(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記切り替えのタイミングと前記選択操作タイミングとの差分が所定時間以下である場合に、前記選択判定部は、前記判定の対象とされたユーザ操作が前記切替前画像を対象としたものであると判定する
請求項1に記載の情報処理装置。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本実施の形態においては、ユーザに対してウェブページに付随させた広告情報を提供する広告配信システム1を例に説明を行う。
以下、実施の形態を次の順序で説明する。
【0015】
<1.全体構成>
<2.ハードウェア構成>
<3.処理の流れ>
<4.選択判定処理>
[4−1.第1の処理例]
[4−2.第2の処理例]
<5.その他の変形例>
<6.まとめ>
<7.プログラム及び記憶媒体>
尚、以下の説明においては、切替前画像、及び、切替後画像として、広告画像が適用された例を示す。従って、以下の例においては、「切替前画像」の一例として「切替前広告」と記載し、「切替後画像」の一例として「切替後広告」と記載する。
【0016】
<1.全体構成>
本実施の形態の広告配信システム1を含むネットワークシステム全体の構成を
図1及び
図2を用いて説明する。
図1に示すように、ユーザに広告情報を提供する広告配信システム1は、通信ネットワーク2を介して、ウェブサーバ3、ユーザ端末4、4、・・・と相互に通信可能な状態に接続されている。
広告配信システム1は、ユーザ端末4の要求に応じた広告を配信する機能や、広告の配信に係るログを記憶/管理する機能や、広告情報を管理する機能などを備えた情報処理装置を備えている。
【0017】
ユーザ端末4の要求に応じた広告を配信する機能としては、例えば、ユーザ端末4で動作するウェブブラウザ上に表示するバナー広告の簡易画像を配信する機能や、バナー広告に対するクリックなどの広告選択操作に応じて適切な広告ページをユーザ端末4上に表示させるための情報を配信する機能である。
広告の配信に係るログを記憶/管理する機能としては、具体的には、バナー広告の広告ID(Identification)と配信日時と配信先などを紐付けて記憶する処理や、適切な広告ページを配信するためにログを確認する処理(詳しくは後述する)を行う機能などである。
広告を管理する機能としては、広告主が広告配信システム1に登録した広告情報として、バナー広告の画像データや広告ページのURL(Uniform Resource Locator)情報やhtml(HyperText Markup Language)データなどを記憶する機能である。
【0018】
通信ネットワーク2の構成は特に限定されるものではなく、例えば、インターネット、イントラネット、エキストラネット、LAN(Local Area Network)、CATV(Community Antenna TeleVision)通信網、仮想専用網(Virtual Private Network)、電話回線網、移動体通信網、衛星通信網などが想定される。
また通信ネットワーク2の全部又は一部を構成する伝送媒体についても多様な例が想定される。例えばIEEE(Institute of Electrical and Electronics Engineers)1394、USB(Universal Serial Bus)、電力線搬送、電話線などの有線でも、IrDA(Infrared Data Association)のような赤外線、ブルートゥース(登録商標)、802.11無線、携帯電話網、衛星回線、地上波デジタル網などの無線でも利用可能である。
【0019】
ウェブサーバ3は、ユーザが要求したウェブページのhtmlデータ(以降、ウェブページデータ)を送信する情報処理装置である。このウェブページには、例えば一定時間ごとにバナー広告が切り替わって表示される広告枠が設定される。尚、全てのバナー広告に対して一律に一定の時間を定めるものであってもよいし、バナー広告ごとに異なる時間を一定時間として定めてもよい。
ユーザ端末4は、上記のウェブページなどを閲覧するウェブブラウザなどが動作する情報処理装置であり、例えば、通信機能を備えたPC(Personal Computer)やフィーチャーフォンやPDA(Personal Digital Assistants)、或いは、スマートフォンやタブレット端末などのスマートデバイスなどである。ユーザ端末4では、ウェブサーバ3で作成された上記のウェブページを閲覧する際に、広告配信システム1にバナー広告の簡易画像を要求する処理が実行される。
広告DB(Database)5は、広告配信システム1が管理する広告の各種データが記憶されるDBであり、広告配信システム1からのデータの記憶や取り出しが可能に接続されている。
ログDB6は、広告配信システム1に対するユーザ端末4の各種要求のログなどが記憶されるDBであり、広告配信システム1からのログの記憶や取り出しが可能に接続されている。
【0020】
広告配信システム1は、
図2に示すように、主制御部1aと、広告情報管理部1bと、ログ管理部1cと、選択判定部1dと、通信制御部1eとを備えている。
主制御部1aは、通信制御部1eから受信した各種要求や受信データを処理し、各部に対する各種処理を行う。各種処理とは、例えば、広告情報管理部1bに対してユーザごとの適切な広告情報を取得するように要求する処理や、ログ管理部1cに対してユーザ情報とユーザの操作と時間情報を紐付けてログを記憶するように要求する処理や、同じくログ管理部1cに対してユーザによるバナー広告の選択操作(例えば、バナー広告をクリックする操作など)の操作タイミングをログから確認するように要求する処理などである。
【0021】
広告情報管理部1bは、ユーザごとの適切な広告情報を広告DB5から取得する処理を実行する。また、ユーザ端末4のウェブブラウザ上に設けられた広告枠に対して入札された複数の広告の中から、入札額やウェブページとの関連性などから条件に合致する広告を選定する処理を実行してもよい。
ログ管理部1cは、主制御部1aからの要求に従って、ログDB6に対するログの記憶処理や取得処理を実行する。
また、ログ管理部1cは、主制御部1aからの先の操作タイミングの確認要求に応じ、ユーザがユーザ端末4上のバナー広告を選択することによってユーザ端末4から送信される選択広告情報要求に関するログと、当該ユーザ端末4で直前に行われたバナー広告切り替え処理に基づくバナー広告情報要求に関するログとの差分時間を確認する処理を行う。
選択広告情報要求に関するログとは、例えば、遷移先のウェブページのURL情報などの取得要求に関するログであり、以降の説明では、「選択広告情報要求ログ」と記載する。また、バナー広告情報要求に関するログは、以降の説明において、「バナー広告情報要求ログ」と記載する。
尚、主制御部1aは、ログ管理部1cから当該確認結果としての差分時間情報を受け取り、この差分時間情報に基づき、選択判定部1dに対して、判定を要求する処理を実行する。判定を要求する処理とは、ユーザ端末4上で行われたバナー広告の選択操作が、バナー広告切り替え処理の前に表示されていたバナー広告(切替前広告)に対するものであるか、或いは、バナー広告切り替え処理の後に表示されていたバナー広告(切替後広告)に対するものであるかの判定を要求する処理を実行する。差分時間を確認する処理と判定を要求する処理に関しては、詳しく後述する。
【0022】
ここで、ログDB6に記憶されるログの一例を、
図3を用いて説明する。ログには、ログ種別、ユーザ端末情報、広告ID、時刻情報の項目が設けられている。
ログ種別は、「バナー要求」と「広告要求」の2種類が設けられる。「バナー要求」は先のバナー広告情報要求ログに対して設定され、「広告要求」は先の選択広告情報要求ログに対して設定される。
ユーザ端末情報は、ユーザ端末4を特定するための情報であり、例えばIP(Internet Protocol)アドレスやMAC(Media Access Control)アドレスなどである。
広告IDは、広告DB5に記憶されている各種の広告から、一つの広告を一意に特定するための情報である。
時刻情報は、ログを記録する対象となる操作や処理が行われた時刻を推定できるものであり、ログ種別が「バナー要求」であるログの時刻情報としては、例えば、広告配信システム1がバナー広告情報要求を受信した日時である。また、ログ種別が「広告要求」であるログの時刻情報としては、例えば、広告配信システム1が選択広告情報要求を受信した日時である。
【0023】
図2に示す広告配信システム1の選択判定部1dは、主制御部1aから要求された先の判定処理を実行する。具体的には、ユーザ端末4上のバナー広告切り替え処理の時間情報(バナー広告情報要求ログ)と、ユーザによる当該バナー広告に対する選択操作の時間情報(選択広告情報要求ログ)との差分時間が所定の時間以下であるか否かを判定する処理を実行し、該判定結果を主制御部1aへ通知する。この判定処理により、ユーザのバナー広告選択操作が何れのバナー広告を対象としたものであるかを判定する。尚、主制御部1aは、該通知を受け取り、所定の処理(選択対応処理)を実行する。判定処理は、いくつかの例を後述する。
通信制御部1eは、通信ネットワーク2を介して受信した情報を主制御部1aに送信する処理や、主制御部1aから渡された各種広告情報などをユーザ端末4に送信する処理などを実行する。
【0024】
尚、先の「広告情報管理部1b」は、本発明の請求項における「情報管理部」に相当し、先の「ログ管理部1c」は、本発明の請求項における「時間情報取得部」に相当する。また、先の「主制御部1a」は、本発明の請求項における「選択対応処理部」に相当する。
【0025】
<2.ハードウェア構成>
図4は、
図1及び
図2に示した広告配信システム1、ウェブサーバ3、ユーザ端末4のハードウエアを例示する図である。それぞれのサーバや端末におけるコンピュータ装置のCPU(Central Processing Unit)101は、ROM(Read Only Memory)102に記憶されているプログラム、または記憶部108からRAM(Random Access Memory)103にロードされたプログラムに従って各種の処理を実行する。RAM103にはまた、CPU101が各種の処理を実行する上において必要なデータなども適宜記憶される。
CPU101、ROM102、およびRAM103は、バス104を介して相互に接続されている。このバス104には、入出力インターフェース105も接続されている。
入出力インターフェース105には、キーボード、マウス、タッチパネルなどよりなる入力装置106、LCD(Liquid Crystal Display)、CRT(Cathode Ray Tube)、有機EL(Electroluminescence)パネルなどよりなるディスプレイ、並びにスピーカなどよりなる出力装置107、HDD(Hard Disk Drive)やフラッシュメモリ装置などより構成される記憶部108、通信ネットワーク2を介しての通信処理や機器間通信を行う通信部109が接続されている。
入出力インターフェース105にはまた、必要に応じてメディアドライブ110が接続され、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、或いは半導体メモリなどのリムーバブルメディア111が適宜装着され、リムーバブルメディア111に対する情報の書込や読出が行われる。
【0026】
このようなコンピュータ装置では、通信部109による通信によりデータやプログラムのアップロード、ダウンロードが行われたり、リムーバブルメディア111を介したデータやプログラムの受け渡しが可能である。
CPU101が各種のプログラムに基づいて処理動作を行うことで、広告配信システム1などの各種の情報処理装置、ウェブサーバ3、ユーザ端末4のそれぞれにおいて後述する情報処理や通信が実行される。
尚、広告配信システム1などの各種の情報処理装置、ウェブサーバ3、ユーザ端末4を構成するそれぞれの情報処理装置は、
図4のようなコンピュータ装置が単一で構成されることに限らず、複数のコンピュータ装置がシステム化されて構成されてもよい。複数のコンピュータ装置は、LANなどによりシステム化されていてもよいし、インターネットなどを利用したVPN(Virtual Private Network)などにより遠隔地に配置されたものでもよい。
【0027】
<3.処理の流れ>
次に、広告配信システム1、ウェブサーバ3、及び、ユーザ端末4で行われる各処理の流れについて、
図5を参照しながら説明する。
以下では、ユーザがユーザ端末4を用いて、バナー広告が一定時間で切り替わる広告枠を備えたウェブページを閲覧し、そのバナー広告をクリックするなどして選択した際に、広告配信システム1、ウェブサーバ3、及び、ユーザ端末4で実行される各処理の流れを説明する。尚、本実施の形態では、ウェブページ上に一つの広告枠が設けられ、該広告枠に表示されるバナー広告が一定時間で切り替わる例を説明する。
【0028】
ユーザがウェブページを閲覧するにあたって、ウェブブラウザなどのソフトウェアをユーザ端末4上で起動して、当該ウェブページにアクセスすると、ユーザ端末4は、ステップS101において、ウェブサーバ3に対してウェブページデータを要求する処理を実行する。続いて、当該処理に伴い、ウェブサーバ3は、ステップS201において、ウェブページデータ要求を受け付ける処理を実行し、ステップS202において、ユーザ端末4に対するウェブページデータの送信処理を実行する。この送信処理に応じて、ユーザ端末4はステップS102において、ウェブページデータの受信処理を実行する。この処理では、ウェブページデータを解析し、ウェブブラウザに所定の文字や画像を表示させる処理が実行される。
【0029】
続いて、ユーザ端末4はステップS103において、ウェブブラウザ上の所定の位置に表示されるバナー広告の簡易画像などの情報を広告配信システム1に要求するバナー広告情報要求処理を実行する。バナー広告情報要求処理では、例えば、ユーザの好みを反映したバナー広告を選定するために必要な情報としてユーザの情報やウェブページが含むキーワードなどを送信してもよい。
この処理に伴い、広告配信システム1の主制御部1aは、ステップS301で、バナー広告情報要求受信処理を実行する。バナー広告情報要求受付処理では、主制御部1aが広告情報管理部1bに対して適切なバナー広告を選定する処理を実行させる指示を出すと共に、ログ管理部1cに対してバナー広告情報要求受信に係るバナー広告情報要求ログを記憶させる指示を出す。バナー広告情報要求ログの時刻情報としては、例えば、バナー広告情報要求を受信した時刻を記憶する。
【0030】
次に、広告配信システム1の広告情報管理部1bは、主制御部1aからの指示を受け、ステップS302において、バナー広告選定処理を実行する。バナー広告選定処理では、ユーザ情報やウェブページの記載内容などを用いて、ユーザ端末4のウェブブラウザ上のバナー広告枠に表示させるバナー広告を選定する。尚、バナー広告の候補が複数ある場合は、前述したように、広告主に対して当該バナー広告枠に対する入札を行わせてもよい。
ステップS302で広告枠に表示するバナー広告が決定されると、広告配信システム1の主制御部1aはステップS303で、広告情報管理部1bによって決定されたバナー広告に係る情報を送信するバナー広告情報送信処理を実行する。バナー広告情報送信処理では、例えば、広告枠に表示させる簡易画像データやバナー広告がクリックされたときの遷移先ウェブページ情報(URLなど)が送信される。
バナー広告情報送信処理に応じて、ユーザ端末4はステップS104で、バナー広告情報受信処理を実行し、バナー広告の簡易画像をウェブブラウザ上の広告枠に表示させる。
【0031】
続いて、ユーザ端末4は、画像の選択操作(例えば、ウェブブラウザ上でバナー広告の画像をクリックする操作)が行われたか否かを判定する画像選択操作確認処理をステップS105において実行する。
ユーザ端末4は、ステップS105で画像選択操作が行われていないと判定した場合、続くステップS106で時間経過確認処理を実行する。時間経過確認処理は、一つのバナー広告が表示される最大の時間長を表示時間長としたときに、現在表示されているバナー広告が表示されてから経過した時間長が表示時間長に達したか否かを判定する処理となる。
ステップS106の時間経過確認処理において、先の経過した時間長が表示時間長に達していないと判定した場合、ユーザ端末4はステップS105を再び実行する。また、先の経過した時間長が表示時間長に達したと判定した場合、広告枠に異なるバナー広告を表示させるために、ユーザ端末4はステップS103のバナー広告情報要求処理を実行する。
【0032】
先のステップS105の画像選択操作確認処理において、画像選択操作が行われたと判定した場合、ユーザ端末4はステップS107において、ユーザの選択操作の対象となったバナー広告に関する情報を広告配信システム1に要求する選択広告情報要求処理を実行する。選択広告情報要求処理では、例えば、バナー広告に紐付いたウェブページ(例えば商品販売ページなど)をウェブブラウザ上に表示するためのウェブページデータを要求する処理が実行される。
【0033】
ステップS107の選択広告情報要求処理に応じて、広告配信システム1の主制御部1aはステップS304で、選択広告情報要求受信処理を実行して該要求を受け付け、広告配信システム1は続くステップS305で、選択判定処理を実行する。
ステップS304の選択広告情報要求受信処理では、主制御部1aがログ管理部1cに対して選択広告情報要求受信に係る選択広告情報要求ログを記憶させる指示を出す。選択広告情報要求ログの時刻情報としては、例えば、選択広告情報要求を受信した時刻を記憶する。
続くステップS305の選択判定処理では、ログ管理部1cが必要なログ情報を取得し、選択判定部1dが選択判定処理を実行する。選択判定処理は、ユーザのバナー広告に対する選択操作が何れのバナー広告を対象としたものかを判定する処理であり、具体的には、バナー広告画像の切り替え直後にユーザの選択操作が行われたときに、ユーザの選択操作が切り替え前のバナー広告を対象としたものであるか、切り替え後のバナー広告を対象としたものであるかを判定する処理である。即ち、先の選択広告情報として何れかのバナー広告を設定する処理となる。詳しくは、いくつかのパターンを挙げて後述する。
次に、広告配信システム1の主制御部1aは、ステップS306で選択対応処理を実行する。選択対応処理は、ステップS305においてユーザ端末4へ送信する広告情報(選択広告情報)として設定された何れかのバナー広告に紐付いたウェブページデータを送信する処理となる。具体的には、主制御部1aが広告情報管理部1bに対して、選択広告情報の取得を指示する。広告情報管理部1bによって取得された、バナー広告に紐付いたウェブページデータは、ユーザ端末4へ送信される。
【0034】
<4.選択判定処理>
[4−1.第1の処理例]
選択判定処理の第1の処理例を
図6を用いて説明する。
選択判定処理は、前述の通り、バナー広告に対するユーザの選択操作(ここでは、当該選択操作とする)に応じて実行される処理であり、第1の処理例では、バナー広告の切り替え直後にバナー広告がクリックされた場合、即ち、切替後広告のクリックタイミングがユーザ端末4におけるバナー広告切替直後であった場合、切替前広告がクリックされたと判定する処理となる。
先ず、ステップS401において、広告配信システム1の主制御部1aから指示を受けたログ管理部1cは、時刻情報取得処理を実行する。時刻情報取得処理では、ユーザの当該選択操作に基づく選択広告情報要求ログ(ログ種別:「広告要求」)のユーザ端末情報と時刻情報t1を取得する。更に、同一のユーザ端末情報を有し、かつ、ログ種別が「バナー要求」とされ、時刻情報がt1以前となる最も直近のログの時刻情報t2(<t1)をログDB6から取得する。取得したバナー広告情報要求ログの時刻情報t2と選択広告情報要求ログの時刻情報t1は、主制御部1aに送信される。尚、該当するログが存在した場合でも、バナー広告情報要求ログが二つ以上存在しない場合、時刻情報取得できなかったとしてその旨を主制御部1aに通知する。バナー広告情報要求ログが一つだけである場合は、切替前広告が存在しないため、ユーザの選択操作の対象とされるバナー広告が切替後広告に一意に決定可能なためである。具体的には、バナー広告(広告A)のバナー広告情報要求ログが記録され、続いて、バナー広告(広告B)のバナー広告情報要求ログが記録され、直後に選択広告情報要求ログが記録された場合は、広告A/Bのいずれを対象とした選択操作であるのか疑義が生じる可能性がある。しかし、バナー広告(広告A)のバナー広告情報要求ログが記録され、続いて、選択広告情報要求ログが記録された場合は、選択対象となるバナー広告が広告Aしか存在しえないからである。
【0035】
次に、主制御部1aはステップS402において、時刻情報が取得できたか否かを判定する。時刻情報が取得できなかった場合、主制御部1aは、
図6に示した選択判定処理を終了する。
時刻情報が取得できたと判定した場合、主制御部1aの指示により、選択判定部1dはステップS403において、ユーザの当該選択操作が切替前広告に対する操作であるか、切替後広告に対する操作であるかを判定する処理を実行する。即ち、時刻情報t1と時刻情報t2の差分が所定値T0以下であるか否かを判定する処理であり、具体的には、(t1−t2)<T0を満たすか否かを判定する処理となる。
【0036】
ステップS403において(t1−t2)<T0を満たすと判定した場合、広告配信システム1の主制御部1aは、ステップS404において、ユーザ端末4へ送信する広告情報(選択広告情報)として切替前広告情報を設定し、選択判定処理を終了する。
ステップS403において(t1−t2)<T0を満たさないと判定した場合、広告配信システム1の主制御部1aは、ステップS405において、ユーザ端末4へ送信する広告情報(選択広告情報)として切替後広告情報を設定し、選択判定処理を終了する。
この結果、ステップS306で説明した選択対応処理において、選択判定処理で設定された選択広告情報に基づき、適切なウェブページデータがユーザ端末4へ送信される。
【0037】
[4−2.第2の処理例]
選択判定処理の第2の処理例を
図7を用いて説明する。
第2の処理例では、バナー広告の切り替え直後にバナー広告がクリックされた場合、何れのバナー広告を選択したかをユーザに確認する処理を実行する。
尚、ステップS501及びステップS502の各処理は、先のステップS401及びステップS402の各処理と同じであるため、説明を省略する。
【0038】
ステップS502で時刻情報が取得できたと判定した場合、広告配信システム1の主制御部1aの指示により、選択判定部1dはステップS503において、ユーザの当該選択操作の対象となるバナー広告を確認するか否かを判定する処理を実行する。即ち、(t1−t2)<T0を満たすか否かを判定する処理を実行する。
【0039】
ステップS503において(t1−t2)<T0を満たすと判定した場合、即ち、ユーザに対して、当該選択操作が切替前後の広告の何れを対象としたものであるかを確認する必要があると判定した場合、広告配信システム1の主制御部1aは、ステップS504において、選択画面提示処理を実行する。選択画面提示処理では、切替前広告と切替後広告の何れかをユーザに選択させる画面をユーザ端末4上に表示させる。選択画面は、例えば
図8に示すように、選択を促す質問文と、切替前広告としての画像Aと切替後画像としての画像Bと、それぞれの画像の説明文(例えば商品の説明文など)が表示されたダイアログボックスとされる。また、画像A及び画像Bの左側には、それぞれラジオボタンが設置されている。更に、ダイアログボックスの下方には回答ボタンが設置され、回答ボタンが押下されることにより、ユーザが選択したバナー広告が選択結果として広告配信システム1に送信される。
尚、「選択画面提示処理」は、本発明の請求項における「確認処理」に相当する。
【0040】
続いて
図7の説明に戻る。主制御部1aはステップS505において、ユーザ端末4から送信された先の選択画面における選択結果が切替前広告であるか否かを判定する処理を行う。ユーザによる選択結果が切替前広告である場合には、主制御部1aはステップS506において、選択広告情報として切替前広告情報を設定し、選択判定処理を終了する。
ステップS505の選択結果が切替後広告である場合には、主制御部1aはステップS507において、選択広告情報として切替後広告情報を設定し、選択判定処理を終了する。
また、ステップS503において、(t1−t2)<T0を満たさないと判定した場合、即ち、バナー広告の切り替えから十分に時間が経過後、バナー広告に対する選択操作が行われたと判定した場合、主制御部1aは、続いてステップS507において、選択広告情報として切替後広告情報を設定し、選択判定処理を終了する。
この結果、ステップS306で説明した選択対応処理において、選択判定処理で設定された選択広告情報に基づき、適切なウェブページデータがユーザ端末4へ送信される。
【0041】
<5.その他の変形例>
上述した実施の形態では、広告配信システム1がステップS305の選択判定処理やステップS306の選択対応処理などを実行したが、広告配信システム1は要求された広告情報(バナー広告用の画像や広告ページのウェブページデータなど)を返す処理を行うのみとされてもよい。この場合には、ウェブサーバ3が各種の判定処理などを行い、必要に応じて適切な広告を広告配信システム1から取得する処理を実行する。
【0042】
また、広告配信システム1とウェブサーバ3は、同一の情報処理装置であってもよい。この場合には、
図5に示したステップS201、S202、S301乃至S306の各処理は、当該同一の情報処理装置によって実行される。
【0043】
前述では、バナー広告情報要求ログ(或いは選択広告情報要求ログ)の時刻情報は、バナー広告情報要求(或いは選択広告情報要求)を受信した時刻としたが、広告配信システム1に対してバナー広告を切り換える際の時刻情報(或いはバナー広告に対する選択操作を行った時刻情報)を配信するプログラムが、先のステップS202で送信されるウェブページデータに含まれていてもよい。この場合には、各種要求を広告配信システム1が受信した時刻ではなく、ユーザ端末4上で実際に処理が行われた時刻情報を取得することが可能となる。
また、広告配信システム1が要求された広告情報を返す処理を行うのみとされた場合には、ユーザ端末4からの各種要求をウェブサーバ3が受信することにより、ウェブサーバ3は各ログに係る時刻情報を取得することができる。
【0044】
また、上述した実施の形態では、ウェブサーバ3が提供するウェブページ上に一つの広告枠が設けられた例を説明したが、複数の広告枠が設けられていてもよい。この場合、
図5のステップS107の選択広告情報要求処理において、ユーザが選択したバナー広告が配置された広告枠の情報もユーザ端末4から広告配信システム1に通知される。そして、ステップS401の時刻情報取得処理では、選択広告情報要求ログと同一のユーザ端末情報を有し、かつ、同一の広告枠の情報を有する選択広告情報要求ログを検索して取得する。 また、ユーザが選択したバナー広告が配置された広告枠が、バナー広告の切り替えの行われない広告枠であった場合、
図5のステップS305の判定は実行されずに、ユーザが選択操作を行ったバナー広告に関してステップS306の処理を実行してもよい。
【0045】
また、上記の説明では、各ログのユーザ端末情報として、IPアドレスやMACアドレスを記憶する例を説明した。しかし、それらに加えて、ウェブページを閲覧するごとに異なるIDが付されて記憶されてもよい。具体的に説明すると、ユーザがユーザ端末4を用いて、ウェブページAを閲覧し、その後、ウェブページBを閲覧した場合、同一のユーザ端末4を用いていたとしても、異なるユーザ端末情報として記録されてもよい。これにより、ウェブページAの閲覧時に表示されたバナー広告(広告A)に対するバナー広告情報要求ログが、ウェブページBの閲覧時に表示されたバナー広告(広告B)に対する選択操作の選択判定処理に用いられることがない。従って、古いウェブページAの閲覧時に表示されていた広告Aが選択されたと判定することもなくなる。
同様に、同じウェブページAを閲覧した場合であっても、閲覧するごとに異なるユーザ端末情報として記録されてもよい。具体的には、ユーザ端末4を用いてウェブページAを閲覧し、続いて、ウェブページAを表示し直す更新操作を行った場合、最初のウェブページAの閲覧時に表示されている広告Aに対する各種ログと、更新後のウェブページAの閲覧時に表示されている広告A’に対する各種ログとにおいて、異なるユーザ端末情報が記憶される。
【0046】
更に、ウェブページ上の広告枠のサイズがバナー広告によって変化する場合においても、表示領域の一部が同一領域とされている場合には、上記した広告配信システム1の各処理を適用できる。
【0047】
<6.まとめ>
上述した広告配信システム1は、
ユーザ端末4上に表示されるウェブページ上の一部の
同一の領域に表示され
それぞれがユーザの選択操作の対象となる複数の画像の切り替えが行われた場合に、切替前画像に係る情報を切り替え後も保持する情報管理部としての広告情報管理部1bと、切り替えのタイミングと、領域に対するユーザの選択操作タイミングとを取得する時間情報取得部としてのログ管理部1cと、切り替えが行われた時点から所定時間以下に選択操作タイミングをログ管理部1cが取得した際に、選択操作が切替前画像と切替後画像の何れを対象としたものであるかを判定する選択判定部1dと、判定に基づいて切替前画像または切替後画像に係る情報
をユーザ端末4に送信する選択対応処理を実行する選択対応処理部としての主制御部1aとを備えたものである。
従って、画像の切り替え後に画像の選択操作が行われた場合に、該選択操作が切替前画像と切替後画像の何れを対象としたものであるか判定される。
これにより、ユーザの意図しない画像選択がなされることを防止する。また、ユーザに不本意な画面遷移が起こってしまうことを防止することができる。
更に、例えば、ウェブページの表示ごとに異なる広告が表示されるように広告配信システム1が構成されている場合、ユーザが広告ページに遷移する前のページを再度閲覧したとしても、ユーザが選択しようとした広告が再度表示されるとは限らず、ユーザが目的の広告を探すことが困難となってしまう。また、広告主にとっても、商品の販売機会を失うことになりかねない。上記した広告配信システム1においては、このような問題点も解決することが可能である。
【0048】
また、
図7のステップS503で示したように、切り替えのタイミング(取得したバナー広告情報要求ログの時刻情報t2)と選択操作タイミング(選択広告情報要求ログの時刻情報t1)との差分が所定時間T0以下である場合に、選択判定部1dは、ユーザの選択操作が何れの画像を対象としたものかを確認する確認画面(
図8参照)をユーザに提示する確認画面提示処理を実行し、選択判定部1dは、確認画面に対するユーザの応答に基づいて判定を実行するものである。
これにより、ユーザに多大な負担を掛けずに、選択操作に対する処理結果がユーザの意思を反映したものとなる。
【0049】
更にまた、
図6のステップS403、ステップS404、ステップS405で説明したように、切り替えのタイミング(取得したバナー広告情報要求ログの時刻情報t2)と選択操作タイミング(選択広告情報要求ログの時刻情報t1)との差分が所定時間以下である場合に、選択判定部1dは、判定の対象とされたユーザ操作が切替前画像を対象としたものであると判定するものである。
これにより、ユーザの負担を増加させずにユーザの選択操作の対象とされた画像が推し量られる。これにより、ユーザにストレスを感じさせてしまう状況を回避することが可能となる。
【0050】
また、上記した実施の形態で説明したように、画像選択に係る情報は、画像選択時に遷移する遷移先ウェブページのアドレスとされ、選択対応処理は、遷移先ウェブページを表示させる処理とされたものである。
これにより、ユーザの意図しない画像が選択されることによる意図しない画面遷移が発生し、時間を浪費してしまうことが抑制される。
【0051】
更にまた、上記した実施の形態で説明したように、切替前画像及び切替後画像はバナー広告画像とされたものである。
これにより、購買意欲のない商品の広告ページに画面遷移してしまい、時間を浪費することが防止され、また、意図しない商品が閲覧履歴に残ってしまうことが防止される。従って、例えば、ユーザの閲覧履歴などに基づいて、ユーザの嗜好に合致した広告をユーザごとに変えて提供するシステムを組み合わせて運用する場合などに、不適切な広告をユーザに提示してしまうことを防止することができる。
【0052】
<7.プログラム及び記憶媒体>
以上、本発明の広告配信システム1を説明してきたが、実施の形態のプログラムは、広告配信システム1における処理を演算処理装置(CPUなど)に実行させるプログラムである。
【0053】
実施の形態のプログラムは、
端末上に表示されるウェブページ上の一部の
同一の領域に表示され
それぞれがユーザの選択操作の対象となる複数の画像の切り替えが行われたときに、切替前画像に係る情報を前記切り替え後も保持する手順を演算処理装置に実行させる。
また、前記切り替えのタイミングと、前記領域に対するユーザの選択操作タイミングとを取得する手順を演算処理装置に実行させる。
更に、前記切り替えが行われた時点から所定時間以下に前記選択操作タイミングを取得した際に、当該選択操作が前記切替前画像と切替後画像の何れを対象としたものであるかを判定する手順を演算処理装置に実行させる。
更にまた、前記判定に基づいて前記切替前画像または前記切替後画像に係る情報
を前記端末に送信する選択対応処理を実行する手順を演算処理装置に実行させる。
即ちこのプログラムは、演算処理装置に対して
図5で説明したステップS304乃至ステップS306で示した各処理と、
図6で説明したステップS401乃至ステップS405で示した各処理と、
図7で説明したステップS501乃至ステップS507で示した各処理を実行させるプログラムである。
尚、このプログラムは、ユーザ端末4を用いて実現することも可能である。そのためには、
図5で説明したステップS304乃至ステップS306で示した各処理と、
図6で説明したステップS401乃至ステップS405で示した各処理と、
図7で説明したステップS501乃至ステップS507で示した各処理がユーザ端末4上で実行されるように、ウェブサーバ3から送信されるウェブページデータに当該プログラムが含まれていればよい。
【0054】
このようなプログラムにより、上述した広告配信システム1を実現できる。
そしてこのようなプログラムはコンピュータ装置などの機器に内蔵されている記憶媒体としてのHDDや、CPUを有するマイクロコンピュータ内のROMなどに予め記憶しておくことができる。或いはまた、半導体メモリ、メモリカード、光ディスク、光磁気ディスク、磁気ディスクなどのリムーバブル記憶媒体に、一時的或いは永続的に格納(記憶)しておくことができる。またこのようなリムーバブル記憶媒体は、いわゆるパッケージソフトウェアとして提供することができる。
また、このようなプログラムは、リムーバブル記憶媒体からパーソナルコンピュータなどにインストールする他、ダウンロードサイトから、LAN、インターネットなどのネットワークを介してダウンロードすることもできる。
ユーザの意図しない画像選択がなされることを防止し、適切な画像選択に係る処理を実行するために、広告配信システム1はウェブページ上の一部の領域に表示される画像の切り替えが行われた場合に、切替前画像に係る情報を前記切り替え後も保持する情報管理部と、前記切り替えのタイミングと、前記領域に対するユーザの選択操作タイミングとを取得する時間情報取得部と、前記切り替えが行われた時点から所定時間以下に前記選択操作タイミングを前記時間情報取得部が取得した際に、当該選択操作が前記切替前画像と切替後画像の何れを対象としたものであるかを判定する選択判定部と、前記判定に基づいて前記切替前画像または前記切替後画像に係る情報に基づく選択対応処理を実行する選択対応処理部と、を備えたものである。