特許第5759146号(P5759146)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5759146脈管のサイズに基づいて封止圧を調節することが可能な外科手術用鉗子
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5759146
(24)【登録日】2015年6月12日
(45)【発行日】2015年8月5日
(54)【発明の名称】脈管のサイズに基づいて封止圧を調節することが可能な外科手術用鉗子
(51)【国際特許分類】
   A61B 18/12 20060101AFI20150716BHJP
【FI】
   A61B17/39 320
【請求項の数】8
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2010-256356(P2010-256356)
(22)【出願日】2010年11月16日
(65)【公開番号】特開2011-104376(P2011-104376A)
(43)【公開日】2011年6月2日
【審査請求日】2013年7月23日
(31)【優先権主張番号】12/619,100
(32)【優先日】2009年11月16日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】510011673
【氏名又は名称】コヴィディエン リミテッド パートナーシップ
(74)【代理人】
【識別番号】100107489
【弁理士】
【氏名又は名称】大塩 竹志
(72)【発明者】
【氏名】ジェニファー エス. ハーパー
(72)【発明者】
【氏名】ジェイ. ブルース ダン
【審査官】 佐藤 智弥
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2008/0009860(US,A1)
【文献】 特開2007−195980(JP,A)
【文献】 特表2006−528909(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 18/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つのシャフトが取り付けられたハウジングであって、該シャフトは、該シャフトの遠位端に配置されたエンドエフェクタアセンブリを有し、該エンドエフェクタアセンブリは、互いに対して対向する関係で配置された第一の顎部材および第二の顎部材を備え、該顎部材のうちの少なくとも一方の顎部材は、該顎部材の間に組織を把持するために、開位置から閉位置へと移動可能であり、該顎部材は、少なくとも1つの感知構成要素を備え、該少なくとも1つの感知構成要素は、該顎部材の間に配置された組織の断面直径および組成のうちの少なくとも1つの出力を決定する、ハウジングと、
処理構成要素であって、該処理構成要素は、該感知構成要素から該出力を受信し該出力に基づいて、該顎部材の間に配置された組織を充分に封止するための封止圧を決定するように構成されている、処理構成要素と、
該エンドエフェクタアセンブリに結合された可動ハンドルを備えるハンドルアセンブリであって、該可動ハンドルは、該開位置と該閉位置との間で該少なくとも一方の顎部材を移動させるために第一の位置と第二の位置との間で移動可能である、ハンドルアセンブリと、
該処理構成要素と通信する調節構成要素であって、該調節構成要素は、該可動ハンドルの該第一の位置から該第二の位置への移動が該顎部材の該開位置から該閉位置への移動に影響を与えることにより、該決定された封止圧該顎部材の間に配置された組織に付与するように該可動ハンドル移動を調節するように構成されている、調節構成要素
を備える、外科手術用鉗子。
【請求項2】
前記感知構成要素が、前記顎部材の各々を通して配置された一対の電極を備え、該電極が、該電極間に配置された組織に電気信号を通すことにより、該組織を通る電気的特性を測定し、これによって、該電極間に配置された組織の断面直径および組成のうちの少なくとも一方を決定するように構成されている、請求項1に記載の外科手術用鉗子。
【請求項3】
前記電気的特性がインピーダンスである、請求項2に記載の外科手術用鉗子。
【請求項4】
前記処理構成要素が電気回路を備え、該電気回路が、前記出力を受信し該出力に対応する封止圧を決定するように構成されている、請求項1に記載の外科手術用鉗子。
【請求項5】
前記処理構成要素が、ユーザ入力データを格納するように構成された発電機と通信しており、該ユーザ入力データが、前記感知構成要素からの前記出力に対応する封止圧を決定するために使用される、請求項4に記載の外科手術用鉗子。
【請求項6】
前記調節構成要素が、前記顎部材間の前記封止圧を調節するための、機械駆動式システム、電気駆動式システムおよび電気機械駆動式システムのうちの少なくとも1つを備える、請求項1に記載の外科手術用鉗子。
【請求項7】
前記処理構成要素により決定される前記封止圧が、前記出力に従って組織を充分に封止するために必要とされる最小の封止圧である、請求項1に記載の外科手術用鉗子。
【請求項8】
前記処理構成要素により決定される前記封止圧が、前記出力に従って組織を充分に封止するための封止圧の範囲を含む、請求項1に記載の外科手術用鉗子。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、外科手術用鉗子に関し、そしてより特定すると、組織の直径および/または組成に基づいて、組織に対する最小の封止圧を決定して付与するための、外科手術用鉗子および方法に関する。
【背景技術】
【0002】
開腹外科手術手順において使用するための開腹用鉗子の代用物として、最近の外科医は、より小さい、穿孔様の切開を通して器官に遠隔的にアクセスするために、内視鏡器具または腹腔鏡器具を使用する。より最近は、経管腔的内視鏡手術(Natural Orifice Translumenal Endoscopic Surgery(NOTES))手順が、例えば、瘢痕が少ない外科手術のために、口腔を介して腹腔にアクセスするために開発されている。腹腔鏡検査法とよく類似して、NOTESは、治癒時間を短縮する点で、患者に対して有利である。しかし、これらの最小侵襲性外科手術手順は、多くの局面で有利であるが、このような減少したアクセス領域は、外科手術器具の設計に対して新たな問題を提示する。例えば、外科手術用鉗子を用いて高い封止圧を達成することは、顎部材のサイズが減少すると共に次第により困難になる。従って、所定の直径を有する組織を効果的に封止するために必要とされる最小封止圧を決定することは、腹腔鏡手順またはNOTES手順において使用するための外科手術用器具を設計する際に助けになる。
【0003】
さらに、特定の直径の脈管を効果的に封止するために必要とされる適切な封止圧、または封止圧範囲もまた重要である。圧力の正確な付与は、脈管の壁を対向させるため、充分な電気外科エネルギーが組織を通ることを可能にするために充分に低い値まで組織インピーダンスを低下させるため、組織の治癒中の拡張の力に打ち勝つため、および良好な封止の指標である最終組織厚さに寄与するために重要である。この圧力が充分に高くない場合、この脈管は、適切または効果的に封止されないかもしれず、そしてこの圧力が高すぎる場合、この封止は切れ得るかまたは裂け得る。効果的な封止を作製するために必要とされる力の量は、少なくとも部分的に、封止されるべき組織のサイズおよび組成に依存することが見出されている。従って、充分な封止を確実にすることを補助する目的で、封止されるべき組織のサイズおよび/または組成を最初に決定すること、そして次いで、適切な封止圧を付与することが、有利である。
【0004】
従って、封止圧および血管サイズがどのように、作製される封止の質(バースト圧により測定される)に影響を与えるかを決定するための研究が実施された。封止圧とは、例えば、外科手術用鉗子の対向する顎部材の間に配置される組織に付与される力をいう。バースト圧とは、封止された脈管に流体を強制的に通すことにより、予め封止された脈管を開く(すなわち、破裂させる)ために必要な圧力である。この研究は、中心複合の応答曲面(周知の実験計画(DoE)バリエーション)を使用して計画された。このDoEは、2つの因子(封止圧および脈管サイズ)を含んだ。封止圧について試験された値の範囲は、40psi〜120psiであり、一方で、脈管直径は、2mm〜6mmの範囲であった。
【0005】
試験において、ブタ腎臓動脈を取り出して切除し、そしてこの脈管の直径を測定した。次いで、この脈管を、電気双極子脈管封止のために使用される研究道具に配置した。その顎部材間の圧力を、この研究道具で、DoEにより決定された適切な封止圧に対応するように設定した。ForceTriadTM発電機(Boulder,ColoradoのValleylab(現在、Covidien Energy−based Devices)製)を使用して封止プレートに双極エネルギーを付与することにより、脈管封止を作製した。一旦、封止が作製されたら、この脈管を適所に保持し、一方で、バースト試験のために、水をポンプでこの脈管に通した。圧力較正機を使用して、この脈管がバースト前に耐え得る最大圧力を決定した。全ての脈管サイズと圧力との組み合わせについてのバースト圧を、さらなる分析のために、統計ソフトウェアパッケージに入力した。分散分析(ANOVA)評価は、脈管サイズと封止圧との両方が、得られる封止のバースト圧(質)を決定する際に有意な因子であることを明らかにした。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、例えば、以下を提供する:
(項目1)
少なくとも1つのシャフトが取り付けられたハウジングであって、該シャフトは、該シャフトの遠位端に配置されたエンドエフェクタアセンブリを有し、該エンドエフェクタアセンブリは、互いに対して対向する関係で配置された第一の顎部材および第二の顎部材を備え、該顎部材のうちの少なくとも一方は、該顎部材の間に組織を把持するために、開位置から閉位置へと移動可能であり、該顎部材は、少なくとも1つの感知構成要素を備え、該感知構成要素は、該顎部材の間に配置された組織の断面直径および組成のうちの少なくとも1つの出力を決定する、ハウジング;
処理構成要素であって、該処理構成要素は、該感知構成要素から該出力を受信し、そして該出力に基づいて、該顎部材の間に配置された組織を充分に封止するための封止圧を決定するように構成されている、処理構成要素;ならびに
該処理構成要素と通信する調節構成要素であって、該調節構成要素は、該顎部材が該開位置から該閉位置へと移動する際に、該決定された封止圧が該顎部材の間に配置された組織に付与されるように、該顎部材の動きを調節するように構成されている、調節構成要素、
を備える、外科手術用鉗子。
(項目2)
上記感知構成要素が、上記顎部材の各々を通して配置された一対の電極を備え、該電極が、該電極間に配置された組織に電気信号を通して、該組織を通る電気的特性を測定し、これによって、該電極間に配置された組織の断面直径および組成のうちの少なくとも一方を決定するように構成されている、上記項目に記載の外科手術用鉗子。
(項目3)
上記電気的特性がインピーダンスである、上記項目のうちのいずれかに記載の外科手術用鉗子。
(項目4)
上記処理構成要素が電気回路を備え、該電気回路が、上記出力を受信し、そして該出力に対応する封止圧を決定するように構成されている、上記項目のうちのいずれかに記載の外科手術用鉗子。
(項目5)
上記処理構成要素が、ユーザ入力データを格納するように構成された発電機と通信しており、該ユーザ入力データが、上記感知構成要素からの上記出力に対応する封止圧を決定するために使用される、上記項目のうちのいずれかに記載の外科手術用鉗子。
(項目6)
上記調節構成要素が、上記顎部材間の上記封止圧を調節するための、機械駆動式システム、電気駆動式システムおよび電気機械駆動式システムのうちの少なくとも1つを備える、上記項目のうちのいずれかに記載の外科手術用鉗子。
(項目7)
上記処理構成要素により決定される上記封止圧が、上記出力に従って組織を充分に封止するために必要とされる最小の封止圧である、上記項目のうちのいずれかに記載の外科手術用鉗子。
(項目8)
上記処理構成要素により決定される上記封止圧が、上記出力に従って組織を充分に封止するための封止圧の範囲を含む、上記項目のうちのいずれかに記載の外科手術用鉗子。
【0007】
(摘要)
外科手術用鉗子は、ハウジングを備え、このハウジングに1つ以上のシャフトが取り付けられており、そしてエンドエフェクタアセンブリが、このシャフトの遠位端の配置されている。このエンドエフェクタアセンブリは、互いに対して対向する関係で配置された第一の顎部材および第二の顎部材を備える。少なくとも一方の顎部材は、顎部材の間に組織を把持するために、開位置から閉位置へと移動可能である。これらの顎部材は、少なくとも1つの感知構成要素を備え、この感知構成要素は、これらの顎部材の間に配置された組織の断面直径と組成との一方または両方の出力を決定する。処理構成要素は、この出力を受信し、そしてこの出力に基づいて、これらの顎部材の間に配置された組織を充分に封止するための封止圧を決定するように構成される。調節構成要素は、第一の位置と第二の位置との間での顎部材の動きを調節し、その結果、決定された封止圧が、これらの顎部材の間に配置された組織に付与される。
【0008】
(要旨)
本開示に従って、外科手術用鉗子が提供される。この鉗子は、ハウジング、およびこのハウジングに取り付けられた1つ以上のシャフトを備える。エンドエフェクタアセンブリが、このシャフトの遠位端に配置される。このエンドエフェクタアセンブリは、互いに対して対向する関係で配置された第一の顎部材および第二の顎部材を備える。これらの顎部材のうちの一方または両方が、組織を把持するために、開位置から閉位置へと移動可能である。これらの顎部材は、1つ以上の感知構成要素を備え、この感知構成要素は、これらの顎部材の間に配置された組織の断面直径および/または組成の出力を決定する。処理構成要素は、この感知構成要素からこの出力を受信し、そしてこの出力に基づいて、組織を充分に封止するための封止圧を決定するように構成される。この処理構成要素と通信する調節構成要素は、開位置から閉位置への移動の際に、決定された封止圧がこれらの顎部材の間に配置された組織に付与されるように、これらの顎部材の動きを調節するように構成される。
【0009】
1つの実施形態において、この感知構成要素は、これらの顎部材の各々を通して配置された一対の電極を備える。これらの電極は、これらの顎部材の間に配置された組織に電気信号を通すように構成される。これによって、これらの電極は、組織の1つ以上の電気的特性を測定し得、そしてこの組織の断面直径および/または組成を決定し得る。1つの実施形態において、これらの電極は、組織を通るインピーダンスを測定するように構成される。
【0010】
別の実施形態において、この処理構成要素は、電気回路を備え、この電気回路は、この感知構成要素から出力を受信し、そしてこの出力に対応する封止圧を決定するように構成される。
【0011】
なお別の実施形態において、この処理構成要素と通信する発電機が提供される。この発電機は、ユーザ入力データを格納し、そしてこのデータを使用して、この処理構成要素と協働して、この感知構成要素からの出力に対応する封止圧を決定するように構成される。
【0012】
さらになお別の実施形態において、この調節構成要素は、顎部材間の封止圧を調節するための、機械駆動式システム、電気駆動式システムおよび/または電気機械駆動式システムを備える。
【0013】
なお別の実施形態において、この処理構成要素により決定される封止圧は、この出力に従う、組織を充分に封止するために必要とされる最小封止圧である。
【0014】
別の実施形態において、この処理構成要素により決定される封止圧は、この出力に従う、組織を充分に封止するための封止圧の範囲である。
【0015】
組織を封止する方法もまた、本開示に従って提供される。この方法は、互いに対して対向する関係で配置された第一の顎部材および第二の顎部材を有する外科手術用鉗子を提供する工程を包含する。これらの顎部材のうちの一方または両方は、組織を把持するために、開位置から閉位置へと移動可能である。この方法はまた、これらの顎部材の間に配置された組織の断面直径および/または組成を決定する工程、この断面直径および/または組成に従って、組織を充分に封止するための封止圧を決定する工程、ならびにこれらの顎部材の動きを調節する工程を包含する。これらの顎部材の動きは、開位置から閉位置への移動の際に、封止圧がこれらの顎部材に配置された組織に付与されるように調節される。
【0016】
別の実施形態において、決定される封止圧は、組織を充分に封止するために必要とされる最小封止圧である。
【0017】
なお別の実施形態において、決定される封止圧は、組織を充分に封止するための封止圧の範囲である。
【0018】
本発明の器具の種々の実施形態が、図面を参照しながら本明細書中で説明される。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1図1は、本開示と共に使用するための、ハウジング、ハンドルアセンブリ、シャフト、およびエンドエフェクタアセンブリを備える外科手術用鉗子の上面斜視図である。
図2図2は、上顎が部品を分離して示されている、図1のエンドエフェクタアセンブリの拡大側面斜視図である。
図3図3は、ハウジングの半分が取り外されている、図1の鉗子のハウジングの側面斜視図である。
図4図4は、本開示に従って組織を封止する方法を説明する流れ図である。
図5図5は、0.083インチ幅の封止プレートを用いた封止圧および脈管サイズの結果としての平均バースト圧の等圧線プロットである。
図6図6は、0.029インチ幅の封止プレートを用いた封止圧および脈管サイズの結果としての平均バースト圧の等圧線プロットである。
【発明を実施するための形態】
【0020】
ここで図1を参照すると、内視鏡鉗子10が示されており、この内視鏡鉗子は、ハウジング20、ハンドルアセンブリ30、回転アセンブリ80、トリガアセンブリ70およびエンドエフェクタアセンブリ100を備える。鉗子10は、シャフト12をさらに備え、このシャフトは、エンドエフェクタアセンブリ100を機械的に係合するように構成された遠位端14、およびハウジング20を機械的に係合する近位端16を有する。鉗子10はまた、鉗子10を発電機300に接続する電気外科ケーブル310を備える。ケーブル310は、エンドエフェクタアセンブリ100の顎部材110および120のうちの少なくとも一方に電気エネルギーを提供する目的で、シャフト12を通って延びるために充分な長さを有する。
【0021】
図1の参照を続けると、回転アセンブリ80は、ハウジング20と一体的に関連しており、そして長手方向軸「A」の周りで両方向に約180度回転可能である。ハウジング20は、2つの半体を備え、これらの半体は、鉗子10の内部の作動構成要素を収容する。ハンドルアセンブリ30は、可動ハンドル40および固定ハンドル50を備える。固定ハンドル50は、ハウジング20と一体的に関連し、そしてハンドル40は、固定ハンドル50に対して矢印「B」の方向に移動可能である。
【0022】
ここで図2を参照すると、エンドエフェクタアセンブリ100は、鉗子10のシャフト12の遠位端14への機械的取り付けのために構成される。エンドエフェクタアセンブリ100は、一対の対向する顎部材110および120を備える。鉗子10のハンドル40(図1を参照のこと)は最終的に、駆動アセンブリ(図示せず)に接続され、これらは一緒になって、顎部材110および120の、第一の開位置(この位置において、顎部材110および120は互いに対して間隔を空けた関係で配置される)から、第二のクランプ位置または閉位置(この位置において、顎部材110および120は、間に組織を把持するように協働する)への移動を付与するように、機械的に協働する。
【0023】
図2の参照を続けると、対向する顎部材110および120は、旋回ピン105を介して旋回点103の周りで旋回可能に接続される。顎部材110および120は、導電性封止プレート112および122を備え、これらの導電性封止プレートは、これらの導電性封止プレートの間に組織がクランプされる場合に、この組織をしっかりと係合するような寸法にされる。顎部材110および120の各々はまた、これらの顎部材を通して配置された感知構成要素、または電極対114および124をそれぞれ備える。電極対114および124は、顎部材110と120との間に配置された組織を横切るインピーダンスを測定するように協働する。例えば、顎部材110の電極対114は、顎部材110と120との間に配置された組織を通して低電圧の交流を伝達するように構成され得、一方で、顎部材120の電極対124は、組織を通過した後に生じた電圧を受信するように構成され得る。この構成は逆にされてもよいこともまた想定される(例えば、送達電極が顎部材120を通して配置され、そして受信電極が顎部材110を通して配置される場合)。いずれの構成においても、組織を横切るインピーダンスが測定され得、そしてこの組織の断面直径を決定するために使用され得る。あるいは、電極の対114および124により測定される、組織を横切るインピーダンスは、この組織の抵抗率を決定するために使用され得る。異なる組成の組織(例えば、筋肉細胞、脂肪細胞および流体)は、異なる抵抗率を有するので、組織の全体の抵抗率を決定することは、その組織の相対的な組成を決定することを補助し得る。さらに、第二の対の電極(図示せず)またはセンサが、顎部材110および120の各々を通して配置され得、その結果、電極対の第一のセット114および124は、組織の断面直径を測定するように構成され得、一方で、電極対の第二のセットは、組織の抵抗率を測定するように構成される。
【0024】
他の任意の適切なインピーダンス感知構成要素が、顎部材110および120と協働するように配置されて、顎部材110と120との間に配置された組織の断面直径を測定し得、そして/またはその組織の組成を決定し得ることもまた想定される。さらに、この感知構成要素は、顎部材110および120のそれぞれの封止プレート112および122に沿って配置された、封止プレート112と122との間のギャップ距離を感知するためのセンサを備え得ることが想定される。封止プレート112と122との間のギャップ距離を、これらのプレートに沿った異なる位置で決定することにより、これらのプレートの間に把持された脈管のサイズが推定され得る。
【0025】
最終的に、この感知構成要素は、組織の直径または組織組成を決定するために使用され得る、組織の任意の電気的特性または物理的特性を測定するように構成され得る。従って、組織の電気的特性または物理的特性を測定するために使用され得る任意のセンサが、鉗子10のエンドエフェクタアセンブリ100と共に使用するために提供され得る。適切なセンサとしては、インピーダンスセンサ、近接センサ、光学センサ、超音波センサ、化学センサなどが挙げられるが、これらに限定されない。
【0026】
ここで図3を参照すると、鉗子10のハウジング20が、ハウジング20の半分が取り外されて示されている。ハウジング20内に配置された処理構成要素21は、出力(例えば、組織の断面直径および/または組成)を、感知構成要素114から受信するように構成される。1つ以上のリード線33、37が、ハウジング20およびシャフト10を通して顎部材110および120まで配置され、処理構成要素21にフィードバックを提供する。処理構成要素21は、封止されるべき組織の特定の特徴(例えば、断面直径および/または組成)に従って、この出力を封止圧に変換する。処理構成要素21は、顎部材110と120との間に配置された組織を充分に封止するために必要とされる最小の封止圧を決定し得ることが想定される。あるいは、処理構成要素21は、顎部材110と120との間に配置された組織を封止するための封止圧範囲を決定するように構成され得る。
【0027】
処理構成要素21は、電気回路22を備え、この電気回路は、この出力を、顎部材110と120との間に配置された組織を充分に封止するための封止圧または封止圧範囲に変換するように構成される。電気回路22は、この出力を、特定のパラメータおよび/またはデータに従って、封止圧に変換するように構成され得る。あるいは、電気回路22は、組織の断面直径および/または組成に対応する封止圧を決定するために、外部電源(例えば、発電機300)と通信し得る。さらに、コンピュータチップ(図示せず)が、感知構成要素114からの出力に基づいて、適切な封止圧または封止圧範囲を決定する目的で、データを格納するため、および電気回路22と通信するために、提供され得る。特定のデータセット(例えば、様々な断面直径を有する脈管の充分な封止のために必要とされる最小封止圧のセット)は、出力である断面直径を封止圧に変換するために使用され得る。特定の出力に基づいて封止圧を決定するために、アルゴリズムもまた使用され得る。処理構成要素21を構成するために、封止圧を脈管サイズの関数として研究することにより決定された例示的なデータが、以下で詳細に議論される。
【0028】
図3の参照を続けると、調節構成要素23が、リード線39を介して処理構成要素21と通信して示されている。調節構成要素23は、決定された封止圧または封止圧範囲が、顎部材の間に配置された組織に付与されるように、顎部材110および120の動きを調節する。調節構成要素23は、固定ハンドル50に対する可動ハンドル40の動きの特定の範囲を規定するように構成された、電気機械的構成要素または機械的構成要素(例えば、歯車のシステム23)であり得る。このような実施形態において、調節構成要素23は、旋回点43の周りでのタブ42aおよび42bの移動を制限するように働き、これによって、固定ハンドル50に対する可動ハンドル40の動きを制限する。従って、ユーザは、ハンドル40を特定の点を越えて握ることを防止される。例えば、顎部材110と120との間に配置された組織を封止するために必要とされる、決定された封止圧が比較的小さい場合、調節構成要素23は、ハンドル40が位置「C」を越えて移動することを防止するように働く。しかし、決定された封止圧がより大きい場合、調節構成要素23は、ハンドル40を位置「D」まで移動可能にするように働く。特定の位置(例えば、位置「C」または位置「D」)までのハンドル40の動きは、組織に付与される特定の封止圧に対応する。なぜなら、ハンドル40および駆動アセンブリ(図示せず)は協働して、顎部材110および120の、開位置から閉位置への動きを付与するからである。従って、ハンドル40の動きの特定の範囲を規定することにより、決定された封止圧(完全に握られた位置(例えば、位置「C」または位置「D」)に対応する)が、顎部材110と120との間に配置された組織に付与されることが可能になる。従って、ユーザは、適切な封止圧に近付くために、ハンドル40を選択的に握る必要がなく、ハンドル40を(調節構成要素23により決定されるような)その許容された動きの範囲の全体を通して握り得、これによって、適切な封止圧を、顎部材110と120との間に配置された組織に付与し得る。
【0029】
理解され得るように、ハンドル40の特定の動きの範囲は、処理構成要素21により調節構成要素23に通信された封止圧により決定される。あるいは、調節構成要素23は、電気機械的に作動し得るが、類似の様式で機能するように構成され得る。さらに、顎部材110および120の動きを、決定された封止圧または封止圧範囲に従って調節することが可能な、任意の適切な調節構成要素が、本開示に従って使用され得る。
【0030】
ここで図4を参照すると、鉗子10と共に使用するための、組織を封止する方法が示されている。最初に、鉗子10の顎部材110および120を通して配置された組織の断面直径および/または組成が、出力として決定される。次いで、この出力は、組織を充分に封止するために必要とされる封止圧を、予め決定されたデータおよび/または仕様に従って決定するために使用される。次いで、この決定された封止圧は、決定された封止圧が顎部材110と120との間の組織に付与され、これによって、これらの顎部材の間に配置された組織を効果的に封止するように、顎部材110および120の動きを調節するために使用される。
【0031】
上記のように、特定のデータが、特定の組織の断面直径および/または組成に対応する適切な封止圧を決定するために、処理構成要素21に入力され得る。上で議論された研究において、2mm〜6mmの範囲の直径を有する脈管は、40psi〜120psiの範囲の封止圧を付与することにより、封止された。以下の表1は、上記研究の結果を示し、この表において、示される封止圧は、充分な封止を行うために必要とされる最小の封止圧を表す。図1に表される例示的なデータは、0.083インチの幅の封止プレート112および122(図2を参照のこと)に対応する。
【0032】
【表1】
最小封止圧を、360mmHgより高いバースト圧の95%の可能性を有する封止を作製するために必要とされる封止圧として決定した。しかし、封止されるべき脈管または組織に依存して、より大きい(またはより小さい)バースト圧が、適切な封止を確実にするために望まれ得る。従って、このデータは、それにしたがって変更される必要がある。図5は、0.083インチ幅の封止プレート112および122を用いた封止圧および脈管サイズの結果としての、平均バースト圧の等圧線プロットを示す。このプロット上の点は、試験された特定の脈管サイズおよび封止圧に従って、360mmHgより高いバースト圧の可能性を表す。
【0033】
上記のように、このデータは、0.083インチの幅の封止プレート112および122を有する鉗子10の処理構成要素21に関連して使用されて、所定の断面直径を有する脈管に付与するために適切な封止圧を決定し得る。例えば、鉗子10のエンドエフェクタアセンブリ100は、脈管が顎部材110と120との間に配置されるように配置され得る。次いで、感知構成要素114は、その脈管の断面直径が、例えば、6mmであることを決定し得る。次いで、この出力(例えば、6mmの断面直径)は、処理構成要素21に通信される。処理構成要素21が上記表1からのデータを用いて構成される場合、処理構成要素21は、120psiの最小封止圧が、顎部材110と120との間に配置された6mmの脈管を効果的に封止するために必要であることを決定する。従って、調節構成要素23は、顎部材110および120の動きを、ハンドル40が握られることによって顎部材110と120とを閉じる場合に、120psiの封止圧が、顎部材110と120との間に配置された脈管を封止するために付与されるように調節する。従って、ユーザは、作製される組織封止が360mmHgより高いバースト圧の約95%の可能性を有することを確信し得る。理解され得るように、入力データは、より高い封止品質可能性またはより低い封止品質可能性を達成するために、調節され得る。
【0034】
以下の表2は、封止プレート112および122の幅が0.029インチである、上記研究の結果を示す。
【0035】
【表2】
表1と同様に、表2の最小封止圧を、360mmHgより高いバースト圧の95%の可能性を有する封止を作製するために必要とされる封止圧として決定した。図6(表2のデータに対応する)は、0.029インチ幅の封止プレート112および122を用いた封止圧および脈管サイズの結果としての、平均バースト圧の等圧線プロットを示す。表1からのデータと同様に、このデータは、0.029インチの幅の封止プレート112および122を有する鉗子10の処理構成要素21に関連して使用されて、所定の断面直径を有する脈管に付与するために適切な封止圧を決定し得る。
【0036】
上記のように、上記表1および表2に示される、所定の直径を有する脈管を充分に封止するために必要とされる最小の封止圧は、処理構成要素21に入力され得る。従って、操作において、鉗子10の顎部材110および120が、間に組織を把持した状態で閉位置に移動させられる際に、調節構成要素23は、最小の封止圧が組織に付与されることを確実にし、これによって、効果的な封止を確実にすることを補助する。調節構成要素23はまた、過剰な圧力が組織に付与されることを防止することによって、高すぎる圧力が付与される結果としての組織損傷を防止することを補助する。さらに、図5および図6の等圧線プロットは、感知構成要素114および124により決定された脈管断面直径に従って、封止圧範囲を規定するために使用され得る。
【0037】
最小封止圧を決定することはまた、鉗子(例えば、鉗子10)の設計および製造において有用である。特定の直径を有する脈管を封止するために必要とされる圧力の最少量を知ることにより、設計者に、そのデバイスが達成しなければならない特定の封止圧が提供される。例えば、所定の鉗子10が2mm〜6mmの範囲の脈管において使用するために設計されるべきである場合、その設計者は、6mmの脈管に対して必要とされる最小の封止圧を達成し得る封止圧を有する鉗子を作製しなければならない。しかし、この設計者は、より高い封止圧を達成し得る鉗子を作製する必要がない。所定の脈管サイズのために必要とされる実際の力を知ることにより、設計者は、鉗子を設計する間、不必要な制約を回避することが可能である。このことは、腹腔鏡手順および/またはNOTES手順において使用するための鉗子を設計する場合に、特に有用である。なぜなら、比較的小さい顎部材を用いて高い封止圧を達成することは困難であるからである。
【0038】
上記のことから、種々の図面を参照して、当業者は、本開示の範囲から逸脱することなく本開示に対して特定の改変がまたなされ得ることを理解する。本開示の数個の実施形態が図面に示されたが、本開示はこれらの実施形態に限定されることを意図されない。なぜなら、本開示は当業者が供すると同程度まで範囲が広いこと、および本明細書もまた同様に読まれることが意図されるからである。従って、上記説明は、限定であると解釈されるべきではなく、単に、特定の実施形態の例示であると解釈されるべきである。当業者は、添付の特許請求の範囲の趣旨および範囲内で、他の改変を想定する。
【符号の説明】
【0039】
10 内視鏡鉗子
12 シャフト
14 遠位端
16 近位端
20 ハウジング
30 ハンドルアセンブリ
70 トリガアセンブリ
80 回転アセンブリ
100 エンドエフェクタアセンブリ
110、120 顎部材
300 発電機
310 ケーブル
図1
図2
図3
図4
図5
図6