【実施例】
【0058】
以下、実施例によって本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0059】
先ず、無機粒子にバルビツール酸の誘導体を化学的に結合させた実施例1〜5について説明する。
【0060】
[実施例1]
マグネチックスターラー攪拌下にて二酸化珪素(富士シリシア株式会社製サイロスフェア)10gをメタノール8容積/蒸留水2容積の混合溶媒50mLに分散し、0.5gの4-(トリメトキシシリル)ブタナールを添加した。そのサスペンションに1mol/L濃度の酢酸水溶液を1mL添加し、還流温度にて24時間反応させ、アルデヒド基を表面に導入した二酸化珪素を得た。
【0061】
得られた二酸化珪素を、遠心分離により分離・洗浄し乾燥した。このアルデヒド基が表面に導入された二酸化珪素10gを攪拌機付き耐圧容器に入れ、0.5gのバルビツール酸を溶解したメタノール50mLを加え、大気圧下25℃にて12時間の反応を行った。その後、耐圧容器内部を窒素置換し、パラジウム活性炭素0.3g/メタノール3mLのサスペンションを窒素フロー下にてシリンジ注入した。その後、水素を0.7MPaの圧力で充填し水素添加反応を25℃にて24時間行った。反応終了後、得られたバルビツール酸誘導体結合二酸化珪素を、細孔径10μmの濾布にて減圧濾過およびメタノール洗浄を繰り返し、未反応のバルビツール酸とパラジウム活性炭素を除去した。得られた複合粒子である、表面にバルビツール酸誘導体が化学的に結合された二酸化珪素を減圧乾燥し、後述するバルビツール酸誘導体結合率、活性維持率試験及び硬化試験に供した。
【0062】
[実施例2]
マグネチックスターラー攪拌下にて二酸化珪素(富士シリシア株式会社製サイロスフェア)10gをメタノール8容積/蒸留水2容積の混合溶媒50mLに分散し、2.0gの4-(トリメトキシシリル)ブタナールを添加した。そのサスペンションに1mol/L濃度の酢酸水溶液を1mL添加し、還流温度にて24時間反応させ、アルデヒド基を表面に導入した二酸化珪素を得た。
【0063】
得られた二酸化珪素を遠心分離により分離・洗浄し乾燥した。このアルデヒド基が表面に導入された二酸化珪素10gを攪拌機付き耐圧容器に入れ、1.5gのバルビツール酸を溶解したメタノール50mLを加え、大気圧下25℃にて12時間の反応を行った。その後、耐圧容器内部を窒素置換し、パラジウム活性炭素0.3g/メタノール3mLのサスペンションを窒素フロー下にてシリンジ注入した。その後、水素を0.7MPaの圧力で充填し水素添加反応を25℃にて24時間行った。反応終了後、得られたバルビツール酸誘導体結合二酸化珪素を細孔径10μmの濾布にて減圧濾過およびメタノール洗浄を繰り返し、未反応のバルビツール酸とパラジウム活性炭素を除去した。得られた複合粒子である、表面にバルビツール酸誘導体が化学的に結合された二酸化珪素を減圧乾燥し、バルビツール酸誘導体結合率、活性維持率試験及び硬化試験に供した。
【0064】
[実施例3]
マグネチックスターラー攪拌下にて二酸化珪素(富士シリシア株式会社製サイロスフェア)10gをメタノール8容積/蒸留水2容積の混合溶媒50mLに分散し、5gの4-(トリメトキシシリル)ブタナールを添加した。そのサスペンションに1mol/L濃度の酢酸水溶液を1mL添加し、還流温度にて24時間反応させ、アルデヒド基を表面に導入した二酸化珪素を得た。
【0065】
得られた二酸化珪素を遠心分離により分離・洗浄し乾燥した。このアルデヒド基が表面に導入された二酸化珪素10gを攪拌機付き耐圧容器に入れ、5gのバルビツール酸を溶解したメタノール50mLを加え、大気圧下25℃にて12時間の反応を行った。その後、耐圧容器内部を窒素置換し、パラジウム活性炭素0.3g/メタノール3mLのサスペンションを窒素フロー下にてシリンジ注入した。その後、水素を0.7MPaの圧力で充填し水素添加反応を25℃にて24時間行った。反応終了後、得られたバルビツール酸誘導体結合二酸化珪素を細孔径10μmの濾布にて減圧濾過およびメタノール洗浄を繰り返し、未反応のバルビツール酸とパラジウム活性炭素を除去した。得られた複合粒子である、表面にバルビツール酸誘導体が化学的に結合された二酸化珪素を減圧乾燥し、バルビツール酸誘導体結合率、活性維持率試験及び硬化試験に供した。
【0066】
[実施例4]
攪拌機付き耐圧容器に2,2-ジメチル-4-(トリメトキシシリル)ブタナール3g、メタノール50mLおよびバルビツール酸2gを充填し、大気圧下25℃にて12時間の反応を行った。その後、耐圧容器内部を窒素置換し、パラジウム活性炭素0.3g/メタノール3mLのサスペンションを窒素フロー下にてシリンジ注入した。その後、水素を0.7MPaの圧力で充填し水素添加反応を25℃にて24時間行った。反応終了後、遠心分離によりパラジウム活性炭素を除去した。得られた5-(2-メチル-4-(トリメトキシシリル)-2-ブタニル)ピリミジン溶液はエバポレーターにて濃縮したのち、メタノール展開溶媒にてカラム分離し精製した。次に、マグネチックスターラー攪拌下にて酸化アルミニウム(昭和電工株式会社製A12−C)10gをメタノール8容積/蒸留水2容積の混合溶媒50mLに分散し、1gの5-(2-メチル-4-(トリメトキシシリル)-2-ブタニル)ピリミジンを添加した。そのサスペンションに1mol/L濃度の酢酸水溶液を1mL添加し、還流温度にて24時間反応させた。得られた複合粒子である、表面にバルビツール酸誘導体が化学的に結合された酸化アルミニウムを減圧乾燥し、バルビツール酸誘導体結合率、活性維持率試験及び硬化試験に供した。
【0067】
[実施例5]
マグネチックスターラー攪拌下にてフルオロアルミノシリケート粉末(株式会社松風製ハイボンドレジグラス粉材)10gをメタノール8容積/蒸留水2容積の混合溶媒50mLに分散し、2.0gの4-(3-(トリメトキシシリル)-プロピル)ベンズアルデヒドを添加した。そのサスペンションに1mol/L濃度の酢酸水溶液を1mL添加し、還流温度にて24時間反応させ、アルデヒド基を表面に導入したフルオロアルミノシリケートを得た。得られたフルオロアルミノシリケートを遠心分離により分離・洗浄し乾燥した。
【0068】
このアルデヒド基が表面に導入されたフルオロアルミノシリケート10gを攪拌機付き耐圧容器に入れ、0、.5gのバルビツール酸を溶解したメタノール50mLを加え、大気圧下25℃にて12時間の反応を行った。その後、耐圧容器内部を窒素置換し、パラジウム活性炭素0.3g/メタノール3mLのサスペンションを窒素フロー下にてシリンジ注入した。その後、水素を0.7MPaの圧力で充填し水素添加反応を25℃にて24時間行った。反応終了後、得られたバルビツール酸誘導体結合フルオロアルミノシリケート粉末を細孔径10μmの濾布にて減圧濾過およびメタノール洗浄を繰り返し、未反応のバルビツール酸とパラジウム活性炭素を除去した。得られた複合粒子である、表面にバルビツール酸誘導体が化学的に結合されたフルオロアルミノシリケート粉末を減圧乾燥し、バルビツール酸誘導体結合率、活性維持率試験及び硬化試験に供した。
【0069】
次に、高分子粒子にバルビツール酸の誘導体を化学的に結合させた実施例について説明するが、それに先立って、使用した高分子粒子の合成方法について説明する。
【0070】
[高分子粒子1(ポリメチルメタクリレート)の合成]
直径5cmの6枚羽根ディスクタービン攪拌機、ステンレスバッフルおよび還流冷却器を備えた500mL容積三口セパラブルフラスコにドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム1000ppm水溶液を300mL充填した。そこにベンゾイルパーオキサイド1wt%を含むメチルメタクリレートモノマー50mLを攪拌速度300rpm下で添加し、O/Wエマルションを調整した。そのO/Wエマルションに平均粒径3μmのカルサイト型炭酸カルシウム10gを添加し該エマルションを安定化させた。その後、フラスコを80℃のウオーターバスに浸け3時間の重合反応を行った。反応終了後、室温まで冷却し、弱酸性になるまで希塩酸を加え炭酸カルシウムを完全に除去した。得られた粒子状ポリメチルメタクリレートの懸濁溶液は十分に濾過・洗浄した後に、真空乾燥した。収率は98%で平均粒径は約100μmであった。
【0071】
[高分子粒子2(ポリエチルメタクリレート)の合成]
直径5cmの6枚羽根ディスクタービン攪拌機、ステンレスバッフルおよび還流冷却器を備えた500mL容積三口セパラブルフラスコにドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム1000ppm水溶液を300mL充填した。そこにベンゾイルパーオキサイド1wt%を含むエチルメタクリレートモノマー50mLを攪拌速度300rpm下で添加し、O/Wエマルションを調整した。そのO/Wエマルションに平均粒径3μmのカルサイト型炭酸カルシウム10gを添加し該エマルションを安定化させた。その後、フラスコを80℃のウオーターバスに浸け3時間の重合反応を行った。反応終了後、室温まで冷却し、弱酸性になるまで希塩酸を加え炭酸カルシウムを完全に除去した。得られた粒子状ポリエチルメタクリレートの懸濁溶液は十分に濾過・洗浄した後に、真空乾燥した。収率は97%で平均粒径は約100μmであった。
【0072】
[高分子粒子3(メチルメタクリレート−エチルメタクリレートコポリマー)の合成]
直径5cmの6枚羽根ディスクタービン攪拌機、ステンレスバッフルおよび還流冷却器を備えた500mL容積三口セパラブルフラスコにドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム1000ppm水溶液を300mL充填した。そこにベンゾイルパーオキサイド1wt%を含むメチルメタクリレート−エチルメタクリレートモノマー(1:1容積)50mLを攪拌速度300rpm下で添加し、O/Wエマルションを調整した。そのO/Wエマルションに平均粒径3μmのカルサイト型炭酸カルシウム10gを添加し該エマルションを安定化させた。その後、フラスコを80℃のウオーターバスに浸け3時間の重合反応を行った。反応終了後、室温まで冷却し、弱酸性になるまで希塩酸を加え炭酸カルシウムを完全に除去した。得られた粒子状ポリエチルメタクリレートの懸濁溶液は十分に濾過・洗浄した後に、真空乾燥した。収率は98%で平均粒径は約90μmであった。
【0073】
[高分子粒子4(架橋型ポリメチルメタクリレート)の合成]
直径5cmの6枚羽根ディスクタービン攪拌機、ステンレスバッフルおよび還流冷却器を備えた500mL容積三口セパラブルフラスコにドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム1000ppm水溶液を300mL充填した。そこにベンゾイルパーオキサイド1wt%およびトリエチレングリコールジメタクリレート5wt%を含むメチルメタクリレートモノマー50mLを攪拌速度300rpm下で添加し、O/Wエマルションを調整した。そのO/Wエマルションに平均粒径3μmのカルサイト型炭酸カルシウム10gを添加し該エマルションを安定化させた。その後、フラスコを80℃のウオーターバスに浸け3時間の重合反応を行った。反応終了後、室温まで冷却し、弱酸性になるまで希塩酸を加え炭酸カルシウムを完全に除去した。得られた粒子状架橋型ポリメチルメタクリレートの懸濁溶液は十分に濾過・洗浄した後に、真空乾燥した。収率は98%で平均粒径は約110μmであった。また、該架橋型ポリメチルメタクリレートはメチルメタクリレートモノマーおよびエチルメタクリレートモノマーには溶解しなかった。
【0074】
[高分子粒子5(架橋型ポリエチルメタクリレート)の合成]
直径5cmの6枚羽根ディスクタービン攪拌機、ステンレスバッフルおよび還流冷却器を備えた500mL容積三口セパラブルフラスコにドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム1000ppm水溶液を300mL充填した。そこにベンゾイルパーオキサイド1wt%およびトリエチレングリコールジメタクリレート5wt%を含むエチルメタクリレートモノマー50mLを攪拌速度300rpm下で添加し、O/Wエマルションを調整した。そのO/Wエマルションに平均粒径3μmのカルサイト型炭酸カルシウム10gを添加し該エマルションを安定化させた。その後、フラスコを80℃のウオーターバスに浸け3時間の重合反応を行った。反応終了後、室温まで冷却し、弱酸性になるまで希塩酸を加え炭酸カルシウムを完全に除去した。得られた粒子状架橋型ポリエチルメタクリレートの懸濁溶液は十分に濾過・洗浄した後に、真空乾燥した。収率は97%で平均粒径は約120μmであった。また、該架橋型ポリエチルメタクリレートはメチルメタクリレートモノマーおよびエチルメタクリレートモノマーには溶解しなかった。
【0075】
[高分子粒子6(架橋型メチルメタクリレート−エチルメタクリレートコポリマー)の合成]
直径5cmの6枚羽根ディスクタービン攪拌機、ステンレスバッフルおよび還流冷却器を備えた500mL容積三口セパラブルフラスコにドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム1000ppm水溶液を300mL充填した。そこにベンゾイルパーオキサイド1wt%およびトリエチレングリコールジメタクリレート5wt%を含むメチルメタクリレート−エチルメタクリレートモノマー(1:1容積)50mLを攪拌速度300rpm下で添加し、O/Wエマルションを調整した。そのO/Wエマルションに平均粒径3μmのカルサイト型炭酸カルシウム10gを添加し該エマルションを安定化させた。その後、フラスコを80℃のウオーターバスに浸け3時間の重合反応を行った。反応終了後、室温まで冷却し、弱酸性になるまで希塩酸を加え炭酸カルシウムを完全に除去した。得られた粒子状架橋型メチルメタクリレート−エチルメタクリレートコポリマーの懸濁溶液は十分に濾過・洗浄した後に、真空乾燥した。収率は95%で平均粒径は約110μmであった。また、該架橋型メチルメタクリレート−エチルメタクリレートコポリマーはメチルメタクリレートモノマーおよびエチルメタクリレートモノマーには溶解しなかった。
【0076】
以上のようにして合成した高分子粒子1〜6にバルビツール酸誘導体を化学的に結合させた実施例6〜17について説明する。
【0077】
[実施例6]
マグネチックスターラー攪拌下にて、上記高分子粒子1であるポリメチルメタクリレート粉末10gをメタノール9容積/蒸留水1容積の混合溶媒50mLに分散し、トリフルオロ酢酸1gを添加した。その後、還流温度にて48時間の加水分解を行い、ポリメチルメタクリレート粉末表面のメチルエステル基をカルボキシル基に変換した。その懸濁液を濾過・水洗し真空乾燥した。次に十分に乾燥を行った該表面カルボキシル基変換ポリメチルメタクリレート粉末10gを脱水ジエチルエーテル100mL に懸濁させ、テトラヒドリドアルミン酸リチウム1gを添加した。その懸濁溶液を50℃にて24時間還元し、濾過・水洗・真空乾燥することで表面ヒドロキシル基変換ポリメチルメタクリレート粉末を得た。
【0078】
この表面ヒドロキシル基変換ポリメチルメタクリレート粉末10gをジクロロメタン100mLに懸濁させ、ジアセトキシヨードベンゼン0.1gおよび2,2,6,6,-テトラメチルピペリジン-1-オキシルラジカル0.2gを添加し、室温にて24時間酸化反応を行った。反応終了後、懸濁液を濾過・水洗し真空乾燥し、表面アルデヒド基変換ポリメチルメタクリレート粉末を得た。この表面アルデヒド基変換ポリメチルメタクリレート粉末10gを攪拌機付き耐圧容器に入れ、5gのバルビツール酸を溶解したメタノール50mLを加え、大気圧下25℃にて12時間の反応を行った。その後、耐圧容器内部を窒素置換し、パラジウム活性炭素0.3g/メタノール3mLのサスペンションを窒素フロー下にてシリンジ注入した。その後、水素を0.7MPaの圧力で充填し水素添加反応を25℃にて24時間行った。反応終了後、得られた表面バルビツール酸誘導体結合ポリメチルメタクリレート粉末を細孔径10μmの濾布にて減圧濾過およびメタノール洗浄を繰り返し、未反応のバルビツール酸とパラジウム活性炭素を除去した。得られた複合粒子である、表面にバルビツール酸誘導体が化学的に結合されたポリメチルメタクリレート粉末を減圧乾燥し、バルビツール酸誘導体結合率、活性維持率試験及び硬化試験に供した。
【0079】
[実施例7]
マグネチックスターラー攪拌下にて、上記高分子粒子2であるポリエチルメタクリレート粉末10gをメタノール9容積/蒸留水1容積の混合溶媒50mLに分散し、トリフルオロ酢酸1gを添加した。その後、還流温度にて48時間の加水分解を行い、ポリエチルメタクリレート粉末表面のエチルエステル基をカルボキシル基に変換した。その懸濁液を濾過・水洗し真空乾燥した。次に十分に乾燥を行った該表面カルボキシル基変換ポリエチルメタクリレート粉末10gを脱水ジエチルエーテル100mL に懸濁させ、テトラヒドリドアルミン酸リチウム1gを添加した。その懸濁溶液を50℃にて24時間還元し、濾過・水洗・真空乾燥することで表面ヒドロキシル基変換ポリエチルメタクリレート粉末を得た。
【0080】
この表面ヒドロキシル基変換ポリエチルメタクリレート粉末10gをジクロロメタン100mLに懸濁させ、ジアセトキシヨードベンゼン0.1gおよび2,2,6,6,-テトラメチルピペリジン-1-オキシルラジカル0.2gを添加し、室温にて24時間酸化反応を行った。反応終了後、懸濁液を濾過・水洗し真空乾燥し、表面アルデヒド基変換ポリエチルメタクリレート粉末を得た。この表面アルデヒド基変換ポリエチルメタクリレート粉末10gを攪拌機付き耐圧容器に入れ5gのバルビツール酸を溶解したメタノール50mLを加え、大気圧下25℃にて12時間の反応を行った。その後、耐圧容器内部を窒素置換し、パラジウム活性炭素0.3g/メタノール3mLのサスペンションを窒素フロー下にてシリンジ注入した。その後、水素を0.7MPaの圧力で充填し水素添加反応を25℃にて24時間行った。反応終了後、得られたバルビツール酸誘導体結合ポリエチルメタクリレート粉末を細孔径10μmの濾布にて減圧濾過およびメタノール洗浄を繰り返し、未反応のバルビツール酸とパラジウム活性炭素を除去した。得られた複合粒子である、表面にバルビツール酸誘導体が化学的に結合されたポリエチルメタクリレート粉末を減圧乾燥し、バルビツール酸誘導体結合率、活性維持率試験及び硬化試験に供した。
【0081】
[実施例8]
マグネチックスターラー攪拌下にて、上記高分子粒子3であるメチルメタクリレート‐エチルメタクリレートコポリマー粉末10gをメタノール9容積/蒸留水1容積の混合溶媒50mLに分散し、トリフルオロ酢酸1gを添加した。その後、還流温度にて48時間の加水分解を行い、メチルメタクリレート‐エチルメタクリレートコポリマー粉末表面のメチルおよびエチルエステル基をカルボキシル基に変換した。その懸濁液を濾過・水洗し真空乾燥した。次に十分に乾燥を行った該表面カルボキシル基変換メチルメタクリレート‐エチルメタクリレートコポリマー粉末10gを脱水ジエチルエーテル100mL に懸濁させ、テトラヒドリドアルミン酸リチウム1gを添加した。その懸濁溶液を50℃にて24時間還元し、濾過・水洗・真空乾燥することで表面ヒドロキシル基変換メチルメタクリレート‐エチルメタクリレートコポリマー粉末を得た。
【0082】
この表面ヒドロキシル基変換メチルメタクリレート‐エチルメタクリレートコポリマー粉末10gをジクロロメタン100mLに懸濁させ、ジアセトキシヨードベンゼン0.1gおよび2,2,6,6,-テトラメチルピペリジン-1-オキシルラジカル0.2gを添加し、室温にて24時間酸化反応を行った。反応終了後、懸濁液を濾過・水洗し真空乾燥し、表面アルデヒド基変換メチルメタクリレート‐エチルメタクリレートコポリマー粉末を得た。この表面アルデヒド基変換メチルメタクリレート‐エチルメタクリレートコポリマー粉末10gを攪拌機付き耐圧容器に入れ、5gのバルビツール酸を溶解したメタノール50mLを加え大気圧下25℃にて12時間の反応を行った。その後、耐圧容器内部を窒素置換し、パラジウム活性炭素0.3g/メタノール3mLのサスペンションを窒素フロー下にてシリンジ注入した。その後、水素を0.7MPaの圧力で充填し水素添加反応を25℃にて24時間行った。反応終了後、得られたバルビツール酸誘導体結合メチルメタクリレート‐エチルメタクリレートコポリマー粉末を細孔径10μmの濾布にて減圧濾過およびメタノール洗浄を繰り返し、未反応のバルビツール酸とパラジウム活性炭素を除去した。得られた複合粒子である、表面にバルビツール酸誘導体が化学的に結合されたメチルメタクリレート‐エチルメタクリレートコポリマー粉末を減圧乾燥し、バルビツール酸誘導体結合率、活性維持率試験及び硬化試験に供した。
【0083】
[実施例9]
マグネチックスターラー攪拌下にて、上記高分子粒子1であるポリメチルメタクリレート粉末10gをメタノール9容積/蒸留水1容積の混合溶媒50mLに分散し、トリフルオロ酢酸1gを添加した。その後、還流温度にて48時間の加水分解を行い、ポリメチルメタクリレート粉末表面のメチルエステル基をカルボキシル基に変換した。その懸濁液を濾過・水洗し真空乾燥した。次に十分に乾燥を行った該表面カルボキシル基変換ポリメチルメタクリレート粉末10gにピリジンを含有する脱水ジエチルエーテル100mL を加え、マグネチックスターラー攪拌下にて懸濁させ、塩化チオニル3gを溶解した脱水ジエチルエーテル溶液10mLを氷浴下にて1時間かけて添加した。得られた表面酸塩化物ポリメチルメタクリレート粉末は濾過・洗浄を繰り返し単離・乾燥した。次に、該表面酸塩化物ポリメチルメタクリレート粉末10gを攪拌機付き耐圧容器に入れ、パラジウム‐硫酸バリウム(Pd含有率5%)0.5gを懸濁させた脱水ジエチルエーテル50mLを加えた。その後、圧力容器内を窒素置換し、水素を0.7MPaの圧力で充填し水素添加反応を25℃にて24時間行った。反応終了後、得られた表面アルデヒド基変換ポリメチルメタクリレート粉末は濾過・洗浄を繰り返し単離した。
【0084】
この表面アルデヒド基変換ポリメチルメタクリレート粉末10gを攪拌機付き耐圧容器に入れ、1gのバルビツール酸を溶解したメタノール50mLを加え大気圧下25℃にて12時間の反応を行った。その後、耐圧容器内部を窒素置換し、パラジウム活性炭素0.3g/メタノール3mLのサスペンションを窒素フロー下にてシリンジ注入した。その後、水素を0.7MPaの圧力で充填し水素添加反応を25℃にて24時間行った。反応終了後、得られた表面バルビツール酸誘導体結合ポリメチルメタクリレート粉末を細孔径10μmの濾布にて減圧濾過およびメタノール洗浄を繰り返し、未反応のバルビツール酸とパラジウム活性炭素を除去した。得られた複合粒子である、表面にバルビツール酸誘導体が化学的に結合したポリメチルメタクリレート粉末を減圧乾燥し、バルビツール酸誘導体結合率、活性維持率試験及び硬化試験に供した。
【0085】
[実施例10]
マグネチックスターラー攪拌下にて、上記高分子粒子1であるポリメチルメタクリレート粉末10gをメタノール9容積/蒸留水1容積の混合溶媒50mLに分散し、トリフルオロ酢酸1gを添加した。その後、還流温度にて48時間の加水分解を行い、ポリメチルメタクリレート粉末表面のメチルエステル基をカルボキシル基に変換した。その懸濁液を濾過・水洗し真空乾燥した。次に十分に乾燥を行った該表面カルボキシル基変換ポリメチルメタクリレート粉末10gにピリジンを含有する脱水ジエチルエーテル100mL を加え、マグネチックスターラー攪拌下にて懸濁させ、塩化チオニル3gを溶解した脱水ジエチルエーテル溶液10mLを氷浴下にて1時間かけて添加した。得られた表面酸塩化物ポリメチルメタクリレート粉末は濾過・洗浄を繰り返し単離・乾燥した。次に該表面酸塩化物ポリメチルメタクリレート粉末10gをマグネチックスターラー攪拌下にてピリジンを含有する脱水ジエチルエーテル100mLに分散し、3-アミノプロパン-1-オールを3g含む脱水ジエチルエーテル10mLを氷浴下にて1時間かけて添加した。
【0086】
得られた表面ヒドロキシル基変換ポリメチルメタクリレート粉末は濾過した後、メタノール洗浄・水洗・濾過を繰り返し単離した。この表面ヒドロキシル基変換ポリメチルメタクリレート粉末10gをジクロロメタン100mLに懸濁させ、ジアセトキシヨードベンゼン0.1gおよび2,2,6,6,-テトラメチルピペリジン-1-オキシルラジカル0.2gを添加し、室温にて24時間酸化反応を行った。反応終了後、懸濁液を濾過・水洗・真空乾燥し、表面アルデヒド基変換ポリメチルメタクリレート粉末を得た。この表層アルデヒド基変換ポリメチルメタクリレート粉末10gを攪拌機付き耐圧容器に入れ、3gのバルビツール酸を溶解したメタノール50mLを加え大気圧下25℃にて12時間の反応を行った。その後、耐圧容器内部を窒素置換し、パラジウム活性炭素0.3g/メタノール3mLのサスペンションを窒素フロー下にてシリンジ注入した。その後、水素を0.7MPaの圧力で充填し水素添加反応を25℃にて24時間行った。反応終了後、得られた表面バルビツール酸誘導体結合ポリメチルメタクリレート粉末を細孔径10μmの濾布にて減圧濾過およびメタノール洗浄を繰り返し、未反応のバルビツール酸とパラジウム活性炭素を除去した。得られた複合粒子である、表面にバルビツール酸誘導体が化学的に結合されたポリメチルメタクリレート粉末を減圧乾燥し、バルビツール酸誘導体結合率、活性維持率試験及び硬化試験に供した。
【0087】
[実施例11]
マグネチックスターラー攪拌下にて、上記高分子粒子1であるポリメチルメタクリレート粉末10gをメタノール9容積/蒸留水1容積の混合溶媒50mLに分散し、トリフルオロ酢酸1gを添加した。その後、還流温度にて48時間の加水分解を行い、ポリメチルメタクリレート粉末表面のメチルエステル基をカルボキシル基に変換した。その懸濁液を濾過・水洗し真空乾燥した。次に十分に乾燥を行った該表面カルボキシル基変換ポリメチルメタクリレート粉末10gにピリジンを含有する脱水ジエチルエーテル100mL を加え、マグネチックスターラー攪拌下にて懸濁させ、塩化チオニル3gを溶解した脱水ジエチルエーテル溶液10mLを氷浴下にて1時間かけて添加した。得られた表面酸塩化物ポリメチルメタクリレート粉末は濾過・洗浄を繰り返し単離・乾燥した。次に該表面酸塩化物ポリメチルメタクリレート粉末10gをマグネチックスターラー攪拌下にてピリジンを含有する脱水ジエチルエーテル100mLに分散し、4-アミノブタン-1-オールを3g含む脱水ジエチルエーテル10mLを氷浴下にて1時間かけて添加した。得られた表面ヒドロキシル基変換ポリメチルメタクリレート粉末は濾過した後、メタノール洗浄・水洗・濾過を繰り返し単離した。
【0088】
この表面ヒドロキシル基変換ポリメチルメタクリレート粉末10gをジクロロメタン100mLに懸濁させ、ジアセトキシヨードベンゼン0.1gおよび2,2,6,6,-テトラメチルピペリジン-1-オキシルラジカル0.2gを添加し、室温にて24時間酸化反応を行った。反応終了後、懸濁液を濾過・水洗・真空乾燥し、表面アルデヒド基変換ポリメチルメタクリレート粉末を得た。この表面アルデヒド基変換ポリメチルメタクリレート粉末10gを攪拌機付き耐圧容器に入れ、3gのバルビツール酸を溶解したメタノール50mLを加え大気圧下25℃にて12時間の反応を行った。その後、耐圧容器内部を窒素置換し、パラジウム活性炭素0.3g/メタノール3mLのサスペンションを窒素フロー下にてシリンジ注入した。その後、水素を0.7MPaの圧力で充填し水素添加反応を25℃にて24時間行った。反応終了後、得られた表面バルビツール酸誘導体結合ポリメチルメタクリレート粉末を細孔径10μmの濾布にて減圧濾過およびメタノール洗浄を繰り返し、未反応のバルビツール酸とパラジウム活性炭素を除去した。得られた複合粒子である、表面にバルビツール酸誘導体が化学的に結合されたポリメチルメタクリレート粉末を減圧乾燥し、バルビツール酸誘導体結合率、活性維持率試験及び硬化試験に供した。
【0089】
[実施例12]
マグネチックスターラー攪拌下にて、上記高分子粒子1であるポリメチルメタクリレート粉末10gをメタノール9容積/蒸留水1容積の混合溶媒50mLに分散し、トリフルオロ酢酸1gを添加した。その後、還流温度にて48時間の加水分解を行い、ポリメチルメタクリレート粉末表面のメチルエステル基をカルボキシル基に変換した。その懸濁液を濾過・水洗し真空乾燥した。次に十分に乾燥を行った該表面カルボキシル基変換ポリメチルメタクリレート粉末10gにピリジンを含有する脱水ジエチルエーテル100mL を加え、マグネチックスターラー攪拌下にて懸濁させ、塩化チオニル3gを溶解した脱水ジエチルエーテル溶液10mLを氷浴下にて1時間かけて添加した。得られた表面酸塩化物ポリメチルメタクリレート粉末は濾過・洗浄を繰り返し単離・乾燥した。次に該表面酸塩化物ポリメチルメタクリレート粉末10gをマグネチックスターラー攪拌下にてピリジンを含有する脱水ジエチルエーテル100mLに分散し、4-アミノ-2,2-ジメチルブタン-1-オールを3g含む脱水ジエチルエーテル10mLを氷浴下にて1時間かけて添加した。得られた表面ヒドロキシル基変換ポリメチルメタクリレート粉末は濾過した後、メタノール洗浄・水洗・濾過を繰り返し単離した。
【0090】
この表面ヒドロキシル基変換ポリメチルメタクリレート粉末10gをジクロロメタン100mLに懸濁させ、ジアセトキシヨードベンゼン0.1gおよび2,2,6,6,-テトラメチルピペリジン-1-オキシルラジカル0.2gを添加し、室温にて24時間酸化反応を行った。反応終了後、懸濁液を濾過・水洗・真空乾燥し、表面アルデヒド基変換ポリメチルメタクリレート粉末を得た。この表面アルデヒド基変換ポリメチルメタクリレート粉末10gを攪拌機付き耐圧容器に入れ3gのバルビツール酸を溶解したメタノール50mLを加え大気圧下25℃にて12時間の反応を行った。その後、耐圧容器内部を窒素置換し、パラジウム活性炭素0.3g/メタノール3mLのサスペンションを窒素フロー下にてシリンジ注入した。その後、水素を0.7MPaの圧力で充填し水素添加反応を25℃にて24時間行った。反応終了後、得られた表面バルビツール酸誘導体結合したポリメチルメタクリレート粉末を細孔径10μmの濾布にて減圧濾過およびメタノール洗浄を繰り返し、未反応のバルビツール酸とパラジウム活性炭素を除去した。得られた複合粒子である、表面にバルビツール酸誘導体が化学的に結合されたポリメチルメタクリレート粉末は減圧乾燥し、バルビツール酸誘導体結合率、活性維持率試験及び硬化試験に供した。
【0091】
[実施例13]
マグネチックスターラー攪拌下にて、上記高分子粒子1であるポリメチルメタクリレート粉末10gをメタノール9容積/蒸留水1容積の混合溶媒50mLに分散し、トリフルオロ酢酸1gを添加した。その後、還流温度にて48時間の加水分解を行い、ポリメチルメタクリレート粉末表面のメチルエステル基をカルボキシル基に変換した。その懸濁液を濾過・水洗し真空乾燥した。次に十分に乾燥を行った該表面カルボキシル基変換ポリメチルメタクリレート粉末10gにピリジンを含有する脱水ジエチルエーテル100mL を加え、マグネチックスターラー攪拌下にて懸濁させ、塩化チオニル3gを溶解した脱水ジエチルエーテル溶液10mLを氷浴下にて1時間かけて添加した。得られた表面酸塩化物ポリメチルメタクリレート粉末は濾過・洗浄を繰り返し単離・乾燥した。次に該表面酸塩化物ポリメチルメタクリレート粉末10gをマグネチックスターラー攪拌下にてピリジンを含有する脱水ジエチルエーテル100mLに分散し、3-アミノ-2,2-ジメチルプロパン-1-オールを3g含む脱水ジエチルエーテル10mLを氷浴下にて1時間かけて添加した。
【0092】
得られた表面ヒドロキシル基変換ポリメチルメタクリレート粉末は濾過した後、メタノール洗浄・水洗・濾過を繰り返し単離した。この表面ヒドロキシル基変換ポリメチルメタクリレート粉末10gをジクロロメタン100mLに懸濁させ、ジアセトキシヨードベンゼン0.1gおよび2,2,6,6,-テトラメチルピペリジン-1-オキシルラジカル0.2gを添加し、室温にて24時間酸化反応を行った。反応終了後、懸濁液を濾過・水洗・真空乾燥し、表面アルデヒド基変換ポリメチルメタクリレート粉末を得た。この表面アルデヒド基変換ポリメチルメタクリレート粉末10gを攪拌機付き耐圧容器に入れ3gのバルビツール酸を溶解したメタノール50mLを加え大気圧下25℃にて12時間の反応を行った。その後、耐圧容器内部を窒素置換し、パラジウム活性炭素0.3g/メタノール3mLのサスペンションを窒素フロー下にてシリンジ注入した。その後、水素を0.7MPaの圧力で充填し水素添加反応を25℃にて24時間行った。反応終了後、得られた表面バルビツール酸誘導体結合ポリメチルメタクリレート粉末を細孔径10μmの濾布にて減圧濾過およびメタノール洗浄を繰り返し、未反応のバルビツール酸とパラジウム活性炭素を除去した。得られた複合粒子である、表面にバルビツール酸誘導体が化学的に結合されたポリメチルメタクリレート粉末は減圧乾燥し、バルビツール酸誘導体結合率、活性維持率試験及び硬化試験に供した。
【0093】
[実施例14]
マグネチックスターラー攪拌下にて、上記高分子粒子1であるポリメチルメタクリレート粉末10gをメタノール9容積/蒸留水1容積の混合溶媒50mLに分散し、トリフルオロ酢酸1gを添加した。その後、還流温度にて48時間の加水分解を行い、ポリメチルメタクリレート粉末表面のメチルエステル基をカルボキシル基に変換した。その懸濁液を濾過・水洗し真空乾燥した。次に十分に乾燥を行った該表面カルボキシル基変換ポリメチルメタクリレート粉末10gにピリジンを含有する脱水ジエチルエーテル100mL を加え、マグネチックスターラー攪拌下にて懸濁させ、塩化チオニル3gを溶解した脱水ジエチルエーテル溶液10mLを氷浴下にて1時間かけて添加した。得られた表面酸塩化物ポリメチルメタクリレート粉末は濾過・洗浄を繰り返し単離・乾燥した。次に該表面酸塩化物ポリメチルメタクリレート粉末10gをマグネチックスターラー攪拌下にてピリジンを含有する脱水ジエチルエーテル100mLに分散し、(4-(4-アミノブチル)フェニル)メタノールを3g含む脱水ジエチルエーテル10mLを氷浴下にて1時間かけて添加した。
【0094】
得られた表面ヒドロキシル基変換ポリメチルメタクリレート粉末は濾過した後、メタノール洗浄・水洗・濾過を繰り返し単離した。この表面ヒドロキシル基変換ポリメチルメタクリレート粉末10gをジクロロメタン100mLに懸濁させ、ジアセトキシヨードベンゼン0.1gおよび2,2,6,6,-テトラメチルピペリジン-1-オキシルラジカル0.2gを添加し、室温にて24時間酸化反応を行った。反応終了後、懸濁液を濾過・水洗・真空乾燥し、表面アルデヒド基変換ポリメチルメタクリレート粉末を得た。この表層アルデヒド基変換ポリメチルメタクリレート粉末10gを攪拌機付き耐圧容器に入れ3gのバルビツール酸を溶解したメタノール50mLを加え大気圧下25℃にて12時間の反応を行った。その後、耐圧容器内部を窒素置換し、パラジウム活性炭素0.3g/メタノール3mLのサスペンションを窒素フロー下にてシリンジ注入した。その後、水素を0.7MPaの圧力で充填し水素添加反応を25℃にて24時間行った。反応終了後、得られた表面バルビツール酸誘導体結合ポリメチルメタクリレート粉末を細孔径10μmの濾布にて減圧濾過およびメタノール洗浄を繰り返し、未反応のバルビツール酸とパラジウム活性炭素を除去した。得られた複合粒子である、表面にバルビツール酸誘導体が化学的に結合されたポリメチルメタクリレート粉末を減圧乾燥し、バルビツール酸誘導体結合率、活性維持率試験及び硬化試験に供した。
【0095】
[実施例15]
マグネチックスターラー攪拌下にて、上記高分子粒子4である架橋型ポリメチルメタクリレート粉末10gをメタノール9容積/蒸留水1容積の混合溶媒50mLに分散し、トリフルオロ酢酸1gを添加した。その後、還流温度にて48時間の加水分解を行い、架橋型ポリメチルメタクリレート粉末表面のメチルエステル基をカルボキシル基に変換した。その懸濁液を濾過・水洗し真空乾燥した。次に十分に乾燥を行った該表面カルボキシル基変換架橋型ポリメチルメタクリレート粉末10gにピリジンを含有する脱水ジエチルエーテル100mL を加え、マグネチックスターラー攪拌下にて懸濁させ、塩化チオニル3gを溶解した脱水ジエチルエーテル溶液10mLを氷浴下にて1時間かけて添加した。得られた表面酸塩化物架橋型ポリメチルメタクリレート粉末は濾過・洗浄を繰り返し単離・乾燥した。次に該表面酸塩化物架橋型ポリメチルメタクリレート粉末10gをマグネチックスターラー攪拌下にてピリジンを含有する脱水ジエチルエーテル100mLに分散し、4-アミノブタン-1-オールを3g含む脱水ジエチルエーテル10mLを氷浴下にて1時間かけて添加した。
【0096】
得られた表面ヒドロキシル基変換架橋型ポリメチルメタクリレート粉末は濾過した後、メタノール洗浄・水洗・濾過を繰り返し単離した。この表面ヒドロキシル基変換架橋型ポリメチルメタクリレート粉末10gをジクロロメタン100mLに懸濁させ、ジアセトキシヨードベンゼン0.1gおよび2,2,6,6,-テトラメチルピペリジン-1-オキシルラジカル0.2gを添加し、室温にて24時間酸化反応を行った。反応終了後、懸濁液を濾過・水洗・真空乾燥し、表面アルデヒド基変換架橋型ポリメチルメタクリレート粉末を得た。この表面アルデヒド基変換架橋型ポリメチルメタクリレート粉末10gを攪拌機付き耐圧容器に入れ3gのバルビツール酸を溶解したメタノール50mLを加え大気圧下25℃にて12時間の反応を行った。その後、耐圧容器内部を窒素置換し、パラジウム活性炭素0.3g/メタノール3mLのサスペンションを窒素フロー下にてシリンジ注入した。その後、水素を0.7MPaの圧力で充填し水素添加反応を25℃にて24時間行った。反応終了後、得られた表面バルビツール酸誘導体結合架橋型ポリメチルメタクリレート粉末を細孔径10μmの濾布にて減圧濾過およびメタノール洗浄を繰り返し、未反応のバルビツール酸とパラジウム活性炭素を除去した。得られた表面にバルビツール酸誘導体が化学的に結合された架橋型ポリメチルメタクリレート粉末を減圧乾燥し、バルビツール酸誘導体結合率、活性維持率試験及び硬化試験に供した。
【0097】
[実施例16]
マグネチックスターラー攪拌下にて、上記高分子粒子5である架橋型ポリエチルメタクリレート粉末10gをメタノール9容積/蒸留水1容積の混合溶媒50mLに分散し、トリフルオロ酢酸1gを添加した。その後、還流温度にて48時間の加水分解を行い、架橋型ポリエチルメタクリレート粉末表面のエチルエステル基をカルボキシル基に変換した。その懸濁液を濾過・水洗し真空乾燥した。次に十分に乾燥を行った該表面カルボキシル基変換架橋型ポリエチルメタクリレート粉末10gにピリジンを含有する脱水ジエチルエーテル100mL を加え、マグネチックスターラー攪拌下にて懸濁させ、塩化チオニル3gを溶解した脱水ジエチルエーテル溶液10mLを氷浴下にて1時間かけて添加した。得られた表面酸塩化物架橋型ポリエチルメタクリレート粉末は濾過・洗浄を繰り返し単離・乾燥した。次に該表面酸塩化物架橋型ポリエチルメタクリレート粉末10gをマグネチックスターラー攪拌下にてピリジンを含有する脱水ジエチルエーテル100mLに分散し、4-アミノブタン-1-オールを3g含む脱水ジエチルエーテル10mLを氷浴下にて1時間かけて添加した。得られた表面ヒドロキシル基変換架橋型ポリエチルメタクリレート粉末は濾過した後、メタノール洗浄・水洗・濾過を繰り返し単離した。この表面ヒドロキシル基変換架橋型ポリエチルメタクリレート粉末10gをジクロロメタン100mLに懸濁させ、ジアセトキシヨードベンゼン0.1gおよび2,2,6,6,-テトラメチルピペリジン-1-オキシルラジカル0.2gを添加し、室温にて24時間酸化反応を行った。反応終了後、懸濁液を濾過・水洗・真空乾燥し、表面アルデヒド基変換架橋型ポリエチルメタクリレート粉末を得た。この表面アルデヒド基変換架橋型ポリエチルメタクリレート粉末10gを攪拌機付き耐圧容器に入れ3gのバルビツール酸を溶解したメタノール50mLを加え大気圧下25℃にて12時間の反応を行った。その後、耐圧容器内部を窒素置換し、パラジウム活性炭素0.3g/メタノール3mLのサスペンションを窒素フロー下にてシリンジ注入した。その後、水素を0.7MPaの圧力で充填し水素添加反応を25℃にて24時間行った。反応終了後、得られた表面バルビツール酸誘導体結合架橋型ポリエチルメタクリレート粉末を細孔径10μmの濾布にて減圧濾過およびメタノール洗浄を繰り返し、未反応のバルビツール酸とパラジウム活性炭素を除去した。得られた複合粒子である、表面にバルビツール酸誘導体が化学的に結合した架橋型ポリエチルメタクリレート粉末を減圧乾燥し、バルビツール酸誘導体結合率、活性維持率試験及び硬化試験に供した。
【0098】
[実施例17]
マグネチックスターラー攪拌下にて、上記高分子粒子6である架橋型メチルメタクリレート−エチルメタクリレートコポリマー粉末10gをメタノール9容積/蒸留水1容積の混合溶媒50mLに分散し、トリフルオロ酢酸1gを添加した。その後、還流温度にて48時間の加水分解を行い、架橋型メチルメタクリレート−エチルメタクリレートコポリマー粉末表面のメチルエステル基およびエチルエステル基をカルボキシル基に変換した。その懸濁液を濾過・水洗し真空乾燥した。次に十分に乾燥を行った該表面カルボキシル基変換架橋型メチルメタクリレート−エチルメタクリレートコポリマー粉末10gにピリジンを含有する脱水ジエチルエーテル100mL を加え、マグネチックスターラー攪拌下にて懸濁させ、塩化チオニル3gを溶解した脱水ジエチルエーテル溶液10mLを氷浴下にて1時間かけて添加した。得られた表面酸塩化物架橋型メチルメタクリレート−エチルメタクリレートコポリマー粉末は濾過・洗浄を繰り返し単離・乾燥した。次に該表面酸塩化物架橋型メチルメタクリレート−エチルメタクリレートコポリマー粉末10gをマグネチックスターラー攪拌下にてピリジンを含有する脱水ジエチルエーテル100mLに分散し、4-アミノブタン-1-オールを3g含む脱水ジエチルエーテル10mLを氷浴下にて1時間かけて添加した。
【0099】
得られた表面ヒドロキシル基変換架橋型メチルメタクリレート−エチルメタクリレートコポリマー粉末は濾過した後、メタノール洗浄・水洗・濾過を繰り返し単離した。この表面ヒドロキシル基変換架橋型メチルメタクリレート−エチルメタクリレートコポリマー粉末10gをジクロロメタン100mLに懸濁させ、ジアセトキシヨードベンゼン0.1gおよび2,2,6,6,-テトラメチルピペリジン-1-オキシルラジカル0.2gを添加し、室温にて24時間酸化反応を行った。反応終了後、懸濁液を濾過・水洗・真空乾燥し、表面アルデヒド基変換架橋型メチルメタクリレート−エチルメタクリレートコポリマー粉末を得た。この表面アルデヒド基変換架橋型メチルメタクリレート−エチルメタクリレートコポリマー粉末10gを攪拌機付き耐圧容器に入れ、3gのバルビツール酸を溶解したメタノール50mLを加え大気圧下25℃にて12時間の反応を行った。その後、耐圧容器内部を窒素置換し、パラジウム活性炭素0.3g/メタノール3mLのサスペンションを窒素フロー下にてシリンジ注入した。その後、水素を0.7MPaの圧力で充填し水素添加反応を25℃にて24時間行った。反応終了後、得られた表面バルビツール酸誘導体結合架橋型メチルメタクリレート−エチルメタクリレートコポリマー粉末を細孔径10μmの濾布にて減圧濾過およびメタノール洗浄を繰り返し、未反応のバルビツール酸とパラジウム活性炭素を除去した。得られた複合粒子である、表面にバルビツール酸誘導体が化学的に結合された架橋型メチルメタクリレート−エチルメタクリレートコポリマー粉末を減圧乾燥し、バルビツール酸誘導体結合率、活性維持率試験及び硬化試験に供した。
【0100】
[実施例18]〜[実施例34]
上記実施例1〜17の各実施例において、バルビツール酸を、1,3-ジメチルピリミジン-2,4,6-トリオンに替えてそれぞれ合成を行い、得られた複合粒子を、バルビツール酸誘導体結合率、活性維持率試験及び硬化試験に供した。
【0101】
[実施例35]〜[実施例51]
上記実施例1〜17の各実施例において、バルビツール酸を、1-シクロヘキシルピリミジン-2,4,6-トリオンに替えてそれぞれ合成を行い、得られた複合粒子を、バルビツール酸誘導体結合率、活性維持率試験及び硬化試験に供した。
【0102】
[実施例52]〜[実施例68]
上記実施例1〜17の各実施例において、バルビツール酸を、1-ベンジルピリミジン-2,4,6-トリオンに替えてそれぞれ合成を行い、得られた複合粒子を、バルビツール酸誘導体結合率、活性維持率試験及び硬化試験に供した。
【0103】
[実施例69]〜[実施例85]
上記実施例1〜17の各実施例において、バルビツール酸を、1,3-ジエチルピリミジン-2,4,6-トリオンに替えてそれぞれ合成を行い、得られた複合粒子を、バルビツール酸誘導体結合率、活性維持率試験及び硬化試験に供した。
【0104】
[実施例86]〜[実施例102]
上記実施例1〜17の各実施例において、バルビツール酸を、1-メチルピリミジン-2,4,6-トリオンに替えてそれぞれ合成を行い、得られた複合粒子を、バルビツール酸誘導体結合率、活性維持率試験及び硬化試験に供した。
【0105】
[実施例103]〜[実施例119]
上記実施例1〜17の各実施例において、バルビツール酸を、3-メチルピリミジン-2,4,6-トリオンに替えて合成をそれぞれ行い、得られた複合粒子を、バルビツール酸誘導体結合率、活性維持率試験及び硬化試験に供した。
【0106】
次に、比較例1〜13として、次のようにバルビツール酸誘導体を合成した。
【0107】
[比較例1]
攪拌機付き耐圧容器に脱水メタノール溶媒50mLを充填し5.8gの4-(トリメトキシシリル)ブタナールを溶解した。そこに6gのバルビツール酸を懸濁溶解した脱水メタノール50mLを加え大気圧下25℃にて12時間の反応を行った。その後、耐圧容器内部を窒素置換し、パラジウム活性炭素0.3g/脱水メタノール3mLのサスペンションを窒素フロー下にてシリンジ注入した。その後、水素を0.7MPaの圧力で充填し水素添加反応を25℃にて24時間行った。反応終了後、得られたバルビツール酸誘導体を細孔径10μmの濾布にて減圧濾過およびメタノール洗浄を繰り返し、未反応のバルビツール酸とパラジウム活性炭素を除去した。得られたバルビツール酸誘導体は脱水メタノールを展開溶媒としたカラム分離を行った。その後、溶媒をエバポレーターにて留去し、目的のバルビツール酸誘導体である、[5-(4-(トリメトキシシリル)ブチル)ピリミジン-2,4,6-トリオン]を得た。得られたバルビツール酸誘導体を活性維持率試験及び硬化試験に供した。
【0108】
[比較例2]
攪拌機付き耐圧容器に脱水メタノール溶媒50mLを充填し7.0gの2,2-ジメチル-4-(トリメトキシシリル)ブタナールを溶解した。そこに6gのバルビツール酸を懸濁溶解した脱水メタノール50mLを加え大気圧下25℃にて12時間の反応を行った。その後、耐圧容器内部を窒素置換し、パラジウム活性炭素0.3g/脱水メタノール3mLのサスペンションを窒素フロー下にてシリンジ注入した。その後、水素を0.7MPaの圧力で充填し水素添加反応を25℃にて24時間行った。反応終了後、得られたバルビツール酸誘導体を細孔径10μmの濾布にて減圧濾過およびメタノール洗浄を繰り返し、未反応のバルビツール酸とパラジウム活性炭素を除去した。得られたバルビツール酸誘導体は脱水メタノールを展開溶媒としたカラム分離を行った。その後、溶媒をエバポレーターにて留去し、目的のバルビツール酸誘導体である[5-(2,2-ジメチル-4-(トリメトキシシリル)ブチル)ピリミジン-2,4,6-トリオン]を得た。得られたバルビツール酸誘導体を活性維持率試験及び硬化試験に供した。
【0109】
[比較例3]
攪拌機付き耐圧容器に脱水メタノール溶媒50mLを充填し8.0gの4-(3-(トリメトキシシリル)-プロピル)ベンズアルデヒドを溶解した。そこに6gのバルビツール酸を懸濁溶解した脱水メタノール50mLを加え大気圧下25℃にて12時間の反応を行った。その後、耐圧容器内部を窒素置換し、パラジウム活性炭素0.3g/脱水メタノール3mLのサスペンションを窒素フロー下にてシリンジ注入した。その後、水素を0.7MPaの圧力で充填し水素添加反応を25℃にて24時間行った。反応終了後、得られたバルビツール酸誘導体を細孔径10μmの濾布にて減圧濾過およびメタノール洗浄を繰り返し、未反応のバルビツール酸とパラジウム活性炭素を除去した。得られたバルビツール酸誘導体は脱水メタノールを展開溶媒としたカラム分離を行った。その後、溶媒をエバポレーターにて留去し、目的のバルビツール酸誘導体である[5-(4-(3-(トリメトキシシリル)-プロピル)-ベンジル)-ピリミジン-2,4,6-トリオン]を得た。得られたバルビツール酸誘導体を活性維持率試験及び硬化試験に供した。
【0110】
[比較例4]
3-アミノプロパン-1-オール2.3gをピリジン2.5gを含有する脱水ジクロロメタン50mLに溶解させ、氷浴下にてイソブチリルクロライド3.2gを溶解させた脱水ジクロロメタン10mLを1時間かけてマグネチックスターラー攪拌下にて添加した。得られたN-(3-ヒドロキシプロピル)イソブチルアミドを含む反応溶液は濾過し、ピリジン塩酸塩を除去した。その後、メタノール/蒸留水を展開溶媒としたカラム分離で精製した。次にN-(3-ヒドロキシプロピル)イソブチルアミド4.4gををジクロロメタン50mLに溶解させ、ジアセトキシヨードベンゼン0.2gおよび2,2,6,6,-テトラメチルピペリジン-1-オキシルラジカル0.4gを添加し、室温にて24時間酸化反応を行った。その後、ジクロロメタンを留去し、メタノールを展開溶媒としてカラム分離した。得られたN-(3-オキソプロピル)イソブチルアミド4.3gを含むメタノール溶液50mLを攪拌機付き耐圧容器に入れ、6gのバルビツール酸を溶解したメタノール50mLを加え大気圧下25℃にて12時間の反応を行った。その後、耐圧容器内部を窒素置換し、パラジウム活性炭素0.3g/メタノール3mLのサスペンションを窒素フロー下にてシリンジ注入した。その後、水素を0.7MPaの圧力で充填し水素添加反応を25℃にて24時間行った。反応終了後、得られたN-(3-(2,4,6-トリオキソ-ヘキサヒドロピリミジン-5-イル)プロピル)イソブチルアミド溶液は細孔径10μmの濾布にて減圧濾過およびメタノール洗浄を繰り返し、未反応のバルビツール酸とパラジウム活性炭素を除去した。その後、メタノールを展開溶媒としてカラム分離し単離した。得られたバルビツール酸誘導体である[N-(3-(2,4,6-トリオキソ-ヘキサヒドロピリミジン-5-イル)プロピル)イソブチルアミド]を活性維持率試験及び硬化試験に供した。
【0111】
[比較例5]
3-アミノブタン-1-オール2.7gをピリジン2.5gを含有する脱水ジクロロメタン50mLに溶解させ、氷浴下にてイソブチリルクロライド3.2gを溶解させた脱水ジクロロメタン10mLを1時間かけてマグネチックスターラー攪拌下にて添加した。得られたN-(4-ヒドロキシブチル)イソブチルアミドを含む反応溶液は濾過し、ピリジン塩酸塩を除去した。その後、メタノール/蒸留水を展開溶媒としたカラム分離で精製した。次にN-(4-ヒドロキシブチル)イソブチルアミド4.8gをジクロロメタン50mLに溶解させ、ジアセトキシヨードベンゼン0.2gおよび2,2,6,6,-テトラメチルピペリジン-1-オキシルラジカル0.4gを添加し、室温にて24時間酸化反応を行った。その後、ジクロロメタンを留去し、メタノールを展開溶媒としてカラム分離した。得られたN-(4-オキソブチル)イソブチルアミド4.8gを含むメタノール溶液50mLを攪拌機付き耐圧容器に入れ、6gのバルビツール酸を溶解したメタノール50mLを加え大気圧下25℃にて12時間の反応を行った。その後、耐圧容器内部を窒素置換し、パラジウム活性炭素0.3g/メタノール3mLのサスペンションを窒素フロー下にてシリンジ注入した。その後、水素を0.7MPaの圧力で充填し水素添加反応を25℃にて24時間行った。反応終了後、得られたN-(4-(2,4,6-トリオキソ-ヘキサヒドロピリミジン-5-イル)ブチル)イソブチルアミド溶液は細孔径10μmの濾布にて減圧濾過およびメタノール洗浄を繰り返し、未反応のバルビツール酸とパラジウム活性炭素を除去した。その後、メタノールを展開溶媒としてカラム分離し単離した。得られたバルビツール酸誘導体である[N-(4-(2,4,6-トリオキソ-ヘキサヒドロピリミジン-5-イル)ブチル)イソブチルアミド]を活性維持率試験及び硬化試験に供した。
【0112】
[比較例6]
4-アミノ-2,2-ジメチルブタン-1-オール3.6gをピリジン2.5gを含有する脱水ジクロロメタン50mLに溶解させ、氷浴下にてイソブチリルクロライド3.2gを溶解させた脱水ジクロロメタン10mLを1時間かけてマグネチックスターラー攪拌下にて添加した。得られたN-(4-ヒドロキシ-3,3-ジメチルブチル)イソブチルアミドを含む反応溶液は濾過し、ピリジン塩酸塩を除去した。その後、メタノール/蒸留水を展開溶媒としたカラム分離で精製した。次にN-(4-ヒドロキシ-3,3-ジメチルブチル)イソブチルアミド5.7gをジクロロメタン50mLに溶解させ、ジアセトキシヨードベンゼン0.2gおよび2,2,6,6,-テトラメチルピペリジン-1-オキシルラジカル0.4gを添加し、室温にて24時間酸化反応を行った。その後、ジクロロメタンを留去し、メタノールを展開溶媒としてカラム分離した。得られたN-(3,3-ジメチル-4-オキソブチル)イソブチルアミド5.6gを含むメタノール溶液50mLを攪拌機付き耐圧容器に入れ、6gのバルビツール酸を溶解したメタノール50mLを加え大気圧下25℃にて12時間の反応を行った。その後、耐圧容器内部を窒素置換し、パラジウム活性炭素0.3g/メタノール3mLのサスペンションを窒素フロー下にてシリンジ注入した。その後、水素を0.7MPaの圧力で充填し水素添加反応を25℃にて24時間行った。反応終了後、得られたN-(3,3-ジメチル-4-(2,4,6-トリオキソ-ヘキサヒドロピリミジン-5-イル)ブチル)イソブチルアミド溶液は細孔径10μmの濾布にて減圧濾過およびメタノール洗浄を繰り返し、未反応のバルビツール酸とパラジウム活性炭素を除去した。その後、メタノールを展開溶媒としてカラム分離し単離した。得られたバルビツール酸誘導体である[N-(3,3-ジメチル-4-(2,4,6-トリオキソ-ヘキサヒドロピリミジン-5-イル)ブチル)イソブチルアミド]を活性維持率試験及び硬化試験に供した。
【0113】
[比較例7]
3-アミノ-2,2-ジメチルプロパン-1-オール3.1gをピリジン2.5gを含有する脱水ジクロロメタン50mLに溶解させ、氷浴下にてイソブチリルクロライド3.2gを溶解させた脱水ジクロロメタン10mLを1時間かけてマグネチックスターラー攪拌下にて添加した。得られたN-(3-ヒドロキシ-2,2-ジメチルプロピル)イソブチルアミドを含む反応溶液は濾過し、ピリジン塩酸塩を除去した。その後、メタノール/蒸留水を展開溶媒としたカラム分離で精製した。次にN-(3-ヒドロキシ-2,2-ジメチルプロピル)イソブチルアミド5.2gをジクロロメタン50mLに溶解させ、ジアセトキシヨードベンゼン0.2gおよび2,2,6,6,-テトラメチルピペリジン-1-オキシルラジカル0.4gを添加し、室温にて24時間酸化反応を行った。その後、ジクロロメタンを留去し、メタノールを展開溶媒としてカラム分離した。得られたN-(2,2-ジメチル-3-オキソプロピル)イソブチルアミド5.2gを含むメタノール溶液50mLを攪拌機付き耐圧容器に入れ、6gのバルビツール酸を溶解したメタノール50mLを加え大気圧下25℃にて12時間の反応を行った。その後、耐圧容器内部を窒素置換し、パラジウム活性炭素0.3g/メタノール3mLのサスペンションを窒素フロー下にてシリンジ注入した。その後、水素を0.7MPaの圧力で充填し水素添加反応を25℃にて24時間行った。反応終了後、得られたN-(2,2-ジメチル-3-(2,4,6-トリオキソ-ヘキサヒドロピリミジン-5-イル)プロピル)イソブチルアミド溶液は細孔径10μmの濾布にて減圧濾過およびメタノール洗浄を繰り返し、未反応のバルビツール酸とパラジウム活性炭素を除去した。その後、メタノールを展開溶媒としてカラム分離し単離した。得られたバルビツール酸誘導体である[N-(2,2-ジメチル-3-(2,4,6-トリオキソ-ヘキサヒドロピリミジン-5-イル)プロピル)イソブチルアミド]は活性維持率試験及び硬化試験に供した。
【0114】
[比較例8]
(4-(4-アミノブチル)フェニル)メタノール5.4gを、ピリジン2.5gを含有する脱水ジクロロメタン50mLに溶解させ、氷浴下にてイソブチリルクロライド3.2gを溶解させた脱水ジクロロメタン10mLを1時間かけてマグネチックスターラー攪拌下にて添加した。得られたN-(4-(4-(ヒドロキシメチル)フェニル)ブチル)イソブチルアミドを含む反応溶液は濾過し、ピリジン塩酸塩を除去した。その後、メタノール/蒸留水を展開溶媒としたカラム分離で精製した。次にN-(4-(4-(ヒドロキシメチル)フェニル)ブチル)イソブチルアミド7.5gをジクロロメタン50mLに溶解させ、ジアセトキシヨードベンゼン0.2gおよび2,2,6,6,-テトラメチルピペリジン-1-オキシルラジカル0.4gを添加し、室温にて24時間酸化反応を行った。その後、ジクロロメタンを留去し、メタノールを展開溶媒としてカラム分離した。得られたN-(4-(4-フォルミルフェニル)ブチル)イソブチルアミド7.4gを含むメタノール溶液50mLを攪拌機付き耐圧容器に入れ、6gのバルビツール酸を溶解したメタノール50mLを加え大気圧下25℃にて12時間の反応を行った。その後、耐圧容器内部を窒素置換し、パラジウム活性炭素0.3g/メタノール3mLのサスペンションを窒素フロー下にてシリンジ注入した。その後、水素を0.7MPaの圧力で充填し水素添加反応を25℃にて24時間行った。反応終了後、得られたN-(4-(4-((2,4,6-トリオキソ-ヘキサヒドロピリミジン-5-イル)メチル)フェニル)ブチル)イソブチルアミド溶液は細孔径10μmの濾布にて減圧濾過およびメタノール洗浄を繰り返し、未反応のバルビツール酸とパラジウム活性炭素を除去した。その後、メタノールを展開溶媒としてカラム分離し単離した。得られたバルビツール酸誘導体である[N-(4-(4-((2,4,6-トリオキソ-ヘキサヒドロピリミジン-5-イル)メチル)フェニル)ブチル)イソブチルアミド]を活性維持率試験及び硬化試験に供した。
【0115】
[比較例9]
攪拌機および還流冷却器を備えた100mL容積の3口フラスコにエタノール30mL、ナトリウムエチラート20wt%エタノール溶液11g、ジエチル2-メチルマロネート5.2g、1,3-ジメチルウレア2.6gを仕込み還流温度にて6時間反応させた。反応終了後、エバポレーターにてエタノールを留去し、分液ロートに移した。その分液ロートに蒸留水100mLおよび酢酸エチル200mLを加え十分に振とうした後、有機相を分離した。有機相は更に100mLの蒸留水で3回洗浄した。その後、飽和食塩水にて洗浄し、硫酸マグネシウムにて乾燥した。乾燥終了後、酢酸エチル/ヘキサンを展開溶媒としてカラム分離し溶媒を留去した。得られたバルビツール酸誘導体である[1,3,5-トリメチルピリミジン-2,4,6-トリオン]を活性維持率試験及び硬化試験に供した。
【0116】
[比較例10]
攪拌機および還流冷却器を備えた100mL容積の3口フラスコにエタノール30mL、ナトリウムエチラート20wt%エタノール溶液11g、ジエチル2-エチルマロネート5.7g、1-シクロヘキシルウレア4.3gを仕込み還流温度にて6時間反応させた。反応終了後、エバポレーターにてエタノールを留去し、分液ロートに移した。その分液ロートに蒸留水100mLおよび酢酸エチル200mLを加え十分に振とうした後、有機相を分離した。有機相は更に100mLの蒸留水で3回洗浄した。その後、飽和食塩水にて洗浄し、硫酸マグネシウムにて乾燥した。乾燥終了後、酢酸エチル/ヘキサンを展開溶媒としてカラム分離し溶媒を留去した。得られたバルビツール酸誘導体である[1-シクロヘキシル-5-エチルピリミジン-2,4,6-トリオン]を活性維持率試験及び硬化試験に供した。
【0117】
[比較例11]
攪拌機および還流冷却器を備えた100mL容積の3口フラスコにベンゼン30mL、ナトリウムエチラート20wt%ベンゼン溶液11g、ジエチル2-フェニルマロネート7.1g、1-ベンジルウレア4.5gを仕込み還流温度にて6時間反応させた。反応終了後、エバポレーターにてベンゼンを留去し、分液ロートに移した。その分液ロートに蒸留水100mLおよび酢酸エチル200mLを加え十分に振とうした後、有機相を分離した。有機相は更に100mLの蒸留水で3回洗浄した。その後、飽和食塩水にて洗浄し、硫酸マグネシウムにて乾燥した。乾燥終了後、酢酸エチル/ヘキサンを展開溶媒としてカラム分離し溶媒を留去した。得られたバルビツール酸誘導体である[1-ベンジル-5-フェニルピリミジン-2,4,6-トリオン]を活性維持率試験及び硬化試験に供した。
【0118】
[比較例12]
攪拌機および還流冷却器を備えた100mL容積の3口フラスコにエタノール30mL、ナトリウムエチラート20wt%エタノール溶液11g、ジエチル2-プロピルマロネート6.1g、1-シクロヘキシルウレア4.3gを仕込み還流温度にて6時間反応させた。反応終了後、エバポレーターにてエタノールを留去し、分液ロートに移した。その分液ロートに蒸留水100mLおよび酢酸エチル200mLを加え十分に振とうした後、有機相を分離した。有機相は更に100mLの蒸留水で3回洗浄した。その後、飽和食塩水にて洗浄し、硫酸マグネシウムにて乾燥した。乾燥終了後、酢酸エチル/ヘキサンを展開溶媒としてカラム分離し溶媒を留去した。得られたバルビツール酸誘導体である[1-シクロヘキシル-5-プロピルピリミジン-2,4,6-トリオン]を活性維持率試験及び硬化試験に供した。
【0119】
[比較例13]
攪拌機および還流冷却器を備えた100mL容積の3口フラスコにエタノール30mL、ナトリウムエチラート20wt%エタノール溶液11g、ジエチル2-ブチルマロネート6.5g、ウレア1.8gを仕込み還流温度にて6時間反応させた。反応終了後、エバポレーターにてエタノールを留去し、分液ロートに移した。その分液ロートに蒸留水100mLおよび酢酸エチル200mLを加え十分に振とうした後、有機相を分離した。有機相は更に100mLの蒸留水で3回洗浄した。その後、飽和食塩水にて洗浄し、硫酸マグネシウムにて乾燥した。乾燥終了後、酢酸エチル/ヘキサンを展開溶媒としてカラム分離し溶媒を留去した。得られたバルビツール酸誘導体である[2-ブチルピリミジン-2,4,6-トリオン]を活性維持率試験及び硬化試験に供した。
【0120】
[比較例14]〜[比較例26]
上記比較例1〜13でそれぞれ合成した各バルビツール酸誘導体を、次のようにして粒子にそれぞれ吸着させてバルビツール酸誘導体吸着型粒子をそれぞれ調製して比較例14〜比較例26とした。
【0121】
これら比較例14〜26では、上記比較例1〜13でそれぞれ合成したバルビツール酸誘導体10mmolとシリガゲルであるワコーシルC-300(和光純薬工業株式会社製)10gを耐圧ガラス工業株式会社製6枚ディスクタービン付超臨界反応装置(TSC-WC-0096)に充填し、攪拌下にて液化二酸化炭素により超臨界状態にした。超臨界状態を24時間維持させた後に二酸化炭素ガスを除去しシリカゲル粒子にバルビツール酸誘導体が含浸したバルビツール酸誘導体吸着型粒子を調整した。得られたバルビツール酸誘導体吸着型粒子を、活性維持率試験、硬化試験及びソックスレー抽出試験に供した。
【0122】
次に、バルビツール酸誘導体結合率、活性維持率試験及び硬化試験について説明する。
【0123】
(バルビツール酸誘導体結合率)
上記各実施例1〜119で得られた複合粒子におけるバルビツール酸誘導体の粒子に対する結合率を、バルビツール酸誘導体結合率として次のようにして評価した。
【0124】
バルビツール酸は、塩基と等モルで反応するので、各実施例で得られた複合粒子約0.5gを1mg精度にて精秤し、蒸留水10mlに分散した。この分散液を10mmol/Lの水酸化ナトリウム水溶液にてブロモチモールブルーを指示薬として酸塩基滴定分析し、複合粒子1g当たりのバルビツール酸の濃度(mmol/g)を算出した。なお、高分子を粒子として用いた場合には、蒸留水に極微量のドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムを添加しバルビツール酸誘導体結合粒子を分散させた。
【0125】
(活性維持率試験)
上記各実施例1〜119で得られた複合粒子、上記各比較例1〜13のバルビツール酸誘導体、及び、上記各比較例14〜26のバルビツール酸誘導体吸着型粒子を、23℃-100%RTの環境下に2週間放置した後のバルビツール酸誘導体の活性度(維持率)を、強制放置後の活性維持率として、次のようにして算出した。
【0126】
すなわち、23℃-100%RTの環境下に2週間放置した後のバルビツール酸誘導体結合率を、上述のバルビツール酸誘導体結合率と同様に酸塩基滴定によって算出し、当初のバルビツール酸誘導体結合率を100%としてその割合を算出した。
【0127】
(即時重合レジン調製直後の硬化時間)
上記実施例1〜119の複合粒子および比較例1〜26にて合成したバルビツール酸誘導体およびバルビツール酸誘導体吸着型粒子を、上述の高分子粒子1であるポリメチルメタクリレート粒子に1g当たりバルビツール酸誘導体が0.1mmol含有となるように即時重合レジン粉末を調製する。
【0128】
この即重合レジン粉末と、即時重合レジン液剤としての、トリオクチルメチルアンモニウムクロライド0.05wt%,銅(II)アセチルアセトナート錯体100ppmを含有するメチルメタクリレートモノマーとを混和させ、硬化試験を行った。なお、硬化試験は、調合した即時重合レジン粉末1.0gに対して、即時重合レジン液剤0.5mLを20秒混合し、混合開始から1分後に37℃−100%RTの環境下に移し、直径1.0mm-質量100gのビカー針の痕跡が付かなく時点を硬化時間とした。
【0129】
(即時重合レジン強制放置後の硬化時間)
さらに、この硬化試験を、即時重合レジン粉末を23℃-100%RTの環境下に2週間放置した試料について行い、粉末に含有されるバルビツール酸誘導体の湿度による劣化度合いの目安とした。
【0130】
以上の各試験結果を、下記表1〜8に示す。
【0131】
【表1】
【0132】
【表2】
【0133】
【表3】
【0134】
【表4】
【0135】
【表5】
【0136】
【表6】
【0137】
【表7】
【0138】
【表8】
【0139】
表1〜表7に示す実施例1〜119は、強制放置後の活性維持率が、後述の実施例3,20,37,54,71,88,105を除いて、90%以上であるのに対して、表8に示す比較例1〜26は、強制放置後の活性維持率が、約20%以下となっている。
【0140】
また、表1〜表8に示すように、即時重合レジンの調製直後の硬化時間が、実施例1〜119および比較例1〜26では、いずれも300秒前後であるのに対して、強制放置後の即時重合レジンの硬化時間は、表1〜表7に示される実施例1〜119は、調製直後に比べてあまり変化がないが、表8に示される比較例1〜26では、その半数以上で硬化が認められず、その他の比較例においても、調製直後に比べて硬化時間が、約2倍以上と大幅に延びている。
【0141】
これは、実施例1〜119の複合粒子では、バルビツール酸誘導体が結晶として存在せず、分子レベルで化学的に粒子に結合しており、その化学的構造によって、湿度の影響を受けにくく、分子間の二量化による失活が抑制されている。これに対して、比較例1〜13では、バルビツール酸誘導体がマクロな結晶として存在し、また、比較例4〜26では、シリカゲル細孔にミクロな結晶として存在しているが、分子レベルではマクロな結晶と差異はなく、いずれも湿度の影響を受けて連鎖的に二量化し失活したためである。
【0142】
実施例3,20,37,54,71,88,105は、いずれも4-(トリメトキシシリル)ブタナールの添加量を増やして粒子表面へのバルビツール酸誘導体の導入の割合を高めたものである。したがって、表1〜表7に示すように、
実施例3,20,37,54,71,88,105のバルビツール酸誘導体の結合率は、他の実施例に比べて高くなっている。
【0143】
このように粒子に対するバルビツール酸誘導体の結合率を高めた実施例3,20,37,54,71,88,105では、バルビツール酸誘導体が近接することによって、隣合うバルビツール酸誘導体同士が二量化する確率が高まることになる。このようにバルビツール酸誘導体が二量化可能な分子間距離にある実施例3,20,37,54,71,88,105では、表1〜表7に示すように、強制放置後の活性維持率が40%あるいは50%前後となっており、90%以上である他の実施例に比べて低くなっており、湿度の影響を受けて若干の失活を示した。
【0144】
次に、ソックスレー抽出試験およびガスクロマトグラフ質量分析について説明する。
【0145】
(ソックスレー抽出試験およびガスクロマトグラフ質量分析)
バルビツール酸誘導体の粒子に対する化学的結合性を評価する目的で実施例1〜119および比較例14〜26で調製した粒子を、メタノールを抽出溶媒としてソックスレー抽出を行った。すなわち、実施例1〜119および比較例14〜26で調製した粒子を約1gソックスレー抽出円筒ろ紙に計量し、有効容積100mLのソックスレー抽出器にてメタノール還流温度で24時間の抽出を行った。抽出操作終了後、ソックスレー抽出円筒ろ紙ごと真空乾燥を行った。得られたろ紙上の乾燥試料を、以下の分析装置および測定条件で質量分析を行いバルビツール酸誘導体骨格であるバルビツール酸の有無を調べた。測定結果を表9に示す。
【0146】
GC‐MS測定(測定条件)
ガスクロマトグラフ質量分析計:GCMS-QP2010Plus (島津製作所製),使用カラム:Rtx-5 (Restek U.S 社製, 5%diphenyl-95%dimethyl polysiloxane, 30m_0.25mmID, 0.25μmdf),カラムオーブン温度:80℃,気化温度(キューリーポイントパイロライザー使用):600℃,オーブン温度プログラム:80_350℃, Rate 10℃/min,MS イオン源種:EI,イオン源温度:200℃
【0147】
【表9】
【0148】
ソックスレー抽出試験では、表9に示すように実施例1〜119は抽出操作後もバルビツール酸由来のm/z=128のフラグメントが観察された。これはバルビツール酸誘導体が粒子に化学的に結合していることを示し、単なるソックスレー抽出操作では結合が切れないことを示唆している。
【0149】
これに対して比較例14〜26のバルビツール酸誘導体吸着型粒子ではソックスレー抽出操作で完全にバルビツール酸誘導体とシリカゲルに分離し、環境の影響を大きく受けることが示唆された。従って、バルビツール酸誘導体が粒子に化学的に結合した本発明の複合粒子は、歯科や整形外科用の重合開始剤(重合触媒)などとして十分な安定性を示すことが確認された。
【0150】
これによって、従来例のように、製造工程が煩雑であるマイクロカプセル化や過剰な包装をすることなく、また、バルビツール酸誘導体に疎水基を結合させることなく、湿度の影響を受けない安定なバルビツール酸誘導体を提供することができ、特に、歯科や整形外科用の重合開始剤などとして有用である。