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特許5759024地理的冗長ゲートウェイでセッションを復元するシステムおよび方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5759024
(24)【登録日】2015年6月12日
(45)【発行日】2015年8月5日
(54)【発明の名称】地理的冗長ゲートウェイでセッションを復元するシステムおよび方法
(51)【国際特許分類】
   H04W 24/04 20090101AFI20150716BHJP
   H04W 88/16 20090101ALI20150716BHJP
【FI】
   H04W24/04
   H04W88/16
【請求項の数】10
【全頁数】23
(21)【出願番号】特願2013-558227(P2013-558227)
(86)(22)【出願日】2012年3月18日
(65)【公表番号】特表2014-509797(P2014-509797A)
(43)【公表日】2014年4月21日
(86)【国際出願番号】US2012029580
(87)【国際公開番号】WO2012129136
(87)【国際公開日】20120927
【審査請求日】2013年11月15日
(31)【優先権主張番号】61/454,328
(32)【優先日】2011年3月18日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】391030332
【氏名又は名称】アルカテル−ルーセント
(74)【代理人】
【識別番号】110001173
【氏名又は名称】特許業務法人川口國際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】コンペラ,バチヤスパテイ・ピー
(72)【発明者】
【氏名】シンハ,サテイヤム
(72)【発明者】
【氏名】ミユレイ,プラビーン・バサント
(72)【発明者】
【氏名】ネラコンダ,サテイエンダー
【審査官】 齋藤 浩兵
(56)【参考文献】
【文献】 特開2010−063022(JP,A)
【文献】 米国特許第06751748(US,B1)
【文献】 特開2011−040931(JP,A)
【文献】 特開2006−310928(JP,A)
【文献】 特開2010−062618(JP,A)
【文献】 特開2003−092588(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04W 24/04
H04W 88/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
主サービスゲートウェイ(SGW)に関連付けられた予備SGWを管理するための方法であって、
主SGWから、対応するUEセッション状態情報の少なくとも部分を定期的に受信するステップであって、セッション状態情報の受信した部分が、主SGWによってサポートされるアクティブなセッションを有するUEが活動している状態にあることを、予備SGWが問い合わせ管理エンティティに示すことができるようにするのに十分である、受信するステップと、
主SGWの障害に応答して、前記主SGWに関連付けられたIPアドレスおよび経路の管理を引き受けるステップと、障害の生じた主SGWによってサポートされているアクティブなセッションを有する前記UEの各UEネットワークから切り離し、ネットワークに再接続させるために、予備SGWが、ダウンリンクデータ通知(DDN)をモビリティマネジメントエンティティ(MME)に向けて送信するステップと
を含
各DDNは、MMEに、再接続要求コードを有する切り離し要求を各UEに送らせる、方法。
【請求項2】
前記主SGWに障害が生じていないとき、他のネットワーク要素によって前記予備SGWが選択されるのを避けるように構成されたルートデータを広告し、前記主SGWに障害が生じているとき、他のネットワーク要素によって前記予備SGWが選択されるように促すように構成された好ましいルートデータを広告するステップをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
各UEに、ネットワークを切り離し、ネットワークに再接続するように要求するステップをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
主SGWによってサポートされるUEに関連付けられたセッション状態情報の部分が、主SGWに障害が生じた時間の前にアクティブなセッションに関連付けられた移動デバイスを識別するのに十分なセッション状態情報を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
UEに関連付けられたセッション状態情報が、対応するCreate Session Event、Delete Session Event、Create Bearer EventおよびDelete Bearer Eventのうちの1つまたは複数に応答して受信される、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
UEに関連付けられたセッション状態情報が、所定の間隔または所定数の加入者イベント後に受信される、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記予備SGWが、前記主SGWに関連付けられたIPアドレスと競合しないローカルIPアドレスの組に関連付けられており、
前記主SGWに障害が生じているとき、前記予備SGWが、前記予備SGWのIPアドレスのローカルな組のみを管理し、
前記主SGWに障害が生じていないとき、前記予備SGWが、ローカルIPアドレスの両方の組を管理する、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
主サービスゲートウェイ(SGW)の予備として機能するように構成されたSGWで使用するための装置であって、
主SGWに関連付けられた予備SGWを管理するように構成されたプロセッサを備え、方法が、
主SGWから、対応するUEセッション状態情報の少なくとも部分を定期的に受信するステップであって、セッション状態情報の受信した部分が、主SGWによってサポートされるアクティブなセッションを有するUEが活動している状態にあることを、予備SGWが問い合わせ管理エンティティに示すことができるようにするのに十分である、受信するステップと、
主SGWの障害に応答して、前記主SGWに関連付けられたIPアドレスおよび経路の管理を引き受けるステップと、障害の生じた主SGWによってサポートされているアクティブなセッションを有する前記UEの各UEネットワークから切り離し、ネットワークに再接続させるために、予備SGWが、ダウンリンクデータ通知(DDN)をモビリティマネジメントエンティティ(MME)に向けて送信するステップと
を含
各DDNは、MMEに、再接続要求コードを有する切り離し要求を各UEに送らせる、装置。
【請求項9】
プロセッサによって実行されたときに、主サービスゲートウェイ(SGW)に関連付けられた予備SGWを管理するための方法を実施するソフトウェア命令を含むコンピュータ可読記憶媒体であって、方法が、
主SGWから、対応するUEセッション状態情報の少なくとも部分を定期的に受信するステップであって、セッション状態情報の受信した部分が、主SGWによってサポートされるアクティブなセッションを有するUEが活動している状態にあることを、予備SGWが問い合わせ管理エンティティに示すことができるようにするのに十分である、受信するステップと、
主SGWの障害に応答して、前記主SGWに関連付けられたIPアドレスおよび経路の管理を引き受けるステップと、障害の生じた主SGWによってサポートされているアクティブなセッションを有する前記UEの各UEネットワークから切り離し、ネットワークに再接続させるために、予備SGWが、ダウンリンクデータ通知(DDN)をモビリティマネジメントエンティティ(MME)に向けて送信するステップと
を含
各DDNは、MMEに、再接続要求コードを有する切り離し要求を各UEに送らせる、コンピュータ可読記憶媒体。
【請求項10】
主サービスゲートウェイ(SGW)に関連付けられた予備SGWを管理するための方法をコンピュータが実施するように、コンピュータの動作を適合させるソフトウェア命令を処理するようにコンピュータが動作可能である、コンピュータプログラムであって、方法が、
主SGWから、対応するUEセッション状態情報の少なくとも部分を定期的に受信するステップであって、セッション状態情報の受信した部分が、主SGWによってサポートされるアクティブなセッションを有するUEが活動している状態にあることを、予備SGWが問い合わせ管理エンティティに示すことができるようにするのに十分である、受信するステップと、
主SGWの障害に応答して、前記主SGWに関連付けられたIPアドレスおよび経路の管理を引き受けるステップと、障害の生じた主SGWによってサポートされているアクティブなセッションを有する前記UEの各UEネットワークから切り離し、ネットワークに再接続させるために、予備SGWが、ダウンリンクデータ通知(DDN)をモビリティマネジメントエンティティ(MME)に向けて送信するステップと
を含
各DDNは、MMEに、再接続要求コードを有する切り離し要求を各UEに送らせる、コンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本特許出願は、GEO−REDUNDANCE IN A SERVING GATEWAYと題された、2011年3月18日出願の米国仮特許出願第61/454,328号の優先権を主張するものであり、この文献は全体が引用により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本特許出願は、SYSTEM AND METHOD FOR SESSION RESILIANCY AT GEO−REDUNDANT GATEWAYSと題された、同時出願の米国特許出願第_______号(代理人整理番号ALU/809348)およびSYSTEM AND METHOD FOR FAILOVER HANDLING AT GEO−REDUNDANT GATEWAYSと題された、同第_______号(代理人整理番号ALU/809431)に関するものであり、この両文献とも全体が引用により本明細書に組み込まれる。
【0003】
本発明は一般に、ネットワークリソースを管理すること関し、より詳細には、サービングゲートウェイ(Serving Gateway)(SGW)などのシステムルータに関連付けられた動作を構成することに関するが、これに限定されるわけではない。
【背景技術】
【0004】
ロングタームエボリューション(Long Term Evolution)(LTE)ネットワークが例示の無線ネットワークは、1つまたは複数のeNodeBと通信する移動電話または他のユーザ機器(UE)のグループを含んでいてもよく、eNodeBは1つまたは複数のサービングゲートウェイ(SGW)と通信し、SGWはパケットデータネットワーク(PDN)ゲートウェイ(PGW)と通信し、PGWはIPマルチメディアサブシステム(IMS)アクセスネットワークまたはコアネットワークなどの固定ネットワークと通信する。さらに、LTEネットワークは、モビリティマネジメントエンティティ(Mobility Management Entities)(MME)、ポリシーおよび課金ルール機能(Policy and Charging Rules Function)(PCRF)、ネットワーク管理システム(NMS)などのさまざまなネットワーク要素を含む。
【0005】
サービングゲートウェイ(SGW)が(たとえば、ネットワーク切断、電源障害、または部分的な障害に基づいて誘発された挙動によって)ネットワーク内の他のノードとの接続を失う障害シナリオにおいては、予備SGWが動作を引き継がなければならない。これは、ユーザ/加入者の期待をある程度満たし続けながらリソース利用の過度な急上昇を避けるために、インテリジェントな方式で達成されるべきである。
【0006】
主SGWに障害が生じたとき、障害が生じたSGWに向かうパケットのすべてが廃棄される。また、MMEは、障害が生じたSGWに関連付けられた経路管理状態を失い、そのすべてのアクティブなセッションのクリーンアップを必要とする。これによって、アクティブなUEは、予備SGWまたは代替SGWを介してネットワークに再接続することになる。同様に、PGWはSGWに対するその経路管理状態を失い、IMSサブシステムに対するセッション状態をクリーンアップすることになる(すべてのUEがPGWではアクティブであり、ネットワークに入っていく)。アクティブなUEを再接続し、それらの状態をPGWおよびIMSサブシステムに復元することになる。
【0007】
しかしながら、UEの大部分は任意の所与の瞬間においてアイドル状態なので、主SGW障害時に、MMEは、アイドル状態のUEのセッションをクリーンアップするためにそれらに接触しようとはしない。これは、アイドル状態のUEセッションをクリーンアップする第1段階が、アイドル状態のUEのそれぞれをページングすることであり、これには法外なコストがかかるためである。アイドル状態のUEがクリーンアップされない場合、いずれのネットワークエンティティもそれが現在ネットワークのどこに位置しているのか分からないので、ネットワークで開始される呼がそのUEに到達する方法はない。さらに、IMSサブシステムは、UEを発見することができず、いずれのエンティティも、UEに自らを再識別するように積極的に促すことはない。種々のタイマ次第で、UEが最大1、2時間の間到達できなくなるため、その結果は重大である。これはユーザには受け入れられない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
従来技術の種々の欠陥は、主サービスゲートウェイ(SGW)から、対応するUEセッション状態情報の少なくとも部分を定期的に受信するステップであって、セッション状態情報の受信した部分が、主SGWによってサポートされる移動デバイスのグループに関連付けられたすべてのユーザセッションが活動している状態にあることを、補助SGWが問い合わせ管理エンティティに示すことができるようにするのに十分である、受信するステップと、主SGWの障害に応答して、主SGWに関連付けられたIPアドレスおよび経路の管理を引き受け、障害の生じた主SGWによってサポートされている各UEに、自らをネットワークに対して再認可させるステップとを含む、主SGWに関連付けられた予備SGWを管理するための本発明の方法、システムおよび装置によって対処される。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の教示は、以下の詳細な説明を添付の図面とともに検討することによって、容易に理解され得る。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】一実施形態の恩恵にあずかる例示的な通信システムを示す図である。
図2図1の通信システムでの使用に適した、例示的なサービングゲートウェイ(SGW)のルータアーキテクチャを示す図である。
図3】一実施形態による、セッション状態バックアップ方法の流れ図である。
図4】一実施形態による、セッション状態復元方法の流れ図である。
図5】一実施形態による、アイドル状態のUEまたはアクティブなUEに対する、S11上の入来制御信号に応答して復元を実現する方法の流れ図である。
図6】アイドル状態のUEに対する、S5上の入来制御信号に応答して復元を実現する方法の流れ図である。
図7】アクティブなUEに対する、S5上の入来制御信号に応答して復元を実現する方法の流れ図である。
図8】アクティブなUEに対する、S1−u上の入来データ信号に応答して復元を実現する方法の流れ図である。
図9】アイドル状態のUEに対する、S5/S8上の入来データ信号に応答して復元を実現する方法の流れ図である。
図10】アクティブなUEに対する、S5/S8上の入来データ信号に応答して復元を実現する方法の流れ図である。
図11】さまざまな実施形態に関連して本明細書に記載する機能を実施する際の使用に適した汎用コンピュータの高位ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
理解を容易にするために、可能な範囲で、同一の参照符号は各図面に共通する同一の要素を指すように使用されている。
【0012】
本発明を、主として、アクティブな加入者およびアイドル状態の加入者の両方が、障害が生じたSGWから予備SGWに遷移するようなサービスゲートウェイ(Service Gateway)(SGW)冗長性を有するロングタームエボリューション(Long Term Evolution)(LTE)ネットワークに関して説明する。
【0013】
4G LTE無線ネットワーク内で管理機能およびバックアップ機能を提供することに関して主に本明細書に示し、説明しているが、本明細書に示し、説明している管理機能およびバックアップ機能は、他のタイプの無線ネットワーク(たとえば、3Gネットワーク、2Gネットワーク、WiMAXなど)、有線ネットワークまたは無線ネットワークと有線ネットワークの組み合わせの中で使用され得ることが理解されよう。したがって、LTEネットワークに関して本明細書に記載した種々のネットワーク要素、リンクおよび他の機能的エンティティは、他のさまざまなタイプの無線および有線ネットワークに関連付けられた対応するネットワーク要素、リンクおよび他の機能的エンティティを識別するものとして広く解釈することができる。
【0014】
本発明の一部は、無線ネットワークの劇的に増加するサイズによって、特に、既存の解決策では適切に対処されないネットワーク管理の具体的な問題が生じるという本発明者らの認識に根ざしている。具体的には、既存の解決策がうまく規模設計されず、加入者機器が、種々の定常状態(アイドル状態またはアクティブ状態など)に、または種々の遷移状態(呼のフロー間を進行中、アイドル状態とアクティブ状態の間を移動中、あるeNodeBから別のeNodeBへのハンドオーバー中、専用ベアラ(bearer)を作成中、PDNセッションを破棄中、など)に置かれ得るという現実に対処することができないことが本発明者らによって認識されていた。さらに、加入者トラフィックは、スタディ(study)状態または遷移状態のいずれか1つにある加入者に向かっているか、またはそこから流れていることがある。
【0015】
図1は、一実施形態による、管理およびバックアップ/保護機能を備える例示的な無線通信システムを示す。具体的には、図1は、複数のユーザ機器(UE)102、ロングタームエボリューション(Long Term Evolution)(LTE)ネットワーク110、IPネットワーク130、およびネットワーク管理システム(NMS)140を備える例示的な無線通信システム100を示す。LTEネットワーク110は、UE 102とIPネットワーク130の間の通信をサポートする。MS 140は、LTEネットワーク110に対する種々の管理機能をサポートするように構成される。LTEネットワークの構成および動作は当業者によって理解されよう。
【0016】
例示的なUE 102は、LTEネットワーク110などの無線ネットワークにアクセスすることが可能な無線ユーザデバイスである。UE 102は、ベアラセッション(複数可)を支える制御信号方式をサポートすることが可能である。UE 102は、移動電話、携帯情報端末(PDA)、コンピュータ、タブレットデバイスまたは任意の他の無線ユーザデバイスであってもよい。
【0017】
例示的なLTEネットワーク110は、実例として、2つのeNodeB 111および111(まとめてeNodeB 111)、2つのサービングゲートウェイ(SGW)112および112(まとめてSGW 112)、パケットデータネットワーク(PDN)ゲートウェイ(PGW)113、モビリティマネジメントエンティティ(MME)114、ならびにポリシーおよび課金ルール機能(PCRF)115を備える。eNodeB 111は、UE 102用の無線アクセスインターフェースを提供する。SGW 112、PGW 113、MME 114、およびPCRF 115、ならびに分かりやすくするために省略された他の構成要素は、協働して、IPを使用して終端間のサービス供給をサポートする進化型パケットコア(Evolved Packet Core)(EPC)ネットワークを実現する。
【0018】
eNodeB 111はUE 102に対する通信をサポートする。図1に示されるように、各eNodeB 111はそれぞれの複数のUE 102をサポートする。eNodeB 111とUE 102の間の通信は、UE 102のそれぞれに関連付けられたLTE−Uuインターフェースを使用してサポートされる。
【0019】
SGW 112は、実例として、SGW 112とeNodeB 111の間のそれぞれのS1−uインターフェースを使用して、eNodeB 111に対する通信をサポートする。S1−uインターフェースは、ハンドオーバー中の、ベアラごとのユーザプレーントンネリングおよびeNodeB間の経路切り替えをサポートする。
【0020】
図1に示されるように、SGW 112はeNodeB 111に対する通信をサポートし、SGW 112はeNodeB 111に対する通信をサポートする。さまざまな保護/バックアップの実施形態において、SGW 112はeNodeB 111に対する通信をサポートすることも可能であり、SGW 112はeNodeB 111に対する通信をサポートすることも可能である。
【0021】
PGW 113は、実例として、PGW 113とSGW 112の間のそれぞれのS5/S8インターフェースを使用して、SGW 112に対する通信をサポートする。S5インターフェースは、PGW 113とSGW 112の間の通信におけるユーザプレーントンネリングおよびトンネル管理、UEの移動性によるSGW再配置などの機能を提供する。S5インターフェースの公衆移動体ネットワーク(Public Land Mobile Network)(PLMN)変形であり得るS8インターフェースは、ビジターPLMN(VPLMN)内のSGWとホームPLMN(HPLMN)内のPGWとの間にユーザおよび制御プレーン接続をもたらすPLMN間インターフェースを提供する。PGW 113は、SGiインターフェースを介したLTEネットワーク110とIPネットワーク130の通信を容易にする。
【0022】
MME 114は、UE 102の移動性を支える移動管理機能を提供する。MME 114は、実例として、MME 114とeNodeB 111の間の通信用の制御プレーンプロトコルを提供するそれぞれのS1−MMEインターフェースを使用して、eNodeB 111をサポートする。
【0023】
PCRF 115は動的管理機能を提供し、サービスプロバイダはこの機能によって、LTEネットワーク110を介して提供されるサービスに関するルールおよびLTEネットワーク110を介して提供されるサービスに対する課金に関するルールを管理することができる。
【0024】
図1に関して本明細書に示し、説明しているように、LTEネットワーク110の各要素は、要素間のインターフェースを介して通信する。LTEネットワーク110に関して記載されるインターフェースは、セッションと呼ばれることもある。LTEネットワーク110は進化型パケットシステム/ソリューション(Evolved Packet System/Solution)(EPS)を含む。一実施形態において、EPSは、EPSノード(たとえば、eNodeB 111、SGW 112、PGW 113、MME 114、およびPCRF 115)ならびにEPSに関する相互接続性(たとえば、Sインターフェース、Gインターフェースなど)を含む。EPSに関するインターフェースは、本明細書においてEPSに関する経路と呼ばれることがある。
【0025】
IPネットワーク130は1つまたは複数のパケットデータネットワークを含み、これを介してUE 102はコンテンツ、サービスなどにアクセスすることができる。
【0026】
MS 140は、LTEネットワーク110を管理するための管理機能を提供する。MS 140は、任意の適切な様式でLTEネットワーク110と通信することができる。一実施形態において、たとえば、MS 140は、IPネットワーク130を横断しない通信経路141を介してLTEネットワーク110と通信することができる。一実施形態において、たとえば、MS 140は、IPネットワーク130によってサポートされる通信経路142を介してLTEネットワーク110と通信することができる。通信経路141および142は、任意の適切な通信機能を使用して実装されてもよい。MS 140は、図10に関して後述するような汎用コンピューティングデバイスまたは特定用途のコンピューティングデバイスとして実装されてもよい。
【0027】
図2は、図1の通信システムでの使用に適した、例示的なサービングゲートウェイ(SGW)のルータアーキテクチャを示す。具体的には、図1は、図1に関して既に示したSGW 112などのSGWとして動作するルータ200を示す。ルータ200は、図1に関して既に示したネットワーク110などのネットワーク110を介して種々のネットワーク要素(図示せず)と通信する。SGW 200に関して本明細書に示した具体的なトポロジは、基本的なSGW機能を維持したまま修正され得ることが当業者にはことが理解されよう。
【0028】
SGW 200は、複数の入出力(I/O)カード210−1、210−2から210−Nまで(まとめてI/Oカード210)、スイッチファブリック220および制御モジュール230を含むものとして示されている。制御モジュール230は、I/Oカード210およびスイッチファブリック220の動作を、それぞれの制御信号CONTによって制御する。制御モジュール230は、本明細書に述べるように種々のSGW機能も実行する。
【0029】
I/Oカード210のそれぞれは、ネットワーク110とスイッチファブリック220の間でパケットを運搬するように作用する複数の入口ポート、出口ポート、コントローラなど(図示せず)を含む。I/Oカード210の特定の入口ポートで受信されたパケットは、同じI/Oカード210または異なるI/Oカード210の出口ポートを介して、スイッチファブリック220に運搬されてもよく、またはネットワーク110に戻されてもよい。I/Oカード210を介したパケットのルーティングは制御モジュール230によって提供されるルーティングデータによる標準的な方法で達成される。
【0030】
スイッチファブリック220は、電気、光学、電気光学、MEMSなどの任意の標準的なスイッチファブリックを含み得る。
【0031】
制御モジュール230は、SGWの種々の動作機能および管理機能に関する構成データ、ルーティングデータ、ポリシー情報およびその他の情報を、図1に関して既に論じたネットワーク管理システム(NMS)140などのネットワークマネージャ(図示せず)から受信する。制御モジュール230はまた、動作機能および管理機能に関する構成データ、状態データ、警報データ、性能データおよびその他の情報をネットワークマネージャに提供する。
【0032】
制御モジュール230は、I/Oモジュール231、プロセッサ232およびメモリ233を備える。メモリ233は、SGWマネージャ233SGWM、バックアップおよび復元マネージャ23BARM、セッションデータ233SD、ルータデータ233RDならびにその他の機能/データ233Oを提供するためのソフトウェアモジュール、インスタンス化されたオブジェクトなどを含むものとして示されている。制御モジュール230は、図11に関して後述するような汎用コンピューティングデバイスまたは特定用途のコンピューティングデバイスとして実装されてもよい。
【0033】
SGWマネージャ233SGWMは、当業者に知られており、かつ本明細書にさらに記載される種々のサービングゲートウェイ(SGW)機能を管理するように動作する。
【0034】
バックアップおよび復元マネージャ23BARMは、さまざまな実施形態に関して本明細書に記載するバックアップおよび復元機能を管理するように動作する。たとえば、そのようなバックアップおよび復元機能は、SGWが主またはアクティブなSGWとして動作しているか、補助または予備SGWとして動作しているか、あるいはその両方として動作しているかに応じて異なっていてもよい。一般に、さまざまな実施形態では、アクティブなSGWによってサポートされる加入者用のユーザ機器または移動デバイスに関連付けられたセッション関連データの一部または全部を、予備SGWで輸送および格納することが企図されており、それによって、アクティブ状態およびアイドル状態のセッションの両方の素早い復元が上記の加入者にもたらされ得る。
【0035】
セッションデータ233SDは、加入者用のユーザ機器または移動デバイスに関連付けられたセッションデータを含む。SGWが主またはアクティブなSGWとして動作している場合、セッションデータ233SDは、主またはアクティブなSGWによって加入者用のユーザ機器または移動デバイスを外へサポートする情報を含んでいてもよい。SGWが補助または予備SGWとして動作している場合、セッションデータ233SDは、予備SGWによってサポートされる1つまたは複数の主またはアクティブなSGWに関連付けられたセッションデータの部分を含んでいてもよい。
【0036】
ルーティングデータ233RDは、SGWの基本的なルーティング機能に関して、適切な出口ポートにルーティングされるべき入口ポートで受信されたパケットまたはトラフィックフローを処理するような、SGWによって処理されるべきパケットまたはトラフィックフローに関連付けられたルーティング情報を含む。ルーティングデータ233RDは、ルーティングテーブル、保護または障害復旧情報などを含んでいてもよい。
【0037】
その他の機能/データ233Oは、標準SGW動作ならびに明示的には他の管理またはデータエンティティに属さないさまざまな実施形態によるSGW動作に対して、本明細書に記載の種々の機能を実行するように作用するプログラム、機能、データ構造などを含む。
【0038】
予備SGWの選択および地理的冗長対の形成
MMEは、SGWの障害を、障害が生じたそのSGWに隣接するノードまたはネットワーク要素によって知らされてもよい。これらの隣接するノードまたはネットワーク要素は独立に修正動作を行って、既に割り当てられている予備SGW、MMEによって識別される予備SGW、または何らかの他のルーティング手段を介して、接続を再度確立する。
【0039】
さまざまな実施形態において、特定の予備SGWは、実例としてネットワーク管理システム(NMS)によって、ネットワーク内の1つまたは複数の主またはアクティブなSGWに割り当てられる。選択される予備SGWは、主またはアクティブなSGWに地理的に最も近接しているSGWであってもよい。さらに、主またはアクティブなSGWには、他の主またはアクティブなSGWに対する予備SGWとして作用し得るものがあってもよい。
【0040】
さまざまな実施形態において、特定の予備SGWは、主またはアクティブなSGWに障害が生じた後に選択される。これらの実施形態において、予備SGWは、障害が生じたSGWまでの地理的な近接度、DNS応答基準、経路管理確認基準、セッションローディング、および種々の他の基準の一部または全部を含む種々の基準に基づいて選択され得る。さまざまな実施形態において、予備SGWは、MMEによってたとえば特定のMMEにとって利用可能なSGWのプールから選択され、このSGWのプールは、プールされたSGWのうちの1つに障害が生じた場合に予備SGWを提供するために編成されたものである。
【0041】
一実施形態において、SGW 112は、SGWの地理的冗長対を形成するために使用できるように地理的に互いに近接している。一般に、特定のeNodeB 111のUD 102からのトラフィックおよびデータフローは主として、特定のSGWを介してPGW 113にルーティングされるものであり、特定のSGWは、eNodeBからの音声およびデータトラフィックに対する主またはワーキングSGWとして機能する。すなわち、このSGWの一方がワーキングノードまたは主ノードとして構成され、他方が保護ノードまたは予備ノードとして構成される。通常の動作状態(すなわち、障害なし)において、ワーキングノードは、実例としては複数のeNodeBからの呼のフローおよびデータフローを処理するように動作し、保護ノードは、ワーキングノードに障害が生じた場合に、そのワーキングノードの予備として機能するように動作する。
【0042】
一実施形態において、第1のSGW 112は、第1のeNodeB 111からの音声およびデータトラフィックに対する主またはワーキングSGWとして動作し、第2のSGW 112は、第1のeNodeB 111からの音声およびデータトラフィックに対する補助または予備SGWとして動作する。
【0043】
一実施形態において、第2のSGW 112は、第2のeNodeB 111からの音声およびデータトラフィックに対する主またはワーキングSGWとして動作し、第1のSGW 112は、第2のeNodeB 111からの音声およびデータトラフィックに対する補助または予備SGWとして動作する。
【0044】
一実施形態において、第1および第2のSGW 112は、それらの1つ(または複数)のそれぞれのeNodeBからの音声およびデータトラフィックに対する主またはワーキングSGW、ならびに他方のSGWに関連付けられた1つ(または複数)のeNodeBからの音声およびデータトラフィックに対する補助または予備SGWとして動作する。
【0045】
本明細書において論じるさまざまな実施形態は、主ワーキングSGWの障害に応答して、上記のUD 102に関連付けられたセッション、音声およびデータトラフィック、ならびにその他のさまざまな管理情報またはコンテキストを迅速に復元することを対象とする。特に、SGW間の素早く効率的な保護/バックアップ機能を実現するために、さまざまな実施形態では、加入者に大きな影響を感じさせずに予備SGWへの素早い遷移を可能にするために、ユーザ機器に関連付けられたセッション状態情報の冗長な格納にいくつかの段階が企図されている。具体的には、セッション状態情報の冗長性によって、MME 114およびPGW 113の両方ともアイドル状態の加入者UEに対して状態情報を維持することが可能になり、その結果、アクティブなセッションが迅速に再確立され、加入者の感じ方が向上され得る。
【0046】
予備SGWにおけるユーザセッションの復元
障害が生じたかまたは生じつつあるSGW 112から予備SGW 112に移動させる、UD 102および/またはeNodeB 111の「移送」サポートに関して、ユーザセッションの完全な存続が必ずしも実現可能ではないことがある。しかしながら、本明細書において論じるさまざまな実施形態は、アクティブなSGWと予備SGWの間の低い同期オーバーヘッドを維持しつつ、オンデマンドのサービス復元を利用するサービスの高速復元を容易にするように構成されている。
【0047】
オンデマンドのサービス復元では、予備SGWはアクティビティを要求しているセッションのみを処理する。アクティブ状態で使用されているSGWには、即座の復元を要求しない多くのアイドル状態のセッションが存在し得る。ある期間にこれらのセッションがアクティブになり、その時点で、それらのセッションを再接続することが必要になる。このジャストインタイムの復元手法によって、ネットワークはアクティブではないセッションのための信号送信オーバーヘッドによる過負荷を受けなくなる。
【0048】
低い同期オーバーヘッドでは、データ同期動作、主SGWとその予備SGWの間のセッション状態の更新などが最小限に維持される。典型的には、アクティブなSGWと、アクティブ状態に移行中、アイドル状態に移行中、またはあるeNodeBから別のeNodeBにハンドオーバー中のセッションの追跡などの種々の機能を対象とするMMEとの間に、大きなトラフィックが存在する。これらのアクティビティは、極めて頻繁に生じるため、アクティブなSGWと予備SGWの間でこれらの変更をすべて伝えることは大きな負荷となる。一般に、さまざまな実施形態は、障害時にアクティブなSGWに存在していたセッションの知識のみを利用する。
【0049】
本明細書に記載の種々の方法および技法は、主SGWの障害に応答して、予備SGWを介して主SGW上のユーザセッションを復元することができる機構を提供する。本明細書に記載のセッション復元機構のさまざまな実施形態は、3つの要素、すなわち、(1)IPアドレス存続処理(survivability)、(2)経路管理継続、および(3)セッション復元、に対処する。
【0050】
IPアドレス存続処理は、予備SGWへの移送処理の間、予備SGWに接続されたネットワーク要素が、障害が生じたSGWのIPアドレス(複数可)に確実に引き続きアクセスできるようにする処理である。
【0051】
いくつかの実施形態において、IPアドレス存続処理は、VRRP(層2手法)またはエニーキャストIPアドレス(層3手法)などを使用して、仮想IPアドレスを用いて実施される。
【0052】
いくつかの実施形態において、IPアドレス存続処理は、アクティブなSGWおよび予備SGWに同じIPアドレスを広告させることによって実施され、ここで、アクティブなSGWは、極めて好ましい尺度(metric)でIPアドレスを広告し、予備SGWは、好ましくないかまたは「有害な」尺度でIPアドレスを広告する。これらの実施形態において、広告IPアドレスの中から選択する任意のネットワーク要素は、極めて好ましいアドレスであるという理由で、アクティブなSGWのアドレスを常に選択する。アクティブなSGWに障害が生じ、唯一の有効なIPアドレスが予備SGWによって広告されるものであるとき、ネットワーク要素は、予備SGWにすべてのデータプレーンおよび制御プレーンのトラフィックを選択する。
【0053】
経路管理継続は、障害が生じたSGWに対する経路管理をもつネットワーク要素が、予備SGWへの移送処理によって、確実に継続性を維持させる処理である。いくつかの実施形態において、アクティブなSGWが、種々の他のネットワーク要素(たとえば、MME、eNodeB、PGW)との定期的な経路管理関係に加わる。各経路管理インスタンスは、Echo Requestに含めて送信されるRestart Counterによって識別される。この数が変わる場合、それは、(リブートのため、またはネットワーク要素を停止し、バックアップした管理行動のために)ネットワーク要素が再始動させられたことを意味する。
【0054】
予備SGWが引き継ぐとき、予備SGWは経路管理Echo Requestを受信し、応答性良くEcho Replyを送信する。さらに、予備SGWはEcho RequestおよびフィールドEcho Replyを送信する。ピアごとに、予備SGWはアクティブなSGWにおいて受信したRestart Counterを知ることになる。このように、あるピアからのRestart Counterが変わる場合、予備SGWは、そのピアに関連付けられたセッションを応答性良くクリーンアップすることができる。さまざまな実施形態において、予備SGWがEcho Requestを送信するとき、アクティブなSGWが送信していたRestart Counterも送信することになる。このように、アクティブなSGWのピアは、セッションをクリーンアップしない。
【0055】
本明細書に記載の方法体系は、ホットスタンバイのSGWバックアップと比較すると、いくつかの利点をもたらす。具体的には、UE再接続を呼び出すだけなら十分な情報が、状態データの大規模な交換の発生(それによって、データを運ぶ各メディケーション(medication)リンクにおいて、プロセッサのアテンションが少なくなり、速さ/信頼性が低くなる)を避けるように、予備SGW(またはMME)に提供され得る情報を比較的ゆっくり変更している。さらに、たとえ格納された状態情報がUE再接続を呼び出すのに十分でなくとも、この方法には、MMEにUEのリスタートを求めさせる以上の害は与えない。
【0056】
セッション復元は、ダウンしているかまたはアクティブでないセッションを識別し、識別されたセッションを、予備SGWを介してできるだけ早く復元する処理である。セッション復元において、アクティブなSGWは、UEセッションを解体し、UEをネットワークに再接続させるなどのある程度限られた行動を予備SGWがとれるように、各UEに関する十分な情報を運搬する。これは、予備SGWが、アクティブなSGWのUDを認識するだけであり、それらのUDに対する制御メッセージを処理しないか、またはそれらのUDに対するデータプレーンのトラフィックを転送しないことを意味する。
【0057】
セッション復元段階は、セッションにアクティビティが存在するときはいつでも実行される。目的は、セッションが切断され、UEがネットワークに再接続する必要があることをUEに通知することである。これは、セッションの信号送信および維持に関わるネットワーク要素が、それらのピアと通信できるように、そのセッションを継続し続けることを示唆する。
【0058】
アクティブなSGWの障害シナリオの後、データプレーンであるか制御プレーンであるかにかかわらず、すべてのトラフィックは予備SGWにルーティングされる。データトラフィックが予備SGWのS5−uまたはS1−uインターフェースに到着するとき、そのデータトラフィックは、予備SGWのデータプレーンにおいてプログラム化されるべきではないトンネルエンドポイント識別子(tunnel endpoint identifier)(TEID)を有するトンネルに到着することになる。SGWの通常の挙動は、誤り指示の例外を発生させる、すなわち、トラフィックを送信するピアに、TEIDが認識されないことを通知する。本質的には、データトラフィックの到着によって、このセッションが認識されておらず、クリーンアップされるべきであるということをピアに通知するための、制御プレーンに対するイベントがトリガされる。S1−uまたはS5−uインターフェースに到着したデータでは、セッションをクリーンアップするためにDelete Bearer RequestがMMEに送信され、そのセッション状態をクリーンアップするためにDelete Session RequestがPGWに送信される。MMEは、UEに至るまでのクリーンアップをトリガする。MMEが<何と言うのか>Detach Requestを再接続要求コードで送信する場合、UEは素早い再接続を実施する。
【0059】
同様に、制御メッセージがS11またはS5−cインターフェースに到着する場合、予備SGWは、MMEに対するDelete Bearer RequestおよびPGWに対するDelete Session Requestを生成する。クリーンアップによって確実に、UEはネットワークに再接続し、着信呼または発信呼用の準備ができるようになる。
【0060】
Delete要求が受け付けられるためには、それらの要求は、MMEおよびPGWに、それらのそれぞれのセッションに関連付けられた正しい制御TEIDとともに到着しなければならない。このような理由で、予備SGWが(1)経路管理を有効状態に維持し、かつ(2)セッションごとにデータTEIDおよび関連付けられた制御TEIDを特定するために、セッションに関する十分な状態情報を維持することは重要である。輻輳が起こらないようにするために、アクティブなSGWと予備SGWによって使用されるTEID空間は互いに交わってはならないことに留意されたい。
【0061】
一般に復元手順は、以下のような、アクティブなSGWと予備SGWの間でやり取りされる情報を使用する。(1)経路管理Restart CounterおよびアクティブなSGWに知られている各ピアのIPアドレス、(2)アクティブなSGWに知られているすべてのセッションに対する制御TEID、ならびに(3)アクティブなSGWに知られているすべてのセッションに対するデータTEID。
【0062】
図3は、一実施形態による、セッション状態バックアップ方法の流れ図を示す。この方法は、図1−2に関して前述したSGW 112などの、主SGWで使用されるように構成された部分と、予備SGWで使用されるように構成された部分とを含む。
【0063】
一般に、図3の方法300は、UEセッションを解体して、それによってUEを強制的にネットワークに再接続させるなどの少なくとも限られた行動を予備SGWがとれるようにするために、アクティブなSGWによってサポートされる各UE 102に関する十分な情報を予備SGWに格納するように構成されている。一実施形態において、予備SGWは、アクティブなSGWのUDのみを認識させられるが、それらのUDに関連付けられた処理制御メッセージまたは転送データプレーントラフィックは認識させられない。このように、UEセッションの信号送信および維持に関わる種々のネットワーク要素が、セッションを存続中であるとみなし続け、したがって、それらのピアと通信する。
【0064】
ステップ310において、少なくとも1つの代替または予備SGWが主SGWに対して決定される。すなわち、ネットワーク内の主またはアクティブなSGWとして動作するSGWの1つまたは複数に対して、少なくとも1つの予備SGWが決定される。枠315を参照すると、予備SGWは、主および/または予備SGWに関連付けられた位置、構成、容量またはその他の要因に対して決定され得る。この決定は、近傍の各SGWの中での発見、構成または最適化処理などに関して、SGW間のネゴシエーションによってなされ得る。この決定は、図1に関して既に記載したネットワークマネージャ140などのネットワークマネージャによってもなされ得る。他のエンティティおよび/または決定方法が使用されてもよい。
【0065】
さまざまな実施形態において、主SGWに対する代替または予備SGWの決定は、以下の選択基準の1つまたは複数に基づいて自動的に実行される:DNS応答時間、経路管理確認時間、セッションローディングなど。さまざまな実施形態において、この基準は、新規の呼セットアップ用の新規の主SGWを選択するためにMMEも使用する。
【0066】
ステップ320において、アクティブなSGWおよび予備SGWが必要に応じて初期化され、各SGWの中で主および予備の役割が割り当てられ、主SGWと予備SGWの通信が確立され、少なくとも主SGWがそのIPアドレスを広告し始める。
【0067】
枠325を参照すると、ステップ320における処理が、イベントを運搬するためのSGW間の通信プロトコル(ISCP)で、アクティブなSGWと予備SGWの間で確立される必要があるSGW間の通信チャネル(ISCC)を確立すること、1つまたは複数の使用されるべきIP存続処理機構を定義すること、主SGWから予備SGWに運搬される関連イベントを定義すること、アクティブなSGWが使用するトンネルエンドポイント識別子(TEID)の範囲を決定すること、ピアアドレスおよびリスタートカウンタ情報を共有すること、などのうちの一部または全部を含む。
【0068】
さまざまな実施形態において、初期化中にアクティブなSGWは自らを識別し、予備SGWの識別を要求する。適切に構成されたSGW間にピアの存在が確認された後、アクティブなSGWは、これからアクティブな役割を担うことを宣言する。ピアの存在が認められたとき、アクティブなSGWは、そのIPアドレスをS1−u、S11、S5−cおよびS5−uインターフェースに広告し始める。通常の動作において、アクティブなSGWは、S11、S5−c、S5−uおよびS1−uインターフェース上でIPアドレスを「所有する」。また、アクティブなSGWは、使用する予定のTEID範囲を共有し、したがって、予備SGWはその範囲の使用を控えることができる。
【0069】
さまざまな実施形態において、アクティブなSGWは、予備SGWと、SGW用のローカルなRestart Counterを共有し、ここで、1つだけのRestart CounterがSGW内のすべてのプロトコルについて維持される。いくつかの実施形態において、アクティブなSGWは、アクティブなSGWが通信するピアごとにピアIPアドレスとRestart Counterの対を共有する。これらの実施形態において、ピアが定期的に変わる(go)と、アクティブなSGWはこの情報を予備SGWに伝える。この情報は、安定したネットワークにおいては通常変化しない。
【0070】
ステップ330において、主SGWが、主SGWによってサポートされる移動デバイスに関連付けられたセッション状態情報を、少なくとも1つの対応する予備SGWに送信する。すなわち、それがUE関連のメッセージを処理すると、アクティブなSGWは、UEに対するセッション状態の関連イベントを識別し、この情報を予備SGWに伝える。
【0071】
枠335を参照すると、セッション状態情報が、所定数の秒または分の後といった所定の間隔で送信され得る。セッション状態情報は、1つまたは所定の数の関連加入者イベントの発生後にも送信され得る。関連加入者イベントは、実例として、Create Session Event、Create Bearer Event、Delete Session Event、および/またはDelete Bearer Eventを含む。一般に、セッション復元の実施形態のための関連加入者イベントは、以下の例に示されるような、ユーザセッションの生成または消去をもたらす任意のイベントを含む:
Create Session Event:新規のセッションが作成されるとき、新規の制御TEIDがPGWに対するS5インターフェースに割り当てられる。これがUE用の最初のセッションである場合、新規の制御TEIDはMMEに対するS11インターフェースに割り当てられる。Createイベントの完了時に、S5−u上のPGWからのものか、S1−uインターフェース上のeNodeBからのものかにかかわらず、既定のベアラ用のデータプレーンTEIDが、SGWに入るトラフィックにも割り当てられる。
【0072】
Create Bearer Event:新規の専用ベアラが作成されるとき、SGWに入るトラフィックに、新規のデータプレーンS1−uおよびS5−uのTEIDが割り当てられる。
Delete Session Event:セッションが削除されるとき、S5−uデータプレーンTEIDおよびS5−c制御プレーンTEIDだけでなく、S1−uデータプレーンTEIDも予備SGWから削除される必要がある。さらに、これがUEの最後のセッションである場合、MMEへのS11の制御TEIDが削除される必要がある。
【0073】
Delete Bearer Event:専用ベアラが削除されるとき、S5−uデータプレーンTEIDおよびS1−uデータプレーンTEIDは予備SGWから削除される必要がある。
【0074】
変更の頻度は、PDNセッションおよび専用ベアラのセットアップ/解体の頻度に基づく。しかしながら、これは、セッションおよびベアラの状態を修正するSGWに到着するイベントほどの頻度ではない。状態情報は主として、セッションの存続期間内には変わらない入口および出口の制御プレーンTEIDと、ベアラが存在している間には変わらない入来データプレーンTEIDとを含む。
【0075】
いくつかの実施形態において、アクティブなSGWに障害が実際に生じてしまったと予備SGWが不正確な判定してしまうことを避けるために、運搬する関連イベントがあまりない場合は、アクティブなSGWは定期的に動作状態継続(keep alive)メッセージを予備SGWに送信する。
【0076】
ステップ340において、各予備SGWにおいて、予備SGWによってサポートされる1つまたは複数の主SGWから送信されるセッション状態情報が格納される。枠345を参照すると、一実施形態において、格納されたセッションデータは、特定のユーザデバイスまたは機器がアクティブ状態または活動している状態にあることを問い合わせ実行(inquiring execute)に示すのに十分である。他の実施形態において、格納されたセッションデータは、主SGW障害の前はアクティブ状態だったユーザ機器に関連付けられたセッションを作成または復元するのに十分である。他の実施形態において、格納されたセッションデータは、主SGW障害の前はアクティブ状態でなかったユーザ機器に関連付けられたセッションを作成または復元するのに十分である。
【0077】
図4は、一実施形態による、セッション状態復元方法の流れ図を示す。具体的には、図4は、図3に関して既に説明したようなセッション状態情報を記憶したLTEネットワークにおける代替または予備SGWなどの、代替または予備ゲートウェイとして動作するゲートウェイで使用されるように構成された方法400を示す。
【0078】
ステップ410において、実例として、図3に関して既に説明したような方法300のステップ310−325に従って、予備SGWとして動作するSGWなどのゲートウェイが初期化され、主SGWへの通信経路が確立される。
【0079】
ステップ420において、予備ゲートウェイが、主SGWの障害が指示されるまでの間、アクティブなSGWによってサポートされるUEに関するUE状態情報を受信し、格納する。枠425を参照すると、主SGWの障害は、明確な障害指示、近傍ノードの存続状態指示器のタイムアウト、ピアカウンタのタイムアウトなどによって指示され得る。そのような指示は、主SGWの実際の障害または主SGWに関連付けられた維持状態もしくは主SGWに関連付けられた過負荷状態などの何らかの他の状態によることもある。
【0080】
ステップ430において、主SGW障害の後、予備ゲートウェイが、障害が生じた主ゲートウェイのIPアドレスおよび経路管理の義務を引き受ける。たとえば、枠435を参照すると、予備ゲートウェイは、制御プレーンおよびデータプレーンのトラフィックおよびパケットが予備ゲートウェイにルーティングされるように、好ましい基準でIPアドレスの広告を開始することができる。
【0081】
ステップ440において、UEセッションに関連付けられた、ネットワークで生成された制御プレーンまたはデータプレーンのトラフィック(すなわち、予備SGWのトリガされたIngress Data PlaneまたはIngress Control Plane)などの制御またはデータプレーントラフィックを受信したことに応答して、予備SGWは、MME用のダウンリンクデータ通知(Downlink Data Notification)(DDN)IMSIメッセージおよびPGW用のセッション削除メッセージを応答性良く生成する。
【0082】
枠445を参照すると、これらのメッセージの結果は、UEがアイドルモードの場合に、(a)IMSIページング機能を実施すること、(b)UEを切り離すと同時に、選択された再接続コードを提供すること、および(c)IMSI接続を実施することによって、アイドルモードのUDを処理するようにMMEが動作することである。MMEは、(a)切り離しを実施すること、および(b)IMSI接続を実施することによって、アクティブまたは接続モードのUDを処理するように動作する。さらに、予備SGWは、Delete Session RequestをPGWに転送し、PGWは、PCRFおよびIMSを介して応答性良くUEの状態異常をクリーンアップした。
【0083】
さまざまな復元の実施形態が、図5−10に関連して以下でより詳細に示される。本明細書に示された種々の図は、例示的な実施形態を表しているに過ぎず、本明細書において論じたさまざまな教示と矛盾せずに修正され得ることが当業者には理解されよう。これらの図5−10のそれぞれは、実例として図1−4に関連して本明細書に記載したような異なる復元シナリオにおける、UE 102と(たとえば、eNodeB 111を介して)、MME 114と、予備SGW 112と、PGW 113との間でやり取りされる種々の信号を示す。
【0084】
図5は、アイドル状態のUEまたはアクティブなUEに対する、S11上の入来制御信号に応答して復元を実現する方法の流れ図を示す。
【0085】
図6は、アイドル状態のUEに対する、S5/S8上の入来制御信号に応答して復元を実現する方法の流れ図を示す。
【0086】
図7は、アクティブなUEに対する、S5/S8上の入来制御信号に応答して復元を実現する方法の流れ図を示す。
【0087】
図8は、アクティブなUEに対する、S1−u上の入来データ信号に応答して復元を実現する方法の流れ図を示す。
【0088】
図9は、アイドル状態のUEに対する、S5/S8上の入来データ信号に応答して復元を実現する方法の流れ図を示す。
【0089】
図10は、アクティブなUEに対する、S5/S8上の入来データ信号に応答して復元を実現する方法の流れ図を示す。
【0090】
したがって、さまざまな実施形態では、セッション状態情報の一部を主SGWから予備SGWに(直接的にまたはMMEを介して)定期的に移送することが企図されており、移送されるセッション状態情報は、アクティブなセッションを有する移動または加入者デバイスを識別するだけなら十分である。このように、予備SGWは、それらの移動または加入者デバイスに、自らを再認可するか、または予備SGWに関連付けられたIPアドレスおよび他の情報を使用してネットワークに再接続することを促すことができる。同時に、「セッション存続中(alive)」または「セッションアクティブ(active)」の応答メッセージは、予備SGWが、アクティブなセッションを有する移動または加入者デバイスの代わりに、またはそれらになりすまして、問い合わせ管理エンティティに送信する。このように、問い合わせ管理エンティティにある移動または加入者デバイスに関連付けられたセッション状態情報は、問い合わせ管理エンティティによって保存される。
【0091】
本明細書に記載のさまざまな実施形態では、一般に、主SGWに関連付けられたセッション状態情報および/または他の情報が、フェイルオーバー機構の実施に使用するための予備SGWに格納されることが企図されている。しかしながら、さまざまな実施形態において、そのような情報は、複数の予備SGWおよび/またはSGWではない1つまたは複数のネットワーク要素に格納されてもよい。主SGWに関連付けられた格納されたセッション状態情報および/または他の情報は、フェイルオーバー機構の一部として予備SGWによって取り出される。
【0092】
さまざまな実施形態は、セッション復元処理を加速させるための1つまたは複数の追加機構を使用するように修正される。セッション復元処理を加速させるためのある機構は、予備SGWが引き継いだことを示すためにSGWからMMEに送信される最初のいくつかのEcho Request上のあらかじめ定義されたIEを使用することを含む。MMEは、S1−uまたはS5−u上のデータプレーン通知を待つ代わりに、アクティブなセッションのクリーンアップを応答性良く加速させる。セッション復元処理を加速させるためのある機構は、予備SGWが、フェイルオーバー直後にアクティブなセッションを前もってクリーンアップし始め、それによってセッションをより迅速に復元することができるように、これらのセッションのリストをアクティブなSGWから予備SGWに定期的に送ることを含む。これらの機構およびその他の機構は、セッション復元処理を向上または加速させるために、個別にまたは任意の組み合わせで使用されてもよい。
【0093】
主SGWと予備SGWの間での状態情報の同期、ならびにそのような同期の頻度は、ネットワークトポロジ、利用可能なリソース、復旧の望ましい速さなどの種々の要因に依存する。
【0094】
一例として、汎用パケット無線システム(General Packet Radio System)(GPRS)トンネリングプロトコルまたはGTPを利用するLTEネットワークに適合されるようなシステムは、種々のセッションまたはUEに関連付けられたGDP情報、経路管理情報および無線周波数(RF)関連情報に関する状態情報の一部または全部を同期させることができる。
【0095】
状態に関するGTP情報は、実例として、S11およびS5−c用の制御FTEID、S1−uおよびS5−u用のデータFTEIDなどを含み得る。状態に関する経路管理情報は、実例として、S11、S1−uおよびS5用のRestart Counterなどを含み得る。状態に関するRF情報は、実例として、元の状態、RATなど(APN当たりn個の専用ベアラと想定して概ね16+(24+n8)個の潜在的なセッション)を含み得る。
【0096】
同期/更新頻度は、事前に決められている、定期的な性質をもつ、かつ/または種々のネットワークイベントに関連していてもよい。
【0097】
さまざまな実施形態において、セッションが作成かつ/または破棄されるとき、主SGWと予備SGWは同期され、たとえば、セッション作成イベント用の8つのGTP/RFメッセージ、セッション破棄イベント用の6つのGTP/RFメッセージ、およびセッション作成/破棄イベント用の2つのIMCPメッセージを同期する。
【0098】
さまざまな実施形態において、ベアラが作成かつ/または破棄されるとき、主SGWと予備SGWは同期され、たとえば、より良い(better)作成イベント用の6つのGTP/RFメッセージ、ベアラ破棄イベント用の6つのGTP/RFメッセージ、およびベアラ作成/破棄イベント用の2つのIMCPメッセージを同期する。
【0099】
さまざまな実施形態において、主予備SGWは、MME再配置のようなネットワーク構成イベントに応答して同期され、たとえば、MME再配置イベント用の4つのGTP/RFメッセージおよび2つのIMCPメッセージを同期する。
【0100】
さまざまな実施形態において、SGWの2重のIPアドレスが、S11およびS5上で使用され、ここで、1つのアドレスはローカルで、1つのアドレスは予備である(one addresses local in one addresses backup)。ローカルIPアドレスは、予備SGWにおける既存のセッションを保持するために使用され、一方で予備IPアドレスは、新規のセッション、障害が生じたかまたは生じつつある主SGWから移送されるセッション、障害が生じたかまたは生じつつある主SGWに関連付けられた制御トラフィックなどに使用される。具体的には、予備SGWへのIPアドレス割り当てでさえ2つの部分(同じ大きさであってもなくてもよい)に分割され、ここで第1の部分は、予備SGWにおける既存のデータおよび制御プレーンのトラフィックに使用され、第2の部分は、障害が生じたかまたは生じつつあるSGWに関連付けられたデータおよび制御プレーンのトラフィックに使用される。このように、セッションのサポートが主SGWから予備SGWに移動するので、衝突は避けられる。すなわち、アクティブなSGWになろうとしている予備SGWは、アクティブなSGWのIPアドレス束を利用する。このように、カンファレンス(conference)が避けられ、セッションのサポートは、SGW間をそれらのIPアドレスに対してバンドル単位で移送され得る。さまざまな実施形態において、障害の抑制が採用され、ある他の実施形態ではそれは採用されない。
【0101】
したがって、2つ(以上)のサービスゲートウェイ(SGW)またはノードは、地理的冗長対として動作することができ、主/予備もしくはワーキング/保護ゲートウェイまたはノードと称されることがある。主もしくはワーキングSGWまたはノードがマスタモードで動作する一方、予備もしくは保護SGW(複数可)またはノード(複数可)はスレーブモードで動作する。主またはワーキングSGWの障害の際に、予備または保護SGW(複数可)がマスタモードで動作を開始する。この状況において、UEおよびそれらのセッションはスレーブ(複数可)に「フェイルオーバー」される。障害が生じた主またはワーキングSGW/ノードが再び動作状態になるとき、新規セッションを予備または保護SGWから主またはワーキングSGW/ノードに戻すかまたはフェイルオーバーで返す必要があり得る。
【0102】
マスタ動作モードにおいて、マスタSGW/ノードは、トラフィックを送信しようとする任意のノードがマスタをそのトラフィック用のルートとして選択するように、スレーブ(複数可)SGWによって広告されるルートデータよりも好ましいルートデータを広告する。これを確実に生じさせるために、スレーブSGWはたとえば、「有害な」ルートデータ、すなわち、その高いコストまたは何らかの他のマイナス要因のために(do to)使用には決して選択されないルートデータを広告することができる。
【0103】
図11は、さまざまな実施形態に関連して本明細書に記載する機能を実施する際の使用に適した汎用コンピュータの高位ブロック図を示す。特に、汎用コンピュータに関して本明細書において論じたアーキテクチャおよび機能は、種々の図に関して本明細書において論じたさまざまなスイッチング要素および通信要素またはノード、すなわち、UD 102、eNodeB 111、SGW 112、PGW 113、MME 114、PCRF 115、およびネットワーク管理システム140のそれぞれで使用するために適合される。説明した汎用コンピュータに関して本明細書において論じた機能の一部は、さまざまなネットワーク要素もしくはノード、および/またはネットワーク内の要素を構成し、管理するように動作するネットワーク操作センタ(NOC)もしくはネットワーク管理システム(NMS)において実施され得ることが理解されよう。
【0104】
図11に示されるように、システム1100は、プロセッサ要素1102(たとえば、CPU)と、たとえばランダムアクセスメモリ(RAM)および/または読み取り専用メモリ(ROM)などのメモリ1104と、パケット処理モジュール1105と、種々の入力/出力デバイス1106(たとえば、テープ駆動機構、フロッピー(登録商標)ドライブ、ハードディスクまたはコンパクトディスクドライブ、受信機、送信機、スピーカ、ディスプレイ、出力ポート、およびユーザ入力デバイス(キーボード、キーパッド、マウスなど)が含まれるが、これらには限定されない記憶デバイス)とを備える。
【0105】
図11に示されたコンピュータ1100は、本明細書に記載の機能的要素および/または本明細書に記載の機能的要素の部分を実装するのに適した汎用アーキテクチャおよび機能を設けていることが理解されよう。本明細書に示し、説明している機能は、たとえば汎用コンピュータ、1つもしくは複数の特定用途向け集積回路(ASIC)、および/または任意のその他のハードウェア等価物を使用して、ソフトウェアおよび/またはハードウェアにおいて実施され得る。
【0106】
ソフトウェア方法として本明細書において論じたステップの一部は、ハードウェア内で、たとえば、種々の方法ステップを実施するためにプロセッサと協働する回路構成として実施され得ることが企図されている。本明細書に記載の機能/要素の部分は、コンピュータ命令が、コンピュータによって処理されたとき、本明細書に記載の方法および/または技法が呼び出されるか、あるいはその他の形で提供されるように、コンピュータの動作を適合させる、コンピュータプログラム製品として実施されてもよい。本発明の方法を呼び出す命令は、固定または取り外し可能な媒体に格納され得るか、データストリームを介してブロードキャストもしくは他の信号を載せる媒体内で送信され得るか、有形の媒体を介して送信され得るか、かつ/または命令に従って動作するコンピューティングデバイス内のメモリに格納され得る。
【0107】
上記は本発明の種々の実施形態を対象とするが、本発明のその他の実施形態およびさらなる実施形態が、その基本的な範囲から逸脱することなく考案され得る。したがって、本発明の適切な範囲は、添付の特許請求の範囲に従って決定されるべきである。
図1
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図11