特許第5759258号(P5759258)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5759258
(24)【登録日】2015年6月12日
(45)【発行日】2015年8月5日
(54)【発明の名称】貯湯タンクユニット
(51)【国際特許分類】
   F24H 9/02 20060101AFI20150716BHJP
   F24H 9/00 20060101ALI20150716BHJP
【FI】
   F24H9/02 301A
   F24H9/00 E
【請求項の数】4
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2011-114083(P2011-114083)
(22)【出願日】2011年5月20日
(65)【公開番号】特開2012-242023(P2012-242023A)
(43)【公開日】2012年12月10日
【審査請求日】2014年4月2日
(73)【特許権者】
【識別番号】505461072
【氏名又は名称】東芝キヤリア株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001380
【氏名又は名称】特許業務法人東京国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100078765
【弁理士】
【氏名又は名称】波多野 久
(74)【代理人】
【識別番号】100078802
【弁理士】
【氏名又は名称】関口 俊三
(74)【代理人】
【識別番号】100077757
【弁理士】
【氏名又は名称】猿渡 章雄
(74)【代理人】
【識別番号】100130731
【弁理士】
【氏名又は名称】河村 修
(74)【代理人】
【識別番号】100150957
【弁理士】
【氏名又は名称】松長 純
(72)【発明者】
【氏名】若月 一仁
【審査官】 渡邉 洋
(56)【参考文献】
【文献】 特開2009−222325(JP,A)
【文献】 実公平03−027152(JP,Y2)
【文献】 実公平05−032032(JP,Y2)
【文献】 特許第2877701(JP,B2)
【文献】 特開2011−006098(JP,A)
【文献】 実開平02−103657(JP,U)
【文献】 実公昭61−15485(JP,Y2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F24H 9/00− 9/20
B65D90/12−90/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
筐体と、この筐体内に収納され湯水を貯える貯湯タンクとを備えた貯湯タンクユニットにおいて、
一端側が貯湯タンクに固着され、他端が上記筐体の下面よりも下方に突出する3本の主脚と、
上記筐体の下面から下方へ突出する長さが上記主脚の突出長さよりも小さく形成され、かつ上記3本の主脚を結んで形成される三角形の外側に位置する補助脚と、
を備え、
上記主脚の底部にはアンカーボルトのねじ軸部を挿通させる挿通孔を有することを特徴とする貯湯タンクユニット。
【請求項2】
上記補助脚は、その一端側が上記貯湯タンクに固着されていることを特徴とする請求項1記載の貯湯タンクユニット。
【請求項3】
上記主脚は、正三角形の各頂点に位置するように配置され、上記補助脚は、上記主脚が形成する三角形の各辺の垂直2等分線上に位置するように配置されていることを特徴とする請求項1または2記載の貯湯タンクユニット。
【請求項4】
上記主脚は、そのうちの1本が上記筐体の正面側の幅方向中央部に位置し、他の2本が上記筐体の背面側の幅方向両端側に位置するように配置され、
上記補助脚は、前記筐体の正面側に配置された主脚の両側にそれぞれ配置されていることを特徴とする請求項1または2記載の貯湯タンクユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態はヒートポンプ給湯機や電気温水器等の貯湯タンクユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、電気温水器は、例えば夜間割引の安価な電力により、貯湯タンク内に配設された電気ヒータを通電加熱することにより貯湯タンク内の貯水を所要温度に加熱し、その温水を貯湯タンク内に貯湯する。
【0003】
また、電気ヒータに代えてヒートポンプ(冷凍サイクル)を用いたヒートポンプ給湯機は、例えば夜間割引の安価な電力等により、冷凍サイクルを駆動して貯湯タンク内の貯水を所要温度に加熱し、その温水を貯湯タンク内に貯湯する。
【0004】
このヒートポンプ給湯機は、冷凍サイクルにより貯水を加熱するので、電気ヒータによる加熱よりもエネルギ効率がよく、電気入力に対する成績係数(COP)は3倍以上確保することが可能であり、ランニングコストの低減を図ることができる。
【0005】
この種の従来の貯湯タンクでは、円筒状のタンクの底面に3本の支持脚を設け、この支持脚を、コンクリート製等の据付面にアンカーボルト等により固定して据え付けている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2009−63277号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上記特許文献1記載の貯湯タンクでは、支持脚が3本であるので、荷扱い時や据付時に自立させたときに、3本の支持脚を結んで形成される三角形のいずれか1辺方向に変位荷重を受けて傾動した場合には、貯湯タンクが重い(例えば満水時で500〜700kg)ので、転倒する虞がある。
【0008】
本発明は、このような事情を考慮してなされたもので、その目的は、転倒防止を図ることができる貯湯タンクユニットを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本実施形態の貯湯タンクユニットは、筐体と、この筐体内に収納され湯水を貯える貯湯タンクとを備えた貯湯タンクユニットにおいて、一端側が貯湯タンクに固着され、他端が筐体の下面よりも下方に突出する3本の主脚を有する。この3本の主脚の底部には、アンカーボルトのねじ軸部を挿通させる挿通孔が設けられている。
【0010】
また、筐体の下面から下方へ突出する長さが主脚の突出長さよりも小さく形成され、かつ3本の主脚を結んで形成される三角形の外側に位置する補助脚と、を備えている。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】第1の実施形態に係る貯湯タンクユニットの底面図。
図2】同貯湯タンクユニットの正面図。
図3】同貯湯タンクユニットの底面側を仰視したときの仰視図。
図4】同貯湯タンクユニットの側面図。
図5図4のV部拡大図。
図6】同貯湯タンクユニットの分解斜視図。
図7】同貯湯タンクに配設した主脚、補助脚および筐体の底板の斜視図。
図8】第2の実施形態に係る貯湯タンクユニットの底面図。
図9】第3の実施形態に係る貯湯タンクユニットの主脚と補助脚の要部拡大図。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。なお、複数の図面中、同一または相当部分には同一符号を付している。
【0013】
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態に係る貯湯タンクユニットの底面図、図2は同貯湯タンクユニットの正面図、図3は同貯湯タンクユニットの底面側を仰視したときの仰視図、図4は同貯湯タンクユニットの側面図、図5図4のV部拡大図、図6は同貯湯タンクユニットの分解斜視図である。この貯湯タンクユニット1は例えばヒートポンプ給湯機に用いられるものであって、これらの図に示すように貯湯タンクユニット1は、例えば板金製角筒状の筐体2と、この筐体2内に収容されるステンレス等金属製円筒状の貯湯タンク3とを具備している。
【0014】
図6に示すように、筐体2は、板金製の正面板2a、同,左右一対の側板2b,2c、同,背面板2d、同,天板2eおよび底板2fを有する。さらに、正面板2aは上部正面板2a1と下部正面板2a2とに分割されている。左右一対の側板2b,2cは、その図6中、上端と左右両側端に、内方へほぼ直角に折曲形成された取付代Pを形成している。同じく、天板2eの正面側と背面側の外縁部に所要の取付代Rをそれぞれ形成し、これら取付代P,Rには図示省略の複数の取付ねじをねじ込むためのねじ孔をそれぞれ形成している。
【0015】
一方、図6に示すように、底板2fは、その矩形外周縁部の各辺に、図中上方へ若干立ち上がる矩形環状の側壁2f1を形成しており、この側壁2f1の内側にて、底板2f上に、下部正面板2a2、一対の側板2b,2cおよび背面板2dを角筒状に載置し、一対の側板2b,2cの各取付代Pの複数のねじ孔内に取付ねじをそれぞれねじ込むことにより、まず、上端開口の角筒状に組み付けている。この後、下部正面板2a2の上端上に、上部正面板2a1を載置し、この上部正面板2a1の左右両側面を、左右一対の側板2b,2cの取付代Pの上部側面に密着させ、この取付代Pの複数のねじ孔に取付ねじをねじ込み、組み付けている。こうして角筒状に形成された上面開口端上には天板2eが載置され、天板2eの取付代Rの複数のねじ孔内に取付ねじをそれぞれねじ込み、有蓋有底の角筒状の筐体2を形成する。
【0016】
貯湯タンク3は、その内部に、例えば水道水等の水が給水され、貯湯タンク3内の水は、貯湯タンクユニット1とは別に設けられた図示しないヒートポンプユニットで加熱される。このヒートポンプユニットで加熱された温水は貯湯タンク3内に貯湯される。貯湯タンク3は、正面板2aの内面に対向する正面側の外面に、水路部品4、電気部品箱5および制御弁等に給電する給電線等の配線を配設している。
【0017】
水路部品4は、例えば水道水を貯湯タンク3内に給水する給水管や、貯湯タンク3内の湯水を図示省略の給水端末に給湯する給湯管を含む。電気部品箱5は、通電を制御する図示しない制御装置や操作盤等の電気部品を具備している。
【0018】
このように貯湯タンク3の正面側は、水路部品4や電気部品箱5が配設されているので、その分、正面以外の左右側面側や背面側よりも重くなっている。
【0019】
そして、図7に示すように貯湯タンク3は、その下部外面に、3本の主脚6,7,8の一端である図中上端と、3本の補助脚9,10,11の一端である図中上端とを、取付部材12,12,…によりそれぞれ固着している。
【0020】
主脚6,7,8は、例えば横断面L形の型鋼により形成された上部主脚6a,7a,8aと、これら上部主脚6a,7a,8aと上下方向に重なるように形成され、横断面コ字形で側方の1面が開口した下部主脚6b,7b,8bとを有する。各下部主脚6b,7b,8bは、その開口を正面側に向けて開口させている。
【0021】
すなわち、各上部主脚6a,7a,8aは、その一端(図7では上端)を、取付部材12,12,12により貯湯タンク3の下部外周面に固着している。
【0022】
各上部主脚6a,7a,8aは、その図中下端に、例えば矩形平板状の取付フランジ13,13,13を溶接等により固着している。各取付フランジ13,13,13は、図示省略の複数の取付ねじにねじ結合されるねじ孔を形成しており、底板2fの内底面(図7では上面)上に載置される。
【0023】
各下部主脚6b,7b,8bは、その上面に、取付ねじの軸部を挿通する複数の挿通孔をそれぞれ形成しており、これら挿通孔に対応する位置にて底板2fにも挿通孔をそれぞれ形成している。
【0024】
すなわち、各下部主脚6b,7b,8bの上面の下方側から上面の各挿通孔内に取付ねじの軸部を挿通し、さらに、底板2fの各挿通孔を挿通して取付フランジ13のねじ孔にねじ込むことにより、各上部主脚6a,7a,8aに、各下部主脚6b,7b,8bを一体的に固着している。各下部主脚6b,7b,8bの底面には、固定脚14をそれぞれ配設している。各固定脚14は、その底部に、例えばコンクリート製の据付面に埋設されたアンカーボルトのねじ軸部を挿通させる挿通孔を形成し、このアンカーボルトのねじ軸部に締結ナットを締結することにより、据付面に固定され、据え付けられる。
【0025】
各補助脚9,10,11も、主脚6,7,8と同様に、底板2fよりも図中上側のL形の型鋼よりなり、取付フランジ13を有する上部補助脚9a,10a,11aと、図中下側の横断面コ字形で側方の1面が開口した下部補助脚9b,10b,11bとを有し、図示省略の取付ねじにより一体的に同心状に固着するようになっている。
【0026】
図1は、これら3本の主脚6,7,8と、3本の補助脚9,10,11との位置関係を示す貯湯タンクユニット1の底面図である。
【0027】
図1に示すように、3本の主脚6,7,8は、その下部主脚6b,7b,8bの底面の中心oa,ob,oc同士を直線により順次結んだときに、三角形tをなすように配置されている。すなわち、3本の主脚6,7,8は、筐体2の正面板2a側の幅方向中部に下部主脚6bの底面中心oaが位置し、下部主脚7b,8bの底面中心ob,ocが背面側2d側の両端側、すなわち、左右一対の側板2b,2c側に位置するように配置されている。この三角形tは、底板2fに垂直方向に投影された貯湯タンク3の外周面をなす円にほぼ内接する三角形であればよく、正三角形でもよい。すなわち、3本の主脚6,7,8は、その下部主脚6b,7b,8bの底面中心oa,ob,ocがこれら底面中心oa,ob,oc同士を直線により結んだときに形成される正三角の各頂点に位置するように配置される。
【0028】
そして、3本の補助脚9,10,11は、その各下部補助脚9b,10b,11bの底面中心od,oe,ofが三角形tの外側に位置し、かつ三角形tの各辺a,b,cをそれぞれ2等分し、垂直方向に交差する垂直2等分線d,e,f上に位置するように配設されている。なお、図1中、gは底板2fの強度を補強する補強リブである。また、図1図3図8中、符号15は、貯湯タンクユニット1内の給水管や給湯管等の配管に接続される配管接続部であり、外部の給水管や給湯管等と接続されるようになっている。
【0029】
また、図4図5に示すように、各補助脚9,10,11は、その底板2fよりも下方へ突出する各下部補助脚9b,10b,11bの突出長さを、各下部主脚6b,7b,8bの突出長さよりも所定長α短く形成している。
【0030】
したがって、このように構成された貯湯タンクユニット1を、荷扱い時や据付面への据付時等により、自立させたときには、3本の主脚6〜8が自立面や据付面にそれぞれ接面するので、仮に自立面や据付面が傾斜している場合でも自立させることができる。
【0031】
そして、このような貯湯タンクユニット1の自立時に、例えば3本の支持脚6〜8の中間部方向、すなわち、上記三角形tのいずれか1辺方向に変位荷重を受けて貯湯タンクユニット1が万一傾動した場合には、その変位荷重が負荷される側にある補助脚9,10,11の少なくともいずれかが自立面や据付面に接面し、貯湯タンクユニット1を支持するので、その転倒の防止を図ることができる。すなわち、貯湯タンクユニット1の揺れの方向が予測できない地震時における貯湯タンクユニット1の転倒防止を図ることができる。
【0032】
さらに、各補助脚9,10,11は、その上部補助脚9a,10a,11aの一端(上端)を貯湯タンク3の下部外周面に固着しており、筐体2の底板2fのみに固着されているのではないので、この底板2fおよびこの底板2fに組み付けられている正面板2a、側板2b,2c、背面板2dおよび天板2e等の筐体2の変形の防止または低減を図ることができる。
【0033】
また、各下部補助脚9b,10b,11bの長さは、下部主脚6b,7b,8bの長さよりも短いので、現地での据付作業時の平坦度出しの支障にならない。
【0034】
さらに、貯湯タンクユニット1では、その正面側の底板2fの幅方向中間部に主脚6を配設する一方、背面側の底板2fの幅方向両側には左右の主脚7,8を配設し、これら主脚6〜8同士を結ぶ三角形のほぼ中心に、貯湯タンク3の重心を配置しているので、貯湯タンクユニット1の重心を安定させることができる。これにより、貯湯タンクユニット1の転倒の虞をさらに低減できる。また、筐体2の正面側の底板2fには、その幅方向中間部に配設された主脚6の1本しか設けていないので、筐体2の正面側に設けた配管接続部15に接続される図示省略の配管の引き回しの際に主脚6が干渉するのを低減できる。このために、配管引き回しの作業性の向上を図ることができる。
【0035】
なお、貯湯タンクユニット1の据付完了後には、補助脚9,10,11の底面と自立面との間にスペーサを介在させる等により、補助脚と自立面間の隙間をなくするようにしてもよく、これによれば、貯湯タンクユニットの自立をさらに安定させることができる。
【0036】
(第2の実施形態)
図8は第2の実施形態に係る貯湯タンクユニット1Aの底面を示す。この図8に示すように貯湯タンクユニット1Aは、上記第1の実施形態に係る貯湯タンクユニット1の背面板2d側に設けた補助脚10を省略した点に主な特徴を有する。
【0037】
すなわち、貯湯タンクユニット1Aは、図8に示すように、底板2fに垂直方向に投影された貯湯タンク3の外周面をなす円Sに内接する五角形Qの各頂点に、3本の主脚6〜8と2本の補助脚9,11の各底面中心oa,od,ob,oc,ofが一致するように3本の主脚6〜8と、2本の補助脚9,11を配設している。
【0038】
すなわち、通常、貯湯タンクユニット1Aは、その据付時には、背面板2d側を、家屋の外壁面に接するように配置する場合が多い。この場合は、貯湯タンクユニット1Aが地震等により家屋の外壁面側に傾動しても、その傾動は家屋の外壁面により支持されるので、転倒を防止できるためである。これにより、第1の実施形態の効果に加えて、背面板2d側の補助脚10を削除してコストの低減を図ることができる。
【0039】
(第3の実施形態)
図9は第3の実施形態に係る貯湯タンクユニット1Bの要部拡大図である。図9に示すようにこの貯湯タンクユニット1Bは、上記第1,第2の実施形態における下部補助脚9b〜11bの長さを調節可能に構成した点に特徴がある。
【0040】
すなわち、補助脚9〜11は、その下部補助脚9b〜11bを、図9中、上部の横断面形状がコ字状の無底本体部16と、図9中下部の有底コ字状の可動底部17とに分割し、本体部16の図9中下端部に、可動底部17を、軸方向に摺動可能に外嵌させている。
【0041】
本体部16は、その外嵌部におけるコ字状構造の一対の対向側面に、複数の止めボルト18,18のねじ部にねじ結合されるねじ孔(図示省略)を図9中、左右方向に並設している。
【0042】
一方、可動底部17は、その外嵌部におけるコ字状構造の一対の対向側面に、各止めボルト18のねじ部の直径よりも若干大きく、かつ頭部18aよりも小さく、軸方向(図9中縦方向)に長い複数の長孔19,19をそれぞれ形成している。
【0043】
したがって、可動底部17の高さ(突出長)を適宜調節してから、止めボルト18,18を堅く締め付け、本体部16に固定することにより、可動底部17の高さを適宜調節できる。
【0044】
このために、貯湯タンクユニット1Bの据付が完了するまでは、可動底部17を上方に位置させて補助脚9〜11の底板2fからの突出長さを、3本の主脚6〜8の突出長さよりも小さくし、その荷扱い時や据付時等において、自立させる場合には、まず、3本の主脚6〜8により自立面に接面させる。そして、貯湯タンクユニット1Bの据付が完了したら、補助脚9〜11の各可動底部17の高さ(突出長)をそれぞれ調節して、これら可動底部17の底面を自立面に接面させる。
【0045】
これにより、3本の主脚6〜8と、2本または3本の補助脚9〜11の全部を自立面にそれぞれ接面させることができる。このために、これら主脚6〜8と補助脚9〜11により貯湯タンクユニット1Bを支持することができるので、その支持強度の向上を図ることができるうえに、転倒防止効果のさらなる向上を図ることができる。なお、上記各実施形態ではヒートポンプ給湯機の貯湯タンクユニットについて説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、電気温水器に適用してもよい。
【0046】
以上のように、各実施形態の貯湯タンクユニットは、筐体の下面から下方へ突出する長さが主脚の突出長さよりも小さく形成され、かつ3本の主脚を結んで形成される三角形の外側に位置する補助脚を備えたので、据付作業時の平坦度出しに支障を与えることなしに、貯湯タンクユニットの転倒防止を図ることができる。
【0047】
以上、本発明の幾つかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0048】
1,1A,1B…貯湯タンクユニット、2…筐体、3…貯湯タンク、6,7,8…主脚、6a,7a,8a…上部主脚、6b,7b,8b…下部主脚、9,10,11…補助脚、9a,10a,11a…上部補助脚、9b,10b,11b…下部補助脚、17…可動底部、18…止めボルト、19…長孔、d,e,f…垂直2等分線、oa,ob,oc…下部主脚6b,7b,8bの底面中心、od,oe,of…下部補助脚9b,10b,11bの底面中心、t…三角形。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9