(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5759546
(24)【登録日】2015年6月12日
(45)【発行日】2015年8月5日
(54)【発明の名称】遠心分離機ボウル用発泡体成形シェル、遠心分離機ボウル、遠心分離機のボウルを包む熱絶縁体を造る方法、および遠心分離機
(51)【国際特許分類】
B04B 7/08 20060101AFI20150716BHJP
B04B 15/02 20060101ALI20150716BHJP
【FI】
B04B7/08
B04B15/02
【請求項の数】16
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2013-521020(P2013-521020)
(86)(22)【出願日】2011年9月1日
(65)【公表番号】特表2013-538673(P2013-538673A)
(43)【公表日】2013年10月17日
(86)【国際出願番号】EP2011004409
(87)【国際公開番号】WO2012028320
(87)【国際公開日】20120308
【審査請求日】2013年1月23日
(31)【優先権主張番号】102010036106.2
(32)【優先日】2010年9月1日
(33)【優先権主張国】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】591121683
【氏名又は名称】エッペンドルフ アクチエンゲゼルシャフト
【氏名又は名称原語表記】Eppendorf AG
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】特許業務法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ゴルニツ,ロベルト
(72)【発明者】
【氏名】コーン,ハインツ−ゲルハルト
(72)【発明者】
【氏名】ネールディヒ,トーマス
【審査官】
原 賢一
(56)【参考文献】
【文献】
特開2005−230744(JP,A)
【文献】
実公昭43−019415(JP,Y1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B04B 1/00−15/12
G01N 1/10
B29C 39/00−39/44
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
遠心分離機のボウル(2)用の発泡体成形シェル(3;31)であって、ベース(11)、壁部分(10)、および前記ボウル(2)を受けるために前記ベース(11)に対向して配置された開口部を含み、前記発泡体成形シェル(3;31)と前記ボウル(2)との間の隙間が発泡体で充填可能なように、前記発泡体成形シェル(3;31)および前記ボウル(2)のシールが与えられるように構成された表面と、発泡されるべき材料のための入口とを第2の型半分(20)が含み、前記発泡体成形シェル(3;31)は前記ボウル(2)を包む発泡体のための使い捨てのツールであって前記遠心分離機ボウル(1;30)を形成する発泡体包囲されたボウル(2)に留まり、
前記発泡体成形シェル(3;31)に前記発泡体成形シェル(3;31)を遠心分離機ハウジング(40)に接続する装着要素(6、7;33、42)が設けられ、
前記装着要素は、前記発泡体成形シェル(3;31)から突出した支柱としておよび/
または前記遠心分離機ハウジング中の前記発泡体成形シェル(3)の配置のために設けられた中間板(5)の留め具(6、7)として構成され、
前記中間板(5)は前記発泡体成形シェル(3;31)の肩部(7)に支持される、発泡体成形シェル。
【請求項2】
遠心分離機モータのシャフトを受けるために発泡体成形シェル(3;31)の前記ベース(11)に切抜(12)が設けられている、請求項1に記載の発泡体成形シェル。
【請求項3】
前記支柱(33)は中空を備えて構成されている、請求項1または2に記載の発泡体成形シェル。
【請求項4】
前記発泡体成形シェル(3;31)はプラスチック材料から形成されている、請求項1から3のいずれかに記載の発泡体成形シェル。
【請求項5】
前記発泡体成形シェル(3;31)は熱可塑性プラスチック材料から形成されている、請求項4に記載の発泡体成形シェル。
【請求項6】
ボウル(2)および前記ボウル(2)のための熱絶縁体(4;32)を備える遠心分離機用の遠心分離機ボウル(1;31)であって、前記遠心分離機ボウル(1;31)は請求項1から5のいずれかに記載の発泡体成形シェル(3;31)を含み、熱絶縁体(4;32)が前記ボウル(2)と前記発泡体成形シェル(3;31)の間に配置され、
熱絶縁体(4;32)は前記発泡体により形成される、遠心分離機ボウル。
【請求項7】
前記発泡体成形シェル(3;31)は前記遠心分離機モータのシャフトを支持するために少なくとも一つの支持要素を前記切抜(12)内に含んでいる、請求項2に従属する請求項6に記載の遠心分離機ボウル。
【請求項8】
前記支持要素は前記ボウル(2)中の支持開口(13)および前記切抜(12)に延在し、および前記支持要素はゴムジャケット(8)である、請求項7に記載の遠心分離機ボウル。
【請求項9】
前記遠心分離機ボウル(1)は遠心分離機ハウジング内に前記遠心分離機ボウル(1)を配置するための中間板(5)を含み、前記中間板は前記発泡体成形シェル(3)に取付けられ、
前記中間板(5)は前記発泡体成形シェル(3;31)の肩部(7)に支持される、請求項6から8のいずれかに記載の遠心分離機ボウル。
【請求項10】
遠心分離機のボウル(2)を包む熱絶縁体(4)を造る方法であって、
上部ボウル開口を備えたボウル(2)を下部発泡体型(20)上に配置し、
前記ボウル(2)が前記下部発泡体型(20)と上部発泡体型(3)との間に配置されるように前記下部発泡体型(20)上に前記上部発泡体型(3)を配置し、
熱絶縁材料で前記ボウル(2)を発泡体包囲し、
前記発泡体包囲されたボウル(2)から前記下部発泡体型(20)を分離することを含み、
前記上部発泡体型は、遠心分離機ボウル(1)を形成する前記ボウル(2)の発泡体包囲後に前記熱絶縁体(4)から分離されない使い捨てツール(3)として構成され、
前記上部発泡体型(3)に前記上部発泡体型(3)を遠心分離機ハウジング(40)に接続する装着要素(6、7;33、42)が設けられ、
前記装着要素は、前記上部発泡体型(3)から突出した支柱としておよび/または前記
遠心分離機ハウジング中の前記上部発泡体型(3)の配置のために設けられた中間板(5)の留め具(6、7)として構成され、
前記中間板(5)は前記上部発泡体型(3)の肩部(7)に支持される、方法。
【請求項11】
発泡体で充填される前記上部発泡体型(3)の一部分は剥離剤が与えられない、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
遠心分離機ハウジング(40)、ロータ、前記ロータを駆動する遠心分離機モータ、および内部で前記ロータが回転するボウル(2)を含む遠心分離機であって、請求項6から9のいずれかに記載の遠心分離機ボウル(1;30)が設けられており、前記発泡体成形シェル(31)は前記発泡体成形シェル(31)を遠心分離機ハウジング(40)に配置するための支柱(33)を含む、遠心分離機。
【請求項13】
前記熱絶縁材料はポリウレタンを含む、請求項10に記載の方法。
【請求項14】
前記遠心分離機は実験室遠心分離機である、請求項12に記載の遠心分離機。
【請求項15】
前記発泡体成形シェル(31)は前記遠心分離機ハウジング内に前記支柱(33)を含む、請求項12に記載の遠心分離機。
【請求項16】
緩衝要素が前記支柱と前記遠心分離機ハウジングとの間に配置されている、請求項12に記載の遠心分離機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は
、発泡体成形シェル、遠心分離機ボウル、遠心分離機のボウルを包む熱絶縁体を造る方法、および遠心分離機に関する。
【背景技術】
【0002】
遠心分離機特に実験室の遠心分離機においては、遠心分離されるべき材料は加熱または冷却を介して温度制御されなければならず、そのために特に遠心分離機のボウルは熱絶縁体で包まれるのが前提である。典型的にはボウルは能動温度制御要素例えば巻き管によって包まれ、次にこれが熱絶縁体で包まれる。
【0003】
図1aと1bに図解されている先行技術の製造方法によれば、ボウル50が下部発泡体型上に置かれ、典型的には中間の板52がその上に置かれ、その中間の板はボウルで発泡されたものを遠心分離機ハウジング(図示せず)内に取付けるために用いられ、その上に上部発泡体型53が配置される。続いて、発泡体成分が注入されるが、発泡体部分が接することになる下部発泡体型51と上部発泡体型53の部分は、発泡体成分が注入される前に剥離剤でコートされる。発泡体枠54の硬化とツール51、53の開放の後に、発泡体被覆されたボウル50で形成された遠心分離機ボウル55が取り除かれ得る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
この製造プロセスの不利益は、剥離剤の適用を介するツール51、53の複雑な準備と、その後に発泡体の残滓および汚染された剥離剤残滓からツールを浄化する複雑な作業が必要とされることである。
【0005】
したがって、本発明の目的は熱絶縁されたボウルを備えた遠心分離機ボウルを造る方法を提供することであり、この方法は複雑性が少なくかつよりコスト効率的である。
【0006】
また、遠心分離機ボウルを造るための適切なツールも提供され、遠心分離機ボウルと遠心分離機が提供され、その製造は複雑性が少なくてコスト効率的である。
【0007】
その目的は
、発泡体成形シェル、遠心分離機ボウル、遠心分離機のボウルを包む熱絶縁体を造る方法、および遠心分離機によって達成される
。
【課題を解決するための手段】
【0008】
遠心分離機のボウルのための本発明による発泡体成形シェルは、ベース、壁部分、およびボウルを受けるためにベースに対向して配置された開口部を含み、この開口は発泡体成形シェルとボウルとの間の隙間が発泡体で充填され得るように第2の型半分と相互作用するよう構成されており、発泡体成形シェルは発泡体でボウルを包むための使い捨てツールとして使用可能であって、遠心分離機ボウルを形成するための発泡体包囲されたボウルに留まる。有利には、遠心分離機モータの駆動シャフトのために、発泡体成形シェルのベースに切抜が設けられ得る。
【0009】
このことは、遠心分離機ボウルを造るときに、発泡体包囲する間に使用される発泡体成形シェルに剥離剤を与える必要がなく、その後の作業がなされる必要もないことを意味する。なせならば、発泡体成形シェルは、ボウルの発泡体に留まるからである。
【0010】
また、発泡させるツールは複雑性が遥かに少なく、その結果としてより小さなツール寸法が達成される。
【0011】
さらに、発泡形成ツールの操作が顕著に単純化される。顕著な剥離剤の低減に加えて、製造時間も顕著に低減され、すなわち従来の製造方法に対して25%までだけ低減され得る。
【0012】
有利な実施例では、遠心分離機ハウジング内に発泡体成形シェルを配置するために、装着要素が発泡体成形シェルに与えられ、好ましくは装着要素は発泡体成形シェルから突出する支柱としておよび/または遠心分離機ハウジング内に発泡体成形シェルを配置するように中間板に取付つくように構成されている。これらの装着要素によって、発泡プロセスがさらに単純化される。なぜならば、中間板または類似物のような装着要素が発泡体内へ一体的に造りこまれる必要がなく、これらの要素は直接的に発泡体成形シェルに配置されるからである。
【0013】
有利な実施例において、支柱が中空で特には窪みを備えて構成され、それによって発泡体成形シェルは軽くてコスト効率的である。したがってまた、支柱は同時に発泡プロセスのための通気口として使用され得る。
【0014】
発泡体成形シェルがプラスチック材料、好ましくは熱可塑性材料、特にはアクリルニトリル・ブタジエン・スチロールまたはリサイクルされたアクリルニトリル・ブタジエン・スチロール(ABS)から形成されるときが特に有利である。特にリサイクルされたアクリルニトリル・ブタジエン・スチロール(ABS)を用いることは、特別の品質要件が存在しないので、問題としている複雑性が非常に低いという有利性を有している。また、この材料は如何なる色でも使用され得る。なぜならば、発泡体成形シェルは遠心分離機ハウジング内部に配置されて見えないからである。このことは、発泡体成形シェルに関する非常にコスト効率的な製造を促進させる。
【0015】
ボウルとそのボウル自体のための熱絶縁体および/またはボウルを包む調温要素を備える遠心分離機のための遠心分離機ボウルに関して独立の特許保護が求められ、その遠心分離機ボウルは本発明による発泡体成形シェルを含み、熱絶縁体はボウルと発泡体成形シェルとの間に配置される。このタイプの遠心分離機ボウルは、例えば遠心分離機のための付属品または予備部品として使用され得る。
【0016】
有利なことに、発泡体成形シェルは切抜中に少なくとも一つのベアリング要素を含み、これは好ましくは遠心分離機モータのシャフトを支持するためのゴムジャケットであり、その支持要素は特にボウル内の支持開口部および切抜にわたって延在している。この指示要素は、遠心分離機モータの振動を有利に緩和させる。これと同時にまた、支持要素は、ボウル内に導入される液体および類似物に対して遠心分離機モータおよび遠心分離機の内部のための保護としても使用され得る。
【0017】
有利には、遠心分離機ボウルは遠心分離機ハウジング中に遠心分離機ボウルを配置するための中間板を含み、この中間板は発泡体成形シェルに取付けられる。すなわち、遠心分離機ボウルは非常に安定した態様で遠心分離機ハウジングに取付けられ得る。しかし、代替的にまたは付加的に、遠心分離機ボウルの発泡体成形シェルに支柱が設けられてもよく、これらの支柱は例えばボルトと一緒に遠心分離機ハウジングに接続され得る。このことはまた、遠心分離機ハウジング内で遠心分離機ボウルの非常に強固な取付けを提供する。
【0018】
さらに、遠心分離機のボウルを包む絶縁体を造る方法に関して独立の保護が求められ、その方法は、
上部ボウル開口を備えたボウルを下部発泡型上に配置し;
下部と上部の発泡型の間にボウルが配置されるように下部発泡型上に上部発泡型を配置し;
好ましくはポリウレタン(PUR)を含む熱絶縁材料でボウルを発泡体包みし;
発泡体包みされたボウルから下部発泡体型を分離することを含み、
上部発泡体型はボウルを発泡体包みした後に熱絶縁体から分離されない使い捨てツールとして構成されており、それは遠心分離機ボウルを形成し、上部発泡型は好ましくは本発明による発泡体成形シェルとして構成されている。
【0019】
上述のように、この方法は製造時間の顕著な低減を促進し、遠心分離機のための非常に経済的な製造方法となる。
【0020】
特に好ましい態様において、発泡体で充填される上部発泡体型の部分は剥離剤が与えられない。すなわち、剥離剤の使用が顕著に低減され得て、さらに熱絶縁体と発泡体成形シェルとの間の強固な相互接続が提供される。
【0021】
遠心分離機特に実験室の遠心分離機に関しても独立の特許保護が求められ、それは遠心分離機ハウジング、ロータ、そのロータを駆動するための遠心分離機モータ、および内部でロータが回転するボウルを含み、このボウルは本発明による遠心分離機ボウルとして設けられる。有利には、発泡体成形シェルは遠心分離機ハウジング内で発泡体成形シェルを配置するための支柱を含み、特には遠心分離機ハウジング上の支柱間に緩衝要素が設けられる。
【0022】
本発明および付加的な有利性の特徴が、ここで図面を参照する好ましい実施例の記述を参照して述べられる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図1a】先行技術の遠心分離機ボウルを示す図である。
【
図1b】
図1aによる遠心分離機ボウルを造る方法の図である。
【
図2a】本発明による遠心分離機ボウルの第1の好ましい実施例の図である。
【
図2b】本発明による遠心分離機ボウルの第1の好ましい実施例の図である。
【
図2c】本発明による遠心分離機ボウルの第1の好ましい実施例の図である。
【
図3】
図2aと2bによる遠心分離機ボウルを造るための本発明による方法の図である。
【
図4a】本発明による遠心分離機ボウルの第2の好ましい実施例の図である。
【
図4b】本発明による遠心分離機ボウルの第2の好ましい実施例の図である。
【
図5】遠心分離機ハウジングの部分内に配置された
図4aおよび4bによる遠心分離機ボウルの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
図2aから2cは第1の好ましい実施例における遠心分離機ボウル1を図解しており、
図2aは上からの斜視図で、
図2bは下からの斜視図であり、そして
図2cは側面図である。
【0025】
遠心分離機ボウル1は、ボウル2、発泡体成形シェル3、熱絶縁体4、および中間板5を含んでいる。さらに、中間板5はねじ接続6を介して発泡体成形シェル3に固定されていることが見られる。同時に、中間板5は発泡体成形シェル3の外径に概略対応する内径を含み、中間板5は発泡体成形シェル3の突出部7において支持されている。
【0026】
さらに、遠心分離機モータ(図示せず)のシャフトを支持するためのゴムジャケット8が設けられている。発泡体成形シェル3は、開口部9、壁部分10およびベース11を含んでいる。ゴムジャケット8は、発泡体成形シェル3のベース11中の切抜12およびボウル2中の開口部13にわたって延在している。
【0027】
図3は、本発明によって遠心分離機ボウル1を形成するためにボウル2を発泡体包みする方法を模式的に図解している。その目的のために、単に模式的に図示された下部発泡体型20上にボウル2が置かれ、下部発泡体型20と発泡体成形シェル3との間にボウル2が配置されるように発泡体成形シェル3が下部発泡体20上に置かれる。有利には、正確な整列のために、下部発泡体型20内に複数の溝または類似物が設けられ、ボウル2と発泡体成形シェル3とがそれぞれ調節される。
【0028】
中間板5は、肩部7上にそれを置いて、ねじ接続6でそれを固定することによって、予め発泡体成形シェル3に取付けられる。
【0029】
下部発泡体型20は、発泡体成形シェル3およびボウル2のシールが与えられるように構成された表面を含んでいる。また、下部発泡体型20は発泡されるべき材料(図示せず)のための入口を含み、この入口はボウル2と発泡体成形シェル3の壁部分との間の部分に配置される。このことは、発泡されるべき材料がボウル2と発泡体成形シェル3との間の隙間内のみに入り得ることを提供する。
【0030】
よりよいシールのために、下部発泡体型20と発泡体成形シェル3が互いにプレスされるということが提供され得る。代替的または付加的に、活性化し得るシール要素例えば膨らませ得るゴムシールおよび類似物が下部発泡体型20と発泡体成形シェル3との間に設けられ得て、これは非常に精密なシールを促進させる。
【0031】
発泡体成形シェル3は、材料が発泡させられるときにボウル2と発泡体成形シェル3との間の中間部分から空気が出ることができる通気口21を含む。
【0032】
典型的には、発泡プロセスは、発泡した材料で通気口21が完全に充填された時に完了する。このとき、発泡した材料の硬化中の収縮を補償するために十分な材料の蓄えが存在している。
【0033】
図4aと4bは、発泡体成形シェル31を備えた本発明による遠心分離機ボウル30の第2の好ましい実施例を二つの斜視図で図解している。今回は、遠心分離機ボウル30がボウル2を含んでおり、熱絶縁材料32がボウル2と発泡体成形シェル31との間で発泡させられている。
【0034】
第1の好ましい実施例による遠心分離機ボウル1と異なって、遠心分離機ボウル30は中間板5も突出物7も含んでいない。しかしその代わりに、内側が中空である支柱33が設けられており、これらは同時に発泡方法のための通気口としても使用される。
【0035】
最後に
図5は、遠心分離機ボウル30と詳細には図解されていない遠心分離機ハウジングのベース40との間の接続の斜視図を示している。支柱33がそれぞれ対応する受け部41内に挿入されることが図解されている。遠心分離機ボウル30上には遠心分離機ハウジングの上部カバー(図示せず)が取付け要素42を介して取付けられ、次にカバーは可能なように中間要素を介して遠心分離機ハウジングの下部ベース40に接続される。すなわち、遠心分離機ボウルは受け部41に対して垂直方向の動きに対しても固定される。
【0036】
代替的に、支柱33は受け部41内への接着またはねじ接続が与えられてもよく、支柱33の底部開口は例えばねじ接続のためのそれぞれの受け部を含み得る。
【0037】
本発明は実質的な利益を生じることが明らかである。一方において、本発明による発泡体成形シェル3、31は使い捨てツールであって、さらなる発泡包みプロセスのために剥離剤が与えられる必要がない。なぜならば、それは、本発明によって遠心分離機ボウル1、30を発泡させて一緒に成形した後に、熱絶縁体4、32から除去されないからである。他方において、そうでなければ発泡体残滓または汚染された剥離剤を除去するために要するであろう使い捨てツール3、31のどのような仕上げも省略され得る。
【0038】
全体として、このことは、
図1aおよび1bによる従来の方法に対して25%までだけ製造時間を低減する助けとなる。また、全体的剥離剤要件が、顕著に低減される。なぜならば、剥離剤は熱絶縁体4、32と比較的少ない接触を有する下部発泡体型20のために必要とされるだけだからである。
【0039】
さらに、使い捨てツールを使用することは、発泡させるツールの複雑性を顕著に低減させることを助ける。なぜならば、使い捨てツール3、31は遠心分離機ボウル1、30の一部であり、したがって変形プロセスが考慮される必要がない。さらに、使い捨てツール3、31は顕著に小さなツール寸法の実現を可能にし、発泡させるツールの操作が顕著に単純化され、そして製造プロセスが顕著にコスト効率的となる。
【0040】
熱可塑性プラスチック材料例えば(ABS)またはリサイクルされた(ABS)を使用することは、さらにコストを低減させる助けとなる。なぜならば、発泡体成形シェル3、31が非常にコスト効率的に製造され得て、原則的に如何なる品質および色のものも使用され得るからである。
【0041】
付加的な支柱33が発泡体成形シェル30に適用されるとき、発泡させるツールとしての使い捨てツールが支持と残留の機能と有利に組合されて、支柱33が取付けのためとともに製造プロセス中の通気のためにも使用される。代替的に、支柱33とは独立に、個別の通気口が設けられてもよい。
【0042】
また、これに関して、発泡体成形シェル3、31のその後の浄化工程を省略することによって、環境を害し得る洗浄剤が不要になることも理解される。
【0043】
さらに、例えば支持ニップルのような付加的な取付け装置(図示せず)が取付け要素6、33、42に加えて配置されてもよく、そのような取付け要素は遠心分離機の運転に必要な電力供給ケーブル、情報ケーブルなど(図示せず)を配置するために遠心分離機ハウジング内に遠心分離機ボウル1、30を取付けるために使用される。
【0044】
したがって全体として、本発明は非常に明らかに製造の複雑性を低減させ、熱絶縁されたボウル2を備える遠心分離機ボウル1、30の製造コストを低減させることが理解される。