(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明を実施するための形態を、図面を参照して説明する。
本発明の実施形態にかかる駐車装置は、給電プラグ受を持った車両を駐車させる装置である。
車両5は、直流または交流の電気を給電される自動車である。
例えば、車両5は、電気を給電され、電気または液体燃料で動くハイブリッド自動車である。
例えば、車両5は、電気を給電され、電気のみで動く自動車である。
【0015】
最初に、本発明の第一の実施形態にかかる駐車装置を説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る駐車装置の斜視図である。
図2は、本発明の実施形態に係る駐車装置の概念図である。
図3は、本発明の実施形態に係る駐車装置の部分斜視図である。
図4は、本発明の実施形態に係る駐車装置の正面図である。
図5は、本発明の実施形態に係る駐車装置の部分正面図である。
図6は、本発明の実施形態に係る駐車装置のA−A断面図である。
図7は、本発明の実施形態に係る駐車装置のB−B矢視図である。
図8は、本発明の実施形態に係る駐車装置の部分平面図その1である。
図9は、本発明の実施形態に係る駐車装置の部分平面図その2である。
図10は、本発明の実施形態に係る駐車装置の部分側面図である。
図11は、本発明の実施形態に係る駐車装置の部分正面図である。
図12は、本発明の実施形態に係る駐車装置の部分平面図である。
図13は、本発明の実施形態に係る駐車装置の部分詳細図である。
図14は、本発明の実施形態に係る駐車装置の部分拡大図である。
図15は、本発明の実施形態に係る駐車装置のG−G矢視図である。
図16は、本発明の実施形態に係る駐車装置のG−G矢視部分図である。
図17は、本発明の実施形態に係る駐車装置のH−H矢視図である。
図18は、本発明の実施形態に係る駐車装置のI−I矢視図である。
図19は、本発明の実施形態に係る駐車装置のC−C矢視図である。
図20は、本発明の実施形態に係る駐車装置のD−D矢視図である。
図21は、本発明の実施形態に係る駐車装置の部分拡大図である。
図22は、本発明の実施形態に係る駐車装置のE−E矢視図である。
図23は、本発明の実施形態に係る駐車装置のF部拡大図である。
図1、2、5では、理解の容易のために、一部のケージを省略している。
図2は、装置の構成部品の電気的な関係を理解するのを助けるために、装置の構成部品を本発明の物理的な配置と一致させずに記載した概念図である。
【0016】
本発明の第一の実施形態にかかる駐車装置は、車両5を駐車させる装置であって、主構造体10と一対のスプロケット20と主務チェーン30と複数のケージ40とスリップリング電気機器50と給電回路60と導電回路70と電源機器100とで構成される。
本発明の第一の実施形態にかかる駐車装置は、車両5を駐車させる装置であって、主構造体10と一対のスプロケット20と主務チェーン30と複数のケージ40と複数のスリップリング電気機器50と複数の給電回路60と導電回路70と電源機器100とで構成されてもよい。
例えば、第一の実施形態にかかる駐車装置は、主構造体10と前後一対の上スプロケット21と前後一対の下スプロケット22と前後一対の主務チェーン30と複数のケージ40と複数のスリップリング電気機器50と複数の給電回路60と導電回路70と電源機器100とで構成される。
駐車装置は、一対のスプロケット20である上スプロケット21と下スプロケット22との間にケージ40の上下移動する空間である左右一対のケージ移動空間Hをもつ。
駐車装置は、一対のスプロケット20である上スプロケット21と下スプロケット22との間に主務チェーンの上下移動する空間である左右1対の主務チェーン移動空間Fを持つ。
【0017】
主構造体10は、駐車装置の主要な構造体である。
例えば、主構造体10は、
図2に示す様に縦長の構造体である。
主構造体10は、後述する一対のスプロケット20を回転自在に支持し、主務チェーン30を上下方向に移動自在に案内し、下スプロケットを下方にテイクアップして上スプロケットを回転駆動する。
【0018】
一対のスプロケット20は、主構造体に水平にした各々の回転軸心Cを前後方向に延ばして互いに平行にし上下方向に離して配され、上スプロケット21と下スプロケット22とで構成される。
例えば、一対のスプロケット20は、主構造体に水平にした各々の回転軸を前後方向に延ばして互いに平行にし上下方向に離して配され、前後一対の上スプロケット21と前後一対の下スプロケット22とで構成される。
例えば、前後一対の上スプロケット21が前後方向に離れて配され、前後一対の下スプロケッ22が前後方向に離れて配される。
【0019】
主務チェーン30は、上スプロケット21と下スプロケット22とに巻き掛けられる。
主務チェーン30は、無端チェーン31と複数の主務チェーンアタッチメント32と複数のケージ軸受33とで構成される。
無端チェーン31は、上スプロケット21と下スプロケット22とに巻き掛けられる。
例えば、一対の無端チェーン31が、前後一対の上スプロケット21と前後下スプロケット22とに各々に巻き掛けられる。
複数の主務チェーンアタッチメント32が、無端チェーン31の長手方向に沿って所定の間隔で配される。
ケージ軸受33が、主務チェーンアタッチメント32に無端チェーンから離れた位置に支持される。
無端チェーン31は、上下方向の移動をチェーンガイド部材11に案内される。
【0020】
ケージ40は、ケージ軸受33に回転自在に車両5を搭載可能な機構である。
ケージ40は、パレット41と前後一対のハンガー42とケージ吊軸43とで構成される。
パレット41は、上から見て略長方形の板構造体であり上面に車両を乗せることをできる。
前後一対のハンガー42は、前から見て略矩形の枠構造体であり下方の辺がパレットの一対の短辺の側を各々に支える。
ケージ吊軸43は、前後一対のハンガー42の上の辺に各々に連結し前後一対の端部を前後一対のケージ軸受33に回転自在に各々に支持される。
【0021】
スリップリング電気機器50は、ケージ軸受33の回転軸心Cの回りに相対回転でき互いの間で電気的に導通できる一対の電気機器である第一電気機器200と第二電気機器300とを持ち、第一電気機器200をケージ40に支持され、第二電気機器300を主務チェーン30に支持される。
複数のスリップリング電気機器50は、複数のケージ軸受33の回転軸心の回りに相対回転でき互いの間で電気的に導通できる一対の電気機器である第一電気機器200と第二電気機器300とを各々に持ち、第一電気機器200をケージ40に支持され、第二電気機器300を主務チェーン30に支持されるものであってもよい。
例えば、第一電気機器200はスリップリングを備える電気機器であり。第二電気機器300はブラシを備える電気機器である。
第一電気機器200は、給電ケーブル61に電気的に導通される。
第二電気機器300は、配電線72に電気的に導通される。
図3は、第一電気機器200がケージ40に固定され、第二電気機器300が主務チェーンアタッチメント32に固定されるのを示す。
【0022】
第一電気機器200は、N(N=1、2、3、4・・・)個のスリップリング210とスリップリング取付部材220とスリップリングカバー230とで構成される。
【0023】
スリップリング210は、ケージ40に対し相対回転不能に固定され回転軸心Cを曲率中心とする摺動面Sを形成する導電体である。
例えば、スリップリング210は、スリップリング取付部材220に支持され回転軸心Cを曲率中心とする摺動面Sを形成する導電体である。
スリップリング210は、スリップリング本体211とスリップリング端子212とで構成される。
スリップリング本体211は、回転軸心Cを曲率中心とする摺動面Sを形成する外周と内周とを持つリング状の導電体である。
スリップリング端子212は、スリップリング本体211の側面から回転軸心Cに平行に突起する端子である。
スリップリング210が円周方向に少なくとも2分割されてもよい。
例えば、スリップリング210は、円周方向に2分割される。
N個のスリップリング本体211は、N個のスリップリング第一本体211aとN個のスリップリング第二本体211bとで構成される。
1個のスリップリング本体は、1個のスリップリング第一本体211aと1個のスリップリング第二本体211bとで構成される。
スリップリング第一本体211a及びスリップリング第二本体211bとは、円弧状の外周と円弧状の内周をもち180度の拡がりをもつ扇状の導電体である。
内周の直径は、ケージ吊軸43の外径より大きい。
【0024】
スリップリング取付部材220は、ケージ吊軸43と前後1対のハンガー42のうちの少なくともどちらか一方のハンガー42との連結位置に位置してケージ40に相対回転不能に固定される部材である。
2個のスリップリング取付部材220が、ケージ吊軸43と前後1対のハンガー42のの連結位置に位置してケージ40に相対回転不能に各々に固定されてもよい。
スリップリング取付部材220は、スペーサ部材221a、221bとスリップリング固定部材222とで構成される。
スペーサ部材221a、221bは、回転軸心Cに沿って並ぶN個のスリップリング210を1個毎に所定の距離を隔てて固定する絶縁体である。
スリップリング固定部材222は、スペーサ部材221a、221bをケージ40に固定する部材である。
例えば、スリップリング固定部材222は、スペーサ部材221a、221bに固定され、ハンガー42に固定される。
【0025】
スリップリングカバー230は、スリップリング210を覆う部材である。
スリップリングカバー230は、スリップリング第一カバー231とスリップリング第二カバー232とで構成される。
スリップリング第一カバー231は、スリップリング本体211の摺動面Sを上方から覆う部材である。スリップリング第一カバー231は、スリップリング固定部材222に固定される。
スリップリング第二カバー232は、スリップリング本体211の側面を覆う部材である。スリップリング第二カバー232は、ハンガー42の側部に固定される。
【0026】
第二電気機器300は、N(N=1、2、3、4・・)個の給電器310と給電器取付部材320と給電器カバー330とで構成される。
【0027】
給電器310は、主務チェーン30に対し相対回転不能に固定されスリップリング210の摺動面Sに接触してスリップリング210に電気を給電するものである。
給電器310は、給電ブラシ311と給電ブラシホルダ312とで構成される。
給電器310は、2個の給電ブラシ311と2個の給電ブラシホルダ312とで構成されてもよい。
1個の給電ブラシホルダ312が1個の給電ブラシ311を支持する。
給電ブラシ311はスリップリング210の摺動面2に接触して電力を給電できる導電体である。
給電ブラシ311は、配電線72に導通する。
給電ブラシホルダ312は、給電ブラシ311を支持する絶縁体である。
【0028】
給電体取付部材320は、主務チェーンアタッチメント32に回転不能に固定される部材である。
給電取付部材320は、N個の給電器310を支持する。
給電体取付部材320は、給電ブラシホルダ固定具321と給電器固定部材322とで構成される。
例えば、給電体取付部材320は、2個の給電ブラシホルダ固定具321と給電器固定部材322とで構成される。
2個の給電ブラシホルダ固定具321は、N個の給電器310の各々毎に、給電器310を構成する2個の給電ブラシ311と2個の給電ブラシホルダ312のうちの1個の給電ブラシ311と1個の給電ブラシホルダ312を各々に固定する。
少なくとも2個の給電ブラシホルダ固定具321は、回転軸心Cの回りにスリップリング210の回転軸心Cの回りの分割角度とは異なる角度の位相を持つ様に配置される。
例えば、2個の給電ブラシホルダ固定具321は、回転軸心Cの回りに90度の位相を持つ様に配置される。
この様にすると、少なくとも2個の給電ブラシがスリップリング210の摺動面Sを摺動する際に、電力の瞬断を防ぐことをできる。
給電器固定部材322は、給電器310を主務チェーンアタッチメント32に固定する部材である。
例えば、給電器固定部材322は、主務チェーンアタッチメント32に固定され、2個の給電ブラシホルダ固定具321を固定する。
【0029】
給電器カバー330は、スリップリング210の摺動面Sを覆う部材である。
給電器カバー330は、給電器第一カバー331と給電器第二カバー332とで構成される。
給電器第一カバー331は、回転軸心Cの回りに並ぶ2個の給電ブラシホルダ固定具321の間にできる2つの隙間のうちの一つの隙間を覆う。
給電器第二カバー332は、回転軸心Cの回りに並ぶ2個の給電ブラシホルダ固定具321の間にできる2つの隙間のうちの他の一つの隙間を覆う。
【0030】
給電回路60は、第一電気機器200に電気的に通電し、ケージ40に乗った車両5に給電可能な電力を出力できる回路である。
複数の給電回路60は、複数の第一電気機器200に電気的に各々に通電し、ケージ40に乗った車両5に給電可能な電力を各々に出力できる回路であってもよい。
例えば、給電回路60は、給電ケーブル61と差込口62と給電ケーブル接続箱63とで構成される。
給電ケーブル61は、一方の端部を第一電気機器200に電気的に接続される。
給電ケーブル61は、他方の端部を差込口62に電気的に接続される。
例えば、差込口62は、パレット41に支持される。
差込口62からケージに乗った車両の給電プラグ受へ、車両充電ケーブルを介して、給電可能である。
給電ケーブル接続箱63は、給電ケーブル61の途中に設けられる。
給電ケーブル接続箱63は、給電回路及び車両充電ケーブルの過電流と短絡保護の機能と車両への給電制御の機能とを持つ電気機器である。
車両充電ケーブルは、給電プラグ64と電源側差込プラグ65と充電ケーブル66とで構成される。給電プラグ64は車両の給電プラグ受に抜き差しできるプラグである。電源側差込プラグ65は差込口62に抜き差しできるプラグである。充電ケーブル66は、給電プラグ64と電源側差込プラグ65とを電気的に接続するケーブルである。電源側差込プラグ65は一般家屋の100Vコンセントに抜き刺しすることもできる。
また、給電回路60は、給電ケーブル61と給電プラグ64と給電ケーブル接続箱63とで構成されてもよい。この様にすると、車両充電ケーブルを用いずに、直接に車両の給電プラグ受に給電できる。
【0031】
導電回路70は、第二電気機器152に電気的に導通する回路である。
例えば、導電回路70は、複数の第二電気機器に電気的に各々に導通する回路である。
導電回路70は、導電線71を備える。
例えば、導電回路70は、導電線71と配電線72と導電線固定具73とで構成される。
導電線71は、主務チェーン30に固定されて無端チェーン31の循環移動と共に循環移動してもよい。
配電線72は、導電線71から電気的に分岐し第二電気機器300に電気的に接続される。
導電線固定具73は、導電線71を主務チェーン30に固定する部材である。
例えば、導電線固定具73は導電線71を無端チェーン31に固定する。
無端チェーン31が循環移動すると、導電線固定具73に引っ張られて循環移動する。
【0032】
以下に、導電線71の支持構造を説明する。
図5、6、7は、導電線71の支持構造を示す。
複数の導電線固定具73が、無端チェーン31を構成する複数のチェーンプレートのうちの幾つかのチェーンプレートに固定される。
例えば、導電線固定具73が、1対のチェーンプレートのうちの一方のチェーンプレートに固定される。
導電線71が、無端チェーン31の延びる方向に沿って僅かにたるみをもって配される。
例えば、導電線固定具73が1対の外チェーンプレートまたは1対の内チェーンプレートのうちの一方のチェーンプレートの中央部に固定される。
導電線固定具73が、無端チェーン31を固定する。
導電線固定具73が、無端チェーン31を挟み込む。
無端チェーン31が上スプロケット21と下スプロケット22に巻きかけられるときに、無端チェーン31の弛みが少なくなる。
【0033】
電源機器100は、電源の電力を導電回路70に給電する機器である。
電源機器100は、N(N=1、2、3、4・・・)個のN個の導電性架線110と複数の集電器120と電源回路130とで構成されてもよい。
電源機器100は、N(N=1、2、3、4・・・)個のN個の導電性架線110と複数の集電器120の複数組と電源回路130とで構成されてもよい。
導電性架線110は、上下方向に延びた直線状の給電用の架線である。
集電器120は、主務チェーンに固定されて無端チェーンの循環移動と共に循環移動し導電性架線から接触しつつ電気を集電し集電した電力を導電回路に給電できる機器であってもよい。
集電器120は、主務チェーンに無端チェーンの延びる方向に沿って所定の間隔で配される様に各々に固定されて無端チェーンの循環移動と共に循環移動し導電性架線から接触しつつ電気を集電し集電した電力を導電回路に給電できる機器であってもよい。
電源回路は、導電性架線に給電する回路である。
【0034】
N個の導電性架線110が、左右一対の隙間空間Gのうちのどちらか一方の隙間空間Gに位置する。
左右一対の隙間空間Gは、上から見て左右一対の主務チェーン移動空間Fと左右一対のケージ移動空間Hとに挟まれる左右一対の空間である。
例えば、一対の導電性架線110が、左右一対の隙間空間Gのうちのどちらか一方の隙間空間Gに位置する。
【0035】
N個の導電性架線110が隙間空間Gの中で互いに左右方向に離れて平行に上下方向へ延びる様に主構造体10に支持されてもよい。
例えば、一対の導電性架線110が隙間空間Gの中で互いに左右方向に離れて平行に上下方向へ延びる様に主構造体10に支持される。
【0036】
N個の集電器120が主務チェーン30の循環移動に対応して上下方向に循環移動して導電性架線から接触しつつ電気を集電する。
N個の集電器120の複数組が主務チェーン30の循環移動に対応して上下方向に循環移動して導電性架線から接触しつつ電気を集電する。
一対の集電器120が隙間空間Gの中で一対の導電性架線110を一体として左右方向から間に挟んで上下方向に移動する様に主務チェーンに支持されてもよい。
一対の集電器120のうちの左側に位置する1個の集電器120が集電ブラシ121を左側から一対の導電性架線110のうちの左側に位置する導電性架線110のトロリ線111に左側から接触させる。
一対の集電器120のうちの右側に位置する1個の集電器120が集電ブラシ121を左側から一対の導電性架線110のうちの右側に位置する導電性架線110のトロリ線111に右側から接触させる。
一対のスプロケット20が回転するときに複数の集電器120の複数組のうちの常に少なくともどれか一組の集電器120が導電性架線110に接触して摺動する。
【0037】
集電器120が、集電ブラシ121と集電ブラシカバー122と付勢機構123とで構成されてもよい。
集電器120が、2個の集電ブラシ121と2個の集電ブラシカバー122と2個の付勢機構123とで構成されてもよい。
例えば、集電器120が、2個の集電ブラシ121と2個の集電ブラシカバー122と2個の付勢機構123と集電器固定部材124で構成される。
集電ブラシ121は、後述するトロリ線111に接触して電気を集電するものである。
集電ブラシカバー122は、集電ブラシ121を囲う部材である。
集電ブラシカバー122は、集電ブラシ121のトロリ線111に接触する部分を露出させる様に囲う。
例えば、接触するトロリ線111の長手方向に視線を平行にして見ると、集電ブラシカバー122は、底部と底部の両端から立ち上げる一対の側部とで構成される。集電ブラシカバー122は、底部に集電ブラシ121の根本を埋め込まれ、一対の側部と集電ブラシ121の先端部との間に隙間を設けられる。
付勢機構123は、集電ブラシカバー122を介して集電ブラシ121をトロリ線111に所定の付勢力で付勢する機構である。
集電器固定部材124は、付勢機構123を主務チェーン30に固定する部材である。
例えば、集電器固定部材124は、一対の付勢機構123を主務チェーンアタッチメント32に固定する。
図20は、集電器固定部材124の構造の一例を示す。
【0038】
導電性架線110が、トロリ線111と上部案内部材114uと下部案内部材114dとで構成されてもよい。
例えば、導電性架線110が、トロリ線111とトロリ線カバー112と上部案内部材114uと下部案内部材114dとで構成される。
トロリ線111は、上下方向に延びる線状の導電するものである。例えば、トロリ線は銅線である。
トロリ線カバー112は、トロリ線111の長手方向に沿った集電ブラシ121に接触される部分を露出させて、他の部分を覆う部材である。
上部案内部材114uは、トロリ線111の上端部から上方向に移るに従って幅が拡がる傾斜面である上部傾斜面を形成する部材である。
上部案内部材114uの上部傾斜面は、トロリ線111の上端部から上方向に移るに従ってトロリ線111の摺動面から垂直方向の離間距離を大きくする様に形成される。
下部案内部材114dは、トロリ線111の下端部から下方向に移るに従って幅が拡がる傾斜面である下部傾斜面を形成する部材である。
下部案内部材114dの下部傾斜面は、トロリ線111の上端部から下方向に移るに従ってトロリ線111の摺動面から垂直方向の離間距離を大きくする様に形成される。
【0039】
集電器120が、上から移動して導電性架線110に摺動するのを開始するときに、集電ブラシカバー122を上部案内部材114uに案内されて下方に移動した後で集電ブラシ121をトロリ線111に接触させる。
集電器120が、下から移動して導電性架線110に摺動するのを開始するときに、集電ブラシカバー122を下部案内部材114dに案内されて上方に移動した後で集電ブラシ121をトロリ線111に接触させる。
【0040】
導電性架線110が、トロリ線111と上部摺動部材113uと上部案内部材114uと下部摺動部材113dと下部案内部材114とで構成されてもよい。
例えば、導電性架線110が、トロリ線111とトロリ線カバー112と上部摺動部材113uと上部案内部材114uと下部摺動部材113dと下部案内部材114dと架線固定部材115と架線支持部材116で構成される。
トロリ線111は、上下方向に延びる線状の導電するものである。
トロリ線カバー112は、トロリ線111の長手方向に沿った集電ブラシ121に接触する部分を露出させて、他の部分を覆う部材である。
上部摺動部材113uは、トロリ線111の上端部に連結し、トロリ線111の摺動面Sに面の高さを一致する上部摺動面を形成する部材である。
下部摺動部材113dは、トロリ線111の下端部に連結し、トロリ線111の摺動面Sに面の高さを一致する下部摺動面を形成する。
上部案内部材114uは、トロリ線111の上端部から上方向に移るに従って幅が拡がる傾斜面である上部傾斜面を形成する部材である。
下部案内部材114dは、トロリ線111の下端部から下方向に移るに従って幅が拡がる傾斜面である下部傾斜面を形成する部材である。
架線固定部材115は、トロリ線カバー112を介してトロリ線111に固定される部材である。
複数の架線固定部材115は、トロリ線カバー112に長手方向に所定の間隔を配して固定される。
架線支持部材116は、主構造体10に固定され、架線固定部材115を支持する部材である。
複数の架線支持部材116は、主構造体10に固定され、複数の架線固定部材115を各々に支持する部材である。
【0041】
集電器120が、上から移動して導電性架線110に摺動するのを開始するときに、集電ブラシカバー122を上部案内部材114uの上部傾斜面に案内されて下方へ移動しつつ集電ブラシ121を上部摺動部材113uの上部摺動面に案内された後で集電ブラシ121をトロリ線111に接触させる。
集電器120が、下から移動して導電性架線110に摺動するのを開始するときに、集電ブラシカバー122を下部案内部材114dに上方へ案内されて移動しつつ集電ブラシ121を下部摺動部材114dの下部摺動面に案内された後で集電ブラシ121をトロリ線111に接触させる。
【0042】
旋回機器90は、パレット41の前後方向を入れ替えるために、パレット41を旋回させる機構である。
旋回機器90は、パレット41を持ち上げて前後一対のハンガー42から外し、パレット41を180度旋回させてから降ろし、パレット41を前後一対のハンガー42に支持させる。
【0043】
また、本発明の実施形態に係る駐車装置は、その構成により、以下の効果を有する。
主構造体10と1対のスプロケット20と主務チェーン30と複数のケージ40とでできた駐車装置において、ケージ40と主務チェーン30との間にスリップリング電気機器50を設け、電源機器100から給電された電力を主務チェーン30と共回りする導電回路70を介してスリップリング電気機器50に給電し、スリップリング電気機器50から給電された電力を給電回路60を通過して車両5に給電する様にし、主務チェーン30とケージ40との間に設けたケージ軸受33の回転軸心Cを曲率中心とする摺動面Sをもつスリップリング210と主務チェーン30に固定されスリップリング210の摺動面Sに接触して給電する給電器310とでスリップリング電気機器50を構成したので、1対のスプロケット20を回転させると主務チェーン30が循環し、電源機器から給電された電力が導電回路とスリップリング電気機器50と給電回路60とを経由してスムースにケージ40に搭載された車両に給電できる。
また、ケージ40が車両5を搭載するパレット41とパレット41の前後を支える前後1対のハンガー42と前後1対のハンガー42を上部で繋ぐケージ吊軸43とで構成され、ケージ吊軸43とハンガー42との連結位置に位置するスリップリング取付部材220が回転軸心Cを曲率中心とする摺動面Sを形成するスリップリング210を支持し、主務チェーンアタッチメント32に固定された給電器取付部材320がスリップリング210の摺動面Sに摺動してスリップリング210に給電できる給電器310を支持できる様にしたので、主務チェーン30の循環移動と共に、ケージ吊軸43とハンガー42との結合箇所で給電器取付部材320に支持されるN個の給電器310がスリップリング取付部材220に支持されるN個のスリップリング210の摺動面Sに各々に摺動して、導電回路70から給電回路60に電力を給電できる。
また、給電器310の少なくとも2個の給電ブラシ311が円周方向に2分割されたスリップリング210の摺動面Sに摺動して給電できる様にしたので、2分割の角度と給電ブラシの配置とを調製して少なくとも2個の給電ブラシ311のうちのどれか1個の給電ブラシ311が少なくとも2分割されたスリップリング210のうちのどれか1個に常に給電する様にできる。
また、回転軸心Cに沿って並ぶN個のスリップリング210を1個毎に所定の距離をへだてて固定するスペーサ部材221a、221bが円周方向に少なくとも2分割される様にしたので、スリップリング取付部材220のケージ40への取付が容易になる。
また、電力を給電されるN個の導電性架線110を上から見てケージ移動空間Hと主務チェーン移動空間Fとに挟まれる隙間空間Gに配し、主務チェーン30に固定された集電器120がN個の導電性架線110の摺動面Sに摺動して電力を集電し、主務チェーン30に支持される第二電気機器300からケージ40に支持される第一電気機器200に給電し、給電回路60を経由してケージ40に搭載される車両5へ給電できる様にしたので、スプロケット20の回転に応じてケージ40がケージ移動空間Hを上下方向に移動しまたは停止するときに、電源機器100から給電する電力をケージ40に乗った車両5に安定して給電できる。
【0044】
本発明は以上に述べた実施形態に限られるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で各種の変更が可能である。
一対の導電性架線110を備える例で説明したが、これに限定されず、3個以上の導電性架線を備えていてもよい。
集電器で集電した電気を導電回路70と複数のスリップリング電気機器50とを介して複数のケージに給電する例で説明したがこれに限定されない。例えば、1個の集電器で集電した電気を導電回路70と1個のスリップリング電気機器50とを介して1個のケージに給電してもよい。
N個の導電性架線110が左右一対の隙間空間Gのうちのどちらか一方の隙間空間に位置する例で説明したがこれに限定されない。例えば、N個の導電性架線110の2組が左右一対の隙間空間Gのうちの両方の隙間空間に各々に位置してもよい。
直流または単相交流を給電することを前提として、2本の導電性架線110を配する例で説明したがこれに限定されない。例えば、三相交流を給電することを前提として、3本の導電性架線110を配してもよい。
また、導電回路70を前後1対の主務チェーンのうちの一方の主務チェーンに配する例で説明したが、これに限定されない。例えば、直流、単相交流、三相交流の線路を2組の導電回路70に分けて、1組の導電回路70を前後1対の主務チェーンのうちの前方の主務チェーンに配し、他の1組の導電回路70を前後1対の主務チェーンのうちの後方の主務チェーンに配してもよい。