置及び還流器を備えたセパラブルフラスコに、γ―ブチロラクトン(35.0g)、トリエチレングリコールジメチルエーテル(15.0g)、トルエン(20.0g)、ジェファーミンXTJ−542(16.9mmol)、BPDA(31.72mmol)、ODPA(15.86mmol)を入れ、180℃まで昇温し、180℃で1時間加熱撹拌した。共沸溶媒であるトルエンを除去した後に、25℃まで冷却し、続いてDAS(25.08mmol)を加え、25℃で8時間撹拌し、ポリイミド前駆体(12)の溶液を得た。ポリイミド前駆体(12)の重量平均分子量、C/(A+B+C)及び熱安定性評価の結果を下記表1に示す。
【0195】
ポリイミド前駆体(12)100質量部に対して、BPE−500(30質量部)、M−306(10質量部)、IRGACURE OXE 02(1質量部)、FP−300(40質量部)を混合し、感光性樹脂組成物(19)を調整した。
【0196】
感光性樹脂組成物(19)について、1質量%炭酸ナトリウム水溶液でのアルカリ現像性の評価、タック性、焼成後の折り曲げ試験、難燃性試験、焼成後のフィルムの反り測定、ガラス転移温度測定を行った。結果を下記表2に示す。また、焼成後に得られたフィルムのTMAH溶液への耐溶剤性を評価したところ、残膜率が70%であった。
【0197】
[実施例20]
窒素雰囲気下、ディーンシュタルク装置及び還流器を備えたセパラブルフラスコに、γ―ブチロラクトン(35.0g)、トリエチレングリコールジメチルエーテル(15.0g)、トルエン(20.0g)、ジェファーミンXTJ−542(12.4mmol)、BPDA(44.0mmol)、無水マレイン酸(3.58mmol)を入れ、180℃まで昇温し、180℃で1時間加熱撹拌した。共沸溶媒であるトルエンを除去した後に、25℃まで冷却し、続いてAPB−N(31.13mmol)を加え、25℃で8時間撹拌し、ポリイミド前駆体(13)の溶液を得た。ポリイミド前駆体(13)の重量平均分子量、C/(A+B+C)及び熱安定性評価の結果を下記表1に示す。
【0198】
ポリイミド前駆体(13)100質量部に対して、BPE−500(30質量部)、M−306(10質量部)、IRGACURE OXE 02(1質量部)、FP−300(40質量部)を混合し、感光性樹脂組成物(20)を調整した。
【0199】
感光性樹脂組成物(20)について、1質量%炭酸ナトリウム水溶液でのアルカリ現像性の評価、タック性、焼成後の折り曲げ試験、難燃性試験、焼成後のフィルムの反り測定、ガラス転移温度測定を行った。結果を下記表2に示す。また、焼成後に得られたフィルムのTMAH溶液への耐溶剤性を評価したところ、残膜率が27%であった。
【0200】
[実施例21]
窒素雰囲気下、ディーンシュタルク装置及び還流器を備えたセパラブルフラスコに、γ―ブチロラクトン(35.0g)、トリエチレングリコールジメチルエーテル(15.0g)、トルエン(20.0g)、ジェファーミンXTJ−542(12.4mmol)、BPDA(44.0mmol)、無水ナジック酸(3.58mmol)を入れ、180℃まで昇温し、180℃で1時間加熱撹拌した。共沸溶媒であるトルエンを除去した後に、25℃まで冷却し、続いてAPB−N(31.13mmol)を加え、25℃で8時間撹拌し、ポリイミド前駆体(14)の溶液を得た。ポリイミド前駆体(14)の重量平均分子量、C/(A+B+C)及び熱安定性評価の結果を下記表1に示す。
【0201】
ポリイミド前駆体(14)100質量部に対して、BPE−500(30質量部)、M−306(10質量部)、IRGACURE OXE 02(1質量部)、FP−300(40質量部)を混合し、感光性樹脂組成物(21)を調整した。
【0202】
感光性樹脂組成物(21)について、1質量%炭酸ナトリウム水溶液でのアルカリ現像性の評価、タック性、焼成後の折り曲げ試験、難燃性試験、焼成後のフィルムの反り測定、ガラス転移温度測定を行った。結果を下記表2に示す。また、焼成後に得られたフィルムのTMAH溶液への耐溶剤性を評価したところ、残膜率が28%であった。
【0203】
[実施例22]
窒素雰囲気下、ディーンシュタルク装置及び還流器を備えたセパラブルフラスコに、γ―ブチロラクトン(35.0g)、トリエチレングリコールジメチルエーテル(15.0g)、トルエン(20.0g)、ジェファーミンXTJ−542(16.9mmol)、BPDA(44.0mmol)、無水マレイン酸(3.58mmol)を入れ、180℃まで昇温し、180℃で1時間加熱撹拌した。共沸溶媒であるトルエンを除去した後に、25℃まで冷却し、続いてDAS(25.08mmol)を加え、25℃で8時間撹拌し、ポリイミド前駆体(15)の溶液を得た。ポリイミド前駆体(15)の重量平均分子量、C/(A+B+C)及び熱安定性評価の結果を下記表1に示す。
【0204】
ポリイミド前駆体(15)100質量部に対して、BPE−500(30質量部)、M−306(10質量部)、IRGACURE OXE 02(1質量部)、FP−300(40質量部)を混合し、感光性樹脂組成物(22)を調整した。
【0205】
感光性樹脂組成物(22)について、1質量%炭酸ナトリウム水溶液でのアルカリ現像性の評価、タック性、焼成後の折り曲げ試験、難燃性試験、焼成後のフィルムの反り測定、ガラス転移温度測定を行った。結果を下記表2に示す。また、焼成後に得られたフィルムのTMAH溶液への耐溶剤性を評価したところ、残膜率が26%であった。
【0206】
[実施例23]
窒素雰囲気下、ディーンシュタルク装置及び還流器を備えたセパラブルフラスコに、γ―ブチロラクトン(49.0g)、トリエチレングリコールジメチルエーテル(21.0g)、トルエン(20.0g)、ジェファーミンXTJ−542(16.0mmol)、TMEG(39.0mmol)を入れ、180℃まで昇温し、180℃で1時間加熱撹拌した。共沸溶媒であるトルエンを除去した後に、25℃まで冷却し、続いてBAPP(19.49mmol)を加え、25℃で8時間撹拌し、ポリイミド前駆体(16)の溶液を得た。ポリイミド前駆体(16)の重量平均分子量、C/(A+B+C)及び熱安定性評価の結果を下記表1に示す。
【0207】
ポリイミド前駆体(16)100質量部に対して、BPE−500(30質量部)、M−306(10質量部)、IRGACURE OXE 02(1質量部)、FP−300(40質量部)を混合し、感光性樹脂組成物(23)を調整した。
【0208】
感光性樹脂組成物(23)について、1質量%炭酸ナトリウム水溶液でのアルカリ現像性の評価、タック性、焼成後の折り曲げ試験、難燃性試験、焼成後のフィルムの反り測定、ガラス転移温度測定を行った。結果を下記表2に示す。また、焼成後に得られたフィルムのTMAH溶液への耐溶剤性を評価したところ、残膜率が4%であった。
【0209】
[実施例24]
窒素雰囲気下、ディーンシュタルク装置及び還流器を備えたセパラブルフラスコに、γ―ブチロラクトン(49.0g)、トリエチレングリコールジメチルエーテル(21.0g)、トルエン(20.0g)、ジェファーミンXTJ−542(10.4mmol)、TMEG(39.0mmol)を入れ、180℃まで昇温し、180℃で1時間加熱撹拌した。共沸溶媒であるトルエンを除去した後に、25℃まで冷却し、続いてTMAB(25.13mmol)を加え、25℃で8時間撹拌し、ポリイミド前駆体(17)の溶液を得た。ポリイミド前駆体(17)の重量平均分子量、C/(A+B+C)及び熱安定性評価の結果を下記表1に示す。
【0210】
ポリイミド前駆体(17)100質量部に対して、BPE−500(30質量部)、M−306(10質量部)、IRGACURE OXE 02(1質量部)、FP−300(40質量部)を混合し、感光性樹脂組成物(24)を調整した。
【0211】
感光性樹脂組成物(24)について、1質量%炭酸ナトリウム水溶液でのアルカリ現像性の評価、タック性、焼成後の折り曲げ試験、難燃性試験、焼成後のフィルムの反り測定、ガラス転移温度測定を行った。結果を下記表2に示す。また、焼成後に得られたフィルムのTMAH溶液への耐溶剤性を評価したところ、残膜率が3%であった。
【0212】
[実施例25]
実施例1で得られたポリイミド前駆体(1)100質量部に対して、BPE−500(30質量部)、M−306(10質量部)、IRGACURE OXE 02(1質量部)を混合し、感光性樹脂組成物(25)を調整した。
【0213】
感光性樹脂組成物(25)について、1質量%炭酸ナトリウム水溶液でのアルカリ現像性の評価、タック性、焼成後の折り曲げ試験、難燃性試験、焼成後のフィルムの反り測定、ガラス転移温度測定を行った。結果を下記表2に示す。また、焼成後に得られたフィルムのTMAH溶液への耐溶剤性を評価したところ、残膜率が3%であった。
【0214】
[実施例26]
実施例4で得られたポリイミド前駆体(3)100質量部に対して、BPE−500(30質量部)、M−306(10質量部)、IRGACURE OXE 02(1質量部)を混合し、感光性樹脂組成物(26)を調整した。
【0215】
感光性樹脂組成物(26)について、1質量%炭酸ナトリウム水溶液でのアルカリ現像性の評価、タック性、焼成後の折り曲げ試験、難燃性試験、焼成後のフィルムの反り測定、ガラス転移温度測定を行った。結果を下記表2に示す。また、焼成後に得られたフィルムのTMAH溶液への耐溶剤性を評価したところ、残膜率が4%であった。
【0216】
[実施例27]
実施例1で得られたポリイミド前駆体(1)100質量部に対して、1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホン酸エステル(PA6)(20質量部)を混合し、感光性樹脂組成物(27)を調整した。
【0217】
感光性樹脂組成物(27)について、1質量%炭酸ナトリウム水溶液でのアルカリ現像性の評価、タック性、焼成後の折り曲げ試験、難燃性試験、焼成後のフィルムの反り測定、ガラス転移温度測定を行った。結果を下記表2に示す。また、焼成後に得られたフィルムのTMAH溶液への耐溶剤性を評価したところ、残膜率が68%であった。
【0218】
[実施例28]
実施例4で得られたポリイミド前駆体(3)100質量部に対して、BPE−500(30質量部)、M−306(10質量部)、IRGACURE OXE 02(1質量部)、FP−390(40質量部)、熱塩基発生剤1(5質量部)を混合し、感光性樹脂組成物(28)を調整した。
【0219】
感光性樹脂組成物(28)について、1質量%炭酸ナトリウム水溶液でのアルカリ現像性の評価、タック性、焼成後の折り曲げ試験、難燃性試験、焼成後のフィルムの反り測定を行った。結果を下記表2に示す。また、焼成後に得られたフィルムのTMAH溶液への耐溶剤性を評価したところ、残膜率が95%であった。
【0220】
[実施例29]
実施例28において、熱塩基発生剤1に代えて熱塩基発生剤2を用いた以外は、実施例28に記載した方法に従って、感光性樹脂組成物(29)を調整した。
【0221】
感光性樹脂組成物(29)について、1質量%炭酸ナトリウム水溶液でのアルカリ現像性の評価、タック性、焼成後の折り曲げ試験、難燃性試験、焼成後のフィルムの反り測定、ガラス転移温度測定を行った。結果を下記表2に示す。また、焼成後に得られたフィルムのTMAH溶液への耐溶剤性を評価したところ、残膜率が90%であった。
【0222】
[実施例30]
実施例28において、熱塩基発生剤1に代えて熱塩基発生剤3を用いた以外は、実施例28に記載した方法に従って、感光性樹脂組成物(30)を調整した。
【0223】
感光性樹脂組成物(30)について、1質量%炭酸ナトリウム水溶液でのアルカリ現像性の評価、タック性、焼成後の折り曲げ試験、難燃性試験、焼成後のフィルムの反り測定、ガラス転移温度測定を行った。結果を下記表2に示す。また、焼成後に得られたフィルムのTMAH溶液への耐溶剤性を評価したところ、残膜率が94%であった。
【0224】
[実施例31]
実施例12で得られたポリイミド前駆体(9)100質量部に対して、BPE−500(30質量部)、M−306(10質量部)、IRGACURE OXE 02(1質量部)、FP−300(40質量部)、熱塩基発生剤1(5質量部)を混合し、感光性樹脂組成物(31)を調整した。
【0225】
感光性樹脂組成物(31)について、1質量%炭酸ナトリウム水溶液でのアルカリ現像性の評価、タック性、焼成後の折り曲げ試験、難燃性試験、焼成後のフィルムの反り測定を行った。結果を下記表2に示す。また、焼成後に得られたフィルムのTMAH溶液への耐溶剤性を評価したところ、残膜率が98%であった。
【0226】
[実施例32]
実施例31において、熱塩基発生剤1に代えて熱塩基発生剤2を用いた以外は、実施例31に記載した方法に従って、感光性樹脂組成物(32)を調整した。
【0227】
感光性樹脂組成物(32)について、1質量%炭酸ナトリウム水溶液でのアルカリ現像性の評価、タック性、焼成後の折り曲げ試験、難燃性試験、焼成後のフィルムの反り測定、ガラス転移温度測定を行った。結果を下記表2に示す。また、焼成後に得られたフィルムのTMAH溶液への耐溶剤性を評価したところ、残膜率が94%であった。
【0228】
[実施例33]
実施例31において、熱塩基発生剤1に代えて熱塩基発生剤3を用いた以外は、実施例31に記載した方法に従って、感光性樹脂組成物(33)を調整した。
【0229】
感光性樹脂組成物(33)について、1質量%炭酸ナトリウム水溶液でのアルカリ現像性の評価、タック性、焼成後の折り曲げ試験、難燃性試験、焼成後のフィルムの反り測定、ガラス転移温度測定を行った。結果を下記表2に示す。また、焼成後に得られたフィルムのTMAH溶液への耐溶剤性を評価したところ、残膜率が95%であった。
【0230】
[実施例34]
実施例20で得られたポリイミド前駆体(13)100質量部に対して、BPE−500(30質量部)、M−306(10質量部)、IRGACURE OXE 02(1質量部)、FP−300(40質量部)、熱塩基発生剤1(5質量部)を混合し、感光性樹脂組成物(34)を調整した。
【0231】
感光性樹脂組成物(34)について、1質量%炭酸ナトリウム水溶液でのアルカリ現像性の評価、タック性、焼成後の折り曲げ試験、難燃性試験、焼成後のフィルムの反り測定を行った。結果を下記表2に示す。また、焼成後に得られたフィルムのTMAH溶液への耐溶剤性を評価したところ、残膜率が81%であった。
【0232】
[実施例35]
実施例34において、熱塩基発生剤1に代えて熱塩基発生剤2を用いた以外は、実施例34に記載した方法に従って、感光性樹脂組成物(35)を調整した。
【0233】
感光性樹脂組成物(35)について、1質量%炭酸ナトリウム水溶液でのアルカリ現像性の評価、タック性、焼成後の折り曲げ試験、難燃性試験、焼成後のフィルムの反り測定、ガラス転移温度測定を行った。結果を下記表2に示す。また、焼成後に得られたフィルムのTMAH溶液への耐溶剤性を評価したところ、残膜率が80%であった。
【0234】
[実施例36]
実施例34において、熱塩基発生剤1に代えて熱塩基発生剤3を用いた以外は、実施例34に記載した方法に従って、感光性樹脂組成物(36)を調整した。
【0235】
感光性樹脂組成物(36)について、1質量%炭酸ナトリウム水溶液でのアルカリ現像性の評価、タック性、焼成後の折り曲げ試験、難燃性試験、焼成後のフィルムの反り測定、ガラス転移温度測定を行った。結果を下記表2に示す。また、焼成後に得られたフィルムのTMAH溶液への耐溶剤性を評価したところ、残膜率が80%であった。
【0236】
[実施例37]
実施例21で得られたポリイミド前駆体(14)100質量部に対して、BPE−500(30質量部)、M−306(10質量部)、IRGACURE OXE 02(1質量部)、FP−300(40質量部)、熱塩基発生剤1(5質量部)を混合し、感光性樹脂組成物(37)を調整した。
【0237】
感光性樹脂組成物(37)について、1質量%炭酸ナトリウム水溶液でのアルカリ現像性の評価、タック性、焼成後の折り曲げ試験、難燃性試験、焼成後のフィルムの反り測定を行った。結果を下記表2に示す。また、焼成後に得られたフィルムのTMAH溶液への耐溶剤性を評価したところ、残膜率が84%であった。
【0238】
[実施例38]
実施例37において、熱塩基発生剤1に代えて熱塩基発生剤2を用いた以外は、実施例37に記載した方法に従って、感光性樹脂組成物(38)を調整した。
【0239】
感光性樹脂組成物(38)について、1質量%炭酸ナトリウム水溶液でのアルカリ現像性の評価、タック性、焼成後の折り曲げ試験、難燃性試験、焼成後のフィルムの反り測定、ガラス転移温度測定を行った。結果を下記表2に示す。また、焼成後に得られたフィルムのTMAH溶液への耐溶剤性を評価したところ、残膜率が82%であった。
【0240】
[実施例39]
実施例37において、熱塩基発生剤1に代えて熱塩基発生剤3を用いた以外は、実施例37に記載した方法に従って、感光性樹脂組成物(39)を調整した。
【0241】
感光性樹脂組成物(39)について、1質量%炭酸ナトリウム水溶液でのアルカリ現像性の評価、タック性、焼成後の折り曲げ試験、難燃性試験、焼成後のフィルムの反り測定、ガラス転移温度測定を行った。結果を下記表2に示す。また、焼成後に得られたフィルムのTMAH溶液への耐溶剤性を評価したところ、残膜率が83%であった。
【0242】
[実施例40]
実施例17で得られたポリイミド前駆体(10)100質量部に対して、BPE−500(30質量部)、M−306(10質量部)、IRGACURE OXE 02(1質量部)、FP−300(40質量部)、熱塩基発生剤1(5質量部)を混合し、感光性樹脂組成物(40)を調整した。
【0243】
感光性樹脂組成物(40)について、1質量%炭酸ナトリウム水溶液でのアルカリ現像性の評価、タック性、焼成後の折り曲げ試験、難燃性試験、焼成後のフィルムの反り測定を行った。結果を下記表2に示す。また、焼成後に得られたフィルムのTMAH溶液への耐溶剤性を評価したところ、残膜率が82%であった。
【0244】
[実施例41]
実施例40において、熱塩基発生剤1に代えて熱塩基発生剤2を用いた以外は、実施例40に記載した方法に従って、感光性樹脂組成物(41)を調整した。
【0245】
感光性樹脂組成物(41)について、1質量%炭酸ナトリウム水溶液でのアルカリ現像性の評価、タック性、焼成後の折り曲げ試験、難燃性試験、焼成後のフィルムの反り測定、ガラス転移温度測定を行った。結果を下記表2に示す。また、焼成後に得られたフィルムのTMAH溶液への耐溶剤性を評価したところ、残膜率が81%であった。
【0246】
[実施例42]
実施例40において、熱塩基発生剤1に代えて熱塩基発生剤3を用いた以外は、実施例40に記載した方法に従って、感光性樹脂組成物(42)を調整した。
【0247】
感光性樹脂組成物(42)について、1質量%炭酸ナトリウム水溶液でのアルカリ現像性の評価、タック性、焼成後の折り曲げ試験、難燃性試験、焼成後のフィルムの反り測定、ガラス転移温度測定を行った。結果を下記表2に示す。また、焼成後に得られたフィルムのTMAH溶液への耐溶剤性を評価したところ、残膜率が80%であった。
【0248】
[実施例43]
実施例22で得られたポリイミド前駆体(15)100質量部に対して、BPE−500(30質量部)、M−306(10質量部)、IRGACURE OXE 02(1質量部)、FP−300(40質量部)、熱塩基発生剤1(5質量部)を混合し、感光性樹脂組成物(43)を調整した。
【0249】
感光性樹脂組成物(43)について、1質量%炭酸ナトリウム水溶液でのアルカリ現像性の評価、タック性、焼成後の折り曲げ試験、難燃性試験、焼成後のフィルムの反り測定を行った。結果を下記表2に示す。また、焼成後に得られたフィルムのTMAH溶液への耐溶剤性を評価したところ、残膜率が86%であった。
【0250】
[実施例44]
実施例43において、熱塩基発生剤1に代えて熱塩基発生剤2を用いた以外は、実施例43に記載した方法に従って、感光性樹脂組成物(44)を調整した。
【0251】
感光性樹脂組成物(44)について、1質量%炭酸ナトリウム水溶液でのアルカリ現像性の評価、タック性、焼成後の折り曲げ試験、難燃性試験、焼成後のフィルムの反り測定、ガラス転移温度測定を行った。結果を下記表2に示す。また、焼成後に得られたフィルムのTMAH溶液への耐溶剤性を評価したところ、残膜率が85%であった。
【0252】
[実施例45]
実施例44において、熱塩基発生剤1に代えて熱塩基発生剤3を用いた以外は、実施例44に記載した方法に従って、感光性樹脂組成物(45)を調整した。
【0253】
感光性樹脂組成物(45)について、1質量%炭酸ナトリウム水溶液でのアルカリ現像性の評価、タック性、焼成後の折り曲げ試験、難燃性試験、焼成後のフィルムの反り測定、ガラス転移温度測定を行った。結果を下記表2に示す。また、焼成後に得られたフィルムのTMAH溶液への耐溶剤性を評価したところ、残膜率が84%であった。
【0254】
[比較例1]
窒素雰囲気下、セパラブルフラスコに、ジェファーミンXTJ−542(4.45mmol)、γ
−ブチロラクトン(32.5g)、APB−N(9.05mmol)、5
−BTA(15mmol)を入れ、オイルバスの温度を徐々に上げて60℃で3時間加熱撹拌した。さらに70℃で1時間加熱攪拌して、ポリイミド前駆体のγ
−ブチロラクトン溶液を得た。比較例1のポリイミド前駆体の重量平均分子量、C/(A+B+C)及び熱安定性評価の結果を下記表1に示す。
【0255】
比較例1のポリイミド前駆体100質量部に対して、BPE−500(30質量部)、M−306(10質量部)、IRGACURE OXE 02(1質量部)を混合し、比較例1の感光性樹脂組成物を調整した。
【0256】
比較例1の感光性樹脂組成物について、1質量%炭酸ナトリウム水溶液でのアルカリ現像性の評価、タック性、焼成後の折り曲げ試験、難燃性試験、焼成後のフィルムの反り測定、ガラス転移温度測定を行った。結果を下記表2に示す。また、焼成後に得られたフィルムのTMAH溶液への耐溶剤性を評価したところ、残膜率が32%であった。
【0257】
[比較例2]
窒素雰囲気下、セパラブルフラスコに、γ―ブチロラクトン(49.0g)、トリエチレングリコールジメチルエーテル(21.0g)、トルエン(20.0g)、ジェファーミンXTJ−542(14.85mmol)、APB−N(21.41mmol)を加え、続いてTMEG(39.0mmol)を加え、25℃で8時間撹拌し、ポリイミド前駆体の溶液を得た。比較例2のポリイミド前駆体の重量平均分子量、C/(A+B+C)及び熱安定性評価の結果を下記表1に示す。
【0258】
比較例2のポリイミド前駆体100質量部に対して、BPE−500(30質量部)、M−306(10質量部)、IRGACURE OXE 02(1質量部)を混合し、比較例2の感光性樹脂組成物を調整した。
【0259】
比較例2の感光性樹脂組成物について、1質量%炭酸ナトリウム水溶液でのアルカリ現像性の評価、タック性、焼成後の折り曲げ試験、難燃性試験、焼成後のフィルムの反り測定、ガラス転移温度測定を行った。結果を下記表2に示す。また、焼成後に得られたフィルムのTMAH溶液への耐溶剤性を評価したところ、残膜率が52%であった。
【0260】
[比較例3]
窒素雰囲気下、セパラブルフラスコに、γ―ブチロラクトン(49.0g)、トリエチレングリコールジメチルエーテル(21.0g)、トルエン(20.0g)、ジェファーミンXTJ−542(14.85mmol)、APB−N(21.41mmol)を加え、続いてBTDA(39.0mmol)を加え、25℃で8時間撹拌し、比較例3のポリイミド前駆体の溶液を得た。比較例3のポリイミド前駆体の重量平均分子量、C/(A+B+C)及び熱安定性評価の結果を下記表1に示す。
【0261】
比較例3のポリイミド前駆体100質量部に対して、BPE−500(30質量部)、M−306(10質量部)、IRGACURE OXE 02(1質量部)を混合し、比較例3の感光性樹脂組成物を調整した。
【0262】
比較例3の感光性樹脂組成物について
、1質量%炭酸ナトリウム水溶液でのアルカリ現像性の評価、タック性、焼成後の折り曲げ試験、難燃性試験、焼成後のフィルムの反り測定、ガラス転移温度測定を行った。結果を下記表2に示す。また、焼成後に得られたフィルムのTMAH溶液への耐溶剤性を評価したところ、残膜率が15%であった。
【0263】
[比較例4]
窒素雰囲気下、セパラブルフラスコに、γ―ブチロラクトン(49.0g)、トリエチレングリコールジメチルエーテル(21.0g)、トルエン(20.0g)、ジェファーミンXTJ−542(14.85mmol)、APB−N(21.41mmol)を加え、続いてBPDA(39.0mmol)を加え、25℃で8時間撹拌し、比較例4のポリイミド前駆体の溶液を得た。比較例4のポリイミド前駆体の重量平均分子量、C/(A+B+C)及び熱安定性評価の結果を下記表1に示す。
【0264】
比較例4のポリイミド前駆体100質量部に対して、BPE−500(30質量部)、M−306(10質量部)、IRGACURE OXE 02(1質量部)を混合し、比較例4の感光性樹脂組成物を調整した。
【0265】
比較例4の感光性樹脂組成物について、1質量%炭酸ナトリウム水溶液でのアルカリ現像性の評価、タック性、焼成後の折り曲げ試験、難燃性試験、焼成後のフィルムの反り測定、ガラス転移温度測定を行った。結果を下記表2に示す。また、焼成後に得られたフィルムのTMAH溶液への耐溶剤性を評価したところ、残膜率が61%であった。
[比較例5]
【0266】
窒素雰囲気下、ディーンシュタルク装置及び還流器を備えたセパラブルフラスコに、γ―ブチロラクトン(49.0g)、トリエチレングリコールジメチルエーテル(21.0g)、トルエン(20.0g)、APB−N(21.41mmol)、TMEG(39.0mmol)を入れ、180℃まで昇温し、180℃で1時間加熱撹拌した。共沸溶媒であるトルエンを除去した後に、25℃まで冷却し、続いてジェファーミンXTJ−542(14.85mmol)を加え、25℃で8時間撹拌し、比較例5のポリイミド前駆体の溶液を得た。比較例5のポリイミド前駆体の重量平均分子量、C/(A+B+C)及び熱安定性評価の結果を下記表1に示す。
【0267】
比較例5のポリイミド前駆体100質量部に対して、BPE−500(30質量部)、M−306(10質量部)、IRGACURE OXE 02(1質量部)を混合し、比較例5の感光性樹脂組成物を調整した。
【0268】
比較例5の感光性樹脂組成物について、1質量%炭酸ナトリウム水溶液でのアルカリ現像性の評価、タック性、焼成後の折り曲げ試験、難燃性試験、焼成後のフィルムの反り測定、ガラス転移温度測定を行った。結果を下記表2に示す。また、焼成後に得られたフィルムのTMAH溶液への耐溶剤性を評価したところ、残膜率が2%であった。
【0269】
【表1】
【0270】
【表2】
【0271】
表1、及び表2の結果から分かるように、ポリイミド前駆体(実施例1から実施例45)は、比較例1から比較例5と比較して、95℃乾燥時における重量平均分子量低下が低く熱安定性、折り曲げ試験、難燃性、反り、現像性、タック性、及び耐溶剤性が良好であることがわかる。
【0272】
特に、実施例28から実施例45から分かるように、特定構造を有する熱塩基発生剤1から熱塩基発生剤3を用いた場合においては、残膜率が大幅に増大していることから、耐溶剤性が良好となっていることが分かる。これは、上述したように、熱分解により生じた芳香環を有するジアミンと、芳香環を有するポリイミド前駆体との間の相互作用によるものと考えられる。また比較例5から分かるように、特定構造を有するジアミンがポリイミド構造中に含まれない場合には、熱安定性、折り曲げ試験、難燃性、現像性、タック性が低下することが分かる。