(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
この従来技術によると、機械式ロック手段は、架け渡し部材に摩擦部材による摩擦力を作用させることにより、シャッターカーテンに対して架け渡し部材をロック状態とするものとなっているため、発生させることができる機械式ロック力の大きさは、摩擦部材と架け渡し部材の摩擦力に依存することになる。このため、シャッターカーテンの閉じ移動を停止させるために発生させることができる機械式ロック力の大きさには自ずと限界がある。
【0008】
本発明の目的は、開閉体の閉じ移動を停止させるための機械式ロック力の大きさを大きくできるようになる開閉装置の機械式開閉体停止装置を提供するところにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明に係る開閉装置の機械式開閉体停止装置は、開閉体主部と、この開閉体主部に対して可動に設けられた開閉体副部とを含んで構成された開閉体が閉じ移動の途中で障害物に当接したときに、この閉じ移動を機械式に停止させるための開閉装置の機械式開閉体停止装置であって、前記開閉体に対して不動となっている不動部材から前記開閉体まで架け渡された部分を有している架け渡し部材と、前記開閉体に配置され、この開閉体が開閉移動しているときのこの開閉体に対する前記架け渡し部材の移動を案内する案内部材と、前記開閉体の閉じ移動の途中で当接した前記障害物によって前記開閉体副部が前記開閉体主部に対して移動することにより、前記開閉体に対して前記架け渡し部材をロック状態とすることによって前記開閉体の閉じ移動を停止させるための機械式ロック手段と、を含んで構成されている開閉装置の機械式開閉体停止装置において、前記案内部材は、前記開閉体に対する前記架け渡し部材の移動によって運動する第1運動部材となっており、前記機械式ロック手段は、この第1運動部材に連結された第2運動部材と、前記開閉体の閉じ移動の途中で当接した前記障害物によって前記開閉体副部が前記開閉体主部に対して移動することにより前記第2運動部材の運動を抑止する抑止部材と、を含んで構成されていることを特徴とするものである。
【0010】
この開閉装置の機械式開閉体停止装置では、開閉体が開閉移動した場合にこの開閉体に対する架け渡し部材の移動を案内する案内部材が、開閉体に対する架け渡し部材の移動によって運動する第1運動部材となっており、また、機械式ロック手段は、この第1運動部材に連結された第2運動部材と、開閉体の閉じ移動の途中で当接した障害物によって開閉体副部が開閉体主部に対して移動することにより第2運動部材の運動を抑止する抑止部材と、を含んで構成されているため、機械式ロック手段は、架け渡し部材とは異なる複数の部材によって構成されているとともに、第1運動部材と第2運動部材とが連結されていることを除くと、機械式ロック手段は、架け渡し部材から独立した手段となって構成されている。
【0011】
そして、開閉体の閉じ移動の途中で当接した障害物によって開閉体副部が開閉体主部に対して移動することにより、抑止部材によって第2運動部材の運動が抑止され、これにより、第2運動部材と連結されている第1運動部材の運動も抑止されるため、第1運動部材で案内されている架け渡し部材は開閉体に対してロックされた状態になり、このため、開閉体の閉じ移動を停止させることが可能となる。
【0012】
このように本発明における開閉体の閉じ移動の停止は、抑止部材によって第2運動部材の運動が抑止されることにより行われ、これらの抑止部材及び第2運動部材は、架け渡し部材とは別の部材であって、本発明に係る機械式ロック手段は、架け渡し部材が構成部材となって構成されていないため、開閉体の閉じ移動の停止を架け渡し部材に摩擦部材による摩擦力を作用させることによって行う場合よりも、開閉体の閉じ移動を停止させるために発生させることができる機械式ロック力の大きさを大きくすることが可能となる。
【0013】
本発明において、第1運動部材の運動は、回転運動でもよく、揺動運動を含む回動運動でもよく、直線的な往復運動でもよく、複数の運動が組み合わせられた複合運動等でもよい。また、第1運動部材と連結されている第2運動部材の運動も、回転運動でもよく、揺動運動を含む回動運動でもよく、直線的な往復運動でもよく、複数の運動が組み合わせられた複合運動等でもよい。
【0014】
さらに、第1運動部材と第2運動部材との連結は、直接的な連結でもよく、例えば、運動変換手段を介した間接的な連結等でもよい。また、抑止部材による第2運動部材の運動の抑止は、第2運動部材への抑止部材の噛み込みでもよく、第2運動部材への抑止部材の当接でもよく、第2運動部材への抑止部材の圧接等でもよい。
【0015】
また、本発明において、前述した架け渡し部材は、任意な形状、構造のものでもよく、この架け渡し部材は、例えば、テレスコピック式に伸縮自在となった棒状部材やブロック状部材でもよく、紐状部材等でもよい。
【0016】
架け渡し部材を紐状部材とする場合には、この紐状部材は、金属製等のワイヤーでもよく、合成樹脂製等の紐でもよく、ロープでもよく、ローラチェーンやボールチェーンを含むチェーンでもよく、その他の細長部材でもよい。
【0017】
一例として、紐状部材をローラチェーンとした場合には、第1運動部材をこのローラチェーンが噛合するスプロケットホイールとすることができ、そして、このスプロケットホイールに第2運動部材を直接連結し、この第2運動部材をラチェットホイールとするとともに、上記抑止部材を、このラチェットホイールに噛み込み可能なラチェット部材とすることができる。
【0018】
また、本発明において、架け渡し部材の全部又は一部を、例えば、開閉体の開閉移動を案内するガイド部材の内部及び/又は開閉体の内部に収納してもよい。これによると、ガイド部材の内部及び/又は開閉体の内部に収納された架け渡し部材の部分を外力から保護できることになる。
【0019】
さらに、本発明において、開閉体に対して不動となっている不動部材から開閉体まで架け渡された部分を有している架け渡し部材の一方の端部をこの不動部材に連結することにより、抑止部材で第2運動部材の運動が抑止されることによって第1運動部材で案内されている架け渡し部材が開閉体に対してロックされた場合に、架け渡し部材に作用する緊張力により開閉体の閉じ移動を停止させるようにしてよい。また、架け渡し部材の一方の端部を不動部材に連結せず、この一方の端部を、開閉体を開閉移動させるための駆動装置に直接に又は中間装置等を介して間接的に連結し、これにより、抑止部材で第2運動部材の運動が抑止されことによって第1運動部材で案内されている架け渡し部材が開閉体に対してロックされた場合に、架け渡し部材に作用する緊張力により、上記駆動装置に設けられているブレーキ手段をオンとし、これにより、開閉体の下向きの閉じ移動を停止させるようにしてもよい。
【0020】
これらの場合において、架け渡し部材を、下向きに不動部材から開閉体へと延びる部分を有するワイヤー等の紐状部材とし、開閉体の閉じ方向を下方向とした場合には、上記緊張力を開閉体自体の重量によって発生させることができる。
【0021】
また、紐状部材等による架け渡し部材は、不動部材から開閉体へ延びる部分のみからなるものでもよく、あるいは、不動部材から開閉体へ延びる部分と、開閉体から前記不動部材又はこの不動部材と同じく開閉体に対して不動となっている他の不動部材へと延びる部分とを有するものでもよい。
【0022】
これらの場合における不動部材とは、例えば、開閉体によって開閉される開口部の外枠を形成する部材や、開閉体の開閉移動を案内するガイド部材、さらには、開閉装置の構造躯体や、開閉装置が設置されている建物等の構築物のための躯体等である。
【0023】
また、紐状部材等の架け渡し部材を、不動部材から開閉体へ延びる部分のみからなるものとした場合と、不動部材から開閉体へ延びる部分と、開閉体からこの部分とは反対側へ延び、上記不動部材と同じ部材となっている不動部材へと延びる部分とを有するものとした場合、言い換えると、架け渡し部材を開閉体で折り返されたU字状とした場合には、可撓性の紐状部材等による架け渡し部材の少なくとも一方の端部を、リール又は巻取軸等の回転部材により巻き取り、繰り出し自在とすることにより、架け渡し部材を開閉体の開閉移動に対して追従させることができる。
【0024】
また、本発明に係る開閉体は、前述した開閉体主部と開閉体副部とを有していれば、任意な構造のものでよい。その一例は、開閉体の閉じ方向が下方向である場合において、この開閉体を、開閉体本体と、この開閉体本体の下側に配置されたエンド部材とを含んで構成されたものとするとともに、このエンド部材を、開閉体本体に固定された固定部と、この固定部の下側に配置され、固定部に対して上下方向に移動自在となった可動部とを含んで形成されたものとし、開閉体本体と固定部とで前述の開閉体主部を構成し、可動部を前述の開閉体副部とすることである。
【0025】
これによると、開閉体が閉じ移動しているときに、この閉じ方向に存在していた障害物に開閉体が当接することは、開閉体副部となっている可動部が障害物に当接することによって行われるため、障害物による開閉体副部の開閉体主部に対する移動を一層確実に行わせることができる。
【0026】
また、本発明は、任意な開閉装置に適用することができる。その一例は、開閉体がシャッターカーテンとなっているシャッター装置である。また、本発明は、開き戸装置や引戸装置にも適用することができ、さらには、オーニング装置や防煙垂れ幕装置等にも適用することができる。
【0027】
また、本発明をシャッター装置に適用する場合には、このシャッター装置は任意な用途のためのシャッター装置でよい。すなわち、本発明が適用されるシャッター装置は、シャッターカーテンが出入口等の開口部を開閉するために開閉移動する管理用シャッター装置でもよく、防煙等の防災機能を有しているシャッターカーテンが火災等の異常事態の発生時に閉じ移動することにより建物等の構造物内に防災区画を形成するための防災用シャッター装置でもよく、さらには、管理及び防災の併用シャッター装置でもよい。そして、防災用シャッター装置には、エレベータ等の昇降手段の近辺を全閉となったシャッターカーテンで閉鎖する昇降手段のための防災用シャッター装置が含まれる。
【0028】
さらに、本発明が適用されるシャッター装置は、シャッターカーテンが任意な部材、構造で構成されたものでよい。すなわち、シャッターカーテンの全部又は主要は、複数のスラットで形成されてもよく、シートで形成されてよく、リンク部材で連結された複数のパイプで形成されてもよく、複数のパネルで形成されてもよく、ネットで形成されてもよく、これらの部材のうち、複数の部材を組み合わせることによって形成されてもよい。
【0029】
また、シャッターカーテンの開閉移動方向は上下方向でもよく、あるいは、左右方向でもよい。シャッターカーテンの開閉移動方向が上下方向である場合には、シャッターカーテンの閉じ方向は、下方向でもよく、上方向でもよい。
【0030】
さらに、シャッターカーテンの開き移動と閉じ移動のうち、少なくとも一方は電動モータ等による自動駆動装置で行われてもよく、あるいは、手操作で行われてもよい。
【0031】
また、シャッターカーテンの開閉移動方向が上下方向であって、閉じ移動が下向きとなっている場合には、この閉じ移動は、シャッターカーテンの自重によって行われてもよく、あるいは、シャッターカーテンの自重に、電動モータ等による駆動装置の駆動力が付加されて行われてもよい。
【0032】
また、下向きに閉じ移動する前のシャッターカーテンを全開位置に停止させておくための手段は、ブレーキ手段でもよく、あるいは、シャッターカーテンの閉じ側の端部に設けられている座板等のシャッターカーテン構成部材に係止する係止部材を備えた係止手段でもよい。
【0033】
上記ブレーキ手段には、シャッターカーテンの開閉移動を巻取軸によるシャッターカーテンの巻き取り、繰り出しで行うシャッター装置については、この巻取軸を回転させるための駆動装置となっている開閉機を電動モータ手段と共に構成するものとなっているブレーキ手段が含まれる。
【0034】
また、上記係止手段には、シャッターカーテンが全開位置に達しているときに上記係止部材が座板等のシャッターカーテン構成部材に係止することにより、シャッターカーテンを全開位置に停止させ、架け渡し部材に前述の緊張力が作用した場合には、この緊張力により係止部材を座板等のシャッターカーテン構成部材から離脱させ、これにより、シャッターカーテンを自重で下向きに閉じ移動させる構成となっているものが含まれる。
【0035】
さらに、シャッターカーテンの開閉移動は、上述のように巻取軸によるシャッターカーテンの巻き取り、繰り出しで行われてもよく、あるいは、シャッターカーテンの開き移動が、オーバーヘッドドアのように、シャッターカーテンが全閉位置に達しているときの全体形状と同じ形状(多少は変形しているが、実質的に同じ形状と言えるものを含む。)を維持しながら行われてもよく、あるいは、シャッターカーテンの開き移動が、シャッターカーテンが湾曲等に変形しながら行われてもよく、あるいは、シャッターカーテンを構成するパネル等の複数の構成部材が、シャッターカーテンの閉じ移動時には連結され、シャッターカーテンの開き移動時(シャッターカーテンの収納時)には、互いに分離し、これらの構成部材が厚さ方向に重なり合うようになっていてもよい。
【0036】
また、シャッターカーテンの開閉移動が巻取軸の正逆回転によるシャッターカーテンの巻き取り、繰り出しで行われ、シャッターカーテンの下向きの閉じ移動がシャッターカーテンの自重又はこの自重に加えて駆動装置の駆動力で行われるシャッター装置については、巻取軸に、シャッターカーテンの閉じ移動中に戻し力が蓄圧されるねじりコイルばねやぜんまいばねによる戻しばねを設けておき、シャッターカーテンの上向きの開き移動を、この戻しばねに蓄圧された戻し力を補助力として利用して行うようにしてもよい。
【発明の効果】
【0037】
本発明によると、開閉体の閉じ移動を停止させるための機械式ロック力の大きさを大きくできるという効果を得られる。
【発明を実施するための形態】
【0039】
以下に本発明を実施するための形態を図面に基づいて説明する。本実施形態に係る開閉装置は、開閉体がシャッターカーテンとなっているシャッター装置である。また、本実施形態に係るシャッター装置は、管理及び防災の併用シャッター装置である。すなわち、本実施形態に係るシャッター装置は、出入口等の開口部を開閉するためにシャッターカーテンが開閉移動する管理用シャッター装置としての機能と、防煙等の防災機能を有しているシャッターカーテンが火災等の異常事態の発生時に閉じ移動することにより建物等の構造物内に防災区画を形成するための防災用シャッター装置としての機能と、を有している。
【0040】
図1には本実施形態に係るシャッター装置の全体が示されており、この
図1は、開閉移動方向が上下方向になっていて、下向きに閉じ移動するシャッターカーテン1が半分程度まで閉じた半閉状態になっているときを示している。シャッターカーテン1で開閉される開口部は、建物に形成される出入口2であり、この出入口2は、壁等の左右の建物躯体3と、全閉となったときのシャッターカーテン1の下端部が当たる相手部材となっている床4と、天井部材5とで囲まれている。左右の建物躯体3には、シャッターカーテン1の左右方向の両端部、言い換えると、シャッターカーテン1の幅方向の両端部がスライド自在に挿入された左右のガイドレール6が取り付けられており、ガイド部材となっているこれらのガイドレール6に案内されてシャッターカーテン1は上下に開閉移動する。
【0041】
出入口2に対して天井部材5で仕切られている天井裏空間7には、シャッターボックス8が配置されており、このシャッターボックス8は、
図1のS2−S2線断面図である
図2に示されているように、天井裏空間7に存在する下がり壁等の建物躯体9にボルト等の結合具10で結合されている。シャッターボックス8の内部には巻取軸11が水平に収納配置され、この巻取軸11は、シャッターボックス8の
図1で示されている左右の側面部8A,8Bに回転自在に支持されている。また、
図1に示されているように、巻取軸11の一方の端部には、スプロケットホイールとローラチェーンによる駆動力伝達手段12を介して開閉機13が接続されている。巻取軸11の駆動装置であるこの開閉機13は
図2でも示されており、開閉機13の駆動軸14の回転力は、この駆動軸14に取り付けられた駆動スプロケットホイール12Aと、巻取軸11の上記一方の端部に取り付けられた被動スプロケットホイール12Bと、これらのスプロケットホイール12A、12Bの間に架け渡された無端のローラチェーン12Cとによる駆動力伝達手段12を経て巻取軸11に伝達される。
【0042】
なお、本実施形態の開閉機13は、シャッターボックス8の左右の側面部8A,8Bのうち、一方の側面部8Bに結合されたブラケット部材15に取り付けられている。
【0043】
図2から分かるように、シャッターカーテン1は巻取軸11に巻回されているとともに、シャッターカーテン1の上端は巻取軸11の外周面に結合されている。また、シャッターカーテン1における巻取軸11より下側の部分は、天井部材5に配置されているまぐさ16に設けられたスリット17から天井部材5の下側へ垂下され、そして、シャッターカーテン1の幅方向の両端部は、前述のように左右のガイドレール6にスライド自在に挿入されている。
【0044】
図3は、開閉機13の内部構造を示す断面図である。この
図3に示されているように、開閉機13は、直流又は交流の電動モータ手段18とブレーキ手段19とを軸方向に並設したものであり、上述の駆動軸14は、電動モータ手段18の回転する回転子18Aの中心に結合配置された回転軸となっている。この駆動軸14におけるブレーキ手段19側の端部には、円盤状のブレーキシュー20が結合されている。ブレーキ手段19には、軸方向に一定距離だけスライド自在となっているブレーキ軸21が設けられ、このブレーキ軸21には、ブレーキシュー20と軸方向に対面するブレーキドラム22が結合されている。通常時のブレーキ軸21及びブレーキドラム22は、ばね23で電動モータ手段18側へ押圧されており、このため、ブレーキシュー20とブレーキドラム22との圧接によりブレーキ手段19はオンとなっている。したがって、このときの電動モータ手段18の駆動軸14は、ブレーキ手段19の制動力によって回転しない。
【0045】
一方、ブレーキ手段19に配置されているソレノイド24に通電されたときには、このソレノイド24の磁力により、ブレーキ軸21及びブレーキドラム22はばね23に抗して電動モータ手段18から離れる方向へスライドする。このため、ブレーキシュー20とブレーキドラム22との圧接が解除され、ブレーキ手段19はオフとなる。したがって、このときには、電動モータ手段18の駆動軸14は、コイル25への通電により回転できることになる。
【0046】
図1で示した左右の建物躯体3のうち、一方の建物躯体3Aには、シャッターカーテン1を出入口2に対して上向きに開き移動させることと、下向きに閉じ移動させることと、停止させることとを行わせるための操作装置30が取り付けられている。この操作装置30には、「開」ボタンと、「閉」ボタンと、「停」ボタンとが設けられている。また、シャッターカーテン1は、シャッターカーテン1の大部分の面積を占めていて、上端が巻取軸11に結合されているカーテン本体1Aと、このカーテン本体1Aの下端部に設けられた座板1Bとを有するものとなっている。本実施形態のカーテン本体1Aは、多数のスラット26を上下に連設することによって形成されている。
【0047】
カーテン本体1Aは、シャッターカーテン1の大部分に面積を占める本実施形態における開閉体本体となっており、座板1Bは、本実施形態におけるエンド部材となっている。
【0048】
座板1Bが前述の天井部材5に配置されたまぐさ16の高さ位置に達しているシャッターカーテン1の全開時に、又は、座板1Bが
図1に示すようにまぐさ16と床4との間の途中位置に達しているシャッターカーテン1の半閉状態(半開状態)のときに、「閉」ボタンを操作すると、この「閉」ボタンからの信号を受ける図示しない制御装置によりブレーキ手段19のソレノイド24に通電されるため、ブレーキ手段19がオフとなる。これにより、シャッターカーテン1は、シャッターカーテン1の自重により巻取軸11及び駆動軸14を正回転させて巻取軸11から下向きに繰り出され、これにより閉じ移動したシャッターカーテン1が全閉位置に達すると、この全閉位置を検知した図示しないセンサからの信号を受ける上記制御装置により、ソレノイド24への通電は遮断され、ブレーキ手段19はばね23でオンに復帰する。また、シャッターカーテン1が全閉となっているときに、又は、座板1Bが
図1に示すようにまぐさ16と床4との間の途中位置に達しているシャッターカーテン1の半開状態(半閉状態)のときに、「開」ボタンを操作すると、この「開」ボタンからの信号を受ける上記制御装置によりブレーキ手段19のソレノイド24に通電されるため、ブレーキ手段19がオフになるとともに、上記制御装置により電動モータ手段18のコイル25に通電される。このため、駆動軸14は逆回転し、この回転は前述の駆動力伝達手段12を介して巻取軸11に伝達され、巻取軸11の逆回転により、シャッターカーテン1は巻取軸11に巻き取られて開き移動する。シャッターカーテン1が全開位置に達すると、この全開位置を検知した図示しないセンサからの信号を受ける上記制御装置により、ソレノイド24への通電は遮断され、ブレーキ手段19がばね23でオンに復帰するとともに、上記制御装置によりコイル25への通電が遮断される。
【0049】
また、シャッターカーテン1が自重で閉じ移動している途中で「停」ボタンを操作すると、この「停」ボタンからの信号を受ける上記制御装置により、ソレノイド24への通電は遮断されるため、ブレーキ手段19がばね23でオンに復帰することにより、シャッターカーテン1はその位置で停止する。さらに、シャッターカーテン1が開き移動している途中で「停」ボタンを操作すると、この「停」ボタンからの信号を受ける上記制御装置により、ソレノイド24への通電は遮断されるため、ブレーキ手段19がばね23でオンに復帰するとともに、上記制御装置により電動モータ手段18のコイル25への通電が遮断され、これにより、シャッターカーテン1はその位置で停止する。
【0050】
以上の説明から分かるように、開閉移動するシャッターカーテン1に対して、前述のガイドレール6やシャッターボックス8、さらには、まぐさ16、床4等は不動となっているため、これらのガイドレール6、シャッターボックス8、まぐさ16、床4等は、シャッターカーテン1に対する不動部材となっている。
【0051】
なお、以上のように正逆回転する巻取軸11に、シャッターカーテン1の閉じ移動中に戻し力が蓄圧されるねじりコイルばねやぜんまいばねによる戻しばねを設けておき、シャッターカーテン1の上向きの開き移動を、この戻しばねに蓄圧された戻し力を補助力として利用して行うようにしてもよい。
【0052】
また、
図3に示されているとおり、ブレーキ軸21における電動モータ手段18側とは反対側の端部にはレバー部材31が配置されている。このレバー部材31はブレーキ軸21を貫通したものであって、ブレーキ軸21を境界として区分される第1部分31Aと第2部分31Bとからなる。第1部分31Aには第1屈曲部31Cが形成され、第2部分31Bには第2屈曲部31Dが形成されている。第1部分31AにA方向、すなわち、電動モータ手段18側とは反対側への荷重が作用したときには、第1部分31Aが第2屈曲部31Dを支点としてA方向へ揺動するため、ブレーキ軸21及びブレーキドラム22は、A方向と同じ方向であるA’方向へスライドする。このため、ソレノイド24に通電しなくても、ブレーキ手段19をオフとすることができる。
【0053】
このように第1部分31AにA方向への荷重が作用することは、開閉機13に取り付けられている後述の自動閉鎖装置32によって行われる。
【0054】
また、第2部分31BにA方向と同じ方向の荷重が作用したときには、第2部分31Bが第1屈曲部31Cを支点としてA方向と同じ方向へ揺動するため、この場合にも、ブレーキ軸21及びブレーキドラム22は、A’方向へスライドする。このため、このときにもソレノイド24に通電しなくても、ブレーキ手段19をオフとすることができる。
【0055】
このように第2部分31BにA方向と同じ方向の荷重を作用させることは、手作業により行うことができる。このため、この実施形態に係る開閉機13は、手操作によってもブレーキ手段19をオフにすることができるようになっている。なお、第2部分31Bは、第2屈曲部31Dを残して省略してもよい。
【0056】
図1に示されているように、開閉機13はシャッターカーテン1の幅方向の中央位置Bに配置されておらず、左右のガイドレール6のうち、一方のガイドレール6Aに近い位置に配置されている。このガイドレール6Aの内部には、本実施形態における架け渡し部材であって紐状部材となっているローラチェーン35が収納配置されている。このローラチェーン35は、前述のとおり不動部材となっているまぐさ16からシャッターカーテン1の内部を経て、前述のとおり不動部材となっているガイドレール6Aの下端まで延びている。このため、ローラチェーン35は、不動部材からシャッターカーテン1まで架け渡された部分を有している。ローラチェーン35の下端は、ピン等による結合部材36でガイドレール6A又は床4に結合されており、ローラチェーン35の上端は、この上端を処理するためにまぐさ16に配置されている処理装置37に連結されている。
【0057】
ローラチェーン35と自動閉鎖装置32との間に配置された中間装置になっているこの処理装置37は、
図2及び
図4にも示されている。
図4は、
図2に対して表裏が逆となって示された図となっている。
図4に示されているように、処理装置37は、この装置37の機枠38に結合された中心軸39Aを中心に回動自在となっている回動部材39と、機枠38に結合された支点軸40Aを中心に揺動自在となっているレバー部材40とを有する。レバー部材40の一方の端部には、弾性部材であるコイルばね41を介してローラチェーン35の上端が連結され、レバー部材40の他方の端部は、回動部材39に結合されたピン42を介して回動部材39に連結されている。このピン42は、レバー部材40に形成された長孔40Bに挿入されているため、レバー部材40が支点軸40Aを中心に上下に揺動したときには、回動部材39は中心軸39Aを中心に上下に回動する。
【0058】
図5は、シャッターカーテン1の前述したエンド部材となっている座板1Bのうち、ガイドレール6A側の部分を拡大して示した正面図である。また、
図6は、座板1Bの内部構造を示す正断面図であり、
図7は
図6のS7−S7線断面図、
図8は
図6のS8−S8線断面図である。
図8に示されているように、シャッターカーテン1は、上下に連設された多数のスラット26で形成されていて、前述した開閉体本体となっているカーテン本体1Aと、このカーテン本体1Aの下端部に設けられ、エンド部材となっている座板1Bとを有する。また、座板1Bは、カーテン本体1Aの下部に固定された固定部70Aと、この固定部70Aの下側に配置され、固定部70Aに対して上下方向に移動可能となっている可動部70Bとからなる。
【0059】
また、本実施形態のシャッターカーテン1は、
図8で示されているように、カーテン本体1Aと、座板1Bのうちの固定部70Aとによって構成されているカーテン主部71A、及び座板1Bのうちの可動部70Bで構成されているカーテン副部71Bを有し、このカーテン副部71Bは、シャッターカーテン1の閉じ側の端部に配置されている。そして、カーテン主部71Aは、本実施形態における開閉体主部となっており、カーテン副部71Bは、本実施形態における開閉体副部となっている。
【0060】
座板1Bの固定部70Aは、共に断面箱型となった外部材75と内部材76とを含んで形成されており、外部材75は、シャッターカーテン1の厚さ方向に分割配置された2個の分割部材75A,75Bで形成され、これらの分割部材75A,75Bは、カーテン本体1Aの下端部にボルト、ナット等による結合具77で結合されている。内部材76は、シャッターカーテン1の厚さ方向に間隔を開けて配置された前面部76A及び後面部76Bと、これらの前面部76Aと後面部76Bの上端同士を連結している上面部76Cとからなる。また、外部材75と内部材76の下面は開口部78となっている。
【0061】
可動部70Bとなっているカーテン副部71Bは、上面が開口した中空の可動部材90と、この可動部材90の内部に昇降自在に収納された昇降部材91と、可動部材90に対して昇降部材91を上向きに弾性的に常時押し上げている弾性部材92とを含んで構成されている。この弾性部材92は、本実施形態では山形の形状に折り曲げられた板ばねによって形成されているとともに、この板ばね92の中央の上端部は昇降部材91にリベット等の止着具93で止着され、板ばね92の両方の下端部は、可動部材90の底面部90Aの上面にスライド自在に接触配置されている。
【0062】
昇降部材91の上面部91A,91Bは、シャッターカーテン1の厚さ方向外側に水平に延出し、これらの上面部91A、91Bは、上記開口部78から内部材76の内部に挿入されている。また、外部材75の下面部75C,75Dは、シャッターカーテン1の厚さ方向外側に水平に延出し、可動部材90の上面部90B,90Cは、シャッターカーテン1の厚さ方向内側に水平に延出し、これらの上面部90B、90Cは、外部材75の下面部75C,75Dの上面と上下に対向している。このため、可動部材90の上面部90B,90Cが外部材75の下面部75C,75Dの上に乗ったときに、前述した可動部70Bは固定部70Aに対する下降限位置に達することになり、このため、前述したカーテン副部71Bはカーテン主部71Aに対してそれ以上下降することはない。
【0063】
図8に示されているように、前述した固定部70Aの内部には、シャッターカーテン1の幅方向に延びる支点軸80を中心に上下揺動自在となった揺動部材81が収納されている。
図10で示されているように可動部70Bが固定部70Aに対して上昇したときには、すなわち、シャッターカーテン1が閉じ移動しているときに可動部材90が
図1で示した障害物34に当接したときには、この可動部材90に弾性部材92を介して連結されている昇降部材91の上面部91Aが揺動部材81の突出片81Aを押し上げることにより、揺動部材81は支点軸80を中心に上向きに揺動する。
【0064】
外部材75と、内部材76と、可動部材90と、昇降部材91と、揺動部材81は、例えば、アルミ合金製等の押し出し成形品又は引き抜き成形品で形成されている。このため、これらの外部材75と、内部材76と、可動部材90と、昇降部材91と、揺動部材81は、シャッターカーテン1の幅方向への長さを有している。揺動部材81の揺動中心部となっている支点軸80は内部材76に一体に形成されており、この支点軸80もシャッターカーテン1の幅方向への長さを有している。また、前述した板ばねによる弾性部材92は、シャッターカーテン1の幅方向に間隔を開けて複数個配置されている。
【0065】
図8に示されているように、外部材75の前述した2個の分割部材75A,75Bは、互いにシャッターカーテン1の厚さ方向に重ね合わせられて上方へ延出した延出部75E,75Fを有し、これらの延出部75E、75Fは、前述したカーテン本体1Aを形成しているそれぞれのスラット26のうち、最下部のスラット26Aに前述した結合具77で結合されている。それぞれのスラット26は、
図1で示されている左右のガイドレール6の内部に左右の両端部が挿入されるだけのシャッターカーテン1の幅方向への長さを有している。また、延出部75E,75Fを含む2個の分割部材75A,75Bと、内部材76と、可動部材90と、昇降部材91と、揺動部材81は、左右のガイドレール6の内幅間隔よりも短くなっているシャッターカーテン1の幅方向への長さを有している。
【0066】
図6で示されているように、内部材76及び揺動部材81におけるガイドレール6A側の端部76D,81Bは、ガイドレール6Aから所定距離だけ離れており、外部材75の内部におけるこの部分に保持部材50が配置されている。外部材75の2個の分割部材75A,75Bに溶接又は止着具等で結合されているこの保持部材50は、内部材76と同じ断面形状を有しているため、保持部材50は、
図7に示されているように、シャッターカーテン1の厚さ方向に間隔を開けて配置された前面部50A及び後面部50Bと、
図6に示されているように、これらの前面部50Aと後面部50Bの上端同士を連結している上面部50Cとからなる。また、
図6及び
図7に示されているように、保持部材50の前面部50Aと後面部50Bには、ガイドレール6A側へ延びる延出部材51がリベット等の止着具52で止着されている。この延出部材51は、シャッターカーテン1の厚さ方向に間隔を開けて配置された前面部51A及び後面部51Bと、これらの前面部51Aと後面部51Bの上端の一部同士を連結している上面部51Cとからなる。
【0067】
なお、
図5に示されているように、延出部材51の前面部51Aと後面部51Bを保持部材50の前面部50Aと後面部50Bに止着具52で止着できるようにするために、保持部材50の前面部50Aと後面部50Bの外側に被せられている外部材75の2個の分割部材75A,75Bには、延出部材51の前面部51Aと後面部51Bを挿入配置することができる切欠部53が形成されている。
【0068】
図7で示されているように、延出部材51の前面部51Aと後面部51Bについてのシャッターカーテン1の厚さ方向の間隔は、保持部材50の前面部50Aと後面部50Bに止着具52で止着される部分を除くと、シャッターカーテン1のカーテン本体1Aをガイドレール6Aの内部に挿入するためにこのガイドレール6Aに設けられている開口部54についてシャッターカーテン1の厚さ方向の寸法よりも小さくなっている。このため、延出部材51のガイドレール6A側の部分は、ガイドレール6Aの内部に挿入されている。
【0069】
図6に示されているように、延出部材51の内部には第1スプロケットホイール61が回転自在に配置され、保持部材50の内部には、第1スプロケットホイール61よりも少し下側において、第2スプロケットホイール62が回転自在に保持され、延出部材51の内部には、第2スプロケットホイール62よりも少し下側において、第3スプロケットホイール63が回転自在に配置されている。延出部材51における第1及び第3スプロケットホイール61,63の配置位置は、ガイドレール6Aの内部である。
【0070】
前述したように、上端が
図2及び
図4で示されている処理装置37に連結されたローラチェーン35は、処理装置37からガイドレール6Aの内部へ挿入されており、このローラチェーン35は、
図6に示されているように、第1スプロケットホイール61の下部に掛け回されてから第2スプロケットホイール62に掛け回されている。そして、ローラチェーン35は、第3スプロケットホイール63の上部に掛け回されてからガイドレール6Aの内部を通って下方へ延びており、ローラチェーン35の下端は、
図1で示した結合部材36の配置位置まで達している。このため、ローラチェーン35には、処理装置37から第1スプロケットホイール61までの第1部分35Aと、第1スプロケットホイール61から第2スプロケットホイール62を経由して第3スプロケットホイール63までの第2部分35Bと、第3スプロケットホイール63から結合部材36までの第3部分35Cと、がある。
【0071】
シャッターカーテン1が左右のガイドレール6で案内されて上下に開閉移動することは、このシャッターカーテン1の開閉移動により、シャッターカーテン1に対してローラチェーン35の第2部分35Bが移動することによって行われる。このようにシャッターカーテン1に対してローラチェーン35の第2部分35Bが移動するときには、3個のスプロケットホイール61〜63が回転するため、これらのスプロケットホイール61〜63は、シャッターカーテン1が開閉移動した際に、シャッターカーテン1に対してローラチェーン35の第2部分35Bが移動できるようにするためにローラチェーン35を案内する案内部材となっている。
【0072】
図7に示されているように、上述した開口部54が入口となっているガイドレール6Aの内部には、第1及び第3スプロケットホイール61,63を挿入できる第1空間部55と、この第1空間部55よりも奥側に形成され、第1空間部55よりもシャッターカーテン1の厚さ方向の寸法が小さくなっている第2空間部56とが形成されている。
図6に示されているように、第2空間部56に、ローラチェーン35の第1及び第3部分35A,35Cが配置され、このため、これらの第1及び第3部分35A,35Cは、ガイドレール6Aの内壁面に接触することなく、ガイドレール6Aに内部に挿入されている。
【0073】
また、
図6に示されているように、前述した保持部材50の内部には、第2スプロケットホイール62と同軸的に配置されたラチェットホイール65が回転自在に保持されており、外周部に複数の爪部65Aが等間隔で形成されているこのラチェットホイール65は、
図7に示されているように、第2スプロケットホイール62と軸部62Aで結合一体化されている。このため、第2スプロケットホイール62とラチェットホイール65は、一体となって回転する回転部材となっている。
【0074】
以上のことから、本実施形態では、第2スプロケットホイール62は、開閉移動しているときのシャッターカーテン1に対してローラチェーン35の移動を回転運動によって案内するための第1運動部材になっているとともに、ラチェットホイール65は、この第1運動部材に連結され、この第1運動部材と一体となって回転運動する第2運動部材となっている。
【0075】
保持部材50の内部には、
図6で示されているように、第2スプロケットホイール62の配置位置よりも前述した揺動部材81に近い位置において、ラチェット部材66が上下に揺動自在に保持されている。このラチェット部材66は、
図7に示されているように、シャッターカーテン1の厚さ方向に間隔を開けて配置された前面部66A及び後面部66Bと、これらの前面部66Aと後面部66Bの下端同士を連結している底面部66Cとを有する。前面部66Aと後面部66Bが保持部材50の前面部50Aと後面部50Bにピン等による支点軸67で揺動自在に連結されることにより、ラチェット部材66は、上下に揺動自在となっている。
【0076】
また、
図6に示されているように、ラチェット部材66の底面部66Cには、ラチェットホイール65側へ突出した爪部66Dが形成されており、この爪部66Dは逆V字形状となっている。また、ラチェット部材66の底面部66Cには、揺動部材81側へ突出した突出部66Eが形成されている。ラチェット部材66の全体の重心位置に対する支点軸67の配置位置により、通常時のラチェット部材66は、
図6に示されているように、突出部66Eが下側となった傾き姿勢となっている。揺動部材81の前述した突出片81Aの上面には押圧部材94が取り付けられており、通常時におけるラチェット部材66の突出部66Eは、この押圧部材94の上に乗っている。
【0077】
シャッターカーテン1が閉じ移動しているときに、ラチェット部材66が支点軸67を中心に揺動することにより爪部66Dがラチェットホイール65の爪部65Aに噛み込んだ場合には、ラチェットホイール65及び第2スプロケットホイール62の回転が阻止されるため、シャッターカーテン1に対してローラチェーン35がロックされた状態となり、これにより、シャッターカーテン1の閉じ移動を停止させることが可能な状態となる。
【0078】
このため、本実施形態では、ラチェットホイール65とラチェット部材66により、開閉移動中のシャッターカーテン1に対してローラチェーン35を機械式にロック状態とするための機械式ロック手段68が構成されている。そして、ラチェット部材66は、上述のように第2運動部材となっているラチェットホイール65の回転運動を抑止するための抑止部材となっている。
【0079】
図8で説明した可動部材90のガイドレール6A側の端部には、
図6で示されているように、このガイドレール6A側へ延びている延長部材95がリベット等の止着具96で止着され、上向きに開口したチャンネル材で形成されているこの延長部材95の先部はガイドレール6Aの内部に挿入されている。このような延長部材は、
図6で示された可動部材90の端部とは反対側の端部にも設けられており、この延長部材の先部は、
図1で示されたガイドレール6Bの内部に挿入されている。これにより、
図1で示されている障害物34がガイドレール6Aの内部又はガイドレール6Bの内部に存在していても、延長部材を介して可動部材90は、シャッターカーテン1の前述した固定部70Aを構成している外部材75や内部材76に対して上昇することになる。
【0080】
図4で説明した処理装置37の回動部材39の背後には、ねじりコイルばね等による戻しばね100が配置されている。この戻しばね100の戻し力は、回動部材39をC方向へ回動させるように、すなわち、ローラチェーン35を前述したレバー部材40を介して引き上げる方向に回動部材39を回動させるように、回動部材39に作用している。回動部材39には、中心軸39Aを中心とする円弧状の長孔39Bが形成され、この長孔39Bには、処理装置37の機枠38に取り付けられたストップ部材101が挿入され、このストップ部材101により、回動部材39の回動量が一定量に規制されている。
【0081】
回動部材39の外周部の一部にはギヤ歯39Cが形成されており、このため、回動部材39は、一部にギヤ歯39Cが形成されたセクターギヤとなっている。このギヤ歯39Cは、回動部材39におけるシャッターカーテン1の厚さ方向の側(実質的に厚さ方向の側と言えるものを含む。以下同じ。)に設けられている。また、処理装置37には2個のロータリー式のダンパー102が配置され、これらのダンパー102は、回動部材39のギヤ歯39Cと噛み合うピニオンギヤ103を備えている。ピニオンギヤ103の回転中心軸104には、ワンウエイクラッチを介して複数のブレードが取り付けられており、回動部材39がC方向に回動することでピニオンギヤ103及び中心軸104がE方向に回転した場合には、ワンウエイクラッチを介してそれぞれのブレードが、ダンパー102の内部に充填されている粘性流体内において回転する。このため、粘性流体の抵抗力により回動部材39は、C方向へ低速で回動することになる。一方、回動部材39がC方向とは逆のD方向に回動し、ピニオンギヤ103及び中心軸104がF方向に回転した場合には、このF方向への回転は、ワンウエイクラッチの切断作用によりそれぞれのブレードに伝達されない。このため、回動部材39は、D方向へは高速で回動することができる。
【0082】
なお、ダンパー102は1個でもよい。しかし、本実施形態のようにダンパー102の個数を複数個とすることにより、回動部材39をC方向へ低速で回動させる上記の抵抗力を大きくでき、これにより、回動部材39のC方向への速度を所望する速度まで遅くすることができる。
【0083】
また、回動部材39を、一部にギヤ歯39Cが形成されたセクターギヤとすることにより、回動部材39を全周にギヤ歯が形成されたギヤとした場合よりも、回動部材39の全体の上下寸法を小さくすることができる。これにより、
図2に示されているように、まぐさ16と前述のシャッターボックス8との間の上下寸法が小さいスペースに処理装置37を有効に配置することができるようになる。
【0084】
さら、回動部材39を一部にギヤ歯39Cが形成されたセクターギヤとし、このギヤ歯39Cを、上述のように回動部材39におけるシャッターカーテン1の厚さ方向の側に設けることにより、処理装置37における回動部材39の配置位置を高い位置とすることが可能となるため、シャッターカーテン1を、座板1Bが前述したレバー部材40と干渉することをなくして、全開位置まで開き移動させることができるようになる。
【0085】
図11は、
図1〜
図3で示されている前述の自動閉鎖装置32の内部構造を示す正面図であり、
図12は、この自動閉鎖装置32の内部構造を示す平面図である。自動閉鎖装置32は、火災等の災害の発生時において、全開位置に達していたシャッターカーテン1を自動的に閉じ移動させて全閉とし、防煙性及び/又は防火性を有しているシャッターカーテン1により
図1の出入口2を閉鎖するためのものである。自動閉鎖装置32は、この自動閉鎖装置32の機枠110に設けられている
図11のブラケット部110Aにより、
図1〜
図3で示されている前述の開閉機13に取り付けられている。また、
図12に示されているように、自動閉鎖装置32まで、この自動閉鎖装置32を制御するための第1制御用ワイヤー111、第2制御用ワイヤー112、第3制御用ワイヤー113のそれぞれの端部が延設されている。これらの制御用ワイヤー111〜113は、前述のローラチェーン35と同じく、可撓性を有する紐状部材となっていて、細長部材ともなっている。
【0086】
また、これらの制御用ワイヤー111〜113は、可撓性を有するアウターケーブル114〜116の内部にスライド自在に挿通されている。このため、制御用ワイヤー111〜113はアウターケーブル114〜116により保護されている。
【0087】
図4に示されているように、第1制御用ワイヤー111は処理装置37まで延びており、この第1制御用ワイヤー111における自動閉鎖装置32とは反対側の端部は、処理装置37の回動部材39に連結されている。また、
図2に示されているように、第1制御用ワイヤー111及びこの第1制御用ワイヤー111が内部に挿通されたアウターケーブル114は、処理装置37と開閉機13とが配置されている
図2の天井裏空間7において配線されているとともに、この天井裏空間7に存在する物体117を避けて、言い換えると、物体117を迂回して、第1制御用ワイヤー111とアウターケーブル114とが配線可能なスペースにおいて配線されている。なお、このスペースは、予め存在しているものでもよく、第1制御用ワイヤー111とアウターケーブル114の配線時において、物体117の一部を切欠したり、物体117に孔を設けたりすることにより、形成したものでもよい。
【0088】
そして、このように第1制御用ワイヤー111とアウターケーブル114を物体117と干渉しないで配線することは、第1制御用ワイヤー111とアウターケーブル114が可撓性を有しているために可能である。なお、物体117は、本実施形態のシャッター装置が設置される建物自体に関係したものでよく、本実施形態のシャッター装置の一部、例えば、前述したシャッターボックス8に関係したものでもよい。
【0089】
図11及び
図12に示されているように、自動閉鎖装置32の機枠110には、互いに対向する2個の立上り部110B、110Cが設けられており、これらの立上り部110B、110Cに形成された孔110D,110Eに、2個の立上り部110B、110Cに跨る長さを有している板状のスライド部材120がスライド自在に挿入されている。このスライド部材120の外周にはばね121が巻回されており、このばね121のばね力により、スライド部材120には立上り部110B側への前進力が常時作用している。この前進力の方向は、
図3で説明した開閉機13に設けられている前述のレバー部材31の第1部分31AをA方向へ移動させる方向である。
【0090】
図3及び
図11に示されているとおり、スライド部材120の前端に下向きに折曲形成された折曲部120Aには、作動部材122が取り付けられており、また、レバー部材31の第1部分31Aには、被作動部材123が立設結合されている。スライド部材120がばね121のばね力によって前進した場合には、作動部材122が被作動部材123に当接することにより、レバー部材31の第1部分31AにA方向への荷重が作用するようになっている。
図11に示されているように、本実施形態では、作動部材122はボルト124の頭部124Aとなっているため、この頭部124Aを回転操作してボルト124をスライド部材120の折曲部120Aに対して進退させることにより、作動部材122と被作動部材123との間の間隔を適切な寸法に調整できるようになっている。この調整を行った後に、ボルト124に螺合させておいたロックナット125を回転操作し、このロックナット125を折曲部120Aに圧接させることにより、被作動部材123に対する作動部材122の位置を、適切な位置にして固定できることになる。
【0091】
図12に示されているように、自動閉鎖装置32の機枠110には、ソレノイド126が取り付けられており、このソレノイド126のプランジャ127には、ばね128のばね力がプランジャ127をソレノイド126から突出させる方向へ常時作用している。このプランジャ127の先端には、中心軸129Aを中心に回動自在となっているL字形の屈曲レバー部材129の一方の端部がスライド式の連結部129Bで連結されており、トリガーレバー部材となっているこの屈曲レバー部材129の他方の端部には、ローラ130が回転自在に設けられている。
【0092】
このローラ130と対面するスライド部材120の部分には凹部120Bが形成されている。この凹部120Bにおけるスライド部材120の後退側の部分は、傾斜面120Cとなっている。また、自動閉鎖装置32には、屈曲レバー部材129に中心軸129Aを中心とするG方向への回動力を付与するためのばね131と、プランジャ127を前述のばね128と共にソレノイド126から突出させる方向へ付勢し、かつ屈曲レバー部材129を中心軸129Aを中心にG方向へ回動させるばね132とが設けられている。これらのばね128,131,132のばね力により、通常時のローラ130は、
図12に示されているように、凹部120Bに嵌合しており、この嵌合により、前述したばね121によるスライド部材120の前進は止められている。このように凹部120Bに嵌合したローラ130で前進が止められているときにおけるスライド部材120の前端の位置は、
図12で示す3個の位置H,I,Jのうち、H位置である。
【0093】
図12に示されているとおり、自動閉鎖装置32には、マイクロスイッチ135が配置され、このマイクロスイッチ135には、ばねでマイクロスイッチ135から突出する方向へ付勢されている作動部材136が設けられている。また、スライド部材120には、凹部120Bと反対側の部分において、ドグ部材137が取り付けられており、作動部材136はこのドグ部材137に当接している。
【0094】
スライド部材120には、第1連結部138Aと第2連結部138Bが設けられた連結部材138が結合されており、ソレノイド126のプランジャ127の先端には連結部材140が結合されており、前述したばね132の一方の端部は、この連結部材140に連結されている。
図4で示した処理装置37の回動部材39に一方の端部が連結されている前述の第1制御用ワイヤー111の他方の端部は、スライド部材120の連結部材138の第1連結部138Aに連結され、第2制御用ワイヤー112の端部は、プランジャ127に結合された連結部材140に連結され、第3制御用ワイヤー113の端部は、スライド部材120の連結部材138の第2連結部138Bに連結されている。
【0095】
また、アウターケーブル115の内部に挿通された第2制御用ワイヤー112は、
図1で説明した操作装置30まで延びており、アウターケーブル115から突出している第2制御用ワイヤー112の端部には、操作装置30に配置されているレバー部材等の手動操作部材が連結されている。さらに、アウターケーブル116の内部に挿通された第3制御用ワイヤー113も操作装置30まで延びており、アウターケーブル116から突出している第3制御用ワイヤー113の端部は、操作装置30に配置されているレバー部材等の手動操作部材、又は操作装置30に配置されたスイッチ操作式の電動モータで回転する回転部材であって、第3制御用ワイヤーを繰り出し自在に巻き取るための巻取部材に連結されている。
【0096】
本実施形態に係るシャッター装置が設置された建物において、シャッターカーテン1が全開となっているときに、火災等の災害が発生すると、この災害を検知したセンサからの信号が入力した図示しない制御装置により、自動閉鎖装置32のソレノイド126は通電され、このソレノイド126が励磁されるため、このソレノイド126のプランジャ127は、ばね128のばね力に抗して後退する。これにより、屈曲レバー部材129は、ばね131,132のばね力に抗して中心軸129Aを中心に
図12のG方向とは逆方向に回動することになる。このときの状態が
図13で示されている。屈曲レバー部材129が中心軸129Aを中心にG方向とは逆方向に回動すると、屈曲レバー部材129のローラ130はスライド部材120の凹部120Bから脱出するため、スライド部材120はばね121のばね力で前進し、この前進は、連結部材138の前端が自動閉鎖装置32の機枠110の前述の立上り部110Bに当接することにより停止する。このときにおけるスライド部材120の前端の位置は、
図12で示した3個の位置H,I,Jのうち、
図13に示されているように、最前位置であるI位置である。
【0097】
また、スライド部材120が前進すると、マイクロスイッチ135の作動部材136は、スライド部材120に取り付けられているドグ部材137の位置から外れるため、作動部材136がばねの付勢力で突出移動することによるマイクロスイッチ135からの信号により、上述の制御装置はソレノイド126への通電を停止する。
【0098】
このソレノイド126への通電の停止により、プランジャ127はばね128のばね力でソレノイド126から突出移動し、屈曲レバー部材129はばね131,132のばね力で中心軸129Aを中心に
図12のG方向へ回動する。このときのスライド部材120は、このスライド部材120の前端がI位置まで達している移動限まで前進しているため、屈曲レバー部材129のローラ130は、
図14に示されているように、スライド部材120の前述した傾斜面120Cに当たる。このため、プランジャ127の突出移動、及び中心軸129Aを中心とする屈曲レバー部材129のG方向への回動は、途中で停止する。
【0099】
以上のようにして自動閉鎖装置32のスライド部材120が前進すると、このスライド部材120の前端に設けられている作動部材122が、
図3で示されている被作動部材123を介して開閉機13のレバー部材31の第1部分31Aを
図3のA方向に押圧するため、前述したように、この第1部分31Aがレバー部材31の第2屈曲部31Dを支点としてA方向へ揺動することにより、開閉機13のブレーキ手段19のブレーキ軸21及びブレーキドラム22は、A方向と同じ方向であるA’方向へスライドし、これにより、それまでオンとなっていたブレーキ手段19は、オフとなる。このため、全開となっていたシャッターカーテン1は、巻取軸11よりも下側の部分の座板1B等の自重により、前述した巻取軸11を回転させながら下向きに閉じ移動することになり、開閉機13の前述した駆動軸14も駆動力伝達手段12を介して自由回転し、シャッターカーテン1が全閉となることにより、このシャッターカーテン1による防災区画が形成されることになる。
【0100】
また、火災等の災害が発生したことを人が発見した場合には、この人が、
図1で示した操作装置30に配置されていて、前述した第2制御用ワイヤー112の端部に連結されているレバー部材等の手動操作部材により、第2制御用ワイヤー112を引っ張り操作する。これにより、ソレノイド126のプランジャ127は後退するため、ソレノイド126が通電、励磁される前であっても、ソレノイド126が通電、励磁されたときと同じく、屈曲レバー部材129は中心軸129Aを中心に
図12のG方向とは逆方向へ回動するため、屈曲レバー部材129のローラ130はスライド部材120の凹部120Bから脱出し、スライド部材120はばね121のばね力で前進することになる。
【0101】
このため、本実施形態によると、第2制御用ワイヤー112を利用した手動操作でも、開閉機13のブレーキ手段19をオフにし、全開となっていたシャッターカーテン1を閉じ移動させて全閉とすることができる。
【0102】
そして、本実施形態では、
図1に示されているように、操作装置30は、左右の壁等の建物躯体3のうち、開閉機13及び自動閉鎖装置32に近い位置となっている一方の建物躯体3Aに配置されているため、自動閉鎖装置32と操作装置30との間に架け渡されている第2制御用ワイヤー112の長さを短くできることになる。このため、他方の建物躯体3Bに操作装置30を配置した場合よりも、上述のレバー部材等の手動操作部材により第2制御用ワイヤー112を引っ張り操作したときの引っ張り力を自動閉鎖装置32に瞬時に入力させることができ、これにより、シャッターカーテン1の閉じ移動を迅速に開始させることができる。
【0103】
シャッターカーテン1が全閉位置に達し、そして、火災等の災害が解消したときには、操作装置30に配置されていて、前述した第3制御用ワイヤー113の端部に連結されているレバー部材等の手動操作部材により、第3制御用ワイヤー113を引っ張り操作する。また、前述したとおり、第3制御用ワイヤー113の端部に連結されている部材が、操作装置30に配置されたスイッチ操作式の電動モータで回転する巻取部材になっている場合には、操作装置30に配置されたボタン等によるスイッチの操作で電動モータを駆動させ、第3制御用ワイヤー113を巻取部材に巻き取られせることにより引っ張る。
【0104】
このように第3制御用ワイヤー113が引っ張られると、第3制御用ワイヤー113は自動閉鎖装置32のスライド部材120に連結されているため、このスライド部材120はばね121のばね力に抗して後退することになる。このため、スライド部材120は、
図14に示されている位置から、前端が
図12のH位置となる初期位置へ復帰することになる。また、スライド部材120がこの初期位置へ復帰するときに、屈曲レバー部材129が中心軸129Aを中心としてばね131,132のばね力で
図12のG方向へ回動するため、屈曲レバー部材129のローラ130は、
図12に示されているように、スライド部材120の凹部120Bに嵌合することになり、スライド部材120は、スライド部材120の前端がH位置に達した状態で停止する。これにより、自動閉鎖装置32は、火災等の災害が発生する前の初期状態に戻る。
【0105】
また、スライド部材120が初期位置へ復帰すると、開閉機13のブレーキ手段19のブレーキ軸21及びブレーキドラム22は
図3の前述したばね23でA’方向とは逆方向へ移動するため、ブレーキ手段19はオンに復帰する。この後に、操作装置30に設けられている前述の「開」ボタンを操作することにより、シャッターカーテン1は、前述したとおり、全開位置まで開き移動する。
【0106】
なお、第3制御用ワイヤー113の端部を操作装置30まで延出せず、この端部を、
図2で示す天井裏空間7からまぐさ16のスリット17を通過させて出入口2の上部の位置まで延出し、この端部にリング部材等による手動引っ張り操作部材を設けることにより、第3制御用ワイヤー113を、操作装置30の配置位置以外でも引っ張り操作できるようにしてもよい。
【0107】
また、前述したように、火災等の災害を検知したセンサからの信号が入力した制御装置により自動閉鎖装置32のソレノイド126が通電、励磁され、あるいは、第2制御用ワイヤー112の端部に連結されているレバー部材等の手動操作部材により第2制御用ワイヤー112が引っ張り操作され、これにより、開閉機13のブレーキ手段19がオフとなって、シャッターカーテン1が自重により全開位置から下向きに閉じ移動しているときに、言い換えると、自動閉鎖装置32が、スライド部材120の前端の位置がI位置になっている
図14で示した状態になっているときに、閉じ移動方向であるシャッターカーテン1の下側に
図1で示す障害物34が存在している場合には、シャッターカーテン1の閉じ移動の途中において、このシャッターカーテン1の閉じ側の先端部に配置されているカーテン副部71Bが、言い換えると、シャッターカーテン1の座板1Bの下側部分を形成している前述の可動部材90が障害物34に当接し、この当接のために可動部材90の下降が停止する。
【0108】
可動部70Bの下降が停止しても、カーテン本体1Aと、座板1Bのうちの前述した固定部70Aとで構成される前述のカーテン主部71Aは、下降するため、この下降で生ずるカーテン主部71Aに対する可動部材90の相対的な上昇により、この可動部材90に弾性部材92を介して連結されている昇降部材91も、
図10で示されているように、カーテン主部71Aに対して相対的に上昇する。この上昇が生ずると、揺動部材81は支点軸80を中心に上向きに揺動し、この揺動により、
図6で示す押圧部材94の上に突出部66Eが乗っていたラチェット部材66は、支点軸67を中心に爪部66Dが下側となる揺動運動を行う。このときの状態が
図9で示されている。
【0109】
ラチェット部材66が支点軸67を中心に爪部66Dが下側となる揺動運動を行うと、ラチェット部材66の爪部66Dがラチェットホイール65の爪部65Aに噛み込むため、ラチェットホイール65及び第2スプロケットホイール62の回転は停止し、閉じ移動しているシャッターカーテン1に対してローラチェーン35は機械式にロックされた状態になる。言い換えると、ラチェットホイール65とラチェット部材66で構成されている前述した機械式ロック手段68が作動することになる。
【0110】
シャッターカーテン1に対してローラチェーン35が機械式にロックされると、障害物34のへこみ変形分だけ、可動部材90を含めたシャッターカーテン1の全体はさらに下降するため、ローラチェーン35の前述した第1部分35Aには、シャッターカーテン1の重量による大きな緊張力が作用する。
【0111】
なお、障害物34がへこみ変形しない又はへこみ変形量が小さい硬質の物体である場合には、障害物34に当接した可動部材90は、障害物34の硬質の性質によってそれ以上に下降しない又は殆ど下降しないことになる。しかし、本実施形態では、前述したように、可動部材90と昇降部材91とは板ばねによる弾性部材92で連結されており、可動部材90が障害物34のために一定の高さ位置に停止することになっても、揺動部材81及びラチェット部材66が配置されているカーテン主部71Aは、弾性部材92の弾性変形により、可動部材90に対して
図10で示した距離K分だけ下降できる状態となっている。このため、可動部材90が障害物34のために下降しない又は殆ど下降しなくても、カーテン主部71Aは、可動部材90と昇降部材91と弾性部材92の重量を除くシャッターカーテン1の重量により、距離K分下降することができ、この下降により、弾性部材92の上向き弾性力が作用している昇降部材91は、カーテン主部71Aに対して相対的に上昇することになる。
【0112】
このため、障害物34がへこみ変形しない又はへこみ変形量が小さい硬質の物体である場合にも、前述した場合と同様に、閉じ移動しているシャッターカーテン1に対してローラチェーン35は、機械式ロック手段68で機械式にロックされた状態になり、ローラチェーン35の第1部分35Aには、シャッターカーテン1の重量による大きな緊張力が作用する。
【0113】
また、可動部材90には、前述したように、左右のガイドレール6の内部に挿入された延長部材95が設けられているため、障害物34がこれらのガイドレール6の内部に存在している場合にも、上述したように、カーテン主部71Aに対する可動部材90及び/又は昇降部材91の相対的な上昇が生ずることになる。このため、この場合にも、閉じ移動しているシャッターカーテン1に対してローラチェーン35は、機械式ロック手段68で機械式にロックされた状態になり、ローラチェーン35の第1部分35Aには、シャッターカーテン1の重量による大きな緊張力が作用することになる。
【0114】
このようにローラチェーン35の第1部分35Aに大きな緊張力が作用すると、
図4で示した処理装置37に設けられているレバー部材40の支点軸40Aを中心とする揺動による反転作用により、処理装置37の回動部材39は、前述した戻しばね100に抗して
図4のD方向に回動し、この回動量は、前述のストップ部材101が挿入されている円弧状の長孔39Bの長さに応じたものとなる。このときの回動は、ロータリー式のダンパー102のピニオンギヤ103をF方向に回転させるが、このF方向へのピニオンギヤ103の回転では、前述したとおり、ダンパー102に粘性流体による抵抗力は発生しない。このため、ローラチェーン35に作用した緊張力により回動部材39は高速でD方向へ回動することになり、この回動部材39に一方の端部が連結されている第1制御用ワイヤー111は引っ張られることになる。
【0115】
なお、本実施形態では、ローラチェーン35はレバー部材40に直接連結されておらず、これらのローラチェーン35とレバー部材40との間には衝撃荷重緩衝用弾性部材となっている前述のコイルばね41が介設されているため、ローラチェーン35に上述の大きな緊張力が瞬間的に作用しても、この緊張力が回動部材39に直接作用することはなく、緊張力を緩和させて回動部材39に作用させることができる。
【0116】
また、回動部材39のD方向への回動量が円弧状の長孔39Bに挿入されているストップ部材101で規定される限界値に達したときにも、コイルばね41による衝撃荷重緩衝作用により、ローラチェーン35とレバー部材40との間で大きな衝撃荷重が伝播をすることを防止することができる。
【0117】
上述のように第1制御用ワイヤー111が引っ張られると、この第1制御用ワイヤー111の他方の端部は、
図14で示されているように、前端の位置がI位置になっているスライド部材120に連結されているため、このスライド部材120はばね121に抗しながら後退する。第1制御用ワイヤー111が引っ張られる量及びスライド部材120が後退する量は、
図4で示した回動部材39の長孔39Bの長さで規定されている量であるため、スライド部材120は、前端の位置が
図12のH位置となる後退限まで後退せず、前端の位置がJ位置となる位置、すなわち、H位置とI位置との中間の位置で停止する。このときの状態が
図15に示されている。このときの屈曲レバー部材129のローラ130が当接しているスライド部材120位置は、
図14のときよりも、スライド部材120のスライド方向であるスライド部材120の長さ方向へ移動しているが、ローラ130は、前述した傾斜面120Cにまだ当接している。
【0118】
また、このときのスライド部材120の前端の位置は、I位置からJ位置へ後退しているため、このスライド部材120の作動部材122によって
図3及び
図11のレバー部材31の第1部分31Aが
図3のA方向に押圧されていた荷重は、解除されることになる。このため、開閉機13のブレーキ手段19は、オフからオンに切り替えられることになる。そして、このブレーキ手段19のオンにより、開閉機13の前述の駆動軸14は回転できないため、シャッターカーテン1の上端が結合されている巻取軸11も回転することはできない。
【0119】
したがって、障害物34に当接したシャッターカーテン1は、その当接位置で閉じ移動を停止することになる。この停止は、前述した機械式ロック手段68の作動によって行われるため、シャッターカーテン1が閉じ移動を開始した後に、火災等の災害の発生を原因として、あるいは、他の理由を原因として、本実施形態に係るシャッター装置が設置された建物が停電になっても、閉じ移動中に障害物34に当接したシャッターカーテン1を停止させることができる。
【0120】
また、本実施形態に係る機械式ロック手段68は、ラチェットホイール65と、このラチェットホイール65に噛み込むラチェット部材66とよって構成されており、閉じ移動中のシャッターカーテンに対してローラチェーン35の移動を案内する案内部材となっている第2スプロケットホイール62は、機械式ロック手段68を構成する部材となっていない。また、閉じ移動中のシャッターカーテン1に対して移動するローラチェーン35により回転運動を行う第2スプロケットホイール62は、第1運動部材となっており、この第1運動部材に、第2運動部材となっているラチェットホイール65が連結され、このラチェットホイール65に、ラチェットホイール65の回転運動を抑止するための抑止部材となっているラチェット部材66が噛み込むことにより、シャッターカーテン1の閉じ移動は停止することになる。
【0121】
このため、本実施形態によると、シャッターカーテン1の閉じ移動の停止を、ローラチェーン等の架け渡し部材に摩擦部材による摩擦力を作用させることによって行う場合よりも、シャッターカーテンの閉じ移動を停止させるために発生させることができる機械式ロック力の大きさを大きくすることが可能となる。
【0122】
さらに、本実施形態では、
図1で示されているように、前述した処理装置37は、シャッターカーテン1の幅方向の中央位置Bに配置されておらず、この中央位置Bから、シャッターカーテン1の幅方向のうち、開閉機13及び自動閉鎖装置32が配置されている一方の側へ変位している位置に配置されている。このため、処理装置37と自動閉鎖装置32との間に配線されている第1制御用ワイヤー111の長さを短くすることができる。したがって、閉じ移動中のシャッターカーテン1が障害物34に当接したときに、処理装置37の回動部材39から第1制御用ワイヤー111に作用する前述の引っ張り力を瞬時に自動閉鎖装置32に入力させることができ、これにより、開閉機13のブレーキ手段19を迅速にオンにすることができる。
【0123】
なお、例えば、処理装置37と自動閉鎖装置32との間に大きな物体が存在するなどの理由により、当該箇所に第1制御用ワイヤー111を配線できる充分なスペースがなく、このため、処理装置37と自動閉鎖装置32との間に、長さを短くした第1制御用ワイヤー111を配線することが不可能又は困難である場合には、まぐさ16における処理装置37を配置する位置を上述の位置から変更し、これにより、処理装置37と自動閉鎖装置32との間で第1制御用ワイヤー111を、この第1制御用ワイヤー111を配線できるスペースを通すことにより、配線するようにしてもよい。これによって処理装置37が配置されるまぐさ16における位置を、シャッターカーテン1の幅方向の中央位置Bで区分されるシャッターカーテン1の幅方向両側のうち、開閉機13及び自動閉鎖装置32が配置されている側とは反対側の位置とし、処理装置37の配置位置を、開閉機13及び自動閉鎖装置32の配置位置から中央位置Bを越えた遠い位置としてもよい。
【0124】
以上のようにして閉じ移動中のシャッターカーテン1が障害物34に当接し、開閉機13のブレーキ手段19がオンになって、シャッターカーテン1の閉じ移動が停止した後に、障害物34が除去されると、シャッターカーテン1の可動部材90は下降する。この下降により昇降部材91も下降し、揺動部材81は支点軸80を中心に下向きに戻り揺動し、ラチェット部材66も、支点軸67を中心に突出部66Eが下向きとなる戻り揺動するため、機械式ロック手段68によるローラチェーン35の機械式ロック状態は、解除される。
【0125】
これにより、ローラチェーン35に作用していた緊張力は消滅し、
図4の処理装置37の戻しばね100による戻し力が作用している回動部材39は、
図4のC方向に回動し、この回動により、第1制御用ワイヤー111によって後退方向へ引っ張られていた自動閉鎖装置32のスライド部材120は、ばね121のばね力により、前端の位置が
図15で示すJ位置から
図14で示すI位置へ移行する前進を行う。このため、開閉機13のブレーキ手段19は、オンからオフへ再度切り替られ、シャッターカーテン1は閉じ移動を再開することとなる。
【0126】
また、回動部材39が
図4のC方向に回動するときには、ロータリー式のダンパー102のピニオンギヤ103はE方向に回転し、このE方向についてはダンパー102に粘性流体による抵抗力が生ずる。このため、スライド部材120の前端の位置が
図15で示すJ位置から
図14で示すI位置へ移行すること、及びこの移行により開閉機13のブレーキ手段19がオンからオフへ切り替られることは、ダンパー102の遅延作用により、瞬時に行われない。したがって、本実施形態では、ローラチェーン35と第1制御用ワイヤー111とを連結するための装置となっている処理装置37は、遅延装置にもなっており、この遅延装置の遅延機能により、障害物34の除去によってシャッターカーテン1が閉じ移動を再開することは、障害物34の除去から時間遅れをもって開始されることになり、このため、障害物34の除去作業を時間的余裕をもって行うことができる。
【0127】
なお、本実施形態では、上述のように障害物34の除去から時間遅れをもってシャッターカーテン1の閉じ移動を再開させるための遅延装置として粘性流体式ダンパー102が用いられていたが、この遅延装置は、例えば、ぜんまい式タイマーを含む機械式の装置としてもよい。この機械式の遅延装置によると、粘性流体式ダンパー102と異なり、環境温度に影響されることなく遅延時間をより正確に設定することができる。
【0128】
シャッターカーテン1が全閉となった後において、第3制御用ワイヤー113に引っ張り力を作用させることにより、自動閉鎖装置32のスライド部材120は、前端の位置が
図12のH位置に戻る復帰移動を行うため、自動閉鎖装置32の全体は
図12の初期状態に復帰する。
【0129】
また、シャッターカーテン1が全開となっているときに、
図1で示した操作装置30の「閉」ボタンが操作されることによりシャッターカーテン1が閉じ移動を開始し、この閉じ移動中のシャッターカーテン1が障害物34に当接した場合にも、前述と場合と同じく、機械式ロック手段68はローラチェーン35をロック状態とするため、ローラチェーン35には、緊張力が作用することになる。
【0130】
このため、このようにシャッターカーテン1の閉じ移動を、操作装置30の「閉」ボタンを操作されることにより行った場合には、ローラチェーン35の緊張力は、処理装置37のレバー部材40及び回動部材39と、第1制御用ワイヤー111とを介して自動閉鎖装置32のスライド部材120に作用することになる。このときのスライド部材120の凹部120Bには、前述の屈曲レバー部材129のローラ130が嵌合されているため、シャッターカーテン1の閉じ移動を、シャッターカーテン1が障害物34のへこみ変形等で少し下降した後に、停止させることができる。
【0131】
なお、本実施形態に係るシャッター装置は、防災専用のシャッター装置にも適用することができる。
【0132】
また、本実施形態に係るシャッター装置では、架け渡し部材となっているローラチェーン35の大部分は、ガイドレール6Aの内部とシャッターカーテン1の内部に収納されているため、ローラチェーン35の大部分を外力等から保護することができる。
【0133】
図16は、本発明に係る第1別実施形態の機械式ロック手段268を示す。この実施形態における架け渡し部材であるローラチェーン235の上端は、前記実施形態と同じく、まぐさ16に配置された処理装置37のレバー部材40に連結され、ローラチェーン235の下端は、ガイドレール6A又は床4に結合部材で結合されているが、このローラチェーン235は、処理装置37のレバー部材40からこの結合部材まで直線的に配置されている。シャッターカーテン1のカーテン主部71Aには、案内部材であって第1運動部材となっているスプロケットホイール262と、第2運動部材となっているラチェットホイール265とが同軸的に連結されて配置されており、スプロケットホイール262の一部は、カーテン主部71Aからシャッターカーテン1の厚さ方向に突出しており、スプロケットホイール262のこの部分に、カーテン主部71Aからシャッターカーテン1の厚さ方向に離れて配置されているローラチェーン235が噛合している。
【0134】
カーテン主部71Aの内部に支点軸80を中心に上下方向へ揺動自在に配置されている揺動部材81には、突出片81Aにおいて、抑止部材となっているラチェット部材266が取り付けられている。このため、閉じ移動中のシャッターカーテン1が障害物に当接したときは、カーテン主部71Aに対する相対的な可動部材90及び/又は昇降部材91の上昇により、ラチェット部材266がラチェットホイール265に噛み込むことになり、機械式ロック手段268は、閉じ移動しているシャッターカーテン1に対してローラチェーン235をロック状態にする。
【0135】
図17は、本発明に係る第2別実施形態の機械式ロック手段368を示す。この実施形態における架け渡し部材であるローラチェーン335は、シャッターカーテン1の座板1Bで折り返されたU字状となっているとともに、ローラチェーン335の一方の端部は、これまでのそれぞれの実施形態と同じく、まぐさ16に配置された処理装置37のレバー部材40に連結され、他方の端部は、まぐさ16に配置された巻取装置の巻取軸に連結されている。ローラチェーン335はこの巻取軸により巻き取り、繰り出し自在となっており、巻取軸には、ローラチェーン335を巻き取る方向へ巻取軸を回転させようとする戻しばねが設けられており、この戻しばねによる戻し力により、シャッターカーテン1が開閉移動しているとき及び停止しているときに、ローラチェーン335に緩みが生ずることが防止されている。
【0136】
この実施形態でも、シャッターカーテン1のカーテン主部71Aには、案内部材であって第1運動部材となっているスプロケットホイール362と、第2運動部材となっているラチェットホイール365とが同軸的に連結されて配置されており、スプロケットホイール362におけるシャッターカーテン1の厚さ方向両側の部分は、座板1Bからシャッターカーテン1の厚さ方向に突出している。座板1Bをシャッターカーテン1の厚さ方向に貫通しているローラチェーン335は、スプロケットホイール262の下側の部分に掛け回されることにより、このスプロケットホイール262でU字状に折り返されている。
【0137】
また、カーテン主部71Aの内部に支点軸80を中心に上下方向へ揺動自在に配置されている揺動部材81には、突出片81Aにおいて、抑止部材となっているラチェット部材366が取り付けられている。このため、この実施形態でも、閉じ移動中のシャッターカーテン1が障害物に当接したときは、カーテン主部71Aに対する相対的な可動部材90及び/又は昇降部材91の上昇により、ラチェット部材366がラチェットホイール365に噛み込むことになり、機械式ロック手段368は、閉じ移動しているシャッターカーテン1に対してローラチェーン335をロック状態にする。
【0138】
図18は、本発明に係る第3別実施形態の機械式ロック手段468を示す。この実施形態における架け渡し部材であるローラチェーン435の上端は、
図16の第1別実施形態と同じく、まぐさ16に配置された処理装置37のレバー部材40に連結されているとともに、ローラチェーン435の下端は、ガイドレール6A又は床4に結合部材で結合されており、このため、このローラチェーン435は、処理装置37のレバー部材40からこの結合部材まで直線的に配置されている。シャッターカーテン1のカーテン主部71Aには、案内部材であって第1運動部材となっているスプロケットホイール462と、第2運動部材となっているラチェットホイール465とが同軸的に連結されて配置されており、スプロケットホイール462の一部は、カーテン主部71Aからシャッターカーテン1の厚さ方向に突出しており、スプロケットホイール462のこの部分に、カーテン主部71Aからシャッターカーテン1の厚さ方向に離れて配置されているローラチェーン435が噛合している。
【0139】
この実施形態では、カーテン主部71Aの内部に、中心軸を中心に上下方向へ揺動自在となっている揺動部材は配置されていない。しかし、昇降部材91には、抑止部材となっているラチェット部材466が立設されている。このため、閉じ移動中のシャッターカーテン1が障害物に当接したときは、カーテン主部71Aに対する相対的な可動部材90及び/又は昇降部材91の上昇により、ラチェット部材466がラチェットホイール465に噛み込むことになり、機械式ロック手段468は、閉じ移動しているシャッターカーテン1に対してローラチェーン435をロック状態にする。