特許第5759569号(P5759569)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5759569
(24)【登録日】2015年6月12日
(45)【発行日】2015年8月5日
(54)【発明の名称】駒弾き玩具
(51)【国際特許分類】
   A63H 33/18 20060101AFI20150716BHJP
【FI】
   A63H33/18 A
【請求項の数】10
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2013-556074(P2013-556074)
(86)(22)【出願日】2012年1月30日
(86)【国際出願番号】JP2012051983
(87)【国際公開番号】WO2013114534
(87)【国際公開日】20130808
【審査請求日】2014年3月20日
(73)【特許権者】
【識別番号】000003584
【氏名又は名称】株式会社タカラトミー
(74)【代理人】
【識別番号】100064908
【弁理士】
【氏名又は名称】志賀 正武
(74)【代理人】
【識別番号】100134544
【弁理士】
【氏名又は名称】森 隆一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100162868
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 英輔
(72)【発明者】
【氏名】堀川 亮
【審査官】 植野 孝郎
(56)【参考文献】
【文献】 登録実用新案第3045638(JP,U)
【文献】 登録実用新案第3160233(JP,U)
【文献】 特開2005−152026(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63H 1/00−37/00
A63F 9/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
玩具本体と、
前記玩具本体に設けられた弾き片と、
前記玩具本体上に置かれた駒を前記弾き片の先端に向かって移動させる押推部材と、
前記玩具本体に変位可能に設けられ、ユーザに操作されることにより前記弾き片を拘束する拘束部材とを備え、
前記駒を、前記弾き片に作用する拘束力を利用して弾く駒弾き玩具。
【請求項2】
前記弾き片が対をなし、
前記拘束部材は、これら対をなす弾き片の先端間の距離が前記駒の幅よりも短くなるように拘束する請求項1に記載の駒弾き玩具。
【請求項3】
前記弾き片は、前記拘束部材との間に介在する中継部を有し、
前記中継部は、前記拘束部材から前記中継部に作用する力を、その力の作用する方向を転換したうえで前記弾き片に伝達する請求項1または2に記載の駒弾き玩具。
【請求項4】
前記拘束部材は、前記玩具本体に対して推下可能に支持されている請求項1から3のいずれか一項に記載の駒弾き玩具。
【請求項5】
前記拘束部材は、前記玩具本体に回動可能に支持されたレバー部材である請求項1から3のいずれか一項に記載の駒弾き玩具。
【請求項6】
前記拘束部材および前記中継部にそれぞれ形成されたラックと、
前記拘束部材と前記中継部との間に配設され、前記ラックに噛み合うピニオンギアとを有する請求項3に記載の駒弾き玩具。
【請求項7】
前記拘束部材は、相互にピン結合された第一および第二バーであり、
前記第一および第二バーの基端を操作することにより、前記第一および第二バーの先端で前記弾き片を挟んで拘束する請求項1または2に記載の駒弾き玩具。
【請求項8】
前記拘束部材は、前記拘束部材の推下動作に応じて前記駒の射出方向とは逆方向に移動可能に支持されたリング部材をさらに有する請求項1から3のいずれか一項に記載の駒弾き玩具。
【請求項9】
前記拘束部材は、前記弾き片を、前記駒を置かれた前記玩具本体と前記弾き片の先端との間隔が前記駒の幅よりも短くなるように拘束する請求項1に記載の駒弾き玩具。
【請求項10】
前記拘束部材は、前記玩具本体に対して推下可能に支持された拘束部材である請求項9に記載の駒弾き玩具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えばビー玉など遊びに使う駒を弾いて遊ぶための玩具に関する。
【背景技術】
【0002】
下記特許文献1には、ビー玉などの球体を弾いて遊ぶための弾き玩具が開示されている。この弾き玩具は、玩具本体と、前記玩具本体に設けられた一対の弾き片と、弾き片間に置かれた球体を押し出す押推部材とを備えている。一対の弾き片は、弧形の部材の対をなす二つの先端部分に相当する。弾き片の先端間の距離は、球体の直径よりも短い。
【0003】
ユーザは、まず弾き片間に球体を置き、玩具本体を手で押さえながら、押推部材を使って球体を弾き片の先端に向かって移動させる。球体が弾き片の先端に向かって移動する過程で、弾き片の先端はその弾性力に抗して双方間の距離を拡大される。球体を弾き片の先端に向かってさらに移動させると、最終的に球体は弾き片の弾性復元力によって弾き片の間から弾き出される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】日本国特許第3149333号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記弾き玩具では、球体を弾き出す力がほとんど弾き片の弾性復元力に依存している。そのため、球体を玩具本体から弾き出す力がほぼ一定で、玩具本体から弾き出される球体の速度もほぼ一定である。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の駒弾き玩具は、玩具本体と、前記玩具本体に設けられた弾き片と、前記玩具本体上に置かれた駒を前記弾き片の先端に向かって移動させる押推部材と、前記玩具本体に変位可能に設けられ、ユーザに操作されることにより前記弾き片を拘束する拘束部材とを備える。前記玩具本体に装填された駒は、前記弾き片に作用する拘束力を利用して玩具本体から弾き出される。
【0007】
ユーザは、まず玩具本体内部に遊びに使う駒を装填し、玩具本体を手で押さえながら拘束部材を操作して、弾き片の先端を拘束する。そして、押推部材を使って駒を弾き片の先端に向かって移動させる。ところが、弾き片の先端は拘束部材を介してユーザの手により拘束されているので、結果的に押推部材を使った駒の移動を阻もうとする力が生じている。この力に抗して駒を弾き片の先端に向かってさらに移動させると、ユーザの手による拘束力に反して弾き部材の先端が変位する。そして、駒の中心が弾き部材と駒との接点よりも前に移動すると、駒はユーザの手により弾き片に作用する拘束力によって玩具本体から弾き出される。
【0008】
本発明において、前記弾き片は、玩具本体に対をなすように設けられていてもよいし、前記玩具本体にひとつだけ設けられていてもよい。前記弾き片が対をなす場合、前記拘束部材は、前記一対の弾き片を、これら弾き片の先端間の距離が前記駒の幅よりも短くなるように拘束する。例えば、駒に球体を使用するのなら、梗塞部材は弾き片の先端間の距離が球体の直径よりも短くなるように拘束する。
前記弾き片が前記玩具本体にひとつだけ設けられている場合、前記拘束部材は、前記弾き片の先端を、前記駒を置かれた前記玩具本体と前記弾き片の先端との間隔が前記駒の幅よりも短くなるように拘束する。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、ユーザが駒弾き玩具を手で押さえながら拘束部材を操作するとき、拘束部材への力の入れ方を加減することにより、ユーザの手により弾き片に作用する拘束力を調節することができる。これにより、駒を玩具本体から弾き出す力をユーザが任意に調整することができるので、玩具本体から弾き出される駒の速度に変化をつけることができる。その結果、駒弾き玩具を使った遊びの幅が広がり、ユーザの趣向性が高まる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の駒弾き玩具の第一実施形態を示す全体図である。
図2図1に示した駒弾き玩具の第一実施形態の平断面図である。
図3A】上記第一実施形態における球体を弾くメカニズムを説明する模式図である。
図3B】同じく上記第一実施形態における球体を弾くメカニズムを説明する模式図である。
図4】上記第一実施形態の第一変形例を示す幅方向の縦断面図である。
図5】上記第一実施形態の第二変形例を示す平断面図である。
図6】上記第一実施形態の第三変形例を示す幅方向の縦断面図である。
図7】上記第一実施形態の第四変形例を示す幅方向の縦断面図である。
図8】上記第一実施形態の第五変形例を示す平断面図である。
図9】上記第一実施形態の第六変形例を示す平断面図である。
図10】上記第一実施形態の第七変形例を示す平断面図である。
図11】上記第一実施形態の第八変形例を示す平断面図である。
図12】本発明の駒弾き玩具の第二実施形態を示す長手方向の縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
(第一実施形態)
本発明の駒弾き玩具の第一実施形態を図1から図3Aおよび図3Bに示して以下に説明する。
図1図2に示すように、本発明の第一実施形態は、例えばアニメーションのキャラクタを模した玩具本体1と、遊びに使う駒としての球体Bを弾く一対の弾き片2,3と、玩具本体1に装填された球体Bを押す押推部材5と、弾き片2,3の先端をそれぞれ拘束する拘束部材10L,10Rとを備えている。弾き片2,3、押推部材5および拘束部材10L,10Rは、いずれも玩具本体1に取り付けられている。
【0012】
玩具本体1は、基部1aを含むいくつかの部品に分解可能である。図2に示すように、基部1aには、球体Bの射出ポート1cが形成されている。弾き片2,3は、射出ポート1cの両側にそれぞれ配設されている。
【0013】
弾き片2は、球体Bが弾き出される方向、すなわち球体Bの射出方向に向かって射出ポート1cの左側に、基部1aに固定されたピン4Lを介して仮想の水平面内で回動可能に軸支されている。弾き片2は、基端2aから先端2bに向かうに従って徐々に幅が拡大し、頂点2cを境に今度は先端2bに向かうに従い幅が縮小するように形成されている。頂点2cは射出ポート1cに向かって突き出す弾き片2のコーナの先端に相当する。基端2aから頂点2cに向かって延在する後方斜辺2d、頂点2cから先端2bに向かって延在する前方斜辺2eはいずれも直線状に形成されている。
【0014】
弾き片3は、球体Bの射出方向に向かって射出ポート1cの右側に、基部1aに固定されたピン4Rを介して弾き片2と同一の水平面内で回動可能に軸支されている。弾き片3は、基端3aから先端3bに向かうに従って徐々に幅が拡大し、頂点3cを境に今度は先端3bに向かうに従い幅が縮小するように形成されている。頂点3cは射出ポート1cに向かって突き出す弾き片3のコーナの先端に相当する。基端3aから頂点3cに向かって延在する後方斜辺3d、頂点3cから先端3bに向かって延在する前方斜辺3eはいずれも直線状に形成されている。
【0015】
弾き片2,3は、球体Bの射出方向に沿う基部1aの中心線Lcを挟んで対称に配置されている。そして、弾き片2の頂点2cと弾き片3の頂点3cとを結ぶ仮想の直線L1は、中心線Lcに対する弾き片2の角度が、中心線Lcに対する弾き片3の角度と等しい条件の下では常に中心線Lcに直交する。
【0016】
また、ピン4L,4Rの間隔は球体Bの直径よりも明らかに広く、玩具本体1に装填された球体Bは、ピン4L,4Rにそれぞれ軸支された弾き片2,3の間を射出ポート1cに沿って移動可能である。
【0017】
押推部材5は、射出ポート1cに対して基部1aの後部に、球体Bの射出方向に差し込み可能に支持されている。押推部材5を玩具本体1に差し込むと、押推部材5の先端が射出ポート1cに突き出して射出ポート1cに装填された球体Bに接し、球体Bを弾き片2,3の先端に向かって移動させる。
押推部材5にはスプリング7が内蔵されている。スプリング7は、球体Bを弾き片2,3の先端に向かって移動させるべく押推部材5を玩具本体1に差し込むことにより、基部1aと押推部材5との間で圧縮される。押推部材5に対する拘束が解消すると、スプリング7は圧縮により蓄積された弾力を解放し、押推部材5を初期位置に回帰させる。
【0018】
拘束部材10Lは、球体Bの射出方向に向かって射出ポート1cの左側、かつ射出ポート1cに対して弾き片2よりも外側に配設されており、基部1aに、球体Bの射出方向と直交する方向に移動可能に支持されている。拘束部材10Lを側方から玩具本体1に押し込むと、拘束部材10Lの先端が弾き片2の外側縁に接し、弾き片2の先端部分が射出ポート1cに向かって移動する。
【0019】
拘束部材10Rは、球体Bの射出方向に向かって射出ポート1cの右側、かつ射出ポート1cに対して弾き片3よりも外側に配設されており、基部1aに、球体Bの射出方向と直交する方向に移動可能に支持されている。拘束部材10Rを側方から玩具本体1に押し込むと、拘束部材10Rの先端が弾き片3の外側縁に接し、弾き片3の先端部分が射出ポート1cに向かって移動する。
【0020】
拘束部材10L,10Rは、射出ポート1cを挟んで玩具本体1の両側に配置され、かつ拘束部材10Lを押し込む方向と拘束部材10Rを押し込む方向とは相反している。玩具本体1を手で掴むようにして拘束部材10L,10Rを同時に操作すると、弾き片2の頂点2cと弾き片3の頂点3cとが相互に接近する。弾き片2,3は、頂点2c,3c間の距離を球体Bの直径よりも短く維持した状態で拘束される。
【0021】
まず、ユーザは、基平面上に置いた玩具本体1内部の射出ポート1cに球体Bを装填する。そして、玩具本体1を手で押さえながら、拘束部材10L,10Rを玩具本体1の両側から玩具本体1に押し込むように操作して、弾き片2,3を拘束する。これにより、頂点2c,3c間の距離は球体Bの直径よりも短くなる。
【0022】
続いて、射出ポート1cに装填された球体Bを、押推部材5を使って弾き片2,3の先端に向かって移動させる。球体Bは、押推部材5に押されて射出ポート1c上を射出方向前方に移動し、弾き片2の後方斜辺2dおよび弾き片3の後方斜辺3dに接する。ところが、弾き片2,3は拘束部材10L,10Rを介してユーザの手により拘束されているので、弾き片2,3には押推部材5を使った球体Bの移動を阻もうとする力が作用している。この力に抗して球体Bを弾き片2,3の先端に向かってさらに移動させると、球体Bが弾き片2,3の後方斜辺2d,3dに接しているので、ユーザの手による拘束力に反して弾き片2,3の先端部分が、頂点2c,3c間の距離を拡げるように変位する。そして、球体Bの中心が頂点2cと頂点3cとを結ぶ仮想の直線L1よりも前に移動すると、球体Bは弾き片2,3の前方斜辺2e,3eに接し、ユーザの手により弾き片2,3に作用する拘束力によって玩具本体1から射出方向前方に弾き出される。
【0023】
球体Bが弾き出されるメカニズムについてさらに詳しく説明すると、まず、図3Aに示すように、球体Bが弾き片2,3の後方斜辺2d,3dに接している状態では、弾き片2,3から後方斜辺2d,3dを介して球体Bに作用する力は、球体Bを中心線Lcに直交する方向に押し合う成分と、球体Bを射出方向後方に押す成分とに分解される。この球体Bを射出方向後方に押す成分の総和が、押推部材5を使った球体Bの移動を阻もうとする力に相当する。
図3Bに示すように、球体Bが弾き片2,3の頂点2c,3cを通過し、前方斜辺2e,3eに接すると、弾き片2,3から前方斜辺2e,3eを介して球体Bに作用する力は、球体Bを中心線Lcに直交する方向に押し合う成分と、球体Bを射出方向前方に押す成分とに分解される。この球体Bを射出方向前方に押す成分の総和が、球体Bを玩具本体1から弾き出す力に相当する。
【0024】
上記のように構成された駒弾き玩具によれば、ユーザが駒弾き玩具を手で押さえながら拘束部材10L,10Rを操作するとき、拘束部材10L,10Rへの力の入れ方を加減することにより、ユーザの手により弾き片2,3に作用する拘束力を調節することができる。つまり、ユーザが駒弾き玩具を手で強く押さえると、拘束部材10L,10Rも強い力で操作されるので、弾き片2,3に作用する拘束力も強まる。そのため、弾き片2,3を介して球体Bを射出方向前方に押す力も強まり、結果的に球体Bを玩具本体1から速く弾き出すことができる。
【0025】
一方、ユーザが駒弾き玩具を押さえる力を弱めると、拘束部材10L,10Rを操作する力も弱まるので、弾き片2,3に作用する拘束力も弱まる。そのため、弾き片2,3を介して球体Bを射出方向前方に押す力も弱まり、結果的に球体Bを玩具本体1からゆっくりと弾き出すことができる。このように、球体Bを玩具本体1から弾き出す力をユーザが任意に調整することができるので、玩具本体1から弾き出される球体Bの速度に変化をつけることができる。その結果、駒弾き玩具を使った遊びの幅が広がり、ユーザの趣向性が高まる。
【0026】
本発明の駒弾き玩具の第一実施形態には、下記のようにいくつかの変形例が存在する。それら変形例について以下に説明する。なお、上記第一実施形態において既に説明した構成要素には同一符号を付し、ここでの詳細な説明は省略する。
(第一変形例)
図4に示すように、上記第一実施形態の第一変形例は、拘束部材16L,16Rと、中継部17L,17Rとを備えている。
拘束部材16Lは、球体Bの射出方向に向かって射出ポート1cの左側、かつ射出ポート1cに対して弾き片2よりも外側に配設されており、基部1a上に固定された上部材1bに、球体Bの射出方向と直交する方向(すなわち鉛直方向)に移動可能に支持されている。拘束部材16Lの下部には、下方に向かうほど弾き片2から遠ざかる下向きの斜面18aが形成されている。
【0027】
中継部17Lは、弾き片2に一体形成され、拘束部材16Lの下部に向かって突き出している。拘束部材16Lの斜面18aに接する中継部17Lの側部には、下方に向かうほど弾き片2から遠ざかる上向きの斜面19aが形成されている。拘束部材16Lを上から玩具本体1に押し込むと、拘束部材16Lの斜面18aが中継部17Lの斜面19aに接し、拘束部材16Lの下方への移動が、相互に接する斜面18a,19aを介して、中継部17Lを形成された弾き片2の横方向への移動に変換される。これにより、弾き片2の先端部分が射出ポート1cに向かって移動する。
【0028】
拘束部材16Rは、球体Bの射出方向に向かって射出ポート1cの右側、かつ射出ポート1cに対して弾き片3よりも外側に配設されており、上部材1bに、球体Bの射出方向と直交する方向(すなわち鉛直方向)に移動可能に支持されている。拘束部材16Rの下部には、下方に向かうほど弾き片3から遠ざかる下向きの斜面18bが形成されている。
【0029】
中継部17Rは、弾き片3に一体形成され、拘束部材16Rの下部に向かって突き出している。拘束部材16Rの斜面18bに接する中継部17Rの側部には、下方に向かうほど弾き片3から遠ざかる上向きの斜面19bが形成されている。拘束部材16Rを上から玩具本体1に押し込むと、拘束部材16Rの斜面18bが中継部17Rの斜面19bに接し、拘束部材16Rの下方への移動が、相互に接する斜面18b,19bを介して、中継部17Rを形成された弾き片3の横方向への移動に変換される。これにより、弾き片3の先端部分が射出ポート1cに向かって移動する。
【0030】
拘束部材16L,16Rは射出ポート1cを挟んで玩具本体1の両側に配置され、かつ拘束部材16Lを押し込む方向と拘束部材16Rを押し込む方向とは一致している。そのため、拘束部材16L,16Rを同時に操作し易い。拘束部材16L,16Rを同時に操作すると、弾き片2の頂点2cと弾き片3の頂点3cとが相互に接近する。弾き片2,3は、頂点2c,3c間の距離を球体Bの直径よりも短く維持した状態で拘束される。
【0031】
まず、ユーザは、基平面上に置いた玩具本体1内部の射出ポート1cに球体Bを装填する。そして、玩具本体1を手で押さえながら、拘束部材16L,16Rを上から玩具本体1に押し込むように操作して、弾き片2,3を拘束する。続いて、押推部材5を使って球体Bを弾き片2,3の先端に向かって移動させる。
以後の動作は上記第一実施形態と実質的に同じなので、ここでの詳細な説明は省略する。
【0032】
(第二変形例)
図5に示すように、上記第一実施形態の第二変形例は、レバー(本発明における拘束部材)20L,20Rと、中継部21L,21Rとを備えている。
レバー20Lは、球体Bの射出方向に向かって射出ポート1cの左側、かつ射出ポート1cに対して弾き片2よりも外側に配設されており、基部1aに、ピン22Lを介して仮想の水平面内で回動可能に軸支されている。
【0033】
中継部21Lは、弾き片2に一体成形され、レバー20Lの一端24aに向かって突き出している。中継部21Lの側部には、球体Bの射出方向前方に向かうほど弾き片2から遠ざかる後ろ向きの斜面23aが形成されている。ピン22Lに近いレバー20Lの一端24aは、斜面23aに接している。レバー20Lの他端を後方に引くように操作すると、レバー20Lの一端24aが中継部21Lの斜面23aを押推する。つまり、レバー20Lの回動が、レバー20Lの一端24aおよび斜面23aを介して、中継部21Lを形成された弾き片2の横方向への移動に変換される。これにより、弾き片2の先端部分が射出ポート1cに向かって移動する。
【0034】
レバー20Rは、球体Bの射出方向に向かって射出ポート1cの右側、かつ射出ポート1cに対して弾き片3よりも外側に配設されており、基部1aに、ピン22Rを介して仮想の水平面内で回動可能に軸支されている。
【0035】
中継部21Rは、弾き片3に一体成形され、レバー20Rの一端24bに向かって突き出している。中継部21Rの側部には、球体Bの射出方向前方に向かうほど弾き片3から遠ざかる後ろ向きの斜面23bが形成されている。ピン22Rに近いレバー20Rの一端24bは、斜面23bに接している。レバー20Rの他端を後方に引くように操作すると、レバー20Rの一端24bが中継部21Rの斜面23bを押推する。つまり、レバー20Rの回動が、レバー20Rの一端24bおよび斜面23bを介して、中継部21Rを形成された弾き片3の横方向への移動に変換される。これにより、弾き片3の先端部分が射出ポート1cに向かって移動する。
【0036】
レバー20L,20Rは、射出ポート1cを挟んで玩具本体1の両側に配置され、かつレバー20Lの他端を引く方向とレバー20Rの他端を引く方向とは一致している。そのため、レバー20L,20Rを同時に操作し易い。レバー20L,20Rを同時に操作すると、弾き片2の頂点2cと弾き片3の頂点3cとが相互に接近する。弾き片2,3は、頂点2c,3c間の距離を球体Bの直径よりも短く維持した状態で拘束される。
【0037】
まず、ユーザは、基平面上に置いた玩具本体1内部の射出ポート1cに球体Bを装填する。そして、玩具本体1を手で押さえながら、レバー20L,20Rの他端を後方に引くように操作して、弾き片2,3を拘束する。続いて、射出ポート1cに装填された球体Bを、押推部材5を使って弾き片2,3の先端に向かって移動させる。
以後の動作は上記第一実施形態と実質的に同じなので、ここでの詳細な説明は省略する。
【0038】
(第三変形例)
図6に示すように、上記第一実施形態の第三変形例は、レバー25L,25Rと、中継部26L,26Rとを備えている。
レバー25Lは、球体Bの射出方向に向かって射出ポート1cの左側、かつ射出ポート1cに対して弾き片2よりも外側に配設されており、基部1aに、ピン27Lを介して仮想の垂直面内で回動可能に軸支されている。
【0039】
中継部26Lは、弾き片2に一体成形され、ピン27Lに近いレバー25Lの一端29aに向かって突き出している。中継部26Lの側部には、上方に向かうほど弾き片2から遠ざかる下向きの斜面28aが形成されている。レバー25Lの一端29aは、斜面28aに接している。レバー25Lの他端を下方に倒すように操作すると、レバー25Lの一端29aが中継部26Lの斜面28aを押推する。つまり、レバー25Lの回動が、レバー25Lの一端29aおよび斜面28aを介して、中継部26Lを形成された弾き片2の横方向への移動に変換される。これにより、弾き片2の先端部分が射出ポート1cに向かって移動する。
【0040】
レバー25Rは、球体Bの射出方向に向かって射出ポート1cの右側、かつ射出ポート1cに対して弾き片3よりも外側に配設されており、基部1aに、ピン27Rを介して仮想の水平面内で回動可能に軸支されている。
【0041】
中継部26Rは、弾き片3に一体成形され、ピン27Rに近いレバー25Rの一端29bに向かって突き出している。中継部26Rの側部には、上方に向かうほど弾き片3から遠ざかる下向きの斜面28bが形成されている。レバー25Rの一端29bは、斜面28bに接している。レバー25Rの他端を下方に倒すように操作すると、レバー25Rの一端29bが中継部26Rの斜面28bを押推する。つまり、レバー25Rの回動が、レバー25Rの一端29bおよび斜面28bを介して、中継部26Rを形成された弾き片3の横方向への移動に変換される。これにより、弾き片3の先端部分が射出ポート1cに向かって移動する。
【0042】
レバー25L,25Rは、射出ポート1cを挟んで玩具本体1の両側に配置され、かつレバー25Lを倒す方向とレバー25Rを倒す方向とは一致している。そのため、レバー25L,25Rを同時に操作し易い。レバー25L,25Rを同時に操作すると、弾き片2の頂点2cと弾き片3の頂点3cとが相互に接近する。弾き片2,3は、頂点2c,3c間の距離を球体Bの直径よりも短く維持した状態で拘束される。
【0043】
まず、ユーザは、基平面上に置いた玩具本体1内部の射出ポート1cに球体Bを装填する。そして、玩具本体1を手で押さえながら、レバー25L,25Rの他端を下方に倒すように操作して、弾き片2,3を拘束する。続いて、射出ポート1cに装填された球体Bを、押推部材5を使って弾き片2,3の先端に向かって移動させる。
以後の動作は上記第一実施形態と実質的に同じなので、ここでの詳細な説明は省略する。
【0044】
(第四変形例)
図7に示すように、上記第一実施形態の第四変形例は、レバー30L,30Rと、中継部31L,31Rとを備えている。
レバー30Lは、球体Bの射出方向に向かって射出ポート1cの左側、かつ射出ポート1cに対して弾き片2よりも外側に配設されており、基部1aに、ピン32Lを介して仮想の垂直面内で回動可能に軸支されている。
【0045】
中継部31Lは、弾き片2に一体成形され、ピン32Lに近いレバー30Lの一端34aに向かって突き出している。中継部31Lの側部には、下方に向かうほど弾き片2から遠ざかる上向きの斜面33aが形成されている。レバー30Lの一端34aは、斜面33aに接している。レバー30Lの他端は下方に折れ曲がるように形成されている。レバー30Lの他端を上方に倒すように操作すると、レバー30Lの一端34aが中継部31Lの斜面33aを押推する。つまり、レバー30Lの回動が、レバー30Lの一端34aおよび斜面33aを介して、中継部31Lを形成された弾き片2の横方向への移動に変換される。これにより、弾き片2の先端部分が射出ポート1cに向かって移動する。
【0046】
レバー30Rは、球体Bの射出方向に向かって射出ポート1cの右側、かつ射出ポート1cに対して弾き片3よりも外側に配設されており、基部1aに、ピン32Rを介して仮想の水平面内で回動可能に軸支されている。
【0047】
中継部31Rは、弾き片2に一体成形され、ピン32Rに近いレバー30Rの一端34bに向かって突き出している。中継部31Rの側部には、下方に向かうほど弾き片3から遠ざかる上向きの斜面33bが形成されている。レバー30Rの一端34bは、斜面33bに接している。レバー30Rの他端は下方に折れ曲がるように形成されている。レバー30Rの他端を上方に倒すように操作すると、レバー30Rの一端34bが中継部31Rの斜面33bを押推し、レバー30Rの回動が、レバー30Rの一端34bおよび斜面33bを介して、中継部31Rを形成された弾き片3の横方向への移動に変換される。これにより、弾き片3の先端部分が射出ポート1cに向かって移動する。
【0048】
レバー30L,30Rは、射出ポート1cを挟んで玩具本体1の両側に配置されており、レバー30L,30Rを同時に操作すると、弾き片2の頂点2cと弾き片3の頂点3cとが相互に接近する。弾き片2,3は、頂点2c,3c間の距離を球体Bの直径よりも短く維持した状態で拘束される。
【0049】
まず、ユーザは、基平面上に置いた玩具本体1内部の射出ポート1cに球体Bを装填する。そして、玩具本体1を手で押さえると、下方に折れ曲がったレバー30L,30Rの他端が基平面に当接し、基平面からレバー30L,30Rに作用する反力によってレバー30L,30Rが上方に回動する。これにより、弾き片2,3が拘束される。続いて、射出ポート1cに装填された球体Bを、押推部材5を使って弾き片2,3の先端に向かって移動させる。
以後の動作は上記第一実施形態と実質的に同じなので、ここでの詳細な説明は省略する。
【0050】
特に、この第四変形例によれば、基平面上に置いた玩具本体1を手で押さえるだけで弾き片2,3が拘束されるので、駒弾き玩具を片手でも操作することが可能である。
【0051】
(第五変形例)
図8に示すように、上記第一実施形態の第五変形例は、タブ部材(本発明における拘束部材)35L,35Rと、中継部36L,36Rとを備えている。
タブ部材35Lは、球体Bの射出方向に向かって射出ポート1cの左側、かつ射出ポート1cに対して弾き片2よりも外側に配設されており、基部1aに、球体Bの射出方向と直交する方向(すなわち横方向)にスライド可能に支持されている。タブ部材35Lの一端は玩具本体1から突き出している。タブ部材35Lの他端には、ラック37aが形成されている。
【0052】
中継部36Lは、弾き片2に、タブ部材35Lと平行となるように一体成形されている。中継部36Lには、ラック37aに向き合うようにラック38aが形成されている。基部1aには、ラック37a,38aに噛み合うピニオンギア39aが回転可能に軸支されている。タブ部材35Lの他端を玩具本体1から引き出すように操作すると、タブ部材35Lの変位がラック37a、ピニオンギア39a、ラック38aを介して中継部36Lに伝達され、中継部36Lを形成された弾き片2の横方向、つまりタブ部材35Lとは逆方向への移動に変換される。これにより、弾き片2の先端部分が射出ポート1cに向かって移動する。
【0053】
タブ部材35Rは、球体Bの射出方向に向かって射出ポート1cの右側、かつ射出ポート1cに対して弾き片3よりも外側に配設されており、基部1aに、球体Bの射出方向と直交する方向(すなわち横方向)にスライド可能に支持されている。タブ部材35Rの一端は玩具本体1から突き出している。タブ部材35Rの他端には、ラック37bが形成されている。
【0054】
中継部36Rは、弾き片3に、タブ部材35Rと平行となるように一体成形されている。中継部36Rには、ラック37bに向き合うようにラック38bが形成されている。基部1aには、ラック37b,38bに噛み合うピニオンギア39bが回転可能に軸支されている。タブ部材35Rの他端を玩具本体1から引き出すように操作すると、タブ部材35Rの変位がラック37b、ピニオンギア39b、ラック38bを介して中継部36Rに伝達され、中継部36Rを形成された弾き片3の横方向、つまりタブ部材35Rとは逆方向への移動に変換される。これにより、弾き片3の先端部分が射出ポート1cに向かって移動する。
【0055】
タブ部材35L,35Rは、射出ポート1cを挟んで玩具本体1の両側に配置されており、タブ部材35L,35Rを同時に操作すると、弾き片2の頂点2cと弾き片3の頂点3cとが相互に接近する。弾き片2,3は、頂点2c,3c間の距離を球体Bの直径よりも短く維持した状態で拘束される。
【0056】
まず、ユーザは、基平面上に置いた玩具本体1内部の射出ポート1cに球体Bを装填する。そして、タブ部材35L,35Rを玩具本体1から引き出すように操作して、弾き片2,3を拘束する。続いて、押推部材5を使って球体Bを弾き片2,3の先端に向かって移動させる。
以後の動作は上記第一実施形態と実質的に同じなので、ここでの詳細な説明は省略する。
【0057】
(第六変形例)
図9に示すように、上記第一実施形態の第六変形例は、第一および第二バー(本発明における拘束部材)40F,40Sを備えている。二本のバー40F,40Sは、射出ポート1cに対して基部1aの後部に固定されたピン41を介して結合されている。
第一バー40Fの先端は、球体Bの射出方向に向かって射出ポート1cの左側に向かって延び、弾き片2の外側に接している。一方、第二バー40Sの先端は、球体Bの射出方向に向かって射出ポート1cの右側に向かって延び、弾き片3の外側に接している。第一バー40Fの基端は、ピン41を介して射出ポート1cの右側に延び、第二バー40Sの基端は、ピン41を介して射出ポート1cの左側に延びている。
【0058】
第一および第二バー40F,40Sの基端を相互に近づけると、第一および第二バー40F,40Sの先端が弾き片2,3を挟み、弾き片2の頂点2cと弾き片3の頂点3cとが相互に接近する。弾き片2,3は、頂点2c,3c間の距離を球体Bの直径よりも短く維持した状態で拘束される。
【0059】
まず、ユーザは、基平面上に置いた玩具本体1内部の射出ポート1cに球体Bを装填する。そして、第一および第二バー40F,40Sの基端に人差し指と中指とを掛ける。続いて、親指を使って押推部材5を玩具本体1に押し込む。このとき、人差し指と中指から第一および第二バー40F,40Sの基端に作用する反力によって、第一および第二バー40F,40Sの先端が相互に近づくように操作される。これにより、弾き片2,3が拘束される。続いて、射出ポート1cに装填された球体Bを、押推部材5を使って弾き片2,3の先端に向かって移動させる。
以後の動作は上記第一実施形態と実質的に同じなので、ここでの詳細な説明は省略する。
【0060】
特に、この第六変形例によれば、あたかも注射器を操作するように、駒弾き玩具を片手でも操作することが可能である。
【0061】
(第七変形例)
図10に示すように、上記第一実施形態の第七変形例は、拘束部材42L,42Rと、中継部43L,43Rと、リング部材44とを備えている。
拘束部材42Lは、球体Bの射出方向に向かって射出ポート1cの左側、かつ射出ポート1cに対して弾き片2よりも外側に配設されており、基部1aに、球体Bの射出方向と直交する方向(すなわち横向)に移動可能に支持されている。拘束部材42Lの内側には、球体Bの射出方向前方に向かうほど基部1aの中心線Lcに近づく斜面45aが形成されている。
一方、拘束部材42Rは、球体Bの射出方向に向かって射出ポート1cの右側、かつ射出ポート1cに対して弾き片3よりも外側に配設されており、基部1aに、球体Bの射出方向と直交する方向(すなわち横向)に移動可能に支持されている。拘束部材42Rの内側には、球体Bの射出方向前方に向かうほど基部1aの中心線Lcに近づく斜面45bが形成されている。
【0062】
中継部43Lは、弾き片2に一体形成されている。中継部43Lには、球体Bの射出方向後方に向かうほど弾き片2から遠ざかる斜面46aが形成されている。一方、中継部43Rは、弾き片3に一体形成されている。中継部43Rには、球体Bの射出方向後方に向かうほど弾き片3から遠ざかる斜面46bが形成されている。
リング部材44は、拘束部材42L,42R間に、リング部材44の中心が中心線Lcと平行に配置され、基部1aに対して球体Bの射出方向とは逆方向に移動可能である。リング部材44の外周は拘束部材42L,42Rの斜面45a,45bに接し、内周は中継部43L,43Rの斜面46a,46bに接している。
【0063】
拘束部材42L,42Rは、射出ポート1cを挟んで玩具本体1の両側に配置され、かつ拘束部材42Lを押し込む方向と拘束部材42Rを押し込む方向とは一致している。拘束部材42L,42Rを同時に操作すると両者が相互に接近し、拘束部材42Lの斜面45aと拘束部材42Rの斜面45bとの間隔が狭まる。斜面45a,45bの間隔が狭まると、リング部材44は球体Bの射出方向後方に移動し、中継部43L,43Rを介して弾き片2,3を相互に接近させる。これにより、弾き片2,3は、頂点2c,3c間の距離を球体Bの直径よりも短く維持した状態で拘束される。
【0064】
まず、ユーザは、基平面上に置いた玩具本体1内部の射出ポート1cに球体Bを装填する。そして、玩具本体1を手で押さえながら、拘束部材42L,42Rを玩具本体1の両側から玩具本体1に押し込むように操作して、弾き片2,3を拘束する。続いて、押推部材5を使って球体Bを弾き片2,3の先端に向かって移動させる。
以後の動作は上記第一実施形態と実質的に同じなので、ここでの詳細な説明は省略する。
【0065】
(第八変形例)
図11に示すように、上記第一実施形態の第八変形例は、拘束部材46を備えている。なお、ふたつの弾き片2,3のうち、一方の弾き片3は定位置に固定されている。
拘束部材46は、球体Bの射出方向に向かって射出ポート1cの左側、かつ射出ポート1cに対して弾き片2よりも外側に配設されており、基部1aに、球体Bの射出方向と直交する方向(すなわち横方向)に移動可能に支持されている。
【0066】
まず、ユーザは、基平面上に置いた玩具本体1内部の射出ポート1cに球体Bを装填する。そして、玩具本体1を手で押さえながら、拘束部材46を側方から玩具本体1に押し込むように操作して、弾き片2を拘束する。続いて、押推部材5を使って球体Bを弾き片2,3の先端に向かって移動させる。
以後の動作は上記第一実施形態と実質的に同じなので、ここでの詳細な説明は省略する。
【0067】
上記第一から第八変形例を含む本発明の第一実施形態において、弾き片2,3は、ピン4L,4Rを介して回動可能に軸支されている。ところで、対をなす二つの弾き片を、従来のように弧形に形成されたひとつの部品で構成してもよい。この場合、弾き片2,3の先端間の距離は、球体Bの直径よりも長いことが好ましい。このようにすれば、球体Bを玩具本体1から弾き出した後、拘束部材に加えた力を弱めると、弾き片2,3が弧形部品の弾性復元力によって初期位置に戻ろうとし、結果的に拘束部材をも初期位置に回帰させる。
【0068】
(第二実施形態)
本発明の駒弾き玩具の第二実施形態を図13に示して以下に説明する。
本発明の第二実施形態は、玩具本体11と、駒としての球体Bを弾くひとつの弾き片12と、玩具本体1に装填された球体Bを押す押推部材15と、弾き片12の先端を拘束する拘束部材50とを備えている。弾き片12、押推部材15および拘束部材50は、いずれも玩具本体11に取り付けられている。
【0069】
玩具本体11の基部11aには、球体Bの射出ポート11cが形成されている。弾き片12は、基部11aの上部品に固定されたピン14を介して仮想の垂直面内で回動可能に軸支されている。弾き片12の形状は、第一実施形態における弾き片2,3と同じなので、ここでの詳細な説明は省略する。
射出ポート11cとピン14との間隔は球体Bの直径よりも明らかに広く、射出ポート11cに置かれた球体Bは、ピン14に軸支された弾き片12と射出ポート11cとの間を、弾き片12の先端に向かって移動可能である。
押推部材15の構造は、第一実施形態における押推部材5と同じなので、やはりここでの詳細な説明は省略する。
【0070】
拘束部材50は、射出ポート11cに対して弾き片12よりも上側に配設されており、上部材11bに、球体Bの射出方向と直交する方向(すなわち鉛直方向)に移動可能に支持されている。拘束部材50を玩具本体11に押し込むと、拘束部材50の先端が弾き片12の上側縁に接し、弾き片12の先端部分を射出ポート11cに向かって回動させる。
【0071】
拘束部材50を操作すると、弾き片12の頂点12cが、射出ポート11cに接近する。弾き片12は、頂点12cと射出ポート11cとの間隔を球体Bの直径よりも短く維持した状態で拘束される。
【0072】
ユーザは、基平面上に置いた玩具本体11内部の射出ポート11cに球体Bを装填する。そして、玩具本体11を手で押さえながら、拘束部材50を上から玩具本体11に押し込むように操作して、弾き片12を拘束する。これにより、頂点12cと射出ポート11cとの間隔が球体Bの直径よりも短くなる。
続いて、射出ポート1cに装填された球体Bを、押推部材5を使って弾き片12の先端に向かって移動させる。球体Bは、押推部材15に押されて射出ポート11c上を射出方向前方に移動し、弾き片12の後方斜辺12dに接する。ところが、弾き片12は拘束部材50を介してユーザの手により拘束されているので、弾き片12には押推部材15を使った球体Bの移動を阻もうとする力が作用している。この力に抗して球体Bを弾き片12の先端に向かってさらに移動させると、球体Bが弾き片12の後方斜辺12dに接しているので、ユーザの手による拘束力に反して弾き片12の先端部分が、頂点12cと射出ポート11cとの間隔を拡げるように変位する。そして、球体Bの中心が頂点12cから射出ポート11cに降ろした仮想の垂線L2よりも前に移動すると、球体Bは弾き片12の前方斜辺12eに接し、ユーザの手により弾き片12に作用する拘束力によって玩具本体11から射出方向前方に弾き出される。
【0073】
上記のように構成された駒弾き玩具によれば、ユーザが駒弾き玩具を手で押さえながら拘束部材50を操作するとき、拘束部材50への力の入れ方を加減することにより、ユーザの手により弾き片12に作用する拘束力を調節することができる。つまり、球体Bを玩具本体11から弾き出す力をユーザが任意に調整することができるので、玩具本体11から弾き出される球体Bの速度に変化をつけることができる。その結果、駒弾き玩具を使った遊びの幅が広がり、ユーザの趣向性が高まる。
【0074】
また、上記第一から第八変形例を含む本発明の第一実施形態、および第二実施形態のすべてにおいて、遊びの駒として球体Bを使う弾き玩具について説明したが、駒に使用できる物は球体だけではない。例えば円盤など、表面の一部に丸い面を含む物体であれば、どのようなものでも使用可能である。
【0075】
以上、本発明の好ましい実施形態を説明したが、本発明は上記の実施形態に限定されることはない。本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、構成の付加、省略、置換、およびその他の変更が可能である。本発明は前述した説明によって限定されることはなく、添付のクレームの範囲によってのみ限定される。
【産業上の利用可能性】
【0076】
本発明は、玩具本体と、前記玩具本体に設けられた弾き片と、前記玩具本体上に置かれた駒を前記弾き片の先端に向かって移動させる押推部材と、前記玩具本体に変位可能に設けられ、ユーザに操作されることにより前記弾き片を拘束する拘束部材とを備え、前記駒を、前記弾き片に作用する拘束力を利用して弾く駒弾き玩具に関する。
本発明によれば、駒を玩具本体から弾き出す力をユーザが任意に調整することができるので、駒弾き玩具を使った遊びの幅が広がり、ユーザの趣向性が高まる。
【符号の説明】
【0077】
1 玩具本体、
2,3 弾き片、
5 押推部材、
10L,10R 拘束部材、
11 玩具本体、
12 弾き片、
15 押推部材、
50 拘束部材、
B 球体(駒)
図1
図2
図3A
図3B
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12