(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5758406
(24)【登録日】2015年6月12日
(45)【発行日】2015年8月5日
(54)【発明の名称】基板トポグラフィならびにそのリソグラフィ・デフォーカスおよびオーバーレイとの関係についてのサイトに基づく定量化
(51)【国際特許分類】
G03F 7/20 20060101AFI20150716BHJP
G01B 11/24 20060101ALI20150716BHJP
G01B 11/30 20060101ALI20150716BHJP
【FI】
G03F7/20 521
G01B11/24 D
G01B11/24 F
G01B11/30 101
【請求項の数】28
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2012-548098(P2012-548098)
(86)(22)【出願日】2011年1月5日
(65)【公表番号】特表2013-527972(P2013-527972A)
(43)【公表日】2013年7月4日
(86)【国際出願番号】US2011020245
(87)【国際公開番号】WO2011085019
(87)【国際公開日】20110714
【審査請求日】2013年12月27日
(31)【優先権主張番号】12/778,013
(32)【優先日】2010年5月11日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】61/293,548
(32)【優先日】2010年1月8日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】502442049
【氏名又は名称】ケーエルエー−テンカー・コーポレーション
【氏名又は名称原語表記】KLA−TENCOR CORPORATION
(74)【代理人】
【識別番号】110000028
【氏名又は名称】特許業務法人明成国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ベーララギャバン・サシシュ
(72)【発明者】
【氏名】シンハ・ジェイディープ・ケー.
【審査官】
佐野 浩樹
(56)【参考文献】
【文献】
特開2004−200600(JP,A)
【文献】
特開2005−181234(JP,A)
【文献】
特開2006−278510(JP,A)
【文献】
特開2006−105919(JP,A)
【文献】
特開2000−031224(JP,A)
【文献】
特開2001−060618(JP,A)
【文献】
特開2007−053402(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01B11/00 −11/30 、
G03F 1/00 − 1/86 、 7/20 − 7/24 、
9/00 − 9/02 、
H01L21/027、21/30 、21/64 −21/66
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体基板の計量特性を評価する方法であって、
光学的計測システムを用いて、前記基板の前面、背面および厚みの少なくとも1つのNT(ナノトポグラフィ)を計測する工程と、
前記基板を評価領域/サイトに分割する工程と、
リソグラフィ処理パラメータへの前記NT(ナノトポグラフィ)の影響をモデル化する工程と、
サイトごとに、面外ひずみ(OPD)および面内ひずみ(IPD)の少なくとも一方を得る工程と
を備える方法。
【請求項2】
請求項1に記載の方法であって、
前記基板の前記前面および前記背面のNT(ナノトポグラフィ)を計測する前記工程は、
自由状態で前記基板を保持する工程と、
表面データを生成するために前記基板の前記前面および前記背面上の点にて光学的計測を実施する工程と、
前記表面データから前記NT(ナノトポグラフィ)を得る工程と、
を含む、方法。
【請求項3】
請求項2に記載の方法であって、
前記基板の前記前面および前記背面上の点にて光学的計測を実施する前記工程は、前面データおよび背面データを生成するために前記基板の前記前面および前記背面上の点にて光学的計測を実施する工程を含み、
前記表面データから前記NT(ナノトポグラフィ)を得る工程は、前記基板の前記前面、前記背面および前記厚みの少なくとも1つのナノトポグラフィ(NT)を表すフィルタリング済み表面データを得るために、ハイパスフィルタを用いて前記前面データ、前記背面データおよび前記厚みの少なくとも1つをフィルタリングする工程を含む、方法。
【請求項4】
前記ハイパスフィルタは、ダブルガウシアン(DG)フィルタである、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
請求項3に記載の方法であって、更に、
前記評価領域/サイトに対する前記フィルタリング済み表面データの少なくとも一部に基づいて、前記基板を特徴付ける工程と、
を備える方法。
【請求項6】
前記評価領域/サイトは、リソグラフィ・スキャナ・フィールドに相当する、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
更に、前記評価領域/サイトの各々について、前記基板の前記前面、前記背面および前記厚みにおける前記NT(ナノトポグラフィ)のPV(山から谷までの)範囲および二乗平均平方根(RMS)の各計量を含む計量値を計算する工程を備える請求項5に記載の方法。
【請求項8】
請求項7に記載の方法であって、
前記方法は、集積回路処理フローに対する前記基板の適合性を特徴付け可能であり、
更に、前記集積回路プロセスフローの少なくとも一部に基づいて決定された閾値と前記計量値を比較する工程を、備える方法。
【請求項9】
リソグラフィ処理パラメータへの前記NT(ナノトポグラフィ)の影響をモデル化する前記工程は、三次元有限要素モデルを利用する、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記三次元有限要素モデルは、リソグラフィ処理中にリソグラフィチャック上でウェハ応答をシミュレートする、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記三次元有限要素モデルへの入力は、ウェハ・パラメータおよびチャック・パラメータを含む、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記ウェハ・パラメータは、
前面NT(ナノトポグラフィ)、背面NT(ナノトポグラフィ)および厚みを含むサイトベースの基板ジオメトリと、
シリコン材料特性と、
を含む、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記チャック・パラメータは、
ピンサイズ、ピン間隔および真空リングの少なくとも1つを含むチャック構造と、
応力と、
セラミック材料特性と、
を含む、請求項11に記載の方法。
【請求項14】
前記三次元有限要素モデルからの出力は、個々のサイトに基づく面外ひずみ(OPD)および面内ひずみ(IPD)を含む、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
請求項14に記載の方法であって、更に、
前記面外ひずみ(OPD)をデフォーカスデータと比較する工程と、
前記面内ひずみ(IPD)をオーバーレイデータと比較する工程と、
を備える方法。
【請求項16】
半導体基板の計量特性を評価するシステムであって、
前記基板の前面、背面および厚みの少なくとも1つのNT(ナノトポグラフィ)を計測する計測システムと、
前記基板を評価領域/サイトに分割し、リソグラフィ処理パラメータへの前記NT(ナノトポグラフィ)の影響をモデル化し、サイトごとに、面外ひずみ(OPD)および面内ひずみ(IPD)の少なくとも一方を得るように構成されたコンピュータを含むデータ分析システムと、
を備えるシステム。
【請求項17】
前記計測システムは、光学的計測システムを含む、請求項16に記載のシステム。
【請求項18】
前記光学的計測システムは、前記基板を自由状態で保持するために、垂直な位置に前記基板を保持する点接触のみで前記基板を保持するように構成されている、請求項17に記載のシステム。
【請求項19】
請求項18に記載のシステムであって、
前記光学的計測システムは、更に、
前面データおよび背面データを生成するために、前記基板の前面および背面上の点にて光学的計測を同時に実施するように、
前記前面データおよび前記背面データを足すことによって、前記前面データおよび前記背面データから前記基板の厚みを得るように、かつ、
フィルタリング済み表面データを得るために、ハイパスフィルタを用いて前記前面データおよび前記背面データから前面NT(ナノトポグラフィ)および背面NT(ナノトポグラフィ)を得るように、
構成されている、システム。
【請求項20】
前記ハイパスフィルタは、ダブルガウシアン(DG)フィルタである、請求項19に記載のシステム。
【請求項21】
請求項19に記載のシステムであって、
前記コンピュータは、前記評価領域サイトに対する前記フィルタリング済み表面データの少なくとも一部に基づいて、前記基板を特徴付けるように構成されている、システム。
【請求項22】
前記評価領域サイトは、リソグラフィ・スキャナ・フィールドに相当する、請求項21に記載のシステム。
【請求項23】
前記コンピュータは、前記評価領域/サイトの各々について、前記基板の前記前面、前記背面および前記厚みにおける前記NT(ナノトポグラフィ)のPV(山から谷までの)範囲および二乗平均平方根(RMS)の各計量を含む計量値を計算するように構成されている、請求項21に記載のシステム。
【請求項24】
前記コンピュータは、集積回路プロセスフローの少なくとも一部に基づいて決定された閾値と前記計量値を比較することで、前記集積回路プロセスフローに対する前記基板の適合性を特徴付けるように構成されている、請求項23に記載のシステム。
【請求項25】
請求項21に記載のシステムであって、
前記コンピュータは、三次元有限要素モデルを利用することでリソグラフィ処理パラメータへの前記NTの影響をモデル化するように構成され、
前記三次元有限要素モデルは、リソグラフィ処理中にリソグラフィチャック上でウェハ応答をシミュレートする、システム。
【請求項26】
請求項25に記載のシステムであって、
前記三次元有限要素モデルへの入力は、ウェハ・パラメータおよびチャック・パラメータを含み、
前記三次元有限要素モデルからの出力は、個々のサイトに基づく面外ひずみ(OPD)および面内ひずみ(IPD)を含む、システム。
【請求項27】
請求項26に記載のシステムであって、
前記ウェハ・パラメータは、
前面NT(ナノトポグラフィ)、背面NT(ナノトポグラフィ)および厚みを含むサイトベースの基板ジオメトリと、
シリコン材料特性と、
を含み、
前記チャック・パラメータは、
ピンサイズ、ピン間隔および真空リングの少なくとも1つを含むチャック構造と、
応力と、
セラミック材料特性と、
を含む、システム。
【請求項28】
請求項26に記載のシステムであって、
前記コンピュータは、更に、
前記OPDをデフォーカスデータと比較するように、かつ、
前記IPDをオーバーレイデータと比較するように、
構成されている、システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願への相互参照)本願は、2010年1月8日出願の米国特許仮出願61/293,548号に関し、この米国出願の優先権を主張する。
【0002】
本発明は集積回路処理に関し、特にウェハ基板トポグラフィ(topography、形状)のキャラクタリゼーション(characterization、特徴付け)、ならびに、そのリソグラフィ(lithography)におけるオーバーレイ(overlay)・エラーおよびデフォーカス(defocus)・エラーとの関連性に関する。
【背景技術】
【0003】
集積回路がより高速になり、かつ、より集積密度が増すにつれて、リソグラフィに対する要件はますます厳しくなる。リソグラフィでのエラーは、オーバーレイ・エラーを引き起こし得る面内ひずみから生じ得るか、或いはデフォーカス(焦点ずれ)を引き起こし得る面外ひずみから生じ得る。所与のウェハが十分に平面状であって仕様を満たす必要性、すなわち、処理が始まる前又は処理中でさえウェハとして適合し選択される必要性が、かつてなく大きくなってきている。ウェハのキャラクタリゼーションで重要な要素は、時折、基板ジオメトリ(基板表面形状)と呼ばれるウェハ・トポグラフィである。
【0004】
ウェハ・トポグラフィ(すなわち、基板ジオメトリ)は、形状、厚み/平坦性、ナノトポグラフィ(NT、nanotopography)などの従来のパラメータに従って表現することができる。これらのパラメータは、
図1aに示すように異なった特性を有する。これらのパラメータを表すデータは、約0.2mm(ミリメートル)の高い空間分解能を有する。形状は、概して自由状態にある基板の中央面(中央面の基準面からの偏差)と定義されるとともに、ウェハの低周波成分である。形状は、ゆがみやそりなどの大域的な計量によって特徴付けられる。平坦性は、背面が完全に平坦であると仮定された基板の厚みの変動と定義されるとともに、局所化又はサイトベース化可能な計量によって特徴付けられる。より高次の形状要素及びより局所化された形状特徴の特徴付け及び定量化は、国際特許出願第WO2010/025334号、及び米国特許仮出願第61/092,720号明細書に記載されており、これら両方の全体を本明細書に援用する。ウェハ形状のリソグラフィ・パラメータへの影響は、K.ターナー(Turner)他、「リソグラフィ・スキャナ上でのチャッキング中のウェハ変形によるひずみとオーバーレイ・エラーの予測」、ミクロ/ナノリソグラフィ学会誌、MEMS(microelectromechanical system) MOEMS(Micro-Opto-Electro-Mechanical Systems)第8(4)巻、043015頁、(2009年10月から12月)に記載されている。また、平坦性のリソグラフィ・パラメータへの影響は、J.バレー(Valley)他、「ウェハ平坦性に関する新しい計量アプローチ:ウェハ非平坦性のリソグラフィへの影響調査」、SPIE(The International Society for Optical Engineering 国際光工学会)予稿集、第5375巻、1098頁(2004年)に記載されており、両文献の内容全体を本明細書に援用する。
【0005】
特に、
図1bに示すように、ウェハ形状とNTのより高次の要素は、オーバーレイ(すなわち、各リソグラフィレベル間の位置決め又は配列)とデフォーカスとの両方に影響を与え得る。ナノトポグラフィは、基板の前面と背面の高周波成分であって、0.2mmから20mmの空間波長域にあると定義されるとともに、高さ数nm(ナノメートル)の特徴部を有する。NTは、点欠陥(例えば、陥没部、ピンやクラウンなどのエピ(epi)欠陥、切込みやレーザ痕などの隆起部)として生じ得るか、或いは線欠陥(例えば、スライスによる挽き痕、擦過痕、滑り線、ドーパント筋状痕又は他のプロセス痕)として生じ得る。ウェハ基板の個々の前面/背面のナノトポグラフィは、通常、トポグラフィデータへのダブルガウシアン(DG、Double Gaussian)フィルタなどのハイパスフィルタリングスキームの適用による前面トポグラフィ又は背面トポグラフィから得られ、このハイパスフィルタリングスキームは、ウェハ・トポグラフィの低周波成分を抑制する。基板NTのパラメータは、例えば、デフォーカス・エラーとオーバーレイ・エラーに寄与することで、リソグラフィ・プロセスに影響を与えることが判っている。
【0006】
通常、リソグラフィ処理において、スキャナは、オーバーレイ・エラーかデフォーカス・エラーを引き起こし得るひずみや他のトポグラフィ特徴に対する補正をすべてのウェハレベルとサイトごととの両方に適用する。ウェハレベルとサイトレベルの両方を含む、オーバーレイ用の最も一般的なスキャナの線形補正は、x方向及びy方向における平行移動、回転、xy方向及びy方向におけるサイトレベルの倍率に施される。通常、x方向とy方向における補正は、次の数学的な形式を有する。
dx= Δx− Δθ・y+ MX・x
dy= Δy− Δθ・x+ MY・y
ここで、ΔxとΔyは、x方向とy方向におけるシフト量であり、Δθは、回転補正量であり、MXとMYは、x方向とy方向における倍率補正量である。これらの補正量は、通常、最小二乗法などのプロセスを用いて、リソグラフィサイト内の目標位置でのエラーを最小化することで計算する。
【0007】
一般に、スキャナベースの線形補正は、オーバーレイ・エラーとデフォーカス・エラーを引き起こし得る、基板ジオメトリのより低次の線形要素と他の線形要素を補正できる。しかしながら、リソグラフィ・スキャナは、空間周波数がこのスキャナの単位スリット当りのサイズ未満であるという特徴のみを補正する限定的な機能を通常有している。そのため、単位スリット当りのサイズ未満の空間周波数を有するNTによって、補正不可能なエラー(NCE、Non-Correctable Errors)が生じ得る。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0008】
そこで、本明細書の手法及びシステムは、基板NTを定量化し、かつ、このNTのリソグラフィ処理パラメータへの影響を定量化することを目的とする。この手法は有限要素モデルを利用する。
本発明の一形態は、半導体基板の計量特性を評価する方法であって、光学的計測システムを用いて、前記基板の前面、背面および厚みの少なくとも1つのNT(ナノトポグラフィ)を計測する工程と;前記基板を評価領域/サイトに分割する工程と;リソグラフィ処理パラメータへの前記NT(ナノトポグラフィ)の影響をモデル化する工程と;サイトごとに、面外ひずみ(OPD)および面内ひずみ(IPD)の少なくとも一方を得る工程とを備える方法である。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1a】基板ジオメトリ/ウェハ・トポグラフィの異なったパラメータを特徴付ける。
【
図1b】より高次の形状およびナノトポグラフィを示す。
【
図2】リソグラフィフィールド又はリソグラフィサイトへのウェハの分割を示す。
【
図3a】基板NTを定量化する方法の実施形態の高レベルのフローチャートである。
【
図3b】基板NTを定量化する方法の実施形態の高レベルのフローチャートである。
【
図5】本明細書で用いた有限要素モデルの高レベルのダイアグラムを示す。
【
図6】仮定された理想的な正弦波状のウェハ背面用の分析モデルを示す。
【
図7a】第1の事例におけるチャックされている間の背面NTの前面トポグラフィへの影響結果をモデル化する例示的なFEを示す。
【
図7b】第2の事例におけるチャックされている間の背面NTの前面トポグラフィへの影響結果をモデル化する例示的なFEを示す。
【
図9】(FEモデルを用いて計算された)背面NTに対応する前面の面内ひずみ(IPD)を示す。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本明細書に記載した方法及びシステムは、PV(Peak-to Valley、山から谷までの)範囲やRMSなどの適切な計量を用いてリソグラフィに関連するウェハNTの計測及び定量化を提供し、かつ、リソグラフィのデフォーカス・エラー及びオーバーレイ・エラーなどのパラメータへのNTの影響を提供する。このようにして得られた結果によって、プロセスフロー用の露出したウェハ又はパターニングされたウェハを分類及び/又は適合性判定できる。ウェハの適合性判定は、定量化された計量値をユーザが決定した閾値又はカットオフ値と比較することで達せられてもよく、この適合性判定の少なくとも一部をプロセスフローによって決定してもよい。
【0011】
リソグラフィのオーバーレイ/デフォーカスへのNTや形状などのウェハのトポグラフィ的な外観の影響を決定する定量化手法を開発する第1の要件は、ウェハの前面トポグラフィと背面トポグラフィを正確に計測することである。前面と背面が同時計測され、自由状態にあるウェハを用いたウェハ計測が好適である。なぜならば、このウェハ計測では、基板とチャック又は他の保持メカニズムとの相互作用によって、基板トポグラフィデータにおけるアーチファクトが除去可能なためである。
【0012】
KLA‐Tencor社製のWaferSight2などの寸法計量ツールが、厚み/平坦性と同時に前面トポグラフィと背面トポグラフィを計測する多用性を提供する。このツールは、K.フライシュラート(Freischlad)、S.タン(Tang)及びJ.グレンフェル(Grenfell)、「ウェハ寸法計量用の干渉分光法」、SPIE予稿集、第6672巻、1頁(2007年)に記載されており、この内容全体を本明細書に援用する。このツールが提供する改良された計測手法の態様によれば、基板をほんのわずかの接点で垂直に保持する自由状態にて基板を計測するため、前面と背面のトポグラフィを同時に計測できる。WaferSight2ツールを用いることで、NT用の定量化手法を精緻化できる。ウェハ・トポグラフィの計測値をコンピュータメモリに保存してもよく、及び/又は、コンピュータベースの分析及び/又はモデル化を行ってもよいことに注意すべきである。
【0013】
本発明の定量化手法は、一般的に局所化を示唆するサイトベースである。NT、表面ベースの量用の先行技術の手法は、1つの「平均」曲線又は閾値曲線をウェハ全体に与えた。これに対して、より精緻化されたサイトベースの方法は、形状計測及びキャラクタリゼーションと同様、平坦性/厚み計測及びキャラクタリゼーションを予め行っている。この事柄は、先に援用した国際特許出願公開第WO2010/025334号、及びSEMI(Semiconductor Equipment and Materials International 半導体製造装置材料協会)M49−0307、「65nmから130nmのノード技術用のシリコン・ウェハの形状計測システムを特定するための指針」、www.semi.org、2004年に記載されている。設計則がより小さくなるに従って(現在では約22nmに達している)、デフォーカス/オーバーレイなどリソグラフィ・パラメータへの高周波NTの特徴の影響は増す。したがって、NT用の計測定量化手法を精緻化して、プロセスに関連した計量を開発することが、ますます重要となっている。サイトベースの計測方法には、ウェハ全体の平均化法に関して2つの重要な利点がある。
1.平均化ではなく大規模な局所的偏差により重きを置く。
2.リソグラフィ・スキャナのフィールド(サイト)に相当するようにサイトを選択してもよい(典型的なリソグラフィサイトは26mm×8mmであってもよい)。これにより、リソグラフィ・スキャナ上のNTとオーバーレイ・エラーとの直接相関が可能となる。サイトはユーザによって定義されるが、リソグラフィフィールドに相当するようにサイトを選択することで、実質的な利点が生じる。たとえば、各リソグラフィフィールドに関しNTが定量化可能なことは、最終的な収量計算に関連する。
【0014】
本方法のNT定量化の実施形態では、「サイト」とも呼ばれる各リソグラフィフィールドのデフォーカス・エラー及びオーバーレイ・エラーの計算と互換性を有するように、基板ジオメトリが計算される。よって、デフォーカス及びオーバーレイと関連付けるように、リソグラフィフィールド領域において基板ジオメトリを定量化できる。
【0015】
本方法の実施形態は、サイトベースの定量化手法を使用するとともに、面内ひずみ(IPD)へのNTの影響をモデル化する非線形接触の有限要素モデリングスキームを利用する。このスキームからオーバーレイを導出できる。オーバーレイ・エラーへのウェハ形状のひずみの影響をモデル化する有限要素モデリングを用いることは、先に援用したK.ターナー他の論文に記載されている。
【0016】
有限要素解析(FEA)の簡単な説明は以下の通りである:
FEAは、特定の結果用に強調されて分析される材料又は設計のコンピュータモデルから成る。FEAは、新製品の設計及び既存製品の改良に使用される。企業は、製造又は製図以前に、提案された設計がクライアントの仕様を実行可能かどうか検証できる。既存製品又は構造の変更は、新しい運転条件用の製品又は構造に適合するように利用される。構造上の欠陥がある場合には、新しい条件を満たす設計変更の決定促進にFEAを使用してもよい。
【0017】
産業で使用される分析には概して2つのタイプ、すなわち二次元モデリング及び三次元モデリングがある。二次元モデリングは、簡潔さを保つとともに、比較的通常のコンピュータで分析を実行できるが、あまり正確ではない結果を生む傾向がある。一方で、三次元モデリングは、最も高速なコンピュータ以外では効果的な実行能力がないながらも、より正確な結果を生む。プログラマは、システムを線形又は非線形に挙動させる多数のアルゴリズム(機能)をこれらの各モデリングスキームに入れることができる。線形システムは、はるかに複雑性が少なく、一般的には塑性変形を考慮に入れない。非線形システムは塑性変形を必ず考慮し、その多くは材料が破砕するまでずっと試験することも可能である。
【0018】
FEAは、メッシュと呼ばれる格子を生成するノードと呼ばれる点の複合システムを用いる。このメッシュは、ある荷重条件に対する構造の応答の仕方を定義する材料特性と構造特性を含むようにプログラムされる。ノードは、特定領域の想定された応力レベルに従って、材料中にある密度で割り当てられる。通常、非常に大きい応力を受ける領域は、受ける応力が小さい、或いは応力を受けない領域よりもノードの密度が大きい。対象となる点は、先に試験された材料の破断点、隅肉部、角部、複雑な細部、及び応力が大きい部分から成っていてもよい。メッシュはクモの巣(スパイダーウェブ)のように作用し、メッシュ要素は各ノードから各隣接ノードまで延びている。ベクトルのこのウェブは、多数の要素を生成しながら、物体まで材料特性を伝える(理論)。広範囲の目的関数(このシステム内の変数)が、最小化又は最大化に利用可能である。たとえば、この目的関数として次のものが挙げられる。
・質量、体積、温度
・ひずみエネルギー、応力ひずみ特性
・力、変位、速度、加速度
・変数の合成(ユーザが定義)
【0019】
FEAは、ANSYSなどの商業上利用可能なモデリングパッケージを用いて実施してもよい。モデリングパッケージへの入力及び/又はモデリングパッケージからの出力の選択は、モデリングからの最大の有用性獲得において非常に重要である。ある実施形態において、そのモデルは、一連のカスタムMATLABスクリプトを用いて生成される。一連のカスタムMATLABスクリプトは、高密度のNTデータファイルを読み込み、FEパッケージ用のモデル形状及びモデルメッシュを構成する。
【0020】
上述のドメイン構造に係り基板NTを定量化する方法の実施形態は、基板表面をリソグラフィフィールド(サイト)に分割した後、範囲、偏差又は二乗平均平方根(RMS)などの適切な計量を用いて、計測したNTを各リソグラフィフィールドで定量化することを含む。一実施例として、高周波NTの平均値を定量化するためにRMSを利用してもよいが、範囲の計量を使用することでNTの特徴部の最大の大きさを定量化してもよい。
図2に、リソグラフィフィールド又はサイト205に分割されたウェハ200を示す。各サイト内では、基板の前面と背面でフィルタにかけた形状データ点210が、x方向とy方向において0.2mmの例示的な密度を取る。データはNTデータ及び/又は厚みデータを含んでいてもよい。
図3aに本方法の実施形態の高レベルのフローチャートを示す。ステップ300では、実質的に自由状態にあるウェハの前面と背面でトポグラフィ計測を実行する。ステップ305では、ハイパスフィルタを基板の前面又は背面の計測に適用する。ステップ310では、残りの表面特徴部、すなわち高周波のジオメトリ又はNTを、リソグラフィサイトなどのユーザによって定義されたサイトに分割する。ステップ315では、サイトごとに計量定量化を適用する。ステップ320では、このようにして得られたデータを有限要素モデルに入力し、面外ひずみ(OPD)とIPDを計算する。ステップ325では、データを出力し、ステップ320からのOPD及びIPDをそれぞれデフォーカス及びオーバーレイに関連付ける。
図3bは
図3aのフローチャートの視覚的説明図である。基板NTをサイトごとに定量化した時点で、ある方法の実施形態では、リソグラフィ・パラメータへのNTの影響をモデル化するように、非線形接触の有限要素解析(FEA)を用いる。特に、リソグラフィの露出中に、ウェハは、ピンに接触するように真空チャック上で保持される。このチャッキング手法は、チャッキング中、基板の背面を実質的に平坦にする。これにより、曲げ変形とせん断変形が生じる。デフォーカス・エラーやオーバーレイ・エラーなどのリソグラフィエラーへの影響を決定するために、チャッキングプロセス中のウェハ・トポグラフィを決定する必要がある。チャッキングは、ウェハスキャン中と同様、エピタキシャル堆積やCMP(chemical mechanical polishing 化学機械研磨)などのプロセス中にも起こり得ることに注意されたい。本明細書に記載した方法をこれら以外の状況にも適用してよい。非線形接触の有限要素モデルは、チャック、例えばリソグラフィピンとNTを含む基板背面との相互作用をモデル化する。基板形状などの異なったパラメータのモデル化にFEAを使用してもよいことに注意されたい。下記のように、研究中のパラメータに従って、モデルへの入力は変化する。
【0021】
本システムでは、例えば、スキャン工程又はリソグラフィ工程など、ウェハを真空チャックしたときに、モデルへの重要な入力は、使用されるピンとウェハ背面との相互作用である。簡略化のために、ウェハをチャックし、真空で用いるピンは、リソグラフィピンと呼ぶことにする。
図4に、ピン410がウェハ背面415に接触している、チャック405上でのウェハ400のチャッキングを示す。
【0022】
図5に、本明細書で用いた有限要素モデルの実施形態の高レベルのダイアグラムを示す。ウェハ・パラメータ500は、有限要素モデル515への第1の入力カテゴリである。ウェハ・パラメータは、a)シリコン材料特性502(例えば、弾性係数150Gpa、及びポアソン比0.28)、及び、b)基板ジオメトリ(サイトベースの形状505となるようにリソグラフィフィールドに対応するサイトに分割されたもの)を含む。ウェハジオメトリは、前面NT及び背面NT507と厚み508を含む。チャック・パラメータ510(例示的なケースにおけるリソグラフィチャック)は、第2の入力カテゴリであり、この第2の入力カテゴリは、ピン頂部のサイズ(例えば0.2mm×0.2mm)、ピン間隔(例えば2mm)、圧力(例えば80kPa)などのチャック構造511、及びチャックのセラミック材料特性513を含んでいてもよい。有限要素モデルへの入力は、研究中のパラメータに従って変化する。このモデルは、リソグラフィピンチャックとウェハの背面NTとの相互作用をシミュレートし、かつ、ウェハが真空チャック(ポストチャッキング(post-chucking)」とも称される)上にある間に、この相互作用の前面NTへの影響の仕方をシミュレートする。有限要素モデルの出力は、サイトごとの面外ひずみ(OPD)520を含み、面外ひずみ(OPD)520は、デフォーカス525(平坦化検証試験(LVT)データで表されるパラメータ)と相関性がある。LVTは米国特許出願公開第20090135389号明細書に記載されており、これを本明細書に援用する。また、面内ひずみ(IPD)530はオーバーレイ535と相関性がある。デフォーカスとオーバーレイの両方が、リソグラフィ・スキャナで観測されて、一般に各リソグラフィサイトで計算される。FE出力データの後工程540は、計算されたオーバーレイ・エラーを生成するように実行される。オーバーレイを計算する方法の詳細は、先に援用したターナー他の論文に見出される。出力はポストチャッキングの前面NTを含んでいてもよく、ポストチャッキングの前面NTは、リソグラフィチャックと背面NTとの相互作用から生じる。
【0023】
図6に、仮定された理想的な正弦波状のウェハ背面用の分析モデルを示す。このモデルは、平板理論の基礎的な力学から生成される。ウェハの背面が真空チャックによって完全に平坦化されると仮定して、前面表面トポグラフィを計算する。2mm以上のNTの空間波長では、FEモデルと分析モデルとの間には見事な相関関係がある。より短い空間波長では、FEモデルには含まれるが、分析モデルには含まれない複雑なせん断変形が重要となる。そのため、これら2つのモデルは短い空間波長では発散する。2つのモデル間の相関関係は、FE分析の更なる検証対象である。
【0024】
図7に、チャックされている間の背面NTの前面トポグラフィへの影響結果をモデル化する、事例1(
図7a)及び事例2(
図7b)についての例示的なFEを示す。事例1では、背面トポグラフィは、チャッキング以前には前面トポグラフィより小さく、この場合、前面のPV(peak-to-valley)トポグラフィは、チャッキング中、ほんのわずかしか影響を受けない。これに対し、事例2では、背面NTは、チャッキング以前には前面トポグラフィより大きい。この場合、チャックされた前面は、背面NTの影響を大きく受ける。頻繁に遭遇する、PVが大きい背面NTの特徴の実施例は、
図8に示すエピピン欠陥であって、エピ堆積プロセス中に生じたトポグラフィ特徴である。
【0025】
図9に、背面NTに対応する、FEモデルを用いて計算された前面のIPDを示す。明らかに、背面NTを定量化して制御できるならば、オーバーレイ・エラーを低減でき、収量を向上できる。一実施例として、5%のリソグラフィサイトが、エピピン欠陥、PVが大きいNTの特徴部(すなわち、IPD、オーバーレイ・エラー(及びより少ない収量)をもたらす部分)より多いならば、エピピンNTの制御によって当量だけ収量が向上する可能性がある。
【0026】
システムの検討
本発明の方法又はその一部はコンピュータにより実施してもよい。コンピュータシステムは、プロセッサ(例えば、プロセッサコア、マイクロプロセッサ、コンピューティングデバイスなど)、メインメモリ、及びスタティックメモリを含んでいてもよく、これらは、バスを介して互いに連通する。マシンは更にディスプレイ装置を含んでいてもよく、ディスプレイ装置は、タッチスクリーン、液晶ディスプレイ(LCD)、発光ダイオード(LED)ディスプレイ、又はブラウン管(CRT)を有していてもよい。示されるように、コンピュータシステムは、人間の入力/出力(I/O)装置(例えば、キーボード、英数字のキーパッドなど)、ポインティングデバイス(例えば、マウス、タッチスクリーンなど)、駆動装置(例えば、ディスク駆動装置、CD(Compact Disk)/DVD(Digital Versatile Disk)ドライブ、接触型のコンピュータ読み込み可能なリムーバブルメディアドライブ、SSD(Solid State Disk)記憶装置など)、信号発生装置(例えば、スピーカー、音声出力など)、及びネットワークインターフェース装置(例えば、イーサネットインターフェース、有線ネットワークインターフェース、ワイヤレス・ネットワークインターフェース、伝播信号インターフェースなど)も含んでいてよい。
【0027】
駆動装置は機械可読媒体を含んでいてもよく、上記の手法のいずれか1つ又はそのすべてを実施する一連の命令(すなわち、ソフトウェア、ファームウェア、ミドルウェアなど)が、この機械可読媒体に保存される。これら一連の命令は、メインメモリ及び/又はプロセッサ内に完全に又は少なくとも部分的に存在するようにも示される。さらに、一連の命令は、ネットワークバス上のネットワークインターフェース装置を通して送るか或いは受け取ってもよい。
【0028】
本発明の実施形態は、一連の命令として用いてもよく、或いはこれらの命令をサポートするように用いてもよいと理解すべきであり、これら一連の命令は、ある形態のプロセッサコア(例えばコンピュータのCPUなど)上で実行されるか、或いは、機械可読媒体又はコンピュータ可読媒体上又はこれら媒体内で実行又は実現される。機械可読媒体は任意のメカニズムを含み、このメカニズムは、マシン(例えば、コンピュータ)が読み込み可能な形態の情報を保存又は伝達する。たとえば、機械可読媒体はリードオンリメモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、磁気ディスク記憶媒体、光学式記憶媒体、フラッシュメモリ装置、電気信号、光信号、音響信号若しくは他の形態の伝播信号(例えば、キャリア波、赤外線信号、ディジタル信号など)、又は情報の記憶若しく伝達に適した他の任意タイプの媒体を含む。
【0029】
装置形状が小さくなるにつれて、リソグラフィのオーバーレイ精度を向上させる必要がある。チャッキングで誘発されるエラー用、オーバーレイ・エラーの一原因用及び収量制限用のより良い補正法(サイトベースのNT制御を含む)を開発するための第一歩は、チャッキングで誘発されるIPDの定量化である。本明細書に開示した手法及びシステムは、背面NTのリソグラフィのサイトベース定量化を提供するとともに、対応するチャッキングで誘発されるIPD及びオーバーレイ・エラーのFEモデリングを提供する。
【0030】
本発明は、本明細書に開示された厳密な実施例に限定されないと想到される。当業者は、本発明概念から逸脱せずに変更又は補正を行ってもよいと理解するであろう。一実施例として、ハイパスフィルタ以外のNT獲得法を用いてもよい。本発明の範囲は請求項に鑑みて解釈すべきである。
本発明は、以下の適用例として実現することが可能である。
(適用例1)
コンピュータによって実施され、半導体基板の計量特性を評価する方法であって、
前記基板の前面および背面の両方のNT(ナノトポグラフィ)を計測する工程と、
リソグラフィ処理パラメータへの前記NT(ナノトポグラフィ)の影響をモデル化する工程と、
を備える方法。
(適用例2)
適用例1に記載の方法であって、
前記基板の前記前面および前記背面のNT(ナノトポグラフィ)を計測する前記工程は、
自由状態で前記基板を保持する工程と、
表面データを生成するために前記基板の前記前面および前記背面上の点にて光学的計測を実施する工程と、
前記表面データから前記NT(ナノトポグラフィ)を得る工程と、
を含む、方法。
(適用例3)
適用例2に記載の方法であって、
前記基板の前記前面および前記背面上の点にて光学的計測を実施する前記工程は、前面データおよび背面データを生成するために前記基板の前記前面および前記背面上の点にて光学的計測を実施する工程を含み、
前記表面データから前記NT(ナノトポグラフィ)を得る工程は、前記基板の前記前面および前記背面のナノトポグラフィ(NT)を表すフィルタリング済み表面データを得るために、ハイパスフィルタを用いて前記前面データおよび前記背面データをフィルタリングする工程を含む、方法。
(適用例4)
前記ハイパスフィルタは、ダブルガウシアン(DG)フィルタである、適用例3に記載の方法。
(適用例5)
適用例3に記載の方法であって、更に、
前記基板を評価領域/サイトに分割する工程と、
前記評価領域/サイトに対する前記フィルタリング済み表面データの少なくとも一部に基づいて、前記基板を特徴付ける工程と、
を備える方法。
(適用例6)
前記評価領域/サイトは、リソグラフィ・スキャナ・フィールドに相当する、適用例5に記載の方法。
(適用例7)
更に、前記評価領域/サイトの各々について、前記基板の前記前面および前記背面における前記NT(ナノトポグラフィ)のPV(山から谷までの)範囲およびRMSの各計量を含む計量値を計算する工程を備える適用例5に記載の方法。
(適用例8)
適用例7に記載の方法であって、
前記方法は、集積回路処理フローに対する前記基板の適合性を特徴付け可能であり、
更に、前記集積回路プロセスフローの少なくとも一部に基づいて決定された閾値と前記計量値を比較する工程を、備える方法。
(適用例9)
リソグラフィ処理パラメータへの前記NT(ナノトポグラフィ)の影響をモデル化する前記工程は、三次元有限要素モデルを利用する、適用例1に記載の方法。
(適用例10)
前記三次元有限要素モデルは、リソグラフィ処理中にリソグラフィチャック上でウェハ応答をシミュレートする、適用例9に記載の方法。
(適用例11)
前記三次元有限要素モデルへの入力は、ウェハ・パラメータおよびチャック・パラメータを含む、適用例10に記載の方法。
(適用例12)
前記ウェハ・パラメータは、
前面NT(ナノトポグラフィ)、背面NT(ナノトポグラフィ)および厚みを含むサイトベースの基板ジオメトリと、
シリコン材料特性と、
を含む、適用例11に記載の方法。
(適用例13)
前記チャック・パラメータは、
ピンサイズおよびピン間隔を含むチャック構造と、
応力と、
セラミック材料特性と、
を含む、適用例11に記載の方法。
(適用例14)
前記三次元有限要素モデルからの出力は、個々のサイトに基づく面外ひずみ(OPD)および面内ひずみ(IPD)を含む、適用例13に記載の方法。
(適用例15)
適用例14に記載の方法であって、更に、
前記面外ひずみ(OPD)をデフォーカスデータと比較する工程と、
前記面内ひずみ(IPD)をオーバーレイデータと比較する工程と、
を備える方法。
(適用例16)
半導体基板の計量特性を評価するシステムであって、
前記基板の前面および背面の両方のNT(ナノトポグラフィ)を計測する手段と、
リソグラフィ処理パラメータへの前記NT(ナノトポグラフィ)の影響をモデル化するように構成されたコンピュータを含むデータ分析システムと、
を備えるシステム。
(適用例17)
前記基板の前面および背面の両方のNT(ナノトポグラフィ)を計測する前記手段は、光学的計測システムを含む、適用例16に記載のシステム。
(適用例18)
前記光学的計測システムは、前記基板を自由状態で保持するために、垂直な位置に前記基板を保持する点接触のみで前記基板を保持するように構成されている、適用例17に記載のシステム。
(適用例19)
適用例18に記載のシステムであって、
前記光学的計測システムは、更に、
前面データおよび背面データを生成するために、前記基板の前面および背面上の点にて光学的計測を同時に実施するように、かつ、
フィルタリング済み表面データを得るために、ハイパスフィルタを用いて前記前面データおよび前記背面データから前面NT(ナノトポグラフィ)および背面NT(ナノトポグラフィ)を得るように、
構成されている、システム。
(適用例20)
前記ハイパスフィルタは、ダブルガウシアン(DG)フィルタである、適用例19に記載のシステム。
(適用例21)
適用例16に記載のシステムであって、
前記コンピュータは、
前記基板を評価領域サイトに分割するように、かつ、
前記評価領域サイトに対する前記フィルタリング済み表面データの少なくとも一部に基づいて、前記基板を特徴付けるように、
構成されている、システム。
(適用例22)
前記評価領域サイトは、リソグラフィ・スキャナ・フィールドに相当する、適用例21に記載のシステム。
(適用例23)
前記コンピュータは、前記評価領域/サイトの各々について、前記基板の前記前面および前記背面における前記NT(ナノトポグラフィ)のPV(山から谷までの)範囲およびRMSの各計量を含む計量値を計算するように構成されている、適用例21に記載のシステム。
(適用例24)
前記コンピュータは、集積回路プロセスフローの少なくとも一部に基づいて決定された閾値と前記計量値を比較することで、前記集積回路プロセスフローに対する前記基板の適合性を特徴付けるように構成されている、適用例23に記載のシステム。
(適用例25)
適用例21に記載のシステムであって、
前記コンピュータは、三次元有限要素モデルを利用することでリソグラフィ処理パラメータへの前記NTの影響をモデル化するように構成され、
前記三次元有限要素モデルは、リソグラフィ処理中にリソグラフィチャック上でウェハ応答をシミュレートする、システム。
(適用例26)
適用例25に記載のシステムであって、
前記三次元有限要素モデルへの入力は、ウェハ・パラメータおよびチャック・パラメータを含み、
前記三次元有限要素モデルからの出力は、個々のサイトに基づく面外ひずみ(OPD)および面内ひずみ(IPD)を含む、システム。
(適用例27)
適用例26に記載のシステムであって、
前記ウェハ・パラメータは、
前面NT(ナノトポグラフィ)、背面NT(ナノトポグラフィ)および厚みを含むサイトベースの基板ジオメトリと、
シリコン材料特性と、
を含み、
前記チャック・パラメータは、
ピンサイズおよびピン間隔を含むチャック構造と、
応力と、
セラミック材料特性と、
を含む、システム。
(適用例28)
適用例26に記載のシステムであって、
前記コンピュータは、更に、
前記OPDをデフォーカスデータと比較するように、かつ、
前記IPDをオーバーレイデータと比較するように、
構成されている、システム。