(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記第1のガイドレールにおいて前記左右範囲の一方の外側に対応した範囲に設けられ、前記ATC装置が前記下型を交換している間に前記第1の測定部が待避する第1の待避部と、
前記第1のガイドレールにおいて左右範囲の他方の外側に対応した範囲に設けられ、前記第1の測定部が前記被加工部材の形状を測定している間に前記ATC装置が待避する第2の待避部と、を備えたことを特徴とする請求項1記載のプレスブレーキ。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明の実施の形態を、好ましい実施例により
図1〜
図15を用いて説明する。
【0012】
<実施例>
(プレスブレーキ1の構成について)
プレスブレーキ1の構成について、主に
図1〜
図3を用いて詳述する。
図1は、実施例のプレスブレーキ1を説明するための正面図であり、
図2は、本体部1Hの概略構成を説明するための左側面図であり、
図3は、プレスブレーキ1のブロック図である。
【0013】
図1において、実施例のプレスブレーキ1は、本体部1Hと、本体部1Hの左右方向の一方の側(
図1において右側)に設置されたスタッカー部1TSと、を有して構成されている。スタッカー部1TSは、後述するATC装置40によって交換される複数の交換用金型が装填されている
【0014】
本体部1Hは、
図2からも明らかなように、概ねC字形状に形成されたサイドフレーム3L,3Rとその下部に設けられたベース5とを有している。
ベース5の前方(
図1における紙面手前側)上部には、下型ホルダ7(
図2では省略)が設けられている。
下型ホルダ7の上部には、下部テーブルとしてダイステーション9が固定されており、ダイステーション9には下型(ダイ)9Tが着脱可能に固定されている。
一方、サイドフレーム3L,3Rの上部には、上下動自在なラム15が設けられている。
ラム15の上部における左右両側には、上下動用のアクチュエータの一例としての油圧シリンダ17L,17Rが設けられており、油圧シリンダ17L,17Rの下部には、ピストンロッド19L,19Rが取付けられている。
ラム15は、ピストンロッド19L,19Rの下部に球体軸受を介して支承されている。
従って、油圧シリンダ17L,17Rを作動させると、ピストンロッド19L,19Rが上下動し、ラム15が上下動する。
ラム15の下部には、上型ホルダ21を介して中央部分に上部テーブルとしてパンチステーション23が取付けられている。
パンチステーション23の先端には、上型であるパンチ23Tが着脱可能に固定されている。
サイドフレーム3Lには、アーム91を介して操作パネル部92が取り付けられている。操作パネル部92は、表示部92a,操作部92b,及び制御部93を有して構成されている。
【0015】
図1及び
図2に示されるように、ベース5の前面側には左右方向(
図1において左右方向、X軸方向とも呼ぶ)の直動動作を可能とするためのガイドレールとしてレール部材37Fが設けられている。
また、
図2に示されるように、ベース5の後面側にも左右方向の直動動作を可能とするためのガイドレールとしてレール部材37Rが設けられている。
前面側にあるレール部材37Fは、一端部側(右方側)が少なくともダイステーション9の右端位置(
図1のP3位置)まで延在している。
図1では、ベース5の右端まで延在している。
他端部側(左方側)は、ダイステーション9の左端位置(
図1のP1位置)よりも左方の領域に延出している。
後面側のレール部材37Rは、一端部側がスタッカー部1TSにまで延在し、他端部側は、レール部材37Fと同様にダイステーション9の左端位置(
図1のP1位置)よりも左方の領域に延出している。
レール部材37R,37Fが他端部側で左方に延出している範囲(
図1における範囲AR1)を、測定部待避領域AR1とし、プレスプレーキ1の本体部1Hにおけるこの領域の部位を、測定部待避部AR1Bと称する。
一方、レール部材37Rにおけるダイステーション9の右端位置(
図1のP3位置)よりも右方の領域は、ATC装置待避領域AR2とし、プレスプレーキ1の本体部1Hにおけるこの領域の部位を、ATC装置待避部AR2Bと称する。スタッカー部1TSは、このATC装置待避部AR2Bに含まれる。
【0016】
図2において、レール部材37Fには、そのレールに係合するブロック38Fを有しワーク前面側の所定の寸法を測定する測定部39Fが、このレール部材37Fに沿って左右方向に移動自在に取り付けられている。
レール部材37Rには、そのレールに係合するブロック38Rを有しワーク後面側の所定の寸法を測定する測定部39Rが左右方向に移動自在に取り付けられている。
ベース部5には、測定部39F及び測定部39Rをそれぞれ駆動する駆動部69F及び駆動部69R(
図1及び
図2は不図示。
図3参照)が備えられている。駆動部69F,69Rは、制御部93からの指示で各測定部39F,39Rをレール部材37F,37R上で左右方向に駆動する。
制御部93は、測定部38Fと測定部38Rとを、通常、互いに対向する位置を保ちつつ左右方向に移動させるよう制御する。すなわち、両測定部38F,38Rを同期して駆動制御する。もちろん、それぞれ独立して移動するよう駆動制御することもできる。
【0017】
レール部材37F,37Rとブロック38F,38Rとの組として、例えば「LMガイド」(登録商標)を用いることができる。
【0018】
後面側のレール部材37Rには、ダイ9Tを自動的に交換する自動金型交換装置(以下、ATC装置と称する)40が、レール部材37Rに沿って左右方向に移動自在に取り付けられている。
ベース部5には、ATC装置40を駆動するATC駆動部70(
図1及び
図2は不図示。
図3参照)が備えられている。ATC駆動部70は、制御部93からの指示でATC装置40をレール部材37R上で左右方向に駆動する。
パンチステーション23の前方側または後方側にもレール部材(図示せず)を設け、このレール部材上を左右方向に移動してパンチ23Tを自動的に交換するATC装置(図示せず)が備えられていてもよい。
【0019】
ATC装置40は、同じレール部材37Rに支持されている測定部39Rに対しスタッカー部1TS側に位置するようにレール部材37Rに取り付けられている。
【0020】
上述のように、プレスブレーキ1の前面側のレール部材37Fには測定部39Fのみが支持され、後面側のレール部材37Rには測定部39RとATC装置40とが支持されている。
【0021】
図3に示されるように、プレスブレーキ1は、検出センサ部KSを備えている。
具体的には、検出センサ部KSは、レール部材37F,38R上の、測定部39F,39R及びATC装置40の左右方向位置を検出するFセンサ51,Rセンサ52,及びATCセンサ53と、ラム15の上下方向の位置を検出するラムセンサ54と、を有している。
【0022】
Fセンサ51は、レール部材37Fにおける測定部39Fの左右方向の位置を逐次検出しF測定部位置情報として信号SG1に含めて出力する。
Rセンサ52は、レール部材37Rにおける測定部39Rの左右方向の位置を逐次検出しR測定部位置情報として信号SG2に含めて出力する。
ATCセンサ53は、レール部材37RにおけるATC装置40の左右方向の位置を逐次検出しATC位置情報として信号SG3に含めて出力する。
ラムセンサ54は、ラム15が取り得る上下動範囲内におけるラム15の位置を逐次検出しラム位置情報として信号SG4に含めて出力する。
【0023】
操作部92bは、使用者の操作に基づいて信号SG5を出力する。
測定部39F,39Rは、ワークの曲げ形状に関する測定を行い、それぞれ測定結果情報を含む信号SG39F,SG39Rを出力する。
【0024】
制御部93は、各駆動部の動作を制御する。
具体的には、ATC駆動部70に対し制御信号CS1を出力し、ATC装置40のレール部材37R上の移動を制御する。
油圧シリンダ17L,17Rに対しそれぞれ制御信号CS2,CS3を出力し、ラムの上下動を制御する。
駆動部69Fに対し制御信号CS4を出力し、測定部39Fのレール部材37F上の移動を制御する。
駆動部69Rに対し制御信号CS5を出力し、測定部39Rのレール部材37R上の移動を制御する。
ATC装置40に対し制御信号CS6を出力し、ATC装置の金型交換動作を制御する。
【0025】
また、制御部39は、表示部92aに対し画像信号SG6を出力し、所定の画像(動画像を含む)を表示させる。
所定の画像には、例えば、プレスブレーキ1の動作情報、操作部92bを介して入力された入力情報が含まれる。
【0026】
(プレスブレーキ1の動作について)
プレスブレーキ1の動作の一例は、概略次の1)〜5)のとおりである。
1)被曲げ加工材であるワークの曲げ手順に基づき、ATC装置40は、スタッカー部1TSにおいて所定の金型9Tを選択し、搬送してダイステーション9の所定位置に装着する。
2)金型装着後、ATC装置40はATC装置待避領域AR2(例えばスタッカー部1TS内)に待避し、替わりにワークの曲げ状態を測定する測定部39Rが測定部待避領域AR1から装着された金型9Tに対応する位置(ワークを測定する位置)に移動する。
3)ラム15が下降しワークの曲げを開始する。ワークの形状変化は逐次測定部39R,39Fにより測定され、スプリングバックを考慮した所定の曲げ角度に達したところでラム15を下降を停止し、必要であれば所定時間保持し、その後上昇させる。
4)ワークの取り出し及び次に加工するワークの装着作業を間に挟んで3)の曲げ加工を繰り返す。
5)次の金型交換を行う場合は、測定部39Rは測定部待避領域AR1に移動し、1)へ戻る。
【0027】
以下、
図1〜
図5を用いて詳細を説明する。
図4は、説明する動作のタイミングチャートである。
図4では、測定部39F,39Rを両者が同期して移動するものとして符号39の白丸とし、ATC装置40については符号40の黒丸として、それぞれの位置の遷移を示している。
図5は、動作中の測定部39F,39R及びATC装置40の位置を説明するための模式図である。
図5では、測定部39Fと測定部39Rとが同期して移動するものとし、代表として測定部39Rのみを示している。また、
図1及び
図4との対比を容易にするため、プレスブレーキ1を正面側から見た状態での後面側のレール部材37Rを示している。
以下の時刻T0〜T9の説明において、測定部39Fは測定部39Rと同期して同じ移動をするため、関連する駆動部69F,Fセンサ51,信号SG1,測定部39F,信号SG39Fも含め、便宜的に( )を付けて表記する。
また、以下の説明及び
図4における時刻T1〜T9は、時刻T0からそれぞれ時間T1〜T9が経過した時を示すものであり、絶対的な時刻を意味するものではない。
【0028】
図4の時刻T0「ティーゼロ」におけるプレスブレーキ1の状態を基本状態とする。この基本状態は
図5の状態Aである。
具体的には、測定部39R(39F)の位置が測定部待避領域AR1(
図1参照)にあり、ATC装置40の位置がATC装置待避領域AR2(例えばスタッカー部1TS)にある。
【0029】
〔時刻T0〜T1〕
使用者から、操作部92bを介してダイステーション9における位置P2に所定の金型を装着する旨の指示が入力されると、制御部93は、ATC装置40及びATC駆動部70に対し、スタッカー部1TSに装填されている所定の金型を選択して保持する共に、保持した金型と共に位置P2に移動する旨の指示を出す。
この指示に基づき、ATC装置40は測定部待避領域AR1の範囲内のスタッカー部1TSから位置P2に向け移動する。
制御部93は、ATC装置40が位置P2に到達したか否かをATCセンサ53からの信号SG3により判定する。
【0030】
〔時刻T1〜T2〕
ATC装置40が位置P2に到達したと判定されたら、ダイステーション9の位置P2に移送した金型を装着する旨の指示を出し、この指示に基づいてATC装置40は金型を装着する。時刻T1〜T2の状態は
図5における状態Bである。
【0031】
〔時刻T2〜T3〕)
図示しない検出器により金型装着完了の信号が制御部93に入来すると、制御部93は、ATC駆動部70に対してATC装置40を再びスタッカー部1TSに待避させる旨指示を出す。
この指示に基づき、ATC装置40は再びスタッカー部1TSに移動し、そこで待機する。
【0032】
〔時刻T3〜T4〕
制御部93は、ATCセンサ53からの信号SG3に基づいてATC装置40がスタッカー部1TSに到達したと判定したら、駆動部69R(69F)に対し測定部39R(39F)を測定部待避領域AR1から位置P2に向け移動させる旨指示を出す。
この指示に基づき、測定部39R(39F)は位置P2に向け移動する。
制御部93は、測定部39R(39F)が位置P2に到達したか否かをRセンサ52(Fセンサ51)からの信号SG2(SG1)により判定する。
【0033】
〔時刻T4〜T5〕
測定部39R(39F)が位置P2に到達したと判定したら、ワークが所定位置に載置されていることを確認の上、油圧シリンダ17L,17Rに対しラム15を下降させる旨指示を出す。このワークの載置確認はセンサを利用して自動的に行うか、又は使用者が操作部92bを介して制御部93に対して行うことによる。
下降指示に基づき、ラム15は下降する。
制御部93は、ワークが所定量だけ曲げられたか否かを、測定部39R及び測定部39Fからの信号SG39R,SG39Fに含まれる測定結果情報から算出した曲げ角度に基づいて判定する。曲げ角度の算出方法については後述する。
この判定にはスプリングバック量や曲げ剛性等の材質由来のパラメータも考慮される。
【0034】
〔時刻T5〜T6〕
制御部93は、ワークが所定量だけ曲げられたと判定したら、油圧シリンダ17L,17Rに対し、ラム15の下降を停止すると共に、必要であれば所定時間保持した後に、ラム15を上昇させる旨指示する。
この指示に基づき、ラム15は上昇する。
時刻T4〜T6の状態は
図5における状態Cである。
【0035】
〔時刻T6〜T7〕
同一条件で複数のワークの曲げ加工を連続して行う場合は、上述した時刻T4〜T6の曲げ加工動作を繰り返す。この繰り返し状態も、
図5における状態Cである。
【0036】
〔時刻T7〜T8〕
所定数のワークの曲げ加工が終了し、次に、P2とは別の位置Px(図示せず)において異なる金型での曲げ加工を行う場合、制御部93は、駆動部69R(69F)に対し測定部93R(93F)を測定部待避領域AR1に移動させる旨指示する。
この指示に基づき、測定部93R(93F)は測定部待避領域AR1に向け移動する。
制御部93は、測定部39R(39F)が測定部待避領域AR1に到達したか否かをRセンサ52(Fセンサ51)からの信号SG2(SG1)により判定する。
【0037】
〔時刻T8〜T9〕
制御部93は、信号SG2(SG1)に基づいて測定部39R(39F)が測定部待避領域AR1に到達したと判定したら、ATC装置40及びATC駆動部70に対し、スタッカー部1TSに装填されている別の金型を選択して保持する共に、保持した金型と共に別の位置Pxに移動する旨の指示を出す。
この指示に基づき、ATC装置40はスタッカー部1TSから別の位置Pxに向け移動する。
【0038】
以下、時刻T1以降と同様の動作となる。
図4では時刻T9までを示している。
【0039】
上述の動作において、時刻T2〜T3の動作と時刻T3〜T4の動作とは、測定部39R(39F)とATC装置40とが互いに接触しないように制御することで、同期間または一部重複した期間で行うことができる。
これは時刻T7〜T8の動作と時刻T8〜T9の動作とについても同様である。
【0040】
次に測定部39F,39Rについて
図6〜
図15を用いて詳述する。
プレスブレーキ1に搭載された測定部39F,39Rは、ワークの曲げ工程の途中において、それぞれワークの前面側,後面側の部分の曲げによる起き上がり状態を連続的又は断続的に測定し制御部93に向け送出する。
【0041】
図6は、斜視的模式図であり、ベース5のレール部材37F,37Rに支持された測定部39F,39Rと、レール部材37Rに支持されたATC装置40とを示しており、プレスブレーキ1の左後方やや斜め上方から見た図である。
図6では、
図1に示される左右方向及び
図2に示される前方向に対応する方向を示している。
図7は、
図6における矢視Y1方向から見た図であり、模式的ではなく現物に即した図となっている。また、
図7はダイステーション9にダイ9Tが装着された状態を示し、ATC装置40は省略している。
【0042】
図6に示すように、レール部材37Rには、測定部39Rと、この測定部39Rより著しく質量の大きいATC装置40と、が支持されている。
一方、レール部材37Fには、測定部39Rと同一構成の本体部を有する測定部39Fのみが支持されている。
従って、レール部材37Rの断面積は、レール部材37Fよりも大きく、より高剛性かつ高強度のものとして測定部39RとATC装置40との両方を支障なく支持できるようになっている。
また、
図7で示されるように、レール部材37Fとレール部材37Rとは(
図7ではハッチング付き)、上下方向においても異なる位置に取り付けられている。
【0043】
実施例のプレスブレーキ1では、このように形状及び位置の異なるレール部材37F,37Rに対し、それぞれに形状の異なる連結部材を介して支持させることで測定部39Fの本体部と測定部39Rの本体部とを同一構成にすることが可能となっている。
【0044】
図8は、測定部39Fの一部を分解した斜視図であり、
図9は、測定部39Rの一部を分解した斜視図である。
測定部39Fは、本体部39と連結部38FSとにより構成され、測定部39Rは、本体部39と連結部38RSとにより構成されている。
すなわち、両測定部39F,39Rでは、主要部である本体部39は同一の構成であり、連結部39FSと連結部38RSとが異なっている。
【0045】
本体部39は、内部を覆う保護カバー39cvを有すると共に、上下方向の取り付けの基準となる第1装着部39aと前後方向の取り付けの基準となる第2装着部39bとを有している。
具体的には、第1装着部39aの下面位置(
図7〜
図9におけるSF1の位置)が上下方向の基準位置SF1となり、第2装着部39bの側面位置が前後方向の基準位置SF2(
図7参照)となっている。
【0046】
図8において、測定部39Fの連結部38FSは、レール部材37Fに係合するブロック38Fと、L字状に形成されたL字ブラケット38Faと、を有して構成されている。
L字ブラケット38Faの一外側面38Fa1にブロック38Fが固定され、天面38Fa2が本体部39の第1装着部39aに固定され、他の外側面38Fa3が第2の装着部39bに固定されている(
図7も参照)。各固定は、例えばねじ締結による。
【0047】
図9において、測定部39Rの連結部38RSは、レール部材37Rに係合するブロック38Rと、ほぼ平板状に形成されたプレート38Raと、略直方体の本体部38Rb1と鍔部38Rb2とを有するスペーサ38Rbと、を有して構成されている。
スペーサ38Rbの天面38Rbtが本体部39の第1装着部39aに固定され、プレート38Raの一面38Ra1にブロック38Rが固定され、他面38Ra2が第2装着部39bに固定されている(
図7も参照)。各固定は、例えばねじ締結による。
【0048】
図7〜
図9に示されるように、レール部材37Fとレール部材37Rとの形状が異なり、それぞれの取り付け位置がベース5に対し前側と後側とで非対称の位置であっても、レール部材37F,37Rに対して、測定装置37F,38Rをそれぞれの第1装着部39a及び第2装着部39bが基準位置SF1,SF2で連結されるように、連結部38FS,38RSの構成とその構成部材の形状及び寸法とが設定されている。
すなわち、レール部材37Fとレール部材37Rとの形状が異なり、それぞれの取り付け位置がベース5に対し前側と後側とで非対称の位置であっても、測定部39Fと測定部39Rとにおいて本体部39を同一構造とすることができている。
【0049】
(測定部39F,39Rについて)
次に、
図10〜
図12を用いて測定部39F,39Rについて詳述する。
測定部39F,39Rは、直接曲げ角度を測定するものではなく制御部93で求める曲げ角度の基となるワーク80の形状を測定するものである。
【0050】
図10は測定部39Rの分解図であり、
図11は測定部39Fの分解図である。
図11は、
図10の本体部39の共通部分について一部組み立てた状態を示している。
図12は、測定部39Fの斜視的構造図である。
【0051】
図10に示されるように、測定部39Rは本体部39と連結部38RSとを有し、連結部38RSは、ブロック38Rとプレート38Raとスペーサ38Rbとを有して構成されている。
また、
図11に示されるように、測定部39Fは本体部39と連結部38FS(
図11に指示)とを有し、連結部38FSは、L字ブラケット38Fa(
図12では省略)とブロック38Fとを有して構成されている。
【0052】
測定部39F,39Rで共通とされた本体部39は、第1装着部39aを含む上部ベース部39ubと、第2装着部39bを含む下部ベース部39dbと、上部ベース部39ub及び下部ベース部39dbとを覆う保護カバー39cvと、を有する。上部ベース部39ubと下部ベース部dbとはフレーム39fなどの金属部材で連結され一体となっている。
【0053】
上部ベース部39ubにはセンサアッシー49が取り付けられている。
センサアッシー49は、センサヘッド49hと、センサヘッド49hが先端に固定されたアーム49a(
図10及び
図12に指示)と、センサヘッド49hに連結されたロッド49r(
図12に指示)を伸縮させるエアシリンダ49bと、を有して構成されている。
【0054】
測定部39F,39Rがプレスブレーキ1に装着された状態で、エアシリンダ49bの直動方向は、鉛直方向に対して傾斜するように設定されている。すなわち、センサヘッド49h及びアーム49aは、エアシリンダ49bの動作によって第2装着部39bの基準位置SF2(
図7参照)が含まれる鉛直面に対し傾斜した直線上を往復移動する。
図12は、ロッド49rを最も伸ばした状態を示している。一方、ロッド49rを最も縮めた状態では、センサヘッド49hは保護カバー39cv内にほとんど収納される(例えば
図7の状態)。
【0055】
図13は、センサヘッド49hのみを、
図12における矢視YS2の方向から見た透視的斜視図である。
センサヘッド49hは、ケース部49h4と、ケース部49h4に対して上下方向に直動するガイド部49h2と、ガイド部49h2に対して上下方向に直動する接触子49h1と、接触子49h1とガイド部49h2とを上下方向に各独立して往復移動させるリニアスケール49h3と、を有している。
リニアスケール49h3はケース部49h4に収納されている。
ガイド部49h3の先端の縁部は、一部が先端稜部49h5として弧状に形成されている。
測定部39Fがプレスブレーキ1に装着された状態で、ガイド部49h2及び接触子49h1の移動方向は鉛直方向となっている。
【0056】
リニアスケール49h2は、ガイド部49h2及び接触子49h1をケース部49h4に対して突出方向に移動させる際に、先端稜部49h5と接触子49h1の先端が他の部材(ワーク)にの形状に追従する程度の押圧力で当接させるように制御部93により制御される。この押圧力は、ワークの曲げに影響のない僅かな力として設定されている。
【0057】
リニアスケール49h2は、接触子49h1及びガイド部49h2の突出量をそれぞれ測定結果情報として常に制御部93に向け信号SG39R,SG39F(
図3参照)に含めて出力している。
【0058】
上述した本体部39をそれぞれ備えた測定部39F,39Rは、ダイ9Tの前側及び後側にそれぞれ配置され、制御部39によって、曲げ加工動作時にワークの形状に関する測定を行うように制御される。
【0059】
図14は、ワークの曲げ加工途中における測定状態を示す図である。
図14において、被加工部材であるワーク80は、下側面をダイ9Tで支持された状態でラム(
図14には図示せず)15の動作に伴うパンチ23Tの下降により、平板から逆「へ」の字形状に変形が進行中である。
曲げ加工に先立ち、制御部93は、測定部39F,39Rに対し、エアシリンダ49bを動作させてロッド49rを伸ばし、ケース部49h4をダイ9Tの側面に当接させておく。
曲げ加工動作の開始後、リニアスケール49h3は、接触子49h1及びガイド部49h2を鉛直方向天側に移動させてワーク80に当接させると共にワーク80に対し付勢し、上述のようにワーク80の下側面の形状の変化に追従させる。
曲げ加工動作において、制御部93には信号SG39F,SG39Rが入来する。これらの信号には、測定部39F,39Rそれぞれからの接触子49h1とガイド部49h2とがワーク80に当接する2点、前後合わせて4点の測定結果情報が含まれており、制御部93はこれらの情報をリアルタイムで得る。
【0060】
制御部93は、この4点の測定結果情報を用いてワーク80の曲げ角度を算出する。
図15は、測定部39F,39Rからの測定結果情報を基に曲げ角度を算出する方法を説明する模式図である。
ガイド部49h2の先端稜部49h5から接触子49h1における先端稜部49h5側の端部までの距離Xは、予め設定された一定値となっている。
各測定結果情報により、接触子49h1とガイド部49h2とがワーク80の下側面に当接した状態において、接触子49h1の突出量からガイド部49h2の突出量を減じることで、接触子49h1の天面49h6からの突出量Y
1,Y
2が算出できる。
水平線SLを基準としたワーク80の前側及び後側の傾斜角度θ
1及びθ
2は、それぞれ、
θ
1〔°〕=tan
−1(Y
1/X)
θ
2〔°〕=tan
−1(Y
2/X)
となるので、
ワーク80の曲げ角度θ〔°〕は、
θ=180°−(θ
1+θ
2)
として得られる。
【0061】
制御部93は、この曲げ角度θの変化を連続的に監視し、ワーク80の曲げ角度が、ワーク80をプレスブレーキ1から取り外した際に所定の曲げ角度となるよう、曲げ加工工程でスプリングバックなどを考慮した曲げ角度θが得られた時点でラム15の下降を停止させる。
【0062】
上述のように、プレスブレーキ1は、測定部39F,39Rによってワーク80の曲げ状態を同時的に測定し、その測定結果に基づいてラムの移動量15が設定されるよう装置全体が制御部93により制御される。
測定部39F,39Rで測定しようとするワーク80の位置情報、又は測定すべき曲げ加工を行うパンチ23Tのパンチステーション23上の左右方向位置及びダイ9のダイステーション9T上の左右方向位置の情報は、予め操作部92bを介して制御部93に入力されている。
各位置情報は、パンチステーション23T及びダイステーション9Tが、それぞれのどの位置にパンチ23T及びダイ9が装着されているかを自動的に検出し、制御部93がその検出結果に基づいて求めるようにしてもよい。
測定部39F,39Rの本体部39は、ワーク80に対して形状測定に関する動作を行う部分である。連結部38FS,38RSは、形状測定に関する動作を行う部分ではなく、本体部39の位置決め機能を有する部分である。
【0063】
プレスブレーキ1は、上述のように、制御部93が測定部39Rの位置とATC装置40の位置とが干渉しないように、それぞれを同一のレール部材37R上で移動させるので、ATC装置と曲げ測定装置との共存が可能となっている。
また、プレスブレーキ1は、上述のように、レール部材37F,37Rの形状が異なる、又はレール部材37F,37Rがそれぞれベース5に対する前後の位置が非対称となる位置に取り付けられていても、それらの非対称性を吸収するように違いに異なる形状の連結部38FS,38RSを介して各レール部材37F,37Rと本体部39とが連結されているので、共通仕様の本体部39を有することが可能、すなわち、前方側の測定装置と後方側の測定装置とにおける主要部の構成の同一化が可能になっている。
【0064】
前方側の測定部38Fと後方側の測定部38Rとは、ワークに対しダイ9Tのセンターを中心に前後方向,左右方向,及び上下方向のすべての方向が同じとなる位置で測定するようになっていることが望ましい。これによりワーク80の形状をより高精度に測定できる。
【0065】
また、実施例のプレスブレーキ1は、以下の(A)に示される特徴的な構成を有する。
(A)プレスブレーキ(1)は、上型(23T)を取り付け可能な上部テーブル(23)と、下型(9T)を所定の左右範囲で取り付け可能な下部テーブル(9)と、を上下に対向して備え、前記下部テーブル(9)に対する前面及び後面のいずれか一方の側に左右方向に延在して設けられたガイドレール(37R)と、前記ガイドレール(37R)上を移動可能に支持され前記下型(9T)を交換するATC装置(40)と、前記ガイドレール(37R)上を移動可能に支持され前記上型(23T)及び下型(9T)で加工中の被加工部材(80)の形状を測定する測定部(39R)と、前記ガイドレール(37R)において前記左右範囲の一方の外側に対応した範囲に設けられ、前記ATC装置(40)が前記下型(9T)を自動交換している間に前記測定部(39R)が待避する第1の待避部(AR1B)と、前記ガイドレール(37R)において前記左右方向の他方の外側に対応した範囲に設けられ、前記測定部(39R)が前記被加工部材(80)の形状を測定している間に前記ATC装置(40)が待避する第2の待避部(AR2B)と、を備えている。
また、実施例のプレスブレーキ1により下記(B)に示される特徴的な曲げ加工が行える。
B)プレスブレーキ(1)は(A)の構成を有し、前記ガイドレール(37R)上の前記測定部(39R)と前記ATC装置(40)との移動及び動作を制御する制御部(39)を備えており、前記制御部(39)が、前記ATC装置(40)に対し前記所定の左右範囲内で前記下部テーブル(9)に所定の曲げ加工用の下型(9T)を装着させ、前記測定部(39R)に対し前記第1の待避部(AR1B)に待避するよう制御する下型装着ステップと、前記制御部(93)が、前記下型装着ステップの後に、前記ATC装置(40)に対し前記第2の待避部(AR2B)に待避させ、前記測定部(39R)に対し前記装着した下型(9T)により曲げ加工される前記被加工部材(80)の形状を測定するよう制御する測定ステップと、を有する曲げ加工方法で曲げ加工を行う。
【0066】
本発明の実施例は、上述した構成及び手順に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において変形例としてもよいのは言うまでもない。
測定部はレール部材37F,37Rのいずれかにおいて複数支持されていてもよい。制御部93は、複数の測定部の位置を、違いに干渉しないように制御する。
測定部は、ワーク80の形状を非接触で測定するものでもよい。
制御部93は、プレスブレーキ1に備えられていなくてもよい。
プレスブレーキ1に通信部を設け、外部の機器に配置された制御部93との間で有線又は無線で通信を行うことでプレスブレーキ1の動作を制御するように構成してもよい。