特許第5759082号(P5759082)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5759082
(24)【登録日】2015年6月12日
(45)【発行日】2015年8月5日
(54)【発明の名称】シロップカプセル
(51)【国際特許分類】
   B65D 81/32 20060101AFI20150716BHJP
   B65D 85/72 20060101ALI20150716BHJP
【FI】
   B65D81/32 H
   B65D85/72 F
【請求項の数】22
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2014-555377(P2014-555377)
(86)(22)【出願日】2013年2月4日
(65)【公表番号】特表2015-509891(P2015-509891A)
(43)【公表日】2015年4月2日
(86)【国際出願番号】IB2013050933
(87)【国際公開番号】WO2013114346
(87)【国際公開日】20130808
【審査請求日】2014年10月7日
(31)【優先権主張番号】61/593,955
(32)【優先日】2012年2月2日
(33)【優先権主張国】US
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】514032843
【氏名又は名称】ソーダストリーム インダストリーズ リミテッド
【氏名又は名称原語表記】SODASTREAM INDUSTRIES LTD.
(74)【代理人】
【識別番号】110001302
【氏名又は名称】特許業務法人北青山インターナショナル
(72)【発明者】
【氏名】コペル,ヤロン
(72)【発明者】
【氏名】リング,アラン
(72)【発明者】
【氏名】コーヘン,アヴィ
(72)【発明者】
【氏名】ハーダフ,ハガイ
(72)【発明者】
【氏名】クロム,ドロン
(72)【発明者】
【氏名】アヴィグドル,アミット
(72)【発明者】
【氏名】フェンデル,エヤル
【審査官】 藤井 眞吾
(56)【参考文献】
【文献】 実公昭64−004693(JP,Y2)
【文献】 特表2008−532873(JP,A)
【文献】 実用新案登録第2599763(JP,Y2)
【文献】 特開2008−162687(JP,A)
【文献】 国際公開第2011/048691(WO,A1)
【文献】 特開2006−143296(JP,A)
【文献】 実開平05−049676(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 51/28
B65D 81/32
B65D 85/72
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
固定量のシロップを貯蔵するカプセルであって、当該カプセルが、
前記固定量のシロップを貯蔵し炭酸水ボトルの開口部内に座する形状のハウジングと、
制御された方法で前記シロップを前記ボトル内に放出する放出機構とを具え、
前記カプセルは余剰の気体を大気中に放出できるように形成されていることを特徴とするカプセル。
【請求項2】
請求項1に記載のカプセルにおいて、前記ハウジングと前記放出機構の間に膜を具えることを特徴とするカプセル。
【請求項3】
請求項2に記載のカプセルにおいて、前記放出機構は前記膜をカットして前記シロップを放出するためのブレードを具えることを特徴とするカプセル。
【請求項4】
請求項3に記載のカプセルにおいて、前記ブレードは前記放出機構とは非一体的な部品であることを特徴とするカプセル。
【請求項5】
請求項3に記載のカプセルにおいて、前記ブレードは前記放出機構と一体型の部品であることを特徴とするカプセル。
【請求項6】
請求項3に記載のカプセルにおいて、前記カプセルは、カット後に前記ボトルの内側部に液体が流れるようにする複数の開口を具えることを特徴とするカプセル。
【請求項7】
請求項6に記載のカプセルにおいて、前記複数の開口は前記ボトル内にシロップが流れた後に形成される余剰の気体を放出可能であることを特徴とするカプセル。
【請求項8】
請求項1に記載のカプセルにおいて、前記ハウジングと放出機構は、前記カプセルの一体型部品であることを特徴とするカプセル。
【請求項9】
請求項8に記載のカプセルにおいて、前記放出機構は、圧力下で破断して前記カプセルの基部に複数の開口を形成する脆弱部材を具えることを特徴とするカプセル。
【請求項10】
請求項9に記載のカプセルにおいて、前記複数の開口により前記シロップが前記ボトル内に流れることが可能となることを特徴とするカプセル。
【請求項11】
請求項10に記載のカプセルにおいて、前記複数の開口は前記ボトル内にシロップが流れた後に形成される気体を放出可能であることを特徴とするカプセル。
【請求項12】
炭酸水のボトル内にカプセルからシロップを放出する方法であって、前記ボトルの縁にカプセルを置くこと、カプセルが下向きの力を受けること、および前記カプセルが余剰の気体を大気中に放出可能であることを含むことを特徴とする方法。
【請求項13】
請求項12に記載の方法において、前記カプセルは、前記シロップを貯蔵するハウジングと、放出機構とを具えることを特徴とする方法。
【請求項14】
請求項13に記載の方法において、前記カプセルは、前記ハウジングと前記放出機構の間に膜を具えることを特徴とする方法。
【請求項15】
請求項14に記載の方法において、前記放出機構は前記膜をカットして前記シロップを前記ボトル内に放出可能にするためのブレードを具えることを特徴とする方法。
【請求項16】
請求項14に記載の方法において、前記ブレードは前記放出機構と一体型の部品であることを特徴とする方法。
【請求項17】
請求項14に記載の方法において、前記放出機構は、カット後に前記ボトルの内側部を下るように液体が流れるようにして泡立ちを最小限とする複数の開口を具えることを特徴とする方法。
【請求項18】
請求項17に記載の方法において、前記複数の開口は前記ボトル内にシロップが流れた後に形成される気体を放出可能であることを特徴とする方法。
【請求項19】
請求項14に記載の方法において、前記ハウジングと放出機構は、前記カプセルの一体型部品であることを特徴とする方法。
【請求項20】
請求項19に記載の方法において、前記放出機構は、圧力下で破断して前記カプセルの基部に複数の開口を形成する脆弱部材を具えることを特徴とする方法。
【請求項21】
請求項20に記載の方法において、前記複数の開口により前記シロップが前記ボトルの側部に流れて泡立ちを最小限とすることが可能となることを特徴とする方法。
【請求項22】
請求項20に記載の方法において、前記複数の開口は前記ボトル内にシロップが流れた後に形成される気体を放出可能であることを特徴とする方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は一般医家庭用炭酸システムに関し、特に味付けの添加に関する。
【背景技術】
【0002】
本願は、2012年2月2日提出の米国暫定出願番号61/593,955の優先権を主張するものであり、その全体が参照により組み込まれている。
【0003】
技術分野において家庭用炭酸システムが知られており、店舗から重い飲料ボトルを家に運ぶのを望まない炭酸飲料愛好家にとって便利な解決法を提供している。これらはまた、必要なときにできたての炭酸飲料を提供する完璧な代替案である。これらのシステムが非常に人気である理由の1つは、これらのシステムで用いるために購入可能な無数の味付けにあり、これには予めボトル詰めされた引用の範囲を超えるザクロやビターオレンジなどがある。
【発明の概要】
【0004】
本発明の好適な実施例によれば、固定量のシロップを貯蔵するカプセルが提供される。このカプセルは、固定量のシロップを貯蔵し液体ボトルの開口部に座する形状のハウジングを具える。カプセルはまた、制御された方法でシロップをボトル内に放出する放出機構を有する。
【0005】
さらに、本発明の好適な実施例によれば、カプセルはまた、前記ハウジングと前記放出機構の間に膜を具える。
【0006】
さらに、本発明の好適な実施例によれば、前記放出機構は前記膜をカットして前記シロップを放出するためのナイフを具える。
【0007】
さらに、本発明の好適な実施例によれば、前記ナイフは前記放出機構とは別個の要素である。
【0008】
さらに、本発明の好適な実施例によれば、前記ナイフは前記放出機構と一体型の部品である。
【0009】
さらに、本発明の好適な実施例によれば、前記放出機構は、カット後に前記ボトルの側部に液体が流れるようにする開口を具える。
【0010】
さらに、本発明の好適な実施例によれば、前記開口は前記ボトル内にシロップが流れた後に形成される気体を放出可能である。
【0011】
さらに、本発明の好適な実施例によれば、前記ハウジングと放出機構は、前記カプセルの一体型部品である。
【0012】
さらに、本発明の好適な実施例によれば、前記放出機構は、圧力下で破断して前記カプセルの基部に開口を形成する脆弱部材を具える。
【0013】
さらに、本発明の好適な実施例によれば、前記開口により前記シロップが前記ボトル内に流れることが可能となる。
【0014】
さらに、本発明の好適な実施例によれば、前記開口は前記ボトル内にシロップが流れた後に形成される気体を放出可能である。
【0015】
さらに、本発明の好適な実施例によれば、前記液体は炭酸水である。
【0016】
本発明の好適な実施例によれば、炭酸水のボトル内にカプセルからシロップを放出する方法が提供される。この方法は、前記ボトルの縁にカプセルを置き、カプセルが下向きの力を受けることを含む。
【0017】
さらに、本発明の好適な実施例によれば、前記カプセルは、前記シロップを貯蔵するハウジングと、放出機構とを具える。
【0018】
さらに、本発明の好適な実施例によれば、前記カプセルは、前記ハウジングと前記放出機構の間に膜を具える。
【0019】
さらに、本発明の好適な実施例によれば、前記放出機構は前記膜をカットして前記シロップを前記ボトル内に放出可能にするためのナイフを具える。
【0020】
さらに、本発明の好適な実施例によれば、前記ナイフは前記放出機構と一体型の部品である。
【0021】
さらに、本発明の好適な実施例によれば、前記放出機構は、カット後に前記ボトルの側部に液体が流れるようにして泡立ちを最小限とする開口を具える。
【0022】
さらに、本発明の好適な実施例によれば、前記開口は前記ボトル内にシロップが流れた後に形成される気体を放出可能である。
【0023】
さらに、本発明の好適な実施例によれば、前記ハウジングと放出機構は、前記カプセルの一体型部品である。
【0024】
さらに、本発明の好適な実施例によれば、前記放出機構は、圧力下で破断して前記カプセルの基部に開口を形成する脆弱部材を具える。
【0025】
さらに、本発明の好適な実施例によれば、前記開口により前記シロップが前記ボトルの側部に流れて泡立ちを最小限とすることが可能となる。
【0026】
さらに、本発明の好適な実施例によれば、前記開口は前記ボトル内にシロップが流れた後に形成される気体を放出可能である。
【図面の簡単な説明】
【0027】
本発明の目的は、明細書の終わりに特に示され、また別個に主張されている。本発明は、しかしながら、構成的にも運用方法的にも、その目的、特徴、および利点とともに、添付の図面を見ながら以下の詳細な説明を参照することにより最もよく理解される。
図1図1は、炭酸水のボトルにシロップを添加する従来方法の概略図である。
図2図2は、本発明により構成され動作する、ボトル上に配置可能な標準的な家庭用炭酸システムで用いる新規なシロップカプセルの側面図である。
図3図3は、本発明により構成され動作する、図1のシロップカプセルの等距離底面図である。
図4図4は、本発明により構成され動作する、図1のシロップカプセルの一部を構成する放出機構の等距離図である。
図5図5は、炭酸水のボトルの上に配置され利用可能な図1のシロップカプセルの側面図である。
図6図6は、本発明により構成され動作する、炭酸水ボトルの縁に対して押し下げられた図1のシロップカプセルの側面図である。
図7図7A、7B、7C、7Dは、本発明により構成され動作する、本発明の別の実施例の等距離図である。
図8図8A、8B、8C、8Dは、本発明のより構成され動作する、本発明のさらなる別の実施例の等距離図である。
【0028】
図面の簡単化と明確化のために、図面に示す要素は必ずしも縮尺通りではない。例えば、いくつかの要素の寸法は明確化のために他の要素よりも拡大されている。さらに、適切であると考えられる場合に、対応あるいは類似の要素には複数の図面で符号を繰り返し用いている。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下の詳細な説明において、本発明の全体の理解を提供するために多くの特定の詳細が開示されている。しかしながら、当業者は、これらの特定の詳細を用いずに本発明を実践できることを理解するであろう。別の例では、詳細に説明してない公知の方法、手順、および要素は本発明が不明確になるのを避けるべく詳細に説明されていない。
【0030】
出願人は、炭酸水に味付けしたシロップを添加すると、泡立ちが多くなり改良されることを発見した。一般に、目的のために設計された水ボトルを家庭用ソーダマシンに取り付け、いくつかの押しボタンを押してシステムを作動させて水に炭酸を添加して炭酸水を得る。図1を参照すると、炭酸水のボトルにシロップを添加することが示されている。シロップ10が、キャップ20から不確定の角度αに保持されたボトル30に注がれる。これによりシロップ10が炭酸水に当たる速度が低減され、反応を低減し泡立ちを抑えるとともに、上述した反応により生成される気体(CO2)が垂直に脱出し、水がボトル30から出るのが防止される。ボトル30は一般に処理の最後に振られ、シロップ10の拡散が担保される。
【0031】
シロップが異なれば、シロップの種類や品質、水の炭酸レベルなど反応に影響するパラメータが異なるため、注ぐのに最適な角度を提供する角度αは定めることができないことを理解されたい。さらに、ユーザが異なれば家庭用ソーダマシンを押す回数によって水の炭酸レベルが異なる。
【0032】
出願人はさらに、ボトル内に入るシロップを使うと、特に炭酸水の小さな蓋に規定量を注ごうとするときに、溢れやすいことに気づいた。これらのシロップはまたとてもねばねばする。
【0033】
図2、3、4を参照すると、一般的な家庭用炭酸システムに用いる新規なシロップカプセル40が示されている。図2は、ボトル100上に配置されるカプセル40を示し、図3はカプセル40の下側を示し、図4はカプセル40の一部を構成する放出機構44を示す。
【0034】
カプセル40は、貯蔵領域42と放出機構44とを具える。貯蔵領域42は薄い膜70と、蓋90とを有する。放出機構44は単一の、一体形成ユニットであり、3つのスタブ50と、Y型ブレード60とを具える。カプセル40は、膜70と蓋90の間の貯蔵領域42にシロップ80を保持することができ、カプセル40はボトル100のネックに嵌るように設計されている。貯蔵領域42は、薄い膜70で放出機構44と隔てられている。
【0035】
図3に示すように、3つのスタブ50はすべて、互いに等距離で配置されている。各スタブ50には突起105が一体成形されている。突起105とスタブ50は、最初はスロット107内に位置され、スロット107へスライドして開口110(図6)を開け、シロップ80をボトル100に放出する(より詳細には後述する)。図3は、カプセル40の封止底部140も示している。
【0036】
図4に示すように、Y型ブレード60は、「脚部」61、62、63を具える。各脚部61、62、63は、スタブ50の頂部に固定されている。
【0037】
図5に示すように、カプセル40はボトル100のネック上に配置され、各スタブ50がボトル100の縁120の一部に接触するまでゆっくりと下ろされる。これにより、図5では、カプセル40はボトル100のネック上に配置され、3つのスタブ50上でバランスがとられ、利用可能となる。
【0038】
カプセル40をその後小さく押すと、下向きの力がカプセル40をボトル100の縁120に押しつける。図6は、ボトル100の縁120に対して押し下げられたカプセル40の側面図である。カプセル40は下に移動するように力がかかっているが、縁120上にスタブ50が位置してそのまま留まるため、放出機構44が下に下がるのが防止される。このため、カプセル40が押し下げられると、貯蔵領域42も下に動いて薄い膜70が、その場に留まっている3つのブレード脚部60に押しつけられる。この相対移動によりブレード60が薄い膜70をカットし、シロップ80が放出される。
【0039】
さらに、カプセル40は、放出機構44を縁120上の位置に保ったまま続けて下がることができる。開口110を覆う突起105は放出機構44の一部であるため、これらもその位置に留まる。したがって、カプセル40の降下によりスタブ50と突起105がスロット107で上にスライドし、これにより開口110が開いてシロップ80がボトル100内へと下に流れることになる。
【0040】
また、カプセル40の底部140は封止されているため、シロップ80は開口110のみを介してボトル100内に放出され、また図6の下向きの矢印で示すようにその粘性のためボトル100内にボトルの内側を伝って流れる。さらに、シロップ80が炭酸水のボトル100内へ3方向に放出されるため、シロップ80が炭酸水に衝突する運動エネルギーが低減し、発生する泡立ちの量が有意に抑えられる。また、すべてのシロップ80が炭酸水内に放出されたら、ボトル100を振る必要がない。
【0041】
シロップ80を炭酸水に添加する間に過剰なガスが生じる場合がある。この過剰なガスの幾分かは、カプセル40とボトル100の間の小さな隙間130を通り大気中に脱出する。過剰なガスはまた、開口110を通りカプセル40内に逃れる。この圧力によってボトル100内へのシロップ80の流れが加速される。蓋90は、破断しないように脱出するガスによる追加のストレスに耐えるべく設計されてもよい。スロット107のサイズは、シロップが安定的に流れ、生じるガスが脱出できるように設計される。
【0042】
カプセル40とそのコンポーネントは100%生物分解性であってもよく、またシロップ80の自然な酸化を避けるべく非透過性の樹脂で製造される。製造に用いる典型的な樹脂はポリエチレンテレフタレート(PET)である。また、薄い膜70と蓋90はカプセル40に溶接あるいは接着される。
【0043】
カプセル40に内包されるシロップ80の量は、1リットルの飲料を作成する分で52cmであり、この量は可能な異なる味付けのシロップの範囲を通して等しい。味付けシロップ毎に粘性と糖度が変化してもよく、これは製造時に考慮される。
【0044】
本発明の別の実施例では、シロップ40をボトル100に放出する放出機構は、カプセル40と一体型部品としてもよい。図7A、7B、7C、7Dを参照すると、一体型ナイフカプセル40Aの等距離図である。図7A、7B、7Cはそれぞれカプセル40Aの側面、平面、底面から見た等距離図である。図7Dは、カプセル40Aを使用した状態を示す図である。
【0045】
カプセル40Aは、カプセル40と同じく、シロップ80を収容するための貯蔵領域42と、膜70と、蓋90を具える。また、カプセル40Aは、貯蔵領域42Aと同じ樹脂ピースの一部でなる放出機構200を具える。放出機構200は、3つのウォールピース205と、3つのボトルスタブ50Aと、底部210と、プラスチックバネ230と、3つの静止スタブ240と、3つのブレード250、251、252とを具える。薄い膜70は、ハウジング42と放出機構200の間の継ぎ目に設けられたレッジ215に内側で固定されている。
【0046】
ウォールピース205は、図7Bに示すように、バネ230を介してハウジング領域42に接続している。バネ230はまたスタブ50Aと一体形成されており、その上側部分にブレード250、251、252が形成されている。
【0047】
ブレード250、251、252と薄い膜70の間には、図7Cに示すように、開口260がある。また、バネ230の可撓性により、開口260内でスタブ50とブレード250、251、252が動くことができる。
【0048】
上述したように、スタブ50Aはカプセル40Aをボトル40のネック上に位置決めするのに用いられ、これにより各スタブ50Aがボトル100の縁120上に座する。カプセル40Aが配置され使用可能となったら、バネ230の可撓性により、カプセル40Aを下側に押す力によってスタブ50Aを開口260内の膜70の方へ上昇させる。ブレード250、251、252はスタブ50に連結しているため、これらも上に移動されて膜70をカットし、シロップ80が放出される。
【0049】
図7Dを参照すると、カプセル40Aが使用された状態が示されている。さらに、スタブ50Aには、さらなる静止スタブ240が取り付けられている。静止スタブ240は、スタブ50Aと直交配置されている。スタブ50が上に押す動作により、バネ230が僅かに回転して静止スタブ40がレッジ215に「静止(rest)」し、これにより放出機構200を矢印450に示す位置に「ロック」して、シロップ80がボトル100内に流れることになる。
【0050】
スルー開口260とは別に、ウォールピース205、底部210、およびバネ230と同様にバネ230の周囲の領域も、図7Dの影付領域で示すように開く。また、硬質の底部210によりシロップがカプセル40Aの底部210の回りをボトル100の側部に向かって流れ、上述したように炭酸水との反応が抑えられる。さらに、これらの多くの開口や穴は、上述のように発生するガスを放出する。
【0051】
本発明の別の実施例では、カプセル40は完全に封止された底部を有し、したがってシロップ80を保持するための薄い膜70が不要となる。カプセル40Cはまた、単一ピースの材料で作成できる。図8A、8Bを参照すると、それぞれカプセル40Bの横と上からみた等距離図が示されている。図8Cを参照すると、カプセル40Bがボトル100上で使用可能な状態であり、図8Dは使用済みのカプセル40Bが示されている。
【0052】
図8Bに示すように、カプセル40Bは貯蔵領域420と放出機構300とを具える。貯蔵領域420は、シロップ80を貯蔵すべく空洞であるカプセル40B全体からなり、シロップの量は調整できる。カプセル40Bは、上述のように蓋90を用いて封止されている。放出機構300は、3つのリブ310(図8Bには2つのリブ310のみを示す)と、底部320と、一体型ヒンジ350とを具える。放出機構300は、リブ310をカプセル40Bに接続する領域にミシン目(340)があり、これにより放出機構300は脆弱で簡単に破断することができる。また、リブ310は三角形状であり、図8Cに示すように、カプセル40Bをボトル100のネック内に位置づけるのを補助するとともに、後に詳述するように圧力をかけてミシン目で破断するのを補助する。
【0053】
カプセル40Bを下側に押す力は、リブ310に対しこれらを内側に押す力となり、図8Dに示すようにカプセル40Bに接続するミシン目340を最終的に破断する。また、このリブ310の内側への移動は、カプセル40Bをボトル100のネック内に僅かに降下させる。さらに、ミシン目340の破断により、シロップ80をボトル100内に流れるようにする開口360を開ける。ミシン目340が破断したら、一体型ヒンジ350がカプセル40Bに取り付けられたリブ310を維持し、リブ310がカプセル40Bを全体的に壊してボトル100内にシロップ80と一緒に入らないようにしている。また、底部320は、シロップ80がカプセル40Bから開口360を通ってのみ流れるようにし、これが上述したようにボトル100の側部を通って流れ、炭酸水の制御された反応となる。同じように、過剰なガスが放出される。
【0054】
さらに、シロップのカプセルをボトルの上で使用することは、シロップのボトル全体を購入する必要がなく、低コストで試せる風味のレパートリーを追加することができる。
【0055】
さらに、カプセル40、40A、40Bは、既存の炭酸システムについて現在の技術を何ら変更する必要なく利用することができる。
【0056】
本発明の特定の特徴を図示し説明したが、多くの変形、置換、変更、および均等物が当業者でれば可能である。したがって、添付の特許請求の範囲は本発明の範囲内に入る変更例や変形例を包括するように意図されている。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7A
図7B
図7C
図7D
図8A
図8B
図8C
図8D