(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5759483
(24)【登録日】2015年6月12日
(45)【発行日】2015年8月5日
(54)【発明の名称】物品ディスプレイスタンド
(51)【国際特許分類】
A47F 5/11 20060101AFI20150716BHJP
【FI】
A47F5/11
【請求項の数】21
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2012-550429(P2012-550429)
(86)(22)【出願日】2011年1月26日
(65)【公表番号】特表2013-517866(P2013-517866A)
(43)【公表日】2013年5月20日
(86)【国際出願番号】EP2011051076
(87)【国際公開番号】WO2011092209
(87)【国際公開日】20110804
【審査請求日】2014年1月7日
(31)【優先権主張番号】10/00313
(32)【優先日】2010年1月27日
(33)【優先権主張国】FR
(73)【特許権者】
【識別番号】512157704
【氏名又は名称】ロテル、フランソワ
(74)【代理人】
【識別番号】100103137
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 滋
(72)【発明者】
【氏名】ロテル、フランソワ
【審査官】
高島 壮基
(56)【参考文献】
【文献】
実開昭63−103465(JP,U)
【文献】
実開平03−055763(JP,U)
【文献】
実開平05−048758(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47B 43/02
47/06
55/06
A47F 5/10
5/11
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
物品ディスプレイスタンドは、実質的に剛性を備えかつ折り畳み可能な材料からなり、
少なくとも1つの支持壁(6、106)と、2つの側壁(16、17)と、を備えた多面体コンパートメント(2、102)であって、平らな折り畳み状態と、前記側壁(16、17)間で延びる前記支持壁(6)上で物品を受けるように開放し、広げた使用状態と、の間で変化できるように枢結されているコンパートメントと、
前記コンパートメントを、開放し、広げた使用状態に保持するフラップ(27)と、
前記支持壁(6)と共に力を下方に伝達する力降下手段を形成する補強手段(16、17、27、6、38)と、を備え、
前記スタンドにおいて、
各側壁 (16、17)は、スタンドの広げた使用状態において、枢動辺(24)から延びる2つの面(14、28)による少なくとも1つの二面角を含む厚い壁であり、
各壁 (16, 17)は、少なくとも前記枢動辺(24)及び当該枢動辺(24)と交差する他の折り畳み線(19)に沿って折り畳めるように構成されており、
前記フラップ(27)は、当該スタンドを広げた後に前記枢動辺(24)を補強するように構成されており、前記フラップが前記補強及び力降下手段の一部を形成するようになっている、
物品ディスプレイスタンド。
【請求項2】
前記フラップ(27)は、補強及び力を下方に伝達する力降下状態において、前記コンパートメントの厚い側壁(16、17)の固定/固定解除機能を提供する、請求項1に記載のディスプレイスタンド。
【請求項3】
前記コンパートメントは、支持パネル(6〜9)によって区画された複数の基本コンパーメント(2〜5)に亘って延びている、請求項1あるいは2に記載のディスプレイスタンド。
【請求項4】
前記支持パネル(6〜9)は、保持機能の一部を提供する、請求項3に記載のディスプレイスタンド。
【請求項5】
前記2つの厚い側壁の少なくとも1つ(216、316)は、単一の二面角を有している、請求項1〜4いずれか1項に記載のディスプレイスタンド。
【請求項6】
広げた使用状態において、前記二面角を形成する2つの面(314、315)は、平面である、請求項5に記載のディスプレイスタンド。
【請求項7】
広げた使用状態において、前記二面角を形成する2つの面(214、215)は、拘束状態において湾曲している、請求項5に記載のディスプレイスタンド。
【請求項8】
厚い側壁は、1つの中央枢動辺と2つの枢動辺との間で延びる2つの面を伴う1つの二面角を有している、請求項1〜4いずれか1項に記載のディスプレイスタンド。
【請求項9】
前記中央枢動辺から形成される二面角の面は、平らである、請求項8に記載のディスプレイスタンド。
【請求項10】
前記中央枢動辺から形成される二面角の面は、拘束状態において湾曲している、請求項8に記載のディスプレイスタンド。
【請求項11】
広げた使用状態において、厚い側壁は、拘束状態で2つの枢動辺間で延びる1つの湾曲面を有しており、当該2つの枢動辺から2つの二面角が形成されている、請求項1〜4いずれか1項に記載のディスプレイスタンド。
【請求項12】
各厚い側壁(16、17、116、117)は、外方側面(28)、内方側面(27)、前面(14)、後面(15)を備えた平行六面体形状である、請求項1〜4いずれか1項に記載のディスプレイスタンド。
【請求項13】
前記支持壁は、床壁(6、106)である、請求項1〜12いずれか1項に記載のディスプレイスタンド。
【請求項14】
天井壁(10、110)が設けられている、請求項13に記載のディスプレイスタンド。
【請求項15】
前記床壁からなる支持壁は、前記側壁(16、17)間に保持された別個のパネル(6)である、請求項13あるいは14に記載のディスプレイスタンド。
【請求項16】
前記支持パネル(6)は、前記厚い側壁(16、17)と係合する複数の先端(33〜36)を備えている、請求項15に記載のディスプレイスタンド。
【請求項17】
前記フラップは、前記厚い側壁(16、17)の内方辺(23、26)に沿って枢動する引っ込み可能なフラップ(271、272)である、請求項1〜16いずれか1項に記載のディスプレイスタンド。
【請求項18】
前記引っ込み可能なフラップ(271, 272)は、戻り手段の作用によって引っ込まれていない保持位置となるように枢動可能に装着されている、請求項17に記載のディスプレイスタンド。
【請求項19】
保持挿入体(39)が、前記コンパートメントを形づくる機能、及び、補強及び力を下方に伝達する力降下機能の一部を提供するようになっている、請求項1〜18いずれか1項に記載のディスプレイスタンド。
【請求項20】
広げられた使用状態において、前記他の折り畳み線(22、119)の下方で延びる保持挿入体(161)は、地面に降下して支持脚部を形成し地面への力の伝達を完結させる壁部(162)を備えている、請求項19に記載のディスプレイスタンド。
【請求項21】
複数の基本コンパートメント(2〜5)が、引っ込み可能枢動保持フラップ(271、272)に当たり、力を下方に伝達する力降下手段を構成する複数の保持挿入体(39)を備え、支持パネル(6〜10)は複数の交差する線(19〜22)の両側において、保持挿入体上に載置されている、請求項3、15、17、19いずれか1項に記載のディスプレイスタンド。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の分野は、一方で優れた搬送及び収納状態を提供し、他方で速やかな現場での設置を提供する利点を備えており、ほぼ自動的に広げることができる折り畳みディスプレイスタンドに関するものである。
【背景技術】
【0002】
折り畳んだ状態からは、スタンドを広げ始めるだけでよく、その後は弾性戻り手段の作用によって自動的に折り畳み状態から広げられる。
【0003】
逆に、スタンドは戻り手段の作用に抗して折り畳まれる。
【0004】
出願人は、このタイプのスタンドを長年に亘り開発してきた。
【0005】
出願人は情報ディスプレイスタンドから始めた。このタイプのディスプレイユニットは、POS(point-of-sale)コミュニケーションや視覚的広告に用いることができ、コラム(column)形状である。このタイプのディスプレイユニットはFR2824946に記載されている。
【0006】
出願人は、次に、広げた状態において、物品をその中に挿入したり、あるいは、物品、当該スタンドから突出ないし突出していない、の回りに当該スタンドをスライドさせたりするように、内部空間が自由になっているディスプレイスタンドを提案した。このようなディスプレイユニットはFR2915305に記載されている。
【0007】
さらに、出願人は、POSコミュニケーションや視覚的広告のための情報支持コラムであって、物品の受け入れも可能なものを、FR2847062に記載されているように提案している。
【0008】
本出願人は、同様の原理に従って作成され、主として物品を支持ないし提示し、付随的に情報提示するように設計されたディスプレイユニットを提案している。これらは以下に述べる通りである。
【0009】
平らな折り畳み状態と、物品を受け入れるように開いた、広げた使用状態との間で変化可能なように関節連結された多面コンパートメントと、広げられて、開いた状態にあるコンパートメントを保持する引っ込み可能手段と、保持手段を引っ込まれていない保持位置に保持するための弾性戻り手段と、を備え、前記弾性手段の作用に抗して前記保持手段を引っ込ませることでコンパートメントを平らにするような物品ディスプレイユニットは、既にWO2005/004677から知られている。
【0010】
多面体は複数の平面を備えた物体であることを思い起こしてほしい。
【0011】
しかしながら、WO2005/004677に示すコンパートメントは、大きな重量を備えた本体や物品を支持することはできない。
【0012】
FR2928528において、出願人は、当該文献に記載されたタイプの基本支持体を提案しており、コンパートメントが、枢動辺を備えた多面スリーブと、少なくとも1つの引っ込み可能な枢動保持壁と、を備え、前記引っ込み可能な枢動保持壁が、天井面と床面との間の補強壁となり、当該補強壁が力降下手段(force descent means)を形成するようになっている。
【0013】
前記保持壁は、引っ込み可能な補強壁である。
【0014】
この状況において、コンパートメントは、天井面上で重量のある物体やいかなる物品、さらには、他の基本支持体、実際に複数の支持体をも支持することができる。
【0015】
換言すると、コンパートメントの広げた開き状態において、天井面と補強壁は地面に対する力降下手段を形成する。
【0016】
しかしながら、このような支持体において、補強及び力降下は、引っ込み可能な枢動保持壁によって提供される。
【0017】
出願人は、本権利範囲を、複数のコンパートメント支持体(compartments-supports)のセットに限定する意図は無いが、本出願において提案された改良は、複数の物品の提示が望まれる場合には、全体において力降下を形成するために、個別の製造に続いて、複数の力降下引っ込み壁を備えた複数のコンパートメントを組み立てる必要があることに起因するものである。複数のコンパートメントの製造及び組み立ては、特に、コンパートメントが比較的剛性を備えたボール紙の使用を必要とするため、コストがかかる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0018】
したがって、出願人は、前記引っ込み可能な枢動・保持・力降下壁を用いることを避けることを模索した。
【課題を解決するための手段】
【0019】
本発明は、物品ディスプレイスタンドに係り、実質的に剛性を備えかつ折り畳み可能な材料からなり、少なくとも1つの支持壁と、2つの側壁と、を備えた多面体コンパートメントであって、平らな折り畳み状態と、前記側壁間で延びる前記支持壁上で物品を受けるための開放し、広げた使用状態と、の間で変化できるように枢結(関節連結)されているコンパートメントと、前記コンパートメントを、開放し、広げた使用状態に保持する手段と、前記支持壁と共に力降下手段を形成する補強手段と、を備え、前記スタンドにおいて、各側壁は、スタンドの広げた使用状態において、枢動辺から延びる2つの面による少なくとも1つの二面角を含む厚い壁であり、各壁は、少なくとも前記枢動辺及び当該枢動辺と交差する他の折り畳み線に沿って折り畳めるように構成されており、前記コンパートメントを広げた状態に保持する手段は、当該スタンドを広げた後に前記枢動辺を補強するように構成されており、前記
コンパートメントを広げた状態に保持する手段が、前記補強及び力降下手段の一部を形成するようになっている。
【0020】
前記支持体が広げられた状態において、前記辺は強化されているため、前記保持手段は、補強及び力降下状態にあるコンパートメント支持体の厚い壁の固定機能(locking function)を提供し、前記保持手段はまた、固定解除機能(unlocking function)も提供する。
【0021】
本発明は幾つかの面において注目に値する。
【0022】
最初、出願人は、FR2928528から出発し、薄い一面の側壁を、複数の面を備えた厚い壁に置き代えることを検討した。次いで、出願人は、コンパートメントの側壁において、原理上、最も十分な補強及び折り畳み力降下手段が提供される厚い壁の中央において、枢動辺に交差する線、すなわち前記支持体の折り畳み面を提案することを考えた。この場合、コンパートメント自体が支持機能を提供する。複数の物品の提示が要望される場合には、もはや複数の別個のコンパートメントを組み立てる必要はない。本発明に係るコンパートメントは、複数の基本コンパートメント支持部を含むユニットを形成するように適切な高さに亘って延ばすことができ、複数のパネル支持体によって区画することができ、当該パネル支持体は、保持機能のかなり大きな部分を提供する。最後に、本出願人は、自身のFR2876261を、完全に自明なアプローチではなく、固定及び固定解除を伴って、支持壁と交差する複数の折り畳み線に沿って複数の保持挿入体を折り曲げるという原理を適用する根拠として用いた。
【0023】
これらの全ての特徴が、本願に係るスタンドが進歩性を伴うことを意味していることは明白である。
【0024】
さらに、辺に交差するがスタンドを弱くしてしまう折り畳み線を備えた本発明の構成は、広げられた使用状態のスタンドにおいて、前記交差する折り畳み線によって弱められた区域を補強するという利点を有している。
【0025】
本発明に係るスタンドの厚い側壁は、単一の二面角を有していてもよい。この場合、広げた使用状態において、二面角を形成する2つの面は平面であってもよく、あるいは、拘束状態で湾曲していてもよい。拘束状態において、前記湾曲面は、2つの側壁の2つの二面角の2つの辺の間で延びている。厚い側壁は、1つの中央辺と2つの枢動辺との間で延びる2つの面を伴う1つの二面角を有していてもよく、前記中央辺から形成される二面角を形成する面は、平面でも、あるいは、拘束状態において湾曲していてもよい。厚い側壁は、拘束状態で、2つの枢動辺間で延びる1つの湾曲面を有していてもよく、当該2つの枢動辺から2つの二面角が形成されている。
【0026】
好ましくは、各側壁は、外方側面、内方側面、前面、後面を備えた平行六面体形状である。
【0027】
拘束された面を備えた厚い壁の場合、保持手段は、前記スタンドが広げられた時に、前記拘束された面が、前記補強及び力降下手段の一部を形成することを保証する。
【0028】
前記支持壁は、コンパートメントの天井壁あるいは床壁であってもよい。前記支持体は、床壁及び天井壁を備え、一方あるいは他方、あるいは、両方が支持壁であってもよい。また、支持壁は、前記側壁間に支持された別体のパネルであってもよい。
【0029】
有利には、前記保持手段は、例えば、戻り手段の作用によって、引っ込まれていない保持位置に枢動するような、前記厚い側壁の内方辺に沿って枢動する引っ込み可能なフラップを備えている。
【0030】
好ましくは、支持コンパートメントは、保持挿入体を備えており、当該保持挿入体は、当該支持体の形づくり手段を構成し、また、前記他の交差する折り畳み線の下方に延びて地面上に載る力降下手段の地面に載る脚部を形成する壁部分を備えており、前記補強及び力降下手段の部分を構成している。
【0031】
複数の保持挿入体を備えた複数の基本コンパートメント支持部のセットがある場合に、前記保持挿入体は、力伝達・移動挿入体でもあり、引っ込み可能な枢動保持フラップの上に載ってもよく、当該挿入体上には、複数の交差する折り畳み線の両側に位置して支持パネルが載ってもよい。
【0032】
本発明に係るディスプレイスタンドの幾つかの実施形態について対応する添付図面を参照した以下の記述によって、本発明はより良く理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【
図1】
図1は、物品ディスプレイスタンドの第1の実施形態の正面図であり、当該スタンドは、各々2つのパネルを備えた複数の基本コンパートメント支持部(elementary compartments-supports)の組に区画されている。
【
図4】
図4は、
図1に示すスタンドと殆ど同一であるが、各基本コンパートメント支持部について1つのパネルのみを備えているスタンドを上方から見た斜視図である。
【
図5】
図5は、ブランク(素材板)の平面図であり、当該ブランクから
図1に示すスタンドが形成される。
【
図7】
図7は、
図1に示すスタンドの斜視図であり、折り畳む途中(あるいは広げる途中)を示す。
【
図8】
図8は、
図1に示すスタンドの斜視図であり、折り畳む途中、すなわち、運搬及び収納のために平らに折り畳む途中を示す。
【
図9】
図9は、2つのパネルを備えた基本コンパートメント支持部の分解図である。
【
図10】
図10は、
図9に示す基本コンパートメント支持部を上方から見た斜視図である。
【
図11】
図11は、本発明に係るスタンドの第2かつ特有の実施形態の斜視図であり、当該スタンドは湾曲状の複数の面を備えている。
【
図12】
図12は、本発明に係るスタンドの第3の実施形態の斜視図であり、当該スタンドもまた他のスタンドと異なり、三角形状の断面形状を有している。
【発明を実施するための形態】
【0034】
図1〜
図8を参照すると、物品ディスプレイコラムは、大きな多面体のボックスないしコンパートメント1を有し、当該ボックスは、複数の基本コンパートメント支持部のセット、この場合では、パネル6〜9及びパネル10〜13の複数の4枚のパネルセットにより、参照番号2〜5で示す4つに区画されており、開いた、かつ、使用時の広げた状態において、パネル6〜9は、コンパートメント1の物品支持床壁であり、パネル10〜13は、コンパートメント1の保持天井パネルである。実際、支持パネル6〜9もまた、開放及び使用時の開いた状態にあるコラムを保持することを助ける。さらに、全てのパネル6〜13は、また、補強及び力降下手段(bracing and force descent means)を形成する。
【0035】
一般的な視点において、各基本コンパートメントは、床パネル6〜9と天井パネル10〜13との間で縦方向に延びている。ボックス1は全体として、前面14、後面15、2つの厚い側壁16、17を備えている。コラム1は、ボール紙のような、実質的に剛性を備えているが折り曲げ可能な材料から作られたブランク18(
図5)から形成される。
【0036】
広げた状態において、コラム1は、4つの水平面内にある4本の折り畳み線19〜22、この場合、互いから等距離のペアとなっている、を備えている。
【0037】
開かれ、広げられた使用状態において、各多面体基本コンパートメントは、2つの厚い側壁16、17間で、当該基本コンパートメントの支持パネル6〜9上に物品を受け入れることができる。
【0038】
各厚い側壁16、17は、本実施例では平行六面体形状であり、枢動辺である4つの辺23〜26から延びる4つの二面角を有しており、すなわち、内方前辺23、外方前辺24、外方後辺25、内方後辺26(
図4)のそれぞれから以下の面が延びる。
−前面14、及び、内方側面27、この場合、後に明らかになるように、内方側面27は、引っ込み可能保持フラップから形成される、
−前面14、及び、外方側面28、
−外方側面28、及び、後面15、
−後面15、及び、内方側面27。
【0039】
パネル6〜13、本実施例では全て同一であるとみなすことができる、はブランク(素材板)18よりも剛性の大きい材料から形成されており、ここでは、全く折ることができない比較的厚いボール紙からなる。
【0040】
図4に示すスタンドの実施形態1は、支持パネル6〜9のみを備え、保持天井パネル10〜13が無い点においてのみ、
図1に示す実施形態と異なる。
【0041】
各パネル6は、側壁16、17の幅に対応する短辺29、30と、前面14、後面15の幅に対応する長辺31、32とからなる概ね方形を備えている。
【0042】
より具体的には、短辺29、30は前記側壁の幅よりはわずかに大きく、長辺31、32は前記前面及び前記後面の幅よりもわずかに小さく、4つの角において、曲面状の外側縁と、コラムの側壁に係合するための内側の二面角と、を備えた4つの突出端33〜36を提供するようになっている。
【0043】
スタンドを広げた状態において、前記パネルは、前記コラムを形作るのを助け、当該パネルは、少しの力を用いるだけで適正に位置させることができ、前記コラムを広げた状態に維持し、ある程度のストレスを側壁に与え、これら全てが補強及び力降下機能を実現する。
【0044】
他の実施形態では、パネルは、係合先端間において、直線では無く、外側に膨出する湾曲中央部位を備える小さな辺を有するようにして、引っ込み可能枢動フラップを、これらに遊びがある時に、厚い側壁の同じ内方側面に対して効率的に押し込むようにしてもよい。
【0045】
コラム1、1´の厚い側壁の内方側面27は、内方前辺23及び内方後辺26に対して枢動可能に装着された引っ込み可能枢動フラップ27
1、27
2のペアによって形成されている。各フラップ27は、厚い側壁16、17間で、基本多面体コンパートメント2〜5の内方平行六面体状の開口37の高さに亘って延びている。各フラップ27は、当該フラップの枢動辺とは反対側に自由縁38を有しており、ここでは凹凸状に形成されており、同じ内方面の2つのフラップ27のそれぞれの2つの自由縁38は、当該内方面の中央部位において当該内方面を閉鎖するように一体に嵌め合うことで協働することができる。したがって、2つの自由縁は、どちらかというと、ほぞとほぞ穴のように協働する。
【0046】
支持コラムの開き位置において、フラップは引っ込まれていない。コラムを折り畳むためには、先ず前記フラップを、対応する枢動辺に沿って枢動させることによって引っ込ませる必要がある。
【0047】
フラップを、当業者において十分に入手可能な方式において、固定された、すなわち、小穴を通る弾性要素からなる手段によって、引っ込まれていない使用位置に戻すことは有用であろう。
【0048】
フラップは、当該フラップが引っ込まれておらず、前面14、後面15の面に折り畳まれていない時には、コラムが平らに折り畳まれることを防止するので、支持コラムを所定位置に保持する手段となっている。フラップはまた、厚い側壁を固定し、また、固定解除する手段でもある。
【0049】
最後に、フラップ27は、また、支持パネル6〜9に載っている(
図4)、あるいは、支持パネル6〜9及び天井保持パネル10〜13との間に延在しているので、力降下の伝達を助ける。
【0050】
本発明に係る支持コラムにおいて、特別な場合において、保持挿入体39を設けてもよい。保持挿入体はブランク18と同様の材料から切り出された帯片であり、コラムを所定形状に保持すると共に使用時の断面形状、この場合は方形、を維持する。より具体的には、コラムを開く時、挿入体39は、2つの厚い側壁16、17それぞれの対向する外方の枢動辺24、25が、これらの辺によって形成された二面角に当該挿入体が当ることで、互いに接近することを防止する。
【0051】
図9により明瞭に示す挿入体39は、2つの横方向の横片41、42を備えた帯片スト40から形成されており、横片41、42は帯片40の2つの両端部において帯片40に対して直角状に延びており、横片41、42はそれぞれT字の水平バーに似ており、帯片40は2つの横片の中央区域を連結している。2つの横片は対向する外方枢動辺24、25に対抗して支持されている。横片41、42の良好な支持を確保するために、横片41、42の中央外側部位43は、この場合、2つの外側支持区域44、45のみを呈するように、僅かに外広がりとなっている。
【0052】
挿入体39は、形づくり及び保持要素であり、また、補強及び力降下要素である。帯片40の幅は、スタンドを広げた状態において、パネル6〜9が前記挿入体に当たるような寸法となっている。
【0053】
天井パネル10〜13が用いられる場合には、挿入体39はそれにも当り、したがって、補強及び力降下機能の実行を補助する。
【0054】
図4、5、9、10に示すように、挿入体39を、一方の側壁の外方側面28の前面14、他方の側壁の外方側面28、の細幅の下方フラップ47〜50に配置された、小穴で終端する切れ込み46に保持された弾性戻り要素によって保持されるようにすることもでき(
図5)、前記弾性戻り要素は、横片41、42の支持区域44、45を形成する部分のまわりを通る。
【0055】
各基本コンパートメントにおいて、弾性戻り要素のための複数の保持フラップがあることが認められる。全てのフラップは、これらの端部、例えば、51、52(
図5)、具体的には、保持切れ込みが配置される区域において、角がそがれて面取りされており、コラムを平らに折り畳めるようになっている。
【0056】
本発明に係る支持コラムの幾つかの構成要素を説明したが、支持コラムを広げることによる組立て及び再折り畳みについて説明する。
【0057】
コラムは折り畳み線19〜22に沿って折り畳まれるので、折り畳み状態から広げることが可能である(
図8)。挿入体39からなる弾性保持要素が、2つの厚い側壁16、17(
図7)の対向する枢動辺24、25が共に接近するように速やかに移動させる。次いで、側壁16、17が厚くなり始めると、フラップの自由縁38同士が係合する前に、当該フラップを人手であるいは戻りスプリングの作用によって枢動させることにより、コラムの形作りがフラップ27を用いて完成される。そして、コラムは、支持パネル6〜9及び可能性があるものとして天井パネル10〜13、を所定位置に位置させることによって使用状態で固定される。
【0058】
再折り畳み段階は、前記パネルを取り外し、前記フラップを引っ込ませ、前記コラムを平らにすること、換言すると、2つの側壁の対向する枢動辺を離間させるように移動させること、そして、コラムを折り畳み線19〜22に沿って再度折り畳むことによって、逆の動作によって実行される。
【0059】
広げる段階/再折り畳み段階を通して、コラムは、2つの側壁16、17の4つの辺23〜26周りに枢動される。
【0060】
図9、
図10を参照すると、単一の多面体コンパートメント102からなるコラムは、2つの厚い側壁116、117の対向する2つの枢動辺124、125を通る、コラムの対角面に対して対称状の2枚のブランク52、53から生成され、当該2つの組み合わさったブランク52、53は、
図5のブランク18に対応している。
【0061】
ここでまた、フラップ147〜150は、前面114、後面115、2つの側面128上で枢動している。
【0062】
ここでまた、保持挿入体39と共に、フラップ127、支持パネル106、上方パネル110が存在している。
【0063】
コンパートメント102は、外方の枢動辺124、125と交差する折り畳み線119に沿って折り畳み可能である。
【0064】
前面114、後面115及び側壁116、117の部分は、折り畳み線119の下方に延びており、力降下要素(挿入体39、天井パネル110、フラップ127、側壁116、117、支持パネル106)の連続のための地面上の支持脚部160を形成している。
【0065】
支持脚部160において、挿入体39と同じ原理で働く第2の挿入体161が配置されている。しかしながら、挿入体161は、地面に降下しており、力を地面に伝達することを保証している点において異なる。したがって、当該挿入体は帯片40を有しておらず、地面上の支持壁162を備えている。他の点において、挿入体39と挿入体161は同一である。
【0066】
図11、
図12に示す実施形態は、前記厚い側壁が平行六面体で無い点において上記実施形態と異なる。
【0067】
図11に示す実施形態において、各厚い側壁216、217は、保持挿入体からなる弾性保持手段により拘束された状態で保持された2つの湾曲面214、215を備えた単一の二面角のみを備えており、前記拘束された状態は上記従来のコラムと同様である。2つの二面角が、2つの枢動辺224、225から形成されており、枢動辺224、225上には、2つの面、前面214及び後面215が枢動している。その他の全ての点において、
図11に示すコラムは、
図1〜5に示すコラムと同様の特徴を備えている。
【0068】
図12に示す実施形態では、2つの厚い側壁316、317の一方の側壁316は単一の二面角を備えており、他方の側壁317は、共通の外方側面328を伴う2つの枢動辺324、325から形成される二面角を備えている。前面314、後面315の2つの平面は、1つの二面角を備えた側壁316の単一の辺326において枢動しており、また、枢動辺324、325によって形成される他方の壁317の2つの二面角で完結している。他の観点において、
図11、
図12の2つのコラムは同一の特徴を有している。