(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5759550
(24)【登録日】2015年6月12日
(45)【発行日】2015年8月5日
(54)【発明の名称】置換金属ゲートを有するトランジスタ及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
H01L 21/336 20060101AFI20150716BHJP
H01L 29/78 20060101ALI20150716BHJP
H01L 21/8238 20060101ALI20150716BHJP
H01L 27/092 20060101ALI20150716BHJP
H01L 21/8234 20060101ALI20150716BHJP
H01L 27/088 20060101ALI20150716BHJP
H01L 29/423 20060101ALI20150716BHJP
H01L 29/49 20060101ALI20150716BHJP
H01L 21/28 20060101ALI20150716BHJP
【FI】
H01L29/78 301G
H01L27/08 321D
H01L27/08 102C
H01L29/58 G
H01L21/28 A
【請求項の数】8
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2013-527530(P2013-527530)
(86)(22)【出願日】2011年8月18日
(65)【公表番号】特表2013-541196(P2013-541196A)
(43)【公表日】2013年11月7日
(86)【国際出願番号】EP2011064240
(87)【国際公開番号】WO2012031869
(87)【国際公開日】20120315
【審査請求日】2014年4月11日
(31)【優先権主張番号】12/880,085
(32)【優先日】2010年9月11日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】390009531
【氏名又は名称】インターナショナル・ビジネス・マシーンズ・コーポレーション
【氏名又は名称原語表記】INTERNATIONAL BUSINESS MACHINES CORPORATION
(74)【代理人】
【識別番号】100108501
【弁理士】
【氏名又は名称】上野 剛史
(74)【代理人】
【識別番号】100112690
【弁理士】
【氏名又は名称】太佐 種一
(72)【発明者】
【氏名】ウォン、キース、クォン、ホン
(72)【発明者】
【氏名】グオ、デチャオ
【審査官】
市川 武宜
(56)【参考文献】
【文献】
特開2010−171137(JP,A)
【文献】
特開2010−161308(JP,A)
【文献】
特開2009−164207(JP,A)
【文献】
特開2008−306051(JP,A)
【文献】
特開2007−329237(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/336
H01L 21/28
H01L 21/8234
H01L 21/8238
H01L 27/088
H01L 27/092
H01L 29/423
H01L 29/49
H01L 29/78
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
トランジスタを製造する方法であって、
基板のp−ドープ領域の上に第1のポリシリコン・ゲート及び前記基板のn−ドープ領域の上に第2のポリシリコン・ゲートを有する前記基板の上にマスク層を形成することと、
前記基板のp−ドープ領域の上の前記第1のポリシリコン・ゲートを除去して、前記p−ドープ領域が前記マスク層内で孔を通して露出されるようにすることと、
前記基板のn−ドープ領域の上の前記第2のポリシリコン・ゲートを除去して、前記n−ドープ領域が前記マスク層内で孔を通して露出されるようにすることと、
前記マスク層内で前記n−ドープ領域を露出させる前記孔を第1の一時層で覆うことと、
前記マスク層内で前記n−ドープ領域を露出させる前記孔を前記第1の一時層で覆う間、前記マスク層の上面及び側面上、及び、前記孔を通して露出される前記p−ドープ領域の上面上に第1の界面層を堆積させ、前記第1の界面層上に、前記トランジスタの閾値電圧の低減及び前記トランジスタの反転層の厚さの低減の1つ又は複数に適合された第1の層を堆積させることと、
前記第1の一時層を除去することと、
前記マスク層内で前記p−ドープ領域を露出させる前記孔を第2の一時層で覆うことと、
前記マスク層内で前記p−ドープ領域を露出させる前記孔を前記第2の一時層で覆う間、前記マスク層の上面及び側面上、及び、前記孔を通して露出される前記n−ドープ領域の上面上に第2の界面層を堆積させ、前記第2の界面層上に、前記トランジスタの閾値電圧の低減及び前記トランジスタの反転層の厚さの低減の1つ又は複数に適合された第2の層を堆積させることであって、前記第2の層は前記第1の層とは異なる、堆積させることと、
前記第2の一時層を除去することと、
前記マスク層の各孔内に導電性プラグを形成することと、
を含み、
前記第1の界面層、前記第1の界面層上の前記第1の層、及び前記p−ドープ領域を露出させる前記孔内の導電性プラグは、前記トランジスタの前記p−ドープ領域のための第1の置換ゲートであり、
前記第2の界面層、前記第2の界面層上の前記第2の層、及び前記n−ドープ領域を露出させる前記孔内の導電性プラグは、前記トランジスタの前記n−ドープ領域のための第2の置換ゲートである、
方法。
【請求項2】
前記第1の層はランタン及びルテチウムの1つを含み、前記第2の層はアルミニウムを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第1の界面層上に前記第1の層を堆積させることは、
前記第1の界面層上に金属層又は金属酸化物層を堆積させることであって、前記金属層又は前記金属酸化物層からの金属は前記第1の界面層内に拡散させるためのものである、堆積させることと、
前記金属層又は金属酸化物層上に高k誘電体層を堆積させることと、
を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記第1の界面層上に前記第1の層を堆積させることは、
前記第1の界面層上に高k誘電体層を堆積させることと、
前記高k誘電体層上に金属層又は金属酸化物層を堆積させることであって、前記金属層又は前記金属酸化物層からの金属は前記第1の界面層内に拡散させるためのものである、堆積させることと、
を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記第1の界面層上に前記第1の層を堆積させることは、
前記第1の界面層上に、金属が混合された高k誘電体層を堆積させることであって、前記金属は前記第1の界面層内に拡散させるためのものである、堆積させることを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記第2の界面層上に前記第2の層を堆積させることは、
前記第2の界面層上に金属層又は金属酸化物層を堆積させることであって、前記金属層又は前記金属酸化物層からの金属は前記第2の界面層内に拡散させるためのものである、堆積させることと、
前記金属層又は金属酸化物層上に高k誘電体層を堆積させることと、
を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記第2の界面層上に前記第2の層を堆積させることは、
前記第2の界面層上に高k誘電体層を堆積させることと、
前記高k誘電体層上に金属層又は金属酸化物層を堆積させることであって、前記金属層又は前記金属酸化物層からの金属は前記第2の界面層内に拡散させるためのものである、堆積させることと、
を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記第2の界面層上に前記第2の層を堆積させることは、
前記第2の界面層上に、金属が混合された高k誘電体層を堆積させることであって、前記金属は前記第2の界面層内に拡散させるためのものである、堆積させることを含む、請求項1に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、トランジスタ及びその製造方法に関し、特に、置換金属ゲートを有するトランジスタ及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
トランジスタは、様々な種類の集積回路内によく見られる半導体デバイスである。トランジスタは基本的にはスイッチである。閾値電圧より大きい電圧がトランジスタのゲートに印加されると、スイッチがオンになり、電流がトランジスタを通って流れる。ゲートにおける電圧が閾値電圧を下回ると、スイッチはオフになり、電流はトランジスタを通って流れない。
【0003】
従来、トランジスタのゲートはポリシリコン・ゲートであった。ポリシリコン・ゲートを有するトランジスタは、比較的製造が容易であり、ポリシリコン・ゲートを有するトランジスタの動作効果は、よく知られている。しかしながら、トランジスタを含む集積回路の電力消費及び動作速度が最適化されるため、最近では、トランジスタのゲートは金属ゲートになっている。
【0004】
金属ゲートを有するトランジスタは、2つの一般的な方法で製造することができる。最初にポリシリコン・ゲートを製造し、次に、後の半導体処理の間、これを金属ゲートと置き換えることができる。この手法は、「ゲート・ラスト(gate last)」手法として知られており、金属ゲートがポリシリコンに取って代わる限り、金属ゲートはダマシン又は置換ゲートとみなされる。第2の手法は、最初にポリシリコンを製造することなく、金属ゲートを製造するものであり、「ゲート・ファースト(gate first)」手法として知られている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
置換金属ゲートを有するトランジスタ及びその製造方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の実施形態の方法は、トランジスタを製造するためのものである。この方法は、基板のドープ領域の上のポリシリコン・ゲートを除去し、基板の上にマスク層を形成して、ドープ領域が前記マスク層内の孔を通して露出されるようにする。この方法は、マスク層の上面及び側面上、並びに、孔を通して露出されるドープ領域の上面上に界面層を堆積させる。この方法は、トランジスタの閾値電圧の低減及びトランジスタの反転層の厚さの低減の1つ又は複数に適合された層を堆積させる。この方法は、マスク層の孔内に導電性プラグを形成する。界面層、界面層上の層、及び導電性プラグは合わせてトランジスタの置換ゲートとなる。
【0007】
本発明の別の実施形態の方法もまた、トランジスタを製造するためのものである。この方法は、基板のp−ドープ領域の上の第1のポリシリコン・ゲートを除去し、基板のn−ドープ領域の上の第2のポリシリコン・ゲートを除去し、基板の上にマスク層を形成して、p−ドープ領域及びn−ドープ領域がマスク層内で孔を通して露出されるようにする。この方法は、マスク層内でn−ドープ領域を露出させる孔を第1の一時層で覆う。マスク層内でn−ドープ領域を露出させる孔が第1の一時層で覆われる間、この方法は、マスク層の上面及び側面上、並びに、孔を通して露出されるp−ドープ領域の上面上に第1の界面層を堆積させる。マスク層内でn−ドープ領域を露出させる孔が第1の一時層で覆われる間、この方法はまた、第1の界面層上に、トランジスタの閾値電圧の低減及びトランジスタの反転層の厚さの低減の1つ又は複数に適合された第1の層も堆積させる。この方法は、第1の一時層を除去し、マスク層内でp−ドープ領域を露出させる孔を第2の一時層で覆う。
【0008】
マスク層内でp−ドープ領域を露出させる孔が第2の一時層で覆われる間、この方法は、マスク層の上面及び側面上、並びに、孔を通して露出されるn−ドープ領域の上面上に第2の界面層を堆積させる。マスク層内でp−ドープ領域を露出させる孔が第2の一時層で覆われる間、この方法はまた、第2の界面層上に、トランジスタの閾値電圧の低減及びトランジスタの反転層の厚さの低減の1つ又は複数に適合された第2の層を堆積させる。この方法は、第2の一時層を除去し、マスク層の各孔内に導電性プラグを形成する。第1の界面層、第1の界面層上の第1の層、及びp−ドープ領域を露出させる孔内の導電性プラグは、トランジスタのp−ドープ領域のための第1の置換ゲートとなる。第2の界面層、第2の界面層上の第2の層、及びn−ドープ領域を露出させる孔内の導電性プラグは、トランジスタのn−ドープ領域のための第2の置換ゲートとなる。
【0009】
本発明のさらに別の方法もまた、トランジスタを製造するためのものである。この方法は、ドープ領域の上のポリシリコン・ゲートの側面上に垂直スペーサを形成する。この方法は、ドープ領域の上面で始まる各垂直スペーサの側におけるドープ領域の一部分をシリサイドに置き換える。この方法は、基板の上及びポリシリコン・ゲートの上に、窒化物を含むマスク層を形成する。この方法は、マスク層をエッチングしてポリシリコン・ゲートを露出させ、ポリシリコン・ゲートを除去する。この方法は、マスク層の上面及び側面上、並びに孔を通して露出されるドープ領域の上面上に界面層を堆積させる。この方法は、界面層上に、トランジスタの閾値電圧の低減及びトランジスタの反転層の厚さの軽減の1つ又は複数に適合された層を堆積させる。この方法は、マスク層の孔内に仕事関数金属を堆積させ、マスク層の孔内の仕事関数金属の上に第2の金属を堆積させる。仕事関数金属及び第2の金属は導電性プラグである。界面層、界面層上の層、及び導電性プラグは合わせてトランジスタの置換ゲートとなる。
【0010】
本発明の実施形態の半導体トランジスタ・デバイスは、基板と、基板内の、これを通して露出されるドープ領域と、基板の上のマスク層と、マスク層内及びドープ領域の上の置換金属ゲートとを含む。置換金属ゲートは、マスク層の側面及びドープ領域の上面に隣接した界面層を含む。置換金属ゲートはまた、トランジスタの閾値電圧の低減及び半導体トランジスタ・デバイスの反転層の厚さの低減の1つ又は複数のために、界面層内に少なくとも部分的に拡散された層も含む。
【0011】
本発明の別の実施形態の半導体トランジスタ・デバイスは、基板と、基板内の基板を通して露出されるp−ドープ領域と、基板内の基板を通して露出されるn−ドープ領域と、基板の上のマスク層とを含む。半導体トランジスタ・デバイスはまた、マスク層内及びp−ドープ領域の上の第1の置換金属ゲートと、マスク層内及びn−ドープ領域の上の第2の置換金属ゲートとも含む。第1の置換金属ゲートは、トランジスタの閾値電圧の減少及び半導体トランジスタ・デバイスの反転層の厚さの減少の1つ又は複数のための、マスク層の側面及びp−ドープ領域の上面に隣接する第1の界面層と、第1の界面層内に少なくとも部分的に拡散される第1の層とを含む。第2の置換金属ゲートは、トランジスタの閾値電圧の減少及び半導体トランジスタ・デバイスの反転層の厚さの減少の1つ又は複数のための、マスク層の側面及びn−ドープ領域の上面に隣接する第2の界面層と、第2の界面層内に少なくとも部分的に拡散される第2の層とを含む。第2の層は第1の層とは異なる。
【0012】
ここで、本発明の実施形態を、単なる例として、添付図面を参照して説明する。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】本発明の実施形態による、置換金属ゲートを有するトランジスタを製造するための方法の第1の部分のフローチャートである。
【
図2】本発明の実施形態による、置換金属ゲートを有するトランジスタを製造するための方法の第2の部分のフローチャートである。
【
図3】本発明の実施形態による、
図1の部分102が実施された後の代表的なトランジスタの図である。
【
図4】本発明の実施形態による、
図1の部分106、108及び110が実施された後の代表的なトランジスタの図である。
【
図5】本発明の実施形態による、
図1の部分112及び114が実施された後の代表的なトランジスタの図である。
【
図6】本発明の実施形態による、
図1の部分116、118及び119が実施された後の代表的なトランジスタの図である。
【
図7】本発明の実施形態による、
図2の部分126、128、130及び132が実施された後の代表的なトランジスタの図である。
【
図8】本発明の実施形態による、
図2の部分140及び142が実施された後の代表的なトランジスタの図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明の例示的な実施形態の以下の詳細な説明において、その一部を形成する添付図面が参照され、ここにおいて、本発明を実施することができる特定の例示的な実施形態が例証として示される。これらの実施形態は、当業者が本発明を実施することができるように十分に詳細に説明される。他の実施形態を利用することもでき、本発明の思想又は範囲から逸脱することなく、論理的変更、機械的変更、及びその他の変更をなすこともできる。従って、以下の詳細な説明は限定する意味で受けとられるべきものではなく、本発明の範囲は添付の特許請求の範囲によってのみ定められる。
【0015】
背景セクションにおいて述べられるように、最近では、ポリシリコン・ゲートの代わりに金属ゲートを有するトランジスタが製造され始めている。金属ゲートを有するトランジスタの製造は、一般に、ポリシリコン・ゲートを有するトランジスタの製造よりも困難である。より特定的には、置換金属ゲートを有するトランジスタの製造は、ポリシリコン・ゲートを有するトランジスタの製造より困難である。
【0016】
本発明の実施形態は、置換金属ゲートを有するトランジスタの製造に向けられる。本発明の実施形態は、結果として得られるトランジスタの閾値電圧、及び、結果として得られるトランジスタの反転層の厚さの両方が低減される、こうした製造プロセスを提供する。従って、本発明のトランジスタを用いる集積回路は、消費電力がより少なく、既存のトランジスタを用いる相当する集積回路よりも高い周波数で動作する。
【0017】
図1及び
図2は、それぞれ、本発明の実施形態による、半導体トランジスタ・デバイスを製造するための方法100の第1の部分及び第2の部分を示す。内部にp−ドープ領域及びn−ドープ領域があり、上にポリシリコン・ゲートがある基板を準備する(102)。一実施形態においては、基板自体がポリシリコンであってもよい。ゲートは、トランジスタのためのものである。ドープ領域と、ドープ領域の上のポリシリコン・ゲートとを含む基板は、通常の方法で形成することができる。一実施形態においては、ゲートと基板との間にエッチング停止層がさらに存在する。
【0018】
図3は、本発明の実施形態による、部分102を実施した後の代表的なトランジスタ200の一部分を示す。トランジスタ200は、半導体トランジスタ・デバイスと呼ぶこともできる。トランジスタ200は、基板202と、基板202内のp−ドープ領域204及びn−ドープ領域206とを含む。p−ドープ領域204の上にポリシリコン・ゲート208があり、n−ドープ領域206の上にポリシリコン・ゲート210がある。さらに、ポリシリコン・ゲート208及び210と基板202との間にはエッチング停止層211がある。一実施形態において、エッチング停止層211は、酸化シリコン又は窒化シリコンとすることができる。
【0019】
再び
図1を参照すると、基板からポリシリコン・ゲートを除去し、基板の上にマスク層を形成し、ドープ領域がマスク層内で対応する孔を通して露出されるようにする(104)。一実施形態において、部分104は、次のように実施することができる。ポリシリコン・ゲートの側面上に垂直スペーサを形成する(106)。垂直スペーサは、窒化シリコン、酸窒化シリコン、酸化シリコン、又は別の材料とすることができるが、垂直スペーサ及びエッチング停止層は、異なる材料のものにしなければならない。垂直スペーサは、基板及びポリシリコン・ゲートの上に層を堆積させ、その層をエッチングして、ポリシリコン・ゲートの側面上の層だけが残るようにすることによって形成することができる。
【0020】
スペーサの両側において、ドープ領域の一部分をシリサイドに置き換える(108)。シリサイドの目的は、トランジスタのソース及びドレインと後で形成されるコンタクトとの間の接触抵抗を低くすることである。部分108では、露出されたドープ領域をエッチングし、生成されたスペーサ内にシリサイドを堆積させることができる。次に、基板の上及びポリシリコン・ゲートの上にマスク層を形成し(110)、形成されたトランジスタに化学機械平坦化(CMP)を施して、ポリシリコン・ゲートの上面からマスク層を除去する(112)。マスク層は、酸化シリコン又は窒化シリコンとすることができる。次に、ポリシリコン・ゲート及びエッチング停止層を除去する(114)。
【0021】
図4は、本発明の実施形態による、部分106、108及び110が実施された後のトランジスタ200の一部分を示す。垂直スペーサ212が、ポリシリコン・ゲート208及び210の側面上に形成された。スペーサ212の側におけるp−ドープ領域204及びn−ドープ領域206の部分がシリサイドに置き換えられた。窒化物などのマスク層216が、基板202及びポリシリコン・ゲート208及び210の上に堆積された。
【0022】
図5は、本発明の実施形態による、部分112及び114が実施された後のトランジスタ200の一部分を示す。トランジスタ200にCMPを施して、ポリシリコン・ゲート210を露出させ、エッチング停止層211に達するまでエッチングなどにより、ポリシリコン・ゲート208及び210を除去した。ポリシリコン・ゲート208及び210があった場所に孔218及び220を形成する。孔218は、p−ドープ領域204に対応し、マスク層216を通してp−ドープ領域204を露出させ、孔220は、n−ドープ領域206に対応し、マスク層216を通してn−ドープ領域206を露出させる。もはやエッチング停止層211を必要としないので、孔218及び220内に露出されたエッチング停止層211を除去する。
【0023】
再び
図1を参照すると、マスク層内でn−ドープ領域を露出させる孔を第1の一時層(temporary layer)で覆う(116)。次に、第1の界面層が、マスク層の上面及び側面上、並びに、その対応する孔を通して露出されるp−ドープ領域の上面上に形成される(118)。界面層は、酸化シリコン、酸窒化シリコン、又は別の材料とすることができる。界面層は、熱酸化、プラズマ窒化又は堆積のような基板表面処理プロセスの際に形成することができる。次に、第1の界面層上に第1の層が堆積される(119)。
【0024】
部分119において、3つの異なる方法で、第1の界面層上に第1の層を堆積させることができる。最初に、第1の界面層上に、金属層又は金属酸化物層、続いて高k誘電体層を堆積させることができる。金属層又は金属酸化物層及び高k誘電体層は合わせて、第1の界面層上に堆積される第1の層とみなされる。金属層又は金属酸化物層は、他の金属及び他の金属酸化物の中でも、ランタン、ルテチウム、酸化ランタン、又は酸化ルテチウムとすることができ、高k誘電体層は、他の高k誘電体の中でも、酸化ハフニウム、酸化チタン、又は酸化ジルコニウムとすることができる。
【0025】
第2に、第1の界面上に、高k誘電体層、続いて金属層又は金属酸化物層を堆積させることができる、高k誘電体層及び金属層又は金属酸化物層は合わせて、第1の界面層上に堆積される第1の層とみなされる。既に述べたように、金属層又は金属酸化物層は、他の金属及び他の金属酸化物の中でも、ランタン、ルテチウム、酸化ランタン、又は酸化ルテチウムとすることができ、高k誘電体層は、他の高k誘電体の中でも、酸化ハフニウム、酸化チタン、又は酸化ジルコニウムとすることができる。
【0026】
第3に、第1の界面上に、金属が混合された高k誘電体層を堆積させることができる。既に述べたように、金属は、他の金属の中でも、ランタン又はルテチウムとすることができ、金属が混合される高k誘電体層は、他の高k誘電体の中でも、酸化ハフニウム、酸化チタン、又は酸化ジルコニウムとすることができる。この3つの方法全てにおいて、金属は第1の界面層内に拡散する。
【0027】
第1の界面層内に拡散される金属は、結果として得られるより低い閾値電圧及びより薄い反転層を有する半導体トランジスタ・デバイスをもたらす。第1の界面層の上に金属層を堆積させること又は第1の界面層の上に金属酸化物層を堆積させることによって、金属が界面層内に拡散し、結果として得られる金属含浸界面層は、半導体デバイスの閾値電圧及び反転層の厚さが低減されたものとなる。
【0028】
図6は、本発明の実施形態による、部分116、118及び119が実施された後のトランジスタ200の一部分を示す。孔220は、酸化シリコンとすることができる第1の一時層222で覆われる。層224は、第1の界面層、及び第1の界面層上に堆積された第1の層の両方を表す。従って、層224は、金属が内部に拡散された界面層、並びに高k誘電体層を含む。
【0029】
図2を参照すると、エッチングなどによって、第1の一時層が除去され(126)、マスク層内でp−ドープ領域を露出させる孔が、第2の一時層で覆われる(128)。次に、第2の界面層が、マスク層の上面及び側面上、並びにその対応する孔を通して露出されるn−ドープ領域の上面上に堆積される(130)。第2の界面層は、部分118に関連して上述されたような、第1の界面層と同じ材料から、これと同じ方法で形成することができる。次に、第2の界面層上に第2の層が堆積される(132)。
【0030】
上述されたように、部分119において第1の界面層上に第1の層を堆積させることができる同じ3つの異なる方法のいずれかで、部分132において、第2の界面上に第2の層を堆積させることができる。従って、第2の界面層上に、第1の金属層又は金属酸化物層、続いて高k誘電体層を堆積させることができる。金属層又は金属酸化物層、及び高k層は合わせて、第2の界面層上に堆積された第2の層とみなされる。金属層又は金属酸化物層は、他の金属及び他の金属酸化物の中でも、アルミニウム又は酸化アルミニウムとすることができ、高k誘電体層は、他の高k誘電体の中でも、酸化ハフニウム、酸化チタン、又は酸化ジルコニウムとすることができる。
【0031】
第2に、第2の界面層上に、高k誘電体層、続いて金属層又は金属酸化物層を堆積させることができる、高k誘電体層及び金属層又は金属酸化物層は合わせて、第2の界面層上に堆積された第2の層とみなされる。既に述べたように、金属層又は金属酸化物層は、他の金属及び他の金属酸化物の中でも、アルミニウム又は酸化アルミニウムとすることができ、高k誘電体層は、他の高k誘電体の中でも、酸化ハフニウム、酸化チタン、又は酸化ジルコニウムとすることができる。
【0032】
第3に、第2の界面上に、金属が混合された高k誘電体材料の層を堆積させることができる。既に述べたように、金属は、他の金属の中でもアルミニウムとすることができ、金属が混合される高k誘電体層は、他の高k誘電体の中でも、酸化ハフニウム、酸化チタン、又は酸化ジルコニウムとすることができる。この3つの方法全てにおいて、金属は第2の界面層内に拡散する。
【0033】
部分132において第2の界面上に堆積された第2の層の部分である金属は、部分119において第1の界面上に堆積された第1の層の部分である金属とは異なることに留意されたい。例えば、p−ドープ領域の上の第1の界面層上に堆積される金属は、ランタン又はルテニウムとすることができ、n−ドープ領域の上の第2の界面層上に堆積される金属はアルミニウムとすることができる。これは、n−電界効果トランジスタ(n−FET)及びp−FETは、その閾値電圧を低減させるために反対の電荷極性をもたなければならないためである。
【0034】
図7は、本発明の実施形態による、部分126、128、130及び132が実施された後のトランジスタ200の一部分を示す。第1の一時層222が除去され、孔218が、酸化シリコンとすることができる第2の一時層226で覆われている。層228は、部分130において堆積された第2の界面層及び部分132において第2の界面上に堆積された第2の層の両方を表す。従って、層228は、金属が内部に拡散された界面層、並びに高k誘電体層を含む。
【0035】
図2を参照すると、第2の一時層が除去され(140)、各々のドープ領域の上の孔内に導電性プラグが形成される(142)。一実施形態において、各々の孔内に仕事関数金属を堆積させること(144)、次いで仕事関数金属の上に、アルミニウムなどの金属を堆積させること(146)によって、各々の孔内に導電性プラグが形成される。部分144と部分146との間に、反応性イオン・エッチング又は別のタイプのエッチングを実施することができる。部分146の後で、化学機械研磨などによって、半導体トランジスタ・デバイスを平坦化することができる。仕事関数金属は窒化チタンとすることができ、仕事関数金属の上に堆積される金属はアルミニウムとすることができる。仕事関数金属の目的は、n−FET及びp−FETについての閾値電圧を調整することである。仕事関数金属の結果もたらされる閾値電圧の調整が、界面層内の金属拡散の結果もたらされる閾値電圧の調整に付加される。
【0036】
導電性プラグは、界面層、並びに界面層上に堆積された第1の層及び第2の層と共に、方法100により形成される半導体トランジスタ・デバイスの置換ゲートを構成する。上述したように、界面層上に第1及び第2の層を堆積した結果として、界面層内に拡散された金属の存在は、半導体トランジスタ・デバイスに特定の特性をもたらす。これらの特性とは、すなわち、低減した閾値電圧及び低減した反転層の厚さである。
【0037】
図8は、本発明の実施形態による、部分140及び142が実施された後のトランジスタ200を示す。第2の一時層226が除去されている。p−ドープ領域204の上の孔218内に、導電性プラグ230が形成されている。同様に、n−ドープ領域206の上の孔220内に、導電性プラグ232が形成されている。
【0038】
2つの金属置換ゲートを有する半導体トランジスタ・デバイスを製造する方法100が説明された。しかしながら、本発明の他の実施形態においては、1つだけの置換ゲートを有する半導体トランジスタを製造することができる。つまり、上に置換ゲートがある2つのドープ領域を有する代わりに、上に置換ゲートがある1つだけのドープ領域が存在し得る。
【0039】
最後に、特定の実施形態がここで示され、説明されたが、同じ目的を達成するために考えられるいずれの構成も、示される特定の実施形態と置き換え得ることが、当業者により理解されるであろう。従って、本出願は、本発明の実施形態のいずれの適合又は変形もカバーすることが意図される。従って、本発明は、特許請求の範囲及びその均等物によってのみ制限されることが明白に意図される。
【符号の説明】
【0040】
200:トランジスタ
202:基板
204:p−ドープ領域
206:n−ドープ領域
208、210:ポリシリコン・ゲート
211:エッチング停止層
212:垂直スペーサ
216:マスク層
218、220:孔
222:第1の一時層
226:第2の一時層
230、232:導電性プラグ