(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5759214
(24)【登録日】2015年6月12日
(45)【発行日】2015年8月5日
(54)【発明の名称】パチンコ機
(51)【国際特許分類】
A63F 7/02 20060101AFI20150716BHJP
【FI】
A63F7/02 304D
【請求項の数】2
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2011-66188(P2011-66188)
(22)【出願日】2011年3月24日
(65)【公開番号】特開2012-200347(P2012-200347A)
(43)【公開日】2012年10月22日
【審査請求日】2013年12月18日
(73)【特許権者】
【識別番号】000154679
【氏名又は名称】株式会社平和
(74)【代理人】
【識別番号】110000442
【氏名又は名称】特許業務法人 武和国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】神岡 弘之
【審査官】
渡辺 剛史
(56)【参考文献】
【文献】
特開2009−201789(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 7/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技球が流下する遊技領域を前面に有する遊技盤と、この遊技盤の前面下部に配設された発光演出装置とを備え、
前記発光演出装置が、出力軸を鉛直方向に向けて設置されたモータと、上端に反射部を有して前記モータにより回転駆動される回転体と、この回転体の上方に配置されて前記反射部に向けて光を放射する光源と、少なくとも前記回転体の前方を覆う光透過性のカバーとを備えており、前記回転体が前記反射部の中心を通る鉛直線を回転軸として回転可能であると共に、前記反射部が楕円形状の平坦な傾斜面となっていることを特徴とするパチンコ機。
【請求項2】
請求項1の記載において、前記傾斜面の外周縁の上側半周部分に遮光壁が立設されていることを特徴とするパチンコ機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パトランプと称される発光演出装置を備えたパチンコ機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
パチンコ機の中には、遊技盤の遊技領域内に可変表示装置や始動入賞口やアタッカー装置等を配設し、遊技領域に向けて発射された遊技球が始動入賞口に入賞したことを契機に電子抽選を行い、その抽選結果に基づいて可変表示装置が図柄の変動表示と停止表示を行うようにした機種が存在する。電子抽選の抽選結果には当たり(当選)とハズレ(非当選)があり、抽選結果が当たりの場合には、可変表示装置の表示画面に所定の特別図柄の組合せが表示され、通常モードから特別遊技モードへと移行する。この特別遊技モードでは、アタッカー装置の開閉扉が開放動作して大入賞口を露呈させるので、露呈した大入賞口に遊技球が入りやすくなって遊技者は多くの賞球を獲得できるようになる。
【0003】
このようなパチンコ機において、遊技盤の盤面上部に「パトランプ」と称される発光演出装置を配設し、この発光演出装置を作動させて断続的な光を遊技者に向けて照射することにより、電子抽選で当選していることを遊技者に示唆するようにしたものが従来より知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
特許文献1に開示されているように、従来の一般的な発光演出装置は、ランプやLED等からなる光源と、この光源の周囲に配置された反射鏡と、この反射鏡を回転駆動するモータ等を備えており、反射鏡は上側を頂部とする放物面を縦方向に2分した半割りドーム形状に形成されている。このような発光演出装置では、光源を点灯させた状態で反射鏡が光源の周囲を旋回する途中、反射鏡が光源の前側に位置している場合は、光源が反射鏡で隠されて遊技者から見えなくなるが、反射鏡が光源の後側に位置している場合は、光源の光が遊技者側へ直接照射されると共に、反射鏡の内周面で反射した光も遊技者側へ照射される。その場合、反射鏡からの反射光の多くは前方へ照射されるが、反射鏡の頂部の湾曲形状によって斜め下方へも照射されるため、遊技者は作動中の発光演出装置から強い光を断続的に受けることとなり、かかる光の変化によって大当たり予告等を発光演出することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2007−185302号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、発光演出装置の配置場所は常に遊技盤の盤面上部であるとは限らず、例えば、役物演出装置や意匠構造物等の存在によって遊技盤の盤面上部に余剰スペースがない場合は、発光演出装置を遊技盤の盤面下部に配置する必要がある。この場合、前述した従来既知の発光演出装置では、反射鏡からの反射光のほとんどが前方と斜め下方に照射されるため、かかる発光演出装置を遊技盤の盤面下部に配置しても遊技者に強い光を照射することができなくなる。なお、従来既知の発光演出装置を上下逆にして遊技盤の盤面下部に配置すれば、反射鏡からの反射光の一部を斜め上方に照射できるが、大部分の反射光は遊技者の目線よりも下方位置で前方へ照射されることになるため、この場合も遊技者に強い光を照射することはできない。
【0007】
本発明は、このような従来技術の実情に鑑みてなされたもので、その目的は、遊技盤の
前面下部に配設した発光演出装置から遊技者に対して強い光を
断続的に照射できるパチンコ機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の目的を達成するために、本発明のパチンコ機は、遊技球が流下する遊技領域を
前面に有する遊技盤と、この遊技盤の
前面下部に配設された発光演出装置とを備え、前記発光演出装置が、
出力軸を鉛直方向に向けて設置されたモータと、上端に反射部を有
して前記モータにより回転駆動される回転体と、
この回転体の上方に配置されて前記反射部に向けて光を放射する光源と、少なくとも前記回転体の前方を覆う光透過性のカバーとを備え
ており、前記回転体が前記反射部の中心を通る鉛直線を回転軸として回転可能であると共に、前記反射部が楕円形状の
平坦な傾斜面となっている構成
にした。
【0009】
このように構成されたパチンコ機では、遊技盤の
前面下部に配設した発光演出装置が作動状態になると、回転体の上端に形成した反射部に対して光源の光が真上から放射されるが、この反射部が楕円形状の
平坦な傾斜面となっているため、
回転体の1回転中に変化する傾斜面の向きに応じて反射部で反射する光の照射方向が前後左右の全周範囲に亘って変化し、例えば回転体の回転途中で傾斜面が前方を向いている場合は、反射部からの反射光はすべて前方斜め上方へ照射されることとなり、遊技者に対して強い光を
断続的に照射することができる。
【0010】
上記の構成において、傾斜面の外周縁の上側半周部分に遮光壁が立設されていると、回転体の回転中に傾斜面が後方を向いている時に、遮光壁が傾斜面の上側半周部を覆うように前方を向くため、不所望方向への漏れ光を遮光壁によって遮断することができる。したがって、回転体の1回転中に遊技者に向かって反射光を照射する時と遮断する時とがはっきり区別され、明暗に減り張りのある発光演出を実現することができる。
【発明の効果】
【0011】
本発明のパチンコ機は、遊技盤の
前面下部に配設した発光演出装置が作動状態になると、回転体の上端に形成した反射部に対して光源の光が真上から放射されるが、この反射部が楕円形状の
平坦な傾斜面となっているため、回転体の回転中に傾斜面が前方を向いている場合は、反射部からの反射光はすべて前方斜め上方へ照射されることとなり、遊技者に対して強い光を
断続的に照射することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】本発明の実施形態例に係るパチンコ機の外観斜視図である。
【
図2】
図1のパチンコ機に備えられる遊技盤の正面図である。
【
図3】
図2の遊技盤に配設された発光演出装置の外観斜視図である。
【
図5】
図3の発光演出装置のカバーを破断して示す斜視図である。
【
図6】
図4の発光演出装置のカバーを取り除いて示す正面図である。
【
図8】
図3の発光演出装置に備えられる回転体の外観斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
発明の実施の形態について図面を参照して説明すると、
図1に示すように、本発明の実施形態例に係るパチンコ機Pは、遊技場の島設備に設置される縦長方形状の機枠1と、機枠1に扉状に開閉自在に取り付けられた本体枠2と、本体枠2の前面に扉状に開閉自在に取り付けられたガラス扉3等を備えており、ガラス扉3にはガラスやプラスチック等からなる透明板4が取り付けられている。機枠1の左側枠部には上側軸受け体5と下側軸受け体(図示せず)が固着されており、この下側軸受け体よりも下方の左下隅部には大型のスピーカ6が配設されている。一方、本体枠2の左側枠部の上下両端には第1ピン(図示せず)が設けられており、これら両第1ピンが対応する上下の軸受け体に軸支されることにより、本体枠2は機枠1に対して開閉自在となっている。
【0014】
本体枠2の上部内側には後述する遊技盤7が収納されており、本体枠2の右側枠部にはシリンダ錠8aを有する施錠装置8が設置されている。図示省略されているが、この施錠装置8は本体枠2の裏面に配置された後部施錠杆と本体枠2の前面に配置された前部施錠杆とを備えており、常態では、施錠装置8の後部施錠杆により機枠1に対して本体枠2が施錠されると共に、施錠装置8の前部施錠杆により本体枠2に対してガラス扉3が施錠されている。そして、シリンダ錠8aの鍵穴に図示せぬ鍵を差し込み、この鍵を一方向(例えば時計回り)へ回動すると、後部施錠杆が上動して本体枠2が開錠されるようになっている。また、シリンダ錠8aの鍵穴に差し込んだ鍵を他方向(反時計回り)へ回動すると、前部施錠杆が上動してガラス扉3が開錠されるようになっている。
【0015】
ガラス扉3の左側枠部の上下両端には第2ピン(図示せず)が設けられており、これら両第2ピンを本体枠2の上下の軸孔(図示せず)に挿入することにより、ガラス扉3は本体枠2に対して開閉自在となっている。ガラス扉3には遊技盤7の盤面に対向する大きな開口3aが開設されており、この開口3aは透明板4によって塞がれている。ガラス扉3の前面上部には比較的小型のスピーカ9が左右に1個ずつ配設されており、これらスピーカ9と前述した大型のスピーカ6とによって遊技に関する様々な効果音を発するようになっている。また、ガラス扉3の前面下部には、遊技盤7の裏面に配設された球払出装置(図示せず)から払い出された遊技球を収容する上段受皿10と、上段受皿10から排出された遊技球を収容する下段受皿11と、遊技者による押下操作が可能なプッシュ釦12とが設けられており、上段受皿10の右側方には本体枠2の下部に配設された発射装置(図示せず)の発射強度を調整するための操作ハンドル13が配設されている。
【0016】
図2に示すように、前記遊技盤7はガイドレール14等によって区画形成された遊技領域15を有しており、遊技者によって操作ハンドル13が任意角度に回動操作されると、前記発射装置が上段受皿10に保留された遊技球を遊技領域15に向けて連続的に打ち出すようになっている。遊技領域15の上部中央付近には中央役物ユニット16が配設されており、この中央役物ユニット16の裏面側には液晶パネルからなる可変表示装置17が配設されている。中央役物ユニット16は装飾枠体18を備えており、装飾枠体18の開口部18aから可変表示装置17の表示画面が露出している。装飾枠体18の上壁部にはロゴマーク等が施された意匠構造物19が配設されており、装飾枠体18の下壁部にはステージ18bが設けられている。また、装飾枠体18の左側壁内部にはワープ通路18cが設けられており、中央役物ユニット16の左側の遊技領域15を流下する遊技球がワープ通路18cの入口に入球すると、この遊技球はワープ通路18c内を通ってステージ18b上に排出された後、ステージ18b上を転動して遊技領域15に落下するようになっている。
【0017】
中央役物ユニット16の真下の遊技領域15には第1の始動入賞口20が配設されており、ステージ18b上を転動する遊技球は高い確率で第1の始動入賞口20に入賞するようになっている。また、中央役物ユニット16の右側に延在する遊技領域15の下部位置に第2の始動入賞口21が配設され、この第2の始動入賞口21の上方に通過チャッカー22が配設されている。ここで、第1の始動入賞口20は上面に入賞口を開口する単純構造の始動入賞口であるが、第2の始動入賞口21は開閉可能な可動片を有する電動チューリップ構造の始動入賞口となっている。そして、遊技領域15を流下する遊技球が第1および第2の始動入賞口20,21のいずれか一方に入賞すると、それを契機として特別図柄表示の電子抽選が行われ、可変表示装置17の表示画面で図柄の変動表示と停止表示が行われる。また、右側の遊技領域15を流下する遊技球が通過チャッカー22を通過すると、それを契機として普通図柄表示の電子抽選が行われ、その抽選結果が当たりの場合に第2の始動入賞口21の可動片を一時的に開放して遊技球の入球を許可するようになっている。
【0018】
さらに、第1の始動入賞口20の真下の遊技領域15にはアタッカー装置23が配設されており、このアタッカー装置23によって図示せぬ大入賞口が覆われている。アタッカー装置23は、第1および第2の始動入賞口20,21のいずれか一方に遊技球が入賞することを契機行われる特別図柄表示の電子抽選の結果、当たりとなって大当たり遊技状態(特別遊技モード)に移行した場合に作動される装置である。具体的には、特別図柄表示の抽選結果が当たりの場合、可変表示装置17の表示画面で図柄の変動表示を例えば「777」のように特定図柄で停止させると共に、アタッカー装置23が複数回繰り返し開放動作して大入賞口を露呈させる。アタッカー装置23は1回の開放動作について例えば30秒通過するまで、あるいは遊技球が大入賞口に例えば10個入球するまで開放状態を維持し、かかる開放動作を例えば15回(ラウンド)繰り返した後に大当たりが終了する。その他、遊技領域15には遊技球の払い出しのみを行う複数の一般入賞口24や、遊技球の流下経路を担う遊技釘(図示せず)と風車25等が配設されており、いずれの入賞口20,21,24にも入賞しなかった遊技球は、遊技領域15の最下端部に設けられたアウト口26から遊技盤7の裏面側に排出されるようになっている。
【0019】
そして、本実施形態例に係るパチンコ機Pでは、遊技領域15から区画された遊技盤7の右下隅部に装飾板27が取り付けられており、この装飾板27に発光演出装置28が配設されている。以下、
図3〜
図9を参照して発光演出装置28の詳細について説明する。
【0020】
図3〜
図7に示すように、この発光演出装置28は、前面を開放した中空構造のケーシング29と、ケーシング29の下面にブラケット30を介して取り付けられたモータ31と、モータ31を駆動源としてケーシング29の内部で回転する回転体32と、ケーシング29の上端に取り付けられた回路基板33と、回路基板33の下面に実装されたLED34と、ケーシング29の前面開放端に取り付けられたカバー35等によって主に構成されている。
【0021】
ケーシング29は発光演出装置28の外殻を形成するものであり、その上端に貫通孔29aが穿設されている。ブラケット30はケーシング29の下面に固着されており、これらケーシング29とブラケット30を装飾板27の内部にネジ止めすることにより、装飾板27の開口部27aからカバー35が露呈するようになっている(
図2参照)。
【0022】
図6に示すように、モータ31の出力軸はブラケット30の上方へ突出しており、この出力軸には第1歯車36が固着されている。ブラケット30にはモータ31の出力軸と平行に延びる支軸37が立設されており、この支軸37に円盤状の回転板38が回転可能に支持されている。回転体32は回転板38の上面にネジ止めにより一体化されており、回転板38の下面中央部には第2歯車39が一体形成されている。この第2歯車39は第1歯車36に噛合しており、モータ31の回転が両歯車36,39を介して回転板38と回転体32に伝達されるようになっている。
【0023】
図8に示すように、回転体32は円柱を斜めに切断した全体形状を呈しており、その上端は楕円形状の傾斜面32aとなっている。傾斜面32aの外周縁の上側半周部分には遮光壁32bが立設されており、この遮光壁32bは上端が同一面となるように側面視三角形状に形成されている。すなわち、遮光壁32bの高さ寸法は傾斜面32aの周縁中央部(短軸方向の両端)が最大で、傾斜面32aの頂部(長軸方向の上端)が最小となっている。傾斜面32aは平面的に見ると円形であり、その中心を支軸37の延長線が通るように設定されている。つまり、支軸37に支持された回転体32は傾斜面32aの中心を通る鉛直線を回転軸として回転可能となっている。回転体32の外表面は樹脂メッキ等により鏡面処理されており、この鏡面処理によって傾斜面32aは反射部となっている。
【0024】
回路基板33はケーシング29の上端部にネジ止めされており、その上面に実装されたコネクタ40に電力供給用のハーネス(図示せず)が接続されるようになっている。この回路基板33の下面には光源であるLED34が2個実装されており、これらLED34は傾斜面32aの中心を通るほぼ真上位置に配置されている。LED34はケーシング29の貫通孔29aを通って真下の傾斜面(反射部)32aに光を放射するが、
図9の矢印で示すように、傾斜面32aで反射する光の入射角と反射角は等しいため、LED34の光は傾斜面32aで反射して斜め上方へ照射されることになる。したがって、回転体32の1回転中に傾斜面32aの向きが360度変化すると、傾斜面32aの向きに応じて反射光の照射方向も前後左右の全周範囲に亘って変化し、例えば、傾斜面32aがガラス扉3の透明板4に正対する前方を向いている場合、LED34の反射光は透明板4の裏面に向かって前方斜め上方へ照射されることとなる。その際、反射光の照射方向と反対側の領域に遮光壁32bが立設されているため、反射光が不所望な方向へ拡散される漏れ光を遮光壁32bによって遮断することができる。
【0025】
カバー35は有色透明材料からなるもので、上側を頂部とする放物面を縦方向に2分した半割りドーム形状に形成されている。カバー35の両側部はケーシング29の前面開放端にネジ止めされており、回転体32と回転板38の前方はカバー35で覆われている。
【0026】
このように構成された本実施形態例に係るパチンコ機Pにおいて、通常、遊技盤7の右下隅部に配設された発光演出装置28は非作動状態にあり、この非作動状態ではモータ31とLED34に通電されていない。一方、大当たり遊技状態になる前の所謂リーチ時にモータ31とLED34に通電すると、発光演出装置23が作動状態になってLED34の反射光がカバー35を通して前方斜め上方へ照射され、その照射光によって電子抽選で当選していることを遊技者に示唆することができる。
【0027】
具体的には、モータ31を駆動して回転体32を回転させた状態で、回転体32の上方に配置したLED34の光を傾斜面32aに向けて放射すると、LED34の光は支軸37を中心に回転している傾斜面32aで反射して斜め上方へ照射される。この場合、カバー35を通して発光演出装置23の前方へ照射される反射光の光量は傾斜面32aの向きに応じて変化し、傾斜面32aがガラス扉3の透明板4に正対する前方を向いている時、LED34の反射光は全て透明板4に向かって前方斜め上方へ照射されるため、発光演出装置23からの照射量は最大となる。そして、回転体32の回転に伴って傾斜面32aが前方を通過すると、傾斜面32aが前方から遠ざかるにつれて発光演出装置23からの照射量は次第に少なくなり、傾斜面32aが前方と180度反対の後方を向いている時に、発光演出装置23から前方へ照射される反射光は最小のゼロとなる。また、傾斜面32aが後方から遠ざかるにつれて発光演出装置23からの照射量は次第に多くなり、再び傾斜面32aが前方を通過する時に発光演出装置23からの照射量は最大となり、かかる発光動作をモータ31とLED34に対する通電を停止するまで継続することにより、遊技者は発光演出装置23から前方斜め上方に照射される強い光を受けることができる。
【0028】
また、本実施形態例に係るパチンコ機Pでは、傾斜面32aの外周縁の上側半周部分に遮光壁32bが立設されており、回転体32の回転中に傾斜面32aが後方を向いている時に、この遮光壁32bが傾斜面32aの上側半周部を覆うように前方を向くため、後方斜め上方へ照射される反射光が前方側へ漏れるのを遮光壁32bによって遮断することができる。したがって、発光演出装置23から前方斜め上方へ明暗の区別がはっきりした光が照射され、減り張りのある煌びやかな発光演出を実現することができる。
【0029】
なお、上記の実施形態例では、発光演出装置28を遊技盤7の
前面における右下隅部に配設した場合について説明したが、発光演出装置28は遊技盤7の
前面下部に配設されていれば良く、例えば発光演出装置28を遊技盤7の
前面における右下隅部の代わりに左下隅部に配設することも可能である。
【0030】
また、上記の実施形態例では、傾斜面(反射部)32aに向けて光を放射する光源として2個のLED34を用い、これらLED34を回路基板33の下面に近接配置した場合について説明したが、LEDに代えてランプを光源として用いることも可能であり、用いられる光源の数も2個に限定されるものではない。
【符号の説明】
【0031】
3 ガラス扉
4 透明板
7 遊技盤
15 遊技領域
27 装飾板
28 発光演出装置
29 ケーシング
29a 貫通孔
31 モータ
30 ブラケット
32 回転体
32a 傾斜面(反射部)
32b 遮光壁
33 回路基板
34 LED(光源)
35 カバー
36 第1歯車
37 支軸
38 回転板
39 第2歯車
P パチンコ機