【実施例1】
【0020】
図1〜
図6は本発明の第1実施例の傘1を示し、該傘1は、中空の傘軸2と、該傘軸2の先端部付近に設けた上ろくろ3と、この上ろくろ3に、基部を傾動自在に枢支した複数の親骨4と、この親骨4に固定される傘布5と、上記傘軸2に挿通し、該傘軸2をスライド(摺動)自在に設けた摺動ろくろ6と、該摺動ろくろ6と上記親骨4の中間部とをそれぞれ両端部において傾動自在に連結した複数の受骨7と、傘を完全に展開した状態で固定するために、上記摺動ろくろ6を上記傘軸2の上部で係止させて固定する上部係止手段8と、傘を完全に畳んだ状態で固定するために、上記摺動ろくろ6を上記傘軸2の下部で係止させて固定する下部係止手段9と、傘を半開きとした状態で固定するために、上記摺動ろくろ6を上記傘軸2の中間部で係止して固定する中間部係止手段10と、上記摺動ろくろ6を上記傘軸2の中間部で係止できなくするために、上記中間部係止手段10の係止機能を無くすための機能解除手段11とよりなる。
【0021】
なお、12は、上記傘軸2の基部に設けたグリップである。
【0022】
また、上記摺動ろくろ6は、
図1に示すように、上記傘軸2を挿通する、円筒状に形成された本体6aと、該本体6aの周壁に貫通して形成した、軸方向に延びる矩形状の係止孔6bとよりなり、この係止孔6b又は、上記摺動ろくろ6の下端部に、後述するように、上記傘軸2の外周面から外方に突出自在な上部係止手段8の止め具8b、下部係止手段9の止め具9b、中間部係止手段10の止め具10bが、それぞれ係合されて、上記摺動ろくろ6が、所望の位置に固定されるようになる。なお上記係止孔6bは貫通していなくてもよい。
【0023】
また、上記上部係止手段8は、上記傘軸2の上部の、上記上ろくろ3の下方部分に設けた、軸方向に延びる矩形状の貫通孔8aと、この貫通孔8aを通じて、上記傘軸2の内部から外方に突出し、或いは上記傘軸2の内部方向に引込自在な止め具8bと、この止め具8bを常時、上記貫通孔8aから外方に突出するよう付勢する付勢手段(図示せず)とよりなる。
【0024】
また、上記上部係止手段8の止め具8bは、上記摺動ろくろ6の下端部に係脱自在で、上記止め具8bが上記下端部に当接することにより、上記傘が完全に開いた状態で固定されるようになる。
【0025】
また、上記止め具8bを上記付勢手段に抗して傘軸2の内部方向に押し込めば、上記止め具8bが上記摺動ろくろ6内に引き込まれて、上記摺動ろくろ6が軸方向に移動自在になる。
【0026】
なお、傘の種類によっては、上記止め具8bが上記摺動ろくろ6の係止孔6bに係脱可能なものもある。
【0027】
また、上記下部係止手段9は、上記傘軸2の下部の、上記グリップ12の上方付近に設けた、軸方向に延びる矩形状の貫通孔9aと、この貫通孔9aを通じて、上記傘軸2の内部から外方に突出し、或いは上記傘軸2の内部方向に引込自在な止め具9bと、この止め具9bを常時、上記貫通孔9aから外方に突出するよう付勢する付勢手段(図示せず)とよりなる。
【0028】
また、上記下部係止手段9の止め具9bの先端部は、上記摺動ろくろ6の係止孔6b内に係脱自在で、上記止め具9bが上記係止孔6b内に挿入されることにより、上記傘が完全に閉じた状態で固定されるようになる。
【0029】
また、上記止め具9bを上記付勢手段に抗して傘軸2の内部方向に押し込めば、上記止め具9bが上記係止孔6bから外れて、上記摺動ろくろ6が軸方向に移動自在になる。
【0030】
また、上記中間部係止手段10は、
図2に示すように、上記上部係止手段8の貫通孔8aと上記下部係止手段9の貫通孔9aとの間に設けた、軸方向に延びる矩形状の貫通孔10aと、この貫通孔10aを通じて、上記傘軸2の内部から外方に突出し、或いは上記傘軸2の内部方向に引込自在な止め具10bと、この止め具10bを常時、上記貫通孔10aから外方に突出するよう付勢する付勢手段10cとよりなる。
【0031】
また、上記中間部係止部10の止め具10bの先端部は、上記摺動ろくろ6の係止孔6b内に係脱自在で、上記止め具10bが上記係合孔6b内に挿入されることにより、上記傘が半開きの状態、即ち、傘が完全に開いた状態と完全に閉じた状態との中間の位置で固定されるようになる。
【0032】
また、上記機能解除手段11は、
図2及び
図3に示すように、上記傘軸2の外周面に、所望の深さで、上記中間部係止手段10の貫通孔10aの一部又は全部を含む部分で、周方向に亘って形成した環状の溝部11aと、該環状の溝部11aに移動自在に嵌め込んだ、筒状の板体からなるカバー体11bと、該カバー体11bに設けた、軸方向に延びる貫通孔11cとよりなる。
【0033】
また、上記貫通孔11cは、上記中間部係止手段10の貫通孔10aから外方に突出した止め具10bが、貫通して、更に前記カバー体11bの外周面から外方に突出できる大きさに形成されている。
【0034】
また、上記筒状のカバー体11bの外径は、上記傘軸2の外径と一致、又は若干小さく形成されている。
【0035】
また、上記止め具10bの先端部を、
図2に示すように、軸方向において、例えば、半径方向外方に突出する凸状に弧状となるように湾曲させる。これにより、上記止め具10bを押圧した時に、該止め具10bが上記摺動ろくろ6の内側に潜り込みやすくなる。なお、上記先端部の両端部10dのみ、それぞれ凸状の弧状となるように湾曲させるようにしてもよい。また、湾曲させずに直線状に傾斜させてもよい。
【0036】
また、上記止め具10bの先端部を、
図4に示すように、周方向において、例えば、半径方向外方に突出する凸状に弧状となるように湾曲させる。これにより、上記カバー体11bが上記止め具10bに当接した時に、該止め具10bが上記カバー体10bの下側にもぐりこみやすくなる。なお、先端部の両端部10eのみ、それぞれ凸状に弧状に湾曲させるようにしてもよい。また、湾曲させずに直線状に傾斜させてもよい。
【0037】
そして、上記カバー体11bを上記溝部11a内に沿って周方向に移動させて、上記カバー体11bの貫通孔11cと、上記中間部係止手段10の貫通孔10aとを一致させて、上記中間部係止手段10の貫通孔10aを開状態とすれば、上記貫通孔10a、11cを通じて、上記止め具10bの先端部分が、上記カバー体10bの外周面から外方に突出し、上記止め具10bが上記摺動ろくろ6の係止孔6aに係止できて、傘を半開きとした状態で固定できるようになる。
【0038】
また、
図5及び
図6に示すように、上記止め具10bを上記付勢手段10cに抗して上記傘軸2の内部方向に押し込んで、上記カバー体11bを上記溝部11a内に沿って周方向に移動させて、上記カバー体11bの貫通孔11cと、上記中間部係止部10の貫通孔10aとが一致しないようにして、上記貫通孔10aを上記カバー体11bで塞ぎ、上記中間部係止手段10の貫通孔10aを閉状態とすれば、上記止め具10bが、上記カバー体11bの外周面から外方に突出しなくなり、上記止め具10bが上記摺動ろくろ6を係止できず、上記中間部係止手段10の係止機能をなくし、上記摺動ろくろ6を上記傘軸2の中間部で固定できないようにすることができる。
【0039】
本発明の第1実施例によれば、普段時、傘を半開きの状態としない場合においては、上記機能解除手段11により、上記中間部係止手段10の止め具10bをカバー体11bで塞いで、上記傘軸2の外周面から外方に突出しないようにして、上記摺動ろくろ6を係止できないようにすれば、傘を完全に閉じた状態から、傘を完全に開いた状態にするために、上記摺動ろくろ6を下部から上部に移動さても、上記摺動ろくろ6が途中の中間部係止手段10の貫通孔10aで係止されるようなことがないので、操作の煩わしさがない。
【0040】
また、傘を完全に開いた状態から、傘を完全に閉じた状態にするために、上記摺動ろくろ6を上部から下部に移動させても、上記摺動ろくろ6が途中の中間部係止手段10の貫通孔10aで係止されるようなことがないので、操作の煩わしさがない。
【0041】
そして、風が非常に強い時など、傘を半開きの状態で維持したい場合には、上記機能解除手段11のカバー体11bを移動させて、上記中間部係止手段10の止め具10bを、上記傘軸2の外周面から外方の突出させて、該中間部係止手段10により、上記摺動ろくろ6を係止できるようにする。
【0042】
なお、
図7に示すように、上記カバー体11bの貫通孔11cの開口幅を広げると共に、少なくとも一方の縁辺11dを軸方向において傾斜させて、該縁辺11dの突出した前方部11eが、上記止め具10bの端部10d、10eに先に当接して、上記止め具10bが、上記カバー体11bの下側にもぐりやすくするようにしてもよい。
【0043】
なお、上記傾斜は直線状以外に、弧状に湾曲させてもよい。
【0044】
また、
図8に示すように、上記カバー体11bの上記貫通孔11cの縁辺11dの端面を鋭角状に傾斜させて形成して(外表面から内表面に向かって後退するように形成して)、上記止め具10bが上記カバー体11bの下側にもぐりやすくするようにしてもよい。なお、上記傾斜は直線状以外に、弧状に湾曲させてもよい。
【0045】
なお、上記機能解除手段11は、上記カバー体11bを上記傘軸2の周方向に移動自在にして、上記中間部係手段10の貫通孔10aを塞ぐようにしたが、この機能解除手段11を用いる代わりに、
図9〜
図13に示すように、カバー体13bを上記傘軸2の軸方向にスライド自在とした機能解除手段13を用いてもよい。
【0046】
即ち、上記機能解除手段13は、上記傘軸2の外周面に、所望の深さで、上記中間部係止手段10の貫通孔10aの一部又は全部を含む部分で、軸方向に形成した溝部13aと、該溝部13aを軸方向に移動自在に嵌め込んだ、弧状に湾曲した略矩形状の板状のカバー体13bとよりなる。
【0047】
また、上記弧状のカバー体13bの外径は、上記傘軸2の外径と一致、又は若干小さく形成されている。
【0048】
また、上記カバー体13bの軸方向の長さは、上記溝部13aの軸方向の長さよりも小さく形成され、例えば、約半分の長さに形成され、上記カバー体13bは、上記溝部13a内において、軸方向において、スライド自在に設けられている。
【0049】
なお、14は、
図11に示すように、上記溝部13aの両側面に、軸方向に形成した凹状のスライド溝を示し、15は、上記カバー体13bの両側面に形成し上記スライド溝14に係合可能な凸状のスライド凸部を示し、該凸部15が上記スライド溝14に係合されることにより、上記カバー体13bが上記溝部13a内をスライド自在となり、かつ、上記カバー体13bが上記溝部13aから脱落することを防ぐことができる。
【0050】
そして、
図9〜
図11に示すように、上記カバー体13bを上記溝部13a内において軸方向にスライドさせて、上記カバー体13bにより、上記中間部係止部10の貫通孔10aを開状態とすれば、上記貫通孔10aを通じて、上記止め具10bが、上記カバー体13bの外周面の外方に突出し、上記止め具10bが上記摺動ろくろ6の係止孔6aを係止でき、傘を半開きとした状態で固定できるようになる。
【0051】
また、
図12及び
図13に示すように、上記止め具10bを上記付勢手段10cに抗して上記傘軸2方向に押し込んで、上記カバー体13bを上記溝部13a内において軸方向にスライドさせて、上記カバー体13bにより、上記中間部係止部10の貫通孔10aを塞ぐようにして、上記中間部係止部10の貫通孔10aを閉状態とすれば、上記止め具10bが、上記カバー体13bの外周面から外方に突出しなくなり、上記止め具10bが上記摺動ろくろ6を係止できず、上記中間部係止手段10の係止機能をなくし、上記摺動ろくろ6を上記傘軸2の中間部で固定できないようにすることができる。
【0052】
なお、上記カバー体11bと同様に、例えば、上記カバー体13bの上側の縁辺を周方向において傾斜させたり、また、上記縁辺の端面を半径方向に鋭角状に傾斜させてもよい。
【実施例2】
【0053】
本発明の第2実施例においては、上記第1実施例の傘1において、上部係止手段8、下部係止手段9、中間部係止手段10を孔8a、9a、10a(貫通していても、していなくてもよい)のみで構成し、第1実施例の摺動ろくろ6を用いる代わりに、上記孔8a、9a、10aに係脱可能な係脱手段16を有する摺動ろくろ17を用いる。
【0054】
即ち、上記摺動ろくろ17は、
図14及び
図15に示すように、上記傘軸2を挿通する、円筒状に形成された本体17aと、上記係脱手段16とよりなり、該係脱手段16は、上記本体17aの周壁に貫通して形成された、軸方向に延びる矩形状の貫通孔18と、該貫通孔18内の下部において、上記本体17aの内周面から内方に突出し、或いは上記貫通孔18内に引込自在な止め具19と、上記貫通孔18内の上部において、上記本体17aの外周面から外方に突出した軸部20と、該軸部20の先端部に設けた頭部21と、上記貫通孔18内の両側壁22間に横架した枢支ピン23と、上記軸部20の基部と上記止め具19の基部とを連結し、上部において上記枢支ピン23に回動自在に枢支される連結杆24と、上記頭部21と上記摺動ろくろ17の外周面との間で、上記軸部20に圧縮されて挿通されたコイルバネなどの付勢手段25とよりなる。
【0055】
そして、上記付勢手段25により、上記止め具19は、常に、上記摺動ろくろ17の内周面から内方に突出し、上記止め具19の先端部が、上記各孔8a、9a、10a内に係合され、
図15に示すように、上記頭部21を、上記枢支ピン23回りで押圧傾動することにより、上記止め具19が、上記付勢手段25に抗して、上記貫通孔18内に引き込まれ、上記止め具19の先端部が上記孔8a、9a、10aから外れるように形成されている。
【0056】
本発明の第2の実施例においても、普段の、傘を半開きの状態としない場合においては、
図15に示すように、上記機能解除手段11、13により、上記中間部係止部10の孔10aを塞ぎ、上記摺動ろくろ17を係止できないようにすれば、傘を完全に開いた状態から、傘を完全に開いた状態にするために、上記摺動ろくろ17を下部から上部に移動さても、途中の中間部係止手段10の孔10aで係止されるようなことがなく、煩わしさがない。
【0057】
また、傘を完全に開いた状態から、傘を完全に閉じた状態にするために、上記摺動ろくろ17を上部から下部に移動させても、途中の中間部係止手段10の孔10aで係止されるようなことがなく、煩わしさがない。
【0058】
そして、風が非常に強い時など、傘を半開きの状態で維持したい場合には、
図14に示すように、上記機能解除手段11、13のカバー体11b、13bを移動させて、上記中間部係止手段10の孔10aを開状態とし、上記摺動ろくろ17の止め具19を係合できるようにする。
【実施例3】
【0059】
本発明の第3の実施例においては、上記第1の実施例の傘1において、中間部係止手段10及び機能解除手段11を用いる代わりに、上記摺動ろくろ6に、上記傘軸2の外周面を挟持して、上記摺動ろくろ6を上記傘軸2の中間部に固定できる固定手段を設ける。
【0060】
この固定手段は、例えば、
図16及び
図17に示すように(なお、各図中、傘軸2は省略)、上記摺動ろくろ6に設けた、上記傘軸2を挿通すると共に、内径が縮小可能な内筒部26と、この内筒部26の内径を縮小させる縮小手段27とを設ける。
【0061】
上記内筒部26は、例えば、上記摺動ろくろ6の下端部を下方に延長させて形成した筒状体よりなり、該内筒部26は、この周壁の下端から所望の長さ上方に延びる、周方向に離間して複数形成したスリット28と、該内周部26の外表面に形成したネジ山29とよりなり、上記スリット28により、上記内筒部26の内径が、縮小可能に形成されている。
【0062】
上記縮小手段27は、例えば、上記内筒部26の外側から螺合する筒状の外筒部30よりなり、該外筒部30は、その内径が、上部から下部に向かって徐々に小さくなるように形成されると共に、該外筒部30の内周面には、上記内筒部26のネジ山29に螺合されるネジ溝31が形成されている。
【0063】
そして、該外筒部30を、上記内筒部26に螺合するに従って、徐々に、上記外筒部30の内周面が上記内筒部26の外周面を押圧して、該内筒部26の内径が徐々に縮小されるように形成されている。
【0064】
また、上記内筒部26と外筒部30は、上記外筒部30の上部のみを、上記内筒部26の下端から螺合した時には、上記内筒部26の内径は上記傘軸2の外径よりも大きくなるように形成され、この時において、上記摺動ろくろ6は、上記傘軸2に対して、スライド自在となり、また、上記外筒部30の下部まで、上記内筒部26に螺合した時には、上記内筒部26の内径が縮小して、上記内筒部26の内周面が上記傘軸2を挟持して、上記摺動ろくろ6を上記傘軸2に固定できるように形成されている。
【0065】
なお、上記内筒部26の内周面に、シリコンゴムなどの合成樹脂などの滑り止め部材(図示せず)を設ければ、固定がより確実になる。
【0066】
本発明の第3の実施例によれば、普段時、傘を半開きの状態としない場合においては、内筒部26が上記傘軸2を締め付けない程度に、上記外筒部30を上記内筒部26に螺合させ、傘を完全に閉じた状態から、傘を完全に開いた状態にするために、上記摺動ろくろ6を下部から上部に移動さても、従来のように、上記摺動ろくろ6が途中の中間部係止手段10の貫通孔10aで係止されるようなことがないので、操作の煩わしさがない。
【0067】
同様に、傘を完全に開いた状態から、傘を完全に閉じた状態にするために、上記摺動ろくろ6を上部から下部に移動させても、上記摺動ろくろ6が途中の中間部係止手段10の貫通孔10aで係止されるようなことがないので、操作の煩わしさがない。
【0068】
そして、風が非常に強い時など、傘を半開きの状態で維持したい場合には、摺動ろくろ6を、傘が希望の開閉度の半開きの状態となる位置で止めて、上記内筒部26が上記傘軸2を挟持して固定できるまで、上記外筒部30を上記内筒部26に螺合させれば、上記摺動ろくろ6を傘軸2に固定できるようになる。
【0069】
また、本発明の第3の実施例によれば、摺動ろくろ6を傘軸2の任意の位置で固定できるので、任意の開閉度で傘を固定することができるようなる。
【実施例4】
【0070】
本発明の第4の実施例は、上記第3の実施例の固定手段の他の実施例を示し、この他の固定手段は、
図18及び
図19に示すように(なお、各図中、傘軸2は省略)、上記摺動ろくろ6の周壁の一方の側に設けた、上記傘軸2を押圧可能な押圧部材32とよりなり、この押圧部材32は、上記傘軸2を押圧した時に、上記押圧部材32と上記摺動ろくろ6の周壁の他方の側とにより、上記傘軸2を挟持して、上記摺動ろくろ6を上記傘軸2に固定できるように形成されている。
【0071】
上記押圧部材32は、上記傘軸2に直交する方向の軸を有する枢支ピンなどの枢支部33に、その基部34aを傾動自在に枢支した棒状部材34と、上記基部34aに設けた、例えば、弾性部材よりなる凸部35とよりなる。
【0072】
そして、上記押圧部材32は、上記棒状部材34の遊端34bを、
図18に示すように、下方に傾動させた時には、上記凸部35が、上記摺動ろくろ6の周壁の一方の側に貫通して設けた開口部36から内方に突出し、その先端部が上記傘軸2を押圧して、上記摺動ろくろ6の周壁の他方の側と上記凸部35とにより、上記傘軸2を挟持して、上記摺動ろくろ6を上記傘軸2に固定できるように形成され、また、上記棒状部材34の遊端34bを、
図19に示すように、上方に傾動させた時には、上記凸部35が、上記開口部36から外にでて、傘軸2を押圧することなく、上記摺動ろくろ6は、上記傘軸2に対して、スライド自在になるように形成されている。
【0073】
この実施例においても、上記第3の実施例と同様に、操作の煩わしさがなく、また、摺動ろくろ6を傘軸2の任意の位置で固定できるので、任意の開閉度で傘を固定することができるようなる。