特許第5759946号(P5759946)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5759946
(24)【登録日】2015年6月12日
(45)【発行日】2015年8月5日
(54)【発明の名称】脱臭除菌装置
(51)【国際特許分類】
   A61L 9/015 20060101AFI20150716BHJP
【FI】
   A61L9/015
【請求項の数】4
【全頁数】19
(21)【出願番号】特願2012-154729(P2012-154729)
(22)【出願日】2012年7月10日
(65)【公開番号】特開2014-14549(P2014-14549A)
(43)【公開日】2014年1月30日
【審査請求日】2014年7月14日
(73)【特許権者】
【識別番号】000198330
【氏名又は名称】株式会社IHIシバウラ
(74)【代理人】
【識別番号】100080621
【弁理士】
【氏名又は名称】矢野 寿一郎
(72)【発明者】
【氏名】菊池 正浩
(72)【発明者】
【氏名】日高 幸弘
(72)【発明者】
【氏名】片岡 義和
【審査官】 中村 泰三
(56)【参考文献】
【文献】 特開平07−227418(JP,A)
【文献】 特開平07−008148(JP,A)
【文献】 特開平09−108318(JP,A)
【文献】 特開平08−155472(JP,A)
【文献】 特開2010−264077(JP,A)
【文献】 特開平11−076384(JP,A)
【文献】 特開平09−313585(JP,A)
【文献】 特開2001−263916(JP,A)
【文献】 実開平06−019737(JP,U)
【文献】 特開平02−164703(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61L 9/015
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
オゾンを発生させて空気中に散布することにより脱臭除菌を行い、脱臭除菌後に空気中のオゾンを分解する脱臭除菌装置であって、
前記脱臭除菌装置は、オゾン発生装置とオゾン分解装置を、それぞれ独立した別個のユニットとして構成し、
前記オゾン発生装置とオゾン分解装置とは有線又は無線で接続され、
制御装置を操作する操作パネルによって、オゾン発生装置及びオゾン分解装置の両方を操作可能に構成され、
前記オゾン発生装置には、空気を送風する送風ファンを配置し、
前記オゾン分解装置には空気を吸引する吸引ファンを配置し、
前記制御装置は、オゾン発生装置がオゾンを発生させている間、前記オゾン分解装置の吸引ファンを所定間隔で、所定時間、作動させる
ことを特徴とする脱臭除菌装置。
【請求項2】
前記制御装置は、前記オゾン発生装置のオゾン発生部においてオゾンの発生を開始させるときには、前記オゾン発生装置の送風ファンを作動させ、所定時間経過後に前記オゾン発生部に電流を印加してオゾンの発生を開始し、
前記オゾン発生部によるオゾンの発生を終了させるときには、前記オゾン発生部への電流の印加を停止するとともに、前記オゾン分解装置の吸引ファンを作動させ、前記オゾン発生部への電流の印加の停止から所定時間経過後に、前記オゾン発生装置の送風ファンを停止させ、前記送風ファンの停止から所定時間経過後に、前記送風ファンを再び作動させる
ことを特徴とする請求項1記載の脱臭除菌装置。
【請求項3】
前記制御装置は、前記オゾン発生装置のオゾン発生部によるオゾンの発生時に、前記オゾン分解装置の吸引ファンを作動させるときには、前記吸引ファンが作動している間、前記オゾン発生部に印加している電流を停止することを特徴とする請求項1又は請求項2記載の脱臭除菌装置。
【請求項4】
前記制御装置は、前記オゾン分解装置の吸引ファンを複数具備するときには、一の吸引ファンの異常を検出しても、他の吸引ファン稼動させることを特徴とする請求項1から請求項3いずれか一項に記載の脱臭除菌装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、脱臭除菌装置に関する。特に、携帯型のオゾン式脱臭除菌装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、オゾン式脱臭除菌装置は、オゾンを発生させるオゾン発生装置とオゾンを分解させるオゾン分解装置とから構成され、それぞれが独立して作動するものが知られている。このようなオゾン式脱臭除菌装置は、オゾン発生装置で発生させたオゾンを空気ポンプ(送風ファン)によって脱臭除菌を行う室内に拡散させる。そして、脱臭除菌の終了後にオゾンが含まれる空気を送風ファン(吸引ファン)によってオゾン分解装置のオゾン分解部に供給することでオゾンを分解する。例えば特許文献1の如くである。
【0003】
特許文献1に記載のオゾン式脱臭除菌装置は、オゾン分解装置に供給された空気を室外に排出するように構成される。このため、オゾンは、専ら空気ポンプの作用によって室内に拡散される。従って、脱臭除菌の対象空間が大きい場合や空間の構成が複雑な場合、空気ポンプの作用によるオゾンの拡散では効果的な空気の循環を生じさせることができず、オゾンの拡散効率が低下する場合があり不利であった。また、脱臭除菌後に送風ファンの故障が発見されるとオゾンが自然分解するまで室内に入ることができない点で不利であった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平7−8148号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、脱臭除菌装置の作動を担保しつつ、オゾンの拡散効率を向上させることができるオゾン式脱臭除菌装置の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段を説明する。
【0007】
請求項1においては、オゾンを発生させて空気中に散布することにより脱臭除菌を行い、脱臭除菌後に空気中のオゾンを分解する脱臭除菌装置であって、前記脱臭除菌装置は、オゾン発生装置とオゾン分解装置を、それぞれ独立した別個のユニットとして構成し、前記オゾン発生装置とオゾン分解装置とは有線又は無線で接続され、制御装置を操作する操作パネルによって、オゾン発生装置及びオゾン分解装置の両方を操作可能に構成され、前記オゾン発生装置には、空気を送風する送風ファンを配置し、前記オゾン分解装置には空気を吸引する吸引ファンを配置し、前記制御装置は、オゾン発生装置がオゾンを発生させている間、前記オゾン分解装置の吸引ファンを所定間隔で、所定時間、作動させるものである。
【0008】
請求項2においては、前記制御装置は、前記オゾン発生装置のオゾン発生部においてオゾンの発生を開始させるときには、前記オゾン発生装置の送風ファンを作動させ、所定時間経過後に前記オゾン発生部に電流を印加してオゾンの発生を開始し、
前記オゾン発生部によるオゾンの発生を終了させるときには、前記オゾン発生部への電流の印加を停止するとともに、前記オゾン分解装置の吸引ファンを作動させ、前記オゾン発生部への電流の印加の停止から所定時間経過後に、前記オゾン発生装置の送風ファンを停止させ、前記送風ファンの停止から所定時間経過後に、前記送風ファンを再び作動させるものである。
【0009】
請求項3においては、前記制御装置は、前記オゾン発生装置のオゾン発生部によるオゾンの発生時に、前記オゾン分解装置の吸引ファンを作動させるときには、前記吸引ファンが作動している間、前記オゾン発生部に印加している電流を停止するものである。
【0010】
請求項4においては、前記制御装置は、前記オゾン分解装置の吸引ファンを複数具備するときには、一の吸引ファンの異常を検出しても、他の吸引ファン稼動させるものである。
【発明の効果】
【0011】
本発明の効果として、以下に示すような効果を奏する。
【0012】
請求項1においては、吸引ファンの動作確認をすることができる。また、送風ファンだけでなく吸引ファンによってもオゾンが拡散される。これにより、脱臭除菌装置の作動を担保しつつ、オゾンの拡散効率を向上させることができる。
【0013】
請求項2においては、送風ファンの動作確認をすることができる。また、残留オゾンを確実に排出するとともに送風ファンによってもオゾンが拡散される。これにより、脱臭除菌装置の作動を担保しつつ、オゾンの拡散効率を向上させることができる。
【0014】
請求項3においては、オゾン発生部と吸引ファンとが同時に作動することがないので電気的な負荷が小さくなる。これにより、脱臭除菌装置の作動を担保しつつ、オゾンの拡散効率を向上させることができる。
【0015】
請求項4においては、吸引ファンの故障による脱臭除菌装置の作動停止の頻度が低減する。これにより、脱臭除菌装置の作動を担保しつつ、オゾンの拡散効率を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】(a)本発明の一実施形態に係る脱臭除菌装置の全体的な構成を示す正面図(b)本発明の他の実施形態に係る脱臭除菌装置の全体的な構成を示す正面図。
図2】本発明の一実施形態に係るオゾン発生装置を示す正面断面図。
図3】本発明の一実施形態に係るオゾン分解装置を示す側面断面図。
図4】本発明の一実施形態に係る脱臭除菌装置の制御装置の構成を示す模式図。
図5】本発明の一実施形態に係る脱臭除菌装置の基本制御態様を示すフローチャート図。
図6】本発明の一実施形態に係る脱臭除菌装置の通常時運転制御Aの制御態様を示すフローチャート図。
図7】本発明の一実施形態に係る脱臭除菌装置の間欠運転制御Bの制御態様を示すフローチャート図。
図8】本発明の一実施形態に係る脱臭除菌装置のオゾン分解制御Cの制御態様を示すフローチャート図。
図9】本発明の一実施形態に係る脱臭除菌装置の異常時運転制御Dの制御態様を示すフローチャート図。
図10】本発明の一実施形態に係る脱臭除菌装置の異常時運転制御Eの制御態様を示すフローチャート図。
図11】本発明の一実施形態に係る脱臭除菌装置の異常時運転制御Fの制御態様を示すフローチャート図。
【発明を実施するための形態】
【0017】
まず、図1を用いて、本発明の一実施形態に係る脱臭除菌装置について説明する。
【0018】
図1に示すように、脱臭除菌装置100は、オゾンを発生させて空気中に散布することにより脱臭除菌を行う。また、脱臭除菌装置100は、脱臭除菌後に空気中のオゾンを分解する。脱臭除菌装置100は、オゾン発生装置1とオゾン分解装置27とから構成される。オゾン発生装置1とオゾン分解装置27とは、それぞれ独立した別個のユニットとして構成される。脱臭除菌装置100は、オゾン発生装置1とオゾン分解装置27とが有線(図1(a))又は無線(図1(b))で接続される。脱臭除菌装置100は、オゾン発生装置1の操作パネル3によってオゾン発生装置1及びオゾン分解装置27を操作可能に構成される。
【0019】
次に、図1及び図2を用いて、オゾン発生装置1について具体的に説明する。
【0020】
オゾン発生装置1は、オゾンを発生させる。オゾン発生装置1は、主として第一筐体2、送風ファン15、オゾン発生部16、ダクト18、オゾン分解触媒19、冷却ファン20、電源部21、を具備する。
【0021】
図1及び図2に示すように、第一筐体2は、オゾン発生装置1を構成する主な部材であり、オゾン発生部16や電源部21が収められる容器である。第一筐体2は、板材によって略直方体状に形成される。第一筐体2の前側面2a(図1における紙面手前側)には、オゾン発生装置1を操作するための操作パネル3が設けられる。操作パネル3には、オゾン発生部16、送風ファン15、又は後述の第一吸引ファン38、第二吸引ファン39の異常を示す異常発生灯3aを具備する。また、第一筐体2の前側面2aの上方には、オゾンの発生を示す運転警告灯4が設けられる。第一筐体2の上側面2bには、オゾン発生装置1を移動させる際に手で把持するための把持部5が設けられる。第一筐体2の下側面2cには、ゴム材等から構成される脚部6が四隅に設けられる。
【0022】
図2に示すように、第一筐体2は、内部に仕切り板7が水平に設けられて上下に分割される。仕切り板7よりも下側の空間は、後述の電源部21が配置される電源室8として構成される。仕切り板7よりも上側の空間は、後述のオゾン発生部16が配置されるオゾン発生室9として構成される。第一筐体2内の電源室8とオゾン発生室9とは、仕切り板7によって完全に分離されてオゾン発生室9の内部の空気が電源室8の内部に流入しないように構成される。
【0023】
第一筐体2は、仕切り板7よりも上側の横側面である右側面2d及び左側面2eと上側面2bとが一体的に形成される。つまり、第一筐体2の仕切り板7よりも上側の右側面2d及び左側面2eと上側面2bとは、オゾン発生室9を覆うカバー10として一体的に構成される。また、カバー10は、第一筐体2から着脱自在に構成される。
【0024】
第一筐体2の上側面2bには、第一筐体2の外部からオゾン発生室9に空気を取り入れるための第一吸引口11が形成される。第一吸引口11には、粉塵除去用のフィルター11aが設けられる。第一筐体2の右側面2dには、オゾン発生室9から第一筐体2の外部にオゾンが含まれる空気を排出する第一排出口12が形成される。つまり、オゾン発生室9は、カバー10の上側面2bに第一吸引口11が形成され、右側面2dに第一排出口12が形成される。
【0025】
第一筐体2の仕切り板7よりも下側の横側面である左側面2fには、第一筐体2の外部から電源室8に空気を取り入れるための第二吸引口13が形成される。第一筐体2の仕切り板7よりも下側の横側面である右側面2gには、電源室8から第一筐体2の外部に空気を排出する第二排出口14が形成される。つまり、電源室8は、対向する左右の両側面に第二吸引口13と第二排出口14とが形成される。
【0026】
送風ファン15は、第一筐体2の外部からオゾン発生室9に空気を取り入れ、オゾン発生室9から第一筐体2の外部に空気を排出する。送風ファン15は、シロッコファンから構成される。送風ファン15は、回転に同期したパルス信号を発生可能に構成される。当該パルス信号は、後述の制御装置22に送られて送風ファン15の異常検出に用いられる。送風ファン15は、空気の吸引部15aが第一吸引口11に対向するようにオゾン発生室9に配置される。また、送風ファン15は、排出部15bが第一排出口12に向くように配置される。つまり、送風ファン15は、オゾン発生装置1の上方の第一吸引口11から空気を吸引し、オゾン発生装置1の右方の第一排出口12からオゾンを含む空気を排出可能に構成される。なお、本実施形態において、送風ファン15をシロッコファンとしたがこれに限定するものではなく、第一筐体2の外部からオゾン発生室9に空気を取り込み、オゾン発生室9から第一筐体2の外部へ空気を排出することができるものであればよい。
【0027】
オゾン発生部16は、オゾンを発生させるものである。オゾン発生部16は、主に筒状の反応器17から構成される。オゾン発生部16は、反応器17の一側端が第一排出口12に近接して対向するようにオゾン発生室9に着脱自在に配置される。また、オゾン発生部16は、反応器17の他側端が送風ファン15の排出部15bに向くように配置される。なお、本実施形態において、オゾン発生部16を反応器17から構成したがこれに限定するものではなく、紫外線照射灯によるものでもよい。
【0028】
ダクト18は、送風ファン15からの空気を案内する。ダクト18は、板状部材から構成され、一辺が開放された矩形状の断面に形成される。ダクト18は、一側端が第一排出口12に近接して対向するようにオゾン発生室9に配置される。また、ダクト18は、他側端が送風ファン15の排出部15bに近接して配置される。この際、ダクト18は、開放部分を下方にむけてオゾン発生部16の反応器17に被せるようにして仕切り板7に着脱自在に固定される。すなわち、ダクト18は、その内部にオゾン発生部16が配置され、送風ファン15の排出部15bから排出される空気を第一排出口12まで案内する。
【0029】
オゾン分解触媒19は、オゾンを分解するものである。オゾン分解触媒19は、セラミック等の無機材料から構成される。オゾン分解触媒19は、第二吸引口13に密接するようにして配置される。これにより、第二吸引口13から電源室8に取り入れられる空気は、オゾン分解触媒19を通過するように構成される。なお、本実施形態において、オゾン分解触媒19をセラミック等の無機材料から構成したがこれに限定するものではなく、オゾンを分解する触媒であればよい。
【0030】
冷却ファン20は、第一筐体2の外部から電源室8に空気を取り入れ、電源室8から第一筐体2の外部に空気を排出する。冷却ファン20は、空気の吸引部20aがオゾン分解触媒19に密接するようにして電源室8に配置される。また、冷却ファン20は、排出部20bが第二排出口14に向くように配置される。これにより、冷却ファン20は、電源室8の左方の第二吸引口13からオゾン分解触媒19を介して空気を電源室8の内部に吸引可能に構成される。そして、冷却ファン20は、電源室8の右方に向かって空気を送風可能に構成される。冷却ファン20によって送風された空気は、第二排出口14から排出されるように構成される。なお、本実施形態において、冷却ファン20は、第一筐体2の外部から電源室8に空気を取り込み、第一筐体2の外部へ空気を排出することができるものであればよい。
【0031】
電源部21は、オゾン発生部16の制御や電源を供給する。電源部21は、主にオゾン発生部16、後述のオゾン分解部37及び電源部21を制御する制御装置22(図1参照)、高圧電流を発生させる高圧発生器23、外部電源からの電力を高圧発生器23に供給する電源装置24を具備する。
【0032】
図1に示すように、制御装置22は、板状の基盤から構成される。制御装置22は、電源室8の内部であって第一筐体2の前側面2aに設けられる操作パネル3の裏側に配置される。制御装置22は、実体的には、CPU、ROM、RAM、HDD等がバスで接続される構成であってもよく、あるいはワンチップのLSI等からなる構成であってもよい。制御装置22は、プログラム等に従って所定の演算を行うことができ、当該演算の結果等を記憶することができる。
【0033】
制御装置22は、電源部21、及び信号線25を介して後述のオゾン分解部37に接続される(図1(a)参照)。つまり、制御装置22は、オゾン発生部16及び電源部21だけでなく別個のユニットとして構成されるオゾン分解装置27を制御可能に構成される。なお、制御装置22とオゾン分解装置27との接続は、有線による接続に限定されるものではなく、図1(b)に示すように、無線通信器26を介して無線による接続でもよい。
【0034】
図2に示すように、高圧発生器23は、基材に各種の電源用部品が配置されて構成される。高圧発生器23は、一側端が冷却ファン20の排出部20bに近接して電源室8に配置される。また、高圧発生器23は、他側端が第二排出口14に向くように配置される。電源装置24は、基材に各種の電源用部品が配置されて構成される。電源装置24は、第二排出口14の近傍に配置される。なお、本実施形態において、高圧発生器23と電源装置24とはそれぞれ独立した基材に構成されているが、これに限定するものではなく、高圧発生器23と電源装置24とを一体的に構成してもよい。
【0035】
次に、図1及び図3を用いて、オゾン分解装置の第一実施形態であるオゾン分解装置27について具体的に説明する。
【0036】
オゾン分解装置27は、オゾンを分解させる。オゾン分解装置27は、主として、第二筐体28、オゾン分解部37である第一吸引ファン38、第二吸引ファン39、第一オゾン分解触媒45、第二オゾン分解触媒46、第三オゾン分解触媒47、第四オゾン分解触媒48を具備する。
【0037】
図1及び図3に示すように、第二筐体28は、オゾン分解装置27を構成する主な部材であり、オゾン分解部37が収められる容器である。第二筐体28は、板材によって略直方体状に形成される。第二筐体28の前側面28a(図1における紙面手前側)の上方には、オゾンの分解を示す表示灯29が設けられる。第二筐体28の上側面28cには、オゾン分解装置27を移動させる際に手で把持するための把持部30が設けられる。第二筐体28の下側面28dには、ゴム材等から構成される脚部31が四隅に設けられる。
【0038】
図3に示すように、第二筐体28は、前側面28a及び後側面28bと上側面28cとが一体的に形成される。つまり、第二筐体28の前側面28a及び後側面28bと上側面28cとは、オゾン分解部37を覆うカバー32として一体的に構成される。また、カバー32は、第二筐体28から着脱自在に構成される。
【0039】
第二筐体28の前側面28aには、第二筐体28の外部からオゾンが含まれた空気を取り入れるための第一吸引口33が形成される。同様に、第二筐体28の前側面28aと対向する後側面28bには、第二筐体28の外部から空気を取り入れるための第二吸引口34が形成される。第二筐体28の上側面28cの左方には、第二筐体28の外部に空気を排出するための第一排出口35が形成される。同様に、第二筐体28の上側面28cの右方には、第二筐体28の外部に空気を排出するための第二排出口36が形成される。つまり、オゾン分解装置27は、カバー32の対向する前側面28a及び後側面28bに第一吸引口33及び第二吸引口34が形成され、上側面28cに第一排出口35及び第二排出口36が形成される。
【0040】
オゾン分解部37は、第一吸引ファン38、第二吸引ファン39、第一オゾン分解触媒45、第二オゾン分解触媒46、第三オゾン分解触媒47、第四オゾン分解触媒48を具備する。
【0041】
第一吸引ファン38及び第二吸引ファン39は、第二筐体28の外部から空気を取り入れるとともに、第二筐体28の外部に空気を排出する。第一吸引ファン38及び第二吸引ファン39は、シロッコファンから構成される。第一吸引ファン38及び第二吸引ファン39は、回転に同期したパルス信号を発生可能に構成される。当該パルス信号は、後述の制御装置22に送られて第一吸引ファン38及び第二吸引ファン39の異常検出に用いられる。第一吸引ファン38は、空気の吸引部38aが第一吸引口33に対向するように第二筐体28の内部に配置される。また、第一吸引ファン38は、排出部38bが第一排出口35に対向するように配置される。同様に、第二吸引ファン39は、空気の吸引部39aが第二吸引口34に対向するように第二筐体28の内部に配置される。また、第二吸引ファン39は、排出部39bが第二排出口36に対向するように配置される。
【0042】
このように配置される第一吸引ファン38及び第二吸引ファン39は、オゾン分解装置27の対向する前側面28a及び後側面28bに設けられる第一吸引口33及び第二吸引口34から空気を吸引し、オゾン分解装置27の上側面28cに設けられる第一排出口35及び第二排出口36から空気を排出可能に構成される。なお、本実施形態において、第一吸引ファン38及び第二吸引ファン39をシロッコファンとしたがこれに限定するものではなく、第二筐体28の外部から空気を取り込み、第二筐体28の外部へ空気を排出することができるものであればよい。
【0043】
第一オゾン分解触媒45、第二オゾン分解触媒46、第三オゾン分解触媒47及び第四オゾン分解触媒48は、オゾンを分解するものである。第一オゾン分解触媒45から第四オゾン分解触媒48は、セラミック等の無機材料から構成される。
【0044】
第一オゾン分解触媒45は、第一吸引口33に密接するようにして配置される。第二オゾン分解触媒46は、第一排出口35に密接するようにして配置される。第一オゾン分解触媒45は、第一吸引ファン38との関係において吸引部38aと対向するように配置される。第二オゾン分解触媒46は、第一吸引ファン38との関係において排出部38bと対向するように配置される。
【0045】
第一吸引ファン38は、第二筐体28の内部の空気が吸引部38aに吸引されないように第一吸引ダクト49を介して第一オゾン分解触媒45に接続される。また、第一吸引ファン38は、排出部38bから排出される空気が第二筐体28の内部に流入しないように第一排出ダクト50を介して第二オゾン分解触媒46に接続される。
【0046】
第三オゾン分解触媒47は、第二吸引口34に密接するようにして配置される。第四オゾン分解触媒48は、第二排出口36に密接するようにして配置される。第三オゾン分解触媒47は、第二吸引ファン39との関係において吸引部39aと対向するように配置される。第四オゾン分解触媒48は、第二吸引ファン39との関係において排出部39bと対向するように配置される。
【0047】
第二吸引ファン39は、第二筐体28の内部の空気が吸引部39aに吸引されないように第二吸引ダクト51を介して第三オゾン分解触媒47に接続される。また、第二吸引ファン39は、排出部39bから排出される空気が第二筐体28の内部に流入しないように第二排出ダクト52を介して第四オゾン分解触媒48に接続される。
【0048】
以下では、図4を用いて、制御装置22に関する具体的構成について説明する。
【0049】
図4(a)に示すように、制御装置22は、操作パネル3に接続され、操作パネル3から入力される運転時間t0等を取得することが可能である。
【0050】
制御装置22は、送風ファン15、冷却ファン20、高圧発生器23に接続され、送風ファン15からのパルス信号を取得することが可能である。そして、制御装置22は、高圧発生器23に接続されるオゾン発生部16、送風ファン15、オゾン発生部16、冷却ファン20、高圧発生器23の動作を制御することが可能である。
【0051】
制御装置22は、電源装置24に接続され、電源装置24から電力の供給を受けることが可能である。
【0052】
制御装置22は、信号線25を介してオゾン分解装置27の第一吸引ファン38、第二吸引ファン39に接続され、第一吸引ファン38、第二吸引ファン39からのパルス信号を取得することが可能である。そして、制御装置22は、第一吸引ファン38、第二吸引ファン39の動作を制御することが可能である。また、図4(b)に示すように、制御装置22は、無線通信器26を具備している場合、無線通信器26を介して第一吸引ファン38、第二吸引ファン39の動作を制御することが可能である。
【0053】
以下では、図5から図7を用いて、本発明に係る脱臭除菌装置100の制御態様について説明する。
【0054】
制御装置22は、電源が投入されると、第一吸引ファン38、及び第二吸引ファン39を作動させて第一吸引ファン38、及び第二吸引ファン39の異常の有無を検出する。その後、運転開始信号を取得すると、制御装置22は、第一吸引ファン38、及び第二吸引ファン39を停止させ、送風ファン15及び冷却ファン20を所定時間t1だけ作動させた後、オゾン発生部16に電流を印加してオゾンを発生させる。制御装置22は、オゾン発生部16に電流が連続的に印加された時間が所定時間taを経過するとオゾン発生部16への印加電流を一時停止する。そして、制御装置22は、所定時間tb経過後に第一吸引ファン38、及び第二吸引ファン39を所定時間t3だけ作動させる。その後、制御装置22は、オゾン発生部16への電流の印加を再開する。すなわち、制御装置22は、第一吸引ファン38、及び第二吸引ファン39を所定時間taと所定時間tbとを合わせた所定間隔t2で所定時間t3だけ作動させる。制御装置22は、オゾン発生部16に電流を印加してから運転時間t0が経過するとオゾン発生部16への電流の印加を停止してオゾンの発生を停止させる。
【0055】
制御装置22は、第一吸引ファン38、第二吸引ファン39を作動させてオゾンを分解させる。制御装置22は、オゾン発生部16への電流の印加を停止してから所定時間t4だけ送風ファン15の作動を継続させる。制御装置22は、オゾン発生部16への電流の印加を停止してから所定時間t5経過後に送風ファン15を作動させる。制御装置22は、オゾン発生部16への電流の印加を停止してから所定時間t6経過後に送風ファン15、冷却ファン20、第一吸引ファン38、第二吸引ファン39を停止させる。
【0056】
次に、本発明に係る脱臭除菌装置100の制御態様について具体的に説明する。
【0057】
図5に示すように、脱臭除菌装置100の電源が「入」にされると、ステップS110において、制御装置22は、第一吸引ファン38、及び第二吸引ファン39を作動させ、ステップをステップS120に移行させる。
【0058】
ステップS120において、制御装置22は、オゾン発生部16、第一吸引ファン38、若しくは第二吸引ファン39のいずれかの異常信号を取得したか否か判定する。その結果、オゾン発生部16、第一吸引ファン38、若しくは第二吸引ファン39のいずれの異常信号も取得していないと判定した場合、制御装置22はステップをステップS130に移行させる。一方、オゾン発生部16、第一吸引ファン38、若しくは第二吸引ファン39のいずれかの異常信号を取得したと判定した場合、制御装置22はステップをステップS160に移行させる。
【0059】
ステップS130において、制御装置22は、操作パネル3の操作により入力される運転時間t0についての入力信号を取得する。
【0060】
ステップS140において、制御装置22は、脱臭除菌装置100の運転開始信号を取得したか否か判定する。その結果、脱臭除菌装置100の運転開始信号を取得したと判定した場合、制御装置22はステップをステップS150に移行させる。一方、脱臭除菌装置100の運転開始信号を取得していないと判定した場合、制御装置22はステップをステップS110に戻す。
【0061】
ステップS150において、制御装置22は、第一吸引ファン38、及び第二吸引ファン39を停止させ、ステップをステップS200に移行させる。
【0062】
ステップS200において、制御装置22は、通常時運転制御Aを開始し、ステップをステップS210に移行させる(図6参照)。制御装置22は、通常時運転制御Aが終了すると脱臭除菌装置100の制御を終了する。
【0063】
ステップS160において、制御装置22は、異常発生灯3aを点灯させ、ステップをステップS170に移行させる。
【0064】
ステップS170において、制御装置22は、第一吸引ファン38、及び第二吸引ファン39を停止させ、脱臭除菌装置100の制御を終了する。
【0065】
図6に示すように、通常時運転制御AのステップS210において、制御装置22は、送風ファン15を作動させ、運転警告灯4を点灯させて、ステップをステップS220に移行させる。
【0066】
ステップS220において、制御装置22は、オゾン発生部16、送風ファン15のいずれかの異常信号を取得したか否か判定する。その結果、オゾン発生部16、送風ファン15のいずれの異常信号も取得していないと判定した場合、制御装置22はステップをステップS230に移行させる。一方、オゾン発生部16、送風ファン15のいずれかの異常信号を取得したと判定した場合、制御装置22はステップをステップS270に移行させる。
【0067】
ステップS230において、制御装置22は、送風ファン15を作動させてから所定時間t1が経過したか否か判定する。その結果、送風ファン15を作動させてから所定時間t1が経過したと判定した場合、制御装置22はステップをステップS240に移行させる。一方、送風ファン15を作動させてから所定時間t1が経過していないと判定した場合、制御装置22はステップをステップS220に戻す。
【0068】
ステップS240において、制御装置22は、運転警告灯4を点滅させて、冷却ファン20を作動させ、オゾン発生部16への電流の印加を開始して、ステップをステップS300に移行させる。
【0069】
ステップS300において、制御装置22は、間欠運転制御Bを開始し、ステップをステップS310に移行させる(図7参照)。制御装置22は、間欠運転制御Bが終了するとステップをステップ250へと移行させる。
【0070】
ステップS250において、制御装置22は、オゾン発生部16への電流の印加を開始してから運転時間t0が経過したか否か判定する。その結果、オゾン発生部16への電流の印加を開始してから運転時間t0が経過したと判定した場合、制御装置22はステップをステップS260に移行させる。一方、オゾン発生部16への電流の印加を開始してから運転時間t0が経過していないと判定した場合、制御装置22はステップをステップS300に戻す。
【0071】
ステップS260において、制御装置22は、オゾン発生部16への電流の印加を停止して、ステップをステップS400に移行させる。
【0072】
ステップS400において、制御装置22は、オゾン分解制御Cを開始し、ステップをステップS410に移行させる(図8参照)。制御装置22は、オゾン分解制御Cが終了すると通常時運転制御Aの制御を終了する。
【0073】
ステップS270において、制御装置22は、異常発生灯3aを点灯させ、ステップをステップS280に移行させる。
【0074】
ステップS280において、制御装置22は、送風ファン15を停止させ、通常時運転制御Aの制御を終了する。
【0075】
図7に示すように、間欠運転制御BのステップS310において、制御装置22は、オゾン発生部16、送風ファン15のいずれかの異常信号を取得したか否か判定する。その結果、オゾン発生部16、送風ファン15のいずれの異常信号も取得していないと判定した場合、制御装置22はステップをステップS320に移行させる。一方、オゾン発生部16、送風ファン15のいずれかの異常信号を取得したと判定した場合、制御装置22はステップをステップS600に移行させる。
【0076】
ステップS320において、制御装置22は、オゾン発生部16へ電流を連続して印加している時間が印加時間taを経過したか否か判定する。その結果、オゾン発生部16へ電流を連続して印加している時間が印加時間taを経過したと判定した場合、制御装置22はステップをステップS330に移行させる。一方、オゾン発生部16へ電流を連続して印加している時間が印加時間taを経過していないと判定した場合、制御装置22はステップをステップS310に戻す。
【0077】
ステップS330において、制御装置22は、オゾン発生部16への電流の印加を一時停止して、ステップをステップS340に移行させる。
【0078】
ステップS340において、制御装置22は、オゾン発生部16への電流の印加を一時停止してから所定時間tb経過後に第一吸引ファン38、及び第二吸引ファン39を作動させる。すなわち、制御装置22は、印加時間taと所定時間tbとをあわせた所定間隔t2で第一吸引ファン38、及び第二吸引ファン39を作動させ、ステップをステップS350に移行させる。
【0079】
ステップS350において、制御装置22は、オゾン発生部16、送風ファン15、第一吸引ファン38、若しくは第二吸引ファン39のいずれかの異常信号を取得したか否か判定する。その結果、オゾン発生部16、送風ファン15、第一吸引ファン38、若しくは第二吸引ファン39のいずれの異常信号も取得していないと判定した場合、制御装置22はステップをステップS360に移行させる。一方、オゾン発生部16、送風ファン15、第一吸引ファン38、若しくは第二吸引ファン39のいずれかの異常信号を取得したと判定した場合、制御装置22はステップをステップS600に移行させる。
【0080】
ステップS360において、制御装置22は、第一吸引ファン38、若しくは第二吸引ファン39の作動から所定時間t3を経過したか否か判定する。その結果、第一吸引ファン38、若しくは第二吸引ファン39の作動から所定時間t3を経過したと判定した場合、制御装置22はステップをステップS370に移行させる。一方、第一吸引ファン38、若しくは第二吸引ファン39の作動から所定時間t3を経過していないと判定した場合、制御装置22はステップをステップS350に戻す。
【0081】
ステップS370において、制御装置22は、第一吸引ファン38、及び第二吸引ファン39を停止させて、ステップをステップS380に移行させる。
【0082】
ステップS380において、制御装置22は、オゾン発生部16への電流の印加を再開して、間欠運転制御Bの制御を終了する。
【0083】
ステップS600において、制御装置22は、異常時運転制御Dを開始し、ステップをステップS610に移行させる(図9参照)。制御装置22は、異常時運転制御Dが終了すると通常時運転制御Aの制御を終了する。
【0084】
図8に示すように、オゾン分解制御CのステップS410において、制御装置22は、第一吸引ファン38、及び第二吸引ファン39を作動させ、ステップをステップS420に移行させる。
【0085】
ステップS420において、制御装置22は、送風ファン15、第一吸引ファン38、若しくは第二吸引ファン39のいずれかの異常信号を取得したか否か判定する。その結果、送風ファン15、第一吸引ファン38、若しくは第二吸引ファン39のいずれの異常信号も取得していないと判定した場合、制御装置22はステップをステップS430に移行させる。一方、送風ファン15、第一吸引ファン38、若しくは第二吸引ファン39のいずれかの異常信号を取得したと判定した場合、制御装置22はステップをステップS700に移行させる。
【0086】
ステップS430において、制御装置22は、オゾン発生部16への電流の印加を停止してから所定時間t4が経過したか否か判定する。その結果、オゾン発生部16への電流の印加を停止してから所定時間t4が経過したと判定した場合、制御装置22はステップをステップS440に移行させる。一方、オゾン発生部16への電流の印加を停止してから所定時間t4が経過していないと判定した場合、制御装置22はステップをステップS420に戻す。
【0087】
ステップS440において、制御装置22は、送風ファン15を停止させ、ステップをステップS450に移行させる。
【0088】
ステップS450において、制御装置22は、第一吸引ファン38、若しくは第二吸引ファン39のいずれかの異常信号を取得したか否か判定する。その結果、第一吸引ファン38、若しくは第二吸引ファン39のいずれの異常信号も取得していないと判定した場合、制御装置22はステップをステップS460に移行させる。一方、第一吸引ファン38、若しくは第二吸引ファン39のいずれかの異常信号を取得したと判定した場合、制御装置22はステップをステップS700に移行させる。
【0089】
ステップS460において、制御装置22は、オゾン発生部16への電流の印加を停止してから所定時間t5が経過したか否か判定する。その結果、オゾン発生部16への電流の印加を停止してから所定時間t5が経過したと判定した場合、制御装置22はステップをステップS470に移行させる。一方、オゾン発生部16への電流の印加を停止してから所定時間t5が経過していないと判定した場合、制御装置22はステップをステップS450に戻す。
【0090】
ステップS470において、制御装置22は、送風ファン15を作動させて、ステップをステップS480に移行させる。
【0091】
ステップS480において、制御装置22は、送風ファン15、第一吸引ファン38、若しくは第二吸引ファン39のいずれかの異常信号を取得したか否か判定する。その結果、送風ファン15、第一吸引ファン38、若しくは第二吸引ファン39のいずれの異常信号も取得していないと判定した場合、制御装置22はステップをステップS490に移行させる。一方、送風ファン15、第一吸引ファン38、若しくは第二吸引ファン39のいずれかの異常信号を取得したと判定した場合、制御装置22はステップをステップS700に移行させる。
【0092】
ステップS490において、制御装置22は、オゾン発生部16への電流の印加を停止してから所定時間t6が経過したか否か判定する。その結果、オゾン発生部16への電流の印加を停止してから所定時間t6が経過したと判定した場合、制御装置22はステップをステップS500に移行させる。一方、オゾン発生部16への電流の印加を停止してから所定時間t6が経過していないと判定した場合、制御装置22はステップをステップS480に戻す。
【0093】
ステップS500において、制御装置22は、送風ファン15、冷却ファン20、第一吸引ファン38、及び第二吸引ファン39を停止させ、運転警告灯4を消灯させて、オゾン分解制御Cの制御を終了する。
【0094】
ステップS700において、制御装置22は、異常時運転制御Eを開始し、ステップをステップS710に移行させる(図10参照)。制御装置22は、異常時運転制御Eが終了するとオゾン分解制御Cの制御を終了する。
【0095】
図9に示すように、異常時運転制御DのステップS610において、制御装置22は、異常発生灯3aを点灯させて、ステップをステップS620に移行させる。
【0096】
ステップS620において、制御装置22は、送風ファン15を停止させ、オゾン発生部16への電流の印加を停止して、ステップをステップS630に移行させる。
【0097】
ステップS630において、制御装置22は、オゾン発生部16の異常信号を取得したか否か判定する。その結果、オゾン発生部16の異常信号を取得していないと判定した場合、制御装置22はステップをステップS640に移行させる。一方、オゾン発生部16の異常信号を取得したと判定した場合、制御装置22はステップをステップS800に移行させる。
【0098】
ステップS640において、制御装置22は、送風ファン15の異常信号を取得したか否か判定する。その結果、送風ファン15の異常信号を取得していないと判定した場合、制御装置22はステップをステップS700に移行させる。一方、送風ファン15の異常信号を取得したと判定した場合、制御装置22はステップをステップS800に移行させる。
【0099】
ステップS700において、制御装置22は、異常時運転制御Eを開始し、ステップをステップS710に移行させる(図10参照)。制御装置22は、異常時運転制御Eが終了すると異常時運転制御Dの制御を終了する。
【0100】
ステップS800において、制御装置22は、異常時運転制御Fを開始し、ステップをステップS810に移行させる(図11参照)。制御装置22は、異常時運転制御Fが終了すると異常時運転制御Dの制御を終了する。
【0101】
図10に示すように、異常時運転制御EのステップS710において、制御装置22は、第一吸引ファン38、若しくは第二吸引ファン39のいずれか一方の異常信号を取得したか否か判定する。その結果、第一吸引ファン38、若しくは第二吸引ファン39のいずれか一方の異常信号のみを取得し、他方の異常信号は取得していないと判定した場合、制御装置22はステップをステップS720に移行させる。一方、第一吸引ファン38、及び第二吸引ファン39の両方の異常信号も取得したと判定した場合、制御装置22はステップをステップS750に移行させる。
【0102】
ステップS720において、制御装置22は、第一吸引ファン38、及び第二吸引ファン39のうち、正常な他方の吸引ファンを作動させ、ステップをステップS730に移行させる。
【0103】
ステップS730において、制御装置22は、第一吸引ファン38、若しくは第二吸引ファン39のうちステップS710で異常信号を取得しなかった方の吸引ファンの異常信号を取得したか否か判定する。その結果、第一吸引ファン38、若しくは第二吸引ファン39のうちステップS710で異常信号を取得しなかった方の吸引ファンの異常信号を取得していないと判定した場合、制御装置22はステップをステップS740に移行させる。一方、第一吸引ファン38、若しくは第二吸引ファン39のうちステップS710で異常信号を取得しなかった方の吸引ファンの異常信号を取得したと判定した場合、制御装置22はステップをステップS750に移行させる。
【0104】
ステップS740において、制御装置22は、オゾン発生部16への電流の印加を停止してから所定時間t6が経過したか否か判定する。その結果、オゾン発生部16への電流の印加を停止してから所定時間t6が経過したと判定した場合、制御装置22は異常時運転制御Eを終了する。一方、オゾン発生部16への電流の印加を停止してから所定時間t6が経過していないと判定した場合、制御装置22はステップをステップS730に戻す。
【0105】
ステップS750において、制御装置22は、運転警告灯4を消灯させ、第一吸引ファン38、及び第二吸引ファン39を停止させて、異常時運転制御Eを終了する。
【0106】
図11に示すように、異常時運転制御FのステップS810において、制御装置22は、第一吸引ファン38、及び第二吸引ファン39を作動させ、ステップをステップS820に移行させる。
【0107】
ステップS820において、制御装置22は、第一吸引ファン38、若しくは第二吸引ファン39のいずれかの異常信号を取得したか否か判定する。その結果、第一吸引ファン38、若しくは第二吸引ファン39のいずれの異常信号も取得していないと判定した場合、制御装置22はステップをステップS830に移行させる。一方、第一吸引ファン38、若しくは第二吸引ファン39のいずれかの異常信号を取得したと判定した場合、制御装置22はステップをステップS700に移行させる。
【0108】
ステップS830において、制御装置22は、オゾン発生部16への電流の印加を停止してオゾンの発生を停止させてから所定時間t6が経過したか否か判定する。その結果、オゾン発生部16への電流の印加を停止してから所定時間t6が経過したと判定した場合、制御装置22はステップをステップS840に移行させる。一方、オゾン発生部16への電流の印加を停止してから所定時間t6が経過していないと判定した場合、制御装置22はステップをステップS820に戻す。
【0109】
ステップS840において、制御装置22は、運転警告灯4を消灯させ、冷却ファン20、第一吸引ファン38、及び第二吸引ファン39を停止させて、異常時運転制御Fの制御を終了する。
【0110】
ステップS700において、制御装置22は、異常時運転制御Eを開始し、ステップをステップS710に移行させる(図10参照)。制御装置22は、異常時運転制御Eが終了すると異常時運転制御Fの制御を終了する。
【0111】
以上の如く、オゾン発生部16に空気を送風する送風ファン15と、オゾン分解部37に空気を吸引する吸引ファンである第一吸引ファン38、及び第二吸引ファン39と、制御装置22とを具備する脱臭除菌装置100において、制御装置22は、オゾンを発生させている間、第一吸引ファン38、及び第二吸引ファン39を所定間隔t2で所定時間t3だけ作動させるものである。このように構成することにより、第一吸引ファン38、及び第二吸引ファン39の動作確認をすることができる。また、送風ファン15だけでなく第一吸引ファン38、及び第二吸引ファン39によってもオゾンが拡散される。これにより、脱臭除菌装置100の作動を担保しつつ、オゾンの拡散効率を向上させることができる。
【0112】
また、制御装置22は、オゾンの発生を開始する場合、送風ファン15を作動させ、所定時間t1経過後にオゾン発生部16に電流を印加し、オゾンの発生を終了する場合、オゾン発生部16への電流の印加を停止するとともに第一吸引ファン38、及び第二吸引ファン39を作動させ、電流の印加の停止から所定時間t4経過後に送風ファン15を停止させ、送風ファン15の停止から所定時間t5経過後に送風ファン15を再び作動させるものである。このように構成することにより、送風ファン15の動作確認をすることができる。また、残留オゾンを確実に排出するとともに送風ファン15によってもオゾンが拡散される。これにより、脱臭除菌装置100の作動を担保しつつ、オゾンの拡散効率を向上させることができる。
【0113】
また、制御装置22は、オゾンの発生時に第一吸引ファン38、及び第二吸引ファン39を作動させる場合、第一吸引ファン38、及び第二吸引ファン39が作動している間、オゾン発生部16に印加している電流を停止するものである。このように構成することにより、オゾン発生部16と第一吸引ファン38、及び第二吸引ファン39とが同時に作動することがないので電気的な負荷が小さくなる。これにより、脱臭除菌装置100の作動を担保しつつ、オゾンの拡散効率を向上させることができる。
【0114】
また、制御装置22は、複数の吸引ファンである第一吸引ファン38、及び第二吸引ファン39吸引ファンを備える場合、第一吸引ファン38、及び第二吸引ファン39のうち一方の異常を検出しても第一吸引ファン38、及び第二吸引ファン39のうち他方を稼動させるものである。このように構成することにより、第一吸引ファン38、及び第二吸引ファン39の故障による脱臭除菌装置100の作動停止の頻度が低減する。これにより、脱臭除菌装置100の作動を担保しつつ、オゾンの拡散効率を向上させることができる。
【符号の説明】
【0115】
15 送風ファン
16 オゾン発生部
22 制御装置
37 オゾン分解部
38 第一吸引ファン
39 第二吸引ファン
100 脱臭除菌装置
t2 所定間隔
t3 所定時間
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11