(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5759668
(24)【登録日】2015年6月12日
(45)【発行日】2015年8月5日
(54)【発明の名称】多直列LED駆動回路
(51)【国際特許分類】
H01L 33/00 20100101AFI20150716BHJP
H02M 3/155 20060101ALI20150716BHJP
H02M 7/12 20060101ALI20150716BHJP
【FI】
H01L33/00 J
H02M3/155 J
H02M7/12 Q
【請求項の数】3
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2009-230681(P2009-230681)
(22)【出願日】2009年10月2日
(65)【公開番号】特開2011-82204(P2011-82204A)
(43)【公開日】2011年4月21日
【審査請求日】2012年9月20日
【審判番号】不服2014-9099(P2014-9099/J1)
【審判請求日】2014年5月16日
(73)【特許権者】
【識別番号】000237721
【氏名又は名称】FDK株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000176
【氏名又は名称】一色国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】大崎 正康
(72)【発明者】
【氏名】大中 智貴
【合議体】
【審判長】
吉野 公夫
【審判官】
松川 直樹
【審判官】
近藤 幸浩
(56)【参考文献】
【文献】
特開2001−313423号公報(JP,A)
【文献】
特開2009−110939号公報(JP,A)
【文献】
特開2009−050067号公報(JP,A)
【文献】
特開2008−288207号公報(JP,A)
【文献】
特開2005−229757号公報(JP,A)
【文献】
特開2004−266928号公報(JP,A)
【文献】
特開平7−250471号公報(JP,A)
【文献】
実開平5−55783号公報(JP,U)
【文献】
国際公開第2009/092439号(WO,A1)
【文献】
国際公開第2009/012822号(WO,A1)
【文献】
国際公開第2009/001279号(WO,A1)
【文献】
国際公開第2005/109617号(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 33/00-33/64
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
SEPIC(Single Ended Primary Inductance Converter)型のDC−DCコンバータを有し、商用交流電源を全波整流して得られる直流電源を、前記DC−DCコンバータで電圧変換して多直列LEDに供給することにより、その多直列LEDを定電流で通電駆動する多直列LED駆動回路であって、
前記DC−DCコンバータは、入力キャパシタ、第1インダクタ、半導体スイッチング素子、結合キャパシタ、第2インダクタ、整流ダイオード、出力キャパシタ、商用交流電源の力率改善を行いながらスイッチング制御を行うPFC回路、多直列LEDを流れる出力電流を電圧変換して検出する電流検出回路、および多直列LEDが接続される出力端子を有するシングルエンド(片側接地)回路であり、
前記入力キャパシタは、非電解型キャパシタであって、商用交流電源の全波整流出力の非接地(ホット)側と接地(コールド)側との間に接続され、
前記第1インダクタは、その一端(入力側)が前記入力キャパシタの非接地側に接続されるともに、その他端(出力側)が前記半導体スイッチング素子を直列に介して接地側に接続され、
前記半導体スイッチング素子は、前記PFC回路により、交流電源周波数よりも十分に高い周波数でオン・オフ駆動されて前記第1インダクタのインダクタ電流をスイッチングし、
前記結合キャパシタは、非電解型キャパシタであって、前記第1インダクタと前記第2インダクタとの間に直列に介在して直流遮断および交流結合を行い、
前記第2インダクタは、前記結合キャパシタと接地側との間に接続され、
前記整流ダイオードは、前記第2インダクタと前記出力キャパシタとの間に直列に介在して前記第2インダクタの誘導電圧を整流し、
前記出力キャパシタは非電解型キャパシタであって、前記整流ダイオードの整流出力が充電され、
前記PFC回路は、前記電流検出回路の電流検出電圧が所定値となり、かつ商用交流電源からの入力電流と入力電圧が相似形になるように、前記半導体スイッチング素子をオン・オフ制御する、
ことを特徴とする多直列LED駆動回路。
【請求項2】
請求項1に記載の多直列LED駆動回路であって、前記出力端子間に現れる電圧が所定以上になったか否かを検出する過電圧検出回路を備え、前記過電圧検出回路が所定以上の電圧を検出したときに、前記PFC回路を介して出力電圧を抑制することを特徴とする多直列LED駆動回路。
【請求項3】
請求項1または2に記載の多直列LED駆動回路であって、接地側の前記出力端子と接地側ライン間に流れる出力電流を抵抗素子で電圧変換して検出する電流検出回路と、前記出力端子間に現れる電圧を抵抗素子で分圧する分圧回路を有し、前記電流検出回路の電流検出電圧と前記分圧回路の分圧電圧を、共に出力電圧制御のためのフィードバック電圧として前記PFC回路に入力させることを特徴とする多直列LED駆動回路。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は多直列LED駆動回路に関し、とくに、商用交流電源を全波整流して得られる直流電源を、スイッチング制御方式のDC−DCコンバータで電圧変換して多直列LEDに定電流通電させる回路に関する。
【背景技術】
【0002】
LED(発光ダイオード)は順方向に所定の定電流を通電することにより発光駆動される。このLEDを照明用光源とする場合は、所定の照明光量を得るために所定数のLEDを直列接続して通電駆動することが行われる。LEDの順方向電圧にはバラツキがあるが、直列接続して通電駆動することにより、順方向電圧にバラツキがあっても、各LEDに均等に電流を通電させることができる。
【0003】
たとえば、照明光源に多く用いられる高輝度白色LEDの順方向電圧(Vf)は約3.2Vほどある。このLEDをたとえば20mAの定電流通電によって発光駆動するためには、少なくともその順方向電圧を上回る電圧(>3.2V)の直流電源が必要となる。実用的な照明光源では、多数のLEDを直列接続してなる多直列LEDが使用されるため、各LEDの順方向電圧の総和を上回る電圧の直流電源が必要となる。
【0004】
LEDの直列接続数は照明の用途等によって大きく異なるが、たとえば10個の高輝度白色LEDを直列接続した場合は、少なくとも3.2V×10個=32V超(32Vを若干上回る)の電圧の直流電源が必要になる。同様に、50個の高輝度白色LEDが直列接続した場合は、3.2V×50個=160V超の直流電源が必要になる。直流電源電圧が不足すると、多直列LEDに駆動電流を通電させることができない。所定の駆動電流を安定に通電させるためには、多直列LEDの直列数×順方向電圧+定電流制御に必要な電圧の直流電源が必要になるからである。
【0005】
白熱灯や蛍光灯などの従来の光源の代わりに多直列LEDを使用する場合、そのLEDの発光駆動は、商用交流電源(AC100V)を全波整流して得られる直流電源を用いて行われる。この場合も、多直列LEDを発光駆動させるためには、上述したように、直列接続数×順方向電圧(約3.2V)を超える電圧の直流電源が必要である。
【0006】
そこで、従来においては、たとえば特許文献1〜3に開示されているように、商用交流電源(AC100V、50/60Hz)を全波整流して得られる直流電源を、スイッチング制御方式のDC−DCコンバータで所定の電圧に変換し、この電圧変換された直流電源を、定電制御回路を介して直列LEDに印加することが行われていた。DC−DCコンバータは直流電圧変換回路であって、その変換出力電圧は、多直列LEDの直列接続数に応じてあらかじめ設定される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2007−189819号公報
【特許文献2】特開2001−313423号公報
【特許文献3】特開2008−99439号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
商用交流電源(AC100V)を全波整流して得られる直流電源を、スイッチング制御方式のDC−DCコンバータで所定の電圧に変換して多直列LEDに供給する場合、そのDC−DCコンバータの変換出力電圧が不足すれば、多直列LEDは当然通電駆動されないが、反対に、その変換出力電圧が過剰だと、出力電圧と直列接続数×順方向電圧(約3.2V)との電圧差が電力損失分となるため、電力効率が低下してしまう。
【0009】
照明用光源としてのLEDの最大の利点は、消費電力の少なさ、つまり電力効率の良さにある。しかし、多直列LEDを、その通電駆動に最低限必要な電圧を大きく超える電圧で通電駆動した場合、その電圧の超過分が電力損失となって、光源としてのLEDの利点である電力効率の良さが阻害されてしまう。
【0010】
多直列LED駆動回路のDC−DCコンバータとして、従来は主に、インダクタ、スイッチング素子、ダイオード、キャパシタを用いて構成される降圧型コンバータ(バック・コンバータ)または昇圧型コンバータ(ブースト・コンバータ)が使用されていた。両者は、駆動対象である多直列LEDの直列接続数に応じて使い分けられる。すなわち、LEDの直列接続数が少ない場合は降圧型コンバータが、多い場合は昇圧型コンバータが使用される。
【0011】
このように、多直列LED駆動回路は、駆動対象である多直列LEDの直列接続数に応じて構成され、その直列接続数が増減した場合は、その増減に対応すべく構成された多直列LED駆動回路を使用しなければならなかった。つまり、従来の多直列LED駆動回路では、単一仕様(単一品種)の構成でもって、直列接続数の異なる多直列LEDを効率良く通電駆動することができなかった。
【0012】
電圧不足による通電不能状態に陥ることなく、かつ電圧過剰による電力損失を増大させることなく、多直列LEDの直列接続数の増減に対応するためには、その直列接続数に応じた多種類(多品種)の駆動回路を用意しなければならなかった。
【0013】
また、DC−DCコンバータの入力電源を商用交流電源から取る場合は、交流入力の電流と電圧をなるべく比例させるような力率改善を行う必要もあった。
【0014】
本発明は以上のような背景を鑑みたものであって、その目的は、多直列LEDを、その直列接続数が大きく増減したとしても、単一仕様の構成でもって、高い電力効率と良好な力率で通電駆動することができる多直列LED駆動回路を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明は次のような手段を提供する。
第1の手段は、
SEPIC(Single Ended Primary Inductance Converter)型のDC−DCコンバータを有し、商用交流電源を全波整流して得られる直流電源を、上記DC−DCコンバータで電圧変換して多直列LEDに供給することにより、その多直列LEDを定電流で通電駆動する多直列LED駆動回路であって、以下の技術事項(11)〜(19)を備えたことを特徴とする。
【0016】
(11)DC−DCコンバータは、入力キャパシタ、第1インダクタ、半導体スイッチング素子、結合キャパシタ、第2インダクタ、整流ダイオード、出力キャパシタ、力率改善を行いながらスイッチング制御を行うPFC回路、
多直列LEDを流れる出力電流を電圧変換して検出する電流検出回路、および多直列LEDが接続される出力端子を有するシングルエンド(片側接地)回路である。
(12)入力キャパシタは非電解型キャパシタであって、商用交流電源の全波整流出力の非接地(ホット)側と接地(コールド)側間に接続される。
(13)第1インダクタは、その一端(入力側)が入力キャパシタの非接地側に接続されるともに、その他端(出力側)が半導体スイッチング素子を直列に介して接地側に接続される。
(14)半導体スイッチング素子は、PFC回路により、交流電源周波数よりも十分に高い周波数でオン・オフ駆動されて第1インダクタのインダクタ電流をスイッチングする。
(15)結合キャパシタは非電解型キャパシタであって、第1インダクタと第2インダクタ間に直列に介在して直流遮断および交流結合を行う。
(16)第2インダクタは、結合キャパシタと接地側間に接続される。
(17)整流ダイオードは、第2インダクタと出力キャパシタ間に直列に介在して第2インダクタの誘導電圧を整流する。
(18)出力キャパシタは非電解型キャパシタであって、整流ダイオードの整流出力が充電される。
(19)PFC回路は、電流検出回路の電流検出電圧が所定値となり、かつ商用交流電源からの入力電流と入力電圧が相似形になるように半導体スイッチング素子をオン・オフ制御する。
【0017】
第2の手段は、第1の手段において、出力端子間に現れる電圧が所定以上になったか否かを検出する過電圧検出回路を備え、この過電圧検出回路が所定以上の電圧を検出したときに、PFC回路を介して出力電圧を抑制するようにしたことを特徴とする。
【0018】
第3の手段は、第1または第2の手段において、接地側出力端子と接地側ライン間に流れる出力電流を抵抗素子で電圧変換して検出する電流検出回路と、出力端子間に現れる電圧を抵抗素子で分圧する分圧回路を有し、電流検出回路の電流検出電圧と分圧回路の分圧電圧を
、共
に出力電圧制御のためのフィードバック電圧としてPFC回路に入力させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0019】
多直列LEDを、その直列接続数が大きく増減したとしても、単一仕様の多直列LED駆動回路でもって、高い電力効率と良好な力率で通電駆動することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】本発明の第1実施形態をなす多直列LED駆動回路の回路図である。
【
図2】本発明の第2実施形態をなす多直列LED駆動回路の回路図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
本発明の第1実施形態をなす多直列LED駆動回路は、
図1に示すように、商用交流電源(AC100V、50/60Hz)をブリッジ整流器Bdで全波整流して直流電源を生成し、この直流電源をスイッチング制御方式のDC−DCコンバータで電圧変換して多直列LED20に供給することにより、その多直列LED20を定電流で通電駆動する。多直列LED20は任意数のLEDLdを直列接続したものである。LEDLdとしては、たとえば高輝度白色LEDあるいは任意の発光色の高輝度LEDが使用される。
【0022】
DC−DCコンバータは、同図に示すように、入力キャパシタC1、第1インダクタL1、半導体スイッチング素子であるパワーMOSFETQ1、結合キャパシタC3、第2インダクタL2、整流ダイオードD1、出力キャパシタC2、力率改善を行いながらMOSFETQ1のスイッチング制御を行うPFC回路10、出力電流を抵抗素子によって電圧変換する電流検出回路Rs2、および多直列LED20が接続される出力端子p1,p2を有するシングルエンド(片側接地)回路によって構成されている。
【0023】
ここで、入力キャパシタC1は、フィルムコンデンサ(キャパシタ)やセラミックコンデンサ(キャパシタ)などの電解コンデンサ以外のキャパシタすなわち非電解型キャパシタであって、商用交流電源の全波整流出力の非接地(ホット)側と接地(コールド)側間に接続されている。
【0024】
第1インダクタL1は、その一端(入力側)が入力キャパシタC1の非接地側に接続されるともに、その他端(出力側)がMOSFETQ1を直列に介して接地側に接続されている。
MOSFETQ1は、PFC回路10により、交流電源周波数よりも十分に高い周波数でオン・オフ駆動されて第1インダクタL1のインダクタ電流をスイッチングする。
【0025】
結合キャパシタC3は非電解型キャパシタであって、第1インダクタL1と第2インダクタL2間に直列に介在して直流遮断および交流結合を行う。
第2インダクタL2は、結合キャパシタC3と接地側間に接続されている。
【0026】
整流ダイオードD1は、第2インダクタL2と出力キャパシタC2間に直列に介在して第2インダクタL2の誘導電圧を整流する。
出力キャパシタC2は非電解型キャパシタであって、整流ダイオードD1の整流出力が充電される。これにより、整流ダイオードD1の整流出力電流を平滑化する。
【0027】
PFC回路10は、電流検出回路Rs2の電流検出電圧が所定値となり、かつ商用交流電源からの入力電流と入力電圧が相似形になるべく、MOSFETQ1をオン・オフ制御する。
【0028】
PFC回路10としては、この実施形態では、STマイクロエレクトロニクス社製のアナログIC「L6562A」が使用されている。このPFC回路10は、第1インダクタL1に磁気結合された二次コイルL12、ダイオードD12、キャパシタC12、抵抗Rs1、および電流検出回路Rs2と共に動作し、電流検出回路Rs2の電流検出電圧が所定値となるようなフィードバッグ制御動作と、商用交流電源からの入力電流と入力電圧が相似形になるような力率改善動作を行う。
【0029】
VcはPFC回路10の直流動作電源であって、詳細な図示を省略するが、全波整流電圧を抵抗素子と定電圧素子からなる並列レギュレータを用いて生成される。
【0030】
このPFC回路10は、DC−DCコンバータの出力電圧を所定電圧にフィードバック制御するための電圧フィードバック端子a1を有し、このフィードバック端子a1への入力電圧(フィードバック電圧)が所定の目標値になるべく出力端子p1,p2間に現れる出力電圧Voをスイッチングによりフィードバック制御する。
【0031】
電流検出回路Rs2は、接地側出力端子p2と接地側ライン間に直列に挿入された電流検出用抵抗素子により構成され、この電流検出用抵抗素子に分圧される電圧が電流検出電圧として上記電圧フィードバック端子a1に入力される。このフィードバック端子a1の入力電圧が所定電圧となるように出力電圧Voがフィードバック制御される。つまり、多直列LED20に所定の駆動電流が通電されるように出力電圧Voがフィードバック制御される。
【0032】
なお、この実施形態では、PFC回路10としてSTマイクロエレクトロニクス社製のアナログIC「L6562A」を使用しているが、同様の機能を有するものであれば、他の品種のICももちろん使用可能である。
【0033】
上述したDC−DCコンバータは、SEPIC(Single Ended Primary Inductance Converter)型のコンバータを形成する。このSEPICコンバータは出力電圧の可変範囲が広く、入力電圧よりも低い電圧から高い電圧まで連続的に変化する出力電圧を得ることができる。これにより、単一仕様の回路でもって、直列接続数の異なる複数種類の多直列LED20を、電圧不足による通電不能状態に陥ることなく、かつ電圧過剰による電力損失を増大させることなく、通電駆動させることができる。
【0034】
さらに、本発明では、そのSEPICコンバータにおける電流スイッチング動作を、上記PFC回路10を用いて制御することにより、商用交流電源からの入力電流と入力電圧が相似形になるような力率改善を可能にしている。
【0035】
上記により、多直列LED20を、その直列接続数が大きく増減したとしても、単一仕様の多直列LED駆動回路でもって、高い電力効率と良好な力率で通電駆動することができる。
【0036】
上記に加えて、本発明では、結合キャパシタC3が入力と出力とを直流的に分離することにより、負荷短絡に対して保護の役割を担うことができる。また、入力キャパシタC1、出力キャパシタC2、結合キャパシタC3が非電解型キャパシタであることにより、キャパシタの劣化に起因する故障発生率を大幅に低下させて長期間のメンテナンスフリーを実現することができる。
【0037】
図2は、本発明の第2実施形態をなす多直列LED駆動回路を示す。
図1に示した第1実施形態との相違に着目して説明すると、
図2に示す第2実施形態では、出力端子p1,p2間に現れる出力電圧Voが所定以上になったか否かを検出する過電圧検出回路を備え、この過電圧検出回路が所定以上の電圧を検出したときに、PFC回路10を介して出力電圧Voを抑制するようにしたことを特徴とする。
【0038】
このための具体的構成手段として、
図2の回路は、接地側出力端子p1と接地側ライン間に流れる出力電流を抵抗素子で電圧変換して検出する電流検出回路Rs2と、出力端子p1,p2間に現れる電圧を抵抗素子R10,R11を用い分圧する分圧回路を有する。電流検出回路Rs2の電流検出電圧は抵抗素子を介して、分圧回路の分圧電圧はダイオードD10の順方向を介して、共に、PFC回路10の電圧フィードバック端子a1に入力させられる。
【0039】
同図において、出力端子p1,p2間に多直列LED20が接続されている間は、電流検出回路Rs2の電流検出電圧が所定値となるような電圧フィードバック制御により、出力電圧Voはその多直列LED20に一定の駆動電流を通電するのに過不足のない電圧に制御される。
【0040】
一方、たとえば多直列LED20の中のいずれかのLEDLdが断線して出力端子p1,p2間が開放状態になると、電流検出回路Rs2の電流検出電圧による電圧フィードバック制御が行われなくなるため、出力端子p1,p2間の出力電圧Voが上昇する。
【0041】
しかし、この場合は、抵抗素子R10,R11による分圧電圧が上昇するため、この分圧電圧による電圧フィードバック制御が作用することにより、出力電圧Voの上昇を抑制することができる。
【符号の説明】
【0042】
10 PFC回路(L6562A)
11 電流検出回路
20 多直列LED
Bd ブリッジ整流器
Ld LED
L1 第1インダクタ
L2 第2インダクタ
Q1 半導体スイッチング素子であるパワーMOSFET
C1 入力キャパシタ
C2 出力キャパシタ
C3 結合キャパシタ
D1,D10 ダイオード
p1,p2 出力端子
Rs1,R11,R12 抵抗素子
Rs2 抵抗素子による電流検出回路