特許第5759971号(P5759971)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5759971
(24)【登録日】2015年6月12日
(45)【発行日】2015年8月5日
(54)【発明の名称】車両
(51)【国際特許分類】
   B60L 11/18 20060101AFI20150716BHJP
   B60R 16/03 20060101ALI20150716BHJP
   B60R 16/04 20060101ALI20150716BHJP
   B60R 16/033 20060101ALI20150716BHJP
   B60K 1/04 20060101ALI20150716BHJP
【FI】
   B60L11/18 C
   B60R16/02 670V
   B60R16/04 S
   B60R16/02 670B
   B60K1/04 Z
【請求項の数】5
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2012-280644(P2012-280644)
(22)【出願日】2012年12月25日
(65)【公開番号】特開2014-128042(P2014-128042A)
(43)【公開日】2014年7月7日
【審査請求日】2014年4月17日
(73)【特許権者】
【識別番号】000005348
【氏名又は名称】富士重工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000383
【氏名又は名称】特許業務法人 エビス国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】大伴 洋祐
【審査官】 久保田 創
(56)【参考文献】
【文献】 特開2012−064504(JP,A)
【文献】 特許第4894611(JP,B2)
【文献】 特開2012−130189(JP,A)
【文献】 特開2009−269481(JP,A)
【文献】 特開2012−045964(JP,A)
【文献】 特開2012−080646(JP,A)
【文献】 特開2012−226911(JP,A)
【文献】 特開2010−004731(JP,A)
【文献】 特開2012−056327(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2009/0021364(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2010/0246198(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2013/0049972(US,A1)
【文献】 特開2014−007861(JP,A)
【文献】 特開2012−209098(JP,A)
【文献】 特開2012−205361(JP,A)
【文献】 特開2005−278301(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60L 1/00−3/12
7/00−13/00
15/00−15/42
B60K 1/04
B60R 16/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
外部から電力を供給するための電力供給用コネクタを装着可能な充電用コネクタを有する充電口と、充電口を開閉可能な扉部材と、所定の条件の成立によって充電用コネクタを照らすために発光する発光手段と、を備えた車両であって、
外部からの電力の供給が開始されたことを条件に、前記発光手段による発光を停止させるとともに、車両のドアキーがロックされたこと、扉部材が閉鎖されたこと、車両が所定速度以上で走行したこと、車両を走行可能な状態とする操作が行われたこと、のうち少なくともいずれか1つを条件に前記発光手段による発光を停止させる消灯手段を備えたことを特徴とする車両。
【請求項2】
ドアキーをロックする操作が行われた場合にロック操作検出信号を出力するドアキーロック検出器を備え、
前記消灯手段は、当該ロック操作検出信号が出力されたことを条件に、前記発光手段による発光を停止させることを特徴とする請求項に記載の車両。
【請求項3】
前記ドアキーロック検出器は、前記ドアキーが既にロックされている場合は前記ロック操作検出信号を出力せず、前記ドアキーをロックする操作が行われたことをもって前記ロック操作検出信号を出力することを特徴とする請求項に記載の車両。
【請求項4】
前記消灯手段は、前記発光手段による発光を停止させる条件が成立してから所定時間経過後に前記発光手段による発光を停止させることを特徴とする請求項1からのいずれか1項に記載の車両。
【請求項5】
前記消灯手段は、外部からの電力の供給が開始されたこと、車両のドアキーがロックされたこと、扉部材が閉鎖されたこと、車両が所定速度以上で走行したこと、車両を走行可能な状態とする操作が行われたことのうち複数の条件が成立した場合に前記発光手段による発光を停止させることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の車両。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、外部電源から供給を受けた電力を充電可能な車両に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の車両はガソリンを燃料として駆動するガソリン車が主であり、ガソリンの給油作業は、給油設備の整った特定の給油所で行われることが一般的である。一方、外部電源から電力の供給を受けて充電する電気自動車やハイブリッド自動車などの場合、様々な場所で充電を行うことが可能な場合が多くなってきている。すなわち、充電作業は、特定の給電設備を用いなくとも、例えば、家庭のガレージなどで家庭用電源から電力の供給を受けることが可能である。そのため、給油所などのように照明設備が整っていない場所で充電作業を行う場合がある。
【0003】
ここで、電力の供給を受けるための充電用コネクタは、感電等を防止するために各種の端子を備えている。そのため、充電作業において充電用コネクタに電力供給用コネクタを連結させる場合、各端子を正確に接続させる必要がある。また、雨水による漏電を防止するため、充電用コネクタの電力供給用コネクタとの接続部は、水平または水平よりも下向きに設置されている場合が多い。そのため、夜間や暗闇で充電用コネクタに電力供給用コネクタを連結させる作業は困難となりやすいという問題があった。
【0004】
このような問題に対して、例えば特許文献1には、充電処理を行う際に、受電コネクタ(充電用コネクタ)を光源で照らす構成を有する車両が開示されている。この車両においては、受電コネクタを覆う外蓋の開放を条件に光源(発光手段)が点灯し、給電コネクタ(電力供給用コネクタ)が受電コネクタに接続(連結)されたことを条件に光源が消灯する。また、特許文献2には、車両が所定の識別信号を受信したことを条件に発光部が点灯して充電口(充電用コネクタ)の位置を通知し、充電口に充電コネクタ(電力供給用コネクタ)が連結されたことを条件に発光部が消灯する構成を有する車両が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2011−183860号公報
【特許文献2】特許第4894611号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
このように、充電用コネクタを覆う外蓋の開放や所定の識別信号の受信を条件に充電用コネクタを照らすことにより、充電作業の開始時に充電用コネクタの位置を把握することができるようにすることができる。また、充電用コネクタと給電用コネクタとの連結を要件に消灯することにより、不要な電力消費を抑制することができる。
【0007】
しかしながら、作業者が充電用コネクタと給電用コネクタとを連結したと思っても、実際にはいずれかの端子が接続していなかったり、連結する角度が適正ではなかったりして不完全な状態で連結されている場合がある。このような場合には、一度連結を解除して、再度連結作業を行うことになる。このとき、充電用コネクタと給電用コネクタとの連結を条件に発光手段が消灯すると、不完全な連結により充電処理が行われていないにも関わらず消灯し、連結のズレなどを作業者は確認困難となってしまう。また、連結作業を幾度か試行する場合、そのたびに発光手段が点灯と消灯とを繰り返すことになり、作業効率が低下してしまう。そのため、発光手段の消灯のための条件を充電用コネクタと給電用コネクタとの連結とした場合、充電作業に支障が生じる虞がある。
【0008】
そこで、本発明は、充電処理時における作業の利便性を損なうことなく、不要な電力消費を抑制することが可能な車両を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
第1の発明に係る車両は、外部から電力を供給するための電力供給用コネクタを装着可能な充電用コネクタを有する充電口と、充電口を開閉可能な扉部材と、所定の条件の成立によって充電用コネクタを照らすために発光する発光手段と、を備えた車両であって、外部からの電力の供給が開始されたことを条件に、発光手段による発光を停止させるとともに、車両のドアキーがロックされたこと、扉部材が閉鎖されたこと、車両が所定速度以上で走行したこと、車両を走行可能な状態とする操作が行われたこと、のうち少なくともいずれか1つを条件に発光手段による発光を停止させる消灯手段を備えたことを特徴とする
【0013】
の発明に係る車両は、ドアキーをロックする操作が行われた場合にロック操作検出信号を出力するドアキーロック検出器を備え、消灯手段は、当該ロック操作検出信号が出力されたことを条件に、発光手段による発光を停止させることを特徴とする。
の発明に係る車両は、ドアキーロック検出器が、ドアキーが既にロックされている場合はロック操作検出信号を出力せず、ドアキーをロックする操作が行われたことをもってロック操作検出信号を出力することを特徴とする。
の発明に係る車両は、消灯手段が、発光手段による発光を停止させる条件が成立してから所定時間経過後に発光手段による発光を停止させることを特徴とする。
第5の発明に係る車両は、消灯手段は、外部からの電力の供給が開始されたこと、車両のドアキーがロックされたこと、扉部材が閉鎖されたこと、車両が所定速度以上で走行したこと、車両を走行可能な状態とする操作が行われたことのうち複数の条件が成立した場合に発光手段による発光を停止させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、充電用コネクタに電力供給用コネクタを装着する作業を行っているときには確実に充電用コネクタを照らして作業の利便性を向上させることができるとともに、不要な電力の消費を抑制することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】車両の全体構成図である。
図2】充電口の斜視図である。
図3】充電口の平面構成図である。
図4】給電ガンの斜視図である。
図5】発光コントローラの信号の入出力を示すブロック図である。
図6】発光処理を示す図である。
図7】変形例における充電口の平面構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
図1乃至図6は、本発明の一実施形態を示すものである。
【0017】
図1に示すように、本発明の車両1は、内部に充電装置2を備えており、車体の後側部には充電口10が設けられている。なお、車両1は、電動機により車両を駆動させる電気自動車であってもよいし、エンジンおよび電動機の一方または両方により車両を駆動させるハイブリッド自動車であってもよい。
【0018】
充電装置2は外部電源から電力を充電可能であり、充電した電力を車両1の動力として供給する。
【0019】
充電口10は、車体の後側部に形成された開口部であり、ヒンジを介して充電口10の開口縁部に連結された外扉11により開閉可能となっている。また、充電口10の内側には、充電装置2と接続する充電用コネクタ20が設けられ、充電口10の内壁部には発光手段である照明13が設けられている。照明13は発光ダイオードからなる。なお、本実施形態では、充電口10は車体の後側部に設けられているが、これに限らず、車両の前側部、前部、および後部のいずれに設けられてもよい。また、本実施形態における照明13は発光ダイオードであるが、白熱灯などの他の光源であってもよい。
【0020】
図2に示すように、充電口10は、外扉11が開くことにより開放される。外扉11のヒンジ部分には開閉を検出するための外扉開閉検出器50が設けられており、当該外扉開閉検出器50は、後述する発光コントローラ130に接続されている。外扉11は、車両1の運転席に設けられた充電口開放レバーを操作することにより、半開き状態となり、作業車が手で半開きになった外扉11を全開させることで、充電作業が可能になる。
【0021】
充電用コネクタ20は、ヒンジを介して充電用コネクタ20の接続口付近に連結された内扉12によって開閉可能であり、内扉12を開放することにより充電用コネクタ20の接続口を露出させて給電ガン30と連結可能になる。充電用コネクタ20は、図示しない電導性ケーブルを介して充電装置2と接続しており、連結した充電用コネクタ20と給電ガン30を介して外部電源から電力が充電装置2に供給される。
【0022】
図3に示すように、充電口10の左右の内壁は、それぞれ車両1のアウタパネル14に設けられた開口部よりも左右に奥まった位置に形成されている。そして、当該左右の内壁に照明13が設けられている。そのため、照明13から照射された直接光によって充電用コネクタ20を照らしつつ、アウタパネル14によって充電口10の外側への直接光の照射が遮られるようになっている。これにより、充電処理を行う作業者は、直接光が目に照射されて幻惑されることなく、夜間や暗闇でも充電用コネクタ20の位置を確認することができる。この照明13の発光および消灯は、車両1に備えられた照明13の発光を制御するECU(Electronic Control Unit)である発光コントローラ130によって制御される。
【0023】
また、充電用コネクタ20には、電力ラインの端子である充電用ソケット21,22、接続検出信号ラインの端子である接続検出用ソケット23、充電の開始および停止の信号ラインの端子である充電開始停止信号用ソケット24、充電制御ラインの端子である充電制御信号用ソケット25、アース用ソケット26の6個の接続端子(ソケット)が設けられている。さらに、充電用コネクタ20の接続口は、水平もしくは水平に近い角度を向くように設けられており、これにより接続口から充電用コネクタ20へ雨水などが侵入することによる漏電を抑止している。
【0024】
図4に示すように、給電ガン30は、充電用コネクタ20と連結可能な電力供給用コネクタ31と、作業者が把持するためのハンドル32と、外部電源と接続可能な電源コード33とから構成されている。電力供給用コネクタ31には、充電用ピン41,42、接続検出用ピン43、充電開始停止信号用ピン44、充電制御信号用ピン45、アース用ピン46の6個の接続端子(ピン)が設けられている。これらの各種ピンを充電用コネクタ20に設けられた対応する各種ピンに同時に挿入することによって、充電用コネクタ20と電力供給用コネクタ31とを連結させて、電源コード33を介して外部電源からの電力を充電装置2に供給することができる。
【0025】
ここで、上述のように、充電用コネクタ20の接続口は水平もしくは水平に近い角度を向くように設けられているため、充電処理の際、目線が充電用コネクタ20の斜め上方となる作業者は、充電用コネクタ20の各種接続端子の視認が困難な状態で、各種端子をそれぞれ正確に挿入する作業を行うことになる。しかし、照明13によって充電用コネクタ20およびその周辺が照らされることにより、容易に充電用コネクタ20と電力供給用コネクタ31とを連結させる作業を行うことが可能になる。
【0026】
また、図5に示すように、車両1は、車両1の走行速度を検知するための車速検出器51と、車両1のエンジンの点火装置および電動機の始動装置のスイッチであるイグニッションスイッチ(車両1が電気自動車の場合は、イグニッションスイッチは電動機を作動させる装置のスイッチとしてのみ機能)がオンか否かを検出するためのイグニッション検出器52と、車両1の各ドアのキーがロックされているか否かを検出するためのドアキーロック検出器53と、充電用コネクタ20の充電用ソケット21,22へ電圧が印加されたか否かを検出するための充電開始検出器54と、を有している。
【0027】
そして、外扉開閉検出器50、車速検出器51、イグニッション検出器52、ドアキーロック検出器53、および充電開始検出器54は、発光コントローラ130の入力側に接続されており、各検出信号が発光コントローラ130に入力されるようになっている。また、発光コントローラ130の出力側には照明13が接続されており、発光制御信号および消灯制御信号が照明13に出力されるようになっている。
【0028】
次に、図6を用いて、発光コントローラ130による照明13の発光処理を説明する。なお、図6に示す処理フローは、所定の周期(例えば4ミリ秒)毎に実行される。
【0029】
まず、ステップS11において、発光コントローラ130は、外扉開閉検出器50から開放検出信号が入力されたか否かを判定する。外扉開閉検出器50は、外扉11が開放されている状態において開放検出信号を継続して出力する。すなわち、発光コントローラ130は本ステップにおいて、外扉11が開放されているか否かを判定する。そして、外扉開閉検出器50から開放検出信号を入力されている場合にはステップS12に処理を移し、外扉開閉検出器50から開放検出信号を入力していない場合、すなわち、外扉11が閉鎖されている場合にはステップS17に処理を移す。
【0030】
外扉11が開放されている場合、ステップS12において、発光コントローラ130は、発光制御信号を照明13へ出力して、照明13を発光させる処理を行う。これにより、照明13が発光し、外扉11が半開の状態の時は、光が充電口10の外側に漏れて充電口10の位置を作業者に報知し、外扉11が全開の状態の時は、充電用コネクタ20および周辺を照らして、充電用コネクタ20と電力供給用コネクタ31との連結作業を容易にする。なお、照明13は、消灯制御信号を入力するまで発光を継続する。
【0031】
照明13が発光している場合、ステップS13において、発光コントローラ130は、車速検出器51から車速検出信号を入力した否かを判定する。車速検出器51は、車両1が所定の走行速度(本実施形態では時速5km)以上で走行したことを検出した場合に、車速検出信号を出力する。すなわち、本ステップにおいて、発光コントローラ130は、車両1が時速5km以上で走行しているか否かを判定する。そして、車速検出器51から車速検出信号を入力した場合は、ステップS17に処理を移し、車速検出器51から車速検出信号を入力しなかった場合はステップS14に処理を移す。
【0032】
ステップS14において、発光コントローラ130は、イグニッション検出器52からON信号を入力したか否か、すなわち、イグニッションスイッチがオン状態か否かを判定する。そして、イグニッション検出器52からON信号を入力した場合にはステップS17に処理を移し、イグニッション検出器52からON信号を入力しなかった場合にはステップS15に処理を移す。
【0033】
ステップS15において、発光コントローラ130は、ドアキーロック検出器53からロック操作検出信号を入力したか否かを判定する。ドアキーロック検出器53は、車両1のいずれかのドアのキーがロックされる操作が行われ場合にロック操作検出信号を出力する。すなわち、発光コントローラ130は、車両1のいずれかのドアキーをロックする操作が行われたか否かを判定する。なお、ドアキーロック検出手段は、既にドアキーがロックされている場合はロック操作検出信号を出力せず、ドアキーをロックする操作が行われたことをもって当該検出信号が出力される。そして、ドアキーロック検出器53からロック操作検出信号が入力された場合はステップS17に処理を移し、ロック操作検出信号を入力しなかった場合は、ステップS16に処理を移す。
【0034】
ステップS16において、発光コントローラ130は、充電開始検出器54から充電開始検出信号を入力したか否かを判定する。充電開始検出器54は、電力ラインに電流が流れて充電用ソケット21,22へ電圧が印加されたことを検出した場合に充電開始検出信号を出力し、単に充電用コネクタ20と電力供給用コネクタ31とが連結されたのみでは充電開始検出信号を出力しない。すなわち、発光コントローラ130は、外部電源からの充電が開始されたか否かを判定する。そして、充電開始検出器54から充電開始検出信号が入力された場合はステップS17に処理を移し、充電開始検出信号が入力されなかった場合には、発光処理を終了する。
【0035】
ステップS17において、発光コントローラ130は消灯制御信号を照明13へ出力して、照明13を消灯させる処理を行う。これにより、外扉11が閉鎖されている場合、所定速度以上で車両1が走行している場合、イグニッションスイッチがオン状態である場合、いずれかのドアキーをロックする操作が行われた場合、外部電源からの充電が開始された場合のうちのいずれかである場合は、照明13が消灯する。本処理を終了すると発光処理を終了する。
【0036】
以上のように、外部電源から充電する場合、まず、作業者は車両1の運転席に設けられた充電口開放レバーを操作して外扉11を開放する。当該操作を行うことにより、外扉11が半開するとともに照明13が発光し、半開きの外扉11の隙間から光が漏れて充電口10の位置を夜間や暗闇でも容易に把握できるようになる。
【0037】
次に、作業者は、外扉11を全開にし、さらに内扉12を開放して充電用コネクタ20を露出させて、給電ガン30の電力供給用コネクタと連結させる。このとき、充電用コネクタ20の各ソケットに電力供給用コネクタ31の対応する各ピンを挿入しなければならないが、照明13によって充電用コネクタ20とその周辺が照らされているため、容易に位置決めをして連結させることができる。
【0038】
そして、外扉11が閉鎖された場合、所定速度で車両1が走行した場合、イグニッションスイッチがオンされた場合、ドアキーのロック操作が行われた場合、および充電が開始された場合は、いずれも照明13によって充電用コネクタ20を照らす必要がないとみなすことができるので、照明13を消灯する。これにより、不要な電力の消費を抑制することができ、また、照明13が発光したまま走行することを防止することができる。
【0039】
図7(a)と図7(b)とは、本発明の他の実施形態における充電口10の構成を示すものである。なお、前記実施形態と同様の構成部分については同一の符号を付して示す。
【0040】
図7(a)に示す充電口10には、アウタパネル14と相対する位置であって、充電用コネクタ20と隣接する位置に、照明13aが設けられている。照明13aが発光するとアウタパネル14の内面に向かって光を照射する。アウタパネル14の内側に照射された光は反射して充電用コネクタ20および周辺を照らす。すなわち、照明13から間接照明によって充電用コネクタ20を照らしつつ、アウタパネル14によって充電口10の外側への直接光の照射が遮られるようになっている。
【0041】
図7(b)に示す充電口10には、アウタパネル14の内側であって、充電用コネクタ20と斜め方向に対する位置に照明13bが設けられている。照明13bが発光すると、充電用コネクタ20に斜め方向から直接光が照射されて、充電用コネクタ20とその周辺が照らされる。この場合、照明13bは、充電口10の内側に向かって光を照射することになるので、充電口10の外側へ直接光が照射されることはない。
【0042】
なお、上記の実施形態においては、外扉11の閉鎖、所定速度での車両1の走行、イグニッションスイッチのオン、ドアキーのロック操作、および充電開始のうち、いずれかの条件が成立したときに照明13(照明13a、照明13b)が消灯するようになっている。しかし、これに限らず、例えば、これらの条件のうち複数の条件が成立することを照明13の消灯条件としてもよいし、いずれかの条件が成立してから所定時間が経過してから照明13を消灯するようにしてもよい。
【0043】
また、電力ラインに電流が流れて充電用ソケット21へ電圧が印加されたことを検出した場合に、照明13を消灯するようにしているが(図6のステップS16参照)、これに限らず、例えば、充電が開始されたことを充電装置2や給電ガン30から充電開始を示す通信信号を発光コントローラ130が入力したことを条件に照明13を消灯するようにしてもよい。
【0044】
また、外扉11が開放されたことを条件に照明13が発光するようにしているが(図6のステップS11参照)、これに限らず、その他の条件により照明13が発光するようにしてもよい。例えば、車両用キーレスエントリーシステムの携帯機や運転席、給電ガン30等に設けられた発光用スイッチの操作によって照明13が発光するようにしてもよいし、給電ガン30の接近を条件に照明13が発光するようにしてもよい。
【符号の説明】
【0045】
1 車両
2 充電装置
10 充電口
11 外扉
12 内扉
13 照明
14 アウタパネル
20 充電用コネクタ
30 給電ガン
31 電力供給用コネクタ
32 ハンドル
33 電源コード
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7