(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
インターネット上で提供されるサービスを利用している複数のユーザの少なくとも住所、氏名、当該住所及び氏名の変更履歴、並びに性別を含むユーザ情報と、前記サービスにおける各ユーザのサービス利用履歴情報とを、前記ユーザの識別情報と対応付けてそれぞれ記憶する記憶部と、
前記ユーザ情報を基に、前記複数のユーザのうち夫婦であると推定される2人のユーザを特定し、
前記特定された2人のユーザのそれぞれの前記サービス利用履歴情報を基に、前記2人のユーザのうち一方の利用したサービスと他方の利用したサービスとの相関関係を示す相関関係データを、複数組の2人のユーザについて生成して前記記憶部へ記憶し、
第1のユーザの識別情報と、少なくとも1人の第2のユーザの識別情報とを含む照会要求を受け付け、
前記第1のユーザ及び前記第2のユーザの各識別情報を基にそれぞれ抽出された、前記サービスにおける前記第1のユーザ及び前記第2のユーザのそれぞれのサービス利用履歴を、前記生成された相関関係データと照合して、前記第1のユーザと前記第2のユーザの適合度を算出し、
前記算出された適合度を示すデータを出力する
ように構成された制御部と
を具備する情報処理装置。
インターネット上で提供されるサービスを利用している複数のユーザの少なくとも住所、氏名、当該住所及び氏名の変更履歴、並びに性別を含むユーザ情報と、前記サービスにおける各ユーザのサービス利用履歴情報とを、前記ユーザの識別情報と対応付けてそれぞれ記憶し、
前記ユーザ情報を基に、前記複数のユーザのうち夫婦であると推定される2人のユーザを特定し、
前記特定された2人のユーザのそれぞれの前記サービス利用履歴情報を基に、前記2人のユーザのうち一方の利用したサービスと他方の利用したサービスとの相関関係を示す相関関係データを、複数組の2人のユーザについて生成し、
第1のユーザの識別情報と、少なくとも1人の第2のユーザの識別情報とを含む照会要求を受け付け、
前記第1のユーザ及び前記第2のユーザの各識別情報を基にそれぞれ抽出された、前記サービスにおける前記第1のユーザ及び前記第2のユーザのそれぞれのサービス利用履歴を、前記生成された相関関係データと照合して、前記第1のユーザと前記第2のユーザの適合度を算出し、
前記算出された適合度を示すデータを出力する、
情報処理装置が実行する情報処理方法。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記特許文献1に記載の技術では、夫婦を推定するためにはその夫婦の顔画像が同じ画像から検出されることが必須となるため、例えば一般的なEコマースサイトのようにユーザの顔画像が登録されていない場合が多いサービスのユーザの中から夫婦を推定することはできない。
【0007】
ましてや、当該特許文献1に記載の技術では、夫婦が推定されても、その結果は当該夫婦に対する情報提供のために利用されるのみであり、他のユーザのために利用されることはない。
【0008】
以上のような事情に鑑み、本発明の目的は、インターネット上のサービスを利用する夫婦ユーザの各利用履歴をユーザ間の相性判断に有効活用することが可能な情報処理装置、情報処理方法及びプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上述の課題を解決するため、本発明の一形態に係る情報処理装置は、記憶部と制御部を有する。上記記憶部は、インターネット上で提供されるサービスを利用している複数のユーザの少なくとも住所、氏名、当該住所及び氏名の変更履歴、並びに性別を含むユーザ情報と、上記サービスにおける各ユーザのサービス利用履歴情報とを、上記各ユーザの識別情報と対応付けてそれぞれ記憶する。上記制御部は、上記ユーザ情報を基に、上記複数のユーザのうち夫婦であると推定される2人のユーザを特定し、上記特定された2人のユーザのそれぞれの上記サービス利用履歴情報を基に、上記2人のユーザのうち一方の利用したサービスと他方の利用したサービスとの相関関係を示す相関関係データを生成して上記記憶部へ記憶する。また制御部は、第1のユーザの識別情報と、少なくとも1人の第2のユーザの識別情報とを含む照会要求を受け付け、上記第1のユーザ及び上記第2のユーザの各識別情報を基にそれぞれ抽出された、上記サービスにおける上記第1のユーザ及び上記第2のユーザのそれぞれのサービス利用履歴を、上記生成された相関関係データと照合して、上記第1のユーザと上記第2のユーザの適合度を算出し、上記算出された適合度を示すデータを出力する。
【0010】
これにより情報処理装置は、各ユーザのインターネット上のサービスの利用履歴を有効活用し、当該サービスの利用ユーザから夫婦を推定して夫婦間の相関データを生成することで、他のユーザ(男女)間の相性(相手との生活や行動のしやすさ、または性格が合致する可能性の高さ)を客観的に判断することができる。また、インターネット上のサービスにおいては、通常、個人が基本単位となるため、仮に既婚・未婚等の情報が得られても複数のユーザをまとめて夫婦として特定することが極めて困難であるところ、本発明によれば、夫婦を高精度に推定することができる。ここでインターネット上のサービスとは、例えばEコマースサービスやSNS(Social Networking Service)等のサービスである。サービス利用履歴とは、例えばEコマースサイトにおける商品の購入履歴や、例えば旅行予約サービスにおける旅行予約履歴、オークションサイトにおける出品・入札・落札履歴、レシピ提供サイトにおけるレシピ閲覧履歴等、あらゆるサービスにおける利用履歴である。上記照会要求は、他の情報処理装置からネットワークを介して受信されることで受け付けられてもよく、上記適合度を示すデータは、当該ネットワークを介して他の情報処理装置へ送信されてもよい。
【0011】
上記記憶部は、上記住所の新規登録日及び上記住所の変更登録日を記憶していてもよい。この場合上記制御部は、上記記憶部に記憶されている上記ユーザ情報を基に、上記現在の住所の登録日のずれが所定日数以内であり、上記現在の住所の前の住所が異なる2人のユーザを夫婦であると推定してもよい。
【0012】
これにより情報処理装置は、夫婦の推定の精度をさらに向上させることができる。
【0013】
上記制御部は、上記複数のユーザのうち、上記記憶部に記憶されている現在の名字及び住所が同一であり、上記記憶部に記憶されている氏名の変更履歴においていずれか一方の名字が他方の名字へ変更されている場合に、性別の異なる2人のユーザを夫婦であると推定してもよい。
【0014】
これにより情報処理装置は、インターネット上のサービスを利用するユーザの中から、夫婦を高精度に推定することができる。
【0015】
上記制御部は、上記特定された2人のユーザの一方の名字変更時期を基に、当該2人のユーザの婚姻時期を推定し、当該推定された婚姻時期よりも前の当該2人のユーザのそれぞれのサービス利用履歴を基に上記相関関係データを生成してもよい。
【0016】
結婚前後ではユーザのサービス利用傾向が異なると考えられるところ、情報処理装置は、結婚した男女の結婚前の(すなわち交際中の時期の)サービス利用履歴を基に相関関係データを生成することで、結婚を望む男女の相性を客観的に判断することができる。
【0017】
上記制御部は、上記特定された複数組の2人のユーザのうち、少なくとも一方のユーザが上記婚姻時期以前において所定数以上のサービス利用数を有する2人のユーザのそれぞれのサービス利用履歴を基に上記相関関係データを生成してもよい。
【0018】
これにより情報処理装置は、婚姻前において所定数以上サービスを利用している夫婦ユーザのサービス利用履歴を用いて相関関係データを生成することで、当該相関関係データ及び上記相性度情報の正確性を向上させることができる。
【0019】
上記制御部は、上記特定された複数組の2人のユーザのうち、上記婚姻時期から所定期間以上の経過期間を有する2人のユーザのそれぞれのサービス利用履歴を基に
上記相関関係データを生成してもよい。
【0020】
これにより情報処理装置は、婚姻期間が所定期間以上ある、すなわち、婚姻関係が長期間継続している望ましい夫婦のサービス利用履歴を基に相関関係データを生成することで、当該相関関係データ及び上記相性度情報の正確性を向上させることができる。
【0021】
上記制御部は、上記特定された2人のユーザのうち少なくとも一方へ、夫婦用の商品またはサービスを推薦する推薦情報を生成してもよい。
【0022】
これにより情報処理装置は、2人のユーザが夫婦と推定されることを有効活用して夫婦用にパーソナライズされた推薦情報を提供することができる。
【0023】
本発明の他の形態に係る情報処理方法は、
インターネット上で提供されるサービスを利用している複数のユーザの少なくとも住所、氏名、当該住所及び氏名の変更履歴、並びに性別を含むユーザ情報と、上記サービスにおける各ユーザのサービス利用履歴情報とを、前記ユーザの識別情報と対応付けてそれぞれ記憶すること、
上記ユーザ情報を基に、上記複数のユーザのうち夫婦であると推定される2人のユーザを特定すること、
上記特定された2人のユーザのそれぞれの上記サービス利用履歴情報を基に、上記2人のユーザのうち一方の利用したサービスと他方の利用したサービスとの相関関係を示す相関関係データを生成すること、
第1のユーザの識別情報と、少なくとも1人の第2のユーザの識別情報とを含む照会要求を受け付けること、
上記第1のユーザ及び上記第2のユーザの各識別情報を基にそれぞれ抽出された、上記サービスにおける上記第1のユーザ及び上記第2のユーザのそれぞれのサービス利用履歴を、上記生成された相関関係データと照合して、上記第1のユーザと上記第2のユーザの適合度を算出すること、及び、
上記算出された適合度を示すデータを出力することを含む。
【0024】
本発明のまた別の形態に係るプログラムは、情報処理装置に、
インターネット上で提供されるサービスを利用している複数のユーザの少なくとも住所、氏名、当該住所及び氏名の変更履歴、並びに性別を含むユーザ情報と、上記サービスにおける各ユーザのサービス利用履歴情報とを、前記ユーザの識別情報と対応付けてそれぞれ記憶するステップと、
上記ユーザ情報を基に、上記複数のユーザのうち夫婦であると推定される2人のユーザを特定するステップと、
上記特定された2人のユーザのそれぞれの上記サービス利用履歴情報を基に、上記2人のユーザのうち一方の利用したサービスと他方の利用したサービスとの相関関係を示す相関関係データを生成するステップと、
第1のユーザの識別情報と、少なくとも1人の第2のユーザの識別情報とを含む照会要求を受け付けるステップと、
上記第1のユーザ及び上記第2のユーザの各識別情報を基にそれぞれ抽出された、上記サービスにおける上記第1のユーザ及び上記第2のユーザのそれぞれの利用履歴を、上記生成された相関関係データと照合して、上記第1のユーザと上記第2のユーザの適合度を算出するステップと、
上記算出された適合度を示すデータを出力するステップと
を実行させる。
【0025】
以上のように、本発明によれば、インターネット上のサービスを利用する夫婦ユーザの各利用履歴を男女間の相性判断に有効活用することができる。しかし、ここに記載された効果は必ずしも本発明を限定するものではない。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、本発明の実施形態を、図面を参照しながら説明する。
【0028】
[システムの構成]
図1は、本実施形態に係る相性度情報提供システムの構成を示した図である。
【0029】
同図に示すように、このシステムは、インターネット50上のECサーバ100、複数のユーザ端末200及び結婚相談サービスサーバ300を含む。
【0030】
ECサーバ100は、仮想商店街等のECサイトを用いたECサービスの運営者により管理されるサーバであり、複数のユーザ端末200とインターネット50を介して接続されている。
【0031】
ユーザ端末200(200A,200B,200C...)は、ユーザ(ユーザA,ユーザB,ユーザC...)により使用される端末であり、例えばスマートフォン、携帯電話、タブレットPC(Personal Computer)、ノートブックPC、デスクトップPC等である。
【0032】
結婚相談サービスサーバ300は、結婚相談サービスサイトを用いた結婚相談サービスの運営者により管理されるサーバであり、複数のユーザ端末200とインターネット50を介して接続されている。
【0033】
ECサーバ100は、当該ECサービスに会員登録したユーザまたは会員登録していないユーザのユーザ端末200からのアクセス要求に応じて、例えばトップページ、商品ページ、店舗ページ等、ECサイト内の各種ウェブページ(HTML(HyperText Markup Language)文書)を生成して提供し、また商品検索や商品購入処理(在庫更新、決済等の処理を含む)を実行する。
【0034】
結婚サービスサーバ300は、結婚相談サービスに会員登録したユーザのユーザ端末200からのアクセス要求に応じて、例えばトップページ、他の異性会員ユーザの紹介情報の提供ページ等の各種ウェブページを生成して提供し、またユーザによって入力された異性会員ユーザへのメッセージ情報の送信処理等を実行する。上記他の異性会員ユーザの紹介情報の提供には、例えば各会員ユーザのプロフィール情報が用いられるほか、上記ECサーバ100から提供される、後述する相性度情報も利用される。
【0035】
ユーザ端末200は、ECサーバ100及び結婚相談サービスサーバ300へアクセスし、上記ウェブページを受信して、ブラウザにより画面に表示する。ユーザ端末200のユーザは、上記ECサービスと上記結婚相談サービスの双方の会員である場合もある。
【0036】
ユーザ端末200のユーザは、上記ブラウザによって表示される画面を介して、ECサイト内で商品を検索し、所望の商品の情報を入手する。ユーザは、その商品情報を参照して商品を気に入れば、そのサイトにおいて購入手続を行い、その商品を入手することができる。
【0037】
またユーザは、上記画面を介して、結婚相談サービスサイト上の紹介情報等を閲覧したり、他の異性会員ユーザを検索したり、メッセージを送信したり、パーティ等のイベントへの参加を申し込んだりすることができる。
【0038】
また本実施形態では、ECサーバ100と結婚相談サービスサーバ300とが互いに通信可能とされており、ECサーバ100は、結婚相談サービスサーバ300からの照会要求に応じて、結婚相談サービスの会員である男女間の相性度(適合度)を示す相性度情報を提供することができる。詳細は後述するが、当該相性度情報は、ECサーバ100が記憶しているユーザ情報及びユーザのECサイト上でのサービス利用(商品購入)履歴情報を基に生成される。
【0039】
[ECサーバのハードウェア構成]
図2は、上記ECサーバ100のハードウェア構成を示した図である。同図に示すように、ECサーバ100は、CPU(Central Processing Unit)11、ROM(Read Only Memory)12、RAM(Random Access Memory)13、入出力インタフェース15、及び、これらを互いに接続するバス14を備える。
【0040】
CPU11は、必要に応じてRAM13等に適宜アクセスし、各種演算処理を行いながらECサーバ100の各ブロック全体を統括的に制御する。ROM12は、CPU11に実行させるOS、プログラムや各種パラメータなどのファームウェアが固定的に記憶されている不揮発性のメモリである。RAM13は、CPU11の作業用領域等として用いられ、OS、実行中の各種アプリケーション、処理中の各種データを一時的に保持する。
【0041】
入出力インタフェース15には、表示部16、操作受付部17、記憶部18、通信部19等が接続される。
【0042】
表示部16は、例えばLCD(Liquid Crystal Display)、OELD(Organic ElectroLuminescence Display)、CRT(Cathode Ray Tube)等を用いた表示デバイスである。
【0043】
操作受付部17は、例えばマウス等のポインティングデバイス、キーボード、タッチパネル、その他の入力装置である。操作受付部17がタッチパネルである場合、そのタッチパネルは表示部16と一体となり得る。
【0044】
記憶部18は、例えばHDD(Hard Disk Drive)や、フラッシュメモリ(SSD;Solid State Drive)、その他の固体メモリ等の不揮発性メモリである。当該記憶部18には、上記OSや各種アプリケーション、各種データが記憶される。
【0045】
後述するが、特に本実施形態において、記憶部18は、商品情報データベース、ユーザ情報データベース、購入履歴情報データベース、及び相関関係データベースを有している。
【0046】
通信部19は、例えばEthernet用のNIC(Network Interface Card)であり、上記ユーザ端末200及び結婚相談サービスサーバ300との間の通信処理を担う。
【0047】
図示しないが、上記結婚相談サービスサーバ300の基本的なハードウェア構成も上記ECサーバ100のそれと同様である。
【0048】
[ECサーバのデータベース構成]
図4は、上記ECサーバ100が有するデータベースの構成を示した図である。
【0049】
同図に示すように、ECサーバ100は、記憶部18に、商品情報データベース31、ユーザ情報データベース32、購入履歴情報データベース33、及び相関関係データベース34を有している。
【0050】
商品情報データベース31は、ECサーバ100がECサイト上で販売している商品に関する情報、すなわち、商品ID、商品名、メーカ名、価格、商品画像、商品説明テキスト、当該商品が属するジャンル(大ジャンル・中ジャンル・小ジャンル等)情報等の情報を商品毎に記憶している。また当該商品情報データベース31には、各商品のジャンル同士の類似度を示す情報が含まれていてもよい。
【0051】
ユーザ情報データベース32は、上記ユーザに関する情報、すなわち、ユーザID、パスワード、氏名、メールアドレス、電話番号、住所、当該住所の(新規)登録日、それらの変更履歴(変更登録日を含む)、年齢(層)、性別、誕生日等の情報をユーザ毎に記憶している。
【0052】
購入履歴情報データベース33は、ユーザ端末200の各ユーザが購入した商品(各ユーザが利用したサービス)に関する情報(例えば商品ID等)と、ユーザID、購入日時、配送先等の情報を上記商品情報データベース31及びユーザ情報データベース32と対応付けて記憶している。
【0053】
相関関係データベース34は、上記ユーザ情報データベース32から特定された夫婦と推定される各2人1組のユーザに関する上記購入履歴情報データベース33上の各データを基に生成された相関関係データを記憶している。
【0054】
ここで相関関係データとは、ECサイトを利用しているユーザのうち、夫婦と推定される各組のユーザの夫と妻の商品購入傾向の関係を示すものである。
【0055】
本実施形態では、当該相関関係データは、夫婦と推定されるユーザがそれぞれ婚姻前に購入した商品に関する情報を基に生成される。これは、結婚前後では環境の変化等によりユーザの商品購入傾向が異なると考えられるところ、結婚した男女の結婚前の(すなわち交際中の時期の)商品購入履歴を基に相関関係データを生成することで、結婚を望む男女の相性度を客観的に判断することができると考えられるからである。
【0056】
より詳細には、相関関係データには、例えば、以下のようなものが挙げられる。
・夫が婚姻前に書籍を頻繁に(所定の頻度で)購入しており、その妻は婚姻前にペットフードを頻繁に購入していたという関係
・夫が婚姻前にゴルフ用品を頻繁に購入しており、その妻は婚姻前に日焼け止め用化粧品を頻繁に購入していたという関係
・夫が婚姻前にビールを頻繁に購入しており、その妻は婚姻前にキッチン用品を頻繁に購入していたという関係
・夫が婚姻前にPC周辺機器を頻繁に購入しており、その妻は婚姻前に家電製品の購入と共にオプションとしてその配線・設置サービスを申し込んでいたという関係
【0057】
当該相関関係データにおいては、商品購入履歴から抽出された特定の商品同士の関係が用いられてもよいし、当該商品の属するジャンル(大ジャンル・中ジャンル・小ジャンル等)を用いて上位概念化されたデータが生成されてもよい。例えば上記例においては、相関関係データにおいて、書籍、小説というジャンルとペットフード、猫用ペットフードというジャンルが含まれていれば、書籍の題号や出版会社名、ペットフードの商品名やメーカ名は含まれなくてもよい。
【0058】
当該相関関係データベースにおいては、夫と妻のそれぞれの商品購入傾向が把握できればよく、夫と妻のユーザ情報(個人情報)が記憶される必要はない。
【0059】
当該相関関係データベースは一定期間毎に生成されてもよいし、例えばあるユーザのユーザ情報において姓が変更されたことが検出された場合に生成されてもよい。
【0060】
これら各データベースは、後述するECサーバ100による相関関係データの生成処理及び相性度情報の生成処理において、必要に応じて相互に参照されて用いられる。
【0061】
[ECサーバの動作]
次に、以上のように構成されたECサーバ100の動作について説明する。当該動作は、ECサーバ100のCPU11及び通信部19等のハードウェアと、記憶部18に記憶されたソフトウェアとの協働により実行される。以下の説明では、便宜上、CPU11を動作主体とする。
【0062】
(相関関係データの生成)
まず、上記相関関係データの生成処理について説明する。
図4は、ECサーバ100による、当該相関関係データの生成処理の流れを示したフローチャートである。
【0063】
同図に示すように、ECサーバ100のCPU11は、まず、上記ユーザ情報データベース32を参照して、現在の住所及び名字が同一である男女のユーザを抽出する(ステップ41)。
【0064】
続いてCPU11は、上記ユーザ情報データベース32を参照して、抽出された男女のユーザのうち、一方の名字が他方の名字へ変更されているか否かを判断する(ステップ42)。
【0065】
一方の名字が他方の名字へ変更されていると判断された場合(Yes)、CPU11は、上記ユーザ情報データベース32を参照して、両ユーザの現住所の登録日のずれが所定日数(例えば1ヶ月等)以内であるか否かを判断する(ステップ43)。
【0066】
両ユーザの現住所の登録日のずれが所定日数以内であると判断された場合(Yes)、CPU11は、両ユーザの現住所の1つ前の住所が互いに異なるか否かを判断する(ステップ44)。
【0067】
両ユーザの現住所の1つ前の住所が互いに異なると判断した場合(Yes)、CPU11は、両ユーザを夫婦であると推定する(ステップ45)。
【0068】
ここで、上記ステップ41において3人以上のユーザが抽出された場合には、CPU11は、いずれか1人のユーザと、そのユーザとは性別の異なる他の複数のユーザとを比較対象として、上記ステップ42〜44の条件を用いて、当該条件に合致する2人のユーザを抽出してもよい。
【0069】
続いてCPU11は、上記ユーザ情報データベース32を参照して、上記夫婦と推定された2人のユーザの一方の名字の変更時期を、婚姻時期と推定する(ステップ46)。
【0070】
続いてCPU11は、上記推定された婚姻時期から現在までの経過期間を基に、婚姻期間が所定期間(例えば3年、5年等)以上であるか否かを判断する(ステップ47)。
【0071】
ここで婚姻期間に条件が設けられるのは、婚姻関係が長期間継続している望ましい夫婦の商品購入履歴が相関関係データの生成に用いられることで、後述する男女の相性度の判断の正確性・信憑性が向上すると考えられるからである。
【0072】
婚姻期間が所定期間以上であると判断された場合(Yes)、CPU11は、上記購入履歴情報データベース33から、上記2人のユーザのそれぞれの婚姻前の購入履歴情報を抽出する(ステップ48)。
【0073】
続いてCPU11は、上記抽出された購入履歴情報を基に、少なくとも一方の商品購入数が所定数(例えば10、20等)以上であるか否かを判断する(ステップ49)。
【0074】
ここで商品購入数に制限が設けられるのは、購入数が少ない場合にはそもそもある商品を頻繁に購入しているといった傾向が把握できないからである。
【0075】
少なくとも一方の商品購入数が所定数以上であると判断した場合(Yes)、CPU11は、両ユーザの商品購入履歴情報を基に、それぞれの商品購入傾向を分析し、例えば頻繁に購入されている商品のジャンルを基に、相関関係データを生成する(ステップ50)。
【0076】
当該相関関係データは、上述の通り、購入商品のジャンルを基に生成されてもよい。ここで、あるユーザがあるジャンルの商品を頻繁に購入する傾向にあると判断される場合でも、商品の総購入数は(上記所定数以上であれば)ユーザ毎に大きく異なり得る。
【0077】
また、頻繁に購入していると判断される商品のジャンルが複数あってももちろん構わない。その場合、相関関係データは、1組の夫婦につき、夫が頻繁に購入しているジャンルの数と妻が頻繁に購入しているジャンルの数を掛け合わせた数だけ生成されてもよいし、それら複数のジャンルをまとめて扱い、相関関係データは1組の夫婦につき1つのみ生成されても構わない。
【0078】
当該相関関係データは、夫婦と推定される1組のユーザ毎に逐次または定期的に生成され、上記相関関係データベース34に蓄積されていく。
【0079】
(相性度情報の生成)
次に、上記相関関係データを基にした相性度情報の生成処理について説明する。
図5は、ECサーバ100による、結婚相談サービスサーバ300からの相性度照会要求に対する相性度情報の生成及び送信処理の流れを示したフローチャートである。
【0080】
同図に示すように、ECサーバ100のCPU11は、上記結婚相談サービスサーバ300から相性度照会要求を受信したか否かを判断する(ステップ51)。
【0081】
当該相性度照会要求には、上記結婚相談サービスの会員であるとともに上記ECサービスの会員でもある特定の男女ユーザをそれぞれ識別する情報(例えばユーザID)が含まれる。当該ユーザIDは上記ECサーバ100のユーザ情報データベース32と同一である。
【0082】
また当該照会要求は、少なくとも1人の男性ユーザと少なくとも1人の女性ユーザとの相性度の照会を要求するものである。
【0083】
上記相性度照会要求を受信したと判断した場合(Yes)、CPU11は、当該相性度照会要求に含まれるユーザIDを上記ユーザ情報データベース32から検索することで、照会対象ユーザを特定する(ステップ52)。
【0084】
続いてCPU11は、上記照会対象ユーザの各商品購入履歴情報を、上記購入履歴情報データベース33から抽出する(ステップ53)。
【0085】
続いてCPU11は、上記抽出した各購入履歴情報と、上記相関関係データベース34内の各相関関係データとを照合する(ステップ54)。
【0086】
続いてCPU11は、上記各商品購入傾向の関係と、相関関係データとの適合度を算出する(ステップ55)。
【0087】
具体例として、例えば相性度照会要求が1人の男性ユーザと1人の女性ユーザとの相性度を照会するものであった場合を想定する。この場合CPU11は、当該男性ユーザと女性ユーザの各商品購入履歴から、当該男性ユーザ及び女性ユーザが頻繁に購入している商品のジャンルをそれぞれ判別し、当該判別されたジャンルの関係と同一または類似の関係が相関関係データに含まれるか否かを判断する。
【0088】
その際、CPU11は、例えば商品のジャンル同士の類似度を考慮し、相関関係データ中の夫の購入商品ジャンルと、照会対象ユーザのうち男性ユーザが頻繁に購入している商品のジャンルとの類似度、並びに、相関関係データ中の妻の購入商品ジャンルと、照会対象ユーザのうち女性ユーザが頻繁に購入している商品のジャンルとの類似度をそれぞれ算出する。
【0089】
上記類似度は、例えば、商品の小ジャンル、中ジャンル、及び大ジャンルの一致度を基に算出されてもよい。すなわち、上記相関関係データと照会対象ユーザの購入商品との間で、大・中・小いずれのジャンルも一致しているか、大ジャンルと中ジャンルのみが一致しているか、大ジャンルのみが一致しているか、いずれも一致していないかによって段階的に類似度が設定されてもよい。
【0090】
そして、このようにして算出された男性ユーザに関する類似度と、女性ユーザに関する類似度とが乗算されて、上記適合度として算出されてもよい。
【0091】
例えば、相関関係データとして、夫が婚姻前にビールを頻繁に購入しており、その妻は婚姻前にキッチン用品を頻繁に購入していたという関係が存在する場合を想定する。この場合、上記照会対象ユーザのうち男性ユーザが頻繁に購入する商品がビールであり、女性ユーザが頻繁に購入する商品が皿であれば、男性ユーザの商品ジャンルは大(飲料)・中(酒)・小(ビール)ジャンルのいずれも相関関係データと一致しており、また女性ユーザの商品ジャンルは大(日用雑貨)及び中(食器)ジャンルにおいて一致していることから、上記適合度は極めて高くなる。一方、上記照会対象ユーザのうち男性ユーザが頻繁に購入する商品がビールであり、女性ユーザが頻繁に購入する商品がワンピースである場合には、男性ユーザの商品ジャンルは相関関係データと一致しているが、女性ユーザの商品ジャンルが大ジャンル(ファッション)においても一致しないため、上記適合度は極めて低くなる。
【0092】
ここで、上記相関関係データは、夫婦と推定される様々なユーザの商品購入履歴を基に生成されるため、例えば夫の購入した商品のある特定のジャンルと相関がある妻の購入商品のジャンルとして、様々なジャンルが含まれる可能性もある。この場合、CPU11は、それら複数の相関関係データのうち、上記各照会対象ユーザの購入商品のジャンル同士の関係に最も類似度が高くなるようなデータをピックアップしてもよい。
【0093】
そして、上記適合度を算出した場合、CPU11は、当該適合度を示すデータを、上記照会対象ユーザ同士の相性度を示す相性度情報として、結婚相談サービスサーバ300へ送信する(ステップ56)。
【0094】
これにより結婚相談サービスサーバ300は、当該相性度情報を基に、上記照会対象の男性(女性)ユーザに対して上記照会対象の女性(男性)ユーザを紹介するか否か(相性度が高ければ紹介し、低ければ紹介しない)を判断することができる。
【0095】
以上説明したように、本実施形態によれば、ECサーバ100は、各ユーザのイECサイト上の商品購入履歴という、ユーザ間の相性とは関係性の低いデータを有効活用し、ECサイトの利用ユーザから夫婦を推定して夫婦間の相関関係データを生成することで、結婚相談サービスの会員である他の男女ユーザ間の相性を客観的に判断することができる。また、インターネット上のサービスにおいては、通常、個人が基本単位となるため、仮に既婚・未婚等の情報が得られても複数のユーザをまとめて夫婦として特定することが極めて困難であるところ、本実施形態によれば、ECサーバ100は、名字や住所の変更履歴、2ユーザ間の現住所の登録日のずれ、現住所の一つ前の住所等の情報を用いることで、夫婦を高精度に推定することができる。
【0096】
[変形例]
本発明は上述の実施形態にのみ限定されるものではなく、本開示の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更され得る。
【0097】
上述の実施形態における
図4のステップ41〜43の処理の順番は変更されてもよく、またこれら3つのステップのうち少なくとも1つのステップが省略されても構わない。
【0098】
上述の実施形態では、ECサーバ100が運営するサービスの例として、商品販売サービスが挙げられた、しかし、ECサイトはこれに限られず、例えば旅行予約サイト、オークションサイト、レシピ提供サイト等、あらゆるサービスにおける利用履歴が上記相関関係データの生成に用いられ得る。すなわち、相関関係データは、夫婦と推定される各組のユーザのうち一方のユーザ(夫)が利用したサービス(購入した商品、申し込んだ旅行商品、閲覧したレシピ等を含む)と他方のユーザ(妻)が利用したサービスとの相関関係を示す。これにより例えば、夫がサーフィン用具を頻繁に購入しており、妻が南国のリゾート地に旅行を申し込んでいるという関係や、夫が日本酒を頻繁に購入しており、妻がレシピ提供サイトで和食レシピを頻繁に閲覧しているという関係等が取得され得る。
【0099】
上述の実施形態では、相性度(相関関係データと、相性度照会対象のユーザの商品購入履歴同士の関係との適合度)の判断に商品のジャンルが用いられたが、それ以外の情報(例えばメーカ(ブランド)名等)が用いられても構わない。
【0100】
上述の実施形態において、上記相関関係データは、結婚相談サービスサーバ300からの相性度照会要求に対する相性度情報の送信処理に用いられた。しかし、当該相関関係データは他の処理に活用されても構わない。例えば、ECサーバ100は、上記夫婦と推定された2人のユーザへ夫婦用の商品やサービスを推薦する推薦情報を生成し、当該2人のユーザのうち少なくとも一方のユーザ端末200へ当該推薦情報を送信しても構わない。これによりECサーバ100は、2人のユーザが夫婦と推定されることを有効活用して夫婦用にパーソナライズされた推薦情報を提供することができる。
【0101】
上述の実施形態では、結婚相談サービスサーバ300からの照会要求の受け付け及び結婚相談サービスサーバ300への相性度情報の提供は、ECサーバ200の通信部19による送受信処理として実行された。しかし、上記照会要求の受け付け及び相性度情報の提供は、通信部を介さずに、例えばHDDやフラッシュメモリ等の記録媒体に記録されたデータが例えばUSBケーブル等のインタフェースを介して入力または出力されることで実行されてもよい。
情報処理装置が、インターネット上で提供されるサービスを利用しているユーザの住所、氏名、当該住所及び氏名の変更履歴、並びに性別を含むユーザ情報と、上記サービスにおけるユーザのサービス利用履歴情報とを、ユーザの識別情報と対応付けて記憶する記憶部と、上記ユーザ情報を基に夫婦であると推定される2人のユーザを特定し、当該2人のユーザの上記サービス利用履歴情報を基に、上記2人のユーザのうち一方の利用したサービスと他方の利用したサービスとの相関関係を示す相関関係データを生成して上記記憶部に記憶し、第1のユーザの識別情報と第2のユーザの識別情報とを含む照会要求を受け付け、第1のユーザ及び第2のユーザの識別情報を基に抽出された、第1のユーザ及び第2のユーザのそれぞれのサービス利用履歴を、上記相関関係データと照合して、第1のユーザと第2のユーザの適合度を算出し、当該適合度を示すデータを出力する制御部を有することを特徴とする。