【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の第1の態様では、シリコーン製品が提供される。本発明の第2の態様では、照明ユニットが提供される。本発明の第3の態様では、固定化された発光材料を有するシリコーン製品を製造する方法が提供される。
有意な実施例は、従属請求項に記載されている。
【0010】
本発明の第1の態様によるシリコーン製品は、高分子材料、発光材料、およびフィラー材料を有する。高分子材料は、ポリシロキサンの群の材料を有し、高分子材料は、光伝達性である。発光材料は、少なくとも一つの寸法方向において、ナノメートル範囲の寸法(サイズ)を有する粒子を有する。発光材料は、第1のスペクトル範囲の光を吸収し、吸収した光の一部を第2のスペクトル範囲の光に変換するように構成される。フィラー粒子は、光伝達性の不活性材料である。フィラー粒子は、発光材料と混和性がある。フィラー粒子は、高分子材料中に提供される。発光材料の粒子は、フィラー粒子の表面に沿って分散される。
【0011】
しばしば、ポリシロキサンの群の材料を有する高分子材料を表す別の用語は、シリコーンである。ポリシロキサンは、一般式[R
2SiO]
mを有する高分子材料であり、ここでRは、例えばメチル基、エチル基、またはフェニル基のような有機基である。分子の骨格は、無機シリコン−酸素鎖…-Si-O-Si-O-Si-O…である。
【0012】
フィラー粒子と発光材料の粒子の間には混和性があり、これは、過度の凝集、凝集化、および/またはフロキュレーションを被ることなく、発光材料の粒子とフィラー粒子とが溶媒中で分散された状態が維持されることを意味する。特定の実施例では、これは、少なくとも一つの種類の溶媒に、フィラー粒子と発光材料の粒子が、いずれも均一に混合されることを意味する。その後のステップでは、発光粒子のコロイド状の安定性が低下し、これらがフロキュレーションする。大きな表面積を有するフィラー粒子の存在により、発光粒子は、フィラー粒子の表面でフロキュレーションする。ある種類の粒子が別の種類の粒子上でフロキュレーションするそのようなプロセスは、ヘテロフロキュレーションと呼ばれる。発光材料およびフィラー粒子は、溶媒中で相互に離れた状態となる傾向を示さない。発光材料とフィラー粒子が非混和性の場合、溶媒中で不均一混合が生じ、状況に応じて、発光材料および/またはフィラー粒子はフロキュレーションする。
【0013】
国際純粋応用化学連合(IUPAC)では、コロイド系(液体媒体中に分散された粒子の混合物)の異なる種類の安定性を区別している。この本発明では、シリコーン製品は、コロイド的に安定であると仮定する。「コロイド的に安定」という定義は、均一な溶液が得られる可能性を表し、この溶液中で、発光材料およびフィラー粒子は、均一に溶解しおよび/または分散される。フィラー粒子および発光材料は、液体の群において、いずれもコロイド的に安定である。IUPACによれば、コロイド的に安定とは、「粒子が顕著な速度で凝集しないこと」を意味する。通常、凝集体は、何らかの方法で相互に留められた粒子(原子または分子)の群を意味する。凝集化は、凝集体の形成のプロセスまたはその結果である。コロイドシステムがコロイド的に不安定な(すなわち凝集速度が無視できない)場合、凝集体の形成は、凝固またはフロキュレーションと呼ばれる。これらの用語は、しばしば、同義的に使用されるが、ある著者には、凝塊の巨視的な分離につながる、小さな凝集体の形成を表す「凝固」と、巨視的に分離できまたは分離できない、ルーズなまたは開いたネットワークの形成を表す「フロキュレーション」の間の区別を導入することが好まれる。多くの文章において、この方法で形成されるルーズな構造は、面状塊(floc)と呼ばれる。凝集の速度は、通常、衝突頻度と、衝突中の結束可能性とによって定められる。ブラウン運動で衝突が生じる場合、そのプロセスは、ペリカイネチック(perikinetic)凝集と呼ばれ、流体力学運動(例えば対流または自己沈殿)による場合、オルトカイネチック(orthokinetic)凝集と呼ばれる。本発明では、「凝固」と「フロキュレーション」の間の区別は、重要ではない。発光材料が凝集すると、直ちに量子効率が低下するが、これは本発明によって抑制される。
【0014】
本発明の結果として、ポリシロキサンを有する高分子材料の内部において、発光粒子がフィラー粒子の表面に沿って分散される。従って、発光材料の粒子はフィラー粒子の表面に配置されるため、発光材料の粒子がポリシロキサンを有する高分子材料の内部で凝集し、凝集化し、および/またはフロキュレーションする傾向は、抑制され、あるいは完全に回避される。換言すれば、高分子材料内で、発光粒子は固定化される。これは、これらがフィラー粒子と接触するためである。これらは、(硬化)高分子材料内でもはや相互に向かって移動することはなく、従って、これらはもはや凝集しない。均一な凝集体が形成される傾向はない。従って、発光材料の粒子の大部分は、発光材料の他の粒子とは接触せず、これは、これらが空間的に相互に適正に分離して分散されることを意味する。前述のように、発光材料の粒子の良好な空間分離の結果、比較的高い量子効率が得られる。その結果、シリコーン製品は、発光材料によって吸収され変換される光が照射された際に、比較的大きな色変換効率を示す。
【0015】
発光材料の粒子は、少なくとも一つの寸法方向において、ナノメートルの範囲のサイズを有する。これは、例えば、粒子が実質的に球状の場合、その直径がナノメートルの範囲であることを意味する。あるいは、これは、例えば、これらがロッド状形状の場合、ワイヤの断面の寸法が、ある方向において、ナノメートルの範囲であることを意味する。ナノメートルの範囲の寸法とは、少なくとも一つの寸法方向の寸法が、少なくとも100nm未満、従って0.1μm未満であり、0.5nm以上であることを意味する。ある実施例では、一つの寸法方向の寸法は、50nm未満である。別の実施例では、一つの寸法方向の寸法は、2から20nmの範囲である。少なくとも一つの寸法方向においてナノメートル範囲の寸法を有する発光材料の多くは、量子閉じ込め効果を示し、これは、材料による(光吸収の結果としての)発光の色が、サイズに強く依存することを意味する。しかしながら、これは、大部分の量子ドットに適用されるが、特定の量子ドットは、量子閉じ込め効果を示さない。また、量子閉じ込めを示さない量子ドットは、背景の欄(シリコーンのフロキュレーション)で説明した量子ドットと同じ効果を受ける。
【0016】
ある実施例では、フィラー粒子は、(シリコーン)高分子材料と完全に混和性ではなくてもよく、フィラー粒子は、ある程度、凝集、凝集化、および/またはフロキュレーションしても良い。ただし、フィラー粒子のフロキュレーションは、発光材料の粒子の効率に対して、必ずしも負の影響を及ぼさない。発光材料の粒子は、フィラー粒子の表面に沿って分散され、フィラー粒子が相互に接触しても、発光材料の粒子は、フィラー粒子によって、発光材料の他の粒子から空間的に分離される。
【0017】
フィラー粒子の表面に沿った分散とは、発光材料の粒子がフィラー粒子の表面と接触し、表面の異なる部分では発光粒子が観測されることを意味する。相互に接触するとは、発光粒子とフィラー粒子が融合され、または化学反応の結果としてある種の結合を有することを直接的には意味しない。粒子は、未だ個々の粒子であり、別々に同定可能である。粒子は、「これらが共通の境界または終点を有する」という意味において隣接し、または粒子は、「相互に隣り合わせに配置されまたは接触している」という意味において隣接する。従って、粒子は近接している。
【0018】
また、本願において、光伝達性とは、材料を通って光が伝達されることを意味する。換言すれば、光ビームが材料の表面に衝突した際に、少なくとも一部の光が、材料の同じまたは他の表面で放射されることを意味する。従って、光の全てが吸収されることはなく、例えば15%以下の光が吸収される。別の実施例では、光伝達性とは、10%以下の光が吸収されることを意味する。さらに別の実施例では、光伝達性とは、10%以下の光が吸収されることを意味する。透明および半透明と言う用語は、光伝達性の範囲に含まれることに留意する必要がある。本願の文脈において、フィラー粒子は、光伝達性材料であるが、シリコーン製品は、概して、光を吸収し、例えば、発光粒子は特定の色の光を吸収し、吸収された光の一部を別の色に変換することに留意する必要がある。
【0019】
不活性材料は、本願に記載の環境下で、少なくとも本発明において使用される材料とは反応しない材料である。従って、不活性材料は、化学的に反応活性ではない。これは、特定の環境下で、不活性材料が化学反応に関連することを排斥するものではないが、熱、圧力、または放射線から多量のエネルギーが必要となり、反応の支援のため、しばしば触媒が使用される。
【0020】
任意で、フィラー粒子は、発光材料の粒子よりも大きくても良い。フィラー粒子が大きい場合、これらは、発光材料の粒子の寸法に比べて、比較的大きな表面を有し、従って、発光材料の粒子がフィラー粒子の表面に沿って分散された場合、これらは空間的に適切に分離される。従って、量子効率を低下させるような、発光材料の粒子が相互に接近する機会は少なくなる。また、高分子材料内で粒子が移動する場合(高分子材料が固体状態に固化しない限り)、大きな粒子は、小さな粒子よりもゆっくりと移動する。従って、より大きなフィラー粒子と接するより小さな発光粒子は、高分子材料内をよりゆっくりと移動し、これにより、これらは適切に固定化され、凝集されにくくなる。フィラー粒子の寸法は、あまり大きくなくても良いことに留意する必要がある。極めて大きなフィラー粒子では、材料の単位グラム当たり比較的小さな表面積となり、従って、単一のフィラー粒子の表面と接する発光粒子の間に存在する、発光材料の粒子の間の空間がせまくなる。ある実施例では、フィラー粒子の寸法は5μm未満であり、また別の実施例では、1μm未満であり、また別の実施例では、500nm未満である。さらに別の任意の実施例では、250nm未満であり、さらに別の任意の実施例では、100nmよりも小さい。
【0021】
必要な場合、フィラー粒子は、発光材料の粒子よりも小さくなくても良い。
【0022】
必要な場合、発光材料は、量子ドット、量子ロッド、および量子テトラポッドの少なくとも一つを有する。従って、量子閉じ込めを示し、少なくとも一つの寸法方向においてナノメートル範囲の寸法を有する粒子は、量子ドット、量子ロッド、または量子テトラポッドである。この任意の実施例の材料は、シリコーン樹脂と混和性がなく、従って、ポリシロキサンを有する高分子材料と混和性がない。
【0023】
必要な場合、発光材料の粒子の少なくとも60%が、他の発光材料の粒子から十分に分離され、これらの粒子の量子効率の低減が抑制される。ある実施例では、発光材料の粒子の少なくとも75%が、相互に十分に分離される。別の実施例では、発光材料の粒子の少なくとも90%が、相互に十分に分離される。相互に十分に分離されるとは、これらの粒子が少なくとも相互に接触しないことを意味し、ある実施例では、濃度消光が生じないことを意味する。また、発光粒子が相互に極めて接近して配置された場合、例えば、7nmの距離で配置された場合、量子効率が低下することが観測されている。この任意の実施例の効果は、概して、シリコーン製品の量子効率、さらには色変換効率が、比較的高いことである。ある実施例では、相互に十分に分離された発光材料の粒子は、粒子間に少なくとも10nmの距離を有し、別の発光材料の粒子はそれらの間には存在しない。
【0024】
必要な場合、フィラー粒子はシリカ粒子であり、またはフィラー粒子は、アルミナ、チタニア、シリカ材料、または粘土の群の一つの材料を有する。シリカ粒子は、しばしば、ポリシロキサンを有する高分子材料内に使用され、そのような高分子材料と容易に混合される。通常、シリカ粒子は、ポリシロキサンを有する高分子材料に近い屈折率を有し、従って、光は、シリカ粒子とポリシロキサン材料の間の界面ではあまり屈折されず、これらの界面ではあまり多くの光は反射されない。従って、シリコーン製品は、比較的透明なままであり、光をあまり散乱しない。他の実施例では、光の散乱が必要であり、フィラー粒子に使用される材料は、ポリシロキサンを有する高分子材料とは異なる屈折率を有する。粘土の透明粒子は、しばしば、比較的平坦な形状を有し、これにより、比較的大きな外側表面が得られ、これに沿って発光材料の粒子が分散されるとともに、発光材料の粒子の良好な空間分離が得られる。
【0025】
必要な場合、発光材料の粒子は、表面に有機材料の第1の層を有する。必要な場合、フィラー粒子は、これらの表面に、有機材料の第2の層を有する。第1の層および/または第2の層は、それぞれ、発光材料の粒子および/またはフィラー粒子に適用され、調製プロセスにおいて使用される溶媒中で、これらが混和性となる。必要な場合、有機材料の第1の層および第2の層の少なくとも一つは、有機材料のモノレイヤである。モノレイヤは、稠密充填された単分子の厚い層を形成するのに必要な、有機材料の量である。特に、第1の層および/または第2の層が同様の有機層である場合、フィラー粒子および発光材料の粒子は、溶媒中で相互に良好な混和性を有し、発光材料の粒子は、フィラー粒子の表面に沿ってより良く空間的に分離されるように、処理される。換言すれば、発光材料の粒子がフロキュレーションまたは凝集する傾向はない。
【0026】
必要な場合、フィラー粒子の表面の20%以下が発光材料の粒子で被覆される。フィラー粒子の表面の20%未満が発光材料で被覆されると、おそらく発光材料の粒子は、適正に空間的に分離される。シリコーン製品がこの実施例の条件を満たすかどうかを、シリコーン製品の透過型電子顕微鏡(TEM)画像により評価し、フィラー粒子の寸法を定め、その対応する表面積を計算し、フィラー粒子の表面の発光材料の粒子の数を求め、発光材料の粒子の寸法を定め、発光粒子で被覆されたフィラー粒子の表面を計算し、発光粒子で被覆されたフィラー粒子の表面の相対量を計算しても良い。発光材料の粒子で被覆されたフィラー粒子の表面の相対量は、平均数であり、個々のフィラー粒子の表面は、より大きな割合で被覆されても良いことに留意する必要がある。
別の任意の実施例では、フィラー粒子の表面の10%以下が、発光材料の粒子で被覆される。別の任意の実施例では、フィラー粒子の表面の5%以下が、発光材料の粒子によって被覆される。
【0027】
必要な場合、発光材料の相対量は、シリコーン製品の少なくとも0.05重量%であり、発光材料の相対量は、シリコーン製品の10重量%以下である。発光材料の粒子のそのような相対量は、通常、これらの発光粒子による必要な光変換を提供する上で十分である(当然、発光装置の構成にも依存する)。また、本発明において、相対量が10wt%未満の場合、発光材料の粒子を、発光材料の他の粒子と接触せずに、フィラー粒子の表面に沿って、有意に分散させることができる。
【0028】
必要な場合、フィラー粒子の相対量は、シリコーン製品の40wt%以下であり、フィラー粒子の相対量は、シリコーン製品の重量%表示で、発光材料の相対量の少なくとも2倍である。
【0029】
特定の実施例では、ポリシロキサンを有する高分子材料の有意な特徴を維持するため、フィラー粒子の量は、40wt%未満である必要がある。
【0030】
必要な場合、フィラー粒子の最大寸法は、5μm未満である。別の任意の実施例では、フィラー粒子の最大寸法は、1μm未満である。さらに別の任意の実施例では、フィラー粒子の最大寸法は、500nm未満である。本願において、最大寸法とは、特定の方向におけるフィラー粒子の断面寸法を意味し、他の全ての方向において、断面寸法は最大寸法よりも小さい。従って、フィラー粒子が実質的に球形の場合、粒子の直径は、500nm未満となる。フィラー粒子がロッド形状を有する場合、ロッドの長さは、50nm未満である。フィラー粒子が平坦形状である場合、平坦面に描かれるいかなる線も、500nmよりも短くなる。
【0031】
必要な場合、高分子材料は第1の屈折率を有し、フィラー粒子は第2の屈折率を有する。第1の屈折率と第2の屈折率の間の絶対値差が0.3よりも大きい場合、フィラー粒子の最大寸法は、100nmよりも小さい。2種類の材料の間の屈折率の差が大きくなるほど、2材料間の界面で、反射および屈折が生じるようになり、その結果、シリコーン製品を通る光の拡散が生じる。特定の実施例では、これは好ましくないため、シリコーン製品は、実質的に透明である必要がある。これは、屈折率がほぼ等しい材料を用いることで得ることができる。これは、屈折率の差が0.1未満であることを意味する。あるいは、これは、屈折率の差異に応じて、フィラー粒子の寸法を低減することにより得ることができる。この任意の実施例において提供される数値により、限られた範囲で、光を拡散/散乱するシリコーン製品が得られる。透明性は、必ずしも、屈折率の差のみに依存するものではないことに留意する必要がある。これは、粒子寸法および粒子体積率にも依存する。シリコーン製品が、例えば1ミクロンの薄い層に配置される場合、層は、20nmのTiO
2が内部に存在しても依然透明である。また、フィラー粒子の相対量は、透明度の量に寄与する。
【0032】
必要な場合、シリコーン製品は樹脂であり、シリコーンはシリコーン樹脂である。シリコーン製品が樹脂である場合、これは、ある程度、柔軟性があり/液体であり、異なる形状に成形できる。特定の処理により、樹脂が硬化され、固体シリコーン製品が得られる。
【0033】
本発明の第2の態様では、光源と、本発明の第1の態様によるシリコーン製品と、を有する照明ユニットが提供される。シリコーン製品は、光源からの光を受光するように配置される。
【0034】
本発明の第2の態様による照明ユニットでは、本発明の第1の態様によるシリコーン製品と同じ利点が提供され、シリコーン製品の対応する実施例と同様の効果を有する同様の実施例が提供される。
【0035】
本発明の第3の態様では、固定化された発光材料を有するシリコーン製品を製造する方法が提供される。この方法は、i)光伝達性不活性材料のフィラー粒子と、量子閉じ込めを示し、少なくとも一つの寸法方向において、ナノメートル範囲の寸法を有する粒子を有する発光材料との混合物を得るステップであって、前記発光材料の粒子は、前記フィラー粒子の表面に配置されるステップと、ii)ポリシロキサンの群の材料を有する高分子材料と、前記混合物を混合するステップと、を有する。
【0036】
本発明の第3の態様による方法では、本発明の第1の態様によるシリコーン製品と同じ利点が提供され、シリコーン製品の対応する実施例と同様の効果を有する実施例が提供される。
【0037】
必要な場合、混合物を得るステップは、a)第1の溶媒中に発光材料の第1の均一混合物を得るステップと、b)第2の溶媒中に発光材料の第2の均一混合物を得るステップと、c)前記第1の均一混合物を、前記第2の均一混合物と混合して、第3の均一混合物を得るステップと、d)第3の均一混合物の溶媒組成を変化させることにより、または第3の均一混合物の溶媒品質を変化させることにより、前記発光材料を前記フィラー粒子上でフロキュレーションさせるステップと、のサブステップを有する。
【0038】
混合物を得る方法は、第1の均一混合物および第2の均一混合物を得るステップから開始される。これらの混合物は、そのような均一混合物の製造元から直接得られても良く、あるいは例えば、貯蔵溶液の溶媒と同じ溶媒中で、貯蔵溶液を希釈することにより、調製されても良い。その後、これらの均一混合物は混合され、第3の均一混合物が得られる。第3の均一混合物は、第1の溶媒および第2の溶媒によって、発光材料とフィラー粒子の凝集またはフロキュレーションが生じない場合のみ、得ることができる。その後、フィラー粒子上で発光材料をフロキュレーションさせるステップにおいて、第3の均一混合物に第3の溶媒または添加剤が加えられ、これにより、第3の均一混合物の溶媒組成が変化し、発光材料がフィラー粒子の表面にフロキュレーションし、フィラー粒子と発光材料の組み合わせがフロキュレーションする。あるいは、第3の均一混合物の溶媒組成の質が、例えば、溶媒組成の温度変化によって変化し、発光材料がフィラー粒子上にフロキュレーションしても良い。このプロセスにおいて、しばしば、ヘテロフロキュレーションという用語が使用される。その後、任意の実施例では、溶媒(第1の溶媒および/または第2の溶媒)が除去される。これは、例えば、溶媒を揮発させることにより、行われても良い。あるいは、溶媒は、得られたフィラー粒子と発光材料の混合物を、高分子材料と混合した後に、除去される。
【0039】
フィラー粒子と発光材料の混合物を得る方法は、本発明のシリコーン製品を得る上で有効で効率的な方法である。発光材料の粒子は、フィラー粒子の表面に沿って適切に分散され、発光材料の粒子の大部分は、相互に近すぎないように配置されることが認められている。
【0040】
第1の溶媒および第2の溶媒は、同じ溶媒であっても良いことに留意する必要がある。
【0041】
本発明のこれらのおよび他の態様は、以下に示す実施例を参照することで明らかとなり、明確になる。
【0042】
本発明の2または3以上の前述のオプション、実施、および/または態様は、有益と思われるいかなる方法で組み合わされても良いことは、当業者には明らかである。
【0043】
当業者は、記載された製品の修正、変更に対応する、製品および/または方法の修正、変更を、本記載に基づいて実行することが可能である。