(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記リンク部材の一端部には、回動可能なガイドプーリが装着され、前記リンク部材の一端部が前記無端回動体の直線移動領域内にあるときに前記ガイドプーリを支持できるように、前記無端回動体により囲まれる領域内に第1のローラガイド部材が配置されていることを特徴とする請求項1に記載のパン包装システム。
前記リンク部材の一端部が前記無端回動体の湾曲移動領域内にあるときに前記ガイドプーリを支持できるように、前記無端回動体により囲まれる領域外に第2のローラガイド部材が配置されていることを特徴とする請求項2に記載のパン包装システム。
前記リンク部材の一端部には、回動可能なガイドプーリが装着され、前記リンク部材の一端部が前記無端回動体の湾曲移動領域内にあるときに前記ガイドプーリを支持できるように、前記無端回動体により囲まれる領域外に第2のローラガイド部材が配置されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載のパン包装システム。
前記複数の転動体は、所定の曲率半径を有する転動面が設けられ回動可能な第1の転動体を有し、前記ガイド部材は、前記第1の転動体の転動面の曲率半径以下の曲率半径を有し、前記第1の転動体が転動できる転動路が設けられている第1のガイド軸部材を有することを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載のパン包装システム。
前記複数の転動体は、平坦な転動面が設けられ回動可能な第2の転動体を有し、前記ガイド部材は、第2の転動体が転動できる平坦な転動路が設けられている第2のガイド軸部材を有し、前記第1のガイド軸部材と前記第2のガイド軸部材とは、互いに平行に離間配置されていることを特徴とする請求項5に記載のパン包装システム。
前記往復移動機構は、前記無端回動体が巻回される一対の回動体を有し、前記一対の回動体は、プーリを含み、前記無端回動体は、ベルトを含むことを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載のパン包装システム。
前記複数の転動体は、所定の曲率半径を有する転動面が設けられ回動可能な複数の第1の転動体を有し、前記ガイド部材は、前記複数の第1の転動体が転動できる転動路が設けられている複数の第1のガイド軸部材を有し、前記転動路は、前記回動可能な複数の第1の転動体の転動面の曲率半径以下の曲率半径を有することを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載のパン包装システム。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1に開示されるカム及びリンクを利用する往復移動機構は、構造が複雑になるのみではなく、構成要素の連結部の数が多くなる。連結部の数が多いほど、連結部のガタによる騒音が生じる恐れがあり、パン包装装置を安定して長期稼働させることが難しい。
【0007】
また、特許文献2に開示される往復移動機構は、スクープと無端回動体を連結する連結棒を、駆動モータにより、2つのプーリ間の直線移動領域内で往復移動させる構成である。従って、連結棒の一端部が折り返す位置にある場合には、駆動モータを急制動し、回転方向を逆転させる必要があり、連結棒の一端部が両プーリの間にある場合には、急加減速を行う必要がある。結果として、駆動モータに加わる慣性負荷により、駆動モータの耐久性を長くすることが難しい。
なお、無端回動体として金属製のチェーンを用いることも考えられる。しかし、パン包装装置の騒音が大きくなる傾向にある。
【0008】
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたものである。すなわち、連結部の数を最小限に抑え安定して稼働でき、簡易な往復移動機構を備えるパン包装システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明のパン包装システムの第1の態様は、パンを包装する包装部材を保持するスクープが装着可能な移動体と、前記移動体が移動する移動経路を規定するガイド部材と、前記ガイド部材に沿って前記移動体を往復移動させるための無端回動体を有する往復移動機構と、前記無端回動体に連結される一端部と前記移動体に連結される他端部とを有するリンク部材と、を備え、前記無端回動体を一方向にのみ回動させることにより、前記移動体が前記ガイド部材に沿って往復移動し、前記移動体が複数の転動体を有し、前記複数の転動体間に前記ガイド部材が挟まれ、前記複数の転動体が前記ガイド部材上を回動可能である。
【0010】
また、本発明のパン包装システムの第2の態様によれば、前記リンク部材の一端部には、回動可能なガイドプーリが装着され、前記リンク部材の一端部が前記無端回動体の直線移動領域内にあるときに前記ガイドプーリを支持できるように、前記無端回動体により囲まれる領域内に第1のローラガイド部材が配置されている。
【0011】
さらに、本発明のパン包装システムの第3の態様によれば、前記リンク部材の一端部が前記無端回動体の湾曲移動領域内にあるときに前記ガイドプーリを支持できるように、前記無端回動体により囲まれる領域外に第2のローラガイド部材が配置されている。
【0012】
本発明のパン包装システムの第4の態様によれば、前記リンク部材の一端部には、回動可能なガイドプーリが装着され、前記リンク部材の一端部が前記無端回動体の湾曲移動領域内にあるときに前記ガイドプーリを支持できるように、前記無端回動体により囲まれる領域外に第2のローラガイド部材が配置されている。
【0013】
さらに、本発明のパン包装システムの第5の態様によれば、前記複数の転動体は、所定の曲率半径を有する転動面が設けられ回動可能な第1の転動体を有し、前記ガイド部材は、前記第1の転動体の転動面の曲率半径以下の曲率半径を有し、前記第1の転動体が転動できる転動路が設けられている。
【0014】
さらに、本発明のパン包装システムの第6の態様によれば、前記複数の転動体は、平坦な転動面が設けられ回動可能な第2の転動体を有し、前記ガイド部材は、第2の転動体が転動できる平坦な転動路が設けられている第2のガイド軸部材を有し、前記第1のガイド軸部材と前記第2のガイド軸部材とは、互いに平行に離間配置されている。
【0015】
さらに、本発明のパン包装システムの第7の態様によれば、前記往復移動機構は、前記移動体を一定速又は加減速で移送させる。
本発明のパン包装システムの第8の態様によれば、前記往復移動機構は、前記無端回動体が巻回される一対の回動体を有し、前記一対の回動体は、プーリを含み、前記無端回動体は、ベルトを含む。
本発明のパン包装システムの第9の態様によれば、
前記往復移動機構は、前記無端回動体が巻回される一対の回動体を有し、前記一対の回動体は、スプロケットを含み、前記無端回動体は、チェーンを含む。
本発明のパン包装システムの第10の態様によれば、前記複数の転動体は、所定の曲率半径を有する転動面が設けられ回動可能な複数の第1の転動体を有し、前記ガイド部材は、前記複数の第1の転動体が転動できる転動路が設けられている複数の第1のガイド軸部材を有し、前記転動路は、前記回動可能な複数の第1の転動体の転動面の曲率半径以下の曲率半径を有する。
本発明のパン包装システムの第11の態様によれば、前記複数の転動体は、正面視で互いに上下対称に配置されている。
本発明のパン包装システムの第12の態様によれば、前記
ガイド部材を複数備え、前記複数の
ガイド部材は、正面視で互いに前記リンク部材に関し対向配置され
、前記複数のガイド部材それぞれに前記複数の転動体が装着されている。
【発明の効果】
【0016】
本発明にかかるパン包装装置は、スクープと往復移動機構とを連結する連結部材を備える構成である。従って、従来のリンク及びカムを利用する往復移動機構に比べ、連結部を少なくすることができるので、所期の性能を維持させることができる。
【0017】
また、本発明にかかるパン包装装置は、無端回動体を一方向にのみ回転させ、移動体を往復移動させる構成であるので、無端回動体を正転及び逆転を繰り返す必要がない。従って、パン包装システムを駆動するために用いる駆動源からの回転方向の変更が不要となり、駆動源への負荷を抑制できる。従って、パン包装システムの耐久性を向上できる。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下に、本発明に係るパン包装システムを適用した実施形態に係る食パン包装装置及び食パン包装システムを図面に基づいて説明する。なお、この実施形態により本発明が限定されるものではない。
【0020】
図1は、実施形態に係る食パン包装装置1の主要要素を模式的に示す正面図、
図2は、実施形態に係る食パン包装装置1の主要要素を模式的に示す一部破断平面図、
図3は、
図2の線III−IIIに沿った断面図、
図4は、
図2の線IV−IVに沿った断面図である。なお、
図1中に一点鎖線で示される複数のシャトル5及び連結部材11は、シャトル5及び連結部材11の動きを示すためのもので、食パン包装装置1は、単一のシャトル5を備える。本明細書において、下流側とは食パンが搬送される方向のことであり、上流側とはその逆の方向のことである。さらに、右側(又は左側)とは、
図2において、下方スクープ11aが装置本体19から離れる方向に向いたときの右方(又は左方)を意味する。
【0021】
食パン包装装置1は、主として、食パンを収容する袋を保持可能なスクープ3が装着される移動体すなわちシャトル5と、シャトル5が移動可能に載置されるガイド部材7と、ガイド部材7に沿って延在する無端回動体、すなわち歯付きベルト9を有する往復移動機構8と、歯付きベルト9とシャトル5とを連結するリンク部材11と、を備え、歯付きベルト9が、一方向(矢印X方向)にのみ回動させることにより、ガイド部材7上をシャトル5が往復移動(矢印R方向)する。歯付きベルト9の材料としては、合成ゴム若しくはポリウレタン、又はガラスファイバ、アラミド繊維、若しくは鋼線を内部に含む合成ゴム若しくはポリウレタンを用いることができる。
【0022】
シャトル5をガイド部材7に沿って往復移動させる往復移動機構8は、所定距離離れ回転軸心が平行に配置される一対の駆動プーリ13及び従動プーリ16と、駆動プーリ13及び従動プーリ16に巻回される歯付きベルト9と、歯付きベルト9の所定箇所に固定され、歯付きベルト9の回動に追従して動く移動部21と、を有する。
図2に示されるように、駆動プーリ13の駆動軸15と従動プーリ16の従動軸17とは、回転軸心が互いに平行で所定距離離れるように回転可能に装置本体19に支持されている。
【0023】
また、駆動軸15は、右側駆動軸部材15a及び左側駆動軸部材15bを有し、軸方向に離間して、両駆動軸部材15a、15bの軸心が一直線上に整合し、回転可能に支持されている。同様に、従動軸17は、右側従動軸部材17a及び左側従動軸部材17bを有し、軸方向に離間して、両従動軸部材17a、17bの軸心が一直線上に整合し、回転可能に支持されている。
【0024】
右側駆動軸部材15a及び左側駆動軸部材15bそれぞれには、駆動プーリ13を構成する右側駆動プーリ部材13a、左側駆動プーリ部材13bが嵌合されている。同様に、右側従動軸部材17a及び左側従動軸部材17bそれぞれには、従動プーリ16を構成する右側駆動プーリ部材16a、左側駆動プーリ部材16bが嵌合している。さらに、歯付きベルト9は、
図2の紙面において下方側に配置される右側歯付きベルト部材9aと、左側歯付きベルト部材9bを有し、右側歯付きベルト部材9aは、右側駆動プーリ部材13a及び右側従動プーリ部材16aに巻回されている。同様に左側歯付きベルト部材9bは、左側駆動プーリ部材13b及び左側従動プーリ部材16bに巻回されている。
【0025】
移動部21は、右側歯付きベルト9a及び左側歯付きベルト9bとの間に延びる円柱状の単一の連結軸部材23と、連結軸部材23に転がり軸受25を介して回転可能に装着されるガイドプーリ27と、を備える。連結軸部材23は、平面視(
図2参照。)において歯付きベルト部材9a、9bの延在する方向に対してほぼ垂直な方向に延びる。なお、連結軸部材23は、歯付きベルト部材9a、9bに、公知の締結部材により固定されている。例えば、締結部材は、歯付きベルト部材9a、9bの厚さ方向に右側及び左側歯付きベルト部材9a、9bを挟む一対の板状部材と、板状部材同士を固定するボルト及びナットから構成される。
【0026】
このように、本実施形態では、互いに平行に離間配置される2つの右側及び左側歯付きベルト部材9a、9bの回動に伴い、右側及び左側歯付きベルト部材9a、9bに固定されている移動部21が、駆動プーリ部材13a、13b及び従動プーリ部材16a、16bの周りを移動する。
【0027】
食パン包装装置1の駆動源として、駆動モータ29が設けられている。往復移動機構8への回転力は、駆動モータ29から供給される。駆動モータ29の回転軸31には、回転軸31と同心に、歯付き駆動プーリ33が装着されている。なお、駆動モータとしてサーボモータを利用することが可能である。
歯付き駆動プーリ33と、歯付き従動プーリ35には、歯付き駆動ベルト37が巻回され、駆動プーリ33の回転力は、歯付き従動プーリ35に歯付き駆動ベルト37を介して伝達される。従動プーリ35の従動プーリ回転軸39には、歯付き従動プーリ35と同心に伝達プーリ41が固定され、歯付き従動プーリ35と伝達プーリ41とは一体的に回転可能な構成である。なお、従動プーリ回転軸39は、装置本体19に回転可能に支持されている。
【0028】
また、往復移動機構8の駆動軸15には、歯付き回転軸プーリ43が固定されている。歯付き回転軸プーリ43は、駆動軸15の両端部それぞれに固定される右側駆動プーリ43aと、左側駆動プーリ43bとから構成される。伝達プーリ41(
図1参照。)と右側駆動プーリ43aとには、右側伝達ベルト45aが巻回されている。従って、駆動モータ29の回転力は、右側歯付き従動プーリ35を介して、右側駆動プーリ43aに伝達される。なお、左側駆動プーリ43aには、従動プーリ回転軸39に装着されているもう一つの歯付き従動プーリ(不図示)及び歯付き従動プーリと同心に配置される伝達プーリ41(不図示)から左側伝達ベルト45bを介して駆動モータ29の回転力が伝達される。従って、左側駆動プーリ43bと、右側駆動プーリ43aとは、同期して回転する構成である。
【0029】
次に、移動部5について説明する。シャトル5は、
図3に示すように正面視で逆U字状のシャトル基台47と、シャトル基台47を転動可能にする車輪51、53と、往復移動機構8に連結するための連結用突起55と、を備える。シャトル基台47は、側壁49を構成する右側側壁49a及び左側側壁49bと、右側側壁49a、左側側壁49bとを連結する天壁57と、から構成される。側壁49は、
図1に示すように側面視で、略T字形状である。右側側壁49a(左側側壁49b)に装着される車輪51は、2つの上方車輪51a、51b(53a、53b)と、右側下方車輪51c(53c)から構成され、回転可能に支持されている。
【0030】
右側上方車輪51a、51bは、シャトル5の移動方向Rに関し離間し配置され、右側下方車輪51cは、平面視において(
図2参照)、右側上方車輪51a、51bの間に位置するように配置されている。また、側面視において(
図1参照。)、右側上方車輪51a、51bと、右側下方車輪51cとは、断面四角形状の右側ガイド軸部材(第2のガイド軸部材)7aを挟むような位置関係に配置されている。
【0031】
右側上方車輪51a、51b及び右側下方車輪51cの右側ガイド軸部材7aと接する外周面には、その周方向に延在する溝60が車輪の幅方向に所定ピッチで設けられている。一方、右側ガイド軸部材7aの上面18a及び下面18bは、平坦である。従って、右側上方及び右側下方車輪51a、51b、51cの凹凸面が、右側ガイド軸部材7aの上面18a及び下面18b上を転動する。
【0032】
同様に、左側上方車輪53a、53bは、シャトル5の移動方向(矢印R)に関し離間配置され、左側下方車輪53cは、平面視において(
図2参照)、左側上方車輪53a、53bの間に位置するように配置されている。また、側面視(
図1参照。)において、左側上方車輪53a、53bは、左側下方車輪53cとは、左側ガイド軸部材7b(第1のガイド軸部材)を挟むような位置関係に配置されている。なお、左側ガイド軸部材7bは、その長手方向に垂直な断面が円形である。また、左側ガイド軸部材7bの断面の半径は、左側上方車輪53a、53b及び左側下方車輪53cの左側ガイド軸部材7bと接する外周面(転動面)の曲率半径以下に寸法付けされている。
【0033】
なお、左側ガイド軸部材7bの断面形状が円形であり、左側上方車輪53a、53b及び左側下方車輪53cの外周面が、凹状の湾曲面である構成に、本発明は限定されない。左側上方車輪53a、53b及び左側下方車輪53cが接する左側ガイド軸部材7bの凸状(又は凹状)領域の曲率半径が、左側上方車輪53a、53b及び左側下方車輪53cの凹状(又は凸状)の転動面の曲率半径以下(又は曲率半径以上)に寸法付けされ、左側上方車輪53a、53b及び左側下方車輪53cが、左側ガイド軸部材7b上を転動できる構成であれば良い。
【0034】
このように、シャトル5は、車輪51、53により、それぞれ右側ガイド軸部材7a、左側ガイド軸部材7bに沿って移動する構成である。なお、前述の通り、右側上方及び右側下方車輪51a、51b、51cは、平坦な上面18a及び下面18b上を転動する構成であるので、右側及び左側ガイド軸部材7a、7b間の距離の若干の誤差を許容できる。
【0035】
一方、左側上方及び下方車輪53a、53b、53cの外周面を湾曲面64とすることにより、左側ガイド軸部材7bに沿って左側上方及び下方車輪53a、53b、53cが転動し、かつ振動の発生を抑えることができる。すなわち、左側上方及び左側下方車輪53a、53b、53c並びに左ガイド軸部材7bは、シャトル5の移動方向を規制する機能を果たし、左側ガイド軸部材7a、7bに沿ってシャトル5が確実に移動することができる。なお、右側上方及び右側下方車輪51a、51b、51cは、溝60を備える構成としたが、本発明はこの構成に限定されず、右側ガイド軸部材7aの上面18a、下面18bに接する面を平坦にしても良い。
【0036】
さらに、左ガイド軸部材7b並びに左側上方車輪53a、53b及び左側下方車輪53cの代わりに、右側ガイド軸部材7a並びに右側上方車輪51a、51b及び右側下方車輪51cが所定の曲率半径を備える形状とし、右側ガイド軸部材7a並びに右側上方車輪51a、51b及び右側下方車輪51cの平坦な形状を、左ガイド軸部材7b並びに左側上方車輪53a、53b及び左側下方車輪53cに適用することも可能である。
【0037】
また、右側ガイド軸部材7a並びに右側上方車輪51a、51b及び右側下方車輪51cと、左ガイド軸部材7b並びに左側上方車輪53a、53b及び左側下方車輪53cと、を所定の曲率半径を備える形状とすることも可能である。さらに、上方車輪及び下方車輪の数は、少なくとも一つの上方車輪及び下方車輪によりガイド軸部材を挟める限り、シャトル5の大きさや形状に応じて適宜変更できる。
【0038】
連結用突起55は、シャトル5の天壁57から側壁49と平行に延びている。連結用突起55の先端は、リンク部材11の一端部11aに枢動可能にピン58を介してピン結合される。また、リンク部材11の他端部11bは、連結軸部材23の軸方向ほぼ中央位置に、枢動可能に装着されている。また、リンク部材11の長手方向長さは、歯付きベルト9が矢印X方向に周回することにより、ガイド部材7の所定位置(例えば、
図1のガイド部材7の左端部及び右端部)間を往復できるように寸法付けする。
【0039】
さらに、本実施形態の食パン包装装置1の往復移動機構8は、ローラガイド59を備える。ローラガイド59は、歯付きベルト9により囲まれる領域の内部であって、歯付きベルト9の直線移動領域に沿って配置される内方ローラガイド61と、歯付きベルト9により囲まれる領域の外部であって、歯付きベルト9の湾曲移動領域に沿って配置される外方ローラガイド部材63、65と、を有する。
【0040】
内方ローラガイド61は、内方右側ローラガイド部材61a及び内方右側ローラガイド部材61bを有し、それぞれ矩形状で所定厚さの板状部材から構成される。
図3に示すように、内方右側及び左側ローラガイド部材61a、61bは、互いに平行に装置本体19に固定されている。内方右側及び内方左側ローラガイド部材61a、61bは、同一形状、同一寸法であるので、内方右側ローラガイド部材61aについて説明する。
【0041】
内方右側ローラガイド部材61aの外周部68は、それぞれ、連結軸部材23に固定されているガイドプーリ27の外周面に設けられているプーリ溝28に係合し、連結軸部材23の移動に伴い、内方右側ローラガイド部材61a上を転動する。
【0042】
ここで、連結軸部材A(
図1参照。)に作用する力のつりあいについて説明する。連結軸部材Aに連結されるシャトル5は、
図1において矢印R方向に関し右方に移動している状態、すなわち、スクープ3が前進している状態である。この場合には、連結軸部材Aには、連結軸11の長手方向に沿った力TAが掛かる。すなわち、歯付き右方ベルト部材9aには、力TAの鉛直方向下方成分の力VAが掛かり、歯付き右方ベルト部材9aに
図1の下方に撓ませる力が作用する。この鉛直方向下方成分の力VAにより、右方ベルト部材9aが撓むことを防止するため、前述の内方右側ローラガイド部材61aにより鉛直方向下方成分の力VAを受ける構成である。
【0043】
さらに、連結軸部材Bに作用する力のつりあいについて説明する。連結軸部材Bに連結されるシャトル5は、
図1において矢印R方向に関し左方に移動している状態、すなわち、スクープ3が後退している状態である。この場合には、連結軸部材Bには、連結軸11の長手方向に沿った力TBが掛かる。すなわち、歯付き右方ベルト部材9aには、力TBの鉛直方向下方成分の力VBが掛かり、歯付き右方ベルト部材9aを
図1の上方に撓ませる力が作用する。この鉛直方向上方成分の力VBにより、右方ベルト部材9aが撓むことを防止するため、前述の内方右側ローラガイド部材61aにより鉛直方向下方成分の力VB1を受ける構成である。
【0044】
なお、内方左側ローラガイド部材61bも内方右側ローラガイド部材61aと同様に機能することは言うまでもない。従って、歯付きベルト9は、駆動プーリ13と従動プーリ16間の直線移動領域において撓みが生じない。結果として、シャトル5が所定速度で移動することができる。
【0045】
本実施形態の外方ローラガイドは、前側外方ローラガイド部材63及び後側外方ローラガイド部材65とを有する。さらに、前側外方ローラガイド部材63は、右側ガイドプーリ27a及び左側ガイドプーリ27bに対応して、前側外方右側ローラガイド部材63aと前側外方左側ローラガイド部材63bとを有する。同様に、後側外方ローラガイド部材65は、右側ガイドプーリ27a及び左側ガイドプーリ27bに対応して、後側外方右側ローラガイド部材65aと後側外方左側ローラガイド部材65bとを有する。
【0046】
前側外方右側及び左側ローラガイド部材63a、63b、並びに後側外方右側及び左側ローラガイド部材65a、65bは、半円状のガイド凹部67が設けられた板状部材であり、装置本体19に固定されている。ガイド凹部67の曲率半径は、連結軸部材23に装着されているガイドプーリ27が、駆動プーリ13及び従動プーリ16(すなち、湾曲移動領域)を通過する際の、駆動プーリ13の軸心から最も遠い部分の軌跡の曲率半径と同じに寸法付けされている。従って、駆動プーリ13及び従動プーリ16は、外方ローラガイド65に回転支持される構成である。
【0047】
前側外方右側及び左側ローラガイド部材63a、63b、並びに後側外方右側及び左側ローラガイド部材65a、65bは、すべて矩形状で所定厚さの板状部材から構成される。
図1に示すように、前側外方右側及び左側ローラガイド部材63a、63bは、互いに平行に装置本体19に固定されている。前側外方右側及び左側ローラガイド部材63a、63b、並びに後側外方右側及び左側ローラガイド部材65a、65bは、同一形状、同一寸法であるので、前側外方右側ローラガイド部材63a、後側外方右側ローラガイド部材65aについて説明する。
【0048】
連結軸部材23に固定されている右側ガイドプーリ27aは、連結軸部材23が、右側歯付きベルト9aの湾曲移動領域において、前側外方右側ローラガイド部材63a(及び後側外方右側ローラガイド部材65a)のガイド凹部67上を転動する。
【0049】
ここで、連結軸部材23に作用する力のつりあいについて検討する。連結軸部材23に連結されるシャトル5は、
図1において矢印X方向に移動している状態である。
【0050】
シャトル5が、直線移動領域に沿って矢印R方向に関し左方(又は右方)に進み、ガイドプーリ27が従動プーリ16(又は駆動プーリ13)の外周側を周回する際には、従動軸17(又は駆動軸15)の軸心から従動軸17(又は駆動軸15)の半径方向外方に向かう遠心力CAが、連結軸部材Cに対して作用する。外方ローラガイド63、65は、この遠心力CAを受けるために配置されている。従って、ガイドプーリ27が湾曲移動領域にあるときに、歯付きベルト9に過負荷が掛かることを防止できる。結果として食パン包装装置1の耐久性を高めることができる。
【0051】
上記構成の食パン包装装置1の動作について説明する。
図1に示すように、駆動モータ29を駆動させることによる回転軸31の矢印69方向への回転力は、伝達プーリ41等を介して歯付き駆動プーリ43に伝達される。歯付き駆動プーリ43が矢印X方向に回転すると、歯付きベルト9が、駆動プーリ13及び従動プーリ16を周回する。歯付きベルト9に連結されている連結軸部材23は、歯付きベルト9が回動することにより、駆動プーリ13及び従動プーリ16を周回する。
【0052】
連結軸部材23が、駆動プーリ13及び従動プーリ16の回転軸心間を通る軸心間面より、
図1において上方に延在する歯付きベルト9の領域内で移動するときは、シャトル5を
図1の右方に前進させる。反対に
図1において、当該軸心間面より下方に延在する歯付きベルト9に連結軸部材23が位置するときは、シャトル5は
図1の左方(後退する方向)に移動する。このように、連結軸部材23を一方向(X方向)にのみ回動させることにより、シャトル5に装着されている下方スクープ3b及び上方スクープ3aは、食パンの搬送経路Pを横切る方向において往復移動する。なお、シャトル5が、一定の速度(一定速)又は加減速で移動するように、駆動モータ29が制御される。
【0053】
〔食パン包装システム〕
食パンの製造を行なう工場では、一般的に、食パンを製造する工程と、食パンを包装する工程とを、連続的に行うための包装システムが利用されている。従って、食パンを搬入するための導入コンベアと、食パンを搬出するための排出コンベアと、実施形態に係る食パン包装装置1と、が連結されている食パン包装システム101について簡単に説明する。
図5(a)は、食パン包装システム101の平面図であり、
図5(b)は、食パン包装装置101の正面図である。
【0054】
食パン包装装置1は、
図5(b)の左右方向に延びる搬送経路Pを交差する方向に延在している。
図5(a)中において、上方スクープ3a(3)が、搬送経路Pに対して垂直な方向に、往復移動機構21により前進又は後退するように配置されている。スクープ3の先端部3cが、搬送経路Pを越えて、包装用袋107を把持し、包装用袋107を開口させる。包装用袋107を開口させた状態で把持し(スクープ3の先端部3cが最大前進位置に達している)、上方スクープ3a及び下方スクープ3bの間に食パンB1が導入される。
【0055】
スクープ3が食パンB1を保持した状態で、スクープ3が、往復移動機構8の方向へ後退すると、開口した状態の包装用袋107が食パンB1を保持されている位置まで後退する。スクープ3が後退する際には、食パンB1は不図示の保持手段により、食パンが搬送経路P上に維持される。すなわち、下方スクープ3bが後退する動作に食パンB1は追従しない。結果として、食パンB1が包装用袋107内に収容されるとともに、下方スクープ3bから食パンが落下する。
【0056】
インフィードコンベア103は、搬送経路Pに沿って延在し、スクープ3へ食パンB1を導入するための搬送手段である。従って、インフィードコンベア103は、搬送経路Pにおいて往復移動機構21の上流側に配置されている。
【0057】
また、ディスチャージコンベア105は、搬送経路Pに沿って延在し、スクープ3により包装用袋107に収容された食パンB1を、次の工程へ移送するために用いられる。従って、ディスチャージコンベア105は、搬送経路Pにおいて往復移動機21の下流側に配置される。
【0058】
インフィードコンベア103及びディスチャージコンベア105は、従来から知られている構成である。例えば、2つのスプロケット間に無端回動体が巻回され、無端回動体には食パンB1を付勢するためのフライトが装着されている搬送手段を用いる。無端回動体を所定タイミングで駆動することにより、食パンB1は、スクープ3内に導入される。食パン包装装置1により包装された食パンB1は、ディスチャージコンベア105上に落下し、ディスチャージコンベア105により次の工程へ搬送される。なお、インフィードコンベア103、ディスチャージコンベア105、食パン包装装置1は、制御部111により、所定タイミングで同期するように制御できる。
【0059】
本実施形態では、連結軸部材23の長手方向の中点に、シャトル5が連結されるリンク部材11を装着し、リンク部材11を中心として左右対称に連結軸部材23の両側に2つのガイドプーリ27を設ける構成としている。この構成により、歯付きベルト9の回動に伴い連結軸部材23が安定して移動する。しかし、本発明はこの構成に限定されない。例えば、連結軸部材に掛かる負荷が相対的に小さい場合には、一方のガイドプーリ27のみを備える構成とし、連結軸部材23を片持ち構造とすることも可能である。さらに、内方ローラガイド61、外方ローラガイド63、及び65の一つ、又は内方ローラガイド61、外方ローラガイド63、65を備えない構成のパン包装装置及びパン包装システムとすることも可能である。
【0060】
さらに、本実施形態では、回転力を伝達するためにプーリとベルトとを用いているが、スプロケットとチェーンとにより回転力を伝達することも可能である。
【0061】
なお、本実施形態の食パン包装装置は、ポリエチレン袋を用いて食パンを包装する構成である。しかし、本発明は、この構成に限定されない。パンを包装するための包装部材は、ポリプロピレン、ポリエステル、ナイロン等のプラスチック製の部材に限定されず、紙製、金属製、布製等の部材を用いてもよい。
【0062】
また、本実施形態は、直方体形状の角型食パンを用いて説明したが、本発明は、角型食パンに限定されず、種々の寸法及び形状のパンを搬送するためのパン包装装置及びパン包装システムに適用できる。