特許第5759683号(P5759683)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5759683
(24)【登録日】2015年6月12日
(45)【発行日】2015年8月5日
(54)【発明の名称】衛生順守監視システム
(51)【国際特許分類】
   A61L 2/24 20060101AFI20150716BHJP
   H04Q 9/00 20060101ALI20150716BHJP
   A47K 5/12 20060101ALI20150716BHJP
【FI】
   A61L2/24
   H04Q9/00 311J
   A47K5/12 Z
【請求項の数】12
【全頁数】19
(21)【出願番号】特願2010-147307(P2010-147307)
(22)【出願日】2010年6月29日
(65)【公開番号】特開2011-36648(P2011-36648A)
(43)【公開日】2011年2月24日
【審査請求日】2013年6月28日
(31)【優先権主張番号】12/494,693
(32)【優先日】2009年6月30日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】506190555
【氏名又は名称】ゴジョ・インダストリーズ・インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100082647
【弁理士】
【氏名又は名称】永井 義久
(72)【発明者】
【氏名】ジャクソン・ダブリュー・ウェゲリン
(72)【発明者】
【氏名】トッド・ジェイ・カートナー
(72)【発明者】
【氏名】チップ・カーティス
【審査官】 宮部 裕一
(56)【参考文献】
【文献】 特開2008−200126(JP,A)
【文献】 特表2008−544373(JP,A)
【文献】 特開2008−109198(JP,A)
【文献】 特開2003−288413(JP,A)
【文献】 特開平11−332961(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61L 2/00−2/28
A61L 11/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ディスペンサーのための衛生順守モニターは、:
ディスペンサーコントローラであって、アクチュエーターに連結され、前記アクチュエーターが作動されたときに、前記ディスペンサーのディスペンス動作を開始するディスペンサーコントローラと
前記ディスペンサーコントローラに連結されるように適合されているデータ収集ユニットはデータ格納メモリを有するデータ収集メモリーユニットを含み、前記データ収集メモリーユニットの前記データ格納メモリーは、所定の時間間隔で間断なく定期的で連続な複数の時間区分(successive time segments)に分割され、前記アクチュエーターの作動回数と、前記作動が発生した前記複数の各時間区分とを関連づけるデータ収集ユニットと、;及び
前記データ収集ユニットと無線通信することにより、そこから、前記関連している作動回数と前記時間区分とを受信する、データ取得ユニット
を備えている、衛生順守モニター。
【請求項2】
前記アクチュエーターが近接センサーを備えている、請求項1に記載の衛生順守モニター。
【請求項3】
前記データ取得ユニットが、作動回数および関連している時間区分を保存するための、取り外し可能な携帯用のメモリーユニットを受容するように適合されている、データポートを含んでいる、請求項1に記載の衛生順守モニター。
【請求項4】
前記無線通信が暗号化されている、請求項1に記載の衛生順守モニター。
【請求項5】
前記データ収集ユニットが、前記アクチュエーターにおける3秒間以下しか離れていない複数の作動を、1回の供給動作として識別する、請求項1に記載の衛生順守モニター。
【請求項6】
前記データ取得ユニットが前記データ収集ユニットの通信範囲内に入るまで、前記データ収集ユニットがスリープモードに入っている、請求項1に記載の衛生順守モニター。
【請求項7】
前記データ収集ユニットが、前記時間区分のそれぞれにおけるスタートおよびストップに関連する時間を識別する、請求項1に記載の衛生順守モニター。
【請求項8】
前記データ取得ユニットが、前記複数の時間区分の時間間隔を設定するように構成されている、ユーザーインターフェイスを含んでいる、請求項1に記載の衛生順守モニター。
【請求項9】
前記データ収集ユニットが、ディスペンサー識別コードに関連しており、これにより、前記ディスペンサー識別コードがキーパッドにおいて入力されたときに、前記データ取得ユニットが、前記作動回数および前記関連している時間区分を取得する、請求項8に記載の衛生順守モニター。
【請求項10】
前記データ取得ユニットが、ディスプレイおよびデータ取得メモリーユニットを備えており、これにより、前記データ取得メモリーユニットが、少なくとも1つのディスペンサー識別コードに関連する少なくとも1つの部屋識別コードからなるデータベースを保持しており、前記部屋識別コードがキーパッドにおいて入力されたときに、前記ディスプレイが、前記部屋識別コードに関連している前記少なくとも1つのディスペンサー識別コードを提示する、請求項8に記載の衛生順守モニター。
【請求項11】
前記データ取得ユニットが、前記データ収集ユニットの通信範囲内で何らかの既決の順序で作動されたときに、前記ディスペンサー識別コードを前記データ収集ユニットに関連付ける、設定ボタンを含んでいる、請求項9に記載の衛生順守モニター。
【請求項12】
前記時間区分が、スタート時間および終了時間によって識別されている、請求項1に記載の衛生順守モニター
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、大まかにいえば、衛生手続の順守を監視するためのシステムに関する。具体的にいえば、本発明は、ディスペンサーによって保持されているデータ収集デバイスから、衛生順守データを無線によって回収するために、携帯用のデータ取得ユニットを利用する、順守監視システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年では、人々は、病気およびその伝染に対して、ますます関心をもつようになってきており、このために、一般的に、洗浄および衛生の重要性に対する認識が高まっている。例えば、フードサービス産業における大腸菌の伝染、小学校におけるライノウィルス、および、医療機関における院内感染に関しては、数えきれないほどの研究が、病気の伝染を防止するための効果的な措置として、手指衛生に言及してきている。さらに、疾病管理センター(CDC)は、手の洗浄および消毒が、病気および感染の拡がりの防止における唯一の最も重要な要因である、と説明してきている。それに応じて、ヘルスケア産業、フードサービス産業、および、ホテルおよび旅行産業は、それらの従業員が病気の伝染の防止において有効な手洗いの習慣を守っていることを確保するための、それらの手続および手順を研究せざるを得なくなってきている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
手洗いによって、バクテリアあるいはウィルスの伝染の機会を最小化するために、手洗いの衛生基準を完全に順守していることを、観察しなければならない。なぜならば、一個人が、彼あるいは彼女の手を適切に消毒していないことによって、このような個人に接触した他の者の努力が無効とされる可能性があるからである。従って、完全な順守の発生を確保するために、多くの産業は、衛生基準の順守を監督する責任を負う特定の個人を教育している。残念なことに、衛生基準の順守を監督する特定の個人は、一般的には、多くの場合に衛生順守を効率的に監視する彼らの能力を阻害する、他の職務も有している。これを克服するために、せっけんのディスペンサーを使用する習慣を監視するとともに、衛生手続の順守が達成されているか否かの判断に役立つ、自動化されたシステムが開発されている。しかしながら、これらのシステムの比較的に複雑な性質のために、訓練された特定の個人が、一般的に、このシステムを管理および維持する必要がある。さらに、この順守監視システムの操作を監督する責任を負っている特定の個人が、多くの場合に頻繁に入れ代わるために、かなりの時間および費用を必要とする常習的な再教育が必要となる。
【0004】
さらに、順守監視システムは、多くの場合に、ディスペンサーから中央のコンピューターデータベースに対して収集された衛生データを通信するための、有線あるいは無線のコンピューターネットワークを利用している。しかしながら、建物における多くの部屋およびフロアの全体にわたって分布され得る複数のディスペンサーを、コンピューターネットワークに統合することは、非常に複雑なシステムをもたらすことになり、好ましくない。さらに、各ディスペンサーに付随する通信ネットワークが、ディスペンサーを保持している建物あるいは構造物の建設時に導入されていない限り、各ディスペンサーとの通信のために有線のコンピューターネットワークを組み込むことには、法外の費用がかかる可能性がある。さらに、ディスペンサーが既に取り付けられている場合には、無線通信ネットワークが利用され得るけれども、中央に配置されたコンピューターシステムおよびデータベースに衛生順守データを送信することの可能な各ディスペンサーにおいて、無線ネットワークトランシーバーに電力を供給するために必要とされる電力の条件として、有線の電源にアクセスすることを必要とするはずであり、これにより、機材に関する費用がとても高くつく可能性がある。
【0005】
導入および管理することがより容易な他の衛生順守データ収集システムを使用することも可能であるけれども、これらは、ディスペンサーが配置されている部屋の外の離れた位置にあり、ディスペンサーから収集されたデータを読み出すことのできない、遠隔地にあるデータロギング・デバイスを利用している。すなわち、上記のようなシステムは、衛生順守データをそこに向けて転送することが可能となる前に、ディスペンサーのごく近傍にデータロギング・デバイスを持ち込むことを必要とし、このことは、多数のディスペンサーからのデータが収集されているときには、望ましくない。さらに、ディスペンサーのごく近傍にデータロギング・デバイスを持ち込むことは、隔離病棟、および、患者の接触を制限する必要がある他のエリア、および/または、そこに入るためにガウンおよび手袋を着用する必要がある他のエリアにおいては、大きな負担となる可能性がある。さらに、上記のような衛生順守モニターは、一般的には、あまりにも多くの衛生イベントが記録および保存されたときには満杯になってしまうような、不十分なサイズのメモリーしか有していない。
【0006】
このように、現在の衛生順守監視システムは、典型的には、強固なデータ収集構成を提案していないとともに、一般的には、複雑すぎるために、衛生基準の順守における監視および査定が病気の伝染を防止するのに非常に重要かつ有益であるような環境において大規模に利用するには、導入、管理、および維持することができないものである。
【0007】
従って、所定の衛生手続を順守していることを査定するために、ユーザーフレンドリーな衛生順守監視システムの必要性が存在する。さらに、時間区分あるいはグルーピング期間において衛生利用データを収集することによって、保持されているメモリーユニットが満杯にならないことを確保する、せっけんおよび殺菌剤のディスペンサーの使用を監視するための、衛生順守監視システムの必要性も存在する。さらに、ディスペンサーに付随するデータ収集ユニットから収集された衛生順守データを無線によって回収する、携帯用のデータ取得ユニットを利用する、衛生順守監視システムの必要性も存在する。さらに、システムからのデータの転送を単純化するために、取り外し可能な携帯用のメモリーユニットを使用する、衛生順守監視システムの必要性も存在する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述の事項を踏まえるならば、本発明における第1の態様は、供給されるべき材料を保持しているディスペンサーのための衛生順守モニターであって、アクチュエーターに連結されており、前記アクチュエーターが作動されたときに、前記ディスペンサーからの材料の供給動作を開始するための、ディスペンサーコントローラと、前記ディスペンサーコントローラに連結されるように適合されているとともに、データ収集メモリーユニットを含んでおり、これにより、所定の持続時間からなる少なくとも1つの時間区分を生成するとともに、前記アクチュエーターの作動回数と、前記作動が発生した前記時間区分とを関連づける、データ収集ユニットと、前記データ収集ユニットと無線通信することにより、そこから、前記関連している作動回数と前記時間区分とを受信する、データ取得ユニットと、を備えている、衛生順守モニターを提供することである。
【0009】
本発明における他の態様は、供給されるべき材料を保持しているディスペンサーのための衛生順守モニターであって、アクチュエーターに連結されており、前記アクチュエーターが作動されたときに、前記ディスペンサーからの材料の供給動作を開始するための、ディスペンサーコントローラと、前記ディスペンサーコントローラに連結されるように適合されているとともに、データ収集メモリーユニットおよび内部クロックを含んでおり、前記アクチュエーターにおける少なくとも1回の作動と前記内部クロックから生成されるタイムスタンプとを関連づける、データ収集ユニットと、前記データ収集ユニットと無線通信するデータ取得ユニットと、を備えており、前記データ取得ユニットが、前記クロックを無線によって設定するように構成されているとともに、さらに、前記少なくとも1回の作動における関連するタイムスタンプ情報を示す、少なくとも一部のデータを受信するように構成されている、衛生順守モニターを提供することである。
【0010】
本発明におけるさらに他の態様は、供給されるべき材料を保持しているディスペンサーのための衛生順守モニターであって、アクチュエーターに連結されており、前記アクチュエーターが作動されたときに、前記ディスペンサーからの材料の供給動作を開始するための、ディスペンサーコントローラと、前記ディスペンサーコントローラに連結されるように適合されているとともに、データ収集メモリーユニットを含んでおり、前記アクチュエーターにおける少なくとも1回の作動からデータを収集する、データ収集ユニットと、前記データ収集ユニットと無線通信するデータ取得ユニットと、を備えており、前記データ取得ユニットが、前記データ収集ユニットを、位置識別情報を用いて無線によってプログラムするように構成されているとともに、さらに、前記データ収集ユニットにおいて保存されている収集されたデータを受信するように構成されている、衛生順守モニターを提供することである。
【0011】
本発明における別の態様は、供給されるべき材料を保持している複数のディスペンサーのための衛生順守システムであって、複数の手指衛生順守ユニットを備えており、前記手指衛生順守ユニットのそれぞれが、アクチュエーターに連結されており、前記アクチュエーターが作動されたときに、前記複数のディスペンサーにおける1つのディスペンサーからの材料の供給動作を開始するための、ディスペンサーコントローラと、前記ディスペンサーコントローラに連結されるように適合されているとともに、データ収集メモリーユニットを含んでおり、前記アクチュエーターにおける少なくとも1回の作動からデータを収集する、データ収集ユニットと、を含んでおり、前記複数の手指衛生順守ユニット内における前記複数のデータ収集ユニットと無線通信する、データ取得ユニットをさらに備え、前記データ取得ユニットが、前記複数の前記手指衛生順守ユニットにおける少なくとも2つの前記手指衛生順守ユニット内における前記データ収集ユニットにおいて保存されている収集されたデータを、無線によって受信するように構成されており、前記2つの手指衛生順守ユニットが、互いに所定の近さとなるように配置されており、さらに、前記少なくとも2つの手指衛生順守ユニットからのデータが、ほぼ同時に無線によって受信される、衛生順守システムを提供することである。
【0012】
本発明におけるさらに他の態様は、衛生順守を監視するための方法であって、ディスペンサーによって保持されている、データ収集ユニットを設けるステップと、携帯用のメモリーユニットを有するデータ取得ユニットを設けるステップと、を備えており、前記ディスペンサーが、詰め替え容器からの材料の供給動作を開始するためのアクチュエーターを含んでおり、前記データ収集ユニットが、前記データ収集ユニットにおける所定の持続時間からなる複数の時間区分を生成し、前記アクチュエーターの接続を監視し、前記アクチュエーターにおける接続の回数と前記接続が発生した時間区分とを関連づけ、さらに、前記データ収集ユニットにおいて前記接続の回数と関連している時間区分とを保存し、前記データ取得ユニットが、前記データ収集ユニットと無線通信するように構成されており、さらに、前記データ収集ユニットが、前記接続の回数と関連している時間区分とを、前記携帯用のメモリーユニットに転送する、衛生順守を監視するための方法、を提供することにある。
【0013】
本発明における上記のおよび他の特徴点および利点は、以下の説明、添付されている特許請求の範囲、および添付図面に関連して、より深く理解されるはずである。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明のコンセプトに従う、収集された衛生順守データを遠隔地にあるデータ取得ユニットに転送するディスペンサーにおいて保持されている、データ収集ユニットを提供する、衛生順守監視システムのブロック図である。
図2】本発明のコンセプトに従う、上記ディスペンサーに付随するデータ収集ユニットのブロック図である。
図3】本発明のコンセプトに従う、上記ディスペンサーのデータ収集ユニットから無線によって衛生順守データを回収するために使用される、データ取得ユニットのブロック図である。
図4】本発明のコンセプトに従う、上記データ取得ユニットによって取り外し可能に保持されており、その場所からレポートを作成する携帯用のメモリーユニットから、衛生順守データを転送するために使用される、コンピューターネットワークを示すブロック図である。
図5A】本発明のコンセプトに従う、1つあるいは複数のディスペンサーにおいて衛生順守データを収集するために、衛生順守監視システムによって実行される、動作ステップのフロー図である。
図5B】本発明のコンセプトに従う、1つあるいは複数のディスペンサーにおいて衛生順守データを収集するために、衛生順守監視システムによって実行される、動作ステップのフロー図である。
図6】本発明のコンセプトに従う、上記データ取得ユニットを使用することによって、1つあるいは複数のディスペンサーのデータ収集ユニットから収集された衛生順守データを取得するために実行される、動作ステップのフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
この技術では、手指衛生の順守は、典型的には、発生するべき手指衛生イベントの回数に対する、実際の手指衛生イベントの回数の比率として計算されることが知られている。従って、衛生順守基準が守られているか否かの判定を容易にするために、本発明のシステムは、一般的に、実際に発生した手指衛生イベントを監視しており、これについては、手指衛生の順守の測定値を明確化するために、発生するべき手指衛生イベントの回数に関連するデータと連動して使用され得る。さらに、『衛生順守データ』および『衛生イベントデータ』という用語は、以下に示す説明の全般を通じて、同じ意味で使用されている可能性がある。
【0016】
衛生順守監視システムにおける特定の実施形態は、一般的に、図面における図1に示されているように、符号100によって指し示されている。この衛生順守監視システム100は、一般的に、せっけん、殺菌剤、モイスチャー附加剤、その他の材料を供給するディスペンサーなどの、ディスペンサー120に付随して使用される。しかしながら、衛生順守監視システム100を、任意の好適な材料あるいはアイテムを供給するために使用されるディスペンサーと連動して使用してもよい、ということは理解されるべきである。衛生順守監視システム100の機能を実行するために、データ収集ユニット(DCU)140が、ディスペンサー120によって供給されるせっけんの噴射回数、あるいは、ディスペンサー120において発生する手指衛生イベントの回数を含み得る衛生データあるいはイベントを収集するために、ディスペンサー120に付随しており、これにより、1回の手指衛生イベントが、例えば3秒間などの一定のドウェル時間あるいは一定の期間内において、ディスペンサー120によって供給されるせっけんにおける、1つあるいは複数の噴射を含み得る。これは、ときどき、ユーザーが、ディスペンサー120を始動させることによって、1回の手指衛生イベントの間に、連続的な手法で2回以上のせっけんの噴射をもたらすことが知られているからである。ディスペンサー120の動作に関連する他の任意の所望のデータを、DCU140によって、同様に収集することも可能である、ということも理解されるべきである。さらに、後に説明するように、ディスペンサー120によって供給されるせっけんの噴射回数を、DCU140によって記録される際に、所定の持続時間からなる時間区分あるいはグルーピング期間にグループ化してもよく、これにより、収集されたデータがデータ収集ユニット140のメモリー容量を超えないことが、確保される。
【0017】
その後、データ収集ユニット140によって取得されたデータは、携帯用のデータ取得ユニット(DAU)160に対して、その近傍に持ち込まれたときに、無線によって伝達される。従って、データは、DAU160を介して後に分析することが可能となるような手法によって、DAU160に保存されるか、あるいは、分析のためのコンピューティングデバイスなどの他のデバイスに対して後に転送することが可能となるような手法によって、DAU160に保存されてもよい。しかしながら、本発明における特定の好ましい実施形態では、データ取得ユニット160によって衛生順守データがいったん収集された後、このデータは、データ取得ユニット160に対して取り外し可能に取り付けられている携帯用のメモリーユニット170に保存される。1つの態様では、携帯用のメモリーユニット170は、USBメモリーユニット、セキュアデジタル(SD)メモリーユニット、コンパクトフラッシュ(CF)メモリーユニット、フラッシュメモリー、ソリッドステート・ハードドライブ、標準的なハードドライブ、取り外し可能なハードドライブ、あるいは、データの分析に関して互換性のあるコンピューティングデバイスに対してDAU160からデータを転送するために適した、他の任意のメモリーユニットを備えてもよい。さらに、携帯用のメモリーユニット170は、レポートを作成するために保存されている衛生順守データを処理し得る、あるいは、インターネットなどのコンピューターネットワークを介して、分析のための他のコンピューティングデバイスあるいはネットワークに対して衛生順守データを送信し得る、互換性のある任意のコンピューティングデバイスに対して、動作可能に連結されていてもよい。このように、衛生順守システム100は、ディスペンサー120の使用に関連するデータを収集するために実施および使用することによって、所定の衛生基準および衛生手続が満たされているか否かの判定に役立つ、使い勝手のよいユーザーフレンドリーなシステムを提供している。
【0018】
次に図2を参照すると、本発明のさまざまな実施形態において、ディスペンサー120が、接続されたポンプ220を制御するディスペンサーコントローラ200を保持している。詰め替え容器230は、ポンプ220に対して動作可能なように連結されているとともに、例えば、せっけん、殺菌剤、モイスチャー附加剤、その他の、任意の所望の材料を保持していてもよい。同様にディスペンサーコントローラ200に対して連結されているものは、アクチュエーター240であり、これは、接続されているとき、あるいはさもなければ作動されているときに、ディスペンサーコントローラ200に対して、ポンプ220を作動させるように指令を出し、これにより、詰め替え容器230から材料が供給される。1つの態様では、アクチュエーター240は、ユーザーの手の存在の検出に応じて作動される、近接センサーあるいは他のデバイスを備えていてもよい。しかしながら、本発明における別の態様では、アクチュエーターを、手動のプッシュバーに連結してもよく、この場合には、ユーザーが手動によってこのプッシュバーを始動させたときに、材料がユーザーの手に供給される。
【0019】
ディスペンサー120は、さらに、ディスペンサーコントローラ200に連結されている、データ収集ユニット140を含んでいる。このデータ収集ユニット140は、ハードウェア、ソフトウェア、あるいは、これら双方の組み合わせによって実現されていてもよい。1つの態様では、データ収集ユニット140は、ディスペンサーコントローラ200に一体化されていてもよいし、あるいは、図2に示されているように、そこから別個に保持されていてもよい。さらに他の態様では、データ収集ユニット140は、ディスペンサー120と通信するための互換性のあるインターフェイスを提供する別体の部材として提供されていてもよく、この場合には、データ収集ユニット140に、ディスペンサー120を組み込むことが可能となる。このように、衛生順守監視システム100によって提供される構成は、このような構成を欠いている従前から取り付けられているディスペンサー120に対して、後から追加あるいは組み込み得るものである。
【0020】
データ収集ユニット140は、ディスペンサー120のディスペンサーコントローラ200に連結されている、データ収集コントローラ300を保持している。データ収集コントローラ300は、後に説明される機能を実行するために必要とされる、欠くことのできないハードウェア、ソフトウェア、あるいはこれら双方の組み合わせを含んでいる。具体的にいえば、データ収集コントローラ300は、特定のグルーピング期間あるいは時間区分においてディスペンサー120から材料を供給するために形成される、アクチュエーター240の接続の回数に基づいてインクリメントされる、イベントカウントあるいはイベントカウント値を保持している。イベントカウントあるいはイベントカウント値は、ディスペンサーからの実際の供給回数、あるいは、所定の期間におけるディスペンサーからの実際の供給回数を含んでいてもよい手指衛生イベントの回数に基づいたものであってもよいし、あるいは、実際の供給回数および手指衛生イベントの回数の双方に基づいたものであってもよい。進行中のグルーピング期間あるいは時間区分のそれぞれに関して、データ収集コントローラ300は、特定の実施形態においてアクチュエーター240が接続されるたびにインクリメントされるとともに、他の実施形態において手指衛生イベントが発生するたびにインクリメントされる、イベントカウント値を保持している。従って、それは、イベントカウント値と、衛生順守データを備える関連するグルーピング期間との組み合わせとなっている。
【0021】
データ収集コントローラ300に連結されているものは、データ収集ユニット140によって収集されたデータを保存する、データ収集メモリーユニット310である。具体的にいえば、データ収集ユニット140のデータ収集メモリーユニット310は、データを保存するために利用可能なメモリーが、所定の持続時間からなる時間区分あるいはグルーピング期間に分割されるように、構成されている。従って、時間区分の持続時間が、データ取得ユニット160を介して、後に説明されるような手法によっていったん設定された場合、ディスペンサー120において実行されたアクチュエーター240の接続の回数、あるいは、繰り返して発生する各時間区分あるいはグルーピング期間において発生する手指衛生イベントが、データ収集メモリーユニット310において記録および保存される。さらに、データ収集ユニット140が、複数のデータ収集ユニット140にわたって共通する一定期間ごとに、日、年、時間、および分を含み得る、時間区分あるいはグルーピング期間における、スタートおよびストップの時間を識別する。アクチュエーターの接続がまったくない時間区分あるいはグルーピング期間については、データ収集ユニット140によって除外してもよく、この場合には、それは、メモリー容量を節約するために、データ収集メモリーユニット310において保存されない、ということは理解されるべきである。
【0022】
さらに、データ収集ユニット140において衛生イベントデータを収集するために使用される時間区分あるいはグルーピング期間の持続するサイズを設定することによって、メモリーユニット310において保存することの可能なグルーピング期間あるいは時間区分における全体の数が、データ収集メモリーユニット310が満杯にならないことを確保するように、決定される。さらに、時間区分あるいはグルーピング期間は、データ収集メモリーユニット310からのデータのダウンロードの間における最大の期間を、あらかじめ決定しておくことを可能としており、例えば、データ収集メモリーユニット310が、90日ごとに、あるいは他の任意の期間ごとにチェックされる、という前提に基づいて、時間区分あるいはグルーピング期間を設計あるいは構成することが可能である。従って、データ収集ユニット140において5分間の時間区分を設定することによって、24時間の期間にわたって、288の時間区分が生成されることになる。しかしながら、データ収集ユニット140が、60分間の時間区分あるいはグルーピング期間に設定された場合には、24の時間区分が、24時間の期間にわたって生成される。従って、時間区分あるいはグルーピング期間の持続時間を増加することによって、生成および保存される時間区分あるいはグルーピング期間は少なくなる。しかしながら、時間区分あるいはグルーピング期間の数が少ない場合、提供される時間分解能は悪くなり、このために、ディスペンサー120から材料を供給するためにアクチュエーター240が接続される時間を示すタイムフレームを識別する能力は、劣化する。例えば、60分間の時間区分の場合には、1時間に供給された噴射あるいは手指衛生イベントにおける全体の回数だけが記録される。5分間の時間区分の場合には、5分間ごとに、供給された噴射あるいは手指衛生イベントにおける全体の回数が記録される。このように、1時間ごとに、12個の時間区分あるいはグルーピング期間が生成され、各区分および期間は、ディスペンサー120において開始されたアクチュエーター240の接続の回数に関連している。従って、時間区分あるいはグルーピング期間の数が増加するにつれて、アクチュエーターの接続がいつ生じたのかを判定する際にもたらされる、正確性が向上する。例えば、1つの有益なグルーピングの期間あるいは時間間隔を、各シフトのスタートおよびストップ時間によって確立し得る。
【0023】
さらに他の態様では、データ収集メモリーユニット310は、アクチュエーター240の接続が個別的に記録されるように構成され得るともに、データの品質が所定のレベルに達しているときには、データ収集ユニット140は、上述したように、所望の持続時間からなる時間区分あるいはグルーピング期間内に収集されたアクチュエーター240の接続を統合する。収集された供給イベントを所定の持続時間からなる時間区分に統合することによって、データ収集メモリーユニット310における保存スペースがより正確に管理され、これにより、メモリーが節約される。
【0024】
さらに、データ収集メモリーユニット310は、好ましくは、不揮発性のメモリーを備えていてもよく、この場合には、データ収集ユニット140への電力が失われた場合でも、データ収集メモリーユニット310において収集および保存されている衛生順守データが消去されてしまうことがない。データ収集ユニット140によって取得されたデータは、データ収集メモリーユニット310において保存されるとともに、例えばRF(ラジオ周波数)あるいはIR(赤外線)のトランシーバーなどの、データ収集コントローラ300に連結されているトランシーバー320を介して、携帯用のデータ取得ユニット160に対して無線によって送信される。データ収集ユニット140、および、ディスペンサー120の部材は、電源340によって電力供給を受けており、この電源は、バッテリーなどの携帯用の電源を備えていてもよいし、あるいは、壁コンセントに差し込まれる主電源を備えていてもよい。代替的に、データ収集ユニット140は、再充電可能あるいは交換可能なバッテリーなどの自分自身の電源を、ディスペンサー120の電源とは独立に設けていてもよい。
【0025】
別の態様では、データ収集ユニット140は、ディスペンサー120が何らの材料も供給していない期間、および/または、ディスペンサー120が衛生順守を積極的に監視していない期間においては、低パワーモードに入るように構成されていてもよい。そして、この場合には、データ収集ユニット140は、完全に始動されているか、あるいは、さもなければ、データ収集ユニット140がデータ取得ユニット160から無線通信信号を受信したときに、電源が入る。このように、データ収集ユニット140は、積極的に衛生順守データを収集していない期間においては、電源340の電力を節約することが可能となる。他の態様では、システム100は、DAU160が1つあるいは複数のマグネットを含むとともに、ディスペンサー120がホールスイッチあるいはリードスイッチを含むように、構成されていてもよい。そして、これにより、DAU160のマグネットが、ホールあるいはリードスイッチの近傍に持ち込まれたとき、あるいはそれらに対向する位置にあるときに、ディスペンサー120およびデータ収集メモリーユニット310が始動されて、これにより、それらの間におけるデータの転送が可能となる。
【0026】
データ収集ユニット140は、また、ディスペンサー120を一意的に識別するディスペンサー識別コードを保持するように構成されている。1つの態様では、ディスペンサー識別コードは、16ビットごとに8つのデータフィールドを有するデータワードを備えていてもよいし、また、他の任意のコードフォーマットが使用されていてもよい。さらに、データ収集ユニット140によって保持されているディスペンサー識別コードは、データ収集ユニット140が、それが関連するディスペンサー120における特定の位置を識別するように、定義あるいはフォーマットされていてもよい。例えば、ディスペンサー識別コードは、ディスペンサー120が配置されている部屋における特定のエリアを識別するために、例えば204などの部屋番号を、例えばS=シンク、RB=右側のベッド、およびLB=左側のベッドなどのレターコードと組み合わせて、含んでいてもよい。例えば、ディスペンサーの識別子『204−RB』は、特定のディスペンサー120が、204号室にあり、さらに、その内部に保持されている右側のベッドの近傍のポイントにある、ということを示している。従って、このディスペンサー識別コードによれば、データ取得ユニット160のユーザーは、後に説明されるような手法によってデータ取得ユニット160を介してディスペンサー識別コードを入力することによって、より容易にディスペンサーを見つけることが可能となり、これにより、データ収集ユニット140によって収集された衛生順守データの回収が開始される。さらに、ディスペンサー識別コードは、暗号化されていてもよく、この場合には、ディスペンサー識別コードに包含されている位置データが、正しい解読キーの適用による解読のみによって公開される。
【0027】
次に図3を参照すると、収集された衛生データをデータ収集ユニット140から取得する携帯用のデータ取得ユニット160は、後に説明される機能を実行するために必要とされる、欠くことのできないハードウェア、ソフトウェア、あるいはこれら双方の組み合わせを含んでいる、データ取得コントローラ400を備えている。1つの態様では、データ取得コントローラ400は、さらに、現在の日時をたどるための内部クロックを保持している。1つの態様では、この内部クロックは、例えばDAU160あるいは急速遮断装置によって設定されてもよい。この内部クロックは、さらに、現在時刻から逆算によって時間がたどられるように、機能してもよい。例えば、このクロックは、データをタイムスタンプするために使用されてもよく、この場合には、データが転送されたときに、タイムスタンプが、データの転送時刻より前の1,500分間にわたってデータが収集されていたことを示している。このように、このシステムは、現在の時刻からの引き算に基づいて、タイムスタンプにおける適切な時間を指定することが可能である。このように、この方法によってデータをタイムスタンプすることによって、データ取得コントローラ400の内部クロックにおける初期時刻を設定する必要がなくなる。
【0028】
同様にデータ取得コントローラ400に連結されているものは、後に説明されるさまざまな機能を実行するために使用される、揮発性のメモリー、不揮発性のメモリー、あるいはこれら双方の組み合わせを備えていてもよい、データ取得メモリーユニット410である。データ取得ユニット160は、上述したような各ディスペンサー120に関連するディスペンサー識別コードのデータベースを、データ取得メモリーユニット410に保持するように構成されている、ということも考えられる。さらに、このデータベースは、1つあるいは複数のディスペンサー識別コードを、このディスペンサー識別コードに関連しているディスペンサー120が配置されている特定の部屋を識別する部屋識別コードに関連づけるように、構成されていてもよい。このように、部屋識別コードを識別することによって、そこに取り付けられている各ディスペンサーを識別することも可能となる。また、他の任意の好適なIDコード、例えば、フロア、病棟、建物、あるいはユーザーの望む他の任意の識別子を示すIDコードに、ディスペンサー120を関連付けることも可能である、ということも予想される。
【0029】
データ取得ユニット160がデータ収集ユニット140のトランシーバー320と無線通信することによって、そこから衛生順守データを受信することを可能とするために、例えば、RF(無線周波数)、IR(赤外線)、あるいは超音波のトランシーバーなどのトランシーバー420が、データ取得コントローラ400に連結されている。しかしながら、代替的に、データ収集ユニット140のトランシーバー320は、送信器に交換されてもよく、さらに、データ取得ユニット160のデータ収集ユニット140によって使用されているトランシーバー420は、受信器に交換されてもよい、ということは理解されるべきである。1つの態様では、衛生順守データの無線送信は、無認可のアクセスを防止するために、暗号化されていてもよい。
【0030】
同様にデータ取得コントローラ400に連結されているものは、データ取得ユニット160に対してユーザーが情報およびコマンドを入力することを可能とする、キーパッド430である。例えば、キーパッド430は、後に説明される手法によって、データ取得ユニット160およびデータ収集ユニット140においてコマンドを起動するために、さまざまなディスペンサー識別コードあるいは部屋識別コードをユーザーが入力することを可能とする、数字および/または英数字のキーの組み合わせを備えていてもよい。さらに、キーパッド430は、システム100によって与えられるさまざまな機能を起動あるいは制御するためのコマンドを入力するために、使用されてもよい。データを操作する他の手段、あるいは、データ取得ユニット160によって与えられるさまざまな機能を制御する他の手段も予想され、これは、タッチスクリーン、サムホイール、および、データの入力あるいはデータ取得ユニット160との相互作用のための他の任意のシステムの使用を含んでいる。
【0031】
さらに、データ取得ユニット160は、データ取得ユニット160に入力されたさまざまなコマンドおよび識別コードをユーザーが見ることを可能とする、LCD(液晶ディスプレイ)ディスプレイなどを備えていてもよいディスプレイ440を含んでいる。さらに、ディスプレイ440は、また、データ収集ユニット140との通信の進展、および通信の成功あるいは失敗に関するフィードバックを備えていてもよい。さらに、ディスプレイ440は、ディスペンサー120に保持されているデータ収集ユニット140によって収集された、さまざまな衛生イベントデータあるいはデータの要約、および他の任意の情報を、ユーザーが見ることを可能とするように、構成されていてもよい。
【0032】
本発明における特定の実施形態では、携帯用のデータ取得ユニット160は、さらに、データ取得コントローラ400に連結されている、リード・ディスペンサー・ボタン450およびリード・ルーム・ボタン460を含んでいる。従って、リード・ディスペンサー・ボタン450が作動されているときには、キーパッド430は、データを取得すべき所望のディスペンサー120のディスペンサー識別コードを入力するために使用される。ディスペンサー識別コードがいったん入力されると、データ取得ユニット160は、トランシーバー420を始動するとともに、関連するデータ収集ユニット140に対して好適な通信信号を送信し、これによって収集された衛生イベントデータを、無線によって回収する。
【0033】
追加的に、リード・ルーム・ボタン460が作動されているときには、ユーザーは、キーパッド430を介して、1つあるいは複数の特定のディスペンサー120が配置されている特定の部屋あるいはエリアに関連する、部屋識別コードを入力する。データ取得メモリーユニット410によって与えられたデータベースに保持されている、入力された部屋識別コードに関連するディスペンサー識別コードのリストが、ディスプレイ440に表示され、この表示において、望まれているイベントデータに関する所望のディスペンサー識別コードが、キーパッド430を介してユーザーによって選択される。次に、選択されたディスペンサー120におけるデータ収集ユニット140において収集された衛生イベントデータが、データ取得ユニット160に対して、無線によって転送される。
【0034】
読み出し機能に関して提示されている実施例は、限定的なものではなく、また、他の実施形態は、代替的な手法において読み出し機能が発生することを可能とするようにしてもよい、ということは理解されるべきである。例えば、リード・ルーム・ボタン460は、転送範囲内にある全てのディスペンサー120を、自動的に読み出してもよい。他の実施形態では、最も近いディスペンサー120あるいは最も近い部屋を読み出すようにあらかじめ設定されることの可能な、単一のリードボタンだけが存在していてもよい。DAU160は、ドロップダウン・メニューから、ユーザーが、特定の病棟あるいはウィングなどのグルーピングを選択することを促してもよい。さらに、DAU160は、また、自動的に、ディスペンサー120における、前に読み出しを試みたものと同一の読み出しパターンをたどるように、例えば、『200号室が完了。201号室を読み出しますか?』のように、ユーザーを促してもよい。
【0035】
さらに、リード・ディスペンサー・ボタン450およびリード・ルーム・ボタン460は、1つあるいは複数の操作モードを有効にするために、所定の順序で押されてもよく、これらの操作モードは、最後のデータの転送あるいはインタロゲーションの後にデータ収集ユニット140によって取得された、新しく収集されたイベントデータが、データ取得ユニットによって回収される、新規読み出しモード;データ収集ユニット140によって収集された全ての順守データが、データ取得ユニット160に転送される、全部読み出しモード;および、データ収集ユニット140によって収集された全てのデータが、データ取得ユニット160に転送され、その後、データ収集メモリーユニット310から消去される、読み出し/消去モードを含んでいる、ということは理解されるべきである。
【0036】
データ取得ユニット160は、また、このデータ取得ユニット160および/またはデータ収集ユニット140におけるさまざまな状態の可聴式あるいは可視式の表示を提供し得る、インジケーター480を含んでいる。例えば、インジケーター480は、ディスペンサー120のデータ収集ユニット140からデータ取得ユニット160への衛生順守データの無線転送が完了していることの表示を提供し得る。他の態様では、ディスペンサー120とデータ取得ユニット160との間における衛生順守データの無線転送にエラーが生じた場合、インジケーターおよび/またはディスプレイ440は、衛生順守データが再送信されることを必要としていること、あるいは、ユーザーがデータ収集ユニット140の無線通信範囲にデータ取得ユニット160を移動する必要があることを表示するための、プロンプトを提示する。
【0037】
さらに、データ取得ユニット160は、主として、携帯用のデバイスとして構成されているために、バッテリー、スーパーキャパシタ、燃料電池などの携帯用の電源520によって電力供給を受けている。しかしながら、データ取得ユニット160は、代替的に、壁コンセントなどの任意の好適な電源によって電力供給を受けてもよい、ということは理解されるべきである。
【0038】
さらに、本発明における特定の実施形態では、データ収集ユニット140およびデータ取得ユニット160に関連するさまざまなパラメータを設定するために、データ取得ユニット160によって、設定ボタン530が提供されている。設定ボタン530は、所定の順序で押されたときに異なるパラメータを設定するモードが入力されるように、構成されている。例えば、グルーピング期間設定モードが入力された場合、データ収集ユニット140によって使用される各時間区分あるいはグルーピング期間の期間を、キーパッド430によって入力することが許される。さらに、データ収集ユニット140およびデータ取得ユニット160によって使用あるいはアップデートされる日時を設定するための、日時設定モードが入力されてもよい。携帯用のデータ取得ユニット160は、データ収集ユニット140の動作に関連するさまざまなパラメータを設定するために、使用される。さらに、データ収集ユニット140およびデータ取得ユニット160は、データ取得ユニット160がデータ収集ユニット140と通信するたびに、データ取得ユニット160がデータ収集ユニット140の日時を設定するように、構成されていてもよい。さらに、ドウェル時間設定モードが入力されてもよく、このモードでは、データ取得ユニット160が、連続的な噴射供給動作あるいは他の連続的な衛生イベントが個別の衛生イベントとしてデータ収集ユニット140によって処理されるまでに、満了しなければならない時間である、ドウェル時間を設定する。1つの態様では、データ取得ユニット160は、データ収集ユニット140のドウェル時間を、約3秒間というデフォルトのドウェル時間に設定するように構成されていてもよい。設定ボタン530を押すことによって入力されるさまざまなモードに対するアクセスは、パスワードプロテクションによって制限されていてもよく、この場合には、特定のパラメータを設定するモードを入力することが可能となる前に、特定のパスワードが必要となる、ということは理解されるべきである。これにより、データ収集ユニット140およびデータ取得ユニット160において、許可のない者が、システム100によって収集される衛生順守データを改竄しようとして、パラメータを設定することが防止される。
【0039】
さらに、衛生順守監視システム100が最初に動作状態に入ったときに、設定ボタン530が使用されてもよく、これにより、所定の順序で設定ボタン530を押すことによって、データ取得ユニット160が、初期化モードに入る。データ収集ユニット140において初期化モードがいったん入力されると、データ取得ユニット160が、『ジェネリックの』すなわちプログラムされていない、各ディスペンサー120のデータ収集ユニット140を、初期化あるいは設定するために使用される。これにより、データ収集コントローラ300によって保持されているクロックが設定され、また、これにより、データ取得ユニット160が、ディスペンサー120に関連するデータ収集ユニット140に対して、ディスペンサー識別コードを割りあてる。さらに、データ取得ユニット160は、また、データ収集ユニット140によって利用されるグルーピング期間あるいは時間区分の持続時間を、所定のデフォルト値、例えば5分間などに設定するための、初期化モードの一部としてのグルーピング期間/時間区分設定モードに入ってもよい。
【0040】
DAU160によってデータが収集された後、このデータは、処理および/または分析のためのコンピューティングデバイスに対して転送されてもよい。特定の実施形態では、コンピューティングデバイスに対して直接的に導入されているソフトウェアによって、データが処理あるいは分析されてもよいし、また、レポートが生成されてもよい。他の実施形態では、上記のデータは、さらに、このコンピューティングデバイスから、処理、分析、あるいは報告のための手指衛生順守システムを提供するベンダーなどの第三者によって管理されている可能性のある他のネットワークに対して転送されてもよい。このシステムによって収集されたデータの処理、分析、あるいは報告は、ユーザーの施設内における手指衛生順守をユーザーが改良することを可能とする可能性のある情報をユーザーに与えるように、ユーザーの好みに応じてカスタマイズされてもよい、ということが予想される。
【0041】
従って、本発明における好ましい実施形態を要約すると、ディスペンサー120のそれぞれにおけるデータ収集ユニット140が初期化された後では、ディスペンサー120は、動作状態に入る。従って、データ収集ユニット140は、アクチュエーター240を監視し、これにより、一連のアクチュエーター240の接続のそれぞれが、所定のサイズの詰め替え容器230からの材料の噴射の供給動作をもたらす。従って、データ収集ユニット140が、アクチュエーター240の接続あるいはポンプ220の作動のいずれかを監視することによって、材料の噴射のそれぞれにおける供給動作を識別する。衛生データは、アクチュエーター240の接続の回数、アクチュエーター240の作動によってディスペンサー120において初期化される、詰め替え容器230からの材料における個々の噴射あるいは供給の回数、および/または、ディスペンサー120において発生する手指衛生イベントの回数、を含んでいてもよい。詰め替え容器230からの噴射あるいはアクチュエーター240の接続の回数を識別する、収集された衛生データは、これらが携帯用のデータ取得ユニット160によって回収されるまで、データ収集メモリーユニット310に保存される。ディスペンサー120から衛生順守データが無線によって回収されることが望まれた時点において、例えばデータ取得ユニット160におけるリード・ディスペンサー・ボタン450あるいはリード・ルーム・ボタン460のいずれかなどの、リードボタンが押されて、これに応じて、選択された部屋あるいはディスペンサーに関連する衛生順守データが、データ取得ユニット160に転送されるとともに、携帯用のメモリーユニット170に保存される。
【0042】
1つあるいは複数のディスペンサー120からの衛生データが、データ取得ユニット160を介して、データ収集ユニット140から無線によって取得された場合には、それは、データポート550を介してデータ取得コントローラ400に対して取り外し可能に連結されている携帯用のメモリーユニット170に保存される。従って、携帯用のメモリーユニット170は、データ取得ユニット160から取り除かれるとともに、任意の好適な、汎用のあるいはアプリケーションに特有の、例えば図4に示されているようなパーソナルコンピューターなどの、遠隔地にあるコンピューティングデバイス560とインタフェースされてもよい。すなわち、ディスペンサー120のそれぞれにおけるデータ収集ユニット140から収集された衛生順守データは、携帯用のデータ取得ユニット160に対して無線によって転送される。
【0043】
データ取得ユニット160によっていったん受信されると、衛生順守データは、携帯用のメモリーユニット170に保存され、その後、この携帯用のメモリーユニット170は、取り外されて、販売業者のコンピューターあるいはネットワークなどの、遠隔地にあるコンピューターシステムあるいはネットワーク562と通信する、コンピューティングデバイス560に取り付けられる。遠隔地にあるコンピューターネットワーク562は、有線あるいは無線のコンピューターネットワーク・インターフェイスを使用することによって、インターネット、LAN(ローカルエリア・ネットワーク)、WAN(ワイドエリア・ネットワーク)、あるいは他の任意の好適な通信ネットワーク564を介してネットワークに接続されている、1つあるいは複数のコンピューターを備えていてもよい、ということは理解されるべきである。遠隔地にあるコンピューターネットワーク562において衛生イベントデータがいったん受信されると、この順守データは、レポート566を生成するために分析される。
【0044】
このように、衛生順守監視システム100を利用する消費者は、データ収集ユニット140を介して、複数のディスペンサー120から、衛生イベントデータを収集し得る。そして、システム100のユーザーが、各ディスペンサー120のデータ収集ユニット140における通信範囲にデータ取得ユニット160を移動することによって、衛生順守データが、データ取得ユニット160における携帯用のメモリーユニット170に対して無線によって転送される。そして、携帯用のメモリーユニット170は、データ取得ユニット160から取り外されて、コンピューティングデバイス560に挿入される。この順守データは、分析のために、コンピューティングデバイス560に導入されているソフトウェアプログラムに転送されてもよいし、あるいは、イベントデータは、衛生順守監視システム100のベンダーなどの第三者によって保持されている可能性のある、遠隔地にあるコンピューターネットワーク562に転送されてもよい。コンピューティングデバイス560あるいは遠隔地にあるコンピューターネットワーク562のソフトウェアシステムは、データを処理および分析することによって、消費者のディスペンサー120の利用に関連する傾向を要約する、有意義なレポート566を生成する。
【0045】
携帯用のメモリーユニット170を用いることに代えて、トランシーバー420が遠隔地にあるコンピューティングデバイス560に対して衛生順守データを同様に無線によって転送することが可能となるように、データ取得ユニット160が構成されていてもよい、ということも理解されるべきである。データ量が多すぎて、インターネットあるいは他のネットワークコネクションを介してアップロードすることができない場合には、DAU160は、直接的に接続することによって、携帯用のメモリーユニット170に対してデータセットを送信することも可能である、ということが予想される。
【0046】
このようにして、上述した衛生イベント監視システム100の構成部材を用いることによって、ディスペンサー120において衛生イベントデータを収集するためにシステム100によって実行される、図5A−Bに示されている、一般的に符号600によって指し示されている動作ステップが、以下に提示される。最初に、ステップ610において、データ取得ユニット160において所定の順序で設定ボタン530を押すことによって、ディスペンサー120における『ジェネリックの』データ収集ユニット140が、初期化モードに入る。ステップ620におけるデータ収集ユニット140の初期化の際には、データ収集ユニット140において、日時、グルーピング期間あるいは時間区分の持続時間、およびドウェル時間が設定される。さらに、ステップ620において、データ取得ユニット160は、ステップ630に続く前に、データ収集ユニット140に対して一意的なディスペンサー識別コードを割りあてる。ステップ630において、プロセス600は、グルーピング期間のスタートを開始するとともに、所定の順序での設定ボタン530の押圧に応じて、現在の日時を割りあてられる。ステップ630とほぼ同時に、ステップ640が実行され、これに応じて、データ収集ユニット140が、ディスペンサーアクチュエーター240の監視を開始する。グルーピング期間の全体にわたって、ステップ640が、アクチュエーター240の作動あるいは接続の回数、および、ドウェル時間中に発生した手指衛生イベントの回数の双方を、積算することになる。ステップ650に進むと、プロセスは、進行中のグルーピング期間が満了しているか否か、を判定する。進行中のグルーピング期間が満了していた場合、プロセスは、ステップ660へと進み、ここでは、データ収集ユニット140が、そのスタート時間を指定しながら、次のグルーピング期間を開始する。しかしながら、進行中のグルーピング期間が満了していない場合には、プロセスは、ステップ670に進み、ここでは、プロセスは、アクチュエーター240が接続されているか否か、を判定する。
【0047】
ステップ670において、アクチュエーター240が接続されていなかった場合には、その後、プロセスは、ステップ640に戻り、アクチュエーター240の監視を再開する。しかしながら、アクチュエーター240が接続されていた場合には、プロセスは、ステップ680に進み、ここでは、プロセスは、データ収集メモリーユニット310が満杯になっているか否か、を判定する。データ収集メモリーユニット310が満杯になっている、とプロセスが判定した場合には、プロセスは、ステップ690に進み、ここでは、現在において収集されている衛生順守データのためのスペースをつくるために、データ収集メモリーユニット310において最も初期の時間に保存された、グルーピング期間が消去される。このように、データ収集メモリーユニット310は、現在において収集されている衛生順守データのために利用可能なメモリースペースをつくるために、FIFO(ファーストイン−ファーストアウト)のメモリー管理スキームを利用しており、その結果として、データ収集メモリーユニット310におけるメモリーの枯渇が防止されている。ステップ690の完了後、ステップ680においてデータ収集ユニット140が満杯ではないと判定された場合には、プロセスは、ステップ700に進む。
【0048】
ステップ700において、プロセスは、一連のアクチュエーター240の接続の間の時間が、設定されているドウェル時間よりも短いか否か、を判定する。一連のアクチュエーター240の接続の間に経過した期間が、あらかじめ設定されているドウェル時間よりも少なくないか、あるいはこれと等しい場合には、プロセスは、ステップ710に進み、ここでは、進行中のグルーピング期間に関連するイベントカウントが、アクチュエーター240の接続における全体の回数によってインクリメントされるとともに、データ収集メモリーユニット310に保存される。しかしながら、一連のアクチュエーター240の接続の間に経過した期間が、あらかじめ設定されているドウェル時間よりも少ないか、あるいはこれと等しい場合には、プロセスは、ステップ720に進む。ステップ720では、進行中のグルーピング期間に関連するイベントカウントが、検出されたアクチュエーターの接続のそれぞれによって、インクリメントされる。ステップ710および720の完了後、プロセスは、ステップ640に戻る。
【0049】
1つあるいは複数のディスペンサー120が、上述したように動作状態に入るとともに、衛生イベントデータを収集した後、図6に示すように、一般的に参照符号800によって指し示されている動作ステップに基づいて、1つあるいは複数のデータ取得ユニット160が、イベントデータを回収するために使用される。最初に、データ収集ユニット140からの衛生イベントデータの取得を開始するために、データ取得ユニット(DAU)160が、ステップ810において示されているように、データ収集ユニット(DCU)140におけるトランシーバー320の通信範囲に移動される。次に、ステップ820において、ユーザーは、データ取得ユニット160のキーパッド430を用いることによって、所望の読み出しモードを選択し、このときには、ユーザーは、従前に説明したように、新規読み出しモード、全部読み出しモード、および、読み出し/消去モードから選択することが可能である。ステップ830に進むと、プロセスは、データ取得ユニット160において、リード・ディスペンサー・ボタン450あるいはリード・ルーム・ボタン460が押されているか否か、を判定する。リード・ディスペンサー・ボタン450が押されている場合には、プロセスは、ステップ840に進み、ここでは、ユーザーが衛生イベントデータを取得したいと望んでいるディスペンサー120に与えられている、データ収集ユニット140に関連するディスペンサー識別コードを、ユーザーが入力する。ステップ850に進むと、データ取得ユニット160は、関連するディスペンサー120のデータ収集ユニット140から、衛生イベントデータを無線によって取得する。代替的に、ステップ830において、ユーザーが、リード・ルーム・ボタン460を押していた場合には、プロセスは、ステップ860に進み、これに応じて、ユーザーは、取得されるべき衛生イベントデータを包含している1つあるいは複数のディスペンサーが取り付けられている特定の部屋を識別する部屋識別コードを、入力あるいは選択する。次に、ステップ870において、データ取得ユニット160は、入力された部屋コードに関連するディスペンサー120における全てのディスペンサー識別コードを、ディスプレイ440を介して、連続的に提示する。従って、ステップ880に示されているように、ユーザーは、その衛生イベントデータを取得したいと望む1つあるいは複数のディスペンサー識別コードを選択することが可能となるか、あるいは、衛生イベントデータを取得するために全てのディスペンサー識別コードを選択し得る。衛生イベントデータが求められている所望のディスペンサー識別コードがいったん選択されると、プロセスは、ステップ890に進み、ここでは、データ取得ユニット160が、選択されたディスペンサー識別コードを有するディスペンサー120のデータ収集ユニット140から、衛生イベントデータを無線によって取得する。ステップ850あるいは890のいずれかにおいて、衛生イベントデータがいったん取得されると、プロセスは、ステップ900に進み、ここでは、衛生順守データが、データ取得ユニット160における携帯用のメモリーユニット170に保存される。次に、ステップ910に示されているように、携帯用のメモリーユニット170を、データ取得ユニット160から取り外すとともに、従前に説明したような衛生順守レポートを生成するために、遠隔地にあるコンピューティングデバイス560に取り付けることが可能となる。
【0050】
以上のように、本発明における1つあるいは複数の実施形態における1つの利点は、衛生イベント監視システムが、ディスペンサーのアクティビティーを監視するための、単純かつユーザーフレンドリーなシステムを提供することにある、ということが理解されるはずである。本発明における他の利点は、衛生イベント監視システムによって、ユーザーが、相当な距離あるいは範囲において、ディスペンサーから衛生順守データを無線によって収集することが可能となる、ということにある。本発明におけるさらに他の利点は、衛生イベント監視システムにおいて、データ収集ユニットから取得されたデータが、衛生イベントのレポートを作成するために、遠隔地にあるコンピューティングデバイスとインタフェースすることの可能な携帯用のメモリーユニットに保存される、ということにある。
【0051】
特定の実施形態を参照しながら、相当に詳細に本発明を説明してきたが、他の実施形態も実施可能である。従って、添付されている特許請求の範囲における精神および範囲は、この明細書に含まれている実施形態の説明に限定されるべきではない。
図1
図2
図3
図4
図5A
図5B
図6