特許第5758509号(P5758509)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5758509
(24)【登録日】2015年6月12日
(45)【発行日】2015年8月5日
(54)【発明の名称】基板処理方法および基板処理装置
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/027 20060101AFI20150716BHJP
   H01L 21/677 20060101ALI20150716BHJP
【FI】
   H01L21/30 562
   H01L21/68 A
【請求項の数】9
【全頁数】36
(21)【出願番号】特願2014-7244(P2014-7244)
(22)【出願日】2014年1月17日
(62)【分割の表示】特願2009-66808(P2009-66808)の分割
【原出願日】2009年3月18日
(65)【公開番号】特開2014-103412(P2014-103412A)
(43)【公開日】2014年6月5日
【審査請求日】2014年1月31日
(73)【特許権者】
【識別番号】506322684
【氏名又は名称】株式会社SCREENセミコンダクターソリューションズ
(74)【代理人】
【識別番号】100098305
【弁理士】
【氏名又は名称】福島 祥人
(72)【発明者】
【氏名】濱田 哲也
(72)【発明者】
【氏名】田口 隆志
【審査官】 赤尾 隼人
(56)【参考文献】
【文献】 特開平11−111800(JP,A)
【文献】 特開2006−287178(JP,A)
【文献】 特開2008−071824(JP,A)
【文献】 特開2009−010291(JP,A)
【文献】 特開2005−243776(JP,A)
【文献】 特開平11−150065(JP,A)
【文献】 特開2004−200726(JP,A)
【文献】 特開2004−014966(JP,A)
【文献】 特開2009−164253(JP,A)
【文献】 特開2009−231626(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/027;21/67−21/683
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
露光装置に隣接するように配置され、処理部および受け渡し部を含む基板処理装置において複数の基板を処理する基板処理方法であって、
前記処理部の成膜装置において感光性材料からなる感光性膜を各基板上に形成する成膜処理を行うステップと、
前記処理部に設けられた第1の搬送機構により成膜処理後の各基板を、複数の基板を上下に支持する複数の支持部を含む載置バッファのいずれかの支持部に搬入するステップと、
前記受け渡し部に設けられた第2の搬送機構により前記載置バッファから成膜処理後の各基板を前記受け渡し部に取り出すステップと、
前記載置バッファから前記受け渡し部に取り出された成膜処理後の各基板を前記露光装置に搬入するステップと、
前記露光装置による露光処理後の各基板を前記露光装置から搬出するステップと、
前記第2の搬送機構により露光処理後の各基板を前記載置バッファのいずれかの支持部に搬入するステップと、
前記第1の搬送機構により前記載置バッファから露光処理後の各基板を前記処理部に取り出すステップと、
前記載置バッファから前記処理部に取り出された露光処理後の各基板を前記第1の搬送機構により前記処理部の現像装置に搬送するステップと、
前記現像装置において露光処理後の各基板に現像処理を行うステップと、
前記処理部から前記受け渡し部を経由して前記露光装置へ各基板が搬送される過程で、前記露光装置が各基板を受け入れることが可能なタイミングに基づいて、前記載置バッファで各基板を待機させるステップと、
前記露光装置から前記受け渡し部を経由して前記現像装置へ各基板が搬送される過程で、前記現像装置が各基板を受け入れることが可能なタイミングに基づいて、前記載置バッファで各基板を待機させるステップとを含む、基板処理方法。
【請求項2】
前記処理部は、階層的に設けられた上段処理室および下段処理室を含み、
前記載置バッファは、複数の基板を上下に支持する複数の支持部をそれぞれ含む上段処理室用載置バッファおよび下段処理室用載置バッファを含み、
前記第1の搬送機構は、前記上段処理室に設けられる第1の搬送装置および前記下段処理室に設けられる第2の搬送装置を含み、
成膜処理後の各基板を前記載置バッファに搬入する前記ステップは、
前記第1の搬送装置により成膜処理後の基板を前記上段処理室用載置バッファのいずれかの支持部に搬入するステップと、
前記第2の搬送装置により成膜処理後の基板を前記下段処理室用載置バッファのいずれかの支持部に搬入するステップとを含み、
前記載置バッファから成膜処理後の各基板を取り出す前記ステップは、前記第2の搬送機構により前記上段処理室用載置バッファおよび前記下段処理室用載置バッファから交互に成膜処理後の基板を取り出すことを含み、
露光処理後の各基板を前記載置バッファに搬入する前記ステップは、前記第2の搬送機構により露光処理後の基板を前記上段処理室用載置バッファのいずれかの支持部および前記下段処理室用載置バッファのいずれかの支持部に交互に搬入することを含み、
前記載置バッファから露光処理後の各基板を取り出す前記ステップは、
前記第1の搬送装置により上段処理室用載置バッファから露光処理後の基板を前記上段処理室に取り出すステップと、
前記第2の搬送装置により下段処理室用載置バッファから露光処理後の基板を前記下段処理室に取り出すステップとを含む、請求項1記載の基板処理方法。
【請求項3】
前記基板処理装置は、搬入搬出部をさらに含み、
前記方法は、
前記搬入搬出部に設けられた第3の搬送機構により、前記搬入搬出部の容器載置部上に載置された収容容器から基板を取り出すステップと、
前記収容容器から取り出された基板を前記上段処理室および前記下段処理室に交互に搬送するステップとをさらに備え、
前記載置バッファから成膜処理後の各基板を取り出す前記ステップは、前記上段処理室用載置バッファおよび前記下段処理室用載置バッファから取り出される複数の基板の順序を前記収容容器から取り出される複数の基板の順序と一致させることを含む、請求項2記載の基板処理方法。
【請求項4】
前記載置バッファから成膜処理後の各基板を取り出す前記ステップは、前記第2の搬送機構の第3の搬送装置により前記載置バッファから成膜処理後の基板を取り出すことを含み、
露光処理後の各基板を前記載置バッファに搬入する前記ステップは、前記第2の搬送機構の第4の搬送装置により露光処理後の基板を前記載置バッファに搬入することを含む、請求項1〜3のいずれか一項に記載の基板処理方法。
【請求項5】
成膜処理後の各基板を前記載置バッファに搬入する前記ステップは、前記第1の搬送機構により成膜処理後の基板を第1の方向において搬送することを含み、
前記載置バッファから成膜処理後の各基板を取り出す前記ステップは、前記第3の搬送装置により成膜処理後の基板を水平面内で前記第1の方向から一方側に傾斜した第2の方向において搬送することを含み、
露光処理後の各基板を前記載置バッファに搬入する前記ステップは、前記第4の搬送装置により露光処理後の基板を水平面内で前記第1の方向から他方側に傾斜した第3の方向において搬送することを含み、
前記載置バッファから露光処理後の各基板を取り出す前記ステップは、前記第1の搬送機構により露光処理後の基板を前記第1の方向において搬送することを含む、請求項4記載の基板処理方法。
【請求項6】
前記載置バッファは、上下方向に延びる一対のフレームをさらに含み、
前記複数の支持部は、上下方向に重なるように前記一対のフレームにそれぞれ取り付けられ、
成膜処理後の各基板を前記載置バッファに搬入する前記ステップは、
前記第1の搬送機構により前記一対のフレームの間を通して成膜処理後の基板を搬送するステップと、
前記第1の搬送機構により前記いずれかの支持部に成膜処理後の基板を載置するステップとを含み、
前記載置バッファから露光処理後の各基板を取り出す前記ステップは、
前記第1の搬送機構により前記いずれかの支持部に載置された露光処理後の基板を受け取るステップと、
受け取った露光処理後の基板を前記第1の搬送機構により前記一対のフレームの間を通して搬送するステップとを含む、請求項1〜5のいずれか一項に記載の基板処理方法。
【請求項7】
露光装置に隣接するように配置される基板処理装置であって、
基板に処理を行う処理部と、
前記処理部と前記露光装置との間に配置され、基板に処理を行うとともに前記露光装置に対して基板の搬入および搬出を行う受け渡し部と、
前記処理部と前記受け渡し部との間に配置され、複数の基板を上下に支持する複数の支持部を含む載置バッファと、
前記処理部および前記受け渡し部を制御する制御部とを備え、
前記処理部は、
感光性材料からなる感光性膜を基板上に形成する成膜処理を行う成膜装置と、
前記露光装置による露光処理後の基板に現像処理を行う現像装置と、
前記成膜装置による成膜処理後であって前記露光装置による露光処理前の基板を前記載置バッファのいずれかの支持部上に載置し、前記露光装置による露光処理後であって前記現像装置による現像処理前の基板を前記載置バッファのいずれかの支持部上から受け取り、前記載置バッファから受け取った露光処理後の基板を前記現像装置に搬送する第1の搬送機構とを含み、
前記受け渡し部は、
前記成膜装置による成膜処理後であって前記露光装置による露光処理前の基板を前記載置バッファのいずれかの支持部上から受け取り、前記露光装置による露光処理後であって前記現像装置による現像処理前の基板を前記載置バッファのいずれかの支持部上に載置する第2の搬送機構を含み、
前記制御部は、前記処理部から前記受け渡し部を経由して前記露光装置へ各基板が搬送される過程で、前記露光装置が各基板を受け入れることが可能なタイミングに基づいて、前記載置バッファで各基板を待機させ、前記露光装置から前記受け渡し部を経由して前記現像装置へ各基板が搬送される過程で、前記現像装置が各基板を受け入れることが可能なタイミングに基づいて、前記載置バッファで各基板を待機させるように、前記第1および第2の搬送機構を制御する、基板処理装置。
【請求項8】
前記受け渡し部は、基板に処理を行うための第1および第2の処理領域を含み、
前記第1の搬送機構は、前記載置バッファに対して基板を保持しつつ搬送するように構成された第1の基板保持部を有し、
前記第2の搬送機構は、
基板を保持しつつ前記載置バッファから搬出しかつ前記第1の処理領域に対して搬送するように構成された第2の基板保持部と、
基板を保持しつつ前記第2の処理領域に対して搬送しかつ前記載置バッファに搬入するように構成された第3の基板保持部とを有し、
前記第1の基板保持部は、第1の方向において前記載置バッファに進退可能に構成され、
前記第2の基板保持部は、水平面内で前記第1の方向から一方側に傾斜した第2の方向において前記載置バッファに進退可能に構成され、
前記第3の基板保持部は、水平面内で前記第1の方向から他方側に傾斜した第3の方向において前記載置バッファに進退可能に構成される、請求項7記載の基板処理装置。
【請求項9】
前記受け渡し部は、
基板に処理を行うための処理用ブロックと、
前記露光装置に対して基板の搬入および搬出を行うための搬入搬出用ブロックと、
前記処理用ブロックと前記搬入搬出用ブロックとの間に配置され、基板を載置するための載置部とを含み、
前記第1および第2の処理領域ならびに前記第2および第3の基板保持部は前記処理用ブロックに設けられ、
前記第2の搬送機構は、
前記搬入搬出用ブロックに設けられ、基板を保持しつつ前記載置部および前記露光装置の間で搬送可能に構成された第4の基板保持部をさらに含み、
前記処理部、前記処理用ブロックおよび前記搬入搬出用ブロックは前記第1の方向に並ぶように配置され、前記載置バッファおよび前記載置部は前記第1の方向に沿って配列され、
前記第1および第2の処理領域とは前記載置バッファと前記載置部とを結ぶ線に関してそれぞれ前記一方側および前記他方側に配置され、前記第2および前記第3の基板保持部は前記載置バッファと前記載置部とを結ぶ線に関してそれぞれ前記一方側および前記他方側に配置される、請求項8記載の基板処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基板に種々の処理を行う基板処理方法および基板処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体基板、液晶表示装置用基板、プラズマディスプレイ用基板、光ディスク用基板、磁気ディスク用基板、光磁気ディスク用基板、フォトマスク用基板等の各種基板に種々の処理を行うために、基板処理装置が用いられている。
【0003】
例えば、特許文献1に記載された基板処理装置は、複数の処理ブロックを備えている。各処理ブロックには、複数の熱処理部、複数の薬液処理部および搬送機構が設けられている。各処理ブロック内においては、搬送機構により基板が熱処理部および薬液処理部に搬送される。そして、熱処理部および薬液処理部において基板に所定の処理が行われる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2003−324139号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、基板処理装置のスループットを向上させるために、搬送機構による基板の搬送時間を短縮する方法が考えられる。しかしながら、搬送機構の基板の搬送速度は既に十分に速く設定されており、基板の搬送速度をさらに向上させることは困難である。
【0006】
本発明の目的は、スループットを向上させることができる基板処理方法および基板処理装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
[1]本発明
(1)第1の発明に係る基板処理方法は、露光装置に隣接するように配置され、処理部および受け渡し部を含む基板処理装置において複数の基板を処理する基板処理方法であって、処理部の成膜装置において感光性材料からなる感光性膜を各基板上に形成する成膜処理を行うステップと、処理部に設けられた第1の搬送機構により成膜処理後の各基板を、複数の基板を上下に支持する複数の支持部を含む載置バッファのいずれかの支持部に搬入するステップと、受け渡し部に設けられた第2の搬送機構により載置バッファから成膜処理後の各基板を受け渡し部に取り出すステップと、載置バッファから受け渡し部に取り出された成膜処理後の各基板を露光装置に搬入するステップと、露光装置による露光処理後の各基板を露光装置から搬出するステップと、第2の搬送機構により露光処理後の各基板を載置バッファのいずれかの支持部に搬入するステップと、第1の搬送機構により載置バッファから露光処理後の各基板を処理部に取り出すステップと、載置バッファから処理部に取り出された露光処理後の各基板を第1の搬送機構により処理部の現像装置に搬送するステップと、現像装置において露光処理後の各基板に現像処理を行うステップと、処理部から受け渡し部を経由して露光装置へ各基板が搬送される過程で、露光装置が各基板を受け入れることが可能なタイミングに基づいて、載置バッファで各基板を待機させるステップと、露光装置から受け渡し部を経由して現像装置へ各基板が搬送される過程で、現像装置が各基板を受け入れることが可能なタイミングに基づいて、載置バッファで各基板を待機させるステップとを含む。
【0008】
この方法によれば、処理部から受け渡し部を経由して露光装置へ各基板が搬送される過程、および露光装置から受け渡し部を経由して現像装置へ各基板が搬送される過程において、載置バッファで基板を待機させることができる。それにより、基板の搬送ペースを容易に調整することができる。したがって、基板処理装置のスループットを向上させることができる。
【0009】
(2)処理部は、階層的に設けられた上段処理室および下段処理室を含み、載置バッファは、複数の基板を上下に支持する複数の支持部をそれぞれ含む上段処理室用載置バッファおよび下段処理室用載置バッファを含み、第1の搬送機構は、上段処理室に設けられる第1の搬送装置および下段処理室に設けられる第2の搬送装置を含み、成膜処理後の各基板を載置バッファに搬入するステップは、第1の搬送装置により成膜処理後の基板を上段処理室用載置バッファのいずれかの支持部に搬入するステップと、第2の搬送装置により成膜処理後の基板を下段処理室用載置バッファのいずれかの支持部に搬入するステップとを含み、載置バッファから成膜処理後の各基板を取り出すステップは、第2の搬送機構により上段処理室用載置バッファおよび下段処理室用載置バッファから交互に成膜処理後の基板を取り出すことを含み、露光処理後の各基板を載置バッファに搬入するステップは、第2の搬送機構により露光処理後の基板を上段処理室用載置バッファのいずれかの支持部および下段処理室用載置バッファのいずれかの支持部に交互に搬入することを含み、載置バッファから露光処理後の各基板を取り出すステップは、第1の搬送装置により上段処理室用載置バッファから露光処理後の基板を上段処理室に取り出すステップと、第2の搬送装置により下段処理室用載置バッファから露光処理後の基板を下段処理室に取り出すステップとを含んでもよい。
【0010】
(3)基板処理装置は、搬入搬出部をさらに含み、方法は、搬入搬出部に設けられた第3の搬送機構により、搬入搬出部の容器載置台上に載置された収容容器から基板を取り出すステップと、収容容器から取り出された基板を上段処理室および下段処理室に交互に搬送するステップとをさらに備え、載置バッファから成膜処理後の各基板を取り出すステップは、上段処理室用載置バッファおよび下段処理室用載置バッファから取り出される複数の基板の順序を収容容器から取り出される複数の基板の順序と一致させることを含んでもよい。
【0011】
(4)載置バッファから成膜処理後の各基板を取り出すステップは、第2の搬送機構の第3の搬送装置により載置バッファから成膜処理後の基板を取り出すことを含み、露光処理後の各基板を載置バッファに搬入するステップは、第2の搬送機構の第4の搬送装置により露光処理後の基板を載置バッファに搬入することを含んでもよい。
【0012】
(5)成膜処理後の各基板を載置バッファに搬入するステップは、第1の搬送機構により成膜処理後の基板を第1の方向において搬送することを含み、載置バッファから成膜処理後の各基板を取り出すステップは、第3の搬送装置により成膜処理後の基板を水平面内で第1の方向から一方側に傾斜した第2の方向において搬送することを含み、露光処理後の各基板を載置バッファに搬入するステップは、第4の搬送装置により露光処理後の基板を水平面内で第1の方向から他方側に傾斜した第3の方向において搬送することを含み、載置バッファから露光処理後の各基板を取り出すステップは、第1の搬送機構により露光処理後の基板を第1の方向において搬送することを含んでもよい。
【0013】
(6)載置バッファは、上下方向に延びる一対のフレームをさらに含み、複数の支持部は、上下方向に重なるように一対のフレームにそれぞれ取り付けられ、成膜処理後の各基板を載置バッファに搬入するステップは、第1の搬送機構により一対のフレームの間を通して成膜処理後の基板を搬送するステップと、第1の搬送機構によりいずれかの支持部に成膜処理後の基板を載置するステップとを含み、載置バッファから露光処理後の各基板を取り出すステップは、第1の搬送機構によりいずれかの支持部に載置された露光処理後の基板を受け取るステップと、受け取った露光処理後の基板を第1の搬送機構により一対のフレームの間を通して搬送するステップとを含んでもよい。
【0014】
(7)第2の発明に係る基板処理装置は、露光装置に隣接するように配置される基板処理装置であって、基板に処理を行う処理部と、処理部と露光装置との間に配置され、基板に処理を行うとともに露光装置に対して基板の搬入および搬出を行う受け渡し部と、処理部と受け渡し部との間に配置され、複数の基板を上下に支持する複数の支持部を含む載置バッファと、処理部および受け渡し部を制御する制御部とを備え、処理部は、感光性材料からなる感光性膜を基板上に形成する成膜処理を行う成膜装置と、露光装置による露光処理後の基板に現像処理を行う現像装置と、成膜装置による成膜処理後であって露光装置による露光処理前の基板を載置バッファのいずれかの支持部上に載置し、露光装置による露光処理後であって現像装置による現像処理前の基板を載置バッファのいずれかの支持部上から受け取り、載置バッファから受け取った露光処理後の基板を現像装置に搬送する第1の搬送機構とを含み、受け渡し部は、成膜装置による成膜処理後であって露光装置による露光処理前の基板を載置バッファのいずれかの支持部上から受け取り、露光装置による露光処理後であって現像装置による現像処理前の基板を載置バッファのいずれかの支持部上に載置する第2の搬送機構を含み、制御部は、処理部から受け渡し部を経由して露光装置へ各基板が搬送される過程で、露光装置が各基板を受け入れることが可能なタイミングに基づいて、載置バッファで各基板を待機させ、露光装置から受け渡し部を経由して現像装置へ各基板が搬送される過程で、現像装置が各基板を受け入れることが可能なタイミングに基づいて、載置バッファで各基板を待機させるように、第1および第2の搬送機構を制御する。
【0015】
この基板処理装置においては、処理部から受け渡し部を経由して露光装置へ各基板が搬送される過程、および露光装置から受け渡し部を経由して現像装置へ各基板が搬送される過程において、載置バッファで基板を待機させることができる。それにより、基板の搬送ペースを容易に調整することができる。したがって、基板処理装置のスループットを向上させることができる。
【0016】
(8)受け渡し部は、基板に処理を行うための第1および第2の処理領域を含み、第1の搬送機構は、載置バッファに対して基板を保持しつつ搬送するように構成された第1の基板保持部を有し、第2の搬送機構は、基板を保持しつつ載置バッファから搬出しかつ第1の処理領域に対して搬送するように構成された第2の基板保持部と、基板を保持しつつ第2の処理領域に対して搬送しかつ載置バッファに搬入するように構成された第3の基板保持部とを有し、第1の基板保持部は、第1の方向において載置バッファに進退可能に構成され、第2の基板保持部は、水平面内で第1の方向から一方側に傾斜した第2の方向において載置バッファに進退可能に構成され、第3の基板保持部は、水平面内で第1の方向から他方側に傾斜した第3の方向において載置バッファに進退可能に構成されてもよい。
【0017】
(9)受け渡し部は、基板に処理を行うための処理用ブロックと、露光装置に対して基板の搬入および搬出を行うための搬入搬出用ブロックと、処理用ブロックと搬入搬出用ブロックとの間に配置され、基板を載置するための載置部とを含み、第1および第2の処理領域ならびに第2および第3の基板保持部は処理用ブロックに設けられ、第2の搬送機構は、搬入搬出用ブロックに設けられ、基板を保持しつつ載置部および露光装置の間で搬送可能に構成された第4の基板保持部をさらに含み、処理部、処理用ブロックおよび搬入搬出用ブロックは第1の方向に並ぶように配置され、載置バッファおよび載置部は第1の方向に沿って配列され、第1および第2の処理領域とは載置バッファと載置部とを結ぶ線に関してそれぞれ一方側および他方側に配置され、第2および第3の基板保持部は載置バッファと載置部とを結ぶ線に関してそれぞれ一方側および他方側に配置されてもよい。
[2]参考形態
(1)参考形態に係る基板処理装置は、露光装置に隣接するように配置される基板処理装置であって、基板に処理を行う処理部と、処理部と露光装置との間に配置され、基板に処理を行うとともに露光装置に対して基板の搬入および搬出を行う受け渡し部と、処理部と受け渡し部との間に配置され、基板を載置するための第1の載置部とを備え、受け渡し部は、基板に処理を行うための第1および第2の処理領域と、第1の載置部、第1の処理領域および露光装置の間で基板を搬送可能に構成された第1の基板搬送機構と、第1の載置部、第2の処理領域および露光装置の間で基板を搬送可能に構成された第2の基板搬送機構とを含むものである。
【0018】
その基板処理装置においては、処理部において基板に所定の処理が行われた後、その基板が第1の載置部を介して受け渡し部に搬送される。そして、受け渡し部から露光装置に基板が搬入される。露光装置における露光処理後の基板は、受け渡し部に搬出される。受け渡し部の第1および第2の処理領域においては、露光処理前の基板および露光処理後の基板の少なくとも一方に対して所定の処理が行われる。
【0019】
この場合、第1の基板搬送機構により、第1の載置部、第1の処理領域および露光装置の間で基板を搬送することができる。また、第2の基板搬送機構により、第1の載置部、第2の処理領域および露光装置の間で基板を搬送することができる。それにより、受け渡し部における基板の搬送経路の選択肢が多様化される。
【0020】
したがって、処理部ならびに第1および第2の処理領域における基板の処理内容に応じて最適な経路で基板を搬送することが可能となる。それにより、基板の搬送効率を向上させることが可能となり、スループットを向上させることができる。
【0021】
(2)第1および第2の処理領域は、露光処理前の基板の洗浄処理を行う洗浄処理ユニット、および露光処理後の基板の乾燥処理を行う乾燥処理ユニットの少なくとも一方をそれぞれ含んでもよい。
【0022】
この場合、洗浄処理ユニットによって露光処理前の基板の洗浄処理が行われることにより、露光装置内の汚染が防止される。
【0023】
また、乾燥処理ユニットによって露光処理後の基板の乾燥処理が行われることにより、露光装置において基板に液体が付着しても、その液体が基板処理装置内に落下することが防止される。また、基板に付着した液体中に基板上の成分が溶出すること、および基板に付着した液体に雰囲気中の塵埃等が付着することが防止される。
【0024】
(3)第1の基板搬送機構は露光処理前の基板を搬送し、第2の基板搬送機構は露光処理後の基板を搬送してもよい。
【0025】
この場合、受け渡し部において露光処理前の基板の搬送経路と露光処理後の基板の搬送経路とがそれぞれ独立に確保される。それにより、露光処理前の基板の搬送経路と露光処理後の基板の搬送経路とが交錯する場合に比べて、効率よく基板を搬送することができる。その結果、スループットを向上させることができる。
【0026】
また、受け渡し部において、露光処理前の基板と露光処理後の基板とが間接的に接触することがない。したがって、露光処理前の基板と露光処理後の基板との間のクロスコンタミネーション(相互汚染)を防止することができる。
【0027】
(4)第1の載置部は、複数枚の基板を載置可能に構成されてもよい。
【0028】
この場合、一時的に第1の載置部に基板を収容することにより、基板の搬送ペースを容易に調整することができる。
【0029】
(5)受け渡し部は、基板に処理を行うための処理用ブロックと、露光装置に対して基板の搬入および搬出を行うための搬入搬出用ブロックと、処理用ブロックと搬入搬出用ブロックとの間に配置され、基板を載置するための第2の載置部とを含み、第1および第2の処理領域は、処理用ブロックに設けられ、第1の基板搬送機構は、処理用ブロックに設けられ、基板を保持しつつ第1の載置部、第1の処理領域および第2の載置部の間で搬送可能に構成された第1の基板保持部と、搬入搬出用ブロックに設けられ、基板を保持しつつ第2の載置部および露光装置の間で搬送可能に構成された第2の基板保持部とを含み、第2の基板搬送機構は、処理用ブロックにおいて、基板を保持しつつ第1の載置部、第2の処理領域および第2の載置部の間で搬送可能に構成された第3の基板保持部と、搬入搬出用ブロックに設けられ、基板を保持しつつ第2の載置部および露光装置の間で搬送可能に構成された第4の基板保持部とを含んでもよい。
【0030】
この場合、処理用ブロックにおいて、第1の基板保持部により第1の載置部、第1の処理領域および第2の載置部の間で基板を保持しつつ搬送することができ、第3の基板保持部により第1の載置部、第2の処理領域および第2の載置部の間で基板を保持しつつ搬送することができる。また、搬入搬出用ブロックにおいて、第2および第4の基板保持部により第2の載置部および露光装置の間で基板を保持しつつ搬送することができる。
【0031】
それにより、処理用ブロックにおいて基板の搬送経路の選択肢が多様化される。また、搬入搬出用ブロックにおいて簡単な動作で露光装置に対する基板の搬入および搬出を行うことができる。したがって、処理用ブロックにおける基板の搬送経路を最適化することにより、容易に基板の搬送効率を向上させることができる。
【0032】
(6)第1の基板搬送機構は、処理用ブロックに設けられ、第1の基板保持部を有する第1の搬送装置と、処理用ブロックに設けられ、第3の基板保持部を有する第2の搬送装置とを含み、処理部、処理用ブロック、搬入搬出用ブロックおよび露光装置は第1の方向に沿って並設され、第1および第2の処理領域および第1および第2の搬送装置は、処理用ブロックにおいて第1の方向と水平面内で直交する第2の方向に沿って配置され、第1および第2の処理領域の間に第1および第2の搬送装置が配置され、第1の搬送装置が第1の処理領域側に配置されるとともに第2の搬送装置が第2の処理領域側に配置されてもよい。
【0033】
この場合、基板処理装置の大型化を抑制しつつ確実に受け渡し部における基板の搬送効率を向上させることが可能になる。
【0034】
(7)処理部は、階層的に設けられた複数の処理室と、複数の処理室にそれぞれ設けられ、基板に液処理を行う複数の液処理ユニットと、階層的に設けられた複数の搬送室と、複数の搬送室にそれぞれ設けられ基板を搬送する複数の搬送室用搬送機構とを有してもよい。
【0035】
この場合、複数の処理室の複数の液処理ユニットにおいて基板に液処理が行われる。また、液処理後の基板は複数の搬送室の複数の搬送室用搬送機構により搬送される。それにより、複数の液処理ユニットおよび複数の搬送室用搬送機構により、基板を並行して処理および搬送することができる。したがって、基板処理装置のスループットが向上する。
【0036】
また、複数の処理室が階層的に設けられるとともに複数の搬送室が階層的に設けられることにより、基板処理装置のフットプリントを増加させることなく複数の液処理室および複数の搬送室を設けることができる。
【0037】
(8)複数の処理室は第1の処理室群および第2の処理室群を含み、複数の搬送室は、第1の搬送室および第2の搬送室を含み、第1の搬送室は第1の処理室群に隣接して設けられ、第2の搬送室は第2の処理室群に隣接して設けられてもよい。
【0038】
この場合、第1の処理室群において処理される基板を第1の搬送室内の搬送室用搬送機構により搬送し、第2の処理室群において処理される基板を第2の搬送室内の搬送室用搬送機構により搬送することができる。それにより、複数の基板を第1および第2の処理室群に円滑に分配することができるので、基板処理装置のスループットを十分に向上させることができる。
【0039】
また、動作不良またはメンテナンス作業等により第1および第2の搬送室内の搬送室用搬送機構のうち一方の搬送室用搬送機構が停止されている場合でも、他方の搬送室用搬送機構およびその搬送室用搬送機構に対応する処理室群の液処理ユニットを用いて基板の搬送および処理を続行することができる。
【0040】
さらに、動作不良またはメンテナンス作業等により第1および第2の処理室群のうち一方の処理室群の使用が停止されている場合でも、他方の処理室群の液処理ユニットおよびその処理室群に対応する搬送室用搬送機構を用いて基板の処理および搬送を続行することができる。
【0041】
(9)第1の載置部は、第1の搬送室と受け渡し部との間に設けられる第1の搬送室用載置部と、第2の搬送室と受け渡し部との間に設けられる第2の搬送室用載置部とを含み、複数の搬送室用搬送機構は、第1の搬送室に設けられる第1の搬送室用搬送機構と、第2の搬送室に設けられる第2の搬送室用搬送機構とを含み、第1の搬送室用搬送機構は、第1の搬送室用載置部に基板を搬送可能に構成され、第2の搬送室用搬送機構は、第2の搬送室用載置部に基板を搬送可能に構成されてもよい。
【0042】
この場合、第1の処理室群において処理される基板を第1の搬送室用搬送機構により第1の搬送室用載置部に搬送することができ、第2の処理室群において処理される基板を第2の搬送室用搬送機構により第2の搬送室用載置部に搬送することができる。また、第1および第2の基板搬送機構により第1および第2の搬送室用載置部と露光装置との間で基板を搬送することができる。その結果、第1および第2の処理室群、受け渡し部ならびに露光装置の間で円滑に基板を搬送することができる。
【発明の効果】
【0043】
本発明によれば、スループットを向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0044】
図1】本発明の一実施の形態に係る基板処理装置の平面図である。
図2図1の塗布処理部、塗布現像処理部および洗浄乾燥処理部を+Y方向側から見た図である。
図3図1の熱処理部および洗浄乾燥処理部を−Y方向側から見た図である。
図4図1の塗布処理部、搬送部および熱処理部を−X方向側から見た図である。
図5】搬送部を−Y方向側から見た図である。
図6】搬送機構を示す斜視図である。
図7】洗浄乾燥処理ブロックの内部構成を示す図である。
図8】載置兼バッファ部の外観斜視図である。
図9】載置兼バッファ部の側面図である。
図10】載置兼バッファ部に対する基板Wの搬入および搬出動作について説明するための平面図である。
図11】載置兼冷却部の外観斜視図である。
図12】載置兼冷却部を+X方向側から見た図である。
図13】載置兼冷却部の模式的横断面図である。
図14】載置兼冷却部に対する基板Wの搬入および搬出動作について説明するための模式的断面図である。
図15】第1の変形例における洗浄乾燥処理ブロックの内部構成を示す図である。
図16】第2の変形例における洗浄乾燥処理ブロックの内部構成を示す図である。
図17】第3の変形例における洗浄乾燥処理ブロックの内部構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0045】
以下、本発明の実施の形態に係る基板処理方法および基板処理装置について図面を用いて説明する。なお、以下の説明において、基板とは、半導体基板、液晶表示装置用基板、プラズマディスプレイ用基板、フォトマスク用ガラス基板、光ディスク用基板、磁気ディスク用基板、光磁気ディスク用基板、フォトマスク用基板等をいう。
【0046】
(1)基板処理装置の構成
図1は、本発明の一実施の形態に係る基板処理装置の平面図である。
【0047】
図1および図2以降の所定の図には、位置関係を明確にするために互いに直交するX方向、Y方向およびZ方向を示す矢印を付している。X方向およびY方向は水平面内で互いに直交し、Z方向は鉛直方向に相当する。なお、各方向において矢印が向かう方向を+方向、その反対の方向を−方向とする。
【0048】
図1に示すように、基板処理装置100は、インデクサブロック11、第1の処理ブロック12、第2の処理ブロック13、洗浄乾燥処理ブロック14Aおよび搬入搬出ブロック14Bを備える。洗浄乾燥処理ブロック14Aおよび搬入搬出ブロック14Bにより、インターフェイスブロック14が構成される。搬入搬出ブロック14Bに隣接するように露光装置15が配置される。露光装置15においては、液浸法により基板Wに露光処理が行われる。
【0049】
図1に示すように、インデクサブロック11は、複数のキャリア載置部111および搬送部112を含む。各キャリア載置部111には、複数の基板Wを多段に収納するキャリア113が載置される。本実施の形態においては、キャリア113としてFOUP(front opening unified pod)を採用しているが、これに限定されず、SMIF(Standard Mechanical Inter Face)ポッドまたは収納基板Wを外気に曝すOC(open cassette)等を用いてもよい。
【0050】
搬送部112には、制御部114および搬送機構115が設けられる。制御部114は、基板処理装置100の種々の構成要素を制御する。搬送機構115は、基板Wを保持するためのハンド116を有する。搬送機構115は、ハンド116により基板Wを保持しつつその基板Wを搬送する。また、後述の図5に示すように、搬送部112には、キャリア113と搬送機構115との間で基板Wを受け渡すための開口部117が形成される。
【0051】
第1の処理ブロック12は、塗布処理部121、搬送部122および熱処理部123を含む。塗布処理部121および熱処理部123は、搬送部122を挟んで対向するように設けられる。搬送部122とインデクサブロック11との間には、基板Wが載置される基板載置部PASS1および後述する基板載置部PASS2〜PASS4(図5参照)が設けられる。搬送部122には、基板Wを搬送する搬送機構127および後述する搬送機構128(図5参照)が設けられる。
【0052】
第2の処理ブロック13は、塗布現像処理部131、搬送部132および熱処理部133を含む。塗布現像処理部131および熱処理部133は、搬送部132を挟んで対向するように設けられる。搬送部132と搬送部122との間には、基板Wが載置される基板載置部PASS5および後述する基板載置部PASS6〜PASS8(図5参照)が設けられる。搬送部132には、基板Wを搬送する搬送機構137および後述する搬送機構138(図5参照)が設けられる。第2の処理ブロック13内において、熱処理部133とインターフェイスブロック14との間にはパッキン145が設けられる。
【0053】
洗浄乾燥処理ブロック14Aは、洗浄乾燥処理部161,162および搬送部163を含む。洗浄乾燥処理部161,162は、搬送部163を挟んで対向するように設けられる。搬送部163には、搬送機構141,142が設けられる。
【0054】
搬送部163と搬送部132との間には、載置兼バッファ部P−BF1および後述の載置兼バッファ部P−BF2(図5参照)が設けられる。載置兼バッファ部P−BF1,P−BF2は、複数の基板Wを収容可能に構成される。
【0055】
また、搬送機構141,142の間において、搬入搬出ブロック14Bに隣接するように、基板載置部PASS9および後述の載置兼冷却部P−CP(図5参照)が設けられる。載置兼冷却部P−CPは、基板Wを冷却する機能(例えば、クーリングプレート)を備える。載置兼冷却部P−CPにおいて、基板Wが露光処理に適した温度に冷却される。
【0056】
搬入搬出ブロック14Bには、搬送機構146が設けられる。搬送機構146は、露光装置15に対する基板Wの搬入および搬出を行う。露光装置15には、基板Wを搬入するための基板搬入部15aおよび基板Wを搬出するための基板搬出部15bが設けられる。なお、露光装置15の基板搬入部15aおよび基板搬出部15bは、水平方向に隣接するように配置されてもよく、または上下に配置されてもよい。
【0057】
ここで、搬入搬出ブロック14Bは、洗浄乾燥処理ブロック14Aに対して+Y方向および−Y方向に移動可能に設けられる。洗浄乾燥処理ブロック14A、搬入搬出ブロック14Bおよび露光装置15のメンテナンス時には、搬入搬出ブロック14Bを+Y方向または−Y方向に移動させることにより、作業スペースを確保することができる。なお、搬入搬出ブロック14Bは、他のブロックに比べて軽量であり、容易に移動させることができる。
【0058】
なお、洗浄乾燥処理ブロック14Aでは、洗浄乾燥処理部161,162において多量の液体(例えば洗浄液およびリンス液)を用いる。そのため、洗浄乾燥処理ブロック14Aは、液体を供給するための用力設備に確実に接続する必要がある。一方、搬入搬出ブロック14Bでは、液体をほとんど使用しない。そのため、搬入搬出ブロック14Bは、用力設備に簡易的に接続することができる。すなわち、搬入搬出ブロック14Bは、用力設備に対する切り離しおよび再接続を容易に行うことができる。
【0059】
これらにより、洗浄乾燥処理ブロック14A、搬入搬出ブロック14Bおよび露光装置15のメンテナンス時に、洗浄乾燥処理ブロック14Aを移動させずに搬入搬出ブロック14Bのみを移動させることで、作業者の労力および作業時間を大幅に軽減することができる。
【0060】
(2)塗布処理部および現像処理部の構成
図2は、図1の塗布処理部121、塗布現像処理部131および洗浄乾燥処理部161を+Y方向側から見た図である。
【0061】
図2に示すように、塗布処理部121には、塗布処理室21,22,23,24が階層的に設けられる。各塗布処理室21〜24には、塗布処理ユニット129が設けられる。塗布現像処理部131には、現像処理室31,33および塗布処理室32,34が階層的に設けられる。各現像処理室31,33には、現像処理ユニット139が設けられ、塗布処理室32,34には、塗布処理ユニット129が設けられる。
【0062】
各塗布処理ユニット129は、基板Wを保持するスピンチャック25およびスピンチャック25の周囲を覆うように設けられるカップ27を備える。本実施の形態においては、スピンチャック25およびカップ27は、各塗布処理ユニット129に2つずつ設けられる。スピンチャック25は、図示しない駆動装置(例えば、電動モータ)により回転駆動される。
【0063】
また、図1に示すように、各塗布処理ユニット129は、処理液を吐出する複数のノズル28およびそのノズル28を搬送するノズル搬送機構29を備える。
【0064】
塗布処理ユニット129においては、複数のノズル28のうちのいずれかのノズル28がノズル搬送機構29により基板Wの上方に移動される。そして、そのノズル28から処理液が吐出されることにより、基板W上に処理液が塗布される。なお、ノズル28から基板Wに処理液が供給される際には、図示しない駆動装置によりスピンチャック25が回転される。それにより、基板Wが回転される。
【0065】
本実施の形態においては、塗布処理室22,24の塗布処理ユニット129において、反射防止膜用の処理液がノズル28から基板Wに供給される。塗布処理室21,23の塗布処理ユニット129において、レジスト膜用の処理液がノズル28から基板Wに供給される。塗布処理室32,34の塗布処理ユニット129において、レジストカバー膜用の処理液がノズル28から基板Wに供給される。
【0066】
図2に示すように、現像処理ユニット139は、塗布処理ユニット129と同様に、スピンチャック35およびカップ37を備える。また、図1に示すように、現像処理ユニット139は、現像液を吐出する2つのスリットノズル38およびそのスリットノズル38をX方向に移動させる移動機構39を備える。
【0067】
現像処理ユニット139においては、まず、一方のスリットノズル38がX方向に移動しつつ各基板Wに現像液を供給する。その後、他方のスリットノズル38が移動しつつ各基板Wに現像液を供給する。なお、スリットノズル38から基板Wに現像液が供給される際には、図示しない駆動装置によりスピンチャック35が回転される。それにより、基板Wが回転される。
【0068】
本実施の形態では、現像処理ユニット139において基板Wに現像液が供給されることにより、基板W上のレジストカバー膜が除去されるとともに、基板Wの現像処理が行われる。また、本実施の形態においては、2つのスリットノズル38から互いに異なる現像液が吐出される。それにより、各基板Wに2種類の現像液を供給することができる。
【0069】
なお、図2の例では、塗布処理ユニット129が2つのカップ27を有し、現像処理ユニット139が3つのカップ37を有するが、塗布処理ユニット129が3つのカップ27を有してもよく、または現像処理ユニット139が2つのカップ37を有してもよい。
【0070】
洗浄乾燥処理部161には、複数(本例では4つ)の洗浄乾燥処理ユニットSD1が設けられる。洗浄乾燥処理ユニットSD1においては、露光処理前の基板Wの洗浄および乾燥処理が行われる。
【0071】
なお、洗浄乾燥処理ユニットSD1においては、ブラシ等を用いて基板Wの裏面、および基板Wの端部(ベベル部)のポリッシング処理を行ってもよい。ここで、基板Wの裏面とは、回路パターン等の各種パターンが形成される基板Wの面の反対側の面をいう。
【0072】
図2に示すように、塗布処理室21〜24,32,34において塗布処理ユニット129の上方には、塗布処理室21〜24,32,34内に温湿度調整された清浄な空気を供給するための給気ユニット41が設けられる。また、現像処理室31,33において現像処理ユニット139の上方には、現像処理室31,33内に温湿度調整された清浄な空気を供給するための給気ユニット47が設けられる。
【0073】
また、塗布処理室21〜24,32,34内において塗布処理ユニット129の下部には、カップ27内の雰囲気を排気するための排気ユニット42が設けられる。また、現像処理室31,33において現像処理ユニット139の下部には、カップ37内の雰囲気を排気するための排気ユニット48が設けられる。
【0074】
図1および図2に示すように、塗布処理部121において塗布現像処理部131に隣接するように流体ボックス部50が設けられる。同様に、塗布現像処理部131において洗浄乾燥処理ブロック14Aに隣接するように流体ボックス部60が設けられる。流体ボックス部50および流体ボックス部60内には、塗布処理ユニット129および現像処理ユニット139への薬液の供給ならびに塗布処理ユニット129および現像処理ユニット139からの排液および排気等に関する導管、継ぎ手、バルブ、流量計、レギュレータ、ポンプ、温度調節器等の流体関連機器が収納される。
【0075】
(3)熱処理部の構成
図3は、図1の熱処理部123,133および洗浄乾燥処理部162を−Y方向側から見た図である。
【0076】
図3に示すように、熱処理部123は、上方に設けられる上段熱処理部301および下方に設けられる下段熱処理部302を有する。上段熱処理部301および下段熱処理部302には、複数の熱処理ユニットPHP、複数の密着強化処理ユニットPAHPおよび複数の冷却ユニットCPが設けられる。
【0077】
熱処理ユニットPHPにおいては、基板Wの加熱処理および冷却処理が行われる。密着強化処理ユニットPAHPにおいては、基板Wと反射防止膜との密着性を向上させるための密着強化処理が行われる。具体的には、密着強化処理ユニットPAHPにおいて、基板WにHMDS(ヘキサメチルジシラサン)等の密着強化剤が塗布されるとともに、基板Wに加熱処理が行われる。冷却ユニットCPにおいては、基板Wの冷却処理が行われる。
【0078】
熱処理部133は、上方に設けられる上段熱処理部303および下方に設けられる下段熱処理部304を有する。上段熱処理部303および下段熱処理部304には、冷却ユニットCP、複数の熱処理ユニットPHPおよびエッジ露光部EEWが設けられる。エッジ露光部EEWにおいては、基板Wの周縁部の露光処理が行われる。
【0079】
また、洗浄乾燥処理部162には、複数(本例では5つ)の洗浄乾燥処理ユニットSD2が設けられる。洗浄乾燥処理ユニットSD2においては、露光処理後の基板Wの洗浄および乾燥処理が行われる。
【0080】
(4)搬送部の構成
(4−1)概略構成
図4は、図1の塗布処理部121、搬送部122および熱処理部123を−X方向側から見た図である。図5は、搬送部122,132,163を−Y方向側から見た図である。
【0081】
図4および図5に示すように、搬送部122は、上段搬送室125および下段搬送室126を有する。搬送部132は、上段搬送室135および下段搬送室136を有する。
【0082】
上段搬送室125には搬送機構127が設けられ、下段搬送室126には搬送機構128が設けられる。また、上段搬送室135には搬送機構137が設けられ、下段搬送室136には搬送機構138が設けられる。
【0083】
図4に示すように、塗布処理室21,22と上段熱処理部301とは上段搬送室125を挟んで対向するように設けられ、塗布処理室23,24と下段熱処理部302とは下段搬送室126を挟んで対向するように設けられる。同様に、現像処理室31および塗布処理室32(図2)と上段熱処理部303(図3)とは上段搬送室135(図5)を挟んで対向するように設けられ、現像処理室33および塗布処理室34(図2)と下段熱処理部304(図3)とは下段搬送室136(図5)を挟んで対向するように設けられる。
【0084】
図5に示すように、搬送部112と上段搬送室125との間には、基板載置部PASS1,PASS2が設けられ、搬送部112と下段搬送室126との間には、基板載置部PASS3,PASS4が設けられる。上段搬送室125と上段搬送室135との間には、基板載置部PASS5,PASS6が設けられ、下段搬送室126と下段搬送室136との間には、基板載置部PASS7,PASS8が設けられる。
【0085】
上段搬送室135と搬送部163との間には、載置兼バッファ部P−BF1が設けられ、下段搬送室136と搬送部163との間には載置兼バッファ部P−BF2が設けられる。搬送部163において搬入搬出ブロック14Bと隣接するように、基板載置部PASS9および複数の載置兼冷却部P−CPが設けられる。
【0086】
載置兼バッファ部P−BF1は、搬送機構137および搬送機構141,142(図1)による基板Wの搬入および搬出が可能に構成される。載置兼バッファ部P−BF2は、搬送機構138および搬送機構141,142(図1)による基板Wの搬入および搬出が可能に構成される。また、基板載置部PASS9および載置兼冷却部P−CPは、搬送機構141,142(図1)および搬送機構146による基板Wの搬入および搬出が可能に構成される。
【0087】
なお、図5の例では、基板載置部PASS9が1つのみ設けられるが、複数の基板載置部PASS9が上下に設けられてもよい。この場合、基板Wを一時的に載置するためのバッファ部として複数の基板載置部PASS9を用いてもよい。
【0088】
本実施の形態においては、基板載置部PASS1および基板載置部PASS3には、インデクサブロック11から第1の処理ブロック12へ搬送される基板Wが載置され、基板載置部PASS2および基板載置部PASS4には、第1の処理ブロック12からインデクサブロック11へ搬送される基板Wが載置される。
【0089】
また、基板載置部PASS5および基板載置部PASS7には、第1の処理ブロック12から第2の処理ブロック13へ搬送される基板Wが載置され、基板載置部PASS6および基板載置部PASS8には、第2の処理ブロック13から第1の処理ブロック12へ搬送される基板Wが載置される。
【0090】
また、載置兼バッファ部P−BF1,P−BF2には、第2の処理ブロック13から洗浄乾燥処理ブロック14Aへ搬送される基板Wが載置され、載置兼冷却部P−CPには、洗浄乾燥処理ブロック14Aから搬入搬出ブロック14Bへ搬送される基板Wが載置され、基板載置部PASS9には、搬入搬出ブロック14Bから洗浄乾燥処理ブロック14Aへ搬送される基板Wが載置される。
【0091】
上段搬送室125内において搬送機構127の上方に給気ユニット43が設けられ、下段搬送室126内において搬送機構128の上方に給気ユニット43が設けられる。上段搬送室135内において搬送機構137の上方に給気ユニット43が設けられ、下段搬送室136内において搬送機構138の上方に給気ユニット43が設けられる。給気ユニット43には、図示しない温調装置から温湿度調整された空気が供給される。
【0092】
また、上段搬送室125内において搬送機構127の下方に上段搬送室125の排気を行うための排気ユニット44が設けられ、下段搬送室126内において搬送機構128の下方に下段搬送室126の排気を行うための排気ユニット44が設けられる。
【0093】
同様に、上段搬送室135内において搬送機構137の下方に上段搬送室135の排気を行うための排気ユニット44が設けられ、下段搬送室136内において搬送機構138の下方に下段搬送室136の排気を行うための排気ユニット44が設けられる。
【0094】
これにより、上段搬送室125,135および下段搬送室126,136の雰囲気が適切な温湿度および清浄な状態に維持される。
【0095】
洗浄乾燥処理ブロック14Aの搬送部163内の上部には、給気ユニット45が設けられる。搬入搬出ブロック14B内の上部には、給気ユニット46が設けられる。給気ユニット45,46には、図示しない温調装置から温湿度調整された空気が供給される。それにより、洗浄乾燥処理ブロック14Aおよび搬入搬出ブロック14B内の雰囲気が適切な温湿度および清浄な状態に維持される。
【0096】
(4−2)搬送機構の構成
次に、搬送機構127について説明する。図6は、搬送機構127を示す斜視図である。
【0097】
図5および図6に示すように、搬送機構127は、長尺状のガイドレール311,312を備える。図5に示すように、ガイドレール311は、上段搬送室125内において上下方向に延びるように搬送部112側に固定される。ガイドレール312は、上段搬送室125内において上下方向に延びるように上段搬送室135側に固定される。
【0098】
図5および図6に示すように、ガイドレール311とガイドレール312との間には、長尺状のガイドレール313が設けられる。ガイドレール313は、上下動可能にガイドレール311,312に取り付けられる。ガイドレール313に移動部材314が取り付けられる。移動部材314は、ガイドレール313の長手方向に移動可能に設けられる。
【0099】
移動部材314の上面には、長尺状の回転部材315が回転可能に設けられる。回転部材315には、基板Wを保持するためのハンドH1およびハンドH2が取り付けられる。ハンドH1,H2は、回転部材315の長手方向に移動可能に設けられる。
【0100】
上記のような構成により、搬送機構127は、上段搬送室125内においてX方向およびZ方向に自在に移動することができる。また、ハンドH1,H2を用いて塗布処理室21,22(図2)、基板載置部PASS1,PASS2,PASS5,PASS6(図5)および上段熱処理部301(図3)に対して基板Wの受け渡しを行うことができる。
【0101】
なお、図5に示すように、搬送機構128,137,138は搬送機構127と同様の構成を有する。
【0102】
(5)洗浄乾燥処理ブロックの構成
図7は、洗浄乾燥処理ブロック14Aの内部構成を示す図である。なお、図7は、洗浄乾燥処理ブロック14Aを+X方向側から見た図である。
【0103】
図7に示すように、搬送機構141は、基板Wを保持するためのハンドH3,H4を有し、搬送機構142は、基板Wを保持するためのハンドH5,H6を有する。
【0104】
搬送機構141の+Y側には洗浄乾燥処理ユニットSD1が階層的に設けられ、搬送機構142の−Y側には洗浄乾燥処理ユニットSD2が階層的に設けられる。搬送機構141,142の間において、−X側には、載置兼バッファ部P−BF1,P−BF2が上下に設けられる。
【0105】
また、上段熱処理部303および下段熱処理部304の熱処理ユニットPHPは、洗浄乾燥処理ブロック14Aからの基板Wの搬入が可能に構成される。
【0106】
(6)基板処理装置の各構成要素の動作
以下、本実施の形態に係る基板処理装置100の各構成要素の動作について説明する。
【0107】
(6−1)インデクサブロック11の動作
以下、図1および図5を主に用いてインデクサブロック11の動作を説明する。
【0108】
本実施の形態に係る基板処理装置100においては、まず、インデクサブロック11のキャリア載置部111に、未処理の基板Wが収容されたキャリア113が載置される。搬送機構115は、そのキャリア113から1枚の基板Wを取り出し、その基板Wを基板載置部PASS1に搬送する。その後、搬送機構115はキャリア113から他の1枚の未処理の基板Wを取り出し、その基板Wを基板載置部PASS3(図5)に搬送する。
【0109】
なお、基板載置部PASS2(図5)に処理済みの基板Wが載置されている場合には、搬送機構115は、基板載置部PASS1に未処理の基板Wを搬送した後、基板載置部PASS2からその処理済みの基板Wを取り出す。そして、搬送機構115は、その処理済みの基板Wをキャリア113に搬送する。同様に、基板載置部PASS4に処理済みの基板Wが載置されている場合には、搬送機構115は、基板載置部PASS3に未処理の基板Wを搬送した後、基板載置部PASS4からその処理済みの基板Wを取り出す。そして、搬送機構115は、その処理済み基板Wをキャリア113へ搬送するとともにキャリア113に収容する。
【0110】
(6−2)第1の処理ブロック12の動作
以下、図1図3および図5を主に用いて第1の処理ブロック12の動作について説明する。なお、以下においては、簡便のため、搬送機構127,128のX方向およびZ方向の移動の説明は省略する。
【0111】
搬送機構115(図5)により基板載置部PASS1(図5)に載置された基板Wは、搬送機構127(図5)のハンドH1により取り出される。また、搬送機構127は、ハンドH2に保持されている基板Wを基板載置部PASS2に載置する。なお、ハンドH2から基板載置部PASS2に載置される基板Wは、現像処理後の基板Wである。
【0112】
次に、搬送機構127は、ハンドH2により上段熱処理部301(図3)の所定の密着強化処理ユニットPAHP(図3)から密着強化処理後の基板Wを取り出す。また、搬送機構127は、ハンドH1に保持されている未処理の基板Wをその密着強化処理ユニットPAHPに搬入する。
【0113】
次に、搬送機構127は、ハンドH1により上段熱処理部301(図3)の所定の冷却ユニットCPから冷却処理後の基板Wを取り出す。また、搬送機構127は、ハンドH2に保持されている密着強化処理後の基板Wをその冷却ユニットCPに搬入する。冷却ユニットCPにおいては、反射防止膜形成に適した温度に基板Wが冷却される。
【0114】
次に、搬送機構127は、ハンドH2により塗布処理室22(図2)のスピンチャック25(図2)上から反射防止膜形成後の基板Wを取り出す。また、搬送機構127は、ハンドH1に保持されている冷却処理後の基板Wをそのスピンチャック25上に載置する。塗布処理室22においては、塗布処理ユニット129(図2)により、基板W上に反射防止膜が形成される。
【0115】
次に、搬送機構127は、ハンドH1により上段熱処理部301(図3)の所定の熱処理ユニットPHPから熱処理後の基板Wを取り出す。また、搬送機構127は、ハンドH2に保持されている反射防止膜形成後の基板Wをその熱処理ユニットPHPに搬入する。熱処理ユニットPHPにおいては、基板Wの加熱処理および冷却処理が連続的に行われる。
【0116】
次に、搬送機構127は、ハンドH2により上段熱処理部301(図4)の所定の冷却ユニットCP(図3)から冷却処理後の基板Wを取り出す。また、搬送機構127は、ハンドH1に保持されている熱処理後の基板Wをその冷却ユニットCPに搬入する。冷却ユニットCPにおいては、レジスト膜形成処理に適した温度に基板Wが冷却される。
【0117】
次に、搬送機構127は、ハンドH1により塗布処理室21(図2)のスピンチャック25(図2)からレジスト膜形成後の基板Wを取り出す。また、搬送機構127は、ハンドH2に保持されている冷却処理後の基板Wをそのスピンチャック25上に載置する。塗布処理室22においては、塗布処理ユニット129(図2)により、基板W上にレジスト膜が形成される。
【0118】
次に、搬送機構127は、ハンドH2により上段熱処理部301(図3)の所定の熱処理ユニットPHPから熱処理後の基板Wを取り出す。また、搬送機構127は、ハンドH1に保持されているレジスト膜形成後の基板Wをその熱処理ユニットPHPに搬入する。
【0119】
次に、搬送機構127は、ハンドH2に保持されている熱処理後の基板Wを基板載置部PASS5(図5)に載置する。また、搬送機構127は、ハンドH2により基板載置部PASS6(図5)から現像処理後の基板Wを取り出す。その後、搬送機構127は、基板載置部PASS6から取り出した現像処理後の基板Wを基板載置部PASS2(図5)に搬送する。
【0120】
搬送機構127が上記の処理を繰り返すことにより、第1の処理ブロック12内において複数の基板Wに所定の処理が連続的に行われる。
【0121】
搬送機構128は、搬送機構127と同様の動作により、基板載置部PASS3,PASS4,PASS7,PASS8(図5)、塗布処理室23,24(図2)および下段熱処理部302(図4)に対して基板Wの搬入および搬出を行う。
【0122】
このように、本実施の形態においては、搬送機構127によって搬送される基板Wは、塗布処理室21,22および上段熱処理部301において処理され、搬送機構128によって搬送される基板Wは、塗布処理室23,24および下段熱処理部302において処理される。この場合、複数の基板Wの処理を上方の処理部(塗布処理室21,22および上段熱処理部301)および下方の処理部(塗布処理室23,24および下段熱処理部302)において同時に処理することができる。それにより、搬送機構127,128による
基板Wの搬送速度を速くすることなく、第1の処理ブロック12のスループットを向上させることができる。また、搬送機構127,128が上下に設けられているので、基板処
理装置100のフットプリントが増加することを防止することができる。
【0123】
なお、上記の例では、塗布処理室22における反射防止膜の形成処理前に冷却ユニットCPにおいて基板Wの冷却処理が行われるが、適正に反射防止膜を形成することが可能であれば、現像処理前に冷却ユニットCPにおいて基板Wの冷却処理が行われなくてもよい。
【0124】
(6−3)第2の処理ブロック13の動作
以下、図1図3および図5を主に用いて第2の処理ブロック13の動作について説明する。なお、以下においては、簡便のため、搬送機構137,138のX方向およびZ方向の移動の説明は省略する。
【0125】
搬送機構127により基板載置部PASS5(図5)に載置された基板Wは、搬送機構137(図5)のハンドH1により取り出される。また、搬送機構137は、ハンドH2に保持されている基板Wを基板載置部PASS6に載置する。なお、ハンドH2から基板載置部PASS6に載置される基板Wは、現像処理後の基板Wである。
【0126】
次に、搬送機構137は、ハンドH2により塗布処理室32(図2)のスピンチャック25(図2)からレジストカバー膜形成後の基板Wを取り出す。また、搬送機構137は、ハンドH1に保持されているレジスト膜形成後の基板Wをそのスピンチャック25上に載置する。塗布処理室32においては、塗布処理ユニット129(図2)により、基板W上にレジストカバー膜が形成される。
【0127】
次に、搬送機構137は、ハンドH1により上段熱処理部303(図3)の所定の熱処理ユニットPHPから熱処理後の基板Wを取り出す。また、搬送機構137は、ハンドH2に保持されているレジストカバー膜形成後の基板Wをその熱処理ユニットPHPに搬入する。
【0128】
次に、搬送機構137は、ハンドH2によりエッジ露光部EEW(図3)からエッジ露光処理後の基板Wを取り出す。また、搬送機構137は、ハンドH1に保持されている熱処理後の基板Wをエッジ露光部EEWに搬入する。エッジ露光部EEWにおいては、基板Wの周縁部の露光処理が行われる。
【0129】
次に、搬送機構137は、ハンドH2に保持されているエッジ露光処理後の基板Wを載置兼バッファ部P−BF1(図5)に載置するとともに、そのハンドH2により洗浄乾燥処理ブロック14Aに隣接する上段熱処理部301(図4)の熱処理ユニットPHPから熱処理後の基板Wを取り出す。なお、洗浄乾燥処理ブロック14Aに隣接する熱処理ユニットPHPから取り出される基板Wは、露光装置15における露光処理が終了した基板Wである。
【0130】
次に、搬送機構137は、ハンドH1により上段熱処理部303(図3)の所定の冷却ユニットCP(図3)から冷却処理後の基板Wを取り出す。また、搬送機構137は、ハンドH2に保持されている露光処理後の基板Wをその冷却ユニットCPに搬入する。冷却ユニットCPにおいては、現像処理に適した温度に基板Wが冷却される。
【0131】
次に、搬送機構137は、ハンドH2により現像処理室31(図2)のスピンチャック35(図2)から現像処理後の基板Wを取り出す。また、搬送機構137は、ハンドH1に保持されている冷却処理後の基板Wをそのスピンチャック35上に載置する。現像処理室31においては、現像処理ユニット139によりレジストカバー膜の除去処理および現像処理が行われる。
【0132】
次に、搬送機構137は、ハンドH1により上段熱処理部303(図4)の所定の熱処理ユニットPHPから熱処理後の基板Wを取り出す。また、搬送機構137は、ハンドH2に保持されている現像処理後の基板Wを熱処理ユニットPHPに搬入する。その後、搬送機構137は、熱処理ユニットPHPから取り出した基板Wを基板載置部PASS6(図5)に載置する。
【0133】
搬送機構137が上記の処理を繰り返すことにより、第2の処理ブロック13内において複数の基板Wに所定の処理が連続的に行われる。
【0134】
搬送機構138は、搬送機構137と同様の動作により、基板載置部PASS7,PASS8、載置兼バッファ部P−BF2(図5)、現像処理室33(図2)、塗布処理室34(図2)および下段熱処理部304(図3)に対して基板Wの搬入および搬出を行う。
【0135】
このように、本実施の形態においては、搬送機構137によって搬送される基板Wは、現像処理室31、塗布処理室32および上段熱処理部303において処理され、搬送機構138によって搬送される基板Wは、現像処理室33、塗布処理室34および下段熱処理部304において処理される。この場合、複数の基板Wの処理を上方の処理部(現像処理室31、塗布処理室32および上段熱処理部303)および下方の処理部(現像処理室33、塗布処理室34および下段熱処理部304)において同時に処理することができる。それにより、搬送機構137,138による基板Wの搬送速度を速くすることなく、第2の処理ブロック13のスループットを向上させることができる。また、搬送機構137,138が上下に設けられているので、基板処理装置100のフットプリントが増加することを防止することができる。
【0136】
なお、上記の例では、現像処理室31における基板Wの現像処理の前に冷却ユニットCPにおいて基板Wの冷却処理が行われるが、適正に現像処理を行うことが可能であれば、現像処理前に冷却ユニットCPにおいて基板Wの冷却処理が行われなくてもよい。
【0137】
(6−4)洗浄乾燥処理ブロック14Aおよび搬入搬出ブロック14Bの動作
以下、図5および図7を主に用いて洗浄乾燥処理ブロック14Aおよび搬入搬出ブロック14Bの動作について説明する。
【0138】
洗浄乾燥処理ブロック14Aにおいて、搬送機構141(図7)は、搬送機構137(図5)により載置兼バッファ部P−BF1に載置されたエッジ露光後の基板WをハンドH3により取り出す。
【0139】
次に、搬送機構141は、ハンドH4により洗浄乾燥処理部161(図7)の所定の洗浄乾燥処理ユニットSD1から洗浄および乾燥処理後の基板Wを取り出す。また、搬送機構141は、ハンドH3に保持するエッジ露光後の基板Wをその洗浄乾燥処理ユニットSD1に搬入する。
【0140】
次に、搬送機構141は、ハンドH4に保持する洗浄および乾燥処理後の基板Wを載置兼冷却部P−CP(図5)に載置する。載置兼冷却部P−CPにおいては、露光装置15(図1)における露光処理に適した温度に基板Wが冷却される。
【0141】
次に、搬送機構141は、搬送機構138(図5)により載置兼バッファ部P−BF2に載置されたエッジ露光後の基板WをハンドH3により取り出す。次に、搬送機構141は、ハンドH4により洗浄乾燥処理部161(図7)の所定の洗浄乾燥処理ユニットSD1から洗浄および乾燥処理後の基板Wを取り出す。また、搬送機構141は、ハンドH3に保持するエッジ露光後の基板Wをその洗浄乾燥処理ユニットSD1に搬入する。次に、搬送機構141は、ハンドH4に保持する洗浄および乾燥処理後の基板Wを載置兼冷却部P−CP(図5)に載置する。
【0142】
このように、搬送機構141は、載置兼バッファ部P−BF1,P−BF2に載置されたエッジ露光後の基板Wを洗浄乾燥処理部161を経由して載置兼冷却部P−CPに交互に搬送する。
【0143】
ここで、キャリア113(図5)に収容されている基板Wは、搬送機構115(図5)により基板載置部PASS1,PASS3(図5)に交互に搬送される。また、塗布処理室21,22(図2)および上段熱処理部301(図3)における基板Wの処理速度と、塗布処理室23,24(図2)および下段熱処理部302(図3)における基板Wの処理速度とは略等しい。
【0144】
また、搬送機構127(図5)の動作速度と搬送機構128(図5)の動作速度とは略等しい。また、現像処理室31(図2)、塗布処理室32および上段熱処理部303(図3)における基板Wの処理速度と、現像処理室33(図2)、塗布処理室34および下段熱処理部304(図3)における基板Wの処理速度とは略等しい。また、搬送機構137(図5)の動作速度と搬送機構138(図5)の動作速度とは略等しい。
【0145】
したがって、上記のように、搬送機構141(図7)により載置兼バッファ部P−BF1,P−BF2(図5)から載置兼冷却部P−CPに基板Wが交互に搬送されることにより、キャリア113から基板処理装置100に搬入される基板Wの順序と、洗浄乾燥処理ブロック14Aから載置兼冷却部P−CP(図5)に搬送される基板Wの順序とが一致する。この場合、基板処理装置100における各基板Wの処理履歴の管理が容易になる。
【0146】
搬送機構142(図7)は、ハンドH5により基板載置部PASS9(図5)に載置された露光処理後の基板Wを取り出す。次に、搬送機構142は、ハンドH6により、洗浄乾燥処理部162(図7)の所定の洗浄乾燥処理ユニットSD2から洗浄および乾燥処理後の基板Wを取り出す。また、搬送機構142は、ハンドH5に保持する露光処理後の基板Wをその洗浄乾燥処理ユニットSD2に搬入する。
【0147】
次に、搬送機構142は、ハンドH6に保持する洗浄および乾燥処理後の基板Wを上段熱処理部303の熱処理ユニットPHP(図7)に搬送する。この熱処理ユニットPHPにおいては、露光後ベーク(PEB)処理が行われる。
【0148】
次に、搬送機構142(図7)は、ハンドH5により基板載置部PASS9(図5)に載置された露光処理後の基板Wを取り出す。次に、搬送機構142は、ハンドH6により、洗浄乾燥処理部162(図7)の所定の洗浄乾燥処理ユニットSD2から洗浄および乾燥処理後の基板Wを取り出す。また、搬送機構142は、ハンドH5に保持する露光処理後の基板Wをその洗浄乾燥処理ユニットSD2に搬入する。
【0149】
次に、搬送機構142は、ハンドH6に保持する洗浄および乾燥処理後の基板Wを下段熱処理部304の熱処理ユニットPHP(図7)に搬送する。この熱処理ユニットPHPにおいては、PEB処理が行われる。
【0150】
このように、搬送機構142は、基板載置部PASS9に載置された露光処理後の基板Wを洗浄乾燥処理部162を経由して上段熱処理部303および下段熱処理部304に交互に搬送する。
【0151】
搬入搬出ブロック14Bにおいて、搬送機構146(図5)は、ハンドH7により、載置兼冷却部P−CPに載置された基板Wを取り出し、露光装置15の基板搬入部15aに搬送する。また、搬送機構146は、ハンドH8により、露光装置15の基板搬出部15bから露光処理後の基板Wを取り出し、基板載置部PASS9に搬送する。
【0152】
ここで、上述したように、搬送機構141(図7)によって載置兼冷却部P−CP(図5)に載置される基板Wの順序は、キャリア113(図5)から基板処理装置100に搬入される基板Wの順序に等しい。それにより、キャリア113から基板処理装置100に搬入される基板Wの順序と、搬送機構142(図7)により露光装置15に搬入される基板Wの順序とを一致させることができる。それにより、露光装置15における各基板Wの処理履歴の管理が容易になる。また、一のキャリア113から基板処理装置100に搬入された複数の基板W間において、露光処理の状態にばらつきが生じることを防止することができる。
【0153】
なお、露光装置15が基板Wの受け入れをできない場合、搬送機構141(図7)により、洗浄および乾燥処理後の基板Wが載置兼バッファ部P−BF1,P−BF2に一時的に収容される。
【0154】
また、第2の処理ブロック13の現像処理ユニット139(図2)が露光処理後の基板Wの受け入れをできない場合、搬送機構137,138(図5)により、PEB処理後の基板Wが載置兼バッファ部P−BF1,P−BF2に一時的に収容される。
【0155】
また、第1および第2の処理ブロック12,13の不具合等によって基板Wが載置兼バッファ部P−BF1,P−BF2まで正常に搬送されない場合、基板Wの搬送が正常となるまで搬送機構141による載置兼バッファ部P−BF1,P−BF2からの基板Wの搬送を一時的に停止してもよい。
【0156】
(7)載置兼バッファ部の詳細
次に、載置兼バッファ部P−BF1,P−BF2の詳細な構成について説明する。図8および図9は、載置兼バッファ部P−BF1の外観斜視図および側面図である。図10は、載置兼バッファ部P−BF1に対する基板Wの搬入および搬出動作について説明するための平面図である。なお、載置兼バッファ部P−BF2の構成は、図8図10に示す載置兼バッファ部P−BF1の構成と同様である。
【0157】
図8および図9に示すように、第2の処理ブロック13(図1)と洗浄乾燥処理ブロック14Aとの境界部分には、上下方向(Z方向)に延びるフレーム911,912が設けられている。載置兼バッファ部P−BF1は、上下方向に延びる一対の固定部材91および複数の支持板92を有する。フレーム911,912に一対の固定部材91がそれぞれ取り付けられる。
【0158】
各固定部材91には、横方向(X方向)に突出する複数の凸部921が上下方向に一定の間隔で設けられる。一方の固定部材91の凸部921の上面および下面に複数の支持板92の一端部がそれぞれ固定され、他方の固定部材91の凸部921の上面および下面に複数の支持板92の他端部がそれぞれ固定される。これにより、複数の支持板92が水平姿勢で上下方向に等間隔で配置される。
【0159】
各支持板92の上面には、複数(本例では3つ)の支持ピン93が設けられている。各支持板92上において、複数の支持ピン93により基板Wが支持される。これにより、載置兼バッファ部P−BF1には、複数の基板Wを収容することができる。
【0160】
図10(a)〜(c)に示すように、搬送機構137(図5)のハンドH1,H2、搬送機構141(図7)のハンドH3,H4および搬送機構142(図7)のハンドH5,H6はそれぞれ略U字形状を有する。
【0161】
それにより、搬送機構137,141,142のハンドH1〜H6は、フレーム911,912および支持ピン93に干渉することなく、支持ピン93上への基板Wの載置および支持ピン93上からの基板Wの受け取りを行うことができる。
【0162】
このように、載置兼バッファ部P−BF1は、搬送機構137,141,142による基板Wの搬入および搬出が可能に構成される。同様に、載置兼バッファ部P−BF2は、搬送機構138,141,142による基板Wの搬入および搬出が可能に構成される。
【0163】
なお、基板載置部PASS9(図5)は、載置兼バッファ部P−BF1,P−BF2と同様の構成であってもよい。
【0164】
(8)載置兼冷却部の詳細
次に、載置兼冷却部P−CPの詳細な構成について説明する。図11は、載置兼冷却部P−CPの外観斜視図であり、図12は、載置兼冷却部P−CPを+X方向側から見た図であり、図13は、載置兼冷却部P−CPの模式的横断面図である。図14は、載置兼冷却部P−CPに対する基板Wの搬入および搬出動作について説明するための模式的断面図である。図11および図12には、上下に積層された3つの載置兼冷却部P−CPが示される。
【0165】
図11に示すように、各載置兼冷却部P−CPは、筐体95を有する。筐体95は、上面部95a、下面部95b、前面部95c、後面部95dおよび側面部95e,95fを有する。上面部95aおよび下面部95bはXY平面に平行であり、前面部95cおよび後面部95dはYZ平面に平行である。
【0166】
側面部95e,95fは、後面部95dの両端部からXZ平面に沿ってそれぞれ延び、互いに近づくように内側に折曲して前面部95cの両端部に一体化する。
【0167】
側面部95eには、横方向に延びる基板搬入口951が形成され、側面部95fには、横方向に延びる基板搬入口952(後述の図13参照)が形成される。図12に示すように、後面部95dには、横方向(Y方向)に延びる基板搬出口953が形成される。
【0168】
図13に示すように、各筐体95の内部には、クーリングプレート954が設けられる。クーリングプレート954は、図示しない冷却機構によって冷却される。クーリングプレート954上には、複数(本例では3つ)の支持ピン955が設けられる。これらの支持ピン955上に基板Wが載置される。
【0169】
なお、基板搬入口951,952および基板搬出口953を開閉するためのシャッタが設けられてもよい。
【0170】
図14(a)に示すように、搬送機構141(図7)のハンドH3,H4は、基板搬入口951から筐体95内に進入し、支持ピン955上に基板Wを載置することができる。また、図14(b)に示すように、搬送機構142(図7)のハンドH5,H6は、基板搬入口952から筐体95内に進入し、支持ピン955上に基板Wを載置することができる。
【0171】
また、図14(c)に示すように、搬送機構146(図5)のハンドH7,H8は、基板搬出口953から筐体95内に進入し、支持ピン955上の基板Wを保持して載置兼冷却部P−CPから搬出することができる。
【0172】
このように、載置兼冷却部P−CPは、搬送機構141,142,146による基板Wの搬入および搬出が可能に構成される。
【0173】
本実施の形態では、上記のように、搬送機構141のハンドH4により載置兼冷却部P−CPに基板Wが搬入される。支持ピン955上に載置された基板Wは、クーリングプレート954によって露光処理に適した温度に冷却される。その後、搬送機構146(図1)のハンドH7により載置兼冷却部P−CPから冷却処理後の基板Wが搬出される。
【0174】
(9)本実施の形態の効果
(9−1)
本実施の形態では、第1および第2の処理ブロック12,13からインターフェイスブロック14を経由して露光装置15へ各基板Wが搬送される過程、および露光装置15からインターフェイスブロック14を経由して現像処理ユニット139へ各基板Wが搬送される過程において、載置兼バッファ部P−BF1,P−BF2に一時的に基板Wを収容することにより基板Wを待機させることができる。それにより、基板Wの搬送ペースを容易に調整することができる。したがって、基板処理装置100のスループットを向上させることができる。
【0175】
(9−2)
本実施の形態では、洗浄乾燥処理ブロック14Aにおいて、搬送機構141が載置兼バッファ部P−BF1,P−BF2、洗浄乾燥処理部161および載置兼冷却部P−CPの間で基板Wを搬送することができ、搬送機構142が載置兼バッファ部P−BF1,P−BF2、洗浄乾燥処理部162、熱処理部133および載置兼冷却部P−CPの間で基板Wを搬送することができる。
【0176】
これにより、洗浄乾燥処理ブロック14Aにおける基板Wの搬送経路の選択肢が多様化される。したがって、第1および第2の処理ブロック12,13および洗浄乾燥処理部161,162における基板Wの処理内容に応じて最適な経路で基板を搬送することが可能になる。その結果、基板Wの搬送効率を向上させることが可能となり、スループットを向上させることができる。
【0177】
(9−3)
本実施の形態では、洗浄乾燥処理ブロック14Aにおいて、露光処理前の基板Wが搬送機構141により搬送され、露光処理後の基板Wが搬送機構142により搬送される。また、搬入搬出ブロック14Bにおいて、露光処理前の基板Wが搬送機構146のハンドH7により搬送され、露光処理後の基板Wが搬送機構146のハンドH8により搬送される。
【0178】
このように、洗浄乾燥処理ブロック14Aおよび搬入搬出ブロック14Bにおいて、露光処理前の基板Wの搬送経路と露光処理後の基板Wの搬送経路とがそれぞれ独立に確保されている。この場合、露光処理前の基板Wの搬送経路と露光処理後の基板Wの搬送経路とが交錯する場合に比べて、搬送機構141,142,146の動作が簡略化される。それにより、基板Wの搬送効率が向上し、スループットを向上させることが可能になる。
【0179】
(9−4)
また、洗浄乾燥処理ブロック14Aにおいて、露光処理前の基板Wは、搬送機構141により載置兼バッファ部P−BF1,P−BF2から洗浄乾燥処理部161を経由して載置兼冷却部P−CPに搬送され、露光処理後の基板Wは、搬送機構142により基板載置部PASS9から洗浄乾燥処理部162を経由して上段熱処理部303または下段熱処理部304に搬送される。また、搬入搬出ブロック14Bにおいて、露光処理前の基板Wは、搬送機構146のハンドH7により載置兼冷却部P−CPから露光装置15に搬送され、露光処理後の基板Wは搬送機構146のハンドH8により露光装置15から基板載置部PASS9に搬送される。
【0180】
これにより、洗浄乾燥処理ブロック14Aおよび搬入搬出ブロック14Bにおいて、露光処理前の基板Wと露光処理後の基板Wとが間接的に接触することがない。したがって、露光処理前の基板Wと露光処理後の基板Wとの間のクロスコンタミネーション(相互汚染)を防止することができる。
【0181】
(9−5)
また、露光処理前の基板Wの搬送経路と露光処理後の基板Wの搬送経路とがそれぞれ独立していることにより、露光処理後の基板Wを円滑に第2の処理ブロック13の熱処理ユニットPHPに搬送することができる。
【0182】
それにより、露光処理後、迅速に基板WのPEB処理を行うことができる。その結果、速やかにレジスト膜内の化学反応を促進させることができ、所望の露光パターンを得ることができる。また、複数の基板Wを連続的に処理する場合に、露光処理からPEB処理までの時間をほぼ一定にすることができる。その結果、露光パターンの精度のばらつきを防止することができる。
【0183】
(9−6)
また、搬送機構137,141,142が載置兼バッファ部P−BF1に対して基板Wの搬入および搬出を行うことが可能であり、搬送機構138,141,142が載置兼バッファ部P−BF2に対して基板Wの搬入および搬出を行うことが可能である。これにより、露光処理前後における種々のタイミングで基板Wを載置兼バッファ部P−BF1,P−BF2に収容することができる。その結果、搬送機構137,138,141,142による基板Wの搬送タイミングを容易に調整することができる。
【0184】
さらに、搬送機構141,142,146が基板載置部PASS9および載置兼冷却部P−CPに対して基板Wの搬入および搬出を行うことが可能である。この場合、載置兼バッファ部P−BF1,P−BF2、基板載置部PASS9および載置兼冷却部P−CPに対して、それぞれ3方向からの基板Wの搬入および搬出が可能であることにより、基板Wの搬送経路の変更を容易に行うことが可能となる。
【0185】
(9−7)
また、第1および第2の処理ブロック12,13において、上段の処理部(塗布処理室21,22,32および現像処理室31(図2)、上段搬送室125,135(図5)および上段熱処理部301,303(図3))および下段の処理部(塗布処理室23,24,34および現像処理室33(図2)、下段搬送室126,136(図5)、および下段熱処理部302,304(図3))において複数の基板Wの処理を並行して進めることができる。
【0186】
それにより、搬送機構127,128,137,138による基板Wの搬送速度を速くすることなく、第1および第2の処理ブロック12,13のスループットを向上させることができる。また、搬送機構127,128,137,138が上下に設けられているので、基板処理装置100のフットプリントが増加することを防止することができる。
【0187】
(9−8)
また、第1および第2の処理ブロック12,13の上段の処理部および下段の処理部が等しい構成を有する。それにより、上段の処理部および下段の処理部の一方において故障等が発生した場合でも、他方の処理部を用いて基板Wの処理を続行することができる。その結果、基板処理装置100の汎用性が向上する。
【0188】
(9−9)
また、洗浄乾燥処理ユニットSD1において、露光処理前の基板Wの洗浄処理が行われることにより、基板W上のレジストカバー膜の成分の一部が溶出し、洗い流される。そのため、露光装置15において基板Wが液体と接触しても、基板W上のレジストカバー膜の成分は液体中にほとんど溶出しない。また、露光処理前の基板Wに付着した塵埃等を取り除くことができる。これらの結果、露光装置15内の汚染が防止される。
【0189】
(9−10)
また、洗浄乾燥処理ユニットSD1において、洗浄処理後の基板Wに乾燥処理が行われることにより、洗浄処理時に基板Wに付着した液体が取り除かれるので、洗浄処理後の基板Wに雰囲気中の塵埃等が再度付着することが防止される。その結果、露光装置15内の汚染を確実に防止することができる。
【0190】
(9−11)
また、洗浄乾燥処理ユニットSD2において、露光処理後の基板Wの乾燥処理が行われることにより、露光処理時に基板Wに付着した液体が、基板処理装置100内に落下することが防止される。また、露光処理後の基板Wの乾燥処理を行うことにより、露光処理後の基板Wに雰囲気中の塵埃等が付着することが防止されるので、基板Wの汚染を防止することができる。
【0191】
また、基板処理装置100内を液体が付着した基板Wが搬送されることを防止することができるので、露光処理時に基板Wに付着した液体が基板処理装置100内の雰囲気に影響を与えることを防止することができる。それにより、基板処理装置100内の温湿度調整が容易になる。
【0192】
(9−12)
また、露光処理時に基板Wに付着した液体が搬送機構116,127,128,137,138,141,142に付着することが防止される。そのため、露光処理前の基板Wに液体が付着することが防止される。それにより、露光処理前の基板Wに雰囲気中の塵埃等が付着することが防止されるので、基板Wの汚染が防止される。その結果、露光処理時の解像性能の劣化を防止することができるとともに露光装置15内の汚染を防止することができる。
【0193】
また、洗浄乾燥処理ユニットSD2から現像処理室31,33へ基板Wを搬送する間に、レジストの成分またはレジストカバー膜の成分が基板W上に残留した液体中に溶出することを確実に防止することができる。それにより、レジスト膜に形成された露光パターンの変形を防止することができる。その結果、現像処理時における線幅精度の低下を確実に防止することができる。
【0194】
(10)変形例
次に、上記実施の形態の変形例について説明する。
【0195】
(10−1)第1の変形例
第1の変形例について、上記実施の形態と異なる点を説明する。図15は、第1の変形例における洗浄乾燥処理ブロック14Aの内部構成を示す図である。なお、図15は、洗浄乾燥処理ブロック14Aを+X方向側から見た図である。
【0196】
図15に示すように、第1の変形例では、洗浄乾燥処理部161,162の両方に複数(本例では4つ)の洗浄乾燥処理ユニットSD1が設けられる。
【0197】
図15の洗浄乾燥処理ブロック14Aにおける基板Wの搬送経路の一例について、図5および図15を主に用いて説明する。
【0198】
搬送機構137(図5)により載置兼バッファ部P−BF1に載置されたエッジ露光後の基板Wは、搬送機構141(図15)により洗浄乾燥処理部161の所定の洗浄乾燥処理ユニットSD1に搬送される。洗浄乾燥処理部161の洗浄乾燥処理ユニットSD1において洗浄および乾燥処理が行われた基板Wは、搬送機構141により載置兼冷却部P−CP(図5)に搬送される。
【0199】
また、搬送機構138(図5)により載置兼バッファ部P−BF2に載置されたエッジ露光後の基板Wは、搬送機構142(図15)により洗浄乾燥処理部162の所定の洗浄乾燥処理ユニットSD1に搬送される。洗浄乾燥処理部162の洗浄乾燥処理ユニットSD1において洗浄および乾燥処理が行われた基板Wは、搬送機構142により載置兼冷却部P−CP(図5)に搬送される。
【0200】
搬送機構146(図5)により基板載置部PASS9に載置された露光処理後の基板Wは、搬送機構142(図15)により上段熱処理部303の熱処理ユニットPHPおよび下段熱処理部304の熱処理ユニットPHPに搬送される。
【0201】
このように、第1の変形例においては、洗浄乾燥処理部161,162の両方で露光処理前の基板Wの洗浄および乾燥処理が行われる。それにより、露光処理前の基板Wの洗浄および乾燥処理の効率が向上する。したがって、露光処理後の洗浄および乾燥処理を行う必要がない場合において、より迅速に多量の基板Wを処理することが可能になる。
【0202】
なお、露光処理前の基板Wの洗浄および乾燥処理時には、上記のように、基板Wの裏面および端部の洗浄処理を行うことがある。その場合、処理時間が長くなり、スループットが低下する。
【0203】
そこで、本例のように、洗浄乾燥処理部161,162の両方で露光処理前の基板Wの洗浄および乾燥処理を行うことにより、処理時間の増加によるスループットの低下を抑制することができる。
【0204】
また、第1の変形例において、搬送機構142による露光処理前の基板Wの搬送時にはハンドH5,H6の一方が用いられ、搬送機構142による露光処理後の基板Wの搬送時にはハンドH5,H6の他方が用いられてもよい。この場合、搬送機構142を介して露光処理前の基板Wと露光処理後の基板Wとが間接的に接触することが防止される。それにより、露光処理前の基板Wと露光処理後の基板Wとの間のクロスコンタミネーションを防止することができる。
【0205】
(10−2)第2の変形例
第2の変形例について、上記実施の形態と異なる点を説明する。図16は、第2の変形例における洗浄乾燥処理ブロック14Aの内部構成を示す図である。なお、図16は、洗浄乾燥処理ブロック14Aを+X方向側から見た図である。
【0206】
図16に示すように、第2の変形例では、洗浄乾燥処理部161,162の両方に複数(本例では5つ)の洗浄乾燥処理ユニットSD2が設けられる。
【0207】
図16の洗浄乾燥処理ブロック14Aにおける基板Wの搬送経路の一例について、図5および図16を主に用いて説明する。
【0208】
搬送機構137,138(図5)により載置兼バッファ部P−BF1,P−BF2に載置されたエッジ露光後の基板Wは、搬送機構141,142(図16)により載置兼冷却部P−CP(図5)に搬送される。
【0209】
搬送機構146(図5)により基板載置部PASS9に載置された露光処理後の基板Wは、搬送機構141(図16)により洗浄乾燥処理部161の洗浄乾燥処理ユニットSD2に搬送される、または搬送機構142により洗浄乾燥処理部162の洗浄乾燥処理ユニットSD2に搬送される。
【0210】
洗浄乾燥処理部161の洗浄乾燥処理ユニットSD2において洗浄および乾燥処理が行われた基板Wは、搬送機構141により基板載置部PASS9(図5)に搬送される。基板載置部PASS9に搬送された基板Wは、搬送機構142(図16)により上段熱処理部303の熱処理ユニットPHPまたは下段熱処理部304の熱処理ユニットPHPに搬送される。
【0211】
洗浄乾燥処理部162の洗浄乾燥処理ユニットSD2において洗浄および乾燥処理が行われた基板Wは、搬送機構142により上段熱処理部303または下段熱処理部304の熱処理ユニットPHPに搬送される。
【0212】
このように、第2の変形例においては、洗浄乾燥処理部161,162の両方で露光処理後の基板Wの洗浄および乾燥処理が行われる。それにより、露光処理後の基板Wの洗浄および乾燥処理の効率が向上する。したがって、露光処理前の洗浄および乾燥処理を行う必要がない場合において、より迅速に多量の基板Wを処理することが可能になる。
【0213】
また、第2の変形例において、搬送機構141による露光処理前の基板Wの搬送時にはハンドH3,H4の一方が用いられ、搬送機構141による露光処理後の基板Wの搬送時にはハンドH3,H4の他方が用いられ、搬送機構142による露光処理前の基板Wの搬送時にはハンドH5,H6の一方が用いられ、搬送機構142による露光処理後の基板Wの搬送時にはハンドH5,H6の他方が用いられてもよい。この場合、露光処理前の基板Wと露光処理後の基板Wとが搬送機構141,142を介して間接的に接触することが防止される。それにより、露光処理前の基板Wと露光処理後の基板Wとの間のクロスコンタミネーションを防止することができる。
【0214】
(10−3)第3の変形例
第3の変形例について、上記実施の形態と異なる点を説明する。図17は、第3の変形例における洗浄乾燥処理ブロック14Aの内部構成を示す図である。なお、図17は、洗浄乾燥処理ブロック14Aを+X方向側から見た図である。
【0215】
図17に示すように、第3の変形例では、洗浄乾燥処理部161に複数(本例では4つ)の洗浄乾燥処理ユニットSD1が設けられ,洗浄乾燥処理部162に1または複数(本例では1つ)の洗浄乾燥処理ユニットSD1および複数(本例では4つ)の洗浄乾燥処理ユニットSD2が設けられる。
【0216】
この洗浄乾燥処理ブロック14Aにおける基板Wの搬送経路の一例について、図5および図17を主に用いて説明する。
【0217】
搬送機構137,138(図5)により載置兼バッファ部P−BF1,P−BF2に載置されたエッジ露光後の基板Wは、搬送機構141により(図17)洗浄乾燥処理部161の洗浄乾燥処理ユニットSD1に搬送される、または搬送機構142により洗浄乾燥処理部162の洗浄乾燥処理ユニットSD1に搬送される。
【0218】
洗浄乾燥処理部161の洗浄乾燥処理ユニットSD1において洗浄および乾燥処理が行われた基板Wは、搬送機構141により載置兼冷却部P−CP(図5)に搬送される。また、洗浄乾燥処理部162(図17)の洗浄乾燥処理ユニットSD1において洗浄および乾燥処理が行われた基板Wは、搬送機構142により載置兼冷却部P−CP(図5)に搬送される。
【0219】
搬送機構146(図5)により基板載置部PASS9に載置された露光処理後の基板Wは、搬送機構142(図17)により洗浄乾燥処理部162の洗浄乾燥処理ユニットSD2に搬送される。洗浄乾燥処理部162の洗浄乾燥処理ユニットSD2において洗浄および乾燥処理が行われた基板Wは、搬送機構142により上段熱処理部303または下段熱処理部304の熱処理ユニットPHP(図17)に搬送される。
【0220】
このように、第3の変形例においては、洗浄乾燥処理部161,162の両方で露光処理前の基板Wの洗浄および乾燥処理が行われるとともに、洗浄乾燥処理部162で露光処理後の基板Wの洗浄および乾燥処理が行われる。
【0221】
上記のように、露光処理前の基板Wの洗浄および乾燥処理時に基板Wの裏面および端部の洗浄処理を行う場合、その処理時間が長くなる。それにより、露光処理前の基板Wの洗浄および乾燥処理に要する時間が、露光処理後の基板Wの洗浄および乾燥処理に要する時間よりも長くなる。そこで、本例のように、洗浄乾燥処理ユニットSD1の数を洗浄乾燥処理ユニットSD2の数よりも多くすることにより、効率よく露光処理前および露光処理後の基板Wの洗浄および乾燥処理を行うことができる。
【0222】
また、基板Wの裏面および端部の洗浄処理を行うための機構を洗浄乾燥処理ユニットSD1に設けると、洗浄乾燥処理ユニットSD1が大型化する。そのため、多くの洗浄乾燥処理ユニットSD1を洗浄乾燥処理部161に設置することができなくなる。そこで、洗浄乾燥処理部162にも洗浄乾燥処理ユニットSD1を設けることにより、十分な数の洗浄乾燥処理ユニットSD1を確保することができる。
【0223】
また、第3の変形例において、搬送機構142による露光処理前の基板Wの搬送時にはハンドH5,H6の一方が用いられ、搬送機構142による露光処理後の基板Wの搬送時にはハンドH5,H6の他方が用いられてもよい。この場合、露光処理前の基板Wと露光処理後の基板Wとが搬送機構142を介して間接的に接触することが防止される。それにより、露光処理前の基板Wと露光処理後の基板Wとの間のクロスコンタミネーションを防止することができる。
【0224】
(10−4)他の変形例
洗浄乾燥処理ユニットSD1,SD2の代わりに他のユニットが設けられてもよい。例えば、露光処理の前後における基板Wの端部の汚染の有無を検査するためのユニットが設けられてもよく、または露光処理の前後における基板W上の膜の状態を検査するためのユニットが設けられてもよい。
【0225】
(11)請求項の各構成要素と実施の形態の各要素との対応
以下、請求項の各構成要素と実施の形態の各要素との対応の例について説明するが、本発明は下記の例に限定されない。
【0226】
上記実施の形態では、基板処理装置100が基板処理装置の例であり、露光装置15が露光装置の例であり、第1および第2の処理ブロック12,13が処理部の例であり、インターフェイスブロック14が受け渡し部の例であり、塗布処理ユニット129が成膜装置の例であり、搬送機構137,138が第1の搬送機構の例であり、搬送機構141,142が第2の搬送機構の例であり、載置兼バッファ部P−BF1,P−BF2が載置バッファの例であり、支持ピン93が支持部の例であり、現像処理ユニット139が現像装置の例であり、制御部114が制御部の例であり、塗布処理室21,22,32、現像処理室31および上段搬送室125,135が上段処理室の例であり、塗布処理室23,24,34、現像処理室33および下段搬送室126,136が下段処理室の例であり、載置兼バッファ部P−BF1が上段処理室用載置バッファの例であり、載置兼バッファ部P−BF2が下段処理室用載置バッファの例であり、搬送機構137が第1の搬送装置の例であり、搬送機構138が第2の搬送装置の例である。
【0227】
また、インデクサブロック11が搬入搬出部の例であり、搬送機構115が第3の搬送機構の例であり、キャリア載置部111が容器載置部の例であり、キャリア113が収容容器の例であり、搬送機構141が第3の搬送装置の例であり、搬送機構142が第4の搬送装置の例であり、X方向が第1の方向の例であり、フレーム911,912が一対のフレームの例である。
【0228】
また、搬送機構137,138のハンドH1,H2が第1の基板保持部の例であり、搬送機構141のハンドH3,H4が第2の基板保持部の例であり、搬送機構142のハンドH5,H6が第3の基板保持部の例であり、搬送機構146のハンドH7,H8が第4の基板保持部の例であり、洗浄乾燥処理部161が第1の処理領域の例であり、洗浄乾燥処理部162が第2の処理領域の例であり、洗浄乾燥処理ブロック14Aが処理用ブロックの例であり、搬入搬出ブロック14Bが搬入搬出用ブロックの例であり、基板載置部PASS9が載置部の例である。
【0229】
請求項の各構成要素として、請求項に記載されている構成または機能を有する他の種々の要素を用いることもできる。
【産業上の利用可能性】
【0230】
本発明は、種々の基板の処理に有効に利用することができる。
【符号の説明】
【0231】
12 第1の処理ブロック
13 第2の処理ブロック
14 インターフェイスブロック
14A 洗浄乾燥処理ブロック
14B 搬入搬出ブロック
15 露光装置
100 基板処理装置
127,128,137,138,141,142,146 搬送機構
161,162 洗浄乾燥処理部
P−BF1,P−BF2 載置兼バッファ部
SD1,SD2 洗浄乾燥処理ユニット
W 基板
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17