(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5759030
(24)【登録日】2015年6月12日
(45)【発行日】2015年8月5日
(54)【発明の名称】回路基板と電池装置間の電気的接続構造を有する電池モジュール
(51)【国際特許分類】
H01M 2/10 20060101AFI20150716BHJP
H01M 2/20 20060101ALI20150716BHJP
H01M 2/34 20060101ALI20150716BHJP
【FI】
H01M2/10 M
H01M2/10 E
H01M2/20 A
H01M2/34 B
【請求項の数】10
【全頁数】19
(21)【出願番号】特願2014-13215(P2014-13215)
(22)【出願日】2014年1月28日
(65)【公開番号】特開2014-154553(P2014-154553A)
(43)【公開日】2014年8月25日
【審査請求日】2014年1月29日
(31)【優先権主張番号】102105066
(32)【優先日】2013年2月8日
(33)【優先権主張国】TW
(73)【特許権者】
【識別番号】511040528
【氏名又は名称】新普科技股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】SIMPLO TECHNOLOGY CO., LTD.
(74)【代理人】
【識別番号】110001139
【氏名又は名称】SK特許業務法人
(74)【代理人】
【識別番号】100130328
【弁理士】
【氏名又は名称】奥野 彰彦
(74)【代理人】
【識別番号】100130672
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 寛之
(72)【発明者】
【氏名】宋維哲
(72)【発明者】
【氏名】何沛然
(72)【発明者】
【氏名】楊志坤
(72)【発明者】
【氏名】翁壽禧
(72)【発明者】
【氏名】林士人
【審査官】
松本 陶子
(56)【参考文献】
【文献】
特開2005−317460(JP,A)
【文献】
特開2002−170535(JP,A)
【文献】
特開2007−213940(JP,A)
【文献】
特開2010−056035(JP,A)
【文献】
特開2011−249251(JP,A)
【文献】
特開2005−056721(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 2/10
H01M 2/20
H01M 2/34
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電池モジュールにおいて、
複数のバッテリーセルと、前記バッテリーセルに電気的に連結される本体部及び前記本体部から延出するピンを含む少なくとも一の電極片と、を含む複数の電池装置と、
前記電池装置を固定する第1固定ケースと、
少なくとも一の連結パッドを含む回路基板と、
前記回路基板が設置される第2固定ケースと、
を含み、
前記連結パッドは、前記回路基板の表面上に位置し、
前記第2固定ケースは、複数の側壁と、底板と、少なくとも一のガイド構造と、少なくとも一のガイド孔を含み、
前記側壁は、前記底板を囲繞し前記底板から延出して、更に収容空間を形成し、前記少なくとも一のガイド構造は、前記収容空間内で前記底板から延出し、前記少なくとも一のガイド孔は、前記底板に位置し且つ前記ガイド孔及び前記ガイド構造の位置が相互に対応し、
又、前記少なくとも一の電極片の前記ピンは前記少なくとも一のガイド孔を貫通し、前記少なくとも一のガイド構造に沿って延伸して、前記回路基板の前記少なくとも一の連結パッドに直接接続する、ことを特徴とする電池モジュール。
【請求項2】
前記回路基板は、更に、少なくとも一の位置決め凹溝を形成し、前記少なくとも一の位置決め凹溝の位置は前記少なくとも一の連結パッドの位置に対応し、且つ、
前記ガイド構造が前記少なくとも一の位置決め凹溝に位置決めされることにより、前記回路基板を位置決めし、前記少なくとも一の連結パッドの位置を前記ガイド構造の位置に対応させる、ことを特徴とする請求項1記載の電池モジュール。
【請求項3】
前記ガイド構造は、第1側面及び第2側面を有し、前記第1側面は前記第2側面に対向し、且つ、前記第2側面が前記第2固定ケースの内側に向かい、前記第1側面が前記第2固定ケースの外側に向かい、
前記ピンが少なくとも一のガイド孔から前記ガイド構造の前記第1側面に沿って前記底板から離れる方向に延伸した後、前記ガイド構造の上面から前記ガイド構造の前記第2側面に沿って前記底板に接近する方向へ延伸し、且つ前記ピンの自由端が前記少なくとも一の連結パッドに位置することを特徴とする請求項1記載の電池モジュール。
【請求項4】
前記少なくとも一の電極片の前記ピンの前記自由端に貫通孔を更に形成し、且つ、前記ピンの前記自由端がはんだにより少なくとも一の連接パッドに溶接されていることを特徴とする請求項3記載の電池モジュール。
【請求項5】
前記少なくとも一の電極片の前記ピンは更に、前記ピンの自由端と前記本体部の間に位置する緩衝部を含むことを特徴とする請求項1記載の電池モジュール。
【請求項6】
前記緩衝部が前記ピンの少なくとも一側面から凸設されることを特徴とする請求項5記載の電池モジュール。
【請求項7】
前記緩衝部が円弧状、V字型形状又はW字型形状を形成することを特徴とする請求項6記載の電池モジュール。
【請求項8】
前記側壁の少なくとも一に更に、少なくとも一の窓を設け、前記少なくとも一の窓の位置が前記ガイド構造の位置に対応することを特徴とする請求項1記載の電池モジュール。
【請求項9】
前記第2固定ケースは、更に、外側壁を含み、前記外側壁は前記側壁中の第1側壁の外側に位置し、且つ、
前記第1側壁と前記外側壁間に矩形状の凹溝を形成することを特徴とする請求項1記載の電池モジュール。
【請求項10】
前記側壁中の第2側壁に、更に、開口を形成し、前記開口が前記矩形状の凹溝の長軸方向の底端に位置することを特徴とする請求項9記載の電池モジュール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電池モジュールに関し、特に回路基板と電池装置間の電気的接続構造を有する電池モジュールに関する。
【背景技術】
【0002】
交通運輸車両は、科学技術の進歩に従い、自動車、オートバイの燃料として使用されるガソリンが、燃料として天然ガスへ進歩して、自動車、オートバイの動力を供給して、自動車、オートバイを作動する。そして、自転車は従来の人力を機械を動かす動力として、自転車を作動する。当然、燃料原料は次第に減少するとともに、価格は次第に上昇し、又、環境保護意識も高まり、電動自転車、電動オートバイ、ハイブリット自動車などの交通手段が発展してきた。
【0003】
交通運輸車両の発展、及びクリーンエネルギー産業が電力交通運輸車両を重視するのに伴い、交通運輸車両に電力を提供する電池モジュールは重要な素子となった。
【0004】
図1は、従来の電池モジュールである。
図1に示すように、電池モジュール100は、複数の電池装置110と、回路基板120と、複数の電圧コード130と、少なくとも一のコネクタ131を含む。各電池装置110中に複数のバッテリーセル111と二つの電極片112を含む。電池装置110中のこれらバッテリーセル111はこれら電極片112を介して直列又は並列に形成された後、更にその他の電池装置110と直列又は並列にされ、電池モジュール100全体を形成する。
【0005】
ある電池装置110内のバッテリーセル111に異常が発生すると、電池装置110の電圧が不平衡になり、電池モジュール100全体の寿命に影響を与える。電池モジュール100中の各電池装置110の電圧に異常が発生していないか否かを検出するために、
図1に示すように、以前は各電池装置110の電極片112のピン113を電圧コード130に溶け込み溶接又は接合溶接を行って、各電圧コード130のもう一端をコネクタ131に連結し、配線を形成する。コネクタ131を更に回路基板120上の別のコネクタに挿接する。回路基板120に電圧検出ユニット及びICを設ける。上記の設計により、各電池装置110の電圧を回路基板120の電圧検出ユニットに集中させ、電圧検出ユニットは更に回路基板120の配電回路を介して、これら電圧の数値をICへ伝達して、これら電圧をモニタリングする。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、電池装置110の電圧を伝送するために、電極片112のピン113を電圧コード130に溶け込み溶接又は接合溶接を行うと、複数の電圧コード130及びコネクタ131を使用しなければ、各電池装置110の電圧を伝送できない。従って、製造コストが増加し、且つ組み立てにおいて、これら電圧コード130を整理してコネクタ131と別のコネクタ間の挿接を行わなければならず、組み立てにおいて不便であり、生産時間が増加する。
【0007】
特に、その他、外部の電線(図示せず)に連結する時、電池モジュール100内の電線及び電圧線が更に煩雑になり、組み立てが困難になる。
【0008】
従って、電圧をICに伝送する材料を如何に省き、同時に、回路基板120を固定する簡略化した構造を提供するとともに、ICがこれら電池装置110の電圧を受けるようにすることが、目下、研究しなければならない課題である。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の実施例の目的は、電池モジュールを提供することである。本発明の実施例の目的は、回路基板と電池装置間の電気的接続構造を有する電池モジュールを提供することである。実施例において、前記電気的接続構造の構成を簡略化できるとともに前記電気的接続構造の取り付けの工程が簡略化できる。
【0010】
本発明の実施例において、提供する電池モジュールは、複数の電池装置と、第1固定ケースと、回路基板と、第2固定ケースとを含む。各電池装置は、複数のバッテリーセル及び少なくとも一の電極片を含む。電極片は、これらバッテリーセルを電気的に連結する本体部と、電極片の本体部から延出するピンとを含む。第1固定ケースはこれら電池装置を固定する。回路基板は、少なくとも一の連結パッドを含み、連結パッドは回路基板の表面に位置する。第2固定ケースは前記回路基板を収容し、且つ複数の側壁と、底板と、少なくとも一のガイド構造と、少なくとも一のガイド孔を含む。これら側壁は底板を囲繞し、且つ底板から延出して、収容空間を設ける。ガイド構造は収容空間内で、底板から延出する。ガイド孔は、底板に位置し、且つガイド孔及びガイド構造の位置は相互に対応する。又、電極片のピンは、ガイド孔を貫通してガイド構造に沿って延伸するとともに、回路基板の連結パッドに電気的に連結する。
【0011】
実施例において、回路基板は、更に、少なくとも一の位置決め凹溝を設け、位置決め凹溝の位置は連結パッドの位置に対応する。ガイド構造は、位置決め凹溝に位置決めされ、これにより、回路基板を位置決めするとともに、連結パッドの位置をガイド構造の位置に対応させる。
【0012】
実施例において、ガイド構造は、第1側面及び第2側面を有し、第1側面は第2側面に対向し、且つ第2側面は第2固定ケースの内側に向かっており、第1側面は第2固定ケースの外側に向かっている。そして、ピンは、ガイド孔からガイド構造の第1側面に沿って底板から離れる方向に延伸した後、次にガイド構造の上面からガイド構造の第2側面に沿って底板に近づく方向に延伸し、且つピンの自由端が連結パッドに位置する。
【0013】
実施例において、電極片のピンの自由端は更に貫通孔を設け、且つ、ピンの自由端ははんだにより連結パッドに溶接される。
【0014】
実施例において、電極片のピンは更に、ピンの自由端及び本体部間に位置する緩衝部を有する。実施例において、緩衝部はピンの一側面から突設されている。緩衝部の形状が円弧状、V字型形状又はW字形状を形成することが好ましい。
【0015】
実施例において、これら側壁の少なくとも一つに少なくとも一の窓が更に設けられ、且つ窓の位置はガイド構造の位置に対応する。
【0016】
実施例において、第2固定ケースは、更に、外側壁を含み、外側壁は、これら側壁中の第1側壁の外側に位置するとともに、第1側壁と外側壁間が矩形状の凹溝を形成する。これら側壁のうちの第2側壁は開口を更に設け、且つ開口は矩形状の凹溝の長軸方向に沿った底端に位置することが好ましい。
【発明の効果】
【0017】
本発明の実施例によれば、第2固定ケース上に少なくとも一のガイド構造及び少なくとも一のガイド孔を設けることにより、これら電極片のピンを有効にガイドすることができ、ピンの自由端を回路基板の連結パッドに位置させることができる。この設計により、従来技術における電圧コードを省略することができるとともに、回路基板と複数の電池装置間の電気的接続構造及び電気的接続工程を簡略化することができ、更に、製造コストの削減且つ電池モジュールの組み立て時間も減少できる。
【0018】
本発明のその他の目的及びメリットは本発明に開示された技術特徴において更に理解できる。本発明の上記及びその他の目的、特徴及びメリットをより容易に理解するために、以下において、実施例を挙げながら、図面を合わせて、詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】
図1は、従来の電池モジュールの立体図である。
【
図2】
図2は、本発明の電池モジュールの分解図である。
【
図3B】
図3Bは、本発明の別の実施例の電極片の概略図である。
【
図3C】
図3Cは、本発明の実施例の電極片の緩衝部の概略図である。
【
図3D】
図3Dは、本発明の別の実施例の電極片の緩衝部の概略図である。
【
図4A】
図4Aは、回路基板を固定する工程の一部拡大図である。
【
図4B】
図4Bは、回路基板を固定する工程の一部拡大図である。
【
図5A】
図5Aは、本発明の実施例の電池モジュールの第2固定ケースの上面図である。
【
図5B】
図5Bは、
図5A実施例の第2固定ケースを取り付けた電池モジュールの側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、明細書における記述において、「AをBに接続する」又は「AをBに電気的に連結する」とは、AをBに直接接続する又は電気的に連結することであり、または、AとBは物質又は物体を介して間接的に接続される又は電気的に連結されることである。これにより、AとBとの間は通電できる。この他、例えば「AはBに接触する」等の用語の使用は、直接的な接触又は間接的な接触等の実施方法を含む。
<実施例>
【0021】
図2は、本発明の実施例の電池モジュールの分解図である。
図2に示すように、電池モジュール200は、複数の電池装置210と、回路基板220と、第1固定ケース231と、第2固定ケース232とを含む。
【0022】
各電池装置210は、複数のバッテリーセル211及び二つの電極片212を含む。電池装置210中のこれらバッテリーセル211は、これら電極片212を介して直列又は並列に形成された後、更にその他の電池装置210と直列又は並列にされ、電池モジュール200全体を形成する。
【0023】
図3Aは、本発明の実施例の電極片の概略図である。
図3Aに示すように、電極片212Aは、本体部221と、ピン222と、貫通孔223とを含む。本体部221は、バッテリーセル211の一端と電気的に連結し、ピン222は、本体部221から延出し、ピン222の自由端側には貫通孔223を更に設ける。
【0024】
図3Bは、本発明の別の実施例の電極片の概略図である。
図3Bの電極片212Bは
図3Aの電極片212Aに類似する。従って、同一の部材は同一の符号を使用しその関連説明を省略する。
図3Bに示されるように、電極片212Bは、更に、緩衝部224を含む。本実施例の緩衝部224は、ピン222の一側面から凸設され、円弧状に形成され、緩衝部224は本体部221と貫通孔223との間に位置することが好ましい。又、実施例において、緩衝部224は本体部221側に近いか又は緩衝部224と本体部221との間の距離が緩衝部224と貫通孔223との間の距離よりも小さい。本実施例において、緩衝部224により、ピン222が折れるのを有効に回避できる。本発明において、緩衝部224は円弧状に限定されない。別の実施例において、
図3C及び
図Dに示されるように、前記緩衝部224はV字形状又はW字形状(イナズマ線形状)であってもよく、同様に、ピン222が折れるのを有効に回避することができる。特に、本発明は設置する緩衝部224の形状を制限せず、ピン222が折れるのを有効に回避できる限りピン224は如何なる形状でもよい。
【0025】
図2を参照すると、これら電池装置210は第1固定ケース231内部に設けられ且つ第1固定ケース231により固定されている。回路基板220は、第2固定ケース232内に設置される。第1固定ケース231及び第2固定ケース232間は、例えばねじなどの固定素子(図示せず)により組立て及び固定されてもよい。
【0026】
図4Aから
図4Bはそれぞれ、回路基板220を固定する工程の一部拡大図である。
図4A及び
図2に示されるように、回路基板220は、少なくとも一の位置決め凹溝241及び回路配置を含み、前記回路配置は、少なくとも一の連結パッド242を含み、連結パッド242は回路基板220の表面に位置し、且つ位置決め凹溝241の位置は連結パッド242の位置に対応することが好ましい。第2固定ケース232は、複数の側壁321と、底板322と、少なくとも一のガイド構造311と、少なくとも一のガイド孔312を含む。これら側壁321は、前記底板322を囲繞して前記底板322から延出し、収容空間323を形成する。ガイド構造311は収容空間323内において底板322から延出し、ガイド孔312は底板322に位置し、ガイド孔312及びガイド構造311の位置は相互に対応し、且つガイド孔312はガイド構造311と前記ガイド構造311に最も近い側壁321との間に位置する。
【0027】
図4A及び
図2に示されるように、回路基板220を第2固定ケース232の収容空間323内に設置する。回路基板220の位置決め凹溝241の位置は第2固定ケース232のガイド構造311の位置に対応する。又、ガイド構造311は、位置決め凹溝241に位置決めされ、更に、具体的には、ガイド構造311の少なくとも一部を位置決め凹溝241内に位置決めする。これら位置決め凹溝241及びこれらガイド構造311を介して、回路基板220を第2固定ケース232内に位置決めできる。このように、各連結パッド242の位置をガイド構造311の位置に対応させることができる。そのうち、ガイド構造311は更に、第1側面及び第2側面を有し、その第1側面とその第2側面はそれぞれ対向する側に位置し、且つガイド構造311の第2側面は第2固定ケース232内部に向かっている。
【0028】
図4A及び
図4Bに示されるように、先ず、
図4Aを参照すると、これら電極片212のピン222はこれらガイド孔312を貫通するとともに、ガイド構造311の第1側面に沿ってガイド孔312から上方向に、即ち、底板322から離れる方向に、延出する。更に、
図4Bを参照すると、そのうち、ピン222はこれらガイド孔312を貫通して前記ガイド構造311に沿って延伸するとともに、前記回路基板220の前記連結パッド242に電気的に連結する。
【0029】
更に具体的には、前記ピン222は、前記連結パッド242上の一端に位置し、ピン222の自由端として定義することができる。ピン222はガイド構造311が湾曲するのに伴い、ピン222の自由端は第2固定ケース232内部へ向かい、更に、ピン222の自由端はガイド構造311の第2側面に沿ってガイド構造311の上端から下へ向けて弯曲し、即ち底板322に近い方向へ湾曲する。ピン222の自由端が底板322に接近又は接触した後、更に、ピン222の自由端は底板322に沿って第2固定ケース232内へ向かって延伸する。
【0030】
この時、ガイド構造311に導かれて、ピン222の自由端は回路基板220の連結パッド242上に位置する。その後、溶接により、ピン222の自由端は連結パッド242に溶接される。ピン222の自由端は更に貫通孔223を有することが好ましく、このようにハンダが貫通孔223の周囲及びピン222の自由端の外側から、ピン222の自由端と連結パッド242間の間隙に流入し、ピン222の自由端を連結パッド242に更に有効に、迅速に溶接することができる。
【0031】
図5Aは、本発明の実施例の電池モジュールの第2固定ケースの上面図である。
図5Bは、
図5Aの実施例の第2固定ケースを取り付けた電池モジュールの側面図である。発明者が実際に行った電池モジュール200の組立てテストにおいて、組み立て工程中にピン222が貫通孔223を貫通していることをモニタリングできない状況が発生し、組み立て時間が増加することが分かった。従って、
図5A及び
図5Bに示されるように、第2固定ケース232の側壁321に少なくとも一の窓331を更に設け、窓331の位置はガイド構造311の位置に対応させることにより、ユーザーが電池モジュール200を組立てるとき、電池装置210のピン222がガイド孔312に貫通する工程を明確にモニタリングできるとともに、適切な時間においてピン222の位置を調整することにより、ピン222がスムーズにガイド孔312を貫通し、底板322から延出することができる。発明者の実際のテストの結果、窓331を増加することにより電池モジュール200の組み立て作業時間を有効に減少することができた。本明細書において、窓とはユーザーが電池装置210のピン222をモニタリングできる開口構造を指す。特に、本発明の実施例において、窓331を設置しなくてもよく、且つ実施例において、製品規格に基づき、窓331の数量、形状、個数、位置、及び配列方法を調整することができる。
【0032】
特に、本発明は設置する窓331の数量を制限しない。実施例において、窓331をガイド構造311に対応させることができる。別の実施例において、第2固定ケース232の側壁321に窓331を設置することができ、前記側壁321に対向する別の側壁321には如何なる窓331も設置されていない。別の実施例において、二つの対向する側壁321に少なくとも一の窓331を選択的に設置することができる。
【0033】
組み立て工程中に、前述のように、ピン222の位置を続けて調整するので、伸ばしたり、押し付けたり、湾曲することがある。これによりピン222は折れやすくなるが、緩衝部224を増設した後、緩衝部224の緩衝を介して、実際のテストの結果、ピン222が折れる状況を有効に減少できた。
【0034】
この他、再度
図5Aを参照すると、実施例において、第2固定ケース232は、更に、第2固定ケース232の側壁321の外側に位置する外側壁324を含み、且つ外側壁324と前記側壁321は矩形の凹溝325を形成する。実施例において、電池モジュール200は、更に外カバー及び複数の電線を含んでもよい。これら電線は回路基板220及び前記外カバーに設けられるコネクタに連結されて、電池モジュール200を外部と電気的に連結させる。これら電線が回路基板220に連接されたのち、凹溝325内まで延伸され、次に凹溝325の長軸方向に延伸し、凹溝325の長軸方向の底端の開口326を貫通した後、更に前記外カバー上のコネクタまで延伸する。外カバー内で電池モジュール200のこれら電線が煩雑に散らからないようにするために、この凹溝325によりこれら電線を整理又は固定することができる。そのうち、前記開口326は、別の側壁321に形成され、且つ前記別の側壁321は外側壁324に対応する前記側壁321に垂直である。
【産業上の利用可能性】
【0035】
本発明の実施例によれば、第2固定ケース232に少なくとも一のガイド構造311及び少なくとも一のガイド孔312を設置する。これによりこれら電極片212のピン222を有効にガイドすることができ、ピン222の自由端は回路基板220の連結パッド242に正確に位置することができる。この設計により、従来技術中の電圧コード130及びコネクタ131を省略できるほかに、回路基板220と複数の電池装置210間の電気的接続構造及び電気的接続工程を簡略化することができ、簡略化した電気的接続工程により電池モジュール200の組み立て時間を削減することができる。この他、ピン222が凹形状を形成し、ガイド構造311が凸形状を形成することにより、即ち、ピン222の形状とガイド構造311の形状は相互に対応し、ピン222を位置決めする機能を有する。従って、ピン222と回路基板220の連結パッド242間の溶接構造は大きな振動に耐えることができ、容易に外れることがなく、回路基板と電池装置間の電気的接続構造の信頼性が向上する。
【0036】
本発明を好ましい実施例により上述のように開示するが、本発明を限定するものではなく、如何なる当業者は、本発明の本質及び範囲を逸脱しない限り、変更及び装飾を行うことができる。従って、本発明の保護範囲は以下の特許請求の範囲を基準とする。この他、本発明の如何なる実施例又は特許請求の範囲は本発明に開示されたすべての目的又はメリット又は特徴を達成する必要がない。この他、要約及び発明の名称は特許文献の検索に用いるのであって、本発明の権利範囲を制限するものではない。
【符号の説明】
【0037】
100 電池モジュール
110 電池装置
111 バッテリーセル
112 電極片
113 ピン
120 回路基板
130 電圧コード
131 コネクタ
200 電池モジュール
210 電池装置
211 バッテリーセル
212 電極片
212A 電極片
212B 電極片
220 回路基板
221 本体部
222 ピン
223 貫通孔
224、224a、224b 緩衝部
231 第1固定ケース
232 第2固定ケース
241 位置決め凹溝
242 コネクタ
311 ガイド構造
312 ガイド孔
321 側壁
322 底板
323 収容空間
324 外側壁
325 凹溝
326 開口
331 窓