(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1に記載された従来技術では、制御ユニット(91)がエアクリーナ(83)の上側の取付座面(83c)に取り付けられ、その上方に燃料タンク(13)が設けられていたので、制御ユニット(91)の高さ分だけ燃料タンク(13)の位置が高くなっており、走行時等に乗車姿勢を自由に取ることが困難になっていた。
【0007】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、走行時等における乗車姿勢の自由度を損なうことなく、制御ユニットを効果的に冷却することができる、自動二輪車を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本発明の自動二輪車は、エンジンと、前記エンジンに供給される空気の流路を構成し
、前記エンジンの上方に配置されるエアクリーナボックスと、前記空気を浄化するフィルタとを有するエアクリーナと、前記エアクリーナボックスの上方に配置され、前記エンジンに供給される燃料を収容する燃料タンクと、前記エンジンを制御する制御ユニットと
、を備え、
前記エアクリーナは、後方に進むにつれて車幅方向寸法に大きくなっており、前部に形成された吸気口と、前記吸気口から前記流路に取り込まれた空気が導かれる排気口とを有し、前記制御ユニットは
、前記エアクリーナボックスの
前側における車両左右方向のいずれかの側面に設けられている。
【0009】
この構成では、制御ユニットがエアクリーナボックスの側面に設けられているので、エアクリーナボックスとその上方に配置される燃料タンクとの隙間を小さくして、燃料タンクの高さを低く抑えることが可能であり、走行時等における乗車姿勢の自由度を向上することができる。また、エアクリーナボックスの内部には空気が流れるので、制御ユニットの周囲の熱を当該空気を媒体として効率よく放散させることができる。
【0010】
前記エアクリーナボックスには、前記制御ユニットを収容する制御ユニット収容部が一体的に形成されていてもよい。
【0011】
この構成では、エアクリーナボックスの側面に制御ユニット収容部が一体的に形成されているので、エアクリーナボックスの内面と制御ユニット収容部の内面との間で熱を効率よく伝達することが可能であり、制御ユニットの周囲の熱を、エアクリーナボックスの内部を流れる空気を媒体としてより効率よく放散させることができる。
【0012】
前記制御ユニットから前記エアクリーナボックスの下方に向けてワイヤーハーネスが導かれており、前記ワイヤーハーネスは、前記制御ユニットと前記エンジンとを接続する電線を含んでいてもよい。
【0013】
ワイヤーハーネスは、複数の電線の束(電線束)であることから、これを自由に湾曲させることが困難であり、湾曲配線する際の曲率には限度がある。そのため、制御ユニットをエアクリーナボックスの上面に配置した場合(特許文献1)には、制御ユニットからエアクリーナボックスの下方に向けてワイヤーハーネスを導こうとすると、無理な配線を避けるために設計の自由が著しく損なわれる。この点、上記構成では、制御ユニットがエアクリーナボックスの側面に設けられているので、ワイヤーハーネスをエアクリーナボックスの下方に向けて円滑に導くことができる。
【0014】
前記制御ユニットは、各種の電子部品を含むユニット本体を有しており、前記ユニット本体が防振ケースに収容されていてもよい。
【0015】
この構成では、防振ケースによってユニット本体に伝わる振動を吸収することができるので、ユニット本体の電子部品を振動から保護することができる。
【0016】
前記防振ケースの外面および前記制御ユニット収容部の内面の少なくとも一方には、他方に当接する突部が形成されていてもよい。
【0017】
この構成では、防振ケースの外面と制御ユニット収容部の内面との隙間に突部が位置しているので、制御ユニット収容部の内部で防振ケースを固定することが可能であり、防振ケース自体の振動を抑制して、ユニット本体に伝わる振動をより効果的に吸収することができる。また、制御ユニット収容部に防振ケースを挿入する場合には、制御ユニット収容部と防振ケースとの接触面積を突部によって小さくすることができるので、挿入抵抗を低減して挿入作業の手間を軽減することができる。
【0018】
前記ワイヤーハーネスの端部には、コネクタが設けられており、前記制御ユニットは、前記コネクタが接続される接続部を有しており、前記接続部に接続された前記コネクタがコネクタカバーで覆われていてもよい。
【0019】
この構成では、コネクタがコネクタカバーで覆われているので、コネクタを接続部から離脱させることは容易ではなく、制御ユニットの取り外しが困難であることから、盗難を効果的に防止することができる。
【0020】
前記コネクタまたは前記制御ユニットは、互いの係止を解除する係止解除部を有しており、前記係止解除部が前記コネクタカバーで覆われていてもよい。
【0021】
この構成では、係止解除部がコネクタカバーで覆われているので、制御ユニットの取り外しがさらに困難であり、盗難をより効果的に防止することができる。
【0022】
前記防振ケースおよび前記コネクタカバーは、制御ユニットケースとして一体的に形成されていてもよい。
【0023】
この構成では、防振ケースおよびコネクタカバーを同じ材料で簡単に形成することができる。
【0024】
前記コネクタカバーの前記係止解除部を覆う部分が前記制御ユニット収容部でさらに覆われていてもよい。
【0025】
この構成では、係止解除部がコネクタカバーだけでなく、制御ユニット収容部でも覆われているので、盗難をさらに効果的に防止することができる。
【0026】
前記制御ユニット収容部の内面には、前記コネクタカバーを係止して当該内面に対する平行方向への前記コネクタカバーの移動を阻止する移動阻止部または移動阻止部材が設けられていてもよい。
【0027】
この構成では、制御ユニット収容部の内面に設けられた移動阻止部または移動阻止部材によってコネクタカバーの移動を阻止することができるので、コネクタカバーの離脱を防止することができる。
【0028】
前記制御ユニット収容部の下端部には、前記制御ユニットが挿入される挿入口が形成されていてもよい。
【0029】
この構成では、制御ユニット収容部の下端部に形成された挿入口からワイヤーハーネスを引き出すことができるので、ワイヤーハーネスをエアクリーナボックスの下方に向けて円滑に導くことができる。
【0030】
前記防振ケースは、前記制御ユニット収容部の内部に前記制御ユニットと共に前記挿入口から挿入されており、前記防振ケースの外面には、挿入時に前記移動阻止部が通る溝が挿入方向に延びて形成されていてもよい。
【0031】
この構成では、防振ケースの外面に形成された溝に移動阻止部を通すことができるので、防振ケースと移動阻止部との摩擦抵抗を軽減することが可能であり、制御ユニット収容部に対する防振ケースの挿入作業を容易に行うことができる。
【0032】
前記エンジンを搭載するフレームをさらに備えており、前記挿入口は、前記フレームにおける前記挿入口に近接して位置する部分の上端部よりも下方に位置していてもよい。
【0033】
この構成では、窃盗者が挿入口から制御ユニットにアクセスするのをフレームによって阻止することができる。
【0034】
前記制御ユニット収容部の上端部には、前記制御ユニットが挿入される挿入口が形成されており、前記挿入口が前記燃料タンクで覆われていてもよい。
【0035】
この構成では、窃盗者が挿入口から制御ユニットにアクセスするのを燃料タンクによって阻止することができる。
【0036】
前記エンジンは、前記燃料タンクから与えられた燃料を燃焼させる複数の燃焼室と、前記複数の燃焼室のそれぞれに対応して設けられた弁機構と、前記弁機構のそれぞれを開閉するカム機構と、前記カム機構に動力を伝達する動力機構と、前記複数の燃焼室からなる燃焼室列における列方向の一方側に設けられ、前記動力機構を収容する動力機構収容部とを有しており、前記エンジンの上方に前記エアクリーナボックスが配置されており、前記動力機構収容部の上方には、前記流路が存在しない非流路領域が構成されており、前記制御ユニットの少なくとも一部は、前記非流路領域に配置されていてもよい。
【0037】
エンジンの上方にエアクリーナボックスを配置する場合には、複数の燃焼室の上方に空気の流路を構成することが最も合理的であり、燃焼室列における列方向の一方側に設けられた動力機構収容部の上方には、流路が存在しない非流路領域を広く確保することができる。上記構成では、非流路領域に制御ユニットの少なくとも一部を配置するようにしているので、非流路領域を有効に利用することができる。
【発明の効果】
【0038】
以上の説明から明らかなように、本発明によれば、燃料タンクの位置が高くなるのを防止しつつ、制御ユニットを効果的に冷却することができる。したがって、運転者の姿勢が燃料タンクによって大きく制限されるのを防止することが可能であり、走行時等における乗車姿勢の自由度を向上することができる。
【発明を実施するための形態】
【0040】
以下、本発明に係る実施形態を図面を参照しながら説明する。なお、以下の説明で用いる方向の概念は、自動二輪車に搭乗した運転者から見た方向を基準とする。
【0041】
(第1実施形態)
[自動二輪車の全体構成]
図1は、第1実施形態に係る自動二輪車10の全体構成を示す右側面図である。
図1に示すように、自動二輪車10は、フレーム12と、フレーム12の前部に設けられたヘッドパイプ14と、フレーム12の後部に設けられた左右一対のピボットフレーム16とを備えており、ヘッドパイプ14には、ステアリングシャフト(図示省略)が回転自在に挿通されており、当該ステアリングシャフトには、フロントフォーク18およびハンドル20が取り付けられている。また、ピボットフレーム16には、左右一対のスイングアーム22が取り付けられており、フロントフォーク18の下端部には、前輪24が取り付けられており、スイングアーム22の後端部には、後輪26が取り付けられている。そして、フレーム12の中央部には、エンジンEが搭載されており、エンジンEの上方には、エンジンEに供給される燃料を収容する燃料タンク28および運転者が跨るシート30が前後に並んで配置されている。さらに、エンジンEの上方であって、かつ、燃料タンク28の下方には、エアクリーナ32が配置されており、エアクリーナ32の側面には、制御ユニット(ECU;Electric Control Unit)34が設けられている。
【0042】
[エンジンの構成]
図2は、エンジンEの構成を示す拡大右側面図であり、
図3は、シリンダヘッド40の内部構造を模式的に示す平面図である。また、
図4は、自動二輪車10における主要部(エンジンEを含む。)の位置関係を模式的に示す平面図である。
【0043】
図2に示すように、エンジンEは、シリンダヘッド40と、シリンダブロック42と、クランクケース44と、オイルパン46とを備えており、シリンダヘッド40の内部には、燃料を燃焼させる複数(本実施形態では4個)の燃焼室48が構成されており、シリンダブロック42の内部には、上記燃料の燃焼によって往復駆動されるピストン50が収容されており、クランクケース44の内部には、ピストン50によって回転駆動されるクランクシャフト52が収容されている。また、シリンダヘッド40の近傍には、スロットル装置54が配置されており、スロットル装置54の出口が燃焼室48の吸気ポートに接続されるとともに、スロットル装置54の入口がダクト(図示省略)を介してエアクリーナ32の排気口144(
図4)に接続されている。さらに、スロットル装置54には、燃料を噴射するインジェクタ56が設けられており、インジェクタ56、点火装置の点火プラグ(図示省略)、およびスロットル弁の駆動モータ(図示省略)等と制御ユニット34とがワイヤーハーネス58を構成する電線58a(
図5、
図7)を介して電気的に接続されている。
【0044】
図3に示すように、シリンダヘッド40の内部において、複数の燃焼室48は左右方向に直線状に並んで燃焼室列Lを構成しており、複数の燃焼室48のそれぞれには、弁機構60が設けられており、燃焼室48の上方には、弁機構60を開閉するカム機構62が配設されている。カム機構62は、2本のカムシャフト62aを有しており、カムシャフト62aの一方端部には、スプロケット62bが設けられている。また、燃焼室列Lにおける列方向の一方側(本実施形態では右側)には、「動力機構収容部」としてのカムチェーントンネル64が上下方向に延びて設けられており、カムチェーントンネル64の内部には、クランクシャフト52(
図2)の回転力をカムシャフト62aに伝達する「動力機構」としてのカムチェーン66が収容されており、このカムチェーン66が、クランクシャフト52に設けられたスプロケット52a(
図2)とカムシャフト62aに設けられたスプロケット62bとに巻き掛けられている。したがって、エンジンEを平面視したときには、燃焼室列Lの前後方向に延びる中心線Q2は、エンジンEの全体(カムチェーントンネル64を含む。)の前後方向に延びる中心線Q1よりもカムチェーントンネル64とは反対側に偏っている。
【0045】
図4に示すように、フレーム12は、左右一対のフレーム部12aおよび12bを有しており、エンジンEは、その中心線Q1(
図3)がフレーム12の前後方向に延びる中心線Q3と一致するようにして、フレーム12の下方に配置されている。そして、エンジンEの上方におけるフレーム部12a,12bの間には、エアクリーナ32が配置されており、エアクリーナ32の上方には、これを覆うようにして燃料タンク28が配置されている。したがって、エンジンEおよびフレーム12を平面視したときには、燃焼室列Lの中心線Q2は、フレーム12の中心線Q3よりもカムチェーントンネル64とは反対側に偏っており、エンジンEの上方に配置されるエアクリーナ32においては、その内部の流路Rを、フレーム12の中心線Q3よりもカムチェーントンネル64とは反対側に偏って構成することができる。したがって、カムチェーントンネル64の上方においては、流路Rが存在しない非流路領域S(
図4中の斜線で示した領域)を広く確保することが可能であり、本実施形態では、カムチェーントンネル64の上方に位置する非流路領域Sを利用して、制御ユニット34を配置するようにしている。
【0046】
なお、本実施形態では、「動力機構」としてカムチェーン66が用いられているが、「動力機構」の形式は、「チェーン方式」に限定されるものではなく、「ベベルギア方式」や「ギアトレイン方式」が用いられてもよい。この場合、「動力機構収容部」の構成も、「動力機構」の形式に適するように変更されてもよい。また、フレーム12の種類も、特に限定されるものではなく、「ツインチューブ型」および「モノコック型」等が適宜用いられてもよい。したがって、フレーム12の種類によっては、フレーム部12aおよび12bが存在しない場合があるが、その場合でも、非流路領域Sを利用して制御ユニット34を配置することは可能である。
【0047】
[制御ユニットの構成]
図5は、自動二輪車10における制御ユニット34およびコネクタ70の構成を示す斜視図であり、
図7は、制御ユニットケース72に制御ユニット34を収容する工程を示す斜視図である。
【0048】
図5および
図7に示すように、制御ユニット34は、各種のセンサ(図示省略;クランク角センサ、スロットル開度センサ、変速ギア位置センサ、吸気圧センサ、温度センサ等)や他の電気部品から与えられた信号に基づいてエンジンEや他の装置の動作を制御するものであり、各種の電子部品(図示省略;CPU、ROM、RAM等)を含むユニット本体74と、コネクタ70が接続される2つの接続部76とを有している。
【0049】
ユニット本体74は、略四角形の板状の第1部分78と、第1部分78の上方に位置する略四角形の板状の第2部分80とを有しており、第1部分78の下端面には、2つの接続部76が左右に並んで配設されている。また、第1部分78の厚さは、第2部分80の厚さよりも厚く設計されており、これにより、ユニット本体74における厚さ方向の一方側の第1表面74aには、第1部分78と第2部分80との間に段差82が構成されている。一方、ユニット本体74における厚さ方向の他方側の第2表面74bでは、第1部分78と第2部分80とが段差なく平坦に連続しており、この第2表面74bがエアクリーナ32側に向けられている。そして、第1部分78の下端部における幅方向の両端面には、後述する第2係止部90に係止される第1係止部84が形成されている。
【0050】
接続部76は、コネクタ70が嵌合される突起状の嵌合突部86を有しており、嵌合突部86の内部には、ユニット本体74の各種の電子部品に電気的に接続された複数の第1端子(図示省略)が設けられている。
【0051】
コネクタ70は、複数の電線58aの束であるワイヤーハーネス58の端部を覆う端部カバー88を有しており、端部カバー88の先端部には、接続部76の嵌合突部86に嵌合される嵌合部(図示省略)が形成されている。そして、端部カバー88の内部には、複数の電線58aのそれぞれに電気的に接続された複数の第2端子(図示省略)が設けられている。また、端部カバー88における幅方向の一方端面には、第1係止部84に係止される第2係止部90と、第1係止部84と第2係止部90との係止状態を解除する係止解除部92とが設けられている。
【0052】
図7に示すように、コネクタ70を制御ユニット34(接続部76)に接続する際には、コネクタ70の端部カバー88(嵌合部)を接続部76の嵌合突部86に嵌め合わせる。すると、嵌合突部86の内部の第1端子と端部カバー88の内部の第2端子とが接続されるとともに、第1係止部84と第2係止部90とが係止され、制御ユニット34(接続部76)とコネクタ70との間の離脱が防止される。制御ユニット34(接続部76)からコネクタ70を取り外す際には、手指または工具によって係止解除部92を押圧し、第1係止部84および第2係止部90の互いの係止を解除する。そして、その解除状態を保持しながら、接続部76からコネクタ70を引き離す。
【0053】
なお、係止解除部92の解除方式は、特に限定されるものではなく、本実施形態の「押圧解除方式」の他、係止部を回動させることで解除する「回動解除方式」等が用いられてもよい。また、係止解除部92は、必ずしもコネクタ70に設けられる必要はなく、制御ユニット34(ユニット本体74または接続部76)に設けられてもよい。
【0054】
[制御ユニットケースの構成]
図6は、制御ユニットケース72の構成を示す斜視図であり、
図7は、制御ユニットケース72に制御ユニット34を収容する工程を示す斜視図である。
【0055】
図6および
図7に示すように、制御ユニットケース72は、制御ユニット34およびコネクタ70を収容するものであり、制御ユニット34のユニット本体74を収容する防振ケース100と、コネクタ70を収容するコネクタカバー102とを有しており、本実施形態では、防振ケース100およびコネクタカバー102が、ゴムおよびエラストマ等のようなゴム弾性材料によって一体的に形成されている。
【0056】
防振ケース100は、ユニット本体74の内部に収容された各種の電子部品(図示省略)を振動から保護する等のために、ユニット本体74を隙間なく収容する部分である。本実施形態では、ユニット本体74(
図5)が略四角形の板状の第1部分78および第2部分80を有することから、これを隙間なく収容する防振ケース100は、第1部分78を収容する略四角形の箱状の第1部分104と、第2部分80を収容する略四角形の箱状の第2部分106とを有している。そして、防振ケース100における厚さ方向の一方側の第1表面100aには、第1部分104と第2部分106との間に段差108が構成されている。一方、防振ケース100における厚さ方向の他方側の第2表面100bでは、第1部分104と第2部分106とが段差なく平坦に連続しており、この第2表面100bがエアクリーナ32側に向けられている。そして、制御ユニットケース72の上端面(すなわち防振ケース100の上面)には、制御ユニット収容部110の係止孔112(
図10)に係止される少なくとも1つの係止突起114が上方に突出して形成されている。
【0057】
図8は、係止突起114と係止孔112との係止構造を示す断面図である。
図8に示すように、係止突起114は、制御ユニット収容部110の係止孔112に挿通され、制御ユニット収容部110の上面110aから上方に突出される突出部114aと、突出部114aの基端部に形成され、制御ユニット収容部110の上端部内面110bに当接される当接部114bと、突出部114aの長さ方向中央部の外周部に形成され、上面110aに係止される係止部114cとを有している。そして、突出部114aの外径は、係止孔112に対して突出部114aを容易に挿通させることができるように、係止孔112の内径とほぼ同じサイズか、それよりも小さく設計されており、当接部114bの外径は、上端部内面110bに対して当接部114bを当接させることができるように、係止孔112の内径よりも大きく設計されている。また、係止部114cの下端部の外径は、上面110aに対して係止部114cを係止させることができるように、係止孔112の内径よりも大きく設計されており、係止部114cの外周面は、係止孔112に対して係止部114cを容易に挿通させることができるように、突出部114aの先端側に向かうにつれて縮径するテーパ状に形成されている。
【0058】
図6および
図7に示すように、コネクタカバー102は、制御ユニット34の接続部76に接続された2つのコネクタ70を覆うものであり、略四角形の筒状体をその軸に平行な分割面で分割した形状を有する第1カバー部120および第2カバー部122を備えている。第1カバー部120は、防振ケース100の下端部における第1表面100a側の端縁100cにおいて防振ケース100に連結されており、第2カバー部122は、防振ケース100の下端部における第2表面100b側の端縁100dにおいて防振ケース100に連結されており、これにより、第1カバー部120および第2カバー部122は、端縁100cおよび端縁100dにおいて開閉可能になっている。したがって、防振ケース100に対して制御ユニット34を着脱したり、防振ケース100に収容された制御ユニット34(接続部76)に対してコネクタ70を着脱したりする際には、
図7に示すように、第1カバー部120および第2カバー部122を開くことによって、コネクタカバー102を着脱作業の邪魔にならない位置まで移動させることが可能であり、作業効率を向上することができる。
【0059】
なお、本実施形態では、防振ケース100とコネクタカバー102とが一体的に形成されているが、これらは、互いに独立した部品として別々に形成されてもよく、その場合には、コネクタカバー102がゴム弾性材料とは異なる材料で形成されてもよい。
【0060】
[エアクリーナの構成]
図9は、エアクリーナ32の構成を示す斜視図である。また、
図10は、エアクリーナ32に対する制御ユニット34の取付構造を示す断面図であり、
図10(A)は当該取付構造を制御ユニット34の幅方向に延びる切断線で切断したときの断面図、
図10(B)は当該取付構造を制御ユニット34の厚さ方向に延びる切断線で切断したときの断面図である。なお、エアクリーナ32と他の構成部品との位置関係を把握する際には、
図4が参考になる。
【0061】
図9および
図4に示すように、エアクリーナ32は、エンジンEに供給される空気の流路Rを構成するエアクリーナボックス130と当該空気を浄化するフィルタ132とを有している。エアクリーナボックス130は、合成樹脂等からなる下側ケース134および上側ケース136(
図9)を有しており、これらが固定ねじ(図示省略)等を用いて分割可能に接合されている。
【0062】
図9に示すように、下側ケース134は、底板部138と、底板部138の周縁部から上方に延びて形成された側壁部140とを有しており、底板部138の前部には、少なくとも1つ(本実施形態では1つ)の吸気口142が形成されており、底板部138の後部には、複数(本実施形態では4つ)の排気口144が形成されている。また、側壁部140の一部には、制御ユニット34を収容する制御ユニット収容部110の下部(以下、「下側収容部」という。)146が一体的に形成されている。そして、吸気口142に対してフィルタ132が取り付けられている。一方、
上側ケース136は、天板部148と、天板部148の周縁部から下方に延びて形成された側壁部150とを有しており、側壁部150の一部には、制御ユニット34を収容する制御ユニット収容部110の上部(以下、「上側収容部」という。)152が一体的に形成されている。天板部148においては、中央部の高さが前部および後部の高さよりも高く設計されており、これにより、吸気口142から流路R内に取り込まれた空気を、排気口144へ円滑に導くことができる。
【0063】
図10に示すように、制御ユニット収容部110は、下側収容部146および上側収容部152を互いに接合することによって構成されている。下側収容部146は、コネクタ70およびコネクタ70を収容した制御ユニットケース72の下部(コネクタカバー102)を収容する部分であり、下側収容部146の内周面は、制御ユニットケース72の下部を隙間なく収容できるように、当該下部の外周面と同じ形状(本実施形態では四角形)に形成されている。また、下側収容部146の下端部には、制御ユニットケース72、制御ユニット34およびコネクタ70の集合体(以下、単に「集合体」という。)Wが挿入される挿入口154が、下方に開口して形成されており、下側収容部146の上端部には、上側収容部152が接続される接続口156が形成されている。そして、下側収容部146の下端部内面146aには、少なくとも1つ(本実施形態では4個)の移動阻止部158が一体的に形成されている。
【0064】
移動阻止部158は、コネクタカバー102を係止して、下端部内面146aに対する平行方向(本実施形態では下方向)へのコネクタカバー102の移動を阻止するものであり、本実施形態では、下端部内面146aから突出する突起状に形成されている。移動阻止部158の側面158aは、上方に向かうにつれて内側に出っ張るように傾斜して形成されており、移動阻止部158の上端面158bは、コネクタカバー102の下端面に対して平行に形成されている。したがって、
図11に示すように、集合体Wを制御ユニット収容部110に収容する際には、制御ユニット34およびコネクタ70を収容した制御ユニットケース72を、挿入口154から移動阻止部158の側面158aに沿って滑らせながら制御ユニット収容部110に挿入することが可能であり、挿入後には、移動阻止部158の上端面158b(
図10(A))がコネクタカバー102の下端面を係止することによって、制御ユニットケース72の離脱を防止することができる。
【0065】
一方、上側収容部152は、制御ユニット34と制御ユニットケース72の下部を除いた部分とを収容する部分であり、上側収容部152の内周面は、制御ユニットケース72の下部を除いた部分を隙間なく収容できるように、当該部分の外周面と同じ形状(本実施形態では段差160を有する形状)に形成されている。また、上側収容部152の下端部には、下側収容部146が接続される接続口162が形成されている。そして、上側収容部152の上端部には、天板部164が形成されており、天板部164には、係止突起114が挿通される係止孔112が形成されている。さらに、上側収容部152における段差160よりも上方に位置する部分には、窓166が形成されており、制御ユニット収容部110に収容された制御ユニットケース72の一部が窓166から外部に露出されるようになっている。
【0066】
[制御ユニットの収容方法]
図11は、制御ユニットケース72、制御ユニット34およびコネクタ70(すなわち集合体W)を制御ユニット収容部110に収容する工程を示す斜視図である。
【0067】
制御ユニット34をエアクリーナボックス130の側面に設ける際には、まず、
図9に示すように、下側ケース134および上側ケース136を接合することによってエアクリーナボックス130を構成し、これによりエアクリーナボックス130の側面に制御ユニット収容部110を構成する。また、
図7に示すように、制御ユニットケース72に制御ユニット34を収容するとともに、制御ユニット34の接続部76にコネクタ70を接続し、制御ユニットケース72と、制御ユニット34と、コネクタ70とを備える集合体Wを構成する。続いて、
図11に示すように、制御ユニット収容部110の下端部に形成された挿入口154から集合体Wを挿入し、集合体Wの上端部に位置する係止突起114を係止孔112に挿入する。
【0068】
集合体Wの挿入時には、移動阻止部158が挿入抵抗となるが、移動阻止部158の側面158aは、上方に向かうにつれて内側に出っ張るように傾斜しており、しかも、制御ユニットケース72は、ゴム弾性材料で形成されているので、制御ユニットケース72を移動阻止部158で弾性変形させながら容易に挿入することができる。また、
図8に示すように、係止突起114における突出部114aの外径は、係止孔112の内径とほぼ同じサイズか、それよりも小さく設計されているので、集合体Wを挿入する圧力で突出部114aを係止孔112に挿通させることが可能である。そして、突出部114aが制御ユニット収容部110の上面110aから上方に突出した後は、当該突出部114aを手指または工具で掴んで引っ張ることができるので、係止部114cの下端部の外径が係止孔112の内径よりも大きいにもかかわらず、係止部114cを係止孔112に簡単に通すことができる。
【0069】
制御ユニット収容部110に対する集合体Wの収容が完了すると、エアクリーナボックス130をエンジンEの上方であって、かつ、フレーム部12a,12bの間に配置し、これをボルト等を用いてフレーム12に固定する。また、制御ユニット収容部110の挿入口154から引き出されたワイヤーハーネス58を、エアクリーナボックス130の下方に向けて導き、ワイヤーハーネス58を構成する複数の電線58aの一部を、エンジンE(インジェクタ56等)に接続されるように配線する。そして、吸気口142に吸気ダクト172(
図2)を接続するとともに、排気口144にダクト(図示省略)を介してスロットル装置54を接続し、エアクリーナボックス130を覆うようにして、エアクリーナボックス130の上方に燃料タンク28を配設する。
【0070】
[第1実施形態の効果]
図9に示すように、本実施形態では、エアクリーナボックス130の側面に制御ユニット収容部110が一体的に形成されているので、制御ユニット34を制御ユニット収容部110に収容した状態では、制御ユニット34がエアクリーナボックス130の側面に配置される。したがって、エアクリーナボックス130とその上方に位置する燃料タンク28との隙間を小さくして、燃料タンク28の高さを低く抑えることが可能であり、自動二輪車10全体の重心が不所望に高くなるのを防止して、走行時等における乗車姿勢の自由度を向上することができる。また、エアクリーナボックス130の内部の流路Rには空気が流れるので、制御ユニット34の周囲の熱を、当該空気とエアクリーナボックス130の側壁部140とを媒体として効率よく放散させることが可能であり、制御ユニット34の熱による誤動作を防止することができる。さらに、流路Rで発生する吸気音をエアクリーナボックス130の側面に設けられた制御ユニット34で遮断することができるので、騒音を抑制することができる。
【0071】
そして、エアクリーナボックス130の側面に制御ユニット34が設けられているので、制御ユニット34とその下方に位置するエンジンEとの距離を短くすることができる。したがって、制御ユニット34に接続されたワイヤーハーネス58をエンジンEに対して短距離で円滑に導くことが可能であり、設計の自由を向上することができる。また、制御ユニット34とエンジンEとを接続するワイヤーハーネス58の長さを短くして、通信効率の向上(すなわち電気的なロスの低減)を図りながら、自動二輪車10の車重を減らすことができる。さらに、制御ユニット34とエンジンEとの距離が短いことから、制御ユニット34とエンジンEとの接続を無線通信方式に改変した場合でも、高い通信効率を得ることができる。
【0072】
そして、ワイヤーハーネス58の端部にコネクタ70が設けられており、制御ユニット34の接続部76に接続されたコネクタ70が、係止解除部92と共にコネクタカバー102で覆われており、コネクタカバー102の係止解除部92を覆う部分が制御ユニット収容部110でさらに覆われているので、窃盗者が挿入口154から係止解除部92にアクセスするのを阻止することができる。また、制御ユニット収容部110の挿入口154は、フレーム12における挿入口154に近接して位置する部分の上端部よりも下方に位置しており、側面から見たときには挿入口154がフレーム12で覆われているので、窃盗者が挿入口154から制御ユニット34にアクセスするのをフレーム12によっても阻止することができる。
【0073】
(第2実施形態)
図12に示すように、第2実施形態に係る自動二輪車は、上述の制御ユニットケース72(
図6)に代えて、制御ユニットケース180を用いたものであり、他の部分は、第1実施形態に係る自動二輪車10と同様に構成されている。制御ユニットケース180は、制御ユニットケース72と同様に、防振ケース100およびコネクタカバー102を有しており、防振ケース100およびコネクタカバー102の少なくとも一方の外面には、制御ユニット収容部110への挿入時に移動阻止部158が通る少なくとも1つの溝182が挿入方向に延びて形成されている。
【0074】
したがって、第2実施形態では、制御ユニットケース180の外面と移動阻止部158との摩擦抵抗を軽減することが可能であり、制御ユニット収容部110に防振ケースを挿入する作業を容易に行うことができる。なお、移動阻止部158をコネクタカバー102に確実に係止させるためには、コネクタカバー102の下端部外面には、溝182が存在しない部分(すなわち係止部)182aを確保しておくことが望ましい。
【0075】
(第3実施形態)
図13に示すように、第3実施形態に係る自動二輪車は、上述の制御ユニットケース72(
図6)に代えて、制御ユニットケース184を用いたものであり、他の部分は、第1実施形態に係る自動二輪車10と同様に構成されている。制御ユニットケース184は、制御ユニットケース72と同様に、防振ケース100およびコネクタカバー102を有しており、少なくとも防振ケース100の外面には、制御ユニット収容部110の内面に当接する少なくとも1つの線状の突部(リブ)186が制御ユニットケース184の挿入方向に延びて形成されている。
【0076】
したがって、第3実施形態では、制御ユニット収容部110の内部で防振ケース100を確実に固定することが可能であり、防振ケース100の振動を抑制して、制御ユニット34(ユニット本体74)に伝わる振動をより効果的に吸収することができる。また、制御ユニット収容部110に防振ケース100を挿入する際には、制御ユニット収容部110と防振ケース100との接触面積を突部186によって小さくすることができるので、挿入抵抗を低減して挿入作業を容易に行うことができる。
【0077】
なお、突部186の形状は、特に限定されるものではなく、線状の他、点状であってもよい。また、突部186は、防振ケース100の外面に当接するようにして制御ユニット収容部110の内面に形成されてもよく、防振ケース100の外面および制御ユニット収容部110の内面の両方に形成されてもよい。
【0078】
(第4実施形態)
図14に示すように、第4実施形態に係る自動二輪車は、上述の制御ユニット収容部110の内面に、コネクタカバー102を係止して当該内面に対する平行方向(第4実施形態では下方向)へのコネクタカバー102の移動を阻止する移動阻止部材188を装着したものであり、他の部分は、第1実施形態に係る自動二輪車10と同様に構成されている。移動阻止部材188は、コネクタカバー102の下端面102aを係止する環状の第1係止部188aと、第1係止部188aと一体的に形成され、制御ユニット収容部110の内面に食い込んで係止される少なくとも1つの第2係止部188bとを有している。
【0079】
したがって、第4実施形態では、コネクタカバー102の離脱を移動阻止部材188によって確実に防止することができ、制御ユニット34の盗難をより効果的に防止することができる。なお、第1係止部188aの形状は、コネクタカバー102を係止可能である限り、特に限定されるものではなく、また、第2係止部188bの形状は、制御ユニット収容部110の内面に装着可能である限り、特に限定されるものではない。たとえば、第2係止部188bは、外周面に食い込み歯を有する筒状に形成されてもよく、第1係止部188aは、第2係止部188bから突出する突起状に形成されてもよい。
【0080】
(第5実施形態)
図15および
図16に示すように、第5実施形態に係る自動二輪車は、上述の制御ユニット収容部110に代えて、制御ユニット収容部190を形成するとともに、制御ユニットケース72、制御ユニット34およびコネクタ70(すなわち集合体W)を、コネクタ70を上側にして制御ユニット収容部190に収容したものであり、他の部分は、第1実施形態に係る自動二輪車10と同様に構成されている。つまり、第5実施形態では、制御ユニット収容部190の上端部に集合体Wが挿入される挿入口192が形成されており、当該挿入口192が燃料タンク28で覆われている。そして、挿入口192から引き出されたワイヤーハーネス58が、挿入口192と燃料タンク28との間を通してエアクリーナボックス130の下方に導かれており、複数の電線58aの一部がエンジンEに接続されている。
【0081】
したがって、第5実施形態では、窃盗者が挿入口192から制御ユニット34にアクセスするのを燃料タンク28によって阻止することが可能であり、制御ユニット34の盗難を効果的に防止することができる。また、ユニット収容部190の段差194で制御ユニットケース72の段差108を係止することによって、集合体Wの落下を防止することができるので、上述の移動阻止部158(
図10)や移動阻止部材188(
図14)に類似する構成を「落下防止」のために用いる必要はないが、「上下方向の振動防止」等のために当該類似する構成が用いられてもよい。
【0082】
(第6実施形態)
図17に示すように、第6実施形態に係る自動二輪車は、上述の制御ユニット収容部110および190(
図17では制御ユニット収容部110を例示している。)の一部を構成するエアクリーナボックス130の側壁に、通気孔200を形成するとともに、制御ユニットケース72の側壁に、通気孔200に連通する通気孔202を形成したものであり、他の部分は、第1実施形態および第5実施形態に係る自動二輪車と同様に構成されている。つまり、第6実施形態では、制御ユニット34の外面の一部が、通気孔200,202を介してエアクリーナボックス130の内部空間に露出している。
【0083】
したがって、第6実施形態では、制御ユニット34の外面の一部にエアクリーナボックス130内を流れる空気を直接当てて、制御ユニット34を効率よく冷却することができる。また、制御ユニットケース72は、ゴムおよびエラストマ等のようなゴム弾性材料で形成されているので、通気孔200,202の内周部の気密シールを制御ユニットケース72で行うことができ、他のシール部材を用いない簡単な構成で冷却効果を高めることができる。
【0084】
なお、通気孔200は、フィルタ132で浄化される前の空気を制御ユニット34の冷却に利用できることから、流路Rのダーティーサイド(すなわちフィルタ132より上流側)に配置されていることが望ましく、このような配置を実現するために、エアクリーナボックス130の形状や、フィルタ132の位置等が適宜変更されてもよい。また、通気孔200,202の形状、大きさ、数は、特に限定されるものではなく、制御ユニットケース72の上記気密シール機能を発揮できる範囲で適宜変更されてもよい。
【0085】
(他の実施形態)
上述の各実施形態では、エアクリーナボックス130がエンジンEの真上に配置されているが、エアクリーナボックス130とエンジンEとの位置関係は、特に限定されるものではなく、たとえば、エンジンEの後方にエアクリーナボックス130が配置されるとともに、エアクリーナボックス130の上方に燃料タンク28が配置されてもよい。
【0086】
また、上述の各実施形態では、制御ユニット34がエアクリーナボックス130の右側面に設けられているが、制御ユニット34の位置は、エアクリーナボックス130の側面(すなわち上面および下面を除いた面)であればよく、左側面、前側面および後側面のいずれかにおける非流路領域に制御ユニット34が設けられてもよい。
【0087】
さらに、上述の各実施形態では、制御ユニット34とエンジンEとがワイヤーハーネス58で接続されているが、制御ユニット34とエンジンEとは、無線通信で接続されてもよい。
【0088】
これらの実施形態でも、エアクリーナボックス130の側面に制御ユニット34が設けられる限り、燃料タンク28の高さを低く抑えることが可能であり、走行時等における乗車姿勢の自由を損なうことなく、制御ユニット34を効果的に冷却することができる。