特許第5759034号(P5759034)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】5759034
(24)【登録日】2015年6月12日
(45)【発行日】2015年8月5日
(54)【発明の名称】認証処理システム
(51)【国際特許分類】
   G06F 21/31 20130101AFI20150716BHJP
   G06Q 30/06 20120101ALI20150716BHJP
   G06Q 30/02 20120101ALI20150716BHJP
【FI】
   G06F21/31
   G06Q30/06 210
   G06Q30/02 140
【請求項の数】5
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2014-23036(P2014-23036)
(22)【出願日】2014年2月10日
【審査請求日】2015年2月9日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】500175565
【氏名又は名称】株式会社ぐるなび
(74)【代理人】
【識別番号】100088214
【弁理士】
【氏名又は名称】生田 哲郎
(74)【代理人】
【識別番号】100134588
【弁理士】
【氏名又は名称】吉浦 洋一
(72)【発明者】
【氏名】花島 大祐
(72)【発明者】
【氏名】井上 智之
【審査官】 平井 誠
(56)【参考文献】
【文献】 特開2013−134504(JP,A)
【文献】 特開2010−170520(JP,A)
【文献】 特開2008−047015(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 21/31
G06Q 30/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
利用者が利用する可搬型通信端末と認証処理サーバとを用いて,前記利用者が施設を利用したことを認証する認証処理システムであって,
前記可搬型通信端末は,
前記可搬型通信端末で,施設内に配置された第1認証情報を取得する第1認証情報取得処理部と,
前記可搬型通信端末におけるGPS機能に基づいて,施設を特定するための第2認証情報を取得する第2認証情報取得処理部と,
前記取得した第1認証情報及び第2認証情報と,利用者を識別する利用者識別情報とを前記認証処理サーバに送信する認証情報送信処理部と,を備えており,
前記第1認証情報は,前記施設内のテーブル番号及び椅子番号の少なくとも一つを含む,該施設の場所を特定する情報であり,
前記認証処理サーバは,
施設ごとに,前記第1認証情報と前記第2認証情報とを記憶する施設情報記憶部と,
前記認証情報送信処理部から,前記第1認証情報及び第2認証情報と利用者識別情報とを受信する認証情報受信処理部と,
日時情報に対応付けて,前記利用者識別情報と,前記施設内のテーブル番号及び椅子番号の少なくとも一つを記憶する認証情報記憶部と,
前記受信した第1認証情報と第2認証情報と,前記施設情報記憶部における第1認証情
報と第2認証情報とを比較し,一致または所定範囲内にある場合,利用者が施設を利用していると判定する認証処理部と,を備えている,
ことを特徴とする認証処理システム。
【請求項2】
前記第1認証情報取得処理部は,
前記第1認証情報が符号化された2次元コードを前記可搬型通信端末の撮像装置で読み
取る,またはICチップに記憶された前記第1認証情報を前記可搬型通信端末が非接触通
信により読み取る,ことで前記第1認証情報を取得する,
ことを特徴とする請求項1に記載の認証処理システム。
【請求項3】
前記第1認証情報は、テーブル、椅子,壁,前記テーブルにおかれる物の少なくとも一つに配置される,
ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の認証処理システム。
【請求項4】
利用者が利用する可搬型通信端末と認証処理サーバとを用いて,前記利用者が施設を利用したことを認証する認証処理システムであって,
前記可搬型通信端末は,
前記可搬型通信端末で,施設内の場所を特定するための第1認証情報を取得する第1認
証情報取得処理部と,
前記可搬型通信端末で,施設を特定するための第2認証情報を取得する第2認証情報取
得処理部と,
前記取得した第1認証情報及び第2認証情報と、利用者を識別する利用者識別情報とを前記認証処理サーバに送信する認証情報送信処理部と,を備えており,
前記第1認証情報は,前記施設内のテーブル番号及び椅子番号の少なくとも一つを含む情報であり,
前記認証処理サーバは,
前記利用者識別情報に,その利用者の施設利用に関する情報を対応付けて記憶する利用者情報記憶部と,
施設ごとに,前記第1認証情報と前記第2認証情報とを記憶する施設情報記憶部と,
前記認証情報送信処理部から,前記第1認証情報及び第2認証情報と利用者識別情報とを受信する認証情報受信処理部と,
日時情報に対応付けて,前記利用者識別情報と,前記施設内のテーブル番号及び椅子番号の少なくとも一つを記憶する認証情報記憶部と,
前記受信した第1認証情報及び第2認証情報と,前記施設情報記憶部における第1認証情報及び第2認証情報とを比較し,一致または所定範囲内にある場合,前記利用者情報記憶部に、前記受信した利用者識別情報に対応付けて施設利用に関する情報を登録する認証処理部と,を備えている,
ことを特徴とする認証処理システム。
【請求項5】
利用者が利用する可搬型通信端末と認証処理サーバとを用いて,前記利用者が施設を利用したことを認証する認証処理システムであって,
前記可搬型通信端末は,
前記可搬型通信端末で,施設内の場所を特定するための第1認証情報を取得する第1認
証情報取得処理部と,
前記可搬型通信端末で,施設を特定するための第2認証情報を取得する第2認証情報取
得処理部と,
前記取得した第1認証情報及び第2認証情報と,利用者を識別する利用者識別情報とを前記認証処理サーバに送信する認証情報送信処理部と,を備えており,
前記第1認証情報は,前記施設内のテーブル番号及び椅子番号の少なくとも一つを含む情報であり,
前記認証処理サーバは,
施設ごとに,前記第1認証情報と前記第2認証情報とを記憶する施設情報記憶部と,
前記認証情報送信処理部から,前記第1認証情報及び第2認証情報と利用者識別情報とを受信する認証情報受信処理部と,
日時情報に対応付けて,前記利用者識別情報と,前記施設内のテーブル番号及び椅子番号の少なくとも一つを記憶する認証情報記憶部と,
前記受信した第1認証情報と第2認証情報と,前記施設情報記憶部における第1認証情報と第2認証情報とを比較し,一致または所定範囲内にある場合,利用者が施設を利用していると判定する認証処理部と,を備えている,
ことを特徴とする認証処理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は,飲食店などの各種施設を利用者が利用したことを認証処理する認証処理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
飲食店や宿泊施設などの各種施設を訪れた場合,利用者がその施設を利用したことを認証(チェックイン)することで,その施設から利用者に対してポイントが付与される場合がある。利用者に対して付与されるポイントは,多くが利用代金の支払いなどに充てることができるので,利用者は,積極的に認証処理を行う一方,施設にとってはそれによってマーケティング手段,集客手段となる。そのため,認証処理は利用者,施設の双方にとってメリットがある。
【0003】
認証処理を行う場合にはさまざまな方法があるが,施設内で利用可能となっているブルートゥースやiBeaconなどの電波を施設内で送出し,それを利用者が利用する可搬型通信端末で検出することで,利用者がその施設を利用したことを認証(チェックイン)する方法がある。
【0004】
iBeaconを用いたチェックインの公知例を非特許文献1に示す。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0005】
【非特許文献1】株式会社Leonis&Co.,”iBeaconって何?−小売業・O2Oサービス事業者が今注目すべき機能の活用方法を考察してみた|Leonis&Co.”,[online],インターネット<URL:http://leonisand.co/blog/insight/ibeacon.html>
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
非特許文献1のような,ブルートゥースやiBeaconなど,施設内の電波を検出することでその施設を利用したことの認証を行う場合には,施設外に電波が漏れてしまうおそれがある。その場合,施設外にいるにもかかわらず認証処理を行えてしまう問題点がある。また,非特許文献1以外にもGPSによる位置検出機能を用いて施設を利用したことの認証を行う方法もあるが,精度に問題があり,必ずしも正確に位置を検出できるとは限らない。
【0007】
一方,施設の所定場所,たとえばレジ付近などに非接触通信を行う読取装置を設置し,そこに可搬型通信端末を設置することで来店認証を行う方法もある。しかし,その場合では,利用者が施設内のどこを利用したのか(どのテーブルや場所などを利用したか)を特定することはできない。この読取装置を各テーブルなどに設置するにはコスト的に負担がかかる。また,仮に設置できたとしても,その読取装置が盗難等されてしまう可能性もある。この場合,施設内にいるかを判定することはできない。
【0008】
そこで,施設内のどこを利用したのかを含めて,認証処理を正確に行うことができるシステムが望まれている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者は上記課題に鑑み,認証処理システムを発明した。
【0010】
第1の発明は,利用者が利用する可搬型通信端末と認証処理サーバとを用いて,前記利用者が施設を利用したことを認証する認証処理システムであって,前記可搬型通信端末は,前記可搬型通信端末で,施設内の場所を特定するための第1認証情報を取得する第1認証情報取得処理部と,前記可搬型通信端末で,施設を特定するための第2認証情報を取得する第2認証情報取得処理部と,前記取得した第1認証情報と第2認証情報とを前記認証処理サーバに送信する認証情報送信処理部と,前記認証処理サーバから,前記認証情報に基づいて付与されたポイントに関する通知を受信するポイント付与結果受信処理部と,を備えており,前記認証処理サーバは,利用者ごとのポイントを記憶する利用者情報記憶部と,施設ごとに,前記第1認証情報と前記第2認証情報とを記憶する施設情報記憶部と,前記可搬型通信端末から,前記第1認証情報と第2認証情報とを受信する認証情報受信処理部と,前記受信した第1認証情報と第2認証情報と,前記施設情報記憶部における第1認証情報と第2認証情報とを比較することで,一致または所定範囲内にある場合には,前記利用者情報記憶部におけるその利用者のポイントを更新するポイント付与処理部と,を備えている,認証処理システムである。
【0011】
本発明の認証処理システムを用いることで,非特許文献1のように,施設外に電波が漏れていたとしても,施設内にいるかを正確に判定して,認証処理を行うことができる。また,施設内に設置していた読取装置が盗難等された場合であっても,施設内にいるかを正確に判定して,認証処理を行うことができる。さらに,利用者が施設内のどの場所を利用したのか,を特定することもできる。
【0012】
上述の発明において,前記第1認証情報取得処理部は,前記第1認証情報が符号化された2次元コードを前記可搬型通信端末の撮像装置で読み取る,またはICチップに記憶された前記第1認証情報を前記可搬型通信端末が非接触通信により読み取る,ことで前記第1認証情報を取得する,認証処理システムのように構成することができる。
【0013】
第1認証情報は,施設内の場所を特定するための認証情報である。そのため,さまざまな方法を用いることができるが,本発明のように構成することで,簡易な手段によって実現することができる。
【0014】
上述の発明において,前記第2認証情報取得処理部は,前記施設に設置された無線送出装置から送出される第2認証情報を取得する,または前記可搬型通信端末におけるGPS機能に基づいて位置情報を取得することで第2認証情報を取得する,認証処理システムのように構成することができる。
【0015】
第2認証情報は,施設を特定するための情報である。そのため,さまざまな方法を用いることができるが,本発明のような無線送出装置やGPS機能の位置情報に基づくことが好ましい。これらの情報の場合には,無線の電波が外部に漏れたり,位置情報が不正確であることもあり,それを補完するための第1認証情報が効率的に機能し得るからである。
【0016】
第1の発明の認証処理システムにおける認証処理サーバは,以下のように構成することができる。すなわち,利用者が施設を利用したことを認証する認証処理システムであって,利用者ごとのポイントを記憶する利用者情報記憶部と,施設ごとに,施設内の場所を特定するための第1認証情報と,施設を特定するための第2認証情報とを記憶する施設情報記憶部と,前記可搬型通信端末から,前記第1認証情報と第2認証情報とを受信する認証情報受信処理部と,前記受信した第1認証情報と第2認証情報と,前記施設情報記憶部における第1認証情報と第2認証情報とを比較することで,一致または所定範囲内にある場合には,前記利用者情報記憶部におけるその利用者のポイントを更新するポイント付与処理部と,を有する認証処理システムのように構成することができる。
【0017】
第1の発明の認証処理システムにおける可搬型通信端末は,以下のように構成することができる。すなわち,利用者が施設を利用したことを認証する認証処理システムであって,利用者が利用する可搬型通信端末で,施設内の場所を特定するための第1認証情報を取得する第1認証情報取得処理部と,前記可搬型通信端末で,施設を特定するための第2認証情報を取得する第2認証情報取得処理部と,前記取得した第1認証情報と第2認証情報とを所定のサーバに送信する認証情報送信処理部と,前記サーバから,前記認証情報に基づいて付与されたポイントに関する通知を受信するポイント付与結果受信処理部と,を有する認証処理システムのように構成することができる。
【発明の効果】
【0018】
本発明の認証処理システムを用いることによって,施設を利用したことを正確に認証することができる。また利用者が施設のどこの場所を利用したかを特定することもできる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】本発明の認証処理システムの処理の概念を模式的に示す概念図である。
図2】本発明の認証処理システムのシステム構成の一例を模式的に示す概念図である。
図3】本発明の認証処理システムを機能させるコンピュータのハードウェア構成の一例を模式的に示す図である。
図4】本発明の認証処理システムの所為プロセスの一例を模式的に示すフローチャートである。
図5】利用者情報記憶部の一例を模式的に示す図である。
図6】施設情報記憶部の一例を模式的に示す図である。
図7】認証情報記憶部の一例を模式的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本発明の認証処理システム1の処理の概念の一例を図1に模式的に示す。また認証処理システム1を機能させるコンピュータのシステム構成の一例を図2に模式的に示す。コンピュータとしては,スマートフォンを含む携帯電話,PHS,PDA,タブレット型コンピュータなどの持ち運び可能な可搬型通信端末2のほか,パーソナルコンピュータ,サーバなどを含む。
【0021】
コンピュータは,プログラムの演算処理を実行するCPUなどの演算装置70と,情報を記憶するRAMやROMなどの記憶装置71と,ディスプレイなどの表示装置72と,マウスやキーボード,タッチパネルなどの各種入力インターフェイスの入力装置73と,演算装置70の処理結果や記憶装置71に記憶する情報を公衆電話回線,インターネットやLANなどのネットワークを介して送受信する通信装置74とを有している。コンピュータ上で実現する各機能(各手段)は,その処理を実行する手段(プログラムやモジュールなど)が演算装置70に読み込まれることでその処理が実行される。各機能は,記憶装置71に記憶した情報をその処理において使用する場合には,該当する情報を当該記憶装置71から読み出し,読み出した情報を適宜,演算装置70における処理に用いる。
【0022】
本発明における各手段は,その機能が論理的に区別されているのみであって,物理上あるいは事実上は同一の領域を為していても良い。
【0023】
可搬型通信端末2は,施設の利用者が利用する携帯電話,スマートフォン,PHS,PDA,タブレット端末,ノート型コンピュータなどの持ち運び可能な通信端末(コンピュータ)である。また,可搬型通信端末2は,後述する第1認証情報取得処理部20,第2認証情報取得処理部21で各認証処理を実現するために必要なハードウェア構成,たとえば撮像装置,ICチップ読取装置,ブルートゥースやiBeaconなどの無線通信手段などを,少なくともそれぞれの認証処理を実現するのに必要な範囲内で備えている。
【0024】
可搬型通信端末2は,第1認証情報取得処理部20と第2認証情報取得処理部21と認証情報送信処理部22とポイント付与結果受信処理部23とを有する。
【0025】
第1認証情報取得処理部20は,施設内の利用者の所在場所,たとえばテーブルや椅子,壁,テーブルにおかれる物(メニューや調味料,呼出ボタンなど)の所定箇所に取り付けられたコードやICチップなどを読み取り,第1認証処理を実行する。第1認証情報取得処理部20での認証処理は,施設内における利用者の所在場所を特定するための認証処理である。
【0026】
たとえばコードが2次元コードの場合,第1認証情報取得処理部20は,可搬型通信端末2に備えた撮像装置を起動し,撮像装置でコードを読み取ることで,コード化された第1認証情報を読み取る。第1認証情報には,施設内の場所を特定するための情報,たとえばテーブル番号,椅子番号などが含まれている。
【0027】
またICチップの場合には,好ましくは,接触または非接触による近距離無線通信が可能な読取装置などに内蔵されているがそれに限定されない。そして,第1認証情報取得処理部20は,可搬型通信端末2に備えたRFID機能を起動し,ICチップと非接触による近距離無線通信を行うことで,ICチップに記憶された第1認証情報を読み取る。
【0028】
第2認証情報取得処理部21は,施設に設置した送出装置から送出する第2認証情報を含む無線電波を,可搬型通信端末2の無線通信装置74で受信することで,第2認証情報を取得する。または,第2認証情報として位置情報を用いる場合には,可搬型通信端末2のGPS機能を起動し,緯度,経度を含む位置情報を取得し,これを第2認証情報とする。第2認証情報には,利用者が利用する施設を特定するための情報,たとえば店舗識別情報,店名,緯度・経度などの位置情報,などが含まれている。
【0029】
認証情報送信処理部22は,第1認証情報取得処理部20および/または第2認証情報取得処理部21で取得した各認証情報を,後述する認証処理サーバ3に送信する。ここで送信する認証情報としては,第1認証情報,第2認証情報を送信することが好ましいが,いずれか一つのみであっても良い。また認証情報に加え,当該利用者および/または可搬型通信端末2を識別する識別情報(以下,「利用者識別情報」という)を送信する。
【0030】
ポイント付与結果受信処理部23は,認証サーバからポイント付与処理が行われたポイント付与結果の情報を受信し,それを可搬型通信端末2の表示装置72で表示する。
【0031】
認証処理サーバ3は,利用者情報記憶部30と施設情報記憶部31と認証情報受信処理部32と認証情報記憶部33とポイント付与処理部34とを有する。
【0032】
利用者情報記憶部30は,利用者ごとにポイントを記憶する。図5に利用者情報記憶部30の一例を模式的に示す。なお,図5における利用者識別情報は利用者または可搬型通信端末2を識別する情報をいう。
【0033】
施設情報記憶部31は,施設に関する情報を記憶する。施設に関する情報としては,施設を識別する施設識別情報と,第1認証情報,第2認証情報を記憶する。ほかにも施設名,施設の連絡先など,施設に関する一般的な情報を記憶していても良い。図6に施設情報記憶部31の一例を模式的に示す。
【0034】
認証情報受信処理部32は,可搬型通信端末2から送られた各認証情報を受信する。
【0035】
認証情報記憶部33は,認証情報受信処理部32で受信した各認証情報,またはいつどの施設のどの場所をどの利用者が利用したかを示す情報を記憶する。図7に認証情報記憶部33の一例を模式的に示す。認証情報記憶部33には,日時を示す情報,利用者識別情報,第1認証情報,第2認証情報などが記憶される。第1認証情報,第2認証情報によって,利用者がどの施設のどの場所を利用したかを特定することができる。
【0036】
ポイント付与処理部34は,認証情報受信処理部32で受信した各認証情報と利用者識別情報とに基づいて,その利用者に対して所定のポイントを付与し,利用者情報記憶部30に記憶する当該利用者のポイントを更新する。ポイントの付与の際には,施設情報記憶部31に記憶する第1認証情報,第2認証情報と,認証情報受信処理部32で受信した第1認証情報,第2認証情報とを比較し,一致または所定範囲内であるかを判定後,一致または所定範囲内にあると判定した場合には,所定のポイントを付与する。また,第1認証情報,第2認証情報に基づいて,利用者が利用した施設を特定出来るので,施設ごとに定められたポイントを付与しても良い。
【0037】
上述の説明では第1認証情報取得処理部20における処理の実行後,第2認証情報取得処理部21の処理を実行することとしたが,その順番は限定されず,逆であっても良い。また同時に行っても良い。さらに,認証情報送信処理部22は,第1認証情報と第2認証情報とを同時に送らずとも,第1認証情報取得処理部20における処理の終了後,第1認証情報を,第2認証情報取得処理部21における処理の終了後,第2認証情報を,それぞれ認証処理サーバ3に送るように構成しても良い。
【実施例1】
【0038】
本発明の認証処理システム1の処理プロセスの一例を図4のフローチャートを用いて説明する。なお,以下の説明では施設として飲食店であり,第1認証情報がテーブルに,2次元コードが印刷されたシールが貼付されており,飲食店の店内に設置された無線送出装置から第2認証情報をブルートゥースにより送出する場合を説明する。
【0039】
利用者は飲食店の店内に入り,テーブルに着席する。そして利用者は,可搬型通信端末2で所定の操作を行うことにより,本発明の認証処理システム1を利用するためのアプリケーションプログラムを起動し,第1認証情報取得処理部20は,テーブルに貼付されたシールに印字されている2次元コードを,可搬型通信端末2の撮像装置を利用して読み取る。この読取によって,第1認証情報を可搬型通信端末2で取得する(S100)。
【0040】
第1認証情報を正常に取得すると,上記アプリケーションプログラムにおける第2認証情報取得処理部21は,可搬型通信端末2におけるブルートゥースによる通信機能を起動し,飲食店の無線送出装置から送出されるブルートゥースによる第2認証情報を受信する(S110)。
【0041】
これによって,可搬型通信端末2では,第1認証情報,第2認証情報を取得できるので,認証情報送信処理部22が,所定の認証処理サーバ3に対して,第1認証情報,第2認証情報,利用者識別情報などの情報を送信する(S120)。
【0042】
可搬型通信端末2から送られた各情報を認証情報受信処理部32で受信すると,ポイント付与処理部34は,施設情報記憶部31に記憶する第1認証情報,第2認証情報と,受信した第1認証情報,第2認証情報とを対比することで,一致しているかを判定する。
【0043】
一致している場合には,当該利用者が当該飲食店を利用したと判定できるので,受信した利用者識別情報に基づいて,利用者情報記憶部30に記憶する当該利用者のポイント数に,所定のポイント数を加算して更新する(S130)。たとえば,もともとのポイント数が「1500」ポイントであり,加算するポイント数が「10」である場合,利用者情報記憶部30の当該利用者のポイント数を,「1510」ポイントに更新して記憶する。一方,認証情報受信処理部32は,認証情報記憶部33に各認証情報を記憶させる。各認証情報をそのまま記憶させるのではなく,利用者識別情報,第1認証情報,第2認証情報に基づいて,いつどの飲食店のどのテーブルをどの利用者が利用したかを示す情報を記憶しても良い。すなわち,日時情報,飲食店の情報,利用場所の情報,利用者の情報などを認証情報記憶部33に記憶させても良い。
【0044】
また,ポイント付与処理部34で,施設情報記憶部31に記憶する第1認証情報,第2認証情報と,受信した第1認証情報,第2認証情報との対比の結果,一致していると判定できなかった場合には,認証が正常に行えなかったことを示す当該可搬型通信端末2に送信する。
【0045】
ポイント数を更新すると,ポイント付与処理部34は,当該可搬型通信端末2に対して,ポイント付与の通知を送る。この通知を可搬型通信端末2のポイント付与結果受信処理部23で受信すると,図1に示すように,ポイント付与結果の情報をその表示装置72で表示する。
【0046】
以上のように,2段階の認証処理を行うことで,正確な来店認証と,利用者がどの場所を利用したか,を特定することができる。とくに,認証情報記憶部33に記憶した認証情報は,どの利用者が,いつどの飲食店のどのテーブルに着席したか,などを特定できるので,マーケティング情報としても極めて有効性が高い。
【実施例2】
【0047】
つぎに本発明の認証処理システム1の別の実施例として,第1認証情報は実施例1と同様に2次元コードを用い,第2認証情報としてGPSによる位置情報を用いる場合を説明する。
【0048】
S100までは実施例1と同様である。
【0049】
第1認証情報を正常に取得すると,上記アプリケーションプログラムにおける第2認証情報取得処理部21は,可搬型通信端末2におけるGPS機能を起動し,緯度,経度などの位置情報を取得する(S110)。
【0050】
これによって,可搬型通信端末2では,第1認証情報,第2認証情報を取得できるので,認証情報送信処理部22が,所定の認証処理サーバ3に対して,第1認証情報,第2認証情報,利用者識別情報などの情報を送信する(S120)。
【0051】
可搬型通信端末2から送られた各認証情報を認証情報受信処理部32で受信すると,ポイント付与処理部34は,施設情報記憶部31に記憶する第1認証情報,第2認証情報と,受信した第1認証情報,第2認証情報とを対比することで,一致または所定範囲内にあるかを判定する。特に第2認証情報としては位置情報を用いているので,多少の誤差が発生し得る。そこで,施設情報記憶部31に第2認証情報として記憶する位置情報と完全一致でなくても,所定範囲の誤差にあれば一致として判定する。
【0052】
S130以降の処理は,実施例1と同様に実行できる。
【実施例3】
【0053】
つぎに本発明の認証処理システム1の別の実施例として,第1認証情報は,第1認証情報を記憶したICチップがテーブルに設置されており,第2認証情報は,実施例1と同様に,飲食店の店内に設置された無線送出装置から第2認証情報をブルートゥースにより送出している場合を説明する。
【0054】
利用者は飲食店の店内に入り,テーブルに着席する。そして利用者は,可搬型通信端末2を,テーブルに設置されたICチップにかざす(近づける)。ICチップに可搬型通信端末2を近づけることによって,近距離無線通信による情報の送受信が行われる。これによって,可搬型通信端末2の第1認証情報取得処理部20では第1認証情報をICチップから取得する(S100)。
【0055】
第1認証情報を正常に取得すると,実施例1と同様に,上記アプリケーションプログラムにおける第2認証情報取得処理部21は,可搬型通信端末2におけるブルートゥースによる通信機能を起動し,飲食店の無線送出装置から送出されるブルートゥースによる第2認証情報を受信する(S110)。
【0056】
S120以降の処理は,実施例1および実施例2と同様に実行できる。
【実施例4】
【0057】
つぎに本発明の認証処理システム1の別の実施例として,第1認証情報は実施例3と同様にICチップを用いる場合であり,第2認証情報は実施例2と同様に,GPSによる位置情報を用いる場合を説明する。
【0058】
利用者は飲食店の店内に入り,テーブルに着席する。そして利用者は,可搬型通信端末2を,テーブルに設置されたICチップにかざす(近づける)。ICチップに可搬型通信端末2を近づけることによって,近距離無線通信による情報の送受信が行われる。これによって,可搬型通信端末2の第1認証情報取得処理部20では第1認証情報をICチップから取得する(S100)。
【0059】
第1認証情報を正常に取得すると,上記アプリケーションプログラムにおける第2認証情報取得処理部21は,可搬型通信端末2におけるGPS機能を起動し,緯度,経度などの位置情報を取得する(S110)。
【0060】
S130以降の処理は,実施例1乃至実施例3と同様に実行できる。
【実施例5】
【0061】
上述の各実施例における第2認証情報の無線送出装置として,ブルートゥースのほか,Wi−fi,iBeaconなど,各種の近距離無線通信の無線通信方式を用いることができる。またブルートゥースなどの近距離無線通信の無線通信方式を用いることが,GPSによる位置情報を用いるよりも好ましい。
【産業上の利用可能性】
【0062】
本発明の認証処理システム1を用いることによって,施設を利用したことを正確に認証することができる。また利用者が施設のどこの場所を利用したかを特定することもできる。
【符号の説明】
【0063】
1:認証処理システム
2:可搬型通信端末
3:認証処理サーバ
20:第1認証情報取得処理部
21:第2認証情報取得処理部
22:認証情報送信処理部
23:ポイント付与結果受信処理部
30:利用者情報記憶部
31:施設情報記憶部
32:認証情報受信処理部
33:認証情報記憶部
34:ポイント付与処理部
70:演算装置
71:記憶装置
72:表示装置
73:入力装置
74:通信装置
【要約】
【課題】
飲食店などの各種施設を利用者が利用したことを認証処理する認証処理システムを提供することを目的とする。
【解決手段】
利用者ごとのポイントを記憶する利用者情報記憶部と,施設ごとに,施設内の場所を特定するための第1認証情報と,施設を特定するための第2認証情報とを記憶する施設情報記憶部と,可搬型通信端末から,第1認証情報と第2認証情報とを受信する認証情報受信処理部と,受信した第1認証情報と第2認証情報と,施設情報記憶部における第1認証情報と第2認証情報とを比較することで,一致または所定範囲内にある場合には,利用者情報記憶部におけるその利用者のポイントを更新するポイント付与処理部と,を有する認証処理システムである。
【選択図】 図1
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図2
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図7