特許第5758872号(P5758872)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5758872トラッキング・エリアを用いて移動通信ネットワークを構成する方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5758872
(24)【登録日】2015年6月12日
(45)【発行日】2015年8月5日
(54)【発明の名称】トラッキング・エリアを用いて移動通信ネットワークを構成する方法
(51)【国際特許分類】
   H04W 16/00 20090101AFI20150716BHJP
   H04W 92/12 20090101ALI20150716BHJP
【FI】
   H04W16/00
   H04W92/12
【請求項の数】15
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2012-286703(P2012-286703)
(22)【出願日】2012年12月28日
(62)【分割の表示】特願2008-539404(P2008-539404)の分割
【原出願日】2006年11月2日
(65)【公開番号】特開2013-102488(P2013-102488A)
(43)【公開日】2013年5月23日
【審査請求日】2013年1月25日
(31)【優先権主張番号】05292352.1
(32)【優先日】2005年11月7日
(33)【優先権主張国】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】391030332
【氏名又は名称】アルカテル−ルーセント
(74)【代理人】
【識別番号】100094112
【弁理士】
【氏名又は名称】岡部 讓
(74)【代理人】
【識別番号】100106183
【弁理士】
【氏名又は名称】吉澤 弘司
(74)【代理人】
【識別番号】100128657
【弁理士】
【氏名又は名称】三山 勝巳
(74)【代理人】
【識別番号】100160967
【弁理士】
【氏名又は名称】▲濱▼口 岳久
(74)【代理人】
【識別番号】100170601
【弁理士】
【氏名又は名称】川崎 孝
(72)【発明者】
【氏名】ドレヴォン,ニコラス
(72)【発明者】
【氏名】ブルティンク,アラン
(72)【発明者】
【氏名】ティエボー,ローラン
【審査官】 伊東 和重
(56)【参考文献】
【文献】 特開2003−174665(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 7/24−7/26
H04W 4/00−99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
トラッキング・エリアでセルラ移動通信ネットワークを構成する方法であって、
登録要求メッセージを、拡張NodeB(ENB)から移動性管理エンティティ(MME)に送信するステップであって、前記登録要求メッセージは、前記EMBを、該EMBによってサポートされる少なくとも1つのトラッキング・エリアに対する前記MMEに登録するために前記少なくとも1つのトラッキング・エリアを含むステップと、
前記登録要求メッセージが受け入れられたか、または拒否されたかを示す登録受け入れメッセージ又は登録拒否メッセージを前記MMEから前記ENBで受信するステップとを含む方法。
【請求項2】
請求項1に記載の方法において、
該ENBから該MMEに、該ENBの構成データを含む登録要求を送信するステップをさらに含み、該構成データは、少なくとも1つのトラッキング・エリアを含む方法。
【請求項3】
請求項1及び2の何れか1項に記載の方法において、
該MMEが登録要求メッセージを受信すると、該MMEと該ENBとの間で認証を実行するステップをさらに含む方法。
【請求項4】
移動通信ネットワークのための拡張NodeB(ENB)であって、
登録要求メッセージを移動性管理エンティティ(MME)に送信するように構成され、前記登録要求メッセージは、前記EMBを、該EMBによってサポートされる少なくとも1つのトラッキング・エリアに対する前記MMEに登録するために前記少なくとも1つのトラッキング・エリアを含み、
前記登録要求メッセージが受け入れられたか、または拒否されたかを示す登録受け入れメッセージ又は登録拒否メッセージを前記MMEから受信するように構成される、拡張NodeB。
【請求項5】
請求項に記載のENBにおいて、
該MMEに、該ENBの構成データを含む登録要求を送信するように構成され、該構成データは、少なくとも1つのトラッキング・エリアを含む拡張NodeB。
【請求項6】
移動通信ネットワークの移動性管理エンティティ(MME)であって、
拡張NodeB(ENB)が関連付けられるべき少なくとも1つのトラッキング・エリアについて、該ENBを該MMEに登録するように構成され、
該MMEは、さらに、該ENBから登録要求メッセージを受信し、該ENBに、登録受け入れメッセージ又は登録拒否メッセージを送信するように構成され、
該MMEは、さらに、登録要求を受け入れ又は拒否するように構成される移動性管理エンティティ(MME)。
【請求項7】
請求項に記載の移動性管理エンティティ(MME)において、
該ENBから、該ENBの構成データを含む要求メッセージを受信するように構成され、該構成データは、少なくとも1つのトラッキング・エリアを含む移動性管理エンティティ(MME)。
【請求項8】
請求項及びの何れか1項に記載の移動性管理エンティティ(MME)において、
該ENBから該要求を受信すると、認証を実行するように構成される移動性管理エンティティ(MME)。
【請求項9】
請求項乃至の何れか1項に記載の移動性管理エンティティ(MME)において、
該登録要求を受け入れると、該ENBを該少なくとも1つのトラッキング・エリアと関連付けるようにさらに構成される移動性管理エンティティ(MME)。
【請求項10】
請求項1乃至3の何れか1項に記載の方法において、
該登録するステップは、アプリケーション・レベルの登録に対応している方法。
【請求項11】
請求項4及びの何れか1項に記載の拡張NodeB(ENB)において、
該登録は、アプリケーション・レベルの登録に対応している拡張NodeB(ENB)。
【請求項12】
請求項6乃至9の何れか1項に記載の移動性管理エンティティ(MME)において、
該登録は、アプリケーション・レベルの登録に対応している移動性管理エンティティ(MME)。
【請求項13】
請求項1乃至3及び10の何れか1項に記載の方法において、
該登録は、ENBの開始において実行される方法。
【請求項14】
請求項4、及び11の何れか1項に記載の拡張NodeB(ENB)において、
該登録は、ENBの開始において実行される拡張NodeB(ENB)。
【請求項15】
請求項6乃至9及び12の何れか1項に記載の移動性管理エンティティ(MME)において、
該登録は、ENBの開始において実行される移動性管理エンティティ(MME)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般には、移動通信ネットワークに関する。
【背景技術】
【0002】
一般に移動通信ネットワークは、標準化の対象となり、したがって、こうしたネットワークに関する詳細は、対応する標準化機関によって公表された、対応する規格で見ることができる。
【0003】
こうしたネットワークは通常、無線アクセス・ネットワーク(RAN:Radio Access Network)とコア・ネットワーク(CN:Core Network)とを含み、通常、階層アーキテクチャを有する。
【0004】
たとえば、図1で想起されるように、GSM(それぞれUMTS)では、基地局(BS:Base Station)(それぞれNode B)などのRANノードは階層的に、基地局制御装置(BSC:Base Station Controller)(それぞれ無線ネットワーク制御装置(RNC:Radio Network Controller))などのRANノードに接続される。同様に、BSC(それぞれRNC)などのRANノードは、次いで回路交換(CS:Circuit−Switched)領域のゲートウェイ移動交換局(GMSC:Gateway Mobile Switching Center)や、パケット交換(PS:Packet−Switched)領域のゲートウェイGPRSサポート・ノード(GGSN:Gateway GPRS Support Node)などの他のCNノードに階層的に接続された移動交換局/ビジター・ロケーション・レジスタ(MSC/VLR:Mobile Switching Center/Visitor Location Register)(CS領域)や、サービングGPRSサポート・ノード(SGSN:Serving GPRS Support Node)(PS領域)などのCNノードに階層的に接続される。BS/Node BなどのRANノードは、具体的には示されていないが、移動局(MS:Mobile Station)(それぞれユーザ機器(UE:User Equipement))と無線インターフェースを介して通信する。GMSC/GGSNなどのCNノードは、具体的には示されていないが、他のネットワークと通信する。
【0005】
通常、MSC/VLRおよび/またはSGSNなどのCNノードは、特に移動性管理(MM:Mobility Management)機能およびページング調整(PC:Paging Coordination)機能を含めて、複数の機能を担う。
【0006】
移動性管理(MM)機能は、接続に能動的には関与していないMS/UE(特にアイドル・モードのMS/UE)について、1組のセルからなるエリア(通常、位置エリア(LA:Location Area)またはルーティング・エリア(RA:Routing Area)と呼ばれる)の精度でMS/UE位置を追跡し、ホーム・ロケーション・レジスタ(HLR:Home Location Register)やホーム加入者サーバ(HSS:Home Subscriber Server)など、加入者データベース内に保持された加入者データを使用して、前記LA/RAのべースでユーザ・アクセス権をチェックすることを含む。
【0007】
ページング調整(PC)機能は、たとえば入ってくる呼またはセッションのためにMS/UEと接触する必要がある場合、MS/UEが登録された最後のLA/RAを介してページング・メッセージを送信するのに適したRANノードと接触することを含む。
【0008】
各セルでは、あるセルから別のセルに移動しているMS/UEがLA/RAが変化したかどうか知ることができるように、対応するLA/RAが無線インターフェース上でブロードキャストされる。LA/RAが変化したとき、MM手順(位置更新手順など)が、MS/UEを新しいLA/RAに登録するために実施される。
【0009】
LA/RA構成は、ネットワーク最適化、特にネットワーク内のシグナリング・トラフィック量の最適化、特に移動性管理およびページング調整機能にとって重要である。LA/RA構成は一般に、運用&保守(O&M:Operation & Maintenance)操作によって実施される。
【0010】
たとえば図1で想起される階層アーキテクチャでは、こうしたLA/RA構成は通常2つの操作を含み、すなわち、LA/RAとBSC/RNCノードの間のマッピングが、CN内のO&Mによって構成され、所与のLA/RAに属するセルのセットが、BSC/RNC内のO&Mによって構成される。
【0011】
たとえば新しいBS/Node Bが追加されまたは削除されるときなど、RAN構成に変更が生じる度に、RANオペレータは、それに応じてRANノード(BSC/RNC)を構成しなければならない。これは、CN構成には影響を及ぼさず、すなわち、CNオペレータは、BSC/RNCによって制御された少なくとも1つのセルが既存のLA/RA内にある場合には、CNノード(MSC/SGSN)をそれに応じて構成する必要はない。換言すると、RANノードの構成は比較的頻繁に変化し得るが、上記で想起された階層アーキテクチャでは、CNノードは、永久的または半永久的に構成することができる。
【0012】
現在、こうしたネットワークのアーキテクチャが次世代ネットワークへと進化している。こうした次世代ネットワークのアーキテクチャの一例が図2に示されている。設定遅延およびユーザ・プレーン待ち時間を減少させるために、上記で想起された階層アーキテクチャから「フラット」アーキテクチャへと進む傾向、換言すると、「中間」ノード(上記で想起された階層アーキテクチャ内のBSC/RNCなど)の数を減らす傾向がある。特に、ユーザ・プレーン内、恐らく制御プレーン内でも、GGSN−SGSN−BSC/RNC−BS/Node Bなどの4つのノードから、ASGW(Access System GateWay:アクセス・システム・ゲートウェイ)−ENB(Enhanced Node B:拡張Node B)へと進む傾向がある。MM機能およびPC機能(制御プレーン)は、ASGW、または別個のノード(図2にMM/PCと示されたノードなど)に収容することができる。PC機能は、CN内に置かれても、RAN内に置かれてもよい。一般に、これらの機能が置かれ得る物理ネットワーク・ノードに関係なく、MM機能を担うネットワーク・エンティティは移動性管理エンティティ(MME:Mobility Management Entity)と呼ばれ、PC機能を担うネットワーク・エンティティはページング調整エンティティ(PCE:Paging Coordination Entity)と呼ばれる。ENB、ASGW、MME、PCEなどのノードは、IPベースのトランスポート・ネットワークまたはバックボーンによって相互接続される。
【0013】
本発明によって認識されるように、次世代移動通信ネットワークのこうしたアーキテクチャでは、トラッキング・エリア(TAは、特に上記で使用された用語LA/RAをカバーする、より一般的な用語である)を用いてネットワークの構成を向上させ、かつ/または単純化することが求められている。
【0014】
たとえば、PC機能がCNに置かれたアーキテクチャでは、ENBがTAに追加され、またはそこから削除される度に、CNオペレータは、それに応じてPCE構成を変更せざるを得ない。換言すると、これによって、多数のENBアドレスがCN内で構成され、CNオペレータへの負荷が高くなり、特にこれらのCNオペレータおよびRANオペレータがそれぞれ異なる場合(たとえばRANネットワークが複数の異なるCNオペレータ間で共有される共有ネットワークの場合など)には、CN内とRAN内の構成操作間の協調が欠如するリスクが生じることになる。さらに換言すると、CNノードは、上記で想起された階層アーキテクチャの場合とは反対に、永久的または半永久的には、もはや構成され得ない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
本発明は、特に、上述の問題の一部またはすべてを解決し、あるいは上述の欠点の一部またはすべてを回避することを可能にする。より一般的には、本発明は、特に移動性管理および/またはページング調整機能に関連して、ネットワーク構成操作を向上させ、かつ/または単純化することを可能にする。
【課題を解決するための手段】
【0016】
これらおよび他の目的は、本発明の一態様では、トラッキング・エリアを用いてセルラ移動通信ネットワークを構成するための方法であって、
無線アクセス・ネットワーク・エンティティを、それが関連付けられるべき少なくとも1つのトラッキング・エリアを用いて構成するステップと、
前記少なくとも1つのトラッキング・エリアについて、このように構成された無線アクセス・ネットワーク・エンティティを移動性管理機能および/またはページング調整機能に登録するステップとを含む方法によって達成される。
【0017】
第1の実施形態では、登録する前記ステップは、
前記少なくとも1つのトラッキング・エリアについて、前記無線アクセス・ネットワーク・エンティティが、前記移動性管理機能および/またはページング調整機能を担う少なくとも1つの移動性管理エンティティおよび/またはページング調整エンティティに登録するステップを含む。
【0018】
前記第1の実施形態では、前記移動性管理エンティティおよび/またはページング調整エンティティに登録する前記ステップは有利には、
前記移動性管理エンティティおよび/またはページング調整エンティティに登録要求を送信するステップを含む。
【0019】
前記第1の実施形態では、構成する前記ステップは有利には、
登録する前記要求の送信のために宛先アドレスを用いて前記無線アクセス・ネットワーク・エンティティを構成するステップを含む。
【0020】
前記第1の実施形態では、登録する前記ステップは有利には、
前記移動性管理エンティティおよび/またはページング調整エンティティによって登録要求を受信すると、前記RANエンティティと前記移動性管理/ページング調整エンティティの間の相互認証を実施するステップを含む。
【0021】
前記第1の実施形態では、登録する前記ステップは有利には、
登録要求を受け付けると、前記無線アクセス・ネットワーク・エンティティへの移動性管理および/またはページング調整メッセージの送信のために宛先アドレスを用いて前記移動性管理エンティティおよび/またはページング調整エンティティを構成するステップを含む。
【0022】
第2の実施形態では、IPマルチキャスト能力を有するトランスポート・ネットワーク内で、登録する前記ステップは、
移動性管理および/またはページング調整メッセージの受信のために、無線アクセス・ネットワーク・エンティティが、前記少なくとも1つのトラッキング・エリアに関連するIPマルチキャスト・グループに登録するステップを含む。
【0023】
前記第2の実施形態では、登録する前記ステップは有利には、
IPマルチキャスト・アドレスを前記トラッキング・エリアに関連付けるステップを含む。
【0024】
前記第2の実施形態では、関連付ける前記ステップは有利には、
前記トラッキング・エリアに関連するドメイン名をIPマルチキャスト・アドレスに変換するためにドメイン・ネーム・サーバに問い合わせるステップを含む。
【0025】
前記第2の実施形態では、関連付ける前記ステップは有利には、
すべてのRAN、ならびに移動性管理および/またはページング調整エンティティ上で構成された事前定義されたパターン、ならびにトラッキング・エリアの識別に基づいて、前記トラッキング・エリアに関連するDNS名を自動的に構築するステップを含む。
【0026】
これらおよび他の目的は、本発明の別の態様では、
前記無線アクセス・ネットワーク・エンティティを、それが関連付けられるべき少なくとも1つのトラッキング・エリアを用いて構成すると、前記少なくとも1つのトラッキング・エリアについて、前記無線アクセス・ネットワーク・エンティティを移動性管理機能および/またはページング調整機能に登録する手段を含む無線アクセス・ネットワーク・エンティティによって達成される。
【0027】
第1の実施形態では、登録する前記手段は、
前記少なくとも1つのトラッキング・エリアについて、前記移動性管理機能および/またはページング調整機能を担う少なくとも1つの移動性管理エンティティおよび/またはページング調整エンティティに登録する手段を含む。
【0028】
前記第1の実施形態では、登録する前記手段は有利には、
前記移動性管理エンティティおよび/またはページング調整エンティティに登録要求を送信する手段を含む。
【0029】
前記第1の実施形態では、登録する前記手段は有利には、
移動性管理エンティティおよび/またはページング調整エンティティによって登録要求を受信すると、前記RANエンティティと前記移動性管理/ページング調整エンティティの間の認証を実施する手段を含む。
【0030】
第2の実施形態では、IPマルチキャスト能力を有するIPベース・トランスポート・ネットワークでは、登録する前記手段は、
移動性管理および/またはページング調整メッセージの受信のために、前記少なくとも1つのトラッキング・エリアに関連する1Pマルチキャスト・グループに登録する手段を含む。
【0031】
前記第2の実施形態では、登録する前記手段は有利には、
IPマルチキャスト・アドレスを前記トラッキング・エリアに関連付ける手段を含む。
前記第2の実施形態では、関連付ける前記手段は有利には、
前記トラッキング・エリアに関連するドメイン名をIPマルチキャスト・アドレスに変換するためにドメイン・ネーム・サーバに問い合わせる手段を含む。
【0032】
前記第2の実施形態では、登録する前記手段は有利には、
すべてのRAN、ならびに移動性管理および/またはページング調整エンティティ上で構成された事前定義されたパターン、ならびにトラッキング・エリアの識別に基づいて、前記トラッキング・エリアに関連するDNS名を自動的に構築する手段を含む。
【0033】
本発明の別の態様では、これらおよび他の目的は、第1の実施形態で、
少なくとも1つのトラッキング・エリアについて無線アクセス・ネットワーク・エンティティを移動通信ネットワークのエンティティに登録する手段を含む、前記少なくとも1つのトラッキング・エリアについて移動性管理機能および/またはページング調整機能を担う移動通信ネットワークの前記エンティティによって達成される。
【0034】
前記第1の実施形態では、登録する前記手段は、
前記無線アクセス・ネットワーク・エンティティから登録要求を受信する手段を含む。
前記第1の実施形態では、登録する前記手段は有利には、
前記無線アクセス・ネットワーク・エンティティからの登録要求を受信すると、RANエンティティと前記移動性管理/ページング調整エンティティの間の認証を実施する手段を含む。
【0035】
前記第1の実施形態では、登録する前記手段は有利には、
登録要求を受け付けると、前記無線アクセス・ネットワーク・エンティティへの移動性管理および/またはページング調整メッセージの送信のために、TAに関連するRANエンティティ・リスト内にRANエンティティ宛先アドレスを追加すること、または削除することによって前記エンティティを構成する手段を含む。
【0036】
本発明の別の態様では、これらおよび他の目的は、第2の実施形態において、IPマルチキャスト能力を有するIPベース・トランスポート・ネットワーク内で、
IPマルチキャスト・アドレスを前記トラッキング・エリアに関連付ける手段を含む、少なくとも1つのトラッキング・エリアについて移動性管理機能および/またはページング調整機能を担う移動通信ネットワークのエンティティによって達成される。
【0037】
前記第2の実施形態では、関連付ける前記手段は有利には、
前記トラッキング・エリアに関連するドメイン名をIPマルチキャスト・アドレスに変換するためにドメイン・ネーム・サーバに問い合わせる手段を含む。
【0038】
前記第2の実施形態では、関連付ける前記手段は有利には、
すべてのRAN、ならびに移動性管理および/またはページング調整エンティティ上で構成された事前定義されたパターン、ならびにトラッキング・エリアの識別に基づいて、前記トラッキング・エリアに関連するDNS名を自動的に構築する手段を含む。
【0039】
本発明のこれらおよび他の目的は、添付の図面と併せて考慮される以下の説明から、より明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0040】
図1】移動通信ネットワークの階層アーキテクチャの一例を想起するための図である。
図2】本明細書が適用され得る次世代ネットワークのアーキテクチャの一例を示すための図である。
図3】第1の実施形態による、本発明による方法の一例を示すための図である。
図4】第2の実施形態による、本発明による方法の一例を示すための図である。
【発明を実施するための形態】
【0041】
本発明は、以下のように説明することもできる。
本発明は、特に次世代アーキテクチャへと進化するという状況において、トラッキング・エリアを用いて移動通信ネットワークの構成を向上させかつ/または単純化することが求められていることを認識している。
【0042】
特に本発明は、構成プロセスにいくらかの自動性を取り入れることが求められていることを認識している。
【0043】
特に本発明は、RANエンティティの移動性管理機能および/またはページング調整機能への自動登録の概念を取り入れる。
【0044】
以下では、ENBに対応するRANエンティティ、およびPC機能の実施例についてより具体的に述べるが、しかし、本発明は、こうした実施例に限定されないことに留意されたい。
【0045】
こうした実施例では、本発明は、ENB(あるいは基地局または等価のノード)をそのトラッキング・エリア構成データを用いて適切なページング調整機能(PC)に自動登録することを提供する。この登録は、ENBの開始で、周期的に実施されても、任意のときに実施されてもよい。ENBは、RANオペレータによって、それがサポートするセルに対応するトラッキング・エリアを用いて構成される。次いで、ENBは、ページング調整機能に登録し、それによって、ページングのために、それ(ENB)がこの/これらのTAに関連付けられるべきであることを示す。
【0046】
本発明は、たとえばENBなどのRANエンティティを、たとえばPC機能などの機能にこうした自動登録を行うための異なる実施形態をさらに提供する。
【0047】
第1の実施形態は、アプリケーション・レベルの登録とも呼ばれる。この第1の実施形態による方法の一例が、図3に示されている。
【0048】
ステップ1に示されるように、ENB(またはいずれかのRANノード)は、RANオペレータによって、それがサポートするセル、およびその関連するトラッキング・エリアを用いて構成される。トラッキング・エリアは、GSMネットワークの位置エリアおよびルーティング・エリアなど、移動体登録−ページングのために定義された任意のモビリティ・エリアであり得る。各トラッキング・エリアについて、ENBは、RANオペレータによって、このトラッキング・エリアを管理するPCEのアドレスを用いてやはり構成される。ENBの開始で、ステップ2に示されるように、ENBは、周期的にまたは他の任意のときに、PCEにトラッキング・エリア登録メッセージまたは登録要求を送信する。それぞれのPCEは、ステップ3に示されるように、偽のENBによる登録を防止するために適切な認証を実施してもよい。ステップ4に示されるように、PCEは、ENBからのトラッキング・エリア登録要求を受け付け、または拒否する。登録要求が受け付けられる場合は、PCEは、ステップ5に示されるように、トラッキング・エリアに関連する無線アクセス・ネットワーク・エンティティ・リスト内にENBアドレスを追加する(かつ/または登録メッセージ内の情報によっては恐らく削除する)。UEがページングされる必要があるとき、PCEは、所与のTA上でUEをページングするために呼び出される。PCEは、ステップ6で示されるように、トラッキング・エリアについて登録したすべてのENBに通知する。ENBは、ステップ7に示されるように、トラッキング・エリアに対応するセル上でUEをページングする。
【0049】
第2の実施形態は、トランスポート・レベルの登録とも呼ばれる。この第2の実施形態による方法の一例が、図4に示されている。
【0050】
この第2の実施形態は、トランスポート・ネットワークのIPマルチキャスト能力を使用する。IPプロトコルおよびその関連するIPマルチキャスト能力についての詳細は、ここでは想起されない。こうした詳細は、特にインターネット・グループ管理プロトコル(IGMP:Internet Group Management Protocol)用のRFC 2236など、特にIETF(Internet Engineering Task Force:インターネット技術タスク・フォース)によって公表された文献で見ることができる。
【0051】
この第2の実施形態では、ENBは、それがサポートするセルのTAに関連するIPマルチキャスト・アドレスに登録する。UEは、PCEによって、UEが登録されているTAに対応するIPマルチキャスト・アドレスに送信されるページング・メッセージを介してページングされる。換言すると、この第2の実施形態は、この自動登録を実施するために、IPマルチキャスト機構を使用する。
【0052】
換言すると、この第2の実施形態では、それぞれのトラッキング・エリアは、マルチキャスト・アドレスに関連付けられる。それぞれのENBは、ENBが関連付けられるトラッキング・エリアに関連する各マルチキャスト・アドレスに登録する。トラッキング・エリア内のUEをページングしたいPCEは、このトラッキング・エリアに対応するマルチキャスト宛先アドレスを付けてマルチキャストIPメッセージを送信する。
【0053】
有利には、図4に示されるように、「LAxy」(xyは、位置/トラッキング・エリアの数である)など、位置/トラッキング・エリアに関連するIPマルチキャスト・アドレスが、ENB/PCEによって、ドメイン・ネーム・サーバ(DNS)から自動的に学習される。ENB/PCEは、(ステップ10、11に示されるように)位置/トラッキング・エリア「LAxy」に関連するDNS名を自動的に構築し、(ステップ12、13に示されるように)このDNS名からの変換のためにDNSに問い合わせ、(ステップ14および15に示されるように)結果として、トラッキング・エリアに関連付けられるべきIPマルチキャスト・アドレスを取得する。(ステップ16に示されるように)ENBは、たとえばIGMPプロトコル(IPv4が使用される場合)、またはたとえばMLD(IPv6が使用される場合)を使用して、このIPマルチキャスト・アドレスに登録する。(ステップ17に示されるように)トラッキング・エリアに関連付けられるべきIPマルチキャスト・アドレスは、PCEによって、この位置/トラッキング・エリア「LAxy」上のページング要求の送信のために使用される。ステップ18に示されるように、ENBは、トラッキング・エリアに関連するIPマルチキャスト・アドレス上のページング要求を受信すると、このトラッキング・エリアに対応するセル上でUEをページングする。
【0054】
有利には、DNS名は、「LAxy」のようなパターンを有する、すべてのENB/PCE内のO&Mによって構成された固定のパターン(すべてのENB/PCEに有効であるような単純な構成)を使用して構成される。利点は、PCEからENBへの特定のIPマルチキャスト構成メッセージを定義する必要がないということである。
【0055】
また本発明は、たとえば図3または4に関連して上記で開示したように、その目的のために、無線アクセス・ネットワーク・エンティティと、本発明による方法を実施する手段を含む移動性管理機能および/またはページング調整機能を担うエンティティとを有する。
【0056】
上記手段の詳細な実装形態は、当業者にとって特別な問題を提起するものではなく、したがって、こうした手段は、当業者には、その機能別に上記でなされたものよりも完全に開示される必要はない。
図1
図2
図3
図4